Ⅱ-2 エコフィード (3) エコフィード製造の流れ
食品リサイクル法
・再生利用事業者 (登録) ・再生利用事業計画 (認定)
関係する法令等における規制・措置 食品事業者
飼料製造者
・分別(飼料に適さない物の除去)
畜産農家
・管理(専用容器への収納)
・契約(品質確保等)
・契約(品質確保等)
・分別(飼料に適さない物の除去)
・製造
・成分分析、安全性分析
<利用>
・管理(品質確保等)
・家畜への給与
<製造・利用>
・分別(飼料に適さない物の除去)
・製造
・成分分析、安全性分析
・管理(品質確保等)
・家畜への給与
・収集運搬業 (許可) ・処分業 (許可) ・処理施設の設置 (許可)
廃棄物処理法
有価物として取引されない食品残さ等を収集・利用する場合、廃棄物処理法に基づく業の許可が必要。
食品卸・小売業
産業廃棄物
一般廃棄物
醤油粕や焼酎粕等、食品の製造過程で得られる副産物
売れ残り弁当等、食品としての利用がされなかったもの、野菜カット屑等、調理の際に発生するもの
食品残さ等利用飼料における安全性確保のためのガイドライン
食品残さ等の飼料利用における、原料収集、製造、保管、給与等の各過程における管理の基本指針。
食品リサイクル法に基づき、再生利用事業者登録及び再生利用事業計画の認定を受けた場合、廃棄物処理法、飼料安全法及び肥料取締法上の特例措置。
・飼料製造業者、飼料販売業者 (届出) ・飼料製造管理者 (届出)
飼料安全法
飼料の製造販売を行う者(食品事業者で、食品残さを乾燥等加工を施す者を含む)及び食品残さを飼料原料として販売する者は、飼料安全法に基づき届出が必要。 なお、飼料の品質の低下の防止を目的に防かび剤(プロピオン酸等)を添加する場合は、管理者の設置及び届出が必要。
※産業廃棄物、一般廃棄物の それぞれにおいて許可が必要
外食産業
食品製造業
23
エコフィード増産対策
<200(89)百万円>
5. エコフィードの生産拡大
食品残さ等の飼料利用拡大量(最低100㌧)に応じて3千円/㌧を助成
活用が進んでいない食品残さ等の飼料利用を拡大した場合は上乗せ支援
① 分別の実施 : 分別した食品残さ等を、飼料として利用拡大した数量に応じて6千円/㌧を助成。
② 含水率の低下 : 食品事業者が自らの事業場で含水率を低下させた食品残さ等を、飼料として利用拡大した数量 に応じて1千円/㌧を助成。 ③ 栄養成分分析等の実施 : 栄養成分が未知又は変動する食品残さ等及びそれを活用して生産したエコフィードの 成分分析、家畜消化性調査等を実施する取組に対し、食品残さ等の利用拡大量に応じて45千円/10㌧を助成。 ④ 国産飼料作物等との混合 : エコフィードに国産飼料作物等を混合する取組に対し、国産飼料作物等を利用拡大した 数量に応じて1千円/㌧を助成。 ⑤ 他の再生利用手法との一体的なリサイクルの実施 : 分別後の飼料化不適物を一体的に収集し、飼料化を主体とし
た複合リサイクルを実施する取組に対し、食品残さ等の利用拡大量に応じて4.5千円/10㌧を助成。
上記の取組に必要な機材をリース導入する際に、取組実施期間中のリース料金の1/2を助成
2. 地域未利用資源の飼料化の確立
食品残さ等の飼料化を実現するために必要な実証試験を支援。
飼料化実証試験の結果等の情報を一元化して公開するためのシステムの構築を支援。 エコフィードを利用した畜産物のブランド化等の先進事例を普及する取組を支援。
1. 食品残さ等の適切な分別の普及
食品産業を対象に、食品残さ等を飼料化するための分別方法を普及する取組を支援。 食品残さ等の分別の実施による食品産業のコスト分析を行う取組を支援。
3. 食品残さ等の飼料化技術の向上 飼料として要求される安全性や品質の確保・改善が図られるよう、 エコフィードの生産技術を向上させるための指導を支援。
4. 食品残さ等の飼料利用体制の構築 関係者の連携により、食品残さ等の飼料利用体制を構築する取組を支援。
体制構築支援
生産 支援
技術 支援
Ⅱ-2 エコフィード (4) エコフィード増産対策
24
機密性○情報
○○限り
有限会社ブライトピック千葉 溝原工場 (千葉県旭市)
㈲ブライトピック千葉溝原工場では、食品メーカーの製造副産物、スーパーコンビニの未利用食品、及び地域で生産された飼料米、サツマイモ等の農産物を利用して液状飼料を生産。海外原料が主体の配合飼料を代替することにより、飼料自給率向上の取組を推進。
食品
事業者
有限会社ブライトピック千葉 溝原工場
食品
事業者
牛乳・飲料類、パン類、麺類、菓子類、惣菜類、野菜類、飼料米、サツマイモ等 原 料
エコフィード製造方法 乳酸発酵方式 エコフィードタイプ 発酵液状飼料
原料収集量 43,000トン/年(24年度) 原料収集先 食品製造工場・食品小売店・地域耕種農家等 約200社(戸)
エコフィード製造量 66,000トン/年(24年度) エコフィードの利用畜種 豚(肥育豚)
エコフィードの譲渡先 自社、及びグループ生産者(2社)
①〈搬入口〉
農場
〈トラックで収集〉
〈ローリーで農場へ運搬〉
〈リキッド飼料〉
↑〈フルーツ残さ〉
③〈液体飼料と混合〉
②〈異物除去、粉砕〉
④〈乳酸発酵〉
↑〈生地残さ〉
お問い合わせ先 0467-77-2413(鹿股参与)
(エコフィード認証取得)
事 例 Ⅱ-2 エコフィード (5) 畜産業者によるエコフィード生産・利用の取組
25
機密性○情報
○○限り
(株)日本フードエコロジーセンター (神奈川県相模原市)
関東近郊の170件以上の食品事業者において分別管理された食品残さを収集し、養豚用の発酵リキッド飼料を製造。
単なるリサイクルの推進ではなく、高付加価値の豚肉生産を目的としており、生産した豚肉を食品残さを排出した食品事業者等で販売するという地域循環畜産の「環」を構築。
学校給食残さも活用し、生産した豚肉を学校給食として提供する取組の実施により、食育の推進にも貢献。
原 料 食品製造副産物(製パン屑、製麺屑等)、余剰食品(米飯、牛乳等)、調理屑(野菜屑等)
エコフィード製造方法 粉砕・混合・加熱・発酵 エコフィードタイプ 発酵リキッドフィード
原料収集量 10,000トン/年 原料収集先 食品製造工場、百貨店、スーパー、外食産業、給食センター 等
エコフィード製造量 14,000トン/年 エコフィードの利用畜種 豚
エコフィードの譲渡先 養豚農家16戸
事 例
食品産業
食品工場やスーパー等の食品 産業から食品残さを受け入れ
・ バーコードにより食品資源の排出者、種類、量に関する情報を把握し、それをもとに製造飼料の配合を設計。
・ 乳酸菌発酵をさせ、液状飼料(リキッドフィード)に調整(24~48時間)。
(株)日本フードエコロジーセンター
タンクローリー車で農家まで運搬
生産された豚肉は、食品残さを排出した食品産業を中心に販売 養豚農家
搬入 破砕 異物除去 加熱・発酵
発酵リキッド飼料
・ 国産の安価な飼料として利用できるため、飼料コストを削減。
・ リキッド飼料の給与により、粉塵の発生が減少し、呼吸器系疾患が減少。
Ⅱ-2 エコフィード (6) 飼料化(再生利用)業者によるエコフィード生産・供給の取組
26
Ⅲ 豚の飼養衛生管理の高度化に関する 事項
1 家畜衛生管理 2 家畜排せつ物の処理・利用
27
食品供給行程の各段階における適切な措置により食品の安全性を確保 (と畜場法・食品衛生法)
○枝肉・部分肉・加工品の微生物汚染・増殖防止
○病畜の廃棄(全部又は一部)
○枝肉の微生物汚染・増殖防止
勧
告
指導・助言
命
令
罰
則
都道府県による飼養衛生管理基準の遵守状況の確認
と畜場・食鳥処理場 食肉・食鳥処理・加工場 卸売・小売業者 消費者
遵守状況の
定期報告
命令違反者に対しては…
○ 家畜の飼養衛生管理基準の設定
1 家畜防疫に関する最新情報の把握
2 衛生管理区域の設定
・徹底した衛生管理が必要な区域を他の区域と区分
3 衛生管理区域への病原体の持込み防止
・不要不急な者の立入りの制限
・消毒設備の設置と入場車両・入場者に対する消毒の実施
4 野生動物等からの病原体の感染防止
・給餌・給水設備への野生動物の排せつ物等の混入防止
5 衛生管理区域の衛生状態の確保
・畜舎・器具の定期的な清掃又は消毒及び密飼いの防止
6 家畜の健康観察と異状がある場合の対処
・毎日の健康観察と異状時の早期通報・出荷停止
7 埋却地の確保等
・埋却地の確保又は焼却・化製のための準備
8 感染ルート等の早期特定のための記録作成・保存
・入場者に関する記録の作成・保存
9 大規模所有者に関する追加措置
・家畜保健衛生所と緊密に連絡を行う担当獣医師の設置
・通報ルールの作成
原則として
年1回以上
農場へ立入検査
農場における衛生管理の徹底(家畜伝染病予防法)
Ⅲ-1 家畜衛生管理 (1) 家畜伝染病予防法に基づく飼養衛生管理基準の設定
○農林水産大臣が、豚などの家畜について、その飼養に係る衛生管理の方法に関し、家畜の所有者が遵守すべき基準(飼養衛生管理基準)を定めるとともに、家畜の所有者に当該基準の遵守を義務付け(平成23年10月~)、家畜の伝染性疾病の発生を予防。
○飼養衛生管理の徹底は、食品の安全性を確保するための生産段階における取組ともなる。
28
PED(豚流行性下痢)対策
1.防疫対策の徹底
(1)疾病発生時の対応のあり方等を明記
した防疫マニュアルの作成
(2)飼養衛生管理の徹底
(3)早期通報の徹底のため、農家が獣医
師等の診療・指導を受けるべきかに
ついての基準の明確化
(4)発生状況の報告徴求や消毒の徹底
等の防疫措置を強化する「特別防疫
対策地域」の指定
2.ワクチンの円滑な供給
3.感染経路の究明
4.発生農家の経営安定対策
【今後の対応の主なポイント】 【週毎の新規発生確定件数の推移】(9月28日現在)
○発生状況(H25.10~H26.8)
発生県:38道県 発生戸数:817戸 発生頭数:約123万千頭 死亡頭数:約37万6千頭
○発生状況(H26.9~)
発生県:1県 発生戸数:1戸 発生頭数:392頭 死亡頭数:0頭
(戸)
○平成25年10月我が国で7年ぶりに発生が確認された後、全国的に発生が拡大し、平成26年8月末までに、38
道県817戸で発生が確認。5月下旬以降、発生は減少傾向。平成26年9月以降は1県1戸で発生。
○本病に感染した場合、成長した豚であれば症状が見られない、又は回復するが、体力のない哺乳豚では高率な
死亡が見られる場合がある。
○本病対策として、飼養衛生管理の徹底、子豚の損耗を減少させるワクチンの適切な使用等が重要。
○今後、感染経路究明や防疫マニュアルの作成等を通じて的確な防疫体制を整備し、本病対策を強化。
Ⅲ-1 家畜衛生管理 (2) PED(豚流行性下痢)対策
29
Ⅲ-1 家畜衛生管理 (3) 農場段階におけるHACCP方式を活用した衛生管理の推進
農家毎の実施マニュアル作成 ・危害因子調査 (サルモネラ菌・大腸菌O157・抗菌性物質等) ・危害分析(HA) ・重要管理点(CCP)の設定 ・実施マニュアルの作成 実践
HACCPの考え方に基づく衛生管理の実施
農場モニタリング検査・改善指導
消費者の求める安全な畜産物の生産
畜産物に対する消費者の信頼確保 と畜検査情報等の
フィードバック
【衛生管理ガイドライン】 HACCPの考え方に基づき、危害を制御又は減少させる手法について畜種ごとに設定。
【鶏卵のサルモネラ総合対策指針】 衛生管理ガイドラインのうち、鶏卵のサルモネラ汚染をコントロールするための指針。
HACCP方式取組農家 取組農家戸数:4,748 (平成25年度)
認証制度の構築
農場指導員
検証
適切な衛生管理の見直し
認証機関数:2 (平成26年3月時点)
認証農家戸数:45
(平成26年8月時点)
・認証基準の普及:衛生管理を行う場合のチェックポイントの整理
・農場指導員の養成:実施マニュアル作成等を指導し認証取得を促進
○農家段階におけるHACCPの考え方を取り入れた「衛生管理ガイドライン」を策定(平成14年度)。
○家畜保健衛生所、生産者、畜産関係団体、獣医師等地域が一体となった生産段階へのHACCP手法導入を推進。
○農場指導員を養成するとともに(平成20年度~)、生産から加工・流通、消費まで連携した取組への支援を実施 (平成21年度~)。
○HACCPの考え方に基づく衛生管理が行われている農場の認証基準を公表(21年度)するとともに、認証制度の 構築を推進。
○民間での農場HACCPの認証手続きが開始(平成23年度~)。
30
○家畜排せつ物(牛・豚・鶏のふん尿)発生量は年間約8,300万トン。 このうち27%に当たる約2,200万トンが豚から発生。
○平成24年12月1日時点で、家畜排せつ物法の管理基準対象農家49,236戸のうち99.98%が管理基準に対応済み。 管理基準対象農家の9%に当たる4,515戸が養豚農家。
○
資料:農林水産省「畜産統計」などから推計
畜 種 発生量
乳用牛 約2,357
肉用牛 約2,442
豚 約2,238
採卵鶏 約 745
ブロイラー 約 514
合 計 約8,295
○畜種別にみた家畜排せつ物発生量(単位:万トン)
○畜種別家畜排せつ物量発生量(kg/頭(羽)・日)
搾乳牛
肉用種(2歳以上)
肥育豚
採卵鶏(成鶏)
(参考資料)
○家畜排せつ物発生量の推移
○家畜排せつ物処理の流れ(乳用牛つなぎ牛舎事例)
8,000
8,250
8,500
8,750
9,000
9,250
9,500
11年 15年 19年 20年 21年 22年 23年 24年 25年
発生量(万トン/年)
ふん:45.5 ●尿:13.4
ふん:20.0 ● 尿:6.7
ふん:2.1 ●尿:3.8
ふん:0.136
資料(一財)畜産環境整備機構【家畜ふん尿処理・利用の手引き】
資料:築城幹典・原田靖生:我が国における家畜排泄物発生の実態と今後の課題、 ●●1環境保全と新しい畜産、農林水産技術情報協会、15-29(1997)
ふん:0.136 ●尿:3.8
Ⅲ-2 家畜排せつ物の処理・利用 (1) 家畜排せつ物の発生状況と施設整備状況
畜産農家
87,594( 戸)
管理基準対象農家
49,236(戸)
簡易対応
3,295(戸)
6.7%
その他の方法 ※
1,669(戸)
3.4%
管理基準適合農家
49,228(戸)
99.98%
管理基準不適合農家
8(戸)
0.02%
※
1:「その他の方法」には、畜舎から
ほ
場への直接散布、周年放牧、
廃棄物処理としての委託処分、下水道利用等が含まれる。
施設整備
44,264(戸)
89.9%
○法施行状況調査結果概要(平成24年12月1日現在)
管理基準対象外農家
38,358( 戸)
43.8%
管理基準対象農家
49,236(戸)
56.2%
※1:「その他の方法」には、畜舎からほ場への直接散布、周年放牧、 ○○廃棄物処理としての委託処分、下水道利用等が含まれる。
※2:集計困難な一県を除く
畜種 発生量 割合
乳用牛 約2,357 (28.4%) 肉用牛 約2,442 (29.4%)
豚 約2,238 (27.0%) 採卵鶏 約745 (9.0%)
ブロイラー 約514 (6.2%) 合計 約8,295
資料:農林水産省「畜産統計」などから推計
資料:畜産企画課調べ
注:各年、2月時点の推計値
31
機密性○情報
○○限り
悪臭関連
1,316件(61.0%)
水質汚濁関連
482件(22.4%)
害虫発生99件(4.6%)
その他259件(12.0%)
(2)-① 畜産環境問題
○畜産経営の大規模化と宅地との混住化等により、悪臭等環境問題が顕在化。
○苦情発生戸数は減少傾向にあるものの、苦情発生率(苦情発生戸数/畜産農家戸数)は微増傾向。
○畜産経営に起因する苦情発生総件数2,156件のうち約6割が悪臭関連、次いで水質汚濁関連。 ○悪臭防止法による規制基準には、人の感覚に近く、より苦情発生にリンクする臭気指数規制を導入する地方自治 体が増加。
Ⅲ-2 家畜排せつ物の処理・利用
戸数
○ 臭気指数導入自治体数の推移
○
0.0%
0.5%
1.0%
1.5%
2.0%
2.5%
3.0%
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
19年 20年 21年 22年 23年 24年 25年
苦情 発生率
平成16年度
229市区町村
平成24年度428市
町区村
※ 棒グラフ:苦情発生戸数 線グラフ:苦情発生率
資料:環境省【悪臭防止法施行状況調査】
悪臭関連,
1,316件(61.0%)
水質汚濁関連,
482件(22.4%)
害虫発生,99件(4.6%)
その他,259件(12.0%)
※苦情発生総件数は、水質汚濁関連及び悪臭関連は水質汚濁や悪臭以外の環境汚染(害虫発生等)を併発しているものも含むため、苦情発生戸数(1,970)とは一致しない
資料:畜産企画課調べ
○ 畜産経営に起因する苦情の発生状況
※苦情発生総件数:
2,156
① 特定悪臭物質規制
・悪臭の原因となる物質を特定悪臭物質としてて指定し、その物質の濃度について規制基準準を設定。
・アンモニア、硫化水素など、22物質
② 臭気指数規制
・臭気指数規制は、近年の悪臭苦情に対応応した規制として平成7年に導入。
・臭気指数とは、人間の嗅覚を用いて悪臭臭の程度を数値化したもの。
○ 悪臭防止法 規制基準
①特定悪臭物質の濃度による規制 、②臭気指数(嗅覚測定法による基準)による 1規制(都道府県知事等が①、②いずれかの規制手法を選択)
平成24年度
428市区町村
うち豚406件 (悪臭関連の30.9%)
うち豚204件 (水質汚濁関連の42.3%)
32
○
○畜産経営に起因する苦情の内容別発生状況(平成25年度)
(単位:戸、(%))
区 分 悪臭関連 水質汚濁関
連 害虫発生 そ の 他 計
乳用牛 391 120 18 101 580
肉用牛 223 94 14 63 364
豚 406 204 12 46 587
鶏 242 50 51 24 348
その他 54 14 4 25 91
計 1,316 482 99 259 1,970
構成(%) 61.0 22.4 4.6 12.0 100.0
○苦情の発生戸数を畜種別にみると、主な苦情の内容である悪臭及び水質汚濁関係ともに豚及び乳用牛が多い。
○これを、農家戸数の割合でみると、豚が最も多く、次いで鶏の順であり、これら中小家畜の環境対策が特に大きな
課題。
○畜種別の苦情発生割合(平成25年度)
農家戸数 苦情発生戸数
区分 うち悪臭苦情発生
戸数
(戸) (戸) (%) (戸) (%)
① ② ②/① ③ ③/①
乳用牛 18,600 580 3.1% 391 2.1%
肉用牛 57,500 364 0.6% 223 0.4%
豚 5,270 587 11.1% 406 7.7%
鶏 4,940 348 7.0% 242 4.9%
(2)-② 畜産経営に起因する苦情発生状況
資料:畜産企画課調べ、畜産統計(H26.2.1現在) 注:「鶏」の飼養戸数は採卵鶏とブロイラー戸数の合計
資料:畜産企画課調べ 注1:複数の要因で苦情を受ける農家もあり、各要因の戸数の合計は総数とは一致しない。 ○2:苦情内容の「その他」は、ふん尿の流出、騒音等である。
Ⅲ-2 家畜排せつ物の処理・利用
33
○現在では、コストを惜しまず、ウインドレス畜舎等で密閉化して空気を制御できれば、十分な臭気低減は可能。 ○光触媒脱臭装置、土壌脱臭装置、軽石脱臭装置等様々な臭気低減技術が開発され、それぞれの飼養環境に応じ
て、悪臭の発生段階別対策を体系的に講じる最適管理手法などを開発中。 ○万能な方法はないので、周辺住民の理解を得ながら、畜産環境アドバイザー等の活用により、畜種、飼養方法・周 辺環境などに応じた低コストで効果的な対策を実施することが重要。 ○様々な対策を講じてもなお困難な場合には、最後は移転若しくは規模縮小や廃業を選択せざるを得ない状況。
(2)-③ 悪臭対策の現状
【光触媒脱臭装置】
【技術開発】 ○様々な飼養環境に応じて、悪臭の発生段階別対策を 体系的に講じる最適管理手法(BMP)の策定 ○ミストによるダスト拡散防止方法 ○窒素量を減らす低タンパク質や飼料給与量の削減 ○悪臭低減微生物の活用
玉石、砂、土を重ねた土層に、下方から臭気ガスを通過させて、土壌の吸着能力と土壌微生物の働きにより脱臭。
【土壌脱臭装置】
【軽石脱臭装置】
○
A 県 養豚場の悪臭で、市議会が悪臭問題特別委員会を設置。悪臭防止法違反で行政指導。平成25年3月末で経営を中止。今後、畜産経営を継続するため、移転先を模索中。
B 県 養豚農家は、悪臭問題で、飼養頭数を減らして対応するものの解決しないことから、農家は移転を希望。現在、移転先を模索中。
C 県 養豚場の悪臭について住宅地からの苦情。脱臭装置設置又は移転を検討。
○ 悪臭問題に起因して移転等を検討している事例
【土壌脱臭装置】
A農場養豚場の悪臭で、市議会が悪臭問題特別委員会を設置。悪臭防止法違反で行政指導。平成25年3月末で経営を中止。今後、畜産経営を継続するため、移転先を模索中。
B農場 養豚農家は、悪臭問題で、飼養頭数を減らして対応するものの解決しないことから、農家は移転を希望。現在、移転先を模索中。
C農場 養豚場の悪臭について住宅地からの苦情。脱臭装置設置又は移転を検討。
D農場 養豚場の悪臭について住宅地からの苦情。事業者は悪臭対策を講じているところであるが、抜本的な改善には至っていない。
A農場養豚場の悪臭で、市議会が悪臭問題特別委員会を設置。悪臭防止法違反で行政指導。平成25年3月末で経営を中止。今後、畜産経営を継続するため、移転先を模索中。
B農場 養豚農家は、悪臭問題で、飼養頭数を減らして対応するものの解決しないことから、農家は移転を希望。現在、移転先を模索中。
C農場 養豚場の悪臭について住宅地からの苦情。脱臭装置設置又は移転を検討。
D農場 養豚場の悪臭について市の連合町内会が、都道府県知事あてに改善を求める嘆願書を提出。。
A農場 養豚農家は、悪臭問題で、飼養頭数を減らして対応するものの解決しないことから、農家は移転を希望。現在、移転先を模索中。
B農場 養豚場の悪臭について住宅地からの苦情。脱臭装置設置又は移転を検討。
C農場 養豚場の悪臭について市の連合町内会が、都道府県知事あてに改善を求める嘆願書を提出。
Ⅲ-2 家畜排せつ物の処理・利用
34
機密性○情報
○○限り
○周辺環境に配慮することは事業者の責務であるが、家畜排せつ物処置施設の設備投資は、非採算部門で あること、かつ非常に高いコストがかかることから、経営体には大きな負担となる。 ○畜産経営から排出される汚水には窒素やリン等が多く含まれ、公共用水域等に流出した場合には、水質汚 濁の原因ともなる。 ○このため、水質汚濁防止法により、一定規模以上の畜産事業所から排出される汚水については、所定の水 質を満たすよう処理を行うことが義務付けられている。 ○事業者は、排出水について、1年に1回以上、特定施設の設置に係る届出事項(硝酸性窒素等については日 排水量に関わらず、特定施設の設置の届出の対象)について、公定法により測定し、その結果を記録・保存 する必要。 ○硝酸性窒素等(一般排水基準:100mg/l)については、平成25年7月1日以降、新たな暫定排水基準 (700mg/l)が適用(28年6月末日まで)。将来的には一般排水基準へ。
畜産業に関する水質規制
(2)-④ 畜産経営に関連する排水対策
内湾に河川等を通じて排水が流入する地域の豚房施設に係る排水基準のうち窒素・りんについては、暫定排水基準が適用(平成30年9月末まで)。
〈畜産関係の対象施設〉 豚の総面積 50㎡以上 牛房の総面積 200㎡以上 馬房の総面積 500㎡以上
Ⅲ-2 家畜排せつ物の処理・利用
35
機密性○情報
○○限り 利用の推進
メタン発酵
ガス化 発電
廃棄物 (木質以外)
燃焼発電
未利用
木材燃焼発電
一般木材等
燃焼発電
リサイクル木材燃焼
発電
買取価格 (円/kwh)
39円
17円
32円
24円
13円
買取期間 20年間
○H26年度買取価格(税抜)・買取期間について(バイオマス分野)
※ 買取価格は、調達価格等算定委員会の意見を踏まえ、1年度ごとに見直し
※ ただし、一度売電が開始された場合は、特定契約中の価格に固定
利用の推進
○ ふん尿をメタン発酵させメタンガスを燃焼させて発電 ・ ふん尿の性状から酪農及び養豚向き ・ 消化液を還元できる草地を持つ北海道酪農家に多い。
発酵発電施設 81
FIT認定施設数 62
焼却発電施設 8
FIT認定施設数 5
【メタン発酵による発電】 【鶏ふん等の直接燃焼による発電】
○ 鶏ふん等をボイラーで直接燃焼し発電 ・ 直接燃焼のため水分の少ない鶏ふん利用が主 ・ 複数の農家の鶏ふん等を処理するため、民間企業が主
○平成24年7月より、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づく再生可能 エネルギー固定価格買取制度(FIT)が開始されたことに伴い、家畜排せつ物を利用した発電施設の整備が増加。
○畜種による家畜排せつ物の性状等から、酪農、養豚はメタン発酵、養鶏は直接燃焼が主流。
○FITでは、標準的なコスト(設備投資や保守経費など)をまかなえる価格での買取を一定期間保証(20年間)。
○メタンガス発酵による発電に係る収支(D農場設定の試算)
【施設概要】 発電出力:50Kw(H25年設置) ●●●●●●●原料:乳牛ふん尿等:約14.7t/日 ●●●●●●●(飼養頭数:経産牛170頭、育成牛111頭) ●●●●●●1総事業費:155百万円 ●●●●●●1発電量:約40万Kwh/年 ○収支 年間維持管理費:15.8百万円(減価償却費含む) 年間売電額:16.6百万円(全量売電)
年間利益:0.8百万円
H26.6 H26.6
※ 今後稼働予定の施設を含む ※ 今後稼働予定の施設を含む
○ ふん尿をメタン発酵させメタンガスを燃焼させて発電 ・ ふん尿の性状から酪農及び養豚向き ・ 消化液を還元できる草地を持つ北海道酪農家に多い ・ ふん尿を密閉状態で処理するため臭気対策にもなる
平成24年7月より、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づく再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)が開始されたことに伴い、家畜排せつ物を利用した発電施設の整備が増加。
畜種による家畜排せつ物の性状等から、酪農、養豚はメタン発酵、養鶏は直接燃焼が主流。 設備投資や保守経費などを考慮した買取価格の設定がなされ、買取価格は20年間据置。 買取価格の今後の決定にあたっては、基本的には引き下げ方向で検討される見込み。
平成24年7月より、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づく再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)が開始されたことに伴い、家畜排せつ物を利用した発電施設の整備が増加。
畜種による家畜排せつ物の性状等から、酪農、養豚はメタン発酵、養鶏は直接燃焼が主流。 FITでは、標準的なコスト(設備投資や保守経費など)をまかなえる価格での買取を一定期間保証(20年間)。 買取価格の今後の決定にあたっては、基本的には引き下げ方向で検討される見込み。
うち豚は13
Ⅲ-2 家畜排せつ物の処理・利用 (3) エネルギー利用の推進
焼却発電施設 8
FIT認定施設数 5
【鶏ふん等の直接燃焼による発電】
○豚ふん尿を用いたメタンガス発酵施設の収支
○収支(※) 収入: 93百万円(処理料、売電収入(16百万円)等含む) 支出: 85百万円(人件費、減価償却費含む) 年間利益:8百万円
H26.6
※ 今後稼働予定の施設を含む
○
【参考】
※過去の収支にFITによる売電の収入を加えて試算
【施設概要】 発電出力:340kw(H18年設置) 原料:豚ふん尿等:約80t/日(うち豚ふん尿は50t/日) 総事業費:955百万円 発電量:約200万kwh/年(うち38 万kwhをFITで売電)
○ 鶏ふん等をボイラーで直接燃焼し発電 ・ 直接燃焼のため水分の少ない鶏ふん利用が主 ・ 複数の農家の鶏ふん等を処理するため、民間企業が主
36
Ⅳ 安全で安心して消費することができる 豚肉の生産の促進及び消費の拡大に 関する事項
1 品種改良 2 豚肉トレーサビリティ
3 畜産物の高付加価値化に向けた取組 4 豚肉の消費拡大・理解醸成の取組
37
機密性○情報
○○限り Ⅳ-1 品種改良
○種豚改良については、家畜改良増殖目標に基づき改良を推進してきたが、生産コストの低減にもつながる繁殖能力 (1腹当たりの育成頭数)については、豚肉輸出国に比べ大きく遅れをとっている状況。
○種豚改良を効率的に進めるためには、環境要因を排除した遺伝的能力評価に基づいた改良を進めていくことが必要。
○しかしながら、国内の繁殖形質の遺伝的能力評価については、バークシャー種以外は一部の地域内評価とどまって おり、広域的な遺伝的能力評価体制の構築及び能力評価を活用した種豚の選抜・利用を図ることが課題。
平均的なDG※
(20g【父豚】+10g【母豚】)÷2=15g
子豚の平均的な遺伝的能力は、
両親から半分ずつ伝わった能力の和
DG※+20g
DG※ +10g
遺伝的能力は、測定値から環境の影響を除いた、生まれながらにして持つ能力。
バークシャー種
ランドレース種
大ヨークシャー種
デュロック種
繁殖形質 全国評価
農場内評価
地域内評価(県内評価:群馬、沖縄)
地域内評価(血縁グループ内評価:栃木)
産肉形質 農場内評価
注1:全国評価(全国どの個体同士でも育種価が比較可能
2:地域内評価(該当する地域内であれば育種価が比較可能)
3:農場内評価(農場内の個体であれば育種価が比較可能
(3)遺伝的能力評価の状況
(2)遺伝的能力評価の概要
日本
米国
カナダ
デンマーク
年間分娩回数(回)(a) 2.20 2.37 2.32 2.27
年間離乳頭数(頭)(b) 20.20 24.94 23.59 29.62
1腹当たり育成頭数 (b)/(a)
9.20 10.50 10.20 13.00
(1)豚の繁殖能力の国際比較
資料:日本については、(一社)日本養豚協会「養豚基礎調査(平成21年度)」
諸外国のデータについては、BPEX 「2012 Pig Cost of Production in Selected Countries」
-0.2
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
育種価
(
頭)
生産年度
バークシャー種 ランドレース種 大ヨークシャー種 デュロック種
(参考)「生産頭数」の平均育種価の推移
資料:(独)家畜改良センター ※DG=Daily Gain(1日増体量) 38
(繁殖能力)
• 経営コストの削減につながる産子数などの繁殖能力の改良はあまり進んでおらず、諸外国に遅れをとっている状況
(産肉能力:飼料利用性)
• 産肉能力については、一定の改善が見られるが、輸入穀物価格が高騰する中、飼料コストの低減につながる飼料要求率は微減
(産肉能力:産肉性) • ロース芯や背脂肪については、目標の水準を維持
(繁殖能力)
• 遺伝率が低く改良が難しい面がある中での効率的な育種・改良の手法の検討
(産肉能力:飼料利用性)
• 産肉データの信頼性を高めるための、直接検定頭数の増大の必要性
(産肉能力:産肉性)
• 多様な消費者ニーズへの対応
現 状 課 題
(改良手法:遺伝的能力評価)
• 全国統一的な遺伝的能力評価が行われておらず、農家内、地域内の評価にとどまっている状況(バークシャー種の繁殖形質を除く)
• 現在の改良体制は、国の機関・都道府県・民間がそれぞれ豚の育種改良を行っており、効率的な育種改良が行われていない状況
(改良手法:人工授精、DNA解析等)
• 大規模経営を中心に人工授精の導入が進展。中小規模の経営でも人工授精の実施は増加傾向にあるものの、自然交配が主体。また、豚の育種改良を効率的に行うため、一部で遺伝子解析技術を活用した改良が行われているが、普及には至っていない状況
(飼養管理:国産飼料の利用促進等)
• 養豚農業振興法案が検討されている中、更なる国産飼料(飼料用米、エコフィード)の利用促進が求められているところ
• 豚の快適性に配慮した飼養管理のガイドラインを作成
(飼養管理:衛生対策) • 全国的にPEDの発生が広がる中、より深刻な家畜疾病が侵入した場
合、養豚経営に大きな影響を及ぼすこととなり、再生産が困難となる可能性
(改良手法:遺伝的能力評価)
• 広域的な遺伝的能力評価体制の構築及び能力評価を活用した種豚の選抜・利用の推進
• 官民の役割分担の明確化と連携強化 • 優良な育種素材の有効活用 (改良手法:人工授精、SNP情報等) • 人工授精の普及とこれを通じた広域的な種豚の活用の促進
• SNP情報を活用した改良の実用化に向けたデータの収集・分析と信頼性の確保
(飼養管理:国産飼料の利用促進等)
• 国産飼料の安定的な供給・利用体制の確立(特に飼料用米については、耕種農家とのマッチング等)
• 我が国の飼養実態を踏まえた、豚の快適性向上への対応 (飼養管理:衛生対策) • 飼養衛生管理基準の遵守徹底、農場HACCPの推進。
• 各農場の経営形態にあった衛生対策の実施。経営者における防疫意識の向上。
豚:現行(第9次)家畜改良増殖目標に係る現状と課題
【能力に関する改良目標】
【家畜能力向上に資する取組】
【能力に関する改良目標】
【家畜能力向上に資する取組】
(参考)
39
機密性○情報
○○限り
日本養豚協会が進める豚及び豚肉トレーサビリティ
並びに生産情報の公表(基本設計)
豚トレーサビリティ (生産者による今後の取組み) + 豚肉 トレーサビリティ (各事業者間の連携によるチェーントレーサビリティ)
一般社団法人 日本養豚協会
生産者による豚の生産情報の記録・保管と公表
生産農場
と場・食肉セ
ンター
流通・消費サイドに向けた取組 ■流通関係者に農場番号の活用と記録・伝達を要請 ■消費者に生産者の取組み情報を提供し理解醸成
食肉加工卸売
業者
小売業者
農場番号
生産者サイドで飼育している豚の生産情報の記録・保管・公表に取組むとともに、これらの情報を 国産豚肉トレーサビリティと組合わせることで、国産豚肉に対する信頼を高め、安心感を醸成する
農場情報(農場名、農場番号、住所、電話番号、 メールアドレス等の所在地情報)の管理と公表
消費者
農場番号 農場情報
農場トレーサビリティ(豚トレサ)を実施
するため基本的な出荷情報等の記録・
保管
豚の生産情報の記録・保管
(情報の公表は、農場毎の判断) ・飼養管理情報
・衛生管理情報
・銘柄豚等の付加情報
農場毎に番号を付与
農場番号
農場番号の活用・伝達
記録・保管の協力依頼
JPPA会員は約2千戸(国内生産者6千戸の1/3)であるが、会
員外の農家にも本取組への参加を要請し、最終的には全生産者の取組みを目指す。
生産者サイドの取組
1 生産者は豚の生産情報を記録・保管 2 協会は国内の農場に番号を付与し、所在地情報を管理 +情報公開が可能な生産者はHP等を活用し生産情報 を公表 3 情報の活用策:種豚の育種改良
農場番号の活用・伝達
記録・保管の協力依頼
農場番号の活用・伝達
記録・保管の協力依頼
○平成25年度から豚トレーサビリティシステム活用対策事業を実施し、豚肉の生産に係る情報の提供によりブランド 力や消費者の信頼向上を図るための取組を支援。 ○現在、国の支援を受けた養豚生産者団体により、農場番号から生産農場の情報が検索できる農場検索システム のモデル的な取組や情報伝達に係る実証を行っているところ。 ○併せて、関係者への理解醸成、生産者の参加拡大及び普及を図っているところ。
Ⅳ-2 豚肉トレーサビリティ
40
やまと豚米らぶ ■ 畜産経営:フリーデン(養豚、神奈川県平塚市 (岩手県大東農場)) ■ 飼料用米生産:岩手県一関市(主に大東地区) ■ 畜産物販売者:阪急オアシス(関西)、 明治屋・ヨシケイ埼玉(関東) ■ 特 徴: 中山間地域の休耕田で生産する飼料用米を軸に、 水田と養豚を結びつけた資源循環型システムを確立。 飼料用米を15%配合した飼料を給与し「やまと豚米らぶ」
として販売。
こめ育ち豚 ■ 畜産経営:平田牧場(養豚、山形県酒田市) ■ 飼料用米生産:山形県遊佐町、酒田市 栃木県那須塩原市、宮城県加美町 等 ■ 畜産物販売者:生活クラブ生活協同組合 等 ■ 特 徴: 産直提携で平成8年から実験取組を開始。 平牧三元豚で10%、金華豚で15%飼料用米を配合 した飼料を給与。
まい
Ⅳ-3 畜産物の高付加価値化に向けた取組
6
○ 飼料用米の利活用に際しては、単なる輸入とうもろこしの代替飼料として利用するのみならず、その特徴を活かして畜産物の高付加価値化を図ろうとする取組が見られている。
○ 国産飼料であることや水田の利活用に有効であること等をアピールしつつ、飼料用米の取組に理解を示す消
費者層等から支持を集めつつある。
41
畜産物に対する国民理解の確保に関する取組 多様化するニーズに対応した豚肉生産に関する取組
消費者が生産者、食肉処理場等を訪問する産地交流会や農業祭を通じて、生産情報を消費者に提供することにより、畜産物に対する理解醸成を図る。
消費者に対して、食肉に関する正しい知識及び情報を提供するため、パンフレットの配布や「お肉検定」を実施。
<消費者向けパンフレット>
○産地交流会、農業祭の開催
○食肉に関する正しい知識の普及活動
○イベント等を通じての理解醸成活動の実施
首都圏及び地域でのイベントにおいて、国産豚肉等の展示や試食、消費者へのアンケート等を実施。
○取組事例 ①
国産豚肉の試食及びアンケートにより、消費者のニーズを分析するとともに、飼料用米を給与した豚肉の官能試験を実施することにより、特色ある豚肉の流通の拡大を図る取組を支援。
○取組事例 ②
生産、加工、流通及び販売業者が一体となって、国産豚肉の高付加価値化に取り組み、国産豚肉の消費拡大を図る取組を支援。
Ⅳ-4 豚肉の消費拡大・理解醸成の取組
42
Ⅴ その他豚肉の流通の合理化及び 品質表示の普及その他
1 食肉(豚肉)流通の合理化
2 生鮮畜産物(豚肉)の表示
43
280 375
438 478 470
605 695
750
60% 62% 63% 64%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
0
200
400
600
800
1,000
1,200
1,400
H9 H14 H19 H24
頭/日
食肉処理施設の分布と規模
【参考】 酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針に定める目標値 ・1日当たり処理頭数:560頭 ・稼働率:80%
食肉処理施設の種類別施設数の推移 稼働率及び1日当たりの処理頭数等の推移
稼働率 1日当たりの処理頭数
と畜処理能力700頭以上
と畜処理能力700頭未満
注)と畜処理能力は肥育豚換算 (牛1頭を豚4頭に換算)
施設規模別の豚の処理コスト 円/頭
Ⅴ-1 豚肉の流通合理化
○食肉の流通合理化を図るため食肉処理施設の再編整備を推進。 → 規模拡大が進展するとともに、食肉処理施設における食肉センターの割合が増加。 ○集約化・大規模化により、1日当たり処理頭数は増加。一方、稼働率は横ばい傾向で推移。 → 食肉の処理・流通の合理化を図るため、引き続き再編整備の推進を継続することが必要。
平成9年 平成14年 平成19年 平成24年
食肉卸売市場市場に併設されたと畜施設でと畜された枝肉を取引。価格形成機能を有する。
29 28 27 27
食肉センター と畜に加え、部分肉加工までを一貫して実施。 87 80 74 72
その他と畜場 と畜のみを行うと畜場等。 202 132 102 96
合 計 318 240 203 195
種 類 概 要施設数
頭/日
1日当たりの処理能力
注1)食肉鶏卵課調べ(平成25年度食肉処理施設実態調査) 注2)と畜処理能力は肥育豚換算(牛1頭を豚4頭に換算)
2,393
2,529
2,200
2,300
2,400
2,500
2,600
円/頭
円/頭
と畜処理能力 700頭/日 以上 700頭/日 未満
44
・
JAS法に基づく生鮮食品品質表示基準により、名称と原産地の表示が義務付けられている。
・ 名称については、「豚肉」、「豚」、「ポーク」など一般的な名称で記載。
・ 原産地については、国産品は国産である旨を、輸入品は原産国名を記載。
・ 国産品の場合は、原産地として、主たる飼養地がある都道府県名や市町村名、その他一般に知られている地
名(郡名、旧国名、島名など)の表示も可。
このほか、事前包装商品には、食品衛生法や計量法などで定められている表示が必要。
豚肉ばら しゃぶしゃぶ用
(○○県産)
消費期限 26.10.10(4℃以下で保存) 100g当たり ○○○(円) 内容量 ○○○ (g) 価 格 ○○○(円)
(加工者) ○○スーパー株式会社
東京都千代田区○○-△△
Ⅴ-2 生鮮畜産物(豚肉)の表示
(パック詰めされているもの)
国産 豚ロース肉
100g ○○○円
(パック詰めされていないもの) ※ JAS法以外の法律等に基づく表示
(食品衛生法)
・ 名称(食肉の種類) ・ 消費期限
・ 保存方法 ・ 加工者 等
(計量法)
・ 内容量
(公正競争規約)
・ 名称(食肉の種類・部位) ・ 内容量
・ 販売価格及び単位価格 等
景品表示法不当表示問題
昨年、産地や銘柄等を偽っていたホテル、レストランのメニュー等の表示問題が発覚。
産地や銘柄等を偽って、実際のものより著しく優良と消費者を誤認させる表示は、景品表示法における不当表示に該当する可能性がある。
45
機密性○情報
○○限り
事業名 概要
養豚経営安定対策事業 養豚経営の収益性が悪化した場合に、生産者と国の積立金から、粗収益と生産コストの差額の8割を補填
飼料増産総合対策事業のうち エコフィード緊急増産対策事業
食品残さ等の分別方法の普及、食品残さ等の飼料化技術の確立、活用が進んでいない食品残さを原料としたエコフィードの増産等を支援
家畜衛生総合対策のうち 家畜生産農場清浄化支援対策事業
・ オーエスキー病の清浄化を推進するため、組織的なワクチン接種、感染豚のとう汰、抗体検査等を支援
・飼養衛生管理向上のため、自主的に獣医師などの専門家による衛生指導を受けるための取組を支援
養豚経営安定対策補完事業 各地域における生産能力向上に必要な純粋種豚等の導入を支援
多様な畜産・酪農推進事業 (家畜改良対策推進)
遺伝的能力評価の推進のため、生産者間の豚の血縁構築を図るために必要な種豚の導入を支援
産地活性化総合対策のうち 産地収益力向上支援事業
(地域バイオマス支援地区推進事業)
・ 耕畜連携による地域内家畜排せつ物の利活用の取組を支援 ・ 畜産経営環境調査推進資金(公庫資金)を利用して家畜排せつ物を利活用するための施設を整備する場合に、利子相当額を助成
畜産収益力向上緊急支援リース事業 飼料用米等の自給飼料の利用拡大や、畜産経営における生産性向上に必要な機械のリース方式による導入を支援
強い農業づくり交付金
・ 飼料用米と主食用米との区分管理に必要な乾燥調製施設の整備や飼料用米の保管・調製に必要な共同利用施設の整備 ・ 未利用資源の飼料化に必要な共同利用施設の整備 ・ 豚改良施設や導入家畜の隔離等による空舎期間の確保のために一時的に利用する共同利用畜舎の整備 ・ 協業法人経営の開始に伴う共同利用畜舎の整備 ・ 周辺環境の影響を軽減するために必要な浄化処理施設や脱臭施設の整備 ・ 食肉の流通合理化に係る都道府県計画に基づく産地食肉センターの整備等、各種必要な共同利用施設整備を支援 8
主な養豚関係事業 (参考)
46