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各 位 平成 27 11 2 国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構 原子力規制委員会臨時会議での意見交換について 本日、原子力規制委員会臨時会議が開催され、議題「高速増殖原型炉もんじ ゅの保守管理不備を踏まえた日本原子力研究開発機構(JAEA)との意見交換」 において、当機構理事長児玉敏雄より、「もんじゅ マネジメントの課題と対策」 について報告を行いました。 報告の概要は別紙のとおりです。 別紙:もんじゅ マネジメントの課題と対策 以 上 問合せ先: 敦賀事業本部 総務・共生課 電話番号 0770-21-5026

各 位 - Gifu Prefecture€¦ · 東海再処理施設火 災爆発事故(h9.3) サイクル機構発足(h10.10) 動燃改革 jco事故 (h11.9) 改造工事 設置変更許可申請(h13.6)

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各 位

平成 27 年 11 月 2 日 国 立 研 究 開 発 法 人 日本原子力研究開発機構 敦 賀 事 業 本 部

原子力規制委員会臨時会議での意見交換について 本日、原子力規制委員会臨時会議が開催され、議題「高速増殖原型炉もんじ

ゅの保守管理不備を踏まえた日本原子力研究開発機構(JAEA)との意見交換」

において、当機構理事長児玉敏雄より、「もんじゅ マネジメントの課題と対策」

について報告を行いました。 報告の概要は別紙のとおりです。 別紙:もんじゅ マネジメントの課題と対策

以 上

問合せ先: 敦賀事業本部 総務・共生課 電話番号 0770-21-5026

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もんじゅ マネジメントの課題と対策

(概要)

1. 「もんじゅ」に関する基本的認識

・ 「もんじゅ」は日本が国策として推進。次プラント(国産の実証炉)に反映して

ゆくための基盤データ(Na 冷却発電炉の特性、安全性、運転性、保守性、他)

の取得が目的。

・ 加えて、将来の高速炉の安全性強化のための技術要件を模索する役割も期待。

・ 発電炉であり、研究炉を超えたプラントの安全・安定した運転維持管理等が必要。

・ Na 冷却炉は電力でも運転経験がなく、軽水炉を上回る安全意識をもって運営に

あたることが必要。

2. 現状の課題認識

【安全確保のために必要なこと(従来からの改善活動)】

(1) ポイント-1:即刻解決すべき点(保安措置命令への対応)

① 保全計画の見直し、② 未点検機器の解消、③ 根本原因分析(RCA)からの対

策実施

(2) ポイント-2:継続的な改善点(品質マネジメントシステム(QMS)改善活動)

① 保守管理体制と品質保証体制の定着(自律的な PDCA*)等

* PDCA:計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)のサイクルをいう。

【理事長の民間からの視点(ここ半年で痛感したこと)】

(3) ポイント-3:潜在する根本的な課題(今後運転までを担うためにも解決せね

ばならない課題)

人材・リソース(資金)面の課題、職員の資質・力量面(視野、コスト感覚、危

機感・スピード感の不足、モチベーション、指示待ち、同じミスを繰り返し 他)

3. 課題解決に向けた対応

3.1 現状の課題への対応状況

・ 保安措置命令解除に向けて、ポイント-1(即刻解決すべき課題)の保全計画の見

直しや未点検機器の解消などは、計画通り進捗中。今後、確実に達成する。

・ ポイント-2(継続的な改善点)についてもライン体制の強化や品質保証室の強化

を図り改善を加速させる。

3.2 潜在する根本的な課題とその対策

理事長の民間からの視点での潜在する根本的な課題解決に向けた今後の更なる対

データや作業手順の標準化、トレーニングメニューの充実化

別 紙

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期限を定めて、機構内及び監督官庁に加えて、設計製作ノウハウを有するメー

カー、運転・保守に関する経験とスキルを有する電力、等の民間の知恵を結集し

たオールジャパン体制で、根本的課題への対策立案や、他に潜在する課題がない

かの洗い出し等を実施

経験が少ない人材の活用のため、保守管理業務のIT化・システム化を強力に

推進(電力の先行例を参考に平成 28 年度中稼動を目標)

20 年間の停止で、長期を見越した十分な組織・人づくりが出来ていなかったと

反省し、これを加速度的に復旧すべく、人の育成を加速(モチベーションの高い

若手職員の教育に力点)

① 中期的に職員の教育システムの充実

② 成功体験(DG 対策 他)

③ 徹底的なフォロー(成果はフォローに比例)

4. まとめ

・ 「もんじゅ」は監督官庁の指導の下、原子力機構が責任を持って開発を担ってい

く。

・ 国民の信頼を得るために、早期に「保安規定と下部規定の整合」「保全計画の見

直し」と、未点検機器の解消を行い、保全体制と品質保証体制を整備して、自律

的にPDCAが回る組織となる決意。

・ 加えて、軽水炉を上回る安全要請に応えるべく、関係組織の協力を仰ぎながら、

継続的に安全を確保できる文化を醸成していく。

・ さらに、長年染み付いた悪さ処を解消すべく、保守管理業務について、今一度原

点に立ち返り潜在している問題を徹底的に洗い直し、地道な改善活動を浸透させ

ていく。

以 上

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もんじゅ マネジメントの課題と対策

平成27年 11月 2日

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

理事長 児玉敏雄

資料ー1

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目 次

1.「もんじゅ」に関する基本的認識

2.これまでの経緯

3.「もんじゅ」改革について

4.現状の課題認識

5.現状の課題への対応状況

6.潜在する根本的な課題と その対策

7.今後のスケジュール

8.まとめ

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1.「もんじゅ」に関する基本的認識

• 「もんじゅ」は日本が国策として推進している高速炉路線に関して、次プラント(国産の高速炉実証炉)に反映してゆくための基盤データ(Na冷却発電炉の特性、安全性、運転性、保守性、他)の取得を目的に建設された原型炉。

• 加えて、将来の高速炉に関する「安全性強化を目指した研究開発」として、新規制基準に係る技術要件を模索する役割も期待されている。

• 一方、発電炉でもあるという観点から、研究炉を超えたプラントの安全・安定な運転維持管理等が要求されている。

• さらに、Na冷却炉は電力でも運転経験がなく、新しいものを動かすという観点等からも、軽水炉を上回る安全意識をもって運営にあたることが必要である。

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2.これまでの経緯(1/2)(長期の停止)

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・「もんじゅ」は過去に国主導の下、国内各電力やメーカの英知を結集して建設されたものであったが、2度に亘るトラブルに加えて保守管理不備等により、長期停止の事態に陥っている。

S57 S58 S59 S60 S61 S62 S63 H元 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27

▲原子炉設置許可(S58.5)

▲建設工事着工(S60.10)

建設工事

性能試験

▲試験開始(H4.12)

▲初送電(H7.8)

▲初臨界(H6.4)

▲Na漏えい事故(H7.12)

原因究明と総点検

▲東海再処理施設火災爆発事故(H9.3)

▲サイクル機構発足(H10.10)

動燃改革▲JCO事故(H11.9)

▲改造工事設置変更許可申請 (H13.6)

▲ 設置変更許可 (H14.12)▲ 設工認 (H16.1)

▲原子力機構発足(H17.10)

改造工事 プラント確認試験・性能試験前準備・点検

▲性能試験再開(H22.5)

▲保全プログラム導入(H21.1)

(第1保全サイクル)

▲炉内中継装置落下

(H22.8)

▲東電1F事故(H23.3)

▲中越沖地震(H19.7)

(第2保全サイクル)

▲保守管理不備(H24.11)

▲地元自治体改造工事事前了解(H12.12)

安全審査

運転停止期間 (14年以上)運転停止期間(5年以上)

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平成24年11月 :点検時期の延長/点検間隔・頻度の変更手続きに不備があることが発覚 (保守管理不備)

平成24年12月 :第36条 保安措置命令 (未点検機器の点検と保全計画見直し 等)第67条 報告徴収

平成25年2月 :規制委員会による立入検査

平成25年5月 :第36条 保安措置命令 (体制再構築 等)第37条 保安規定変更命令

(改善作業に取り組むも、平成25年6月、9月、12月、平成26年3月、9月の保安検査で各種の違反・指摘を受領)

平成26年12月 :機構による措置命令への取組み報告書(旧36条報告)提出 等

(体制再構築と保全計画の見直し完了という報告)ーー現在見直し中

(改善作業に取り組むも、平成27年3月、6月の保安検査で各種の違反・指摘を受領)

平成27年9月 :第67条 報告徴収 (安全重要度分類の確定)

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2.これまでの経緯(2/2)(保守管理不備発覚以降)

・ H24年11月に問題が顕在化して以降、都度対策を進めるも、各種の違反・指摘を受領

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【平成25年10月~平成27年3月に原子力機構改革と並行実施】• 「もんじゅ」を理事長直轄組織とし、理事長を本部長とする「もんじゅ安全・改革本部」を設置。

• 保守管理体制と品質保証体制の再構築、未点検機器の解消、保全計画の見直し等への取組み開始

• 保守管理不備の問題に関する根本原因分析(RCA)を実施し、そこから出された対策を実施

【平成26年12月に原子力規制委員会に報告書を提出するも、その後にも保守管理や品質保証に関する問題が顕在化。】

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3.「もんじゅ」改革について(1/2)

・ 「もんじゅ」改革として各種の改革・打ち手を実施してきたが、結果として十分な効果を挙げていない←根本的な課題への切り込みが不十分←長期停止による、職員の運転・保守に関するインセンティブ低下も影響

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• 過去に実施したRCAから、4種類の組織課題を導出し、ここから78件の対策を展開。

①管理機能が不足(管理者の役割と責任が不明確、組織としての対応が不十分、他)

②チェック機能が不足(組織としてのルール遵守の定着化不十分、品証室等のチェック不十分、他)

③保全に係る技術基盤の整備が不足(技術的対応が不十分、技術要員や力量不足、他)

④安全最優先の意識と取組みが不足及び安全文化の劣化(意識改革不足 他)

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保守管理不備に関するRCA対策について

3.「もんじゅ」改革について(2/2)

• RCAから導出された課題点(対策)は2種類ーー>即刻解決すべき点(ポイントー1)、 継続的な改善点(ポイントー2)

現時点でも対策が有効であったかの評価(PDCAのC,A)が未了(対策が十分実施されていないもの + 他の対策が必要なもの)

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4.現状の課題認識

(ポイント-1)(即刻解決すべき点=保安措置命令への対応)

ー>① 「保全計画」の見直しー>② 未点検機器の解消ー>③ RCA分析からの対策実施と評価

(ポイントー2)(継続的な改善点=QMS改善活動)

ー>① 保守管理体制と品証体制の定着(自律的なPDCA)

ー>② 継続的な安全確保の体制整備->③ 軽水炉を上回る安全要求に

応える改善活動

(ポイントー3) (潜在する根本的な課題) 今後運転までを担うためにも解決せねばならない課題

-> 人材、リソース(資金)面の課題、 職員の資質・力量面(視野、コスト感覚、危機感・スピード感の不足、モチベーション、指示待ち、同じミスを繰り返し 他)

安全確保の為に必要なこと= 従来からの改善活動

理事長の民間からの視点= ここ半年で痛感したこと

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(ポイント-1): 即刻解決すべき点=保安措置命令への対応

5.現状の課題への対応状況(1/3)

あるべき姿 実施事項 現状 今後の取組

保全計画通りの保全を実施

①保全計画の見直し ・安全重要度分類の再整理:完了

・クラス1設備の現場照合:完了

・クラス1設備の技術根拠書整備:80%完了

➢来春までに保全計画の重要設備の見直し完了

・クラス1・2設備見直し (H28年5月)

②未点検設備の解消・未点検設備の点検

・未点検機器の点検:B系列分完了全体の72%完了

・安全重要度変更に伴う追加未点検機器の点検:

23%完了

➢来春までに残るA系列/C系列、追加の未点検機器の点検を全て完了

(H28年3月)

保安規定に従った保守管理と品質保証を実施

③保守管理不備に係るRCA対策の実施

・RCA分析より78の具体的対策を実施

➢11月中に実施中対策の有効性評価を実施(PDCAのC)

➢評価結果により、対策の修正・追加を予定(PDCAのA)

④不適合事案の処理 ・保守管理不備に係る不適合不適合の除去: 68%完了

➢来春までに保守管理不備に係る不適合事案の処理完了

(H28年5月)

共通:進捗状況の見える化を推進中

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・ これまでの対策で、保安措置命令解除に向けて、ポイントー1に関する 「保全計画の見直し」や、「未点検機器の解消」 などは計画通り進捗中

特別採用機器の点検完了率 保守管理不備に係る不適合の完了件数

・見える化とフォローの徹底により、保全計画の見直し作業は順調に進捗・未点検機器の解消に向けて、計画的な保全作業を推進・不適合の処置など、自律的にPDCAを回す活動を加速中

5.現状の課題への対応状況(2/3)

特別採用機器の点検等、実施時期に制約があるものを除き、11月末までに処置完了

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5.現状の課題への対応状況(3/3)

(ポイントー2) : 継続的な改善点=QMS改善活動あるべき姿 実施事項 現状 新たな視点を加味した活動

①保守管理体制・品証体制

自律的にPDCAが回る組織

・業務管理表による管理 ・業務管理表:整備済み(4月)・実行する組織になるように、組織のMVS*1 制定(6月)・KPI*2 による進捗状況管理を強化(工程表の進捗フォロー等)

➢ライン管理職の徹底指導(毎日のモーニングミーティングにて、

具体例にて指導を実施)

ラインで業務が確実に行える組織

・マネジメント能力の高い人材の登用

・適材適所のライン配置

・ラインの体制:整備済み(4月)・各階層の責任・権限を定め、指導を実施(6月)

➢ライン体制の固定化

➢ライン補助要員の強化

十分な品質で業務が実行できる組織

・品証室の強化 ・品証専任の所長代理、室長、担当者を配置(4月)

・ISO等外部研修の受講

➢さらなる品証室の強化11月よりメーカからQMS専門家を2名招聘

➢信賞必罰の制度を運用

②継続的な安全確保

プラントの運営に必要な技術力を備えた人材の配置

技術の蓄積・継承

・プロパー職員増員・実務経験者採用・電力の指導技術者の配置・若手職員の電力への派遣

・プラント保全部にプロパー増員(プロパー率:34%⇒44%)(~本年4月)

・保守担当者の力量評価と教育プログラムの運用を開始

➢プロパー中心の指導・啓発

➢業務引継ぎルールの明確化

自分の責務を誠実に遂行する意識

・理事長講話、コミュニケーション・指導による意識刷り込み

・理事長講話・階層別面談等(H27年度 7回実施延べ67名)・理事長メッセージを全職員に配信

➢業務の重要性/意義の教育

*1: Mission / Vision / Strategy, *2:Key Performance Indicator

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6.潜在する根本的な課題と その対策(1/6)

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課題点 実施済みの対策 今後の更なる対策

人材面・少数(40%)のプロパーが多数(60%)の出向者を活用できていない

・若年プロパーのスキル

・機構内全体からエース級人材を50人規模で集中投入

(Na取扱技術者、燃料取扱技術者を中心に配置)

経験が少ない人材の活用のため、・ 保守管理業務のIT化・システム化を強力に推進(電力の先行例を参考に導入予定)(H28年度中稼働を目標)

・ データや作業手順の標準化・ トレーニングメニューの充実化 (検討中)

リソース(資金)面・予算が年度区切り・集中して使用可能な予算が限定

(電力に比較して)

・重要な点検は複数年契約として計画的な運用を開始(~H26年)

・機構全予算の10%以上を集中、・機構内予算の理事長特別枠として、対策費用を投入

・さらなる費用の合理化を推進(Q:quality C:cost D:deliveryの同時成立)(ダイエットプロジェクトとして機構大にて展開)

・次年度以降の予算確保に向けて監督官庁と連携

(ポイントー3):理事長の民間からの視点での潜在する根本的な課題(1/2)

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課題点 実施中の対策 今後の更なる対策

職員の資質・力量・発電炉に対する経験不足・危機感・スピード感不足

・電力からの支援による啓蒙活動・理事長によるフォロー

・20年間の停止で、長期を見越した十分な組織・人づくりが出来ていなかったと反省し、加速度的に復旧すべく、人の育成を加速

・オールジャパン体制での根本的課題への取組み機構内メンバーに加えて、設計製作ノウハウを有するメーカー、運転・保守に関する経験とスキルを有する電力、等の 民間の知恵を結集したオールジャパン体制で、潜在する課題の洗出しと対策加速 等を実施

ex. 保守管理業務の「原点に帰った自主的なプロセス総合チェック」により潜在する課題を洗出し

・今後運転までを担っていくために、期限を決めて、上記に監督官庁を加えたオールジャパン体制で、根本的課題への対策立案に関する議論を開始

・モチベーションの高い若手職員の教育に力点①中期的に職員の教育システムの充実②成功体験 (DG対策 他)③徹底的なフォロー(成果はフォローに比例)

・モチベーション不足PDCA不調、指示待ち体質

・KPIによる見える化・職員の適材配置

・同じ様なミスを繰返す ・組織(ライン)によるフォローの徹底

・約束したことが実行できていない

・RCA分析による対策

(ポイントー3):理事長の民間からの視点での潜在する根本的な課題(2/2)

6.潜在する根本的な課題と その対策(2/6)

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オールジャパン体制での根本的課題への取組み (一部着手済み)

オールジャパン体制(計 100名規模体制)

JAEA もんじゅ選抜

JAEA 他 地区

プラントメーカ

電力(既派遣)

【チームA】 (~4か月)保守管理プロセス総合チェック・要領書・文書の逐条確認 他

【チームB】 (~7か月)保全計画改定加速・技術根拠書整備・保全計画改定版作成 他

【チームC】 (~7か月)保全の有効性評価・保守の有効性評価書作成・保全の標準化作業 他

【チームD】 (1.5年~)IT化・システム化推進・保守管理一元化システム製作 他

・オールジャパン体制で短期集中チームを組織。・保安規定通りに業務を実施しているか 自主的に「プロセス総合チェック(チームA)」を実施・加えて、早期進捗が必要な「保全計画改定(チームB)」や「保全の有効性評価(チームC)」などを実施

6.潜在する根本的な課題と その対策(3/6)

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【チームA】保守管理業務の「原点に帰った自主的なプロセス総合チェック」

保安規定主要業務 下部要領 業務プロセス 記録

運転管理 運転管理要領

燃料管理 燃料管理要領

放射性廃棄物管理 放射性廃棄物管理要領

放射線管理 放射線管理要領

保守管理 保守管理要領

【P】保全の計画【D】保全の実施【C】点検・補修等の結果の確認・評価

【A】有効性評価

非常時の措置 災害対策要領

品質保証不適合管理要領物品等調達管理要領 等

(順次、水平展開)

(目的) 過去に自分たちが約束したこと、QMSに規定されていることなどを、きちっと実行しているかプロセス総合チェックを実施

(体制) 「もんじゅ」プラント保全部が主体となり、電力出向者やメーカ・協力会社の支援を受け、オールジャパン体制で実施

1.プロセス遂行に必要な文書は充足しているか【主な対象文書:保安規定及び下部要領】

3.記録の保管方法は十分か【主な対象文書:保安規定(記録)】

2.保守管理作業が適切に実施されているか【主な対象文書:保守管理に係るQMS文書・記録】

(1) 保安規定の主要業務について、QMS文書の中でプロセス遂行に必要な文書が充足しているか確認

(2) 確認した結果を踏まえ、QMS文書の記載が不十分な場合は、不適合報告書を発行し、必要なQMS文書の改正等を行う

(1) 「保守管理要領」に定められたプロセスに従って適切に実施されているか、記録も含めて確認する。

(1) 保安規定に基づく記録の保管状態を確認する。

(順次、水平展開)

もんじゅの主なQMS文書一覧とプロセスチェックの対象

6.潜在する根本的な課題と その対策(4/6)

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【 保守管理の主なフローと現状の主要課題 】

保守管理品質保証

点検計画策定

当年度の点検機器抽出

P計画

点検実施

点検実績管理

D実施

保修実施

保全有効性評価C評価A改善

品質方針

文書管理、力量、教育調達・・

不適合管理是正処置予防処置

設備・機器データベース

保修票システム

保守管理業務支援システム

不適合システム

改善

改善改善

新規

【 新規IT化構成案 】

・ 現状は複数の小規模スタンドアローンシステムの寄せ集め-> 保守管理業務の効率化、管理漏れの防止を目的

・ 業務の標準化に加え、主要業務のシステム化と一元管理を目標・ 「保守管理」、「保修票管理」、「不適合管理」を対象とし、相互連携化

【不適合管理課題】

● システム無し

● 表計算ソフトで台帳管理

● 処置進捗は手入力

【保守管理業務課題】

● 保守管理専用データベース使用

● 保修票管理とのシステム連携無し

【保修票管理課題】

● 保修票処置は紙ベース

● 保修票管理専用データベース使用

【チームD】保守管理業務のIT化・システム化 (平成28年度中稼働目標)

6.潜在する根本的な課題と その対策(5/6)

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職員の教育システムの充実

【実施中の対策】○ 保守員の教育・育成の改善

➢保守員の育成目標の明確化と教育管理マニュアルへの反映 (H26年9月に改訂)➢ 個人毎の育成シートによる計画的な教育の実施 (H27年4月より運用中)➢外部(専門メーカ)への職員派遣による実務研修 (H27年8月に6名研修受講)

○電力の協力による育成➢電力の指導的技術者による管理職層の指導 (H25年12月~継続中)➢中堅職員を電力の原子力発電所へ派遣し、保守管理、品質保証等の実務研修

(H26年1月より順次6名派遣(1年程度/人) )○品質保証に関する教育改善

➢ ISO研修講座の受講者拡大 (H25.10以降52名受講、今後も継続)

【計画中の対策】○ 保守員の教育・育成の改善

➢新入職員や出向者に対する実務教育(OJT)の運用○ メーカ技術者によるOJT

➢ メーカのQMS活動経験を有する技術者を招聘(11月~ 2名)し、保守管理プロセス総合チェックや内部監査を通じて職員の品質保証を徹底指導

6.潜在する根本的な課題と その対策(6/6)

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平成27年度 平成28年度

4 7 10 1 4 7

○ 旧36条報告の改訂

保守管理不備RCAの対策実施

(特別採用技術評価含む)

○ 未点検設備の解消

品質保証の仕組み・運用方法改善

○ 根本原因分析に基づく対策の実施と品質保証の改善

保全計画見直し

○ 保全計画の見直し及び保守管理体制の強化

保安検査 等

予防処置の計画的処理

Aセル系

継続的改善

改善後の仕組運用、文書適正化、成果物チェック等

Bセル系等

不適合管理委員会、CAP情報連絡会等の運用を改善

是正処置計画への反映

保守管理業務支援システム機能強化(アラート機能改造、管理単位変更等)

Cセル系

安全重要度分類の変更に伴う保全計画変更 保全計画の見直し(保全単位、技術根拠、要領標準化)

点検記録の評価(保全の有効性評価)

是正処置実施、効果の評価(強化期間)

第1回(6/4-24)

第2回(9/3-16)

第3回 第4回◆67条報告(10/21)

第1回

継続的改善

保守管理不備 報告書の改訂(その2)クラス1、2の重要設備に関する保全計画の見直し完了保守管理不備に係る不適合処置の完了未点検設備の点検完了

保守管理不備 報告書の改訂(その1)

安全重要度分類の変更に関する保全計画の見直しRCAに基づく是正処置完了保守管理プロセスチェック完了

7.今後のスケジュール(保安措置命令への対応)

保守管理体制の改善

17

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7.今後のスケジュール(潜在する根本的な課題対策)

平成27年度 平成28年度

4 7 10 1 4 7 10 1

○ 人材面

○ リソース面の強化

○ 職員の資質・力量の強化

実務経験者採用(10月4名、11月1名)

他拠点等からの異動・補強(4月2名、7月1名、9月4名、10月1名)

プロパー中心に人材確保・適材適所の配置の継続実施

システム詳細設計(業務フロー、導入手順など)

システム製作・導入

IT化・システム化・標準化

プロパー中心に人材補強

設備点検要領書の標準化 (オールジャパンチーム活動【チームB】 保全計画改訂の成果物)

メーカ・協力会社との連携によるコスト削減:継続実施 機構全体でキャンペーン実施

(JAEAダイエットプロジェクト)コスト削減検討の継続実施コスト削減

職員の意識改革・責任感と誇りの醸成

民間の力を借りたオールジャパン体制での根本的課題への取組み

保守員の教育システム充実

理事長訓示・講話・メッセージなど(訓示3回、講話7回67名、適宜継続)

徹底的なフォローによる職員の意識改革(ライン各階層の職責・役割の指導、規程化、MM/CAP/部長会等において繰り返し徹底的に刷り込み)

・保守管理業務支援システム・保修票管理システム・不適合管理システム

個人ごとの育成シートの運用スキル評価基準の策定 など

保全部門各課のスキル評価育成シートへの反映

保守員の力量評価に基づく技術力向上の仕組みの運用

メーカのQMS活動経験者による指導(保守管理業務の自主的総点検、内部監査等を通じて職員を徹底指導)

【チームA】 保守管理プロセス総合チェック

【チームB】 保全計画改定加速

【チームC】 保全の有効性評価

今後運転を担ってゆくための根本的課題に対する対策実施根本的な課題に対するオールジャパン体制での

対策立案対策の立案

【チームD】 システム化検討(優先度高いものを選定)

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8.まとめ

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• 「もんじゅ」は監督官庁の指導の下、原子力機構が責任を持って開発を担っていく。

• 国民の信頼を得るために、早期に 「保安規定と下部規定の整合」「保全計画の見直し」と、

未点検機器の解消を行い、保全体制と品証体制を整備し、自律的にPDCAが回る組織となる。

• 加えて、軽水炉を上回る安全要請に応えるべく、関係組織の協力を仰ぎながら、継続的に安全を確保できる文化を醸成していく。

• さらに、長年染み付いた悪さ処を解消すべく、保守管理業務について、今一度原点に立ち返り潜在する問題を徹底的に洗い直し、地道な改善活動を浸透させていく。