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December 1997 Ou∂〃ty Eng'ηee〃ηg Forum 11 1顯關鳳購薦一1 品質工学の数理 11.マハラノビス空間におけるシュミットによる直交展開 Mathematics for Quality Engineering 11. Application of Schmit's Orthogonalization in Mahalanobis space 田ロ 玄一・* Genithi Taguchi In order to reduce cost by selecting important variables to construct Mahalanobis Distance for pattern recognition it is useful to consider the order of importance of each variable. Suppose k variables X1, X2, …, Xk be the order of importance, how to construct a new orthogonal set of variable x1, x2, …, xk to study the accuracy of the pattern recognition. There is only one method called Schmit's orthogonalization. The method is explained here. 1.能動的機能に対する受動的機能の分野と その問題点 科学と技術の問には大きな差がある。科学は真理 の探究である。技術は真理の探究ではなく,目的機 能を達成する手段を考えることである。さまざまな 目的機能に対する技術的手段を記述したものが,機 械工学,電子工学,化学工学などの工学である。同 じ目的機能に対して様々な手段があり,それらは自 然界にない手段である。 どんな目的機能のものを考えるかは商品企画であ る。商品企画という言葉の中には,ハードもソフト も含まれているが,世に売り出すことを前提してい る。それらのほとんどは能動的機能のものである。 しかし,機能の中には,検査,診断,予測などのよ うに能動的ではなく,受動的機能のものもある。能 動的機能では,理想機能というものがあり,それか らのずれの大きさを評価すればよかった。その評価 は関数空間における精度であり,SN比で機能性を 評価してきた。 受動的機能は,一般に時系列を含む多次元の世界 である。パターン認識である多次元の世界では,目 株式会社オーケン社長, フォーラム会長 的は明白であるが,多次元を総合化する新しい手段 が必要である。多次元を総合化するのに,品質工学 (タグチメソッドの方が適切な言葉かも知れない) は次のようなパラダイムを与える。 手順(1)時系列を含んだ項目の選定。1000個位 までは解析可能 手順(2)ゼロ点と単位量を決めるための基準空間 の選定 手順(3)基準空間のみから計測項目の総合化を し,マハラノビスの距離の計算式を作る。 マハラノビス空間は多次元計測の原点と 単位量を決めるだけである。 手順(4)基準空間に属さない対象に対して,マハ ラノビスの距離を求めて,SN比による 精度の評価をする。 手順(5)コストとSN比を考えて,項目の取捨選 択をし,最適な診断,予測方法の決定を する。 上記手順の中で,手順(1),手順(2)が専門家の仕 事で,手1頂(3),手順(4),手1頂(5)が品質工学の仕 事である。品質工学では,あらゆる品質問題は機能 のばらつきから生ずると考えている。したがって機 能性を改善すればあらゆる品質問題を改善できると 考えることになるから,さまざまな設計条件(多変 11

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December 1997 Ou∂〃ty Eng'ηee〃ηg Forum   11

1顯關鳳購薦一1           汐

品質工学の数理11.マハラノビス空間におけるシュミットによる直交展開

Mathematics for Quality Engineering

11. Application of Schmit's Orthogonalization in Mahalanobis space

田ロ 玄一・*

Genithi Taguchi

In order to reduce cost by selecting important variables to construct Mahalanobis Distance for

pattern recognition it is useful to consider the order of importance of each variable. Suppose k

variables X1, X2, …, Xk be the order of importance, how to construct a new orthogonal set of

variable x1, x2, …, xk to study the accuracy of the pattern recognition. There is only one

method called Schmit's orthogonalization. The method is explained here.

1.能動的機能に対する受動的機能の分野と

 その問題点

 科学と技術の問には大きな差がある。科学は真理

の探究である。技術は真理の探究ではなく,目的機

能を達成する手段を考えることである。さまざまな

目的機能に対する技術的手段を記述したものが,機

械工学,電子工学,化学工学などの工学である。同

じ目的機能に対して様々な手段があり,それらは自

然界にない手段である。

 どんな目的機能のものを考えるかは商品企画であ

る。商品企画という言葉の中には,ハードもソフト

も含まれているが,世に売り出すことを前提してい

る。それらのほとんどは能動的機能のものである。

しかし,機能の中には,検査,診断,予測などのよ

うに能動的ではなく,受動的機能のものもある。能

動的機能では,理想機能というものがあり,それか

らのずれの大きさを評価すればよかった。その評価

は関数空間における精度であり,SN比で機能性を

評価してきた。

 受動的機能は,一般に時系列を含む多次元の世界

である。パターン認識である多次元の世界では,目

株式会社オーケン社長, フォーラム会長

的は明白であるが,多次元を総合化する新しい手段

が必要である。多次元を総合化するのに,品質工学

(タグチメソッドの方が適切な言葉かも知れない)

は次のようなパラダイムを与える。

 手順(1)時系列を含んだ項目の選定。1000個位

     までは解析可能

 手順(2)ゼロ点と単位量を決めるための基準空間

     の選定

 手順(3)基準空間のみから計測項目の総合化を

     し,マハラノビスの距離の計算式を作る。

     マハラノビス空間は多次元計測の原点と

     単位量を決めるだけである。

 手順(4)基準空間に属さない対象に対して,マハ

     ラノビスの距離を求めて,SN比による

     精度の評価をする。

 手順(5)コストとSN比を考えて,項目の取捨選

     択をし,最適な診断,予測方法の決定を

     する。

 上記手順の中で,手順(1),手順(2)が専門家の仕

事で,手1頂(3),手順(4),手1頂(5)が品質工学の仕

事である。品質工学では,あらゆる品質問題は機能

のばらつきから生ずると考えている。したがって機

能性を改善すればあらゆる品質問題を改善できると

考えることになるから,さまざまな設計条件(多変

11

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12品質工学Vol.5No.6

量の場合は項目の選択と基準空間の選択)を変えて

機能性を改善すればよいと考える。

マハラノビスの距離(分散)は取上げられた全項

目を用いて計算する方法であるから,項目の取捨選

択の研究では,項目毎に,あるいは項目のグループ

毎に次のような制御因子を作って多くは2水準系の

直交表にわりつける。'

第1水準:その項目(またはその項目のグループ)

を用いる

第2水準:その項目(またはその項目のグループ)

を用いない

項目の中で重要と分かっている項目については取

捨選択の研究は必要でない。いま,研究の必要な項

目(または項目群)が」個として,適当な2水準系

の直交表を煽とする。1=30なら,直交表為2を用い

るし,」=100なら,直交表Llo4か,L124を用いるこ

とができる。

直交表現に制御因子をわりつけたら,直交表の

各実験条件は取上げる項目を指定しているのだか

ら,指定された項目を用いて,マハラノビスの距離

の計算式を作る。そして手順(4)のSN比を求める。・

直交表煽の各実験条件で求めたSN比に対して,制

御因子の効果を求める。用いてもSN比が悪化した

り,ほとんどSN比の改善ができない項目は捨てる

ことで最適条件を求める。マハラノビスの距離に用

いる項目の取捨選択法である。

しかし前述の方法にはかなりの解析作業が必要で

あるので,その手間を省略できないかである。その

方法を次節以降で述べる。相関行列の固有根に対す

る主成分を用いる方法は,どの成分も全項目を用い

るので,項目の取捨選択の研究には役立たないので

ある。

2.直交展開(シュミットの方法)

多次元空間の直交化には,主成分による直交化が

あるが,その方法は数理的方法で,経済性や担当者

の考えと無関係で有用でないことが多い。ここでは,

多次元空間の直交化に,研究者の考え方を考慮した

方法を述べる。

尭次元の変数をX1,X2,…、&とする。マハラノ

ビス空間のπ組のデータを

X11,X12,…,Xlη

X21,X22,…,砺

』xh,砺,…,xレ

December1997

とおく。これらはすべて規準化されているとする。

すなわち,Xl,X2,…,&のn個のデータの平均値

はゼロ,分数は1である。コストや重要度を考えて

つけた順番が,X1,X2,…,Xたである。その順番は

担当者が決めることでもっとも大切なステップであ

る。

X1のみでマハラノビス空間を作るか,X1,X2でマ

ハラノビス空間を作るか,X1,X2,X3でマハラノビ

ス空間を作るか…,全部を使ってマハラノビス空間

を作るかの研究方法を述べるのである。一つ一つの

セットでマハラノビス空間を作ってもよいが,シュ

ミットによる直交展開の方法を述べる。

そのためには,X1,X2,…,澱の変数の代わりに

新しい変数をX1,X2,…,簸とし,次のように直交

化した変数を作るのである。

Xl=瓦(11.1)

κ1は濁と同じもので,平均値はゼロ,分散は1で

ある。変数κ2は,変数X2の中から変数x1(X1と同

じ)と関係する部分を除いたものである。すなわち

為をx1で表現した式

濁二わ21κ1(11.2)

を考える。わ21はX2をx1で表現するときの回帰係数

で,この場合は相関係数である。すなわちX2の値

の中で,絢と関係する部分(回帰部分)を除いた,

x1と独立な部分(直交する部分)は

x2=ろ一わ21x1(11.3)

である。兀1とx2が直交するとは,基準空間において,

X1とエ2の値の積の和がゼロとなることである。おハ

Σκ1胸=Σ瓦ノ(濁ノーち1ズ1ノ)ノ=1∫=1

=0(1L4)

したがって,X1と渥2は直交する。また,X1の分散

は1であるが,x2の分散σう2は残差の寄与率とも呼

ばれ次式で与えられる。

の2=1-b212(11.5)

その理由は,残差の2乗平均を求めると次のよう

になるからである。

吉Σ(亀ノー嚇=⊥Σ場一旦b、、Σ濁ノズ、ノ+⊥(一切1)2×Σ鵡ηn

2πn=1一一場+一場nn

=1一陽

η

(1L6)

第3番目の変数X3に対しては,為をエ1,x2で表現

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December1997 論説品質工学の数理 0αヨ〃{γεη9'ηθθ〃ηgFσrロ'η13

する。

X3=わ31エ1+わ32κ2(1L7)

(1L7)の両辺にx1をかけて基準空間で和を求め

てnで割る。

1

わ31=一Σ殉x1ノ(11.8)明

1

稀=一Σx鍔(1L9)n

また(1L7)の両辺にエ2をかけてb32を求める。

1

み32=一Σ&〆2∫(11.10)n鷲

ただし

%一⊥Σxlゴ(11.11)π

直交成分あは,項目為を,項目X1,X2すなわち

項目κ1,穐で表現できない残差成分である。すなわ

x3=X碁一わ31x1一わ3盛2(11.12)

として求める。マハラノビス空間の中で,π1,エ2,

X3は直交する。X1とあの直交性は証明した。エ1とエ3,

κ2とん3の直交性を証明する。エ1とX3の直交性は

Σ荊ノ(殉一亀1×1ノーち2×2∫)

=Σエ1∫x3ノーわ31Σ鳩

=0'(11.13)

これは(11.8)のわ31の求め方から分かる。x2と渥3

の直交性も,〃32の求める式(1L10)から分かる。

すなわち

Σκ2∫(殉一亀1エ1ノー亀2ズ2ノ)

=Σκ2胸一み32Σx3ノ

=0

である。

以下全く同様として,直交分解をする。

3.規準化

(11,14)

前節の方法で直交化した変数は次のように書くこ

とができる。

Xl=Xl

ゑ離幅}価・Xた=及一幅r幅2一'…一わ鰍一1〆ト1

しかし,直交化した変数エ2,…,簸の分散は1で

はない。実際の計算では,マハラノビス空間で,n

組のκ1,x2,…,κ、を求めたら直接分散を求めるの

がよい。分散を求めるときの自由度は,π1はη,X2

は(n-1),あは(n-2),…,xたは(n一た+bとしてもよいし面倒なら,どれもnとしてよい。n》たのこと

が多いからである。

罵=青(x急+協+…+菰)

陽湖 圃}価).残=η一1+1(魂1+X22+…+κゑ)しからば,規準化した直交変数をy1,y2,…,yた

とすれば

Xl

ハ=π

磯}一)Xた

澱=πとなる。規準化したy1,y2,…,yたは直交し,それ

らの分散は1である。

データベースとしては,初期の観測値の平均規

と標準偏差σ,直交化のための係数わ21,1V2;わ31,

わ32,γ3,…,妬,碗,…,姦,た一1,,琉である。最初

のn組のデータから,丸個の平均値鵬,砺,…,

峨;た個の標準偏差q,の,…,σレ,直交化のため

の係数(た一1W2個と分散の値丸個である。したがっ

てメモリーとして必要なのは

婦+(え一1)騒=た(た+5)(11.18)22

個のデータベースである。

4.規準直交マハラノビス空間

規準化したマハラノビス空間の相関行列は単位行

列である。相関行列R

01.

-⊥

0・

=

R

00

00…1

(1L19)

したがってその逆行列Aも単位行列である。

=

dR

=

A

10

01

00

0ハ∪

1

(11.20)

13

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14品質士学VoI.5No.6

したがって,

に求まる。

マハラノビスの距離D2は次のよう

D2=去(弼+…+yl)(1121)ここに,規を引きσで割った計測データを濁,濁,

一,及として,まず次のX1,κ2,

x1=Xl

X2=X2一ウ21×1

芳3=X3一わ31Xl一わ32兀2

Xた=&一わ北IXl一…一わ胴

しからば,y1,y2,…,激は

y1=Xl

X2

ゐ=π.兀3

箔=π

…,x轟を求める。

(11.22)

(11.23)

Xた

澱=π任意の対象に対して,y1,y2,…,yたを求めて

(11.21)式のD2を求めると,その対象がマハラノビ

ス空間に属すれば,1前後の値をとることはいまま

でと同様である。もし,その対象がマハラノビス空

間に属さないならば,一般には1よりずっと大きい

値をとることになることもいままでと同様である。

5.変数の選択

規準化した直交変数y1,ッ2,…,ハを求めると,

変数の選択法が簡単になる。その理由は,変数選択

の制御因子は,次のκ水準の1因子となるからであ

る。

A1=y1のみを用いる

、42ニy1,y2の2つを用いる

ん=yl,y2,…,y鳶の全部を用いる

いま,信号の水準値が分かる場合を考える。信号

の水準値が不明の場合はここ,には述べない。信号の

中には基準空間に属すると考えられるものがあって

もよいが,普通は基準空間に属さないものを」個も

ってくる。その水準値ハ41,偽,…,瓢とする。'は

3位でもよいが,誤差を求めるのだから,多くの水

準をとる方がよい。

んの条件,すなわち全部の項目を用いた場合は,

M1,〃2,…,橘に対して,マハラノビスの距離D2

December1997

を求めたら,その平方根を計算し,表11.1のような

表を作る。大切なことは,D2ではなくて,Dを求め

ることである。そして,動的SN比を求めるのであ

る。ここでは全項目をとった職の場合を示したが,

一部の項目を用いた場合でも全く同様に表1L1の計

算をする。職水準でない場合は,んの計算の途中ま

でのデータでしかないから,改めて計算する必要は,

ないのである。

表11.1信号の値とマハラノビスの距離

信号の水準値ルで1ル`2ル〔,

マハラノビスの距離D1D2D」

表11.1からSN比ηは次のように求める。

全変動ST

5T-D12+D22+…+D~御)(11.24)

比例項の変動Sβ

5=(鵬+峨+…+鵬)2β

r一〃12+M22+…+%2

誤差変動5,

S.一5r-Sβ輿一1)

SN比η

}(綱η=10109 罵

また,校正式は比例定数βを求める。

(11.25)

(11.26)

(1L27)

(11.28)

β一期+鵬+'`。+鵬.(11鋤

r

そして,次式でMを推定する。

Dハ4=一(11,30)β

また,Al,A2,…,」4た一1に対してもSN比η1,η2,

…,η左一1を求めることになる。それを表112のよう

にまとめる。

表11.2項目数とSN比

項目数1,2,3,.…,え

SN比η1,η2,η3・●"・ηた

コストC1・C2C3…'q

表1L2から,SN比とコストCの比較から項目数を

求めることになる。コストは計算のコストではなく,

項目を求めるための計測コストである。項目数の選

択に損失関数を用いる方法はここには述べない。

14

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December1997 論説品質工学の数理 0ロ∂〃1ンεη9加θe〃ηgForuノη15

0&A

Q1科学は真理の探究で,技術は目的機能を達成

する手段を考えるとありますが,そのとおりだと思

います。ところで,目的機能に似た言葉で基本機能

という言葉がありますが,基本機能を考えるという

ことは目的機能を達成する手段を考えるということ

でしょうか。

Aτその通りです。目的機能は消費者の要求する

機能で,それは取引きでも重要です。スイッチでも,

機械的方法(たとえばバイメタルを用いる)もあれ

ば,電磁的方法もあります。それらは技術的手段で,

その機能が基本機能(genericfhncUon)です。

Q2本文の最初の方で「能動的機能では理想関数

というものがあり,それからのずれの大きさを評価

すればよかった」とありますが,これはSN比で評

価するということで分かるのですが,本文のその次

にありますrその評価は関数空間の精度である。」

という'ことがよく分かりません。r関数空間の乱れ

をSN比で評価する」と前章(10.機能性と診断の

ための総合計測(Vo15_5))にありましたが,精度

とは乱れのことでしょうか,補足説明をお願いしま・

す。

A2信号と出力の関係が乱れるのは関数関係の乱

れです。レたがって,理想関係を

y=β〃

で考えるとき,その関数が関数空間のゼロ点です。

ゼロ点からの距離が小さいことが精度がよい(SN

比が大きい)ことです。

Q3多次元を総合化するマハラノビスの距離を使

うパラダイムを与えるのは品質工学よりもタグチメ

・ソッドの方が適切な言葉であるとありますが,補足

説明をお願いします。前章で直交表を実験の信頼性

の測度として使うのがタグチメソッドであるとあり

ましたが,タグチメソッドはそれだけではないよう

な気がします。

A3品質工学の中に,改善活動まで入れるかどう

かは明白ではありません。タグチメソッドは評価の

みを取扱います。その内容は次の通りです。

(1)SN比による機能性の評価

(2)直交表による下流再現性の評価

(3)損失関数による経済的評価

更にマハラノビスの距離の場合は,基準空間の定

義が重要です。

Q4マハラノビスの距離を適用する場合,多数の

項目を考えることが多いと思います。シュミットの

直交展開では項目を順番付けしますが,多数の項目

のコストや重要度を考えた順番付けは,曖昧さの残

る順番付けになってしまうと思います。それでも構

わないのでしょうか。

A4その通りですが,それは担当者の仕事です。

Q`シュミットの直交展開で,(エ1),(xlx2),

(芳1x2x3),……と変数を増やしていくとSN比ηは小

さくなることはなく,単調に大きくなっていくので

しょうか。

A5基本的にはその通りですが,判断に無関係で

計測誤差のみがある変数があるときは,SN比はほ

んの少しだけ小さくなることはあります。

Q6同じ丸個の変数を使ってマハラノビス空間の

SN比ηを求める場合,シュミットの直交展開をし

たときとしないときは,同じSN比ηの値になるの

でしょうか。また,個々の対象におけるマハラノビ

スの距離も同じ値になるのでしょうか。

A6全く同じになります。

Q7表11.2のコストは項目を求めるための計測コ

ストとありますが,これは任意の対象に対してマハ

ラノビスの距離を求めるために必要な計測コストと

いうことでしょうか。

A7その通りです。

15