2020年8月4日

エルゼビア・ジャパン株式会社リサーチインテリジェンス部門 ソリューションコンサルタント高橋 昭治s.takahashi@elsevier.com

SciValを使った社会課題型研究の分析方法～SDGsを例に～

www.scival.com

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目次

1. SciVal、Scopusの概要

2. なぜSDGs関連の研究が注目を集めているのか？

3. SciValにおけるSDGs関連研究の定義方法

4. SDGs関連研究の世界・日本のトレンド

5. 自機関のSDGs関連研究の分析方法

6. 具体的な研究テーマを分析するためのトピックの活用方法

7. まとめ、参考情報

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SciValを使ったSDGs分析でわかること

世界・日本でSDGs関連研究を積極的に行っているのはどの機関なのだろうか？

自機関でSDGs関連研究を行っている研究者は誰なのだ

ろうか？

自機関のSDGs関連研究を強化するために最適な共同研究相手は誰だろうか？

自機関のSDGs関連研究はどのようなインパクトを与えて

いるのだろうか？

論文データ分析で見えてくるSDGs関連研究にはどのようなものがあるのだろうか？

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1. SciVal、Scopusの概要

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SciVal 研究力分析ツール

• SciValは、世界の18,700以上の研究機関および231の国・地域の研究力に関する客観的データを簡単に取得できる研究力分析ツールです。

• 研究者や研究グループ、トピック、研究領域、文献セットの分析も可能です。

• 世界最大級の抄録・引用分析データベースScopusをデータソースとしています。

− SciValでは1996年以降のデータを確認できます。

Overviewモジュール

Benchmarkingモジュール

Collaborationモジュール

特定の機関の研究力に関する詳細な情報を知りたい

複数の機関の研究力を比較したい

自機関と他機関のコラボレーションの状況を知りたい

Trendsモジュール

特定の研究領域のトレンドを知りたい

本日紹介 本日紹介

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Scopus 世界最大級の抄録・引用文献データベース

• 全分野、複数のコンテンツタイプを網羅

• グローバルなコンテンツ収集方針

− 105か国の5,000以上の出版社、40の本文言語。日本国内のタイトルは376誌

• 7,900万レコード、毎日更新

• 高精度の著者プロファイル、所属機関プロファイル

人文・社会科学10,156

ライフサイエンス4,805

ジャーナル

ヘルスサイエンス7.072

化学・物理・工学8,199

査読誌 24,272業界誌 270

- オープンアクセス誌 5,706- Articles in Press 8,485- MEDLINEを100%網羅

- 抄録 1800年代～- 参考文献 1970年～- 助成金情報

イベント数 127,000- 論文数 1,010万

工学、数学、物理、コンピュータ科学を中心に収録

ブックシリーズ 788- チャプター数 180万

単行本・百科事典 250,000- チャプター数 200万

全分野を収録、社会科学と人文科学に焦点

ブック会議録

Scopus収録コンテンツの情報: https://www.elsevier.com/solutions/scopus/contentジャーナル、ブックシリーズのタイトル数: ジャーナルタイトルリスト 2020.6その他: Scopus.com 2020.6

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SciValの利用方法

• 日本語クイックレファレンスガイドをご参照ください。

https://www.elsevier.com/ja-jp/solutions/scival/scival-for-user

11. 利用開始12. Overviewモジュール13. Benchmarkingモジュール14. Collaborationモジュール15. Trendsモジュール16. SDGs分析17. My SciVal18. レポート機能19. タグ機能10. 文献リストの表示とエクスポート11. 主な指標の説明

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SciVal 画面構成

• ①モジュール → ②分析対象 → ③期間と分野 → ④評価項目 を選択します。

②分析対象 ③期間と分野

④評価項目

Institutions and Groups（機関とグループ）

Researchers and Groups（研究者とグループ）

Publication Sets（文献セット）

Countries and Groups（国とグループ）

Topics and Topic Clusters（トピックとトピッククラスタ）

Research Areas（研究領域）

Scopus Sources（出版物）

①モジュール

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SciValで利用できる主な評価指標

評価指標 説明

Scholarly Output / Publications（文献数） 発表された総文献数

Citation Count / Citations（被引用数） 文献に対する被引用数の総和

Citation per Publication（1文献あたりの平均被引用数） 被引用数 ÷ 文献数

Field-Weighted Citation Impact（FWCI） 1文献あたりの被引用数を世界平均（出版年・分野・文献タイプ別に算出） で割った数値

Outputs in Top Citation Percentiles（被引用数がTop X%の文献） 出版年別の被引用数が世界全体の上位X%に含まれる文献

Field-Weighted Outputs in Top Citation Percentiles（FWCIがTop X%の文献）

出版年別のFWCIが世界全体の上位X%に含まれる文献

Publications in Top Journal Percentiles（Top X%ジャーナルに発表された文献）

ジャーナル評価指標（CiteScore / SJR / SNIP）が上位X%の ジャーナルに発表された文献

Publications in Journal Quartiles（ジャーナル四分位に発表された文献）

ジャーナル評価指標（CiteScore / SJR / SNIP）の四分位毎（Q1 1-25%、Q2 26-50%、Q3 51-75%、Q4 76-100%）のジャーナルに発表された文献

International Collaboration（国際共著文献） 著者の所属機関が複数国にわたる文献数/率

Academic-Corporate Collaboration（産学共著文献） 大学と企業の共著による文献数/率

h-index 発表論文のうち被引用数が少なくともh回あるものがh本あることを満たす数値

h5-index 過去5年間を対象としたh-index（例: 2019年のh5-indexは2015-2019年のデータから算出）

Views Count（表示回数） 文献がScopusで表示された回数

Field-Weighted Views Impact（FWVI） 1文献あたりの表示回数を世界平均（出版年・分野・文献タイプ別に算出）で 割った数値

Economic Impact（経済的インパクト） 特許による被引用数

Societal Impact 社会的インパクト メディアによる言及数

Awarded Grants（研究助成金） 研究助成金の数/金額

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Field-Weighted Citation Impact （FWCI）• 異なる条件の論文の被引用インパクトを公平に評価するために考案された評価指標

• 該当論文の被引用数を、同じ出版年・分野・文献タイプの論文集合の平均被引用数で割ったもの

• 世界平均は 1。FWCIが 1 より大きいということは、被引用インパクトが世界平均よりも大きいことを示す。

• 論文集合（国、大学、部局、研究者など）のFWCIを算出することも可能

注1. FWCIの計算の対象期間は出版年＋3年間。たとえば、出版年2016の論文のFWCIの計算に用いられる被引用数は2016～2019年が対象

注2: 該当論文が出版されたジャーナルが複数の分野に分類される場合は、分野の平均被引用数を算出する際に調和平均を使用

注3; FWCIの計算に使用される分野は、ASJCの334の小分野

文献P(1)のFWCI =文献P(1)の被引用数

文献P(1)と同じ出版年・分野・文献タイプの文献集合の平均被引用数

文献集合P(1)-P(N)のFWCI = P(1), P(2) … P(N)のFWCIの平均

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Top X%論文

• Outputs in Top Citation Percentiles（被引用数Top X%論文）出版年別の被引用数が世界全体の上位X%に含まれる文献

• Field-Weighted Outputs in Top Citation Percentiles（FWCI Top X%論文）出版年別のFWCIが世界全体の上位X%に含まれる文献

論文順位 被引用数

1 100

2 90

3 80

・・・

8 40

9 35

10 30

11 28

12 26

・・・

98 0

99 0

100 0

論文順位 FWCI

1 15.21

2 10.12

3 9.40

・・・

8 6.98

9 6.56

10 6.21

11 5.99

12 5.41

・・・

98 0

99 0

100 0

Outputs in Top Citation Percentiles Field-Weighted Outputs in Top Citation Percentiles

Top 1%論文

Top 10%論文

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2. なぜSDGs関連の研究が注目を集めているのか？

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なぜSDGs関連の研究が注目されているのか？（1/2）

• 国連の持続可能な開発目標（Sustainable Development Goals）

• 最も喫緊の環境、社会課題を解決することによる社会へのインパクト

• 学際研究、融合研究の促進が期待できる

• 企業、自治体との連携が期待できる

• 助成金の獲得が期待できる

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なぜSDGs関連の研究が注目されているのか？（2/2）

• THE Impact Rankingsでの採用

• 研究に関する情報はScopus、SciValが提供している

2020年版ホームページ: https://www.timeshighereducation.com/rankings/impact/2020方法論: https://www.timeshighereducation.com/university-impact-rankings-2020-methodology

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3. SciValにおけるSDGs関連研究の定義方法

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SDGs検索式開発の経緯

Map terms from 6 themes in Sustainability report to SDGs (2017)

Additional keywords added based on SDG

descriptions

Assess whether query results relate to SDG targets and indicators

Query refinement based on SDG targets and indicators (2019)

Updated search queries

Expert-vetted keywords from Elsevier

Sustainability report 2015 mapped to SDGs

Internal and external SDG expert review

Feedback from community

Validate feedback to generate new query

Results in SciVal

Generate new refined query

Identify missing terns and terms resulting in

false positives

Oct 2019

June 2019

Results in THE rankings

Dec 2018

Sustainability science in a global landscape: https://www.elsevier.com/research-intelligence/research-initiatives/sustainability-2015

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• SDGs関連研究は、キーワードを組み合わせたScopusの検索式で定義しています。

• SDGs関連研究を定義する検索式の一覧と各SDGの検索式の説明は、Mendeley Dataで公開されています。https://data.mendeley.com/datasets/87txkw7khs/1

SDGs関連研究を定義するScopus検索式

各SDGの検索式の開発経緯の説明

SDGs検索式の一覧

SDG 1: No Poverty の検索式

TITLE-ABS-KEY ( ( {extreme poverty} OR {poverty alleviation} OR {poverty eradication} OR {poverty reduction} OR {international poverty line} OR ( {financial aid} AND {poverty} ) OR ( {financial aid} AND {poor} ) OR ( {financial aid} AND {north-south divide} ) OR ( {financial development} AND {poverty} ) OR {financial empowerment} OR {distributional effect} OR {distributional effects} OR {child labor} OR {child labour} OR {development aid} OR {social protection} OR {social protection system} OR ( {social protection} AND access ) OR microfinanc* OR micro-financ* OR {resilience of the poor} OR ( {safety net} AND {poor} OR {vulnerable} ) OR ( {economic resource} AND access ) OR ( {economic resources} AND access ) OR {food bank} OR {food banks} ) )

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検索式の改善プロセス（1/2）

• 各SDGの検索式をどのように改善していったかの経緯を説明した資料が公開されています。

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検索式の改善プロセス（2/2）

• オリジナルの検索式の検索結果と新しい検索式の検索結果をVOSViewerで比較

オリジナルのSDG 1の検索式の検索結果

論文数 … 約210,000被引用数トップ20論文 … 1論文が該当ランダムに選択した20論文 … 1論文が該当

新しいSDG 1の検索式の検索結果

論文数 ….約100,000被引用数トップ20論文 … 16論文が該当ランダムに選択した20論文 … 18論文が該当

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SDGs検索式は継続的に改善していきます

• 各分野の専門家と協力

• ウェブサイトを通したフィードバック https://sdgresources.relx.com

提示されたサンプル論文がSDGに関連しているかどうかについてフィードバックを送信

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同じ手法を他の研究テーマの分析にも適用できます

• Monash UniversityとSDSN Australia, New Zealand & Pacificが用意したSDGs関連キーワード

− http://ap-unsdsn.org/wp-content/uploads/2017/04/Compiled-Keywords-for-SDG-Mapping_Final_17-05-10.xlsx

• コロナウィルス関連研究の検索式の例

− TITLE-ABS-KEY("COVID-19" OR Coronavirus OR "Corona virus" OR Coronaviruses OR "2019-nCoV" OR "SARS-CoV" OR "MERS-CoV" OR “Severe Acute Respiratory Syndrome” OR “Middle East Respiratory Syndrome")

− 同じキーワードでフルテキスト検索を行った検索結果の全論文をScienceDirect上で無料公開しています。

• 自身が関心がある研究テーマを定義する独自の検索式を作成し、SciValで分析を行うことができます。

研究テーマに関連するキーワードを組み合わせた

検索式を作成する

SciValの文献セットまたは研究領域を

作成する

SciValで様々な分析を行う

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４. SDGs関連研究の世界・日本のトレンド

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世界・日本のSDGs関連研究の割合（2010-2019の10年間）

• ScopusでSDGs検索式を検索した結果（2020.7.22時点）

日本の論文シェア4.6%1.7%2.4%4.8%1.4%0.8%2.0%3.9%1.9%2.8%1.5%3.1%2.2%2.8%4.2%2.8%1.0%

世界Scopus全論文 29,233,891SDG 1: No Poverty 21,157SDG 2: Zero Hunger 157,414SDG 3: Good Health and Well-being 6,209,812SDG 4: Quality Education 44,247SDG 5: Gender Equality 61,385SDG 6: Clean Water and Sanitation 79,139SDG 7: Affordable and Clean Energy 623,986SDG 8: Decent Work and Economic Growth 160,140SDG 9: Industry, Innovation and Infrastructure 70,825SDG 10: Reduced Inequality 85,121SDG 11: Sustainable Cities and Communities 232,827SDG 12: Responsible Consumption and Production 139,789SDG 13: Climate Action 311,326SDG 14: Life Below Water 191,059SDG 15: Life on Land 195,210SDG 16: Peace, Justice and Strong Institutions 313,022

日本1,333,762

3573,796

296,946625520

1,61324,5853,0021,9731,3097,1493,0878,8687,9305,5633,167

日本の論文数順位6

20136

2021157

161217111414101320

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SDGs関連研究の研究領域の選択方法

• SciValでは、SDGs関連研究は研究領域（Research Areas）として定義されています。

個々のSDGを追加 複数のSDGをまとめて追加

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SDGs関連研究の概要

• Overviewモジュールで、SDGs関連研究の論文数、トップ10機関、トップ100研究者などを確認できます。

分野の内訳（論文が掲載されたジャーナルの分野分類に基づく）

世界のトップ10機関（＋自機関がトップ100に入っている場合はその順位）

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SDGs関連研究の比較（1/2） 論文数

• Benchmarkingモジュールで、SDGs関連研究の論文数の変化を比較できます。

SDG 3

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SDGs関連研究の比較（2/2） 論文数とインパクト

• Benchmarkingモジュールで、SDGs関連研究の論文数とインパクトを比較できます。

SDG 3

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SDGs関連研究のトレンド（1/4） 概要とキーフレーズ

• TrendsモジュールのSummaryタブで、SDGs関連研究のサマリーやキーフレーズを確認できます。

この研究テーマの論文は増えているのか減っているのか、インパクトはどれくらいかなのかなどを確認できます。

この研究テーマの中で注目を集めているキーワードを確認できます。

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SDGs関連研究のトレンド（2/4） トップ機関

• TrendsモジュールのInstitutionsタブで、論文数が多いトップ機関100（世界、地域、国、セクタ別）を確認ができます。

各種指標の始年と終年の間の増減も確認可能

論文数と各種指標

この研究テーマが世界のどの機関で盛んに研究されているかを把握できます。さらに特定の機関の詳細情報も確認できます。

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SDGs関連研究のトレンド（3/4） トップ国、トップ研究者

• TrendsモジュールのCountries & Regionsタブでトップ国100（世界、地域別）、Authorsタブで論文数が多いトップ研究者500（世界、地域、国別）を確認できます。

この研究テーマが世界のどの国で盛んに研究されているかを把握できます。

研究テーマにおけるトップ研究者を確認することにより、共同研究相手候補の検討などが可能になります。

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SDGs関連研究のトレンド（4/4） トップジャーナル、トップキーフレーズ

• TrendsモジュールのScopus Sourcesタブでトップジャーナル100（世界、地域、国別）、Keyphrasesタブでトップキーフレーズ50を確認できます。

この研究テーマがよく発表されているジャーナルの特徴を確認することにより、論文投稿先を戦略的に選択することができます。

出現頻度が増加または減少しているキーフレーズを確認することにより、この研究テーマにおけるフォーカスの変化を追うことができます。

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5. 自機関のSDGs関連論文の分析方法

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自機関のSDGs関連研究を分析するための準備

• 自機関のSDGs関連研究からなる文献セット（Publication Sets）を作成します。

− Trendsモジュールから文献セットを作成する

− Benchmarkingモジュールから文献セットを作成する

− Scopusで検索して文献セットを作成する

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自機関のSDGs関連論文の定義方法（1/3）

1. TrendsモジュールでSDGを選択します。

2. Institutionsタブで自機関を探します。

3. 論文数のリンクをクリックします。

4. 論文リストのページの [Save as Publication Set] をクリックして文献セットを作成します。

日本の機関に限定

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1. BenchmarkingモジュールでSDGを選択します。

2. Table表示の論文数のリンクをクリックします。

3. 論文リストのページの左欄で最初に [Countries/Regions] でJapan、次に [Institutions] で自機関を選択します。

4. 論文リストのページの [Save as Publication Set] をクリックして文献セットを作成します。

※ この方法で対応できるのは日本のトップ50機関まで、それ以下の場合はエクスポートしてから自機関に限定

自機関のSDGs関連論文の定義方法（2/3）

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自機関のSDGs関連論文の定義方法（3/3）

1. Scopusの詳細検索で、SDGのキーワードと所属機関を組み合わせて検索します。

2. 検索結果をCSVにエクスポートしてEIDリストをSciValにインポートするか、直接SciValにインポートします。

3. SciValにEIDリストをインポートして文献リストを作成する方法は、クイックレファレンスガイドp.10を参照

所属機関を検索

SDGの検索式

Scopus詳細検索ページ Scopusエクスポートページ

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自機関のSDGs関連研究の特徴（1/4）

• Benchmarkingモジュールで、自機関のSDGs関連研究の論文数や他の指標を確認できます。

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自機関のSDGs関連研究の特徴（2/4）

• Benchmarkingモジュールで、自機関と世界の指標を比較することもできます。

X軸: FWCI、Y軸: FWCI Top 10%論文率、バブルサイズ: 論文数

世界と自機関のSDGの

色を同じにして比較を容易にしています

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自機関のSDGs関連研究の特徴（3/4）

• TrendsモジュールのSummaryタブで、自機関のSDG関連研究のサマリーやキーフレーズを確認できます。

世界のキーフレーズと比較自機関のキーフレーズ

40

自機関のSDGs関連研究の特徴（4/4）

• TrendsモジュールのInstitutionsタブで、自機関以外の共同研究相手を確認できます。

※ その他、自機関のトップ著者、トップジャーナル、トップキーフレーズなどを確認できます。→ pp.30-31を参照

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6. 具体的な研究テーマを分析するためのトピックの活用方法

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トピックの活用がなぜ有効か？

• 研究領域をトピックレベルに落とし込むことによって、具体的な研究テーマとして分析することが可能になります。

研究領域

SDG 11: Sustainable Cities and Communities

研究領域のキーフレーズ例

• Smart City• Urbanization• Air Quality• City• Municipal Solid Waste• Urban• Housing• Urban Planning• Urban Transportation• Heavy Metal• Waste Disposal Facility• Disaster• Public Transport• Slum• Internet of Thing• Urban Area• Heat Island• Governance• Particulate Matter• Aerosol

研究領域に含まれるトピック例

• Smart Cities; Municipal Administration; Internet of Things• Source Apportionment; Haze; Elemental Carbon• Travel Behavior; Mode Choice; Urban Form• Climate Change Adaptation; Urban Climate; Adaptive Capacity• Heat Islands; Land Surface Temperature; Urban Climate• Solid Waste Management; Life Cycle Assessment; Waste Incineration• Urban Soils; Source Apportionment; Soil Parent Materials• Hukou; Urban China; Land Development• Pollution Exposure; Outdoor Air Pollution; Air Quality• Gentrification; Urban Regeneration; Neighborhood Change• Bicycling; Bike; Mode Choice• Greenspace; Green Infrastructure; Cultural Ecosystem Services• Polycyclic Aromatic Hydrocarbons; Source Apportionment; Indeno(1,2,3-Cd)Pyrene• Sleuths; Cellular Automaton Model; Land Use Change• Car Sharing; Bike; Bicycles• Built Environment; Leisure Time; Pedestrians• PPCP; Micropollutant; Carbamazepine• Bioretention Areas; Stormwater Management; Urban Runoff• Waste Incineration; Municipal Solid Waste; Carbonation• Stormwater; Urban Runoff; Combined Sewers

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トピックとは？

• Scopusの文献を引用関係に基づいて分類し、約96,000のTopics（トピック）を定義

− 引用関係が強いトピックを統合した約1,500のTopic Clusters（トピッククラスタ）も定義

• 直近の文献の被引用数、Scopus表示回数、掲載ジャーナルのCiteScore* に基づいて、トピックの注目度、勢いを示すProminenceという指標を定義

− Prominenceは助成金と相関関係があり、助成金が付きやすい研究領域の特定に役立つ

− 最も高いProminenceパーセンタイルは100

Topic Prominenceの解説論文: T Klavans, R., & Boyack, K. W. (2017). Research portfolio analysis and topic prominence. Journal of Informetrics, 11(4), 1158-1174. doi:10.1016/j.joi.2017.10.002

Prominenceと米国の助成金の関係

X軸はトピックのProminenceパーセンタイル、Y軸は著者一人あたりの助成金額、〇のサイズはトピックあたりの著者数

Topicsの作成方法

〇 は論文、↓ は引用関係

Topic 1 Topic 2 Topic 3

* 直近の文献の被引用数、Scopus表示回数、

掲載ジャーナルのCiteScoreとは？

- 出版年2018と2019の文献が2019年に引用された回数

- 出版年2018と2019の文献が2019年にScopusで表示された回数

- CiteScore 2019の平均

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SDGs関連研究に含まれるトピック一覧（1/2） Table表示

• OverviewモジュールのTopics & Topic Clustersタブで、SDG関連研究に含まれるトピックを確認できます。

SDG関連論文数、論文シェア、FWCI Prominence

トピックをTrendsモジュールで分析 → pp.28-31

トピック/トピッククラスタを選択Prominenceで絞り込み キーフレーズで絞り込み

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SDGs関連研究に含まれるトピック一覧（2/2） Wheel表示

• Wheel表示にすると、 SDG関連研究に含まれるトピックがどの分野の研究であるかを概観できます。

Prominenceで絞り込み

図の見方

・ 丸サイズは文献数を示します。

・ 円周の色は分野を意味します。

・ バブルの色はトピック内で文献の割合が多い分野を示します。

・ バブルが円の中央にあるほど学際的なトピックであることを示します。

人文・社会科学系

医薬系

物理科学系

バイオ・農学・環境系

キーフレーズで絞り込み

トピックをTrendsモジュールで分析→ pp.28-31

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SDGs関連論文に含まれるトピックのどれに注目すべきか？

• SDG関連論文数が多いトピック？ SDG関連論文のシェアが高いトピック？ Prominenceが高いトピック？

• 特定の分野のトピック？（前ページ参照）

X軸: Prominence percentile（トピックの注目度、勢い）

Y軸: SDG関連論文のシェア（トピックのSDG度？）

バブルサイズ: SDG関連論文数（トピックの規模）

Smart Cities; Municipal Administration; Internet of Things T.13953

Waste Generation; Solid Waste Management; Cardboard T.18510

Travel Behavior; Mode Choice; Urban Form T.4878

Urban Biodiversity; Greenspace; Birds T.8537

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自機関のSDGs関連研究に含まれるトピック

• OverviewモジュールのTopics & Topic Clustersタブで、自機関のSDG関連研究の文献セットに含まれるトピックを確認できます。

トピックをTrendsモジュールで分析 → pp.28-31

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トピックを活用した分析例（1/2）

• 注目するトピックについて、Trendsモジュールで様々な分析を行ってみる。→ pp.28-31

• 世界、日本、自機関のトピックを比較してみる。例：SDG 11の研究領域（2015-2019）に含まれる世界、日本、東京大学のトピック

World Japan UoTTopic Prominence

percentileScholarlyOutput

Publicationshare (%)

FWCI ScholarlyOutput

Publicationshare (%)

FWCI ScholarlyOutput

Publicationshare (%)

FWCI

Smart Cities; Municipal Administration; Internet of Things 99.846 2,286 61.88 2.36 21 0.57 0.94 4 0.11 1.24Source Apportionment; Haze; Elemental Carbon 99.754 968 44.88 1.99 23 1.07 3.64Climate Change Adaptation; Urban Climate; Adaptive Capacity 99.877 894 20.95 1.47 18 0.42 1.47Heat Islands; Land Surface Temperature; Urban Climate 99.525 813 44.67 1.92 36 1.98 3.62 1 0.05 0.00Travel Behavior; Mode Choice; Urban Form 98.601 777 57.51 1.00 18 1.33 0.98 4 0.30 0.32Solid Waste Management; Life Cycle Assessment; Waste Incineration 99.603 752 54.30 1.24 19 1.37 0.65 3 0.22 0.69Urban Soils; Source Apportionment; Soil Parent Materials 99.692 749 39.34 1.65 11 0.58 1.84Greenspace; Green Infrastructure; Cultural Ecosystem Services 99.771 735 27.27 2.03 18 0.67 1.78 3 0.11 2.54Car Sharing; Bike; Bicycles 99.744 722 38.42 2.32 15 0.80 1.46 3 0.16 1.53Gentrification; Urban Regeneration; Neighborhood Change 97.749 720 52.67 1.51Hukou; Urban China; Land Development 98.478 705 41.86 1.68 8 0.48 0.85 1 0.06 1.19Bicycling; Bike; Mode Choice 99.079 675 35.38 0.98Pollution Exposure; Outdoor Air Pollution; Air Quality 99.583 627 40.50 1.67 10 0.65 1.42 2 0.13 0.51Human Mobility; Taxis; Cell Phone 99.680 625 16.34 1.65 41 1.07 1.56 28 0.73 1.60Sleuths; Cellular Automaton Model; Land Use Change 99.325 613 32.28 1.29 20 1.05 2.20Built Environment; Leisure Time; Pedestrians 99.614 581 21.76 1.65 24 0.90 1.94 2 0.07 0.28Bioretention Areas; Stormwater Management; Urban Runoff 99.270 570 35.43 1.29Informality; Slums; Urbanism 97.232 557 44.00 1.11Polycyclic Aromatic Hydrocarbons; Source Apportionment; Indeno(1,2,3-Cd)Pyrene 99.485 549 30.10 1.31 23 1.26 1.77 2 0.11 1.65Public Transport; Accessibility; Transit 97.789 547 49.73 1.01 13 1.18 0.45

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トピックを活用した分析例（2/2）

• 注目するトピックの自機関の論文を引用している論文をScopusで検索し、SciValにインポートして分析してみる。

1. トピックに含まれる自機関の論文のEIDリストをScopusの詳細検索で検索 2. 検索結果のすべての論文を選択し、[引用している文献] をクリック

3. 引用しているすべての論文をSciValにエクスポート 4. SciValにインポートした文献セットを分析

50

7. まとめ、参考情報

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まとめ

• 世界の最も喫緊の環境・社会課題であるSDGs関連の研究は、それを解決することによる社会的なインパクトから大きな注目を集めています。

• SciValにおけるSDGs関連研究は、キーワードを組み合わせたScopusの検索式で定義され、研究領域（Research Areas）として利用できます。

− 論文データによる客観的な視点を提供します。

• SDGの研究領域によって、世界のSDG関連研究を様々な観点で分析できます。

− 研究領域に含まれる自機関の文献セット（Publication Sets）を作成することにより、自機関のSDG関連研究を分析できます。

• SDGの研究領域に含まれるトピック（Topics）によって、SDGに関連が深い具体的な研究テーマを分析できます。

− 自機関の文献セットに含まれるトピックによって、SDGに関連が深い自機関の研究テーマを分析できます。

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参考情報

• RELX SDG Resource Centrehttps://sdgresources.relx.com/

• ウェビナー録音版（英語）

− Analyzing UN SDG research with SciVal – The case of University of AucklandDr Jingwen Mu, Senior Planning Analyst, The University of AucklandNov 29 2019 | 61 minshttps://www.brighttalk.com/webcast/13819/375997

− Using SciVal to map UN SDG research at University of Southern DenmarkMaeva Vignes, Funding Advisor, University of Southern Denmark (SDU) Dec 13 2019 | 61 minshttps://www.brighttalk.com/webcast/13819/378002

− #NordicSciVal2020: VTT's scientific publication and its activity regarding SDGsDr Arash Hajikhani, Data Scientist VTT Technical Research Centre of FinlandApr 23 2020 | 34 minshttps://www.brighttalk.com/webcast/13819/406526