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舗 装 管 理 計 画 平成 29 年 9 月 一 宮 市

舗 装 管 理 計 画 - Ichinomiya · 成 平 3 2 と ” 量 れ 掘 ち だ わ “ び よ お ” 率 れ 割 び ひ “ 、 は 路 道 線 幹 た し 施 実 を 査 調

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舗 装 管 理 計 画

平成 29 年 9 月

一 宮 市

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目 次

1 舗装の現状と課題................................................................................................................ 1 1.1 管理道路の現状 ............................................................................................................ 2 1.2 舗装修繕予算の現状 ..................................................................................................... 3 1.3 舗装の現状 .................................................................................................................... 4

2 舗装の維持管理の基本的な考え方 ...................................................................................... 5 2.1 舗装管理の基本方針 ..................................................................................................... 5

2.1.1 舗装管理計画策定フロー ....................................................................................... 7 2.2 管理道路の分類(グループ分け) ............................................................................... 8 2.3 管理基準 ..................................................................................................................... 13 2.4 点検方法・点検頻度 ................................................................................................... 16 2.5 使用目標年数(分類Bの道路) ................................................................................. 16

3 計画期間 ............................................................................................................................ 17 3.1 計画期間 ..................................................................................................................... 17 3.2 修繕費用の見通し ....................................................................................................... 17

3.2.1 公共施設等総合管理計画の試算 .......................................................................... 17 3.2.2 モデルケースによるシミュレーション結果………………………………………..18

4 対策の優先順位(補修計画の方針) ................................................................................ 19

5 舗装の状態 ........................................................................................................................ 20 5.1 診断結果 ..................................................................................................................... 20 5.2 補修の方針 .................................................................................................................. 20 5.3 対策内容と実施時期 ................................................................................................... 20

6 今後の課題 ........................................................................................................................ 20

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1 舗装の現状と課題

道路舗装は、市民の生活と社会を支える基本的な社会資本であり、道路利用者の安全かつ円滑

な交通を確保するとともに、快適な社会空間を形成する役割も果たしている。

これまでに建設・維持管理してきたこれらの道路舗装は、一宮市の貴重な財産であり、市民サ

ービスの向上を図るため、今後も大切に保全していかなければならない。

一方、一般的に舗装の寿命は約 10 年といわれており、適切な時期に適切な維持修繕が行わな

ければ、補修ストックは増加していく。したがって、この道路舗装を限られた予算の中で、いか

に効果的かつ効率的に維持修繕していくかが重要な課題となっている。

このような中、国土交通省 道路局より道路舗装については以下のような要領が示され、一宮市

においても、道路舗装を限られた予算の中でこれまで以上に効果的かつ効率的な維持管理を推進

すべく、ライフサイクルコストやプリベンティブメンテナンス(予防的維持)、メンテナンスサイ

クルの考え方を視野に入れた舗装管理計画を策定した。

なお、本計画は、「一宮市公共施設等総合管理計画」の個別計画という位置づけとなる。

総点検実施要領(案)【舗装編】 国土交通省 道路局 平成 25 年 2 月

(目的)

「幹線道路を主として路面の状態を把握し、修繕の候補箇所を抽出すること、安全で円滑な交

通の確保及び舗装に係る維持管理を効率的に行うために必要な情報を得ることを目的に、点検を

実施するものであり、あわせて第三者被害を防止する観点から、ポットホールへの穴埋め等応急

的な措置を行うこと」。

舗装点検要領 国土交通省 道路局 平成 28 年 10 月

(目的)

「舗装の長寿命化・ライフサイクルコスト(LCC)の削減など効率的な修繕の実施にあたり、

道路法施行令第35条の2第1項第二号の規定に基づいて行う点検に関する基本的な事項を示し、

もって、道路特性に応じた走行性、快適性の向上に資すること」。

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1.1 管理道路の現状

一宮市の管理道路の延長、面積、路線数を表- 1 に示す。

表- 1 管理道路の現状

(1) 路面性状調査延長

平成 23 年度に実施した路面性状調査の延長を表- 2 に示す。

表- 2 調査延長

※平成 23 年度 路面性状調査(下り線)

(2) 平均交通量

平成 28 年度に実施した交通量調査の平均交通量を表- 3 に示す。

表- 3 平均交通量

道路区分 延長m 面積㎡ 路線数

1級市道 161,317 1,153,296 78

2級市道 118,969 628,560 70

その他 2,048,645 7,520,380 10,346

計 2,328,931 9,302,236 10,494

As舗装 Co舗装

1級市道 153,588 153,234 354 76

道路区分 調査延長m舗装延長m

路線数

平成28年4月1日現在

平均交通量 混入率

1級市道 2,151台/日 163台/日 7.6%

道路区分 平均交通量うち大型車

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1.2 舗装修繕予算の現状

舗装修繕予算の現状を以下に示す。

平成 29 年度予算は、平成 28 年度予算と比較すると下記のとおりとなる。

・生活関連舗装改良は、約 5%減少

・幹線舗装改良は、約 88%増加

※平成 29 年度の舗装修繕予算は昨年度より約 15%増加

平成28年度予算 平成29年度予算

生活関連舗装改良

生活関連舗装改良

幹  線舗装改良

幹  線舗装改良

88%増

5%減

15%増

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1.3 舗装の現状

平成 23 年度に実施した路面性状調査の結果より、一宮市の舗装の現状を 表- 4~表- 5 および

図- 1 に示す。なお、路面性状値は平成 23 年度の測定時の値とする。

表- 4 ひび割れ率% ランク別延長m

表- 5 わだち掘れ量(平均)㎜ ランク別延長m

図- 1 ひび割れ率%、わだち掘れ量(平均)㎜ ランク別延長m

平成 23 年度に路面性状調査を実施した幹線道路は、“ひび割れ率”および“わだち掘れ量”と

も破損程度は軽度であり、路面の状態は比較的良好な状態にあった。

交通量区分 総計

交通量区分 0.0~10.0 10.1~20.0 20.1~30.0 30.1~40.0 40.1~50.0 50.1以上 (m)

N3交通 55,462 4,565 150 171 81 2 60,431

N4交通 24,589 4,807 339 28 29,763

N5交通 41,638 11,694 1,410 313 30 55,085

N6交通 6,154 1,881 274 8,309

総計 127,843 22,947 2,173 484 109 32 153,588

H23年度測定値 わだち掘れ量(㎜)ランク別延長(m)

交通量区分 総計

交通量区分 0.0~10.0 10.1~20.0 20.1~30.0 30.1~40.0 40.1~50.0 50.1以上 (m)

N3交通 51,624 6,002 2,211 528 59 7 60,431

N4交通 27,132 1,715 119 100 285 412 29,763

N5交通 47,896 4,821 1,200 215 437 516 55,085

N6交通 7,726 100 283 200 8,309

総計 134,378 12,638 3,813 1,043 781 935 153,588

H23年度測定値 ひび割れ率(%)ランク別延長(m)

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2 舗装の維持管理の基本的な考え方

2.1 舗装管理の基本方針

舗装管理計画の策定にあたっては、診断結果を踏まえた適切な措置を行うことで、道路舗装の

長寿命化や舗装の維持修繕費のライフサイクルコスト縮減を目指す。

また、舗装管理計画は「舗装点検要領 平成 28 年 10 月 国土交通省 道路局」の仕様に準じて

策定することとした。舗装点検要領の概要を表- 6 に示す。舗装点検要領の用語の定義を次頁に示

す。

なお、舗装管理計画は路面性状調査を実施した1級幹線道路のみの計画ではなく、一宮市が管

理する全路線を対象とした計画である。

表- 6 舗装点検要領の概要

大分類 小分類 分類 点検の方法 健全性の診断 措置 記録

高規格

幹線

道路等

・基本諸元の把握

 舗装台帳・工事履歴等

 表層の供用年数を整理

・使用目標年数の設定

・点検手法

 目視または機器

管理基準を設定

・点検結果から

    適切に診断

・管理基準

 ひび割れ

 わだち掘れ、IRI

(MCIなど

   複合指標も可)

・点検計画の立案

膨大な

  道路ストックを網羅

・点検手法

 目視または機器

管理基準を設定

生活

道路等D

・点検計画の立案

 膨大な

  道路ストックを網羅

・巡視の機会を通じた

   路面の損傷の把握

道路の分類 基本的事項(メンテナンスサイクル)

損傷の

進行が

早い

道路等

高速走行など求められるサービス水準等を考慮し、走行性や快適性を重視した管理

・健全性の診断に

     基づく措置

・早期劣化区間

詳細調査・修繕設計

が必要

・点検・診断・措置の

記録・保存が必要

損傷の

進行が

緩やか

道路等

・点検結果から

    適切に診断

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【用語の定義】

舗装点検要領で取り扱う用語は、以下のような定義となっている。

・修繕

管理基準を超過した段階、若しくは早期に超過する見込みとなった段階で実施する切削オーバ

ーレイや、路盤を含めた舗装打換など舗装を当初の機能まで回復させる措置。これらの措置に

ついては表層が更新されるため、表層の供用年数は新たに累積させていくものとして取扱う。

・補修

管理基準未満で実施される、ひび割れ箇所へのシール材注入や、わだち部の切削など、現状の

舗装の機能を維持するための措置。よって、表層の供用年数は継続して累積させていくものと

して取扱う。

・使用目標年数

劣化の進行速度のバラつきが大きいアスファルト舗装において、表層の早期劣化区間の排除や、

表層の供用年数と損傷レベルに応じた適切な措置の実施といったきめ細かな管理を通じた長

寿命化に向け、各道路管理者で表層を使い続ける目標期間として設定する年数(平均的な修繕

間隔の年数等、管理実績等に応じて設定する)。

(舗装点検要領 P5 より抜粋)

・設計交通量の区分

舗装計画交通量(大型車交通量)

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2.1.1 舗装管理計画策定フロー

舗装管理計画は、舗装点検要領の考え方を基にして図- 2 に示す手順で策定した。

図- 2 管理計画策定フロー

1.管理道路の分類(グループ分け)

2.管理基準

3.点検方法・点検頻度

6.舗装修繕実施予定箇所選定

4.使用目標年数(分類Bの道路)

5.LCCシミュレーション

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2.2 管理道路の分類(グループ分け)

管理道路の分類は、舗装点検要領を参考に路面性状調査結果へ大型車交通量など道路特性情報

を付加してデータベース化を行い、基本的には舗装の破損の要因が大きい交通量区分で分類した。

(1) データベースの作成

道路の分類に関係する道路の役割や種別、修繕実施の効率性等の道路特性情報について整理を

行い、舗装点検結果との関連が確認できる形式でデータベースを作成する。

平成 23 年度の路面性状調査結果へ、本業務で実施した交通量調査の結果や補修履歴の情報を

反映し、データベース化を図った。表- 8 に交通量区分別の延長を示す。

表- 7 道路特性情報

表- 8 交通量区分別 延長m

図- 3 交通量区分別 延長割合(%)

項目

道路種別

交通量区分

補修履歴

路線重要度

道路特性

1級市道、2級市道、その他市道

N1、N2、N3、N4、N5、N6、N7

新設および補修年度、補修工法

緊急輸送路

交通量区分6区分

延長(m)

割合(%)

交通量区分4区分

延長(m)

割合(%)

N1交通 14,335 9.3

N2交通 17,488 11.4

N3交通 28,608 18.6

N4交通 29,763 19.4 N4交通 29,763 19.4

N5交通 55,085 35.9 N5交通 55,085 35.9

N6交通 8,309 5.4 N6交通 8,309 5.4

総計 153,588 100.0 総計 153,588 100.0

※N7交通のデータなし ※N7交通のデータなし

N3交通 60,431 39.3

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路線別・交通量区分別延長(その 1)路線名称 総計

N1交通 N2交通 N3交通 N4交通 N5交通 N6交通 (m)

市道0101号線 1,014 1,014

市道0102号線 1,907 2,447 4,354

市道0103号線 1,379 2,693 4,072

市道0104号線 1,949 1,949

市道0105号線 2,883 2,883

市道0106号線 2,426 2,426

市道0107号線 2,865 2,865

市道0108号線 7,726 3,965 11,691

市道0109号線 691 691

市道0110号線 2,285 2,285

市道0111号線 825 825

市道0112号線 5,571 756 6,327

市道0113号線 2,986 2,986

市道0114号線 2,172 2,172

市道0115号線 3,030 3,030

市道0116号線 4,085 4,085

市道0117号線 3,200 2,185 5,385

市道0118号線 930 930

市道0119号線 456 456

市道0120号線 3,305 3,305

市道0121号線 516 516

市道0122号線 1,108 1,108

市道0123号線 1,024 1,024

市道0124号線 3,016 3,016

市道0125号線 2,668 2,668

市道0126号線 1,496 1,496

市道0127号線 2,739 3,588 6,327

市道0128号線 398 398

市道0129号線 759 759

市道0130号線 178 178

市道0131号線 3,515 3,515

市道0132号線 831 831

市道0133号線 1,022 1,022

市道0134号線 1,360 1,360

市道0135号線 528 528

市道0136号線 530 530

市道0137号線 791 791

市道0138号線 546 546

市道0139号線 1,303 1,303

小計 5,758 10,526 9,174 18,759 39,121 8,309 91,647

交通量区分別延長(m)

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路線別・交通量区分別延長(その 2)路線名称 総計

N1交通 N2交通 N3交通 N4交通 N5交通 N6交通 (m)

市道0140号線 2,523 2,523

市道0141号線 1,665 1,665

市道0142号線 4,066 4,066

市道0144号線 2,237 2,237

市道0145号線 302 302

市道0146号線 5,107 5,107

市道0147号線 4,020 4,020

市道0148号線 1,785 1,785

市道0149号線 455 455

市道0150号線 1,498 1,498

市道0151号線 990 990

市道0152号線 462 462

市道0153号線 1,016 1,016

市道0154号線 1,013 1,013

市道0155号線 693 693

市道0156号線 791 791

市道0158号線 2,100 2,100

市道0159号線 1,327 1,327

市道0160号線 1,966 1,966

市道0161号線 307 307

市道0162号線 1,118 1,118

市道0163号線 601 601

市道0164号線 1,811 1,811

市道0165号線 2,373 2,373

市道0166号線 1,422 1,422

市道0167号線 1,879 1,879

市道0168号線 866 866

市道0169号線 2,950 2,950

市道0170号線 2,096 2,096

市道0171号線 2,304 2,304

市道0172号線 1,251 1,251

市道0173号線 1,409 1,409

市道0174号線 1,407 1,407

市道0175号線 897 897

市道0176号線 1,443 1,443

市道0177号線 1,266 1,266

市道0178号線 2,525 2,525

小計 8,577 6,962 19,434 11,004 15,964 0 61,941

総計 14,335 17,488 28,608 29,763 55,085 8,309 153,588

交通量区分別延長(m)

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(2) 管理道路の分類

データベース化した道路特性情報に基づき、管理道路を“分類B(損傷の進行が早い道路等)”

と“分類C、D(損傷の進行が緩やかな道路等)”に区分けした。

一宮市では、舗装点検要領を参考に舗装の破損の要因が大きい交通量区分で分類した。

表- 9 管理道路の分類

参考として、舗装点検要領に示す道路の分類のイメージを以下に示す。

【舗装点検要領・道路の分類のイメージ】

分類B

大型車交通量が多い道路、舗装が早期劣化する道路、その他同様の管理とすべきと判断した道路。

分類C

大型車交通量が少ない道路、舗装の劣化が緩やかな道路、その他同様の管理とすべきと判断した道路。

分類D

生活道路などを基本。

道路の分類は適宜見直し、舗装の修繕が出来るだけ効率的に実施されるよう取り組むことが求められる。

(舗装点検要領P6より抜粋)

分類

分類Bの道路

分類Cの道路

分類Dの道路

対象道路

 N6交通以上の道路かつ緊急輸送道路

 上記以外の道路

 N6交通以上で緊急輸送道路ではない道路、N5交通以下の幹線道路

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【舗装の損傷要因】

舗装へのダメージは、軸重の 4 乗で影響

(国土交通省HP、これからの舗装マネジメントの方針(案)より抜粋)

下図は直轄国道の路面性状データに関して、構造的な破壊を示すひび割れに着目した分析で

得られたアスファルト舗装における劣化曲線である。これは、劣化の進行速度を確率で表現し

たマルコフ推移確率行列を用いた確率論的劣化予測モデルによるもので、大型車交通量別にひ

び割れ進行の平均線を示したものである。

なお、劣化曲線は同一の交通量でも舗装構成や地域特性等に影響を受けるので、点検結果の

積み上げにより独自に構築する、あるいは類似した舗装環境より得られた結果を参考にするこ

とが望ましい。

(舗装点検要領P29より一部追記)

(大型車交通量別)

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2.3 管理基準

舗装の健全性の診断に用いる管理基準は、維持修繕工法として選定可能な“ひび割れ率”と“わ

だち掘れ量”を使用することとした。なお、道路の特性や路面の破損などの状況より、路盤層以

下を保護するシール材注入工法の基準値も設定した(表- 10)。 また、管理基準別の要補修延長を表- 11 に示す。要補修延長は、平成 23 年度の路面性状調査結

果によるもの。

表- 10 管理基準

※分類Dの管理基準と維持修繕工法は、現場状況に応じて対応する。

表- 11 管理基準別 要補修延長m

【分類Bの道路】

【分類Cの道路】

ひび割れ率 わだち掘れ量 ひび割れ率 わだち掘れ量 ひび割れ率 わだち掘れ量

分類Bの道路 15~25%未満 25~30%未満 25~40㎜未満 30%以上 40㎜以上

分類Cの道路 20~30%未満 30~40%未満 30~40㎜未満 40%以上 40㎜以上

分類Dの道路 30~40%未満 40~50%未満 30~40㎜未満 50%以上 40㎜以上

対応工法 シール材注入 切削オーバーレイ系 打換え系

基準1 基準2 基準3

0.0~14.9 15.0~19.9 20.0~24.9 25.0~29.9 30.0~34.9 35.0~39.9 40.0以上

00.0~14.9 2,427 573 200

15.0~19.9 100

20.0~24.9

25.0~29.9 100

30.0~34.9 100

35.0~39.9 100

40.0以上 283

わだち掘れ量(㎜)

ひび割れ率(

%)

0.0~14.9 15.0~19.9 20.0~24.9 25.0~29.9 30.0~34.9 35.0~39.9 40.0以上

00.0~14.9 118,741 7,630 2,543 411 555 191 639

15.0~19.9 6,198 930 297 30

20.0~24.9 3,068 390 200 13

25.0~29.9 2,784 70 32

30.0~34.9 1,426 54 100

35.0~39.9 344 100 100

40.0以上 2,167 200 107 100 200 85

わだち掘れ量(㎜)

ひび割れ率(

%)

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【舗装点検要領・管理基準】

ひび割れ率 0~20%程度 わだち掘れ量 0~20mm 程度

ひび割れ率 20~40%程度 わだち掘れ量 20~40mm 程度

ひび割れ率40%程度以上 わだち掘れ量 40mm 程度以上

・損傷の進行が早い道路等(分類、B)

管理基準は、ひび割れ率、わだち掘れ量、IRI(International Roughness Index:国際ラフネス指標)

の3指標を使用することを基本とする(3指標と合わせて、その他指標や、複合指標(MCIなど)を用

いることは構わない)

分類B以下に相当する道路では、ひび割れ率20~40%、わだち掘れ量20~40mm、IRI8m

m/mなどを採用している事例があるので、管理基準の設定にあたって参考にするとよい。

・損傷の進行が緩やかな道路等(分類C、D)

損傷の進行が緩やかな道路等以下に相当する道路の管理基準は、ひび割れ率20~40%、わだち掘れ

量20~40mm等の事例があるとともに、各種指標を総合的に評価しているケースも存在するが、各道

路管理者が道路の特性等に応じて適切に設定する。

(舗装点検要領P9,10,16より抜粋)

破損進行の

メカニズム

破損が進行すると、ポットホール、雨水の浸透 破損が進行すると、二輪車の転倒

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【舗装点検要領・路盤以下の層の保護の重要性】

長寿命化の観点から、路盤以下の層の保護に関し、特に注意すべき損傷進行メカニズム

(1)アスファルト舗装

ひび割れ発生

→ 進行すると雨水が路盤以下の層へ・アスファルト混合物自体もはく離進行

→ 路盤以下の層が損傷(脆弱化) → 舗装体として支持力が低下

→ 表層等切削オーバーレイしても早期劣化

→ 路盤からの打換え措置が必要(費用増大)

となるため、ひび割れを封かんして路盤以下の層を損傷させない観点が必要

(2)コンクリート舗装

目地部の損傷 → 雨水の路盤への浸入 → 交通荷重等により路盤細粒分噴出

→ コンクリート版下に隙間発生

→ コンクリート版のばたつき・荷重伝達機能の低下 → 版の損傷(費用増大)

となるため、目地材の適切な管理により路盤を損傷させない観点が必要

(舗装点検要領P28より抜粋)

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2.4 点検方法・点検頻度

分類Bの道路の点検手法は、目視を基本に必要に応じ機器を用いることを妨げない。また、分

類Cの道路は目視とする。分類Dの道路は道路パトロールにて路面状況を把握する。

分類Bの道路の点検頻度は、5 年に 1 度とする。また、分類Cの道路は道路パトロールで路面

状況を把握するか必要に応じて 5 年に 1 度とする。分類Dの道路は、道路パトロールにて路面状

況を把握する。

表- 12 点検方法・点検頻度

※道路パトロールは全ての路線を対象に実施

2.5 使用目標年数(分類Bの道路)

分類B の道路の使用目標年数は、以下の通りとする。

分類B の道路:N6(旧 C)交通かつ緊急輸送道路

設計耐用年数:20 年(分類 B の道路の設計耐用年数は 20 年で構築)

使用目標年数:25 年

一宮市ではN6 交通以上の道路を、設計期間 20 年で構築している。

ただし、設計期間 20 年を導入してから 20 年経過していないため、現時点では評価できる段階

にない。

そのため使用目標年数は、当面の間は設計耐用年数以上の 25 年と設定するものとした。

分類

分類Cの道路

分類Dの道路

分類Bの道路目視を基本に、必要に応じ機器を用いることを妨げない。(新技術の積極採用)

5年に1度

目視 必要に応じて5年に1度

点検方法 点検頻度

道路パトロールによる路面状況の把握

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3 計画期間

3.1 計画期間

舗装管理計画の計画期間は、20 年とする。

3.2 修繕費用の見通し

3.2.1 公共施設等総合管理計画の試算

平成 28 年 11 月に策定した『一宮市公共施設等総合管理計画』において試算した予防保全型の

費用を以下に示す。

公共施設等総合管理計画での年間費用

1級幹線 5.6億円/年

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3.2.2 モデルケースによるシミュレーション結果

モデルケースとして1路線をピックアップして事後保全型と予防保全型のライフサイクルコ

ストを図-4 に示す通り比較した。40 年後の試算として、累積約 1750 万円(約 34%)のコス

ト縮減を図ることが可能となる。

また、モデルケースを基に 1 級幹線道路全体における予防保全型の年間費用を算出すると、

約 6.2 億円となる。1 級幹線道路全体の内、大型車交通量の多い N5、N6 交通の割合が約

42%であるため、6.2 億円の内、2.6 億円が年間の修繕費用として必要と推測される。

【試算条件】 延長L=200m、幅員W=8.1m、面積A=1,620㎡、 N5(B)交通

路上再生 26百万円、 切削OL 8.5百万円、 シール注入 1百万円

【対策工法パターン】

○事後保全型 路上再生 ⇒ 路上再生 ⇒ 路上再生 ・・・・・

○予防保全型 クラックシール ⇒ 切削OL ⇒ クラックシール ⇒ 切削OL ⇒ クラックシール ・・・・・

図-4 舗装ライフサイクルコスト【1 路線モデルケース】

1級幹線道路における費用 ⇒ 約6.2億円/年

(約 A=116万㎡ × 533円/㎡)

【予防保全型】

A=1,620㎡の場合 40年間費用 34,500,000円

年間費用 862,500円

⇒ ㎡単価 533円/㎡

2.6

億円

24細節

(路上再生路盤工法)

6.2

億円/年

2.6億円

3.6

億円

舗装管理計画における1級幹線道路

【予防保全型】

N5,N6

交通

42%

N1

~N4

交通

58%

修繕費用

2.6億円/年

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4 対策の優先順位(補修計画の方針)

対策の優先順位は、表- 13 に示す評価項目に基づき優先順位を設定する。

ただし、早期劣化箇所(路盤の支持力が低下している箇所)については、表層等のみを修繕し

ても短期間で劣化損傷が進むことから、今後、舗装の長寿命化によりLCCの縮減を図るため、

路盤の打ち換えや路盤の強化を計画する。

表- 13 対策の優先順位

【早期劣化箇所の原因把握と適切な措置】

損傷の進行が早い道路等への

マネジメントのあり方

・表層等の適時修繕による路盤以下の

層の保護を目的に、点検を実施

・修繕サイクルを長くしていくため、

早期劣化箇所の原因把握と適切な

措置(路盤の打ち換え、路盤の強化

など)や、使用目標年数を意識した

管理の実施

・走行性、快適性を考慮した路面管理

の実施

(国土交通省 HP、これからの舗装マネジメントの方針(案)より抜粋)

評価区分 評価項目 総点

路線特性 緊急輸送道路

30点 管理道路の分類

車線数

必要性 DID地区

35点 総交通量 多い 少ない

沿線等への振動影響 有 無

道路利用者のニーズ

安全性 ひび割れ 多い 少ない

25点 わだち掘れ 深い 少ない

通学路の指定

その他

10点

判定点数

指定有 指定無

分類B 分類C

片側2車 片側1車

指定 無

普通

普通

普通

微少

有 無

有 無

総計

ランク

上記以外の要因 有 無

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5 舗装の状態

5.1 診断結果

平成 23 年度に路面性状調査した 153.6kmの診断結果は、表- 14 に示すとおりである。

なお、診断結果については、愛知県の劣化予測式で平成 23 年度の路面性状値を平成 28 年度に

予測した値より集計を行った。

表- 14 平成 28 年度予測 点検診断結果

※分類Cは、Ⅲ-1とⅢ-2の判別の規定なし。

【舗装点検要領・健全性の診断】

(舗装点検要領P11より抜粋)

5.2 補修の方針

早期劣化箇所(路盤の支持力が低下している箇所)については、表層等のみを修繕しても短期

間で劣化損傷が進むことから、国庫補助事業を活用し路盤の打換えや路盤の強化を計画する。

また、舗装の長寿命化を図るための表層の補修(切削オーバーレイ等)は公共施設等適正管理

推進事業債(長寿命化事業)を活用し、国庫補助事業と一体となって効率的な計画を策定する。

具体的に、1級幹線道路の一部を簡易計測機にて点検した結果、26路線で管理基準以下となり、

今後優先して補修に取組む必要がある。

5.3 対策内容と実施時期

対策内容と実施時期は、別表のとおりとする。

6 今後の課題

舗装修繕を計画的に実施するためには、メンテナンスサイクル(点検、診断、措置、記録)の

構築が必要であり、定期的に点検・診断を実施し、管理基準等を適宜見直すことで、実情に即し

た修繕が可能となる。さらに、計画的な工事発注や適切な工法選定による予算の平準化が図れる。

区分 状態

Ⅰ 健全 損傷レベル小

Ⅱ 表層機能保持段階 損傷レベル中

Ⅲ-1修繕段階

損傷レベル大:表層等修繕

Ⅲ-2 損傷レベル大:路盤打換等

単位:m

Ⅲ-1 Ⅲ-2

分類Bの道路 3,200 100 583 100 483

分類Cの道路 136,780 6,512 6,413

計 139,980 6,612 6,996

区分Ⅲ区分Ⅰ 区分Ⅱ