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BET表面積測定) 触媒反応において、一般に触媒の表面積大 反応活性大 表面積を知ることで、触媒活性を見積もることが出来る。 BET法が最も一般的 (触媒のみならず、吸着剤等の研究にも表面積の評価は重要) BETの理論式 14式) v : 吸着気体の容積 v m : 単分子層を形成するのに必要な吸着気体の容積 c : 定数 χ : 相対圧( , P 0 : 飽和蒸気圧, P: 平衡圧で,表される。 この14式にχ= PP 0 を代入し,式変形すると, 17式) と表される。 従って,Y 軸に P i v i (P 0 P i ) X 軸に P i P 0 をとりプロット し,最も適していると思われる直線を引くことで,その直線から得られた 傾き(c1)/v m c と 切片 1v m c を使い,v m c を計算する今、v m [cc] は対象固体の表面へ吸着気体が完全に一層を形成したときの吸 着容積だから、その時の気体の個数 S 気体一分子当たりの占有面積ω(Å 2 )を用いることで,物質の表面積A (m 2 )A’ ω × 10 -20 × S [m 2 ] 普通、表面積は単位重量あたりの面積で表すため、対象の固体の質量をM (g) とすると求める物質の表面積A(m 2 /g)また,van der Waals吸着熱λ 1 c exp {(λ 1 λ L )RT} より λ 1 λ L R T ln c となり,吸着ガスの液化熱λ L 気体の液化は発熱であることから,符号に注意すること )と定数cを代入することで, もとめることができる。λ L に関しては,図書館で各自調べることX線回折測定) D式に示されるBraggの式で,Ⅹ線の光路差が波長の整数倍であるとき,反射するⅩ線はお互いに強め合う。 2d sinθ = n λ D式) 従って照射するⅩ線が一定であれば,ある特定の角度において強い回折線が観測される。そこで, 実際に観測される数個の回折 ピークの散乱角2θ(もしくは面間隔d)と回折ピークの相対強度から物質の結晶構造をほぼ決定することができる。 またE式のScherrerの式からX線回折測定により試料の結晶の大きさD hkl (nm)を求めることができる。 D hkl = k λβ cos θ E式) k:形状因子(=0.9) λX線の波長(=0.154 nm) β:回折線の半値幅 (rad) β=(B 2 -b 2 ) 1/2 B=実測値,b=0.002 (rad) [2θ=28゜付近] θ:回折角 (rad) BET表面積測定法とX線回折法からの未知試料の同定 = [cc] 22400 × 6.023 × 10 23 [] = 1 (1 + ) 既知のデータ 実験データ 実験データ ( 0 ) = 1 + 1 × 0 一分子 当たりの 占有面積 ω(Å 2 ) P/v(P0-P) P/P0 (c-1)/( vm c) 1/vm c y切片 傾き = ω × 10 20 × 22400 × 6.023 × 10 23 × 1 [m 2 /g]

BET (c -1)/(ichiy/cx8HP/Experimental/blackboard.pdfBET 表面積測定) 触媒反応において、一般に触媒の表面積大 反応活性大 表面積を知ることで、触媒活性を見積もることが出来る。

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  • (BET表面積測定)

    触媒反応において、一般に触媒の表面積大 反応活性大

    表面積を知ることで、触媒活性を見積もることが出来る。

    BET法が最も一般的

    (触媒のみならず、吸着剤等の研究にも表面積の評価は重要)

    BETの理論式

    (14式)

    v : 吸着気体の容積

    vm : 単分子層を形成するのに必要な吸着気体の容積

    c : 定数

    χ : 相対圧( , P0: 飽和蒸気圧, P: 平衡圧)

    で,表される。 この14式にχ= P/P0を代入し,式変形すると,

    (17式)

    と表される。 従って,Y軸にPi/vi (P0-Pi)をX軸にPi/P0をとりプロット

    し,最も適していると思われる直線を引くことで,その直線から得られた

    傾き(c-1)/vm c と 切片 1/vm c を使い,vm と c を計算する。 今、vm [cc]は対象固体の表面へ吸着気体が完全に一層を形成したときの吸

    着容積だから、その時の気体の個数 S は

    気体一分子当たりの占有面積ω(Å2)を用いることで,物質の表面積A’ (m2)は

    A’ =ω × 10-20 × S [m2]

    普通、表面積は単位重量あたりの面積で表すため、対象の固体の質量をM (g) とすると求める物質の表面積A(m2/g)は

    また,van der Waals吸着熱λ1は c = exp {(λ1-λL)/RT} より

    λ1 = λL + R T ln c

    となり,吸着ガスの液化熱λL(気体の液化は発熱であることから,符号に注意すること)と定数cを代入することで,

    もとめることができる。λLに関しては,図書館で各自調べること。

    (X線回折測定)

    D式に示されるBraggの式で,Ⅹ線の光路差が波長の整数倍であるとき,反射するⅩ線はお互いに強め合う。

    2d sinθ = n λ (D式)

    従って照射するⅩ線が一定であれば,ある特定の角度において強い回折線が観測される。そこで,実際に観測される数個の回折

    ピークの散乱角2θ(もしくは面間隔d)と回折ピークの相対強度から物質の結晶構造をほぼ決定することができる。

    また,E式のScherrerの式からX線回折測定により試料の結晶の大きさDhkl (nm)を求めることができる。

    Dhkl = k λ/β cos θ (E式)

    k:形状因子(=0.9)

    λ:X線の波長(=0.154 nm)

    β:回折線の半値幅 (rad)

    (β=(B2-b2)1/2:B=実測値,b=0.002 (rad) [2θ=28゜付近] )

    θ:回折角 (rad)

    BET表面積測定法とX線回折法からの未知試料の同定

    𝑆 = 𝑣𝑚 [cc]

    22400× 6.023 × 1023 [個]

    𝑣

    𝑣𝑚 =

    𝑐𝑥

    1 − 𝑥 (1 − 𝑥 + 𝑐𝑥)

    既知のデータ

    実験データ

    実験データ

    𝑃

    𝑣(𝑃0 − 𝑃) =

    1

    𝑣𝑚𝑐+

    𝑐 − 1

    𝑣𝑚𝑐×

    𝑃

    𝑃0

    一分子

    当たりの

    占有面積

    ω(Å2)

    P/v(P0-P)

    P/P0

    (c-1)/(vm c)

    1/vm c

    y切片 傾き

    𝐴 = ω × 10−20 ×𝑣𝑚

    22400× 6.023 × 1023 ×

    1

    𝑀 [m2/g]