Access95 を使った

データベース講座平成 9 年 6 月 9 日～13 日

1 データベースってなに？-Access の概要 1

1.1 データベースとは何か ............................................................................................. 1

1.2 コンピュータでデータを処理するとは－データの型について............................... 2

2 アクセス 95 を使ってみよう 3

2.1 まずはアクセス 95 の起動とデータベースのオープン ........................................... 3

2.2 アクセスの画面説明................................................................................................. 5

2.3 データベースウインドウの概要とデータベースのコントロールについて ..............

3 データベースを作ってみましょう 11

3.1 データベースウイザードを使って新規作成 .......................................................... 11

3.2 フィールドの追加 .................................................................................................. 16

3.3 ルックアップの設定............................................................................................... 17

4 フォームの加工とデータの印刷 20

4.1 フォームへ男女の区別フィールドを追加する ...................................................... 20

4.2 フォームの印刷 ...................................................................................................... 21

5 レポート 22

5.1 私の住所録のレポート ........................................................................................... 22

6 データの抽出-クエリー 24

6.1 選択クエリーの新規作成 ....................................................................................... 24

6.2 選択クエリーに抽出条件を与える......................................................................... 26

6.3 詳しい条件欄の書き方 ........................................................................................... 27

6.4 クエリーを元にしてレポートを作る ..................................................................... 28

7 テーブル間のリンク - リレーションシップ 31

7.1 リレーションシップの表示とテーブルの追加 ...................................................... 31

Microsoft，Windows，Access は米国 Microsoft Corporation の米国及びその他の国にお

ける登録商標です．

1

1 データベースってなに？-Access の概要

1.1 データベースとは何か

　データベースという言葉は良く耳にします．データとは英語の data のことで，

日本語では推論の基礎となる事実，ある事柄に関して集めた個々の事実を，広義

の記号で表したもの1とされています．この個々の事実のことは情報という言い

方をすることがあります．またベースとは base であり，基準とか基地，根拠地

という意味ですのでデータベースと言うと集めた情報を貯えて整理してあるもの

といった意味になります．

　身の回りのデータベースとしては，電話番号や住所情報をあいうえお順や職業

毎にまとめてある電話帳やタウンページ，患者さん毎の病歴や処方箋情報を書い

たカルテを大量に集めたものなどがあります．しかし大量の情報の中から自分の

知りたい情報を捜したり抜き出して整理したりするのは骨を折る仕事です．

　このような人間にとっては不得意なめんどくさい仕事をコンピュータを使って

やらせるためにデータベース・ソフトというものが開発されてきました．本講座

で使用する Access95（アクセス 95）は，広く使われているデータベース・ソフ

トの一つです．アクセス 95 では次のような事が出来ます．

1. データベースの設計と製作：データベースデザイン

2. 情報の検索と抽出：クエリー

3. 情報の集計と表示：レポート

これからアクセス 95 の使い方について勉強していきましょう．

1 新明解 国語辞典 第四版，金田一京介 著 三省堂

2

1.2 コンピュータでデータを処理するとは－データの型について

データベースを作る時に最も大事なのは，どのようなデータ（情報）を集める

のか事前に充分検討しておく事です．商店の売り上げと顧客管理を例にとると，

次のような情報が必要になるでしょう．

表 1 商店の売り上げデータベース

商品管理情報 顧客情報 売り上げ情報

1. 商品名や型番 1. 氏名 1. 商品名

2. 値段 2. 住所 2. 売り上げ期日

3. 在庫数 3. 電話番号 3. 販売価格

4. 仕入先 4. 購入商品

商品名やお客様の氏名や住所は文字で書くことになります．コンピュータで売

り上げを計算したりするためには，値段などは文字ではなく数字で書き込む必要

があります．コンピュータで情報を処理するためには，データが文字なのか数字

なのか厳密に指定してやる必要があります．このことをデータの型指定といいま

す．

また表 1の内容を一つのデータの集まりとして取り扱うとこも出来ますが，商

品管理情報，顧客情報，売り上げ情報という三つに分けて整理する方がコンパク

トにまとまって便利になります．

データは表 2のような形で整理させます．これをテーブル2といいます．

表 2 商品管理テーブル

商品名（型式番号） 値段 在庫数 仕入先

ぐるりん洗濯機 G-1 100,000 10 高専電気（株）

除湿機 JYO-102 48,000 5 MM 電気

テーブルの横方向の一行一行には一つ一つの商品に関する情報が集まっていま

す．この行の事をレコードと呼びます．また縦の列には項目の名前と金額などの

具体的な情報が書き込まれていますが，列の事をフィールドと言います．

データベースはこのようなテーブル状の情報群をたくさん集めて組み立ててい

きます．顧客情報や売り上げ情報についてのテーブルも作る事になりますが，表

1を見ても明らかなように，商品管理情報テーブルの中の商品名や型番と顧客情

報テーブルの購入商品，売り上げ情報テーブルの商品名は，実は同じ情報を意味

2 英語の table：表から来ています

3

しています．また商品管理テーブルの値段を元にして，売り上げ情報の販売価格

を計算することが出来ればとても便利になるでしょう．この例のように，いくつ

かのテーブルで同じ情報を共有したり，関連付けをして他のテーブルの情報を参

照して利用する事が出来ます．このような機能をもったデータベースのことをリ

レーショナルデータベースと言います．アクセス 95 を始めとして，現在市販さ

れているデータベース・ソフトの大半は，リレーショナル・データベース3形式

になっています．アクセス 95 の最新バージョンは Access97（マイクロソフト

社）として発売されています．これ以外には Approach97（ロータス社）や

Paradox7J（ボーランド社）などが有名です．

2 アクセス 95 を使ってみよう

2.1 まずはアクセス 95 の起動とデータベースのオープン

アクセス 95 には，いくつかのデータベースのサンプルファイルが添付されて

います．これを使ってアクセス 95 の使い方を覚えていく事にします．

Windows95 の［スタート」メニューの中にある［プログラム］［Microsoft

Office95］の中の［Microsoft Access95］をクリックします．これでアクセス 95

が起動します．

図 1 アクセス95 起動直後のダイアログ

3 relational data base：関連のあるデータベースの意味．この方式以外にはデータをカー

ドに書き込む形で整理するカード型データベースと呼ばれるものがあります．初心者には

カード型の方が向いていると言われてきましたが，現在ではテーブルを使ったものが主流

で THE CARD7.3（アスキーサムシンググッド）くらいしか販売されていません．

4

これで現れる図 1のダイアログボックスの［既在のデータベースを開く］項目

をチェックして印をつけてから，［ＯＫ］をクリックします．するとファイルを

指定するためのウィンドウが開くので，「Northwind へのショートカット」を

選んでから，［開く］をクリックして Northwind データベースを呼び出します．

図 2 ファイルを開くウインドウ

コラム -身近なもののデータ量-

l 高知新聞のデータ量：段組一段あたり 3.4cm の長さで 12 文字，

3.5cm で 8 行．一面の紙面の大きさ 55cm×41cm で余白 1.5cm，紙面の

60%が文字で埋まっているとした時に全 24 面で約 440KB

l 大辞泉 (監修 松村 明 小額館)：23 文字×57 行で 4 段組，2864 ページ

のうち 70%が埋まっているとして，約 10MB

l 画像ファイル：200dpi の解像度のフルカラー(1600 万色)で 2 インチ四

方の画像で約 460KB

5

2.2 アクセスの画面説明

アクセス 95 でデータベースを開いた画面が図 3です．

図 3 アクセス95 のデータベースウインドウ

アクセス 95 でデータベースファイルを開くと，アクセス 95 の全体ウインドウ

の中にデータベースウインドウが現れます．データベースウインドウは，データ

ベースの作成やメンテナンスをコントロールするための道具です．データシート

ウインドウは，テーブルを始めとして，６つのタブから構成されています．

1. テーブル：表形式で保存されているテーブルを開いて中身を見たり，内容の

変更や新規作成を行います．

2. クエリー：データベースから情報を抽出するための仕組みである，クエリー

を作っるのに使います．

3. フォーム：データの打ち込みや表示をするための型枠であるフォームを作る

のに使います．

4. レポート：クエリーの結果や，データベースの内容をかっこ良く表示・印刷

ツールバー

データベースウインドウ

6

するのに必要な設定を作るのに使います．

5. マクロ：決められた手順に従い一連の作業をさせるマクロ命令を記述したり

保存するのに使います．

6. モジュール：アクセス 95 の機能の利用や機能強化を行うために，自分でプ

ログラムを書く時に使います．

私たちが良く使うのは１から４までですし時間が限られていますので，本講座

では５，６についての説明は行わないことにします．

図 4は，テーブルタブに現れている幾つかのテーブルのうち運送会社テーブル

を開いた様子です．第一フィールドは運送コード，第二フィールドは運送会社，

第三フィールドが電話番号に設定されています．フィールドの中でチカチカと黒

いカーソルが点滅しているのが現在注目しているフィールドを表しています．こ

こでキーボードから文字や数字を打ち込むと，そのフィールドの内容が書き替え

られます．（書き替えないで下さいね）

フィールド間を移動するには［ＴＡＢ］キーや［←］［→］キーを押すか，目

的のフィールドをマウスで直接クリックして行います．レコード間の移動は，

［↑］［↓］キーを押すか，マウスでクリックするか，テーブルウインドウの最

下端にあるスイッチをクリックする事で行う事が出来ます．

図 4 運送会社テーブルの内容

このウインドウは，そのテーブルの内容を表示してくれるだけではなくレコー

ドの追加やデータの変更をするためにも利用します．

次のレコードに移る

最終レコードに移る

最終レコードの次の

新規レコードへジャンプ

7

図 5 1994 年度商品区分別売上高クエリー

図 5はクエリーを使ってデータ抽出を行った結果ファイル「1994 年度商品区

分別売上高」を開いて，抽出結果を表示させたところです．抽出パターンの設定

などは［デザイン］スイッチを押して行います．

図 6 商品リストフォーム

図 6は，フォームタブの商品リストを開いたところです．フォームの使い方は

さまざまですが，この例のようにテーブルの内容を一レコード分ずつ表示させた

りする事が出来ます．また逆にこのようなフォーム4からテーブルへ情報の書き

込みを行う事も出来ます．

最後に残ったレポートタブに関しては，紙面の関係上ここに画面を載せる事は

しません．レポートタブを選んでから，適当なファイルを選んで［プレビュー］

スイッチを押して各人ご確認ください．

4 form：形や書式・様式を意味する英語から来ています．まさにデータを表示する様式を

規定している事になります．

8

2.3 データベースウインドウの概要とデータベースのコントロールについて

前節では，データベースウインドウの 6 つのタブについて説明をしてきました．

それぞれのタブを選んではウインドウ内に表示されるファイルアイコンを開いて

内容を確認してきましたが，データベースウインドウの役割は内容を表示する事

だけではありません．最も重要な役割は［デザイン」です．

データベースウインドウのテーブルタブの中の運送会社を選んでから，［デザ

イン］スイッチを押したのが図 7です．テーブルデザインウインドウが開いてい

ます．

図 7 運送会社テーブルのデザイン

図 7 運送会社テーブルのデザインウインドウは運送会社テーブルの設計図に

なっています．これは上の表の部分と，下の灰色のタブの部分から出来ています．

まず上の表の部分に注目してみましょう．表のフィールドは三つあります（つ

まり 3 列ですね）．それぞれの名前は「フィールド名」「データ型」「備考」で

す．6ページの図 4 運送会社テーブルの内容と比較して見てください（この下に

必要な部分だけを抜粋してあります）．

9

　運送会社テーブルは，「運送コード」「運送会社」「電話番号」と名前の付い

た三つのフィールドを持っていましたが，それは図 7の「フィールド名」で決め

られていたのです．次の「データ型」というフィールドを見るとオートナンバー

型，テキスト型というのがあります．これは運送会社テーブルの各フィールドに

入るのが，数値（ナンバー）なのか，文字（テキスト）なのかを指定している事

になります．

運送会社は会社名で管理するよりも数値で管理する方が間違いが無く，しかも

簡単です．そこで数値型の「運送コード」を用いる事にしています．同じ運送コ

ード番号を二つの会社に割り振ってしまわないように気を付けなければなりませ

ん．そこで「運送コード」フィールドはオートナンバー型にしてあります．これ

は，運送会社テーブルに新しい運送会社情報（レコード）が追加されるたびに自

動で番号を割り振っていく機能を持っています．オートナンバー型にすることで

運送コードが重複する事も無くなります．

「説明」フィールドには各レコードに対する説明を書き込んでおきます．これ

で各レコードの意味やデータを入れる時の注意を書いておけば，データ入力の時

にはこの内容がアクセス 95 ウインドウの最下端のステータスウインドウに表示

させる事が出来ます．ちょっとしたことですが，手を抜かずに正確に簡潔に説明

文を書くように心がけて下さい．

デザインウインドウの下半分は幾つかの情報が表示されていますが，「標準」

と「ルックアップ」の二つのタブから出来ています．「標準」は現在注目してい

るレコードの詳細情報を表示しています．ここでは単に情報を表示するだけでは

なく，データが入っていない時にフィールドに標準で何を入れておくかや，数値

や文字の表示の書式設定などを行う事が出来ます．

また「ルックアップ」はワードパッドの文字の大きさ指定の様な，コンボボッ

クス形式のメニューを設定する時に使います．これは後で必要になった時に詳し

く説明を行いますが，性別のようにフィールドへ入力させる値や文字が択一方式

で良い場合には非常に威力を発揮する便利な機能です．

実習１ テーブルタブから運送会社テーブルを開いて，新たに運送会社を追加し

てみましょう．テーブルに新たなレコードを追加するためには，テーブルを表示

した時に現れる スイッチを押して新たな行を追加してから行います．

10

これでデータベースウインドウの持っている三つの主要な役割のうち，内容の

表示とデザイン（設計）変更の概要について学びました．二つとも既に出来てい

るものの表示と変更でしたが，データベースウインドウの最後の機能は新規作成

です．

これは名前の通り，新しいテーブルやクエリー，フォームなどを作り出すため

に使います．詳細については後で実際にデータベースを作る部分で触れていきま

すが，まったく何も無い白紙状態を元に作り上げていく方法と，雛形やウイザー

ドと呼ばれるお助け機能を使って半自動的に作る方法があります．前者は自分の

必要なものをきっちり作るのに適していますが，書式やデータ型などを全て自分

で設定しなければならないので，初心者向きとは言えません．後者は複雑なデー

タベースやフォームなどを比較的簡単に作る事が出来ますが，不必要なフィール

ドが増えたり，一般的ではあるが自分の要求にはあまり当てはまらないという場

合もありえます．

自分で色々試して好きな方法を選べばいいと思いますが，個人の簡単なアドレ

ス帳程度なら一から自分で作り，会社の顧客管理や商品伝票整理などの大規模な

ものは雛形を利用して概要を作ってから自分の好みに合うように手を入れていく

のが良いでしょう．

アクセス 95 を使ったデータベース作成とレポート作成までの作業の流れを図

に表すと次のようになります．

データベースの仕様を決定する

テーブルの作成

デザイン変更

クエリーの設定デザイン変更

レポートの製作

デザイン変更

完成

図 8 アクセス95 の作業の流れ

11

3 データベースを作ってみましょう

　アクセス 95 の概要については，理解していただけたことと思います．これ以後は実際

にデータベースを作っていく事にします．題材としては，住所録を作ってみましょう．単

なるアドレス帳ではなく葉書の表書きをする事が出来るものを作ってみる事にします．

3.1 データベースウイザードを使って新規作成

新しいデータベースを作る時は「データベースウイザード」を使うと便利です．

マイクロソフト社のソフトウエアに「○×ウイザード」という機能が必ず付いて

います．これは画面に出てくる質問項目に答えていくと，回答内容に応じた処理

を行い目的物を作るアシスタントをしてくれる機能です．データベースウイザー

ドは，目的のデータベースを作るための質疑応答式のアシスタント機能の事です．

図 9 データベースウイザードの選択

アクセス 95 を起動した直後にデータベースウイザードの項目をクリックして

チェックマークを入れて［OK］スイッチを押すと，データベースウイザードを

呼び出す事が出来ます．これ以外にもアクセス 95 のメニューバーの［ファイ

ル］メニューの［新規作成］から呼ぶ事も出来ます．

12

図 10 データベースタブから個人住所録を選んだところ

新規作成の場合，まったく何も無いまっさらのデータベースを作る事も出来ま

すが，アクセス 95 には雛形となるサンプルファイルが多く添付されているので，

これらを元にしてデータベース作りを行った方が断然楽になります．

図 10から「個人住所録.mdz」を選んで［OK］スイッチを押して下さい．

図 11 データベースファイル名の設定

まずこれから作るデータベースの名前を決めます．何も指定しなくてもファイ

ル名のところには何がしかの名前が書き込まれていますが，「個人住所録

1.mdb5」などの没個性的な名前になってしまいます．これでは後で見た時に何の

5 名前の最後の mdb は拡張子と呼ばれるもので，この 3 文字の記号により Microsoft 社の

13

ファイルだったか分かり難くなるので，なるべく意味のある名前をつける事にし

ましょう．今回は「私の住所録」と名前をつける事にします．名前を書き込んだ

ら［作成］スイッチを押して次に進みます．

図 12 データベースウイザードの始まり

［次へ］スイッチを押して次へ進みます．

図 13 フィールド選択

DataBase のファイル，すなはちアクセスのデータベースである事を表しています．

14

　するとこの雛形で扱う事の出来るフィールド項目を選択するためのダイアログ

ウインドウ図 13が出てきます．ここで自分が必要とする項目にはチェックマー

クを入れ，必要としないものからはチェックを外して選択をします．今回はシン

プルにするためにフィールドをなるべく減したいのですが，フィールド項目のう

ち斜体で書かれたもの以外は削る事が出来ません．そこで標準のままで良しとす

る事にします．ここで後でデータを入力する時に分かりやすいように，「サンプ

ルデータを自動作成する」項目をチェックしておくことにしましょう．［次へ］

スイッチを押して下さい．

続いて，「フォームのスタイル」「レポートのスタイル」の選択ダイアログが

表示されますが，これらは後で変更する事も出来るので凝らずに［次へ］スイッ

チを押して先に進む事にします．次に図 14「データベースの名前の指定」が出

ますのでここでもデータベース名を「私の住所録」とする事にしましょう．

図 14 データベースの名前の指定

次へ進むと今度のダイアログには［次へ］スイッチの文字が消えて，押せなく

なっています．このダイアログがウイザードの最終になります．［完了］スイッ

チを押せば，いままで答えてきた内容に準じて「私の住所録」データベースが作

られます．

　最終ダイアログにあるすぐに実行するチェックボックスに印が入っていれば，

データベース作成が終了すると直ちに「私の住所録」データベースが読み込まれ

て実行されます．もしすぐに実行されないようでしたら，アクセス 95 のメニュ

15

ーバーの［ファイル］メニューの［開く］項目で「私の住所録」を開いて見てく

ださい．すると単にデータベースファイルを開くだけではなく，「メインメニュ

ー」フォームが起動して私の住所録データベースの変更などを行うとこが出来る

仕組みになっています．

メインメニューのスイッチを操作する事で，データベースの内容を書き加えた

り印刷メニューを呼び出す事が出来ます．このメインメニューフォームのような

機能は必ずしも必要なわけではありませんが，自分以外の誰かが使う場合や，い

ちいちデータベースウインドウのタブを切り替えてはテーブルやフォームをひら

くのが面倒な場合にはとても便利です．（メニューの作り方の詳細については，

［ヘルプ］メニューの［トピックの検索］から「メニュー用フォーム ビルダを

使って、メニュー用フォームを作成する」を参照して下さい．）

図 15 私の住所録のメインメニュー

演習 2 私の住所録データベースを作ってみましょう．データベースの新規作成

が終わったら，実際にこれを実行してメインメニューの［住所録の編集］スイッ

チを押して住所録の編集作業を行ってみましょう．（氏名と住所および電話番号

16

だけで良いでしょう．）

データベースウインドウで「私の住所録」を見てみると，次のようなものが出

来ています．

l テーブル

SwitchboardItems：メイン メニューで利用する命令表です．

住所テーブル：ずばり住所録データの表です．

l フォーム

メイン メニュー：データベースを開くと，これがまず立ち上がります．

住所録：住所テーブルのレコードを表示・入力するためのフォームです．

l レポート

五十音順住所リスト：住所テーブルの内容を［フリガナ］フィールドの五十

音順に並べ替えて表示・印刷します．

今月の誕生者リスト：［生年月日］フィールドの内容を検索して，今月の誕

生者のみを抽出して表示・印刷します．

住所データの詳細：住所テーブルの内容をすべて表示・印刷します．

年賀状送付リスト：［年賀状の送付］フィールドが Yes になっているものを

抽出して表示・印刷します．

3.2 フィールドの追加

新しく「男女の区別」フィールドを追加してみましょう．

1. テーブルタブをクリックして，住所テーブルを選んでから［デザイン］スイ

ッチを押してテーブルのデザイン画面にします．

2. 「配偶者」の行の左の端の灰色の部分をクリックして「配偶者」の行を選択

します．

3. メニューバーの［挿入］メニューの［フィールド］項目を選ぶか，ツールバ

ーの スイッチを押します．

17

これで新しいフィールドが誕生しました．フィールド名は「男女の区別」とし

ましょう．

3.3 ルックアップの設定

前節では住所テーブルに新しく男女の区別フィールドを追加しました．このフ

ィールドには男性，女性，どちらかのデーターが入ることになります．ここでは

入力の手間を省くために，男性，女性の二者択一のルックアップを設定する方法

について説明します．

住所テーブルのデザインで，「男女の区別」の「データ型」をマウスでクリッ

クします．するとここで設定できるデータ型の候補が現れるので，［ルックアッ

プ ウイザード］を選択して下さい．（図 16）

図 16 男女の区別フィールドのデータ型の設定

するとルックアップを作るためのお助け機能「ルックアップ ウイザード」が

起動します．あとはウイザードの質問に答えていくだけで，簡単にルックアップ

を作成する事が出来ます．

18

図 17 ルックアップウイザードを起動したところ

「ルックアップ ウイザード」が立ち上がると，図 17の画面が現れます．ここ

では［表示する値をここで指定する］を選んでから［次へ］スイッチを押して下

さい．すると図 18になりますので，枠の中に択一項目を書き込んでいきます．

ここで女性と打ち込んだ後でキーボードの［↓］キーを押して下の枠に移って，

男性と書き込みます．［次へ］スイッチを押して図 19に進みます．

図 18 択一項目を作る

19

図 19 ルックアップ ウイザードの最終画面

ここでは特に指定する事はありません．ルックアップに付けるラベル名が男女

の区別になっている事を確認したら［完了］スイッチを押してウイザードを終了

します．次の図 20は，ルックアップ ウイザードで，「住所テーブル」のデザイ

ンで「男女の区別」項目のルックアップタブを選んで見たものです．ウイザード

によってルックアップが設定されている事が分かります．

図 20 男女の区別フィールドのプロパティ（ルックアップ）

演習３ 「住所テーブル」に「男女の区別」フィールドを追加して，ルックアッ

プの設定を行ってみましょう．設定が終わったらデザインウインドウを閉じて，

「住所テーブル」を開いて男女の区別フィールドに女性，男性のルックアップが

設定されている事を確認して下さい．

20

4 フォームの加工とデータの印刷

4.1 フォームへ男女の区別フィールドを追加する

「私の住所録」では「メイン メニュー」と「住所録」という二つのフォーム

が入っていますが，そのうちの「住所録」のデザインを見てみると図 21の様に

なっています．このフォームに男女の区別フィールドを表示させるようにしまし

ょう．

図 21 住所録フォームのデザイン画面

基本的には，ツールボックス ウインドウ6から部品を選んで画面の台紙に張り

付けてフォームのデザインを作り上げていきます．それぞれのツールの説明は省

略しますので，［ヘルプ］などを参照して下さい．

6 表示されていない場合は，ツールバーの を押して表示して下さい．

ツールボックス

ウインドウ

フィールドリスト スイッチ

21

ここに新たに「男女の区別」フィールドの情報を追加するためには，以下の手

順を踏みます．

1. ツールバーの［フィールド リスト］スイッチを押して，

住所テーブルの項目選択ウインドウを表示します．

2. 「男女の区別」をドラッグして，住所録フォームの台紙

の上まで持っていって落とします．

3. フィールドのデザインの内容に応じたタイトルと表示枠

が現れるので，位置の移動や大きさの調整を行います．

図 22 フォームへの貼り付け

枠の移動や，大きさ調整の仕方は右の図を参

考にして，自由に行って下さい．枠内の色や表示形式の変更を行いたい時は，変

更したい枠の中をダブルクリックして現れる詳細設定ウインドウ7を使って行い

ます．

間違って余分な項目まで貼り付けてしまった場合や，不要な表示枠を削除する

には，その枠の内部を一回クリックした後にアクセス 95 のツールバーにある

スイッチを押すか，メニューバーの［編集］メニューで［切り取り］か［削除］

項目を選択して行います．

デザイン変更が満足のいくものになれば，デザインウインドウを閉じて下さい．

その時に「デザインの変更を保存しますか？」と問いかけられますので，［は

い］スイッチを押して変更したものを保存します．

4.2 フォームの印刷

データベースウインドウのフォームタブから「住所録」を選んで開きます．ア

クセス 95 のメニューバーの［ファイル］メニューから［印刷］項目を選んでフ

7 プロパティ ウインドウといいます．プロパティとは性質とか特性と言う意味です．

ドラッグして

枠の大きさ調整

ドラッグして

枠を移動できる

22

ォームを印刷する事が出来ます．

5 レポート

5.1 私の住所録のレポート

「私の住所録」には四つのレポートが用意されていました．データベースウイ

ンドウでレポートタブを選んで各々のレポートを［プレビュー］スイッチを押し

て覗いてみましょう．各レポートには表示する内容に準じた名前が付けられてい

ます．名前通りの結果が表示されていることを確認して下さい．

ただ一つ問題になるのは，自分で追加した男女の区別フィールドが「住所デー

タの詳細」レポートでは欠落している事です．「住所データの詳細」レポートの

デザインで男女の区別フィールドを表示を追加する事にします．やり方としては

前節で行ったフォームへの追加とまったく同じです．

1. レポートタブで「住所データの詳細」レポートをクリックして選ぶ．

2. ［デザイン］スイッチを押してデザイン画面にする（図 23）．

3. ツールバーの［フィールド リスト］スイッチを押してフィールド一覧を表

示．

4. 「男女の区別」フィールドを台紙部分にドラッグして配置する．

以上の操作で，男女の区別フィールドを表示部を貼り付ける事が出来ます．

中略

図 23 「住所データの詳細」のデザイン画面

23

図 23をみると灰色の棒によって全体が幾つかの部分に区切られている事が分

かります．灰色の棒には次のような名前が書かれていて，棒の下の台紙部分がそ

れぞれの内容になっています．

1. レポートヘッダー：レポート全体の先頭に表示される見出しです．

2. ページヘッダー：レポートの一ページ毎の先頭に表示される見出しです．

3. 詳細：レポートとして報告したい内容，今の場合は住所テーブルの詳細です．

4. ページフッター：ページの最後毎に付ける奥付けです．

5. レポートフッター：レポート全体の奥付けです．

ページヘッダー

レポートヘッダー

詳細

ページフッター

ページフッター

ページヘッダー

詳細

レポートヘッダー

「住所テーブルの詳細」の場合はレポートフッターは設定されていないので，

レポートフッターの台紙部分は見えていません．レポートフッターと書いた棒の

下端にマウスポインタを持っていくとポインタの形が に変わるので，ここ

でドラッグして下方向へ広げるとフッターの台紙を作る事が出来ます．他の部分

の台紙の広さの変更も同様に行う事が出来ます．同様に，台紙の右端にマウスポ

インタを持っていって，ポインタの形が変わったところでドラッグして台紙の横

幅を変える事も出来ます．

演習４ 「私の住所録」データベースの住所録フォームと住所テーブル詳細レポ

ートに「男女の区別」フィールドを表示するためのオブジェクト8を配置してデ

ータ入力や印刷をしてみましょう．

8 フォームの上に配置されている文字を表示するための枠やボタンスイッチなどは，すべ

てコントロールオブジェクトと言います．オブジェクトとは英語の object から出た言葉で，

物体とか物といった意味です．これらはフォームなどを制御したり，表示を司る働きをす

るためにコントロールオブジェクト（制御する物と言う意味）と呼ばれています．

24

6 データの抽出-クエリー

クエリー9は，データベースから特定の条件に合うものだけを抽出するのに用います．

アクセス 95 では，以下のようなクエリーが用意されています．

l 選択クエリー：テーブルから特定の条件に当てはまるレコードだけを取り出す．

l 合計クエリー：選択抽出したデータの合計や件数を求める．

l クロスタブ集計クエリー：集計したデータからクロスタブ集計フォームを作って表示

する．

l トップクエリー：選択したデータの件数やパーセンテージを計算して，上位・下位の

何件かを表示する．

l アクションクエリー：選択したレコードを変更したり，それを基にして新しいテーブ

ルを作ったりと実際にデータもとのデーブルに働き掛けを行う．

l SQL クエリー：ネットワーク上のデータベースに対するクエリー．

本講座では基本となる「選択クエリー」について学びます．

6.1 選択クエリーの新規作成

住所テーブルから高知市の人だけを抜き出すクエリーを作ってみましょう．デ

ータベースウインドウのクエリータブで［新規作成］スイッチを押します．する

と図 24のクエリー新規作成ダイアログが出ますから，ここでは選択クエリーウ

イザードを選んで［OK］スイッチを押しましょう．

図 24 クエリー新規作成の選択画面

9 クエリーとは，query：質問，問い掛けるという意味です．日本語では「問い合わせ」

と言われています．

25

これで選択クエリーの新規作成ウイザードが起動します．ウイザードが起動す

ると元になるデータテーブルとフィールドの選択ダイアログが出ます．ここでは

［テーブル/クエリー］欄では「テーブル 住所テーブル」を選びます．また住所

テーブルを選ぶと，［選択可能なフィールド］欄に住所テーブルの全てのフィー

ルド名が表示されます．（図 25）

図 25 クエリーの参照元のテーブルとフィールドの指定

ここで［選択可能なフィールド］欄から必要なフィールド名を選んで［選択し

たフィールド］欄へ移します．移す方法は，フィールド名を選んでから スイ

ッチを押します．また全てのフィールドを移したい場合は， スイッチを押し

ます．

今回は以下のフィールドを移すことにしましょう．

l 氏名

l 男女の区別

l 住所 1

l 都道府県

l 郵便番号

l 年賀状の送付

26

これ以後，二つのダイアログ画面が出ますが，特に変更する点はありませんの

で［次へ］スイッチを押して最終画面までいくか，［完了］スイッチを押して下

さい．これで「住所テーブル クエリー」と言う名前の選択クエリーが出来まし

た．

ウイザードが終了すると，住所テーブルから指定したフィールドのみを抜き出

したものが表示されます．これは現時点でクエリーを実行した結果です．このテ

ーブルを閉じて「住所テーブル クエリー」が出来ている事を確認して下さい．

6.2 選択クエリーに抽出条件を与える

「住所テーブル クエリー」を選んでから［デザイン］スイッチを押してデザ

イン画面を表示します．

参照元のテーブルのフィールドリストと

テーブルのリレーションが表示される

図 26 「住所テーブル クエリー」のデザイン画面

図 26の上部は参照元のテーブルのフィールドリストと各テーブルのリレーシ

ョン情報10が表示されています．下半分には，テーブルから抜き出すフィールド

が書き込まれた表が表示されています．

この表の五行目は抽出条件となっています．ここに各フィールドに対する検索

抽出の為の条件式を書き込みます．最も簡単な条件式の書き方は，検索したい単

語を書き込む事です．例えば男女の区別フィールドが「女性」となっているレコ

ードだけを取り出したい時は，男女の区別の抽出条件欄に女性と書き込めば良い

10 「住所テーブル クエリー」が参照しているテーブルは一つですし，他のテーブルとの

関連付けも行われていませんので，リレーション情報は表示されていません．

27

事になります．

今の場合は高知市にすんでいる人の情報だけを抽出したいので，住所 1 フィー

ルドの条件欄に，高知市* と記入して下さい．これで高知市で始まる住所の含ま

れるレコードだけを抽出する事が出来るようになります．* は任意の文字を表す

特別な記号です．したがって高知市上町１丁目や高知市鴨部など高知市で始まる

言葉全てで条件に合致する事になります．

条件を書き終えたらデザインウインドウを閉じて，「住所テーブル クエリ

ー」を開くと条件に合致するフィールドを持ったレコードだけが表示されます．

もし条件に合致するものが一つもない場合には，合致するものが無い旨のメッセ

ージダイアログが表示されますので［OK］スイッチを押して閉じて下さい．

演習５ 住所テーブル クエリーに条件を与えて，高知市に住んでいる人だけを抽

出して表示させてみましょう．

6.3 詳しい条件欄の書き方

前節では高知市ではじまるフィールドを持つレコードを抽出するための条件式

を書きましたが，抽出条件の書き方次第でさまざまな抽出を行う事が出来ます．

例えば，「男女の区別」の抽出条件のところには女性，「住所 1」には高知市*

と書くと，高知市に住んでいる女性だけを抽出する事が出来ます．また抽出条件

の下の欄は，「または」という欄になっています．「住所 1」のまたは欄に南国

市*を書き込んで抽出を行うと，高知市または南国市に住んでいる女性を抽出で

きます．条件式の中で使う事の出来る代表的な特殊記号は，次のようなものがあ

ります．

表 3 条件式に使う事の出来る特殊記号

記号 意味 例

* 任意の長さの任意文字 *知市* ：愛知県愛知市柳町や高知県高知

市上町などに一致

? 任意の一文字 十和? ：十和村や十和田と一致

# 任意の数字一桁 088# ：0880 や 0889 などと一致

[ ] 括弧内の任意の一文字 b[ea]ll ：bell か ball

! 括弧内の一文字以外 b[!ea]ll ：bbll や bcll で一致

表 4 日付に関する指定の仕方

28

日付の範囲の指定の仕方

1996 年 1 月 10 日から 12 月 31 日ま

で

Between #96/01/10# And #96/12/31#

1995 年 1 月 1 日から今日まで Between #95/01/01# And Date( )

演習６ 「住所テーブル クエリー」で「年賀状の送付」フィールドが Yes になっ

ているものだけを抽出してみよう．

6.4 クエリーを元にしてレポートを作る

前節で作った「住所テーブル クエリー」によって抽出された住所録を元にし

て葉書の宛名書きをさせてみる事にします．このためには「住所テーブル クエ

リー」を元にレポートを作成する事になります．レポートの新規作成で選ぶこと

の出来る形式には，次のようなものがあります．

l デザインビュー：全てのオブジェクトの配置を自分で指定します．

l レポート ウイザード：質問に答えていくと雛形に準じたレポート作成をし

ます．

l オートレポート: 単票形式：テーブルやクエリーの内容を，一枚の用紙あた

り一レコードずつ表示するためのレポートを自動的に作ります．

l オートレポート: 表形式：テーブルやクエリーのレコードを表の形式でまと

めてレポート作成します．一覧を印刷するのに便利です．

l グラフ ウイザード：テーブルやクエリーの内容を元にしてグラフを作りま

す．

l 宛名ラベル ウイザード：タックシールなどの印刷用のレポートです．

葉書の宛名書きをさせるためには，単票形式のレポートを作って不要な部分を

削除して作るか，デザインビューで手作りをすることになります．宛名書きの場

合は，書く項目が少ないので手作業でレポート作成をすることにします．

データベースウインドウでレポートタブを表示させてから，［新規作成］スイ

ッチを押します．

29

図 27 レポートの新規作成ダイアログ

すると図 27が現れるので，「基になるテーブル/クエリーの選択」で住所録テ

ーブル クエリーを選択します．またデザインビューが選ばれている事も確認し

て下さい．これで新規レポートのデザイン画面が表示されます．

図 28 新規レポートデザイン画面

まず，全体の台紙の設定をしましょう．葉書は縦の長さが約 150mm，横幅が

100mm です．余白の文も含めて台紙の幅をこれよりも狭く設定します．90mm11

位が適当でしょう．ページヘッダーは使う必要が無いので，ページヘッダーの部

11 デザインウインドウの上と左の枠はメモリがふられた定規になっていますので，これを

目安にすると簡単に設定する事が出来ます．このメモリはルーラと呼ばれています．

30

分は縮めておきましょう．詳細部分は 60mm，ページフッター部分も 60mm 程

度にしましょう．全体的なレイアウトは絵葉書のように上部に宛先，下部に文章

という形になります．

次にアクセス 95 のツールバーにある［フィールド リスト］スイッチ を

押して住所テーブル クエリーのフィールドリストを表示します．この中から郵

便番号，県名，住所 1，氏名，の各フィールドを詳細の部分にドラッグして貼り

付けます．

フィールド表示部分は見出しと内容表示部の二つが同じに張り付きますが，左

側の見出し部分は必要無いので削除する事にします．削除の方法は，削除したい

ものの内部をクリックして選んでから，メニューバーの［編集］メニューで［削

除］項目を選ぶかキーボードの［BS］キーを押します．

以上で宛名書きをさせる事が出来ますが，これでは「様」や肝心の葉書の内容

や自分の住所などが足りません．これらを追加する事にしましょう．

レポートやフォームに文字を書き込む為には，ツールボックス ウインドウか

らラベルコントロールやテキストボックスコントロールを貼り付けて，これらに

書き込みを行います．

ラベルコントロールをうまく配置して様を

作ります．同様に本文用にラベルコントロー

ルかテキストボックスコントロールを貼り付

けて本文も書いてみましょう．一例を図 30に

示します．

演習６ 「住所テーブル クエリー」を基にし

て絵葉書形式で葉書の宛名書きおよび本文を

印刷するためのレポートを作って印刷してみ

ましょう．

図 29 ラベルとテキストボックス

ラベル

コントロール

テキストボックス

コントロール

31

図 30 宛名書きレポートの書式例

実際に印刷を行うためにはメニューバーの［ファイル］メニューの［ページ設

定］項目から印刷の用紙サイズと余白を設定する必要があります．

7 テーブル間のリンク - リレーションシップ

7.1 リレーションシップの表示とテーブルの追加

データベースに複数のテーブルがある時にはテーブルのフィールド同士を関連

付けする事が出来ます．これがリレーションシップ12です．現在のテーブルの関

連具合はツールバーの スイッチを押す事でリレーションシップ表示ウイン

ドウが現れて，関連具合を見る事が出来ます．

また関連付けがなされていない場合には，テーブルの一覧が出るので関連付け

を行いたいテーブルを選択ては［追加］スイッチを押して，リレーションシップ

12 表のリンクという場合もあります．

ラベルコントロールで

作った 様

ラベルコントロールで作

った 本文と自分の署名

32

表示ウインドウへ移します．

図 31 リレーションシップウインドウへの追加指定

これから先のリレーションの作り方は，ここでは割愛します．ヘルプを参照す

るか，参考書などを基にご研究下さい．

サンプルとして添付されている Northwind データベースの各テーブルのリレ

ーションを見てみると図 32の様になっています．

33

図 32 Northwind データベースの各テーブルのリレーション

商品テーブルの区分コードと商品区分テーブルの区分コードにリレーションシ

ップが設定されている事に注目してみます．

表 5の商品区分には飲料とか調味料などと，具体的な区分が書き込まれている

ように見えます．しかし図 33 商品テーブルのデザインを見ると商品区分フィー

ルドは数値型に設定されています．説明の欄を見ると「商品コードテーブルに連

結しています．」と読み取る事が出来ます．

これは商品テーブルでは区分コードフィールドのルックアップとして，商品区

分テーブルが使われています．例えば商品テーブルで択一メニューの 1 番目の項

目を選ぶと，連結されている（関連付けられている）商品区分テーブルの１番目

の区分名を選択した事になります．

商品区分テーブルの一つのレコードの内容は，商品テーブルの複数のレコード

に参照されています13．このような参照関係を一対多のリレーションといいます．

13 例えば表 5の商品区分を見ると食料品と書かれたレコードは幾つもありますが，これら

は全て商品区分テーブルの一番目のレコードの内容が参照されている事になります．

34

この他には，一対一や多対多のリレーションなどがありますが，最も使われるの

はこの一対多のリレーションです．

表 5 商品テーブル

図 33 商品テーブルのデザイン

35

表 6 商品区分テーブルの内容

　リレーションシップは，このようにあるテーブルのルックアップとして使われ

たり，フィールド数が多くなるために複数のテーブルにデータを分けている場合

に関連したレコードを一斉に削除・更新したい時などに用いられています．

　今回は一例を示すだけに終わりましたが，大規模なデータベース構築のために

はどうしても必要な機能です．ぜひご活用頂きたいと思います．

平成 9 年 6 月 13 日 高知高専 芝 治也