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PART 1 マーケティングオートメーション とは何か?

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PART 1

マーケティングオートメーション とは何か?

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PART 1: マーケティングオートメーションとは何か?

背景ちょっとした予習をしましょう。

あなたの会社がすでにマーケティング用のメールを送信しているということであれば、手を挙げてください。

読み飛ばすのではなく、本当に手を挙げてみてください。これは簡単ですね。

では、もし、あなたの会社が各キャンペーン用に新しいランディングページを簡単に制作できている、ということであれば、手を挙げたままにしてください。

手は上がったままですか?

では、あなたの会社のマーケティングチームが、各イベント開始前にすべてのメールの準備を終えて、時がきたらすべてが自動的に送信されるようにセットアップが完了していて、後はじっと実行されるのを待つだけ!という状態であれば、引き続き手を上げ続けてください。

あともうちょっとです。そろそろ腕が疲れてきた頃ですね。

現在使っている見込み顧客リストは、各見込み客の購入確度と商材への適応度にあわせて優先順位付けされていますか?

エンゲージメント、およびブランドに対する関心の度合いに応じてリードをフィルタリングすることはできますか?

まだ手は上がってますか?

では、最後の質問です。各マーケティングプログラムの収益への貢献が測定可能な体制であれば、手を上げ続けてください。

ここまで読んでまだ手が上がっていれば、恐らく、すでにマーケティングオートメーションを理解し、また効果的に利用されているのではないでしょうか?

もしそうであれば、このパートを飛ばして次章「マーケティングオートメーションが今アツい理由」に進んでください。

そうではない読者は… 次のページへとお進みください。

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PART 1: マーケティングオートメーションとは何か?

マーケティングオートメーションの定義

では、誰がマーケティングオートメーションを利用しているのか?

企業規模:多くの大企業はすでにマーケティングオートメーションを評価しはじめていますが、ここで指摘したい重要な点は、マーケティングオートメーションは大企業に特化したものではないということです。実際、マーケティングオートメーション市場で最も成長しているのは、中小企業層(年商が 5億~500億円程度)です。そして、さらに小規模の多数の企業がマーケティングオートメーションを活用しています。

業種:あらゆる産業分野の企業が使用しています。最初に導入を始めたのは、主に企業向けの商品を扱う産業(B2B)の形態をとる、ハイテク、ソフトウェア、製造業、ビジネスサービス関連等の分野です。しかし、一般消費者向けの商品を扱う産業(B2C)、例えばヘルスケア、金融サービス、メディアおよびエンターテイメント、販売業を含めたあらゆる分野の企業にも、徐々に普及し続けています。マーケティングオートメーションを導入した企業では、顧客との関係を維持しつつ拡大していくために、リアルタイムな関係づくりを軸としたアプローチを行っています。

マーケティングオートメーションは 、以下の最新のマーケティング実務を可能にする、重要な技術です。

• リードジェネレーション• セグメンテーション• リードのナーチャリングおよび スコアリング

• リレーションシップマーケティング• クロスセルおよびアップセル • リテンション• マーケティング ROI 測定

上記の業務の幾つかは、少数のボリュームであれば、マーケティングオートメーションを使用せずとも実施可能です。いずれにせよ、規模の如何にかかわらず、何らかの技術の利用が不可欠となっています。

まずは、マーケティングオートメーションの定義から始めましょう。何:マーケティングオートメーションは、ソフトウェアの種類の一つです。役割:マーケティングの作業およびワークフローを合理化・自動化・測定化します。理由:あなたの会社のような企業の経営効率を高め、収益成長を早めるためです。

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PART 1: マーケティングオートメーションとは何か?

マーケティングオートメーションの定義マーケティングオートメーション プラットフォームの特徴 マーケティングオートメーションに含まれる機能としては、メールマーケティング、ランディングページおよびフォーム、キャンペーン管理、リードのナーチャリング/スコアリング、リードライフサイクル管理、CRM統合、ソーシャルマーケティング機能、およびマーケティング分析が挙げられます。ですが、ちょっとお待ちください。その手を下ろして、一息ついてください。こうした共通の機能については、PART4で詳しく学んでいきます。

メールマーケティングランディングページキャンペーン管理

マーケティングプログラムリードジェネレーション予測/スコアリング

リード管理CRM統合

ソーシャルマーケティングリソース管理

マーケティング分析

マーケティングオートメーション

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PART 1: マーケティングオートメーションとは何か?

マーケティングオートメーションの定義マーケティングオートメーションに 該当しないもの ここまでは、マーケティングオートメーションが何であるかについてお話しました。さて、マーケティングオートメーションに当てはまらないものについても、網羅する必要があります。

1. 「メールマーケティング」を拡大解釈した呼び方 ̶完全に的外れです。マーケティングオートメーションは、その名が示す通り、あらゆるチャネルのマーケティングキャンペーン、それはダイレクトメール、電話キャンペーンから、オンラインキャンペーン、ソーシャルイニシアチブに至るまでを網羅しています。さらに、マーケティングオートメーションでは、インサイトに焦点を当てた強力な機能を、会社が所有するCRM、リード管理、ウェブ分析プラットフォーム、および他の構成要素と合わせて組み合わせ、単なる集合体を超えた、より大きな仕組みの構築が可能です。これは、企業収益を飛躍的に成長させるためのインサイトを獲得することを意味します。

3. マーケティング部門内にのみメリットがあるソリューション ̶もちろん、マーケティングオートメーションを使用することで、マーケティング部門は得をします。しかしながら、質の高いマーケティングオートメーションの究極的な用途は、収益増加です。そう考えれば、物事がどうあるべきかが分かります。

2. スパムの送信手段 ̶他の技術と同じく、マーケティングオートメーションの技術は、その用途に基づいて結果を出します。もちろん、スパムのような悪質なマーケティングにも使用することはできます。しかしながら、本当の意味での顧客との結び付きを可能にする、非常に優れたマーケティングも実現可能なのです。

4. 努力せずとも効果を発揮するソリューション ̶マーケティングオートメーション技術を購入して、後は何もせず、自然に結果が出てくるのを待っている?とんでもない。マーケティングオートメーションは自動的な解決策ではありません。結果を出すためには、適切なプロセス、適切な人材、コンテンツ、データ等々を統合する、包括的な戦略によるサポートが必要なのです。言い換えれば、マーケティングオートメーションを実装したからと言って、成功が保証されているわけではありません。何が必要なのかをお知りになりたければ、PART 6をご覧ください。

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PART 1: マーケティングオートメーションとは何か?

マーケティングオートメーションの役割

未成熟のリードとの関係を構築し、育成します。初期段階において、リードの内の 20%のみが成熟レベルに達しています。このため、「ナーチャリング」と呼ばれる育成プロセスを通して、営業機会が熟するまで、「クオリファイドリード」に成長させる必要があります。ナーチャリングが上手くいけば、通常よりも33%低い獲得コストで、セールスリードが50%増加します。

この重要なプロセスに関するすべてを学びたい方のために、Marketo『リードナーチャリング完全ガイド』

(www.marketo.com/DG2LN) をご用意しておりますので ダウンロードしてください。

顧客との関係を維持し、拡大していく。マーケターの仕事は、誰かが顧客になってくれたらそれで終わり、ではありません。大半の業種において、顧客との関係を保持し、時間が経過する中でそれを深めていくところから、本当の価値が生まれます。内容としては、同じ製品の追加販売(アップセル)、追加の製品の販売(クロスセル)、なおかつ顧客ロイヤルティの向上と維持が含まれます。リレーションシップマーケティングとは、ただ月次ニュースレターを送信するのとは訳が違うことを心に留めておいてください。現実世界の人間関係作りと同様、顧客の人物像と購買ステージに適した複数のトラックを通じて、その顧客の行動を把握し、それに合わせた調整を行うことが必要です。

「マーケティングオートメーションが無ければ、人々が自社の製品について知り、買う気になってくれるだろうと淡い期待だけで待ってるようなものです。しかし、統計データを見ても消費者とはそんな単純なものではない事はわかります。消費者は、自分たちのペースでその製品について理解を深め、より多くの情報が必要な時や、買おうという気持ちになった時にアプローチしをして欲しいと思うものです。綿密に構築されたマーケティングオートメーション戦略なら、現実にこのような対応が可能になります。」‒ John McTigue 氏、Kuno Creative 社

マーケティングオートメーションは、時間の節約や効率化といったメリット以上に、いずれの最先端のマーケティング部門においても不可欠な、最新の業務プロセスを可能にします。B2B企業向けのものとして、リードのナーチャリング、スコアリング、ライフサイクル管理が含まれます。B2C企業向けのものとして、クロスセル、アップセル、およびリテンションが含まれます。そしてすべての企業に共通するものとして、マーケティングROI 分析が含まれます。

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PART 1: マーケティングオートメーションとは何か?

マーケティングオートメーションの役割営業チームとの足並みを揃えましょうあなたが生み出したいわゆる「リード」の多くは、会社の製品にとって本当の意味での潜在顧客ではありません。狙いを定めたプロフィールに一致した顧客を見つけ出すには、「デモグラフィックなリードスコアリング」が必要です。また、「行動に基づいたリードスコアリング」も必要です。これは、あなたの会社にエンゲージする段階に達していて、購入する気持ちがあることを行動に表す、ホットな見込客を発見するための過程です。一度「ホットな」リードを特定したら、営業が即フォローアップすることを必ず確認しましょう。それに関連して、CRMとプロセスのオートメーション、例えば営業アラート、リードリサイクリング、営業とマーケティング間の SLA(約束事)等の準備が必要です。マルケトが実施した収益パフォーマンスのベンチマーク調査によると、この種のリードスコアリングを実装した企業は、実装していない企業よりも、28%高い販売生産性、また 33%高い収益成長を享受しています。

以上についての詳細をお知りになりたい下方は、マルケトの 『リードスコアリング完全ガイド』

(www.marketo.com/DG2LS)をダウンロードしてください。

マーケティングROIの証明と改善マーケティングオートメーションは、単なるプロセスオートメーション以上に、マーケティング部門のリーダー達が必要としている部分、つまり、どのマーケティングプログラムが成功し、どれが不成功に終わっているかを把握するためのインサイトを提供します。マーケティングが収益に与える影響が数値化して提供されるため、CMOが自信をもって結果を経営幹部に報告することができます。

以上の詳細についての詳細をお知りになりたい方は、『マーケティング数値とROIに関する完全ガイド』(www.marketo.com/DG2MM)をダウンロードしてください。

「マーケティングオートメーションは、さまざまなマーケティングの手法とプロセスを自動化して、営業パイプラインを最適化します。これによって、マーケターは、リードジェネレーション、ナーチャリング、そして顧客へのコンバージョンに向けた、統合的なアプローチの導入が可能になります。マーケティングオートメーションを、例えばリードの品質の低下、営業パイプラインに対する貢献の実証、リードの成熟度評価の困難さ等の課題解決のために用いる企業が増加しており、急速に標準的な手法となりつつあります。」‒ 『Econsultancy Marketing Automation Buyer’ s Guide』 (Eコンサルタンシー・マーケティングオートメーション購入ガイド)より引用

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PART 1: マーケティングオートメーションとは何か?ワークシート:マーケティングオートメーションへの準備は出来ていますか?

各カテゴリーで、該当する番号を選んでください。完全に不一致の場合は「1」、完全に一致する場合は、「5」を選んでください。1~5の間の数値は、「一致~どちらとも言えない~不一致」の度合いに対応しています。終了後、すべての数値を合計して、末尾の説明を参考にしてください。

項目 不一致 一致1 2 3 4 5

当社の収益プロセスは複雑化している。マーケティングおよび /もしくは営業の複数の人間が関与している。

当社のターゲット層は当社にエンゲージする前に多くのリサーチを行う、高度な行動をする購買者をターゲットとしている。

当社のマーケティング活動に対する効果を正しく把握した上で投資額を決めたいと望んでいる。

当社の顧客ベースは、当社の営業チーム(があるものと想定してください)としては規模が大きすぎるため、すべての顧客および見込客との直接的な個人的関係が欠落した状態である。

すべての見込客・もしくは当社が創出したすべての新規リードに対し、電話することは不可能だろう。

当社の新規リードの大半は、まだ購入可能な段階に達しておらず、ナーチャリングを必要としている。

当社の収益プロセス、特に初期ステージの見込客との関係をナーチャリングする部分において、マーケティングがより大きな役割を果たしてくれれば、当社の営業結果は改善するだろう。

現在使用中のメールマーケティングサービスプロバイダーが提供する大半、もしくはすべての機能を、すでに活用済みである。

当社のマーケティングチームが行う意思決定のほとんどが、データに基づいている。

当社のマーケティングチームは、ターゲットの見込客に対し、相当な量のパーソナライズされたコンテンツを作成している(もしくは作成に向けての特別な計画がある)。

**この評価はGleansterの調査に基づいています。

スコアを合計して、数値が示す意味を確認してください。

• スコア35以上: マーケティングオートメーションの導入準備が整っています。

• スコア20‒35: マーケティングオートメーション導入の方向へ移行しています。導入準備をすぐに開始することをご検討ください。

• スコア20以下: まだ、マーケティングオートメーション導入への準備が整っていない可能性があります。だからといって、これ以上先を読み進められない、という意味ではありません。

合計スコアが何点だったかどうかは問題ではありません。今、あなたが置かれている場所がすなわち、あなたがより多くのより良質のリードを獲得するために、また何が良いもので悪いものであるかを見極めるために、いるべき場所ということです。

ページをめくってPART2 へ進みましょう!

あなたの会社がマーケティングオートメーションを使用する準備ができているかどうかを判断するために、このワークシートを使用してください。

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ジャスティン・グレイ氏は、LeadMD社のCEOです。「従来の草の根的なマーケティングの取り組みを、マーケティングオートメーションとCRMソシューションを通して変革する」というビジョンを掲げて、2009年に起業しました。

グレイ氏は、この業界における 13年間の経験から、この分野における成長の可能性と、自社のマーケティングプロセスに適した SaaSを導入して変革を行うべきだという意欲が中規模企業の間に生まれていることに気づきました。

マルケトによるジャスティン・グレイ氏へのインタビュー

MKTO: 今後数年間の、マーケティングオートメーションの将来をどう見ておられますか?

JG: マーケティングオートメーションと現在言われているものは、一つのソフトウェアを意味するものですが、フルプラットフォームとして認識されるのもそう遠くはないでしょう。その中身も、またそれ自体も、コンセプトとしては革新的なものではありませんが、スキルセットがこの変化を起こすものであるという認識が重要です。ソフトウェアによって進化していく収益システムが、マーティングオートメーションの立場を、単なる「ツール」から、変革のために確実に必要な要素へと引き上げていきます。

ちょうど、可燃性エンジンが仕事のあり方を変

えたように、また、コンピュータが飛躍的な進歩をもたらしたように、現在、ソフトウェアはクラウドを通して配信されています。次の進歩による変革は、接続されたデータ(connected data)に存在しています。マーケティングリソース管理(MRM)が再びマーケティングオートメーションの構成要素として―今度は、使い勝手に重点に置いて―再浮上してくると思います。

発信源としてのマーケティングオートメーションは第一段階にすぎません。次のステップでは統合的なプラットフォームとして他のシステムの内容を読み取ったり、共有したり、その内容に応じて反応もするというものでしょう。この変革の核心部分は、詰まるところ「統合」です。スキルセットやベストプラクティス、プラグイン、アプリを拡張する中で、私たちは本物の経営システムーマーケティングオートメーションの未来像を作り上げていることになります。このプラットフォームは、各パーツの単なる集合体を超えた、より素晴らしいものとなり、マーケターが必ず時間を費やす場として存在するものとなるでしょう。そう考えると、ワクワクしてきます。

MKTO: マーケティングオートメーションで成功を収める上で、留意すべき最も大切なこととは何ですか?

JG: マーケティングオートメーションは一つの旅路です。ただ、押せば光が灯るスイッチだと

いう認識では失敗します。戦略など必要ない、または戦略を跳ばしてプロセスを計画できるという考え方でも、すぐに失敗するでしょう。現実として、マーケティングオートメーションは、CRMよりも大規模なものであり、データの食物連鎖等と言うには高度過ぎる内容です。あまりにも多くの人々が、マーケティングオートメーションを一つのツール、一つのメールプラットフォームとして認識しているため、成長にも限度があります。経営システムが成長する中で、この技術に対する敬意も向上していくものと思われます。マーケティングオートメーションが成功する上で必須のプラットフォームとして扱われるようになったときこそ、それが現実となるときです。

MKTO: マーケティングオートメーションを自社の経営チームに売り込む際、何を焦点に置くべきでしょうか?CEOやCFO、そして営業の共感を呼ぶものは何でしょうか?

JG: CEO、CFO、および営業のトップが使う言葉を構成するものが三つあります。具体的なもの、漠然としたものの両面において、「効率性」「拡張性」そして「ROI」です。これらの強力な言葉を用いて誘導すれば、経営陣にとっての痛点を頻繁にかつ明確に表現できるからです。また、現状では正確な測定はできていないこと、あるいは全く測定できていないことも認める備えをしておいてください。

リスキーに聞こえるかもしれませんが、どうぞ私の言うことを最後までお聞きください。なぜ、それを認めざるを得ないのか?現在あなたが自由に使える旧式な未統合のツールでは、適切な測定は不可能だからです。多くのマーケターが、マーケティングオートメーションにROIの測定機能を求めていますが、踏まえておくべき重要な点は、彼らの大半が、これまで実行してきた内容さえも測定できなかったことです。ですから、何もやってこなかった状態と何かを、どうやって比較することができますか?できませんよね。 マーケティングオートメーションを会社の経営チームに売り込む上での最初のステップは、「問題がある」ことを認めることです。二つ目のステップは、マーケティングオートメーションを使用してベンチマークを構築することです。プロセスにおけるどの部分が、改善に該当する部分なのか?これが三つめのステップです。多くの組織が、最初の段階から即座の改善を求めるあまり、これらを省いてしまいがちです。そのような愚行は犯さないでください。決して上手くはいきません。

ソートリーダーのコメント

JUSTIN GRAY氏 LEADMD社 CEO