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-120- 教員採用合格者の経験を聞く 2015 年度「教員採用試験合格者の体験を聞く会」の記録― 経験は必ず自分の力になる 川田 真理子(文学部日本文学科4年) 私は、今年の春から私立中学高等学校の専 任教諭として働きます。ここでは、私が取り 組んだボランティア活動と、採用試験にむけ て実際に行った国語の勉強法をお伝えします。 1.上野中学校でのボランティア活動 私は、大学 3 年生からの 2 年間、東京都内 にある上野中学校の学習支援ボランティアに 参加していました。木村先生に声をかけてい ただいたのがきっかけです。 大学 3 年生の時、私は教員になりたいと思 っていたけれど、具体的に何をしたら良いか わかりませんでした。そのため、実際に教育 現場に入り、生徒たちとふれあうことができ るボランティア活動は、自分のスキルアップ や、現在の教育問題を知ることにつながると 考え、参加しました。ボランティアでは、習 熟度別に分けられた生徒のプリント学習の指 導を行いました。わからない生徒の質問に答 えることや、添削が主な作業です。 このボランティアを通して実感したことが 2 つあります。1 つ目は教えることの難しさ です。自分は解ける問題でも、生徒が分かる ように教えるとなると、格段に難易度はあが ります。けれど、わからなかった問題が解け た時の生徒の喜ぶ顔や、次の問題も頑張って みようとする意欲に触れてゆく中で、ただ答 えを教えるのではなく、生徒自身が答えを導 き出す、つまり、生徒の「わかった!」を引き 出すことの大切さに気付くことができました。 2 つ目は、自信のない生徒の多さです。問 題が解けているのに、なかなか苦手意識が克 服できない生徒や、「どうせできないし」と最 初からプリントに取り組まない生徒がいまし た。やはり、自信がないと学習への取り組み はもちろん、将来への希望も持てなくなって しまいます。私はこのボランティアを通して、 「生徒の自己肯定感を高めること」が必要で あると強く感じました。 このように、私はボランティアを通して、 自分のスキルを高め、現在の教育問題を体感 することができました。そして、採用試験で は、ボランティアで感じた教育問題や、教育 への熱意、目指す教育を語ることができ、高 い評価を得ることができました。知識の習得 はもちろん大切ですが、現場でしか得られな いものもあります。無駄になることは決して ありません。ぜひボランティアに参加してみ てください。 2.国語の勉強法 私は、私立校と東京都教員採用試験を受験 しました。以下では、私が行った東京都対策 の勉強法と、私立対策の勉強法を述べます。 まず東京都対策の勉強法です。東京都教員 採用試験はマーク式の問題で、内容は、現代 文、古文、漢文と、学習指導要領です。その ため、古文単語暗記とセンター試験の問題、 東京都の過去問に取り組みました。難しい問 題ではないので、過去問で形式に慣れ、ケア レスミスをしないようにしてください。出題 傾向に合わせた勉強を心がけるとよいと思い ます。 次に私立対策の勉強法です。私立は公立と 違い、過去問がありません。また、学校ごと に問題形式が異なります。どんな問題が出題 されても解答できる状態にしておくのがベス トです。私は、自分が苦手意識を持っていた文 学史暗記、記述問題の対策に取り組みました。

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教員採用合格者の経験を聞く

― 2015 年度「教員採用試験合格者の体験を聞く会」の記録―

経験は必ず自分の力になる

川田 真理子(文学部日本文学科4年)

私は、今年の春から私立中学高等学校の専

任教諭として働きます。ここでは、私が取り

組んだボランティア活動と、採用試験にむけ

て実際に行った国語の勉強法をお伝えします。

1.上野中学校でのボランティア活動

私は、大学 3 年生からの 2 年間、東京都内

にある上野中学校の学習支援ボランティアに

参加していました。木村先生に声をかけてい

ただいたのがきっかけです。

大学 3 年生の時、私は教員になりたいと思

っていたけれど、具体的に何をしたら良いか

わかりませんでした。そのため、実際に教育

現場に入り、生徒たちとふれあうことができ

るボランティア活動は、自分のスキルアップ

や、現在の教育問題を知ることにつながると

考え、参加しました。ボランティアでは、習

熟度別に分けられた生徒のプリント学習の指

導を行いました。わからない生徒の質問に答

えることや、添削が主な作業です。

このボランティアを通して実感したことが

2 つあります。1 つ目は教えることの難しさ

です。自分は解ける問題でも、生徒が分かる

ように教えるとなると、格段に難易度はあが

ります。けれど、わからなかった問題が解け

た時の生徒の喜ぶ顔や、次の問題も頑張って

みようとする意欲に触れてゆく中で、ただ答

えを教えるのではなく、生徒自身が答えを導

き出す、つまり、生徒の「わかった!」を引き

出すことの大切さに気付くことができました。

2 つ目は、自信のない生徒の多さです。問

題が解けているのに、なかなか苦手意識が克

服できない生徒や、「どうせできないし」と最

初からプリントに取り組まない生徒がいまし

た。やはり、自信がないと学習への取り組み

はもちろん、将来への希望も持てなくなって

しまいます。私はこのボランティアを通して、

「生徒の自己肯定感を高めること」が必要で

あると強く感じました。

このように、私はボランティアを通して、

自分のスキルを高め、現在の教育問題を体感

することができました。そして、採用試験で

は、ボランティアで感じた教育問題や、教育

への熱意、目指す教育を語ることができ、高

い評価を得ることができました。知識の習得

はもちろん大切ですが、現場でしか得られな

いものもあります。無駄になることは決して

ありません。ぜひボランティアに参加してみ

てください。

2.国語の勉強法

私は、私立校と東京都教員採用試験を受験

しました。以下では、私が行った東京都対策

の勉強法と、私立対策の勉強法を述べます。

まず東京都対策の勉強法です。東京都教員

採用試験はマーク式の問題で、内容は、現代

文、古文、漢文と、学習指導要領です。その

ため、古文単語暗記とセンター試験の問題、

東京都の過去問に取り組みました。難しい問

題ではないので、過去問で形式に慣れ、ケア

レスミスをしないようにしてください。出題

傾向に合わせた勉強を心がけるとよいと思い

ます。

次に私立対策の勉強法です。私立は公立と

違い、過去問がありません。また、学校ごと

に問題形式が異なります。どんな問題が出題

されても解答できる状態にしておくのがベス

トです。私は、自分が苦手意識を持っていた文

学史暗記、記述問題の対策に取り組みました。

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実際に、私が受験したほとんどの私立学校の

試験で、記述、論述問題は出題されているで、

しっかりと勉強したほうがいいと思います。

勉強時間や時期は個人差があるので、自分

のペースで計画的に勉強するといいと思いま

す。教員採用試験合格に向けて、頑張ってく

ださい!

教員採用試験を受験してみて

伊藤 和高(文学部英文学科4年)

私は昨年夏の埼玉県の高等学校、英語科の

教員採用試験を受験し、合格することができ

ました。今回は、私自身の受験勉強の大体の

流れ、採用試験を受験してみて大切だと感じ

たことの 2 点についてお話しできればと思っ

ております。

1.受験勉強の流れ

まず、前者についてです。私は 3 年生の 9

月頃から試験の事を意識し始めました。大学

の授業やサークル活動などもあり中々長時間

の勉強はできませんでしたが、そろそろ勉強

し始めないといけないなと思い始めたのがこ

の時期です。採用試験の教職、一般教養の試

験ではどういった問題が出題され、どの程度

の知識が必要とされているのかを知ろうと思

い、協同出版の採用試験予想問題集を購入し、

これを解き始めました。特に教職教養の方は

知識がほとんどなかったので問題集を解いて

も 8~9 割は不正解だったのですが、二周ぐ

らいこの問題集を解いて、今後どのような事

を覚えていけば良いのかがイメージ理解でき

ました。

年が明けるとそろそろ過去問を見ておこう

と思い、購入しました。春休みは主に教職、

一般教養の知識の整理を行い、4 月ごろから

本格的に専門科目の勉強を始めました。専門

の勉強はセンター試験や TOEIC の問題を解

くことも時々ありましたが、基本的には過去

問を解くことを重点的に行いました。また、

この時期から教職、一般教養についても過去

問を解き始めました。途中 6 月に教育実習を

はさみ、それを終えるとまだ覚えられていな

い知識を少しでも減らすことに力を注ぎ、そ

して一次試験の本番当日 7 月 12 日を迎えま

した。二次試験では、埼玉県では面接、集団

討論の配点の割合が非常に高いので、これら

の対策に多くの時間を使いました。

次に、後者に関して 2 つ挙げたいと思いま

す。

2.過去問を解くこと

採用試験を受験するにあたり、各都道府県

で過去にどのような問題が出題されたのかと

いうことは知っておく必要があると思います。

そうすることで今後の勉強の方向性を決める

ことに役立ちますし、何より各都道府県がど

んな問題を頻繁に出題してくるのかというこ

とがわかります。たとえば埼玉県では音楽の

問題で 2 年に 1 回くらいは滝廉太郎と山田耕

筰が出題されました。私が受験した年には残

念ながら出題されませんでしたが、こういっ

た各自治体が「大好きな」問題は多くあると

思います。過去問を解いておけばこういった

問題が出題された時に正解できるのでラッキ

ーですよね!(笑) また、各都道府県の名産品

や著名人、時事問題などを問う、所謂「ローカ

ル問題」も度々出題されます。こういった問題

がどの程度出題されるかは各都道府県により

異なるかと思いますが、埼玉では教職、一般教

養の試験の約 1 割はこの問題で占められてい

ました。自治体によってはこれよりももっと多

く出題されている所もあるかと思いますので、

「ローカル問題」をあまり軽視せずにしっかり

と対策しておくことをおすすめします。

3.面接の対策をしっかりとすること

恐らく多くの受験生が教職、一般教養や専

門の勉強に多くの時間を割いてしまい、面接

の対策をおろそかにしてしまうのではないか

と思います。事実、私もその一人でした。で

すが、今の採用試験は面接や集団討論などの

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配点が非常に高くなっておりますので、それ

らの対策にもこれから少しずつ時間を作った

ほうが良いかと思います。具体的方法につい

ては様々あると思います。私が行ったことは

主に、聞かれる可能性が高い質問(志望理由

や自己 PR、長所、短所など)にはどう答え

るのか、自分がどんな人間でこれから教員に

なったときにどうしていきたいのかなどを考

えました。面接対策で私が一番重要だと思う

ことは、「面接慣れ」をしておくことです。面

接本番は面接官数人の前で話さなくてはなら

ないので、どうしても緊張してしまうと思い

ます。本番で緊張して頭が真っ白になり、何

を言っているか分からなくなってしまった、

という様なことにはならない為に、面接の雰

囲気に慣れておくことが大切だと思います。

面接の練習は、協同出版や東京アカデミーな

どで開かれている面接対策講座や、法政大学

の教職課程センター、友人に頼んで面接官を

してもらうことなど、様々な方法があると思

いますので、是非面接の対策をしっかりと行

い本番当日には面接に対する苦手意識や不安

をなくして臨んで頂きたいと思っております。

以上が教員採用試験の受験に際して、私自

身の勉強の流れや、試験勉強の上で重要だと

思ったことです。試験対策には私が行ってき

たこと以外にも様々な方法があると思います。

是非皆さんがご自身に合った勉強法を見つけ、

今年の夏に合格を勝ち取って頂きたいと思っ

ております。以上です、ありがとうございま

した。

私立学校教員採用試験に向けて

梅澤 英里(文学部英文学科4年)

1.はじめに

みなさんの中には、公立学校だけでなく、

私立学校の教員採用試験を受けようと思って

いる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私も私立学校の教員採用試験を受け、内定を

いただきました。ここでは、私立学校の探し

方、採用試験の流れ、勉強方法、学習ボラン

ティアについて述べたいと思います。

2.私立学校の探し方

私立学校の教員採用試験は、自分で教員募

集情報を探します。私は、各学校の HP や日

本私学教育研究所の HP から教員募集情報を

探しました。募集時期は、大きく分けて 3 回

あります。1 回目が 5~7 月(専任教諭・常勤

講師)、2 回目が 9~11 月(常勤講師・非常勤

講師)、3 回目が 12~3 月(非常勤講師)です。

ここで常勤講師とは、専任教諭と同様に担任

なども持ちますが、1 年間や 3 年間と契約期

間が決められているものです。一方、非常勤

講師とは時間給講師のことです。

3.採用試験の流れ

採用試験の流れは、学校によりますが、だ

いたい第一次試験から第四次試験までありま

す。第一次が書類審査、第二次が筆記試験、

第三次が模擬授業と面接、第四次が最終面接

になります。ここでまず大切なのは「書類審

査」です。この書類審査では、提出した自分

の履歴書や志願理由書をもとに、合格か不合

格かが判定されます。とくに英語科は、履歴

書に、英検・TOEIC・TOEFL などのスコア

の記入が必要になります。そのため、できる

だけ高いスコアをとっておくとよいです。目

安としては、TOEIC で言えば、750~800 点

以上をとっておくとよいです。

4.勉強方法

基本的には、公立学校の教員採用試験に向

けた勉強方法と同じでよいと思います。ただ、

私立学校は特に、教職教養や一般教養よりも、

専門科目を重視する傾向にあるかと思われる

ため、専門科目に力を入れて勉強することは

大切です。英語科の場合は、英検準 1 級の問

題集を解いたり、英字新聞を日頃から読むと

同時に、模擬授業も重視されるため、大学 3

年生のうちから模擬授業を定期的に練習して

スキルを上げておくとよいと思います。

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5.学習ボランティア

学習ボランティアは、私立・公立関係なく

やっておくとよいと思う活動です。私は大学

4 年生のときに、1 年間「ちば!教職たまご

プロジェクト」に参加していました。実際に

中学校へ行って、生徒たちの勉強のサポート

や先生のお手伝いをします。そこでは、先生

方の朝の授業準備、授業中の進め方や生徒へ

の発問の仕方、放課後の部活動での動き、何

か生徒同士でトラブルが起きたときの対処の

仕方など、学校での一連の様子を現場で見て

学ぶことができます。そのため、自分が実際

に教員になったときのイメージがしやすく、

教員になりたい人にとって非常に魅力的な活

動だと思いました。そして、多くの先生方や

生徒たちとコミュニケーションをとる中で、

「教員になりたい!」という気持ちが明確化

されました。このような活動も教員採用試験

の勉強の 1 つだと思うので、是非、積極的に

取り組んでみてください。

6.最後に

教員採用試験は、最後まで諦めずに受け続

けていくことが大切です。一つ一つの試験は

貴重なものですし、仮に落ちてしまっても、

それは次に繋がる良い機会・練習となります。

未来の教師像を描いて、勉学に励んで下さい。

教員採用試験を振り返って

安井 駿(文学部地理学科4年)

1.教員採用試験に臨むにあたって大切なこと

私は千葉県中学・高校の社会科を受験し、

合格を頂くことができた。この文章は、私が

体験したことをまとめ、これから教員採用試

験にチャレンジする皆さんの参考にしてもら

うことを目的としている。教員採用試験のた

めに私が取り組んできたことの中でも特に大

切だと思うことが 2 つあるので、それを紹介

したい。

1 つ目は、「ひとりにならない」ということ

だ。教員採用試験では、筆記試験に加え面接

や集団討論、模擬授業などが課せられる。面

接や集団討論は、協力してくれる人がいなけ

れば良い練習ができない。複数で練習するこ

とで客観的な視点が生まれ、自分では気が付

かないことを発見することができるからだ。

また、仲間たちと学ぶことはモチベーション

の維持や不安の緩和にもつながる。私の場合

は教職課程センターの皆さんと、そこに集ま

る仲間たちに恵まれたおかげでとても良い刺

激を受けた。

2 つ目は、「体験の機会を活かす」というこ

とだ。教職課程センターでは、授業見学会や

学校見学会などのイベントを高頻度で開催し

ている。さらに私の場合は、千葉県が主催し

ているインターンシップの「ちば!教職たま

ごプロジェクト」で一年間にわたり、ひとつ

の学校の運営に参加させてもらっている。な

ぜ教育現場での体験が重要かというと、面接

で役に立つばかりか、実際に教員になった後

でも生きてくるからである。面接では、大き

く分けて「自分自身に関する質問」と「教員

としての資質に関する質問」の二つが問われ

ることになる。後者については、教育現場で

の体験がどのくらいあるかで大きく差がつく

のだ。私の場合は、現場で起こったことや感

じたことを再考した上で面接官に伝えること

ができ、それが合格の決め手となったのでは

ないかと思っている。

2.筆記試験対策

筆記試験は地道に努力を積み重ねるしかな

いが、学習の進め方に関するアドバイスが 1

点ある。

それは、受験する都道府県の情報を集める

ということである。都道府県ごとに出題範囲

や出題形式にはある程度傾向がある。また、

各都道府県の教育施策がそのまま出題される

こともよくあるため、情報収集は必須である。

収集方法としては、都道府県の HP や教育系

の雑誌、都道府県教育委員会による説明会な

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どがある。特に説明会は、「求める教員像」な

ど参考になる情報を直接得られるためおすす

めである。

3.面接対策

面接については、前述の通り体験してきた

ことをベースに語ればよいと思う。それに加

えて、「自分自身に関する質問」に答えるため

の自己分析を半年かけてじっくり行えばよい。

自己分析の方法は個人差があるが、私は人と

の会話の中で自然に自分を見つめ直した。自

分の事について考えすぎると深みにはまって

しまい、最悪の場合自己嫌悪に陥ってしまう。

肩の力を抜いて、自分のことがより好きにな

れるような自己分析を心がけてもらいたい。

自分の事が好きになれればそれが自信につな

がり、受け答えに活力が生まれるのである。

面接に臨む際の心構えについては、「インタ

ビューを受ける感覚で臨む」ということであ

る。焦らず、落ち着いて、投げかけられた問

いに対して分かりやすく丁寧に答えることが

最も大切である。面接官との呼吸を合わせ、

対話することを意識すれば自然とその境地に

近づくと思う。

4.まとめ

私にとっての教員採用試験は「チームプレ

ー」であったと思う。教職課程センターのみ

なさんや共に学んだ仲間たち、体験先の方々

など協力者を挙げればきりがない。これは私

の意見であるが、最近の教員採用は「人格重

視」である都道府県が多いように思う。「求め

る教員像」を見てみても、「人柄」や「コミュ

ニケーション能力」が盛り込まれている場合

がほとんどである。その要因は、学校教育そ

のものがチームプレーだからではないかと思

う。子どもたちはもちろんのこと、保護者や

地域の方々、教員間の連携のいずれかひとつ

でも欠けてしまえば、学校運営は成り立たな

い。教員採用試験ではチームプレーのために

必要な資質があるかどうかを試されているの

だと感じた。この資質は人との関わりの中で

しか身につけることができないと思う。教員

採用試験に合格することを最終目標とせずに、

豊かな人間性を持った教員となることを目指

して周りの人と共に努力を続けることが大切

であると強く感じた。

まとめると、これから教員採用試験に臨む

皆さんには多くの方々と協働し、「チームプレ

ー」でこの難関を乗り切ってもらいたい。

合格するための必勝法

笹谷 寛行

(キャリアデザイン学部キャリアデザイン学科4年)

私が勉強を始めたのは、大学 2 年の冬から

でした。推薦で大学まで進んできた私にとっ

て教員採用試験は大きな壁でした。しかし、

東京都と宮城県の社会科の合格を頂きました。

そこで本日は、全く知識がないゼロからのス

タートで、なぜ合格することができたのかを、

私なりに分析しお伝えしていきます。

1.予備校の活用

受験勉強をしたことがなかったため、何か

ら始めてどのように勉強すれば良いか分から

なかった私は、大学 3 年の 9 月に東京アカデ

ミーに入校しました。ひたすら、授業で配ら

れたレジュメの内容をインプットし、過去問

や問題集でアウトプットする作業を繰り返し

ました。この予備校でためになったことは 2

点あります。1 つは、様々な人に出会ったこ

とです。普段は大学生と関わることが多いけ

れど、そこでは現役学生よりも社会人の方な

ど年上の方が多かったため学ぶことが多くあ

りました。もう 1 つは、受験する自治体の傾

向を的確に勉強できるところです。効率よく

大事な部分を学べるため、私にとってはとて

も良い環境でした。以下、予備校の主なカリ

キュラムです。

①教職教養 (9 月~6 月)

9 月~12 月……週 2 日程度(1 日×2h)

1 月~3 月……週 4~5 日

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4 月~6 月……週 2 日程度

②専門科目 (12 月~3 月)

週 1 日×8h(日本史、世界史、倫理、地理、

政治経済、学習指導要領)

12、1 月はインプット、2、3 月は過去問など

アウトプット

③論文・面接・集団討論 計 15 回程度

④その他講座 模試が月 1 回

2.併願受験

私は私立受験を考えず、公立一本で考えて

いました。しかし、年に 1 度しか試験がなく、

一発勝負という難しい現実があります。そこ

で、少しでも公立の教師になる可能性を広げ

るために併願という手段を考えました。日程

が被らなければ、他府県の試験を受けること

ができます。たとえ、場所は違えど、教師と

して生徒と関わることに場所は関係ないと考

え、どこにでも行くつもりで併願をしました。

以下、全国の試験日程と私の併願体験です。

6 月末…………北海道

7 月 1 週目……甲信越・栃木県

7 月 2 週目……関東

7 月 3 週目……東海・九州・中国

7 月 4 週目……東北・近畿(一部省略)

私は東京都を第一志望とし、日程が重なら

なかった大阪府と宮城県を併願受験しました。

その理由は、大阪府は東京都の次に採用数が

多く合格する可能性が高いからです。宮城県

は東京都と出題傾向が似ており東京都の勉強

で補うことができるためです。実際、東京都

と宮城県は併願者が多いのが特徴です。併願

することで、もし本命がダメであってもまだ

可能性があるという心のゆとりにつながるメ

リットがあります。しかし、多少は他府県の

対策が必要となり、経済的・時間的に負担と

なってしまうマイナスもあります。しかし、

併願を経験した私としては本気で公立の教師

になりたいならおすすめします。

3.とことんやり抜けば大丈夫

私は、合格するために覚悟を決め貪欲に勉

強しました。試験の 1 年前から 1 日 8~10 時

間勉強し、誰にも勉強時間では負けない自信

がありました。1 つの参考書をとことん使い

何週も繰り返しました。参考書はボロボロに

なったけれど、その分自信につながりました。

ゼロからのスタートでも他の受験生と同等

に闘えることを今回の採用試験で身をもって

証明することができました。みなさんも、覚

悟を持って、勉強に励めば必ず合格を手にす

ることができます。不安や辛いことがたくさ

んあると思います。しかし、めげずにこつこ

つやっていけば絶対に力になり自信に変わり

ますので頑張りぬいてください。

教員採用試験合格に向けて

森田 智行(経済学部国際経済学科4年)

私は神奈川県・中学校社会科の教員採用試験

を受験し、採用が決まりました。教員採用試験

を受験するにあたって、知ってほしいことを書

いていきたいと思います。

1.はじめに

私が教員採用試験に向けて本格的に勉強を

始めたのは非常に遅く、3 年生の 1 月からでし

た。教員採用試験を目指す人の多くは 3 年生の

夏頃か秋頃までには勉強を始め、事実東京アカ

デミーなどの大手予備校では9月から翌年の試

験対策講座が開講しています。1 月に入って最

初に考えたのは、この遅れを取り戻し、神奈川

県の教員採用試験に合格するためにどのよう

な対策をして、どのようなスケジュールで勉強

すべきかの戦略を立てることでした。教員採用

試験は、自治体によって試験科目や配点が異な

るなど、大きな傾向の違いがあります。そのた

め、自分が受験する自治体の情報収集と傾向の

把握を行い、その自治体に対応した戦略を立て

ることが、教員採用試験を突破するための最大

のポイントとなります。

2.1次試験に向けて最初にやって欲しいこと

1 次試験突破に向けて、最初の段階で是非や

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ってもらいたいのが、①過去問を解き傾向を把

握し、②次に一般教養・教職教養・専門教養そ

れぞれの目標点を決め、③最後にその目標達成

に向けた大まかなスケジュールを立てること

です。

過去問を解く際に、一般教養・教職教養・専

門教養それぞれの試験ではどの教科が多く出

題されどんな配点なのか、教科の中でもどんな

分野が多く出題されているかなど、受験する自

治体の 3 つの教養試験を細かく見ていき、自分

なりにまとめていくことで傾向を把握してい

くことが出来ると思います。特に、過去問 5~

10 年分の出題分野ごとにメモを取り、参考書の

目次の所に~年度出題と書いておくと、どこが

重要視されているのかがすぐにわかりお勧め

です。しかし、勉強を始めたばかりの段階で過

去問を解いても、合格点に全く届かなかったり、

一般教養の範囲の広さや専門教養のレベルの

高さにショックを受けるかもしれません。実際

に、私自身も 1 月の段階で過去問を解いた時に

は、神奈川県で公表されている合格点に全く届

かずショックを受けました。ただし、過去問を

解くことで最も大事なのは傾向を把握するこ

とであり、最初の段階から合格点をとることで

はありません。むしろ過去問を早い段階で解い

たことで危機感を覚え、今のままではダメだと

思ったことが、勉強に対するモチベーションを

上げるきっかけとなりました。

過去問を解いた後、神奈川県教育委員会のホ

ームページで公表されている合格最低点と各

科目の平均点を確認し、自分の得意不得意や把

握した傾向をもとに3つの教養試験の目標点を

それぞれ決めていきました。例えば、専門教養

では、政経は配点も高く範囲も他の科目と比べ

広くない傾向があるから 8 割、日本史は配点が

政経より低く難易度が高いので 6 割、などとい

うような感じです。こうして目標点を定めれば、

この分野では配点が高いから得点源とするた

め勉強量を多くし、この分野は配点が少ないか

らある程度の勉強量にして他の分野の勉強に

回そうなど、合格に向けた戦略を立てていくこ

とが出来ます。

最後に、把握した傾向・自分の得意不得意・

目標点をもとに大まかなスケジュールを立て

ていきました。ここでお勧めなのが、逆算して

目標を立てていくということです。具体的には、

1 ヵ月の目標を立て、その目標をこなすための

1週間・1日の目標を立てていくというように、

長い期間での目標を決めてから短い期間での

目標を決めていくという方法です。何の目標も

なく勉強するより、短いサイクルでの目標を定

めた方がやる気もおき、その短いサイクルでの

目標をこなしていくことで、大きな目標にも到

達できます。もし 1 日の計画が早く終われば自

分の好きなことをするなど、メリハリもつける

ことも出来ます。私は、知識を定着させるため

に参考書や問題集を何周くらいする必要があ

るかを考えていき、その後長いサイクルから短

いサイクルでの目標を立てていく方法を取っ

ていきました。

3.2次試験に向けて知って欲しいこと

神奈川県の 2 次試験では、模擬授業・集団討

論・個人面接が順に行われます。さらに、1 次

試験で実施された論文が2次試験での得点に換

算されます。配点は、模擬授業と集団討論合わ

せて 60 点、論文が 40 点、個人面接が 200 点の

計 300 点満点です。このように個人面接重視の

傾向がありますが、1 つ重要なことがあります。

それは模擬授業・集団討論・個人面接は全て同

じ面接官が行うため、最初に行われる模擬授業

での印象が、後の個人面接に大きく関わってい

くことです。そのため、配点の大きい個人面接

だけでなく、模擬授業の準備が非常に大事にな

っていきます。模擬授業をやる際、意識して欲

しいポイントが「生徒を授業に参加させるよう

な発問や工夫をどれだけ出来るか」と、「その

授業の目標を明示すること」です。本番の 2 次

試験のグループで、これが上手いなと思った人

は実際に合格していました。

2 次試験対策において最初にやって欲しいの

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は、神奈川県教育委員会のホームページに掲載

されている模擬授業・集団討論・個人面接の評

価基準を参照し、その評価基準に合った試験対

策をすることです。当たり前のことかもしれま

せんが、この評価基準を自分なりに理解し、自

分の言葉で表現していくことが重要になって

くると思います。また、教育委員会が発行して

いるパンフレットなどにも、神奈川県が求める

教師像が書かれており参考になります。これは

神奈川県に限った話ではなく、どの自治体にも

求める教師像が教育委員会のホームページや

パンフレットに書いてあると思うので、2 次試

験対策を始める前に是非調べてみて下さい。

教員採用試験に向けた取り組みとアド

バイス

和泉 尚将(社会学部社会学科4年)

1.試験勉強開始の時期

本格的に勉強を始めたのは教育実習が終わ

った 6 月 1 日からでした。一次試験の日程が

7 月 12 日だったので、一ヶ月しかありません

でしたが、その分集中して学習できたように

思います。ただ、大学二年次から、アルバイ

トをしていた塾で、社会科を担当することに

なったので、「一見」、二年分の蓄積があるよ

うに思われます。「一見」とつけた理由として、

塾の授業自体は週に一回しかないので、単純

計算しても二年で 96 日分にしかなりません。

よって、教育実習終了後の一ヶ月に、約三ヶ

月分を足した四ヶ月が実質の勉強時間になる

かと思います。

2.採用試験と周囲の支え

採用試験に向けて勉強を行う中で、やはり

周囲の支えが一つ、モチベーションの維持や

頑張りに繋がるかと思われます。私は地元で

同じように教員を志望する友人と頻繁に連絡

を取り、お互いの不安や、達成度の状況を聞

き、学習意欲の維持に努めました。また、私

は実家から大学に通っていたので、教職課程

センターをうまく活用することが出来ません

でしたが、私の先輩がしていたように、教職

課程センターという場で、同じ志を持つ仲間

と共に頑張ることは非常に効果的なことかと

思われます。

3.一次試験及び二次試験の取り組み

[一次試験:筆記(専門科目 100 点)]

埼玉県の中学校等教員の筆記試験における

専門科目の特徴として、二点挙げられます。

一点目は中学校で習うこと以上のことは、ほ

ぼ聞かれないということです。もちろん難易

度は高いですが、中学校の学習範囲の域は出

ません。よって、地歴公民それぞれ、中学生

向けの参考書を一冊ずつ購入し、しっかりや

り込み、その後、公立高校の過去問をやり込

みました。もちろん、教員採用試験の過去問

も十年分ほど解いています。二点目は地歴公

民のうち、歴史に関しては日本史からの出題

が非常に多いという点です。よって、日本史

のみは高校生向けの参考書まで取り組んでい

ます。

[一次試験:筆記(教養 100 点)]

教養は一般教養と教職教養に分かれ、得点

的には、若干、一般教養の方に比重が傾きま

す。ただ、一般教養に関しては、範囲は途方

もない(高校の学習範囲も含まれる)ので、

すべてやり直さずに、過去問のみしか対策せ

ず、間違えた問題に関する単元は、科目に問

わず、インターネットを利用して調べ、まと

めノートを作成しました。教職教養に関して

は、しっかりと覚えれば得点に結びつけられ

る部分が多いので、過去問をやり込むととも

に、教育法規を暗記するために、一冊参考書

を購入し、ひたすら暗唱しました。

[二次試験:面接(個人 100点・集団 100点)]

まずは志望動機と、どんな教員を目指して

いるのかを言えるようにしました。加えて、

想定されるであろう質問への答えを考えてお

くために、面接練習用の参考書を購入しまし

た。ただ、準備していない質問は必ずあるか

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と思われます。そういった場合には、自分の

中に、一本、教員として目指すべき「軸」の

ようなものがあるはずなので(ない場合は用

意して)、その軸に沿わすように回答すると、

落ち着いて対応出来るかと思います。また、

埼玉県は定期的に「教育さいたマガジン」と

呼ばれるメールを配信しており、埼玉県独自

の政策や、教育時事を知るのに役立てました。

パンフレットを熟読することも重要です。

[二次試験:論文 50 点]

参考書などを購入して練習したとしても、

同じような課題が出る可能性は低いですが、

やはり、論文を書くことに慣れるということ

が、一つ、大事なことだと思います。よって、

問題量に関わらず、一冊はやっておくと良い

かと思います。

4.最後に

まずは過去問分析から勉強に入ると、効率

よく学習していけると思います。そして、あ

る程度やるべきことをやったならば、後は気

持ちと運の問題です。「これだけやったんだか

ら大丈夫なはず!」という気持ちに、本番な

れるように、後悔のないように勉強しましょ

う。また必ず運の要素もあるかと思います。

「自分が出来なかったら、皆も出来ていない

だろう」という気持ちで、強気で攻めましょ

う!

自称追い込み型の教員採用試験対策

酒井 陽平(社会学部社会学科4年)

私は千葉県の中高社会を受験し、第一志望

の高等学校で採用していただきました。私が

合格を勝ち取ることができたのは、教職課程

センターの先生方や共に就職活動を乗り越え

た仲間に支えられ、高め合うことができたか

らだと思います。教採をたった 1 人で切り抜

けるのは本当に難しいことだと思います。ま

ずはそのような方々との出会いを大切にしま

しょう。

本題に入りますが、私は悔いが残らないよ

うにサークルの活動に打ち込み、区切りがつ

いた段階で勉強を始めると決めていたため、

私が教員採用試験の勉強を本格的に始めたの

は 3 年生の 2 月頃でした。独学で社会科を受

験する中では時期的に見ればどう考えても遅

いので、私はかなり追い込んで勉強したつも

りではあります。人にはそれぞれ勉強のペー

スがありますが、追い込み型であると自負す

る私が具体的に勉強をどのように進めたかは

以下の通りです。

1.勉強時間について

・大学の図書館に 1 日 10 時間ほどを週に 6

日間通うことは欠かさなかった。残りの 1

日は 3~5 時間勉強し、友人と遊んだり趣

味にあてたりと息抜きの時間にした。

・大学にいる 10 時間のうち 2 時間を休憩と

決め 1 時間は昼食、30 分は昼寝、残り 30

分は何回かに分けて休憩をとるリズムを

定着させた。

・1 日平均 8 時間大学で勉強した内訳は専門

教養に 5 時間、教職教養に 1 時間、過去問

や苦手分野の補てんに 2 時間程度。(専門

教養の 5 時間は得意・不得意で時間配分)

・帰宅後はペンを持たず、見るだけの参考書

などで 1~2 時間の勉強。

2.勉強を進める時期について

2 月~3 月

基本的な知識の定着を目指し、参考書など

で学習を進める。インプットした知識を過

去問や模試などでアウトプットする練習

も欠かさずに。

4 月~5 月

苦手分野、さらに得点を上げることのでき

る分野が勉強を進める中で見えてくるは

ず。その対策と、それまでに定着させた知

識を確認と深める作業。

6 月

採用試験の勉強は全くせず、教育実習に向

けての準備、実習にすべての時間を費やし

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た。しかし、実習中にも面接で話せそうな

経験、模擬授業で使えるテクニックなどを

学ぶことができるので常に試験に向けて

のアンテナを張っておくと良い。

7~8 月

それまでの勉強を信じ、7 月 12 日の 1 次試

験までにほとんど新しいことに手を付け

ていない。1 次試験が終わった後は 2 次試

験に向けて面接と模擬授業の準備。

3.勉強以外に大切なこと

ここまでは私がどのように勉強を進めたか

を説明しましたが、ご存知の通り教採は知識

があるだけでは突破することはできません。

私が勉強以外に大切にしたことが大きく分け

ると 3 つあります。

1 つ目に、共に戦ってくれる仲間を作るこ

とです。具体的に私は、中学高校時代にお世

話になった先生方や、部活や学校の先輩であ

り現職で教員をされている方々に教採を受験

することをすぐに報告しました。そのような

方々に応援していただけると自分のモチベー

ションにもなりますし、運が良いと良いお話

をいただけたりします…(これに期待しすぎ

てはいけませんが)。また、共に受験をする仲

間との情報交換も盛んに行い、教育時事など

互いに出題されそうな問題を予想しあったり

もしました。冒頭にも述べましたが、1 人で

教採を戦い抜くことは非常に難しいです。そ

のため、同じ志を持った仲間や、すでに現場

で活躍されている方々を味方につけることも

有効かと思います。

2 つ目はなるべく現在の教育現場を知って

おくことです。私は東京の公立中学に学習支

援教室(勉強が不得意な生徒が集まる会)の

サポーターとして通い、教育現場の現状を見

ておくように心がけました。採用試験でボラ

ンティア経験を話せるだけでなく、教育実習

前に学校という空間に慣れ、生徒たちと接す

ることができるので良い経験になるかと思い

ます。

3 つ目は私生活の中で常にアンテナを張り

続けることです。私生活の中には意外と教育

に結び付けて考えることができる出来事があ

ります。例えばニュースや新聞、大学の授業

で学んだことや友人との会話など様々です。

採用試験で行われる面接では聞かれたことに

対して瞬時に考えて答えなければなりません。

常に教育に対して考えを巡らせていれば日常

生活の中で多くの発見をし、頭の中に引き出

しをつくっておくことができます。どの出来

事に対しても常に教育に結び付けるようアン

テナを張り、面接では自分の考えをはっきり

と主張できるように普段からトレーニングす

ることが大切です。また、私は暇な時間に「面

接でこう聞かれたらどのように答えようか」

と頭の中でイメージを作り、限られた時間を

有効活用していました。

ここまで私がどのように採用試験に向かっ

たかお話ししましたが、その人にはその人の

ペースがあるので参考程度に見ていただけれ

ばと思います。追い込み型といいつつ、休憩

もしっかりととることが最後まで採用試験を

戦うコツです。無理をしすぎず、最後まで追

い込んでください!

効率の良い勉強で臨む教育採用試験

大西 翔太

(スポーツ健康学部スポーツ健康学科4年)

私が受験した「東京都」は少々独特な自治

体です。もちろん他の各都道府県にもそれぞ

れ特徴があり、裏を返せばその「特徴」をい

かにつかんで「効率良く」勉強するかが採用

試験合格の鍵になるのではないかと思います。

まず、私が採用試験の勉強を本格的にスタ

ートしたのは 4 年生の 2 月から、周りと比べ

ると遅いスタートで、本当に間に合うのかと

いう不安はありました。何からするべきなの

か、何を重点的にやる必要があるのかわから

なかった私はとりあえず「過去問」を開いて

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みることにしました。そこで気が付いたこと

が「2 つ」あります。それは「同じ問題が毎

年たくさん出ているな」ということと「教育

法規・教育原理・教育心理・教育史・教育時

事・学習指導要領・自治体問題の 7 つがどん

な割合で出題されているのか」ということで

す。この 2 つのことにさえ気が付いてしまえ

ばあとは何に時間を割くべきなのか、何から

取り掛かるべきなのか自ずと分かるはずです。

是非チェックしてみてください。そしてもう

1 つ、注目してほしいのが「どんな出題のさ

れ方・聞き方をされているのか」です。これ

は余裕があればでいいです。しかし、ここに

何か気が付くものがあれば勉強の効率は一気

に上がります。例えば「教育史は簡単な暗記

カードで十分だな」とか(これは東京都の傾

向で個人的な感想ですが…)。効率が上がれば

勉強は楽しくなります。

次に、皆さんご存知の通り 1 次試験にはマ

ークシートだけではなく論文もあります。東

京都はこの論文が特に重要になるといわれて

います。では、その論文をどのようにして勉

強していくのかについてですが、まずは「た

くさん読む」、次に「たくさん書く」そして「書

いたものは必ず評価しあう」この 3 つを実践

して見てください。論文なんてなかなか書く

機会もないでしょうし私自身も書き方なんて

全く知りませんでした。だからこそ、まず「た

くさん読む」ことで教育的な、あるいは論文

としての語彙力や言い回しをたくさん身に着

けてください。良いものはどんどん吸収して

自分の文章として表せるように蓄えていって

みてください。次に「たくさん書く」。論文は

時間との勝負です。試験当日に問題を見てか

ら考えたのでは遅いです。ですから、たくさ

ん書いて書くスピードを身に着ける、あらか

じめ自分のパターンを何通りか用意して当て

はめることが本番では大切になります。そし

て「書いたものは必ず評価し合う」。なぜなら

自分ではよく書けたと思っていても他人には

伝わらないことや、自分では気が付かない欠点

が必ずあるからです。その点を評価し合うこと

で気づかされたり、あるいは他人の文章から気

づいたりすることがあります。そうやってより

良い論文を作る練習をしてみてください。

そして、1 次試験に合格したら、もちろん

2 次試験があります。東京都の 2 次試験は集

団討議・個人面接・実技の 3 つです。2 次試

験については一次試験に向けて勉強した内容

で知識的には十分対応することができます。

なので、一次試験後に準備して欲しいことは、

面接での適切な話し方と集団討議のポイント

を抑えるということです。ここではポイント

等は書ききれないので詳しく述べませんが、

回数を重ねることと先輩や経験者、実習校の

校長先生など、迷惑にならない範囲で頼れる

ところを見つけて積極的に活用するようにし

てください。

最後に、今までここで話してきたことは一

つの手段であり、私個人からの提案にすぎま

せん。大切なことは、試行錯誤しながら自分

に一番合ったやり方を見つけることだと思い

ます。しかし、皆さんには必ず守ってほしい

ことが 1 つだけあります。それは「一人で勉

強しないこと」。もちろん家や図書館で一人

黙々と勉強に精を出すことは必要です。その

時間を取るなというのではなく、頻繁に仲間

と連絡を取り、問題を出し合ったり、論文を

読み合わせたり、情報を共有しながら、この

採用試験勉強を楽しんでください。そうすれ

ばきっと合格できるはずです。

「感謝の気持ち」と「教師になる」と

いう強い決意を胸に

今関 隼人

(スポーツ健康学部スポーツ健康学科4年)

私は 2016 年度東京都教員採用試験に合格

し、今春から教師として働けることになりま

した。校種・教科は中高・保健体育です。

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私一人の力で教員採用試験に合格できたと

は思っていません。勉強は決して面白いわけ

ではなく、なかなかモチベーションを維持し

続けるのは難しかったです。では、なぜ最後

まで頑張ることができたのか?それは支えて

くれる人が周りにたくさんいたからです。

私は一人で勉強していたことはあまりなく、

大学にきて教員採用試験を受験するスポーツ

健康学部の仲間と一緒に勉強をすることがほ

とんどでした。同じ目標に向かって頑張るこ

とができる仲間の存在がとても大きかったで

す。勉強するときは集中して行い、リラック

スするときは全力でふざけ合い、ときには問

題を出し合いクイズ形式で勉強したことも多

くありました。わからないことがあったら気

軽に質問できる、行き詰っているときに何で

も相談できる、そんな仲間が近くにいること

が私の支えでした。

大学の教職の先生方にも大変お世話になり

ました。勉強に身が入らないときに研究室に

お邪魔すると気持ちを察してくれ、お菓子を

くれたり他愛もない話をして笑わせてくれた

りと、その気遣いにとても救われました。週

に 1 回は教職課程センターに足を運び勉強を

していましたが、問題プリントを出してくれ

たり、最近の教育問題、採用試験の傾向など

をたくさん教えてくださいました。行くたび

に笑顔で迎えてくれ、どうだ?勉強頑張って

いるか?ちゃんと息抜きしてるか?と声をか

けてくれる先生方に会いにいくのが私の楽し

みであり、心のよりどころでした。

多くの方々に支えられ頑張ることができた

ことも合格することができた要因ではありま

すが、やはり一番の要因は教師になるんだと

いう自分自身の強い気持ちであったと思いま

す。私が教師になりたいと思ったのは高校 3

年生のときでした。それからその気持ちが変

わることは一度もなく、大学で勉強していく

につれてより一層強いものとなっていきまし

た。これまでの人生で何度も経験しましたが、

どんなに追い込まれても悩んでも辛いことが

あったとしても最後は自分の気持ちが大事に

なってきます。絶対負けない、なんとしてで

も達成してみせるという強い気持ちがあれば

結果や成果はついてくると私は信じています。

次に勉強方法についてですが、人それぞれ

違ってくると思うので参考になるかはわかり

ませんが紹介しておきたいと思います。

私は追い込まれないと動き出さないタイプ

の人間なので、本格的に勉強を始めたのはそ

の年の 2 月からです。採用試験までの時間は

あまりなかったので、とにかく無駄なことは

しないように心がけていました。まずは、過

去問とその参考書を買って東京都の試験の傾

向を分析しました。どんな分野が多く出題さ

れているのか、今年はどこが出題されるかな

どをデータと傾向に基づく自分なりの予想を

たて、そこをつぶしていきました。一つ上の

先輩から東京アカデミーのテキストをいただ

いたので読み込み、問題を解く、間違えたら

またテキストに戻る、このサイクルだけで一

次試験の筆記は乗り切ることができました。

ポイントは色んなものに手を出さずに一つの

ものを何度も反復することです。小論文は 4

月までは月に 2 問程度、それ以降は週 1 のペ

ースで書いて教職課程センターの先生に添削

をしてもらったり、仲間と読み合いお互いに

指摘し合いました。小論文は序論・本論・結

論で構成していきますが、序論でテーマに沿

っていない場合はその段階でその小論文は読

まれなくなってしまうので序論を上手く書く

ことが合格答案のポイントになります。

二次試験は教職課程センターをフル活用し

ました。先生方と個人面接や集団討論の練習

をしたり、実際に面接官を務めている方との

面接も行いました。とにかく面接は場慣れが

大切です、いかに緊張せずに自分の意見がは

っきりと言えるかが鍵となるので是非教職課

程センターを活用してください。実技試験の

対策も仲間と一緒に行いました。スポーツ健

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康学部の先生方にも見ていただきアドバイス

してもらいました。特別上手くできる必要は

ありません。ポイントを押さえて行うことが

できていれば下手でも大丈夫です。実際、私

は実技試験のバスケットボールでフリースロ

ーがリングにすら当たりませんでしたが合格

することができました。なので実技試験に関

してはそこまで心配する必要はないと思いま

す。

私の合格体験記が皆さんの役に立つかはわ

かりませんが、少しでもやる気になってもら

えたら嬉しいです。来年の春、皆さんと一緒

に教師として働けることを楽しみにしていま

す。

合格に向けて

玉手 絵理

(スポーツ健康学部スポーツ健康学科4年)

私が採用試験の勉強を始めたのは、夏休み

明けの 10 月ごろでした。本格的に勉強を始

めなくてはと思いつつも、何から始めたらい

いのか分からず、最初はなかなか手につきま

せんでした。そこで、採用試験に合格された

先輩に相談をしたら、教職教養に触れること

から始めたらいいのではないかとアドバイス

をいただいたので、まずは先輩からいただい

た東アカのプリントを中心に勉強を始めまし

た。教職教養は、もともとの知識がなくゼロ

からのスタートだったので苦労しました。と

にかくプリントを読みながら書き込みをし、

わからないところは東アカの参考書と合わせ

て確認して理解していきました。参考書はい

ろいろなものが出ているので、不安で新しい

参考書にどんどん手を出してしまいがちです

が、書いてあることは基本的に同じなので、

1 つの参考書を完璧にするまで根気強く向き

合うほうが、より理解が深まっていいと思い

ます。教育心理はほとんど単純暗記なので、

単語カードを作って、常にポケットに入れて

持ち歩くことをおすすめします。ちょっとし

た空き時間にパラパラとするだけで自然と覚

えることができます。足りない知識は過去問

を解いていく上で浮き彫りになってくるため、

その都度勉強をしていけばいいと思います。

1 月ごろになると、専門教養にも手を付け

るようになりました。私が受けた横浜市中学

校保健体育の問題は、約 9 割が学習指導要領

からの穴埋め問題でした。ここで大事になっ

てくるのが、勉強を進めていく上で、自分が

受ける自治体はどのような問題が出題されて

いるのかを知っているかということです。東

京都などの他の自治体では、それぞれの種目

のルールや行い方からの出題が中心ですが、

横浜市中学校保健体育ではそのような問題は

ほとんどありません。つまり、その傾向を知

っていれば、それらを勉強する必要がないの

です。なので、効率のよい勉強をするために、

まずは自分の受ける自治体の過去問を 1 年分

でもいいのですぐに解くべきです。そこから、

自分が重点的に勉強すべき分野や、効率のよ

い勉強方法が見えてくると思います。私は、

過去問こそが 1 番の参考書だと考えています。

出るか出ないかが分からない問題集を手探り

にひたすら解いていくくらいなら、実際にそ

の自治体で出た問題から、さらに広げていく

勉強をすればいいのです。過去問を解いたら

丸付けをして終わりにするのではなく、大事

なのは問題を解いた後の復習です。問題を解

いていく中で、答えとは関係ないほかの選択

肢 1 つ 1 つに注目して、どこが間違えている

のかを考えることや、一問一答のような問題

においては、すべての選択肢に対して答えを

書いていく作業をします。それらをまとめた

ノートを作ることで、自分だけの参考書がで

きます。過去問を何年分か解いてまとめてい

ると、いつも同じような分野から出題されて

いることに気付くと思います。

論文については、本格的に手を付け始めた

のは 4 年になってからでした。週 1 回、教採

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仲間と教職課程センターに集まって、事前に

書いてきた論文をお互いで読み合い、アドバ

イスをするということをしました。自分では

うまく書けたと思っていても、人に読んでも

らうと全然伝わらなくて、仲間から厳しい指

摘をもらいました。論文は、自分一人でやる

のではなく、書いたら人に読んでもらったり、

仲間の論文を読んだりすることが大事だと思

います。そこからより良い書き方やアイディ

アが浮かんだりします。

私は、採用試験を受ける上で、教職課程セ

ンターには大変お世話になりました。課程セ

ンターに行って、仲間と集まるだけでも勉強

のモチベーションが上がりましたし、重田先

生が用意してくださった問題をみんなで解い

て、どれだけ解けたかでわいわいするなど、

黙々と勉強をしに行くというよりは、週 1 回

の気休めの時間になっていました。2 次試験

対策としては、面接練習、論文添削、実技試

験の練習などを行っていただきました。面接

に関しては、今まで一度も経験したことがな

かったので、どうすればいいのかもわからな

い状態から始めましたが、丁寧な指導のおか

げで、2・3 回の練習だけで不安を感じずに本

番に臨むことができました。面接は、自分の

ありのままを表現したらいいと思います。言

葉を覚えていくのではなく、自分がそのとき

思ったことを素直に伝えればいいのです。難

しく考える必要はないと思いますが、自分は

どんな人物なのか、どのような教師になりた

いのかといった「核」を持っておくことは必

要です。

多摩キャンパスには、同じ横浜市を受ける

仲間がいなかったので、市ヶ谷キャンパスに

お邪魔して、横浜市の 2 次試験に必要な模擬

授業や、個人面接でのロールプレイングの練

習に一緒に参加させていただきました。その

おかげもあって、万全の準備で試験を迎えら

れたことが、自信につながり、よい結果が出

たのだと思います。

採用試験に向けて大切なことをまとめると、

①まずは自分の受ける自治体の傾向を理解す

ること。そして自分に合った勉強方法を見

つけること。

②自分の「核」を持ち、気持ちをぶらさない

こと。

③情報を求めて自分で足を運び、受け身にな

らないこと。

④仲間と一緒に頑張ること。

以上です。みなさんが当日、努力の成果を

発揮できることを祈っています。

教師になるという強い気持ちと目標を

持って

木下 敬太(理工学部機械工学科4年)

私は静岡県の教員採用試験に合格しました。

校種と教科は高等学校・数学です。これから

私が教員採用試験に向けて実行した勉強方法

とその対策について話したいと思います。

私が教員採用試験に向けた勉強を始めたの

は 3 年生の夏からです。まず初めに受験自治

体の過去問を解くことから始めました。過去

問を入手し出題傾向の把握をしました。各自

治体の出題傾向を知ることで教職教養や一般

教養の学習に繋がるからです。また、4 月と

5 月には教員採用試験の模擬試験を受けまし

た。実際の試験に近い問題や論作文の試験も

あり、受けてみるのもいいと思います。

まず、一次試験に向けて私が行ったことを

具体的に話します。

教職教養については参考書、問題集を購入

し、問題集に重点的に取り組みました。一通

り解いてから、受験自治体で出題されやすい

範囲を中心に要点や重要語句をまとめたノー

トを作りました。教職教養は大きく 4 つの分

野に分けられていて、その 4 つの中で得意な

分野を持っておくといいと思います。私の場

合は教育法規が得意だったので教育基本法や

学校教育法などは暗記しました。少なからず

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重要条文は暗記しておくことが必要だと思い

ます。

一般教養については参考書を購入し、人文

科学の分野を重点的に取り組みました。しか

し、一般教養は範囲が広く対策が難しいので、

得意な分野では確実に点が取れるようにして

おくことが大切だと思います。さらに、日々

のニュースや出来事にも注目しておくと試験

で役に立ちます。教養試験は教職教養を重点

的に勉強しました。

専門教養については高校で使っていた問題

集を繰り返し解きました。苦手な分野をでき

るだけ無くせるように取りこぼしなく勉強し

ました。旧課程から新課程に移行したことで

追加された単元も試験で狙われるポイントで

す。実際に試験でも出題されました。また、

学習指導要領からの出題があるので、学習指

導要領を読んで内容を理解しておく必要があ

ります。特に教科の目標や単位数(高校)な

どは暗記しておいたほうがいいと思います。

さらに、塾講師をしていたので常に数学に触

れていたということもよかったように思いま

す。

次に二次試験に向けて行ったことについて

話します。二次試験では論作文、個人面接、

集団討論があり、論作文は 3 年生の 3 月から、

個人面接は 6 月下旬、集団討論は 7 月下旬か

ら対策を始めました。

論作文は 3 月に行われた教職課程センター

主催の対策講座に参加し、基本的な論作文の

書き方を身に付けました。また、受験自治体

の傾向と似たような題材の論作文を試験前ま

で 10 本程書きました。添削は教職課程セン

ターにお願いしました。何回も書くことによ

ってコツをつかむことができ、テーマに沿っ

た内容で論旨が書けてくると思うので本番ま

でに何度も書くことをお勧めします。他に論

作文のテーマになりそうな教育問題を書き出

して、テーマに対する自分の考えをノートに

まとめました。

面接は教育実習が終わってすぐに始めまし

た。面接も教職課程センターで練習しました。

集団討論の対策も並行して練習しました。少

しでも面接に慣れておくために数多く面接練

習を行いました。自分自身の面接での癖や、

良い所、悪い所を客観的に指摘してもらえる

ので、良い機会になると思います。

また、Q&A ノートを作成し聞かれそうな

ことや自分の考え、受験自治体の教育の基本

方針などをまとめておくといいと思います。

自分自身の教育に対する情熱を確立し、その

ことも面接で話せるようにしておくといいか

もしれません。しっかりと準備をして本番に

臨むようにしましょう。実際の試験では準備

をしてきたことはもちろんのこと、今まで経

験してきたことが役立ちました。

以上のように教員採用試験に向けてやるべ

きことがたくさんあります。しっかりと計画

を立ててできることから始めてください。ま

た、教員採用試験は最終的な合格が決まるの

が遅いため、周りの人の進路が決まっていく

というもどかしさや焦りがあると思います。

しかし、絶対に教員になるという強い気持ち

と目標を持って頑張ってください。皆さんの

健闘を祈っています。

教職課程センターをフル活用して

後藤 絵里奈(生命科学部生命機能学科4年)

私は、中高理科で大学推薦を利用し横浜市

に合格しました。今日は、大学推薦をいただ

くまでの流れ、二次試験対策、本番当日での

話をしたいと思います。

一次試験では大学推薦の為、小論文試験だ

け受けました。これは、二次試験に加点され

ます。

先ず私が、教員になろうと決意したのは大

学 3 年生の秋頃で、小金井キャンパスの教採

対策講座第一回が 1 月ごろに開かれ、参加し

たことが教採対策の始まりです。対策講座で

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初めて教職教養の過去問を解き、何ひとつ分

からなかったことをよく覚えています。

春休みに入り、本格的に教職教養と自分の

専門科目の勉強を始めました。教職教養は、

過去問 5 年分を分析し、よく出題されている

分野から参考書で暗記し問題を解くパターン

を繰り返しました。専門科目は過去問を分析

したところ万遍なく出ているようだったので、

先ず得意な生物と化学から固めようとセンタ

ー試験の赤本や法政の入試問題を解きました。

自治体によって傾向が違うので、早めに受け

る自治体を決め出題される内容を分析するこ

とをお勧めします。春休みが終わる頃には、

東京都の教職教養の過去問は大体 8 割ほど得

点できるようになりました。

4 月頃に大学推薦という特別選考があるこ

とを聞き、私は地方出身なのですが何が何で

も関東に残りたかったので、少しでも合格の

可能性が高い推薦で受験しようと思ったので

す。先ず大学推薦の制度や推薦条件に基づく

適性等を教職課程センターの先生に聞きに行

き、推薦を志望するための自己 PR や成績表

などの書類を提出し、大学内選考の面接を受

けました。大学内の選考が通ると自治体で大

学推薦を受理するか否かの選考があります。

その選考受理の回答が 6 月中旬だったので、

もし受理されなかった時のためにそれまで一

次試験の勉強もしながら、小論文対策を始め

ました。

大学推薦は、成績(GPA)が重視されるの

で教職課程は勿論、学部の実験や専門科目や

教養なども頑張っておくと後々自分の夢に近

づけるチャンスが巡ってきます。特に実験や

研究には積極的に参加しておくと、採用試験

でも説得力がある話の題材になります。成績

以外にも、ボランティア経験が重視されるこ

と多いようなので、時間があるうちに教育支

援ボランティアなどに参加しておくと良いと

思います。

小論文対策は、小金井相談室の小論文対策

講座で過去問や小早川先生が考えて下さった

テーマで時間を計りながら書き、添削をして

もらいました。恥ずかしがらずに必ず添削し

てもらうことが重要です。最初は、見本を見

様見まねで書いていましたが、次第に自分の

型が出来てきます。

5 月下旬~6 月中旬に教育実習があり、小

論文を書いている時間がなかったので早めに

準備しておいて正解でした。教育実習が終わ

った頃に横浜市から推薦受理の通知があった

ので 6 月中旬からは、小論文を 3 日に 1 本ほ

ど書きつつ、面接対策を兼ねて先ずは自己分

析を始めました。過去に出た面接内容を調べ、

自分なりの回答を樹系図のようにノートに書

いてまとめていました。

面接対策は、法政大学の教職課程センター

をフル活用しました。小金井キャンパスには

同じ自治体を受ける人が居なかった為、市ヶ

谷キャンパスの教職課程センターにも通い仲

間と一緒に面接練習を行いました。教職課程

センターでは、教採の人事も行っていた先生

が面接官をしてくれるので、本番さながらの

練習ができます。集団面接だけでなく個人面

接も仲間同士お互いに見学し合い、客観的な

反省点などを言い合っていました。

面接対策も、とにかく経験豊富な方に見て

いただくことです。歩き方や立ち振る舞い、

挨拶など自分が思っている以上に出来てない

こともあるので独りよがりにならないことが

重要です。また、教職課程センターには先輩

たちが面接で聞かれたことなどリアルな情報

が沢山あるのでとても参考になります。

私の合格は、教職課程センターなしには語

れない程、手厚くサポートをしてもらいまし

た。小論文添削も面接練習も沢山行ってもら

ったので、当日は同じような課題や質問が出

され自信を持って答えられました。圧迫面接

もありましたが、面接対策の際になぜ圧迫す

るのか採用する側の考えも教えてもらってい

たので乗り切ることができました。

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何より、仲間がいることは、励みにもなり

ます。特に理系は研究も忙しく、教採を受け

る人も周りに少ないので、仲間と一緒に対策

することが良い刺激でもあり、息抜きにもな

ります。下級生の皆さんにも、自分から積極

的に働きかけ、行動することで夢を掴んでも

らいたいと思います。先ずは、教職課程セン

ターに行ってみてください。教員採用試験は、

過去の出題内容も公表されていて把握しやす

く、対策も立てやすいと思います。

そこで、計画的に早めに取り組んだ者が合

格につながります。応援しています!!