Transcript

PDPRIETI Policy Discussion Paper Series 17-P-004

グロヌバルな䌁業ネットワヌクから芋た日本䌁業の珟状

戞堂 康之経枈産業研究所

柏朚 柚銙早皲田倧孊

独立行政法人経枈産業研究所http://www.rieti.go.jp/jp/

RIETI Policy Discussion Paper Series 17-P-004

2017 幎 3 月

グロヌバルな䌁業ネットワヌクから芋た日本䌁業の珟状

戞堂康之 柏朚柚銙

早皲田倧孊 早皲田倧孊

芁 æ—š

本皿は、グロヌバルな䌁業ネットワヌクにおける日本䌁業の特城を分析する。分析に

あたっおは、䞖界のサプラむチェヌン、資本所有ネットワヌク、共同研究特蚱共同

所有ネットワヌクに関する情報を含んだ倧芏暡なデヌタを甚いお、ネットワヌク科

孊の手法を利甚し、日本䌁業を米欧䞭䌁業ず比范するこずで、その特城を明らかにす

る。本皿の䞻な結論は、以䞋の 3点である。1いずれのグロヌバル・ネットワヌク

においおも、日本䌁業のほずんどはその䞭心には䜍眮しおいない。2いずれのグロ

ヌバル・ネットワヌクにおいおも、日本䌁業同士は密接に぀ながっおいる䞀方、日本

䌁業ず海倖䌁業、特にグロヌバル・ネットワヌクにおける䞭心的な海倖䌁業ずの぀な

がりは少ない。3したがっお、日本䌁業の特城は、グロヌバルな䌁業ネットワヌク

においお倚様性に欠けるこずであるず結論づけられる。よそ者ずの぀ながりを含む倚

様なネットワヌクが䌁業のパフォヌマンス向䞊に結び぀くこずが芋出されおいるこ

ずから、日本䌁業ず海倖䌁業ずの぀ながり構築を支揎しおいく政策䟋えば䞭小䌁業

の海倖進出支揎、海倖 M&A 支揎、研究者の囜際亀流支揎、経枈連携協定拡充など

が日本の経枈成長のために必芁であるず考えられる。

キヌワヌドネットワヌク、囜際化、䞭心性、拘束性、クラスタヌ係数

JEL classification: F14, F23, L14

RIETI ポリシヌ・ディスカッション・ペヌパヌは、RIETI の研究に関連しお䜜成され、政策を

めぐる議論にタむムリヌに貢献するこずを目的ずしおいたす。論文に述べられおいる芋解は執筆

者個人の責任で発衚するものであり、所属する組織及び独経枈産業研究所ずしおの芋解を瀺

すものではありたせん。

本皿は、独立行政法人経枈産業研究所におけるプロゞェクト「䌁業の囜際・囜内ネットワヌクに関する研究」

の成果の䞀郚である。本皿の原案に察しお、Petr Matousシドニヌ倧孊および柳川敬之東京倧孊の各氏、な

らびに経枈産業研究所ディスカッション・ペヌパヌ怜蚎䌚の方々から倚くの有益なコメントを頂いた。たた、本

皿は日本孊術振興䌚科研費No. 25101003より研究助成を受けおいる。ここに蚘しお、感謝の意を衚したい。

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1. はじめに

近幎、䞖界の䞻芁な䌁業を含んだ倧芏暡な䌁業単䜍のデヌタが利甚可胜ずなり、生産・資本所有・

共同研究などに関するグロヌバルなネットワヌクの党䜓像が明らかずなっおきた。本皿は、そのよ

うなデヌタを利甚しお、日本䌁業がグロヌバル・ネットワヌクの䞭に占める䜍眮を明らかにし、そ

れを基に日本䌁業の経営戊略やそれを支揎するための政策に぀いお提蚀するこずを目的ずしおい

る。

ネットワヌク分析は、経枈孊研究においお重芁な分析手法ずなっおきおいる(Jackson, 2010)。埓

来の経枈孊では、財・サヌビス・資本は開かれた垂堎で取匕され、情報は経枈党䜓で共有されるず

いうこずを仮定するこずが暙準的だが、珟実にはそうではないこずも倚い。䟋えば、日本䌁業の系

列関係に象城されるように、郚品の調達は垂堎ではなく、決たった盞手ず構築するサプラむチェヌ

ン生産ネットワヌクによっおなされるこずが倚い。新しい知識・技術も、垂堎ではなく、共同

研究ネットワヌクを通じお埗られるこずがたれではない。このような状況では、䌁業の業瞟は自分

自身の属性だけではなく、ネットワヌクを通しお盎接・間接に぀ながった盞手の属性にも䟝存する

こずになる。したがっお、䌁業の業瞟をいかに䞊げおいくかを考えるにあたっお、その䌁業がネッ

トワヌクの䞭でどのような立ち䜍眮にいるかを分析するこずは必芁䞍可欠である。

では、どのようなネットワヌク構造が䌁業業瞟の向䞊に寄䞎するのであろうか。ネットワヌク科

孊の理論的・実蚌的な研究は、倚様な人・䌁業ず぀ながるこずで新しい知識を吞収するこずができ、

業瞟の向䞊に぀ながるこずを瀺しおいる。䟋えば、Granovetter (1973)は求職者にずっお有益な情報

は芪しい友人からではなく、関係のうすい知り合いから埗られるこずが倚いこずから、よそ者ずの

匱い぀ながりの方が情報を埗るには圹に立぀ず考え、それを「匱い぀ながりの匷み」ず衚珟した。

Burt (1992, 2004) は、グルヌプ間の情報波及においおネットワヌク内の異なるグルヌプずの぀なが

り「構造的間隙」が重芁な圹割を果たすこずを匷調し、ある䌁業内の人間関係を調査しお、確か

にグルヌプを超えた぀ながりを持぀人ほど業瞟が高いこずを実蚌した。これは、身近な人同士は倚

くの知識や情報を共有しおいるため芖点が䌌通るのに察し、関係のうすい者ずは芖点や情報源が異

なる可胜性がより高くなるため、匱い぀ながりを倚様にもっおいるず胜力が向䞊しやすいからだ。

䌁業の成長ずいう文脈では、海倖の䌁業や人材ずいうよそ者ずの぀ながりが重芁ずなっおくる。

囜際貿易や察倖・察内盎接投資を通じた知識の䌝播が生産性を向䞊させるこずは、Madsen (2007)、

Coe and Helpman (1995)、Borensztein et al. (1998)などの䞖界の囜レベルデヌタの分析によっお明らか

ずなっおいる。日本の䌁業レベルデヌタによる分析でも、茞出や察倖・察内投資、海倖での研究開

発をするこずで日本䌁業の生産性が䞊昇するこずは、これたでの倚くの研究が明らかにしおいる

(Hijzen et al., 2010; Kimura and Kiyota, 2006; Todo, 2006; Todo and Shimizutani, 2007)。䟋えば、図 1 は

経枈産業省の『䌁業掻動基本調査』を基に、2000 幎に茞出を開始した䌁業ず 1995 幎から 2007 幎た

での間茞出を䞀切しおいない䌁業の劎働生産性の平均ずを比范したものである若杉他、2008。

これによるず、茞出䌁業は茞出開始埌に被茞出䌁業よりも生産性を䌞ばしおいる。これは、茞出䌁

業が海倖垂堎での競争にさらされたこずや茞出によっお芏暡が拡倧しお生産効率が䞊昇したこず

なども芁因であろうが、海倖ずの぀ながりによっお新しい知識を吞収したこずも倧きな芁因である

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ず考えられる1。茞入業者による指導によっお、茞出䌁業の技術が向䞊するこずを実蚌した研究も

ある(Egan and Mody, 1992)。察倖盎接投資FDIにおいおは、倖資䌁業で技術を身に぀けた技術者

の転職なども知識の䌝播の䞻芁因の䞀぀ずされおいる(Fosfuri et al., 2001)。

たた、日本においおは、海倖ずたでいかなくずも、サプラむチェヌンを通じた県倖の䌁業ずの぀

ながりが、売䞊高や特蚱取埗数の増加、灜害からの埩旧に察しお倧きく貢献するこずが明らかずな

っおいる(Todo et al., 2016; Todo et al., 2015)。これもよそ者ずの぀ながりの効果であり、様々な圢で

よそ者ず぀ながるこずが䌁業の成長に資するこずがわかっおきおいるのである。

図 1日本における茞出䌁業ず被茞出䌁業の劎働生産性

出所若杉他2008。元デヌタは経枈産業省『䌁業掻動基本調査』。

ただし、グルヌプ内の匷い絆が無甚だずいうわけではない。信頌関係に基づく匷い絆があれば、

人や䌁業は知識・技術を共有しやすい(Durlauf and Fafchamps, 2005)。䟋えば Centola (2010)は、グル

ヌプ内で密なネットワヌクが築かれおいるずき぀たり、グルヌプ内で皆が皆を知っおいるずき、

知識や情報の共有はより早く進むこずをむンタヌネット䞊の瀟䌚実隓によっお実蚌的に瀺した。こ

れは、耇数の知り合いから同じ情報を聞くこずで、その情報に察する信頌性が増すためであるず考

えられる。぀たり、知識や情報は、感染症のように 1 ぀の぀ながりがあればすぐに䌝播しおいく

(Watts and Strogatz, 1998)ずいうものではないのだ。

さらに、知識が共有されれば、その知識に基づいお新しいむノベヌションを起こすこずができる。

これは䟋えば、日本の系列関係で、最終メヌカヌずサプラむダヌが長期的な信頌関係を基に共同で

新しい郚品を効率よく開発するこずでも瀺される(Dyer and Nobeoka, 2000)。Rost (2011)はドむツの

自動車産業においお、ある研究者が特定の研究者ず頻繁に共同研究するこずで業瞟が向䞊するこず

を瀺したが、同時になじみのない研究者ずも共同研究するずさらに業瞟が䌞びるこずも芋出した。

Phelps (2010)や Tiwana (2008)も同様に、個人・䌁業間の匷い絆ずよそ者ずの匱い぀ながりの䜵存が

1 図 1 は経幎倉化を瀺す単玔な図であっお、必ずしも因果関係を瀺すものではない。しかし、䟋えば Kimura and Kiyota (2006)はより粟緻な蚈量経枈孊の分析によっお、茞出が生産性向䞊に寄䞎するず結論づけおいる。茞出や海

倖盎接投資が生産性に䞎える効果に関する経枈孊の文献のたずめに぀いおは、Keller and Yeaple (2003)、戞堂

2011、枅田2015を参照されたい。

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ビゞネス䞊の業瞟向䞊に結び付くこずを実蚌的に芋出しおいる。

埌で詳现に芋るように、日本䌁業は系列に代衚されるような匷い絆を持っおいるが、よそ者、特

に倖囜䌁業ずの匱い぀ながりに欠ける傟向がある。したがっお、より倚様な぀ながりを構築する方

向での戊略、䟋えば海倖䌁業ずの M&A や共同研究、䞭小䌁業の海倖進出が必芁であり、そのため

に政策的な支揎が必芁であるずいうのが、本皿の結論である。

2. デヌタ

本皿で䜿われる䌁業デヌタは、FactSet Revere 瀟の LiveData ずビュヌロ・バン・ダむク瀟の Orbis

の 2 ぀のデヌタセットによっお構築されおいる。LiveData は、財務情報やりェブ情報などの公開さ

れた情報源から抜出した情報を基に構築されおおり、取匕関係の情報を含んでいる。以前は米囜䌁

業のデヌタを䞭心に集められおいたが、最近では、䞭囜や日本、韓囜など他の地域の䌁業に぀いお

もデヌタの収集がなされるようになっおきおおり、カバヌされおいる䌁業の範囲が広がった。䟋え

ば、このデヌタセットに含たれおいる䌁業間取匕数は、2010 幎には 49,000 であったが、2014 幎に

は 117,000、2015 幎には 157,000 ずなっおいる。このように急激に増加する䌁業数は、実際の䌁業

数の増加ずいうよりもむしろ、FactSet Revere 瀟によるデヌタのカバレッゞの増加を反映しおいる

ず考えられるこずから、本皿では経幎倉化を远わず、最新の 2015 幎のデヌタのみを䜿甚しお分析

を行う。これには、䌁業間取匕が明らかになっおいる䌁業が 57,693 瀟含たれおおり、そのうち日本

䌁業は 3,445 瀟、アメリカ䌁業 1,0234 瀟、䞭囜䌁業 4,690 瀟、韓囜䌁業 1,572 瀟、むギリス䌁業 2,232

瀟、ドむツ䌁業 1,300 瀟である。LiveData は公開情報を基に䜜成されおいるため、このデヌタセッ

トに含たれおいる䌁業の倚くは䞊堎䌁業ずなっおいる。カバヌされおいる地域が広がったのが最近

であるこずから、このデヌタセットを甚いた先行研究はただ倚くはないが、䟋えば、Wu (2015) が

FactSet デヌタを甚いおサプラむチェヌンにおける各䌁業の重芁床を蚈算し、それを基に株匏ポヌ

トフォリオに぀いお分析を行っおいる。たた、Andrade and Chhaochharia (2016)はこのデヌタセット

を掻甚し゜ブリン・デフォルトのコストを分析しおいる。

もう䞀぀のデヌタセット Orbis は、ビュヌロ・バン・ダむク瀟によっお各囜の䌁業レベルデヌタを

耇合し䜜成されたものである。ビュヌロ・バン・ダむク瀟によれば、Orbis は非䞊堎䞭小䌁業を含

む䞖界の 2 億瀟を網矅しおおり、FactSet ず異なり以前から比范的広く孊術論文でも䜿甚されおい

る䌁業デヌタセットである。䟋えば、Cui and Jiang (2012)は囜有䌁業であるこずが海倖盎接投資刀

断に䞎える圱響に぀いお分析しおいる。ずりわけ、このデヌタセットは資本所有に぀いおの情報を

含んでいるので、これを䜿っお䞖界の䌁業の資本所有ネットワヌクを描くこずができる。本皿では

2015 幎に賌入した Orbis を甚いるため、䞻に 2014 幎に収集されたデヌタを䜿甚した。本皿のサン

プルには、他瀟ず資本関係を持぀䌁業 2,791,179 瀟が含たれおおり、䌁業間資本関係の数は 2,625,832

に䞊る。他瀟ず資本関係をも぀䌁業の所圚囜別内蚳は、日本 31,732 瀟、アメリカ 43,438 瀟、䞭囜

14,523 瀟、ドむツ 570,508 瀟、むギリス 281,149 瀟である。

さらに、Orbis には特蚱の所有者に関する情報も含たれおいるため、䌁業間の共同研究ネットワ

ヌクに぀いおも分析できる。2011 幎から 13 幎たでに出願され、15 幎たでに付䞎された特蚱のうち、

耇数の䌁業・機関で共同所有されおいるものは䞖界の特蚱党䜓の 3皋床にあたる 45,831 件あり、

特蚱を共同所有する䌁業数は 29,911 瀟である。本皿の分析ではこれらの䌁業を䜿甚する。

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3. 分析手法

本皿では、各囜䌁業の特城を明らかにするため、ネットワヌクの可芖化をするず共に、䞖界党䜓

の䌁業ネットワヌクにおける各䌁業の立ち䜍眮を 4 ぀のネットワヌク指暙を䜿っお衚珟した。

3.1 ネットワヌクの可芖化

本皿では、䌁業ネットワヌクをわかりやすく図瀺するために Gephi ずいうフリヌ・゜フトりェア

を利甚し、そのレむアりト・アルゎリズムずしお Jacomy et al. (2014)の ForceAtlas2 を甚いた。これ

は、ノヌド本皿では䌁業同士は垯電した粒子のように互いに反発しあうが、リンク䌁業の぀

ながりはばねのように互いに匕き付けあうよう仮定されたもので、その 2 力の均衡状態が最終的

に達成されるように蚭蚈されおいる。その詳现に぀いおは付録を参照されたい。

ForceAtlas2 を甚いおネットワヌクを図瀺するず、盎接぀ながったノヌドの数次数次小節を参

照の倚いノヌド、すなわちハブずなっおいる䌁業を䞭心ずしおその呚りをそのハブず぀ながった

䌁業が囲むようなクラスタヌ固たりが圢成される。さらに、クラスタヌ同士はクラスタヌ間の

リンクが少ないほど、より匕き離されるように描かれる。したがっお、この手法で描かれたネット

ワヌク・グラフの䞭心に䜍眮するのは、より倚くの䌁業ず぀ながっおおり、さらにその぀ながった

盞手も倚くの䌁業ず぀ながっおいるような䌁業であるず考えられる。

さらに、ネットワヌク分析では、ネットワヌクを密接に぀ながったサブ・グルヌプコミュニテ

ィに分割するこずがよく行われるが、本皿でも、Blondel et al. (2008)の Louvin 法を甚いお䌁業を

グルヌプ化するこずを詊みた。Louvin 法の詳现に぀いおは付録に譲るが、基本的にはコミュニティ

内のリンクの数がコミュニティ間のリンクの数に比べおできる限り倚くなるように、コミュニティ

を定矩するものである。

3.2 ネットワヌク指暙

グロヌバル・ネットワヌクにおける䌁業の性質を囜ごずに比范するため、以䞋の 4 ぀のネットワ

ヌク指暙の分垃を芋る。たず、次数degreeずペヌゞランクPageRankずいう指暙により、各

䌁業がネットワヌクにおいおどの皋床䞭心に䜍眮しおいるかを衚す䞭心性を枬った。次数ずは、単

玔に぀ながっおいる䌁業の数で定矩される。しかし、次数には、ある䌁業の䞭心性を枬るずきにそ

の䌁業ず぀ながった䌁業の䞭心性を考慮に入れおいないずいう欠点がある。぀たり、倚くの䌁業ず

぀ながっおいる「求心的」䌁業ずの぀ながりも、他に党く぀ながりを持たないような「遠心的」䌁

業ずの぀ながりも、同じ぀の぀ながりずしお芋なされおいるため、䞭心性の指暙ずしおは十分で

はない。

そこで、ある䌁業の䞭心性を定矩するずきにその䌁業ず぀ながった䌁業の䞭心性を加味するため、

ネットワヌクの隣接行列の固有倀の最倧倀がしばしば甚いられる。しかし、この固有倀䞭心性指暙

は、ネットワヌク党䜓がいく぀かの独立したサブネットワヌクに分けられるような堎合には適切で

ない。なぜなら、その堎合には最倧のサブネットワヌク内の䌁業を陀く党おの䌁業の固有倀䞭心性

が 0 ずなっおしたうからである。たた、固有倀䞭心性は、サプラむチェヌンや資本所有関係などの

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぀ながりに方向のあるネットワヌク有向ネットワヌクの堎合、䞀意に決たらない可胜性がある。

こうした問題を乗り越えるため、Page et al. (1999) がペヌゞランクずいう、固有倀䞭心性を拡匵し

た指暙を開発した。ペヌゞランクは、むンタヌネット䞊のりェブサむトの重芁床䞭心性を評䟡

するのによく甚いられおいる指暙である。

たた、他の指暙ずしお、Burt (1992)の制玄指暙constraintも甚いた。Burt (1992, 2004) は、グル

ヌプ間の情報波及においおネットワヌク内の異なるグルヌプずの぀ながりが重芁な圹割を果たす

ず䞻匵しおおり、各ノヌドが様々なグルヌプずの倚様な぀ながりを持っおいるかを数量的に衚すた

め、以䞋のように定矩される制玄指暙ずいう指暙を提起した。

2( ) , ij ij iq qjj j qc p p p i q j

ただし、pij =1/(ノヌド iの次数)で定矩される。簡単に蚀えば、この制玄指暙は産業集積の床合いを

衚すのによく甚いられるハヌフィンダヌル指暙に䌌おおり、少数のノヌドずしか぀ながっおいない

ノヌドでは倧きく、倚くのノヌドず぀ながったノヌドでは小さい倀をずる。さらに、あるノヌドず

぀ながったノヌドがさらに倚くのノヌドず぀ながっおいるず、制玄指暙はさらに小さくなる。蚀い

換えれば、制玄指暙はネットワヌクにおけるパヌトナヌの倚様性の逆数である。

最埌に、クラスタヌ係数cluster coefficientも蚈枬した。クラスタヌ係数は、各ノヌドず぀なが

ったノヌド同士が぀ながっおいる割合ずしお定矩される。䟋えば、あるノヌド A が B、C、D の 3

぀のノヌドず぀ながっおいるずする。もし、B、C、D のうち B ず C も぀ながっおいるが、B ず D、

C ず D は぀ながっおいないなら、A のクラスタヌ係数は 1/3 である。あるノヌドのクラスタヌ係数

が倧きいほど、そのノヌドのパヌトナヌ同士も぀ながっおいお、そのノヌド自身のネットワヌク゚

ゎ・ネットワヌクがクラスタヌを圢成しおいるずいえる。くだけお蚀えば、クラスタヌ係数が倧

きいほど、そのノヌドは互いに匷い絆で結ばれたグルヌプを圢成しおいるずみなすこずができる。

Burt (1992, 2004) は、あるノヌドの制玄指暙が倧きい倚様性が䜎いほど、たたその゚ゎネッ

トワヌクがクラスタヌ化されおいるほど、そのノヌドずそれに぀ながったノヌドのも぀情報が䌌通

っおいお、互いから孊べるこずが少なくなるず䞻匵しおいる。これは、Granovetter (1973)の䞻匵す

る「匱い繋がりの匷み」ず同様の議論である。

4. グロヌバル・サプラむチェヌン

FactSet Revere 瀟の LiveData をもずに特定した䞖界 57,693 瀟のサプラむチェヌンの特城を明らか

にするため、第 3.1 節の手法でネットワヌク党䜓を可芖化した。図に、その均衡状態のグラフが

瀺されおいる。日本、アメリカ、䞭囜、むギリス、韓囜、ドむツの䌁業含たれおいる䌁業数順

をその所圚囜毎にそれぞれ緑、ピンク、オレンゞ、赀、氎色、青で色分けしおいる。アメリカ、む

ギリス、ドむツの䌁業はグラフの倧郚分でよく亀じり合っおいるこずから、欧米䌁業はグロヌバル・

サプラむチェヌンにおいお互いに匷く぀ながりあっおいるこずがわかる。

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図 1: 䞖界の䞻芁䌁業のサプラむチェヌン2015 幎

泚各点は䌁業を衚しおおり、各線は䌁業間サプラむチェヌンリンクを衚しおいる。䞭囜、ドむツ、

日本、韓囜、アメリカ、むギリス以倖の囜の䌁業は灰色で衚されおいる。 出所FactSet Revere 瀟の LiveData により筆者䜜成。

䞀方で、日本の䌁業は、䞀郚アメリカやむギリス、ドむツの䌁業ずの぀ながりが芋られるものの、

倚くはピンクず赀ず青が混じった䞭心郚から離れたずころに䜍眮しおいる。したがっお、欧米諞囜

ず比べ、日本䌁業を䞭心ずしたクラスタヌに属する䌁業が倚いこずがわかる。たた、韓囜䌁業も同

様の傟向が芋られる。䞭囜䌁業は日本䌁業や韓囜䌁業ず比べおもさらに呚蟺に䜍眮しおおり、倖囜

䌁業ずの぀ながりが匱く、䞻に䞭囜䌁業のみからなるクラスタヌを圢成しおいるこずが芋お取れる。

囜ごずのネットワヌクの特城をより詳现にみるため、぀のネットワヌク指暙次数、ペヌゞ

ランク、制玄指暙、クラスタヌ係数の倀を日本、アメリカ、むギリス、䞭囜それぞれに぀いお

蚈算した。図 2 は䞭心性指暙である次数ずペヌゞランクに関する散垃図を瀺しおいる。この図か

ら、日本には䞭心性が䞖界トップレベルの䌁業もあるものの、アメリカ䌁業に比べるず日本䌁業

は党䜓ずしおは䞭心性が䜎いこずがわかる。䞭囜䌁業ず比范しおも、日本䌁業はペヌゞランクで

は劣っおいる。これは、図 1 で芋たように䞭囜䌁業が必ずしも他囜の䌁業ずは倚くの぀ながりを

持っおいない反面、䞖界のサプラむチェヌンの䞭心にいる䞖界的䌁業ずは぀ながっおいるこずの

衚れであるず考えられる。

8

図 2: サプラむチェヌンにおける䞭心性2015 幎

出所FactSet Revere 瀟の LiveData により筆者䜜成。

図 3 は、制玄指暙ずクラスタヌ係数に関する散垃図である。これを芋るず、アメリカでは制玄

指暙が䜎いにもかかわらずクラスタヌ係数が比范的高い䌁業、すなわちグルヌプ内の匷い絆ずよ

そ者ずの倚様な぀ながりずを䜵せ持った䌁業が倚く存圚しおいるこずがわかる。反面、日本、䞭

囜、むギリスではそのような䌁業は少ない。第 1 節で述べたように、匷い絆ずよそ者ずの匱い぀

ながりの䞡方を持぀堎合に、䌁業や個人はよりむノベヌティブになるこずが実蚌されおいる。そ

の意味で、アメリカ䌁業のこの特城は、アメリカ経枈のむノベヌション力の高さの芁因を瀺唆す

るものである。

図 3サプラむチェヌンにおける倚様性2015 幎

出所FactSet Revere 瀟の LiveData により筆者䜜成。

9

次に、サプラむチェヌンにおける䌁業の囜際化に぀いお、より詳现に芋おみよう。図 4 には、

日本、アメリカ、䞭囜それぞれに぀いお、囜内䌁業ずそれらず盎接サプラむチェヌンで぀ながっ

た倖囜䌁業倖囜に立地する䌁業ず定矩され、日系䌁業を含むのネットワヌクを瀺したもので

ある。黄色ず緑のノヌドはそれぞれ囜内䌁業、海倖䌁業を衚しおいる。LiveData では、䞭倮政府

はその名前から特定するこずができ、赀のノヌドは䞭倮政府を衚しおいる。各ノヌドは次数が倧

きいものほどノヌドサむズが倧きくなるように描かれおいる。

アメリカず䞭囜のグラフでは、緑色のノヌドず黄色のノヌドがたんべんなく混ざり合っおいる

こずから、䞡囜では倚くの䌁業がグロヌバルなサプラむチェヌンに組み蟌たれおいるこずがわか

る。しかし、日本の堎合は巊䞊方に黄色 1 色ずなった䌁業矀が芋える。これは、日本には倖囜ず

の぀ながりが垌薄な䌁業クラスタヌがそれなりの芏暡で存圚しおいるこずを瀺唆しおいる。

図 4: サプラむチェヌンの囜際化2015 幎

A: 日本 B.アメリカ

C: 䞭囜

泚 それぞれのグラフでは、囜内䌁業ず盎接取匕の

ある海倖䌁業が瀺されおいる。黄色のノヌドが囜内䌁

業、緑色が海倖䌁業であり、赀色は圓該囜の䞭倮政府

を衚しおいる。 出所FactSet Revere 瀟の LiveData により筆者䜜成。

10

さらに、特に自動車産業のサプラむチェヌンの囜際化に぀いお焊点を圓おおみよう。図 5 の青

い棒グラフは日米欧のトップ 3 の自動車メヌカヌの 1 次サプラむダヌのうち倖囜䌁業の割合を瀺

しおいる。これを芋るず、日米欧ずもに 70前埌であり、それほど倧きな差はない。しかし、オ

レンゞ色の棒で瀺されたトップ 3 の 1 次サプラむダヌの販売先のうちの倖囜䌁業の割合を芋る

ず、日本は 35皋床で、欧米が 50を超えおいるのにくらべるず䜎い。これは、日本の最終メヌ

カヌはすでに囜際化が進んでいるものの、サプラむダヌは囜内の系列関係にずらわれお、海倖メ

ヌカヌに察しお郚品を䟛絊できおいないこずを瀺唆しおいる。

図 5日米欧トップ 3 自動車メヌカヌのサプラむチェヌンの囜際化2015 幎

出所FactSet Revere 瀟の LiveData により筆者䜜成。

次に、サプラむチェヌンにおける政府の圹割に぀いお分析を詊みる。図 4 の日本のサプラむチ

ェヌンをもう䞀床芋おみるず、囜際化しおいない黄色の日本䌁業矀の䞀角に赀色で瀺された䞭倮

政府があるこずがわかる。このような傟向は日本に特城的であり、米䞭では囜内䌁業ず倖囜䌁業

がたじりあった䞭に政府が䜍眮しおいる。さらに別の手法で、サプラむチェヌンにおける日本政

府の特城を浮き圫りにしおみよう。たず、第 3.1 節で説明した Louvain 法を利甚しお、ネットワヌ

クで぀ながった䌁業をいく぀かのコミュニティサブ・グルヌプに分割する。次に、政府の゚

ゎ・ネットワヌク、すなわち政府ず盎接぀ながった䌁業からなる政府のサブ・ネットワヌクにお

いお、䌁業をコミュニティごずに色分けしお衚瀺する。぀たり、ノヌドの各色はそのノヌドが属

するコミュニティヌを衚しおおり、異なる色で塗られたノヌドは異なるコミュニティに含たれ

る。それを日米䞭に぀いお衚したのが図 6 である。䞭倮の赀いノヌドは日米䞭それぞれにおける

䞭倮政府である。これを芋るず、日本政府はピンク色のコミュニティに属する䌁業ずの぀ながり

が䞭心で、政府ず぀ながった䌁業に倚様性が少ない。それに察しお、米䞭では政府が様々な色の

䌁業ず぀ながりを持っおいる。日本政府ず同じコミュニティに属する䌁業の内蚳をみおみるず、

91が囜内䌁業である。䞻芁各囜の䞭でもこの倀は特に高く、䟋えば、アメリカではこの割合は

68、䞭囜では 58であり、日本にくらべ他囜では䞭倮政府が倚くの海倖䌁業ず぀ながっおい

る。぀たり、他囜にくらべお日本政府は限られた囜内䌁業から物品・サヌビスを調達し、それら

の䌁業は囜際化せずに政府調達に䟝存しおいるこずが瀺唆される。

11

図 6サプラむチェヌンにおける政府の゚ゎ・ネットワヌク2015 幎

A日本

Bアメリカ

C䞭囜

出所FactSet Revere 瀟の LiveData により筆者䜜成。

さらに、サプラむチェヌンにおける政府の圹割をより倚くの囜に぀いお抂芳するため、LiveData

に含たれる䌁業数で䞊䜍を占める 20 か囜2に぀いお、党䌁業数で暙準化した各囜政府の次数もしく

2 台湟は䌁業数䞊䜍 20 䜍以内に入るが、World Bank の World Development Indicators に含たれおいないため、台湟

12

はペヌゞランクず䞀人圓たり実質 GDP ずの関係を散垃図に描いた図 7。日本JP政府の䞭心

性は䜎いが、䞭囜CN、むンドIN、ブラゞルBR、タむTHずいった新興囜においおは、

䞭倮政府の次数䞭心性が比范的高く、新興囜のサプラむチェヌンにおいお政府が重芁な圹割を果た

しおいるこずを瀺唆しおいる。特に、䞭囜政府は倚くの䞖界の䞭心的な䌁業ず぀ながっおいる。た

た、アメリカUS政府のペヌゞランクは非垞に高く、アメリカ政府は䞖界の䞭心的な䌁業ず぀な

がっおいるこずがわかる。

図 7サプラむチェヌンにおける政府の䞭心性ず䞀人圓たり GDP

A次数

Bペヌゞランク

出所䞀人圓たり GDP は、World Bank の World Development Indicators による賌買力平䟡調敎枈みの

実質倀ドルである。䞭心性指暙は FactSet Revere 瀟の LiveData により筆者が䜜成したもの。

を陀き 21 䜍の囜を含めた 20 か囜に぀いお散垃図を描いた。

13

なお、このようにサプラむチェヌンにおける政府の存圚感の差をみおくるず、図 2 においおペ

ヌゞランクが高く次数の䜎い䞭囜䌁業が少なからず存圚しおいるこずに぀いお、別の解釈があり

うる。぀たり、これらの䌁業は䞭心性の高い䞭囜政府ず぀ながっおいるがゆえにペヌゞランクが

高くなっおいる「政府関係䌁業」矀であっお、䞖界の重芁な䌁業ず぀ながっおいるこずを瀺唆し

おいるわけではないかもしれない。そこで、図 2 においお䞭倮政府の盎接の取匕先䌁業を赀く色

づけしお描きなおしたものを図 8 ずしお瀺した。これによるず、ペヌゞランクが高く次数の䜎い

䌁業矀のうち赀く塗られおいるものが倚くないこずから、「䞭囜䌁業は必ずしも倚くの䌁業ず぀な

がっおいるわけではないが、䞖界の重芁な䌁業ず぀ながっおいる」ずいう我々の解釈は劥圓であ

るず考えられる。反面、日本に぀いおは次数が比范的高くおもペヌゞランクが小さい赀い点が倚

く、日本では政府ず぀ながった䌁業が䞖界の䞭心的な䌁業ずは぀ながっおいないこずが再確認で

きる。

以䞊のこずから、日本䌁業は平均的には必ずしも囜際化が遅れおいるわけではないものの、特

に最終メヌカヌ以倖においお、サプラむチェヌンの䞊流や政府調達に䟝存した䌁業など囜際化が

進んでいない䌁業が䞀定皋床存圚しおいるず結論づけられる。

図 8サプラむチェヌンにおいお政府ず぀ながった䌁業の䞭心性

泚赀い点は政府ず盎接぀ながった䌁業を、青い点はその他の䌁業を衚す。 出所FactSet Revere 瀟の LiveData により筆者䜜成。

5. 䞖界の資本所有ネットワヌク

次に、䞖界䌁業の資本株匏所有ネットワヌクを分析する。第 2 節で述べた通り、ここで䜿甚

するデヌタには玄 300 䞇瀟、300 䞇の䌁業関係が含たれおいる。このネットワヌクの䞭栞郚を描い

たのが図 9 である。

14

図 9: 䞖界䌁業の資本所有ネットワヌク2014 幎

泚各点は䌁業を衚しおおり、各線は䌁業間の資本所有を衚しおいる。䞭囜、ドむツ、日本、韓囜、ア

メリカ、むギリス以倖の囜の䌁業は灰色で衚されおいる。 出所ビュヌロ・バン・ダむク瀟の Orbis により筆者䜜成。

サプラむチェヌンを衚す図 1 にくらべるず、倚くの囜際化しおいない䞭小零现䌁業が含たれおい

るために、図 9 の方が各色のノヌドが混じりあっおおらず、囜ごずに分かれおクラスタヌを圢成し

おいるこずがはっきり芋える。ただし、ネットワヌクの䞭心では、やはりアメリカ䌁業ピンク、

むギリス䌁業赀、ドむツ䌁業青が混圚しおおり、欧米䌁業が぀ながりながらグロヌバル資本

ネットワヌクの䞭心に䜍眮しおいるこずがわかる。いく぀かの日本䌁業緑はアメリカ䌁業ず亀

わり぀぀䞭心付近に䜍眮しおいるが、倚くは呚蟺領域に日本䌁業だけのクラスタヌを圢成しおおり、

日本䌁業の倚くは資本所有面で囜際化しおいないこずがわかる。実際、日本䌁業の投資先のうち

74は日本䌁業であり、アメリカ䌁業の堎合は 35であるのにくらべるず、囜内投資が際立っお倚

い。

さらに、䞭心性に぀いおの散垃図を図 10 に瀺す。これによるず、日本はアメリカ、むギリス䌁

業にくらべお䞭心性指暙の倧きな䌁業が少ない。䞭囜ずくらべおも、特にペヌゞランクが倧きい䌁

業が少ない。図 9 でも䞭囜䌁業に぀いおは欧米䌁業ず亀わった䌁業が䞀定皋床の倧きさを持ったク

ラスタヌを構成しおいるものの、日本䌁業に぀いおはそのような䌁業は少数が点圚しおいるにずど

たっおいる。これは日本䌁業が䞭囜䌁業ずくらべおもペヌゞランクが小さい、぀たり䞖界の䞭心的

な䌁業ず぀ながっおいないこずず敎合的である。

15

図 10資本所有ネットワヌクにおける䞭心性2014 幎

出所ビュヌロ・バン・ダむク瀟の Orbis により筆者䜜成。

たた、制玄指暙ずクラスタヌ係数に関する散垃図を図 11 に瀺す。むギリスやアメリカでは、制

玄指暙が小さくクラスタヌ係数が比范的高い䌁業、぀たり密な぀ながりず倚様な぀ながりの䞡方を

持぀䌁業が倚い。それに察しお、日本ではそのような䌁業は少なく、クラスタヌ係数が 1 に近い、

すなわちグルヌプ内の密な぀ながりのみを持った䌁業が非垞に倚く存圚しおいる。これは、日本䌁

業同士が株匏を持ち合うこずが倚いこずを反映しおいるず考えられる。

぀たり、日本䌁業の投資はあくたでも囜内䌁業向けが䞭心で、䞖界のネットワヌクにおける䞭心

的な海倖䌁業ぞの株匏投資が十分になされおいない。

図 11資本所有ネットワヌクにおける倚様性2014 幎

出所ビュヌロ・バン・ダむク瀟の Orbis により筆者䜜成。

16

6. 共同研究ネットワヌク

最埌に、特蚱の共同所有によっお瀺される䌁業間の共同研究ネットワヌクに぀いお分析を行う。

特蚱の共同所有ず共同研究は必ずしも䞀臎するものではないが、共同研究によらない特蚱の共同所

有の堎合でも、䌁業間で知識や技術のやり取りが行われおいる可胜性は高く、ここでは共同研究ネ

ットワヌクずずらえるこずずする。

図 12 は、䞖界の共同研究ネットワヌクを衚しおいる。この図から、サプラむチェヌン図 1や

資本所有ネットワヌク図 9にくらべるず、共同研究ネットワヌクは囜ごずにクラスタヌずなる

傟向が顕著で、囜際的な共同研究はただただ少ないこずがわかる。ずは蚀え、日本䌁業の囜際化は

他囜ずくらべお特に貧匱である。欧米の䌁業がネットワヌクの䞭心ではいくぶん亀わっおおり、䞭

囜䌁業もアメリカ䌁業ず亀わり始めおいるのにくらべるず、日本䌁業のクラスタヌは䞭心からかな

り倖れたずころに独立しおいる。図 13 によるず、日本䌁業の特蚱共同所有盞手のうち倖囜䌁業は

わずか 13であり、むギリスの 80、アメリカの 40はおろか、䞭囜の 32ずくらべおも盞圓に

䜎い。䞭囜䌁業は 2005-07 幎のデヌタでは䞖界の共同研究ネットワヌク玙幅の関係で図は省略

にほずんど姿を芋せないが、6 幎埌の 2011-13 幎のデヌタではアメリカ䌁業を䞻ずしたクラスタヌ

が存圚する、ネットワヌクの䞭心付近にクラスタヌを圢成しおいるこずは特筆すべきである。それ

にくらべお、日本䌁業は 2005-07 幎時点でも 2011-13 幎時点ず同様に囜内的なクラスタヌを圢成し

おおり、あたり倉化が認められない。

図 12䞖界䌁業の共同研究ネットワヌク2011-13 幎

出所ビュヌロ・バン・ダむク瀟の Orbis により筆者䜜成。

17

図 13特蚱共同所有盞手の倖囜䌁業のシェア

出所ビュヌロ・バン・ダむク瀟の Orbis により筆者䜜成。

ただし、図 14 に瀺されるように、日本䌁業は制玄指暙が小さい傟向も芋られる。これは、囜際

的には共同研究をさほど行っおいないものの、囜内では倚様な盞手ず共同研究を行っおいるこずを

瀺唆しおいる。囜内に倚様な研究パヌトナヌを確保するこずで、倚様な知識や技術を利甚するこず

ができおいるために、研究面で囜際化しおおらず新しい知識が流入しにくいずいうデメリットを倚

少なりずも緩和しおいるのかもしれない。

図 14共同研究ネットワヌクにおける倚様性2011-13 幎

出所ビュヌロ・バン・ダむク瀟の Orbis により筆者䜜成。

18

7. 結論ず政策提蚀

本皿は、グロヌバルなサプラむチェヌン、資本所有ネットワヌク、特蚱所有ネットワヌクに泚目

し、囜際化を含む日本䌁業の特城を、欧米や䞭囜ず比范しながら分析した。その結果、日本䌁業は

サプラむチェヌン、資本所有ネットワヌク、特蚱所有ネットワヌクのいずれにおいおも、囜内で密

な぀ながりはもっおいるが、䞖界の䌁業ず十分に぀ながれおいないこずが瀺された。

第 1 節で述べたように、䌁業が効率的に知識を吞収しおむノベヌションを起こしおいくために

は、グルヌプ内での匷い絆密な぀ながりずよそ者ずの匱い぀ながりを䜵せ持った倚様な぀なが

りが必芁である。その意味で、日本䌁業は特に海倖䌁業ずいうよそ者ずの぀ながりに欠け、それが

日本経枈の停滞の䞀因ずなっおいる可胜性がある。

ずはいえ、海倖䌁業をはじめずするよそ者ずの぀ながりの構築には物理的・心理的に倧きな費甚

がかかる。さらに、費甚をかけおよそ者ずの぀ながりを構築しお新しい知識を埗おも、それは埀々

にしお様々な経路で他瀟に波及しおしたう。ずなるず、䌁業は自ら費甚をかけお぀ながりを構築す

るよりも、他瀟の構築した぀ながりにフリヌラむドしようずするために、よそ者ずの぀ながりは十

分に構築されないこずが倚い。経枈孊的に蚀えば、ネットワヌクからの受益プロセスに倖郚性があ

るために垂堎の倱敗がおきお、垂堎経枈におけるネットワヌクは最適なレベルを䞋回るずいうこず

になる。したがっお、政府が介入しおよそ者ずのネットワヌクの構築を支揎するこずが瀟䌚党䜓の

利益ずなる。

したがっお、日本政府は䌁業の囜際化を促進するような政策をより積極的に行う必芁がある。特

に必芁か぀有効であるず思われる分野は以䞋の 3 点である。たず第 1 に、図 5 で瀺されるように、

䞭小のサプラむダヌの補品の茞出が進んでいない。しかし、日本のトップメヌカヌに郚品を䟛絊し

おいるサプラむダヌは技術的には十分海倖メヌカヌずの取匕が可胜なはずである。このように朜圚

的に海倖垂堎での競争力がありながら海倖に出おいない䌁業が日本に倚数存圚するこずはこれた

でも瀺されおおり(若杉隆平 et al., 2008)、「臥韍䌁業」ず称されおいる(戞堂康之, 2011)。これたで

は、日本的な系列関係のしばりのために、囜内サプラむダヌの海倖ずの取匕は進たなかった。しか

し、日本のメヌカヌはすでに系列を超えお海倖サプラむダヌからの郚品調達を増やしおおり図 5、

系列関係は厩れ始めおいる(Matous and Todo, 2015)。したがっお、囜内サプラむダヌも生き残りのた

めに、系列にずらわれずに海倖メヌカヌを含む倚くの䌁業ず積極的に取匕を行っおいかなければな

らない。このようなよそ者ずの぀ながりは、囜内サプラむダヌに新しい知識や情報をもたらし、生

産性の向䞊に寄䞎するず考えられる。

したがっお、䞭小䌁業に察する海倖進出支揎が必芁だ。䟋えば、海倖垂堎の情報提䟛、海倖展瀺

䌚参加やむンタヌネットによるビゞネスマッチングなどに察する支揎によっお、すでに十分に技術

レベルの高い䞭小の臥韍サプラむダヌは比范的容易に海倖メヌカヌずの取匕を始めるこずができ

るはずだ。むろん、これらの斜策はすでに日本貿易振興機構JETROや自治䜓、䌁業団䜓などが

行っおいるが、これらの斜策をより䜿いやすく効率的な圢で発展させおいかねばならない。

第 2 に、図 9 および 10 で瀺されるように、日本䌁業による海倖䌁業、特にグロヌバル・ネット

ワヌクの䞭心に䜍眮する䌁業に察する資本投資が十分でない。グロヌバル・ネットワヌクの䞭心に

䜍眮する䌁業は倚くの知識や情報を持っおいるず考えられるため、これらのグロヌバル䌁業に投資

するこずで、盎接的な利益だけではなく倚くの知識や情報も日本に流入するはずだ。2015 幎には日

19

本䌁業による海倖 M&A の金額が過去最高の 11 兆円ずなり、日本の察倖盎接投資額は GDP の 3.2

ず OECD 諞囜の 2.8を䞊回っおいるWorld Bank の World Development Indicators。぀たり、量的

には必ずしも日本の海倖投資が十分でないわけではない。しかし、グロヌバル経枈の䞭心的な䌁業

に察する投資が少ないずいう点で、質的に問題がある。

このような海倖䌁業に察する M&A は、事前のデュヌディリゞェンスにおいお海倖䌁業の䟡倀を

正確に査定するこずが難しいこずが倧きな障壁ずなっおいる。むろん、このような査定技術は䞀矩

的には各䌁業の責任においお磚かれるべきものであるが、デュヌディリゞェンスに関する知識を䌁

業が共有し、切磋琢磚する堎を政府が提䟛するこずもあっおしかるべきであろう。

第 3 に、図 12 および 13 で瀺されるように、海倖䌁業ずの共同研究が十分でない。情報技術IT

や人工知胜AIが発展するずずもに経枈におけるむノベヌションの重芁性が増しおいる。たた、

電気自動車や自動運転技術などに代衚されるように、これたでの技術分野の垣根を超えた協業がむ

ノベヌションにおいお重芁ずなっおきおいる。そのためには、倚様な海倖䌁業ずの共同研究が必芁

ずなるが、日本䌁業にはそれが決定的に欠けおおり、今埌は倚くの資源を海倖の䌁業や研究機関ず

の共同研究に投入する必芁がある。

しかし、海倖䌁業ずの共同研究に぀いおも、海倖䌁業の研究掻動に関する情報が䞍足しおいるず

いう問題がある。さらに、共同研究を開始するには、顔の芋える関係によっお信頌関係を築く必芁

がある。これらの問題は、研究者が囜際孊䌚に参加するこずで解決されるこずが倚い。したがっお、

䌁業研究者を含めた研究者の囜際孊䌚参加に察する支揎や日本での囜際孊䌚開催に察する支揎な

どの政策が有効である。

最埌に、より包括的には 2 囜間および倚囜間の経枈連携協定EPAをより積極的に結んでいく

こずが必芁だ。近幎の EPA は自由貿易協定だけではなく、海倖盎接投資に察する芏制を緩和する

芏定や知的財産暩保護を匷化する芏定を含んでいるこずが倚く、海倖投資や海倖ずの共同研究の促

進に効果的だ。日本はこのような EPA を 2 囜間でも倚囜間でも締結しおいかなければならないが、

そのためには日本も蟲産物の貿易を含めおより自由化しおいくこずが求められよう。

これらの政策によっお、日本䌁業がより積極的にか぀有効に海倖ずの぀ながりを䜜るための投資

を行い、よりむノベヌティブになるこずを期埅したい。近幎、むギリスが EU 離脱を決議し、トラ

ンプ米倧統領が環倪平掋戊略的経枈連携協定TPP離脱を宣蚀し、米䌁業アメリカに立地する

倖囜䌁業を含めの海倖展開を阻止しようずするなど、䞖界経枈においお閉鎖䞻矩・保護䞻矩的な

動きがみられる。しかし、歎史が瀺すように、閉鎖䞻矩・保護䞻矩は瀟䌚や経枈に砎滅的な垰結を

もたらす。1930 幎代に䞖界経枈が閉鎖的になっおブロック経枈化するこずで、第 2 次䞖界倧戊に突

入しおいった。1950 幎代、60 幎代には、ラテンアメリカが貿易芏制で産業育成をしようずしお逆

に経枈停滞に陥り、その埌通貚危機・金融危機を頻発させた。グロヌバル経枈における䞻芁囜であ

る英米が閉鎖䞻矩・保護䞻矩に傟いおいる珟圚、日本政府がこの流れに竿を差し、よりオヌプンで

むノベヌティブなグロヌバル経枈を構築するこずは、䞖界に察する責務でもあるずも蚀えよう。

20

付録ネットワヌクの可芖化の手法

FortAtlas2 によるネットワヌク・グラフの描写手法を説明する。この手法では、ノヌド同士は反

発しあうが、リンクは匕き付けあうよう仮定されおおり、その 2 力の均衡状態が最終的に達成され

るように蚭蚈されおいる。2 力の厳密な定矩は以䞋の通りである。リンクで結ばれた぀のノヌド

ず の匕力 , )は 2 点のナヌクリッド距離にリンク e のりェむトをかけたもの

( , ) = w e d ,

ずしお定矩される。Ύはリンクのりェむトの圱響の倧きさを調敎する倉数である。本皿では、リン

ク e のりェむトは次数を基にし、Ύ はに蚭定した。䞀方、぀のノヌド間の反発力 ( , )は、

以䞋の通りそれぞれノヌドの次数にを足したものを掛け合わせ、぀のノヌドの距離で割ったも

のずしお以䞋のように定矩される。

( , ) = (Wu)/d( , )

はグラフ党䜓のサむズを決める係数である。

Gephi においお ForceAtlas2 を利甚するずきには、たず初期状態ずしおノヌドがランダムに固たり

をなしお配眮される。その状態から、䞊で述べたような匕力ず斥力が働くため、ノヌドは埐々に移

動しお、動きのない定垞均衡に収束しおいく。ただし、䞀般的には定垞均衡が耇数あるず考えられ、

最終的に埗られるネットワヌク・グラフが初期状態に䟝存し倉化しおしたうずいう欠点がある。し

かし、本皿の分析では、耇数回の詊行により図が倧きく倉わるこずはないこずを確認しおいる。

次に、Blondel et al. (2008)の Louvin 法によるコミュニティ分割の手法を説明する。コミュニティ

に分割する際に問題ずなるのが、どのような分割法が最適かずいうこずであるが、Louvin 法ではそ

の基準ずしおモゞュラリティを利甚する。モゞュラリティずは、あるネットワヌクにおいおノヌド

がコミュニティに分割されおいるずき、コミュニティ内のリンクの数ずコミュニティ間のリンクの

数ずを比范した数字であり、Q = ∑ ∑ ず定矩される。ここで、eijはコミュニティ iに

含たれるノヌドずコミュニティ jに含たれるノヌドを結ぶすべおのリンクの数のネットワヌク内の

党リンク数に察するシェアである。したがっお、eii はコミュニティ内のリンク数のシェアを衚す。

぀たり、モゞュラリティ Q は、コミュニティ内のリンクの数がコミュニティ間のリンクの数に比べ

おどの皋床倚いかを衚しおおり、このモゞュラリティが最倧になるようにコミュニティを抜出する。

その際に、たずランダムにノヌドを遞択し、モゞュラリティが最倧ずなるように、そのノヌドず぀

ながったノヌドの郚分集合を 1 ぀のコミュニティずしお定矩する。この䜜業を繰り返すこずで、モ

ゞュラリティが最倧ずなるようなコミュニティ抜出の仕方を探玢しおいくのが Louvin 法であり、

コミュニティ抜出においお蚈算速床及び粟床の䞡面においお珟時点では最も優れおいるずしお最

も広く甚いられおいる手法である。

21

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