デジタル表現論・実習
第2回:ペイント系ソフトGIMPの使用
劉 雪峰
目的
GIMPの使用
GIMPによるポスターの作成
GIMPとは
GIMP(ギンプ、ジンプ、GNU Image Manipulation
Program)は、GNU GPL の下で配布されているビットマップ画像編集・加工ソフトウェア(ペイントソフト)。
1995年, University of California, Berkeleyの学生Spencer Kimball and Peter Mattisにより開発されました。現在、GNU ProjectのCommunityにより開発が進んでいる。
Homepage: http://www.gimp.org/
対応OS: Linux,Windows, OS X
基本概念
新規画像ファイルの設定
● 画像のサイズ:1200×800など
● キャンパスのサイズの調整
● 解像度(印刷するとき、単位長さに対応するピクセルの数)
● 描画色と背景色
描画のツール
● GIMPは鉛筆、ブラシ、エアブラシ、パス、塗りつぶしなどの描画ツールを提供する。
● テキストの作成・編集ができる。
ツールボックス
とツールオプション
基本概念:レイヤー
図形の作成・加工は各レイヤーの上に行う。
各レイヤーで描いたものは互いに独立である。
レイヤーの基本操作:–新しいレイヤーの追加、削除
–表示オン・オフ
–レイヤーを連動すること
–レイヤーの統合
「背景」というデフォルトレイヤーがある。
基本概念:選択範囲
各レイヤーの画像を加工する時、範囲を選択してから作業する。
選択用のツール–矩形選択、楕円選択、自由選択、ファジー選択
選択範囲となる部分を削除したり、回転・変形したり、フィルターで変形したりすることができる。
演習1:選択範囲の編集
準備:ホームページから画像ファイルiphone.jpgをダウロードして、「マイドキュメント/Digital2016/Course2」に保存する。 画像ファイルiphone.jpgを開いて、以下の手順に従って作業する。
自由選択
回転
拡大・縮小
自由変形
1)「自由選択」というツールによってiPhoneボックスの エッジに沿ってiPhone
ボックスを選択する。
2)選択範囲をコピーして、ペーストする。 (「Ctrl+C」,「Ctrl+V」 )
3)「レイヤー」のウインドウで、 「フローティング選択範囲」のレイヤーを確認する。該当レイヤーを右クリックして、「新しいレイヤーの作成」をする。
4)新しいレイヤーを移動、拡大・縮小、回転、フィルターの「変形/渦巻きと吸い込み」などの作業を行う。
5)1)〜4)を繰り返し、幾つかのiPhoneのボックスが並ぶようにする。
ファイルの保存とエクスポート
● GIMPは「xcf」というネイティブ形式でファイルを保存する。
● ビットマップファイルにエクスポートすることも可能。
– gif,png,bmpなど
● エクスポートの方法:
ファイル→エクスポート
演習
加工されたiPhoneの写真をnew_iphone.pngに保存する。
演習2:新潟大学前から理学部までのルートの描画
ルート描画の手順:
1.GIMPの中でサイズが800×600の新しい画像を作る。
2.Google Map(http://www.google.co.jp/maps )で新潟大学のマップを表示して、ショートカットキー [Alt+PrintScrn]で画面のスクリーンショットを取る。
3.クリップボードに入っている図をGIMPに貼り付ける(「Ctrl+V」)。
4.貼り付けられた図の適当な部分を切り抜いて、新しいレイヤーを作成する。
5.ルートと「理学部」の文字を描く。
6.フィアルをmap.pngに保存する。
ルート作成のヒント:ツールボックスの「鉛筆」を使用して、ルートの描画ができる。具体的に、[Shift]キーを押しているまま、ルートの始点、曲がることろ、終点を順番にクリックすれば、ルートを線分の形で描画することができる。)
演習3:三原色の図を描く
ペイントによって三原色の図を描画するとき、
• 円の境界線を消すのは難しい。
• 重ねっている部分について、色の計算が必要である。
GIMPのレイヤーの機能を利用すれば、境界線のない三原色の図
を作成できる。
三原色の図の描画手順
1.新しい画像ファイルを作成して、背景を黒色で塗りつぶす。
2.新しいレイヤー「赤」、「青」、「緑」三つを作成する。
3.レイヤーを追加するとき、「透明」を指定する。
4.各レイヤーの中では、楕円選択のツールで円の範囲を描いて、三原色の色で塗りつぶす。
補足:色のHTML表記:赤=FF0000, 緑=00FF00, 青=0000FF。
5.各レイヤーのモードを「標準」から、「加算」に変更する。
演習4:文字のディザイン(オプション)
ツール「パス」を使って、ギリシャ文字𝛼を描く。
補足:パスのコントロール点を編集(追加、削除)する時、ツールオプションのウインドウで「編集」モードにしてから、「Shift+点をクリック」は削除、「Ctrl+点のクリック」は点の追加ができる。
手順
ファイルのメニューで「新しい画像」を選んで、画像サイズを800×600にする。
レイヤーのウインドウで「GreekLetter」という新しいレイヤーを追加する。
ツールボックスの中で、パスのアイコンをクリックする。
「GreekLetter」のレイヤーで「α」を描く。(詳細は次のページを参照する)
ツールオプションのウインドウで「パスの境界線を描画」をクリックする。
パスにより曲線の描き方方法1:
• ツールオプションの中で、パスの編集モードが「作成」であることを確認する。
• 画面の中で曲線が経由する幾つかの点を順番にクリックする。
• 「Ctrl」キーを押してから各点の線分を曲線にして、曲線の切線方向を調整する。
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注意:1.「Ctrl」キーを押す時、編集モードは一時に「編集」になる。2. [Backspace]のキーを使って点を消すことができる。
パスにより曲線の描き方
方法2:
• ツールオプションの中で、パスの編集モードが「作成」であることを確認する。
• 各画面の中で曲線が経由する点でマウスを押して、マウスを押しているままドラーグして方向を調整する。
• 次の点でマウスを押してドラーグする。
レポート課題● 以下の要求に従って、自己紹介のポスターを作成しなさい。
– 画像サイズを600×800とする。
– ファイル名をposter.pngとする。
● 以下の内容は必要であるが、他の内容は自由にする。
– 1)自分の名前、趣味
– 2)新潟大学に関係する写真と説明
– 3)好きな数学の図