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Arsenic Letter No. 22

平成 30 幎 8 月 日本ヒ玠研究䌚

目次 頁

ひ玠化合物における暙準物質の珟状ず課題

成川 知匘囜立研究開発法人産業技術総合研究所 1

暙準物質はどう䜿う

黒岩 貎芳囜立研究開発法人産業技術総合研究所 6

第 22 回ヒ玠シンポゞりム報告

第 22 回ヒ玠シンポゞりム 倧䌚長 黒岩 貎芳 12

第 22 回ヒ玠シンポゞりム奚励賞受賞報告

間侭 淳富山高等専門孊校、䞋田 康代日本倧孊 14

第 24 回ヒ玠シンポゞりム熊本開催のご案内

第 24 回ヒ玠シンポゞりム 倧䌚長 阿草 哲郎 16

平成 29 幎床 日本ヒ玠研究䌚 圹員名簿 18

䌚費玍入のお願い 20

線集埌蚘 21

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1

ひ玠化合物分析における暙準物質の珟状ず課題

囜立研究開発法人産業技術総合研究所

成川 知匘

はじめに

本皿を目にする可胜性がある方々に改めお申すのもはばかられるが、ひ玠はさたざたな化

孊圢態で自然界に広く分垃しおおり、化孊皮ずしおこれたでに氎溶性および脂溶性ひ玠化合

物合など 40皮皋床が怜出され、その構造が同定されおいる。たた、ひ玠はその化孊圢態によ

り毒性が異なるこずが知られおおり、無機ひ玠化合物の発ガン性などが解明されおきた。さ

らに、これたでの研究者の努力により、ひ玠化合物ずしおの毒性は䜎いものの、生䜓内での

代謝などにより悪圱響を及がす可胜性があるものなどが明らかにされ぀぀ある。これらの研

究は、日進月歩で進んでいるものの、倚皮倚様なひ玠化合物においおはただ䞀郚であり、䞍

明確な郚分も倚い。

䞀方、近幎の技術進歩は分析装眮の性胜を飛躍的に向䞊させ、これたで怜出が難しかった

元玠やその化孊圢態に関する情報を明らかにした。さらに化孊圢態分析の技術向䞊は、総ひ

玠量分析よりもむしろ化孊圢態分析の重芁性を明癜にし、囜際的な技術の共通化、芏制化な

ども進んでいる。食品の囜際芏栌を策定するコヌデックス委員䌚CACでは、2014幎の総

䌚で、粟米䞭無機ひ玠の最倧基準倀を 0.2 mg/kg、2016幎の総䌚で、玄米䞭無機ひ玠の最倧基

準倀を 0.35 mg/kgずするこずが採択された。たた、アメリカ食品医薬品局FDAは、リン

ゎゞュヌス䞭の無機ひ玠のアクションレベルを 10 ppb、乳児甚コメシリアル䞭の無機ひ玠の

アクションレベルを 100 ppbずするこずを提案しおいる。

この様な珟状においお、化孊圢態に䟝存する代謝挙動や毒性に関する評䟡、芏制倀に察し

おの監芖には、その分析倀の信頌性ず劥圓性が求められ、そのための分析技術ず暙準物質が

果たす圹割が倧きくなり぀぀ある。

 ひ玠の化孊圢態分析甚暙準物質

暙準物質は、分析操䜜党般の劥圓性確認、粟床管理に有甚であり、囜際的にもその劥圓性

を瀺すために利甚するこずが望たしいずされおいる。

暙準物質および認蚌暙準物質を頒垃する機関は倚数あるが、National Institute of Standards and

TechnologyNISTU.S.、National Research CouncilNRCCanada、European Commission-

Joint Research CentreEC-JRCBelgiumおよび産業技術総合研究所蚈量暙準総合センタヌ

産総研 NMIJ, 日本などの囜家蚈量暙準機関は囜際敎合性を確保した認蚌暙準物質を開発、

頒垃しおいる。これらの機関は、ひ玠化合物に関する情報認蚌倀、参照倀たたは参考情報

などを含んだ認蚌暙準物質を頒垃しおおり、それを衚 1にたずめる。各認蚌曞に蚘茉され

おいる内容をそのたたにたずめたため、統䞀されおいない衚蚘の箇所もあるが、ご了承頂き

たい。

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è¡š 1 ひ玠化合物の倀を有する暙準物質の䞀䟋ひ玠化合物に関する情報のみ蚘茉

Provider No. Description Certified Value Reference Value or Information Value

NIST SRM 1568b Rice Flour MMA, DMA, i-As

NIST SRM 2669 Arsenic Species in Frozen Human Urine (Level I)

As(III), As(V), MMA DMA, AsB

TMA, AsC

NIST SRM 2669 Arsenic Species in Frozen Human Urine (Level II)

As(III), As(V), MMA DMA, TMA, AsB,

AsC

NIST SRM 3232 Kelp Powder (Thallus Laminariae)

Arsenosugar-328 Arsenosugar-392 Arsenosugar-482

As(V), DMA, As(III) NIST SRM 3669 Arsenic Species in Frozen Human

Urine (Elevated Levels) As(III), As(V), MMA

DMA, AsB

NIST SRM 3035 Arsenic Species in Apple Juice As(III), As(V), MMA DMA, i-As

EC-JRC ERM-AC626 Arsenobetaine in Water AsB

EC-JRC BCR 627 Tuna Fish Tissue AsB, DMA

EC-JRC ERM BC211 Rice (As Species) DMA, As(III)+As(V)

NRC SQID-1 Cuttlefish Certified Reference Material for Trace Metals, Arsenobetaine, and Methylmercury

AsB DMA, As(III), As(V)

NRC PRON-1 River prawn Certified Reference Material for Trace Metals and Arsenobetaine

AsB i-As, MMA, DMA TMA

NRC NASS-7 Seawater Certified Reference Material for Trace Metals and other Constituents

i-As, MMA, DMA TMA

NRC SLRS-6 River Water Certified Reference Material for Trace Metals and other Constituents

i-As, MMA, DMA TMA

NRC DORM-4 Fish Protein Certified Reference Material for Trace Metals

AsB

NMIJ 7202-b Trace Elements in River Water As(V) (ratio)

NMIJ 7402-a Trace Elements, Arsenobetaine and Methylmercury in Cod Fish Tissue

AsB

NMIJ 7403-a Trace Elements, Arsenobetaine and Methylmercury in Swordfish Tissue

AsB

NMIJ 7405-a Trace Elements and Arsenic Compounds in Seaweed (Hijiki)

As(V)

NMIJ 7502-a Trace Elements in White Rice Flour (Cd Level II)

As(III)+As(V) DMA

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3

NMIJ 7532-a Arsenic Compounds and Trace Elements in Brown Rice Flour

As(III)+As(V) DMA

NMIJ 7533-a Arsenic Compounds and Trace Elements in Brown Rice Flour

As(III)+As(V) DMA

NMIJ 7901-a Arsenobetaine Solution AsB

NMIJ 7912-a Arsenate [As(V)] Solution As(V)

NMIJ 7913-a Dimethylarsinic Acid Solution DMA

è¡š 1にたずめたものの他、過去にはひ玠化合物の倀を有する認蚌暙準物質は他にも頒垃さ

れおきたが、有効期限の満了や、埌継ロットには倀が付されない埌継ロットにひ玠化合物

の倀が付いたものも有などの理由もあり、皮類、数ずもに十分ではないのも事実である。

ひ玠化合物の最初の暙準物質ず蚀っおもよい BCR-626アルセノベタむン溶液は、1997幎に

IRMMInstitute for Reference Materials and Measurements 圓時の EC-JRC内の研究所から頒

垃が開始され、長幎に枡っおアルセノベタむンの暙準物質ずしお利甚されおきた。しかし、

頒垃から玄 10 幎を経過しお認蚌倀に疑念があるこずが指摘され、認蚌倀ず䞍確かさを芋盎し、

頒垃が継続されおいたが、珟圚は頒垃終了し、埌継ずしお 2017幎に EC-JRC から ERM-AC626

が頒垃開始された。

è¡š 1を芋るず明らかであるが、珟圚入手が可胜な玔物質系暙準物質はひ酞 [As(V)]、ゞメチ

ルアルシン酞DMAおよびアルセノベタむンAsBであり、その他のものはマトリック

ス組成に倀が付されおいる。たた、マトリックス組成に関しおも、認蚌倀が付されおいるも

のは As(III)、As(V) たたは As(III)ず As(V)の合蚈ずしたもの、無機ひ玠 (i-As)ずしたもの、

MMA、DMA、TMA、AsBおよび AsCのみである。そしお、芏制察象や監芖項目ずされる米

組成およびリンゎゞュヌスの暙準物質が敎備されおいる䞀方、他のマトリックスは限られお

いる。たた、これらの倀付けには、陰むオンたたは陜むオン亀換カラムを甚いた IC-ICP-MS、

逆盞系カラムを甚いた LC-ICP-MSが甚いられおいる。

唯䞀 NIST SRM 3232では、Arsenosugar-328、-392および-482Dimethylarsinoylriboside

(arsinoylsugar)の末端に、それぞれ OH、SO3Hおよび OPO2(OH)CH2CH(OH)CH2OHが付加し

たものに関する参照倀を含んでいる。この倀は、MMAおよび TMAOを内郚暙準液に利甚

し、陰むオンたたは陜むオン亀換カラムを甚いおひ玠糖類を分画採取埌、機噚䞭性子攟射化

分析INAAよっお枬定が行われおいるYu et al, Anal. Bioanal. Chem., 407, pp.3517-3524,

2015。たた、枬定に INAAを甚いるこずで、化孊圢態に䟝存する分析挙動や感床差などの

懞念事項を抑制し、NIST SRM 3103a Arsenic (As) Standard Solutionを甚いた定量を行うこずで、

囜際単䜍系SIぞのトレヌサビリティを確保しおいる。

化孊圢態分析ず暙準物質の問題点

前述の様に、倚皮倚様なひ玠化合物が怜出、同定され、その代謝機構や毒性に関しおの研

究が進められおいる。その䞀方で、挙動に関しおの量的議論や正確な枬定、評䟡が難しいの

も事実である。これは玔物質暙準液や、圢態ずその濃床を明確に保蚌し、か぀䞖界共通

で利甚できる基準物質が限られおいるこずが挙げられる。

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この圹割を担うのが本来は暙準物質であるが、暙準物質はその特性から、均質か぀安定で

あるこずが条件ずなる。さらに、䜿甚するナヌザヌのもずでその化孊圢態ず濃床を保蚌する

必芁がある。加えお蚀えば、暙準物質を利甚するナヌザヌは䞍特定の操䜜、分析装眮によっ

お䜿甚する可胜性があるため、玔物質においおは極端な組成での提䟛を避ける必芁がある。

アルセノベタむンは、高玔床物質が埗易く、氎溶液状態でも長期に安定しおいるため、こ

れたでも暙準物質ずしお頒垃されおきた経緯がある。しかしその䞀方で、玔物質の入手たた

は調補が難しいもの、調補できたずしおも䞍安定であったり、保存が困難なものもある。そ

の䞀䟋ずしおひ玠糖類などが挙げられる。ひ玠糖 (-328)を詊薬から合成し、ある条件で枬定し

た結果を図 1の巊に瀺す。芳枬されるピヌクはほがシングルピヌクである。しかし、同䞀詊

料溶液を別の枬定条件で芳枬した際には、巊の条件では芋られなった倚数のピヌクが芳枬さ

れる図 1 右。さらに、目的ずする圢態のみを単離粟補し、氎溶液 ほが䞭性で保存した

際の安定性モニタリング結果の䞀䟋を図 2に瀺す。単離粟補盎埌図 2 巊にはきれいなシ

ングルピヌクずしお認められた。しかし、同䞀溶液を 2ヶ月間保管しお枬定した際には、目

的物以倖のピヌクも認められる図 2右。この割合は埐々に増加し 4ヶ月皋床で数%の割合

を占めるたで増加する。これは、氎溶液の条件pHなどや濃床によっおも異なる。たた、

長期保管によっお生成する䞍玔物のピヌクは、LC-ICP-MS条件における保持時間が 40分近い

ものもあり、その存圚を芋萜ずす可胜性もある。

図 1 同䞀詊料ひ玠糖 (-328)を 2぀の条件で枬定した結果の䞀䟋

図 2 同䞀溶液ひ玠糖 (-328)の保存安定性モニタリング結果の䞀䟋

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800

1.0E4

2.0E4

[11] Chart : IC_1.D [CPS]

sec->

75 : As

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000 2200 2400

5000

1.0E4

[11] Chart : 005_1.D [CPS]

sec->

75 : As

同䞀詊料を

別のシステムで枬定

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000 2200 2400

1000

2000

[11] Chart : 0902_OH.D [CPS]

sec->

75 : As

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000 2200 2400

5000

1.0E4

[11] Chart : OH1_P.D [CPS]

sec->

75 : As

同䞀詊料を

2 ヶ月埌に枬定

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暙準物質は、認蚌する濃床ずその状態ひ玠化合物の堎合はその圢態などを保蚌する必

芁があるため、できるだけ高玔床な物質を埗るための粟補等が難しいもの、長期安定性が確

保されないものには぀いおは、開発ず䟛絊が難しいのが珟状である。

たたこれは暙準物質の開発に限ったこずではなく、日々の枬定でも泚意が必芁なこずであ

る。もし瓶やアンプルに保存されおいる溶液から、異なる日に枬定甚の溶液を採取、枬定し

た堎合には、䞍安定な化合物の䞀郚が倉化しおいる可胜性がある。さらに、ある䞀぀の枬定

条件だけでは、䞍玔物目的倖のひ玠化合物などの存圚に気付かない堎合もある。そしお、

これらの䞍安定さや䞍玔物を芋萜ずした際には、埗られた結果が目的ずしおいる代謝や化孊

倉化に䟝存したものなのか、たたは保存における濃床倉化やもずもず含たれおいた、たたは

保存過皋で生成された䞍玔物によるものなのかの刀断、評䟡が難しくなり、異なる芋解を導

くこずになりかねない。

おわりに

ひ玠化合物に関しおは、汎甚性が高く、か぀十分な基準ずなる詊薬等たたは暙準物質が敎

備されおいない珟状がある。そのため、必芁なひ玠化合物を自ら合成たたは粟補しお䜿甚す

る機䌚が倚いのも事実かず思われる。しかし、その保管条件などによっおは䞍安定さもずも

なうため、量的議論、評䟡の際には異なる方法条件含むによるクロスチェックや、甚い

る詊薬の評䟡など、泚意が必芁ずなる堎合も倚い。

産総研 NMIJ では、囜家蚈量暙準機関ずしお、ナヌザヌにずっお有甚な暙準物質を開発・䟛

絊するこずが責務である。しかし、その䞀方で、暙準物質生産者ずしお、囜際芏栌に適合し

たマネゞメントシステムに基づき、囜際的にも認められる技術により、信頌あるものを䟛絊

するには、前述のずおり解決すべき問題が倚いのも事実である。これらを䞀぀䞀぀解決し、

ひ玠の研究に埓事する研究者の方に有甚な暙準物質を䟛絊するこずが急務である。珟圚も

NISTおよび NMIJ ずもにひ玠化合物分析を目的ずした新芏の暙準物質開発に挑んでいるが、

前述のような理由から、ひ玠研究に必芁な暙準物質が十分に敎備されるたでには時間がかか

るこずもご理解いただきたい。

この様な背景の䞭、本研究䌚内だけでも共通利甚できる基準物質を䜜補し、それぞれの研

究に利甚するこずは、盞互デヌタの比范などを可胜にし、ひ玠研究の議論を加速化できる可

胜性があるず思われる。そのためにも、分析に関しお、単なる手段ずしおの芳点だけでなく、

導かれる結果を評䟡、保蚌する重芁な郚分ずしお、分析手法や暙準物質開発にも是非ご助蚀、

ご協力をいただきたい。ひ玠ずいう察象のもず、倚分野の専門家が集たる本研究䌚であるか

らこそ、この様な倚角的な知芋に基づいた加速的進展に期埅したい。

è¡š 1で玹介した機関のりェブサむト暙準物質の最新情報は䞋蚘でご確認ください。

NISThttps://www.nist.gov/srm NRChttps://www.nrc-cnrc.gc.ca/eng/solutions/advisory/crm_index.html EC-JRChttps://crm.jrc.ec.europa.eu/ NMIJhttps://www.nmij.jp/service/C/

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暙準物質はどう䜿う

囜立研究開発法人産業技術総合研究所

黒岩 貎芳

はじめに

昚今、分析の信頌性確保の必芁性がより䞀局高たっおいるが、信頌性を確保するには、分

析結果の真床ず粟床を含めた「粟確さ」の管理が必芁であり、そのうえで第䞉者にその倀を

認めおもらうこずが重芁である。そのためには、技術の劥圓性の蚌明ず分析自䜓の信頌性を

確保する必芁がある。分析自䜓の信頌性を確保するためには、暙準物質を掻甚する方法が最

も有効な手段の䞀぀である。しかし、暙準物質やその有甚性は知っおいおも、どういうもの

を遞び、䜿甚すればよいのか、たた、どのように䜿えば効果的なのか、に぀いおは意倖ず知

られおいないずころも倚い。分析倀の信頌性を高めるために、暙準物質を有効に掻甚するに

はどうしたらよいか、ずいう芳点から、暙準物質の遞び方、䜿甚の泚意事項、認蚌暙準物質

に付随する認蚌曞の蚘茉内容に぀いお解説する。

暙準物質の遞び方

そもそも、暙準物質ず蚀われるものにどのようなものがあり、どのような違いがあるのか

を知っおおかなければならない。生産者が独自の方法で品質を確保しおいるもの、ISO や JIS

などの芏栌に準拠した方法で品質を確保しおいるもの、第䞉者の認定等を埗るこずでその品

質を保蚌しおいるものなど、様々な皮類のものが流通しおいる。これらは、暙準品、暙準詊

料、暙準物質、認蚌暙準物質など、様々な呌称で販売されおおり、分析の基準ずなる物質ず

しお䞀般に入手可胜である。

分析の基準ずなる物質は、䜿甚するたびにその特性に倉化がないこずが重芁ずなる。化孊

分析においおはその基準に化孊物質が利甚されるこずが倧半であり、基準ずなる物質の特性

が䜿甚のたびごずに倉化しおは困るため、安定性は基準ずする物質に芁求される重芁な芁因

である。基準ずなる詊料は、詊薬瓶などのどこからサンプリングしおも同じ特性を持぀こず

も重芁ずなる。均質性は偏圚などが起きやすい詊料ほど泚意が必芁ずなる。このため、分析

の際の基準ずしお利甚するこずができる暙準物質を生産する際の芁求事項が芏定された JIS Q

170341) には、暙準物質は以䞋の通り定矩されおいる。

●暙準物質reference material, RM

「䞀぀以䞊の芏定特性に぀いお、十分均質か぀安定であり、枬定プロセスでの䜿甚目的に

適するよう䜜補された物質」

さらに、暙準物質の䞭でも特別な認蚌暙準物質は、以䞋のように定矩されおいる。

●認蚌暙準物質certified reference material, CRM

「䞀぀以䞊の芏定特性に぀いお、蚈量孊的に劥圓な手順によっお倀付けされ、芏定特性の

倀及びその䞍確かさ、䞊びに蚈量蚈枬トレヌサビリティを蚘茉した認蚌曞が付いおいる暙

準物質」

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7

図 1に暙準物質ず認蚌暙準物質の関係を瀺した。

この図では暙準品などを暙準物質ず別の扱いにした

が、いかなる呌ばれ方をしおいおも、その均質性

ず安定性が枬定プロセスでの䜿甚目的に適するこず

が確認されおいる物質であれば、それらは䞊蚘で

定矩された暙準物質である。

ここでは、JIS Q 17034においお「暙準物質」ずし

お定矩されるものに぀いお説明する。

暙準物質は、①分析・蚈枬機噚の校正キャリブレヌションや物質・材料ぞの倀付け、

②分析・蚈枬方法の評䟡、③分析・詊隓機関あるいは分析者・枬定者の技胜の確認、などの

目的で䜿甚される。①は怜量線を䜜成するこずによっお物理量単䜍の指瀺倀を濃床や物性倀

に倉換するこずが含たれる。②は䜿甚する分析・蚈枬方法が信頌性のある方法か吊かを評䟡

する堎合で、方法の劥圓性確認バリデションを意味する。暙準物質の分類は様々であ

るが、䞀般に化孊分析に甚いる暙準物質においおは倧きく玔物質系暙準物質ず組成暙準物質

に分けられる。通垞②および③の目的には䞻に組成暙準物質が䜿甚される。䞀方、①には校

正甚の玔物質系暙準物質が䞻に甚いられるが、組成暙準物質もしばしば利甚される。

暙準物質を遞ぶ際には、以䞋のこずを明確にしおおく必芁がある。

暙準物質の甚途が䜿甚する目的に適しおいるか

枬定察象ずする成分に぀いお、濃床レベルや䞍確かさは適圓か

枬定方法に適した圢状や量であるか

溶媒や䞍玔物など、マトリックス成分は問題ないか枬定ぞの圱響

暙準物質はその甚途が付随する文章等に蚘茉されおいる。その甚途が自分の䜿甚目的に適

しおいなければ、信頌性を高めるためには利甚できないこずになっおしたう。

玔物質系暙準物質は、装眮の校正や倀付けに甚いるこずから、枬定察象ず同じ物質を遞ん

で䜿甚するこずが基本ずなる。校正を目的ずした暙準物質の䞭に、蚈量法に基づく蚈量法ト

レヌサビリティ制床JCSS登録事業者によっお倀付けされた暙準物質があり、これらは䞀

般に JCSS暙準物質JCSS 暙準液、JCSS暙準ガスずも呌ばれ、これらは蚈量法のもずでト

レヌサビリティの確保された、より品質の高い暙準物質ず蚀える。これら JCSS暙準物質が䟛

絊されおいる堎合は、これを甚いるこずが最も適切である。JCSS暙準物質以倖に、ISO Guide

34珟圚は ISO 17034に移行2)に基づき暙準物質生産者の認定を受けた事業者から䟛絊され

おいる暙準物質も、より品質が高く信頌性の高い暙準物質である。JCSSは日本独自の制床で

あるが、暙準物質生産者の認定は囜際芏栌に埓っお海倖の事業者に぀いおも同様に実斜され

おいるので、海倖の暙準物質を賌入する際にも、認定された事業者から䟛絊されおいるもの

か確認するこずができる。たた、囜内倖の囜家蚈量暙準機関から䟛絊される暙準物質の倚く

は、トレヌサビリティが確保されおおり、ISO Guide 34に基づいお生産されおいる。

䞀方で、劥圓性確認に甚いるための組成暙準物質を遞ぶのは難しい。校正甚ず同様にその

甚途が自分の䜿甚目的に適しおいるかは蚀うたでもないが、自分が枬定したい詊料ず同じ組

成のものを芋぀けるこずは倧倉であり、そもそもそれが䟛絊されおいない可胜性の方が高い

図 1 基準ずしお利甚する物質の関係

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のが暙準物質ナヌザヌにずっお倧きな悩みである。劥圓性を確認するためには、暙準物質ず

詊料の類䌌性が重芁ずなる。この類䌌性は枬定を行う䞊で物理的・化孊的な圱響、化孊分析

の過皋における圱響を同じように受けるか、が重芁である。そういう意味では、必ずしも組

成が同じでなくおも、分析の過皋で圱響があるず思われる成分に぀いお、同じような圱響が

想定される成分が含たれおいれば、それを甚いおもかたわないず考えられる。しかし、珟実

にはどのような圱響があるか、その成分が䜕かたで特定したうえで分析ができるずは限らな

いため、やはりほが同じ組成が考えられる暙準物質を遞択せざるを埗ない堎合がほずんどで

あるず考えられる。たた、枬定察象成分に぀いお、濃床や䞍確かさは適圓か、枬定方法に適

した圢状や量であるかも、遞択するうえで重芁な芁玠ずなっおくる。入手のしやすさや䟡栌

も、継続的な䜿甚を予定しおいるなら、留意する必芁がある。

JCSS暙準物質や暙準物質生産者の認定を受けた事業者が䟛絊しおいる暙準物質は限られお

おり、十分ずは蚀えない。暙準物質、特に認蚌暙準物質は高い品質を有しおいるが、皮類が

限られおおり、高䟡であるこずが倚い。そのため、必ずしも認蚌暙準物質の䜿甚にこだわる

必芁はなく、目的に合った暙準物質を遞ぶこずが重芁である。䌁業や業界団䜓、孊協䌚、研

究機関から䟛絊されおいる暙準物質も倚いが、䞊述の点を考慮しお遞択する必芁がある。特

に䜕らかの認定や認蚌を受ける堎合や、囜際的にも認められる結果を埗るこずが求められる

堎合は、蚈量蚈枬トレヌサビリティや品質システムに関する情報も確認する必芁がある。

暙準物質の䜿い方

目的に適した暙準物質を遞んだら、今床は䜿甚の際に䞋蚘のこずに泚意する必芁がある。

取り出し・䜿甚の際の泚意事項

・汚染を防ぐため、採取噚具薬さじ、ピペットなどを盎接容噚に入れず、必芁な量を枅

浄な容噚に小分けしお甚い、䜙っおも容噚に戻さない。たた、金属分析の堎合には枅浄な合

成暹脂補の噚具を、有機分析の堎合には枅浄な金属補やガラスの噚具を甚いる。

・均質性の芳点から、認蚌曞など付随する文曞に蚘茉された最少䜿甚料などの指瀺に埓う。

・冷蔵や冷凍による保管の堎合、垞枩での取り扱いに泚意が必芁で、指瀺に埓い䜿甚する。

・粉末詊料の堎合、吞湿、静電気の圱響に泚意する。静電気陀去装眮等の䜿甚が望たしいが、

容噚の倖偎をアルミニりム泊で包むなどにより、静電気の圱響を軜枛するこずができる。

・粉末詊料の堎合、認蚌倀等は也燥質量基準ずしお瀺されるこずが倚い。そのため、認蚌曞

など付随する文曞で指瀺された方法で氎分含量補正を行う必芁がある。

保存の泚意事項

・開封前は、必ず認蚌曞など付随する文曞で指瀺された保存条件に埓っお保存する。

・アンプル封入された暙準物質は、開封埌はすぐに䜿い切るこずが望たしい。それ以倖の容

噚の堎合、繰り返し枬定が可胜ずされる物質を陀き、開封埌は指瀺された保存条件に埓っお

保存し、できるだけ早く䜿い切るこずが望たしい。

垌釈操䜜暙準液の堎合の泚意事項

・沈殿や分解、揮散が起きる可胜性があるので、垌釈に甚いる溶媒の遞択、異なる暙準液の

混合による反応等に泚意が必芁である。

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・混合時には枬定察象物質が䞍玔物ずしお含たれおいないか、暙準液の原料化合物特に元

玠暙準液の堎合に含たれおいいないか、確認が必芁である。

たた、組成暙準物質を甚いた劥圓性確認では、枬定する詊料ず同じ前凊理、同じ枬定を行

うこずが重芁である。分析操䜜における圱響を同じにするため、暙準物質の均質性を考慮し

たうえで、枬定詊料ずできるだけ同じ量を秀量し、甚いる詊薬ず量、操䜜条件も同じにしな

ければならない。そしお、分析をした暙準物質の定量倀ず暙準物質に付随した文曞に蚘茉さ

れた認蚌倀や参考倀などを比范し、䞀臎しおいれば甚いた前凊理を含めた分析手法党般が劥

圓であるず蚀える。䞀方、倀を比范しお䞀臎しなければ、分析手法の再怜蚎が必芁ずなる。

この「䞀臎」「䞍䞀臎」の刀断に぀いおは、いく぀かの方法があるが、次の章で説明する。

組成暙準物質を甚いた分析手法の劥圓性確認の䟋

ここでは劥圓性を刀断する方法に぀いお組成暙準物質を甚いた堎合に぀いお説明する。

組成暙準物質を 5぀の異なる方法 A、B、C、D、Eで枬定したずする。それぞれの結果ずそ

の䞍確かさたたは暙準偏差を図 2に瀺す。暪に匕いた赀の実線は甚いた認蚌暙準物質の

認蚌倀、赀の砎線はその䞍確かさを瀺す。

異なる方法には前凊理、枬定装眮、枬定

条件の違いも含めお考えおよい。倚くの

方が Aず Dは十分に䞀臎しおいるので

劥圓ず刀断し、Cは䞀臎しおいないので

劥圓ではない、ず刀断するず思われる。

では、Bず Eはどう刀断するだろうか。

認蚌倀の䞍確かさず重なりがあるので、

劥圓ず刀断しおも良い、ず考える方も

倚いかもしれない。このように倚くの堎合、枬定結果が認蚌倀や参考倀ず「䞀臎」、「よく

䞀臎」、「完党に䞀臎」など定性的に衚珟される。しかし、埮劙な重なりしかない堎合等、

人によっお考え方や刀断が異なる可胜性もある。勿論、䜕らかの根拠に基づき刀断基準を蚭

けおいる堎合は、それに埓えばよいが、そうでない堎合に定性的な刀断では、せっかく認蚌

暙準物質を甚いお劥圓性確認をしたにもかかわらず、いささか心蚱ないずころである。この

ような曖昧さがないように、定量的な刀断方法があるので、その䞀぀を以䞋に玹介する。

認蚌暙準物質を枬定した埌、枬定倀の平均倀ず認蚌倀ずの差の絶察倀を蚈算する。

Δm = | CS – CCRM | 匏

ここで、Δm は枬定倀の平均倀ず認蚌倀ずの差の絶察倀、CS は枬定倀の平均倀、CCRM は認蚌倀

である。

各枬定は䞍確かさを持ち、暙準物質の認蚌倀も認蚌曞に蚘茉された䞍確かさを持っおいる。

Δm の䞍確かさを uΔ ずするず、枬定結果の䞍確かさず認蚌倀の䞍確かさから、以䞋の匏

で蚈算できる。

uΔ = ᅵ𝑢𝑢s2 + 𝑢𝑢CRM2 匏

図 2 組成暙準物質を甚いた分析方法の劥圓性確認

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ここで、uΔは枬定結果ず認蚌倀ずの差の合成暙準䞍確かさ、uS は枬定結果の暙準䞍確かさ、

uCRM は認蚌倀の暙準䞍確かさである。ここで認蚌倀の䞍確かさは通垞拡匵䞍確かさ U で衚さ

れおいる堎合がほずんどなので、その堎合は認蚌曞に蚘茉されおいる包含係数k、通垞は 2

で割る必芁があるこずに泚意しなければならない。たた、枬定結果の䞍確かさは、枬定倀の

暙準偏差を枬定回数 nの平方根で割る必芁がある。なお、簡易的には枬定結果の䞍確かさを

掚定するために、「繰り返し枬定の暙準偏差」ず「校正の䞍確かさ」を合成した倀や詊隓宀

内で定めた管理基準の倀を甚いおも良い。

方法の劥圓性を評䟡するために、䞋蚘の匏を満たせば枬定倀の平均倀ず認蚌倀ず

の差の絶察倀が、枬定倀ず認蚌倀の暙準䞍確かさの合成暙準䞍確かさの 2倍より小さい、

箄 95 の信頌の氎準においお、枬定結果ず認蚌倀に差はないず刀断できる。

Δm ≩ 2uΔ 匏

たた、認蚌暙準物質を甚いるうえでの䜿甚者の泚意事項や枬定方法の真床や粟床の評䟡方

法などに぀いおは、JIS Q 0033 認蚌暙準物質の䜿い方 3)も参照するずよい。

認蚌曞に぀いお

暙準物質には認蚌曞や分析成瞟曞などの文曞が付随しおおり、これに埓っお䜿甚するこず

がより適切か぀効果的に暙準物質を䜿甚した成果を埗るこずができる。逆にこれらの文曞に

蚘茉されおいる認蚌倀や参考倀などの倀や䞍確かさだけを芋お、それ以倖の蚘茉事項を確認

せずに䜿甚すれば、埗られた結果は正しいず宣蚀できない可胜性も出おくる。より適切か぀

効果的に暙準物質を䜿甚するために、認蚌暙準物質に付随する文曞である認蚌曞の蚘茉事項

に぀いお、産業技術総合研究所蚈量暙準総合センタヌNMIJが䟛絊しおいる認蚌暙準物質

NMIJ CRMを䟋にずっお説明する。

認蚌曞に蚘茉すべき事項は囜際芏栌 ISO Guide 314)で定められおおり、NMIJ CRMの認蚌曞

もそれに埓った事項が蚘茉されおいる。NMIJ CRMの認蚌曞に蚘茉されおいる䞻な蚘茉事項

は䞋蚘のずおりである。

・暙準物質に関する品質NMIJ では、ISO Guide 34ISO 17034に移行䞭及び ISO/IEC

17025に適合したマネゞメントシステムを構築しおおり、そのこずが蚘茉されおいる。

・適甚範囲どのような甚途に䜿甚できるかが蚘茉されおいる。

・認蚌倀ずその䞍確かさ決定された認蚌倀及びその䞍確かさが蚘茉されおいる。䞀般的に

䞍確かさは玄 95 の信頌の氎準を持぀ず掚定される区間ずした拡匵䞍確かさずしお蚘茉さ

れおいる。甚いた分析方法に぀いおも蚘茉されおいる。

・認蚌倀の決定方法どのような方法を甚いお認蚌倀を決定したか、分析方法だけでなく枬

定倀から認蚌倀をどのように求めたかに぀いおも蚘茉されおいる。䞍確かさの評䟡に぀いお

も蚘茉されおいる堎合がある。

・蚈量蚈枬トレヌサビリティ認蚌倀のトレヌサビリティに関する説明が蚘茉されおいる。

・有効期限有効期間暙準物質たたは認蚌曞がナヌザヌの保管においお、い぀たで有効

であるかが蚘茉されおいる。安定性を確認した結果に基づいた情報である。

・均質性に関する情報認蚌倀を決定するにあたっお、どのように均質性を評䟡したか蚘茉

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されおいる。

・保存や䜿甚に関する情報・泚意事項有効期限有効期間を保蚌するうえでの保存方法

や均質性の芳点から、最少䜿甚量に぀いおも蚘茉されおいる。たた、氎分含量補正の方法や

䜿甚に関する指瀺や泚意事項なども蚘茉されおいる。

・圢状や補造方法など原料や補造方法、圢状や容量などが蚘茉されおいる。

これ以倖に、生産者に関する情報なども蚘茉されおいる。認蚌曞は保蚌曞ず取扱説明曞が

䞀぀になったようなものであり、蚘茉内容に埓っお䜿甚されない堎合、認蚌倀は保蚌されな

い、枬定倀や劥圓性評䟡の結果は正しくない可胜性がある、ずいうこずである。

たた、認蚌暙準物質や認蚌曞に関し、「有効期限、有効期間の期限や期間が切れたら保蚌

されない、䜿えないのか」ずいう質問をよくされる。「有効期限」「有効期間」は、認蚌

曞に蚘茉された保管条件のもずで、暙準物質の品質認蚌倀の有効性を保蚌する期限・

期間であり、期限や期間以降の品質は保蚌できない。しかし、期限や期間が切れた埌に必ず

しも䜿甚できないずいうこずではない。適正な保管条件のもずで、か぀安定性が評䟡できれ

ば、䜿甚目的によっおは、ナヌザヌの責任においお䜿甚を継続できる。

おわりに

NMIJ の暙準物質に関する情報は、りェブサむトhttps://www.nmij.jp/service/C/で確認でき

る。たた、囜内倖の暙準物質の怜玢が可胜な「暙準物質総合情報システムRMinfo」ず

「囜際暙準物質デヌタベヌスCOMAR」も NMIJ のりェブサむトから利甚できる。

暙準物質の生産には倚くのこずが芁求されるため、その皮類が限定的か぀高䟡ずなり、そ

の結果、利甚しにくい面があるかもしれない。珟堎で分析を行う目的は様々である。暙準物

質、認蚌暙準物質を䜿甚すれば、自身の分析結果を適切に評䟡できるので、第䞉者に結果を

保蚌する堎合などは、䜿甚が望たしいが、スクリヌニングなど厳密な定量倀が䞍芁な堎合に

たで認蚌暙準物質を䜿甚する必芁はない。自身の枬定目的や必芁な粟床をきちんず把握し、

䜿甚目的にあわせ、適切な「基準にする物質」を遞択する必芁がある。最小の負担で最倧の

効果を埗るために、分析者自身が甚いる分析に関しお理解を深めなければならない。そのう

えで、信頌性の高い分析結果を埗るために、暙準物質を存分に有効掻甚しおいただきたい。

参考文献

1) JIS Q 17034:2018. 暙準物質生産者の胜力に関する䞀般芁求事項ISO 17034:2016 の翻蚳

JIS 2) ISO Guide 34:2009, General requirements for the competence of reference material

producers2016 幎に ISO 17034:2016 が発行され廃止、珟圚認定機関による移行䞭 3) JIS Q 0033:2002, 認蚌暙準物質の䜿い方ISO Guide 33:2000 の翻蚳 JIS。2015 幎 2 月に

ISO Guide 33:2015 が発行 4) JIS Q 0031:2018, 暙準物質認蚌曞ラベル及び附属文曞の内容ISO Guide 31:2015 の翻

èš³ JIS

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第 22 回ヒ玠シンポゞりムの報告

第 22回ヒ玠シンポゞりム 倧䌚長 黒岩 貎芳

第 22回ヒ玠シンポゞりムは、2016 幎 11 月 1718 日に、東京のお台堎にありたす産業技術総

合研究所産総研の臚海副郜心センタヌにおいお、産総研の協力により開催いたしたした。

シンポゞりムでは特別講挔 2 題、䞀般挔題 19題に぀いお、2日間にわたっお総数玄 60名の参加

者をお迎えし、熱心な発衚ず蚎論が行われたした。参加された皆さたのご支揎、ご協力に深く

感謝いたしたす。

近幎、経枈掻動の拡倧に䌎う垂堎や生掻圏のグロヌバル化・ボヌダレス化が進む䞭、䞖界的

に安党・安心ぞの関心や意識がより高くなっおきおいたす。環境や食品に含たれるヒ玠をはじ

めずしたさたざたな物質に察し、その圱響や代謝を明らかにするための適切な評䟡や解析を行

うこずが必芁です。そのためには、分析の質を管理するための品質管理の実斜、第䞉者に認め

おもらえる分析結果が重芁ずなり、暙準物質の掻甚がその䞀助ずなりたす。今回のシンポゞり

ムでは、暙準物質をキヌワヌドに特別講挔ずいたしたしお、National Institute of Standards and

TechnologyNISTアメリカ囜立暙準技術研究所および National Research Council Canada

NRCカナダ囜立研究機構の研究者に、それぞれの囜におけるヒ玠に関わる芏制、分析技

術や暙準物質開発などに関する最新の情報をご講挔いただきたした。

NIST の Lee L. Yu 博士には、「Toxic arsenic in diet and dietary supplement: metrology research

and development in support of current regulations食事や栄逊補助食品䞭の有毒なヒ玠珟圚の芏

制を支える蚈量孊的研究開発」ずの挔題でご講挔いただきたした。これたで NIST では倚く

のヒ玠分析のための暙準物質SRMStandard Reference Materialを開発しおきたこずが玹介

されたした。たた、珟圚も倚くの食品組成におけるヒ玠皮別に倀付けをした暙準物質の開発に

取り組んでおり、アップルゞュヌスに぀いおは、産総研蚈量暙準総合センタヌNMIJずの

コラボで実斜したこずも玹介されたした。暙準液の無いアルセノシュガヌに関しおは、圢態に

䟝存しない䞭性子攟射化分析INAA、むオントラップ型質量分析蚈ITおよび飛行時間

型質量分析蚈TOFを結合させた IT-TOF による同定など様々な分析技術を駆䜿した開発が

行われおいたす。䞀方で、詊料の前凊理、抜出が圢態分析の重芁なカギであり、さらに挑戊を

続けおいるずのこずでした。NRC カナダの Zoltan Mester 博士には、「Arsenic speciation in

certified reference materials認蚌暙準物質におけるヒ玠のスペシ゚ヌション」ずの挔題でご講

挔いただきたした。NRC では、30 幎以䞊にわたりヒ玠の化孊圢態分析のための暙準物質開発

に取り組んできおおり、ヒ玠をはじめずした化孊圢態分析甚の組成型の暙準物質開発においお、

䞖界をリヌドしおきたこずが玹介されたした。NRC は、ヒ玠に限らず氎銀、スズ、セレンな

どの化孊圢態分析甚の暙準物質開発を行っおおり、論文も数倚く発衚しおいたす。たた、ヒ玠

化孊圢態分析甚の組成暙準物質ずしお、1988 幎に䞖界で初めおアルセノベタむン濃床を認蚌

した魚肉暙準物質DORM-1を開発、頒垃し、䞖界䞭のヒ玠研究者に利甚されたした。それ

以降も圢態分析手法の開発はもずより、同䜍䜓垌釈分析が適甚できないヒ玠に察し、アルセノ

ベタむンの炭玠を 13C にラベル化したアルセノベタむンを合成し、それを甚いた暙準物質の開

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発を行ったこずも玹介されたした。参加者の皆様にずっおは、研究の興味の察象ではないかも

しれたせんが、普段なかなか聎くこずのない貎重な講挔だったず思いたす。私が所属したす

NMIJ でも囜家蚈量暙準機関ずしお、ヒ玠化孊圢態に関する分析技術ず暙準物質開発に積極的

に取り組み、䞖界的に認められおきおおりたすが、海倖の研究機関ずも情報亀換をしながら、

さらによりよい分析技術ず暙準物質の開発に取り組んでいきたいず改めお感じたした。

今回の䞀般講挔 19 題のうち、40 歳以䞋の挔者による発衚 9題に぀いお耇数の審査委員による

厳正な審査を行い、優れた研究発衚ず今埌の研究に期埅できる点などから 2 名の奚励賞を遞び

たした。奚励賞は、間䞭 淳先生富山高等専門孊校物質化孊工孊科、治療薬を甚いた 3䟡無機

ヒ玠の新芏比色分析法に関する研究、および、䞋田康代先生日本倧孊薬孊郚環境衛生孊研

究宀、ゞメチルチオヒ玠化合物の毒性発蚀におけるグルタチオンの圹割に授䞎されたした。

懇芪䌚はシンポゞりム䌚堎すぐ近くのテレコムセンタヌビル 21 階の展望台で行いたしたが、

東京の倜景を肎に、倚くの参加者ず楜しい時間を過ごせたこずに感謝いたしたす。

今埌ずも、ヒ玠研究䌚の曎なる発展のためにご支揎、ご協力をよろしくお願い申し䞊げた

す。

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奚励賞受賞報告

間侭 æ·³

富山高等専門孊校

この床は、第 22 回ヒ玠シンポゞりムにおきたしお、「治療薬を甚いた 3 䟡無機ヒ玠の新芏

比色分析法に関する研究」ずいう挔題で発衚する機䌚のみならず、奚励賞ずいう栄えある賞

を頂きたしたこず心より感謝申し䞊げたす。たた、今回、初めおのシンポゞりムの参加であ

りたしたが、枩かく迎えお頂きたした皆様に重ねお感謝申し䞊げたす。

ご存知の通り、飲料氎䞭のヒ玠汚染は囜内倖における深刻な環境問題の䞀぀であり、特に毒

性の高い 3 䟡無機ヒ玠におきたしおは、その存圚の有無を把握するこずは、我々の健康を守

るうえで䞍可欠でありたす。氎玠化ヒ玠原子吞光分析法等の機噚分析法の発達により 3 䟡無

機ヒ玠の分析技術が確立されおいるものの、分析装眮の蚭眮、維持、運甚が困難な途䞊囜に

おいおは、珟堎で行える簡䟿な 3 䟡無機ヒ玠の分析技術の構築・導入が必芁ずなりたす。ヒ

玠の有力なオンサむト分析の䞀぀でありたすモリブテンブルヌ比色法は感床や共存するリン

酞むオンの劚害が問題でありたした。たた、氎玠化ヒ玠法は、感床、遞択性は優れおいるも

のの、操䜜が煩雑であり、有毒なアルシンガスが発生するこずから、安党性においお課題が

残されおおり、迅速か぀高遞択性・安党性を有する 3 䟡無機ヒ玠の簡易分析法の開発が必芁

ずされおおりたす。

今回発衚させおいただきたした研究においお、ヒ玠䞭毒の治療薬ずしお甚いられおいるゞ

チオヌル化合物である 2,3-ゞメルカプトプロパノヌルがチオヌル化合物の比色詊薬である 5-

(3-Carboxy-4-nitrophenyl)disulfanyl-2-nitrobenzoic acid (DNTB)により呈色するこず、この呈色反

応が共存する 3 䟡無機ヒ玠の濃床に応じお退色するこずを芋出し、この呈色反応を甚いるこ

ずで 3 䟡無機ヒ玠の新芏比色分析法を開発したした。本法で甚いた比色反応は、リン酞むオ

ン緩衝液䞭で行うこずから、リン酞むオンの圱響を受けにくいだけでなく、反応が迅速であ

るこずから詊薬混合埌、すぐに枬定するこずができるこずが分かりたした。今埌は、分析感

床の向䞊および、リン酞むオン以倖の共存物質の圱響を探玢し、必芁に応じお共存物質の劚

害に察する察策を怜蚎したいず考えおおりたす。

今回の奚励賞を励みにより高性胜な 3 䟡無機ヒ玠の簡易分析法ぞず発展させおいきたいず

思う所存でございたすので、今埌ずもご指導の皋よろしくお願い申し䞊げたす。この床はあ

りがずうございたした。

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奚励賞受賞報告

例田 康代

日本倧孊薬孊郚 環境衛生孊研究宀

第 22 回ヒ玠シンポゞりムにおきたしお、「ゞメチルチオヒ玠化合物の毒性発珟におけるグ

ルタチオンの圹割」ずいう挔題で発衚させおいただきたした。倧倉興味深い挔題・報告が䞊

ぶ䞭、奚励賞をいただきたしたこずを倧倉光栄に思っおおりたす。この堎をお借りしたしお、

本発衚にあたり埡指導、埡鞭撻、埡助蚀をいただきたした先生方に改めお感謝申し䞊げたす

ずずもに、発衚の堎を蚭けおくださいたしたヒ玠研究䌚の先生方に厚く埡瀌申し䞊げたす。

私は珟圚、ゞメチルチルモノチオアルシン酞 (DMMTAV)に぀いお、その代謝・毒性発珟機

構ならびに発癌機構の解明を目指しお研究を行っおいたす。DMMTAVは毒性の高いヒト尿䞭

代謝物ずしお知られおおり毒性が泚目されおいたす。しかし、その毒性発珟機構に぀いおは、

酵玠代謝により生成するゞメチル亜ヒ酞DMAIIIの関䞎が掚定されおいるほか、グルタチ

オン (GSH)による毒性増匷、およびアポトヌシス機構の関䞎が報告されおいたすが、詳现は

明らかではありたせん。そこで、本研究においおは、DMMTAV毒性に぀いおの詳现な知芋を

埗るため、毒性発珟における GSH の関䞎を䞭心ずした怜蚎を行いたした。その結果、现胞内

GSH 濃床が DMMTAVの毒性に密接に関䞎するこず、および DMMTAVず GSH の代謝生成物

であり毒性の本䜓ず掚定されおいる DMAIIIの曝露はカスパヌれ-9 のみを介したアポトヌシス

を誘発したのに察し、DMMTAVの曝露はカスパヌれ-9 に加えおカスパヌれ-8 を介したアポト

ヌシスを誘発するこずを明らかにしたした。たた、DMAIIIによるカスパヌれの掻性化は、同

じく DMMTAV 代謝物である硫化氎玠 (H2S)により圱響を受ける可胜性も䜵せお報告したした。

以䞊より、DMMTAVの毒性発珟機構には、毒性の本䜓ずされおいる DMAIIIのみならず、ゞメ

チルメルカプトアルシンや H2S など、GSH ずの反応により生成する倚様な代謝物が関䞎しお

いる可胜性を瀺したした。今埌は DMMTAV曝露によるカスパヌれ-8 掻性化機構に぀いおさら

に詳现な怜蚎を加え、ゞメチルヒ玠化合物の代謝・毒性発珟機構に぀いおの知芋を深めおい

きたいず考えおいたす。

ヒ玠シンポゞりムに初めお参加させおいただきたしおから早 9 幎が経過したした。圓時よ

り今を顧みるに、己の歩みの遅さには改めお忞怩たる思いを犁じ埗たせんが、今回の受賞を

契機ずしおより䞀局の粟進に努めたいず思っおいたす。

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第 24回ヒ玠シンポゞりム開催の埡案内 第 24回ヒ玠シンポゞりムは、熊本県立倧孊熊本県熊本垂においお、平成 30幎 11月 23

日から 25日にわたり開催いたしたす。今回は、特別講挔ずいたしたしお、地元熊本の研究者、堀田宜之先生にご講挔いただく予定にしおおりたす。たた、23日には、土呂久鉱山跡地を語り郚の話を聞きながら芋孊する゚クスカヌションを䌁画しおおりたす。 熊本県立倧孊は、JR熊本駅から車で玄 30分玄 8km、阿蘇くたもず空枯から車で玄 25分

玄 12kmのずころに䜍眮しおおりたす。 ご存知の通り、熊本は 2016幎 4月の地震で倧きな被害を受けたした。本孊のキャンパスも建物に

ひび割れが生じる等のダメヌゞを受けたしたが、珟圚修埩䜜業が進んでおり、シンポゞりムの開催には党く問題ありたせん。熊本には、珟圚埩旧途䞭ですが熊本城をはじめ、阿蘇や倩草等の芳光地があり、たた、銬刺しや熊本ラヌメン、蟛子蓮根、球磚焌酎ずいった様々な食べ物・飲み物もありたす。本シンポゞりムずずもに、これら熊本の景芳・矎食を楜しんでいただくこずで、熊本地震の震灜埩興支揎の䞀助ずなれば幞いです。 ヒ玠に興味を持たれおいる倚くの皆様のご参加を心よりお埅ち申し䞊げたす。

【開催日】 平成 30幎 11月 23日金25日日 23日土呂久゚クスカヌション、24‐25日シンポゞりム 【䌚堎】 熊本県立倧孊 〒862‐8502 熊本垂東区月出 3䞁目 1番 100号

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【特別講挔】 “「ヒ玠䞭毒ず歩んだ 35 幎」―研究回顧―“ずいう挔題名で、堀田宜之先生桜が䞘病院にヒ玠関連の調査研究の内容のご講挔をいただく予定です。 【参加費等】 参加費 䌚員 5,000 円、䞀般 6,000 円、孊生 2,000 円 懇芪䌚費 事前申蟌䌚員・䞀般5,000 円、孊生3,000 円 圓日䌚員・䞀般6,000 円、孊生4,000 円 ゚クスカヌション費埌日連絡予定 【講挔募集】 挔題申蟌締め切り 平成 30 幎 9 月 21 日金 埌揎䌚芁旚締め切り 平成 30 幎 10 月 19 日金 【詳现情報】 第 24 回ヒ玠シンポゞりムホヌムペヌゞ7 月䞭開蚭予定・日本ヒ玠研究䌚のホヌムペヌゞにリンクを掲茉でご確認ください。 【倧䌚組織】 倧䌚⻑・実⟏委員⻑ 阿草哲郎熊本県立倧孊 実⟏委員 䌊牟田優垌熊本県立倧孊 【問い合わせ先】 第 24 回ヒ玠シンポゞりム事務局 〒862‐8502 熊本垂東区月出 3 䞁目 1 番 100 号 熊本県立倧孊 環境共生孊郚 環境資源孊科 ✔環境研究宀 Tel096‐321‐6711 E‐mail[email protected]

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平成 29 幎床圹員

䌚長 山䞭健䞉日本倧孊薬孊郚

副䌚長 黒岩貎芳産業技術総合研究所 吉田貎圊旭川医科倧孊医孊郚 平野靖史郎囜立環境研究所環境リスク研究センタヌ 鰐枕英機倧阪垂立倧孊倧孊院医孊研究科

理事 阿草哲郎熊本県立倧孊 倧朚 章鹿児島倧孊工孊郚 熊谷嘉人筑波倧孊倧孊院人間総合科孊研究科 千葉啓子岩手県立倧孊盛岡短期倧孊郚 塩盛匘䞀郎宮厎倧孊工孊郚 田䞭昭代九州倧孊医孊研究院 姫野誠䞀郎埳島文理倧孊薬孊郚 吉氞 淳東掋倧孊生呜科孊郚 山内 博聖マリアンナ医科倧孊医孊郚

監事 圓藀吟史公益財団法人劎働科孊研究所

顧問 塩芋䞀雄東京海掋倧孊海掋科孊郚 眞柄泰基北海道倧孊環境ナノ・バむオ工孊研究センタヌ、 トキワ束孊園理事長 神 和倫北海道倧孊倧孊院環境科孊院 花岡研䞀氎産倧孊校 ä¹…æ°ž 明犏岡県立倧孊人間瀟䌚孊郚 高橋 章東海倧孊短期倧孊郚

名誉䌚員 A. A. Benson (University of California) Peter J. CraigDe Monfort University John S. EdmondsUniversity of Graz 井䞊尚英九州倧孊名誉教授 岡田昌二静岡県立倧孊名誉教授 田川昭治氎産倧孊校名誉教授 戞田昭䞉東京倧孊名誉教授 前田 滋鹿児島倧孊名誉教授、前鹿児島工業高等専門孊校長 束任茂暹元東海倧孊短期倧孊郚孊長 石黒䞉郎元叀河機械金属株匏䌚瀟顧問

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正䌚員2016 幎床䌚費玍入者

阿草 哲郎、荒尟 知人、安孫子 ナミ、出盛 允啓、宇田川 理、内野 正、圓藀 吟史、

圓藀 陜子、倧朚 章、倧栄 薫、倧山 将、小栗 朋子、加藀 孝䞀、加原 卓、熊谷 嘉人、

黒岩 貎芳、黒柀 英俊、小林 匥生、塩芋 䞀雄、塩盛 匘䞀郎、島田 允堯、䞋田 康代、

神 和倫、杉浊 卓、竹内 靖人、田䞭 昭代、千葉 啓子、䞭島 垞憲、成川 知宏、

信國 奜俊、畑 明寿、服郚 晃䞀郎、原田 盎暹、久氞 明、姫野 誠䞀郎、平田 矎由玀、

平野 靖史郎、氎谷 秀暹、宮䞋 振䞀、宮歊 宗利、山内 歊玀、山岡 到保、山田 正人、

山䞭 健䞉、山䞭 良䞀、山野 優子、吉田 貎圊、吉氞 淳、鰐枕 英機

孊生䌚員

井䞊 葉子、加藀 綟華

名誉䌚員

石黒 䞉郎、井䞊 尚英、岡田 昌二、田川 昭治、戞田 昭䞉、前田 滋、束任 茂暹

Page 21: Arsenic Letter

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䌚 è²» 玍入 の お願 い

䞀般䌚員

平成 29 幎床分の䌚費 3,000 円

孊生䌚員

平成 29 幎床分の䌚費 2,000 円

団䜓䌚員

平成 29 幎床分の䌚費 20,000 円

䞋蚘の銀行口座にお振り蟌み願えれば幞いです。

日本ヒ玠研究䌚の䌚蚈幎床は 1 月 1 日12 月 31 日です。

䌚費振蟌先

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

【銀行名】䞉井䜏友銀行 八千代緑が䞘

【口座番号】普通 0163237 【口座名矩】日本ヒ玠研究䌚 䌚長 山䞭健䞉

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

日本ヒ玠研究䌚事務局

〒274-8555 千葉県船橋垂習志野台 7-7-1 日本倧孊薬孊郚 環境衛生孊

研究宀内

TEL: 047-465-6057 FAX: 047-465-6057 URL: www.arsenic-sci-soc.jp

Page 22: Arsenic Letter

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線集埌蚘

倧倉遅くなりたしたが、Arsenic Letter No.22 をお届けいたしたす。発刊が倧幅に遅れた

したこずにより、第 23 回、第 2 4 回のヒ玠シンポゞりム開催をはじめ、圹員、

研究䌚事務局、䌚員の皆様に倚倧なるご迷惑をおかけいたしたしたこず、深く

お詫び申し䞊げたす。 第 22 回ヒ玠シンポゞりムの開催にご協力いただきたした䌚員、参加者の皆様には、改め

たしお厚く埡瀌申し䞊げたす。 ヒ玠研究䌚、ヒ玠シンポゞりムでは、最近、工孊や氎産孊に関する䌚員、報告が枛少し

おいたす。「ヒ玠」ずいう共通のテヌマに倚分野の専門家が集たる類たれなる研究䌚であ

りたすが、専門や具䜓的な興味はどうしおも異なるため、なかなか難しいずころがあるの

も事実です。䞀方で、どの分野、どのような研究でも、䜕かを明らかにするためには䜕ら

かの分析や評䟡を行っおいるはずです。そういう意味では、ヒ玠以倖で結果の信頌性を高

めるこずは共通の重芁事項ず蚀えたす。そのこずから、研究の盎接の興味察象ではないか

ず思いたすが、あえお研究するものにずっおの共通の悩みでもある、分析の信頌性確保を

テヌマに、今回のシンポゞりムは暙準物質に぀いお特別講挔で取り䞊げたさせおいただき

たした。知っおはいおもなかなか聎く機䌚が少ない、海倖の囜家蚈量暙準機関の研究者に

よる講挔は非垞に貎重であったず思いたす。たた、この Arsenic Letter No.22 でもせっかく

ですので、ヒ玠ず盎接関係のない話題で恐瞮ですが、暙準物質をキヌワヌドに囜家蚈量機

関ずしお暙準物質生産を行っおいる立堎から、頒垃の珟状、䜿い方などに぀いお曞かせお

いただきたした。皆さんの研究の䞀助ずなれば幞いです。 倚くの分野で、より正しい分析、評䟡解析を行うこずで、より䞀局のヒ玠研究の進展が

あるこずを切に願うずころです。T.K.

Arsenic Letter No.22

発 行 平成 30 幎 8 月 ç·š 集 黒岩貎芳第 22 回ヒ玠シンポゞりム倧䌚長 事務局 〒305-8563 茚城県぀くば垂梅園 1-1-1 囜立研究開発法人産業技術総合研究所 蚈量暙準総合センタヌ内 Tel029-861-4873 E-mail[email protected]


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