12
サイクル機構技報 No 6 2000 3 研究報告 81 はじめに 温度の異なる冷却材が合流する箇所では、その 混合により冷却材温度ゆらぎが生じ、これに接す る構造部材にはその温度ゆらぎが伝播する。さら に、構造部材に伝播した温度ゆらぎの振幅や繰り 返し数が大きい場合には、熱応力により機器構造 に疲労破損が生じる可能性がある。このため、流 体温度ゆらぎによる熱疲労の発生を防止すること は、原子力プラントにおける重要課題の一つとな っている。 この現象は、冷却材の熱流動と構造の熱的応答 が複雑に関連し合う結果、非線形性が卓越したも のとなり、また温度ゆらぎの振幅や周波数の特性 は、評価対象となる形状などに強く依存して大き く変化する。このため、従来、設計等においてこの 現象を評価する場合には、実寸大モックアップ装 置による実験が個々に必要であり、膨大な時間と 費用が必要とされる結果、原子炉設計へのフィー ドバックを困難なものとしていた。上記の課題と 問題点を受け、サイクル機構では、実験的アプロ 資料番号69 Validation of Numerical Method for Thermal Striping Phenomena with Actual Plant Data Toshiharu MURAMATSU Naoto KASAHARA System Engineering Technology Division, O-arai Engineering Center 高速炉の熱流動課題の一つであるサーマルストライピング現象を解析的に評価できるようにするた め、熱流動、構造、破壊に対する解析コード群を統合した解析評価システムを構築した。このシステム をフランス高速原型炉「フェニックス」の 2 次主冷却系配管の枝管合流部下流側で発生したサーマルス トライピングによるき裂発生事象(国際原子力機関主催の国際ベンチマーク演習)に適用し、実炉デー タ(配管外壁上での平均温度分布と温度ゆらぎ振幅分布、初期き裂発生までの時間、熱サイクル印加に 対するき裂進展特性など)との比較検討を通じて当核システムの適用性を明らかにした。また、実炉で のサーマルストライピング評価では、流体中の温度ゆらぎが構造物内に伝幡するまでの過程における各 種減衰要因を厳密に考慮するとともに、溶接部などの不連続部分での強度低減要因を適切に評価する必 要があることを明らかにした。 A numerical combined method, which consists of computer programs for thermohydraulics, structural mechanics and fracture mechanics, was formulated to simulate thermal striping phenomena as one of the key problems from the standpoint of high-cycle thermal fatigue for structural components in fast breeder reactors (FBRs). An actual thermal striping phenomenon occurred at a tee junction piping system of the French FBR Phenix was evaluated using the combined method in the framework of an IAEA (International Atomic Energy Agency) benchmark exercise. A comparison between numerical results and the Phenix data concluded that the combined method has a sufficiently high accuracy potential to predict the thermal striping conditions, such as mean temperature distributions on the pipe surface, crack initiation, and propagation characteristics. キーワード 高速増殖炉、サーマルストライピング、熱疲労、数値解析、熱流動、構造力学、破壊力学、ベンチマー ク演習、配管T次継手 Fast Breeder Reactor, Thermal Striping, Thermal Fatigue, Numerical Simulation, Thermohydraulics, Structural Mechanics, Fracture Mechanics, Benchmark Exercise, Tee Junction Pipe

Validation of Numerical Method for Thermal Striping Phenomena

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Page 1: Validation of Numerical Method for Thermal Striping Phenomena

サイクル機構技報 No.6 2000. 3

研究報告 81

1.はじめに温度の異なる冷却材が合流する箇所では、その

混合により冷却材温度ゆらぎが生じ、これに接する構造部材にはその温度ゆらぎが伝播する。さらに、構造部材に伝播した温度ゆらぎの振幅や繰り返し数が大きい場合には、熱応力により機器構造に疲労破損が生じる可能性がある。このため、流体温度ゆらぎによる熱疲労の発生を防止することは、原子力プラントにおける重要課題の一つとなっている。

この現象は、冷却材の熱流動と構造の熱的応答が複雑に関連し合う結果、非線形性が卓越したものとなり、また温度ゆらぎの振幅や周波数の特性は、評価対象となる形状などに強く依存して大きく変化する。このため、従来、設計等においてこの現象を評価する場合には、実寸大モックアップ装置による実験が個々に必要であり、膨大な時間と費用が必要とされる結果、原子炉設計へのフィードバックを困難なものとしていた。上記の課題と問題点を受け、サイクル機構では、実験的アプロ

資料番号:6-9 Validation of Numerical Method for Thermal Striping Phenomena

with Actual Plant Data

Toshiharu MURAMATSU Naoto KASAHARA

* System Engineering Technology Division, O-arai Engineering Center

高速炉の熱流動課題の一つであるサーマルストライピング現象を解析的に評価できるようにするた

め、熱流動、構造、破壊に対する解析コード群を統合した解析評価システムを構築した。このシステム

をフランス高速原型炉「フェニックス」の 2 次主冷却系配管の枝管合流部下流側で発生したサーマルス

トライピングによるき裂発生事象(国際原子力機関主催の国際ベンチマーク演習)に適用し、実炉デー

タ(配管外壁上での平均温度分布と温度ゆらぎ振幅分布、初期き裂発生までの時間、熱サイクル印加に

対するき裂進展特性など)との比較検討を通じて当核システムの適用性を明らかにした。また、実炉で

のサーマルストライピング評価では、流体中の温度ゆらぎが構造物内に伝幡するまでの過程における各

種減衰要因を厳密に考慮するとともに、溶接部などの不連続部分での強度低減要因を適切に評価する必

要があることを明らかにした。

A numerical combined method, which consists of computer programs for thermohydraulics, structural

mechanics and fracture mechanics, was formulated to simulate thermal striping phenomena as one of the key

problems from the standpoint of high-cycle thermal fatigue for structural components in fast breeder reactors

(FBRs). An actual thermal striping phenomenon occurred at a tee junction piping system of the French FBR

Phenix was evaluated using the combined method in the framework of an IAEA (International Atomic Energy

Agency) benchmark exercise.

A comparison between numerical results and the Phenix data concluded that the combined method has a

sufficiently high accuracy potential to predict the thermal striping conditions, such as mean temperature

distributions on the pipe surface, crack initiation, and propagation characteristics.

キーワード

高速増殖炉、サーマルストライピング、熱疲労、数値解析、熱流動、構造力学、破壊力学、ベンチマー

ク演習、配管T次継手Fast Breeder Reactor, Thermal Striping, Thermal Fatigue, Numerical Simulation, Thermohydraulics,

Structural Mechanics, Fracture Mechanics, Benchmark Exercise, Tee Junction Pipe

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サイクル機構技報 No.6 2000. 3

82 研究報告

ーチと数値解析的アプローチとの適切な補完手順の確立を目的として、汎用性、迅速性などに優れた数値解析手法による評価システム1)~9)をこれまで開発してきた。当該現象に対する解析的評価手法確立のニーズは

世界的に認識され、国際原子力機関(InternationalAtomic Energy Agency;IAEA)では、同手法開発の現状を把握するとともにその高度化を図ることを目的として、フランス高速原型炉「フェニックス」の 2 次主冷却系配管で発生した冷却材温度ゆらぎによる高サイクル熱疲労によるき裂発生事象(サーマルストライピング)をベンチマーク問題として取り上げ、国際共同研究を実施した

(1996-1998)。この共同研究では、7 カ国 9 機関から提示された熱流動及び構造に対する解析結果の討論、さらにはフェニックス炉で測定された配管外壁温度ゆらぎデータ等との比較・検討が実施された。本報では、サイクル機構が提示したベンチマー

ク解析結果と実炉データとの比較結果について述べる。

2.解析的評価システムの概要流体温度ゆらぎに起因した熱疲労現象に対する

解析的評価システムの構成を図 1 に、また各解析コードの主要目を表 1 に示す。同システムの特徴

Note:FDM (Finite Difference Method), ICE (Incompressible Continuous Eulerian), QUICK (Quadratic Upstream Interpolation for Convective Kinematics), ICCG(Incomplete Choleski Conjugate Gradient), ASM (Algebraic Stress turbulence Model), RSM (Reynolds Stress turbulence Model), DSMC (Direct SimulationMonte Carlo), BEM (Boundary Element Method), FEM (Finite Difference Method)

Items AQUA DINUS-3 THEMIS BEMSET FINAS CANIS

1.Basic Equation or Theory

Time-AveragedN-S Eq.

InstantaneousN-S Eq.

BoltzmannEq.

ThermoelasticLinealized Eq.

ThermoelasticTheory

Linear FractureMechanics Theory

2.Mathematical ModelsDescretization Solution AlgorithmApprox. Method forConvection Terms

Boundary Elements

Matrix SolverCoordinate System

FDMModified ICE

2nd OrderQUICK

ICCGx-y-z / r-θ-z

FDMLeap-Frog

3rd OrderUpwind

ICCGx-y-z / r-θ-z

NoneDSMC

x-y-z / r-θ-z

BEM

Rectangular

Directx-y-z / r-θ-z

FEMPred. / Corr.

DirectBoundary Fit

Weight Function

3.Physical Models Turbulence Model Molecular Model

Collision ModelMaterial Model

Fracture Mechanics

ASM / RSM NoneMonoatomicSphere

Bird's ModelThermoelasticConstitutive Model

Stress Intensity Fact.

4.Others Numerical Stabilizer Fuzzy Controller Fuzzy Controller

表1 サーマルストライピング評価コードの主要目

図1 サーマルストライピング評価システム

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サイクル機構技報 No.6 2000. 3

研究報告 83

の一つは、時間平均モデルに基づく汎用多次元乱流解析コードの役割と局所瞬時モデルによる乱流直接シミュレーションコードとの役割を明確に分離し、乱流直接シミュレーションコードが計算機に要求する性能を可能な限り低減させていることにある。すなわち、汎用多次元乱流解析コード(AQUA1))に温度ゆらぎ強度の定量的な推定と、これに基づく評価対象領域の限定の役割を持たせることにより評価上の解析対象領域を狭め、これを受けて乱流直接シミュレーションコード(DINUS-31))が境界層内温度ゆらぎ減衰効果を考慮した温度ゆらぎ時系列挙動の推定と、温度ゆらぎ頻度分布特性の評価を行うものである。一方、境界層による温度ゆらぎ減衰効果と構造

材の熱容量を考慮した乱流直接シミュレーションコードによる温度ゆらぎ時系列挙動の評価では、時間的に不規則に変動する温度ゆらぎ場における熱伝達係数を規定する必要がある。従来工学分野で使用されている同係数は、強制あるいは自然対流場における時間平均量として定義されていることから、ここで対象とするような境界層厚さや温度差が時間空間的に不規則に変動する挙動の評価には用いることができない。このため、分子運動論でのボルツマン方程式を直接法モンテカルロモデルによって解くことにより、流体と構造物との間における単位時間単位面積当たりの移動熱量を時々刻々評価して非定常熱伝達係数を規定する(THEMISコード10))。構造物の熱的応答特性は、熱伝導線形化式を基礎式とし、これを境界要素法によって離散化して解析評価する(BEMSETコード11))。なお、同評価システムでは、DINUS- 3コードと BEMSETコードにより時々刻々評価される構造物の表面温度を境界条件とし、両コード間での繰返し過程を形成する。具体的には、それぞれのコードで評価される熱流束値が一致するまで繰返しを行って、最終的に構造物表面での温度を規定する。以上の熱流動解析コード群で計算された温度ゆ

らぎは 2 通りの方法で有限要素法による構造解析コードFINAS8)に受け渡すことができる。その一つはBEMSETコードで計算された構造内部の温度分布を直接FINASコードの応力解析モデルに入力する方法である。この場合、両者のモデル形状を厳密に一致させておく必要があるが、熱伝達係数設定に係わる不確定性を排除できるというメリットがある。他の一つは、DINUS- 3 コードによって得られた構造近傍の流体温度を熱伝達係数を介してFINASコードの熱伝導モデルの表面に与え

る方法であり、熱伝達係数の設定法にかかわるあいまいさが残るものの、溶接部の局所形状等、熱流動解析でモデル化されない構造物特有の形状を考慮出来る利点がある。なお、この場合の熱伝達係数は、前者の方法による結果と比較することにより、適切に設定することが可能である。以上の2 種類の方法によって、構造物に生じる熱応力とひずみの履歴を得ることができる。さらに、応力とひずみの時系列データを波形分解することによって繰り返しひずみ範囲と繰り返し数を求め、材料の疲労線図に基づいて疲労損傷値を算出し、き裂発生の可能性を判断する。上記評価による結果から、き裂が発生すると予

測される場合には、初期き裂深さを規定するとともに、FINASコードによって得られた応力分布から有効応力拡大係数範囲ΔKeffを破壊力学解析コードCANIS9)を用いて計算し、材料のき裂進展データと比較することによってき裂進展特性を評価する。

3.国際ベンチマーク問題の概要ベンチマーク問題の評価対象部位は、フェニッ

クス炉の 2 次主冷却系配管枝管合流部(図 2 )である。当該部位では、定格負荷運転時に主冷却配管内を340℃の低温ナトリウムが800kg/sで流れ、曲率半径762mmの90°エルボ通過後900mmの位置で、水漏洩検出系枝管内を流れる高温ナトリウム(430℃、7 kg/s)と合流する。さらにこの160mm下流側に主配管溶接線が位置し、90,000時間運転後にここで貫通き裂が発見された。ベンチマーク問題は、図 2 に示した幾何形状デ

ータとプラント運転時における配管出入口の流量と温度のみを用いて高サイクル熱疲労特性の解析・評価を行い、

図2 フェニックス炉2次主冷却配管系の構成

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サイクル機構技報 No.6 2000. 3

84 研究報告

① 冷却材混合領域の熱流動特性(混合領域の空間位置及び疲労評価の対象とすべき配管部位)、

② 上記部位での平均温度分布、③ 図 3 に示す熱電対設置位置での温度ゆらぎ時系列及びパワースペクトル密度、

④ 熱疲労評価の対象とすべき主配管部位、⑤ 熱疲労による、き裂発生の有無、初期き裂発生までの時間、熱サイクル印加に対するき裂進展特性及び90,000時間経過後のき裂深さ

を提示するものである。

4.流体ー構造熱的連成解析4.1 解析条件熱流動解析に使用したモデルを図 4 に示す。解

析範囲は、枝管を含む垂直直管部であり、枝管中心を基準として上流側85mm、下流側620mmの合計705mmの領域である。なお今回の解析体系は単純な垂直円管であることから、AQUAコードに

よる解析範囲の限定は行わず、DINUS- 3 コードとBEMSETコードとを用いた熱的連成解析のみとした。また、DINUS- 3 コードによる熱流動解析では、境界層内の熱流動挙動を解像できる程度の細メッシュ(0.1mm)を主配管内壁近傍領域に用いることから、THEMISコードによる非定常熱伝達係数の規定は行わないこととした。図 5 にDINUS- 3 解析に用いたメッシュ分割

を、図 6 にBEMSET解析に用いた境界要素分割を示す。入口境界条件の設定では、枝管合流部の上流側

に90°エルボが存在するため、これにより発生する 2 次流れを考慮する必要がある。このため、広島大学で実施された類似試験結果12), 13)を内外挿することによって図 7 に示すようにこれを設定し、図 4 内の k=1 位置(入口境界メッシュ)に与えた。なお、主配管内の流れが高乱流条件の場合には、90°エルボ端からの距離を指標として物理量の内外挿処理が可能であることが同実験により確

図3 主配管外壁温度測定用熱電対の設置位置

図4 熱流動評価用解析モデル 図5 DINUS-3解析に用いたメッシュ分割

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サイクル機構技報 No.6 2000. 3

研究報告 85

認されていることから、ここで用いた境界条件設定法は妥当であると考えられる。表 2 にDINUS-3 コードによる解析で用いた境界条件をまとめる。

4.2 解析結果図 8 に、枝管合流部を含む周方向位置(J=39)

における流速ベクトル及びナトリウム温度の垂直(r-z)断面瞬時分布を示す。なお、図示した結果では、主配管中心軸(r=0)による状態量の不連続部(主配管中央領域)が認められるが、評価上重要な枝管近傍における熱流動特性への影響は無視し得る程度に小さい。結果より分かるとおり、枝管から流出した高温ナトリウムは、主配管内を垂直に上昇する低温ナトリウムにより、約60度の角度をもって下流側に押し流される。なお、この高温ナトリウムによる噴流の下流側直下では、主配管内の平均圧力に比べて動圧が相対的に低下するため、不安定かつ不規則な流れ場を形成して局所的な循環渦を発生させるとともに、これによる高温ナトリウム塊の分裂・移動が発生する。図 9 に、枝管合流部を含む半径方向位置(I=

20)での流速ベクトル及びナトリウム温度の周方向(θ-z)断面瞬時分布を示す。結果にみられるように、枝管から流出した高温ナトリウム噴流

図6 BEMSET解析に用いた境界要素配置

図7 DINUS-3解析に用いた入口流速境界条件

表2 DINUS-3解析に用いた境界条件

Main Pipe Branch Pipe

Inlet

VelocityTime-Averaged Velocity Distributionwith Secondary Flows (See Fig.7),and without Velocity Fluctuations.

Cross-Sectional-Averaged UniformVelocity Distribution without SecondaryFlows and without Velocity Fluctuations.

EnergyConstant Temperature

(340℃)Constant Temperature

(430℃)

Outlet

Velocity∂U ∂V ∂W 1-ーー=-ーー=-ーー= 0∂Z ∂Z ∂Z 1

Energy∂T 1-ーー= 0∂Z 1

SolidWall

VelocityStrict Cohesion Condition on

the Wall SurfaceStrict Cohesion Condition on

the Wall Surface

EnergyThermal Interaction Boundarywith the BEMSET Code using

Heat FluxesAdiabatic Condition

図8 DINUS-3コードによる流速ベクトル及びナトリウム温度の瞬時分布(r-z面)

図9 DINUS-3コードによる流速ベクトル及びナトリウム温度の瞬時分布(θ-z面)

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86 研究報告

が主配管壁に沿って左右に振動しながら下流側に押し流される。これは、枝管からの高温ナトリウムが主配管内において柔な障害物の役割を果たしたことによって生じた一種の後流渦に起因した流動であると推察される。さらに、枝管から流出した高温ナトリウム噴流の両脇から、おおむね左右対称に下流側に広がる高温領域が認められる。これは、噴流両外縁から剥離する流れに起因するものである。

4.3 考察図10に主配管内壁隣接流体セル(内壁表面から

0.1mm位置)及び主配管内壁表面におけるナトリウム温度の周方向(θ-z)断面瞬時分布を示す。両者の比較結果より、流体中から主配管内壁までの0.1mmの区間で、枝管から流出した高温ナトリウム領域が大きく減衰している様子が分かる。周方向溶接線上に取り付けられた熱電対T/C-5 位置(図 3 参照)における主配管半径方向の流速及び温度(最大温度差90℃による規格化値)の時間平均分布を図11に示す。半径方向温度分布の傾向

では、枝管から流出した高温ナトリウムが主配管内壁表面から100mm程度の位置まで浸入し、主配管内壁表面に向かって穏やかに低下する。さらに、境界層を経て主配管構造内に向かう熱輸送の過程では、境界層の通過、流体から構造材への熱伝達、構造材内での熱伝導の各作用によって、温度が急激に低下する。図12は、解析によって得られた熱流動解析の結

果から推定した枝管合流部下流側での流体混合メカニズムを模式的に示したものである。枝管合流部の下流側には、後流渦列による横渦支配領域(約 8 Hzの優勢周波数が存在)及び枝管からの高温ナトリウム噴流の剥離流れと主配管内 2 次流れとの相互作用によって生じたと考えられる縦渦支配領域( 1 Hz以下の低周波振動が存在)が形成される。なお、フェニックス炉での高サイクル熱疲労による貫通き裂は、主配管周方向溶接線と縦渦支配領域とが交差する周方向 2 箇所(枝管中心より主配管周方向に約97mmの位置)で発生している。

5.構造熱応力・破壊力学解析5.1 熱応力解析評価⑴ 解析条件前章に示した熱流動解析の結果、温度ゆらぎの

最大振幅は、図12に示すき裂発生点近傍(縦渦支配領域内)で生じた(次章で詳述)。構造健全性評価の観点から最大温度ゆらぎ振幅が発生した位置に着目し、図13に示したFINASコードによる 1次元軸対称モデルに当該部の温度履歴を熱的境界条件として与え、温度ゆらぎ印加に対する熱応力の変動成分を評価することとした。なお、熱的境界条件として与える熱伝達係数の値は、温度ゆらぎ高周波成分に対する構造物の熱的応答特性を大

図11 熱電対No.5位置における流速及び温度の時間平均半径方向分布

図10 主配管内壁近傍ナトリウム温度と主配管内壁温度との比較(θ-z面)

図12 配管合流部下流領域における流体混合メカニズム

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研究報告 87

きく左右する。このため、DINUS- 3 コードによる構造表面近傍の温度履歴を熱伝達係数を介してFINASコードの熱伝導解析モデルに与えた場合の結果が、BEMSETコードにより評価された温度分布と同等になるように熱伝達係数を調整した。次にFINASコードによる構造内の 1 次元非定常

熱伝導解析によって得られた温度分布を、同じ幾何形状のFINAS応力解析モデルの各節点に入力することによって熱弾性解析を行った。ここで材料物性値は、ベンチマーク問題で示された304SS鋼のデータに基づき、温度依存性を考慮して使用した。溶接部は母材に比べて疲労強度が低下するた

め、強度評価を行う場合にはこれを考慮する必要がある。特に配管溶接では内面余盛の処理が出来ないため、余盛端の応力集中に対する配慮が重要となる。このため、図13に示した溶接余盛形状を考慮した 2 次元軸対称解析モデルを用いて熱弾性解析を行い、1 次元軸対称解析モデルによる解と比較することによって応力集中係数を評価した。なお、余盛形状については、き裂発生部の拡大写真をディジタイザで読みとることにより正確にモデル化し、またメッシュ分割については、要素サイズへの依存性が無視できる詳細モデルを使用した。熱疲労に対する切り欠き感度は必ずしも明確ではないが、ここでは応力集中係数を強度低減係数として使用することとした。これまで主として応力の変動成分について述べてきたが、片振幅が材料の降伏点を大きく上回らない高サイクル疲労挙動では、平均応力がき裂発生寿命に影響を与える。またこの平均応力は、き裂の開閉口を規定することからき裂の進展評価に重要な役割を果たす。本ベンチマーク問題では、配管のモーメント

と反力F、及び内圧が与えられており、配管に関する設計評価式14)を用いてこれらによる平均応力を評価した。一方、平均応力は、ホットスポットによる配管

内の局所的熱膨張によっても生じる。この評価を行うためには時間平均温度分布が必要となることから、別途AQUAコードにより定常熱流動解析を行い、得られた温度分布をFINASコードの 3 次元シェルモデル(図13)に与えて周方向溶接線近傍の平均応力を評価した。なお、板厚方向に10点の積分点を有するシェル要素を用いて、板厚方向の非線形な温度分布を考慮するとともに、溶接部においてはこれらの他に溶接残留応力(ベンチマーク問題指示値)も平均応力として重畳させた。以上より、応力の変動成分と平均成分を得る。

次にき裂発生の有無を評価するため、応力集中係数とベンチマーク問題として与えられた配管の内圧や自重に起因した平均応力(機械荷重)を考慮し、次式のMiner則と材料の疲労曲線から疲労損傷係数Dfを評価した。

……⑴

log10 {Nf(Δεti)}-1/2=

-1.5715+1.134log10Δεti-1.3081(log10Δεti)2

+2.3919(log10Δεti)3-1.3541(log10Δεti)

4

……⑵

ここで、Miner則の適用に必要なひずみ範囲Δεti(応力範囲と材料の応力ひずみ関係から規定)及びその繰り返し数Niをランダムな応力履歴から求めるために、レインフロー法15)を使用して波形

図13 FINAS解析に用いた有限要素モデル

D NN

fi

f tii

= ( )∑ ∆ε

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88 研究報告

分解を行った。なお、ここで注意すべき点は、実機の運転時間が90,000時間であるのに対し、現在最速のベクトル計算機を 1 カ月使用して得られた熱流動解析結果が、高々10秒間でしかないことである。すなわち、主配管内表面における温度ゆらぎが熱伝導によってその裏面に到達するまでの時間(時定数)が約10秒(主配管材温度伝導度から逆算)であることを考えると、内表面に接する流体温度ゆらぎの片振幅によって発生する熱応力は10秒間の熱流動解析結果で評価することは可能であるものの、温度ゆらぎの往復振幅によって生じる熱応力範囲を求めることは不可能である。しかしながら、約10秒の時定数を十分に上回る長周期の温度ゆらぎに関しては、熱応力の発生要因である主配管板厚の内外面温度差が熱伝導によって大幅に緩和されることを考えると、この長周期ゆらぎの影響を無視できると考えられる。以上より、10秒間での熱応力の絶対値を応力片振幅であると仮定するとともに、その 2 倍の値が熱応力の両振幅であるとし、これが90,000時間中継続して繰り返されたとして熱疲労評価を行った。⑵ 解析結果FINASコードによる 1 次元軸対称熱弾性解析に

よる応力履歴を図14に示す。本図から分かるとおり、最大応力範囲Δσmaxは113MPaである。強度低減要因に関しては、溶接余盛部の応力分布(図15)

から、主要因である余盛始端部の応力集中係数が2.3であることが分かった。また、平均応力については周方向溶接線と垂直方向の成分に着目すると、配管モーメントと内圧による応力が6.65MPa、ホットスポットによる応力が 3 次元シェル解析結果(図16)から75MPaの圧縮応力、また溶接残留応力が材料の降伏応力に相当する124MPaとなった。これらを考慮したFINASコードによる応力の時

刻歴解析結果に基づいて疲労損傷係数Dfを評価した結果、母材では実際の運転時間である90,000時間後でもDfは許容値を下回ったため、き裂の発生は予測されなかった。一方、溶接部では運転開始から約3,600時間後にDfが許容値(1.0)に達し、き裂が発生する予測結果となった。

5.2 破壊力学解析評価⑴ 解析条件き裂の発生が予測される溶接部の余盛端を起点

として、環状き裂を想定したき裂進展特性を破壊力学解析コードCANIS9)により評価した。初期き裂は結晶粒の数倍程度である0.1mmの深さとした。境界条件となる温度ゆらぎによる熱的荷重は、図13の 2 次元有限要素解析による熱応力分布の履歴を考慮した。一例として、解析開始後3.3秒後に境界条件として与えた応力分布を図17に示す。一方、平均応力では、配管モーメントと内圧による応力、ホットスポットによる応力、及び溶接残留応力の重畳を考慮した。なお、破壊力学パラメータとして、応力レベル

が低く小規模降伏が成立する範囲であることか

図14 FINASコードによるピーク応力履歴(1次元モデル)

図15 FINASコードによる周方向溶接部応力分布(2次元モデル)

図16 FINASコードによる周方向応力分布(3次元モデル)

Page 9: Validation of Numerical Method for Thermal Striping Phenomena

サイクル機構技報 No.6 2000. 3

研究報告 89

ら、次式により評価される応力拡大係数範囲ΔKeffを使用した。

ΔKeff=Kmax(1-R)n,

R=Kmin/Kmax,n=0.5 ……⑶

ここで、Kmax及びKminはそれぞれ、応力拡大係数の最大値及び最小値である。き裂進展則と進展データは、304SS鋼母材に対

する450℃-650℃の温度範囲のき裂進展速度da/dN(mm/cycle)とJ積分範囲ΔJ(kgf/mm)の関係16)

da/dN=9.34×10-4・(ΔJ)1.816 ……⑷

及び弾性状態におけるJ積分範囲ΔJと応力拡大係数範囲Keffの平面ひずみ場を仮定した変換式

……⑸

を用いて評価した。ここで、Eは材料のヤング率、νはポアソン比である。式⑶の評価に必要な応力拡大係数のピーク値Kmax及びKminは、重み関数法により評価した。すなわち、板厚断面内の応力分布を 3 次式で近似し、各次数の分布に対する応力拡大係数を重ね合せる方法17)を使用した。⑵ 解析結果応力拡大係数範囲ΔKeffの溶接継手部の板厚断

面方向の分布を図18に示す。図中において、板厚表面近傍でΔKeffがピーク値を持つのは、図17に示すように、板厚表面で最大振幅を有する熱ピーク応力と溶接余盛端部の応力集中によって板厚表面で最大応力が発生し、板厚内部に向かうに従いこの応力が急激に減衰するためである。なお、き裂進展速度は図19のとおりであり、90,000時間以内に 7 mmの板厚を貫通する評価結果となった。

なお、貫通に至るまでの全時間に対し、内表面近傍のき裂進展時間の割合は小さいことから、初期き裂深さの設定値は、最終評価結果に影響を与えないと考えられる。

5.3 考察熱流動解析結果によれば、配管合流部から下流

側に向かうに従い、流体温度ゆらぎが大きくなると同時にその周波数は低くなる。この結果、高い周波数成分に追従しにくい構造の表面では、合流部からやや下流側で最大の温度ゆらぎ振幅が生じた。このため、構造表面での温度振幅を正確に評価するためには、熱伝達メカニズムに対する周波数特性の考慮が必要である。フェニックス炉では、最大温度ゆらぎ振幅が発生する領域近傍に周方向溶接線が存在したため、余盛端部での応力集中により熱応力が拡大され、当該部からき裂が発生した。き裂発生後は、応力集中の範囲は板厚表面近傍に限られること、及び温度ゆらぎにより生じる応力は板厚の内部では急激に減衰することから、き裂が板厚内部に進むに従って進展速度は減少する。さらに、き裂が進展し有意な長さまで達する

図17 FINASコードによる周方向溶接部板厚方向応力分布

∆ ∆JE

Keff2= −1 2ν

図18 周方向溶接部板厚方向における平均応力による応力拡大係数範囲

図19 CANISコードによるき裂進展履歴

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と、進展速度はホットスポットや溶接残留応力等の影響を受けて再び上昇に転じ、やがて貫通に至ったと解釈できる。

6.実炉データとの比較6.1 熱流動特性図20に、熱電対 5 番で測定された 2 種類のサン

プリング時間( 5 秒及び 1 秒)による温度時系列データを示す。結果より分かるとおり、極めて低周波の温度ゆらぎ挙動に比較的高周波の温度ゆらぎ成分が重畳したものとなっている。図21に、当該温度ゆらぎ挙動に対する自己パワースペクトル密度関数を示す。この結果より、特徴的な優勢周波数成分は確認できないものの、極めて低周波の温度ゆらぎ成分が卓越したものであることが分かる。図22に、解析により得られた主配管内壁(周方

向溶接線)上における温度時系列を示す。結果より、主配管に枝管が接続されている主配管周方向中心位置(J=39;T/C-2 設置箇所)から外れた位置に、温度ゆらぎ振幅が大きな領域(J=49;T/C-5 設置箇所近傍)が生じていることが分か

る。この温度ゆらぎ振幅の大きな部分は、枝管から流出する高温ナトリウム噴流の両外縁から剥離することによって生じる縦渦支配領域内に位置する。図23に、枝管中心軸下流側における主配管外壁

上の時間平均温度分布(T/Cs-1, 2, 3, 15及び6)を実炉データと比較する。図中横軸は、枝管内径D(:68mm)を基準とした主配管流れ方向の距離である。結果より分かるように解析結果は、x/D= 4 ~ 5 近傍で主配管内を流れる低温ナトリウム温度(340℃)に漸近する挙動を示し、実炉データと極めて良好な一致を示した。このような高精度な解析結果を得るためには、計算モデル、解析モデル、境界条件などを適切に設定する必要がある。一方、同位置における温度ゆらぎ振幅分布の比

較では、解析結果は実炉データを大きく下回った(図24参照)。この一因は、温度ゆらぎ振幅の算出方法の違いにある。すなわち、実炉データでの温度ゆらぎ振幅が約5,000時間の記録期間内のピークトゥピーク値として整理されたのに対し、解析では高々10秒間の温度時系列データを使用して温

図21 熱電対No.5位置で測定された主配管外壁温度過渡データの自己パワースペクトル密度分布

図20 熱電対No.5位置で測定された主配管外壁温度過渡データ

図23 主配管外壁時間平均温度分布の比較

図22 DINUS-3コードによる周方向溶接線上における主配管内壁温度過渡データ

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度ゆらぎ波形毎の振幅が整理されたためである。つまり、10秒以上の低周波の温度ゆらぎ挙動がその振幅値を支配する当該評価の場合(図21参照)、10秒程度の時系列データによる振幅値は過小評価を示すとともに、パワースペクトル同士の比較検討も困難である。以上より、温度ゆらぎが平均値の周りで統計的

に一様にゆらいでいる熱流動場を評価の対象とした場合には、今回のベンチマーク解析に使用した数値計算法及び解析モデルにより、時間平均温度分布を高精度に評価可能であると結論づけられる。一方、低周波温度ゆらぎ挙動の最大振幅などの統計量については、主にシミュレーション時間の不足から、過小評価傾向を示すことが明らかとなった。これは、限られたシミュレーション時間の結果から、プラント寿命である年のオーダーへの結果の外挿方法など、実炉の評価を行う場合に確立すべき重要な課題である。

6.2 構造熱応力・破壊力学特性き裂は母材では発生せずに溶接部のみで発生す

る評価結果となった。またき裂進展解析により、90,000時間運転後にき裂が貫通する予測結果となった。これらの結果については、表 3 に示すよう

に実炉データと一致した。これらに関しては、最終結果に至る途中段階で

相殺する複数の要因が存在することに注意が必要である。例えば、温度ゆらぎの減衰効果をより厳密に考慮すると、発生応力が低くなるのに対し、溶接継手の強度低減係数に関しては、これを詳細に評価することにより最終的に強度評価結果が低下する。以上より、頻度は低いものの振幅の大きい温度

ゆらぎの低周波成分が構造健全性に及ぼす影響が大きいことから、これを的確に評価した熱流動解析結果が必要であることが明らかとなった。また、最終的な熱疲労破損は、温度ゆらぎ振幅の減衰等による緩和要因と溶接部における強度低減等の助長要因とが重畳して発生することから、現象の素過程に着目するとともにこれらの影響を明らかにし、これらを解析モデルに的確に反映した評価手法の使用が不可欠であることが明らかとなった。

7.おわりに熱流動/構造/破壊のサーマルストライピング

統合解析手法を用いて、国際原子力機関による高速炉配管合流部を対象とした高サクル熱疲労挙動に関するベンチマーク問題の解析を行うとともに、配管外表面温度を初めとする実炉での測定データとの比較・検討を行い、以下の結論を得た。① 温度ゆらぎが平均値の周りで統計的に一様にゆらいでいる熱流動場を評価の対象とした場合には、今回のベンチマーク解析に使用した数値計算法及び解析モデルによって、時間平均温度分布を高精度に評価可能である。一方、低周波温度ゆらぎ挙動の最大振幅などの統計量については、主にシミュレーション時間の不足から、過小評価傾向を示した。今後は、限られた短時間の評価結果から、実炉での評価に必要な長時間結果への外挿方法などを確立する必要がある。

② 頻度は低いものの振幅の大きい温度ゆらぎの低周波成分が構造健 全性に及ぼす影響が大きいことから、これを的確に評価した熱流動解析結果が必要である。また、最終的な熱疲労破損は、温度ゆらぎ振幅の減衰等による緩和要因と溶接部における強度低減等の助長要因とが重畳して発生することから、現象の素過程に着目するとともにこれらの影響を明らかにし、これらを解析モデルに的確に反映した評価手法の使用が不可欠である。

図24 主配管外壁時間平均温度ゆらぎ振幅分布の比較

表3 き裂の発生及び進展挙動に関する実炉データとの比較Calculatedcrack initiationtime (hr.)

Calculated crackpropagation time (hr.)1mm 3mm 5mm

Calculation at90000 hr.

Measurementsat 90000 hr.

Base Metal ∞ -ーーー-- No crack No crack

Weld Joint 3590 6379 9757 13079Through wallcrack

Through wallcrack

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