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電子マネー動向 森島 20191217
1.ICT 総研、「2019 年 モバイルキャッシュレス決済の市場動向調査」結果を発表
出典[1]:https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP499245_X00C19A1000000/
■モバイル電子マネー・QR コード決済利用者は 2021 年度に 2,000 万人近くまで急増
■小額決済時のモバイル電子マネー利用率は 9.2%、QR コード決済利用率は 4.1%
■よく利用するモバイル電子マネーは Suica、楽天 Edy、nanaco、WAON、iD、QUIC Pay
■最も利用されている QR コード決済は楽天ペイ、2 位に PayPay、3 位に LINE Pay が続く
■モバイル電子マネーの満足率は 91%、モバイル QR コード決済の満足率は 83%
株式会社 ICT 総研(東京都千代田区)は 1 月 7 日、モバイルキャッシュレス決済の市場動向に関する調査
結果をまとめた。
■モバイル電子マネー・QR コード決済利用者は 2021 年度に 2,000 万人近くまで急増
日本の全決済金額のうちキャッシュレス決済の比率は約 2 割と言われているが、クレジットカード以外にも
電子マネー、QR コード決済など様々な決済方法が提供されるようになり、徐々にキャッシュレス化が進行
している。
ICT 総研では、今後成長が見込まれるスマホを利用したキャッシュレス決済の分野に焦点を充てて市場規
模を予測した。ICT 総研の推計結果では、2018 年度末(2019 年 3 月末)時点の「スマホアプリの電子マネ
ー利用者(アクティブユーザー)」は前年の 893 万人から 1,157 万人に増加、今後も成長を続けて 2021 年
度末(2022 年 3 月末)には 1,953 万人に達する見込みだ。 ※表 1 は添付の関連資料を参照
また、「スマホの QR コード決済サービス利用者(アクティブユーザー)」は 2017 年度末時点で
187 万人だったが、2018 年度末に 512 万人に増加、2019 年度も 960 万人へ急増し、2021 年
度には 1,880 万人に達する見込みである。QR コード決済サービスは店舗の設備投資を抑えやす
いこともあって取り扱う店舗も急増しており、モバイル Felica 型の電子マネーに迫る勢いで利用者
を伸ばすと推計した。 注)電子マネーと QR コード決済の両方を利用する人は、それぞれのサービスごとにカウントして
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いる(二重計上)。 ※以下は添付リリースを参照 リリース本文中の「関連資料」は、こちらの URL からご覧ください。 出典: https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0499245_04.pdf
■ 小額決済時のモバイル電子マネー利用率は 9.2%、QR コード決済利用率は 4.1%
ICT 総研が 2018 年 12 月に実施したアンケート調査では、4,062 人のアンケート対象者のうち 1 千円
~3 千円の小額決済の場合、71.6%の人が現金を利用すると回答した。クレジットカードを利用すると回答
した 人は 43.6%、カード型の電子マネーを利用すると回答した人は 17.7%だった。スマホアプリの電子マ
ネー 利用者は 9.2%、スマホの QR コード決済利用者は 4.1%に留まった。
1 万円~3 万円の比較的高額な買い物をする場合は、現金の利用率は 44.7%に下がり、クレジットカー
ド の利用者が 68.3%へと上昇する。スマホアプリの電子マネー利用者は 4.0%、スマホの QR コード決
済利 用者は 2.6%に留まる。高額な買い物をする場合は、クレジットカードを利用する人が増え、モバイル
キャッ シュレス決済を利用する人が減少する傾向が見られた。高額決済をする場合に従来型のサービス
であるク レジットカードの信頼性が高く、新しいサービスであるスマホのキャッシュレス決済は今のところ敬
遠されて いるようだ。
年齢別で見ると、小額決済時にスマホアプリの電子マネー利用率が高いのは 40 代で 14.3%、QR コー
ド 決済の利用率が高いのは 20 代で 7.3%だった。
表2.現金及びキャッシュレス決済の利用状況
■よく利用するモバイル電子マネーは Suica、楽天 Edy、nanaco、WAON、iD、QUIC Pay
スマホアプリの電子マネー利用者(543 人)に対して、買い物をする時によく利用する電子マネーのサー
ビス名を聞いたところ、最もよく利用されていたのは Suica で 238 人が利用していると回答した。2 番目
に多 かったのは楽天 Edy で 233 人、次いで nanaco が 177 人、WAON が 145 人、iD が 119 人で
あった。さらに au WALLET が 76 人、PASMO が 74 人と続いている。Smart Plus、Visa Touch の利用
者数も一定数を確保
3
Suica は JR の定期券やカード型プリペイド電子マネーとして 2001 年から利用されており、スマホなどの
モ バイルアプリ上でも多く利用されている。楽天 Edy や nanaco、WAON もカード型電子マネーの利用者
がス マホアプリ上でも利用しており、今後も Felica 搭載スマホが普及する影響で利用者数を伸ばしそう
だ。
表3.よく利用するスマホアプリの電子マネー
■ 最も利用されている QR コード決済は楽天ペイ、2 位に PayPay、3 位に LINE Pay が続く
買い物の際によく利用するスマホの QR コード決済サービスに関する質問では、楽天ペイの利用者数が
最も多く 130 人であった。次いで PayPay の利用者数が 102 人、LINE Pay の利用者数が 97 人、d 払
いが 69 人、Origami Pay と Yahoo!スマホ決済がいずれも 46 人という結果となった。paymo(35 人)、pring
(29 人)、 PAY ID(27 人)、atone(24 人)、pixiv PAY(23 人)も一定数の利用者を獲得している。
表4.よく利用するスマホの QR コード決済サービス
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1 位の楽天ペイは、電子マネーの楽天 Edy でも利用者数が多く、Felica 型の決済、QR コード決済の双
方 で高いシェアを獲得した。2018 年 12 月に実施された 100 億円キャンペーンで大きな話題となった
PayPay は後発サービスながら一気に利用者を増やしており、首位を伺う位置につけている。早くからサー
ビスを開 始した LINE Pay は、SNS 市場で圧倒的シェアを誇る LINE アプリとの連携で登録者数が最も
多く、その影 響で利用者数も上位につけている。
■ モバイル電子マネーの満足率は 91%、モバイル QR コード決済の満足率は 83%
スマホアプリの電子マネーを利用している人の満足率は「満足 40%」、「どちらかと言えば満足 51%」を
合わせて 91%となった。
スマホの QR コード決済サービスの満足率は「満足 35%」、「どちらかと言えば満足 48%」を合わせて
83%となった。電子マネーの方が満足率は高く、「不満」という回答は 2%しかなかった。スマホアプリの電
子マネーの満足率が高い理由は、操作性の簡便さ、信頼性の高さ、利用できる店舗の多さなどに起因する
と思われる。QR コード決済サービスの満足率がやや低いのは、利用できる店舗がまだ少ないことや、利
用 時の操作性、サービス開始後の期間がまだ短く信頼性への不安が払拭できていないことなどによると
思わ れる。
スマホアプリの電子マネーの満足度をサービス別に見ると、最も満足度が高かったのは QUIC Pay で
82.5 ポイント、2 位は Suica で 81.4 ポイントだった。QR コードの満足度で最も高かったのは LINE Pay
で 80.5 ポ イント、2 位は楽天ペイで 76.0 ポイントである。
これまではクレジットカードやデビットカード、Felica カード型電子マネーなど、カード型のキャッシュレス決
済サービスが大半を占めてきたが、今後はスマートフォンの普及とともにスマホ上で利用できるキャッシュ
レ ス決済が普及していく見込みだ。特に QR コード決済のサービスに参入する事業者がこの 1~2 年で
激増 しており、2019 年にも KDDI の au PAY、セブン-イレブンのセブンペイなどが開始される予定だ。政
府もキ ャッシュレス決済比率を金額ベースで 4 割以上に引き上げる政策を推進しており、スマホによるキ
ャッシュレ ス決済の普及は急ピッチで進むことになるだろう。
表5.スマホアプリの電子マネー・QR コード決済サービスの満足率
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2.国内の非接触 IC カードの地位を確立したソニーの FeliCa の歴史とは
出典[2] http://www.paymentnavi.com/paymentnews/52860.html
電子マネー、交通乗車券、セキュリティ分野など、幅広い用途で利用されているソニーの IC カード技術
「FeliCa(フェリカ)」。国内の非接触 IC カードでデファクトスタンダードとなっている。また、FeliCa は国際
標準規格 18092、21481 に準拠しており、グローバルに広がる可能性を秘めている。本項では、FeliCa
の歴史と現状、製品・アプリケーション開発動向などを紹介する。
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3.2019 年の発行枚数(少額決済方式)
出典[4]:https://ja.wikipedia.org/wiki/電子マネー
前払 楽天 Edy:1 億 2,060 万枚 (7.2%)
前払 WAON:7,723 万枚 (7.0%)
前払 Suica:7,616 万枚 (6.4%)
前払 nanaco:6,665 万枚 (7.1%)
前払 PASMO:3,844 万枚 (6.0%)
後払 iD:3,545 万枚 (20.2%)
前払 ICOCA:2,148 万枚 (16.4%)
後払 QUICPay:1,245.4 万枚 (40.2%)
前払 manaca:679.6 万枚 (9.4%)
前払 nimoca:399 万枚 (9.0%)
後払 PiTaPa:322 万枚 (3.1%)
前払 TOICA:291 万枚 (9.8%)
前払 SUGOCA:289 万枚 (14.7%)
前払 uniko:228 万枚 (7.0%)
前払 Kitaca:160 万枚 (16.8%)
前払 はやかけん:133 万枚 (12.4%)
※カッコ内は前年同月比。
4.おサイフケータイ
出典[5]:https://ja.wikipedia.org/wiki/おサイフケータイ
おサイフケータイは、携帯電話に埋め込まれた FeliCa チップ(IC チップ)を用いた、非接触型の少額決済サ
ービス、およびこのサービスに対応したモバイル FeliCa チップおよび対応 SIM を内蔵した携帯電話機、携
帯端末の総称。日本における事実上の標準モバイル決済システムである。
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お「サイフ」とは称するが必ずしも電子決済に限定されず、その用途は後述のとおり多岐にわたる。
おサイフケータイは英訳すると「Wallet Mobile」で、雑誌などで一部「お財布ケータイ」などといった誤記が見
られるが、正式な商標・サービス名称の表記は「おサイフケータイ」である。
5.出典:[6]キャッシュレス決済の多様化の動向整理 消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/policy_coordination/internet_committee/pdf/inter
net_committee_180706_0002.pdf
1)キャシュレスの進展状況
・観光地におけるクレジットカード決済対応率は、小売業7~8割、ホテル9割、飲食業(専門料理店)8割弱。
飲食業(食堂、麺類、喫茶店)、観光スポットのクレジットカード決済対応率が低い。
・ネットショッピングを利用しない理由、ネッ
トショッピングのデメリットとして決済関連の
課題も少なくない。「決済手段のセキュリテ
ィに不安」(30.8%)、「クレジットカードを持っ
ていない」(7.7%)。
・インターネットで購入・取引する際に利用
される決済方法は「クレジットカード払い」
が主(63.0%)。「コンビニエンスストアでの支
払い」「代金引換」「銀行・郵便局の窓口・
ATMでの振込・振替」も一定程度利用され
てい
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る。
2)スマートフォン等による決済送金サービスの普及状況
「個人のスマートフォン等からインターネット経由で振込や送金ができる決済サービス」の認知度は63.6%。
利用意向は39.0%、利用率は18.8%。米国、英国と比べるといずれも低い水準にある。
3)キャッシュレス決済の利用状況
この1年間にオンラインショッピングで利用したことがある支払方法では「クレジットカード」(87.8%)が多い。
「コンビニ・銀行・郵便局支払(後払い)」が19.4%、「代金引換」が18.8%。
この1年間に店舗で利用したことがある支払方法では「現金」(88.3%)、「クレジットカード」(77.9%)が多い。
QRコード決済は5.2%。
6.出典:[7] キャシュレス・ロードマップ 2019 一般社団法人キャシュレス協議会
https://www.paymentsjapan.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/Cashless_Roadmap_2019.pdf
1)現状の主なキャッシュレス決済手段
「物理的な現金(紙幣・硬貨等)ではなく、デジタル化された価値の移転を通じて活動できる状態(=キャッ
シュレス)」の決済手段としては、現段階では以下のようなものが挙げられる。図表1
2)店頭での主なキャッシュレス決済方法は、「接触型」、「非接触型」、「コード型」の 3 パターンに分けられる(図表 2)。
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3 )
日本のキャッシュレス決済比率推移
我が国のキャッシュレス決済比率は、2008 年の 11.9%から 2017 年には 21.3%へと推移しており、年平均成
長率 6.7%での上昇が認められる。キャッシュレス支払額のうち約 90%をクレジットカードでの利用が占め、我
が国のキャッシュレスは長年クレジットカードが牽引してきていることが分かる。
10
4)キャッシュレス決済比率の状況
世界各国のキャッシュレス決済比率は、我が国は 19.8%(前年比 1.2 ポイント増)と諸外国と比較すると低位
にあり、キャッシュレス社会の実現にむけて国全体での取組が必要だと言える。
11
7.出典[12]【2019 年】スマホ決済アプリおすすめ 7 選まとめ
https://appllio.com/smartphone-payment-matome
12
出典
[1] ICT 総研、「2019 年 モバイルキャッシュレス決済の市場動向調査」結果を発表
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP499245_X00C19A1000000/
「2019 年 モバイルキャッシュレス決済の市場動向調査」
https://amp.review/2019/01/08/cashless_2019/
[2] キャッシュレス決済の多様化の動向整理
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/policy_coordination/internet_committee/pdf/inter
net_committee_180706_0002.pdf
[3] 国内の非接触 IC カードの地位を確立したソニーの FeliCa の歴史とは
http://www.paymentnavi.com/paymentnews/52860.html
[4] 電子マネーフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E5%AD%90%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%83%BC
[5] おサイフケータイ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%95%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%
BF%E3%82%A4
[6] キャッシュレス決済の多様化の 動向整理 - 消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/policy_coordination/internet_committee/pdf/inter
net_committee_180706_0002.pdf
[7]キャッシュレス・ロードマップ 2019 2019 年 4 月 一般社団法人キヤッシュレス協議会
https://www.paymentsjapan.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/Cashless_Roadmap_2019.pdf
[8] 電子マネー・スマホ決済などの利用動向に関する最新調査【楽天リサーチ調べ】
https://ecnomikata.com/ecnews/19314/
[9] ス マ ホ ア プ リ の 電 子 マ ネ ー 利 用 者 は 9.2 % 、 ス マ ホ の QR コ ー ド 決 済 利 用 者 は 4.1 %
https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0499245_04.pdf
13
[10]平成 30 年度特許出願技術動向調査
https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/document/index/30_12slide.pdf
[11]キャッシュレス・ビジョン 平成 30 年 4 月 経済産業省 商務・サービス
https://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180411001/20180411001-1.pdf
[12] 【2019 年】スマホ決済アプリおすすめ 7 選まとめ
https://appllio.com/smartphone-payment-matome
以上