24
グローバル投資戦略 株式には一段の上昇余地 ページ 10 経済 グローバル経済は改善の見込み ページ 9 日本アセットアロケーション 米国株をオーバーウエイトに変 ページ 5 日本の投資戦略 成長のメリットを享受 ページ 3 重要なお知らせ 本資料は、独立した調査及び分析により構成されていないことから、規制上の投資リサーチや推奨ではありません。重要な開示情報につきましては最終ページの ディスクロージャーアペンディクスをご参照願います。 INVESTMENT SOLUTIONS & PRODUCTS Investment Monthly 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 投資期間: 3-6ヵ月, 2019年4月

株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

  • Upload
    others

  • View
    2

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

グローバル投資戦略

株式には一段の上昇余地ページ 10

経済グローバル経済は改善の見込みページ 9

日本アセットアロケーション米国株をオーバーウエイトに変更ページ 5

日本の投資戦略成長のメリットを享受ページ 3

重要なお知らせ本資料は、独立した調査及び分析により構成されていないことから、規制上の投資リサーチや推奨ではありません。重要な開示情報につきましては最終ページのディスクロージャーアペンディクスをご参照願います。

INVESTMENT SOLUTIONS & PRODUCTS

Investment Monthly

日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 投資期間: 3-6ヵ月, 2019年4月

Page 2: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

ご挨拶

Michael StrobaekGlobal Chief Investment Officer

Burkhard VarnholtChief Investment Officer – Swiss Universal Bank

ことわざでは、良いことはすべて3つずつ起きる、つまり良い事は重なると言いますが、年初来3ヵ月の金融市場の上昇もこのパターンにあてはまるようです。この1~2週間、主要中央銀行のハト派的姿勢を背景としたリスク資産の好調なトレンドの継続や、鍵となる中国市場を含むアジアにおける新たな景気回復の兆しが見られました。これは、当社が特集記事の一つで説明しているように、グローバル経済にとっては良い兆候です。そして、2番目の特集である最近のイールドカーブの逆転さえ、差し迫った景気後退を特に懸念する理由にはなりません。事実、当社のモデルでは、今後12ヵ月間に米国が景気後退に陥る可能性は10%未満とされています。

すべてを勘案した上で、当社は今年の後半も支援的な相場環境が続くと予想しており、株式市場にはまだ上昇余地があると考えています。その結果、直近の投資委員会では、資産クラスとしての株式については戦術的にポジティブな見方に戻り、当社が引き続き選好しているテクノロジー・セクターの比重が大きい米国株式市場に対してポジティブな姿勢を採用しました。また、今にも起こりそうな経済活動の回復から恩恵を受けるであろう素材セクターについてもポジティブに変更しました。エネルギー、ヘルスケアおよび新興国市場株式に関しては引き続き強気スタンスを維持しています。債券では、経済成長の再加速が利回りの上昇を促すと考えられるため、今年値上がりした国債に関してはポジティブだったスタンスを中立化しました。オルタナティブ投資については全般に中立を維持しますが、いまだに過小評価されている英ポンドと一部の新興国通貨に対しては引き続き上昇余地があると見ています。

既に株式は3ヵ月間好調でしたが、ファンダメンタルズはまだ続きがあることを示唆しています。

今月号もどうぞお楽しみ下さい。

目次

日本の投資戦略

成長のメリットを享受 ページ 3

日本アセットアロケーション

米国株をオーバーウエイトに変更 ページ 5

スーパートレンド

スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ 7

ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴 ページ 8

経済

グローバル経済は改善の見込み ページ 9

グローバル投資戦略

株式には一段の上昇余地 ページ 10

スペシャル・トピック

景気後退と逆イールド ページ 11

スペシャル・トピック

中国経済は回復へ ページ 12

債券

国債に中立 ページ 13

株式

グローバル株式に対し強気を再開 ページ 14

オルタナティブ投資

オルタナティブにとって好調な四半期 ページ 16

外国為替

新興国通貨の強気を継続 ページ 17

予想

予想の要約 ページ 18

編集部への締め切り: 2019年4月18日

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 2/24

Page 3: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

日本の投資戦略

成長のメリットを享受株式(米国、新興国、テクノロジー)に注目

主要国通貨の安定は、グローバル投資のチャンス

米ドル建て金利に入れ替え

Soichiro MatsumotoChief Investment Officer Japan

世界経済は成長モメンタムを取り戻す昨年第4四半期から勢いを失ってきた世界経済の成長は、第2四半期には底入れ回復に向かい始めている。生産活動の伸び率は、依然として長期トレンドを下回る水準でしかない。ただ、主要な中央銀行が金融政策をより景気刺激的な緩和方向へと舵を切ったことが、米中通商交渉などによるマイナス要因をオフセットしていくだろう。

米国の通商協議は、中国から欧州や日本を相手にしたものに移っていくだろう。とりわけ自動車は、世界の貿易に占める割合も高く、関連する産業も幅広いため、協議が行き詰った時の影響も大きくなるだろう。協議が長引くと企業の設備投資計画を後ずれさせることとなるだろう。

2019年の世界経済の成長率は2.8%とみており、2018年の3.2%を下回るが、成長軌道から外れることはないだろう。

金融政策の緩和シフトを確認米国やユーロ圏の金融政策は、出口戦略への取り組みを休止し、緩和政策に踏み込んできた。米FRBは、年内の利上げを棚上げし、保有資産縮小の見直しを始めている。 ECBは、域内経済の先行き懸念から緩和スタンスを明確にし、より幅広い緩和政策の選択肢を探り始めている。中国も景気刺激策を実行に移しており、景気にマイナスの影響がある不良債権処理など信用抑制策へは慎重になってきている。日銀も引き続き金融緩和策の継続を確認しており、主要国の政策は、インフレを警戒する姿勢が後退し、景気を下支えする方向に舵が切られている。

膨れた債務残高は、構造的危機への警戒感を刺激するものの、金利が成長率を下回る水準で推移している状況では深刻な問題に発展する可能性は低いだろう。また金融機関の抱える債務は、現在減少傾向にあり、システミックリスクの芽は膨らんでいないとみている。ただ長期的な潜在成長率が低い状況で金利が本格的に上昇するシナリオに、市場は今後も敏感に反応するだろう。

日米通商協議スタート米中の通商協議は進展がみられており、近い将来に何らかの合意に至る可能性が高まっている。米国は、NAFTA (カナダ、メキシコ)、中国の次は、日本と欧州(EU)との通商交渉をスタートさせていく。焦点は、農産物と自動車の取り扱いになるとみられる。自動車及び関連産業は日本の製造業に大きなウエイトを占め、通商交渉が行き詰った場合、日本経済への影響はかなり大きなもの

になるだろう。交渉の停滞や遅れは、グローバルなサプライチェーン構築計画を見直すきっかけになり、日本企業を含め設備投資計画を後ずれさせるだろう。

企業決算に注目日本では、4月下旬から決算発表シーズンがスタートする。日銀短観では、製造業中心に企業の景況感が悪化している傾向が明らかになった。2018年度決算は、世界経済が下半期にスローダウンしたため、市場では慎重な見通しが広がっている。市場が予想する利益のコンセンサスは低下傾向にあり、株式のバリュエーションもレンジの下限近辺まで低下することで、前年度決算の悪化は織り込みが進んできている。

2019年度の事業見通しも、グローバル企業は日米の通商協議が4月スタートしていくこともあり慎重な事業計画と見通しを示すだろう。国内企業も、所得の伸び悩みや消費税引き上げを控え、楽観的な見通しは提示されないだろう。

ただ日本の株価は世界に対し年初から出遅れており、バリュエーションも低下しており、悪材料の織り込みが進んでおり、下値不安は後退してきている。ガイダンスの悪化が想定の範囲内だった場合、日本株のトレンドが転換するきっかけになるかもしれない。

消費増のきっかけは?外国人観光客、新天皇即位…人口減少や所得の伸び悩みから、国内消費は低い成長が続いている。加えて、消費税率の引き上げもあり国内消費への期待値は総じて慎重なものである。

従来、外国人観光客の増加に伴う日本国内での消費支出増加は、数少ないポジティブな要因のひとつだった。ただ今年は、ラグビーワールドカップの日本開催、新天皇即位に伴う海外からの賓客来日やイベントなど、消費支出総額増加の誘因となり得るイベントはいくつかある。

国内サービス産業は、人手不足が供給ひっ迫をもたらしている状態が続いている。現在登場してきている新しい技術を活用しキャシュレス化、ロボットや人工知能活用による自動化などが進めば、これまで設備回転率が低く、労働集約型で生産性に問題があるとみられていた国内のサービス産業に変革をもたらすきっかけになりうるだろう。また規制緩和やIT化の進展により、需要に応じて柔軟に価格を見直す仕組みが普及していくことで、利益率も改善していくかもしれない。

外国人労働者を受け入れていっても、生産性の低い産業や業務(ホワイトカラー)に人的資源が割り振られている限り、日本全体での生産性向上には限界があるだろう。

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 日本の投資戦略 3/24

Page 4: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

株式:金融緩和策継続を確認し、強気に戻る主要国の金融政策は、再び緩和的なものに戻ってきた。クレジットサイクルの終焉はさらに遠くなり、世界経済の成長も2Q以降回復感が出てこよう。米国の通商交渉が市場のリスク回避姿勢をもたらす可能性は残るが、このような環境の好転が株式市場をさらに上昇させていくだろう。

とりわけ、米国株式は米中通商交渉が一段落すれば、政治リスクへの警戒感は後退していくだろう。また5Gなどの新しい技術によるビジネスがスタートしており、米国の強みであるIT分野(とりわけソフトウエア開発)での成長が期待できる状況になってきている。

また、長期的な視点による成長への投資も引き続き魅力があるとみており、ソリューションとして我々は5つの“スーパートレンド”という長期投資の考え方を提唱している。

為替:ドル円はレンジ相場に、グローバル投資のチャンスFRB、ECBの金融政策は、ハト派的な政策を維持していくことを確認した。日銀は、引き続き金融緩和政策を維持しており、主要国の実質金利差は安定した推移となっていくだろう。これに呼応し主要国の通貨はドル円をはじめ、一定のレンジ内で動いていくと考えている。これは、グローバルに分散投資をしていく良好な環境が継続していくことを意味する。

債券:イールド向上とリスク回避を狙う経済が成長はスローダウンしながらも緩やかな成長を続ける中、ハト派的な金融政策が維持されていくため、金利が急上昇するリスクは小さいだろう。ただユーロ圏の金利は、極めて低い水準まで低下しており、政治や経済の状況が安定すれば、修正される可能性が高い。このため、ユーロ建て債券については、米ドル建ての債券への入れ替えや組み換えを通じて、上乗せ金利を稼ぎつつ、ユーロ圏の金利上昇リスクを回避するポートフォリオの入れ替えを推奨する。

お勧めする投資戦略主要国でハト派的な金融政策が維持されることが確認できた状況では、再び成長による果実を狙った戦略に注目すべきだと考えている。ただし、政治リスクなど短期的には市場が混乱する要因は残っており、中長期的な資産運用目標達成のため、リスク資産に幅広く分散したアロケーション戦略を採用することが重要と考えている。

その中で、より多くを成長期待の高い地域や産業への株式投資やイールド向上狙いの債券戦略に振り向けることで、より安定し高いリターンを狙うことができると考えている。

1. アセット・アロケーション戦略長期的に世界経済の成長率が低下する傾向にある一方、リスクの火種は世界中に残っている。長期的な資産運用目標を達成するためには、世界中の様々なリスク資産へ広く分散をした効率的なアロケーション戦略を採用することが重要である。

日本円ベースの投資家には、JPY International TAA/SAAをベンチマークにしたアセット・アロケーション戦略が有効な資産運用の指針となるだろう。また相対的にリスクフリー資産の利回りが高く、流動性のある米ドル中心の投資家には、Global TAA/SAAをベンチマークにした戦略がうまくフィットするだろう。

2.イールド向上戦略米国の金利上昇、クレジットスプレッド拡大は一服していくとみており、欧州や日本では当面低金利が継続するだろう。とりわけ潜在的な金利上昇リスクの高いユーロ建て債券は、米ドル建て債券への入れ替えや保有債券のリパッケージ、為替ヘッジなどを行うことを推奨している。

3.米国株式、テクノロジー株米国経済は、主要先進国の中では相対的に高い成長が期待でき、FRBの金融政策を景気を下支えする形になっている。

とりわけ成長期待の高い新技術分野でのソフトウエア開発において、有望な企業が多い米国市場は魅力的な投資対象である。このため、長期投資テーマであるスーパートレンドでも米国企業が多く取り上げられている。

4.長期株式投資テーマ「スーパートレンド」短期的なイベントリスクによる混乱を避けたい投資家には、長期的な構造変化からベネフィットを受ける投資テーマに基づくバイ&ホールド戦略が有利に働くだろう。

我々は「スーパートレンド」という株式の長期投資テーマを引き続き推奨している。政治イベントや投資家心理の悪化により市場が混乱する状況は、このような長期投資テーマへの有効なエントリーポイントであると考えている。

5.株式ロング・ショート戦略下値不安から株式への投資を躊躇している投資家にとって、株式ロング・ショート戦略は有効な投資ツールとなろう。株式上昇後に、下値リスクを抑えた形でアルファ獲得を狙って株式投資を行う際には、有効な戦略となるだろう。 (17.04.2019)

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 日本の投資戦略 4/24

Page 5: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

日本アセットアロケーション

米国株をオーバーウエイトに変更

グローバル株式もオーバーウエイトに

ユーロ圏株式はアンダーウエイトを維持

Soichiro MatsumotoChief Investment Officer Japan

グローバル株式、米国株をオーバーウエイトに緩和的な金融政策維持を確認し、世界的な生産活動が底打ち回復する見通しの下、グローバル株式を強気に引き上げ、オーバーウエイトとする。テクノロジー株(ソフトウエアー)への強気の見方も反映し、米国株をオーバーウエイトに引き上げる。

ユーロ圏株式はアンダーウエイト維持景気モメンタムが脆弱で政治リスクへの懸念が残るユーロ圏株式はアンダーウエイトを維持。新興国株は世界経済の成長モメンタム回復と米ドル高リスク後退を受け、オーバーウエイトを維持。

投資マップ (地域とアセットクラス)

出所:クレディ・スイス

(16.04.2019)

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 日本アセットアロケーション 5/24

Page 6: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

日本の国際TAA (バランス型、円建て)

ベンチマーク SAA対ベンチマークバランス型TAA

4月中旬3月中旬変化4月中旬3月中旬

5.0%-2.5%-0.5%-2.0%2.5%4.5%流動性

5.0%-2.5%-0.5%-2.0%2.5%4.5%日本円

47.5%0.5%0.5%0.0%48.0%48.0%債券

4.0%0.0%0.0%0.0%4.0%4.0%日本円

34.5%0.5%0.5%0.0%35.0%35.0%グローバル社債

3.0%0.0%0.0%0.0%3.0%3.0%グローバル・ハイイールド債

3.0%0.0%0.0%0.0%3.0%3.0%米ドル建て新興国債券

3.0%0.0%0.0%0.0%3.0%3.0%現地通貨建て新興国債券

0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%グローバル転換社債42.5%2.0%0.0%2.0%44.5%42.5%株式

11.0%0.0%0.0%0.0%11.0%11.0%日本

31.5%2.0%0.0%2.0%33.5%31.5%世界 ( 日本を除く)

1.0%0.0%0.0%0.0%1.0%1.0%スイス

3.5%-1.0%-1.0%0.0%2.5%2.5%ユーロ圏

19.5%2.0%0.0%2.0%21.5%19.5%北米

2.0%0.0%0.0%0.0%2.0%2.0%英国

1.0%0.0%0.0%0.0%1.0%1.0%オーストラリア

4.5%1.0%1.0%0.0%5.5%5.5%新興国

0.5%-0.5%-0.5%0.0%0.0%0.0%中南米

3.5%1.5%1.5%0.0%5.0%5.0%アジア太平洋

0.5%0.0%0.0%0.0%0.5%0.5%欧州・中東・アフリカ

5.0%0.0%0.0%0.0%5.0%5.0%オルタナティブ投資

2.5%0.0%0.0%0.0%2.5%2.5%不動産

2.5%0.0%0.0%0.0%2.5%2.5%コモディティ:

0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%金100.0%0.0%0.0%0.0%100.0%100.0%合計

出所:クレディ・スイス

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 日本アセットアロケーション 6/24

Page 7: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

スーパートレンド

スマートモビリティを選ぶミレニアル世代

気候変動はミレニアル世代にとって重要な問題であり、当社のスーパートレンド「ミレニアル世代の価値観」でも重視しているトピックである。自動車は炭素排出量の大きな割合を占めているため、若い世代は自動車の電気化を切望しており、この問題の重要性は高まっている。

電気自動車および自動運転車導入への時間軸は加速してるため、今後10年間で社会は自動車中心からモビリティ中心の世界へ進化を遂げるだろう。

Julie Saussier-ClementEquity Research Analyst – Consumer

気候変動に関して、若い世代は声を大にして訴えている。自動車は現在炭素排出の大部分を占めているため、彼らは自動車の電気化に強い関心を持っている。同時に、自動車電気化のペースも加速している。

大半の車は95%の時間アイドリング状態にあり、利用されるとしても大半の場合その乗員は1人である今日の社会において、自動車はますます自律的になり、カーシェアリングはますます人気が高まる可能性が高い。テクノロジーに精通したミレニアルズなどの世代向けに、自動車はコネクテッドかつ楽しいものになってきている。このため、今後10年間は自動車中心の世界からモビリティ中心の世界に移行し、完成車メーカーは自動運転のモビリティ・プロバイダーとなる可能性が高い。

電気自動車の導入ペースは加速2019年は様々な電気自動車の発売が予想され、走行距離の向上や新機能の搭載が見込まれている。自動車メーカーは2025年までに電気自動車比率を平均25%とすることを目標にしている。蓄電池コストは急速に低下しており、メーカーは消費者に対しより魅力的な販売価格の設定が可能になっている。電気自動車用電池のサプライチェーン全体がこうした展開から恩恵を受ける見込みで、生産量の急拡大は懸念事項とはならないだろう。予想される需要量は供給量を大きく上回る見通しで、コモディティ価格の低下も懸念事項にはならないだろう。

クリーンビークルからスマートモビリティへ昨年は試験運転中の自動運転車の事故などもあったが、2019年には限定地域において「ロボタクシー」が実用化される見込みで、こうしたサービスは今後数年間で加速する可能性が高い。自動運転車への道のりは段階的になる見込みで、部分的な自動化から完全自動化へと移行するだろう。安全基準の引き上げにより、ライダーやHDマップに基づいたシステムなど自動車に搭載されるテクノロジーハードウェアが必要とされるだろう。さらに、技術的破壊により、人工知能の著しい発展を活用したソフトウェアが作り出されるだろう。クレディ・スイスでは、2030年までに20%の自動車が自動運転「レベル3」お

よびそれ以上、つまり条件付き、高度または完全な自動運転の機能を搭載するとみているが、大手自動車メーカーは早ければ2020年にもレベル3機能を搭載した自動運転車を発売する見込みである。

自動運転車の保有・管理は魅力的なビジネスモデルに見られるため、ライドヘイリング(配車)またはライドシェアリング(相乗り)業者は早期に自動運転車を導入するとみられている。このような自動車は、資産保有をめぐる金融サービス、洗車・充電、修理・メンテナンスおよびアプリプロバイダーを必要としよう。広告やサービスの販売により自動運転車に費やす時間の収益化も大きな機会を提示している。この点に関して、当社はオンデマンド型交通向けプラットフォーム、ハードウェア・ソフトウェアのインテグレーター、そして恐らくソーシャルメディア事業が連携するとみている。

(11.04.2019)

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 スーパートレンド 7/24

Page 8: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴今月のスーパートレンド「ミレニアル世代」では、デジタル・ネイティブとミレニアル世代の消費性向に注目し、関連する個別株式や投資信託を推奨する。

Maki ShimizuInvestment Strategist – Japan Strategy

デジタル・ネイティブと特有の消費性向デジタル・ネイティブであるミレニアル世代は、携帯端末から得る情報を基に、自己の世界を形成する傾向にある。人とのつながりや情報へのアクセスを重視する彼らは、企業のみならず消費者から発せられる情報も同時に高く評価し、企業にとっては、その情報をいかに拡散してもらうかが、同世代の需要を取り入れる上で重要な要

素となる。企業はまた、デジタル化を進めることで、広告、小売、メディアなど幅広い市場で同世代の需要を取り入れる余地が広がろう。消費性向としては、ユニークでパーソナライズされた商品や楽しさを追求する体験型消費、また健康を意識したライフスタイルなどが特徴として挙げられ、ゲーム分野や食品・飲料市場、テクノロジーや衣料品のブランド企業が恩恵を受けると期待される。新たな消費スタイルであるミレニアル世代に関する投資のリスクは、彼らの嗜好の変化であり、企業は機動的な対応が求められよう。

個別銘柄の特徴当社の個別株リスト「CSミレニアル厳選銘柄」では、デジタル・ネイティブであるミレニアル世代が市場を拡大すると期待されるEコマースやエンターテイメントに関連した企業、また、ミレニアル世代のトレンドを先取りするブランド企業から推奨する。個別株の業種分散は幅広く、テクノロジー、通信サービス、ヘルスケア、金融、工業、一般消費財をカバーする。投資信託については、地球環境を含む変化の潮流に主眼を置いたテーマ投資に基づく投資信託「AM Oneグローバル・セキュリティ・ファンド」も当スーパートレンドに関連した投資対象として妙味がある。 (17.04.2019)

スーパートレンド

推奨するソリューション内容テーマ

AM Oneグローバル・セキュリティ株式ファンド、CS多極的世界・株式セレクション(個別株リスト)

憤る社会ー多極的世界

国内経済優先、大手の一般家庭向けブランドが最大の受益者国内の勝者とブランド

サイバー犯罪と過去最高のテロリストの攻撃に関する懸念の高まり安全保障と国防

オンライン支出には堅調な拡大余力新興国市場の消費者世界コアインフラ株式ファンド、CSインフラ投資リスト(個別株リスト)

インフラ-ギャップを埋める

先進国市場は取り替えへの投資、新興国市場拡大への支出交通

再生可能エネルギーがCO2排出を減少させ、給水は世界的なトピックにエネルギーおよび水道

手頃な住宅は大都市だけではなくグローバルな現象アフォーダブル住宅

コネクティビティ需要のための大容量高速伝送を可能にする5Gネットワークの技術開発

通信インフラ

AM Oneグローバル・セキュリティ株式ファンド、CSテクノロジー・セレクション(個別株リスト)

人間の役に立つテクノロジー

ブロックチェーンがデジタル化の一部になることで一層の分散化デジタル化

今後数年間で現在のスマートフォン市場の規模まで拡大仮想現実 / 拡張現実

大きな成長の可能性があるのは住宅、産業および都市のデジタル化人工知能

ロボットと自動化が様々なセクターに進出し産業ロボットへの需要が拡大インダストリー4.0

デジタル化ソリューション、製品開発とヘルスケアの研究におけるバイオテクノロジーとAI

ヘルステック

セレクト・セクターSPDR® ファンド(ヘルスケア、生活必需品、一般消費財)、CSシルバーエコノミー銘柄(個別株リスト)

シルバーエコノミー – 人口高齢化に着目した投資

製薬会社は関節炎、心疾患、がんおよびアルツハイマーのポートフォリオを強化高齢者の疾病

新興市場では民間の年金が不足、民間年金基金ソリューションの重要性が増大医療保険と生命保険 / 資産運用会社

シニア世代の支出力の急速な高まりが消費者産業を強力に後押しシニアのライフスタイル

平均寿命の長寿化とあいまった自立的生活ソリューションへの需要の増大シニア向け住宅と介護施設AM Oneグローバル・セキュリティ株式ファンド、CSミレニアル厳選銘柄(個別株リスト)

ミレニアル世代の価値観

ESGはミレニアル世代の銘柄ユニバース全体を対象としており、持続可能性の重要性を裏付ける

持続可能な事業と投資

ミレニアル世代は将来の世界を配慮し、再生可能エネルギーと電気自動車を選好クリーンエネルギー

テクノロジー・ブランドを強く選好し、常に友人とつながっている生まれながらのデジタル世代

新興国市場の持続可能な成長可能性を伴った新しい生活と支出の方法娯楽、健康、レジャー

ミレニアル世代は都市を好むが、大型の住宅を購入するだけの財政手段を持っていなミレニアル世代の住宅

出所:クレディ・スイス

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 スーパートレンド 8/24

Page 9: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

経済

グローバル経済は改善の見込み

グローバルな製造業は11月から1月の間に急激に減速した。最近のデータは、最悪の時期は過ぎたこと、グローバル経済の成長は加速しつつあることを示唆している。

当社は成長がトレンドを上回るレベルまで回復するとは考えていない。2019年のグローバルGDP成長率は、2018年の3.2%から2.8%に低下すると予想している。

James P SweeneyChief Economist and Regional CIO Americas

Peter James FoleyEconomist

2019年に入る時点では、アジアは景気循環の最も低調な局面にあった。アジアの貿易の伸び率は2018年末に大きく変動してマイナス領域に入り、グローバルな活動が低迷する原因となった。同地域のデータは、現在は回復している。対照的に、欧州製造業の景況感調査の数字は低下を続けている。 近年、中国のPMIがグローバルな成長を牽引しており、欧州の景況感はそれに遅れている。従って、欧州の景況感調査の数字が中国の回復後数ヵ月間低下しても、矛盾はしていない。

成長はここから改善する見込みだが、多くの長期トレンドが今年の残りの期間、グローバルな成長の重荷となる可能性が高い。米国の財政刺激策の効果は後退し、中国の成長は依然として構造的な低下トレンドにあり、先進国の雇用の伸びは鈍化し、貿易摩擦は引き続き潜伏している。

関税の脅威とブレグジットが欧州の重荷当社は、強力な政治的・経済的動機が貿易摩擦の深刻な悪化を防止すると考えている。米中の交渉の進捗は良好のようだ。ただし、米国が再び欧州に目を向け、5月半ばに自動車に対する広範囲な関税を発表する可能性があることが脅威となっている。自動車関税が実施されたとしても、当社は引き続き、主要貿易相手国は適用除外される可能性が高いと見ている。にもかかわらず、自動車セクターの景況感はすでに脆弱である。関税の脅威の下でグローバルな自動車生産は縮小しており、グローバルな製造業の伸びを有意味に引き下げている。

欧州では、ブレグジットが活動の重荷となっている。EU首脳陣が最近、ブレグジットを10月31日まで延期することに合意したため、当面「合意なき」離脱の深刻なリスクはなくなった。ただし、英国とEUの将来の関係は依然不透明であるため、製造業は今後も慎重な推移となるだろう。

グローバルな成長鈍化によりFRBは現状維持12月の利上げ以降、米連邦準備制度理事会 (FRB) は極めてハト派寄りとなった。連邦公開市場委員会の3月の会合では、「ドットプロット」が今年は利上げが実施されないことを示唆し、政策決定における「忍耐」が強調された。同委員会は長い間、目標を上回るインフレを許容すると主張してきたが、今や、一時的な過熱を求めていることが明らかになりつつある。

このシフトは主としてグローバル成長の低調なモメンタムと市場のボラティリティに対応したものだと当社は見ている。目標を若干下回るインフレはハト派的姿勢を維持するための良い根拠となるが、最近の政策の推移を説明することはできない。それどころか、実際、インフレの見通しは最近数ヵ月間で強まっている。

政策決定はしばしば経路に依存する。最近のハト派的動きは、FRBが今年利上げを行う敷居を引き上げる。当社はデータが改善すると予想しているが、政策決定者が再びコースを変更するのに十分なほどではないだろう。成長の下降リスクと政治的圧力は、たとえ実際のデータが回復しても利上げに対して慎重なアプローチを促すと考えられる。そのため、今年は金利は据え置かれるだろうが、当社は依然、2020年前半には1度の利上げを予想している。 (12.04.2019)

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 経済 9/24

Page 10: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

グローバル投資戦略

株式には一段の上昇余地中央銀行の姿勢が大きくハト派寄りにシフトしたことにより、金融環境はさらに改善するだろう。さらに、経済の先行指標の一部は、経済活動が回復するという当社の見方を裏付けている。

当社は株式に対して再び強気に変更した。ただし、貿易摩擦の再度の激化は依然としてリスクである。米国経済が景気後退に陥る可能性が低いこと、および米連邦準備制度理事会には経済刺激策を取るためのより大きな余地があることから、当社は現在、米国株を選好する。

Sylvie Golay MarkovichHead of Financial Markets Strategy

イールドカーブの逆転はしばしば景気後退の兆候と解釈される。したがって、3月下旬に米国のイールドカーブが逆転したときには、次の景気後退が迫っているかについて多くの議論が白熱した。市場の価格付けを重視するモデルとは異なり、当社の構造的マクロ景気後退モデルは、今後12ヵ月間の米国経済の景気後退リスクを10%未満と予想している。

リスクオン環境が持続する見込み実際、マクロ経済データは回復の兆しを見せ始めている。中国の経済データは景気上昇局面に入り、アジア全体にもそれが広がる可能性が高い。これは、今後数ヵ月間グローバルな製造業と貿易活動が再加速するとの当社の見解と一致している。このような環境に対して、国債価格が上昇する可能性は低下したと見ており、ユーロ建ての短期デュレーションを選好する。中央銀行のトーンの顕著なシフトによって金融環境は今後も支えられ、今年のリスク資産の上昇は長期化すると当社は見ている。このような脈絡では、悪化しているバリュエーションは適切な指針と言えないだろう。

米国株を選好強気のグローバル株式の中では、新興国株式に加え、米国株式を選好する。貿易摩擦は、米中間から欧米間に移行する可能性もあり、依然として楽観的な経済シナリオにとって主要なリスクである。そのような場合、米国株は、米連邦準備制度理事会が米国経済を刺激する政策を取る余地が大きいことからも、より抵抗力が高いと考えられる。米国株に対する当社のポジティブな見方には、

ITセクターを引き続き選好していることも反映されている。ポートフォリオに、景気敏感要素を追加するために、鉱工業活動の回復に伴ってアウトパフォームが予想される素材セクターを選好する。また、原油価格の回復がさらに持続する可能性が高いため、エネルギー株に対する選好を確認する。

新興国通貨に対してはポジティブを維持。ブレグジットの延期は英ポンドの支援材料主要中央銀行の忍耐強い政策を背景に、外国為替のボラティリティも低下した。新興国の経済データの改善は新興国通貨を支えると考えられ、当社は引き続き新興国通貨を選好する。欧州では、10月31日までブレグジットが延期されたことで、ソフトブレグジットの可能性が高まるだろう。そのため当社は英ポンドに対するポジティブな見方を維持する。

スーパートレンド:ミレニアル世代がスマートモビリティを牽引長期的な見解としては、スーパートレンドの「ミレニアル世代の価値観」に注目する。若い世代は気候変動に関する自らの意見を届けており、自動車業界が電力や新たなモビリティソリューションに移行することを熱望している。今後10年間で、自動車中心の世界からモビリティ中心の世界に移行する可能性が高い。そのような世界では、機器製造会社は自律的な移動手段を提供する会社に変わり、投資家には新たな投資機会が生まれるだろう。

クレディ・スイスの投資戦略のハイライトを特集したビデオをご覧下さい。www.credit-suisse.com/cio/film

(16.04.2019)

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 グローバル投資戦略 10/24

Page 11: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

スペシャル・トピック

景気後退と逆イールド3月下旬に見られたイールドカーブの逆転は歴史的には景気後退と関連してきたが、当社の経済見通しはそれよりも楽観的である。

経済成長が減速した場合も、イールドカーブは1年間でスティープ化する可能性があるとみている。

Karsten LinowskyHead G10 Rates & FX Strategy

米国債のイールドカーブは景気サイクルの重要な指標と考えられている。チャートに示されたとおり、長期金利と短期金利の差は金融政策サイクルと緊密に連携しており、また景気サイクルとも関連している。3月下旬、10年国債利回りと3ヵ月短期国債金利のスプレッドが2007年以来初めてマイナスになった。こうした逆イールドは歴史的に景気後退の前兆と認識されてきた。

しかし、当社の今後2年間の経済見通しは引き続きかなり楽観的である。米連邦準備理事会(FRB)が2019年は利上げを停止するなか、今年および来年の米国の実質GDP成長率は2%を超えるとみている。今後1~2年間に米国が景気後退入りする可能性については10%程度と低い予想である。このため現在のフラット化また一部逆イールド化したイールドカーブは、市場が世界的な経済の低迷シナリオ、もしくは経済成長が緩やかであった場合にFRBが更なる利上げを控えるとの見通しを重視しているものと解釈できる。経済とイールドカーブの関連性は明らかである一方、逆イールドが景気後退と相関する可能性があるとしても、必ずしもそれを引き起こすわけではないことを理解するのは重要である。

主に中国にけん引され加速する経済成長と年内利上げ停止というFRBの決定が重なり、金融市場、特にリスク資産の支えとなっている。こうしたなか、経済が現在予想されているより堅調であることが明確になった場合、短期金利は安定化する可能性が高い一方、長期金利は上昇する可能性がある。その結果、イールドカーブはスティー

プ化するだろう。スティープ化の程度は経済の力強さ、財政的懸念、そしてインフレ率のオーバーシュートに対するFRBの許容度に左右されよう。しかし景気が悪化した場合でも、FRBが短期金利の引き下げを始めればイールドカーブはスティープ化する可能性がある。

結果的に、いずれの場合もイールドカーブのスティープ化要因は存在するため、利回り水準が現在より高いか低いかに関係なく、米国債のイールドカーブはこの1年間でフラット化する可能性(更なる逆イールド化)よりもスティープ化する可能性の方が高いとみている。

米国債イールドカーブ(1年~3ヵ月物)の傾斜とFF金利

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9-1.0

-0.5

0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

1989 1993 1997 2001 2005 2009 2013 2017

10Yr-3M Yield Spread (US Treasuries) Federal Funds Target Rate (rhs, inv)

% %

最終データ日:2019年4月10日。出所:ブルームバーグ、データストリーム、

クレディ・スイス/IDC

(12.04.2019)

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 スペシャル・トピック 11/24

Page 12: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

スペシャル・トピック

中国経済は回復へ中国の経済データは予想通り、景気循環が上向いた兆しを示し始めている。この改善がアジア全域に拡大する可能性が高いことを示す追加の証拠もある。

中国の内需の回復は、ユーロ圏などの貿易相手国にも恩恵を与えるだろう。これは、今後数ヵ月間グローバルな経済成長は再加速するとの当社の見解を裏付ける。

David WangHead of China Economics

第2四半期の始まりはグローバルな経済状況を懸念する投資家に幾分の安心をもたらした。 中国では、中国国家統計局が公表した3月の製造業購買担当者景気指数 (PM) が50.5と、2月の49.2から著しく上昇し、拡大圏に戻った。同時に、民間セクターに関するすぐれた指標と見られている 財新PMI も49.9から50.8に回復した。これらのセンチメント指標をクレジット・データや内需の数値と合わせて考えた結果、当社は中国景気が循環的な上昇に入ったと見ている。今後については、最近発表された財政刺激策の影響によってこの上昇が第2四半期にかけて持続し、当局にクレジット配分の効率性改善に注力する余裕が生まれると考えている。

中国の貿易相手国に好影響が出る見込み直観的に、中国の内需の改善はアジアや欧州の貿易相手国にも恩恵をもたらすと考えられる。以下の数字は、中国へのユーロ圏の輸出が昨年大幅に減少したことを示している。これは、ユーロ圏の製造業セクターの大きなモメンタムの喪失と関連していた。中国からのポジティブな景気循環データは、この急激な減少が終わる可能性があることを示唆している。当社はまた、他の小規模なアジア諸国、特に中国を主要輸出先としている国々の経済指標も、近い将来改善すると予想している。実際、韓国と台湾の3月のPMIは既に回復を見せている。

台湾、グローバル経済のカナリア台湾経済の改善は特に重要である。台湾は、その開放的な経済とグローバルなテクノロジー・サプライチェーンへの過度な露出により、世界経済のカナリア(予兆を示す

者)の役割を果たすことが多い。当社の社内分析は、台湾の輸出および総合先行指標(ともに改善の兆しを見せている)が1~2四半期先のグローバルな鉱工業生産の伸びに関して非常に大きな予見力を持っていることを示している。

過去に示された台湾の指標と世界経済の関係がいまだに堅固だと仮定すると、台湾の最近のデータは、鉱工業活動の景気循環が、アジアだけにとどまらず、今後数ヵ月のうちに世界中で上昇期に入ることを示唆している。これは、今後数ヵ月間グローバルな経済成長は再加速するとの当社の見解と一致している。

中国への輸出の低迷がユーロ圏経済の重荷

-30%

-25%

-20%

-15%

-10%

-5%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

40

45

50

55

60

65

04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

Eurozone Manufacturing PMI New Orders

Eurozone real exports to China (y/y%)

最終データ日:2019年4月21日。出所:クレディ・スイス、 Eurostat、 Markit

(12.04.2019)

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 スペシャル・トピック 12/24

Page 13: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

債券

国債に中立当社は国債に関するポジティブな見方を中立に変更し、欧州のデュレーションを短縮する。

社債のデュレーション・リスクより、クレジットとキャピタル・ストラクチャーのリスクを選好する。

Jessie GisigerHead of Credit and Equity Strategy

先月の債券資産(価格)は上昇した。最近の景気循環の上昇にも拘わらず、主要中央銀行は忍耐強いハト派的アプローチを確認し、米連邦準備制度理事会 (FRB) は、インフレの過熱を許容することを示唆した。同時に、投資家が中央銀行の非常にハト派的姿勢(市場は現在2019年下半期にFRBが利下げをすると織り込んでいる) を価格に反映させ続けたためにベンチマーク利回りのバリュエーションは悪化した。このような背景から、成長見通しが改善するにつれ債券利回りはさらに上昇すると考えられる。

従って当社は、国債に関するポジティブな見方を中立に変更し、ユーロ債のデュレーションを短縮する。国債のなかでは米国債が、特に最も割高な英国債やドイツ国債と比べると割安にみえる。償還期限3~5年の米国債は今後もポートフォリオの分散要因としての役割を果たすとの見方を維持する一方で、欧州の国債については、バリュエーションの妙味が薄れたためデュレーションを短縮する。

デュレーション・リスクよりも、クレジット・リスクおよびキャピタル・ストラクチャー・リスクを選好中央銀行の姿勢の顕著なシフトは金融環境を支え、特に現在スプレッドが割高になり、2017年/2018年初期の水準に戻っているクレジットにとって支援材料になると考えられる。当社は米国のイールドカーブが逆転ではなくスティープ化すると見ているが、ほとんどのクレジット・スプレッド・カーブはフラットのままである。だからこそ、投資家は現在、クレジットでデュレーション・リスクをとっても十分な報酬を得ることができないと考える。

グローバルな社債と新興国のソブリン債については中立を維持するが、短期のクレジット・リスクやキャピタル・ストラクチャー・リスクは選別的に推奨する。アジアの社債、欧州のコーポレート・クロスオーバー債、一部の劣後金融/ハイブリッド債については、スプレッド・バリュエーションの割高感が減少し、クレジットの評価がより堅固になったことから引き続き選好する。同様のことは「墜ちた天使」、すなわち投資適格から非投資適格にダウングレードされた銘柄にも当てはまる。クレジット・デフォルト・スワップは利回りを強化するためのもう一つの興味深い選択肢である。ただし、米国の貸付基準の強化と社債供給のリターンは引き続き、当社が注視しているクレジット・スプレッドに関する懸念事項である。

10年物の国債利回り – CSのフェアバリューからの逸脱

ドイツと英国の国債が最も割高、米国債は価値を提供

最終データ日:2019年4月5日。出所:クレディ・スイス

(12.04.2019)

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 債券 13/24

Page 14: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

株式

グローバル株式に対し強気を再開

再び活性化した景気循環の上昇、ハト派的な中央銀行、市場環境の改善などにより、グローバルな株式に対して再び強気に転じた。現在はユーロ圏株式に弱気で、米国と新興国市場の株式を選好する。

素材 (特に採掘) を新たに選好することで、当社のセクター選好に景気敏感属性を追加する一方、エネルギー、ヘルスケア、ITに対するポジティブな見方を維持する。リターンを確保し、収入を強化するためにオプション・オーバーレイ戦略を選好する。

Jessie GisigerHead of Credit and Equity Strategy

経済活動の回復の兆しに促されて、グローバル株式に対する見方をポジティブに戻した。経済の主要先行指標について、最近は特に米国と中国で改善の兆候が確認されており、この両国の製造業購買担当者指数(PMI)は拡大領域に戻った。重要なのは、主要中央銀行のハト派的姿勢と辛抱強いスタンスが確認されたことだ。この顕著なシフトは金融環境を支え、株式の上昇期間の拡大につながると当社は見ている。

このような環境では、2月には妙味が薄れたように見えたバリュエーションは適切な指針にならないと思われる。当社は引き続き、グローバルな株式市場、特に、現在当社が選好する地域の一つである米国株の収益率は小幅に上昇すると予想している。米国市場では、グローバルな経済活動の牽引力の復活と経営陣の業績見通しの改善に伴って、アナリストの利益修正の底入れが継続している。それでも、一部の地政学的不確実性や決算発表シーズンの開始によるボラティリティ上昇のリスクがあることも認識しており、リターン確保とインカム強化を選好する。

採掘銘柄は景気循環の上昇から恩恵を受ける見込み貿易摩擦の激化懸念の再燃は、中国から欧州に移動する可能性があり、依然として当社のポジティブな経済シナリオに対する主要なリスクである。このリスクが実現した場合(当社のクオンツモデルは現在、今後12ヵ月間に米国が景気後退に陥る確率は10%未満としている)、当社のエコノミストは、米連邦準備制度理事会が景気刺激策をとる余地が拡大すると予想している。そのため、当社は米国株を選好する。米国株に対するポジティブな見方は、ITセクターを引き続き選好していることも反映している。

さらに、PMIが改善し始めたときに通常アウトパフォームする素材セクターを通じて、当社のセクター戦略に景気敏感要素を追加した。特に、レバレッジが低く、最近の供給不足によって価格決定力が強まっている採掘セグメントを選好する。

グローバル金融市場の環境は改善

ブルームバーグ・フィナンシャル・コンディション指数 – 左軸標準偏差

最終データ日:2019年4月10日。出所:ブルームバーグ、クレディ・スイス

(12.04.2019)

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 株式 14/24

Page 15: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

グローバル株式セクター戦略とリサーチからのトップ推奨銘柄(3~6カ月)

アジア太平洋 (O)米国 (O)#スイス (N)ユーロ圏 (U) / 英国 (N)産業の見解セクターの見解

Pioneer Natural Resources,Marathon Oil, WilliamsCompanies, Halliburton +

BP, Galp Energia, Royal DutchShell, Repsol, Total

エネルギー (O)エネルギー (O)

DowDuPont, Air Products &Chemicals

Johnson Matthey, BASF,Novozymes

化学 (O)#素材 (O)#

建設資材 (O)#

Newmont MiningGlencore, ThyssenKrupp,Victrex

金属 & 鉱山 (O)#

パルプ・紙 (O)#

Singapore TechnologiesEngineering, China StateConstruction International+,Luxshare Precision Industry+

Honeywell, SunrunGeorg Fischer, SchindlerSchneider Electric, SmithsGroup, Vinci

資本財(U)資本財 (U)

Experian商業サービス&供給事業(U)

Shanghai International AirportUnion Pacific運送 &物流事業 (U)

自動車&部品(N)一般消費財 (N)

Hangzhou Robam Appliances+,Qingdao Haier+

Capri, PVHLVMH Moet Hennessy LouisVuitton

耐久消費財&衣料、繊維、衣料 & 贅沢品 (N)

Compass Groupホテル、レストラン&レジャー(N)

メディア (O)

小売 (N)

食品&生活必需品小売 (N)生活必需品(N)

Wuliangye Yibin, ChinaResources Beer+

Coca-ColaDiageo, Pernod Ricard飲料 (N)

Inner Mongolia Yili Industrial食品(N)

タバコ (N)

L'Oréal日用品・パーソナルケア製品(N)

UnitedHealth GroupStraumann HoldingRoyal Philips, Fresenius SE &Co+

医療機器&サービス(O)ヘルスケア (O)

Alexion+バイオテクノロジー (O)

Thermo Fisher Scientific,Mylan

ノバルティスNovo Nordisk, Bayer医薬品(N)

Bank of China, ChinaConstruction Bank, UnitedOverseas Bank

JPMorgan Chase, Bank ofAmerica

Barclays, Crédit Agricole,KBC, Lloyds Banking

銀行 (N)金融 (N)

ETRADE Financial多角的金融 (N)

Ping An InsuranceZurich Insurance Group, SwissLife

Prudential, AXA保険 (N)

Microsoft, Visa,Salesforce.com, IBM

TemenosSAPソフトウェア&サービス(O)IT (O)

Shenzhen SunwayCommunication+

LogitechNokia+テクノロジー・ハードウェア&機器 (N)

MediaTek Incorporation半導体&半導体装置(N)

Alphabetメディア&エンターテイメント (U)

コミュニケーションサービス (U)

China Unicom Hong Kong,PCCW, China TowerCorporation, PCCW+

Vodafone, Koninklijke KPN電気通信サービス(U)

ExelonRWE, Iberdrola公益 (U)公益 (U)

UOL Group, China VankeEquinixSegro, Derwent London,Vonovia, Unibail-Rodamco-Westfield+

不動産 (N)不動産 (N)

これは、2019年4月17日現在でクレディ・スイス・プライベート・バンキングおよびウェルス・マネジメント部門が推奨する当社のセクター戦略およびトップピック銘柄です。当社のセクター/産業戦略は、

当社が選好するセクター/産業を、以下の地域別ベンチマークと比較した推奨とともに示しています:グローバル:(MSCIワールド、米ドル建て)、欧州(MSCI欧州、ユーロ建て)、スイス(スイス市場指

数、スイス・フラン建て)、米国(S&P500指数、米ドル建て)、アジア太平洋(MSCI ACアジア太平洋、米ドル建て)アウトパフォーム(アンダーパフォーム)は、それぞれベンチマークの時価総額構成

比率に対して中立より高め(低め)の投資割合にすることを推奨しています。セクター/産業別のウェイトおよび中立ポジションの詳細は、要請していただければ入手可能です。当社リレーションシップ・

マネジャーにお問い合わせください。トップ推奨銘柄は、当社のカバレッジ内において当社が選好する銘柄です。構成銘柄は、セクター/産業および地域的な選好度を反映しています。最新情報について

は、当社のインベストメント・マンスリーおよび株式調査レポートにおいて定期的に提供しています。また、構成銘柄の追加や削除については、毎日のインベストメント・デイリー・レポートで発表してい

ます。凡例:(O) = アウトパフォーム、(N) = ニュートラル、 (U) = アンダーパフォーム。変更は以下のように表示されます:(+) = トップピックへの追加銘柄、(#) = セクター/産業/国別ウェイトの変更そ

の他、発行元に関する開示情報等、詳細情報については、クレディ・スイス・グローバル・リサーチ・ディスクロージャーウェブサイトを御覧ください:http://www.credit-suisse.com/research/disclaimer.一部

の証券については取引設備が限定される場合があることにご注意ください。

出所:クレディ・スイス

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 株式 15/24

Page 16: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

オルタナティブ投資

オルタナティブにとって好調な四半期

オルタナティブ投資では不動産が利益を先導し、コモディティがそれに続いた。

ヘッジファンドは出遅れたが、リスク調整後リターンは良好。

Stefan GraberHead of Commodities and Hedge Fund Strategy

Sarah LeissnerReal Estate and Private Equity Strategy

ヘッジファンド:難しい環境でプラスのリターンヘッジファンドのベンチマークは第1四半期にプラスを記録した。投資不能指数は一桁半ばのリターンをあげ、株式には及ばなかったものの、債券指数を上回った。とは言え、投資可能なベンチマークのパフォーマンスは投資不能指数を下回った。株式の値上がりによって株式ヘッジスタイルが上昇した一方、広範なセクターと最近下落した銘柄間相関関係もリターンに寄与した。イベント・ドリブン・サブ指数は出遅れた。相対価値戦略が着実なパフォーマンスを続ける一方で、コモディティ・トレーディング・アドバイザーは年初からのマイナスを3月に回復した。当社のヘッジファンド・バロメター指標の直近の数値は、ヘッジファンドの市場環境は依然厳しいものの、ボラティリティの低下、流動性の改善、事業活動の小幅な改善などにより、一時的に安定したことを示している。しかし、バロメーターが好調に転じるには景況感と流動性環境がさらに改善する必要がある。いずれにしろヘッジファンドは、第1四半期は穏やかなリターンという当社の予想を上回っている。

コモディティ:環境は追い風、原油の回復は継続コモディティは先月さらに回復した。第2四半期にグローバルな鉱工業生産の回復が予想されていることから、環境は引き続き支援材料となるだろう。とはいえ、現実の活動が、特に最近の指標の数値が良好な中国で改善する

必要がある。投資家のポジションが軽い(農業における大きなショート・エクスポージャーが原因) 一方で、キャリーコストが総体ベースで縮小したためコモディティ固有のシグナルも改善している。セクター・レベルでは、石油輸出国機構(OPEC)の減産によって市場の逼迫が継続している原油市場が利益を牽引した。需給を均衡させるには70米ドル(ブレント)前後の価格で十分であり、スポット価格は現在、上振れリスクの方が大きいと思われる。5月に失効するイランに対する米国の制裁を延長すべきか否かについて米国のトランプ大統領が行う決定と、6月のOPEC会合が次の焦点になるだろう。一方で、中国の春の建設期間は工業用金属の季節的な支援材料になるだろう。金については、広い範囲のレンジにとどまったままでも、引き続き、ポートフォリオのすぐれた分散手段だと考えている。

上場不動産:上昇トレンドだが中立を維持グローバルな上場不動産は、利回りの低下に助けられて3月に上昇トレンドを再開した。この資産クラスは年初以来、株式と同等のリターンを実現させている。当面は中立の見方を維持する。バリュエーションは過去の観点からは公正に見える。また、現在のハト派的な利上げ期待の再価格付けは目先の脅威にはならないだろう。とは言え、アナリストは、経済成長の鈍化と原市場の悪化を反映して利益予想の下方修正を続けている。地域的には引き続き、利回りが特に低いユーロ圏を選好する。一方で、3月の決算発表シーズンは堅調であることが証明された。支援的な原市場とその結果としての活動の改善は、ハト派的な欧州中央銀行とあいまって、一層の上昇を促進するだろう。 (12.04.2019)

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 オルタナティブ投資 16/24

Page 17: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

外国為替

新興国通貨の強気を継続ブレグジットが10月末まで延期されたことにより、ソフトブレグジットの可能性が高まった。英ポンドについては強気を維持する。

新興国通貨についても強気を維持し、新興国通貨の中ではポーランド・ズロチとロシア・ルーブルを選好する。

Luca BindelliHead of Global Rates & FX Strategy

外国為替 (FX) 環境は市場を動かす要因と言う意味では最近あまり変化していない。ただし、米ドルは主要貿易相手国通貨、特にユーロと人民元に対して小幅に下落した。グローバルな景気減速のリスクと、4月10日のブレグジットをめぐるEU臨時首脳会談を前にしたブレグジット交渉の混乱によって、事態は幾分不透明感を増した。しかし、主要中央銀行が年末までは政策の正常化を想定していないとの姿勢を示したため、ボラティリティは低下した。EU首脳陣は現在、10月31日までブレグジットを延期することに合意しており、これによってソフトブレグジットの可能性が高まったと当社は見ている。この理由に加え、英ポンドのバリュエーションには依然として妙味があることから、英ポンドに対するポジティブな見方を維持する。

ユーロは景気循環の上昇から恩恵を受ける予想されているグローバルな経済活動の回復はユーロのような景気に敏感な通貨にとって支援材料になる見込みだが、単独の通貨が短期的に対米金利差によるデメリットを克服するのは困難だと考えられる。当社はEUR/USDに対し中立を維持し、今後3ヵ月および12ヵ月の予想をそれぞれ1.13および1.17 (1.14 および1.20から) に下方修正する。EUR/CHFに対しても中立を維持し、3ヵ月および12ヵ月の予想を1.13および1.17とする。スイス・フランは最近、ブレグジットに関連したセイフヘイブン需要に

よって上昇しているが、当社はスイス国立銀行が、大幅なスイス・フラン高を防ぐために政策的手段を準備していると考えている。この政策は主として、スイスの金利を欧州中央銀行の基準金利を下回る水準に保つことでスイスとユーロ圏の金利に大きなマイナススプレッドを維持し、必要であれば為替に介入してスイス・フランを下落させることを意味する。

新興国通貨について強気を維持新興国通貨のファンダメンタル的な過小評価が十分に是正されていないため、当社は引き続き、新興国通貨バスケットには上昇余地があると見ている。新興国の経済データが改善している環境で、リスク調整後の利息収入も引き続き妙味がある。現在の低ボラティリティかつキャリーを追求する環境では、先進国市場に対する実質金利差も新興国通貨に有利に働こう。

欧州、中東およびアフリカ地域では、対米ドルでのファンダメンタルな過小評価、依然として堅固な経済、ハト派的度合いが弱い金融政策を理由に、ポーランド・ズロチを強気に変更する。ロシア・ルーブルに対しては、好調な対外収支、対米ドルで妙味のある金利差、最近のハードおよびソフトな経済指標に反映されている景気モメンタム改善の継続により、ポジティブな見方を維持する。アジア通貨は、上昇要因がほとんどない状態が続いたとしても、当面は支えられよう。アジア通貨を上昇させる要因の一つは、米中貿易摩擦におけるポジティブなサプライズだが、それは一時的な材料にしかならない可能性もある。 (12.04.2019)

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 外国為替 17/24

Page 18: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

予想

予想の要約見通しおよび予想についての詳しい情報は、ご要望に応じて入手可能です。過去の実績は将来の実績を示すものではありません。パフォーマンスはコミッション、手数料またはその他の費用、為替レート変動などの影響を受ける可能性があります。

短期金利 3ヵ月物LIBOR / 10年物国債

10年3ヵ月物LIBOR

12ヵ月3ヵ月スポット

12ヵ月3ヵ月スポット

in %

-0.1-0.1-0.4--0.2-0.25-0.8--0.6-0.8--0.6-0.72CHF

0.7-0.90.0-0.20.06-0.4--0.2-0.4--0.2-0.31EUR *

2.6-2.82.4-2.62.592.7-2.92.5-2.72.59USD

1.5-1.71.1-1.31.221.0-1.20.7-0.90.82GBP

2.0-2.21.8-2.01.921.7-1.91.7-1.91.69AUD **

0.0-0.2-0.1-0.1-0.04-0.2-0.0-0.2-0.0-0.06JPY

スポットレートは2019年4月15日の終値。予測日は2019年4月11日。 *3ヵ月物Euribor、 **3ヵ月物銀行手形金利

出所:ブルームバーグ、クレディ・スイス/IDC

株式

12ヵ月*3ヵ月*配当利回り (%)

PERスポット指数

1,3201,2702.815.21,252MSCI AC ワールド**

3,0202,9402.416.92,907米S&P 500種

3,3753,3853.613.33,463ユーロストックス50

7,4907,4654.412.97,470英国 FTSE 100

1,6401,6352.312.61,626日本 TOPIX

6,1056,2054.315.66,277オーストラリアS&P/ASX 200

16,55016,3503.214.616,502カナダ S&Pトロント総合

9,8109,6503.216.19,580スイスSMI

146,000140,0002.812.3136,153MSCIエマージング・マーケット**

価格は2019年4月16日。 *予測日は2019年4月11日 **グロス・リターン (配当含む)

出所:ブルームバーグ、データストリーム、クレディ・スイス/IDC

コモディティ:

12ヵ月*3ヵ月*スポット

135013501277金 (USD/oz)

161615.01銀(USD/oz)

950975882プラチナ (USD/oz)

145015001359.4パラジウム (USD/oz)

620067006467銅 (USD/ton)

606664.45WTI原油(USD/bbl)

174177172.3ブルームバーグ・コモディティ指数

スポットレートは2019年4月17日の終値。 *予測日は2019年4月11日

出所:ブルームバーグ、クレディ・スイス/IDC

クレジット:主要指数

12ヵ月予想*3ヵ月予想*

デュレーション(年)

スプレッド(bp)

利回り(%)

0.7%0.4%5.11130.8BC IG コーポレートEUR

0.9%0.2%7.41093.7BC IG コーポレートUSD

-0.4%0.3%6.542-0.1CS LSI ex govt CHFCHF

0.6%0.2%3.43506.1BC ハイイールド社債USD

2.8%1.0%4.13584.0BC ハイイールドPanEUR

1.3%0.6%7.94036.7JPM EMハードカレンシーUSD

2.1%1.1%5.2n.a.6.2JPM EMローカルカレンシー・ヘッジ USD

BC=バークレイズ・キャピタル、IG=投資適格、CS=クレディ・スイス, JPM= JPモルガン(EMBI+および GBI Gl. Div)。 指数データは2019年4月15日現在。 *予測日は2019年4月11日。

出所:ブルームバーグ、クレディ・スイス/IDC

外国為替

12ヵ月3ヵ月スポット

1.171.131.1301EUR/USD

1.001.001.0072USD/CHF

1.171.131.1382EUR/CHF

105112111.96USD/JPY

123127126.48EUR/JPY

0.840.840.8656EUR/GBP

1.401.351.3056GBP/USD

0.750.720.7146AUD/USD

1.301.321.3385USD/CAD

10.3010.5010.4794EUR/SEK

9.209.409.6042EUR/NOK

4.154.164.2748EUR/PLN

6.506.656.7099USD/CNY

1.351.361.3533USD/SGD

114011301136.2USD/KRW

73.071.069.609USD/INR

3.703.813.9042USD/BRL

21.019.018.891USD/MXN

スポットレートは2019年4月17日の終値

出所:ブルームバール/IDC

実質GDP成長率とインフレ率

インフレ率

GDP 成長率

202020192018202020192018in %

0.50.50.91.81.52.5スイス

1.41.31.81.61.11.8欧州

2.01.52.42.22.32.9米国

2.11.92.51.41.01.4英国

2.31.91.92.62.42.8オーストラリア

0.50.60.80.70.80.8日本

2.01.92.16.06.26.6中国

予測日:2019年4月12日

出所:クレディ・スイス

(17.04.2019)

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 予想 18/24

Page 19: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

用語

リスクの警告

金融市場は、経済環境、インフレ圧力、世界のニュースおよびビジネス特有の報告に基づいて大きく変動します。時間の経過とともにトレンドが発見されるかもしれませんが、市場や個別銘柄の方向性を予測することは困難となり得ます。こうした変動性は株式投資において価値を喪失するリスクをもたらします。

市場リスク

投資家は、金利、通貨、流動性、クレジット市場および発行体の変動に晒されており、これらが債券価格に影響する可能性があります。

債券リスク

新興国市場は以下の性質を1つ以上保有する国に存在します。一定の政治的不安定性、金融市場および経済成長パターンが相対的に予測不可能、金融市場が未発展段階にある、もしくは経済が弱体化している。新興国市場投資は、政治、経済、信用、為替レート、市場流動性、法律、決済、市場、株主および債権者リスクの結果として、通常高いリスクをもたらします。

新興国市場

ストラクチャーを問わず、ヘッジファンドは特定の投資規律や取引戦略に限定されず、レバレッジ、デリバティブおよび投資損失リスクを増大しうる投機的投資戦略を活用し、あらゆる市場で利益を追求します。

ヘッジファンド

コモディティ取引は、リスクが高く、多くの個人投資家には適さないかもしれません。市場の動きに起因する損失の度合いが相当な額に及ぶ可能性があり、ひいては全損につながる場合もあります。

コモディティ投資

不動産投資は、流動性と外貨に晒されるほか、その他のリスクとしては、景気変動リスク、賃貸および現地市場リスク、環境リスクおよび法的状況の変化などがあります。

不動産

外貨投資には、外貨が投資家の基準通貨に対して価値を下げるという追加的リスクが生じます。通貨リスク

レポートで頻繁に使用する指標の説明

コメントコメント

MSCIワールド指数は、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル社が開発・算出するグローバルな株価指数である。株式配当を再投資したものとして終値に基づいて計算される。

MSCIワールド

MSCI EMUインデックス(欧州経済通貨同盟)は、EMUに属する先進10ヵ国の大型・中型株237銘柄で構成され、EMU株式市場の浮動株調整後時価総額の約85%をカバーしています。

MSCI EMU

S&P500種は、米国の主要産業すべてを時価総額で加重した株価指数である。この指数は市場価値の総額の変動を通じて米国内経済のパフォーマンスを測定する。

米S&P 500種

ユーロストックス50指数は、ユーロ圏の優良50銘柄で構成される時価総額加重型株価指数である。ユーロストックス50

FTSE 100指数は、ロンドン証券取引所で取引される時価総額が最も大きい100社を対象とした時価総額加重型株価指数である。各銘柄は投資可能なウェイトに調整されて計算される。

英国 FTSE 100

TOPIXは、東証株価指数としても知られ、東京証券取引所市場第一部に上場する全ての日本企業を対象としている。優先株式や組入前の新規上場銘柄は算出から除外される。

日本 TOPIX

S&P/ASX 200指数は、スタンダード・アンド・プアーズ社が算出するオーストラリアの浮動株調整時価総額加重平均指数である。

オーストラリア S&P/ASX 200

S&Pトロント総合指数は、米国のS&P500種指数に相当するカナダの株価指数で、トロント証券取引所に上場する主要株式が含まれる。

カナダ S&Pトロント総合

スイスSMI指数は、スイス・パフォーマンス指数に含まれる主要20企業で構成される。スイス株式市場の浮動株調整済み時価総額の85%をカバーしている。SMI指数に配当は加味されない。

スイスSMI

MSCIエマージング・マーケット指数は、世界の新興国市場の株式の市場動向を測定する浮動株を加重した株価指数である。モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル社が開発・算出している。

MSCI エマージング・マーケット

ユーロ社債インデックスは、固定金利付、投資適格、ユーロ建て社債市場の値動きを測定する。本指数には、特定の満期、流動性、質的要件を満たす債券が含まれる。算出元は、バークレーズ。

BC IG コーポレートEUR

米国社債インデックスは、固定金利付、投資適格、米ドル建て社債市場の値動きを測定する。本指数には、特定の満期、流動性、質的要件を満たす米国および非米国債券が含まれる。算出元は、バークレーズ。

BC IG コーポレートUSD

投資適格金融債インデックスは、固定金利付、投資適格、米ドル建て金融債市場の値動きを測定する。本指数には、特定の満期、流動性、質的要件を満たす米国および非米国債券が含まれる。算出元は、バークレーズ。

BC IG ファイナンシャルUSD

スイス流動性インデックス(スイス国債を除く)は、スイス国債を除くスイス債券市場の最も流動性が高く取引可能な債券で構成される時価総額ベースの債券インデックスである。算出元は、クレディ・スイス。

CS LSI ex govt CHF

米国ハイイールド社債インデックスは、米ドル建て、非投資適格、固定金利付、課税社債の値動きを測定する。算出元は、バークレーズ。

BC ハイイールド社債USD

汎欧州ハイイールド債インデックスは、ユーロ、英ポンド、ノルウェー・クローネ、スウェーデン・クローナおよびスイス・フラン建て非投資適格、固定金利付社債市場の値動きを測定する。算出元は、バークレーズ。

BC ハイイールドPan EUR

エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラスは流動性の最も高い新興国市場におけるハードカレンシー建てソブリン債のトータル・リターンを測定する。本指数には、米ドル建てブレイディ債(中南米諸国が発行する米ドル建て債券)およびユーロ債が含まれる。

JPM EM ハードカレンシーUSD

JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックスは、外国人投資家に最もオープンな市場において新興国政府が発行する現地通貨建て債券の値動きを測定する。

JPM EM ローカルカレンシー・ヘッジ USD

クレディ・スイス・ヘッジファンド・インデックスは、クレディ・スイス・ヘッジファンド・インデックスLLCが編集している。資産加重ヘッジファンド・インデックスで、セパレートアカウントではなく実際のヘッジファンドの運用資産のみを用いる。本指数は、構成する全てのファンドのパフォーマンス手数料および経費を差し引いたパフォーマンスを反映している。

CSヘッジファンド・インデックス

主要取引通貨に対する米ドルの価値を測定するもの。米ドルインデックスは、他の貿易加重指数と同様、同じ主要取引通貨の為替レートを使用する。

DXY

MSCIオールカントリー・ワールド指数は、先進国23ヵ国および新興国23ヵ国の大型・中型株を対象とした株価指数で、約2,480銘柄で構成され、世界の投資可能な株式投資機会の約85%をカバーしている。

MSCI AC World

MSCIオールカントリー・アジア太平洋指数は、アジア太平洋地域の先進国5ヵ国および新興国8ヵ国の大型・中型株を捉えた株価指数で、1,000銘柄で構成され、各国の浮動株調整時価総額の約85%をカバーしている。

MSCI AC Asia/Pacific

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 19/24

Page 20: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

MSCIヨーロッパ指数は、欧州の先進国15ヵ国の大型・中型株を捉えた株価指数で、442銘柄で構成され、欧州先進国株式市場の浮動株調整時価総額の約85%をカバーしている。

MSCI Europe

ドイツ株価指数は、フランクフルト証券取引所に上場する最も時価総額が大きく、流動性の高いドイツ企業30社を対象としている。

DAX

FTSE EPRA/NAREIT グローバル不動産インデックス・シリーズは、条件を満たした世界の不動産株の全般的なトレンドを示すことを目的としている。

FTSE EPRA/NAREIT Global Real Estate Index Series

ヘッジファンド・バロメーターは、ヘッジファンド戦略のための市場環境を測定するクレディ・スイス独自のスコア作成ツールで、流動性、ボラティリティ、システミック・リスク、景気サイクルの4要素で構成されている。

Hedge Fund Barometer

レポートで頻繁に使用される略語

説明略語説明略語

国際通貨基金IMF3、6、12ヵ月移動平均3/6/12 MMA

中南米LatAmオルタナティブ投資AI

ロンドン銀行間取引金利Liborアジア太平洋APAC

日量百万バレルm b/dバレルbbl

マネーサプライ統計の指標。硬貨や紙幣など全ての現金通貨のほか、要求払預金、当座預金、および譲渡可能貯蓄預金を含む。

M1インドネシア銀行BI

マネーサプライ統計の指標。現金および当座預金(M1)、また貯蓄預金、マネーマーケット・ミューチュアル・ファンドおよびその他定期預金を含む。

M2カナダ銀行BoC

マネーサプライ統計の指標。M2のほか、大口定期預金、インスティチューショナル・マネーマーケット・ファンド、短期レポ取引およびその他の大型流動資産を含む。

M3イングランド銀行BoE

合併と買収M&A日本銀行BoJ

シンガポール通貨監督庁MASベーシスポイントbp

マスター・リミテッド・パートナーシップMLPブラジル、ロシア、中国、インドBRIC

前月比MoM年複利成長率CAGR

金融政策委員会MPCシカゴ・オプション取引所CBOE

オプション調整後スプレッドOAS営業からのキャッシュフローCFO

経済協力開発機構OECDキャッシュフロー投下資本利益率CFROI

翌日物金利スワップOIS割引キャッシュフローDCF

石油輸出国機構OPEC先進国市場DM

株価純資産倍率P/B先進国市場DMs

株価収益率P/E金利・税金・償却前利益EBITDA

中国人民銀行PBoC欧州中央銀行ECB

株価収益率をEPSの伸び率で除した値PEG東欧、中東およびアフリカEEMEA

購買担当者指数PMI新興国市場EM

購買力評価PPP欧州、中東およびアフリカEMEA

量的緩和QE新興国市場EMs

前期比QoQ欧州通貨同盟EMU

(チャートの)右軸r.h.s.一株当たり利益EPS

オーストラリア準備銀行RBA上場投資信託ETF

インド準備銀行RBI企業価値EV

ニュージーランド準備銀行RBNZフリーキャッシュフローFCF

不動産投資信託REIT米連邦準備理事会Fed

自己資本利益率ROE営業からの収益FFO

投下資本利益率ROIC米連邦公開市場委員会FOMC

預金準備率RRR外国為替FX

戦略的資産配分SAA先進10ヵ国グループG10

特別引出権(Special Drawing Rights, SDR, XDR)SDR先進3ヵ国グループG3

スイス国立銀行SNB国内総生産GDP

戦略的資産配分TAA年金積立金管理運用独立行政法人GPIF

貿易加重指数TWI主要通貨HC

ボラティリティ指数VIXハイイールドHY

ウエスト・テキサス・インターミディエイトWTI有利子負債IBD

前年比YoYクレディ・スイス投資委員会IC

年初来YTD投資適格IG

国内の全ての個人消費に対する平均的な物価上昇圧力を測る指標。

個人消費支出(PCEデフレータ)

物価連動債ILB

レポートで頻繁に使用される通貨コード

通貨コード通貨コード

韓国ウォンKRWアルゼンチン・ペソARS

メキシコ・ペソMXN豪ドルAUD

マレーシア・リンギットMYRブラジル・レアルBRL

ノルウェー・クローネNOKカナダ・ドルCAD

ニュージーランド・ドルNZDスイス・フランCHF

ペルー・ヌエボ・ソルPENチリ・ペソCLP

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 20/24

Page 21: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

フィリピン・ペソPHP人民元CNY

ポーランド・ズロチPLNコロンビア・ペソCOP

ロシア・ルーブルRUBチェコ・コルナCZK

スウェーデン・クローナSEKユーロEUR

シンガポール・ドルSGDポンドGBP

タイ・バーツTHB香港ドルHKD

トルコ・リラTRYハンガリー・フォリントHUF

台湾ドルTWDインドネシア・ルピアIDR

米ドルUSDイスラエル・シェケルILS

南アフリカ・ランドZARインド・ルピーINR

日本円JPY

デリバティブ商品に関する重要情報

本調査レポートに記載されているオプション・プレミアムとオプション価格は提示価格にすぎません。オプションのプレミアムと価格は急速に変動する場合があります。本調査レポートに記載されている価格とプレミアムは本文に明示されている時点のもので、その後に大きく変動する場合があります。

価格設定

デリバティブは複雑な商品で、デリバティブにまつわるあらゆるリスクを理解し負担することのできる投資家のみを対象に販売するものです。オプションのポジションを既存のポートフォリオに加えると、当該ポートフォリオの性質と価格動向が変化する可能性があることを投資家は認識する必要があります。市場の一定の変動に対するポートフォリオの感応度は、オプションのレバレッジの程度に大きく影響される場合があります。

リスク

コール・オプションを購入する投資家は、原証券の価格が行使期間の満了時点で行使価格を下回っていた場合には支払ったプレミアムの全額を失うリスクがあります。

コール・オプションの買い

プット・オプションを購入する投資家は、原証券の価格が行使期間の満了時点で行使価格を上回っていた場合には支払ったプレミアムの全額を失うリスクがあります。

プット・オプションの買い

コール・オプションを売却する投資家は、原証券の市場価格が著しく上昇した場合でも、原証券を行使価格で売却することが義務づけられます。カバード・コール・オプションを売却する(原証券を保有してコール・オプションを売却する)投資家は、利益が行使価格までの価格上昇分と受け取ったプレミアムまでに限定され、原証券の価格がショートしたコール・オプションの行使価格を超えるとそれを手放さなければならない可能性があります。さらに、投資家は原証券の価格が下がった場合には、最初に受け取ったプレミアム分で一部補塡されるものの、値下がり分の影響をほぼ全部受けることになります。投資家が原証券の売却を余儀なくされた場合、課税される可能性も否定できません。ネイキッド・コールをショートする(原証券を保有せずにコール・オプションを売却する)投資家は、行使価格を超えた分の価格の上昇による無限の損失のリスクにさらされます。

コール・オプションの売り

プット・オプションを売却した投資家は、原証券の価格が行使価格を下回った場合でも、行使価格で原証券を購入することが義務づけられます。最大で、行使価格全額からプット・オプションを売却したときに受け取るプレミアムを差し引いた分の損失を被る可能性があります。

プット・オプションの売り

コール・スプレッドを購入する(コール・オプションを購入し、当該コールよりも行使価格の高いコール・オプションを売却する)投資家は、原証券が行使期間の満了時点で低い方の行使価格を下回っている場合、支払ったプレミアム全額を失うリスクがあります。コール・スプレッドの購入で得られる最大の利益は、行使価格の差額から当初の支払いプレミアム代金を差し引いた金額です。

コール・スプレッドの買い

ネイキッド・コール・スプレッドの売り(原証券を保有しない状態で、コール・オプションを売却し、大幅にアウト・オブ・ザ・マネーとなっているコール・オプションを購入する):投資家にとっての最大の損失額は、ロングしているコール・オプションの行使価格とショートしているコール・オプションの行使価格との差額から、当初に受け取るプレミアム分を差し引いた金額で、これは行使期間の満了時点で、原証券の価格がロングにしたコール・オプションの行使価格を上回っていた場合に発生します。行使期間の満了時点で原証券の価格がショートしたコール・オプションの行使価格を下回っている場合に、当初受け取ったプレミアムが最大の利益となります。

ネイキッド・コール・スプレッドの売り

プット・スプレッドを購入する(プット・オプションを購入し、当該プットよりも行使価格の低いプット・オプションを売却する)投資家も、最大で当初支払ったプレミアムを失う可能性があります。プット・スプレッドの購入で得られる最大の利益は、行使価格の差額から当初の支払いプレミアムを差し引いた金額です。

プット・スプレッドの買い

ストラングルの買い(プット・オプションとコール・オプションを購入する):損失額が最大になるのは、行使期間の満了時点で原証券がプット・オプションとコール・オプションの行使価格の間にある場合で、損失額は2つのオプションに支払ったプレミアムの全額となります。

ストラングルの買い

ある有価証券をロングし、ストラングルまたはストラドルをショートする投資家が得られる利益は、売却されたコールの行使価格までの当該証券の上昇分と当初受け取るプレミアムの総額が上限となります。さらに、原証券の価格がショートしたプット・オプションの行使価格を下回った場合には、投資家は、ショートしたプットについて、当該オプションの行使価格と原証券の価格との差(から受け取ったプレミアム代金分を差し引いた額)を失うリスクがあり、さらに当該株式を所有している場合にはそのポジションから損失を被ることになります。損失となり得る最大額は、行使価格の全額(から受け取ったプレミアムの価値を差し引いた額)とロングした原証券のポジションから発生する損失です。ネイキッドのストラングルまたはストラドルをショートしている投資家は、無限の損失を被る可能性があります。というのも原証券の価格がコール・オプションの行使価格を上回った場合、投資家はショートしたコール・オプションの行使価格と原証券の価格との差額(から受け取ったプレミアムの価値を差し引いた額)を失うリスクがあるからです。さらに、原証券が行使期間の満了時点でプット・オプションの行使価格を下回っている場合、投資家はプット・オプションの行使価格(から受け取ったプレミアム代金を差し引いた額)で有価証券を購入しなければなりません。

ストラングルまたはストラドルの売り

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 21/24

Page 22: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

重要事項(投資信託をご購入されるお客様へ)費用・手数料等に関する留意事項:投資信託の購入・換金にあたっては各種手数料等(申込手数料、信託財産留保額、買戻し手数料等)がかかります。また、これらの手数料等とは別に信託・管理報酬、その他費用(監査報酬、信託事務諸費用、成功報酬等)がかかり、信託財産を通じてご負担いただきます。お客様にご負担いただく手数料はこれらを足し合わせた金額となりますが、これら手数料等は投資信託毎に、また運用状況等により異なるため、具体的な金額・計算方法を記載することができません。

各投資信託の手数料等の詳細は、契約締結前交付書面(交付目論見書および目論見書補完書面)でご確認ください。

分配金に関する留意事項:•分配金は、預貯金の利息とは異なり、投資信託の純資産から支払われますので、分配金が支払われると、その金額相当分、基準価額(一口当たり純資産価格)は下落します。

•分配金は、計算期間中に発生した収益(経費控除後の配当等収益および評価益を含む売買益)を超えて支払われる場合があります。その場合、当期決算日の基準価額(一口当たり純資産価格)は前期決算日と比べて下落することになります。また、分配金の水準は、必ずしも計算期間におけるファンドの収益率を示すものではありません。

•投資者のファンドの購入価額によっては、分配金の一部又は全部が、実質的には元本の一部払戻しに相当する場合があります。ファンド購入後の運用状況により、分配金額より基準価額(一口当たり純資産価格)の値上がりが小さかった場合も同様です。

詳細は交付目論見書でご確認ください。

主要リスクの説明(金融商品取引法第37条(広告等に関する規制)に従った説明など)下記に記載するリスクは、投資信託の一般的リスク(純資産価格に影響を及ぼすリスク)の一部要約であり、全てのリスクを網羅するものではありません。各投資信託のリスクの詳細については、投資信託説明書(交付目論見書)でご確認ください。

価格変動リスク:投資信託は主として株式、債券およびデリバティブ商品等を実質的な投資対象とします。組入れ株式、債券およびデリバティブ商品等の価格の下落や政治・経済情勢、発行企業の業績、市場の需給、金利等の影響やその他の要因により騰落する場合があり、その結果、投資信託は損失を被る可能性があります。

為替変動リスク:外貨建ての株式や債券等に投資を行う投資信託の場合、為替リスクが発生し、各国通貨の為替レートにより、投資信託の基準価額(または純資産価格)が変動します。また、投資信託の基準通貨では投資元本を割り込んでいない場合でも、為替レートの変動により円換算時に損失を被る場合があります。さらに、複数通貨間での為替取引を活用する投資信託の場合、当該通貨間の短期金利差によっては為替取引によるコスト(金利差相当分の費用)が生じ、損失を被る場合があります。

信用リスク:投資信託を通して直接的または間接的に世界の株式や債券等に投資します。投資対象となる会社の業務・財産状況の変化やその他の要因により、それらの価格は騰落する場合があり、損失を被る可能性があります。

流動性に係るリスク:急激かつ多量の売買により市場が大きな影響を受けた場合、または市場を取り巻く外部環境に急激な変化があり、市場規模の縮小や市場の混乱が生じた場合等には、機動的に有価証券等を売買できないことがあります。このような場合には、当該有価証券等の価格の下落により、投資信託の基準価額(または純資産価格)が影響を受け損失を被ることがあることがあるほか、純資産価格の算出停止や買戻しの停止を管理会社が決定することもあります。

さらに、ファンドがファンド・オブ・ファンズである場合、投資先ファンドがあらゆる流動性のない投資対象を保有するため別勘定(サイドポケット)を活用することに起因するリスクを被ることがあります。投資先ファンドにより別勘定が活用される場合、その投資資金が当該別勘定から分離されるまで、ファンドまたは受益者が全面的に買戻しを制限されることがあります。したがって、ファンドは、投資先ファンドが期限を定めない投資を行う場合には、当該投資対象が清算されるまで、投資先ファンドの投資実績の影響を受けることがあります。

売却資金の流出に伴うリスク:短期間に大量の売却申込があった場合には、売却資金を手当てするため組入有価証券を市場実勢より大幅に安い価格で売却せざるを得ないことがあり、不利益を被る可能性があります。また、オルタナティブ(代替投資)ファンドは、伝統的な投資信託に比べ一般的に流動性が制限されます。オルタナティブ・ファンドは、通常月毎または四半期毎にしか買戻請求を受け付けないものが多いため、経済環境の急激な変化において早期の買戻しができない場合があります。

償還リスク:投資信託は一定の理由により強制償還となる場合があります。詳しくは各投資信託の投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。

集中リスク:ある特定の投資商品や似たような投資商品グループに投資する投資信託は、厳しい環境の下では大きく基準価額(または純資産価格)が下がる可能性があります。

カントリー・リスク:投資対象国・地域において、政治、経済および社会情勢の変化により、金融・証券市場が混乱した場合に、証券価額が大きく変動する可能性があります。また、新興市場への投資は、市場規模や取引量の小さいこと、政治・社会的不確実性、決済システム等市場インフラの未発達、情報開示制度や監督当局による法制度の未整備、為替レートの大きな変動、外国への送金規制等といった特有のリスクがあり、発展した主要な市場への投資に比べ価格変動が大きくなる可能性があります。

重要事項(外国株式をご購入されるお客様へ)外国株式をご購入の際は、発行体情報をご確認ください。

重要事項本書は、情報提供のみを目的としてクレディ・スイスが作成したものであり、直接配布されたお客様のみによる使用を前提としています。クレディ・スイスは、本書の正確性も完全性も保証しません。本書は、直接・間接を問わず投資の勧誘を意図しておらず、金融商品等の取引の契約締結に至るような提案も申込みも行うものではありません。本書の情報を利用することによりいかなる損失が発生しても責任を負いかねます。法務、税務等の問題については、第三者たる専門家に具体的な助言を求めることをお勧めします。また、クレディ・スイスの書面による事前の許可がない限り、本書の複製も引用も不可とします。本書中の情報や表明される見解は、クレディ・スイスのプライベート・バンキング部門による作成日現在のものであり、通知なく変更されることがあります。特定の投資対象商品に関して表明される見解は、評価基準の相違等からプライベート・バンキング以外の部門による見解と異なったり、一貫性を欠く場合があります。本書は、クレディ・スイス証券株式会社のみが日本国内への配布を担当しております。クレディ・スイス証券株式会社は、本書の国外への配布及び転送は致しません。

株式は、株価の変動等により損失が生じるおそれがあります。また外国株式は、為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。債券は、その価格が市場の金利水準や発行体等の信用状況の変化に対応して変動しますので、償還前に換金する場合には損失が生じるおそれがあります。また外貨建て債券は、為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。投資信託は、基準価格が株式、債券等の組み入れ投資対象の値動き、為替相場の変動等の影響により上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。

特に、仕組商品及び派生商品はより高いリスクを内包しており、商品の内容やそのリスクを十分に理解し保有することが出来るお客様にのみ販売を限定している複雑な商品です。仕組商品の市場価値は、金融市場や参照指標またはそれらの変動率(ボラティリティ)、発行体または参考指標の対象となった発行体の信用力の変化等により変動します。なお、仕組商品の中には償還額(満期金)が参照指標等に連動することにより元本が毀損する商品や、派生商品では潜在的損失が当初投資額を上回る商品もあります。

手数料率はクレディ・スイスとお客様の契約により合意した内容に従います。なお、お客様とクレディ・スイスが相対で行う取引については、売買代金のみの支払いとなりますが、その場合、売買価格は買付価格(ビッド)または売付価格(オファー)として値付けされることにより、価格差(スプレッド)が生じることがあります。その他の費用については、金融商品取引法の規定する方法に従って取引に先立って合意されることになります。

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 22/24

Page 23: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

ご購入される金融商品等については、相場や金融指標等の変動により元本が毀損するもの、元本を上回る損失が生じるものもあります。個別の金融商品のリスクや手数料については、ご購入前に契約締結前交付書面等をよくお読みの上、ご不明な点は担当者までお問い合わせ下さい。

本レポート及びその全部又は一部の複製物は、1933年米国証券法(その後の改正を含みます。)に基づくレギュレーションSにて規定される米国内もしくは米国人に対して、一切の送付、配布又は頒布をすることはできません。

商号等: クレディ・スイス証券株式会社、金融商品取引業者、関東財務局長(金商)第66号加入協会: 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

Copyright © 2019 Credit Suisse Group AG および/あるいは関連会社不許複製

19C013A_IS_J

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 23/24

Page 24: 株式には一段の上昇余地 - Credit Suisse...スーパートレンド スマートモビリティを選ぶミレニアル世代 ページ7 ミレニアル世代:投資ソリューションの特徴

インプリント

投資期間: 3-6ヵ月

発行元

Credit Suisse Private Banking & Wealth ManagementInvestment Solutions & Products

その他の投資ソリューションおよび商品に関する出版物についての情報

インターネット: https://investment.credit-suisse.com

イントラネット(社員のみ)

https://isr.csintra.net

購読(顧客向け)

本出版物のご購読お申し込みは、担当のカスタマー・アドバイザーまでご連絡ください。

購読(社内向け)

ご購読に関する詳細は、http://isr.csintra.net/subscriptionsをご覧ください。

Investment Monthly, 日本版 / クレディ・スイス証券株式会社, 2019年4月 24/24