Upload
others
View
2
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
MITOUJTAG BASIC 3.4の使い方
2018/10/31 特殊電子回路株式会社
ついにUltraScale+対応!!
(C)2018 特殊電子回路株式会社 1
はじめに
MITOUJTAGを使うと、FPGAのI/O端子の状態(H/L、入力出力)をパソコンの画面上でリアルタイムに観測することができます。
このとき、FPGAの中にIPコアを埋め込んだり、特別なプログラムやコンフィグデータを書き込む必要はありません。
他人が作ったFPGAや、既にあるFPGAのデザインであっても非侵襲的・非破壊的に解析することができます。
この文書では、AVNET社のUltra96ボードを例に、MITOUJTAG BASICを使った端子の可視化、操作、波形の観測、FPGA(PL)への書き込みのやり方などを解説します。
(C)2018 特殊電子回路株式会社 2
システム要件
(C)2018 特殊電子回路株式会社 3
以下のものをご用意ください
MITOUJTAG BASIC CD-ROMまたはインストーラ実行ファイル
Windows 7以降が動作するPC
ターゲットボード
JTAGケーブル(以下のもののうち1つ)
特電製 Pocket JTAG Cable
XILINX製 Platform Cable USB、 Platform Cable USB II
Digilent製 JTAG HS1,HS2,HS3
Digilent製 オンボードUSB-JTAG
ALTERA製 USB-Blaster
これらのケーブルに対応しているので、XILINX製ボードやDigilent製ボードにUSBで接続すればすぐに使用できます
(C)2018 特殊電子回路株式会社 4
インストール
(C)2018 特殊電子回路株式会社 5
MITOUJTAGのインストール
製品CD-ROMあるいは、当社Webサイトからダウンロードしたmjbasic340.exe
を起動します。
MITOUJTAG BASIC 3.4以前をお使いの場合は、あらかじめアンインストールしておいてください。※MITOUJTAG Pro、Lightとは競合しません。
(C)2018 特殊電子回路株式会社 6
インストールウィザード
インストールウィザードが起動するので、次へを押します。
(C)2018 特殊電子回路株式会社 7
使用許諾契約とラインセンスキー
使用許諾契約ダイアログでは「同意します」を選択してください。
ユーザ情報ダイアログでは、シリアル番号を入力してください。
(C)2018 特殊電子回路株式会社 8
インストール先の選択など
インストール先のフォルダの選択はデフォルトのままで構いません
次の画面で「インストール」を押すと、インストールが開始します
(C)2018 特殊電子回路株式会社 9
インストールの完了
インストールウィザードが終了したら、完了です。
(C)2018 特殊電子回路株式会社 10
起動からデバイス認識まで
(C)2018 特殊電子回路株式会社 11
ターゲットボードとの接続
MITOUJTAGをインストールしたPCと、ターゲットボードをUSB-JTAGで接続します。
(C)2018 特殊電子回路株式会社 12
MITOUJTAGの起動
デスクトップにあるアイコンをクリックして、MITOUJTAGを起動します
(C)2018 特殊電子回路株式会社 13
MITOUJTAGのメイン画面
MITOUJTAGが起動すると、ご利用のケーブルが認識され、そのケーブルのアイコンが表示されます。
ケーブルアイコン
(C)2018 特殊電子回路株式会社 14
デバイスの自動認識
デバイス自動認識ボタンを押します。
自動認識ボタン
(C)2018 特殊電子回路株式会社 15
一般のFPGAデバイスの場合
Spartan、Artix、Kintex、その他各社のCPUなどの場合です
デバイスが自動認識されるので、最もふさわしいパッケージを選びます。
XILINX社の場合、パッケージのピン数さえ合っていれば、オートモーティブ用のXAを選んでも、低消費電力のLを選んでも構いません。
Digilent社 ARTYの場合・・・パッケージは324ピン→XC7A35T_CSG324を選択
(C)2018 特殊電子回路株式会社 16
パッケージを手動で選択する理由
一般にICメーカーは、同じチップ(ダイ)をパッケージングを変えることで、様々なパッケージの製品を出しています。
同じIDCODEを持ちながら異なるパッケージの製品が多数存在し、これらは電気的に識別することができません。
そのため、パッケージは人が実際のデバイスを見て決定する必要があります。
ダイ
様々なパッケージ
(C)2018 特殊電子回路株式会社 17
SoC(ZYNQ 7000)の場合
ZYNQ 7000の中にはFPGAの部分(PL)と、CPUの部分(PS)が入っているので、2個のJTAGデバイスが検出されるはずです。
FPGAの部分は、ご利用のパッケージに合わせたピン数のものを選んでください。
CPUの部分は何を選択しても動作には変わりありません。
(C)2018 特殊電子回路株式会社 18
UltraScale+の場合の操作(1)
UltraScale+の場合、FPGA内部のJTAGチェーンがリセット直後にDUMMY DAPというものが接続されているので、Warningが出ます。
この状態では正しくないので、もう一度、自動認識ボタンを押してください。
UltraScale+でデバイスが1個という状態は、間違いです
Warning
(C)2018 特殊電子回路株式会社 19
UltraScale+の場合の操作(2)
UltraScale+の場合、「2個のJTAGデバイスが発見されました」と表示されれば成功です。
Ultra96ボードの場合、1つ目のデバイスはSBVA484(下から3個目)を選択し、2個目のデバイスはZYNQULTRASCALE_ARM_DAPを選択します。
(C)2018 特殊電子回路株式会社 20
UltraScale+の場合の操作(3)
以下のように表示されれば成功です。
温度・電圧情報は、XILINX 7シリーズとUltraScaleで表示されます。
デバイス1(UltraScale+のPL)
デバイス2(ARM DAP)
温度・電圧情報
ケーブル
(C)2018 特殊電子回路株式会社 21
バウンダリスキャンのやり方
(C)2018 特殊電子回路株式会社 22
メイン画面上での基本的な操作
キーボードでV→F・・・全てのデバイスが表示されるよう拡大縮小
キーボードでV→A・・・選択したエリアを拡大
マウスホイールの上下・・・現在のカーソルの位置を中心として拡大縮小
デバイスの選択・非選択・・・デバイスのBODY(灰色の部分)をクリックすると選択されます。デバイスの外をクリックすると選択が解除されます。
画面を拡大すると、端子の番号が表示されます
選択されていない状態 選択された状態(C)2018 特殊電子回路株式会社 23
端子の可視化
デバイスが選択された状態で、ツールバーの「可視化」ボタンを押します。
バウンダリスキャンが行われ、端子の状態がピンク、水色などで着色されます。
選択された状態 可視化ボタン 可視化された状態
(C)2018 特殊電子回路株式会社 24
端子の色の意味
MITOUJTAGでは、デバイスの端子は以下のようなに表示されます
電源端子
Hを入力JTAG信号線
GND端子
Lを入力
未検査
Hを出力
衝突が発生
JTAG非対応
Lを出力
衝突が発生
操作可能なI/O 操作できない端子(C)2018 特殊電子回路株式会社 25
連続したバウンダリスキャン
ツールバーの「連続動作」ボタンを押すと、バウンダリスキャンが連続して行われ、端子の状態をリアルタイムに表示し続けます。
このとき、動作に合わせてチカチカと、FPGAの端子が動いて見えるはずです。
ツールバーの「停止」ボタンを押すと、バウンダリスキャンの連続動作が停止します。
リアルタイムに表示が変わる(C)2018 特殊電子回路株式会社 26
その他のボタン
正常性検査・・JTAGのステータスレジスタとIDCODEレジスタを読み、チェーンが正しく接続されているかをチェックします。(電源がOFFになっていたり、ケーブルが抜けているとエラーとなります)
BYPASS・・選択されたデバイスをバウンダリスキャンを行わない安全なモードにします
端子操作・・FPGAの動作を止めて、マウスクリックで端子を操作できるようにします
可視化・・FPGAを動作させたまま、端子の状態を観察します
その他・・その他のバウンダリスキャン関連コマンドが入っています
(C)2018 特殊電子回路株式会社 27
端子操作(EXTEST)のやりかた
端子操作を行うには、「端子操作」というボタンを押します
端子操作には危険が伴います
端子を操作して、出力同士をぶつける危険
端子を操作して、出力と電源をぶつける危険
端子を操作して、モータや大電流ドライバに電流を流しっぱなしにする危険
以下のような警告が出るので、十分に注意して次の操作に進んでください
ボタンを押したときの状態でICの動作は停止します(解除後にCPUは正常な動作をまず続行できません)
(C)2018 特殊電子回路株式会社 28
端子操作のやりかた
ICの動作を止めたら、操作したいピンをマウスでクリックします。
プルダウンメニューが出るので、H出力、L出力など、設定したい値を選びます。
「強制的にトグル出力」は、クリックされるたびにH→L→H→Lと切り替わります
「自動トグル出力」は、クリックされた端子から自動的にHLHLのパルスを出します
カーソルの形状が変わっている間は、クリックされたピンの状態が変わります。このモードを抜けるにはESCキーを押してください。
(C)2018 特殊電子回路株式会社 29
ピン名の設定
FPGAのI/Oには通常は名前がついていません。FPGAの端子の名前はユーザが設定するものであるからです。
MITOUJTAGでは、デバイスのボディ(灰色の部分)を右クリックし、「ピン定義ファイルの登録」を選択することで、論理合成の際に使用したピン定義ファイルを読み込むことができます。
XILINX・・・UCF、PAD、XDCなど
ALTERA・・・QSF
(C)2018 特殊電子回路株式会社 30
JTAGロジックアナライザの起動
ピン定義ファイルを読み込んだら(CPUのピンだけならば読み込まなくてもできますが・・)、新規ウィンドウ→JTAGロジックアナライザを起動します
(C)2018 特殊電子回路株式会社 31
波形の計測
「連続動作」ボタンを押すと、全I/Oピンの波形が取得されます
赤い線は出力信号を、緑の線は入力信号を表します。
典型的な例では、毎秒500~5000回程度スキャンすることができます
(C)2018 特殊電子回路株式会社 32
表示方法の変更
CTRLまたはSHIFTを押しながら信号名をクリックすると、複数の信号が選択されます
その状態で右クリックするとプルダウンが表示され、「結合」を選ぶと信号がバスとして結合されます。
結合された信号は16進や10進、アナログ値として表示することができます。
(C)2018 特殊電子回路株式会社 33
アナログ値としての表示例
ADコンバータの変換結果や、アナログデータを空いているピンやバスに出力し、それをアナログ値として表示することで、簡単にアナログ波形モニタが作れます
(C)2018 特殊電子回路株式会社 34
JTAGロジックアナライザの応用機能
FPGA内にロジアナIPコアを入れるモード(BLOGANAモード)や、トリガ機能などがあります。
詳しくはWebサイトをご覧ください。
(C)2018 特殊電子回路株式会社 35
FPGAへの書き込み
(C)2018 特殊電子回路株式会社 36
FPGA書き込み機能について
MITOUJTAGは、ほぼすべてのXILINX製FPGA、CPLD、コンフィグROMに書き込むことができます(※ALTERA、Latticeは一部に対応)
FPGAの揮発性部分に書き込むことも、FPGAに接続されたSPI ROMに書き込むこともできます。
FPGAへの書き込みは1秒~数十秒かかりますが、電源をOFFにすると消えます
SPI ROMの書き込みは分単位の時間がかかりますが、電源をOFFにしても消えません
パーシャルリコンフィギュレーションBitStreamの書き込みにも対応しています
ZYNQのPLに書き込みを行った場合でもPS(CPU)は動作し続けます。PLに書き込まれたレジスタはクリアされるので、ソフトウェア的に設定されたレジスタの値はすべて初期化されます。
(C)2018 特殊電子回路株式会社 37
XILINX FPGAへの書き込み方法(1)
書き込みたいデバイスを選択し、書き換えボタンを押します。
(C)2018 特殊電子回路株式会社 38
XILINX FPGAへの書き込み方法(2)
JTAG ISPコントロールパネルが表示されるので、「書き込みデータファイル」にBitStreamファイルを指定し、「開始」ボタンを押します。
ファイルの指定
書き込み中
書き込み成功
(C)2018 特殊電子回路株式会社 39
FPGA書き込みの便利な機能
ISPコントロールパネルで、「データファイルが更新されるまで待機する」をチェックすると、BitStreamが更新されてから書き込みを開始します。
論理合成が終わったら自動的に書き込みを行いたいような場合に便利です。
(C)2018 特殊電子回路株式会社 40
SPI ROMへの書き込み
XILINXのSpartan-3e以降のFPGAは、コンフィグROMとしてSPI ROMを使用することができます。
MITOUJTAGは、FPGAにJTAG-SPIロジックを一度書き込んで、JTAG経由でSPI
ROMを操作できるようにして、SPI ROMに書き込みを行います。
FPGA ROM
FPGA ROM
JTAG
JTAGJTAG
-SPIロジック
通常動作時
SPI ROM書き換え時
(C)2018 特殊電子回路株式会社 41
SPI ROMへの書き込み方法(1)
ISPコントロールパネルで、「間接SPI」ボタンを押すと、JTAG-SPIのデザインがFPGAに書き込まれます(FPGAは通常動作を停止します)
間接SPI(C)2018 特殊電子回路株式会社 42
SPI ROMへの書き込み方法(2)
SPI ROMコントロールと書かれたダイアログが開きます
SIG・・・SPI ROMのユニークなIDを読み出します
DUMP・・・SPI ROMの中身をダンプします
AUTO・・・書き込みとベリファイを行います
WRITE・・・書き込みを行います
VERIFY・・・ファイルの内容と照合します
ERASE・・・SPI ROMを消去します
BLANK・・・SPI ROMが空かどうか調べます
READ・・・SPI ROMの内容を読み出します
CANCEL・・・書き込みなどの動作を中止します
(C)2018 特殊電子回路株式会社 43
SPI ROM書き込みの便利な機能
MITOUJTAGでは、BitStreamの先頭のヘッダ部分も書き込みます。
したがって、BitStreamの生成時刻や、ファイルも一緒に書き込まれていて、DUMPボタンで読めるので、SPI ROMの内容を確認することができます。
(C)2018 特殊電子回路株式会社 44
その他の機能
MITOUJTAG BASICには、このほかにもSVFプレイヤーや、フラッシュROM書き込み機能、XADCを通じた温度・電圧測定機能、Vivado接続機能などがあります。
また、本書では紹介しきれなかった、たくさんのオプションがございます。
MITOUJTAG Proには、基板のオープン・ショート検出機能や、スクリプト機能などがあります。
(C)2018 特殊電子回路株式会社 45
まとめ
MITOUJTAGを使いこなすことで、より素早く、簡単かつ確実に基板の実装不良や設計ミスを発見できるようになります。
ぜひとも、MITOUJTAGを活用して「ICの端子が見えない」という組み込み開発のネックを解消し、快適な開発&デバッグを行ってください。
(C)2018 特殊電子回路株式会社 46詳細は http://www.tokudenkairo.co.jp/jtag/ へ