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1 平成22年1月14日 報道機関各位 サービス産業生産性協議会 日本版CSI(顧客満足度指数:Customer Satisfaction Index)の第2回発表について ~サービスの見える化をめざして!サービス産業9業界のお客様評価~ サービス産業生産性協議会(代表幹事:牛尾治朗・ウシオ電機(株)代表取締役会長)では、業界横断 での比較・分析が可能な「日本版CSI(顧客満足度指数: Customer Satisfaction Index」として、 この度、9つの業界百貨店、 通信販売、旅行、国内交通(長距離)、国際航空、銀行、生命保険、 損害保険、証券について調査を実施し、顧客満足度指数を算出しました。 日本版CSIは、日本のサービス産業の競争力強化と生産性向上を目的として、平成19年度か ら開発に取り組み、これまで27業界、250社以上を対象とした実証調査を踏まえて構築したも のです。サービス産業を広くカバーするよう年3回に分けて継続的に調査しており、今回はその2 回目の発表です。日本版CSIを活用することで、業界内外の優れた企業の取組みに学ぶことが可 能になり、業界を超えたサービス品質競争により、サービス産業全体の生産性向上が促進されるこ とが期待されます。 なお、平成22年3月に、今年度3回分の全調査結果を踏まえ、顧客満足度上位の企業名および 得点について公表を行う予定です。 (※本事業は、サービス産業生産性協議会が、サービス産業生産性向上支援調査事業として、経済産業省の委託 を受けて取り組んでいるものです。) ■日本版 CSI(顧客満足度指数:Customer Satisfaction Index)の特徴 1.利用者であるお客様に各業界共通の設問で評価してもらい、それを指数化しているた め、業界横断的な比較・分析を可能にしています。 2.単なる満足度指数だけでなく、なぜ満足/不満足となったかの原因と、満足/不満足 がどのような影響をもたらすかの結果についての関係が明らかになります。 3.これらの多面的な分析データを提供することで、個別の業界や企業の具体的な経営改 善への活用が期待できます。 ■調査結果概要 1.業界として顧客満足度で最も高い評価を得たのは、 「通信販売業界」 2.業界として顧客満足度で最も低い評価になったのは「証券業界」 3.金融系4業種(銀行、生命保険、損害保険、証券)は、高く評価されている企業と低く評 価されている企業の差が大きく、大手企業の中央値でみると他産業よりも低い評価となって いる。 【お問合せ先】 サービス産業生産性協議会事務局(担当:向山、野沢、下村) 105-0003 東京都港区西新橋 1-6-15 西新橋愛光ビル8F(日本生産性本部内) Tel03(5251)3841 Fax03(3593)8450 ホームページ www.service-js.jp mail:[email protected]

(顧客満足度指数:Customer Satisfaction Index)の特徴 › uploads › fckeditor › uid000013_20140926… · 知覚価値 (価格への 納得感) 顧客満足 クチコミ

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平成22年1月14日

報道機関各位

サービス産業生産性協議会

日本版CSI(顧客満足度指数:Customer Satisfaction Index)の第2回発表について

~サービスの見える化をめざして!サービス産業9業界のお客様評価~

サービス産業生産性協議会(代表幹事:牛尾治朗・ウシオ電機(株)代表取締役会長)では、業界横断

での比較・分析が可能な「日本版CSI(顧客満足度指数:Customer Satisfaction Index)」として、

この度、9つの業界(百貨店、 通信販売、旅行、国内交通(長距離)、国際航空、銀行、生命保険、

損害保険、証券)について調査を実施し、顧客満足度指数を算出しました。

日本版CSIは、日本のサービス産業の競争力強化と生産性向上を目的として、平成19年度か

ら開発に取り組み、これまで27業界、250社以上を対象とした実証調査を踏まえて構築したも

のです。サービス産業を広くカバーするよう年3回に分けて継続的に調査しており、今回はその2

回目の発表です。日本版CSIを活用することで、業界内外の優れた企業の取組みに学ぶことが可

能になり、業界を超えたサービス品質競争により、サービス産業全体の生産性向上が促進されるこ

とが期待されます。

なお、平成22年3月に、今年度3回分の全調査結果を踏まえ、顧客満足度上位の企業名および

得点について公表を行う予定です。

(※本事業は、サービス産業生産性協議会が、サービス産業生産性向上支援調査事業として、経済産業省の委託

を受けて取り組んでいるものです。)

■日本版CSI(顧客満足度指数:Customer Satisfaction Index)の特徴

1.利用者であるお客様に各業界共通の設問で評価してもらい、それを指数化しているた

め、業界横断的な比較・分析を可能にしています。

2.単なる満足度指数だけでなく、なぜ満足/不満足となったかの原因と、満足/不満足

がどのような影響をもたらすかの結果についての関係が明らかになります。

3.これらの多面的な分析データを提供することで、個別の業界や企業の具体的な経営改

善への活用が期待できます。

■調査結果概要

1.業界として顧客満足度で最も高い評価を得たのは、「通信販売業界」

2.業界として顧客満足度で最も低い評価になったのは「証券業界」

3.金融系4業種(銀行、生命保険、損害保険、証券)は、高く評価されている企業と低く評

価されている企業の差が大きく、大手企業の中央値でみると他産業よりも低い評価となって

いる。

【お問合せ先】 サービス産業生産性協議会事務局(担当:向山、野沢、下村)

〒105-0003 東京都港区西新橋1-6-15西新橋愛光ビル8F(日本生産性本部内)

Tel03(5251)3841 Fax03(3593)8450 ホームページwww.service-js.jp mail:[email protected]

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Ⅰ.調査結果(満足度の全体像)

◎今回の対象企業全体では、左から2番目の通信販売業界の最上位企業が最高の評価点(81.

2)であり、右端の証券業界の最低位企業が最低の評価点(51.6)となっています。

◎上位と下位の企業間でばらつきが大きい業界と小さい業界があることや、中央値が分布全体の

中で偏ったところに位置する業界と、分布の中心近くに位置する業界があることがわかります。

調査9業界(大手企業)における顧客満足度

70

60

50通信販売 旅行業 国内交通

(長距離)銀行 生命保険百貨店 損害保険国際航空

80

100

0

71.7点

81.2点

77.0点75.6点

78.5点 78.9点

73.8点 75.3点

69.4点

証券

[凡例]

・ 棒グラフの上端にその業界において最も顧客満足度が高い企業、下端に最も低い企業が位置します。

・ 棒グラフ上の数字は最も顧客満足度が高い企業の得点です。

・ 棒の間に示された矢印( )は、各業界の調査対象企業を順番に並べた際、ちょうど中間に位置づけら

れる企業(中央値)です。

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Ⅱ.調査の概要

1.調査対象業界/企業:

・ 下記9業界の売上・利用度上位企業(1業界につき9社~18社、計108社)。

年間3回に分けて、のべ30業界・300社程度の調査を実施する中の第2回分です。

百貨店、通信販売(ネット通販、カタログ通販、テレビショッピング)、旅行業(店舗型、ネット

サイト)、国内交通(長距離:国内交通、新幹線、高速バス)、国際航空、銀行、生命保険(共済含

む)、損害保険(共済含む)、証券

2.調査期間: 平成21年10月17日~11月4日(一部、データの補充のため追加調査を12月に実施)

3.調査方法:インターネット・モニターを用いた調査 (2段階にて回答者を抽出)

・第1次抽出、約60万人:モニター全体から年齢別・地域別の人口構成を配慮した上で無作為抽出し、利

用経験の有無を確認。

・第2次抽出、約8万人:「直近に利用経験がある」方のみを対象に、サービスの具体的な評価について回

答を依頼。

4.回答数: 有効回答者数38,292人(9業界)。1企業あたりの回答数300件以上を確保。

5.質問項目:約110問 ※14ページ「設問内容」参照

6.日本版CSIの因果モデル図:

矢印は、「心理的な動き」を示す。黒い部分は、業界共通での関係性が特に強いことを示す。数字は「パス係数」という影響指標であり、因果の大きさ・強さを示す。

影響がとても強い(0.8以上)

影響が少ない(0.2以下)

影響が強い(0.7以上)

知覚品質(利用した際の品質評価)

顧客期待(利用前の期待・予想)

知覚価値(価格への納得感)

顧客満足

クチコミ(他者への推奨)

ロイヤルティ(継続的な利用意向)

影響がある(0.7~0.2)

日本版CSIのモデルは、「顧客満足度」だけでなく、顧客満足の原因となる「顧客期待(利用する前の期

待・予想)」「知覚品質(実際に利用した際の品質評価)」「知覚価値(価格への納得感)」、ならびに顧客満足

の結果である「クチコミ(他者への推奨度)」や「ロイヤルティ(再利用意図)」という6つの指数から構成

されます。これら6つの指数によって、特定企業に対する顧客評価を多面的に診断することができます。顧

客満足に影響の大きな要因が、価格面であったり品質面であることを具体的に確認することができるわけで

す。

【モデル図の見方】

上図を見ると「顧客満足」を上げたり下げたりする影響が明らかなのが「知覚品質」と「知覚価値」であ

り、「顧客期待」は影響が少ないことを示します。業界や企業により「パス係数」の違いが生じるため、因果

関係における特性などがわかります。

満足/不満足にいたる原因 満足/不満足した結果の影響

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7.指数化の方法:

・日本版CSIは顧客満足度をはじめとした6つの指数(構成概念)について、質問項目のデータから得

点を計算し、100点満点で指数化しています。10点満点の複数設問に対し、「全員が満点とした」場

合に100点、「全員が1点とした」場合に0点としています。

■指数算出の基礎データとしている業界

指数を算出する基礎データには、今回調査の9業界に加え、直近1年間以内に調査を行った18業界の計

27業界のデータ(総計で95,558人)を活用しています。以下のグラフには従来調査の18業界についても

参考値として示しています。

指数算出の基礎データとしている業界の顧客満足度分布

70

60

50

80

100点

0点

スーパー

家電量販店

ホームセンター

ドラッグストア

飲食業

近郊鉄道

病院

介護

フィットネス

学習塾・通信教育

これまでに調査した業界・企業分布

携帯電話

コンビニエンスストア

衣料品専門店

生活雑貨・家具専門店

ビジネスホテル

シティホテル

宅配便

レジャーイベント

今回、調査し発表を行う業界・企業分布

百貨店

通信販売

旅行業(ネットサイト含)

証券

国内交通(長距離)

国際航空

銀行

生命保険

損害保険

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Ⅲ.調査結果(業界別)

業界内の調査対象は、一次調査において10件から25件程度の候補を並べて利用経験を尋ね、利用経験

者が多かった順に本調査(二次調査)を行う形式で決めています。

「業界優良企業」とは、今回、調査を行った大手企業の中で、「顧客満足」が最も高かった企業です。

「大手企業の中央値」は、各項目において中央に位置した企業の点数を示します。

■百貨店業界

「業界優良企業」は全体的に利用者から高く評価されていますが、「中央値」や中堅・中小百貨店の評価を

示す「その他」の評価は全体的に低くなっています。

下のモデル図は、「知覚価値」とブランドイメージを含んだ「顧客期待」の間で影響が大きいことが特徴で

す。「ここならば、これくらいの価格で購入できる」という値頃感を事前に提供できると「知覚価値」が上が

り、満足度も上げていくことができるという関係が読みとれます。

顧客期待

(利用前の予想・期待)

知覚品質

(利用した際の品質評価)

知覚価値

(価格への納得感)

70.9 71.4 67.7

65.2 66.6 64.2

61.3 63.6 63.8

クチコミ

(他者への推奨)

ロイヤルティ(継続的な利用意向)

59.8 61.2

57.2 56.5

54.0 57.5

顧客満足

71.7

66.8

65.0

業界優良

企業の値

大手企業の中央値

その他

(大手以外の集計値)

百貨店

*調査対象企業は、百貨店の大手14社(高島屋、三越、そごう、大丸、西武、伊勢丹、阪急、近鉄、東急、松坂屋、東武、小田急、阪神、丸井)。「大手企業の中央値」はこれらの企業の中央値。それ以外の企業は「その他」として把握。*該当業界調査サンプル数:4,950

知覚品質(利用した際の品質評価)

顧客期待(利用前の期待・予想)

知覚価値(価格への納得感)

顧客満足

クチコミ(他者への推奨)

ロイヤルティ(継続的な利用意向)

百貨店 業界満足度モデル

矢印は、「心理的な動き」を示す。黒い部分は、業界共通での関係性が特に強いことを示す。数字は「パス係数」という影響指標であり、因果の大きさ・強さを示す。

影響がとても強い(0.8以上)

影響が少ない(0.2以下)

影響が強い(0.7以上)

影響がある(0.7~0.2)

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■通信販売業界

ネット通販、カタログ通販、テレビショッピング等、さまざまな形態の通販大手企業について調査を実施

しています。

「業界優良企業」は、非常に高い「知覚品質」と「知覚価値」が原因となって「顧客満足度」を引き上げ

ています。また、業界全体としての「顧客満足」の評価は高いものの、「クチコミ」や「ロイヤルティ」は十

分に高いとは言えず、購買経験がすぐに継続的な利用につながりにくい業態であることが伺えます。

なお、下のモデル図からは、他者への「クチコミ」を行った利用者が継続的な購買をしやすいという因果

関係が読み取れます。他人にも薦めることができるような特徴を有した通販企業は、業界の中でも優位な立

場を持つと想定できます。

顧客期待

(利用前の予想・期待)

知覚品質

(利用した際の品質評価)

知覚価値

(価格への納得感)

71.1 78.2 77.7

67.9 73.4 70.1

72.1 76.7 74.2

クチコミ

(他者への推奨)

ロイヤルティ(継続的な利用意向)

60.7 60.1

61.2 61.1

61.4 58.0

顧客満足

81.2

73.5

77.1

業界優良

企業の値

大手企業の中央値

その他のネット通販

(大手以外の集計値)

通信販売

*調査対象企業は、ネット通販の大手9社(ベルメゾン、ニッセン、楽天、ヤフー、アマゾン、ヨドバシ、ECカレント、DHC、やずや)とカタログ通販大手6社(ベルーナ、千趣会、ニッセン、フェリシモ、セシール、ディノス)とテレビショッピング大手3社(ショップチャンネル、QVCジャパン、ジャパネットたかた)計18社。「大手企業の中央値」はこれらの企業の中央値。それ以外の企業は「その他」として把握。*該当業界調査サンプル数:6,711

知覚品質(利用した際の品質評価)

顧客期待(利用前の期待・予想)

知覚価値(価格への納得感)

顧客満足

クチコミ(他者への推奨)

ロイヤルティ(継続的な利用意向)

通信販売 業界満足度モデル

矢印は、「心理的な動き」を示す。黒い部分は、業界共通での関係性が特に強いことを示す。数字は「パス係数」という影響指標であり、因果の大きさ・強さを示す。

影響がとても強い(0.8以上)

影響が少ない(0.2以下)

影響が強い(0.7以上)

影響がある(0.7~0.2)

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■旅行業界

店舗型旅行業とネット予約サイトの大手企業について調査を実施しています。

「業界優良企業」は、「顧客期待」や「知覚品質」は業界他社と比べて高くありませんが、高めの「知覚価

値」が満足向上に効果を示しています。中堅クラスの旅行会社を示す「店舗型旅行業のその他」も利用者か

ら高く評価をされています。

下のモデル図を見ると、大きな特徴として「知覚価値」と「知覚品質」の関係が高いことがわかります。

旅行商品などの価格への納得感と、実際の旅行商品の良さが一体となって企業の評価を決めているというモ

デルです。

顧客期待

(利用前の予想・期待)

知覚品質

(利用した際の品質評価)

知覚価値

(価格への納得感)

67.7 72.6 73.4

67.9 72.0 72.3

67.8 72.9 74.8

クチコミ

(他者への推奨)

ロイヤルティ(継続的な利用意向)

63.6 72.6

59.1 64.2

61.2 61.9

顧客満足

77.0

73.2

76.4

業界優良

企業の値

大手企業の中央値

店舗型旅行業・その他

(大手以外の集計値)

旅行業

*調査対象企業は、店舗型旅行業の大手5社(JTB、近畿日本ツーリスト、日本旅行、阪急交通社、HIS)とネット旅行予約サイトの大手5社(楽天トラベル、じゃらん、JTB、HIS、一休)。 「大手企業の中央値」はこれらの企業の中央値。それ以外の企業は「その他」として把握。*該当業界調査サンプル数:3,693

知覚品質(利用した際の品質評価)

顧客期待(利用前の期待・予想)

知覚価値(価格への納得感)

顧客満足

クチコミ(他者への推奨)

ロイヤルティ(継続的な利用意向)

旅行業 業界満足度モデル

矢印は、「心理的な動き」を示す。黒い部分は、業界共通での関係性が特に強いことを示す。数字は「パス係数」という影響指標であり、因果の大きさ・強さを示す。

影響がとても強い(0.8以上)

影響が少ない(0.2以下)

影響が強い(0.7以上)

影響がある(0.7~0.2)

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■国内交通(長距離)業界

一般には異なる業界に分類される大手国内航空会社、新幹線を有するJR各社、高速バスを、長距離移動

交通として一元的に調査しています。

「業界優良企業」は、「顧客期待」「知覚品質」「クチコミ」などは業界中央値を下回っていますが、高い「知

覚価値」が「顧客満足」を引き上げていることが読み取れます。

因果を示すモデル図は、日本のサービス業全般の平均像とほぼ同等の関係を示しています。

顧客期待

(利用前の予想・期待)

知覚品質

(利用した際の品質評価)

知覚価値

(価格への納得感)

56.9 66.6 75.3

63.3 67.5 65.6

60.2 66.1 69.6

クチコミ

(他者への推奨)

ロイヤルティ(継続的な利用意向)

58.4 59.9

59.3 59.4

54.1 58.0

顧客満足

75.6

70.5

72.0

業界優良

企業の値

大手企業の中央値

その他

(大手以外の集計値)

国内交通(長距離移動)

*調査対象企業は、国内長距離移動交通の大手10社(JAL、ANA、スカイマーク、スターフライヤー、エア・ドゥ、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州、高速バス)。 「大手企業の中央値」はこれらの企業の中央値。それ以外の企業は「その他」として把握。*該当業界調査サンプル数: 3,310

知覚品質(利用した際の品質評価)

顧客期待(利用前の期待・予想)

知覚価値(価格への納得感)

顧客満足

クチコミ(他者への推奨)

ロイヤルティ(継続的な利用意向)

国内交通(長距離) 業界満足度モデル

矢印は、「心理的な動き」を示す。黒い部分は、業界共通での関係性が特に強いことを示す。数字は「パス係数」という影響指標であり、因果の大きさ・強さを示す。

影響がとても強い(0.8以上)

影響が少ない(0.2以下)

影響が強い(0.7以上)

影響がある(0.7~0.2)

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■国際航空業界

日本に発着をしている国内外の航空会社について調査を実施しています。

全体として、最高点と最低点の間が開いており、バラツキが非常に大きい業界と言えます。

「業界優良企業」は各項目とも高く評価されており、業界全体のベンチマーキング対象になっていること

がうかがえます。なお、国内交通業界と比較すると利用経験者数が少ない「その他企業」への評価が厳しく、

「大手が優位」な市場であることがわかります。

また、下のモデル図を見ていくと「知覚品質」と「知覚価値」の関係の強さが特徴的です。単に価格だけ

でなく、安全性やホスピタリティなどを含むサービス品質の両面から評価が行われていることがわかります。

顧客期待

(利用前の予想・期待)

知覚品質

(利用した際の品質評価)

知覚価値

(価格への納得感)

74.7 76.3 74.0

64.7 66.8 67.0

53.4 57.3 62.2

クチコミ

(他者への推奨)

ロイヤルティ(継続的な利用意向)

68.7 63.6

61.6 55.0

52.7 46.7

顧客満足

78.5

69.4

60.9

業界優良

企業の値

大手企業の中央値

その他

(大手以外の集計値)

国際航空

*調査対象企業は、日本発着便が多い大手9社(JAL、ANA、アシアナ、大韓、シンガポール、キャセイ、ノースウエスト、ユナイテッド、ルフトハンザ)。 「大手企業の中央値」はこれらの企業の中央値。 それ以外の企業は「その他」として把握。*該当業界調査サンプル数: 3,027

知覚品質(利用した際の品質評価)

知覚価値(価格への納得感)

顧客満足

クチコミ(他者への推奨)

ロイヤルティ(継続的な利用意向)

国際航空 業界満足度モデル

顧客期待(利用前の期待・予想)

矢印は、「心理的な動き」を示す。黒い部分は、業界共通での関係性が特に強いことを示す。数字は「パス係数」という影響指標であり、因果の大きさ・強さを示す。

影響がとても強い(0.8以上)

影響が少ない(0.2以下)

影響が強い(0.7以上)

影響がある(0.7~0.2)

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■銀行業界

店舗型・ネット型の大手銀行について、融資や自動引き落としなどの受益経験がある方に対して調査を実

施しています。地元金融機関の代表である「信用金庫」だけはグループとして指数化をしています。

全体として、最高点と最低点の間が開いており、バラツキが非常に大きい業界と言えます。「業界優良企業」

は、様々な面で他社を引き離しており、革新的な仕組みやサービスを提供することで、利用者の評価を上げ

ることが可能な業界であると想定できます。

下のモデル図では、「知覚価値」に対して企業イメージやブランドを含む「顧客期待」が影響していること

が特徴です。単に金利が有利であるなどの条件だけでなく、有名であることや安心感があることを利用者が

重視をしていると考えられます。

顧客期待

(利用前の予想・期待)

知覚品質

(利用した際の品質評価)

知覚価値

(価格への納得感)

68.7 72.2 72.7

60.9 64.1 60.3

61.0 63.1 57.5

クチコミ

(他者への推奨)

ロイヤルティ(継続的な利用意向)

60.5 64.3

54.0 53.6

54.0 54.4

顧客満足

78.9

64.4

62.9

業界優良

企業の値

大手企業の中央値

その他

(大手以外の集計値)

銀行

*調査対象企業は、店舗型、ネット型などの大手12社(三菱東京UFJ、みずほ、三井住友、りそな、ゆうちょ、横浜、住信SBIネット、イーバンク、ジャパンネット、ソニー、新生、地元信用金庫)。「大手企業の中央値」はこれらの企業の中央値。それ以外の企業は「その他」として把握。*該当業界調査サンプル数: 4,169

知覚品質(利用した際の品質評価)

顧客期待(利用前の期待・予想)

知覚価値(価格への納得感)

顧客満足

クチコミ(他者への推奨)

ロイヤルティ(継続的な利用意向)

銀行 業界満足度モデル

矢印は、「心理的な動き」を示す。黒い部分は、業界共通での関係性が特に強いことを示す。数字は「パス係数」という影響指標であり、因果の大きさ・強さを示す。

影響がとても強い(0.8以上)

影響が少ない(0.2以下)

影響が強い(0.7以上)

影響がある(0.7~0.2)

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■生命保険業界

国内大手生保、外資系生保、共済について、保険金・給付金の支給を受けたサービス受領者に対して調査

をしています。

銀行業界同様、最高点と最低点の間が開いており、バラツキが非常に大きい業界と言えます。「業界優良企

業」は、「知覚価値」で他社を引き離すことで高い満足を獲得し、「クチコミ」や「ロイヤルティ」への好影

響につなげていることがわかります。

中堅企業を中心とした「その他」が高いことも特徴のひとつです。独自サービスを行っている地域共済や

保険会社が、利用者から高い評価を得ている業界と言えます。

下のモデル図では、「知覚価値」に対して「顧客期待」の影響が明らかなことが特徴です。「比較的割安で

ある」という評価の前提として、「安心で安定した企業の保険に入っておきたい」という気持ちがあることが

見込まれます。

顧客期待

(利用前の予想・期待)

知覚品質

(利用した際の品質評価)

知覚価値

(価格への納得感)

68.7 74.7 69.2

64.2 63.7 60.1

67.1 75.7 75.6

クチコミ

(他者への推奨)

ロイヤルティ(継続的な利用意向)

64.6 56.0

54.7 46.5

66.4 55.7

顧客満足

73.8

63.6

77.4

業界優良

企業の値

大手企業の中央値

その他

(大手以外の集計値)

生命保険

*調査対象企業は、生命保険の大手12社(日本生命、かんぽ生命、第一生命、明治安田生命、住友生命、三井生命、富国生命、ソニー生命、アフラック、アリコジャパン、JA共済、全労済)。 「大手企業の中央値」はこれらの企業の中央値。それ以外の企業は「その他」として把握。*該当業界調査サンプル数: 4,494

知覚品質(利用した際の品質評価)

顧客期待(利用前の期待・予想)

知覚価値(価格への納得感)

顧客満足

クチコミ(他者への推奨)

ロイヤルティ(継続的な利用意向)

生命保険 業界満足度モデル

矢印は、「心理的な動き」を示す。黒い部分は、業界共通での関係性が特に強いことを示す。数字は「パス係数」という影響指標であり、因果の大きさ・強さを示す。

影響がとても強い(0.8以上)

影響が少ない(0.2以下)

影響が強い(0.7以上)

影響がある(0.7~0.2)

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■損害保険業界

大手損保、新興、外資系、共済を含む自動車保険について、支払い請求の経験があるなどのサービス受領

者に対する調査です。

金融系業種の中では上位の企業と下位の企業の差が小さく、利用者から見たときに差が少ない業界である

と認識されていることがわかります。なお、中堅企業が中心となる「その他企業」が比較的高い評価を得て

います。

「業界優良企業」は「知覚品質」と「知覚価値」で高く評価されており、提供サービスと保険料のバラン

スがよいことが評価を上げる要因になっていることが伺えます。

下のモデル図では、「知覚価値」とブランドイメージを含んだ「顧客期待」の間で影響が大きいことが特徴

です。「比較的割安である」という評価の前提として、「安心で安定した企業の保険に入っておきたい」とい

う気持ちがあることが見込まれます。

顧客期待

(利用前の予想・期待)

知覚品質

(利用した際の品質評価)

知覚価値

(価格への納得感)

68.2 72.1 72.6

65.1 66.6 61.6

64.0 67.7 71.7

クチコミ

(他者への推奨)

ロイヤルティ(継続的な利用意向)

60.0 65.7

57.4 58.8

59.4 61.8

顧客満足

75.3

65.1

72.6

業界優良

企業の値

大手企業・グループの中央値

その他

(大手以外の集計値)

損害保険

*調査対象企業は、自動車損害保険の大手12社(東京海上日動火災、三井住友海上火災、損保ジャパン、あいおい、日本興亜、ニッセイ同和、ソニー、アクサ、チューリヒ、三井ダイレクト、JA共済、全労済)。 「大手企業の中央値」はこれらの企業の中央値。それ以外の会社は「その他」として把握。*該当業界調査サンプル数: 4,327

知覚品質(利用した際の品質評価)

顧客期待(利用前の期待・予想)

知覚価値(価格への納得感)

顧客満足

クチコミ(他者への推奨)

ロイヤルティ(継続的な利用意向)

損害保険 業界満足度モデル

矢印は、「心理的な動き」を示す。黒い部分は、業界共通での関係性が特に強いことを示す。数字は「パス係数」という影響指標であり、因果の大きさ・強さを示す。

影響がとても強い(0.8以上)

影響が少ない(0.2以下)

影響が強い(0.7以上)

影響がある(0.7~0.2)

――

Page 13: (顧客満足度指数:Customer Satisfaction Index)の特徴 › uploads › fckeditor › uid000013_20140926… · 知覚価値 (価格への 納得感) 顧客満足 クチコミ

13

■証券業界

ネット系を含む証券会社について、株式・国債の売買など最近の利用経験を持っている方に対して調査を

実施しています。

銀行業界、生命保険業界と同様、上位企業と下位企業の差が大きく開いているところが特徴です。

「業界優良企業」は6つの指数全てで高く評価されており、安定的に高い「顧客満足」や「ロイヤルティ」

を生み出しています。

下のモデル図では、一般的なサービス業と同傾向であり、業界ならではの特徴は見当たりません。

顧客期待

(利用前の予想・期待)

知覚品質

(利用した際の品質評価)

知覚価値

(価格への納得感)

65.7 68.2 68.5

62.4 63.1 59.8

56.0 58.9 59.0

クチコミ

(他者への推奨)

ロイヤルティ(継続的な利用意向)

55.7 62.7

53.0 55.1

49.3 52.6

顧客満足

69.4

62.9

58.7

業界優良

企業の値

大手企業・グループの中央値

その他

(大手以外の集計値)

証券

*調査対象企業は、証券会社の大手11社・グループ(野村、日興コーディアル、大和、三菱UFJ、みずほ、SBI、マネックス、楽天、松井、カブドットコム、ジョインベスト)。「大手企業の中央値」はこれらの企業やグループの中央値。それ以外の企業は「その他」として把握。*該当業界調査サンプル数: 3,611

知覚品質(利用した際の品質評価)

顧客期待(利用前の期待・予想)

知覚価値(価格への納得感)

顧客満足

クチコミ(他者への推奨)

ロイヤルティ(継続的な利用意向)

証券 業界満足度モデル

矢印は、「心理的な動き」を示す。黒い部分は、業界共通での関係性が特に強いことを示す。数字は「パス係数」という影響指標であり、因果の大きさ・強さを示す。

影響がとても強い(0.8以上)

影響が少ない(0.2以下)

影響が強い(0.7以上)

影響がある(0.7~0.2)

Page 14: (顧客満足度指数:Customer Satisfaction Index)の特徴 › uploads › fckeditor › uid000013_20140926… · 知覚価値 (価格への 納得感) 顧客満足 クチコミ

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Ⅳ.設問内容

■基本設問(6つの指数算出に用いる21設問)

実際の調査時には、各業界の特性に応じて適宜設問の表現をアレンジして使用します

[顧客期待]

1.全体期待:×××などの様々な点から見て、●●●の総合的な質にどれくらい期待していましたか

2.ニーズへの期待:あなたの個人的な要望に●●●はどの程度応えてくれると思っていましたか

3.信頼性:×××など様々な面からみて、不可欠なことがなかったり不十分なことが●●●で、どの程度起きる

と思っていましたか

[知覚品質]

1.全体評価:過去1年間にあなたが利用した経験から判断して、●●●はどの程度優れていると思いますか

2.ニーズへの合致:●●●は、あなた自身の要望にどの程度応えていると思いますか

3.信頼性:×××などの点から見て、不可欠なことがなかったり不十分なことが●●●でありましたか

4.バラツキ:過去1年の利用経験を振り返って●●●は、いつも問題なく安心して利用できましたか

[知覚価値]

1.品質対価格:あなたが●●●で支払った金額を考えた場合、×××などの点からみた●●●の総合的な質をど

のように評価しますか

2.価格対品質:●●●の総合的な質は、あなたが利用するために使った金額や手間ひまに見合っていましたか

3.お得感:他社と比べて●●●の方がお得感がありましたか

[顧客満足]

1.全体満足:過去1年間の利用経験を踏まえて、●●●にどの程度満足していますか

2.選択満足:過去1年を振り返って、●●●を選んだことは、あなたにとって良い選択でしたか

3.生活満足:●●●の利用は、あなたの生活を豊かにすることに、どの程度役立っていますか

[クチコミ]

あなたが●●●について人と話をする際、以下の点を好ましい話題としますか、それとも好ましくない話題として

話そうと思いますか

1.商品の魅力/2.会社としてのサービス/3.適切な情報提供/4.従業員・窓口対応

[ロイヤルティ]

1.頻度拡大:これから××の間に、●●●を今までより頻繁に利用したい

2.関連購買:今後1年間で、これまでよりも幅広い目的で●●●を利用したい

3.持続期間:これからも、●●●を利用し続けたい

4.第一候補:次に××を使う時には、私は●●●を第一候補にすると思う

* 上記の設問で、「×××」は該当業界の質を示す代表的な内容を挿入。「××」が該当の業界名を挿入。「●●●」は指数化対象の

企業・サービス名を挿入する。 個々の調査対象業界により、若干の表現の変更は行っていく。

■その他設問(約90設問)

・回答者属性および利用実績に関わる 約15設問

・業界個別の調査項目 約70設問。

・自由回答項目(不満だった点、満足した点、利用理由等)