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1 水及び飲料プラント 検査手順 環境試験 GVS Filter Technology Microbiology Division Efrem Pesyna

GVS Filter Technology...Microbiology Division Efrem Pesyna 2 I. サンプリング II. 検査手法と検査装置 III. 酵母とカビに関するファクトシート IV. 記録と報告

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1

水及び飲料プラント

検査手順

環境試験

GVS Filter Technology Microbiology Division

Efrem Pesyna

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2

I. サンプリング

II. 検査手法と検査装置

III. 酵母とカビに関するファクトシート

IV. 記録と報告

V. サマリー

目次

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3

原料、完成品、及び施設のサンプリングは 3段階に分けて行う。

ステップ (1) 各形状をサンプリングしてバイオバーデン(微生物負荷)

を調べることで、各製品のベースラインとなるデータを確

立する。高レベルの汚染が確認されたエリアは入念に調査

して是正措置計画を実行し、微生物汚染レベルを低減する

こと。

微生物の数が常に少ない状態が得られるまで、各形状の検

査を毎日行う。

ステップ (2) 微生物の数が減った状態が保たれたら、製品の製造量に見

合ったレベルにまでサンプリング頻度を減らす。その際、

各製品のサンプリング頻度を少なくとも 1日 1回以上とする

こと。

ステップ (3) 所定の製品や日のカウントが多すぎ、サンプルの 10%以上

をカウントすることが困難な場合、汚染源(あれば)が是

正されるまで集中的にサンプリングを行うこと。

サンプリング計画

第 I章

サンプリングプログラム

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4

微生物検査のために各月にサンプリングされる

パッケージ数は、容器のサイズ・種類と日々の

平均生産速度及び前月に充填された製品に依存

する。各月の必要サンプル数は、容器のサイズ

と種類ごとに別々に決定すること。

いずれの場合も、一日あたりの生産量が 1000個

以下の時、一週間あたりのパッケージのサンプ

ル数は、各サイズと種類の容器及び製品につい

て 5個以上とすること。

検査エリア

コンポーネント

コンポーネントの微生物汚染は、製品が触れる表

面を検査することで評価すること。通常はボトル、

閉鎖部、及び容器の内部表面が該当する。

プロセス中の待機エリア

プラント内で原料が貯蔵されているエリアもしく

はプロセス中に混合されるエリアの微生物汚染の

有無を監視しなければならない。これには、パイ

プライン、混合タンク、貯蔵タンク等も含まれる。

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5

完成品

完成品は微生物汚染の有無について検査し、すべ

ての製造過程及び衛生システムが正しく機能して

いるかを確かめること。

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6

膜ろ過技術及び GVS微生物モニターと培地

を利用した微生物汚染評価

目的:

o 膜ろ過技術により水溶液中の微生物を分析するた

めの手順を示す。

対象範囲:

o 膜ろ過技術を用いることで、実質的にいかなる量

の液状サンプルにおいても酵母やカビ、バイクテ

リアといった微生物の数を数えることが可能であ

る。高い再現性を持った結果が迅速に得られる。

本手順は、ボトル詰め施設の衛生状態をモニター

するための理想的な手法である。

第 II章

検査手法

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o 材料:

o 微生物モニターまたは解析用漏斗、47 mmまた

は 56 mm、白色または黒色の膜。

o アンプル培地

10497500 MONITOR 47 MM 100 ML 0.45UM WHITE

10497501 MONITOR 47MM 100ML 50/PK 0.45UM FIXED MEMBRANE

10497502 MONITOR 47 MM 100 ML 0.45UM BLACK

10497503 MONITOR 47 MM 100 ML 0.8UM BLACK

10497504 MONITOR 47MM .45UM ANALYT

10497506 ANALYTICAL FILTER FUNNEL 47 MM 0.45 UM 100 ML

10497507 ANALYTICAL FUNNEL 47MM WH 0.2UM 50/PK

10497508 MONITOR 47MM .45UM BLACK 50/PK ANAL

10497509 MONITOR 47MM .45UM ANALYT.

10497510 ANALYTICAL FUNNEL 47MM WH 0.2UM BAGGED 50/PK

10497511 MONITOR 47 MM 0.2UM WHITE 50/PK

10497600 MONITOR 56MM .45UM WHITE 50/PK

10497601 MONITOR 56MM .45UM BLACK 50/PK

10497602 MONITOR 56MM 0.8UM BLACK 50/PK

10497603 MONITOR 56MM 0.2UM WHITE 50/PK

10496101 AMP M-GREEN YM 2ML 50/PK

10496102 AMP T-GE TOTAL COUNT 2ML 50/PK

10496103 AMP M-ENDO 2ML 50/PK

10496104 AMP ORANGE SERUM 2ML 50/PK

10496106 AMP PRY 2ML 50/PK

10496112 AMP MRS 2ML 50/PK

10496113 AMP TOTAL COUNT TTC 2ML 50/PK

10496114 AMP M-FC W/ROSOLACID 2ML 50/PK

10496116 AMP M-GREEN SELECT 2ML 50/PK

10496119 AMP PSEUDOMONAS 2ML 50/PK

10496120 AMP ENTEROCOCCUS 2ML 50/PK

10496121 AMP MANNITOL SALT 2ML 50/PK

10496124 AMP M-FC 2ML 50/PK

10496125 AMP STREPTOCOCCUS 2ML 50/PK

10496146 AMP CETRIMIDE 2ML 50/PK

10496151 AMP HPC W/TTC 2ML 50/PK

10496164 AMP HPC 2ML 50/PK

10496192 VIAL MI 2ML 50/PK

10496707 BRO TSB SINGLE 100ML 1/PK

10496708 BRO TSB DOUBLE 100ML 1/PK

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装置

a. マニホールド 3連または 6連

あるいは 8.5ストッパー・単一穴の

ろ過フラスコ

b. 真空ポンプ

c. イソプロピルアルコール、70%

d. サンプル容器、Whirl-Pak製バッグま

たはポリプロピレン製のオートクレー

ブ対応ボトル

e. バッファー、滅菌もしくは.2シリンジ

フィルター(シリンジ付き)

手順:

o サンプル採取

必要に応じて、Whirl-Pak 製のバッグもしく

はプラスチック製滅菌ボトルといった滅菌容

器に検査サンプルを採取する。サンプルが完

成品の場合、この容器から直接モニターに注

ぐ(つまり、5-ガロン容器、1 リットル容器、

2リットル容器)。

サンプル採取の際は、追跡検査のために 2つ

の同じサンプル(控えサンプル)を採取して

おくことが推奨される。

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時間、バッチ番号、バルブ番号、サンプルを

表すその他の関連データを永久保存用の記録

用ノートに記入する。

サンプル用のポートからサンプルを採取する

場合、ポート蓋の外側を 70%イソプロピルア

ルコールで殺菌する。サンプル採取の前にポ

ートを数秒間稼働させること。缶の蓋はサン

プルを注ぐ前にアルコールで拭いてから乾燥

させること。

o 検査手法

作業エリアを 70%イソプロピルアルコール

もしくは別の殺菌剤で殺菌し、乾燥させる。

生物感受性を保証するために殺菌用溶液を回

転することが推奨される。

微生物モニターを箱から出し、付属のアダプ

ターを用いて真空マニホールドもしくはフィ

ルターフラスコの上に設置する。汚染された

手でモニターのポートの底部分を触らないよ

うに気をつけること。

モニターのフィルター漏斗にサンプル約

100mLを注ぐ。この量は水で推奨される量で

ある。必要に応じてより多くのサンプルを用

いることも可能である。

バクテリアカウントの計算

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スワブを用いる場合はサンプルを滅菌バッフ

ァーで希釈し、膜表面にコロニーが均一に配

分されるようにすること。

モニターにカバーを配置してから真空ポンプ

の電源を入れる。マニホールドバルブもしく

はストップコックを開放し、サンプルをろ過

する。

サンプルがフィルターを通過し終わった後、

真空状態を解除する。

漏斗カバーを持ち上げ、45º の角度を保って

回転しながら、滅菌洗浄バッファー30mL を

漏斗の内壁に沿って無菌的に注ぐ。もしくは、

殺菌済みの.2シリンジフィルター(シリンジ

付き)を使って、漏斗の内壁を洗い流す。

洗浄バッファーが膜を通過し終わるまで真空

状態を保つ。

モニターの真空密封を解除する。

膜の上部表面にアンプル 2mL を絞り出して

選択した培地のアンプル 1つを無菌的に足し

てから回転させて、均一に広げる。真空状態

を一時的に作り出すことで残りのサンプルを

置き換え、培地をパッドに引き込む。

第 III章

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ベースから漏斗を引き離し、モニターの上部

漏斗を取り外す。この際、漏斗をねじらな

いこと。これにより膜が破れるのを防ぐ。

ベースにカバーを配置してペトリ皿を形成し、

下部のポートに青色プラグを配置する。

o 培養

プレートをひっくり返して培養し、膜への水

滴の結露を防ぐ。

各培地の種類と隔離する生物について以下の

表を参考にして、プレートを培養する。

培地の種類 培養温度 培養期間 m-Green酵母とカビ 20-25˚C 3-5日間 トータルカウント 32-35˚C 24-28時間

m-Endo 32-35˚C 18-24時間 HPC(指標入り)* 32-35˚C 24-48時間 セントリミド 32-42ºC 24-72時間 MIブロス 32-35ºC 16-24時間 R2ブロス 32-35ºC 24-48時間 MI寒天 32-35ºC 16-24時間

培養後、膜表面に出来たすべてのコロニーを

カウントする。

サンプル 100mL または検査したサンプル量

あたりのコロニー数を、フィルター上のコロ

ニー数として記録する。

第 III章

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o 品質管理

滅菌バッファーをモニターに流した後に培地

を追加することで、検査の際のネガティブコ

ントロールを実施する。これにより、洗浄バ

ッファーと培地の無菌性が確保され、汚染源

になることを防ぐ。

HPC は培養器中もしくは温水中で温めてか

ら、培地の再液化に用いる必要がある。

o 判定基準

微生物カウントの許容範囲は、評価を実施

する各会社が決める。

ネガティブコントロールにおいて正の値が

得られた場合、その他全てのサンプルの信

ぴょう性も自動的に疑われる。採取してお

いた控えサンプルを用いて再度検査を行う。

o 結果

結果は、永久保存用の記録用ノートに記録す

ること。

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膜の表面上のコロニー数が多すぎて表面全体について正しくカウントでき

ない場合、以下の式を用いることができる。この式は、表面上のおおよそ

のコロニー数を計算するためのものである。

ステップ I. どちらかのサイズのモニターのうち最も密度が高い方の 4

分の 1でカウントする。

ステップ II. 47 mm ユニット

トータルカウントに4をかける

56 mmユニット

トータルカウントに4をかける

バクテリアカウントの計算

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酵母とカビは数千種からなる多種多様な微生物群を構成し

ている。その多くは土壌中や空気中で容易に検出される。

これらの菌類は従属栄養性で広範な環境状況への適応能力

を有しているため、食品、不適切に洗浄された食品加工装

置、及び食品保存施設といった様々な製品やサービスで活

発に増殖し、汚染源となることがよくある。

カビ及び(比較的程度は低いが)酵母は、多くのバクテリ

アと異なり広範囲の pH(pH2 以下から pH9 以上まで)の

環境下で増殖を始めることができる。増殖が始まると、強

力な緩衝が無い状態で時間さえかければ、多くの菌類が基

質の当初の pH を増殖により適した pH(通常は pH4 から

6.5)に変化させることができる。

多くの酵母やカビの増殖温度は同様に広範囲に及び(5˚か

ら 35˚ C)、この範囲外で増殖できる種類も存在する。食品

分野において注意しなければいけない菌類の多くは好気性

菌(増殖に酸素を必要とする菌)である。

酵母とカビは様々な形で食品の腐敗を引き起こす。腐敗が

起こる主な原料は以下の通りである。

第 III章

第 III章

酵母及びカビに関するファクトシート

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香料成分

容器

以下を含むボトル詰めプロセス:

粒子フィルター

炭酸

空気中からの進入

汚染による増殖は目に見えない可能性もある。

ほとんどの感染性菌類は食品とは関係がなく、その感染ポ

イントも通常は胃腸管では無いが、食品由来の菌類の中に

は免疫が低下した人間に日和見感染する可能性があるもの

もある。

特定の食品由来の酵母とカビはアレルギー反応を引き起こ

す可能性があり、有害である。

「Compendium of Methods for the Microbiological Examination

of Foods」より抜粋。

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タン

クの点検と殺菌の記録

日付 タンク# 検査済み 清掃済み 殺菌済み 技術者

塩素処理水(100ppm残留)で 5分間もしくはオゾン水(0.1ppm残留)で

10分間殺菌する。

製造記録

日付:___________シフト:__________ フィルター: _________

スーパーバイザー_________________

第 IV章

記録と報告

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製品/容

ラベ

開始

時刻

認可され

た稼働停

止時刻

停止時

総時間

製造さ

れたケ

ース数

製造可

能なケ

ース数

製造効率

1日の

総数

製品/

容器

充填装

置 空ボ

トル数

ラベル

貼付け

者 ボ

トル数

パレタイ

ザーケー

ス数

製造ラインの稼働

現在 & 定刻通り =O

不在 = X

遅れ = Y

( ) ボトル取扱者:

___________________

( ) 箱製作者 :

___________________

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18

( ) 充填装置オペレーター:

______________________

( ) ラベル貼付け者:

_________________________

___

( ) ケース梱包者 :

________________________

充填装置

ボトル/分 (時

間) _________

ケース/

時間:

_______

( ) フォークリフトオペレーター:

______________________

空ボトル

__________

充填

済み

ボト

ルの

ロス

_________

( ) メンテナンス:

__________________________

廃棄:

__________________

( ) 浮遊物 :

__________________________

スーパーバイザーのコメント :

__________________________________________________________________

__________________________________________________________________

__________________________________________________________________

__________________________________________________________________

__________________________________________________________________

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日々の動作検査

日付: _____________________

製品 味 pH ppm

O3 導電率

(TDS)

塩化物

(精製)

洗浄装

置のク

リーナ

(%)

時刻 洗浄装

置温度

クレンザ

キャリー

オーバー

殺菌剤

濃度

コメント

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日々のチェックリスト

フロア消毒済み ( ) ボトル詰めされたシールド消毒済み ( )

手指消毒用液(ハンドディップ)ステーションが清潔で利用可能 ( )

ライン及び充填装置消毒済み ( )

キャップ装着装置及びホッパー消毒済み ( )

容器充填記録

場所 ___________________________

日付 充填

装置

No.

容器サ

イズ

シフ

ト/ラ

イン

供給元

及び供

給年

クラウ

ン/ねじ

飲み

1-8

+

Cu.

In.

技術

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21

細菌の状態に関する月報サマリー

プラント _________________________________

月日 _________________

製品*

サイズと

種類

検査し

たサン

プルの

大腸菌が付

着したサン

プル

数密度

カウント

があるプ

レートの

バクテリアカウ

ントの範囲

カウント

があるプ

レートの

割合(% )

飲料水

1-6 _______ プ

レート

7-100 _______ プ

レート

100< _____

プレート

________

________

________

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22

精製水

1-6 _______ プ

レート

7-100 _______ プ

レート

100 < _____

プレート

________

________

________

フッ素化

1-6 _______ プ

レート

7-100 _______ プ

レート

100 < _____

プレート

________

________

________

原料水 **

1-6 _______ プ

レート

7-100 _______ プ

レート

100 < _____

プレート

________

________

________

* 容器のサイズと種類を記入

** 水の種類(例:市水道、井戸水、湧水等)を記入

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23

バクテリア検査結果報告

サンプル

プレート

カウント

大腸菌密

容器のサイズと種類*

製品の種類**

コロニー

1mLあた

(35oC)

生物

100mLあ

たり

日付

ボト

ル詰

めの

日付

1/2

ガロ

5 ガ

Dr

P

F

R

* ガラスは “G”、プラスチックは“Pl”を適宜空欄に記載。

** Dr = 飲料水、P = 精製水、 F = フッ素化水、R= 原料水

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プラントの微生物環境に関する

サンプリング及び技術

作成: Efrem Pesyna

I. イントロダクション

連邦規制集第 21 章の「ボトル入り飲料水の処理とボ

トル詰めについて」に定義されている食品医薬品局

(FDA)の必要条件に適合するためには、ボトル洗浄

及びキャップ拭き取り検査を少なくとも四半期ごとに

実施しなければならない。

飲料水業界の熾烈な競争を背景として、各メーカーは

より大規模な微生物検査プログラムを実施しており、

製品の安全性を脅かす微生物危害の制御に努めてきた。

適切にボトル詰めされた飲料水は、病原微生物を含ん

でいてはならない。しかし、プラント環境及び使用原

料の処理によって汚染される可能性がある。

プラント環境のサンプルを採取・検査したほうが、完

成品のサンプリングと検査を反復的且つ大規模に行う

よりも費用と時間の両方において効率的である。微生

物環境を検査する際は、サンプリング技術やサンプル

場所を適切に選択し、適切な微生物検査手法を用いる

ことが重要である。

サンプリング計画の作成は、工程全体のフローダイア

グラムの作成から始まる。このダイアグラムには原料

第 V章

サマリー

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25

の調達から容器詰めまでの全ての工程が含まれなけれ

ばいけない。サンプリングによる環境監視プログラム

を最も有効に活用するためのサンプルの採取場所を決

めることは、最も適切なサンプリング技術を利用する

ことと同じくらい重要である。サンプルの採取場所は、

各サンプルに関する最大限の情報がボトル詰めの際に

利用可能となるように選択すること。そのため、微生

物の増殖が疑われる場所をプラント内で探すことが重

要である。微生物の増殖に必要な要素(栄養、水分、

適温等)が一つでも確認された場所には微生物が増殖

する可能性がある。ある程度の微生物の増殖が予想さ

れる場所(常に濡れている可能性が高い床の排水等)

については、サンプル採取、検査、及び必要に応じて

消毒を行うこと。その他の場所(ステンレス製のプラ

ント装置、フロアタイルの目地、貯留水、ゴム製マッ

トの裏面、滴受け、コンベヤーカバー、圧縮空気ライ

ンからの結露、水処理のための水用パイプライン等)

は慎重な監視が必要である。勿論、各プラント特有の

工程や特徴を考慮し、増殖の要素が存在するその他全

ての箇所でサンプルを採取すること。

サンプル採取を実施する際は、必ず無菌技術を用いる

こと。サンプリングの前に手をきれいに洗ってからイ

ソプロピルアルコールもしくは 200ppm の第四級アン

モニウム溶液で消毒する。サンプリングとサンプリン

グの間にも手を再度消毒し、全てのサンプルにサンプ

ル場所とサンプル採取時刻を示すラベルをつけること。

全てのサンプルは、採取直後から冷蔵温度もしくはそ

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れ以下で保存すること。サンプル採取後 24 時間以内

に全てのサンプルを検査すること。

環境サンプルの指標(大腸菌、従属栄養性プレートカ

ウント、酵母とカビ、シュードモナス等)を検査する

ことは、病原微生物の増殖の可能性が高い場所を特定

するために有用である。

従属栄養性プレートカウントの手法は、好気性バクテ

リア及び通性嫌気性バクテリアをカウントするための

手法として従来使われてきた。この手法は生存バクテ

リア集団の数を推定するために有用である。

酵母とカビの成長速度はバクテリアに比べて遅いため、

通常は競合しない。これらの生物を数えるためには、

通常ポテトデキストロース寒天培地のような選択的な

培地が必要とされる。

大腸菌の分類は明確ではなく、ラクトースを発酵させ

る腸内細菌科に属する系統群の総称である。大腸菌の

計数は飲料水の微生物環境を評価するために最も一般

的に使われている手法の一つである。この手法では、

m-Endo培地もしくはMI寒天が膜ろ過技術に、もしく

は液状培地(Brilliant Green Lactose Bile ブロス)が最

確数法に用いられる。

シュードモナス分離寒天及びセトリミド寒天は、シュ

ードモナスの一次分離及び識別のために使われる選択

的な鑑別培地である。緑膿菌(pseudomonas

aeruginosa)の菌株は、ピオシアニン(青色、水溶性、

非蛍光性のフェナジン色素)の生成並びにコロニーの

形状とアミノアセトフェノン独特のブドウの様な匂い

によって識別される。緑膿菌はピロシアニンを排出す

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る唯一のシュードモナスまたはグラム陰性桿菌の菌種

である。このような環境サンプリングを実施すること

で、病原体の有無並びに微生物増殖の場所が確認でき

る。

II. 材料、装置及び技術

基本的な実験用装置は、信頼性が高く高品質で、分析

検査のための条件を満たしたものでなければいけない。

また、機械的な故障もしくは操作時のゆらぎを修正す

るために最低限の修理サービスのみを必要とする装置

でなければいけない。長期的な実験用装置はピーク作

業期間の電流需要を満たす容量を備えていなければな

らず、また今後の必要性のために約 50%の余力を備

えていることが望ましい。装置を選ぶ際に最も重要な

ポイントは、その見た目や経費だけではなく、信頼で

きる検査結果を得るために必要な仕様を重視すること

である。

材料: o 容器入り滅菌希釈水 100mL

o ピンセット

o バッファー・スワブ

o 漏斗

o 緩衝用洗浄水

o 膜フィルター

o マーカーペン

o モニター

o 真空ポンプ

o アルコールバーナー

o フィルターマニホールド

o イソプロピルアルコール

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パート 1 - ボトル洗浄:

1. 3 ガロン、5 ガロン、または 6 ガロン等のボトル

をボトル洗浄装置から各 4 個採取する。2 個は内

側の列から、もう 2個は外側の列から採取するこ

と。

2. 希釈水の容器を 2 個開栓し、5 ガロンもしくは 6

ガロンのボトル 1個に慎重に注ぐ。希釈水容器の

ボトル口部や内側に触れない様に気をつけること。

3. ボトルの採取場所(内側、外側)の情報を希釈水

容器の蓋に記録する。

4. 滅菌希釈水 100mLを 5ガロンもしくは 6ガロンの

容器内部で揺すり回してから元の希釈水容器に戻

す。

5. 他の 3個のボトルについても同様に処理する。

6. Grocery Products を扱っている場合、各ボトルサ

イズにつき 4個の容器について上記の手順を繰り

返すこと。

パート 2- キャップ洗浄: ½ガロン、1ガロン、 2.5ガロン

の容器及び小サイズ容器

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1. キャップの種類と採取場所をモニターの蓋に記録

する。

2. アルコール火炎滅菌したピンセットを使って

99mLの希釈ボトルに移動させる。

3. 水中でキャップを揺すり回す。

5. 適当な孔径を備えた 56mmもしくは 47mmのモ

ニターに希釈水を注ぐ。

6. 検査手法の手順に従う(第 2章)

キャップ洗浄 – 3ガロン、5ガロン及び 6ガロン

の容器

1. 希釈容器を開栓し半分をキャップに注ぐ。

2. 水を揺すり回してからモニターに注ぐ。

3. 残りの半分を使ってステップ1を繰り返す。

4. 残りの半分を注ぎ出した後、検査手法の手順に従

う(第 2章)。

サンプリング技術

水質試験室で定期的に実施される解析では、検査のた

めのサンプルもしくは希釈サンプルの量を的確に特定

することが、サンプルの微生物カウントを最終的に推

定する際に重大な意味を持つ。飲料水中の大腸菌やそ

の他多くの微生物の解析には、100mL以上の希釈前

サンプルが必要である。

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1. 慎重に洗浄された容器またはボトルに入った生産

水のサンプルを、微生物検査のために採取する。

この時、容器やボトルの洗浄の最後には蒸留水が

用いられ、通常の手順に従って滅菌されているこ

とを前提とする。

注意:事前に滅菌されたプラスチック製バッグ

や容器にサンプルを採取してもよい。

2. サンプルを採取する際は容器に充分な空気のスペ

ースを空け(2.5cm 以上)検査前に混合できるよ

うにすること。検査対象となる水を象徴するサン

プルを採取し、サンプルポートをフラッシュ洗浄

または殺菌し、無菌技術を用いてサンプル汚染を

回避する。

注意:サンプルポートの殺菌およびフラッシュ

洗浄はサンプル採取前に 2分間行なう。

3. サンプル採取用のボトル容器は充填直前まで閉め

たままにしておく。蓋を外す。容器を洗浄せずに

充填し、サンプルの信用性を保つために直ちに蓋

を閉める。

4. サンプル量はすべての検査を行うために充分な量

なければならず、100mL以下ではいけない。

5. サンプルには完全且つ正確な識別データや説明用

のデータを付すこと。全てのサンプル容器に場所、

日付、時刻、及びサンプル採取を行った人の名前

を記したラベルを貼ること。

6. 水サンプルの微生物検査は採取直後速やかに開始

し、予期せぬ変化を回避する。採取後 1時間以内

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にサンプルを処理できない場合は、実験室までの

輸送の間は氷冷却機で保管すること。

7. 実験室にサンプルが届いたら冷蔵保存し、2 時間

以内に処理する。

8. 全てのサンプルの保存時刻と温度を記録し、デー

タの解釈の際に考慮する。

9. 全てのサンプルデータは、記録用ノートに記録す

ること。

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ボトルと閉鎖部のバクテリア検査

目的: 本手順は投入される原料の検査を試験するた

めの技術である。

材料:

アルコール

適当な孔径を備えた 47mmまたは 56mm のモニ

ター

ピンセット

トータルカウント培地、アンプル 2mL

MIブロス、アンプル 2mL

酵母とカビの培地、アンプル 2mL

スワブ(バッファー溶液 5mLを含む)

リン酸緩衝液 100mL

吸収パッドを備えたペトリ皿

真空フィルター装置

容器用バクテリア検査

1. 検査対象の容器に滅菌緩衝水 100mL を 2 回(合

計 200mL)慎重に注ぐ。

2. 内部表面全体を滅菌水によって洗浄するため容器

を回転させる。

4. 時間、サンプリンブ場所、サンプルを表すその他

の関連データを永久保存用の記録用ノートに記入

する。

5. 作業エリアを 70%イソプロピルアルコールもし

くは別の殺菌剤で殺菌し、乾燥させる。

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6. モニター内に捨てる。

7. カバーを持ち上げ、滅菌洗浄バッファー30mL を

漏斗の内壁に沿って無菌的に注ぐ。

8. 洗浄バッファーが膜を通過し終わるまで真空状態

を保つ。

9. アンプル 2mLを絞り出してトータルカウントもし

くは酵母とカビの培地をモニターに均一に無菌的

に足す。蓋を交換する。

10. 真空ポンプの電源を 1秒間だけ入れて、フィルタ

ーに培地を通過させる。

11. 真空状態を解除する。

12. 漏斗を取り外し、ベースに蓋を取り替える。

13. 下部ポートに青色プラグを配置する。

15. ペトリ皿を逆さにして、トータルカウントでは

35˚Cで 24〜48時間、酵母とカビでは 20ºCで 72

時間培養する。

16. 培養器からペトリ皿を取り出し、コロニーをカウ

ントする。

17. 結果は、容器容量 1mLあたりの CFUとして報告

すること。以下の容量係数表を用いること。

容器のサイズ 容量係数

5ガロン 18,900

1ガロン 3,800

1.5リットル 1,500

1.0リットル 1,000

12 oz 360

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例: 1ガロンのボトルの従属栄養性カウントはバ

クテリアが 85 であった。従って、容量 1mL あ

たりの CFUは = 85/3,800 = 0.02237となる。

18. 残りのサンプルは MI膜ろ過技術を用いて全大腸

菌検査を行う。

19. 各サイズの容器 5個ずつについてステップ 1〜18

を繰り返す。

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閉鎖部のバクテリア検査

1. キャップの種類と採取場所をモニターの蓋に記録

する。

2. アルコール火炎滅菌したピンセットを使って

99mLの希釈ボトルにキャップを移動させる、も

しくはサイズに応じてキャップに注ぐ(上記キャ

ップ洗浄の章を参照)。

3. 水中でキャップを揺すり回す。

4. 56mmもしくは 47mmのモニターに希釈水を注

ぐ。

5. ボトルのバクテリア検査のため、ステップ 4〜16

を繰り返す。

4. 各サイズの閉鎖部 5個についても同様に繰り返

す。

品質管理

1. 空気由来の汚染を確実に防ぐため、プレートカウ

ント寒天を用いて検査エリアの環境空気サンプリ

ングプレートを実施する。

2. 滅菌バッファーを漏斗に流すことで、ネガティブ

コントロールサンプルを実施する。これにより、

洗浄バッファーと培地の無菌性が確保され、汚染

源になることを防ぐ。

3. 新しいロットを受領する度に、それまでのロット

と新しいロットの回収率を比較し、再現性を確保

する。

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判定基準

1. バクテリアカウントの許容範囲は、評価を実施す

る各会社が決める。

2. ネガティブコントロールサンプルまたは環境空気

サンプルにおいて正の値が得られた場合、その他

全てのサンプルの信ぴょう性も自動的に疑われ

る。採取しておいた控えサンプルを用いて再度検

査を行う。

結果

結果は、永久保存用の記録用ノートに記録すること。

III. 記録

必要な全ての検査や装置の洗浄及び消毒の記録を、日

付と併せて保管すること。バクテリア検査、化学試験、

及び物理的試験の結果は、必要に応じて政府の公認規

制機関による調査を受けるために保管すること。製品

の識別記録を保管すること。全ての記録は少なくとも

2 年間プラントで保管すること。認可政府機関によっ

て発行された、プラントでの製品供給と水処理の許認

可書の最新のものも、プラントのファイルに保管して

おくこと。

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