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Forex Monthly ~10月の為替相場展望~
2019年 9月 27日作成 マーケット金融ビジネスユニット 為替セールスチーム
<お問い合わせ先>本レポートについてのご照会は、弊社営業担当者までお申し付けください。
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9/2 9/4 9/6 9/10 9/12 9/16 9/18 9/20 9/24 9/26
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9/2 9/4 9/6 9/10 9/12 9/16 9/18 9/20 9/24 9/26
(3)
9月 EUR/USD 1.0909-1.1110
9/3:105.74
9/18:108.48
0
④
⑦
9/26:1.0909
9/3:115.87
②
9/12:120.02
111111.1.1.132
4123.83
⑥ p
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p
p
③
【ドル/円相場変動要因】
① 9/3:米 8 月 ISM 製造業景況指数 49.1(予
51.3、前 51.2)→ドル売り
② 9/10:中 中国、通商協議で米農産品の購入拡
大で合意する可能性-SCMP紙→円売り
③ 9/12:米 トランプ米大統領顧問らが中国との
暫定合意を検討-関係者→円売り
④ 9/13:米 8月小売売上高(前月比) 0.4%(予
0.2%、前 0.8%)→ドル買い
⑤ 9/13:米 9 月ミシガン大学消費者マインド
92.0(予 90.8、前 89.8)→ドル買い
⑥ 9/14:米 サウジ石油施設がドローンにより攻
撃を受ける-サウジ内務省→円買い
⑦ 9/17:米 米中通商交渉の次官級協議が 19日に
ワシントンで開始→円売り
⑧ 9/18:米 FOMC 政策金利(上限) 2.00%(予
2.00%、前 2.25%)→ドル買い
⑨ 9/19:日 日銀当座預金残高の政策金利 ▲
0.100%(予 ▲0.100%、前 ▲0.100%)
→円買い
⑩ 9/24:米 9月リッチモンド連銀製造業指数 ▲
9(予 1、前 1)→ドル売り
⑪ 9/24:米 9月コンファレンスボード消費者信頼
感指数 125.1(予 133.0、前 134.2)→ドル
売り
⑫ 9/25:米 ペロシ米下院議長:正式な大統領弾
劾尋問の開始を発表へ→ドル売り
【ユーロ変動要因】
(1) 9/4:英 英下院、合意なき離脱を阻止する法案
を可決→ユーロ買い
(2) 9/12:欧 ECB 主要政策金利 0.000%(予
0.000%、前 0.000%)、ECB 預金ファシリティ・
レート ▲ 0.500%(予 ▲ 0.500%、前 ▲
0.400%)、QEを再開し 11月 1日から月額 200億
ユーロ買い入れ、金利階層化を導入、TLTROの期
間を2年から3年に延長、低金利維持のガイダ
ンスから期間の示唆を排除→ユーロ売り (3) 9/23:欧 ドラギ ECB 総裁:「ECB の金融政策は
緩和的である必要がある。全てのツールを使う
用意」→ユーロ売り
9月 EUR/JPY 11587-120.02
(1)
(3)
(1)
⑩
9/13:1.1110
①
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⑫
9月 USD/JPY 105.74-108.48
⑪
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⑥ ⑤
(2)
【9 月の振り返り】月初、米 8 月 ISM 製造業景況指数が軟調な結果となったことでドル売りが加速し、ドル/円は一時 105.74 円まで下落し
た。その後、No-Deal Brexit の懸念後退を背景にリスクオンの円売りが進み、106 円台半ばまで反発。更に、「中国が米農産品の輸入拡
大で合意する可能性がある」と報じられると、米中通商交渉進展期待が高まりドル/円は 108 円台前半へ上昇した。その後、ECB 理事会
のハト派な結果やサウジ石油施設爆破報道を受けてリスクオフの円買いが強まり、ドル/円は107円台半ばまで下落する場面はあったが、
FOMC を控え 108 円近辺で小動きとなった。FOMC では市場予想通り 25bp の利下げが決定したものの、FOMC メンバーの FF 金利見
通しの予想中央値に変化はなく、年内利下げを見込む参加者も 17人中 7人に留まったことから、市場ではタカ派的な利下げと受け止め
られ、ドル/円は 108.48円まで上昇したが、日銀金融政策決定会合で追加緩和が見送られると 107円台後半まで下落した。月後半、米 9
月コンファレンスボード消費者信頼感等の経済指標が軟調な結果となったことを受け、ドル/円は一時 107円を割り込んだものの、トランプ
米大統領の「中国との合意が意外と早く実現する可能性」との発言を背景に、107円台後半まで反発している。(レートは 9/27 まで)
2
■ 10月の予想レンジ
USD/JPY 106.00~109.00
EUR/USD 1.0750~1.1050
EUR/JPY 115.00~120.00
10月の相場見通し ドル見通し
ユーロ見通し
10月のドル/円は揉み合いを予想。
9月 18日に開催された FOMCでは、市場予想通り 7月に続き 0.25%の利下げが実施された。し
かし、ブラード・セントルイス連銀総裁が 0.5%の利下げを求め、その一方でジョージ・カンザスシティ
連銀総裁およびローゼングレン・ボストン連銀総裁は利下げに反対。政策金利の見通しを示すドット
チャートでもばらつきが出るなど、今後の追加利下げの要否については、FED内で意見の相違がみ
られた。また、パウエルFRB議長はFOMC後の会見で、「経済が弱まれば追加利下げが必要。十分
だと考えた時点で利下げを停止する。」とファンダメンタルズ次第の中立的な立場を表明した。市場
では年内1回以上の追加利下げを予想する確率が約70%となっているが、FED内で意見が分かれ、
下記の通り米経済指標も全般的に底堅い結果が続く状況下、次回 FOMC(10月 29日~30日)で
の利下げは見送られると予想する。今月の米経済指標を具体的にみると、8月 ISM製造業景況指数
は、景気の拡大・縮小の分岐点となる 50 を 2016年 8月以来初めて割り込む軟調な結果となった一
方で、8月 ISM非製造業景況指数は 2008年 2月以降の最大の伸びとなり、8月小売売上高も良好
な結果となった。また 8月雇用統計は、非農業部門雇用者数変化こそ前月から伸びが鈍化したもの
の、失業率は 50年振りの低水準を維持し、平均時給も堅調な伸びを示すなど、家計部門を中心に
米経済の底堅さが確認された。10月の米経済指標についても、概ね堅調な結果が見込まれ、利下
げ期待後退を背景とした米金利上昇を受けて、ドル買いが優勢となるだろう。尤も、米景気後退懸
念が燻り続けるなかでは年内利下げへの市場期待も根強く、一方的なドル買いには繋がらないとみ
る。
米中貿易摩擦については、米国が 2500億ドル分の中国製品に対する関税の税率引き上げを 10
月 1日から 2週間延期し、また中国側も米国産大豆に新たな関税免除枠を導入したことで、両国の
関係改善期待が高まっている。しかし、トランプ米大統領が国連総会の演説において中国への強硬
姿勢を示すなど、依然不透明感は払拭されていない。10月前半には、7月末以来となる閣僚級の通
商協議がワシントンで開催される予定である。当初、トランプ米大統領は暫定合意を検討するとの姿
勢を見せていたが、現在は完全な合意を目指すと態度を強めているため、今回の通商協議におい
て大きな進展はなく、予定通り 10月 15日に対中関税の税率が引き上げられるだろう。その場合、米
中関係に対する楽観的な見方は後退することで先行きの不透明感が再び強まり、ドル/円の上値を
抑えると考える。
また、10月 30日~31日には日銀金融政策決定会合が開催されるが、足元円高進行も一服し、
円金利水準もやや反発したなかでは、追加緩和は見送られるとみられ、市場への反応は限定的とな
りそうだ。他方、英国の EU離脱期限が 10月末に迫っており混迷が続いていることや、イラン等中東
情勢を巡る地政学リスクも高まっていることから、これらの問題を巡るヘッドラインを受け、一時的にリ
スクオフの円買いが強まる局面には注意したい。
ドル/円は、上サイドは 7月 FOMC後の 8/1高値(109.32円)を目指す展開もあろうが、直近高値
(108.47円)を上抜けた 108円台後半では本邦輸出勢によるドル売りが想定され、109円を大きく越
える可能性は低いだろう。一方、下サイドはリスクオフの円買いが強まった場合、9月前半の連騰前
水準の 106円近辺が目処になるとみる。
(文責:平岡)
10月のユーロ/ドルは弱含む展開を予想する。
ユーロ圏のファンダメンタルズは引続きユーロ圏経済の弱さを示している。直近発表されたユーロ圏
9月製造業 PMIは 45.6 と 9 ヶ月連続で景気の拡大・縮小の分岐点となる 50を割り込んだ。また、ユ
ーロ圏最大の経済規模であるドイツに関しても、7月製造業受注、同鉱工業生産が共に市場予想比
下振れし、9月製造業 PMIは 41.4と約 10年 3ヶ月ぶりの低水準となるなど、製造業を中心にユーロ
圏経済は低迷している。加えて、独 9 月コンポジット PMI が 13 年 4 月以降初めて 50 を割り込むな
ど、これまで比較的良好さを維持してきた内需や非製造業についても悪化の兆しが窺える。ドラギ
ECB総裁は 9月 ECB理事会後に財政政策の必要性を強調したが、ドイツを始めとした欧州各国が
景気支援策を発表する可能性は低いだろう。米中や米欧の貿易摩擦問題の先行きが依然不透明
な状況下、欧州経済の早期回復は見込みにくく、ユーロ売りが優勢となりそうだ。
また、ECBの金融政策に目を向けると、9月の ECB理事会において、10bpの利下げに加え、フォワ
ードガイダンスの変更(国債購入および低金利維持について期限の設定を削除)、資産買取りプロ
グラム(APP)の再開など、大掛かりな緩和パッケージが発表されたこともあり、年内の追加利下げの
織り込み確率は現状 30%程度に留まっている。しかし、ドラギ ECB総裁は短期間での景気回復は依
然見通せないとの見解を再三示しており、直近では「必要ならば、あらゆる政策手段を調整する用
意がある」などとの発言も伝わっている。10 月の ECB 理事会では、APP における一発行体あたりの
購入上限引き上げや、買取資産の対象拡大等の手段を講じるとみており、ECB のハト派スタンスが
ユーロの重石となろう。
①
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3
他方、Brexitについては、10/17-18開催の EU首脳会議にて、英国と EUが離脱協定について合
意することは現状困難とみており、離脱期限(10/31)に No Deal Brexit となるか期限延期となるかが
焦点となりそうだ。英下院が可決した離脱延期法案に則れば、英・EU間で離脱案の合意ができない
場合、ジョンソン英首相は EUに対し 3 ヶ月の離脱延期を申請することが求められる。同首相は一貫
して離脱期限の延期申請は行わないことを表明しているが、政権が議会過半の支持を失っている状
況下、英議会が内閣不信任案を可決すれば、野党が代替政権を樹立することで No Deal Brexitを
阻止できる可能性が高い。No Deal Brexit回避の動きによるポンド買いに連れたユーロ買いがユー
ロの一定の下支えとなるとみる。
ユーロ売りの要因として ECBのハト派姿勢を挙げた一方、米金融政策に関しては 10月の FOMCで
は現状維持が決定されると見込んでおり、金融政策へのスタンスの違いから相対的にユーロ売りド
ル買いが優勢となろう。ユーロ/ドルは 2017年仏大統領戦後の急騰以前の水準となる 1.0800 ドルを
割り込み、もう一段下落する場面も想定される。
なお、ユーロ/円についても軟調な推移を予想する。上記のユーロ売り要因に加え、各国の貿易摩
擦問題が長期化や、イラン等の中東情勢を巡る地政学リスクへの懸念を背景としたリスクオフの円買
いも入りやすいとみており、ユーロ/円は節目の 115.00円を試す局面もあると思料する。
(文責:梅谷)
■ 想定されるドル/円のリスク要因
【 ドル安/円高 要因 】
トランプ政権の保護主義的な貿易政策による貿易戦争の激化(リスク資産の下落・円高)
FRB政策スタンスの一段のハト化(ドル安・円高)
米国とイランをめぐる地政学リスクの高まり(円高)
サイクル的に見た米景気後退期突入観測の高まり(ドル安)
【 ドル高/円安 要因 】
相対的に高い債券利回りを背景とした米金融資産の魅力度上昇による資金流入の増加(ドル高)
ボラティリティ低位推移に伴うキャリー取引優勢地合いの継続(円安)
日銀追加緩和に対する期待の高まり(円安)
企業の M&A等の直接投資や、年金・生保等の外物投資に伴う円売り需要(円安)
日本の構造改革後退への失望感や政府債務膨張に対する警戒感の高まり(円安)
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【Weekly】ドル/円チャート(週足)
(出所:Bloomberg)
【Monthly】ドル/円チャート(月足)
(出所:Bloomberg)
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99.00
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RSI
RSI
118.66
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【Weekly】ユーロ/ドルチャート(週足)
(出所:Bloomberg)
【Monthly】ユーロ/ドルチャート(月足)
(出所:Bloomberg)
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1.3995
1.3670
1.1640
1.0340
RSI
1.2556
1.3995
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RSI
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【Weekly】ユーロ/円チャート(週足)
(出所:Bloomberg)
【Monthly】ユーロ/円チャート(月足)
(出所:Bloomberg)
169.97
112.08
126.08
149.79
94.12
149.79
RSI
109.30
109.30
RSI
136.62
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【Weekly】ドルインデックスチャート(週足)
(出所:Bloomberg)
【Monthly】ドルインデックスチャート(月足)
(出所:Bloomberg)
本資料は当マーケット金融ビジネスユニット 為替セールスチームの見解を記したものであり、当社としての
見通しとは必ずしも一致しません。本資料のデータは各種の情報源から入手したものですが、正確性、完全性
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なさるようにお願い申し上げます。
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