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原 著 リバウンドジャンプテストを用いた跳躍選手の専門的な下肢筋力・パワーに関する評価 図子 あまね 1 ,苅山 靖 2 ,図子 浩二 3 Evaluation of specific strength and power at the lower extremity of jumpers using the rebound jump test Amane Zushi 1 , Yasushi Kariyama 2 and Koji Zushi 3 Received : May 31, 2016 / Accepted : November 18, 2016 Abstract We aimed to investigate the characteristics of lower-limb strength and power used for lower-limb mechanical variables in rebound jump (RJ) test by using a new system (Quick Motion Analysis System), which calculates mechanical variables in real time. Thirty-three male jumpers performed the RJ test. The performance (RJ index, contact time, and jump height) and joint kinetics (joint work and joint contribution) in RJ were calculated. IAAF Scoring Tables of Athletics were used to calculate jump event performance (IAAF score). IAAF score was positive correlated with RJ index, jump height, and joint work at the ankle and hip joints. Elite jumpers achieved higher RJ performance by larger ankle and hip joint work. As performance variables, jumping height and contact time were converted to T scores, and evaluation method was pro- posed to use the relative merits of these values to classify athletes into four types. The IAAF score showed no differences among the four types. These results indicate that there is no rela- tion among jump events performance and characteristics of the four types. Moreover, focusing on stiffness, based on the contact time and jump height, jumpers with a longer contact time and higher jump height type showed lower stiffness (compliant spring characteristics), whereas those with the opposite features showed higher stiffness (stiffer spring characteristics). Therefore, for evaluating lower-limb strength and power characteristics, the use of performance and joint ki- netics are effective, in addition to focusing on type characteristics based on the contact time and jump height in RJ. Jpn J Phys Fitness Sports Med, 66(1): 79-86 (2017) Keywords : stretch-shortening cycle movement, RJ TEST, performance variable, joint kinetics 1 筑波大学大学院人間総合科学研究科,〒305-8574 茨城県つくば市天王台 1-1-1 (Graduate School of Comprehensive Hu- man Sciences, University of Tsukuba, 1-1-1 Tennodai, Tsukuba, Ibaraki 305-8574, Japan) 2 山梨学院大学スポーツ科学部,〒400-8575 山梨県甲府市酒折 2-4-5 (Faculty of Sport Science, Yamanashi Gakuin Uni- versity, 2-4-5 Sakaori, Kofu, Yamanashi 400-8575, Japan) 3 筑波大学体育系,〒305-8574 茨城県つくば市天王台 1-1-1 (Faculty of Health and Sport Sciences, University of Tsukuba, 1-1-1 Tennodai, Tsukuba, Ibaraki 305-8574, Japan) 緒  言 陸上競技における短距離走や跳躍種目,球技スポーツ における各種のジャンプやフットワークは,下肢の筋 腱複合体が強制的に伸張されながらエキセントリック な筋収縮によって運動エネルギーを受け止め,その後 コンセントリックな筋収縮が行われる典型的な Stretch- Shortening Cycle movement(SSC運動)であり 1) ,休息 状態やアイソメトリックな収縮状態からの短縮よりも大 きな筋張力を発揮できる運動である 2) .また,陸上競技 における跳躍種目の踏切は,0.2 秒以下という極めて短 時間に非常に大きな地面反力が発揮される高強度の SSC 運動であり 3, 4) ,この能力の優劣が競技のパフォーマンス に大きく影響している.そこで,下肢の SSC 運動の遂行 能力を評価診断する方法として,リバウンドジャンプテ スト(リバウンドドロップジャンプテストを含む)が考 案された 5) .その後,リバウンドジャンプテストを用い た研究は数多く報告されており 5-15) ,現在では各種スポー ツ実践の場におけるテストとして広く普及している. リバウンドジャンプテストは,マットスイッチシステ ムを利用して接地時間(t cont )と滞空時間(t air )を計測す るとともに,滞空時間から跳躍高(jump height = 1/8 g t air 2 )を算出し,それを接地時間で除したリバウンドジャ ンプ指数(rebound jump index=jump height / t cont )を評 体力科学 第66巻 第 1 号 79-86(2017) DOI:10.7600/jspfsm.66.79

Evaluation of specific strength and power at the lower

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Page 1: Evaluation of specific strength and power at the lower

原 著

リバウンドジャンプテストを用いた跳躍選手の専門的な下肢筋力・パワーに関する評価

図子 あまね1,苅山 靖2,図子 浩二3

Evaluation of specific strength and power at the lower extremity of jumpers using the rebound jump test

Amane Zushi1, Yasushi Kariyama2 and Koji Zushi3

Received : May 31, 2016 / Accepted : November 18, 2016

Abstract We aimed to investigate the characteristics of lower-limb strength and power used for lower-limb mechanical variables in rebound jump (RJ) test by using a new system (Quick Motion Analysis System), which calculates mechanical variables in real time. Thirty-three male jumpers performed the RJ test. The performance (RJ index, contact time, and jump height) and joint kinetics (joint work and joint contribution) in RJ were calculated. IAAF Scoring Tables of Athletics were used to calculate jump event performance (IAAF score). IAAF score was positive correlated with RJ index, jump height, and joint work at the ankle and hip joints. Elite jumpers achieved higher RJ performance by larger ankle and hip joint work. As performance variables, jumping height and contact time were converted to T scores, and evaluation method was pro-posed to use the relative merits of these values to classify athletes into four types. The IAAF score showed no differences among the four types. These results indicate that there is no rela-tion among jump events performance and characteristics of the four types. Moreover, focusing on stiffness, based on the contact time and jump height, jumpers with a longer contact time and higher jump height type showed lower stiffness (compliant spring characteristics), whereas those with the opposite features showed higher stiffness (stiffer spring characteristics). Therefore, for evaluating lower-limb strength and power characteristics, the use of performance and joint ki-netics are effective, in addition to focusing on type characteristics based on the contact time and jump height in RJ.

Jpn J Phys Fitness Sports Med, 66(1): 79-86 (2017)Keywords : stretch-shortening cycle movement, RJ TEST, performance variable, joint kinetics

1筑波大学大学院人間総合科学研究科,〒305-8574 茨城県つくば市天王台1-1-1 (Graduate School of Comprehensive Hu-man Sciences, University of Tsukuba, 1-1-1 Tennodai, Tsukuba, Ibaraki 305-8574, Japan)

2山梨学院大学スポーツ科学部,〒400-8575 山梨県甲府市酒折2-4-5 (Faculty of Sport Science, Yamanashi Gakuin Uni-versity, 2-4-5 Sakaori, Kofu, Yamanashi 400-8575, Japan)

3筑波大学体育系,〒305-8574 茨城県つくば市天王台1-1-1 (Faculty of Health and Sport Sciences, University of Tsukuba, 1-1-1 Tennodai, Tsukuba, Ibaraki 305-8574, Japan)

緒  言

 陸上競技における短距離走や跳躍種目,球技スポーツにおける各種のジャンプやフットワークは,下肢の筋腱複合体が強制的に伸張されながらエキセントリックな筋収縮によって運動エネルギーを受け止め,その後コンセントリックな筋収縮が行われる典型的なStretch-Shortening Cycle movement(SSC運動)であり1),休息状態やアイソメトリックな収縮状態からの短縮よりも大きな筋張力を発揮できる運動である2).また,陸上競技における跳躍種目の踏切は,0.2秒以下という極めて短時間に非常に大きな地面反力が発揮される高強度のSSC

運動であり3,4),この能力の優劣が競技のパフォーマンスに大きく影響している.そこで,下肢のSSC運動の遂行能力を評価診断する方法として,リバウンドジャンプテスト(リバウンドドロップジャンプテストを含む)が考案された5).その後,リバウンドジャンプテストを用いた研究は数多く報告されており5-15),現在では各種スポーツ実践の場におけるテストとして広く普及している. リバウンドジャンプテストは,マットスイッチシステムを利用して接地時間(tcont)と滞空時間(tair)を計測するとともに,滞空時間から跳躍高(jump height=1/8 g tair

2)を算出し,それを接地時間で除したリバウンドジャンプ指数(rebound jump index=jump height / tcont)を評

体力科学 第66巻 第 1号 79-86(2017)DOI:10.7600/jspfsm.66.79

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80 図子,苅山,図子

価指標とするものである.このリバウンドジャンプ指数は,短い踏切を遂行する能力と高い跳躍高を獲得する能力の 2 つの変数から成っており,前者の要因には,着地に対する時間的・空間的な予測や着地前の予備緊張および足関節底屈筋群の働きなどの神経系の要因が影響し16),後者の要因には最大脚伸展力や垂直跳の跳躍力などのエネルギー出力の大きさが影響する17)ことが認められている.さらに,これら 2 つの変数は互いに独立した関係にあることも明確にされている17).これらのことを考慮すると,リバウンドジャンプ指数が同じ値の選手であっても,跳躍高は高いが接地時間が長いタイプ(跳躍高依存型のタイプ),あるいは跳躍高は低いが接地時間が短いタイプ(接地時間依存型のタイプ)など,様々なタイプが存在する可能性がある.したがって,跳躍高と接地時間を決定する要因がそれぞれ異なること16,17)を考慮すると,リバウンドジャンプにおける下肢筋力・パワー発揮特性はタイプごとに異なる可能性もある.そのため,タイプ別の下肢 3 関節の筋力・パワー発揮特性が明らかになれば,リバウンドジャンプテストにおいてタイプ特性を考慮した評価診断が可能になると考えられる.しかしながら,タイプの存在自体は指摘されてきたものの15),これらを検討した研究は見当たらない. 一方,リバウンドドジャンプ指数や接地時間,跳躍高という一連のパフォーマンス変数は,下肢の 3 関節(足, 膝, 股関節)に関与する筋群の働きが相互に関連し合って生み出される成果である.そのために,パフォーマンス変数だけでなく,踏切中の下肢 3 関節のキネティクスデータから跳躍選手の特性を検討する必要がある.しかしながら,これまでのリバウンドジャンプテストによる下肢 3 関節のキネティクスデータについて検討した研究11,13,14,16,18,19)

では,被験者数が10名程度と少なく,さらに競技力の高い跳躍選手を含み被験者を跳躍選手に限定した研究は存在しない.したがって,これらの点を考慮し,高いレベルの跳躍選手が有する関節キネティクスについて検討することは,跳躍選手における下肢の筋力・パワー発揮特性を理解するために重要であると考えられる. そこで本研究では,国内トップレベルを含む男子跳躍選手を対象にリバウンドジャンプテストを実施させ,リバウンドジャンプ指数(以下, RJ指数とする),接地時間,跳躍高に加えて下肢 3 関節の仕事を用いて,競技力とパフォーマンス変数および仕事量の関係を明らかにするとともに,接地時間と跳躍高の 2 つの要因から分類したタイプごとの特性を示すことで,リバウンドジャンプにおける下肢の筋力・パワー発揮特性について検討した.なお,これまでのリバウンドジャンプ研究(リバウンドドロップジャンプ研究を含む)のほとんどは,カメラ映像撮影に基づく 2 次元デジタイズ法を用いたものであり11,13,14,16),撮影やデジタイズ作業,波形処理などによって生じる精

度が問題とされてきた.これに対して,現在では 3 次元光学システムを用いた方法が一般的に普及しており,高精度で誤差も少なく信頼性の高いデータの入手が可能となっている.したがって本研究では, 3 次元光学システムを用いることでデータの精度と信頼性を担保することに努めた.

方  法

被験者 被験者は陸上競技跳躍種目を専門とする男子33名(年齢; 20.5±1.8歳, 身長; 1.77±0.06 m, 体重; 68.1±5.4 kg)とした.専門種目の内訳は,走高跳 (HJ) 7 名,棒高跳 (PV) 5 名,走幅跳 (LJ) 14名,三段跳 (TJ) 7 名であった.全ての被験者に本研究の目的と方法および実験に伴う安全性について説明し,実験参加のための同意を得た.被験者には,本研究で用いた実験運動を事前に練習させた.なお,本研究は,筑波大学体育系倫理委員会によって承諾された(承認番号:体26-109).

実験試技 被験者には立位姿勢からその場での両脚踏切を用いた 5 回連続跳躍運動であるリバウンドジャンプ6, 9, 11)

を,2 枚のフォースプレート(Kistler社製, 9287C)を踏み分けた状態で行なわせた.その際,腕の振込み動作に制限を設けなかった.できるだけ接地時間を短くして高く跳ぶことを口頭で指示し,跳躍の接地がフォースプレート外に出てしまった場合は失敗試技とした.成功試技で被験者の内省の良かった試技の中から,後述するRJ指数が最も高い値を示した試技を分析に用いた.失敗試技を除外し,最低 3 回の試技を行わせた.なお,試技間には十分な休息をとらせた. 本研究ではその場での連続リバウンドジャンプを用いたが,先行研究では台上から跳び降り即座に跳び上がるドロップジャンプも用いられている16,20,21).リバウンドジャンプとドロップジャンプそれぞれの遂行能力間には有意な相関関係が認められることから22),両ジャンプ共に同種の能力を評価できることが考えられるが,ドロップジャンプでは実施者によって最大パフォーマンスを発揮できる台高が異なる23,24)ために,台高選択に関して考慮すべき事項が存在する.これらのことから,自らの跳躍高を運動エネルギーとして受け止めることができ,かつ,台を用いないというテスト法としての簡便さを考慮し,本研究ではリバウンドジャンプをテスト運動として採用した.また,本研究では腕の振込み動作に制限を加えなかった.ジャンプ運動において腕の振込みを用いることは,下肢筋群の動員を増やすために高いパフォーマンスの獲得に貢献する13,25).つまり,腕の振込みが無い試技は,下肢の筋力やパワー発揮を制限しているために最大パフォーマンスを評価できていない可能性がある.ここで,腕の振込みによる影響には個人差のあることが

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81跳躍選手の専門的な下肢筋力・パワーの評価

懸念されるが,本研究の被験者は普段から腕の振込みを用いたリバウンドジャンプや類似した運動を用いたトレーニングを定期的に行っており,腕の振込み動作に習熟していると考えられる.むしろ,腕の振込みの無い試技における習熟度の方が低く,個人差の出現する可能性のあることも考慮し,本研究では腕の振込みを用いることとした.

測定項目および測定方法 接地時間,跳躍高,地面反力に加えて下肢の 3 関節の関節仕事をQuick Motion Analysis System(DKH社製)を用いて算出した.このシステムはDKH社との共同研究によって開発した, 3次元光学システム(Vicon Motion Systems 社製)とフォースプレートシステム(Kistler社製, 9287C)を組み合わせ,下肢各関節キネマティクスおよびキネティクスデータを計測し,リアルタイムに評価診断できる装置である.身体座標を測定するために赤外線カメラ10台

(Vicon Motion Systems社製, Vicon MX+ , 250 Hz),地面反力を測定するためにフォースプレート 2 台を使用した.フォースプレートのサンプリング周波数は1000 Hzとし,各X,Y,Z 方向の力をA/D変換ボードによってパーソナルコンピュータに取り込んだ.Viconシステムは,反射マーカーを添付した身体計測点13点(ダミーマーカー 1 点を含む)の 3 次元座標データを250 Hzのサンプリング周波数で収集した.静止座標系は,試技開始時の被験者前方をX軸,被験者前方に直行する方向をY軸,鉛直上向きを Z 軸と定義した.フォースプレートデータとViconシステムからのマーカー位置情報データはQuick Motion Analysis Systemに送られ,下肢 3 関節のキネティクスを算出し外部出力させた.

算出項目および算出方法 パフォーマンス変数について,鉛直地面反力(10 Nを基準)から接地時間と滞空時間を算出した.跳躍高(Jump height, m)は滞空時間(tair, sec)と重力加速度(g=9.81, m/s2)以下の式に代入することで算出した.

Jump height = (g・tair2)8-1

 また,前述した跳躍高を接地時間で除すことでRJ指数(Rebound Jump Index ; RJ指数)を算出した5,22).ここで,同一計測日および同一個人内における 3 試技間の級内相関係数[ICC(1, 1)]を算出したところ,RJ指数(ICC =0.934),跳躍高(ICC =0.951),接地時間

(ICC=0.942)ともに高い再現性が確認された.なお,先行研究においても,同一計測日内の再現性22,26-28),さらに 2 日間に渡った際の再現性28,29)が検討され,いずれも再現性のあることが示されている. 身体重心を,身体部分慣性係数を用いて算出した30).

関節仕事および貢献度においては,各被験者の跳躍種目での踏切脚について算出した.関節仕事は,Quick Mo-tion Analysis System内で負のトルクパワー,正のトルクパワーを時間積分することで負の仕事と正の仕事とし,それぞれの絶対値を足し合わせ絶対仕事を算出した.貢献度はそれぞれの関節が発揮した絶対仕事を下肢 3 関節の総仕事で除した相対仕事として算出した.本研究では絶対仕事とその貢献度を用いた.また,関節仕事においても同一計測日の 3 試技の級内相関係数[ICC(1, 1)]を算出したところ,全ての関節(足関節: ICC=0.274, 膝関節: ICC=0.697, 股関節: ICC=0.655)において高い再現性は認められなかった.本研究では,被験者の専門とする競技種目が異なるために,パフォーマンスの比較にはIAAF Scoring Tables of Athletics(2011年度版)を用いて,各被験者の最高記録を得点化した値(IAAF score)を使用した. RJ指数の構成要素である接地時間と跳躍高を標準得点化(T score)し,T scoreの50を基準にして 4 つのタイプに分類した.この時,接地時間については値が小さくなるほどT scoreが大きくなるようにした.リバウンドジャンプにおけるスティフネスを算出するために,跳躍中の身体を身体重心と踏切足を結んだ質量と線形のばねからなる質量-ばねモデルを用い,以下の式より算出した.

Stiffness = Fmean・⊿L-1 12)

 ここで,Fmeanは,踏切足接地からばねモデルの最大短縮までにおける鉛直地面反力の平均値であり,⊿Lは,踏切足接地からのばねモデルの短縮量である.したがって,スティフネスは値が高いほど硬いばねとしての特性であることを示す変数である.

統計処理 各算出項目は平均値±標準偏差で示した.変数間の関係性については,相関係数をPearsonの方法を用いて算出した.タイプ別の群間の有意差検定には一要因分散分析を用いて,F値が有意であった項目についてはTukey法により多重比較を行った.3 試技間の再現性については級内相関係数[ICC(1, 1)]を用いて判断した.いずれも有意性は危険率を 5 %未満で判定した.

結  果

 全被験者におけるRJ指数,跳躍高,接地時間はそれぞれ,3.30±0.52,0.51±0.06 m,0.15±0.02 sであった.また,IAAF scoreは995.5±81.8,スティフネスは25409±6671 N/mであった.さらに,足関節,膝関節,股関節の関節仕事(体重あたり)はそれぞれ,3.29±0.38 J/kg,1.68±0.45 J/kg,0.47±0.21 J/kgであり,関節仕事の貢献度はそれぞれ,61.17±6.53%,30.27±6.21%,8.58

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82 図子,苅山,図子

±2.47%であった. Fig. 1に,RJ指数,跳躍高,接地時間の関係を示した.RJ指数と跳躍高および接地時間との間には,それぞれ有意な正および負の相関関係が認められた(跳躍高: r=0.787, p<0.05 ; 接地時間: r=-0.604, p<0.05).しかし,接地時間と跳躍高の間には有意な相関関係は認められなかった(r=0.005, n.s). Fig. 2に,IAAF scoreで示した各被験者の競技力とRJ指数,跳躍高,接地時間との相関関係を示した.競技力とRJ指数および跳躍高との間には有意な正の相関関係が認められた(RJ指数: r=0.403, p<0.05 ; 跳躍高: r=0.587, p<0.05).しかし,競技力と接地時間との間には有意な相関関係は認められなかった(r=0.045, n.s). Fig. 3に,IAAF scoreで示した競技力と下肢 3 関節の関節仕事との間の相関関係を示した.競技力と足関節の仕事(r=0.502, p<0.05)および股関節の仕事(r=0.487, p<0.05)との間にそれぞれ有意な相関関係が認められた.また,国際大会へ出場経験のある日本トップレベルの跳躍選手 4 名の結果(×=HJ 1 : IAAF score ; 1175, ◇=HJ 2 : IAAF score ; 1147, △=HJ 3 : IAAF score ; 1147,

□=LJ 1 : IAAF score ; 1113)を示した.いずれも最も右上に位置していることが認められた. Fig. 4に,跳躍高と接地時間を標準得点化(T score)し,T score 50を基準にして 4 つのタイプに分類した結果を示した.ここで,接地時間が短いほど,また跳躍高が大きいほど偏差値は高値を示すこととした.その結果,Type Aは接地時間は長いが跳躍高が高い群であり, 8名(HJ ; 4 名, PV ; 1 名, LJ ; 1 名, TJ ; 2 名)が該当した.Type Bは接地時間は短く跳躍高も高い群であり, 8 名

(HJ ; 1 名, PV ; 0 名, LJ ; 6 名, TJ ; 1 名)が該当した.Type Cは接地時間は短いが跳躍高が低い群であり, 9名(HJ ; 2 名, PV ; 1 名, LJ ; 6 名, TJ ; 0 名)が該当した.Type Dは,接地時間は長く跳躍高も低い群であり, 8名(HJ ; 0 名, PV ; 3 名, LJ ; 1 名, TJ ; 4 名)が該当した.なお,国際大会へ出場経験のある日本トップレベルの走高跳選手 3 名はType Aに,走幅跳選手 1 名はType Cに分類された. Table 1 に,IAAF score で示した競技力,RJ 指数,関節仕事,貢献度,スティフネスについて, 4つのタイプ別に比較した結果を示した.一要因分

Fig. 1 Relationships of RJ-index with jump height and contact time

2

3

4

5

0.3 0.4 0.5 0.6 0.7

RJ-

inde

x

n = 33y = 6.3x + 0.1r = 0.787p < 0.05

Jump height (m)

5

4

3

20.3 0.4 0.5 0.6 0.7

2

3

4

5

0.12 0.14 0.16 0.18 0.20 0.22

n = 33y = -20.6x + 6.5r = -0.604p < 0.05

Contact time (s)0.12 0.14 0.16 0.18 0.20 0.22

0.12

0.14

0.16

0.18

0.20

0.22

0.3 0.4 0.5 0.6 0.7

Con

tact

tim

e (s

)

Jump height (m)

0.12

0.14

0.16

0.18

0.20

0.22

0.3 0.4 0.5 0.6 0.7

n = 33r = 0.005n.s

650

850

1050

1250

2 3 4 5RJ-index

IAA

F Sc

ore

Fig. 2 Relationships between the IAAF score and RJ-index with jump height and contact time

0.30 0.45 0.60 0.75 0.12 0.14 0.16 0.18 0.20 0.22Contact time (s)Jump height (m)

n = 33y = 63.7x + 785.0r = 0.403p < 0.05

n = 33y = 738.2x + 621.1r = 0.587p < 0.05

n = 33r = 0.045n.s

Fig. 2 Relationships between the IAAF score and RJ-index with jump height and contact time

Fig. 1 Relationships of RJ-index with jump height and contact time

650

850

1050

1250

2 3 4 5RJ-index

IAA

F Sc

ore

Fig. 2 Relationships between the IAAF score and RJ-index with jump height and contact time

0.30 0.45 0.60 0.75 0.12 0.14 0.16 0.18 0.20 0.22Contact time (s)Jump height (m)

n = 33y = 63.7x + 785.0r = 0.403p < 0.05

n = 33y = 738.2x + 621.1r = 0.587p < 0.05

n = 33r = 0.045n.s

650

850

1050

1250

2 3 4 5RJ-index

IAA

F Sc

ore

Fig. 2 Relationships between the IAAF score and RJ-index with jump height and contact time

0.30 0.45 0.60 0.75 0.12 0.14 0.16 0.18 0.20 0.22Contact time (s)Jump height (m)

n = 33y = 63.7x + 785.0r = 0.403p < 0.05

n = 33y = 738.2x + 621.1r = 0.587p < 0.05

n = 33r = 0.045n.s

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83跳躍選手の専門的な下肢筋力・パワーの評価Jo

int w

ork

(J/k

g)

5

4

3

2

1

0800 900 120011001000 800 900 120011001000 800 900 120011001000

Fig. 3 Relationships between the IAAF score and joint work for the ankle, knee, and hip

IAAF score

Knee HipAnkle

n = 33r = 0.502y = -0.002x + 0.95p < 0.05

n = 33r = 0.124n.s

n = 33r = 0.487y = -0.001x + 0.80p < 0.05

= HJ1 : IAAF score ; 1175= HJ2 : IAAF score ; 1147= HJ3 : IAAF score ; 1147= LJ1 : IAAF score ; 1113

B

Fig. 4 Types based on jump height and contact time

10.00

50.00

90.00

10.00 50.00 90.00

AD

C

Dev

iatio

n va

lue

of c

onta

ct ti

me

Deviation value of jump height

10 50

50

90

90

; Type A : long contact time and high jump height; Type B : short contact time and high jump height; Type C : short contact time and low jump height; Type D : long contact time and low jump height

= HJ1 : IAAF score ; 1175= HJ2 : IAAF score ; 1147= HJ3 : IAAF score ; 1147= LJ1 : IAAF score ; 1113

Fig. 4 Types based on jump height and contact time

Fig. 3 Relationships between the IAAF score and joint work for the ankle, knee, and hip

散分析の結果,IAAF score(F =2.338, n.s),RJ 指数(F =34.927, p <0.05),下肢各関節の総仕事(足関節: F=4.223, p<0.05 ; 膝関節; F=0.881, n.s ; 股関節: F=4.508, p<0.05),貢献度(足関節: F=0.534, n.s ; 膝関節; F=0.373, n.s ; 股関節: F=2.298, n.s),スティフネス

(F=6.539, p<0.05)であった.F値が有意であった項目に関して多重比較を行った結果,RJ指数は,Type BがType A,Type C,Type Dより有意に高く,Type AおよびType CはType Dより有意に高い値を示すことが認められた.足関節および股関節の仕事ではType AがType Dよりも有意に高い値を示すことが認められた.スティフネスは,Type BがType A,Type Dよりも有意に高く,Type CはType Dよりも有意に高い値を示すことが認められた.

考  察

 リバウンドジャンプテストにおけるパフォーマンス変数であるRJ指数,跳躍高,接地時間の関係をみると,RJ指数とその構成要因である跳躍高および接地時間との間にはそれぞれ有意な正および負の相関関係が認められたものの,跳躍高と接地時間の 2 つの間には有意な相関関係は認められなかった(Fig. 1).これらのことは,腕振りを制限した30 cmの台高からのドロップジャンプを用いた先行研究5)の知見と同様であり,本研究の腕の振り込みを利用したリバウンドジャンプを用いた場合にも,RJ指数は 2 つの独立した構成要因によって成り立っていることを示唆するものである. 本研究では跳躍 4 種目の記録を 1 つの尺度で標準化す

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84 図子,苅山,図子

Table 1 Comparisons of IAAF score, RJ-index, joint work, relative work, and stiffness among 4 types

Type A Type B Type C Type D F value Difference

IAAF score 1051.6 90.4 999.6 40.8 979.2 79.6 953.8 86.8 2.338

RJ-index 3.465 0.198 3.896 0.334 3.238 0.169 2.628 0.285 34.927 * B > A, C > D

Joint work (J/kg)

Hip 0.62 0.22 0.54 0.21 0.41 0.12 0.31 0.18 4.508 * A > D

Knee 1.82 0.40 1.81 0.64 1.55 0.37 1.57 0.34 0.881

Ankle 3.54 0.34 3.45 0.40 3.13 0.33 3.05 0.25 4.223 * A > D

Relative work (%)

Hip 10.19 3.03 9.30 3.61 8.70 3.18 6.10 3.29 2.298

Knee 30.29 4.84 30.93 9.90 28.49 4.41 31.59 5.13 0.373

Ankle 59.53 5.72 59.81 8.44 62.82 4.54 62.31 7.57 0.534

Stiffness (N/m) 22103.2 5440.9 30380.2 3336.4 28443.5 7898.1 20328.3 3051.2 6.538 * B > A, D; C > D

* ; p < 0.05

Table 1. Comparisons of IAAF score, RJ-index, joint work, relative work, and stiffness among 4 types

*, > ; p < 0.05

るために,各種目の記録をIAAF scoreに変換して評価した.IAAF scoreに変換した競技力とリバウンドジャンプのパフォーマンス変数との関係についてみると,競技力と接地時間との間には有意な相関関係は認められなかったものの,RJ指数および跳躍高との間には有意な正の相関関係が認められた(Fig. 2).これらのことは,優れた跳躍選手ほどリバウンドジャンプテストにおいて跳躍高を獲得する能力が高いことを示唆するものである. 次に,競技力と下肢 3 関節の関節仕事との間の関係についてみると(Fig. 3),競技力と足関節および股関節の仕事との間に有意な相関関係が認められた.一方,膝関節の仕事との間には有意な相関関係は認められなかった.なお,日本トップレベルの跳躍選手 4 名の結果(×=HJ 1 : IAAF score ; 1175, ◇=HJ 2 : IAAF score ; 1147, △=HJ 3 : IAAF score ; 1147, □=LJ 1 : IAAF score ; 1113)をみると,いずれも回帰直線の右端に位置づいており,競技力の高い選手ほど足関節および股関節が大きな仕事をしていることを示すものであった.特に,顕著に高い足関節については,着地衝撃をエキセントリックな筋収縮によって受け止めながら大きな負の仕事を行うとともに,その際にはアキレス腱や下腿三頭筋群には弾性エネルギーが蓄えられ,踏切後半ではコンセントリックな筋収縮とともに解放されて大きな正の仕事を行っていること1,31)が推察できる. 本研究では,前述してきたRJ指数の値そのものに加えて,接地時間と跳躍高の 2 要因から分類したタイプについての評価も試みた(Fig. 4).その結果,各タイプ別の競技力間に有意差は認められなかった(Table 1).当初は,接地時間が短く跳躍高も高いType Bの競技力が最も高い値を示すのではないかという仮説を持ってい

た.しかし,タイプ間に競技力の差は認められなかったことから,競技力の高い選手がある特定のタイプに属しているわけではないことが示唆された.なお,本研究で典型例とした日本トップレベル選手 4 名は,走高跳選手3 名がType Aに,走幅跳選手 1 名がType Cに分類されていた.各種目における踏切時間は,走高跳では0.171±0.027秒32),走幅跳では0.132±0.010秒33)であり,走高跳は鉛直方向へ,走幅跳は水平方向への跳躍距離を競う種目であることを考慮すると,日本トップレベルの走高跳選手および走幅跳選手がそれぞれType AおよびType Cに分類されたことは,それぞれの種目特性が反映されている可能性が考えられる.しかしながら,同じ種目であっても他のタイプに分類された選手もいたために,この種目特性については今後,各種目において競技レベルの高い被験者を増やして検討する必要がある. また,タイプごとの下肢各関節の仕事についてみると(Table 1),足関節および股関節の仕事ではType AとType D のみにしか有意差は認められず,貢献度についてはいずれの関節においても有意差は認められなかった.一方,スティフネスについてみると(Table 1),Type B,Type C,Type A,Type Dの順に高く,Type BとType A,Type CおよびType Dとの間に有意差が認められた.スティフネスとは,接地点と身体重心を結んだ線分を単一ばねと仮想し,鉛直地面反力の平均値をばねが最大短縮に至るまでの変位で除した指数であり,値が高いほど硬いばねであることを示すものである.したがって,競技成績が最も高いType Aのスティフネスは高くなく,比較的柔らかく大きく変形する特徴を持っているとみなすことができ,それによって力積獲得のための踏切後半の運動範囲を確保して高い跳躍高を

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85跳躍選手の専門的な下肢筋力・パワーの評価

利益相反自己申告:申告すべきものはなし

引 用 文 献

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獲得していることが考えられる.これらのことから,接地時間と跳躍高の 2 要因から分類したタイプによって,下肢のばね特性は異なることが示された. 本研究の主な結果をまとめると,優れた跳躍選手は足関節および股関節の大きな仕事によって高いリバウンドジャンプテストの遂行能力を達成していること,また,接地時間と跳躍高の 2 要因によって分類したタイプは,競技力に依存しない下肢のばね(スティフネス)特性を評価できることが明らかになった.これらのことから,リバウンドジャンプテストを用いる際には,パフォーマンス変数に加えて下肢 3 関節に関するキネティクスを評価すること,さらに接地時間と跳躍高から分類したタイプ別に評価することの重要性を提言することができる.したがって,本研究で得られた知見は,リバウンドジャンプテストを用いた跳躍選手の下肢筋力・パワーに関する評価と診断を行う際に有益な情報を提示するものであると考えられる.なお,本研究ではパフォーマンス変数に高い再現性は認められたものの,関節仕事においては認められなかった.リバウンドジャンプテストでは

「できるだけ接地時間を短くして高く跳ぶ」ことを運動課題としているために,パフォーマンス変数における高い再現性はテスト運動としての妥当性を意味するものと考えられる.一方で,関節仕事の再現性はパフォーマンス変数のそれよりも低かった.この意味について考えると,リバウンドジャンプテストでは下肢 3 関節いずれかの仕事が小さい場合にそれを補うように他の関節が大きな仕事をする,といった関節間での補償的な作用が生じており,これにより複数回のテストにおいて同程度のパフォーマンスが達成されたとしても各試技の関節仕事はばらつく可能性がある.または,関節仕事はパフォーマンス変数よりも多くの変数を用いて算出されるために,それらの変数のばらつきが累積することによる影響があることも考えられる.本研究では,上記もしくは他の理由によって関節仕事の再現性が低くなった可能性が考えられるが,これまでにリバウンドジャンプテストにおける関節仕事の再現性を検討した研究が存在しないため,これらについての詳細は今後検討する必要がある.

結  論

 本研究では,国内トップレベルを含む男子跳躍選手を対象にリバウンドジャンプテストを実施させ,RJ指数,接地時間,跳躍高に加えて下肢 3 関節キネティクスを用いて,競技力とパフォーマンス変数および仕事量の関係を明らかにするとともに,接地時間と跳躍高の 2 つの要因から分類したタイプごとの特性を示すことで,リバウンドジャンプにおける下肢の筋力・パワー発揮特性について検討した.得られた結果は次の通りであった.

( 1 )IAAF scoreに変換した競技力とRJ指数および跳

躍高との間には有意な正の相関関係があることから,優れた跳躍選手ほどリバウンドジャンプテストにおいて跳躍高を獲得する能力が高いことが認められた.

( 2 )競技力と足関節および股関節の仕事との間には有意な相関関係があるとともに,日本トップレベルの跳躍選手 4 名の値が回帰直線の右端に位置づいていることから,競技力の高い選手ほど足関節および股関節が大きな仕事をしていることが認められた.

( 3 )接地時間と跳躍高の 2 要因からタイプ分類を行うと,タイプ間に競技力の差は認められなかったことから,競技力の高い選手がある特定のタイプに属しているわけではないことが示唆された.

( 4 )タイプ間において関節仕事や貢献度に特徴的な差は認められなかったものの,Type Aの下肢のスティフネスは高い値を示さず,比較的柔らかく大きく変形する特徴を持ち,Type Cの下肢のスティフネスは高い値を示し,硬いばねの特徴を持つことから,タイプによって下肢のばね特性は異なることが示唆された.

 これらのことから,リバウンドジャンプテストを評価する際には,パフォーマンス変数そのものの評価に加えて,下肢各関節の働きについて評価すること,接地時間と跳躍高にもとづいたタイプ別に評価することの必要性が示唆された.

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86 図子,苅山,図子

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