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日本ビジネスコンピューター株式会社 オープン・システム事業推進 オープン・テクニカルセンター GM 浜口 昌也 情報システムが企業にとってミッションクリティカルな存在となる中で、BCP(事業継続性計画)の観点から、バッ クアップ・リカバリに対する要求がますます高まっている。その一方で、厳しい経済環境下にあってはTCOの削減 も最優先課題と捉えられており、サーバ統合により運用コストを削減する動きも顕著化している。日本ビジネス コンピューター株式会社(JBCC)では、この2つの課題を同時に解決するソリューションを確立することを目的 に、数年前から自社グループにおいて検証を重ねてきた。具体的には、10社あるJBグループ各社が運用してきた 業務システムを1箇所のデータセンターに集約。従来から基幹システムとして利用してきたIBM System i (AS400)に加えて、130に及ぶ各種サービスをIBMのブレードサーバ10台の仮想環境で統合した。その際に、 最も頭を悩ませたのがバックアップの仕組みである。従来のバックアップの問題点を解消するだけでなく、コスト 削減やパフォーマンスの向上を達成する必要があった。そこでJBCCでは、あらゆるソリューションの検証を徹底 的に行ない、最終的にディデュープストレージ「Data Domain」を採用することとなる。それにより、バックアップ の最適化が図られ、遠隔レプリケーションによるDR(ディザスタ・リカバリ)の仕組みまでも実現した。 異なるプラットフォームにおける共有バックアップ環境の実現 仮想環境をはじめとする最新テクノロジーを活かしたサーバ統合の実現 テープ装置によるバックアップのコストと運用負荷の軽減 IBM System i (AS400)、Windowsサーバ、 Linuxサーバの混在環境でバックアップ統合を実現 仮想環境に対応した、待ち時間のない同時並行バックアップを実現 テープ装置を全廃し、保守・消耗品・運送に関わるコストを大幅に削減 導入の経緯 顧客のニーズや課題に対して最適なソリューションを提供するJBCCにとって、自社グループの業務シス テムにおける「Data Domain」の採用は、日々高まるバックアップへの要求を最適化するベストプラクティ スへの挑戦でもあった。特にサーバ統合を行う際には、同グループのようにIBM System iをはじめ、 Windowsサーバ、Linuxサーバなど、異なるプラットフォームが混在しているケースが少なくない。それだ けに、バックアップを最適化するためには異なるプラットフォームで活用できる共有バックアップデバイス が不可欠となる。そこで、白羽の矢が立ったのが「Data Domain」である。ストレージ容量を大幅に削減 させる容量最適化技術(ディデュープ)による高い圧縮率、ネットワークの負荷を軽減する容量最適化レプ リケーション、データ非脆弱性アーキテクチャおよびRAID6による堅牢性が採用の決め手となった。 導入決定のポイント JBCCホールディングス株式会社を持株会社とする JBグループの事業会社の中核。同グループでは、 IT 活用ニーズおよび経営課題の多様化・高度化に対応 して、グループ各社のコンピテンシーを活かし、的 確なソリューションを迅速かつトータルに提供する ことを目指している。その中にあってJBCCは、主に 中堅・中小企業マーケットを対象に、コンサルティ ングから販売・構築・運用・保守・マネジメントサー ビスを包含したソリューションを全国18,000社に 提供。その領域は、あらゆる業種・業態に及んでいる。 http://www.jbcc.co.jp/ 〒144-8721 東京都大田区蒲田五丁目37-1 ニッセイアロマスクエア15階 日本ビジネスコンピューター株式会社 オープン・システム事業推進 オープン・テクニカルセンター アドバイザリー 高浜 祐二 Mission Solution 導入事例 日本ビジネスコンピューター 株式会社(JBCC) vol.02 サーバ統合のメリットを徹底追求する中で、 ディスクストレージ「Data Domain」をコアとする 最適なバックアップ・ソリューションを確立 Case Study

EMC Data Domain 導入事例 日本ビジネスコン …(AS400)に加えて、130に及ぶ各種サービスをIBMのブレードサーバ10台の仮想環境で統合した。その際に、

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Page 1: EMC Data Domain 導入事例 日本ビジネスコン …(AS400)に加えて、130に及ぶ各種サービスをIBMのブレードサーバ10台の仮想環境で統合した。その際に、

日本ビジネスコンピューター株式会社オープン・システム事業推進オープン・テクニカルセンター GM浜口 昌也 氏

情報システムが企業にとってミッションクリティカルな存在となる中で、BCP(事業継続性計画)の観点から、バックアップ・リカバリに対する要求がますます高まっている。その一方で、厳しい経済環境下にあってはTCOの削減も最優先課題と捉えられており、サーバ統合により運用コストを削減する動きも顕著化している。日本ビジネスコンピューター株式会社(JBCC)では、この2つの課題を同時に解決するソリューションを確立することを目的に、数年前から自社グループにおいて検証を重ねてきた。具体的には、10社あるJBグループ各社が運用してきた業務システムを1箇所のデータセンターに集約。従来から基幹システムとして利用してきたIBM System i(AS400)に加えて、130に及ぶ各種サービスをIBMのブレードサーバ10台の仮想環境で統合した。その際に、最も頭を悩ませたのがバックアップの仕組みである。従来のバックアップの問題点を解消するだけでなく、コスト削減やパフォーマンスの向上を達成する必要があった。そこでJBCCでは、あらゆるソリューションの検証を徹底的に行ない、最終的にディデュープストレージ「Data Domain」を採用することとなる。それにより、バックアップの最適化が図られ、遠隔レプリケーションによるDR(ディザスタ・リカバリ)の仕組みまでも実現した。

異なるプラットフォームにおける共有バックアップ環境の実現

仮想環境をはじめとする最新テクノロジーを活かしたサーバ統合の実現

テープ装置によるバックアップのコストと運用負荷の軽減

IBM System i(AS400)、Windowsサーバ、Linuxサーバの混在環境でバックアップ統合を実現仮想環境に対応した、待ち時間のない同時並行バックアップを実現テープ装置を全廃し、保守・消耗品・運送に関わるコストを大幅に削減

導入の経緯

顧客のニーズや課題に対して最適なソリューションを提供するJBCCにとって、自社グループの業務システムにおける「Data Domain」の採用は、日々高まるバックアップへの要求を最適化するベストプラクティスへの挑戦でもあった。特にサーバ統合を行う際には、同グループのようにIBM System iをはじめ、Windowsサーバ、Linuxサーバなど、異なるプラットフォームが混在しているケースが少なくない。それだけに、バックアップを最適化するためには異なるプラットフォームで活用できる共有バックアップデバイスが不可欠となる。そこで、白羽の矢が立ったのが「Data Domain」である。ストレージ容量を大幅に削減させる容量最適化技術(ディデュープ)による高い圧縮率、ネットワークの負荷を軽減する容量最適化レプリケーション、データ非脆弱性アーキテクチャおよびRAID6による堅牢性が採用の決め手となった。

導入決定のポイント

JBCCホールディングス株式会社を持株会社とするJBグループの事業会社の中核。同グループでは、IT活用ニーズおよび経営課題の多様化・高度化に対応して、グループ各社のコンピテンシーを活かし、的確なソリューションを迅速かつトータルに提供することを目指している。その中にあってJBCCは、主に中堅・中小企業マーケットを対象に、コンサルティングから販売・構築・運用・保守・マネジメントサービスを包含したソリューションを全国18,000社に提供。その領域は、あらゆる業種・業態に及んでいる。

http://www.jbcc.co.jp/

〒144-8721東京都大田区蒲田五丁目37-1ニッセイアロマスクエア15階

日本ビジネスコンピューター株式会社オープン・システム事業推進オープン・テクニカルセンターアドバイザリー 高浜 祐二 氏

Mission

Solution

導入事例

日本ビジネスコンピューター株式会社(JBCC)

vol.02サーバ統合のメリットを徹底追求する中で、ディスクストレージ「Data Domain」をコアとする最適なバックアップ・ソリューションを確立

導入事例 02C a s e S t u d y

Page 2: EMC Data Domain 導入事例 日本ビジネスコン …(AS400)に加えて、130に及ぶ各種サービスをIBMのブレードサーバ10台の仮想環境で統合した。その際に、

社内の業務システムは、これまで分散環境において構築され、サーバの乱立が運用コストの増大を招く大きな要因となっていた。それを解決する技術として注目されているのが、仮想化によるサーバ統合である。JBCCもそのメリットを徹底追求し、自社の顧客が直面する課題に真摯に取り組んでいる。その布石として、10社におよぶ自社グループ全体のIT基盤をサーバ統合によって再構築。そこで培った技術・ノウハウをベースに、運用面を含めたベストプラクティスを提供している。その際に、運用面の鍵を握るのがバックアップの仕組みである。IBM System i(AS400)で主流であったテープ装置によるバックアップは、区分されたパーティション毎に1対1の関係でテープ装置が必要となり、しかも1つの処理が終わらないと他のバックアップを実行できない状況が生じてしまっていた。そこで、JBCCがバックアップ・ソリューションとして採用し、検証を重ねてきたのが、ノックス株式会社が提供するディデュープストレージ「Data Domain」である。さまざまなプラットフォームに対応し、サーバOSが混在する環境でも同時並行でのバックアップを可能とするからだ。JBCCオープン・システム事業推進 オープン・テクニカルセンター GMの浜口 昌也氏は、その必要性を次のように説明する。「当社グループに限らず、仮想環境でサーバ統合を行う際には、異なるプラットフォームが混在するケースは決して少なくありません。それだけに、サーバ統合に当たっては、バックアップにおいても、仮想化による運用メリットを存分に享受できる仕組みが必要だと考え、ノックス社および米国・Data Domain社の協力を得て、2年間に亘って『Data Domain』の検証を行い、サーバ統合ニーズにマッチしたバックアップ・ソリューションを実現することができました」

同社が「Data Domain」を選定した理由は、先

に述べたようにサーバOSが混在する環境でも同時並行でのバックアップが可能なこと、そしてバックアップ・データの重複コピーを排除するディデュープストレージとして信頼性の高い技術を搭載しており、コスト削減とパフォーマンスの向上、災害対策効果が期待されるからに他ならない。同時に「Data Domain」は、ストレージとしての機能においてもさまざまなアドバンテージがあり、ネットワークの負荷を最小限に抑えながら圧縮されたデータとメタデータ(データ構成情報)を最適にレプリケーションする機能も有している。これにより、各拠点からデータセンターへのレプリケーションはもとより、災害対策や事業継続性を踏まえたDRサイトも容易に構築できる。もちろん、コスト面でも大幅なTCO削減に貢献する。自社システムの構築・運用に携わるJBCCの高浜 祐二氏は、そのメリットを次のように語る。「テープ装置によるバックアップは、保守・消耗品・運送などの積み重ねにより、かなりのコストがかかっているのが実状です。ディスクバックアップでは、それらのコストを限りなく『ゼロ』に近づけることができます」

さらに「Data Domain」は、バックアップにおける運用のプロセスを徹底的に簡素化する。テープ交換・移送などといった人的オペレーションも必要ないため、運用管理者の負荷は飛躍的に軽減される。当然、テープの寿命によるトラブルもなくなる。同時に、このシンプルなプロセスこそが内部統制やITガバナンスの強化にもつながる。「手間や手順が減るということは、内部統制やITガバナンスにおけるチェック項目も減るということに他なりません。それだけに、統制への対応は必然的に強化されます。同時に従来のテープライブラリでは、障害時に保存したバックアップ・イメージを復元しようとする際に、テープの老朽化などにより、リストアに失敗するケースもありました。ディデュープストレージである『Data Domain』では、その心配はほとんどありません。機能面・コスト面・運用面・ガバナンス面を含めて、これからのシステム環境を支える正しいバックアップ・リストア環境を実現できます」(浜口氏)すでにJBCCでは、「Data Domain」を基軸とするバックアップ・リカバリ・シナリオも用意し、多くの企業が抱えるITの課題に柔軟に対応できる体制を整えている。

導入事例:日本ビジネスコンピューター株式会社(JBCC)日本ビジネスコンピューター株式会社(JBCC)

Case Study

仮想化による運用メリットを存分に享受できる仕組みを徹底追求

ノックス株式会社発売元

本   社西日本支社

〒152-0023 東京都目黒区八雲2-23-13

●本製品に関するお問い合わせ: ストレージ事業部

お問い合わせ先

●メールでのお問い合わせ: [email protected]

〒533-0033 大阪市東淀川区東中島1-17-5Tel. 03-5731-5551 Fax. 03-5731-5552Tel. 06-4809-5544 Fax. 06-4809-5547

200911-A

www.nox.co.jp

高い圧縮率と最適レプリケーションで多様なニーズに対応し、コスト削減にも貢献

シンプルな運用プロセスがもたらす内部統制とITガバナンスの強化

日本ビジネスコンピューター株式会社(JBCC)日本ビジネスコンピューター株式会社(JBCC)

vol.02

統合サーバサイト災害対策サイト基幹系システム

導入例

システム構成図

LPAR毎にバックアップ

IBM System i(AS400)

テープ:345本

ディスク:276TB

230TB(46TB×5世代)を4TBまで圧縮=57.5倍の圧縮率

バックアップ対象:46TB保存世代数:5世代以上を格納する場合...

情報系システム

バックアップサーバ

バックアップサーバ

Windows、Linuxサーバ

バックアップ専用ディスクWAN

データ

データ

遠隔レプリケーション

0

50

100

仮想サーバ:120台

Data Domain

Data Domainの場合通常

Data Domain

LPAR(Logical PARtition:論理パーティション)

コスト面では、テープと比較して1/5、ディスクと比較して1/8程度となります。