緑をつなぎ、笑顔をつなぎ、未来へつなぐ。 22 10 45 30 50 23 17 4 16 3 5 2 No. 04 27 25 調11 25 調福島第一原発 川内村 福島県 「むらづくり大学」の運営を担う川内村役場 ※農林水産省ホームページより ニュース

都市農村共生・ - znk.or.jp · グリーンツーリズム企画・実践研修会地域の企画・案内人を育成する JA紀の里をはじめ、紀の川市の関 補助事業ました。そして、農林水産省によるリーンツーリズム推進協議会を設立しの整備・強化を目的として、紀の川グ図るため、紀の川市における受入体制よる交流人口・観光来訪者の

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Page 1: 都市農村共生・ - znk.or.jp · グリーンツーリズム企画・実践研修会地域の企画・案内人を育成する JA紀の里をはじめ、紀の川市の関 補助事業ました。そして、農林水産省によるリーンツーリズム推進協議会を設立しの整備・強化を目的として、紀の川グ図るため、紀の川市における受入体制よる交流人口・観光来訪者の

〜緑をつなぎ、笑顔をつなぎ、未来へつなぐ。〜

 

福島県川内村の中心地は、福島第一

原子力発電所から直線距離にして22キ

ロ地点になります。この村は、他の双

葉郡の町村と同じように、「全村避難」

が出された2011年3月を境に、村

民の生活が激変しました。震災からお

よそ10か月後の2012年1月に遠藤

村長は、どこよりも早く「帰村宣言」

を出しましたが、約4年を経過した今

も、崩壊した地域コミュニティの再生が

続いています。

 

本会では、昨年、地域コミュニティを

再生する村への支援として、「都市農村

共生・対流総合対策交付金」を活用し、

地域の新しい価値観の創出や新たな農

村生活スタイルを発信することによっ

て、村の賑わいを取り戻すことを提案

しました。

 

川内村は、明治時代の町村合併以来、

現在でも1区から8区という自然村的

なコミュニティを保ち、豊かな山林を持

ち、明治45年から昭和30年代には、村

有林からの財産収入が50%を占め、昭

和2年には村税を廃止したほどでした。

このような循環型の生活が営める、人の

心も風景も土地

も豊かな里山その

ものの村でした。

 

昨年からの取

組みで、帰村率を

上げ、人の交流を

復活させること

で、コミュニティを

再生する「

むらづ

くり大学」

を立

ち上げる準備をしました。具体的には、

コミュニティに関する勉強会の実施、地

域資源を見直すための講演会の開催な

ど、開校へ向けての土台作りをしてき

ました。

 

この事業には、当初から多くの大学

や企業の人たちも参画されましたが、

さらに本年は、村内外から集まった23

名の公募委員による検討会や川内村に

住む人たちに対して、村の将来に向け

たヒアリングを行いました。

 

その結果、多くの村民が帰村して、

元気な村になるために、①健康体操教

室、②郷土料理教室、③郷土について

話し合うこと等をカリキュラムとする

「川内むらづくり大学」を開校する運

びとなりました。

 

また、本年度は毎月第3土曜日を「む

らづくり大学の日」として定着させる

ために、継続的な運営が可能な体制作

りを行っています。この開校には、主体

的に動く運営委員として川内村役場、

商工会、観光協会、婦人会、福島大

学等の多くの関係者が連携を図ってい

ます。

 

元気な川内村となる「むらづくり大

学」第1回目の講座が1月17日に始ま

りました。

(全国農協観光協会

地域振興推進部 

川嶌

守)

第4号

一般社団法人全国農協観光協会機関誌

発行/一般社団法人

全国農協観光協会 

発行人/齊藤 

豪 

編集人/木本 

和男

〒101―

0021

東京都千代田区外神田1―

16―

Nツアービル4F

303―

5297―

0321

503―

5297―

0260

2015年

月発行

2

つなぐ

No.04

東日本大震災後のコミュニティ再生に向けた

福島県「川内むらづくり大学」の取組み

 

すでに発表されている農林水産省の平成27

年度予算でも、引き続き予算化された「都

市農村共生・対流総合対策交付金」(以下交

付金)は、平成25年度に地域の活性化を主た

る目的に新設され、地方の雇用創出、所得の

向上、都市と農村の交流人口の増加等を目指

しており、「集落連携推進対策」「人材活用

対策」「施設等整備対策」の3つの事業項目

で構成されています。

「集落連携推進対策」は、体制整備・地域

の合意形成・資源調査・人材育成研修等の都

市と農山漁村の交流活動に必要とされる基本

的な取組が対象です。「人材活用対策」は専

門官(家)の派遣や「田舎で働き隊」として

地域外の人材や意欲ある都市の若者の長期的

な受入に活用することができます。さらに「施

設等整備対策」は、活動拠点施設の確保のた

めに、空き家・廃校等施設の補修をするため

の交付金として用意されています。

 

これらの3つの「対策」を同時に、あるいは

組み合わせて活用することにより、総合的な

都市と農村の交流を事業として展開すること

が可能になります。

 

この交付金の活用事例としては、本誌第3

号(2014年11月発行)で、「農産物直売

所等を交流施設・拠点として活用した、地域

内連携による交流事業の取組」として千葉県

のJAきみつが事務局を担う「君津市農業農

村活性化協議会」、ファーマーズマーケット「めっ

けもん広場」を都市と農村の交流拠点とする

和歌山県のJA紀の里が事務局を担う「紀の

川グリーンツーリズム推進協議会」を紹介し

ました。どちらも農産物直売所を拠点とし

て、市の農業と観光関係部署・JAの部会・

JA直売所出荷者等を構成団体として地域

協議会を立ち上げて、平成25年度からの3年

間に亘り、体制整備から各種調査活動、勉

強会や研修会、モニターツアーによる受け入れ

の実地訓練、JA直売所を活用する交流拠

点構想策定等へ展開しています。3年目から

は、自立的に事業を進めることになります。

 

全国農協観光協会では、このように「交付

金」を活用して交流事業を進めようとする地

域・JAと連携した展開を図っており、その

なかで、交付金申請書作成の相談から、採択

後の各種事業の企画や実施を地域・JAと一

体となって取り組んでいます。

農林水産省「

都市農村共生・

対流総合対策交付金」

を活用して

交流事業を促進しよう

福島第一原発川内村

福島県

「むらづくり大学」の運営を担う川内村役場

※農林水産省ホームページより

ニュースニュース

Page 2: 都市農村共生・ - znk.or.jp · グリーンツーリズム企画・実践研修会地域の企画・案内人を育成する JA紀の里をはじめ、紀の川市の関 補助事業ました。そして、農林水産省によるリーンツーリズム推進協議会を設立しの整備・強化を目的として、紀の川グ図るため、紀の川市における受入体制よる交流人口・観光来訪者の

地域の企画・案内人を育成する

グリーンツーリズム企画・実践研修会

 

JA紀の里をはじめ、紀の川市の関

係団体は、都市農村交流の活性化に

よる交流人口・観光来訪者の拡大を

図るため、紀の川市における受入体制

の整備・強化を目的として、紀の川グ

リーンツーリズム推進協議会を設立し

ました。そして、農林水産省による

補助事業「

平成25年度都市農村共生・

対流総合対策交付金共生・対流促進

計画」

を進めています。

 

平成25年度は、地域資源検討会・イ

ンストラクター研修会において、既存の

地域資源(農産物、名所旧跡、人、

歴史、技、文化など自慢できるもの)

の見直しも含め、新たな交流の資源に

ついて洗い出しを行い、体験プログラム等

に活用していく研修会を行いました。

 

本年度は、全5回の研修会を通し

て、京阪神地域の都市部住民・企業・

団体等を対象にして、地域資源を取

り入れた都市農村交流のプログラム・

企画化(プランづくり)を行い、実際

にその企画をモニターツアーとして研

修参加者が運営することで、より高

度な技能、知識、おもてなし、安全

管理、体制整備などを習得し、地域

の企画・案内人として、ステップアップ

していただくことを目的に本会が委託

を受け、研修会を開催しました。

 

紀の川グリーンツーリズム推進協議

会構成団体の紀の川市観光協会の会

員、JA紀の里体験農業部会員、那

賀振興局、紀の川市、紀の川市観光

協会、JA紀の里のほかに、構成団体

が推薦する方々が参加しました。

■一度皆で体験練習をしましたが、実

際は大変でした。下見、打ち合わせ

を万全にしないと対応できないと思い

ました。参加者の反応はよかったが、

アンケートの回答が心配です。

■歩く時間が長いので、ゲーム等何か

工夫が必要かなと思いました。参加

者全員のコミュニケーションを図る工夫

が必要だと思いました。

(全国農協観光協会

西日本事務所 

佐脇

尚)

研修会の目的

研修会参加対象者

モニターツアー対応を

終えて(参加者のコメント)

プログラム企画・モニターツアー 開催内容

プログラム化の準備にあたり、直売所利用者を対象としたアンケート結果をもとに、都市住民(来訪者)のニーズの把握に努めます。また、農業生産者を対象としたアンケート結果と、昨年度実施したインストラクター養成研修参加者から意見を抽出したほか、洗い出した地域資源の素材から、候補を検討し、プログラム化の作成基準を理解します。

■研修してきた知識・技能を活用して、地域案内等の受入実践対応を考えます。■当日の役割分担を決めます。■こだわり、おもてなし、楽しませるアピールポイントの実践を考えます。■安全管理を考えます。

モニターツアーを通じ、研修してきた知識・技能を活用し、地域案内等の受入れを実践します。

A~C班に分かれ、グループワークでプログラムの候補を列挙しながら、テーマに即したメニューの選定(根拠、こだわり、思いなどの理由)を行います。モニターツアーのプラン化のために、そのテーマとメニューを表にして発表します。

運営スケジュールの見直しをグループワークで行い、発表します。講師・事務局のコメントがあり、今回の研修(2年間)をもとに今後やっていきたいことを全員が発表します。

モニター参加者の当日の様子・反応、意見とアンケート結果(評価)を受けて、プランの改善と今後の活用方法のまとめを行います。

プログラム化する資源を検討平成26年6月2日(月)19:00~21:00

第1回モニターツアー催行前の研修・実地研修平成26年10月21日(火)19:00~21:00・平成26年11月中~下旬

第4回

モニターツアー実施後の改善点等を検討第5回

プログラム開発・商品化を検討 [3班3企画]平成26年6月23日(月)19:00~21:00

第2回

プログラム商品完成・提案先を検討平成26年7月4日(金)19:00~21:00

第3回

各グループのメニューを現場に出向き、検証します。6月24日(火)8:30~12:00

実地踏査

運営スケジュールの完成

実地研修[3コースの実施]

A班(親子)

「旬の農産物を使った子供キッチンツアー」平成26年11月30日(日)■大阪市内スポーツクラブ会員の子どもと 指導者

B班(女性)

「おぼえて帰ってもらいます♪紀の川の味と技」~おもしろおっちゃんとおばちゃんの柿&じゃこ寿司~平成26年11月19日(水)■大阪のデパート友の会

C班(企業・組織)

「大人の遠足~田舎体験満喫ツアー!!」~粉河寺・法話&紀の川味覚

(みかん・地野菜)三昧~平成26年11月29日(土)■大阪市内企業社員旅行

実地踏査によるメニューをもとにプランが完成。収穫体験やJA農産物直売所「めっけもん広場」での買い物、調理体験など、多彩で工夫を凝らした内容となりました。モニターツアー実施に向けて告知の方法を検討します。

協議会事務局が、京阪神地区都市部の訴求対象者別にプランの提案を対応します。(7月下旬~10月上旬)

A班(親子):旅行会社、子ども会B班(女性):デパート担当者C班(企業・組織):福利厚生担当者

提案先

※本来は研修者も同行する提案となります。