電子線外照射Long-SSDを用いた皮膚悪性リンパ腫 菌状息肉腫の治療

鳥取県東部放射線治療かたろう会 担当 朝倉

皮膚悪性リンパ腫のEORTC分類

(10%)

(ゆっくりと進行する) (Mycosis Fungoides 50%)

リンパ腫様丘10%

(急速に進行する)

治療成績 MF TSEBT(total skin external) , course of two cycles per week for 9 weeks, provide a total dose of 36Gy to the skin surface.

Stage

ⅠA Stage

ⅠB /ⅡA Stage

ⅡB

Complete remission 85～95％ 75～90％ 44～54％

Overall survival(5year) 94～97％ 70～90％ 50％

Disease free survival(5year) 50％ 20～50％ 30％

Cause specific survival 100％ 95～98％ －

※ Hoope RT , Cox RS , Fuks Z , et al;Electron beam therapy for mycosis fungoides,1979

•T1-2奏効率90％ 照射後の皮膚再発はまれではない。 発生時は局所に追加照射または他の治療方法を選択

•低線量から30-40Gy程度まではCR率と線量は直線関係

TSEBTの有害事象

急性有害事象 晩期有害事象

皮膚反応 乾性落屑 掻痒感 紅斑 脱毛 皮膚乾燥症 手足爪の発育停止、脱落

皮膚反応 毛細血管拡張症 皮膚乾燥症 皮膚色素沈着 二次性皮膚癌

□ prescription

MF(Mycosis Fungoides)菌状息肉腫(皮膚悪性Tリンパ腫)

に対しての全身皮膚放射線照射

GTV ; 肉眼的に確認できる表在性病変部

CTV ; 全身皮膚均一 表面から10-15mm深

→ Long-SSD法 低エネルギー電子線

Bolusを用い表面線量UP

Dose；20-30Gy/2-3week margin±20％以内

→2日で全身皮膚に対して均一に２Gy

□ EORTCガイドライン

80％isodose 皮膚表面から4mm

20％isodose 皮膚表面から20mm以内

分割回数は30～36回

線量の不均一性は10％以下

眼球線量が処方線量の15％以下となるように眼球遮蔽

混在X線による骨髄への総線量は0.7Gy以下

Epidermis 表皮 adnexal structures 付属器構造 dermis 真皮

テキスト的には…

□ Physics characteristic ・electron long-SSD(4.5m) flatness , profile curve , energy ・ flatness field max cone 25*25cm flatness >4.5m離れた場所での電子の振る舞いは？ >有効範囲が足りない 最大でcone25cm、対角線利用、25cm*√2倍*4.5m離れても狭い >Gantryを振る ・high dose-rate 900MU/min stability , linearity , DMU , siemens engineer

□ 使用機器

・Ramtec smart , JARP/ Roos , ﾀﾌﾌｧﾝﾄﾑ → ◎ absolute dose →relative dose ・ﾓﾆﾀﾘﾝｸﾞ EFD-3G (electron field ditector)→ ◎ (収集電荷量は何倍？) 市立病院さんからレンタル） relative( Roos？ ) → absolute dose → MU値決定 半導体検出器の特性12“本参照 P212付近 今回は無視した内容も記載 ・Multi channel EFD → ×

□ 照射準備

・Setup intra motion ・体位 ６方向 ・自作固定具 アクリル厚決定 ・モニタリング方法検討

他施設、文献の意見を踏まえて当院で行えるTSEBを考える…

□ flatness (4.5m electron)

• 距離を1.0→4.5mに変えて測定 Gantry 90deg.

実照射野は光照射野よりも拡大、線量中央部分よりも辺縁線量は大きく低下する

→ 有効範囲が狭くなるため全身を含めるためにはガントリーを上下に振った二門を基本

照射野のつなぎ目が問題となる

□ Gantry angle つなぎ目決定

-100%

-80%

-60%

-40%

-20%

0%

20%

-60 -40 -20 0 20 40 60 80 100 120

G78.5deg G7…

-150%

-100%

-50%

0%

50%

100%

-100 -80 -60 -40 -20 0 20 40

G101.5deg

G101.5deg

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

110%

120%

-100 -80 -60 -40 -20 0 20 40 60 80 100

fusion (Gantry 78.5&101.5deg.)

※G90 vertical つなぎ目なし

→重ね合わせて 評価

参考テキストより抜粋

□ 4.5点 簡易PDI 測定 (線質確認)

• 簡易ピーク深、簡易線質比較 ( 1.0m , 4.5m )

• 全面アクリル追加によって皮膚線量を増加し深部への線量寄与を軽減したい ビルドアップの確認 → アクリル厚 決定

＞PDD測定する ①電離箱を用い、電位計の表示値にktp,ks,kpolを乗じて電離量を求める ○ ②深部電離量百分率PDIは、最大の電離量に対する、ある深さでの電離量の百分率で表す ○ ③電子線は深さにより電子平均ｴﾈﾙｷﾞｰが変化する ○ ④空気に対する水平均制限質量衝突阻止能比L/P、 各種擾乱(Pwall電離箱壁の水との不等価性、Pcav

電子フルエンスに対する空洞補正、Pdis変位補正、Pcel中心電極の空気との不等価性に対する擾乱補正など)を乗じてPDDとする。 × → よくわからないことが多すぎる

I50;読み値 R50;1.059*I50-0.37 E0平均；2.33*R50 12” P206熟読

1.0m 4.5m 4.5m (+5mm acryle)

broad beam ○ × × ﾋﾟｰｸ深[cm] 1.3 1.1 0.6 I50[gcm^-1] 2.31 1.83 1.53 R50[gcm＾-1] 2.32 1.82 1.51 E0平均[MeV] 5.40 4.25 3.53

★線質指標

平均入射ｴﾈﾙｷﾞｰ(SSD=100cm,広い照射野に適応)

最頻入射ｴﾈﾙｷﾞｰ(←broadbeam成立の場合はこちら)

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

0 10 20 30 40 50 60

PD

I

depth[mm]

4.5m PDI 1.0m PDI 4.5m PDI,acryle5mm

□ 簡易PDI

□ 臨床使用条件 electron 6MeV high dose-rate 900MU/min >stability , linearity , DMU

y = 0.0037x + 0.0006 R² = 1

0

5

10

15

20

25

30

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000

収集電荷[nC]

MU

Linearity （4.5ｍ）

6MeV 900MU/min

線形 (6MeV 900MU/min)

25.0

25.1

25.2

25.3

25.4

25.5

25.6

25.7

25.8

25.9

26.0

0 2 4 6 8 10

[nC]

測定回

Stability （1.0ｍ） 300MU/min (presetMU100)

900MU/min (presetMU300)

C.V ；0.10% 900MU/min

□ 半導体線量計 特性

• 固体検出器は空気と比較して密度が約2*10＾3でかつW値が約1/10程度 同容量電離箱に比べ感度◎

• であるから時間および空間分解能 ◎

• 印可電圧 zero リアルタイムに測定可能

• 水に対する阻止能比の変化が緩やか ↓右図 ks、kpolを無視できる特長

→固体検出器ダイヤモンド、半導体などの利点 相対線量評価が可能

• 相対線量 絶対線量 の考え方 変換係数 P212 12”

Dw=Mdiode*N*k

N；水吸収線量変換係数 電離箱との相互校正で決定すればよい

k ；温度、、照射野、方向、補正係数、線量率、線質(ｴﾈﾙｷﾞｰ)

↓

深さによって変化する

□ 表面線量測定 ファントム測定配置

・ランドファントム 線量計表面bolus5㎜ →ﾋﾟｰｸ深を想定 acryle5mm →ビルドアップ

□ 患者体位の違いによるポイント表面線量の変化 確認

＞目的

・体位を変え①-⑧点の収集電荷量をそれぞれ求め

・各点の全周合計より体位の違いによるポイント線量を確認する

＞測定条件

・ant-LPO-RPO LAO-post-RAO 6方向

・体表面の各点(白点)に半導体検出器を配置

実照射条件(4.5m ｱｸﾘﾙ5mm全面)を意識し

ピーク深を想定(前面ボーラス5mm貼り付け) ①

② ⑧

⑦

⑥ ④

③

⑤

①

② ⑧

⑦

⑥ ④

③

⑤

90.0%

95.0%

100.0%

105.0%

110.0%①

②

③

④

⑤

⑥

⑦

⑧

表面ポイント線量 分布

＞result ・代表点①点を基準にした場合、ポイント線量は±5%以内 体位によって投与MUを変えなくてよさそう

＞conclusion ・貼り付ける位置は測定結果に大きく影響した 照射体位は再現良く行う事が必要

実測

□ 照射準備

• 線量モニタリング 半導体検出器

• 固定具 照射毎、照射中体動を少なくした

□ 準備 振り返りEORTCによるTSEBのガイドライン

• 線量の不均一性は10％以下

• 80％等線量曲線は皮膚表面から4ｍｍ深

• 80％等線量曲線は26Gy以上

• 20％等線量曲線は皮膚表面から20ｍｍ以内

• 分割回数は30～36回

• 混在X線による骨髄への総線量は0.7Gy以下

• 眼球線量が処方線量の15％以下となるように眼球遮蔽