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International Water Services Flushability Group (IWSFG) 公開仕様書 PAS 3:2018 スロッシュボックスによる水解性試験法 IWSFG.org 2018年6月5日

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International Water Services Flushability Group (IWSFG)

公開仕様書 PAS 3:2018

スロッシュボックスによる水解性試験法

IWSFG.org

2018年 6月 5 日

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世界下水道トイレに流せる製品問題検討会議 IWSFG PAS 3 - スロッシュボックスによる水解性試験法

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世界下水道トイレに流せる製品問題検討会議

IWSFG PAS 3:2018 - スロッシュボックスによる水解性試験法

Copyright 2018

著作権表示

本書は、「世界下水道トイレに流せる製品問題検討会議」(以下、IWSFG)の著作権により保護されている。本書を策定した目的以外の用途では、本文書またはその抜粋は、如何なる形式であっても、IWSFGの書面による事前許可なく複製、保存又は送信してはならない。

本書が、”トイレに流せるかどうかを検討・認定する”という目的の元に使われるのであれば、ダウンロードと利用を無償で許可する。なお、その目的には、ガイドライン、基準及び規制の更なる発展を意図する利用も含まれることとする。

序言

IWSFG は、各国と各地域の下水道協会と個々の下水道管理者から構成される国際的連合体組織

である。

この基準書の準備作業は、様々なグループのメンバー(IWSFG の主たる参加団体の長から任命さ

れた者やグループの支援者達によって構成)によって行われた。このメンバーは、いかなる報酬

も受け取ることなく、自主的に参加した。

本書に定められた「トイレに流してよいか否か(flushability)」の判断基準は、前述の連合体のメンバーが国際的見地から合意した内容を元に作成されたものであり、この基準を満たして「トイレに流せる(flushable)」と表示された製品は、排水設備、浄化槽、下水道だけでなく、放流先の水環境にも悪影響を与えないことを保証するものである。

本書の大部分は、製造業界及び下水道界の専門家による長年の努力の末に作成された。なお、

本文書の一部が著作権の対象になる可能性があるので注意頂きたい。どの著作権(一部でも全

体でも)が該当するのかを明らかにする責任は IWSFG にはない。

ここに示すスロッシュボックス試験法といくつかの附属書(PAS 3 2018)は次の文書より多く

を引用している。INDA/EDANA 不織布製品のトイレ水洗処理に関する評価ガイドライン第 3 版

FG502 – スロッシュボックスによる水解性試験法及び関連附属書。IWSFG は INDA からこの文書

の利用を書面で許可されている。

INDA/EDANA 不織布製品のトイレ水洗処理に関する評価ガイドライン第 3 版 試験方法、指針及

び関連附属書© 2013 INDA/EDANA から許可を得て使用。

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目次 1 はじめに....................................................................... 6

2 目的........................................................................... 6

3 適用範囲....................................................................... 6

4 参考資料....................................................................... 6

4.1 引用規格 ................................................................ 6

4.2 参考文献または附属書 .................................................... 6

5 用語と定義 ..................................................................... 6

6 原則........................................................................... 7

7 装置........................................................................... 7

7.1 スロッシュボックスの設計パラメーター .................................. 7

7.2 機能パラメーター ........................................................ 7

7.3 その他の機器 ............................................................ 7

8 準備........................................................................... 8

8.1 サンプルの取得 .......................................................... 8

8.2 試験片の数 .............................................................. 8

8.3 サンプルの準備及び試験1回当たりの投入量 ................................ 8

8.3.1 湿潤シート状製品 ........................................................ 8

8.3.2 その他の機器 ............................................................ 8

9 保管と前処理 ................................................................... 8

9.1 サンプルの保管 .......................................................... 8

9.2 試験のための前処理 ...................................................... 9

10 手順........................................................................... 9

10.1 概要 .................................................................... 9

10.2 スロッシュボックス試験の前処理 .......................................... 9

10.2.1 排水設備模型による方法................................................ 9

10.3 試験のセットアップ ..................................................... 10

10.4 試験の手順 ............................................................. 10

10.5 試験終了 ............................................................... 11

10.6 計算 ................................................................... 11

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11 合否基準...................................................................... 11

12 試験報告書 .................................................................... 12

13 試験結果の変動要因 ............................................................ 12

参考文献 ......................................................................... 12

附属書 1- スロッシュボックス試験装置の入手可能先と写真 ........................... 13

A.1.1 出典 ................................................................... 13

A.1.2 写真 ................................................................... 14

附属書 2 - スロッシュボックス水解性試験のための前処理手順 ......................... 15

附属書 3 - スロッシュボックスの傾斜角度計測手順 ................................... 17

A.3.1 図解による手順 ........................................................ 17

A.3.2 スロッシュボックスの傾斜角度計測用の野帳 ............................... 18

附属書 4 - 試験用製品の洗浄手順(初期乾燥重量測定用) ............................. 19

A.4.1 はじめに ............................................................... 19

A.4.2 試験用製品の選定 ....................................................... 19

A.4.3 排水設備模型による方法 ................................................. 19

A.4.3.1 機器 ................................................................ 19

A.4.3.2 手順 ................................................................ 19

附属書 5 - ふるいによる製品の非水解片の回収 ....................................... 20

A.5.1 はじめに ............................................................... 20

A.5.2 機器 ................................................................... 20

A.5.3 手順 ................................................................... 20

附属書 6 - 製品及び非水解片の乾燥と計量 ........................................... 23

A.6.1 機器 ................................................................... 23

A.6.2 手順 ................................................................... 23

A.6.2.1 水解率の計算手順 .................................................... 23

A.6.2.2 初期乾燥重量の計算手順............................................... 23

附属書 7 - スロッシュボックス水解性試験の報告書の様式(例) ....................... 25

A.7.1 概要 ................................................................... 25

A.7.2 水解率計算のためのデータ入力シート ..................................... 26

A.7.3 写真画像記録例 ......................................................... 27

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A.7.4 写真撮影のポイント ..................................................... 28

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1 はじめに

本書は、製品が下水道管路の機能を阻害しないために十分に水解するか否かを判断するための

試験方法と合否基準を示す。本書は、IWSFG PAS1:2018 トイレに流せる製品の認定基準及び

IWSFG PAS 2 : 2018 トイレに流せる製品に関する用語と定義と合わせて使用することを前提に

作られている。

2 目的

この試験の目的は、製品がトイレに流された後、φ200mmの小口径下水道管を連続して流下した

際の乱流作用(レイノルズ数20,000)による水解性能を評価することである。

3 適用範囲

本仕様書は、下記に該当する全ての製品に適用する。

1. 製造業者が「トイレに流せる」という表示を希望する製品。または

2. トイレ等において、人の排泄物処理に供されるため、排水設備を通じて、下水道へ流下

する可能性のある製品。

トイレットペーパーは、本仕様書の適用範囲外とする。

4 参考資料

4.1 引用規格

IWSFG PAS 2:2018トイレに流せる製品に関する用語と定義

INDA/EDANA 不織布製品のトイレ水洗処理に関する評価ガイドライン第 3 版, FG501, 排水設備

通過性試験

4.2 参考文献または附属書

附属書 1– スロッシュボックス試験装置の入手可能先と写真

附属書 2– スロッシュボックス水解性試験のための前処理手順

附属書 3– スロッシュボックスの傾斜角度計測手順

附属書 4– 試験用製品の洗浄手順(初期乾燥重量測定用)

附属書 5– ふるいによる製品の非水解片の回収

附属書 6– 製品及び非水解片の乾燥と計量

附属書 7– スロッシュボックス水解性試験の報告書の様式(例)

5 用語と定義

関連する全ての用語及び定義は次の文書に掲載されている: IWSFG PAS2:2018 トイレに流せ

る製品に関する用語と定義

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6 原則 本試験は 2 章に記述されている水理学的条件下における製品の水解性能を明らかにするた

めに実施される。

7 装置

7.1 スロッシュボックスの設計パラメーター

スロッシュボックスの設計パラメーターは、下記の通り。

1. スロッシュボックス試験装置は、1 つまたは複数 (通常 3 つ) のプラスチック製ボック

スによって構成されている。内寸法は下記のとおり:

L(長さ):18 インチ (45.72cm) × W(幅):12 インチ (30.48cm) × H(高

さ):6.5~12インチ(16.51~30.48cm)。装置は平板に固定。

2. 平板は、カムとレバーの回転により、シーソー運動が行えること。

3. 水槽は、内部の液体を空にするための排水管と試験中の内容物飛散防止と内部観察のた

めに透明な蓋を取り付けることが望ましい。

試験装置は、取付台に固定するか、あるいは試験中に移動しないだけの安定性を持つものでな

くてはならない。

(写真は附属書 1及び A.1.2 を参照)

7.2 機能パラメーター

スロッシュボックスの機能パラメーターは下記の通り:

1. 平板は、水平線から両方向に 11°(± 0.5°)傾くものとする。両方向への水平傾斜角度

はデジタル水準器で確認の上、試験報告書に記録すること。

2. カム速度は、可変速コントローラーにより 18 rpm とした上、試験報告書に記録するこ

と。

7.3 その他の機器

1. 水槽内に水道水を定量注ぐための装置、器具及び水槽から排出した液体を受ける器具。

2. 丸穴付き(孔径 25mm)金属性板ふるい。ISO 3310-2に準拠。

3. 温度計、または水温測定用のその他の装置。

4. ストップウォッチ、またはその他の時間計測器。

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8 準備

8.1 サンプルの取得

1. 市場に出す前の製品試験では、市場で実際に販売される製品と同じ製品を使用しなけれ

ばならない。目的とする試験を行うのに十分な個数(試験片)を取得すること。試験機

関は製造者や販売予定者からサンプルの提供を受けてもよい。

2. 試験報告書にはサンプルの入手方法を明記する。

8.2 試験片の数

5 つの製品に対し、一連の全ての手順による試験を最後まで実施すること。初期乾燥重量の計

算のために、更に 5 つの製品が必要である。試験及び初期乾燥重量の計算に当たり、可能な限

り、全く別の二つのパッケージまたはロールから製品を入手することが望ましい。2 つのパッ

ケージから交互に製品を抜き取って試験するとともに、初期乾燥重量の計算を行うこと。試験

片は製品の代表性を確保するため、1 つまたはそれ以上のパッケージの様々な部分から、無作

為に抽出しなければならない。このことはウェットティッシュのようなロールや積層状にパッ

ケージ保存されている製品を試験する際に、非常に重要なことである。

パッケージから製品を取り出す時、繊細な試験片を傷つけないよう注意すること。試験片は、

試験前準備を始める直前に取り出す。

8.3 サンプルの準備及び試験1回当たりの投入量

試験対象製品には下記の要求事項を適用する。

8.3.1 湿潤シート状製品

試験片はシート1枚とする。

8.3.2 その他の機器

その他の製品については、1個の試験片をパッケージから取得する。

9 保管と前処理

9.1 サンプルの保管

サンプルは、製造者によりパッケージされたままの状態で、試験機関にて常温保管すること。

可能であれば、試験ごとに新たなサンプルを使用することが望ましい。サンプルがパッケージ

から取り出された場合、それらは何のサンプルかを明示し、記録用として次のとおりに保管し

なくてはならない。

1. 乾燥製品はパッケージに戻し、適切なプラスチック袋に入れて保管する。

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2. 湿潤製品はパッケージに戻す。例)硬質プラスチック製容器または軟質プラスチック製

パッケージ。

3. 硬質プラスチック製容器の場合は密閉し、その後、再密封可能なプラスチック袋に入れ、

できるだけ空気を遮断するようにする。

4. 軟質プラスチック製パッケージは、空気を押し出しながらしっかりと密閉する。その後、

再密閉可能なプラスチック袋に入れ、空気への露出を最小限に抑えること。

9.2 試験のための前処理

本試験には、前処理が必要である。(10.2項及び附属書 2を参照)

10 手順

10.1 概要

試験は 5 回の振とう工程で構成されている。(1 つの水槽に 1 つの製品を入れて 1 工程の振と

うを行う。3 水槽付きスロッシュボックスを使う場合は 3 工程の振とう工程を同時に実施でき

る)。 振とう工程は 10.2 項に記載の前処理の後、開始する。各振とう工程の後、水槽内を観

察し、製品が水解の要求性能を満たしているかを決定するために定量分析を行う。試験用製品

は 4L の水が入った水槽に入れる。その後、定められた回転速度(18rpm)、時間(30 分)で水

槽を振とうさせる。水槽の内容物を孔径 25mm のふるいにかけ、ふるいの表面を指定の流量・時

間のシャワーですすぐ。ふるいの表と裏に引っかかっている断片を目視で観察するとともに、

シャワー前後のふるいの表面の写真を撮る。5 回の試験から発生したふるい残留物を定量分析

し、総初期乾燥重量に対する通過率が 95%を超えたかどうかを確認する。

10.2 スロッシュボックス試験の前処理

10.2.1排水設備模型による方法

1. 機器

a) 排水設備模型の排水管末端に製品回収容器を取り付ける。

(試験準備に関しては FG501 を参照 ― 文書情報は 4.1項を参照)

b) トイレの洗浄水量は 3 L ~6 L とすることが望ましい。

2. 手順(附属書 2の写真を参照)

a) 便器に製品を投入する前、つまり製品を洗浄水で流す前に、トイレの水の流れが

停止し、便器内の水位が正常であることを確認すること。

b) ウェットティシュ等の製品を排水設備模型に投入する際、便器中央に静置し、製

品に十分な量の水が浸み込むのを待ってから(通常は 15 秒程度)、トイレの洗浄

を行うこと。

c) 排水管から排出される水によって製品が回収容器内で水解するのを防ぐために、

製品が排水管から回収容器に入る手前、あるいは入った後はできるだけ速やかに

回収すること。

d) 製品を排水管から流し出すために、何回か追加で洗浄水を流す必要性が生じる場

合もある。

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e) 排水管の水が引いた後、排水管内に製品を 30 分間放置するか、あるいは、乾燥コ

ンテナの中に 30 分間製品を静置してから水槽に入れる。もし排水管の中に製品を

放置する場合は、トイレを流さないこと。もしくは 30 分間の放置時間中に水を足

さないこと。

10.3 試験のセットアップ

1. 試験水温は、15℃ ± 1℃とすること。

2. 装置電源をオフにして、水槽が振とう台に固定されていることを確認する。各水槽を

4Lの水道水で満たす。

3. 試験開始前に、カムが 18rpm で作動するかの確認作業を行う。ストップウォッチで 1

分間に 18 回転しているかを測定し、狂いが生じている場合はカムの速度ダイアルで調

整する。報告書に内容を記録する。

4. 振とう角度が直近 30 日以内において点検済みで、誤差が規定値内にあることを確認す

る。

a) 最後の角度測定チェックが 30 日以内の場合は、最後のチェック時における左右両

側の振とう角度とチェックした日付を報告書に記録する。

b) 最後の角度測定から 30 日を過ぎている場合は、附属書 3 スロッシュボックス装

置の傾斜角度計測手順の通りに確認作業を行う。測定結果が 7.2 項で指定した許

容範囲内でない場合は、メーカーの取り扱い説明書に従い調整するか、または試

験用に使用しないこと。

10.4 試験の手順

1. 水温と室温を測定し、報告書に記録する。一連の振とう工程を開始する前に、水温が

15℃ ± 1℃以内であることを確認。 注釈:試験が標準的な室温である 20℃で行われる場合、試験開始時の水温を 14℃に

すると 30分間の試験時間中、水温を 14~16℃に保つことができる。 2. 前処理した製品 1 つを各水槽に入れ、蓋をして(オプション)、30 分間振とうさせる。

3. 30分間振とうさせた後、振とうを止め、水槽毎の水温を測り、記録する。

4. 振とう台から水槽を下ろし、内容物を孔径 25mm のふるいにかける。水槽とふるい底面

との距離は、10cm とする。

5. 水槽を洗浄し、すべての内容物を取り除く。

6. シャワー前のふるいの表面の写真を撮る。

7. シャワーヘッドを手に取る。蛇口を開き、シャワー流量を毎分 4L に調節する。

(附属書 5を参照)

8. シャワーヘッドのスプレーノズルを孔径 25 mm のふるいの表面から 10cm 離し、

ふるい上の小片を静かに洗い流す。1 分間(60 秒)、まんべんなくふるいに水

がそそがれるよう常にシャワーヘッドを動かし続け、部分的にシャワーが集中

しないようにする。ふるい上の物質を無理に通過させようとしないこと。

9. 一分後にシャワーを止める。

10. ふるい上に製品が残っていないか観察する。

11. ふるいの上表面の写真を撮る。

a) ふるい上に残留物が目視確認できる場合、ふるいの表裏両面の残留物を全

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て回収する。回収にはピンセットを使うか、より径の細かいふるいに逆洗

し、そこで更に残った残留物をピンセットで回収する。(附属書 5 を参照)

b) これらの回収物を乾燥皿または乾燥磁皿に移し、乾燥させて、残留物の乾

燥重量を計測する。(附属書 6を参照)

10.5 試験終了

各振とう作業の完了後、水槽は空にし、試験片の残留物を全て洗い流しておくこと。

10.6 計算

製品の水解率(孔径 25mm のふるい透過率を水解と定義)を、下記式により定義する。

水解率(%) = [ 1 - ふるいに残った小片の総乾燥重量(g)

サンプル の総初期乾燥重量(g) ] x 100

ふるいに残った小片の総乾燥重量とは、5回の試験でふるいに残った小片の乾燥重量(g)

の合計である。

サンプルの総初期乾燥重量は、5つの製品の乾燥重量の合計値と等しい。なお、乾燥前

に製品に含浸されている薬品は付属書4に従って除去する。

例:

ふるいに残った小片の乾燥重量(*試験毎に): 試験1 = 0.78g; 試験2 = 0.81g; 試験3 = 0.77g; 試験4 = 0.80g; 試験5 = 0.79g

ふるいに残った小片の乾燥重量(*合計値): = 0.78g+0.81g+0.77g+0.80g+0.79g

ふるいに残った小片の乾燥重量(*合計値): = 3.95g

サンプルの総初期乾燥重量は、5つの製品の乾燥重量の合計値と等しい。なお、乾燥前に製品に

含浸されている薬品は付属書4に従って除去する。

例:

製品毎のサンプルの初期乾燥重量: 製品1 = 1.47 g ;製品2 = 1.46 g ;製品3 = 1.48 g ;製品4 = 1.45 g; 製品5 = 1.49 g

サンプルの初期乾燥重量の合計 = 1.47 g + 1.46 g + 1.48 g + 1.45 g + 1.49 g

サンプル の初期乾燥重量の合計= 7.35g

11 合否基準

基準を満たすには:

サンプルの総初期乾燥重量に対し(10.6項で計算)、30分の振とう後の5つの試験製品が、孔径

25mmのふるいを通過する割合が95%超であること。試験結果は、目視確認結果とふるい残留物の

写真により、確認すること。

例(10.6項のサンプルデータを使用):

水解率 = (1-(ふるいに残った小片の総乾燥重量/サンプルの総初期乾燥重量)) x 100

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水解率 = (1-(3.95g/7.35g)) x 100 = 46.26%

12 試験報告書

試験報告書には、下記の情報を記載する。

1. 本試験方法によることの明示

2. 実施日と実施場所

3. 実施者の氏名

4. 試験製品の詳細

5. 5つの製品寸法と総初期乾燥重量

6. 試験前と試験後の水温

7. 試験前と試験後の室温

8. 回転速度(rpm)と傾斜角度の測定データ

9. 試験手順から逸脱があった場合は、その状況

10. 試験手順中に撮影した写真

11. 下記の試験結果:

a) 乾燥重量換算で、孔径 25mm のふるいを通過(*1 分間のシャワーによるすすぎ後

に)した割合。

b) 製品が試験に合格したか否かを示す最終的な記述。

ウェットティッシュの場合の「試験報告書」の例を附属書7に示す。Microsoft Word・Excel形

式のテンプレートは、www.iwsfg.orgからダウンロード可能。

13 試験結果の変動要因

試験対象製品の品質にはバラツキが存在する可能性があるゆえ、試験製品は 5 つ用意すること。

試験手順は 8.1項及び 8.2項に従うこと。

振とう用カムは30日毎に正常に作動するかどうかを点検する。振とう角度は11°(±0.5°)にな

るように調整すること。

各試験前に、振とう用カムが正しい速度である18rpmで作動するかどうかを確認すること。誤差

がある場合は調整し、定められた状態に保つこと。

試験に使う水の水温は、振とう工程の前後で測定し、15℃ ± 1℃ の許容範囲内に収めること。

参考文献

1. Guidelines for Assessing the Flushability of Disposable Nonwoven Products.A

Process for Assessing the Compatibility of Disposable Nonwoven Products with

Plumbing and Wastewater Infrastructure.FG 502, INDA, 3rd Edition, June 2013.

2. ISO 3310-2:2013 Test sieves -- Technical requirements and testing -- Part

2:Test sieves of perforated metal plate

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附属書 1– スロッシュボックス試験装置の入手可能先と写真

(参考情報)

INDA の許可を得て、INDA GD3 FG502 附属書 1に概ね基づいて作成されている。

INDA/EDANA 不織布製品のトイレ水洗処理に関する評価ガイドライン第 3 版 試験方法、指針及

び関連附属書© 2013 INDA/EDANA から許可を得て使用。無断複写・複製・転載を禁ず。

A.1.1 出典

スロッシュボックスは、下記から入手可能:

Techpap SAS - BP 251 - 38044 Grenoble CEDEX 9、フランス

(参照 http://www.techpap.com/slosh-box,lab-device,36.html)

Lenzing Instruments GmbH & Co. KG, A-4851 Gampern、オーストリア

(参照 http://www.lenzing-instruments.com/produkt.infos/slosh-box-100.pdf)

Tri-County Machining, W4719 County Rd O, Appleton, WI 54913

Phone:001 (920) 954-1800 https://tricountymachining.com/

Item #1051612 for the 3 tank unit

Item #1020816 for the 1 tank unit

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A.1.2 写真

3水槽付きスロッシュボックスの写真

1.プラスチック製の箱

2.スタートボタン

3.ストップボタン

4.振とう台

5.透明蓋

6.自動タイマー

7.速度制御つまみ

8.速度計(rpm)

写真提供:INDA

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附属書 2 - スロッシュボックス水解性試験のための前処理手順 注釈: 本ウェットティッシュは、あくまで例として使用

1

前処理段階-ウェットティッシュを便器に投入後、

15秒間放置し、トイレを流す(3~6 L)。

2

ウェットティッシュが排水管の中を通過。

3

排水管終端部におけるウェットティッシュ - ウェ

ットティッシュを排水管内で湿潤状態下に 30 分間放

置した後、スロッシュボックス水槽に入れる(4L、

18rpm で 30 分間)。この 30 分間の放置時間の中で

再度水洗したり、水を加えたりしないこと。

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4

(3 の)代替方法 - 排水管からウェットティッシ

ュを取り出し、乾いた容器の中で 30 分間放置後、ス

ロッシュボックス水槽に入れる。 (水量 4L、18rpm

で 30分間) 注釈:ウェットティッシュを排水管内に放置する方

法では、ウェットティッシュの水分が失われ、乾燥

容器内で放置する方法と同じ状態となる。本代替方

法により、排水管からウェットティッシュを取り除

くことができるので、排水管を別のサンプルの試験

に使うことができる。

5

排水設備模型試験装置

6

排水設備模型試験装置

出典:IWSFG 会員

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附属書 3 - スロッシュボックスの傾斜角度計測手順

(規定)

A.3.1 図解による手順

手順

番号

内容 写真

1

水槽を動かし続けられる最低速度まで速度を落とす。

これによって誤差を最小限にすることができ、正確な

計測ができる。

2

小数点第 1 位(0.1)まで計測可能な小型デジタル水

準器を振とう台の中央に置く。

3

振とう台を右側へ限界まで傾かせ、水準器に表示され

ている度数を記録する。

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4

振とう台を左側へ限界まで傾かせ、水準器に表示され

ている度数を記録する。

5

水準器の近接写真

6

左右の傾きの計測日と度数を記録する。測定値が許容

振とう角度である 11°±0.5°(10.5 ~ 11.5 °)以内

であることを確認すること。測定結果が、指定した許

容範囲内でない場合は、メーカーの取り扱い説明書に

従い調整するか、または使用しないこと。

野帳の記入例を下記に示す。

出典:IWSFG 会員

A.3.2 スロッシュボックスの傾斜角度計測用の野帳

日付 04/10/2017

測定者の氏名 ジョー・スミス

スロッシュボックス識別番号 1234

左側傾斜角度(0.1°単位まで) 11.2

右側傾斜角度(0.1°単位まで) 11.3

調整を必要としたか?

「はい」の場合、調整の内容を記載するこ

と。

いいえ

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附属書 4 - 試験用製品の洗浄手順(初期乾燥重量測定用)

(参考情報)

INDA の許可を得て、INDA GD3 SG001 に概ね基づいて作成されている。

INDA/EDANA 不織布製品のトイレ水洗処理に関する評価ガイドライン第 3 版 試験方法、指針及

び関連附属書©2013 INDA/EDANA から許可を得て使用。無断複写・複製・転載を禁ず。

A.4.1 はじめに

この附属書では、試験製品から水溶性薬品及びその他の添加物を、事前洗浄して除去する方法

を記す。これは初期乾燥重量の計測の前段階で実施される。この方法では、水道水を用いて、

製品をトイレから排水管へと流す。これは製品がトイレに流されてから下水道管路に到達する

までに、実際に製品から薬液が取り除かれるプロセスを模している。

A.4.2 試験用製品の選定

8.1項 及び 8.2項に従い、試験用製品を選定。

A.4.3 排水設備模型による方法

A.4.3.1 機器

附属書 2または FG501(4.1 項を参照)に準拠した排水設備模型に製品回収容器を取り付けて使

用する。(トイレは 3~6 L の水洗流量を流すことが推奨されている。)

A.4.3.2 手順

1. 便器に製品を投入する前、つまり製品を洗浄水で流す前に、トイレの水の流れが停止

し、便器内の水位が正常であることを確認。

2. ウェットティシュ等の製品を排水設備模型に投入する際、便器中央に静置し、製品に

十分な量の水が浸み込むのを待ってから(通常は 15 秒程度)、トイレの洗浄を行うこ

と。追加の製品を投入する場合も同様とする。

3. 一度に流すウェットティッシュは 2枚までとする。

4. 排水管から排出される水によって製品が回収容器内で水解するのを防ぐために、製品

が排水管から回収容器に入る手前、あるいは入った後はできるだけ速やかに回収する

こと。 5. 製品を排水管から流し出すために、何回か追加で洗浄水を流す必要性が生じる場合も

ある。

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附属書 5 - ふるいによる製品の非水解片の回収

(参考情報)

INDA の許可を得て、INDA GD3 SG004 に概ね基づいて作成されている。

INDA/EDANA 不織布製品のトイレ水洗処理に関する評価ガイドライン第 3 版 試験方法、指針及

び関連附属書© 2013 INDA/EDANAから許可を得て使用。無断複写・複製・転載を禁ず。

A.5.1 はじめに

この附属書は、様々な水解性試験で使うふるい、すすぎ、及び非水解片の回収について記述す

る。水槽内容物をふるいにかけた後、本試験手順に基づき、シャワーにより、小片をふるいか

ら洗い流す。シャワー後にふるいに残った小片を回収し、重量を計る。

A.5.2 機器

1. Peerless 社製シャワーヘッド、型番 76114WH ホース接続口付

(右写真)または類似製品を蛇口に取付け、シャワー流量を毎

分 4Lに調節する。

2. 4L ビーカー (推奨)

3. ストップウォッチ、またはその他の時間計測器。

4. 目の細かいふるい

5. ピンセット

6. 乾燥皿

出典:INDA

A.5.3 手順

1. 蛇口を開き、流量調節器を毎分 4Lに合わせる。

2. 流量は、適切な大きさで目盛付きの容器に規定時間で溜まった量で確認する。例えば、

ちょうど 60 秒でビーカー容器の 4L 目盛りのところに水が達するよう調整すること。

流量を調節した後、少なくとも 3 回、同様に測定し、その誤差が 5%未満になるよう

にすること。

3. 水槽の内容物をふるいに移す時、内容物がまんべんなくふるいに注がれるように注意

しながら、ゆっくりと流し込むこと。

4. シャワーヘッドの噴出し口を孔径 25 mm のふるいの表面から 10cm 離し、ふるい上の小

片を静かに洗い流す。まんべんなくふるいに水がそそがれるよう常にシャワーヘッド

を動かし続け、部分的にシャワーが集中しないようにする。ふるい上の物質を無理に

通過させようとしないこと。

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5. 1 分間のシャワー後、ふるい上に残留物が目視確認できる場合は、ふるいの表裏両面

の残留物を全てピンセットで回収する。より径の細かいふるいに逆洗し、そこで更に

残った残留物をピンセットで回収してもよい。

6. これらの回収物を乾燥皿または乾燥磁皿に移し、乾燥させて、残留物の乾燥重量を計

測する。(附属書 6 を参照)

流量調節器と洗浄用シャワーヘッドの例 流量調節器の近接写真

シャワーヘッドの近接写真 洗浄用ふるいとシャワーヘッドとの距離

は 10cm

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ふるいの残留物を回収中のピンセット 回収したふるい残留物を計量済みの乾燥

皿に置くところ

出典:IWSFG 会員

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附属書 6 - 製品及び非水解片の乾燥と計量

(参考情報)

INDA の許可を得て、INDA GD3 SG002 に概ね基づいて作成されている。

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び関連附属書© 2013 INDA/EDANA から許可を得て使用。無断複写・複製・転載を禁ず。

A.6.1 機器

1. 40℃~105℃の範囲の温度を保てる乾燥機

2. 計量皿

3. ピンセット

4. デシケーター

5. 天びん(小数点以下 2位まで計測可能)

6. 製品

A.6.2 手順

A.6.2.1 水解率の計算手順

1. もし 5 回の試験中に 1 回でもふるいに小片が残ったら、附属書 5 に従って回収し、乾

燥重量を測定すること。

2. 乾燥機を 105℃に設定する。105℃は多くの製品の化学的・物理的特性上、適正な温度

である。

3. 残留物を重量測定済みの乾燥アルミ皿に置く。

4. 乾燥アルミ皿をそのまま乾燥機に入れ、数時間、またはそのまま一晩置く。

5. 乾燥アルミ皿を乾燥機からデシケーターへ移し、冷ます。

6. 残留物重量を測定し、記録する。

7. 乾燥アルミ皿を 30 分間程、乾燥機に戻す。その後、再びデシケーターへ移して冷まし、

重量を測定する。

8. この操作を、測定結果が一定になるまで繰り返す。

9. 5回の試験の残留物の総重量を記録する。

10. 水解率を附属書 7の A.7.2 のデータ入力シートを使って計算する。

A.6.2.2 初期乾燥重量の計算手順

1. 製品を 5つ選定する。(附属書 4の A.4.2 に準拠)

2. 水溶性薬品及びその他の添加物を含む製品、乾燥重量の測定前に事前洗浄する。(附

属書 4に準拠)

3. 乾燥機を 105℃に設定する。105℃は多くの製品の化学的・物理的特性上、適正な温度

である。

4. 計量対象の製品を乾燥機対応の計量皿に置く。

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5. もし製品の取扱いが難しい場合、計量済みの乾燥アルミ皿に置くのも一つの方法であ

る。

6. 乾燥アルミ皿をそのまま乾燥機に入れ、数時間または一晩置く。

7. 乾燥アルミ皿を乾燥機からデシケーターへ移し、冷ます。

8. 製品重量を測定し、記録する。

9. 乾燥アルミ皿を 30 分間程、乾燥機に戻す。その後、再びデシケーターへ移して冷まし、

重量を測定する。

10. この操作を、測定結果が一定になるまで繰り返す。

11. 製品 5 つの初期総重量をデータ入力シートに記録。(シートは附属書 7 の A.7.2 を参

照)

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附属書 7 - スロッシュボックス水解性試験の報告書の様式(例)

A.7.1 概要

製 品 番

乾 燥 皿

(g)

乾 燥 皿 と

孔径25mm

の ふ る い

残 留 物 の

乾 燥 重 量

(g)

孔径 25mm

の ふ る い

の ふ る い

残留物 (g)

開 始 時 の

水温 (° C)

終 了 時 の

水温 (° C)

室温 (° C) -

開始時

室温 (° C) -

終了時

1 1.92 2.7 0.78 14 15.5 21.4 21.4

2 1.92 2.73 0.81 14 15.5 21.4 21.4

3 1.92 2.69 0.77 14 15.5 21.4 21.4

4 1.92 2.72 0.8 14.1 15.7 21.4 21.4

5 1.92 2.71 0.79 14.1 15.7 21.4 21.4

合計 (g) 3.95

製品番号初 期 乾 燥

重量

1 1.47

2 1.46

3 1.48

4 1.45

5 1.49

合計 (g) 7.35

データ入力シート5回の試験で孔径25mmのふるいから取得した小片の総乾燥重量

附属書4により得られた5つの製品の初期乾燥重量

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A.7.2 水解率計算のためのデータ入力シート

製品情報

製品名 ○○トイレに流せるウェットティッシュ

製造者名 ○○株式会社

寸法 長さ x 幅 (cm) 17.8 X 12.7 cm

製品供給者 ○○株式会社

試験機関情報

試験機関名 ○○分析センター

試験日 21-May-18

試験を行った時間 11:25 AM

分析者 ジョー・スミス

傾斜角度測定情報

最終測定日 17-May-18

右への傾斜角度測定値 11.2

右への傾斜角度測定値 11.3

スロッシュボックス試験条件

RPM 18

水量 4L

時間 30 分

試験結果

5回の試験で孔径25mmのふるいから取得し

た小片の総乾燥重量3.95

附属書4により準備された5つの製品の初

期乾燥重量7.35

孔径25mmのふるいを通過した割合 46.26%

試験結果 (合否 ) 否

IWSFG PAS 3 スロッシュボックス水解性試験の報告書

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A.7.3 写真画像記録例 1

2

注釈: サンプル 1 サンプル 2 サンプル 3 サンプル 4 サンプル 5

製品の写真 注釈:本ウェッ

ト テ ィ ッ シ ュ

は、あくまで例

として使用

揺とう開始時

30 分後 ほとんど水解し

ない

洗浄前のふるい

洗浄 60 秒後のふるい

ふるい上の残留

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A.7.4 写真撮影のポイント

写真

A. 異なった分析機関の間で結果を比較するために、一定時間毎のサンプル写真を撮る。

良い写真を撮るためのポイント:

写真を撮る前に水槽の底が平行になるよう水槽の動きを調整しておく。

目視で確認しやすいように、サンプル片を水槽の底面全体に、まんべんなくゆ

っくりと広げる。

カメラは撮影中ずっと同じ箇所に固定していなければならない。全てのカメラ

が同じ性能を有しているとは限らないので、どこの位置から撮影すべきなのか

を明記するのは難しい。最も望ましい撮影場所は、水槽の中心の真上である。

水槽全体がカメラの撮影視野に入ると良い―ただしこれはカメラの性能に依存

する。サンプルの ID 番号も写真に収めることが重要である。ファインダーか

ら覗いた時の水槽は下記の図のようになることが望ましい。

加えて、写真は必ず焦点が合っていなければいけない。撮影は充分な照明の下、

(レンズの中の)絞り(f/stop)を利用して、被写界深度を調整しながら行うこと

が望ましい。ウェットティッシュがグリッド(以下、方眼線)の上に浮いている状

態の場合、最終的に、ウェットティッシュと方眼線の両方が鮮明に写っていれば良

い― より高い絞り値で撮影すると被写界深度はより深くなるが、その分照明も多

く必要となる。カメラ毎に必要な照明の量と絞り値は異なる。本番で適切な写真を

撮れるよう、試験前に、別の物質で何枚か試し撮りをするとよい。

画像品質も重要である。画像は 300 dpi 以上を確保するため、カメラは最高解像

度に設定して撮影すること。

B. 1マスが 1インチ(2.54cm)の基準方眼線を設置する。

全ての物質が、必ず同じ基準方眼線を用いて撮影できるよう、方眼線を水槽の底面

に入れるか、または最初から方眼線付の水槽を使用すること。方眼線は写真に見え

るものとし、かつ、水槽内の水の流れに影響を与えてはならない。例えば、ワイヤ

ーで方眼線を作ると、水流に影響が出るので使用してはならない。油性マーカーペ

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ンで水槽の底に方眼線を書くのであれば問題ない。黄色いカラーペンは、黒っぽい

水槽とも製品とも色の対比がはっきりするので望ましい。