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CSR Report 2007 企業品質向上への歩み

CSR Report 2007CSR Report 2007 企業品質向上への歩み 09133 30,000 2007.9 (新) 62 読者の皆さまへ 当社グループは、2004年10月に「三井住友海上グループ行動憲章」を公表し、

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三井住友海上 

CSR Report 2007

CSR Report 2007企業品質向上への歩み

09133  30,000  2007.9  (新) 62

Page 2: CSR Report 2007CSR Report 2007 企業品質向上への歩み 09133 30,000 2007.9 (新) 62 読者の皆さまへ 当社グループは、2004年10月に「三井住友海上グループ行動憲章」を公表し、

読者の皆さまへ

当社グループは、2004年10月に「三井住友海上グループ行動憲章」を公表し、

グループ全社員が行動の規範としています。この行動憲章に則り、当社は、お客さま

をはじめとするステークホルダーの皆さまの声に耳を傾け、保険商品やサービスを

より良いものとするためにさまざまな取組みを行っています。

本冊子は、皆さまにこうした改革に向けた当社の姿勢や活動のありのままを

ご報告し、より良い会社にしていくためにご意見を広くお聞きする重要なコミュニ

ケーションツールとして作成しました。

本冊子でご報告した考え方や活動について、ぜひ皆さまのご意見・ご感想を

お聞かせいただき今後の取組みの参考としたいと考えています。

目次

読者の皆さまへ/編集方針/目次 1

秦会長からのメッセージ 2

江頭社長からのメッセージ 3

三井住友海上グループの紹介 5

基本的な考え方

経営理念と行動憲章 6

グループ中期経営計画「ニューチャレンジ10」 7

特集:企業品質向上に向けた歩み

業務改善の取組み 9

「当然品質」を確実なものに 11

全員参加で新しい企業風土づくり 13

ステークホルダーの視点から 15

マネジメント体制

三井住友海上の経営 17

ステークホルダーごとの取組み

社会から信頼される会社として

お客さまへの責任 19

株主への責任 23

環境への責任 24

地域社会・国際社会への責任 27

ともに成長するパートナーとして

代理店への責任 29

取引先への責任 32

社員への責任 33

CSR会計 35

第三者意見/ご意見を受けて 37

編集方針

●本冊子は、特集と、行動憲章に基づいた7つのステークホルダー(当社グループを取り巻くさまざまな利害関係者)ごとの取組み報告で構成しています。

●特集では、2006年6月の行政処分以降の業務改善や、品質向上に向けた取組みを紹介しています。

●読みやすさを重視し、情報量を絞りコンパクトにまとめました。より詳細な情報は、当社ホームページおよび各種レポートをご覧ください。

・三井住友海上ホームページhttp://www.ms-ins.com/

・各種レポート会社案内、ディスクロージャー誌、アニュアルレポート(ホームページ上にも掲載しています)

報告範囲

対象期間】2006年度(2006年4月〜2007年3月)・一部2007年4月以降の活動も掲載しています。

対象範囲】三井住友海上火災保険株式会社

・一部グループ会社の活動も掲載しています。

・本レポートの本文中では、三井住友海上火災保険株式会社を「当社」、三井住友海上グループを「当社グループ」と区別して表記しています。

発行時期】2007年9月

前回発行】2006年10月

次回発行】2008年9月予定

お問合せ先

三井住友海上火災保険株式会社〒104-8252東京都中央区新川2-27-2

●経営企画部 CSR推進室TEL:03-3297-4632FAX:03-3297-6888Mail:aaa703_csr@ms-ins.net

皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください

「CSRReport2007」をお読みいただき、ありがとうございました。当社ホームページにアンケートを用意しております。

ぜひ皆さまのお声をお聞きかせください。

http://www.ms-ins.com/csr/csr_report/index.html

ご意見を受けて

では、具体的なCSRの取組みをステークホルダー

の皆さまにどう伝えるべきか論議を重ね、読みや

すい量、わかりやすい内容であることを最優先しま

した。情報開示媒体の選択や開示内容の選定に

あたってはさまざまな視点から検討していますが、

ご指摘いただいたように十分な整理ができており

ません。皆さまのご意見をうかがいながら、引き続

き検討してまいります。

 商品販売におけるお客さまとの直接の窓口で

ある代理店の業務品質の向上は、当社グループの

企業品質向上の大きな鍵を握っています。「代理

店における保険の基本サイクル」の確実な実行を

通じて着実に実現してまいりたいと考えております。

三井住友海上火災保険株式会社

経営企画部長 藤井史朗

 行政処分を機に、お客さま、代理店、社員をはじめ

多くのステークホルダーのご意見を真摯に受け止め、

会社の業務運営の仕組みをお客さま基点で見直し、

「ニューチャレンジ10」を策定しました。江頭社長の

メッセージにもあるとおり、企業品質の向上に取り組

み、信頼を確保して、社会からの信頼を成長につなげ

ていくことが、当社グループの目指すCSR経営である

と考えています。取り組むべき課題はまだまだたくさ

んありますが、社員一人ひとりが品質向上最優先を

理解し、業務の品質向上に努める取組みを進めて

いることは、大きな一歩だと考えています。

 情報開示については、今年度からWebを活用し

た情報発信に取り組んでいます。一方、本レポート

1 38

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2

秦会長からのメッセージ

「つくるかわる文化」を、会社の礎いしずえ

に。2001年10月の創立以来、当社グループは「お客さまや

社会から高く評価され信頼される保険・金融グループ」の実現を究極の使命とし、「三井住友海上グループ行動憲章」を全社員の行動の基本としてCSR経営に取り組んできました。また、2004年6月には、CSRに取り組む決意を社内外に示す一つの行動として、国連のグローバル・コンパクトに参加しました。

しかし、2006年6月、終身医療保険の保険金不払などにより業務の一部停止命令などの厳しい行政処分を受けたほか、新たに保険料誤りの問題も発生し、お客さまへの販売時の説明責任、保険金の支払責任を十分に果たせていないという事実が明らかになりました。いずれも、保険自由化以降の激しい商品開発競争のもと、補償範囲やサービスを急激に拡充したため、特約の数が膨れ上がり、商品が非常に複雑になったことが主な原因です。

当社はこの事態を厳粛に受け止め、ガバナンスの改革、保険金支払管理体制の改革、コンプライアンス体制の改革などに取り組み、今年(2007年)2月にすべての業務停止命令が解除されました。また、4月には、当社グループがCSR経営を実現していくことを明確に盛り込んだ中期経営計画「ニューチャレンジ10」を策定しました。

策定の過程では、若手社員中心の「つくるかわるプロジェクト」と名づけたプロジェクトを立ち上げました。そして、社員一人ひとりがお客さま基点で「自ら考え」業務上の問題点を見つけ出し、「自ら行動して」解決しようと努めました。多くの社員から寄せられた1,500を超える提言は当社グループが目指す姿、それを実現

するための戦略、大切にしていく価値観として「ニューチャレンジ10」に反映されています。また、ボトムアップの経営計画づくりに取り組んできた結果、「お客さま基点で考える文化」「自ら考え、自ら行動する文化」「コミュニケーションとチームワークを大切にする文化」が育ってきました。私はこれらを「つくるかわる文化」と一言で言い表し、当社グループに広めていきたいと思います。

社員一人ひとりがお客さまの声を聞き、「何がお客さまから求められているのか」を主体的に考え、一人ひとりが仕事のやり方をより良くしていく「つくるかわる文化」。当社グループと社会との信頼関係を築くために、この文化を当社グループの企業活動の土台としてしっかりと定着させていくことが必要なのです。全社員がこの文化を共有することを目指し、私はあらゆる機会をとらえて社員に語りかけていこうと決意しています。

取締役会長CSR委員会委員長

し ん  よ し あ き

グローバル・コンパクトとは?企業のリーダーが参加することによって、国連機関、労働、市民社会とともに、①人権、②労働、③環境、④腐敗防止、の4分野における10原則を支持してもらう国際的なプログラムです。グローバル化した世界経済が引き起こしかねない諸問題を解決するために、企業などの団体が一致団結し、地球市民としての立 場 からその 責 務を果たすことが求められています。

秦会長からのメッセージ

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3

江頭社長からのメッセージ

「お客さま基点」で品質を向上し、信頼と成長の好循環を生み出します。

◉社会からの信頼を糧か て

とする貴社にとって大変に

厳しい1年間でした。すべての業務プロセスを

見直された改革の基本姿勢を教えてください。

品質、信頼、成長のスパイラル

私たちは、2001年の創立時に定めた経営理念のもと、CSR経営の実現を目指し、お客さまや当社グループを

取り巻くステークホルダーへの責任を果たすことを重視してきました。しかし、お客さま満足を向上させる戦略が十分ではなく、期待されるレベルには至っていませんでした。その結果、大切なお客さまに多大なご迷惑をおかけしてしまいました。その反省に立ち、「お客さま基点」ですべての業務

プロセスの見直しを行うとともに、今年(2007年)4月に2 0 1 0年までを見据えた中期経営計画「ニューチャレンジ1 0」を策定し、取組みを開始しました。その基本戦略は、常に品質向上を最優先し、お客さま、社会からの信頼を得ながら成長を目指すことです。企業品質の向上に取り組むことで信頼を確保し、その信頼を成長につなげるという、スパイラル的な好循環を生み出すことにチャレンジしています。

「お客さま基点」で考える二つの「品質」の追求

企業品質の向上には二つのステップがあると考えています。まずは、お客さまのニーズにあった商品、サービスを、きちんと説明して提案し、お客さまにしっかり理解していただいた上でご契約をいただく。そして、万が一事故に遭われた場合には、迅速かつ丁寧に対応して、適正で公平・公正な保険金をお支払いし、お客さまにご満足いただく。こうした、保険会社として当然実現すべき商品・サービスの品質を「当然品質」とし、すべてのプロセスで当然品質を実現できる体制を整えていきます。第二のステップは「感動品質」です。感動品質は、

「保険会社がここまでしてくれるのか」、あるいは、「こんなに素晴らしい商品、サービスがあるのか」と、お客さまに感動していただける品質と定義しています。しかし、一度感動していただいたサービスも、そのお客さまにとって、次回は「当然品質」となるかもしれません。求められる品質のレベルは常に上がっていくため、追求するのはとてもむずかしいことですが、お客さまに常に感動していただける商品やサービスを提供し続けていくことを目指して全力で取り組んでいきます。

  三井 住 友 海 上グル ープは 、2 0 0 7 年 4月に中 期

経営計画「ニューチャレンジ10」をスタートさせました。

CSRレポート発行にあたり、江頭社長に改革への決意、

目指す企業品質についての考えをインタビューしました。

インタビュー実施日:2007年5月23日インタビュアー:㈱クレアン 代表取締役 薗田綾子

3

江頭社長からのメッセージ 

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株主

代理店 取引先

環境地域社会国際社会地域社会国際社会

お客さま

《つくるかわる取組み》●職場ミーティング●経営ミーティング●提言プロジェクト

《経営基盤強化》●コーポレートガバナンス

●コーポレートブランド戦略●リスク管理・コンプライアンス

● 資本政策●組織・要員体制

7つのステークホルダーとの信頼関係を築く活動7つのステークホルダーとの信頼関係を築く活動

●●●

評価の仕組みを整備

計画

確認

改善 実行

ステークホルダーの声を積極的に反映

説明

反映

実行 対話

取引先取引先

《つくるかわる取組み》

社員

4

◉改革の成否を握る、第一線の方々の意識や企業風土

の改革について具体的な内容をお聞かせください。

風通しの良い会社を目指して

2006年7月、業務改善の取組みをスタートさせると同時に、グループ全社員による新しいビジョンづくりを宣言しました。8月はじめには、私が委員長となって「新ビジョン推進本部」を立ち上げ、全社員の声を反映した新ビジョンをつくり上げる仕組みとして「つくるかわるプロジェクト」と名づけたプロジェクトをスタートさせました。このプロジェクトでは、お客さまに最も近い第一線の社員の声を聞こうということで、私を含め、役員が全国各地へ出向いて社員と本音で語り合いました。また提言プロジェクトなど、全社員が参加して意見交換をする場面、機会を多数つくりました。こうした交流を進める中で、階層や部門の壁を越えたコミュニケーションの大切さを痛感しました。また、経営理念実現のための行動原則である

「三井住友海上グループ行動憲章」の精神をわかりやすく表現した「一人ひとり一つひとつを 大切に。」というコーポレートメッセージもプロジェクトのメンバーがつくったものです。「品質」最優先、「お客さま基点」の精神にもつながる素晴らしいメッセージなので、ぜひ浸透させていきたいと思います。

社員・代理店とともに

当社グループの行動憲章では、「お客さま」「株主」「代理店」「取引先」「社員」「地域社会・国際社会」「環境」の7つのステークホルダーに対して果たすべき責任を定めています。社員は当社グループのステークホルダーですが、企業品質の向上に取り組む主体でもあります。社員が良い仕事をしてはじめて、ほかの6つのステークホルダーへの責任を果たすことができるのです。当社グループでは、社員一人ひとりを大切にすると

いう思いを込めて、「人材」ではなく「人財」という表記を使っています。社員がハツラツと働けるように、評価制度、教育制度、福利厚生制度など、あらゆる人事制度を整備して、これまで以上に社員を大切にしていきたいと考えています。また、当社は全体の90%以上の保険契約を代理店を通じて締結しています。ですから代理店は大切なビジネス

取締役社長え が し ら   と し あ き

パートナーであり、それぞれの成長と繁栄を互いに支え合う関係です。また代理店は、お客さまと直接かかわりを持つ立場でもありますから、品質向上のための代理店の研修に従来以上に注力していきます。ここでも品質、信頼、成長の好循環を生み出していきたいと考えています。

◉ご自身のお考えになる、「CSR経営」(の本質)は?

企業品質の向上こそCSR

社員一人ひとりが相手の立場で考え、お客さまをはじめとするさまざまな関係者の立場を理解して仕事を進めれば、CSR経営はおのずと実現できるはずです。商品、サービスの質はもちろん、社員の質、代理店の質、あらゆる企業品質を向上させることが、当社グループの社会的責任であり、社会からの信頼につながっていくものと確信しています。

■三井住友海上グループのCSR経営

江頭社長からのメッセージ

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損害保険事業

三井住友海上火災保険(株)http://www.ms-ins.com

正味収入保険料 連結

(億円)

3,000

6,000

9,000

12,000

15,000

20062002

13,039

2003

13,791

2004

14,073

2005

14,641 14,928

当期純利益 連結

(億円)

200

400

600

800

20062002

328

2003

777

2004

657

2005

716607

正味損害率  / 正味事業費率 単体

(%)

50

55

60

65

2006(年度) (年度) (年度)2002

54.9

2003

55.0

2004

63.8

2005

59.9

63.1

30

35

40

33.8 32.231.2 30.9 30.8

0 0

損害保険事業

海外事業金融サービス

事業

リスク関連事業

生命保険事業

海外事業

生命保険事業

三井住友海上きらめき生命保険(株)http://www.ms-kirameki.com

三井住友海上メットライフ生命保険(株)http://www.msi-metlife.com

金融サービス事業

三井住友アセットマネジメント(株)http://www.smam-jp.com

三井住友海上キャピタル(株)http://www.msivc.co.jp

リスク関連事業

(株)インターリスク総研http://www.irric.co.jp

三井住友海上ケアネット(株)http://www.msk-carenet.com

アメリカン・アプレーザル・ジャパン(株)http://www.american-appraisal.co.jp

三井住友海上グループ

5

三井住友海上グループの紹介

■ 会社概要

■ 決算データハイライト

社   名 : 三井住友海上火災保険株式会社

本店所在地 : 東京都中央区新川2丁目27番2号

設   立 : 大正7年(1918年)10月21日

資 本 金 : 1,395億9,552万円

従 業 員 数 : 13,414人

代 理 店 数 : 53,668店

[2007年3月31日現在] ■ 国内・海外ネットワーク国内ネットワーク[2007年6月27日現在] 海外ネットワーク[2007年6月27日現在]

営業ネットワーク 海外支店/総事務所………5

本 部 …………………………… 2 0 海外事務所 ……………… 281

営業部支店…………………… 133 子会社/関連会社……… 54

営業課支社…………………… 710 (うち再保険子会社2社)

事故対応サービスネットワーク

事故対応サービス部………… 26

事故対応サービスセンター …… 277

専門スタッフ………… 約7,100名

■ グループの事業展開

三井住友海上グループの紹介

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経営理念

行動憲章

ニューチャレンジ10

コーポレートメッセージ

基本的な考え方

経営理念と行動憲章

経営理念

保険・金融サービス事業を通じて

・世界に安心と安全をとどけ 豊かな社会づくりに貢献します

・最高の商品とサービスを提供し お客さまの満足を実現します

・永続的な業績向上を目指し 株主の信頼と期待に応えます

行動憲章(前文)

わたしたち三井住友海上グループは、保険・金融サービス事業の公共性を原点として、

・社会の不安とリスクに対して、最善の解決策を提供することを使命とし、

・公平、公正で倫理的に正しい行動を最優先し、

・常に十分なコミュニケーションを心掛けて、広く情報の開示を行い、

社会の誰からも信頼され、全ての社員が誇りに思える会社を目指します。

上記前文に続き、7つのステークホルダー(お客さま、株主、代理店、取引先、社員、地域社会・国際社会、環境)に対して果たすべき責任をそれぞれ定めています。また、社員一人ひとりが心がけていくべきことを「わたしたちの行動」として定めています。

当社グループの究極の使命を明文化した「経営理念」と、

その実現に向けたグループ全社員の行動原則である「行動憲章」は、

当社グループのすべての事業活動の核となるものです。

コーポレートメッセージ

わたしたちは 一人ひとり一つひとつを大切にします。

ありがとうが あふれるように。

行動憲章の精神をわかりやすく表現した「コーポレートメッセージ」に、私たちの新たな決意を込めました。社外に向けては、「一人ひとり一つひとつを 大切に。」と言い表しています。

基本的な考え方

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経営理念

行動憲章 コーポレートメッセージ

グループ基本戦略

品質向上戦略 グループ事業戦略

5大事業の主要取組み

社員ハツラツ・経営基盤強化

ニューチャレンジ10

「お客さま基点に立った“品質”の向上、

“信頼”“成長”を通じ、CSR経営を実現」

さらなる品質向上

成長

信頼

品質活動の始点

7

「ニューチャレンジ10」は、2007年度から2010年度までの4カ年の中期経営計画です。

原点に立ち返り、企業品質を競争力として「お客さま基点の姿勢を貫く会社」となるために、

グループ全社員でつくり上げたものです。

基本的な考え方

グループ中期経営計画

「ニューチャレンジ10」

■ 品質向上戦略 「一人ひとりが成長し、一つひとつの品質を向上」

次の三つをあらゆる業務における品質向上実現のため

の重要な要素と位置づけ、力を注ぎます。

お客さまの声はもちろんのこと、広く社会からの声を

収集し、経営に活かす姿勢を強めるとともに、その仕組み

を整備・強化します。

地域・国際社会への貢献、地球環境の保全・改善

にも積極的に取り組んでいきます。

●ステークホルダーの声を幅広く反映

社員・代理 店は、自ら学び、自ら考え行動し、プロ

フェッショナルとして、自信と誇りを持って目標にチャレンジ

することにより、成長していきます。また、風通しの良い

コミュニケーションを通じたチームワークも大切にします。

●社員・代理店の成長

お客さまへ質の高いサービスを提供するために、業務

プロセスの整備・改善、業務を正確かつ適切に行うため

の事務・システムの構築を積極的に進めていきます。

●業務プロセス・インフラの向上

■ グループ基本戦略

「経営理念」と「行動憲章」に基軸をおき、当社グループ

が2010年までに目指す姿、それを実現するための戦略

およびグループ全社員が大切にしていく価値観をまとめ

たものが「ニューチャレンジ10」です。

当社グループは「ニューチャレンジ10」を実践すること

により、企業品質を競争力とし、永続的に発展する世界

トップ水準の保険・金融グループを目指します。

「ニューチャレンジ10」の位置づけと構造

「お客さま基点に立った、“品質”の向上」をすべての

事業活動の始点とし、お客さまからの“信頼”を得ること

によって、事業の“成長”を実現し、これにより拡大した

経営資源をさらなる品質向上のために投入するという

好循環を生み出して、CSR経営の実現を目指します。

社員・代理店一人ひとりが成長することにより、お客さま

のニーズを満たす品質レベル(当然品質)を実現し、さら

にはお客さまの期待を大きく上回る品質レベル(感動

品質)を継続的に追求していきます。

基本的な考え方

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成長

お客さまからの信頼

お客さまの満足

品質の向上

社員ハツラツ

事務・システム・イノベーション

事故対応サービス・イノベーション

販売イノベーション

商品イノベーション

業務プロセスイノベーション

5大事業の品質向上と成長を支える経営基盤の

強化を継続的に図っていきます。

■ 経営基盤強化

品質向上の担い手である社員がハツラツと働ける

環境づくりに、積極的に取り組んでいきます。

■ 社員ハツラツ

■ 5大事業の主要取組み

■ グループ事業戦略

当社グループで展開する、「国内損害保険事業」「生命

保険事業」「海外事業」「金融サービス事業」「リスク関連

事業」の5大事業それぞれにおいて「品質向上」と「事業

推進(成長力・収益力の強化)」に取り組み、グループの

総合力を発揮することで、お客さまに最大の価値を提供

していきます。バランスの良い事業ポートフォリオを実現

し、利益面でも世界トップレベルを展望できる水準を

目指します。

各事業において、品質の向上と成長力、収益力の強化に取り組みます。

●働きやすい職場づくり

●やりがい向上

・オフィス環境の整備 ・業務プロセスの改善

・コミュニケーション活性化のための仕組みづくり

・多様な選択肢と機会の提供

・役員と社員との対話により社員の声を経営に反映

●人財育成

自ら学び自ら行動する社員、常に高い目標に向かって

チャレンジする社員の育成

●組織体制

業務プロセスの見直しに対応する新たな組織・要員

体制の検討など

株主還元策の安定的な実施と、自己資本安定化と新

規事業投資資金確保を目的とした政策株式の削減など

●コーポレートガバナンスの強化

●コーポレートブランドの構築

●コンプライアンスの徹底とリスク管理の整備

●資本政策

●リスク関連事業

リスクマネジメント事業をはじめ、お客さまの抱える

さまざまなリスクに対して、保険以外のサービスで応える

事業を展開していきます。

金融に関する多様な事業を当社およびグループ会社を

通じて展開し、金融サービスの商品開発力と販売力を

強化することにより、お客さまに最適なソリューションを

提供していきます。

●金融サービス事業

アジア、欧州、米州の三極体制を確立し、ガバナンスを

強化するとともに、ASEAN地域での一層の優位性の

確保、中国、インドの成長市場や再保険子会社の戦略

的展開、高成長新興国への投資を行うことにより企業

価値の拡大を図っていきます。

●海外事業

クロスセルを中核とする「三井住友海上きらめき

生命」と、銀行チャネルを中心として個人年金市場を

専門に展開する「三井住友海上メットライフ生命」の

2社を軸として事業を推進していきます。

●生命保険事業

お客さまとの接点(商品開発、販売、事故対応サービス

など)における「業務プロセスのイノベーション」を実施

することにより、品質の向上を実現し、お客さまにとって

わかりやすい商品・サービスを提供していきます。

●国内損害保険事業

基本的な考え方

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9

特集 企業品質向上に向けた歩み

業務改善の取組み

保険金支払や保険商品販売において、次

のような問題が発生しました。

終身医療保険などの疾病補償商品におい

て、保険金のお支払をお断りした事案の一

部に不適切な不払がありました。

自動車保険の車両保険金や対人賠償保険金、

火災保険金など、基本となる保険金が支払わ

れた事案において、見舞金や代車費用など

付随的な保険金に支払漏れがありました。

保険商品の販売時、代理店が保険料を立

て替えたり、お客さま名義の印鑑を不正に

使用するなど、不適切な手続きが行われ

た契約がありました。

問題の発生

保険金不払などの問題が発生し、2006年6月、業務の一部停止命令などの行政処分を受けました。その後、新たに保険料の誤りにかかわる問題が明らかになりましたが、2007年2月にはすべての業務停止命令が解除されました。ここでは、「業務改善計画」に沿った現在までの取組みを報告します。

このような問題が発生したのは、次のような

体制が十分に整備されていなかったためと、

当社では考えています。

保険金支払を適切に行う体制

お客さまの声、社員・代理店の声を反映した

商品開発体制

契約者保護を最優先とする販売管理体制

内部統制機能を果たすコンプライアンス体制

適切な業務運営が行われているかどうかを

検証する体制(ガバナンス)

原因

保険商品の販売における問題点の洗い出

しを進める過程で、保険料を過剰にいただい

ていた火災保険契約を発見し、保険料の算出

を誤った可能性の高い契約について自主点

検を実施しました。その結果、社員や代理店が

建物の構造の判定を誤って保険料を算出した

り、耐火性能の高い住宅に適切な割引率を適

用しなかったことや、保険金額の設定誤り(超

過保険)などから、火災保険契約で保険料を

過剰にいただいていたことが判明しました。

誤りのあった契約(2007年3月現在)

・構造判定誤り、割引適用漏れ   7,738件

・不適切な保険金額(超過保険) 1,420件

これらの契約については、お客さまへ保険

料を順次返金しています。

問題の発生

自主調査で判明した保険料の誤り

商品内容が複雑になる一方で、社員・代理

店に対して、販売に関する教育・研修が十分

ではなかったことや、社内のチェック体制が

不十分であったことなど、契約者保護を最優

先とする販売管理体制が十分に整ってい

なかったためと、当社では考えています。

課題 業務改善項目 これまでの取組み 参照

1

保険金支払の適正化

保険金支払が適切に行われているかどうかの検証

「保険金支払業務審査部」を新設し、業務の適切性を常に検証しています。 P12,17

外部専門家を中心に構成する「支払審査会」が第三者の目で検証しています。 P12,17

付随的な保険金などの支払漏れ防止システムによるチェック体制を拡充しています。 P12

事故対応サービス部門の要員を増強し、教育を徹底しました。 P12,22

終身医療保険など疾病補償商品の適正な保険金支払

「長期医療サービスセンター」「メディカルサポート室」を設置し、終身医療保険の支払業務を一元化し、保険始期前の発病により保険金をお支払いしないと判断した全事案の確認をしています。

P12

保険金支払に関する相談・苦情などへの誠実な対応

お客さまからの保険金に関する相談を受け付ける「支払相談室」および、外部弁護士が受け付ける「不服申立窓口」を設置しました。

P12,19

2

商品開発管理体制の見直し、改善

お客さまの声を反映させたわかりやすい商品の開発

社内ルールを改定し、商品開発体制の見直しを実施しました。 ① お客さまをはじめとする社内外の意見を取り入れる仕組みを整備 ② 商品開発部門と関連部門との連携を強化 ③「企業品質管理部」による検証

P17,P19〜22

パンフレットなどの作成マニュアルを策定、商品を説明する書類の充実、各種書類の点検など、契約を適切に引き受ける体制を整備しました。

P22

商品販売後、「お客さまアンケート」を行い、モニタリングを実施しています。 P19,21

3

契約者保護を最優先とする販売管理体制の再構築

お客さまのニーズに沿った保険を適正な保険料で提供

重要事項の説明、お客さまの意向確認などを徹底するため、販売管理体制の構築や、業務システムの整備・充実を図りました。

P11 ,P29〜31

社員・代理店の教育を強化しました。 ①社員・代理店を対象に「コンプライアンス強化」の一斉研修を実施  (コンプライアンス体制の確立は、下記 4 ) ②代理店を対象に「保険の基本サイクル」の確実な実行を指導、研修を実施 ③代理店教育の推進要員を全国に配置

P29〜30

4

コンプライアンス体制の確立

コンプライアンス部門の機能強化「コンプライアンス部」の独立性・権限を強化し、国内外における不祥事件および、そのおそれのある事案の調査・処理を一元化しました。

P17〜1�

社員・代理店のコンプライアンス意識の向上

営業部門の組織評価方法を、売り上げを重視した基準から、企業品質向上とコンプライアンスの取組みを重視した基準に改定しました。

P1�

コンプライアンス重視の社員評価制度を導入し、違反した社員・代理店の処分を厳格に実施しています。

P1�

5

ガバナンスの改善・強化

適切な業務運営を検証・確認する体制の確立・強化

新設の「企業品質管理部」が、外部の専門機関の意見なども活用し、さまざまな業務運営状況を検証し、改善策を策定しました。

P17,P21〜22

「お客さまの声担当部」「支払相談室」を新設し、苦情対応の体制を強化しています。 P19〜20

内部監査部門の独立性を強化し、要員も増強しました。 P17〜1�

業務運営の検証プロセスが適切に運営されているかどうかを社外の視点で確認

社外のメンバーを中心とする「監査委員会」「お客さま基点推進諮問会議」を新設し、取締役会に対して提言をしています。

P15,P17〜1�

海外拠点の管理体制強化 本社による管理・監督を強化し、検証と改善策を実施する体制を構築しました。 P1�

第一線の課題・意見を経営陣が的確に把握

組織・階層を超えた全員参加の「つくるかわるプロジェクト」を立ち上げ、第一線からの改善提案に基づく業務改善を実施しました。

P13〜14

1

2

3

4

5

原因

2007年4月から「ご契約内容しっかり確

認!!」運動を展開し、契約内容の調査・確認を

行い、契約内容に誤りがあった場合には、契

約内容の変更や保険料の返金の手続きを進

めています( P11)。

お客さまへの対応

行政処分で指摘された問題

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10

特集

当社では「業務改善計画」を策定し、これまでに下表のような取組みを行っています。

業務改善項目と取組み状況*2006年7月~2007年7月までの活動を記載しています。

課題 業務改善項目 これまでの取組み 参照

1

保険金支払の適正化

保険金支払が適切に行われているかどうかの検証

「保険金支払業務審査部」を新設し、業務の適切性を常に検証しています。 P12,17

外部専門家を中心に構成する「支払審査会」が第三者の目で検証しています。 P12,17

付随的な保険金などの支払漏れ防止システムによるチェック体制を拡充しています。 P12

事故対応サービス部門の要員を増強し、教育を徹底しました。 P12,22

終身医療保険など疾病補償商品の適正な保険金支払

「長期医療サービスセンター」「メディカルサポート室」を設置し、終身医療保険の支払業務を一元化し、保険始期前の発病により保険金をお支払いしないと判断した全事案の確認をしています。

P12

保険金支払に関する相談・苦情などへの誠実な対応

お客さまからの保険金に関する相談を受け付ける「支払相談室」および、外部弁護士が受け付ける「不服申立窓口」を設置しました。

P12,19

2

商品開発管理体制の見直し、改善

お客さまの声を反映させたわかりやすい商品の開発

社内ルールを改定し、商品開発体制の見直しを実施しました。 ① お客さまをはじめとする社内外の意見を取り入れる仕組みを整備 ② 商品開発部門と関連部門との連携を強化 ③「企業品質管理部」による検証

P17,P19〜22

パンフレットなどの作成マニュアルを策定、商品を説明する書類の充実、各種書類の点検など、契約を適切に引き受ける体制を整備しました。

P22

商品販売後、「お客さまアンケート」を行い、モニタリングを実施しています。 P19,21

3

契約者保護を最優先とする販売管理体制の再構築

お客さまのニーズに沿った保険を適正な保険料で提供

重要事項の説明、お客さまの意向確認などを徹底するため、販売管理体制の構築や、業務システムの整備・充実を図りました。

P11 ,P29〜31

社員・代理店の教育を強化しました。 ①社員・代理店を対象に「コンプライアンス強化」の一斉研修を実施  (コンプライアンス体制の確立は、下記 4 ) ②代理店を対象に「保険の基本サイクル」の確実な実行を指導、研修を実施 ③代理店教育の推進要員を全国に配置

P29〜30

4

コンプライアンス体制の確立

コンプライアンス部門の機能強化「コンプライアンス部」の独立性・権限を強化し、国内外における不祥事件および、そのおそれのある事案の調査・処理を一元化しました。

P17〜1�

社員・代理店のコンプライアンス意識の向上

営業部門の組織評価方法を、売り上げを重視した基準から、企業品質向上とコンプライアンスの取組みを重視した基準に改定しました。

P1�

コンプライアンス重視の社員評価制度を導入し、違反した社員・代理店の処分を厳格に実施しています。

P1�

5

ガバナンスの改善・強化

適切な業務運営を検証・確認する体制の確立・強化

新設の「企業品質管理部」が、外部の専門機関の意見なども活用し、さまざまな業務運営状況を検証し、改善策を策定しました。

P17,P21〜22

「お客さまの声担当部」「支払相談室」を新設し、苦情対応の体制を強化しています。 P19〜20

内部監査部門の独立性を強化し、要員も増強しました。 P17〜1�

業務運営の検証プロセスが適切に運営されているかどうかを社外の視点で確認

社外のメンバーを中心とする「監査委員会」「お客さま基点推進諮問会議」を新設し、取締役会に対して提言をしています。

P15,P17〜1�

海外拠点の管理体制強化 本社による管理・監督を強化し、検証と改善策を実施する体制を構築しました。 P1�

第一線の課題・意見を経営陣が的確に把握

組織・階層を超えた全員参加の「つくるかわるプロジェクト」を立ち上げ、第一線からの改善提案に基づく業務改善を実施しました。

P13〜14

*業務改善の取組み状況の詳細は、当社ホームページ>お客さまからの信頼回復に向けて>関連リリースをご覧ください。http://www.ms-ins.com/information/action.html

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11

特集 企業品質向上に向けた歩み

「当然品質」を確実なものに

当社では、お客さまとの最初の接点である販売時の

「当然品質」を「契約内容をお客さまに丁寧に説明し、

しっかり確認すること」と考えています。その実現に向けた

取組みとして、2007年4月から代理店とともに「ご契約内

容しっかり確認!!」運動を展開し、個人向けの保険契約

全般についてその内容を確認・点検しています。

当社は、「業務改善計画」を着実に実行するとともに、お客さま基点に立った「品質の向上」に全社をあげて取り組んでいます。まず、お客さまとの大切な接点である、保険商品を販売する時と保険金をお支払いする時の「当然品質」を確実なものとすることを最優先に行っています。

ご契約内容しっかり確認!!」運動

実際にお客さまに説明や確認を行うのは代理店です。

この運動を確実・円滑に行うため、対象となる保険を扱

うすべての代理店に研修を実施しました( P30)。また、

お客さまからのお問合せを受ける専用コールセンターも

設置しました。

さらにお客さまにわかりやすく説明するための書類の

作成や、商品そのものをわかりやすくする取組みも進めて

います( P21~22)。

運動の確実な実行に向けて

契約内容がお客さまの希望に沿った最適な内容と

なっているか、適正な保険料となっているかを、契約の際、

お客さまとともに確認する取組みです。

 具体的には、次の二つの手続きを行っています。

1. 保険金をお支払いしない主な場合や、契約に際して特に

注意していただきたい事項などについて、「重要事項の

ご説明」を示しながら、わかりやすく説明します。

2.契約内容がお客さまの希望に沿った内容となっている

か、適正な保険料となっているか、「ご契約内容確認

シート」に記入いただいています。

契約内容に誤りがあった場合の対応

・適切な内容に契約を変更します。

・保険料に誤りがあった場合は、保険料の返金など

を行います。

対象となる保険の種類

・自動車保険 ・傷害・医療・介護保険

・火災保険 ・個人分野賠償責任保険

具体的な取組み

契約条件の確認が必要な理由 保険料はさまざまな条件で変わります。例えば、火災保険の場合、保険料は次の条件などによって異なります。・ 建物の所在地・ 建物の構造 (建物の柱や壁、屋根などの建築材料、工法など)

・ 建物の用途(住居専用、店舗、事務所など)例えば、台風の多い地域の建物や、火を多く使う建物

(飲食店など)では、保険料が相対的に高くなります。また、木造家屋でも、外壁に燃えにくい建築材料を使っている場合は、保険料が安くなります。このように、契約を適正な保 険 料で提供するためには、さまざまな条件をお客さまとともに確認することが必要となります。

当然品質」と「感動品質」

当社グループでは、「品質向上」の取組みを進める上で、「品質」を「当然品質」と「感動品質」の2段階に分けて考え

ています。お客さまが「実現されて当たり前」と感じる商品やサービスの品質レベルが「当然品質」、お客さまの期待を

大きく上回る商品やサービスの品質レベルが「感動品質」です。

保険商品販売時の「当然品質」

Page 13: CSR Report 2007CSR Report 2007 企業品質向上への歩み 09133 30,000 2007.9 (新) 62 読者の皆さまへ 当社グループは、2004年10月に「三井住友海上グループ行動憲章」を公表し、

仕組みや体制の整備

お客さまから事故のご報告

お客さまから保険金のご請求

お客さまへの保険金のお支払い

・支払担当者を増員・新事故受付システムを 導入

・保険事故内容を正確に 把握・お客さまの契約内容を 漏れなく把握

・お支払い対象となる 保険金を漏れなく把握・お客さまへ わかりやすく説明

・迅速・適切に 保険金支払

・支払漏れを防ぐ 社内システムを整備・書類を改訂

・支払部門から独立した組織 (社内外)が監視・検証・内訳を詳細に案内

・好事例のノウハウを共有・お客さま応対基本事項のルールづくり、実践・「お客さまアンケート」を実施

社員・代理店の教育、意識改革

12

当社は2006年度、業務改善計画をもとに保険金支払

体制を見直しました( P9~10)。

まず、保険金支払における「当然品質」の内容を、次のよう

に定めました。

・契約内容や事故の内容を正確に確認する

・お支払い対象となる保険金を漏れなく把握する

・お支払いする保険金をお客さまにわかりやすく説明する

・迅速・適切に保険金をお支払いする

この「当然品質」を実現するために、仕組みや体制の整

備と社員・代理店の意識改革の両面から、さまざまな取

組みを行っています。

保険金支払を適切に行うために

仕組みや体制の整備

社員・代理店の教育、意識改革

システムでのチェック体制の拡充保険金支払システムに支払漏れを防止する機能を順次追加整 備しています。また2 0 07年10月から事故内容と契約内容からお支払い対象となる保険金を担当者が確実に把握できるシステムが稼動します。

事故対応サービス部門の要員増強と教育強化2006年度から担当者を400名以上増やし、一人ひとりがわかりやすい説明に努めています。また、教育専任担当者を増員し、医療知識に関する教育コースを創設するなど、担当者の教育体制も強化しました。

保険金支払の適切性の監視・検証保険金支払部門から独立した「保険金支払業務審査部」を新設し、支払漏れなどの検証を毎月行うとともに、全国の約250拠点へ出向いて巡回審査を行っています。

疾病補償商品の支払専門組織の設置・終身医療保険の保険金支払業務はすべて「長期医療サービス

センター」が行っています。・「メディカルサポート室」では、保険責任が開始する日より前に

お客さまが発病したと判断したすべての事案について、顧問医の協力を得て、判断が適切かどうかを確認しています。

「支払審査会」による審査弁護士・医師などで構成する「支払審査会」を設置し、保険金支払に該当しないと判断した事案のうち、重要なものについて、判断が適切かどうかを最終決定前に審査しています。

保険金支払に関する相談・苦情への誠実な対応・保険金支払に関するお客さまからの相談・苦情を「支払相談

室」の専任スタッフが受け付けています。・お客さまの保険金請求に対してお支払い対象とならない旨を

案内した事案について、お客さまから第三者(社外弁護士)に不服申立ができる制度を設けました。

特集

「グッドジョブ運動」の展開・全担当者が均質なサービスを提供できるよう、お客さまに接す

る際の基本行動を定め、定着させています。・お客さまにわかりやすい案内や説明を行うため、全国の拠点を

対象に外部講師を招き、お客さま応対研修を継続実施しています。また、わかりやすく説明するための用語集の作成なども行っています。

・事故対応サービスを通じて得た、お客さまに満足いただけた好事例は社員・代理店で共有し、ノウハウの蓄積とサービスレベルの向上に努めています。

事故対応サービスに関する「お客さまアンケート」の実施・保険金支払時などにお客さまアンケートを実施し、いただいた

お客さまの声は業務の改善・品質向上に活かしています。・アンケートでいただいたお褒めの言葉は社内で共有し、社員

のやりがいや、今後のより良い取組みにつなげています。

保険金支払時の「当然品質」

◆仕組みと意識 両面からの改革

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特集 企業品質向上に向けた歩み

全員参加で新しい企業風土づくり

「つくるかわるプロジェクト」では、現場の社員と経営陣

が意見交換をする「経営ミーティング」や、各職場での「職

場ミーティング」などをとおして、第一線の社員から意見・

提言を集めました。多くの社員が出し合った1,500を超

える提言は、プロジェクト事務局で一つひとつ議論され、

「ニューチャレンジ10」に活かされています。

グループ役職員が全員参加で「ニューチャレンジ10」をつくり上げるため、2006年夏、社内プロジェクト「つくるかわるプロジェクト」をスタートしました。このプロジェクトをきっかけに、企業風土も少しずつ変化してきました。

「つくるかわるプロジェクト」

お客さまの声、代理店の声を踏まえ、当社として改革す

べきこと、職場で取り組むべきことは何かを、各職場で議

論しました。

職場ミーティング

会長、社長、本社部門担当役員が、全国120の拠点で

社員と自由な議論を行いました。

経営ミーティング

社員から寄せられた提言の具体例

・「経営理念・行動憲章」をもっと身近

に感じるため、コーポレートメッセージ

を作成したい( P6)。

・保険用語を、お客さまの目線でわか

りやすくしたい( P21)。

・商品開発の過程で、お客さまの声、代

理店の声を反映させる仕組みをつく

りたい( P21)。

・コールセンター機能を拡充し、お客さ

まサービスを充実させたい( P22)。

社員の想いを形に全国からの代表社員19名などで構成するプロジェクト

事務局で、5カ月間にわたり、寄せられた提言内容を検

討しました。

それぞれの提言の背景にある問題点や想いは何か、そ

れを具体的な施策にどう反映させていくか、テーマ別の分

科会で話し合いを重ねました。そして、再出発に向けての

決意を込めた最終提案「当社の風土を変える、仕組みを

変える、自らが変わる」にまとめあげました。

行動憲章の精神をわかりやすく表現したコーポレート

メッセージ「一人ひとり一つひとつを 大切に。」も、プロジェ

クトの話し合いの中から生まれたものです。

最終提案の内容は役員による議論を経て、多くの提言が

「ニューチャレンジ10」に反映されました。

提言プロジェクト

自ら考え、行動するための

真剣な議論

イントラネット上に「提言プロジェクト」コーナーを設置し、

職場ミーティングで議論した内容や提言を投稿し合いました。

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企業風土の変化

最前線で生まれているプロジェクトの効果 ~事故対応サービスと営業の第一線から~当社の変化について社員はどう感じているのか、お客さまや代理店との接点である事故対応サービス部門と営業部門の社員に聞いてみました。

プロジェクトがモチベーション向上の原動力に。

まず自分が行動しようという意識に変化。良いことも悪いことも発言できる雰囲気です。

支店一丸となり、独自の代理店研修を企画実施。

山形支店 酒田支社 

業務リーダー 鹿田 幸恵

埼玉損害サービス部  大宮自動車第一サービスセンター  

所長代理  大西 弘明

静岡損害サービス部  静岡自動車第一サービスセンター

業務主任 宮島 功恵

佐賀支店  佐賀支社 

支社長代理 山崎 徹

特集

社内の風通しが良くなり、本社が近くなったと感じます。お客さま基点を実現するため、プロジェクトは社員のモチベーションをあげ、現場を変えていく追い風になりました。営業と事故対応サービス部門の連携が一気に進んだことが大きな成果で、営業から「事故対応サービスと営業は一枚

岩だ」という言葉が出たことが、特にうれしかったですね。今後も、現場の声を拾う取組みを続けてほしいです。業務再構築に必要な視点は、現場が持っているはずですから。

社員に向けた情報は、これまでは研修や業務連絡として案内されるだけでしたが、会社の考えや想いも伝わってくるようになり、それぞれが自分のやるべきことへの認識を高めることができました。業務職と総合職の意見交換の機会も増え、発言しようという雰囲気が生まれるなど、プロジェクト

をきっかけに意識改革が始まっています。今、不足しているのは、お客さまの気持ちを受けとめる“ゆとり”。確実なサービスのために増えた業務を効率化するシステムが、一日も早くほしいですね。

変化を感じたのは、社長が来訪された経営ミーティング。立場に関係なく意見を出せたこと、そして社長から回答を得られたことで、現場の意見も吸い上げてもらえると実感しました。その結果、「自ら考えて行動する」意識を育み、できることから始めようという佐賀支店独自の「ハチドリプロジェクト」が生まれました。良いと思ったことは肩肘はらずに行動に移す勇気を持ち、代理店も自ら考え動く風土をつくりたいと思っています。

プロの代理店を育てる」。これを営業部門の使命として、2006年度にのべ40回以上、独自の研修を行いました。以前はその必要性を感じながらも日々の業務に追われていましたが、業務停止をきっかけに代理店を通じて接している「お客さま」を意識するようになり、今は支店が一体となって代理店指導に取り組んでいます。例えば書類がわかりにくいと感じたら、本社へ改善提案をするようになりました。待つだけではなく、積極的に現場の声を発信していきたいと思います。

プロジェクトをきっかけに、課題を解決するためのさまざ

まな取組みが職場単位でスタートするなど、「お客さま基点

で考える風土」「自ら考え、自ら行動する風土」「コミュニケー

ションとチームワークを大切にする風土」が育ってきました。

こうした企業風土を定着させ、「ニューチャレンジ10」の

浸透を図るため、2007年度も引き続き「つくるかわる取

組み」を実施しています。

企業品質の月」

お客さま基点の取組みができていなかったことが行政処分につながり、お客さまの信頼を失った事実を忘れず、全社員が常に品質の向上に努める風土を定着させるため、毎年7月(2006年7月に行政処分により2週間業務を停止しました)を「企業品質の月」

とすることとしました。2007年は、ニューチャレンジ10について考える職場ミーティング、

社外講師を招き「お客さまが感動し満足いただける店づくり、人づくり」をテーマとした勉強会、交通事故防止をテーマとした映画の上映会など、各地でさまざまな取組みが行われ、参加者は信頼回復の取組みを継続することの重要性をあらためて確認しました。

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ステークホルダーの視点から

「保険」というのは、保険会社が商品やサービスを一方

的に提供すれば良いものではなく、契約者と一緒になっ

て組み立てるものです。

今回、損害保険各社が行政処分を受けるに至ったの

は、これまでは、お客さま第一主義を唱えながらも、経営

者の目線が監督官庁や、競争相手である業界他社に向

けられ、実際にはお客さまをなおざりにしていたことに大

きな原因があると思います。

保険に対する消費者の意識が高まっていることも念頭に

おいて、今回のことは、保険の本質、社会における保険の意義

をあらためて考える良い機会としてとらえてほしいものです。

処分を受けてからの三井住友海上の対応は、お客さま

や社会からの苦情や意見を真摯に受け止めて、できるこ

とから着実に改善の歩を進めていく姿勢がみられ、大い

に評価したいと思います。私のような社外の人間が、業務

運営について「消費者」の立場から審議し、取締役会に対

して改善提言を諮問する「お客さま基点推進諮問会議」

ステークホルダーの声を幅広く反映することを、「ニューチャレンジ10」の品質向上戦略の柱の一つとし、お客さまや社会からの声をお聞きして、施策や業務に活かす取組みを積極的に進めています。ここでは、2006年夏以降の当社の取組みについて、お二人の専門家から、ご意見をいただきました。

消費者により身近な保険サービスの提供を、代理店とともに進めていただくことを期待します。

堀田一吉 氏

慶應義塾大学 商学部教授お客さま基点推進諮問会議」議長

が設置されたこともその一つです。提言一つひとつに対す

る進捗報告からも、「お客さまとの距離」を近づけようと努

力する姿がうかがえます。

諮問会議の場で、大小さまざまな苦情に接すると、そ

れぞれの職場や仕事の流れに適した、具体的で連携の

取れた対策が求められていることを痛感します。新たに

いくつもの改善策が動きだしていますが、意識改革、体

制整備はかなり進んだものの、職場によってはその取組

みがまだまだ身についていないところもあり、お客さまが

品質向上を実感するレベルには達していない場面も少

なからずあることを感じます。ここでは、お客さまとの窓口

として大きな役割を担う代理店の業務品質の向上も重

要な鍵を握るでしょう。

失った信頼の大きさ、数字に表れない大きな痛手をしっ

かりと認識して、品質向上を着実に進めてほしいと思います。

改革のスタートを最初に切った三井住友海上には、業界

の改革の先駆者としての役割も期待しています。   

 

特集 企業品質向上に向けた歩み

「お客さま懇談会」開催お客さまの声を直接お聞きする自主的な取組みも、各地で生まれてきています。東北本部

や金沢支店では、お客さまをお招きし、「お客さま懇談会」を開催しました。当社の品質向上の取組みについて説明し、出席の皆さまからは当社の商品やサービスなどについてご意見・ご要望をうかがいました。お客さまからはお叱りの言葉や励ましの言葉とともに、他業界の品質管理の考え方の導入など、具体的な提言もいただきました。

東北本部「お客さま懇談会」の様子

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1�

特集

私は、2006年6月の三井住友海上に関する投資家

向の調査レポートに「(行政処分を受けたことは)短期的

にはマイナス材料ながらも、新時代に向けた金融制度・

枠組みへの転換が進む中、過去との決別も含めた経営

体制を構築する好機ととらえたい」とコメントしました。処

分は表面的な事象であり、底流にあるもの、問題の根っ

この部分を経営者が的確にとらえ、腰を据えて対処して

ほしいという期待を述べたものです。

自由化を境に、損保会社を巡る経営環境は監督官庁

や業界他社への目配りが大切だった状況から、真の消

費者保護が重要な経営課題、競争力の源泉となる環

境へと大きく変わりました。自由化後のさまざまなスタン

ダードが定まらない今、これからの時代にあった経営の

確実な実行にまず必要なのは、経営の軸をしっかりと再

構築することと企業風土の改革だと考えます。

改革の真価が問われるのはこれからです。説明責任を果たしながら、軸のぶれない経営を。

柿元竜二 氏

証券アナリスト]クレディ・スイス証券株式会社 株式調査部 ディレクター社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員

しかし、こうした経営の改革は1年で変化があるもので

はなく、実効性のある施策を5年、10年と続けることで初

めて成果が現れるものだと思います。

だからこそ、投資家、特に中長期的な投資を志向する

投資家の理解・支援を得るには、会社としての問題意識、

中長期のビジョンと戦略、そして意気込みを経営陣が自

分の言葉で訴え、納得してもらうなどの絶え間ない努力

が求められます。私たち投資家サイドに対しては、会社が

どのような覚悟を持って、具体的にどのように手を打ち、

変わろうとしているのか、より強く訴えてほしいと思います。

これからの企業経営では、さまざまなステークホル

ダーとの円滑なコミュニケーションが一層大切になりま

す。相手がお客さまであっても投資家であっても、相手を

知ること、相手の立場に立って、その期待や意図を的確に

くみ取ることが不可欠であることに変わりありません。

「CSRレポート小冊子版」発行お寄せいただいたさまざまなステークホルダーの声を受けて、当社がどのような改善取組み

を行っているかをお伝えするため、CSRレポートの小冊子版(全12ページ)を作成しました。より多くの方に読んでいただけるよう、実際に寄せられた声に対して当社が回答する構成とし、わかりやすく、簡潔に取組み内容を説明しています。

ご希望の方は、当社CSR推進室( P1 お問合せ先)までご請求ください。

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17

当社は、すべてのステークホルダーから信頼され、高く評価される保険・金融グループとなるため、経営の透明性・健全性を高める取組みを行っています。

三井住友海上の経営マネジメント体制

コーポレート・ガバナンスの体制図

マネジメント体制

三井住友海上の経営

選任・監督

経営会議会長、社長、副社長執行役員、専務執行役員、常務執行役員(本社部門担当)

業務執行

報告

監査

株主総会

選任

監査役会

監査役

社内監査役(常勤) :2 名社外監査役(非常勤):3 名

会計監査人

課題別委員会

●CSR委員会●ブランド委員会●リスク管理委員会● 情報開示委員会 他

グループ事業戦略会議

(含むグループ会社役員)

お客さま基点推進諮問会議

(含む社外委員)

選任報告 選任報告 選任提言

業務監査部(審査室)

[内部監査部門]

監査

報告

選任 選任

報告

監査

◆企業品質管理部業務運営体制全般の適切性について、外部専門家の意見も踏まえて検証し、改善策を策定します。検証内容については監査委員会に報告します( P21)。

◆お客さまの声担当部苦情を含むお客さまの声を集約、一元的に管理・分析し、業務運営の改善策を策定します( P19 ~20)。

◆保険金支払業務審査部(支払審査会)保険金支払業務の適切性を監視・検証します。支払審査会では、保険金をお支払いしない場合などの判断の適切性について審査を行います( P12)。

◆コンプライアンス部社員および代理店のコンプライアンスに関する施策・方針を企画・推進し、国内外における不祥事件および、そのおそれのある事案の調査・処理を一元管理します( P18)。

◆業務監査部(審査室)内部監査を実施します( P18)。審査室では、内部監査結果の内容を審査します。

◆監査委員会

業務監査部、企業品質管理部、コンプライアンス部などからの報告に基づき、社外取締役を中心とする委員が業務運営全般の適切性を検証し、取締役会に報告します( P18)。

経営の透明性、健全性を高めるために、200� 年度新設・改編した組織

取締役会取締役:13 名

(うち社外取締役:4 名)

経営意思決定・監督

人事委員会

報酬委員会

監査委員会

執行役員:35 名(含む取締役兼務者)

国内部支店 海外部支店 本社各部

◆お客さま基点 推進諮問会議

お客さまの声担当部に集約されたお客さまの声を分析し、お客さま保護、お客さまの利便性向上に向けた諸施策について取締役会へ提言します

( P15、18、19)。

Page 19: CSR Report 2007CSR Report 2007 企業品質向上への歩み 09133 30,000 2007.9 (新) 62 読者の皆さまへ 当社グループは、2004年10月に「三井住友海上グループ行動憲章」を公表し、

1�

迅速な意思決定と適切なモニタリングを両立させるため、

執行役員制度を導入するとともに、社外取締役を選任してい

ます。これにより、グループ全体の経営重要事項の決定およ

び監督を担う「取締役(会)」と、執行責任を負う「執行役員」

との役割分担の明確化およびその機能強化を図っています。

コーポレート・ガバナンス体制

2006年8月に、取締役会の内部委員会として、委員の

過半数を社外取締役とする「監査委員会」を新設するこ

とに加え、既存の「人事委員会」および「報酬委員会」に

ついても委員の過半数を社外取締役としました。2007

年6月には社外取締役を4名に増員しました。これらによ

り経営の監視・監督機能を強化するとともに、積極的な

情報開示などを通じて経営の透明性を高めるなど、ガ

バナンスの向上に取り組んでいます。

また、2006年10月に、取締役会の諮問機関として、社

外委員を含む「お客さま基点推進諮問会議」を設置しま

した。2006年度は3回開催し、お客さまの保護や利便性

向上に向けたさまざまな施策を取締役会に提言しました。

社外の視点によるチェック

業務監査部の監査要員を大幅に増員するとともに、部

内に「審査室」を設置し監査結果の内容を審査するなど、

質の高い内部監査を実施するための体制を強化しました。

内部監査の実施にあたっては、内部監査マニュアルを見

直し、監査内容を拡充しました。なお、マニュアルの見直しに

は外部コンサルタントなど、社外の目で検証しました。

また、海外拠点に対しても本社の業務監査部による監

査を強化すると同時に、本社への報告ルール(苦情を含

む)を新たに導入し、本社によるヒアリングを実施するなど、

本社によるモニタリングを強化しました。

内部監査体制の強化

バランスの取れたCSRの推進や活動のレベルアップ

のため、会長を委員長、関係役員および本社関連部長

をメンバーとする「CSR委員会」を設置し、活動の定着を

図っています。

CSR専任部署として経営企画部内に「CSR推進室」を

設置し、専任の室長・スタッフに加え、お客さまの声担当部・

人事部・総務部・広報部・コンプライアンス部からの兼務者

が、部門横断の取組みを企画、実施しています。

また、グループ全体で品質の向上に取り組み、積極的に

CSR推進体制

情報を発信してコーポレートブランドをつくり上げていきます。

2007年6月には「ブランド委員会」を設置し、社外に向けた

コミュニケーションを中心に検討しています。

社内コミュニケーションは、2006年度に「ニューチャレ

ンジ10」策定のために立ち上げた「つくるかわるプロジェク

ト」での「職場ミーティング」や「経営ミーティング」などを通

じて進めてきました( P13)。2007年度も同様の枠組み

で「ニューチャレンジ10」の定着を進めていく上での課題

を探り、解決策を検討しています。

当社は「三井住友海上グループ行動憲章」に基づく「コン

プライアンス・マニュアル」を策定し、法令や法令等に違反

する行為を解説し、法令等に違反する行為を発見した場

合の報告方法を全社員に周知徹底しています。

また、コンプライアンスの推進体制や教育研修などに

関する全社的な実践計画として、「コンプライアンス・プログ

ラム」を年度ごとに策定しています。

コンプライアンスの推進

海外も含めたコンプライアンス事項を一元的に管理す

る「コンプライアンス部」を設置し、迅速かつ的確にさまざ

まな施策を決定・実行できる体制としています。また、全

国の主な拠点に地域コンプライアンス部長を配置し、担

当するブロック本部におけるコンプライアンスの徹底およ

び法令等違反対応、再発防止策の策定など、必要に応じ

関係部支店長に対して指示を行っています。

なお、コンプライアンス部の業務運営の適切性は、「監

査委員会」が検証し、取締役会に報告しています。

推進体制

法令違反や事務手続ミスを防止・是正する目的で、営業

部門・事故対応サービス部門で自主点検を実施しています。

コンプライアンス部が全国の拠点の自主点検結果とその

改善状況をモニタリングし、改善指導を行っています。

また、代理店・社員を対象に「コンプライアンス研修」を実

施し、お客さまに対する責任をしっかり果たしていく意識の

浸透を図っています。同時に、コンプライアンスの取組みを

確実なものにするため、組織や社員個人の評価制度にお

いてコンプライアンスに関する評価割合を上げ、コンプライ

アンスを重視した基準に改定しました。さらに、法令等に違

反した社員・代理店の処分を厳格に実施し、法令等違反

に対する牽制を強化しました。

主な取組み

マネジメント体制

三井住友海上の経営

Page 20: CSR Report 2007CSR Report 2007 企業品質向上への歩み 09133 30,000 2007.9 (新) 62 読者の皆さまへ 当社グループは、2004年10月に「三井住友海上グループ行動憲章」を公表し、

19

お客さまが「当たり前」と感じている商品やサービスの実現に、最優先で取り組んでいます。その第一歩は、お客さまをはじめ、多くの方々からのご意見をしっかり受け止め、その一つひとつを業務にきちんと反映させることだと考えています。

お客さまへの責任社会から信頼される会社として

お客さまからの問合せや相談を受け付ける「お客さまデ

スク」に加え、保険金支払に関する相談を受け付ける「支

払相談室」を2006年9月に設置しました。年間26万件の

各種相談・苦情対応を行うとともに、お客さまの声を迅速

かつ確実に経営および関係各部に報告しています。

また、商品販売時および保険金支払時に、お客さまを

対象としたアンケート調査を実施し、業務が適切に行われ

たかどうかを検証しています。

お客さまの声の中で、不満足の表明のあったものを「苦

情」とし、受け付けた社員がイントラネット上の苦情データ

ベースに登録することをルールとしています。また苦情は、

お客さまからの信頼を確保し、さらなる品質向上を実現す

2006年9月に新設した「お客さまの声担当部」では、電

話やアンケートなどを通じて日々寄せられるお客さまの

声を一元的に管理・分析し、課題の抽出を行い、関係各

部に提言しています。

お客さまの視点からご意見をいただく社外専門家とのス

テークホルダー・ミーティングを「お客さま基点推進諮問会

議」として2カ月に一度開催しています。この会議では、消費

者問題や保険の社外専門家3名を委員に迎え、「お客さま

の声担当部」が集約した「苦情などのお客さまの声」をベー

スに、お客さま保護、お客さまの利便性向上に向けたさま

ざまな改善策について協議し、取締役会に提言しています。

るために重要な情報と考えて積極的に収集しており、単に

件数の削減や撲滅を第一の目的にはしていません。

社会から信頼される会社として

お客さまへの責任

苦情データベースの構築

お客さまの声担当部」による改善提案

お客さま基点推進諮問会議」の定例開催 

◆お客さまの声を活かす仕組み

支払相談室

お客さまデスク

代理店

営業課支社損害サービスセンター

お客さまの声をお聞きする窓口(苦情受付部門) 課

題抽出・改善策提言

お客さま基点推進諮問会議

本社各部門

報告

経営

指示

報告

改善策提言

改善策の検討・実行

お客さまの声の集約・一元管理・分析

社員による提言

苦情データベース

お客さまアンケート(保険証券に同封)

お客さまの声担当部

グループ会社

お客さまの声

お客さまの声を活かすために

お客さまの声を聞く仕組み

Page 21: CSR Report 2007CSR Report 2007 企業品質向上への歩み 09133 30,000 2007.9 (新) 62 読者の皆さまへ 当社グループは、2004年10月に「三井住友海上グループ行動憲章」を公表し、

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

05 06

9,592

22,037

苦情分析(全体)

契約・募集行為18.6%

契約の管理・保全・集金24.9%

保険金支払34.8%

お客さま情報の管理1.0%

その他20.7%

(年度)

(件)

20

お客さまの声担当部」より

変わったね」と言われるように苦情対応体制を強化するために、2007年6月、「三井

住友海上グループ苦情対応基本方針」を改定し、社長が

社内外に表明しました。あわせて、詳細事項を規定した

「苦情対応マネジメントシステム基本規程」を新たに策

定しました。

新たな基本方針には、保険事業だけではなく、グループ

5大事業を対象にすることを明記し、「経営理念」、「行

動憲章」、「ニューチャレンジ10」を踏まえた内容としまし

た。また、「最高責任者(取締役社長)」「苦情対応管理

責任者(お客さまの声担当部担当役員)」を置くこと、苦

情対応に関するPDCAサイクル(Plan計画、Do実践、

Check監査、Act是正)を適切に運用することなどを

定めています。

当社およびきらめき生命社は、国際規格「ISO10002」

(品質マネジメント-顧客満足-組織における苦情対応

のための指針)に適合した苦情対応マネジメントシステム

を構築し、適切な運用を行っていることを、2007年7月1

日付けで、保険業界で初めて宣言しました。

今後も、苦情を含むお客さまからの声を、業務改善に

活かし、「お客さま満足度の向上」のための取組みを推進

していきます。

ー苦情対応マネジメントシステムの適切な運用ー

2 0 0 6 年度は 、苦 情件 数が2 2 ,0 37件(前年度 比

230%)と大幅に増加しました。苦情の内容は保険金支

払に関するものが7,668件で、全体の35%を占めました。

件数の大幅増は、行政処分の影響もありますが、「苦情

対応基本方針」に基づき、全社員が苦情を確実に受け付

け、苦情データベースに登録したことにもよります。

◆苦情登録件数の推移と内訳

COLUMN

2006年の行政処分を機に、苦情対応のさらなる強化のために組織体制を整えました。また、社員一人ひとりが、お客さまの声をきちんとお聞きし、より良い仕事につなげていく取組みが、少しずつ根付いてきました。その結果が、

「ISO10002」の自己適合宣言につながったと考えています。しかし、当社がどのように変わったのか、また、変わろうとして

いるのか、お客さまには、まだまだ伝わっていないと思います。「お客さまの声が活かされて

いる」と社員が実感でき、また、お客さまから「変わったね」というお言葉をいただけるよう、一層努力していきたいと思います。

お客さまの声担当部

課長 中園 茂樹

社会から信頼される会社として

お客さまへの責任

お客さまの声からの改善例

苦情対応基本方針

ISO10002に関する自己適合宣言

苦情件数の増加

保険金支払について

お客さま

事故の時に、自分の契約では、どのような補償が受けられるのか案内してほしい。

当社

2007年2月から、事故のご報告をいただいたら、お客さまの契約内容と事故の状況に応じてお支払いできる可能性のある保険金を、書類などでご案内することとしました。

お客さま

保険金が支払われない場合など、自分にとって不利な情報を的確に伝えてほしい。

当社

「重要事項のご説明」を、お客さまにとって不利な情報をクローズアップするなど、よりわかりやすく読みやすいものに改定しました( P22)。

お客さま

証券がほかの郵便物にまぎれないよう証券封筒のデザインを見直してほしい。

当社

お客さまの目に留まるように、証券封筒のデザインを変更しました。

販売について

事務手続きについて

「苦情対応基本方針」の概要

苦情対応体制の強化

Page 22: CSR Report 2007CSR Report 2007 企業品質向上への歩み 09133 30,000 2007.9 (新) 62 読者の皆さまへ 当社グループは、2004年10月に「三井住友海上グループ行動憲章」を公表し、

21

新しい保険商品を開発する際には、適正な販売や保

険金支払を行うための判断基準や手続きなども含めて

十分検討し、販売ツールや規定・マニュアル類を整備して

社員や代理店に十分な教育を実施することが必要です。

このため社内ルールを改定し、商品開発体制の見直しを

行いました。

「商品開発方針」、「商品開発管理規程」を改定し、開

発から、販売を経て、販売後のモニタリングまでの各工

程で、開発部門や事故対応サービス部門、事務・システ

ム部門など関連部門が連携することをルール化しまし

た。また、2006年に設置した「企業品質管理部」が、商

品開発の各工程管理が適切に実施されているかを事

後検証し、必要に応じ、各部門に改善指示をする役割を

担っています。

また、広く個人のお客さまを対象とする商品について

は、販売の規模にかかわらず経営会議へ付議・報告す

ることとしました。

関連部門が連携した商品開発体制

◆ 個人向け

お客さまの声から変わったこと変わろうとしていること

商品開発の工程で、お客さまをはじめ、社員・代理店の

意見を反映させる体制も整えました。

お客さまの声

企業品質管理部が、お客さまからの苦情をモニタリン

グするとともに、契約手続き・商品内容などに関するお

客さまアンケートなどを実施し、商品開発に反映させ

ています。

代理店の声

商品開発時にお客さまのニーズを探ったり、効果的な販

売ツールを作成するための代理店商品モニター制度を

設けていますが、その数を46から114に増やしました。

社員の声

社員がお客さまや代理店の声を踏まえたさまざまな

改善提案をイントラネット上の掲示板に投稿しています。

各々の投稿は、商品開発部門が商品や販売ツールの

改定などに活かしています。

社内外の意見を取り入れる仕組み

自動車保険や火災保険・傷害保険など種目別の商

品開発部門を統括する組織として「商品本部」を設置し、

2006年度から「商品イノベーション」を展開しています。

商品イノベーション

保険商品の品揃えを刷新

2007年度から、お客さまのニーズにお応えできる必要

な機能は残しながら、商品数の削減を含む、商品構成

の見直しを進めています。

保険の用語を「わかりやすい言葉」に刷新

お客さまにわかりにくかった言葉遣いをパンフレットや申込

書などから順次あらためています。

◆ 例

契約時にお客さまに契約内容をしっかり説明し、十分

理解いただいた上で契約していただくため、2007年4月

から契約内容の確認・点検を行っています( P11)。また、

販売時に必要な業務を代理店が確実に実行する運動

をスタートしています( P29)。

適切な契約手続きのために

一生涯補償の終身医療保険は、販売時に商品内容を

十分にご理解いただき、適正な健康状況告知をお客さま

に行っていただくことがより重要となります。このため、当社

独自の「終身医療販売資格」を取得した募集人のみが販

売することとしました。

お客さまへの責任

終身医療保険の販売

▶ 保険商品の適切な販売については、P11をご覧ください。

「契約の条件が複雑」というお客さまの声や、「お客さま

へ説明しにくい」という代理店の声を受け、お客さまにわか

りやすく、社員や代理店が説明しやすい商品を開発してい

ます。また、事務ルールや手続きの効率化を行い、品質・

利便性の向上を支える新しいシステムの構築も進めます。

社会から信頼される会社として

商品数 15

特約数 約700

68

約1,400

2008年度末2006年度

契約の異動 契約内容の変更変更

保険の目的 保険の対象変更

担保する 補償する変更

Page 23: CSR Report 2007CSR Report 2007 企業品質向上への歩み 09133 30,000 2007.9 (新) 62 読者の皆さまへ 当社グループは、2004年10月に「三井住友海上グループ行動憲章」を公表し、

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「保険に関する書類はわかりにくい、見づらい」というお

客さまの声を受け、わかりやすいパンフレット、申込書、説

明資料などをつくる工夫をしています。

特に、販売時にお客さまへわかりやすく、適切に重要事

項を説明する書類は、消費者問題に関する専門家のアド

バイスや一般消費者インタビューなどを踏まえ、イラストや

表を用い、ご注意いただきたい点を明確にするなど改善

を図りました。また、お客さま向け文書を作成する担当者

を対象に、社外講師を招いた勉強会も開催しています。

◆「重要事項のご説明」一部抜粋

保険料をお支払いいただく際に、クレジットカード払いや

コンビニ払いなどを、今まで以上に簡単にご利用いた

だける仕組みを2008年度から導入する予定です。

2008年度から、カスタマーセンターにおけるお客さま

からの「契約内容の変更」の受付時間の拡大など、体制

を拡充する予定です。

お客さまの立場にたった事故対応サービス

お客さまとの接点を大切にし、お客さまの立場に立った

事故対応サービスにより「信頼され」「選ばれる」保険会社

を目指し、「グッドジョブ運動」に取り組んでいます。

お客さま応対研修

事故対応サービス部門の全担当者を対象に、お客さま

応対力を高めるための研修を実施しています。事故に

遭って戸惑っているお客さまにご安心いただける応対

力、事故時の状況を正確にお聞きする能力、お支払い

する保険金をわかりやすく説明する能力などの向上を

図っています。

 また、毎年お客さま応対ロールプレイング大会を開催

し、全国の代表者がお互いのコミュニケーションスキル

を競い、お客さまにご安心いただけるサービスの向上

に努めています。

事故対応サービス部門社員の相互交流

事故対応サービス部門社員が一定期間、所属以外の職

場で勤務する制度をスタートしました。事故対応サービス

におけるさまざまな情報やノウハウを共有し、サービスレ

ベルの向上に努めています。2006年度は50名の社員

がこの制度を利用しました。

お客さまの声を広く事故対応サービスに活かすため、

保険金のお支払いの際にお客さまアンケートを送付し、

当社の事故対応サービスにご満足いただけたか、保険

金支払に関するご説明はわかりやすかったかなどを確

認しています。▶ 保険金を適切にお支払いする体制については、P12をご覧ください。

COLUMN

キャンペーンステッカー

お客さまへの責任

わかりやすい書類

お客さまの利便性の向上に向けて

グッドジョブ運動

お客さまアンケートの実施

研修の様子

事故防止のために

交通安全の取組み

交通事故防止活動として、「しっかり止まって、はっきり確認」の実践を専用のステッカーやポスターで呼びかけ、広く社会に浸透させていく「I(アイ)・ストップキャンペーン」を展開しています。

また、交通安全講習会を開催したり、飲酒運転撲滅をテーマにした映画を上映するなど、全国各地で交通安全の取組みを行っています。

社会から信頼される会社として

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当社グループの事業概況や戦略を迅速・正確・公平にお伝えすることを基本とし、株主・投資家の皆さまの信頼と期待に応えられるよう、積極的にIR活動を展開しています。また、対話を通じていただいたご意見を企業品質の向上に役立てています。

株主への責任

株主や投資家の皆さまとの対話を大切に

当社では、経営陣が自ら株主・投資家の皆さまと接する

機会(会社説明会、個別ミーティング)をできる限り多く持ち、

当社グループの事業概況や戦略を説明するとともに、皆

さまの疑問に答え、ご意見をうかがう活動を行っています。

経営陣による積極的なIR活動の展開

2006年度決算で配当を1円増配し、年間14円としまし

た。今後とも増配基調を堅持するとともに、自社株取得の

取組みも継続し、株主の皆さまのご期待に応えられるよう

努めていきます。

株主の皆さまへの利益還元

効果的な説明会・個別ミーティングの運営

開示する会社情報を、さらに充実

2006年度は名古屋および東京で個人投資家説明会

を開催するなど、個人投資家の皆さまに向けての取組み

を強化しています。今後さらに説明会の回数を増やすとと

もに、開催地域も大都市に偏ることなく、より多くの皆さま

に当社グループの事業概況や戦略をご理解いただけるよ

う努めていきます。

また、例年12月に実施している個人株主アンケートで

いただいた貴重なご意見は、経営に活かしています。

個人投資家向けIR活動の推進

株主への責任

社会から信頼される会社として

毎年説明会での開示資料や運営方法について、株主・

投資家アナリストの方々のご意見を聞きながら、これらを

反映させるよう工夫しています。

2006年度は決算発表と同時に、アナリストの方々から

開示要請の多いデータを抽出してホームページに開示、

説明会資料にも掲載するようあらためました。

2007年度は中期経営計画「ニューチャレンジ10」のコ

ンセプトを説明するビデオ*を製作し、それぞれの機会にご

理解を深めていただきました。*ビデオは、当社ホームページからご覧いただけます。

当社ホームページ>株主・投資家の皆さま>IRイベント>決算 説明会>インフォメーションミーティング2007.6.1)ニューチャレンジ

10 MOVIE

利用者の利便性向上を目的とし、2006年度、IRサイトの

コンテンツを刷新しました。 新たに個人投資家向けの独立

したサイトを新設したほか、過去5年間の財務指標をエクセ

ル形式でダウンロードいただけるようにするなど、データを

活用いただく場合の利便性も向上させました。

新サイトは、大和IR社*が選ぶ「2006年度インターネット

IR・ベスト企業賞」を、保険業界で唯一受賞しました。

*大和IR社:大和インベスター・リレーションズ株式会社

ホームページのコンテンツを大幅刷新

個人投資家説明会の様子

社会から信頼される会社として

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社会から信頼される会社として

地球環境問題は全人類共通の課題です。この美しい地球を次の世代に引き継いでいくため、私たちは、本業を通じて、日々 の業務の中で、そして社会との共生を基本として地球環境のためにできることを「三井住友海上グループ環境方針」に従い、一つひとつ実行していきます。

環境への責任

三井住友海上グループ環境方針私たちは、地球環境問題を経営の重要課題と認識して、

2001年10月の会社創立と同時に「三井住友海上グループ

環境方針」を制定し、四つの行動指針に沿って、グループ

をあげて取り組んでいます。

三井住友海上グループ環境方針

基 本 理 念三井住友海上及びグループ各社は「保険・金融サービス事業を通じて世界に安心と安全を届け、豊かな社会づくりに貢献します」という経営理念に基づき、企業活動を通じて地球環境の保全と改善に努力し、下記の行動指針に沿って着実かつ持続可能な取組を推進していきます。

行 動 指 針❶保険・金融サービス事業を通じた地球環境保護❷事業活動に伴い発生する環境負荷の軽減❸環境マネジメントシステムの推進❹環境啓発活動を通じた社会との共生

本環境方針は、グループ会社を含む全役職員に周知徹底するとともに、一般に開示します。

           2001年10月1日制定

異常気象の頻度の増加を招くなど地球環境に多大な影

響を与える地球温暖化の問題、各地域の人々や動植物の

生活環境を破壊する環境汚染の問題、ダイオキシン類の

発生や不法投棄などを招く廃棄物処理の問題など、さまざ

まな環境問題が発生しています。

当社は、各々の環境問題で発生する経済的損失を補て

んする商品やリスクコンサルティングの提供、地球環境の

保全・改善に有効な取組みに対する保険料割引制度や

金融商品の提供、取組みの普及支援体制の推進など本

業を通じた取組みを行っています。

環境への責任

本業を通じて

当社グループの全社員が環境意識向上のための環境

教育を受講し、環境関係の法令を遵守した活動を行って

います。また、私たちの事業活動で使用する電気やガソリ

ンなどから発生するCO2(二酸化炭素)を減らす活動や、

私たちにとって一番身近で重要な資源である紙を大切に

使うこと、廃棄物削減のためのリサイクルの取組みなどを

日々の業務の中で実行しています。

日々の業務の中で

私たちは、駿河台ビルの緑地を通じた地域の方々への

貢献、環境セミナーや市民環境講座の開催を通じた一

般の方 と々の環境意識の共有、また、インドネシアにおける

「熱帯林の再生プロジェクト」の実施など、常に社会との

共生を意識した環境活動を行っています。

社会との共生

私たちは地球環境のためにでき

ることを着実に実行していくために、

国際規格であるISO14001の環境

マネジメントシステムを導入していま

す。2007年3月現在ではグループ

会社14社を含め国内全拠点(346

拠点)でISOの認証を取得しました。

当社グループの環境マネジメント

システムの特徴は、全社員が共通して取り組める活動(主

に省エネ・省資源活動)と本社部門による環境対応商品

の開発などの本業を通じた活動の二つの柱で行っており、

ISOの外部審査機関からも高い評価を得ています。

環境マネジメントシステムの推進

国際的な連携私たちは、1995年にUNEP(国連環境計画)における

「保険業界環境声明」の起草にかかわり、世界の保険会社の取組みをたえずリードするなど、国際的な環境団体と連携をとりながらグローバルな活動を進めています。

社会から信頼される会社として

取組みの概要

ISO14001登録証

Page 26: CSR Report 2007CSR Report 2007 企業品質向上への歩み 09133 30,000 2007.9 (新) 62 読者の皆さまへ 当社グループは、2004年10月に「三井住友海上グループ行動憲章」を公表し、

三井住友海上グループ環境活動の木当社グループの環境への取組みを1本の木に表しました。

緑豊かな枝を広げていくために、環境マネジメントシステムを推進し、

さまざまな環境活動に一つひとつ着実に取り組んでいます。

熱帯林の再生プロジェクト

廃棄物削減対策

・自動車修理時のリサイクル部品の活用

・車両超過修理費用特約・廃棄費用を自動付帯

とした「サポートワン」

環境汚染防止対策

・「エコ車検・エコ整備」の普及・環境リスクコンサルティング

の提供・土壌汚染浄化費用保険

地球温暖化対策

・内航船舶総合保険・「エコアクション21」

認証取得支援・エコカー割引・エコファンド「海と空」

社会との共生

本業を通じて

*環境目標、達成状況など環境活動の詳細は当社ホームページ(http://www.ms-ins.com/csr/eco/index.html)をご覧ください。

25

社会から信頼される会社として

環境への責任

♦ モニタリング活動を通じて、  生物多様性への貢献度を調査していきます。

不法伐採により荒地となっていた「パリヤン野生動物保護林」を修復・再生する取組みを、インドネシア政府と共同で2005年4月から開始しました。果樹なども栽培することにより地元への経済的支援も行い、地元の方と共存できる「森林の再生」を目指して、これまでに19万本、209ヘクタールを植林しました。

この「森林の再生」の回復度を科学的に把握するために、動植物種の生息調査・研究を現地のガジャマダ大学に委託し、生物多様性の面からプロジェクトの評価を行っています。

熱帯林の再生プロジェクト

地球温暖化対策として

♦ 「内航船舶総合保険」 環境に配慮した商品設計

海運業界の環境取組みを側面から支援するため、「スーパーエコシップ」など環境に配慮した船舶については、船主責任保険における免責金額を優遇する引き受け方式とし、2006年4月から販売しています。2006年度実績は全内航船舶契約の35%でした。

♦ 「エコアクション21」の認証取得を支援

「エコアクション21」は、環境にやさしいだけでなく、信頼性が向上し、経営の効率化が図れる点でも大いに注目されている簡易版環境ISOです。「アドバンスクラブ」(当社代理店である優良整備会社 組 織 P3 1)では 、現在 5 2 会員が 認 証 取得に向けて取り組んでいます。2006年度は、合計112回におよぶ環境関連のセミナーを開催して、認証取得活動を支援しました。

廃棄物削減対策として

♦ 自動車の修理時におけるリサイクル部品の活用

自動車の修理時には、お客さまの意向を確認して、修理が可能な損傷部品は修理補修をおすすめしたり、リサイクル部品を活用するなど、環境にやさしい修理の普及に取り組んでいます。2006年度のリサイクル部品使用率は3.5%になりました。

環境汚染防止対策として

♦ 環境にやさしい「エコ車検・エコ整備」の普及

「エコ車検・エコ整備」は、自動車の有害ガス排出を抑制し、また燃費改善により地球温暖化の原因となるCO2を削減する環境配慮型の整備技術です。当社では、「アドバンスクラブ」を通じて、「エコ車検・エコ整備」の普及に努めています。

以前はオナガザルが生息する豊かな熱帯林であったインドネシア「パリヤン野生動物保護林」

  本業を通じて

  社会との共生

2006年5月のジャワ島中部地震では、発生後すぐに、植林地周辺の子ども

たちが瓦礫でけがをしないで通学できるように、「靴」を贈りました。また、各国の

社員と会社からの義援金約1,000万円を贈り、地域との絆を深めました。小学校に靴を贈呈

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廃棄物の適正処理

UNEPへの参画

環境セミナーの開催

駿河台ビルの屋上庭園

環境教育

日々の業務の中で

環境負荷の低減

2�

環境負荷の低減

社会から信頼される会社として

環境への責任

♦ CO2排出量を着実に削減しています。

2006年度は、適切な契約業務を促進するための新たな説明用紙などを作成したことにより、紙使用量は増加しましたが、電気・ガソリン使用量は大幅に削減し、CO2排出量を減らすことができました。

なお、紙使用量は今後も増加が見込まれますが、印刷物の電子化などの削減取組みを一層強化していく予定です。

駿河台ビルの屋上庭園

都会ではめずらしいハヤブサなども観察されています

地域のコミュニケーションの場になっています

駿河台ビルの緑地に関連したテーマで、市民環境講座やエコプロダクツ展(国内最大級の環境総合展示会)でのセミナー、夏休み親子環境教室などの開催を通じて、都市における「緑の効用」を一般の方々に提唱しています。

環境セミナーの開催

♦ 近隣の方々とともに、「緑」を通じて  より豊かな地域づくりに取り組んでいます。

駿河台ビルは敷地面積の約43%に当たる5,200㎡を緑化しています。低層部の屋上には平均1mの盛土を行い、ヤマモモなどの常緑樹を中心に約130種類の植物が植えられ、神田駿河台地区の景観を高めた「都会のオアシス」として近隣の方々に貢献しています。

また、20区画ある菜園コーナーを近隣の方々に無料で貸し出し、苗や収穫した野菜の交換や育て方などのコミュニケーションの場となっています。

  日々の業務の中で♦主な環境負荷とその推移

電気77,832,376kWh

ガス2,724,398㎥

重油12,143ℓ

ガソリン4,868,065ℓ

熱供給78,944,890MJ

紙8,183t

水道199,992㎥

エネルギー

電気使用量(万kWh)

04 05 06 07目標

8,429 8,214

7,783 7,7835,000 ー

ガソリン使用量(kℓ)

04 05 06 07目標

5,5515,121

4,868 4,7223,000 ー

紙使用量(t)

04 05 06 07目標

6,188 6,061

8,183

9,400

5,000 ー

総CO2排出量推移● 総CO2排出量は、1名当たりのCO2排出量

を基に、グループ全社員数を乗算して算出。● CO2排出係数は、2005年「東京都地球温

暖化対策計画書」で指定された係数を使用。● 電気は、主要4ビル(新川・駿河台・千葉

ニュータウン・八王子)は使用実績値、他のビルは電気料金の支払額を1kWh=18円(平均的な電力単価)として算出。

● ガソリンは、支払額を全国平均小売価格を参考に使用量を算出。ガソリン代の把握できない社有車は平均使用量を使用。

2006年度の主な低減取組み

●省エネ計画を自社ビル(52ビル)ごとに作成し、階段照明に人感センサーを設置したり、省エネ効果のあるインバーター型空調機を導入し、電気使用量を約5%削減しました。

●社有車を低燃費・低排出ガス車に積極的に切り替え、導入率は90%を超えました。ガソリン使用量は対前年度比5%削減しました。

●新川ビルと駿河台ビルで、ゼロエミッションの達成(廃棄物の最終処分量を0にする)を目指し、廃棄物のリサイクル率は、90%超を達成しました。

(ton-CO2)

04 05 06

57,40855,233

53,273

50,000 ー

環境教育の実施

2006年度は、19,028人の社員・派遣社員・パート社員が環境教育を受講しました。また、環境内部監査での社員とのインタビュー(約400人)を通じて、一人ひとりの環境への意識向上を図りました。

(年度)

2006年度CO2排出の主な原因

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社会から必要とされる存在になるために

会社として、一人の人間として、社会の課題に気付き解決へ向けた活動に参加する。それは会社の社会的責任であるとともに、そこにかかわる社員一人ひとりが、

「他者を思いやる心」の持ち主になっていく大切な機会だと考えています。

地域社会・国際社会への責任

会社」主体の社会貢献活動の推進

当社グループでは、社会貢献方針に「会社としての活動

の推進」と「社員・代理店主体の活動の支援」の二つを掲

げて取り組んでいます。

会社としての社会貢献活動としては、事業を通じた活動

と事業外での活動の双方に取り組んでいますが、事業を

通じた活動は現在、福祉車両割引などの自動車保険料

の割引や海外への損害保険の技術支援などに限られて

おり、今後、特に取組みを強化したい領域です。

一方、社員主体の社会貢献活動は、社内に順調に定着

しつつあります。社員一人ひとりが地域社会のニーズに合

わせた活動に主体的に取り組むことは、当社が地域社会

との信頼関係を築く上での大切なステップです。また、経

験を積みつつ仕事に臨むことで、事業を通じた社会貢献

活動のヒントを得るチャンスを広げられると考えています。

ASEAN諸国に損害保険の技術支援

平和公園樹木いきいきボランティア(広島支店)

雲仙・普賢の森植林ボランティア(長崎支店)

三井住友海上グループ社会貢献活動方針

三井住友海上グループは、グループ行動憲章に則り、地域社会・国際社会の一員として、その持続的発展に貢献するとともに、社員ならびに代理店の社会貢献活動を支援します。

❶「会社」主体の社会貢献活動の推進

常に地域社会・国際社会との接点を意識し、社会の発展に寄与します。

❷「社員」「代理店」主体の社会貢献活動の支援

社員ならびに代理店の自主的な社会貢献活動を支援し、社会参加意識を持って行動する人財を増やすことにより、グッドカンパニーを目指します。

1954年にタイで営業免許を取得して以降、ASEAN

諸国の保険当局・協会を通じて当社が持つ保険の技

術・ノウハウを提供しています。2007年3月には、国際協

力機構(JICA)の研修委託機関として、カンボジア、ラオ

ス、ミャンマー3カ国の保険監督者を対象に、2週間にわ

たって損害保険の技術支援の研修を実施しました。

商品パンフレットの音声化

視 覚 障がい 者や高齢 者が、専

用読み取り装置「スピーチオ」で商

品パンフレットの内容を聞くことが

できる「SPコード」を導入していま

す。2006年度は、代理店会とともに、

「スピーチオ」と「SPコード」作成ソフ

トを各地の社会福祉協議会へ寄贈

しました。今後も商品パンフレットの

音声化に一層取り組んでいきます。

地域社会・国際社会への責任

ー事業を通じた社会貢献活動ー

社会から信頼される会社として

修了式の様子

当社ビル内のNPO喫茶で障がい者の雇用を創出

名古屋ビル1階において、1993年より知的障がい者や

聴覚障がい者を支援するNPO「スペイス・21」と喫茶「カ

フェ・アイリス」を協働で運営し、障がいのある方が働い

ています。当社が場所・備品・水道光熱費を無償提供し、

NPOは収益を活動資金としています。

ー事業外での社会貢献活動ー

社会から信頼される会社として

*「スピーチオ」、「SPコード」は(株)廣済堂の登録商標です。

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2�

2006年度は、全部支店の90.4%にあたる178部支店

が活動しました。社会活動サポーターが中心となり、地域

のニーズに沿った活動に取り組んでいます。

部支店で年に一つは社会貢献活動

社員」「代理店」主体の社会貢献活動の支援

福祉・文化・芸術・スポーツ支援豊かな社会づくりに貢献していくために、高齢者福祉

分野、文化・芸術活動にも取り組んでいます。

三井住友海上福祉財団 (1975年創立)

交通安全と高齢者福祉分野で普及啓発活動、研究助成http://www.ms-ins.com/welfare/index.htm

三井住友海上文化財団(1988年創立)

音楽・郷土芸能の分野で助成活動http://www.ms-ins.com/cultural

しらかわホール(1994年設立)

名古屋でクラシック音楽専用のホールを運営http://www.shirakawa-hall.com/toppage.html

研究助成・財団賞贈呈式

地域住民のためのコンサート

「仲道郁代 クラシックはじめの一歩」

上野雅恵選手 横澤由貴選手 土佐礼子選手 渋井陽子選手

「その汗は、きらめいている」がキャッチフレーズ

山内真由美選手(視覚障がい者柔道競技)

地域社会・国際社会への責任

制度・環境

部支店で1名、社会貢献活動の推進役を選任し、「部支店で年に一つは社会貢献活動」などの活動を推進しています。

チャリティー・クリスマスカードによる世界の子どもの支援活動

手編みのセーターを世界の子どもたちに贈るボランティア活動

各種制度・環境を整えています。

社会活動サポーター制度

「給与100円未満の端数+100円×任意口数」を、毎月社員有志が拠出、全国約100団体への助成(2006年度700万円)と社員のボランティア活動費に充てています。

社員による社会貢献活動団体 「スマイルハートクラブ」

上記「スマイルハートクラブ」のNPOへの助成金に、会社が同額を上乗せしています(2006年度700万円)。また、国内外の大規模災害について社員から集まった義援金に対し災害時義援金マッチングギフトとして会社が同額を上乗せしています(2006年度777万円)。

マッチングギフト制度

福祉、骨髄提供、環境美化、災害救援などの活動で年次有給休暇数を上限に有給休暇を申請できる(勤続1年以上)制度や、6カ月以上2年4カ月以内でボランティア諸活動を行う目的で休職を申請できる(勤続3年以上)制度を設けています。

ボランティア休暇・休職制度第一線で活躍する選手を育て、日本の柔道界・陸上界の強化・繁栄に役立ちたい、世界に貢献したい、との気持ちでスポーツの振興に取り組んでいます。

女子柔道・女子陸上競技選手の育成

障がいのある方のクオリティ・オブ・ライフ向上に役立つ活動をしたいと考え「障がい者スポーツに取り組むアスリート」を支援しています。

障がい者スポーツ支援(三井住友海上きらめき生命)

神奈川損害サービス部では、2006年11月に、歌や楽器、舞踊など、自分の特技を披露するチャリティーコンサートを開催、いじめのない社会に向けて活動するNPO法人に収益金を寄付しました。

地域安全パトロール札幌支店では、2006年秋から北海道警察本部へ登録した営業車両に「青色回転灯」を装備し、週に一回地域でパトロールを行っています。また全営業車両にステッカーを貼付し、安全な子どもの育成環境づくりに貢献しています。

チャリティーコンサート

社会から信頼される会社として

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ともに「お客さまから信頼される存在」に

ともに「お客さまから信頼される存在」となり、代理店の事業拡大を支援することが、代理店への責任と考えています。教育体制の充実、使いやすいシステムの開発、わかりやすい商品の開発など、多方面から代理店をサポートしていきます。

代理店には保険契約締結業務などを委託しており、代

理店は、契約の相談・手続、事故の受付など、お客さまと

当社をつなぐ重要な役割を担っています。

代理店が、今まで以上に「お客さまから信頼される存在」

になるため、あらゆる面で代理店をサポートしていきます。

すべての代理店が「保険の基本サイクル」を確実に実

行できることを目指し、2007年度から「品質向上運動」を

スタートさせました。

毎月発行している「品質向上レポート」を基に、販売プロ

セスの品質を計る各種指標*を確認し、代理店ごとの業務

品質向上に向けた具体策を打合せるなど、代理店と一体

になって品質向上に取り組んでいます。

品質向上運動

・お客さまのリスク、ニーズに合った

商品の提案、適切な商品説明の

実施

・お客さまのリスク、ニーズに合った

契約内容となっているかの確認

など

・正確な申込書の作成

・署名・捺印の確実な取付

・お客さまニーズに合った保険料支払

方法の案内 など

満期を迎えるすべての

お客さまに対する、

満期案内の確実な実施 など

お客さまからの通知

に従った確実な契約

内容の変更手続きの

実施 など

すべてのお客さまに対する

重要事項の確実な説明

など

ともに成長するパートナーとして

代理店への責任

ともに成長するパートナーとして

代理店への責任

◆ 代理店における保険の基本サイクル

*販売プロセスの品質を計る指標の例

・早期更改平均日数:

お客さまに早期に、確実に契約の満期を案内し、更改

活動を行っているかを表す指標

・申込書OK率:

申込内容に基づいた正確な申込書を作成できている

かを表す指標

事故発生事故速報

業務品質の向上をサポート当社と代理店が、お客さまからより深く信頼いただくた

めには、保険の販売にかかわるすべての段階において、

お客さまを基点に考え、行動することが重要です。当社で

は、保険の販売にかかわる一連の業務を「代理店におけ

る保険の基本サイクル(下図参照)」と位置付け、その着実

な実行を多方面からサポートしています。

お客さまからの通知

に従った確実な契約

内容の変更手続きの

・正確な申込書の作成

・署名・捺印の確実な取付

契約内容となっているかの確認

など

満期案内の確実な実施 など

代理店における保険の基本サイクル

商品説明・提案(見積)

勧誘・ニーズ確認

重要事項説明

意向確認契約維持・管理

満期案内・管理(更改)

契約締結・告知

収納

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CUPは、「保険販売」と「代理店経営」を柱に実践的な

メニューを揃えた学習プログラムです。保険販売に必要

な実務能力を身につけるため、内部事務、システム活用、

商品知識・マーケット開拓などに関するメニューを揃え、

各種講習やインターネット上で学習できるe-Learningシ

ステムを提供しています。また新たに代理店を始める事

業者などを対象にした「ベースプログラム」や、事業拡大を

目指す経営者向けの「プロ代理店経営者カレッジ」なども

実施しています。

代理店キャリアアッププログラム(CUP)

充実した研修・教育体制

代理店の声を聞き、活動へ活かしますお客さまにより良い商品・サービスを届けるためには、

日々、お客さまと接している代理店の声を聞くことが重要

です。当社では、代理店商品モニター制度や、提言BOXな

どの仕組みを使い、代理店の声を多くの改善につなげて

います。また、2006年11月には、全代理店を対象に「お客

さまにとってわかりやすい自動車保険について」をテー

マにアンケートを実施し、その意見を次期商品開発に活

かしています。◆MSA*商品モニター制度登録代理店数:114店(2007年3月末)◆MSA提言BOXの活用状況:110提言を受付(2006年10月以降)

*MSA( P31)

代理店がお客さまに選ばれる存在となるには、多様

なニーズに応えるための知識・ノウハウを蓄積し、代理店の

経営基盤を安定させることが重要です。当社では、代理店

のステージに合わせ、各種研修・学習支援を行っています。

「保険の基本サイクル」の各ステップについて、「お客さ

まの期待していること」や「お客さまに対する責任」をあら

ためて確認するために、集合研修方式で「保険の基本サ

イクル」研修を実施しています。

また、保険事業を行う上で必須となるコンプライアンス

については、常に最新の情報に基づいて学習してもらうた

めに、集合研修のほか「代理店MS1」( P31)を活用した

研修システムなどの環境も整備しています。

保険の基本サイクル」研修、コンプライアンス研修

独自の代理店格付け制度(業務ランク制度)を活用し、

代理店の事業拡大をサポートしています。新特級を筆頭

に5つのランクを設定し、格付け基準を明確にして制度を

運営することで、多くの代理店が上位ランク取得を目指し、

業務品質向上、事業拡大に取り組んでいます。

また保険専業代理店を対象とした「プロ新特級制度」

や、ディーラー代理店を対象とした「ディーラー特級制度」

など、代理店の特性に応じたきめ細かい格付け制度を

実施しています。◆新特級認定代理店数:1,213店(2007年3月末)

代理店格付け制度

ともに成長するパートナーとして

代理店への責任

全国に拠点を有する三井住友海上エイジェンシー・

サービスは、三井住友海上での営業経験が豊富なスタッ

フで構成された代理店教育の専門会社です。大型化・企

業化の実現に向けての踏み込んだアドバイスや代理店

経営診断・新特級格上げ支援、合併相談、代理店実務研

修などを行っています。◆拠点数:全国9拠点(2007年4月1日)

◆所属スタッフ数:143名(2007年8月1日)

三井住友海上エイジェンシー・サービスMSAS)

「インシュアランス・コンサルタント(ic)制度」は、新たに

代理店を目指す方を支援する制度で、損害保険・生命保

険販売についての専門知識と行動力・企画力を持った保

険専門代理店を育成することを目的としています。この制

度は一定期間(最長36カ月間)集中的に代理店としての

実践教育を行うもので、2007年3月現在450名が在籍し

ています。本制度を履修した方は、お客さまの信頼に応え

る優秀な代理店として全国各地で活躍しています。

ic制度(開業支援制度)

代理店研修の様子

Page 32: CSR Report 2007CSR Report 2007 企業品質向上への歩み 09133 30,000 2007.9 (新) 62 読者の皆さまへ 当社グループは、2004年10月に「三井住友海上グループ行動憲章」を公表し、

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IT技術で代理店の日常業務をサポート事業環境の変化が激しく、お客さまへの対応にもスピー

ドと正確性が求められる現在、IT技術の活用は代理店

業務を運営していく上で不可欠なインフラとなっています。

当社では業界最高水準のシステム開発力と支援体制に

より、代理店のIT活用をサポートしています。

代理店MS1とMS1メール

代理 店と当社を結ぶネットワークシステム「代理 店

MS1」は、約3万5千店が活用する業界最高水準のインフ

ラです。保険料の計算、申込書の作成、契約情報の入力・

管理、最新ニュースの配信などの機能を備え、代理店が

日常業務を効率的に行うためのシステム環境を整備して

います。さらに、申込書などの情報から作成した「お客さま

データベース」をもとに、お客さまニーズに合った保険商

品を提案できるマーケティング機能や、契約満期情報の

管理機能などにより、代理店のタイムリーで的確な提案を

サポートしています。

また「代理店MS1メール」は、代理店と当社の情報ネット

ワークとして活用されており、お客さま情報などを完全に

保護できるセキュリティシステムのもとで、迅速で確実なコ

ミュニケーションを実現しています。

安心おとどけ便

「安心おとどけ便」は、代理店からお客さまにダイレクトメー

ルやFAXなどを送付できるコミュニケーション支援ツールです。

代理店は、新商品の案内や保険に関する情報・ニュースを簡

単、かつタイムリーにお客さまに知らせることができます。「安

心おとどけ便」を活用することで、代理店とお客さまとのよりき

め細かいコミュニケーションが実現します。

◆導入代理店数:3,212店(2007年3月末)◆発信件数:155,222通(2007年3月末過去1年実績)

モバイルMS1決済端末

「口座振替のペーパーレス登録」「デビットカード決済」「ク

レジットカード決済」が可能な携帯端末です。代理店はモバ

イルMS1決済端末を活用することで、決済方法に関するお

客さまの多様なニーズに対応するとともに、キャッシュレスに

よる業務効率化が図れ、お客さまサービスに専念する時間

をつくり出すことができます。また、決済手続きが、その場で

迅速かつ確実に行われるので、これまで以上にお客さまの

信頼を得ることができます。

ともに成長するパートナーとして

代理店への責任

「安心おとどけ便」はがき

代理店間のコミュニケーションを支援します

明日をみつめ、活動を変革しようとする代理店が、一つ

の組織の中で相互に情報交換し切磋琢磨すれば、大き

な力となります。当社は、そうした代理店の自主的な組織

活動を全力で支援します。

MSA(三井住友海上グループ全国代理店会)

MSAは、「お客さまから選ばれる代理店」を目指して意

見交換や情報交流を行う代理店組織です。代理店同

士による相互啓発を通じ、業務品質の向上や保険販

売についてのノウハウを共有しています。◆MSA会員数:3,453代理店(2007年3月末)

電子計上システム

保険業界で初めて、一連の契約手続き(契約申込から

保険料領収まで)の電子化を実現した携帯端末「モバイ

ルMS1」の技術を発展させ、ノートパソコン(またはPDA)

上で、申込書なし・印鑑なしで契約手続きができる、新た

な業務プロセス(電子計上システム)を実現します(2007

年10月スタート予定)。

整備工場代理店組織 AC(アドバンスクラブ)

ACは新しい整備スタイルにチャレンジする整備工場

代理店の組織です。環境に配慮した車検・整備(エコ

車検・エコ整備)の普及や、サービスの向上などに組織

的に取り組んでいます。◆AC会員数:1,736代理店(2007年3月末)◆エコ整備実施工場数:約600店(2007年3月末)

全国MSA総会の様子 アドバンスクラブ全国総会の様子

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お客さま

再保険会社

再保険会社

保険契約の引受け

保険料

保険契約の責任の一部を他社へ

再保険

再保険料

再保険金保険金

三井住友海上

大きな自然災害や大事故が発生した場合

32

お客さまに提供する商品・サービスの品質を高め、お客さまに信頼していただくためには、さまざまな分野の専門家との連携・協働が不可欠です。こうした国内外のお取引先と、互いに信頼関係を築き、ともに発展していきます。

取引先への責任

安定した事業運営のために

国内外で大きな自然災害や事故が発生した場合、巨

額の保険金を保険会社1社でお支払いすることは不可能

な場合があります。このような場合に備え、リスクを分散し、

十分な引き受け能力を確保するために、保険会社の間で、

保険契約の一部を他の保険会社に引き受けてもらう再

保険の取引が行われています。当社は世界中の有力な

再保険会社と良好な関係を保ち、安定的な再保険取引

関係を築いています。

保険金の適切なお支払いのために

多種多様な保険事故に適切な対応をするため、多くの技

術・ノウハウをもった各分野の専門家と協力連携しています。

損害鑑定人

建物などの保険価額の鑑定、損害額の算出、事故原

因・状況調査などを行います。お客さまから損害鑑定

人に寄せられた当社に対する要望も確実に伝達され

る体制としています。

医師

保険金のお支払いに際し、必要に応じ、各分野の医師

に相談できるよう、全国で80名の顧問医と提携してい

ます。また「メディカルサポート室」には、顧問医が常駐

し、全国の事故対応センターが疾病補償商品の事故

に関する相談を行える体制としています。

弁護士

事故の示談交渉に関連し、法律的な助言・相談を行っ

ています。全国で約700名の弁護士と提携しています。

海外でも、経験豊富な弁護士事務所と提携し、海外PL

(製造物責任)訴訟への対応にあたっています。また、

輸出貨物の事故対応サービスにおいては、海外損害

査定代理店やサーベイヤー*と連携しています。*サーベイヤー:第三者の立場で事故内容、事故原因、損害額などを調

査する専門家。

個人情報の取扱い

お客さま情報を適正に管理する体制の構築に、取引先

とともに取り組んでいます。事務委託会社、データ処理会

社など、お客さま情報の取扱いを委ねている取引先につ

いては、情報の管理体制の点検を実施するなど、情報漏

えい事故を発生させない体制づくりに努めています。

◆ 再保険の仕組み

ともに成長するパートナーとして

取引先への責任

ともに成長するパートナーとして

基 本 方 針

❶お取引先(委託先、購入先等)の選定は、過去の取引実績だけにとらわれず、取引条件・経営状況・技術力・環境配慮活動等を総合的に勘案して行います。

❷お取引を通じて知り得た情報は、適切に管理・保護します。

❸お取引先(委託先、購入先等)には、関係法令及び社会規範の遵守を求めていきます。

❹お取引先(委託先、購入先等)には、常に最適な品質・価格・納期・サービスを求めていきます。

業務委託や部品購入などの取引を行う際の基本ルール

として、「三井住友海上グループ取引方針」を策定しています。

三井住友海上グループ取引方針

Page 34: CSR Report 2007CSR Report 2007 企業品質向上への歩み 09133 30,000 2007.9 (新) 62 読者の皆さまへ 当社グループは、2004年10月に「三井住友海上グループ行動憲章」を公表し、

ポストチャレンジ制度ルーキーポストチャレンジ

トレーニー制度

社員区分転換

ルーキーポスト

社員の成長

上司が対話により支える

会社の制度が支える

評価制度(人財育成重視、取組みプロセス重視)

現行業務遂行上、必要な知識・スキル習得支援

将来やりたい業務に必要な知識・スキル習得支援

人事異動

研修・自己啓発ブラザー・シスター制度

キャリア相談チーム(仮称)

営業・事故対応サービス部門を経験

33

社員への責任

社員ハツラツ」当社は2005年度以降、社員の能力開発を重視し、社員が

仕事にやりがいを感じ、女性をはじめ多様な人財が活躍する

会社を目指して施策を進めてきました。2007年度からは、こ

れらを発展させ、「ニューチャレンジ10」の主要な取組みの一

つとして、社員がハツラツと働ける環境整備を進めています。

人財育成、やりがい向上

ともに成長するパートナーとして

社員への責任

自らが学び自らが行動する社員、常に高い目標に向かっ

てチャレンジする社員の育成を目指し、社員が成長できる仕

組みを用意していきます。また、社員がやりがいを持って仕

事に挑戦するために大切な、ゆとりの創出にも力を注ぎます。

◆ 社員成長支援イメージ

2007年度は、部下のやる気を引き出すコーチング*を

支援するなど、全組織長を対象としたマネジメント研修

を実施しています。*コーチング:相手の個性やモチベーションを引き出し、相手自身のゴール

実現に向けて自発的行動を促すコミュニケーション技術。

新入社員が早期に職場に溶け込めるよう、職場上司か

ら任命された指導担当者が中心となって支援する「ブ

ラザー・シスター制度」を導入しています。

働きやすい職場づくり

働きやすく、かつお客さまに親切なオフィス環境を整備

していきます。現在、事故対応サービス部門の一部の職

場に新しいオフィスレイアウトを導入しています。

そのほか、印刷物の代理店直送などによる業務効率化

や、社員間コミュニケーション強化のためのイントラネット・

コンテンツの見直しなどを進めています。

働きやすさを支援する制度◆人事相談室

社員や家族の心身の健康、職場生活・私生活における悩み、セクシャル・ハラスメントの相談・苦情の対応など、人事に関する各種問題の解決の支援を行っています。

◆健康管理センター

社員が心身ともに健康で仕事に集中して取り組めるよう、全国11カ所の健康管理室・センターが社員の健康管理・予防策をサポートしています。・全国でメンタルヘルス・セルフケア研修を実施しています。

・専用ホームページで、女性に多い健康上の悩みに

関する情報を提供しています。

◆チームWITH*(障がい者職場定着推進チーム)

全国で働く障がいのある社員が、それぞれの職場で働く喜びを見出し、能力を十分に発揮できる職場環境づくりを支援するための組織です。・障がいのある社員の入社時、人事異動時に、職場

アンケートを実施しています。*WITHとは、Willingly&Thoughtfully 『喜んで進んでそ

して思慮深く思いやりのある』ことを意味しています。

COLUMN

自ら希望する部門やポストへの配属に、社員が直接応

募できる「ポストチャレンジ制度」を導入しています。

経験のない部門を短期間体験できる「社内トレーニー

制度」を導入し、部門間のコミュニケーションと社員の

キャリア形成支援を図っています。

業務系システムの大幅改善、ゆとり創造の取組みなどを

通じて、会社の各部門の働く環境を整備していきます。

お客さまや社会との重要な接点であり、企業品質の向上を担う社員一人ひとりを、当社では人財」と表しています。グループ全社員が業務を通じて社会への責任を果たしていけるように、働くこと」にかかわるさまざまな課題をともに解決していきます。

ともに成長するパートナーとして

Page 35: CSR Report 2007CSR Report 2007 企業品質向上への歩み 09133 30,000 2007.9 (新) 62 読者の皆さまへ 当社グループは、2004年10月に「三井住友海上グループ行動憲章」を公表し、

04 05 06 0705 06 (年度) (年度)

(人) (人)出産休暇

0

20

40

60

8070

50

30

10

90

100育児休業

0

5

10

15

20

25

3089

76 7467

93

77

1720

25

04 05 06 0705 06 (年度) (年度)

(人) (人)出産休暇

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8070

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100育児休業

0

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25

3089

76 7467

93

77

1720

25

34

ともに成長するパートナーとして

社員への責任

COLUMN

女性の活躍推進「社員ハツラツ」の一環として、男女の完全な機会均等

を実現し、意欲ある社員がさまざまなステージにチャレン

ジできる会社を目指しています。当社グループは育児支援

とキャリア支援を柱に、人事部内の「女性活躍推進チー

ム」を中心とした幅広い活動を行っていきます。

女性活躍推進に関する活動方針

次世代認定マークの取得

2007年5月、「子育て

支援に積極的に取り組

んでいる企業」として、東

京労働局長から認定を

受けました。

社員の声

家族と職場の支援と理解を得て、ワークライフ・バランスを実現。

自分で、ゼロからつくり上げる仕事をやってみたいと思い、エリア総合職に転換しました。最近は新しいお客さまの開拓などに挑戦することが楽しいと感じるようになりました。

6歳と3歳の子どもの育児と仕事の両立は確かに大変ですが、育児支援の制度も充実してきました。代替要員の確保や、勤務時間の選択肢の拡大など、「制度はあるけれど休みにくい、帰りにくい」という環境が改善されてきています。このような制度を活用し、多くの社員が仕事と家庭を両立できるよう期待して、私も頑張りたいと思います。

東京プロエージェント部プロ二支社

支社長代理 丹治 純子

◆ 出産休暇・ 育児休業取得者数

専用ホームページの開設

・さまざまな支援策や活動の内容を案内しています。

・「ご意見箱」を設けて、寄せられた社員の声を施策に反映

させています。

◆ 業務職からエリア総合職  への転換者数

具体的な支援策

育児支援

・出産休暇・育児休業を取得する社員の代替要員を配置

する際、十分な引継ぎ期間を設けています。

・出産休暇・育児休業中の社員への情報提供の拡充や、

自己啓発ツールの提供をしています。

・短時間勤務、フレックスタイム、シフト勤務など、勤務時間

を選択できます。

・託児支援施設を割引で利用できる制度を導入しています。

キャリア支援

・業務職からエリア総合職への転換の際、1年間を研修配

属期間として教育などの支援をする「ステップアップジョブ

制度」を導入しています。

・社内トレーニー制度やポストチャレンジ制度の拡充

により女性社員も応募しやすくしました。

ワークライフ・バランス」ハンドブック

女性活躍に向けた支援策をまとめた

「ワークライフ・バランス」ハンドブックを

作成しました。女性のライフサイクルの

理解を深めるツールとして、男女問わず

全社員に配布しています。

❶女性が働きやすい職場=女性のライフサイクルに合わせた働き方ができる環境を整備します。

❷自分のキャリアを考え必要な知識・スキルを修得できる機会を提供し支援を行います。

❸マネジメント業務や基幹系業務などにチャレンジする機会を提供し支援を行います。

キャリアを考える機会の提供と支援

チャレンジする機会の提供と支援

女性のライフサイクルに合わせた働き方ができる環境を整備

~支援制度の理解・職場の理解を促進~

*転換は4月1日付で実施しています。

Page 36: CSR Report 2007CSR Report 2007 企業品質向上への歩み 09133 30,000 2007.9 (新) 62 読者の皆さまへ 当社グループは、2004年10月に「三井住友海上グループ行動憲章」を公表し、

35

三井住友海上グループCSR会計の特徴三井住友海上グループのCSR会計は、環境会計の枠

組みをベースにして、CSR会計の基本となるルールである

「CSR会計基準」を策定し、さらに具体的な測定対象や

測定方法について別に社内基準を定め、当社のCSR活

動のうち、「社会貢献・福祉活動」、「倫理・コンプライアンス

活動」、「環境保全活動」に関する取組みを対象として、そ

のコストと効果を測定しています。

CSR関連コストについては、財務会計上の費用・損失

あるいは通常よりも安価で商品・サービスを提供した場

合の通常価額との差額などを集計しています。また、CSR

関連効果については、自らの財務会計上の利益に貢献し

た効果を「内部効果」に、一般社会に与えた影響を「外部

効果」に区分し、またそれぞれを貨幣単位で測定する「経

済効果」と貨幣以外の数量で計測あるいは定性的に記

述する「その他効果」に区分しています。

2006年度集計結果の分析CSR関連コストの総計は107億円となり前年度と比べ

15億円増加しました。これは主にコンプライアンス体制

強化を目的とした各種システムの構築、コンプライアンス

部要員の拡充、および自動車保険「エコカー割引」の対

象台数増加によるものです。

CSR関連効果のうち、内部効果中の経済効果の総計

は△0.5億円となり、前年度と比べ3億円減少しました。こ

れはお客さまへお渡しする重要事項説明書の拡充およ

びパンフレットなどの改定を行ったことにより紙使用コスト

が前年度比増加し、環境保全コストに対応する効果がマ

イナスとなったことによるものです。

CSR関連効果のうち外部効果中の経済効果の総計は

14億円となり、前年度比微減となりました。これは前年度

に比べ寄付金の支出が減少したことによるものです。

■CSR会計計算書(抜粋*) *詳細は、当社ホームページ(http://www.ms-ins.com)をご覧ください。 

■CSR関連コスト・CSR関連効果(経済効果)の主な内訳

CSR関連コスト CSR関連効果(経済効果)

社会貢献・福祉活動P27 〜 2�

・社会貢献、福祉目的による寄付金・しらかわホールなどの維持、運営コスト・スマイルハートクラブの活動支援・スポーツ振興関連施設の維持コスト

【内部効果】・施設提供に伴う収入

【外部効果】・寄付金などの拠出額、寄贈した物品の貨幣価値・文化財団コンサート入場料の通常料金との差額

倫理・コンプライアンス活動

P1�

・コンプライアンス活動にかかわる人件費・物件費・インターリスク総研による倫理・コンプライアンス関

連サービス提供コスト

【内部効果】・インターリスク総研による倫理・コンプライアンス関連サー

ビス提供売上げ

環境保全活動P24 〜 2�

・公害防止・地球環境保全・資源循環コスト・自動車保険エコカー割引・インターリスク総研による環境関連サービス提供コスト・環境マネジメントシステムの整備、運用にかかるコスト・駿河台ビル屋上緑化のためのコスト・「エコ車検・エコ整備」普及支援コスト

【内部効果】・エネルギー消費コストの削減額・下水処理・廃棄物など処理費用の削減額・インターリスク総研による環境関連サービス提供にかか

わる売上げ

【外部効果】・車両超過修理費用特約、対物超過修理費用特約によ

る資源節減効果

集計項目CSR 関連コスト

CSR 関連効果

内部効果 外部効果

経済効果 その他効果

経済効果 その他効果2005年度 200� 年度 2005年度 200� 年度 2005年度 200� 年度

社会貢献・福祉活動 1,390 1,192 53 54 953 767 右ページ表(1)

倫理・コンプライアンス活動 3,462 4,720 177 206 右ページ表(2) ー ー環境保全活動 4,291 4,715 20 △ 305 588 673 右ページ表(3)

共通 79 66総計 9,222 10,693 250 △ 46 1,541 1,440

コストと効果の比較のためには、金額換算できない効果(その他効果)もあわせて見る必要があります。

単位:百万円

CSR会計

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3�

■CSR関連効果(その他効果)の主な内訳

参考指標]CSRV:企業価値への貢献CSRの取組みは、ブランドイメージの維持向上の観点

からみると、自らの経済活動・事業活動における将来収

益の安定化、持続的な成長に貢献するものと考えられま

す。しかしながら、CSR会計計算書上のコストと効果の比

較からはこの価値を数値として測ることができません。

CSRV(CSR Value)は経済産業省の「ブランド価値*算出の考え方については当社ホームページ(http://www.ms-ins.com)を

ご覧ください。

CSRV:企業価値への寄与

CSR 活動により創出された企業価値の推計 735 億円

参考]ステークホルダー別分配額とCSR会計との関係三井住友海上グループのCSR会計は「社会貢献・福

祉活動」「倫理・コンプライアンス活動」「環境保全活動」

の3領域の取組みを対象としています。このうち「社会貢

献・福祉活動」「環境保全活動」の2領域の取組みとして

集計したコストの、各ステークホルダーに対する経済的

な影響額(分配額)における量感はおおよそ下表のとお

りとなっています。

ただし、各ステークホルダーとの関係の重要性を金額

の大小によって測ることはできません。

2005 年度 200� 年度 主な項目

分配原資

お客さま 13,328 13,250 正味収入保険料

その他 367 714資産運用損益、責任準備金繰入額、その他調整額など

合計 13,695 13,964

分配額

お客さま 7,873 8,286 正味支払保険金、支払備金繰入額代理店 2,199 2,139 代理店手数料役職員 1,466 1,472 人件費お取引先(委託先・購入先など) 1,032 1,111 物件費、再保険手数料地域社会国際社会

税金 420 343 法人税等、租税公課社会貢献 14 12 社会貢献・福祉コスト(「CSR会計計算書」を参照)

環境 43 47 環境保全コスト(「CSR会計計算書」を参照)

株主648 554

当期純利益(株主配当金) 185 198

合計 13,695 13,964

CSR関連効果(その他効果)

1)社会貢献・福祉活動

P27 〜 2�

以下の活動の結果想定される【外部効果】・株主優待品などの物品の寄付 ・スマイルハートクラブの活動・スポーツ振興の取組みとして女子柔道、女子陸上競技の普及を推進

2)倫理・コンプライアンス活動

P1�

以下の活動の結果想定される【内部効果】 ・コンプライアンス部の要員増強による法令等違反の調査などコンプライアンス体制の強化・社員・代理店に対する各種研修実施によるコンプライアンスの徹底・代理店に対する法令等の理解徹底のための確認テストの実施・営業・損害サービス拠点におけるコンプライアンス・プログラム実施状況などの巡回確認によるモニタリングの強化

3)環境保全活動

P24 〜 2�

外部効果】 ◆エネルギー消費量の削減・電気使用量 4,009 MWh・ガス使用量 78,904 m3

・熱供給使用量 473 GJ・ガソリン使用量 253 kl・水使用量 5,239 m3

・紙類使用量 △ 2,122 トン

◆大気への排出削減(自動車 NOx・PM 法に基づく報告資料より)・NOx 159 kg・PM 6 kg

◆水域・土壌への排出量の削減 933 m3

◆廃棄物などの排出量の削減 186 トン

評価研究会」から報告されたブランド評価モデルを参考

として、CSR活動により創出されたであろう見えない企

業価値を推計したものです。

単位:億円

*各ステークホルダー別の分配額を厳密に計算することは困難なため、上表は損益計算書(単体)数値に基づき簡便な手法で作成しています。 なお、各ステークホルダー別に区分できないものはその他欄に集計しています。

CSR会計

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第三者意見古谷 由紀子 氏社団法人 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会 常任理事消費者志向マネジメントシステム特別委員長

1988年経済産業大臣認定消費生活アドバイザー取得、1998年日本リスクマネジャー&コンサルタント協会認定シニアリスクコンサルタント資格取得。2004年より現職。2003年からは消費者志向マネジメントシステム(COMS)特別委員長、広報委員長も兼務。2004年よりISO/SR国内対応委員会委員。CSR(企業の社会的責任)、CS経営、コンプライアンス経営を中心にしたコンサルティング、講演や論文執筆など多数。

(6)読みやすさを重視して情報量を絞り、より詳細

な情報は貴社ホームページなどに譲るのみ

ならず、改善のための取組みを簡潔に記載した

「CSRレポート小冊子版」を発行したことが、分

厚いCSRレポートが消費者などに読まれない

現状を変える取組みと評価できます。

(1)レポートを読んでの疑問点でもありますが、

2006年6月に行政処分を受けての業務改善に

取り組むにあたって、2年前の2004年10月に公

表された「グループ行動憲章」が基本となってい

ることです。行動憲章はそもそもお客さま基点の

ものであったのかどうかが疑問になりますが、そ

の点が明確ではないように思われます。

(2)このレポートが詳細版ではないにしても、「グ

ループ行動憲章」、「代表的な苦情内容とその

対応」、「支払審査会による審査の結果」、「商品

開発体制の社内ルール」など、事業者の信頼や

消費者の利益に関わる情報の場合には開示

が必要だと思われます。

開示にあたっては、消費者に対する情報開示の

内容をルール化して開示することをお勧めします。

(3)代理店については、貴社とともに「お客さまに信

頼される存在に」というスタンスのみでの記載

になっています。貴社の業務品質の向上におい

て、代理店の品質向上は不可欠であり、代理店

に対する取組みにおける貴社の問題点が不

明確な印象があります。問題点を再確認し、代

理店の品質向上により一層注力されることを

期待します。

■ 評価したいこと

■ 課題および要望

(1)業務改善の取組みにおいては、行政処分で指

摘された問題以外にも、自主調査で判明した保

険料誤りについても、事実とその対応が記載さ

れていることが評価できます。

(2)お客さま基点ですべての業務プロセスが見直

され、それらが具体的に詳細に記載されている

ことです。特に、「品質」を「当然品質」と「感動品

質」とに分け、さらにこれらの内容を具体化し、ス

テップを踏んで取り組もうとしていることは誠実

な取組みと評価できます。

(3)苦情対応方針を明記する、あるいはお客さまの

声からの改善例を紹介するなど貴社の取組み

内容が目に見える形で記載されており、お客さ

ま基点での取組みを消費者が実感できる報告

になっています。

(4)コーポレート・ガバナンス体制や商品開発体制

などに社外の視点を取り入れていることが、お客

さま基点をさらに充実できる取組みと評価でき

ます。私の所属する(社)日本消費生活アドバイ

ザー・コンサルタント協会でも「販売時にお客さ

まにわかりやすく、適切に提供する書類」のため

に第三者機関の立場でアドバイスさせていただ

いていますので、貴社の姿勢は十分理解し評価

しています。

(5)保険金請求に対しての第三者への不服申立制

度を整備していることが非常に評価できます。

消費者は素人であり、事業者との力の差がある

ため不利益を受けがちであることを考慮した消

費者支援の制度であり、適切な保険金支払の

実効性を担保するものと評価できます。

「CSRレポート2007」では、2006年6月の行政処分以降の業務改善や品質向上の取組みを特集として記載

し、貴社が行政処分を機に原点に立ち戻って業務改善に取り組んでいることが十分伝わる内容となっていると

思います。以下、貴社の取組みおよびCSRレポートについて評価できることおよび課題・要望を挙げたいと思います。

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3�

皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください

「CSR Report 2007」をお読みいただき、ありがとうございました。当社ホームページにアンケートを用意しております。

ぜひ皆さまのお声をお聞きかせください。

http://www.ms-ins.com/csr/csr_report/index.html

ご意見を受けて

では、具体的なCSRの取組みをステークホルダー

の皆さまにどう伝えるべきか論議を重ね、読みや

すい量、わかりやすい内容であることを最優先しま

した。情報開示媒体の選択や開示内容の選定に

あたってはさまざまな視点から検討していますが、

ご指摘いただいたように十分な整理ができており

ません。皆さまのご意見をうかがいながら、引き続

き検討してまいります。

 商品販売におけるお客さまとの直接の窓口で

ある代理店の業務品質の向上は、当社グループの

企業品質向上の大きな鍵を握っています。「代理

店における保険の基本サイクル」の確実な実行を

通じて着実に実現してまいりたいと考えております。

三井住友海上火災保険株式会社

経営企画部長 藤井 史朗

 行政処分を機に、お客さま、代理店、社員をはじめ

多くのステークホルダーのご意見を真摯に受け止め、

会社の業務運営の仕組みをお客さま基点で見直し、

「ニューチャレンジ10」を策定しました。江頭社長の

メッセージにもあるとおり、企業品質の向上に取り組

み、信頼を確保して、社会からの信頼を成長につなげ

ていくことが、当社グループの目指すCSR経営である

と考えています。取り組むべき課題はまだまだたくさ

んありますが、社員一人ひとりが品質向上最優先を

理解し、業務の品質向上に努める取組みを進めて

いることは、大きな一歩だと考えています。

 情報開示については、今年度からWebを活用し

た情報発信に取り組んでいます。一方、本レポート

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三井住友海上 

CSR Report 2007

CSR Report 2007企業品質向上への歩み

09133  30,000  2007.9  (新) 62