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Catalyst 2960-XR スイッチ ルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 初版:2013 08 08 シスコシステムズ合同会社 107-6227 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー http://www.cisco.com/jp お問い合わせ先:シスコ コンタクトセンター 0120-092-255 (フリーコール、携帯・PHS含む) 電話受付時間:平日 10:0012:0013:0017:00 http://www.cisco.com/jp/go/contactcenter/ Text Part Number: OL-29432-01-J

Catalyst 2960-XR スイッチ ルーティング設定ガイド、Cisco …...ICMPRouterDiscoveryProtocol22 UDP ブロードキャストパケットおよびプロトコル22 ブロードキャストパケットの処理

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Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOSリリース 15.0(2)EX1初版:2013年 08月 08日

シスコシステムズ合同会社〒107-6227 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワーhttp://www.cisco.com/jpお問い合わせ先:シスココンタクトセンター

0120-092-255 (フリーコール、携帯・PHS含む)電話受付時間:平日 10:00~12:00、13:00~17:00http://www.cisco.com/jp/go/contactcenter/

Text Part Number: OL-29432-01-J

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【注意】シスコ製品をご使用になる前に、安全上の注意( www.cisco.com/jp/go/safety_warning/ )をご確認ください。本書は、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきま

しては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容

については米国サイトのドキュメントを参照ください。また、契約等の記述については、弊社販

売パートナー、または、弊社担当者にご確認ください。

© 2013 Cisco Systems, Inc. All rights reserved.

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目次

はじめに vii

表記法 vii

関連資料 ix

マニュアルの入手方法およびテクニカルサポート ix

コマンドラインインターフェイスの使用 1

コマンドラインインターフェイスの使用に関する情報 1

コマンドモード 1

ヘルプシステムの使用 5

コマンドの省略形 6

コマンドの no形式および default形式 6

CLIのエラーメッセージ 7

コンフィギュレーションロギング 8

CLIを使用して機能を設定する方法 8

コマンド履歴の設定 8

コマンド履歴バッファサイズの変更 8

コマンドの呼び出し 9

コマンド履歴機能のディセーブル化 9

編集機能のイネーブル化およびディセーブル化 10

キーストロークによるコマンドの編集 10

画面幅よりも長いコマンドラインの編集 12

showおよび moreコマンド出力の検索およびフィルタリング 13

コンソール接続または Telnet経由で CLIにアクセスする 14

IPユニキャストルーティングの設定 15

機能情報の確認 16

IPユニキャストルーティングの設定に関する情報 16

IPルーティングに関する情報 16

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J iii

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ルーティングタイプ 17

IPルーティングおよびスイッチスタック 18

クラスレスルーティング 19

アドレス解決 21

プロキシ ARP 22

ICMP Router Discovery Protocol 22

UDPブロードキャストパケットおよびプロトコル 22

ブロードキャストパケットの処理 23

IPブロードキャストのフラッディング 23

IPルーティングの設定方法 24

IPアドレッシングの設定方法 25

IPアドレス指定のデフォルト設定 26

ネットワークインターフェイスへの IPアドレスの割り当て 27

サブネットゼロの使用 29

クラスレスルーティングのイネーブル化 30

アドレス解決方法の設定 30

スタティック ARPキャッシュの定義 30

ARPのカプセル化の設定 32

プロキシ ARPのイネーブル化 33

IPルーティングがディセーブルの場合のルーティング支援機能 34

プロキシ ARP 34

デフォルトゲートウェイ 35

IRDP 35

ブロードキャストパケットの処理方法の設定 37

ダイレクトブロードキャストから物理ブロードキャストへの変換のイネーブ

ル化 38

UDPブロードキャストパケットおよびプロトコルの転送 39

IPブロードキャストアドレスの確立 41

IPブロードキャストのフラッディング 42

IPアドレスのモニタリングおよびメンテナンス 43

IPユニキャストルーティングの設定方法 44

IPユニキャストルーティングのイネーブル化 44

IPルーティングのイネーブル化の例 45

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目次

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次の作業 45

RIP情報 46

サマリーアドレスおよびスプリットホライズン 46

RIPの設定方法 47

RIPのデフォルト設定 47

基本的な RIPパラメータの設定 48

RIP認証の設定 50

サマリーアドレスおよびスプリットホライズンの設定 51

スプリットホライズンの設定 53

サマリーアドレスおよびスプリットホライズンの設定例 54

OSPFに関する情報 55

ルーテッドアクセスの OSPF 56

OSPFエリアパラメータ 56

その他の OSPFパラメータ 56

LSAグループペーシング 58

ループバックインターフェイス 58

OSPFの設定方法 59

OSPFのデフォルト設定 59

基本的な OSPFパラメータの設定 60

OSPFインターフェイスの設定 62

OSPFエリアパラメータの設定 64

その他の OSPFパラメータの設定 66

LSAグループペーシングの変更 68

ループバックインターフェイスの設定 69

OSPFのモニタリング 70

OSPFの設定例 71

例:基本的な OSPFパラメータの設定 71

EIGRPに関する情報 72

EIGRPスタブルーティング 72

uRPFの設定 73

プロトコル独立機能 74

分散型シスコエクスプレスフォワーディング 74

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目次

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シスコエクスプレスフォワーディングに関する情報 74

シスコエクスプレスフォワーディングの設定方法 75

等コストルーティングパスの個数 78

等コストルーティングパスに関する情報 78

等コストルーティングパスの設定方法 78

スタティックユニキャストルート 79

スタティックユニキャストルートに関する情報 79

スタティックユニキャストルートの設定 80

デフォルトのルートおよびネットワーク 81

デフォルトのルートおよびネットワークに関する情報 81

デフォルトのルートおよびネットワークの設定方法 82

ルーティング情報を再配信するためのルートマップ 83

ルートマップの概要 83

ルートマップの設定方法 83

ルート配信の制御方法 86

ポリシーベースルーティング 88

ポリシーベースルーティングに関する情報 88

PBRの設定方法 90

ルーティング情報のフィルタリング 93

受動インターフェイスの設定 93

ルーティングアップデートのアドバタイズおよび処理の制御 94

ルーティング情報発信元のフィルタリング 96

認証キーの管理 97

前提条件 97

認証キーの設定方法 97

IPネットワークのモニタリングおよびメンテナンス 99

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1vi OL-29432-01-J

目次

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はじめに

• 表記法, vii ページ

• 関連資料, ix ページ

• マニュアルの入手方法およびテクニカルサポート, ix ページ

表記法このマニュアルでは、次の表記法を使用しています。

説明表記法

^記号と Ctrlは両方ともキーボードの Control(Ctrl)キーを表します。たとえば、^Dまたは Ctrl+Dというキーの組み合わせは、Ctrlキーを押しながら Dキーを押すことを意味します(ここではキーを大文字で表記していますが、小文字で入力してもかまいません)。

^または Ctrl

コマンド、キーワード、およびユーザが入力したテキストは、太字フォ

ントで示しています。

boldフォント

ドキュメント名、新規用語または強調する用語、値を指定するための引

数は、italicフォントで示しています。Italicフォント

システムが表示するターミナルセッションおよび情報は、courierフォ

ントで示しています。

courierフォント

太字の courierフォントは、ユーザが入力しなければならないテキスト

を示します。

太字の courierフォン

角カッコの中の要素は、省略可能です。[x]

構文要素の後の省略記号(3つの連続する太字ではないピリオドでスペースを含まない)は、その要素を繰り返すことができることを示します。

...

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J vii

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説明表記法

パイプと呼ばれる縦棒は、一連のキーワードまたは引数の選択肢である

ことを示します。

|

どれか 1つを選択できる省略可能なキーワードは、角カッコで囲み、縦棒で区切って示しています。

[x | y]

必ずいずれか 1つを選択しなければならない必須キーワードは、波カッコで囲み、縦棒で区切って示しています。

{x | y}

角カッコまたは波カッコが入れ子になっている箇所は、任意または必須

の要素内の任意または必須の選択肢であることを表します。角カッコ内

の波カッコと縦棒は、省略可能な要素内で選択すべき必須の要素を示し

ています。

[x {y | z}]

引用符を付けない一組の文字。stringの前後には引用符を使用しません。引用符を使用すると、その引用符も含めて stringとみなされます。

string

パスワードのように出力されない文字は、山カッコで囲んで示していま

す。

< >

システムプロンプトに対するデフォルトの応答は、角カッコで囲んで示

しています。

[ ]

コードの先頭に感嘆符(!)またはポンド記号(#)がある場合には、コメント行であることを示します。

!、#

読者への警告の表記法

このマニュアルでは、読者への警告に次の表記法を使用しています。

「注釈」です。役立つ情報や、このマニュアル以外の参照資料などを紹介しています。(注)

「問題解決に役立つ情報」です。ヒント

「要注意」の意味です。機器の損傷またはデータ損失を予防するための注意事項が記述され

ています。

注意

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1viii OL-29432-01-J

はじめに

表記法

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時間を節約する方法です。ここに紹介している方法で作業を行うと、時間を短縮できます。ワンポイントアドバイス

IMPORTANT SAFETY INSTRUCTIONS

This warning symbol means danger. You are in a situation that could cause bodily injury. Before youwork on any equipment, be aware of the hazards involved with electrical circuitry and be familiar withstandard practices for preventing accidents. Use the statement number provided at the end of each warningto locate its translation in the translated safety warnings that accompanied this device. Statement 1071

SAVE THESE INSTRUCTIONS

警告

関連資料

switchをインストールまたはアップグレードする前に、switchのリリースノートを参照してください。

(注)

•次の URLにあるエラーメッセージデコーダ:

https://www.cisco.com/cgi-bin/Support/Errordecoder/index.cgi

マニュアルの入手方法およびテクニカルサポートマニュアルの入手方法、テクニカルサポート、その他の有用な情報について、次の URLで、毎月更新される『What's New in Cisco Product Documentation』を参照してください。シスコの新規および改訂版の技術マニュアルの一覧も示されています。

http://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/general/whatsnew/whatsnew.html

『What's New in Cisco Product Documentation』は RSSフィードとして購読できます。また、リーダーアプリケーションを使用してコンテンツがデスクトップに直接配信されるように設定するこ

ともできます。RSSフィードは無料のサービスです。シスコは現在、RSSバージョン2.0をサポートしています。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J ix

はじめに

関連資料

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Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1x OL-29432-01-J

はじめに

マニュアルの入手方法およびテクニカルサポート

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第 1 章

コマンドラインインターフェイスの使用

• コマンドラインインターフェイスの使用に関する情報, 1 ページ

• CLIを使用して機能を設定する方法, 8 ページ

コマンドラインインターフェイスの使用に関する情報

コマンドモード

Cisco IOSユーザインターフェイスは、いくつかのモードに分かれています。使用できるコマンドの種類は、現在のモードによって異なります。システムプロンプトに疑問符(?)を入力すると、各コマンドモードで使用できるコマンドの一覧が表示されます。

CLIセッションはコンソール接続、Telnet、SSH、またはブラウザを使用することによって開始できます。

セッションを開始するときは、ユーザモード(別名ユーザ EXECモード)が有効です。ユーザEXECモードでは、限られた一部のコマンドしか使用できません。たとえばユーザ EXECコマンドの大部分は、showコマンド(現在のコンフィギュレーションステータスを表示する)、clearコマンド(カウンタまたはインターフェイスをクリアする)などのように、1回限りのコマンドです。ユーザ EXECコマンドは、switchをリブートするときには保存されません。

すべてのコマンドにアクセスするには、特権EXECモードを開始する必要があります。特権EXECモードを開始するには、通常、パスワードが必要です。このモードでは、任意の特権 EXECコマンドを入力でき、また、グローバルコンフィギュレーションモードを開始することもできます。

コンフィギュレーションモード(グローバル、インターフェイス、およびライン)を使用して、

実行コンフィギュレーションを変更できます。設定を保存した場合はこれらのコマンドが保存さ

れ、switchをリブートするときに使用されます。各種のコンフィギュレーションモードにアクセスするには、まずグローバルコンフィギュレーションモードを開始する必要があります。グロー

バルコンフィギュレーションモードから、インターフェイスコンフィギュレーションモードお

よびラインコンフィギュレーションモードに移行できます。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 1

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次の表に、主要なコマンドモード、各モードへのアクセス方法、各モードで表示されるプロンプ

ト、およびモードの終了方法を示します。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX12 OL-29432-01-J

コマンドラインインターフェイスの使用

コマンドモード

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表 1:コマンドモードの概要

モードの用途終了方法プロンプトアクセス方法モード

このモードを使用

して次の作業を行

います。

•端末の設定変更

•基本テストの実行

•システム情報の表示

logoutまたはquitを入力します。

Switch>Telnet、SSH、またはコンソールを

使用してセッショ

ンを開始します。

ユーザ EXEC

このモードを使用

して、入力したコ

マンドを確認しま

す。パスワードを

使用して、この

モードへのアクセ

スを保護します。

disableを入力して終了しま

す。

Switch#ユーザ EXECモードで、enableコマンドを入力し

ます。

特権 EXEC

このモードは、

switch全体に適用するパラメータを

設定する場合に使

用します。

終了して特権

EXECモードに戻るには、

exitまたはendコマンドを入力する

か、Ctrl+Zを押します。

Switch(config)#特権 EXECモードで、configureコマンドを入力し

ます。

グローバルコン

フィギュレーショ

Switch(config-vlan)#グローバルコン

フィギュレーショ

ンモードで、

vlan vlan-idコマンドを入力しま

す。

VLANコンフィギュレーション

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 3

コマンドラインインターフェイスの使用

コマンドモード

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モードの用途終了方法プロンプトアクセス方法モード

このモードを使用

して、VLAN(仮想LAN)パラメータを設定します。

VTPモードがトランスペアレントで

あるときは、拡張

範囲 VLAN(VLAN IDが1006以上)を作成してswitchのスタートアップコン

フィギュレーショ

ンファイルに設定

を保存できます。

グローバルコ

ンフィギュ

レーション

モードに戻る

場合は、exitコマンドを入

力します。

特権 EXECモードに戻る

には、Ctrl+Zを押すか、

endを入力します。

このモードを使用

して、イーサネッ

トポートのパラ

メータを設定しま

す。

終了してグ

ローバルコン

フィギュレー

ションモード

に戻るには、

exitを入力します。

特権 EXECモードに戻る

には、Ctrl+Zを押すか、

endを入力します。

Switch(config-if)#グローバルコン

フィギュレーショ

ンモードで、

interfaceコマンドを入力し、イン

ターフェイスを指

定します。

インターフェイス

コンフィギュレー

ション

このモードを使用

して、端末回線の

パラメータを設定

します。

Switch(config-line)#グローバルコン

フィギュレーショ

ンモードで、

line vtyまたはline consoleコマンドを使用して回

線を指定します。

ラインコンフィ

ギュレーション

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX14 OL-29432-01-J

コマンドラインインターフェイスの使用

コマンドモード

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モードの用途終了方法プロンプトアクセス方法モード

終了してグ

ローバルコン

フィギュレー

ションモード

に戻るには、

exitを入力します。

特権 EXECモードに戻る

には、Ctrl+Zを押すか、

endを入力します。

ヘルプシステムの使用

システムプロンプトで疑問符(?)を入力すると、各コマンドモードに使用できるコマンドのリストが表示されます。また、任意のコマンドについて、関連するキーワードおよび引数の一覧を

表示することもできます。

手順の概要

1. help2. abbreviated-command-entry ?3. abbreviated-command-entry <Tab>4. ?5. command ?6. command keyword ?

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

コマンドモードのヘルプシステムの簡単な説明

を表示します。

help

例:Switch# help

ステップ 1

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 5

コマンドラインインターフェイスの使用

ヘルプシステムの使用

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目的コマンドまたはアクション

特定のストリングで始まるコマンドのリストを表

示します。

abbreviated-command-entry ?

例:Switch# di?dir disable disconnect

ステップ 2

特定のコマンド名を補完します。abbreviated-command-entry <Tab>

例:Switch# sh conf<tab>Switch# show configuration

ステップ 3

特定のコマンドモードで使用可能なすべてのコ

マンドをリストします。

?

例:Switch> ?

ステップ 4

コマンドに関連するキーワードを一覧表示しま

す。

command ?

例:Switch> show ?

ステップ 5

キーワードに関連する引数を一覧表示します。command keyword ?

例:Switch(config)# cdp holdtime ?<10-255> Length of time (in sec) that

ステップ 6

receiver must keep this packet

コマンドの省略形

switchでコマンドが一意に認識される長さまでコマンドを入力します。

show configuration特権 EXECコマンドを省略形で入力する方法を次に示します。

Switch# show conf

コマンドの no 形式および default 形式大部分のコンフィギュレーションコマンドに、no形式があります。 no形式は一般に、特定の機能または動作をディセーブルにする場合、あるいはコマンドの動作を取り消す場合に使用します。

たとえば、no shutdownインターフェイスコンフィギュレーションコマンドを使用すると、インターフェイスのシャットダウンが取り消されます。noキーワードなしでコマンドを使用すると、

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX16 OL-29432-01-J

コマンドラインインターフェイスの使用

コマンドの省略形

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ディセーブルにされた機能を再度イネーブルにしたり、デフォルトでディセーブルになっている

機能をイネーブルにすることができます。

コンフィギュレーションコマンドには、default形式もあります。コマンドの default形式は、コマンドの設定値をデフォルトに戻します。大部分のコマンドはデフォルトでディセーブルに設定

されているので、default形式は no形式と同じになります。ただし、デフォルトでイネーブルに設定されていて、なおかつ変数が特定のデフォルト値に設定されているコマンドもあります。こ

れらのコマンドについては、defaultコマンドを使用すると、コマンドがイネーブルになり、変数がデフォルト値に設定されます。

CLI のエラーメッセージ次の表に、CLIを使用してswitchを設定するときに表示される可能性のあるエラーメッセージの一部を紹介します。

表 2:CLI の代表的なエラーメッセージ

ヘルプの表示方法意味エラーメッセージ

コマンドを再入力し、最後に疑

問符(?)を入力します。コマンドと疑問符の間にはスペース

を入れません。

コマンドとともに使用できる

キーワードが表示されます。

switchがコマンドとして認識できるだけの文字数が入力されて

いません。

% Ambiguous command: "showcon"

コマンドを再入力し、最後に疑

問符(?)を入力します。コマンドと疑問符の間にはスペース

を 1つ入れます。

コマンドとともに使用できる

キーワードが表示されます。

コマンドに必須のキーワードま

たは値が、一部入力されていま

せん。

% Incomplete command.

疑問符(?)を入力すると、そのコマンドモードで利用でき

るすべてのコマンドが表示され

ます。

コマンドとともに使用できる

キーワードが表示されます。

コマンドの入力ミスです。間

違っている箇所をキャレット

(^)記号で示しています。

% Invalid input detected at‘^’ marker.

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 7

コマンドラインインターフェイスの使用

CLI のエラーメッセージ

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コンフィギュレーションロギング

switchの設定変更を記録して表示させることができます。ConfigurationChangeLoggingandNotification機能を使用することで、セッションまたはユーザベースごとに変更内容をトラッキングできま

す。ログに記録されるのは、適用された各コンフィギュレーションコマンド、コマンドを入力し

たユーザ、コマンドの入力時間、コマンドに対するパーサからのリターンコードです。この機能

には、登録しているアプリケーションの設定が変更されるときに通知される非同期通知方式もあ

ります。 Syslogへこの通知を送信することも選択できます。

CLIまたは HTTPの変更のみがログとして記録されます。(注)

CLI を使用して機能を設定する方法

コマンド履歴の設定

入力したコマンドは、ソフトウェア側にコマンド履歴として残されます。コマンド履歴機能は、

アクセスコントロールリストの設定時など、長い複雑なコマンドまたはエントリを何度も入力し

なければならない場合、特に便利です。必要に応じて、この機能をカスタマイズできます。

コマンド履歴バッファサイズの変更

デフォルトでは、switchは履歴バッファにコマンドライン 10行を記録します。現在の端末セッションまたは特定回線のすべてのセッションで、この数を変更できます。この手順は任意です。

手順の概要

1. terminal history [size number-of-lines]

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードで現在のターミナルセッション中にswitchが記録するコマンドラインの数を変更します。サイズは 0から 256までの間で設定できます。

terminal history [size number-of-lines]

例:Switch# terminal history size 200

ステップ 1

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX18 OL-29432-01-J

コマンドラインインターフェイスの使用

コンフィギュレーションロギング

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コマンドの呼び出し

履歴バッファにあるコマンドを呼び出すには、次の表に示すいずれかの操作を行います。これら

の操作は任意です。

矢印キーが使用できるのは、VT100などの ANSI互換端末に限られます。(注)

手順の概要

1. Ctrl+Pまたは上矢印キー2. Ctrl+Nまたは下矢印キー3. show history

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

履歴バッファ内のコマンドを呼び出します。最後に実行したコマンド

が最初に呼び出されます。キーを押すたびに、より古いコマンドが順

次表示されます。

Ctrl+Pまたは上矢印キーステップ 1

Ctrl+Pまたは上矢印キーでコマンドを呼び出した後で、履歴バッファ内のより新しいコマンドに戻ります。キーを押すたびに、より新しい

コマンドが順次表示されます。

Ctrl+Nまたは下矢印キーステップ 2

特権 EXECモードで、直前に入力したコマンドをいくつか表示します。表示されるコマンドの数は、terminal historyグローバルコンフィ

show history

例:Switch# show history

ステップ 3

ギュレーションコマンドおよび historyラインコンフィギュレーションコマンドの設定値によって指定されます。

コマンド履歴機能のディセーブル化

コマンド履歴機能は、自動的にイネーブルになっています。現在の端末セッションまたはコマン

ドラインでディセーブルにできます。この手順は任意です。

手順の概要

1. terminal no history

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 9

コマンドラインインターフェイスの使用

コマンド履歴の設定

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手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードで現在のターミナルセッション中のこの機能をディセーブルにします。

terminal no history

例:Switch# terminal no history

ステップ 1

編集機能のイネーブル化およびディセーブル化

拡張編集モードは自動的にイネーブルに設定されますが、ディセーブルにしたり、再びイネーブ

ルにしたりできます。

手順の概要

1. terminal editing2. terminal no editing

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードで現在のターミナルセッションにおける拡張編集モードを再びイネーブルにします。

terminal editing

例:Switch# terminal editing

ステップ 1

特権 EXECモードで現在のターミナルセッションにおける拡張編集モードをディセーブルにします。

terminal no editing

例:Switch# terminal no editing

ステップ 2

キーストロークによるコマンドの編集

キーストロークは、コマンドラインの編集に役立ちます。これらのキーストロークは任意です。

矢印キーが使用できるのは、VT100などの ANSI互換端末に限られます。(注)

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX110 OL-29432-01-J

コマンドラインインターフェイスの使用

編集機能のイネーブル化およびディセーブル化

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表 3:編集コマンド

説明編集コマンド

カーソルを 1文字後退させます。Ctrl-Bまたは左矢印キー

カーソルを 1文字前進させます。Ctrl-Fまたは右矢印キー

コマンドラインの先頭にカーソルを移動しま

す。

Ctrl+A

カーソルをコマンドラインの末尾に移動しま

す。

Ctrl+E

カーソルを 1単語後退させます。Esc B

カーソルを 1単語前進させます。Esc F

カーソルの左にある文字を、カーソル位置の文

字と置き換えます。

Ctrl+T

カーソルの左にある文字を消去します。Deleteキーまたは Backspaceキー

カーソル位置にある文字を削除します。Ctrl+D

カーソル位置からコマンドラインの末尾までの

すべての文字を削除します。

Ctrl+K

カーソル位置からコマンドラインの先頭までの

すべての文字を削除します。

Ctrl+UまたはCtrl+X

カーソルの左にある単語を削除します。Ctrl+W

カーソルの位置から単語の末尾までを削除しま

す。

Esc D

カーソル位置のワードを大文字にします。Esc C

カーソルの場所にある単語を小文字にします。Esc L

カーソルの位置から単語の末尾までを大文字に

します。

Esc U

特定のキーストロークを実行可能なコマンド

(通常はショートカット)として指定します。

Ctrl+Vまたは Esc Q

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 11

コマンドラインインターフェイスの使用

編集機能のイネーブル化およびディセーブル化

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1行または 1画面下へスクロールして、端末画面に収まりきらない表示内容を表示させます。

showコマンドの出力など、端末画面に一度に表示できない長い出力では、

Moreプロンプトが使用されます。Moreプロンプトが表示された場合は、Returnキーおよび Spaceキーを使用してスクロールできます。

(注)

Returnキー

1画面分下にスクロールします。Spaceバー

switchから画面に突然メッセージが出力された場合に、現在のコマンドラインを再表示しま

す。

Ctrl+LまたはCtrl+R

画面幅よりも長いコマンドラインの編集

画面上で 1行分を超える長いコマンドラインについては、コマンドのラップアラウンド機能を使用できます。カーソルが右マージンに達すると、そのコマンドラインは 10文字分だけ左へシフトされます。コマンドラインの先頭から 10文字までは見えなくなりますが、左へスクロールして、コマンドの先頭部分の構文をチェックできます。これらのキー操作は任意です。

コマンドの先頭にスクロールして入力内容をチェックするには、Ctrl+Bキーまたは左矢印キーを繰り返し押します。コマンドラインの先頭に直接移動するには、 Ctrl+Aを押します。

矢印キーが使用できるのは、VT100などの ANSI互換端末に限られます。(注)

次に、画面上で 1行を超える長いコマンドラインを折り返す例を示します。

手順の概要

1. access-list2. Ctrl+A3. Returnキー

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX112 OL-29432-01-J

コマンドラインインターフェイスの使用

編集機能のイネーブル化およびディセーブル化

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手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

1行分を超えるグローバルコンフィギュレーションコマンド入力を表示します。

access-list

例:

Switch(config)# access-list 101 permit

ステップ 1

最初にカーソルが行末に達すると、その行は 10文字分だけ左へシフトされ、再表示されます。ドル記号($)は、その行が

tcp 10.15.22.25 255.255.255.0左へスクロールされたことを表します。カーソルが行末に達

するたびに、その行は再び10文字分だけ左へシフトされます。10.15.22.35Switch(config)# $ 101 permit tcp10.15.22.25 255.255.255.0 10.15.22.35255.25Switch(config)# $t tcp 10.15.22.25255.255.255.0 131.108.1.20255.255.255.0 eqSwitch(config)# $15.22.25 255.255.255.010.15.22.35 255.255.255.0 eq 45

完全な構文をチェックします。Ctrl+A

例:Switch(config)# access-list 101 permittcp 10.15.22.25 255.255.255.0 10.15.2$

ステップ 2

行末に表示されるドル記号($)は、その行が右へスクロールされたことを表します。

コマンドを実行します。Returnキーステップ 3

ソフトウェアでは、端末画面は 80カラム幅であると想定されています。画面の幅が異なる場合は、terminalwidth特権EXECコマンドを使用して端末の幅を設定します。

ラップアラウンド機能とコマンド履歴機能を併用すると、前に

入力した複雑なコマンドエントリを呼び出して変更できます。

show および more コマンド出力の検索およびフィルタリングshowおよびmoreコマンドの出力を検索およびフィルタリングできます。この機能は、大量の出力をソートする場合や、出力から不要な情報を除外する場合に役立ちます。これらのコマンドの

使用は任意です。

手順の概要

1. {show |more} command | {begin | include | exclude} regular-expression

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 13

コマンドラインインターフェイスの使用

show および more コマンド出力の検索およびフィルタリング

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手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

出力を検索およびフィルタリングします。{show |more} command | {begin | include | exclude}regular-expression

ステップ 1

文字列では、大文字と小文字が区別されます。た

とえば、| exclude outputと入力した場合、output例:Switch# show interfaces | include protocolVlan1 is up, line protocol is up

を含む行は表示されませんが、Outputを含む行は表示されます。

Vlan10 is up, line protocol is downGigabitEthernet1/0/1 is up, line protocol is downGigabitEthernet1/0/2 is up, line protocol is up

コンソール接続または Telnet 経由で CLI にアクセスするCLIにアクセスするには、switchのハードウェアインストレーションガイドに記載されている手順で、switchのコンソールポートに端末または PCを接続するか、または PCをイーサネット管理ポートに接続して、switchの電源をオンにする必要があります。

switchがすでに設定されている場合は、ローカルコンソール接続またはリモート Telnetセッションによって CLIにアクセスできますが、このタイプのアクセスに対応できるように、先にswitchを設定しておく必要があります。

次のいずれかの方法で、switchとの接続を確立できます。

• switchコンソールポートに管理ステーションまたはダイヤルアップモデムを接続するか、またはイーサネット管理ポートに PCを接続します。コンソールポートまたはイーサネット管理ポートへの接続については、switchのハードウェアインストレーションガイドを参照してください。

•リモート管理ステーションから任意の Telnet TCP/IPまたは暗号化 Secure Shell(SSH;セキュアシェル)パッケージを使用します。 switchは Telnetまたは SSHクライアントとのネットワーク接続が可能でなければなりません。また、switchにイネーブルシークレットパスワードを設定しておくことも必要です。

• switchは同時に最大 16の Telnetセッションをサポートします。 1人の Telnetユーザによって行われた変更は、他のすべての Telnetセッションに反映されます。

• switchは最大 5つの安全な SSHセッションを同時にサポートします。

コンソールポート、イーサネット管理ポート、Telnetセッション、または SSHセッションを通じて接続すると、管理ステーション上にユーザ EXECプロンプトが表示されます。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX114 OL-29432-01-J

コマンドラインインターフェイスの使用

コンソール接続または Telnet 経由で CLI にアクセスする

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第 2 章

IP ユニキャストルーティングの設定

• 機能情報の確認, 16 ページ

• IPユニキャストルーティングの設定に関する情報, 16 ページ

• IPルーティングに関する情報, 16 ページ

• IPルーティングの設定方法, 24 ページ

• IPアドレッシングの設定方法, 25 ページ

• IPアドレスのモニタリングおよびメンテナンス, 43 ページ

• IPユニキャストルーティングの設定方法, 44 ページ

• RIP情報, 46 ページ

• RIPの設定方法, 47 ページ

• サマリーアドレスおよびスプリットホライズンの設定例, 54 ページ

• OSPFに関する情報, 55 ページ

• OSPFの設定方法, 59 ページ

• OSPFのモニタリング, 70 ページ

• OSPFの設定例, 71 ページ

• EIGRPに関する情報, 72 ページ

• uRPFの設定, 73 ページ

• プロトコル独立機能, 74 ページ

• IPネットワークのモニタリングおよびメンテナンス, 99 ページ

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 15

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機能情報の確認ご使用のソフトウェアリリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ

ているとは限りません。最新の機能情報と注意事項については、ご使用のプラットフォームとソ

フトウェアリリースに対応したリリースノートを参照してください。

プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索

するには、Cisco FeatureNavigatorを使用します。Cisco FeatureNavigatorには、http://www.cisco.com/go/cfnからアクセスします。 Cisco.comのアカウントは必要ありません。

IP ユニキャストルーティングの設定に関する情報このモジュールでは、スイッチで IP Version 4(IPv4)ユニキャストルーティングを設定する方法について説明します。

スイッチスタックは、ネットワーク内のそれ以外のルータに対して、単一のルータとして動作

し、認識されます。スタティックルーティング、Routing Information Protocol(RIP)などの基本的なルーティング機能は、IP Liteで使用できます。

IPv4トラフィックに加えて、IPバージョン6(IPv6)ユニキャストルーティングをイネーブルにし、IPv6トラフィックを転送するようにインターフェイスを設定できます。

(注)

IP ルーティングに関する情報一部のネットワーク環境で、VLAN(仮想 LAN)は各ネットワークまたはサブネットワークに関連付けられています。 IPネットワークで、各サブネットワークは 1つの VLANに対応しています。 VLANを設定すると、ブロードキャストドメインのサイズを制御し、ローカルトラフィックをローカル内にとどめることができます。ただし、異なる VLAN内のネットワークデバイスが相互に通信するには、VLAN間でトラフィックをルーティング(VLAN間ルーティング)するレイヤ 3デバイス(ルータ)が必要です。VLAN間ルーティングでは、適切な宛先VLANにトラフィックをルーティングするため、1つまたは複数のルータを設定します。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX116 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定機能情報の確認

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次の図に基本的なルーティングトポロジを示します。スイッチ Aは VLAN 10内、スイッチ BはVLAN 20内にあります。ルータには各 VLANのインターフェイスが備わっています。

図 1:ルーティングトポロジの例

VLAN 10内のホスト Aが VLAN 10内のホスト Bと通信する場合、ホスト Aはホスト B宛にアドレス指定されたパケットを送信します。スイッチAはパケットをルータに送信せず、ホストBに直接転送します。

ホスト Aから VLAN 20内のホスト Cにパケットを送信する場合、スイッチ Aはパケットをルータに転送し、ルータは VLAN 10インターフェイスでトラフィックを受信します。ルータはルーティングテーブルを調べて正しい発信インターフェイスを判別し、VLAN20インターフェイスを経由してパケットをスイッチ Bに送信します。スイッチ Bはパケットを受信し、ホスト Cに転送します。

ルーティングタイプ

ルータおよびレイヤ 3スイッチは、次の方法でパケットをルーティングできます。

•デフォルトルーティング

•事前にプログラミングされているトラフィックのスタティックルートの使用

•ルーティングプロトコルによるルートの動的な計算

デフォルトルーティングとは、宛先がルータにとって不明であるトラフィックをデフォルトの出

口または宛先に送信することです。

スタティックユニキャストルーティングの場合、パケットは事前に設定されたポートから単一の

パスを通り、ネットワークの内部または外部に転送されます。スタティックルーティングは安全

で、帯域幅をほとんど使用しません。ただし、リンク障害などのネットワークの変更には自動的

に対応しないため、パケットが宛先に到達しないことがあります。ネットワークが拡大するにつ

れ、スタティックルーティングの設定は煩雑になります。

ルータでは、トラフィックを転送する最適ルートを動的に計算するため、ダイナミックルーティ

ングプロトコルが使用されます。ダイナミックルーティングプロトコルには次の 2つのタイプがあります。

•ディスタンスベクトルプロトコルを使用するルータでは、ネットワークリソースの距離の値を使用してルーティングテーブルを保持し、これらのテーブルをネイバーに定期的に渡し

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 17

IP ユニキャストルーティングの設定ルーティングタイプ

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ます。ディスタンスベクトルプロトコルは 1つまたは複数のメトリックを使用し、最適なルートを計算します。これらのプロトコルは、簡単に設定、使用できます。

•リンクステートプロトコルを使用するルータでは、ルータ間のリンクステートアドバタイズメント(LSA)の交換に基づき、ネットワークトポロジに関する複雑なデータベースを保持します。LSAはネットワークのイベントによって起動され、コンバージェンス時間、またはこれらの変更への対応時間を短縮します。リンクステートプロトコルはトポロジの変更

にすばやく対応しますが、ディスタンスベクトルプロトコルよりも多くの帯域幅およびリ

ソースが必要になります。

スイッチでサポートされているディスタンスベクトルプロトコルは、ルーティング情報プロトコ

ル(RIP)です。RIPは最適パスを決定するために単一の距離メトリック(コスト)を使用します。また、従来の Interior Gateway Routing Protocol(IGRP)にリンクステートルーティング機能の一部を追加して効率化を図ったOpenShortest Path First(OSPF)リンクステートプロトコルもサポートされています。

IP ルーティングおよびスイッチスタックスタックのスイッチがルーティングピアに接続されているかどうかに関係なく、スイッチスタッ

クはネットワークからは単一のスイッチとして認識されます。

アクティブスイッチにより、次の機能が実行されます。

•ルーティングプロトコルを初期化し、設定します。

•ルーティングプロトコルメッセージおよびアップデートを他のルータに送信します。

•ピアルータから受信したルーティングプロトコルメッセージおよびアップデートを処理します。

• distributed Cisco Express Forwarding(dCEF)データベースを生成および維持し、すべてのスタックメンバーに配信します。このデータベースに基づいて、スタック内のすべてのスイッ

チにルートがプログラミングされます。

•アクティブスイッチのMACアドレスはスタック全体のルータMACアドレスとして使用され、すべての外部デバイスはこのアドレスを使用して IPパケットをスタックに送信します。

•ソフトウェア転送またはソフトウェア処理を必要とするすべての IPパケットは、アクティブスイッチの CPUを通ります。

スタックメンバーは、次に示す機能を実行します。

•ルーティングスタンバイスイッチとして機能します。アクティブスイッチに障害が発生し、新規アクティブスイッチとして選択された場合に、処理を引き継ぐことができます。

•ルートをハードウェアにプログラムします。

アクティブスイッチに障害が発生すると、スタックはアクティブスイッチがダウンしていること

を検出し、スタックメンバの1つを新規アクティブスイッチとして選択します。この期間中に、

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX118 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定IP ルーティングおよびスイッチスタック

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ハードウェアは一時的な中断を除き、アクティブなプロトコルがない状態でパケットの転送を継

続します。

ただし、スイッチスタックが障害のあとハードウェア IDを維持していても、アクティブスイッチの再起動前の短い中断の間にルータネイバーのルーティングプロトコルがフラップすることが

あります。OSPFや EIGRPなどのルーティングプロトコルは、ネイバーの移行を認識する必要があります。

新規アクティブスイッチは、選択されたときに次の機能を実行します。

•ルーティングアップデートの生成、受信、および処理を開始します。

•ルーティングテーブルを構築し、CEFデータベースを生成して、スタックメンバーに配信します。

•ルータMACアドレスとして自身のMACアドレスを使用します。新規MACアドレスのネットワークピアに通知するために、新規ルータMACアドレスを使用して余分のARP応答を定期的に(5分間の間、数秒おきに)送信します。

固定MACアドレス機能をスタックに設定していて、アクティブスイッチに変更があった場合、設定された時間スタックMACアドレスは変更されません。この期間に前のアクティブスイッチがメンバスイッチとしてスタックに

再加入する場合、スタックMACアドレスは前のアクティブスイッチのMACアドレスのままになります。

(注)

• ARP要求をプロキシARP IPアドレスに送信し、ARP応答を受信して、各プロキシARPエントリの到達可能性を判別しようとします。到達可能なプロキシ ARP IPアドレスごとに、新規ルータMACアドレスを使用して gratuitous ARP応答を生成します。このプロセスは、新規アクティブスイッチが選択されたあと、5分間繰り返されます。

スイッチスタックを複数のスタックに分割すると、ネットワークが適切に動

作しなくなる場合があります。

注意

スイッチがリロードされると、、そのスイッチのポートがすべてダウンし、ルーティングに関わ

るインターフェイスにトラフィックの損失が発生します。

クラスレスルーティング

ルーティングを行うように設定されたスイッチで、クラスレスルーティング動作はデフォルトで

イネーブルとなっています。クラスレスルーティングがイネーブルの場合、デフォルトルート

がないネットワークのサブネット宛てパケットをルータが受信すると、ルータは最適なスーパー

ネットルートにパケットを転送します。スーパーネットは、単一の大規模アドレス空間をシミュ

レートするために使用されるクラスCアドレス空間の連続ブロックで構成されています。スーパーネットは、クラス Bアドレス空間の急速な枯渇を回避するために設計されました。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 19

IP ユニキャストルーティングの設定クラスレスルーティング

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図 41-2では、クラスレスルーティングがイネーブルとなっています。ホストがパケットを128.20.4.1に送信すると、ルータはパケットを廃棄せずに、最適なスーパーネットルートに転送します。クラスレスルーティングがディセーブルの場合、デフォルトルートがないネットワー

クのサブネット宛てパケットを受信したルータは、パケットを廃棄します。

図 2:IP クラスレスルーティングがイネーブルの場合

図 41-3では、ネットワーク 128.20.0.0のルータはサブネット 128.20.1.0、128.20.2.0、128.20.3.0に接続されています。ホストがパケットを 128.20.4.1に送信した場合、ネットワークのデフォルトルートが存在しないため、ルータはパケットを廃棄します。

図 3:IP クラスレスルーティングがディセーブルの場合

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX120 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定クラスレスルーティング

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アドレス解決

インターフェイス固有の IP処理方法を制御するには、アドレス解決を行います。 IPを使用するデバイスには、ローカルセグメントまたは LAN上のデバイスを一意に定義するローカルアドレス(MACアドレス)と、デバイスが属するネットワークを特定するネットワークアドレスがあります。

スイッチスタックでは、スタックの単一のMACアドレスおよび IPアドレスを使用して、ネットワーク通信を行います。

(注)

ローカルアドレス(MACアドレス)は、パケットヘッダーのデータリンク層(レイヤ 2)セクションに格納されて、データリンク(レイヤ 2)デバイスによって読み取られるため、データリンクアドレスと呼ばれます。ソフトウェアがイーサネット上のデバイスと通信するには、デバイ

スのMACアドレスを学習する必要があります。 IPアドレスからMACアドレスを学習するプロセスを、「アドレス解決」と呼びます。MACアドレスから IPアドレスを学習するプロセスを、「逆アドレス解決」と呼びます。

スイッチでは、次の形式のアドレス解決を行うことができます。

• ARP:IPアドレスをMACアドレスと関連付けるために使用されます。 ARPは IPアドレスを入力と解釈し、対応するMACアドレスを学習します。次に、IPアドレス/MACアドレスアソシエーションをARPキャッシュにストアし、すぐに取り出せるようにします。その後、IPデータグラムがリンク層フレームにカプセル化され、ネットワークを通じて送信されます。イーサネット以外の IEEE 802ネットワークにおける IPデータグラムのカプセル化、および ARP要求や応答については、サブネットワークアクセスプロトコル(SNAP)で規定されています。

•プロキシ ARP:ルーティングテーブルを持たないホストで、他のネットワークまたはサブネット上のホストのMACアドレスを学習できるようにします。スイッチ(ルータ)が送信元と異なるインターフェイス上のホストに宛てたARP要求を受信した場合、そのルータに他のインターフェイスを経由してそのホストに至るすべてのルートが格納されていれば、ルー

タは自身のローカルデータリンクアドレスを示すプロキシ ARPパケットを生成します。ARP要求を送信したホストはルータにパケットを送信し、ルータはパケットを目的のホストに転送します。

スイッチでは、ARPと同様の機能(ローカルMACアドレスでなく IPアドレスを要求する点を除く)を持つ Reverse Address Resolution Protocol(RARP)を使用することもできます。 RARPを使用するには、ルータインターフェイスと同じネットワークセグメント上にRARPサーバを設置する必要があります。サーバを識別するには、ip rarp-serveraddressインターフェイスコンフィギュレーションコマンドを使用します。

RARPの詳細については、『Cisco IOS Configuration Fundamentals Configuration Guide』を参照してください。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 21

IP ユニキャストルーティングの設定アドレス解決

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プロキシ ARPプロキシ ARPは、他のルートを学習する場合の最も一般的な方法です。プロキシ ARPを使用すると、ルーティング情報を持たないイーサネットホストと、他のネットワークまたはサブネット

上のホストとの通信が可能になります。このホストでは、すべてのホストが同じローカルイーサ

ネット上にあり、ARPを使用してMACアドレスを学習すると想定されています。送信元と異なるネットワーク上にあるホストに宛てたARP要求を受信したスイッチは、そのホストへの最適なルートがあるかどうかを調べます。最適なルートがある場合、スイッチはスイッチ自身のイーサ

ネットMACアドレスが格納された ARP応答パケットを送信します。要求の送信元ホストはパケットをスイッチに送信し、スイッチは目的のホストにパケットを転送します。プロキシ ARPは、すべてのネットワークをローカルな場合と同様に処理し、IPアドレスごとにARP処理を実行します。

ICMP Router Discovery Protocolルータディスカバリを使用すると、スイッチは ICMPRouterDiscoveryProtocol(IRDP)を使用し、他のネットワークへのルートを動的に学習します。ホストは IRDPを使用し、ルータを特定します。クライアントとして動作しているスイッチは、ルータディスカバリパケットを生成します。

ホストとして動作しているスイッチは、ルータディスカバリパケットを受信します。スイッチ

はルーティング情報プロトコル(RIP)ルーティングのアップデートを受信し、この情報を使用してルータの場所を推測することもできます。実際のところ、ルーティングデバイスによって送信

されたルーティングテーブルは、スイッチにストアされません。どのシステムがデータを送信し

ているのかが記録されるだけです。 IRDPを使用する利点は、プライオリティと、パケットが受信されなくなってからデバイスがダウンしていると見なされるまでの期間の両方をルータごとに

指定できることです。

検出された各デバイスは、デフォルトルータの候補となります。現在のデフォルトルータがダウ

ンしたと宣言された場合、または再送信が多すぎて TCP接続がタイムアウトになりつつある場合、プライオリティが上位のルータが検出されると、最も高いプライオリティを持つ新しいルー

タが選択されます。

UDP ブロードキャストパケットおよびプロトコルユーザデータグラムプロトコル(UDP)は IPのホスト間レイヤプロトコルで、TCPと同様です。 UDPはオーバーヘッドが少ない、コネクションレスのセッションを 2つのエンドシステム間に提供しますが、受信されたデータグラムの確認応答は行いません。場合に応じてネットワー

クホストは UDPブロードキャストを使用し、アドレス、コンフィギュレーション、名前に関する情報を検索します。このようなホストが、サーバを含まないネットワークセグメント上にある

場合、通常 UDPブロードキャストは転送されません。この状況を改善するには、特定のクラスのブロードキャストをヘルパーアドレスに転送するように、ルータのインターフェイスを設定し

ます。インターフェイスごとに、複数のヘルパーアドレスを使用できます。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX122 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定プロキシ ARP

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UDP宛先ポートを指定し、転送されるUDPサービスを制御できます。複数のUDPプロトコルを指定することもできます。旧式のディスクレス Sunワークステーションおよびネットワークセキュリティプロトコル SDNSで使用される Network Disk(ND)プロトコルも指定できます。

ヘルパーアドレスがインターフェイスに定義されている場合、デフォルトではUDPとNDの両方の転送がイネーブルになっています。『Cisco IOS IP Command Reference, Volume 1 of 3: Addressingand Services』の ip forward-protocolインターフェイスコンフィギュレーションコマンドの説明には、UDPポートを指定しない場合にデフォルトで転送されるポートがリストされています。

ブロードキャストパケットの処理

IPインターフェイスアドレスを設定したあとで、ルーティングをイネーブルにしたり、1つまたは複数のルーティングプロトコルを設定したり、ネットワークブロードキャストへのスイッチの

応答方法を設定したりできます。ブロードキャストは、物理ネットワーク上のすべてのホスト宛

てのデータパケットです。 2種類のブロードキャストがサポートされています。

•ダイレクトブロードキャストパケット:特定のネットワークまたは一連のネットワークに送信されます。ダイレクトブロードキャストアドレスには、ネットワークまたはサブネッ

トフィールドが含まれます。

•フラッディングブロードキャストパケット:すべてのネットワークに送信されます。

storm-controlインターフェイスコンフィギュレーションコマンドを使用して、トラフィック抑制レベルを設定し、レイヤ 2インターフェイスでブロードキャスト、ユニキャスト、マルチキャストトラフィックを制限することも

できます。

(注)

ルータはローカルケーブルまでの範囲を制限して、ブロードキャストストームを防ぎます。ブ

リッジ(インテリジェントなブリッジを含む)はレイヤ 2デバイスであるため、ブロードキャストはすべてのネットワークセグメントに転送され、ブロードキャストストームを伝播します。

ブロードキャストストーム問題を解決する最善の方法は、ネットワーク上で単一のブロードキャ

ストアドレス方式を使用することです。最新の IP実装機能ではほとんどの場合、アドレスをブロードキャストアドレスとして使用するように設定できます。スイッチをはじめ、多数の実装機

能では、ブロードキャストメッセージを転送するためのアドレス方式が複数サポートされていま

す。

IP ブロードキャストのフラッディングIPブロードキャストをインターネットワーク全体に、制御可能な方法でフラッディングできるようにするには、ブリッジングSTPで作成されたデータベースを使用します。この機能を使用すると、ループを回避することもできます。この機能を使用できるようにするには、フラッディング

が行われるインターフェイスごとにブリッジングを設定する必要があります。ブリッジングが設

定されていないインターフェイス上でも、ブロードキャストを受信できます。ただし、ブリッジ

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 23

IP ユニキャストルーティングの設定ブロードキャストパケットの処理

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ングが設定されていないインターフェイスでは、受信したブロードキャストが転送されません。

また、異なるインターフェイスで受信されたブロードキャストを送信する場合、このインターフェ

イスは使用されません。

IPヘルパーアドレスのメカニズムを使用して単一のネットワークアドレスに転送されるパケットを、フラッディングできます。各ネットワークセグメントには、パケットのコピーが 1つだけ送信されます。

フラッディングを行う場合、パケットは次の条件を満たす必要があります(これらの条件は、IPヘルパーアドレスを使用してパケットを転送するときの条件と同じです)。

•パケットはMACレベルのブロードキャストでなければなりません。

•パケットは IPレベルのブロードキャストでなければなりません。

•パケットはTrivial File Transfer Protocol(TFTP)、ドメインネームシステム(DNS)、Time、NetBIOS、ND、または BOOTPパケット、または ip forward-protocol udpグローバルコンフィギュレーションコマンドで指定された UDPでなければなりません。

•パケットの存続可能時間(TTL)値は 2以上でなければなりません。

フラッディングされた UDPデータグラムには、出力インターフェイスで ip broadcast-addressインターフェイスコンフィギュレーションコマンドによって指定された宛先アドレスが表示されま

す。宛先アドレスを、任意のアドレスに設定できます。このため、データグラムがネットワーク

内に伝播されるにつれ、宛先アドレスが変更されることもあります。送信元アドレスは変更され

ません。 TTL値が減ります。

フラッディングされたUDPデータグラムがインターフェイスから送信されると(場合によっては宛先アドレスが変更される)、データグラムは通常の IP出力ルーチンに渡されます。このため、出力インターフェイスにアクセスリストがある場合、データグラムはその影響を受けます。

スイッチでは、パケットの大部分がハードウェアで転送され、スイッチのCPUを経由しません。CPUに送信されるパケットの場合は、ターボフラッディングを使用し、スパニングツリーベースの UDPフラッディングを約 4~ 5倍高速化します。この機能は、ARPカプセル化用に設定されたイーサネットインターフェイスでサポートされています。

IP ルーティングの設定方法スイッチ上で、IPルーティングはデフォルトでディセーブルとなっているため、ルーティングを行う前に、IPルーティングをイネーブルにする必要があります。 IPルーティングに関する設定情報については、『Cisco IOS IP Configuration Guide』を参照してください。

以下の手順では、次に示すレイヤ 3インターフェイスの 1つを指定する必要があります。

•ルーテッドポート:no switchportインターフェイスコンフィギュレーションコマンドを使用し、レイヤ 3ポートとして設定された物理ポートです。

•スイッチ仮想インターフェイス(SVI):interface vlan vlan_idグローバルコンフィギュレーションコマンドによって作成された VLANインターフェイス。デフォルトではレイヤ 3インターフェイスです。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX124 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定IP ルーティングの設定方法

Page 35: Catalyst 2960-XR スイッチ ルーティング設定ガイド、Cisco …...ICMPRouterDiscoveryProtocol22 UDP ブロードキャストパケットおよびプロトコル22 ブロードキャストパケットの処理

•レイヤ 3モードの EtherChannelポートチャネル:interface port-channel port-channel-numberグローバルコンフィギュレーションコマンドを使用し、イーサネットインターフェイスを

チャネルグループにバインドして作成されたポートチャネル論理インターフェイス。詳細

については、『Layer 2 Configuration Guide』の「Configuring Layer 3 EtherChannels」の章を参照してください。

スイッチは、ユニキャストルーテッドトラフィックのトンネルインターフェ

イスをサポートしません。

(注)

ルーティングが発生するすべてのレイヤ 3インターフェイスに、IPアドレスを割り当てる必要があります。

スイッチは、各ルーテッドポートおよび SVIに割り当てられた IPアドレスを持つことができます。設定できるルーテッドポートおよび SVIの個数は 128に制限されています。推奨個数と実装されている機能の数量を超えると、ハードウェアによって制限されるため、CPU利用率が影響を受けることがあります。

(注)

ルーティングを設定するための主な手順は次のとおりです。

• VLANインターフェイスをサポートするために、スイッチまたはスイッチスタックでVLANを作成および設定し、レイヤ 2インターフェイスにVLANメンバーシップを割り当てます。詳細については、『VLAN Configuration Guide』の「Configuring VLANs」の章を参照してください。

•レイヤ 3インターフェイスを設定します。

•スイッチ上で IPルーティングをイネーブルに設定します。

•レイヤ 3インターフェイスに IPアドレスを割り当てます。

•選択したルーティングプロトコルをスイッチ上でイネーブルにします。

•ルーティングプロトコルパラメータを設定します(任意)。

関連トピック

ネットワークインターフェイスへの IPアドレスの割り当て, (27ページ)

IP アドレッシングの設定方法IPルーティングを設定するには、レイヤ 3ネットワークインターフェイスに IPアドレスを割り当ててインターフェイスをイネーブルにし、IPを使用するインターフェイスを経由してホストとの通信を許可する必要があります。次の項では、さまざまな IPアドレス指定機能の設定方法について説明します。 IPアドレスをインターフェイスに割り当てる手順は必須ですが、その他の手順は任意です。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 25

IP ユニキャストルーティングの設定IP アドレッシングの設定方法

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IP アドレス指定のデフォルト設定

表 4:アドレス指定のデフォルト設定

デフォルト設定機能

未定義IPアドレス

ARPキャッシュに永続的なエントリはありません

カプセル化:標準イーサネット形式の ARP

14400秒(4時間)

『ARP』

255.255.255.255(すべて 1)IPブロードキャストアドレス

イネーブルIPクラスレスルーティング

ディセーブルIPデフォルトゲートウェイ

ディセーブル(すべての IPダイレクトブロードキャストがドロップされます)

IPダイレクトブロードキャスト

ドメインリスト:ドメイン名は未定義

ドメイン検索:イネーブル

ドメイン名:イネーブル

IPドメイン

ヘルパーアドレスが定義されているか、またはユーザデータグラムプロ

トコル(UDP)フラッディングが設定されている場合、デフォルトポートでは UDP転送がイネーブルとなります

ローカルブロードキャスト:ディセーブル

スパニングツリープロトコル(STP):ディセーブル

ターボフラッディング:ディセーブル

IP転送プロトコル

ディセーブルIPヘルパーアドレス

ディセーブルIPホスト

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX126 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定IP アドレス指定のデフォルト設定

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デフォルト設定機能

ディセーブル

イネーブルの場合のデフォルト:

•ブロードキャスト IRDPアドバタイズメント

•アドバタイズメント間の最大インターバル:600秒

•アドバタイズ間の最小インターバル:最大インターバルの 0.75倍

•プリファレンス:0

ICMP RouterDiscovery Protocol(IRDP)

イネーブルIPプロキシ ARP

ディセーブルIPルーティング

ディセーブルIPサブネットゼロ

ネットワークインターフェイスへの IP アドレスの割り当てIPアドレスは IPパケットの送信先を特定します。一部の IPアドレスは特殊な目的のために予約されていて、ホスト、サブネット、またはネットワークアドレスには使用できません。RFC1166の『Internet Numbers』には IPアドレスに関する公式の説明が記載されています。

インターフェイスには、1つのプライマリ IPアドレスを設定できます。マスクで、IPアドレス中のネットワーク番号を示すビットが識別できます。マスクを使用してネットワークをサブネット

化する場合、そのマスクをサブネットマスクと呼びます。割り当てられているネットワーク番号

については、インターネットサービスプロバイダーにお問い合わせください。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開

始します。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

インターフェイスコンフィギュレーションモー

ドを開始し、設定するレイヤ 3インターフェイスを指定します。

interface interface-id

例:

Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1

ステップ 2

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 27

IP ユニキャストルーティングの設定ネットワークインターフェイスへの IP アドレスの割り当て

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目的コマンドまたはアクション

レイヤ 2コンフィギュレーションモードからインターフェイスを削除します(物理インターフェ

イスの場合)。

no switchport

例:

Switch(config-if)# no switchport

ステップ 3

IPアドレスおよび IPサブネットマスクを設定します。

ip address ip-address subnet-mask

例:

Switch(config-if)# ip address 10.1.5.1255.255.255.0

ステップ 4

物理インターフェイスをイネーブルにします。no shutdown

例:

Switch(config-if)# no shutdown

ステップ 5

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config-if)# end

ステップ 6

入力を確認します。show ip route

例:

Switch# show ip route

ステップ 7

入力を確認します。show ip interface [interface-id]

例:

Switch# show ip interface gigabitethernet1/0/1

ステップ 8

入力を確認します。show running-config interface [interface-id]

例:

Switch# show running-config interfacegigabitethernet 1/0/1

ステップ 9

(任意)コンフィギュレーションファイルに設

定を保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-config startup-config

ステップ 10

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX128 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定ネットワークインターフェイスへの IP アドレスの割り当て

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関連トピック

IPルーティングの設定方法, (24ページ)

サブネットゼロの使用

サブネットアドレスがゼロであるサブネットを作成しないでください。同じアドレスを持つネッ

トワークおよびサブネットがある場合に問題が発生することがあります。たとえば、ネットワー

ク 131.108.0.0のサブネットが 255.255.255.0の場合、サブネットゼロは 131.108.0.0と記述され、ネットワークアドレスと同じとなってしまいます。

すべてが 1のサブネット(131.108.255.0)は使用可能です。また、IPアドレス用にサブネットスペース全体が必要な場合は、サブネットゼロの使用をイネーブルにできます(ただし推奨できま

せん)。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始

します。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

インターフェイスアドレスおよびルーティングの

アップデート時にサブネットゼロの使用をイネー

ブルにします。

ip subnet-zero

例:

Switch(config)# ip subnet-zero

ステップ 2

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config)# end

ステップ 3

入力を確認します。show running-config

例:

Switch# show running-config

ステップ 4

(任意)コンフィギュレーションファイルにエン

トリを保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-configstartup-config

ステップ 5

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 29

IP ユニキャストルーティングの設定ネットワークインターフェイスへの IP アドレスの割り当て

Page 40: Catalyst 2960-XR スイッチ ルーティング設定ガイド、Cisco …...ICMPRouterDiscoveryProtocol22 UDP ブロードキャストパケットおよびプロトコル22 ブロードキャストパケットの処理

クラスレスルーティングのイネーブル化

認識されないサブネット宛てのパケットが最適なスーパーネットルートに転送されないようにす

るには、クラスレスルーティング動作をディセーブルにします。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを

開始します。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

クラスレスルーティング動作をディセーブルに

します。

no ip classless

例:

Switch(config)#no ip classless

ステップ 2

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config)# end

ステップ 3

入力を確認します。show running-config

例:

Switch# show running-config

ステップ 4

(任意)コンフィギュレーションファイルにエ

ントリを保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-config startup-config

ステップ 5

アドレス解決方法の設定

アドレス解決を設定するために必要な作業は次のとおりです。

スタティック ARP キャッシュの定義ARPおよび他のアドレス解決プロトコルを使用すると、IPアドレスとMACアドレス間をダイナミックにマッピングできます。ほとんどのホストではダイナミックアドレス解決がサポートされ

ているため、通常の場合、スタティックARPキャッシュエントリを指定する必要はありません。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX130 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定アドレス解決方法の設定

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スタティック ARPキャッシュエントリを定義する必要がある場合は、グローバルに定義できます。グローバルに定義すると、IPアドレスをMACアドレスに変換するために使用される永続的なエントリを、ARPキャッシュに確保できます。また、指定された IPアドレスがスイッチに属する場合と同じ方法で、スイッチが ARP要求に応答するように指定することもできます。 ARPエントリを永続的なエントリにしない場合は、ARPエントリのタイムアウト期間を指定できます。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始しま

す。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

ARPキャッシュ内で IPアドレスをMAC(ハードウェア)アドレスに関連付け、次に示すカプセル化タイプのいず

れかを指定します。

arp ip-address hardware-address type

例:

Switch(config)# ip 10.1.5.1c2f3.220a.12f4 arpa

ステップ 2

• arpa:ARPカプセル化(イーサネットインターフェイス用)

• snap:SNAPカプセル化(トークンリングおよびFDDIインターフェイス用)

• sap:HPの ARPタイプ

(任意)指定された IPアドレスがスイッチに属する場合と同じ方法で、スイッチが ARP要求に応答するように指定します。

arp ip-address hardware-address type[alias]

例:

Switch(config)# ip 10.1.5.3d7f3.220d.12f5 arpa alias

ステップ 3

インターフェイスコンフィギュレーションモードを開始

し、設定するインターフェイスを指定します。

interface interface-id

例:

Switch(config)# interfacegigabitethernet 1/0/1

ステップ 4

(任意)ARPキャッシュエントリがキャッシュに保持される期間を設定します。デフォルト値は 14400秒(4時間)です。指定できる範囲は 0~ 2147483秒です。

arp timeout seconds

例:

Switch(config-if)# arp 20000

ステップ 5

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config-if)# end

ステップ 6

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 31

IP ユニキャストルーティングの設定アドレス解決方法の設定

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目的コマンドまたはアクション

すべてのインターフェイスまたは特定のインターフェイ

スで使用される ARPのタイプおよびタイムアウト値を確認します。

show interfaces [interface-id]

例:

Switch# show interfacesgigabitethernet 1/0/1

ステップ 7

ARPキャッシュの内容を表示します。show arp

例:

Switch# show arp

ステップ 8

ARPキャッシュの内容を表示します。show ip arp

例:

Switch# show ip arp

ステップ 9

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を保存

します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-configstart-config

ステップ 10

ARP のカプセル化の設定IPインターフェイスでは、イーサネットARPカプセル化(arpaキーワードで表される)がデフォルトでイネーブルに設定されています。ネットワークの必要性に応じて、カプセル化方法をSNAPに変更できます。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始し

ます。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

インターフェイスコンフィギュレーションモードを

開始し、設定するレイヤ 3インターフェイスを指定します。

interface interface-id

例:

Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/2

ステップ 2

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX132 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定アドレス解決方法の設定

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目的コマンドまたはアクション

ARPカプセル化方法を指定します。arp {arpa | snap}

例:

Switch(config-if)# arp arpa

ステップ 3

• arpa:ARP

• snap:SNAP

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config-if)# end

ステップ 4

すべてのインターフェイスまたは指定されたインター

フェイスの ARPカプセル化設定を確認します。show interfaces [interface-id]

例:

Switch# show interfaces

ステップ 5

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を

保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-configstartup-config

ステップ 6

プロキシ ARP のイネーブル化デフォルトでは、プロキシARPが使用されます。ホストが他のネットワークまたはサブネット上のホストのMACアドレスを学習できるようにするためです。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始

します。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

インターフェイスコンフィギュレーションモード

を開始し、設定するレイヤ3インターフェイスを指定します。

interface interface-id

例:

Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/2

ステップ 2

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 33

IP ユニキャストルーティングの設定アドレス解決方法の設定

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目的コマンドまたはアクション

インターフェイス上でプロキシ ARPをイネーブルにします。

ip proxy-arp

例:

Switch(config-if)# ip proxy-arp

ステップ 3

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config-if)# end

ステップ 4

指定されたインターフェイスまたはすべてのイン

ターフェイスの設定を確認します。

show ip interface [interface-id]

例:

Switch# show ip interface gigabitethernet1/0/2

ステップ 5

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を

保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-config startup-config

ステップ 6

IP ルーティングがディセーブルの場合のルーティング支援機能次のメカニズムを使用することで、スイッチは IPルーティングがイネーブルでない場合、別のネットワークへのルートを学習できます。

•プロキシ ARP

•デフォルトゲートウェイ

• IRDP

プロキシ ARPプロキシARPは、デフォルトでイネーブルに設定されています。ディセーブル化されたプロキシARPをイネーブルにするには、「プロキシ ARPのイネーブル化」の項を参照してください。プロキシ ARPは、他のルータでサポートされているかぎり有効です。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX134 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定IP ルーティングがディセーブルの場合のルーティング支援機能

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デフォルトゲートウェイ

ルートを特定するもう 1つの方法は、デフォルトルータ、つまりデフォルトゲートウェイを定義する方法です。ローカルでないすべてのパケットはこのルータに送信されます。このルータは適

切なルーティングを行う、または IP制御メッセージプロトコル(ICMP)リダイレクトメッセージを返信するという方法で、ホストが使用するローカルルータを定義します。スイッチはリダイ

レクトメッセージをキャッシュに格納し、各パケットをできるだけ効率的に転送します。この方

法には、デフォルトルータがダウンした場合、または使用できなくなった場合に、検出が不可能

となる制限があります。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開

始します。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

デフォルトゲートウェイ(ルータ)を設定しま

す。

ip default-gateway ip-address

例:

Switch(config)# ip default gateway 10.1.5.1

ステップ 2

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config)# end

ステップ 3

設定を確認するため、デフォルトゲートウェイ

ルータのアドレスを表示します。

show ip redirects

例:

Switch# show ip redirects

ステップ 4

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定

を保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-config startup-config

ステップ 5

IRDPインターフェイスで IRDPルーティングを行う場合は、インターフェイスで IRDP処理をイネーブルにしてください。 IRDP処理をイネーブルにすると、デフォルトのパラメータが適用されます。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 35

IP ユニキャストルーティングの設定IP ルーティングがディセーブルの場合のルーティング支援機能

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これらのパラメータを変更することもできます。maxadvertinterval値を変更すると、holdtime値およびminadvertinterval値も変更されます。最初にmaxadvertinterval値を変更し、次に holdtime値または minadvertinterval値のいずれかを手動で変更することが重要です。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

インターフェイスコンフィギュレーションモードを開始し、

設定するレイヤ 3インターフェイスを指定します。interface interface-id

例:

Switch(config)# interfacegigabitethernet 1/0/1

ステップ 2

インターフェイスで IRDP処理をイネーブルにします。ip irdp

例:

Switch(config-if)# ip irdp

ステップ 3

(任意)IPブロードキャストの代わりとして、マルチキャストアドレス(224.0.0.1)に IRDPアドバタイズを送信します。

ip irdp multicast

例:

Switch(config-if)# ip irdpmulticast

ステップ 4

このコマンドを使用すると、IRDPパケットをマルチキャストとして送信するサンマイクロシステムズ

社の Solarisとの互換性を維持できます。実装機能の中には、これらのマルチキャストを受信できない

ものも多くあります。このコマンドを使用する前

に、エンドホストがこの機能に対応していることを

確認してください。

(注)

(任意)アドバタイズが有効である IRDP期間を設定します。デフォルト値は maxadvertinterval値の 3倍です。

ip irdp holdtime seconds

例:

Switch(config-if)# ip irdp holdtime1000

ステップ 5

maxadvertinterval値よりも大きな値(9000秒以下)を指定する必要があります。maxadvertinterval値を変更すると、この値も変更されます。

(任意)アドバタイズメントの IRDP最大間隔を設定します。デフォルトは 600秒です。

ip irdp maxadvertinterval seconds

例:

Switch(config-if)# ip irdpmaxadvertinterval 650

ステップ 6

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX136 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定IP ルーティングがディセーブルの場合のルーティング支援機能

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目的コマンドまたはアクション

(任意)アドバタイズ間の IRDPの最小インターバルを設定します。デフォルト値は maxadvertinterval値の 0.75倍です。

ip irdp minadvertinterval seconds

例:

Switch(config-if)# ip irdpminadvertinterval 500

ステップ 7

maxadvertintervalを変更すると、この値も新しいデフォルト値(maxadvertintervalの 0.75倍)に変更されます。

(任意)デバイスの IRDPプリファレンスレベルを設定します。指定できる範囲は -231~ 231です。デフォルトは 0で

ip irdp preference number

例:

Switch(config-if)# ip irdppreference 2

ステップ 8

す。大きな値を設定すると、ルータのプリファレンスレベル

も高くなります。

(任意)プロキシアドバタイズを行うための IRDPアドレスとプリファレンスを設定します。

ip irdp address address [number]

例:

Switch(config-if)# ip irdp address10.1.10.10

ステップ 9

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config-if)# end

ステップ 10

IRDP値を表示し、設定を確認します。show ip irdp

例:

Switch# show ip irdp

ステップ 11

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を保存しま

す。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-configstartup-config

ステップ 12

ブロードキャストパケットの処理方法の設定

これらの方式をイネーブルにするには、次に示す作業を実行します。

•ダイレクトブロードキャストから物理ブロードキャストへの変換のイネーブル化

• UDPブロードキャストパケットおよびプロトコルの転送

• IPブロードキャストアドレスの確立

• IPブロードキャストのフラッディング

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 37

IP ユニキャストルーティングの設定ブロードキャストパケットの処理方法の設定

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ダイレクトブロードキャストから物理ブロードキャストへの変換のイネーブル化

デフォルトでは、IPダイレクトブロードキャストがドロップされるため、転送されることはありません。 IPダイレクトブロードキャストがドロップされると、ルータが DoS攻撃(サービス拒絶攻撃)にさらされる危険が少なくなります。

ブロードキャストが物理(MACレイヤ)ブロードキャストになるインターフェイスでは、IPダイレクトブロードキャストの転送をイネーブルにできます。 ip forward-protocolグローバルコンフィギュレーションコマンドを使用し、設定されたプロトコルだけを転送できます。

転送するブロードキャストを制御するアクセスリストを指定できます。アクセスリストを指定

すると、アクセスリストで許可されている IPパケットだけが、ダイレクトブロードキャストから物理ブロードキャストに変換できるようになります。アクセスリストの詳細については、

『Security Configuration Guide』の「Information about Network Security with ACLs」の項を参照してください。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

インターフェイスコンフィギュレーションモードを開始

し、設定するインターフェイスを指定します。

interface interface-id

例:

Switch(config)# interfacegigabitethernet 1/0/2

ステップ 2

インターフェイス上で、ダイレクトブロードキャストから

物理ブロードキャストへの変換をイネーブルにします。転

ip directed-broadcast [access-list-number]

例:

Switch(config-if)# ipdirected-broadcast 103

ステップ 3

送するブロードキャストを制御するアクセスリストを指定

できます。アクセスリストを指定すると、アクセスリスト

で許可されている IPパケットだけが変換可能になります。

グローバルコンフィギュレーションモードに戻ります。exit

例:

Switch(config-if)# exit

ステップ 4

ブロードキャストパケットを転送するとき、ルータによっ

て転送されるプロトコルおよびポートを指定します。

ip forward-protocol {udp [port] | nd |sdns}

例:

Switch(config)# ip forward-protocolnd

ステップ 5

• udp:UDPデータグラムを転送します。

port:(任意)転送される UDPサービスを制御する宛先ポートです。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX138 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定ブロードキャストパケットの処理方法の設定

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目的コマンドまたはアクション

• nd:NDデータグラムを転送します。

• sdns:SDNSデータグラムを転送します。

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config)# end

ステップ 6

指定されたインターフェイスまたはすべてのインターフェ

イスの設定を確認します。

show ip interface [interface-id]

例:

Switch# show ip interface

ステップ 7

指定されたインターフェイスまたはすべてのインターフェ

イスの設定を確認します。

show running-config

例:

Switch# show running-config

ステップ 8

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を保存し

ます。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-configstartup-config

ステップ 9

UDP ブロードキャストパケットおよびプロトコルの転送UDPブロードキャストの転送を設定するときに UDPポートを指定しないと、ルータは BOOTPフォワーディングエージェントとして動作するように設定されます。BOOTPパケットはDynamicHost Configuration Protocol(DHCP)情報を伝達します。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始し

ます。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 39

IP ユニキャストルーティングの設定ブロードキャストパケットの処理方法の設定

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目的コマンドまたはアクション

インターフェイスコンフィギュレーションモードを

開始し、設定するレイヤ3インターフェイスを指定します。

interface interface-id

例:

Switch(config)# interfacegigabitethernet 1/0/1

ステップ 2

転送をイネーブルにし、BOOTPなどのUDPブロードキャストパケットを転送するための宛先アドレスを

指定します。

ip helper-address address

例:

Switch(config-if)# ip helper address10.1.10.1

ステップ 3

グローバルコンフィギュレーションモードに戻りま

す。

exit

例:

Switch(config-if)# exit

ステップ 4

ブロードキャストパケットを転送するときに、ルー

タによって転送されるプロトコルを指定します。

ip forward-protocol {udp [port] | nd | sdns}

例:

Switch(config)# ip forward-protocol sdns

ステップ 5

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config)# end

ステップ 6

指定されたインターフェイスまたはすべてのインター

フェイスの設定を確認します。

show ip interface [interface-id]

例:

Switch# show ip interfacegigabitethernet 1/0/1

ステップ 7

指定されたインターフェイスまたはすべてのインター

フェイスの設定を確認します。

show running-config

例:

Switch# show running-config

ステップ 8

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を

保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-configstartup-config

ステップ 9

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX140 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定ブロードキャストパケットの処理方法の設定

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IP ブロードキャストアドレスの確立最も一般的な(デフォルトの)IPブロードキャストアドレスは、すべて 1で構成されているアドレス(255.255.255.255)です。ただし、任意の形式の IPブロードキャストアドレスを生成するようにスイッチを設定することもできます。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始し

ます。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

インターフェイスコンフィギュレーションモードを

開始し、設定するインターフェイスを指定します。

interface interface-id

例:

Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1

ステップ 2

デフォルト値と異なるブロードキャストアドレス

(128.1.255.255など)を入力します。ip broadcast-address ip-address

例:

Switch(config-if)# ip broadcast-address128.1.255.255

ステップ 3

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config-if)# end

ステップ 4

指定されたインターフェイスまたはすべてのインター

フェイスのブロードキャストアドレスを確認しま

す。

show ip interface [interface-id]

例:

Switch# show ip interface

ステップ 5

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を

保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-configstartup-config

ステップ 6

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 41

IP ユニキャストルーティングの設定ブロードキャストパケットの処理方法の設定

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IP ブロードキャストのフラッディング

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開

始します。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

ブリッジングスパニングツリーデータベースを

使用し、UDPデータグラムをフラッディングします。

ip forward-protocol spanning-tree

例:

Switch(config)# ip forward-protocolspanning-tree

ステップ 2

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config)# end

ステップ 3

入力を確認します。show running-config

例:

Switch# show running-config

ステップ 4

(任意)コンフィギュレーションファイルにエ

ントリを保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-config startup-config

ステップ 5

グローバルコンフィギュレーションモードを開

始します。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 6

スパニングツリーデータベースを使用し、UDPデータグラムのフラッディングを高速化します。

ip forward-protocol turbo-flood

例:

Switch(config)# ip forward-protocolturbo-flood

ステップ 7

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config)# end

ステップ 8

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX142 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定ブロードキャストパケットの処理方法の設定

Page 53: Catalyst 2960-XR スイッチ ルーティング設定ガイド、Cisco …...ICMPRouterDiscoveryProtocol22 UDP ブロードキャストパケットおよびプロトコル22 ブロードキャストパケットの処理

目的コマンドまたはアクション

入力を確認します。show running-config

例:

Switch# show running-config

ステップ 9

(任意)コンフィギュレーションファイルにエ

ントリを保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-config startup-config

ステップ 10

IP アドレスのモニタリングおよびメンテナンス特定のキャッシュ、テーブル、またはデータベースの内容が無効になっている場合、または無効

である可能性がある場合は、clear特権EXECコマンドを使用し、すべての内容を削除できます。表 41-2に、内容をクリアするために使用するコマンドを示します。

表 5:キャッシュ、テーブル、データベースをクリアするコマンド

IP ARPキャッシュおよび高速スイッチングキャッシュをクリアします。

clear arp-cache

ホスト名およびアドレスキャッシュから 1つまたはすべてのエントリを削除します。

clear host {name | *}

IPルーティングテーブルから 1つまたは複数のルートを削除します。

clear ip route {network [mask] | *}

IPルーティングテーブル、キャッシュ、データベースの内容、ノードへの到達可能性、ネットワーク内のパケットのルーティングパスなど、特定の統計情報を表示できます。表 41-3に、IP統計情報を表示するために使用する特権 EXECコマンドを示します。

表 6:キャッシュ、テーブル、データベースを表示するコマンド

ARPテーブル内のエントリを表示します。show arp

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 43

IP ユニキャストルーティングの設定IP アドレスのモニタリングおよびメンテナンス

Page 54: Catalyst 2960-XR スイッチ ルーティング設定ガイド、Cisco …...ICMPRouterDiscoveryProtocol22 UDP ブロードキャストパケットおよびプロトコル22 ブロードキャストパケットの処理

デフォルトのドメイン名、検索サービスの方式、サーバホ

スト名、およびキャッシュに格納されているホスト名とア

ドレスのリストを表示します。

show hosts

TCPポートにマッピングされた IPアドレスを表示します(エイリアス)。

show ip aliases

IP ARPキャッシュを表示します。show ip arp

インターフェイスの IPステータスを表示します。show ip interface [interface-id]

IRDP値を表示します。show ip irdp

ネットワークアドレスに対して使用されるマスクおよび各

マスクを使用するサブネット番号を表示します。

show ip masks address

デフォルトゲートウェイのアドレスを表示します。show ip redirects

ルーティングテーブルの現在の状態を表示します。show ip route [address [mask]] |[protocol]

サマリー形式でルーティングテーブルの現在のステータス

を表示します。

show ip route summary

IP ユニキャストルーティングの設定方法

IP ユニキャストルーティングのイネーブル化デフォルトで、スイッチはレイヤ 2スイッチングモード、IPルーティングはディセーブルとなっています。スイッチのレイヤ 3機能を使用するには、IPルーティングをイネーブルにする必要があります。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始しま

す。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX144 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定IP ユニキャストルーティングの設定方法

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目的コマンドまたはアクション

IPルーティングをイネーブルにします。ip routing

例:

Switch(config)# ip routing

ステップ 2

IPルーティングプロトコルを指定します。このステップでは、他のコマンドを実行することもできます。たとえ

router ip_routing_protocol

例:

Switch(config)# router rip

ステップ 3

ば、network(RIP)ルータコンフィギュレーションコマンドを使用し、ルーティングするネットワークを指定で

きます。具体的なプロトコルの詳細については、この章

の後半および『Cisco IOS IPConfigurationGuide』を参照してください。

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config)# end

ステップ 4

入力を確認します。show running-config

例:

Switch# show running-config

ステップ 5

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を保存

します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-configstartup-config

ステップ 6

IP ルーティングのイネーブル化の例次に、 IPルーティングをイネーブルにする例を示します。

Switch# configure terminalEnter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.Switch(config)# ip routing

Switch(config-router)# end

次の作業

ここで、選択したルーティングプロトコルのパラメータを設定できます。具体的な手順は次のと

おりです。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 45

IP ユニキャストルーティングの設定IP ルーティングのイネーブル化の例

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• RIP

• OSPF,

• EIGRP

•ユニキャスト Reverse Path Forwarding

•プロトコル独立機能(任意)

RIP 情報RIPは、小規模な同種ネットワーク間で使用するために作成された InteriorGatewayProtocol(IGP)です。 RIPは、ブロードキャストユーザデータグラムプロトコル(UDP)データパケットを使用してルーティング情報を交換するディスタンスベクトルルーティングプロトコルです。この

プロトコルはRFC1058に文書化されています。RIPの詳細については、『IPRoutingFundamentals』(Cisco Press刊)を参照してください。

RIPは IP Liteでサポートされています。(注)

スイッチは RIPを使用し、30秒ごとにルーティング情報アップデート(アドバタイズメント)を送信します。 180秒以上を経過しても別のルータからアップデートがルータに届かない場合、該当するルータから送られたルートは使用不能としてマークされます。 240秒後もまだ更新がない場合、ルータは更新のないルータのルーティングテーブルエントリをすべて削除します。

RIPでは、各ルートの値を評価するためにホップカウントが使用されます。ホップカウントは、ルート内で経由されるルータ数です。直接接続されているネットワークのホップカウントは 0です。ホップカウントが 16のネットワークに到達できません。このように範囲(0~ 15)が狭いため、RIPは大規模ネットワークには適していません。

ルータにデフォルトのネットワークパスが設定されている場合、RIPはルータを疑似ネットワーク 0.0.0.0にリンクするルートをアドバタイズします。 0.0.0.0ネットワークは存在しません。RIPはデフォルトのルーティング機能を実行するためのネットワークとして、このネットワークを処

理します。デフォルトネットワークがRIPによって取得された場合、またはルータが最終ゲートウェイで、RIPがデフォルトメトリックによって設定されている場合、スイッチはデフォルトネットワークをアドバタイズします。RIPは指定されたネットワーク内のインターフェイスにアップデートを送信します。インターフェイスのネットワークを指定しなければ、RIPのアップデート中にアドバタイズされません。

サマリーアドレスおよびスプリットホライズン

ブロードキャストタイプの IPネットワークに接続され、ディスタンスベクトルルーティングプロトコルを使用するルータでは、通常ルーティングループの発生を抑えるために、スプリットホ

ライズンメカニズムが使用されます。スプリットホライズンは、ルートに関する情報の発信元

であるインターフェイス上の、ルータによって、その情報がアドバタイズされないようにします。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX146 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定RIP 情報

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この機能を使用すると、通常の場合は複数のルータ間通信が最適化されます(特にリンクが壊れ

ている場合)。

RIP の設定方法

RIP のデフォルト設定

表 7:RIP のデフォルト設定

デフォルト設定機能

イネーブル自動サマリー

ディセーブルデフォルト情報送信元

自動メトリック変換(組み込み)デフォルトメトリック

認証なし

認証モード:クリアテキスト

IP RIP認証キーチェーン

ディセーブルIP RIPの起動

メディアにより異なるIPスプリットホライズン

未定義Neighbor

指定なしネットワーク

ディセーブルオフセットリスト

0ミリ秒出力遅延

•更新:30秒

•無効:180秒

•ホールドダウン:180秒

•フラッシュ:240秒

タイマー基準

イネーブルアップデート送信元の検

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 47

IP ユニキャストルーティングの設定RIP の設定方法

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デフォルト設定機能

RIPバージョン 1およびバージョン 2パケットを受信し、バージョン1パケットを送信します。

Version

基本的な RIP パラメータの設定RIPを設定するには、ネットワークに対して RIPルーティングをイネーブルにします。他のパラメータを設定することもできます。スイッチでは、ネットワーク番号を設定するまで RIPコンフィギュレーションコマンドは無視されます。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

IPルーティングをイネーブルにします。(IPルーティングがディセーブルになっている場合だけ、必須です)。

ip routing

例:

Switch(config)# ip routing

ステップ 2

RIPルーティングプロセスをイネーブルにし、ルータコンフィギュレーションモードを開始します。

router rip

例:

Switch(config)# router rip

ステップ 3

ネットワークを RIPルーティングプロセスと関連付けます。複数のnetworkコマンドを指定できます。 RIPルーティングアップデート

network network number

例:

Switch(config)# network 12

ステップ 4

の送受信は、これらのネットワークのインターフェイスを経由する

場合だけ可能です。

RIPコマンドを有効にするには、ネットワーク番号を設定する必要があります。

(注)

(任意)ルーティング情報を交換する隣接ルータを定義します。こ

のステップを使用すると、RIP(通常はブロードキャストプロトコneighbor ip-address

例:

Switch(config)# neighbor10.2.5.1

ステップ 5

ル)からのルーティングアップデートが非ブロードキャストネット

ワークに到達するようになります。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX148 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定基本的な RIP パラメータの設定

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目的コマンドまたはアクション

(任意)オフセットリストをルーティングメトリックに適用し、RIPによって取得したルートへの着信および発信メトリックを増加しま

offset-list [access-list number |name] {in | out} offset [typenumber]

ステップ 6

す。アクセスリストまたはインターフェイスを使用し、オフセット

リストを制限できます。例:

Switch(config)# offset-list103 in 10

(任意)ルーティングプロトコルタイマーを調整します。すべての

タイマーの有効範囲は 0~ 4294967295秒です。timers basic update invalidholddown flush

例:

Switch(config)# timers basic45 360 400 300

ステップ 7

• update:ルーティングアップデートの送信間隔。デフォルトは30秒です。

• invalid:ルートが無効と宣言されたあとの時間。デフォルト値は 180秒です。

• holddown:ルートがルーティングテーブルから削除されるまでの時間。デフォルト値は 180秒です。

• flush:ルーティングアップデートが延期される時間。デフォルトは 240秒です。

(任意)RIPバージョン 1またはRIPバージョン 2のパケットだけを送受信するようにスイッチを設定します。デフォルトの場合、スイッ

version {1 | 2}

例:

Switch(config)# version 2

ステップ 8

チではバージョン 1および 2を受信しますが、バージョン 1だけを送信します。インターフェイスコマンド ip rip {send | receive} version1 |2 |12}を使用し、インターフェイスでの送受信に使用するバージョンを制御することもできます。

(任意)自動要約をディセーブルにします。デフォルトでは、クラ

スフルネットワーク境界を通過するときにサブプレフィックスがサ

no auto summary

例:

Switch(config)# no autosummary

ステップ 9

マライズされます。サマライズをディセーブルにし(RIPバージョン 2だけ)、クラスフルネットワーク境界にサブネットおよびホストルーティング情報をアドバタイズします。

(任意)着信RIPルーティングアップデートの送信元 IPアドレスの検証をディセーブルにします。デフォルトでは、スイッチが着信RIP

no validate-update-source

例:

Switch(config)# novaliddate-update-source

ステップ 10

ルーティングアップデートの送信元 IPアドレスを検証します。送信元アドレスが無効な場合は、アップデートが廃棄されます。通常の

環境で使用する場合は、この機能をディセーブルにしないでくださ

い。ただし、ネットワークに接続されていないルータがあり、その

ルータのアップデートを受信する場合は、このコマンドを使用でき

ます。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 49

IP ユニキャストルーティングの設定基本的な RIP パラメータの設定

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目的コマンドまたはアクション

(任意)送信するRIPアップデートにパケット間遅延を追加します。デフォルトでは、複数のパケットからなるRIPアップデートのパケッ

output-delay delay

例:

Switch(config)# output-delay8

ステップ 11

トに、パケット間遅延が追加されません。パケットを低速なデバイ

スに送信する場合は、8~ 50ミリ秒のパケット間遅延を追加できます。

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config)# end

ステップ 12

入力を確認します。show ip protocols

例:

Switch# show ip protocols

ステップ 13

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を保存します。copy running-configstartup-config

ステップ 14

例:

Switch# copy running-configstartup-config

RIP 認証の設定RIPバージョン 1では、認証がサポートされていません。 RIPバージョン 2のパケットを送受信する場合は、インターフェイスで RIP認証をイネーブルにできます。インターフェイスで使用できる一連のキーは、キーチェーンによって指定されます。キーチェーンが設定されていないと、

認証は実行されません。

RIP認証がイネーブルであるインターフェイスでは、プレーンテキストとMD5という 2つの認証モードがサポートされています。デフォルトはプレーンテキストです。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開

始します。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX150 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定RIP 認証の設定

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目的コマンドまたはアクション

インターフェイスコンフィギュレーションモー

ドを開始し、設定するインターフェイスを指定

します。

interface interface-id

例:

Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1

ステップ 2

RIP認証をイネーブルにします。ip rip authentication key-chain name-of-chain

例:

Switch(config-if)# ip rip authenticationkey-chain trees

ステップ 3

プレーンテキスト認証(デフォルト)または

MD5ダイジェスト認証を使用するように、インターフェイスを設定します。

ip rip authentication mode {text |md5}

例:

Switch(config-if)# ip rip authentication modemd5

ステップ 4

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config-if)# end

ステップ 5

入力を確認します。show running-config interface [interface-id]

例:

Switch# show running-config

ステップ 6

(任意)コンフィギュレーションファイルに設

定を保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-config startup-config

ステップ 7

サマリーアドレスおよびスプリットホライズンの設定

ルートを適切にアドバタイズするため、アプリケーションがスプリットホライズンをディセー

ブルにする必要がある場合を除き、通常はこの機能をディセーブルにしないでください。

(注)

ダイヤルアップクライアント用のネットワークアクセスサーバで、サマライズされたローカル

IPアドレスプールをアドバタイズするように、RIPが動作しているインターフェイスを設定する

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 51

IP ユニキャストルーティングの設定サマリーアドレスおよびスプリットホライズンの設定

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場合は、ip summary-address ripインターフェイスコンフィギュレーションコマンドを使用します。

スプリットホライズンがイネーブルの場合、自動サマリーとインターフェイス IPサマリーアドレスはともにアドバタイズされません。

(注)

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開

始します。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

インターフェイスコンフィギュレーションモー

ドを開始し、設定するレイヤ 3インターフェイスを指定します。

interface interface-id

例:

Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1

ステップ 2

IPアドレスおよび IPサブネットを設定します。ip address ip-address subnet-mask

例:

Switch(config-if)# ip address 10.1.1.10255.255.255.0

ステップ 3

サマライズする IPアドレスおよび IPネットワークマスクを設定します。

ip summary-address rip ip address ip-network mask

例:

Switch(config-if)# ip summary-address rip ipaddress 10.1.1.30 255.255.255.0

ステップ 4

インターフェイスでスプリットホライズンを

ディセーブルにします。

no ip split horizon

例:

Switch(config-if)# no ip split horizon

ステップ 5

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config-if)# end

ステップ 6

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX152 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定サマリーアドレスおよびスプリットホライズンの設定

Page 63: Catalyst 2960-XR スイッチ ルーティング設定ガイド、Cisco …...ICMPRouterDiscoveryProtocol22 UDP ブロードキャストパケットおよびプロトコル22 ブロードキャストパケットの処理

目的コマンドまたはアクション

入力を確認します。show ip interface interface-id

例:

Switch# show ip interface gigabitethernet1/0/1

ステップ 7

(任意)コンフィギュレーションファイルに設

定を保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-config startup-config

ステップ 8

スプリットホライズンの設定

ブロードキャストタイプの IPネットワークに接続され、ディスタンスベクトルルーティングプロトコルを使用するルータでは、通常ルーティングループの発生を抑えるために、スプリットホ

ライズンメカニズムが使用されます。スプリットホライズンは、ルートに関する情報の発信元

であるインターフェイス上の、ルータによって、その情報がアドバタイズされないようにします。

この機能を使用すると、複数のルータ間通信が最適化されます(特にリンクが壊れている場合)。

ルートを適切にアドバタイズするために、アプリケーションがスプリットホライズンをディ

セーブルにする必要がある場合を除き、通常この機能をディセーブルにしないでください。

(注)

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開

始します。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

インターフェイスコンフィギュレーションモー

ドを開始し、設定するインターフェイスを指定

します。

interface interface-id

例:

Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1

ステップ 2

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 53

IP ユニキャストルーティングの設定スプリットホライズンの設定

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目的コマンドまたはアクション

IPアドレスおよび IPサブネットを設定します。ip address ip-address subnet-mask

例:

Switch(config-if)# ip address 10.1.1.10255.255.255.0

ステップ 3

インターフェイスでスプリットホライズンをディ

セーブルにします。

no ip split-horizon

例:

Switch(config-if)# no ip split-horizon

ステップ 4

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config-if)# end

ステップ 5

入力を確認します。show ip interface interface-id

例:

Switch# show ip interface gigabitethernet1/0/1

ステップ 6

(任意)コンフィギュレーションファイルに設

定を保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-config startup-config

ステップ 7

サマリーアドレスおよびスプリットホライズンの設定例次の例では、主要ネットは 10.0.0.0です。自動サマリーアドレス 10.0.0.0はサマリーアドレス10.2.0.0によって上書きされるため、10.2.0.0はインターフェイスギガビットイーサネットポート 2からアドバタイズされますが、10.0.0.0はアドバタイズされません。次の例では、インターフェイスがまだレイヤ 2モード(デフォルト)の場合、no switchportインターフェイスコンフィギュレーションコマンドを入力してから、ip addressインターフェイスコンフィギュレーションコマンドを入力する必要があります。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX154 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定サマリーアドレスおよびスプリットホライズンの設定例

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スプリットホライズンがイネーブルである場合、(ip summary-address ripルータコンフィギュレーションコマンドによって設定される)自動サマリーとインターフェイスサマリーア

ドレスはともにアドバタイズされません。

Switch(config)# router ripSwitch(config-router)# interface gigabitethernet1/0/2Switch(config-if)# ip address 10.1.5.1 255.255.255.0Switch(config-if)# ip summary-address rip 10.2.0.0 255.255.0.0Switch(config-if)# no ip split-horizonSwitch(config-if)# exitSwitch(config)# router ripSwitch(config-router)# network 10.0.0.0Switch(config-router)# neighbor 2.2.2.2 peer-group mygroupSwitch(config-router)# end

(注)

OSPF に関する情報OSPFは IPネットワーク専用の IGPで、IPサブネット化、および外部から取得したルーティング情報のタグ付けをサポートしています。 OSPFを使用するとパケット認証も可能になり、パケットを送受信するときに IPマルチキャストが使用されます。シスコの実装では、RFC1253のOSPF管理情報ベース(MIB)がサポートされています。

シスコの実装は、次の主要機能を含む OSPFバージョン 2仕様に準拠します。

•スタブエリアの定義がサポートされています。

•任意の IPルーティングプロトコルによって取得されたルートは、別の IPルーティングプロトコルに再配信されます。つまり、ドメイン内レベルで、OSPFは EIGRPおよびRIPによって取得したルートを取り込むことができます。 OSPFルートを RIPに伝達することもできます。

•エリア内の隣接ルータ間でのプレーンテキスト認証およびMD5認証がサポートされています。

•設定可能なルーティングインターフェイスパラメータには、インターフェイス出力コスト、再送信インターバル、インターフェイス送信遅延、ルータプライオリティ、ルータのデッド

インターバルと helloインターバル、認証キーなどがあります。

•仮想リンクがサポートされています。

• RFC 1587に基づく Not-So-Stubby-Area(NSSA)がサポートされています。

通常、OSPFを使用するには、多くの内部ルータ、複数のエリアに接続された Area Border Router(ABR;エリア境界ルータ)、および自律システム境界ルータ(ASBR)間で調整する必要があります。最小設定では、すべてのデフォルトパラメータ値、エリアに割り当てられたインターフェ

イスが使用され、認証は行われません。環境をカスタマイズする場合は、すべてのルータの設定

を調整する必要があります。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 55

IP ユニキャストルーティングの設定OSPF に関する情報

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ルーテッドアクセスの OSPF

OSPFは、 IP Liteでサポートされます。 OSPF for Routed Accessは、動的に学習された合わせて 200のルートを持つ OSPFv2インスタンスと OSPFv3インスタンスをそれぞれ 1つだけサポートします。 IP Liteイメージは、ルーテッドアクセス用に OSPFを提供します。ただし、これらの制限はこのリリースでは適用されません。

(注)

構内環境内の標準的なトポロジ(ハブおよびスポーク)では、すべての非ローカルトラフィック

をディストリビューションレイヤに転送するディストリビューションスイッチ(ハブ)にワイヤ

リングクローゼット(スポーク)が接続されているため、ワイヤリングクローゼットスイッチ

で完全なルーティングスイッチテーブルを保持する必要はありません。 OSPF for Routed Accessをワイヤリングクローゼットで使用する場合、エリア間ルートおよび外部ルートに到達するため

のデフォルトルートがディストリビューションスイッチによってワイヤリングクローゼットス

イッチに送信される、ベストプラクティスの設計(OSPFスタブまたは完全スタブエリア構成)を使用する必要があります。

詳細については、『High Availability Campus Network Design—Routed Access Layer using EIGRP orOSPF』を参照してください。

OSPF エリアパラメータ複数の OSPFエリアパラメータを設定することもできます。設定できるパラメータには、エリア、スタブエリア、およびNSSAへの無許可アクセスをパスワードによって阻止する認証用パラメータがあります。スタブエリアに外部ルートに関する情報は送信されませんが、代わりに、

自律システム(AS)外の宛先に対するデフォルトの外部ルートが、ABRによって生成されます。NSSAではコアからそのエリアへ向かう LSAの一部がフラッディングされませんが、再配信することによって、エリア内の AS外部ルートをインポートできます。

経路集約は、アドバタイズされたアドレスを、他のエリアでアドバタイズされる単一のサマリー

ルートに統合することです。ネットワーク番号が連続する場合は、area rangeルータコンフィギュレーションコマンドを使用し、範囲内のすべてのネットワークを対象とするサマリールート

をアドバタイズするように ABRを設定できます。

その他の OSPF パラメータルータコンフィギュレーションモードで、その他の OSPFパラメータを設定することもできます。

•ルート集約:他のプロトコルからルートを再配信すると、各ルートは外部 LSA内で個別にアドバタイズされます。 OSPFリンクステートデータベースのサイズを小さくするには、summary-addressルータコンフィギュレーションコマンドを使用し、指定されたネットワークアドレスおよびマスクに含まれる、再配信されたすべてのルートを単一のルータにアドバ

タイズします。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX156 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定ルーテッドアクセスの OSPF

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•仮想リンク:OSPFでは、すべてのエリアがバックボーンエリアに接続されている必要があります。バックボーンが不連続である場合に仮想リンクを確立するには、2つの ABRを仮想リンクのエンドポイントとして設定します。設定情報には、他の仮想エンドポイント(他

の ABR)の ID、および 2つのルータに共通する非バックボーンリンク(通過エリア)などがあります。仮想リンクをスタブエリアから設定できません。

•デフォルトルート:OSPFルーティングドメイン内へのルート再配信を設定すると、ルータは自動的に自律システム境界ルータ(ASBR)になります。ASBRを設定し、強制的にOSPFルーティングドメインにデフォルトルートを生成できます。

•すべての OSPF show特権 EXECコマンドで使用されるドメインネームサーバ(DNS)名を使用すると、ルータ IDやネイバー IDを指定して表示する場合に比べ、ルータを簡単に特定できます。

•デフォルトメトリック:OSPFは、インターフェイスの帯域幅に従ってインターフェイスのOSPFメトリックを計算します。メトリックは、帯域幅で分割された ref-bwとして計算されます。ここでの refのデフォルト値は 10で、帯域幅(bw)は bandwidthインターフェイスコンフィギュレーションコマンドによって指定されます。大きな帯域幅を持つ複数のリン

クの場合は、大きな数値を指定し、これらのリンクのコストを区別できます。

•アドミニストレーティブディスタンスは、ルーティング情報送信元の信頼性を表す数値です。0~ 255の整数を指定でき、値が大きいほど信頼性は低下します。アドミニストレーティブディスタンスが 255の場合はルーティング情報の送信元をまったく信頼できないため、無視する必要があります。 OSPFでは、エリア内のルート(エリア内)、別のエリアへのルート(エリア間)、および再配信によって学習した別のルーティングドメインからの

ルート(外部)の 3つの異なるアドミニストレーティブディスタンスが使用されます。どのアドミニストレーティブディスタンスの値でも変更できます。

•受動インターフェイス:イーサネット上の 2つのデバイス間のインターフェイスは 1つのネットワークセグメントしか表しません。このため、OSPFが送信側インターフェイスにhelloパケットを送信しないようにするには、送信側デバイスを受動インターフェイスに設定する必要があります。両方のデバイスは受信側インターフェイス宛ての helloパケットを使用することで、相互の識別を可能にします。

•ルート計算タイマー:OSPFがトポロジ変更を受信してから SPF計算を開始するまでの遅延時間、および 2つの SPF計算の間のホールドタイムを設定できます。

•ネイバー変更ログ:OSPFネイバーステートが変更されたときに Syslogメッセージを送信するようにルータを設定し、ルータの変更を詳細に表示できます。

関連トピック

ルートマップの概要, (83ページ)ルートマップの設定方法, (83ページ)ルート配信の制御方法, (86ページ)

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 57

IP ユニキャストルーティングの設定その他の OSPF パラメータ

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LSA グループペーシングOSPF LSAグループペーシング機能を使用すると、OSPF LSAをグループ化し、リフレッシュ、チェックサム、エージング機能の同期を取って、ルータをより効率的に使用できるようになりま

す。デフォルトでこの機能はイネーブルとなっています。デフォルトのペーシングインターバル

は 4分間です。通常は、このパラメータを変更する必要はありません。最適なグループペーシングインターバルは、ルータがリフレッシュ、チェックサム、エージングを行うLSA数に反比例します。たとえば、データベース内に約 10000個の LSAが格納されている場合は、ペーシングインターバルを短くすると便利です。小さなデータベース(40~ 100 LSA)を使用する場合は、ペーシングインターバルを長くし、10~ 20分に設定してください。

ループバックインターフェイス

OSPFは、インターフェイスに設定されている最大の IPアドレスをルータ IDとして使用します。このインターフェイスがダウンした場合、または削除された場合、OSPFプロセスは新しいルータIDを再計算し、すべてのルーティング情報をそのルータのインターフェイスから再送信します。ループバックインターフェイスが IPアドレスによって設定されている場合、他のインターフェイスにより大きな IPアドレスがある場合でも、OSPFはこの IPアドレスをルータ IDとして使用します。ループバックインターフェイスに障害は発生しないため、安定性は増大します。OSPFは他のインターフェイスよりもループバックインターフェイスを自動的に優先し、すべてのループ

バックインターフェイスの中で最大の IPアドレスを選択します。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX158 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定LSA グループペーシング

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OSPF の設定方法

OSPF のデフォルト設定

表 8:OSPF のデフォルト設定

デフォルト設定機能

コスト:1

再送信インターバル:5秒

送信遅延:1秒

プライオリティ:1

helloインターバル:10秒

デッドインターバル:helloインターバルの 4倍

認証なし

パスワードの指定なし

MD5認証はディセーブル

インターフェイスパラメー

認証タイプ:0(認証なし)

デフォルトコスト:1

範囲:ディセーブル

スタブ:スタブエリアは未定義

NSSA:NSSAエリアは未定義

エリア

100 Mb/s自動コスト

ディセーブルイネーブルの場合、デフォルトのメトリック設定は

10で、外部ルートタイプのデフォルトはタイプ 2です。デフォルト情報送信元

各ルーティングプロトコルに適切な、組み込みの自動メトリック

変換

デフォルトメトリック

dist1(エリア内のすべてのルート):110 dist2(エリア間のすべてのルート):110および dist3(他のルーティングドメインからのルート):110

距離 OSPF

ディセーブルすべての発信 LSAがインターフェイスにフラッディングされます。

OSPFデータベースフィルタ

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 59

IP ユニキャストルーティングの設定OSPF の設定方法

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デフォルト設定機能

ディセーブルIP OSPF名検索

イネーブル隣接関係変更ログ

指定なしNeighbor

ディセーブルすべての発信 LSAはネイバーにフラッディングされます。

ネイバーデータベースフィ

ルタ

ディセーブルネットワークエリア

OSPFルーティングプロセスは未定義ルータ ID

ディセーブルサマリーアドレス

240秒タイマー LSAグループのペーシング

spf遅延:5秒; spfホールドタイム:10秒タイマー Shortest Path First(SPF)

エリア IDまたはルータ IDは未定義

helloインターバル:10秒

再送信インターバル:5秒

送信遅延:1秒

デッドインターバル:40秒

認証キー:キーは未定義

メッセージダイジェストキー(MD5):キーは未定義

仮想リンク

基本的な OSPF パラメータの設定OSPFをイネーブルにするには、OSPFルーティングプロセスを作成し、そのルーティングプロセスに関連付けられる IPアドレスの範囲を指定し、その範囲に関連付けられるエリア IDを割り当てます。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX160 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定基本的な OSPF パラメータの設定

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手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

OSPFルーティングをイネーブルにし、ルータコンフィギュレーションモードを開始します。プロセス IDはローカルに割

router ospf process-id

例:

Switch(config)# router ospf 15

ステップ 2

り当てられ、内部で使用される識別パラメータで、任意の正の

整数を指定できます。各 OSPFルーティングプロセスには一意の値があります。

OSPF for Routed Accessは、OSPFv2インスタンスとOSPFv3インスタンスをそれぞれ 1つずつと、最大200のダイナミックに学習されるルートをサポートします。

(注)

OSPFが動作するインターフェイス、およびそのインターフェイスのエリア IDを定義します。単一のコマンドにワイルド

network address wildcard-mask areaarea-id

例:

Switch(config)# network 10.1.1.1255.240.0.0 area 20

ステップ 3

カードマスクを指定し、特定のOSPFエリアに関連付けるインターフェイスを 1つまたは複数定義できます。エリア IDには10進数または IPアドレスを指定できます。

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config)# end

ステップ 4

入力を確認します。show ip protocols

例:

Switch# show ip protocols

ステップ 5

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を保存しま

す。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-configstartup-config

ステップ 6

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 61

IP ユニキャストルーティングの設定基本的な OSPF パラメータの設定

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OSPF インターフェイスの設定ip ospfインターフェイスコンフィギュレーションコマンドを使用すると、インターフェイス固有の OSPFパラメータを変更できます。これらのパラメータを変更する必要はありませんが、一部のインターフェイスパラメータ(helloインターバル、デッドインターバル、認証キーなど)については、接続されたネットワーク内のすべてのルータで統一性を維持する必要があります。こ

れらのパラメータを変更した場合は、ネットワーク内のすべてのルータの値も同様に変更してく

ださい。

ip ospfインターフェイスコンフィギュレーションコマンドはすべてオプションです。(注)

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

インターフェイスコンフィギュレーションモードを開始し、

設定するレイヤ 3インターフェイスを指定します。interface interface-id

例:

Switch(config)# interfacegigabitethernet 1/0/1

ステップ 2

(任意)インターフェイスでパケットを送信するコストを明

示的に指定します。

ip ospf cost

例:

Switch(config-if)# ip ospf 8

ステップ 3

(任意)LSA送信間隔を秒数で指定します。指定できる範囲は 1~ 65535秒です。デフォルト値は 5秒です。

ip ospf retransmit-interval seconds

例:

Switch(config-if)# ip ospftransmit-interval 10

ステップ 4

(任意)リンクステートアップデートパケットを送信するま

での予測待機時間を秒数で設定します。指定できる範囲は 1~ 65535秒です。デフォルト値は 1秒です。

ip ospf transmit-delay seconds

例:

Switch(config-if)# ip ospftransmit-delay 2

ステップ 5

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX162 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定OSPF インターフェイスの設定

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目的コマンドまたはアクション

(任意)ネットワークに対して、OSPFで指定されたルータを検索するときに役立つプライオリティを設定します。有効な

範囲は 0~ 255です。デフォルトは 1です。

ip ospf priority number

例:

Switch(config-if)# ip ospf priority5

ステップ 6

(任意)OSPFインターフェイスで helloパケットの送信間隔を秒数で設定します。ネットワークのすべてのノードで同じ

ip ospf hello-interval seconds

例:

Switch(config-if)# ip ospfhello-interval 12

ステップ 7

値を指定する必要があります。指定できる範囲は 1~ 65535秒です。デフォルトは 10秒です。

(任意)最後のデバイスでhelloパケットが確認されてから、OSPFルータがダウンしていることがネイバーによって宣言さ

ip ospf dead-interval seconds

例:

Switch(config-if)# ip ospfdead-interval 8

ステップ 8

れるまでの時間を秒数で設定します。ネットワークのすべて

のノードで同じ値を指定する必要があります。指定できる範

囲は 1~ 65535秒です。デフォルト値は helloインターバルの4倍です。

(任意)隣接 OSPFルータで使用されるパスワードを割り当てます。パスワードには、キーボードから入力した任意の文

ip ospf authentication-key key

例:

Switch(config-if)# ip ospfauthentication-key password

ステップ 9

字列(最大 8バイト長)を指定できます。同じネットワーク上のすべての隣接ルータには、OSPF情報を交換するため、同じパスワードを設定する必要があります。

(任意)MDS認証をイネーブルにします。ip ospf message digest-key keyidmd5key

ステップ 10

• keyid:1~ 255の ID

例:

Switch(config-if)# ip ospf messagedigest-key 16 md5 your1pass

• key:最大 16バイトの英数字パスワード

(任意)インターフェイスへの OSPF LSAパケットのフラッディングを阻止します。デフォルトでは、OSPFは、LSAが

ip ospf database-filter all out

例:

Switch(config-if)# ip ospfdatabase-filter all out

ステップ 11

到着したインターフェイスを除き、同じエリア内のすべての

インターフェイスで新しい LSAをフラッドします。

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config-if)# end

ステップ 12

OSPFに関連するインターフェイス情報を表示します。show ip ospf interface [interface-name]

例:

Switch# show ip ospf interface

ステップ 13

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 63

IP ユニキャストルーティングの設定OSPF インターフェイスの設定

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目的コマンドまたはアクション

ネイバースイッチの NSF認証ステータスを表示します。出力には、次のいずれかが表示されます。

show ip ospf neighbor detail

例:

Switch# show ip ospf neighbor detail

ステップ 14

• Options is 0x52

LLS Options is 0x1 (LR)

これらの行の両方が表示される場合、ネイバースイッチ

が NSF認識です。

• Options is 0x42:ネイバースイッチが NSF認識でないことを示します。

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を保存しま

す。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-configstartup-config

ステップ 15

関連トピック

その他の OSPFパラメータの設定, (66ページ)

OSPF エリアパラメータの設定

はじめる前に

OSPF areaルータコンフィギュレーションコマンドはすべて任意です。(注)

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX164 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定OSPF エリアパラメータの設定

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目的コマンドまたはアクション

OSPFルーティングをイネーブルにし、ルータコンフィギュレーションモードを開始します。

router ospf process-id

例:

Switch(config)# router ospf 109

ステップ 2

(任意)特定のエリアへの無許可アクセスに対して、パス

ワードベースの保護を可能にします。 IDには 10進数または IPアドレスのいずれかを指定できます。

area area-id authentication

例:

Switch(config-router)# area 1authentication

ステップ 3

(任意)エリアに関してMD5認証をイネーブルにします。area area-id authenticationmessage-digest

例:

Switch(config-router)# area 1authentication message-digest

ステップ 4

(任意)エリアをスタブエリアとして定義します。

no-summaryキーワードを指定すると、ABRはサマリーリarea area-id stub [no-summary]

例:

Switch(config-router)# area 1 stub

ステップ 5

ンクアドバタイズメントをスタブエリアに送信できなくな

ります。

(任意)エリアをNSSAとして定義します。同じエリア内のすべてのルータは、エリアが NSSAであることを認識す

area area-id nssa [no-redistribution][default-information-originate][no-summary]

ステップ 6

る必要があります。次のキーワードのいずれかを選択しま

す。例:

Switch(config-router)# area 1 nssadefault-information-originate

• no-redistribution:ルータが NSSA ABRの場合、redistributeコマンドを使用して、ルートをNSSAでなく通常のエリアにインポートする場合に選択します。

• default-information-originate:タイプ 7 LSAを NSSAにインポートするようにする場合に、ABRで選択します。

• no-redistribution:サマリー LSAを NSSAに送信しない場合に選択します。

(任意)単一のルートをアドバタイズするアドレス範囲を

指定します。このコマンドは、ABRに対してだけ使用します。

area area-id range address mask

例:

Switch(config-router)# area 1 range255.240.0.0

ステップ 7

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 65

IP ユニキャストルーティングの設定OSPF エリアパラメータの設定

Page 76: Catalyst 2960-XR スイッチ ルーティング設定ガイド、Cisco …...ICMPRouterDiscoveryProtocol22 UDP ブロードキャストパケットおよびプロトコル22 ブロードキャストパケットの処理

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config-router)# end

ステップ 8

設定を確認するため、一般的な OSPFルーティングプロセスまたは特定のプロセス IDに関する情報を表示します。

show ip ospf [process-id]

例:

Switch# show ip ospf

ステップ 9

特定のルータの OSPFデータベースに関連する情報のリストを表示します。

show ip ospf [process-id [area-id]] database

例:

Switch# show ip osfp database

ステップ 10

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を保存し

ます。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-configstartup-config

ステップ 11

その他の OSPF パラメータの設定

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始し

ます。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

OSPFルーティングをイネーブルにし、ルータコンフィギュレーションモードを開始します。

router ospf process-id

例:

Switch(config)# router ospf 10

ステップ 2

(任意)1つのサマリールートだけがアドバタイズされるように、再配信されたルートのアドレスおよび

IPサブネットマスクを指定します。

summary-address address mask

例:

Switch(config)# summary-address 10.1.1.1255.255.255.0

ステップ 3

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX166 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定その他の OSPF パラメータの設定

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目的コマンドまたはアクション

(任意)仮想リンクを確立し、パラメータを設定しま

す。

area area-id virtual-link router-id [hello-intervalseconds] [retransmit-interval seconds] [trans][[authentication-key key] |message-digest-keykeyidmd5 key]]

ステップ 4

例:

Switch(config)# area 2 virtual-link192.168.255.1 hello-interval 5

(任意)強制的に OSPFルーティングドメインにデフォルトルートを生成するように ASBRを設定します。パラメータはすべて任意です。

default-information originate [always] [metricmetric-value] [metric-type type-value] [route-mapmap-name]

例:

Switch(config)# default-informationoriginate metric 100 metric-type 1

ステップ 5

(任意)DNS名検索を設定します。デフォルトではディセーブルになっています。

ip ospf name-lookup

例:

Switch(config)# ip ospf name-lookup

ステップ 6

(任意)単一のルートをアドバタイズするアドレス範

囲を指定します。このコマンドは、ABRに対してだけ使用します。

ip auto-cost reference-bandwidth ref-bw

例:

Switch(config)# ip auto-costreference-bandwidth 5

ステップ 7

(任意)OSPFの距離の値を変更します。各タイプのルートのデフォルト距離は 110です。有効値は 1~255です。

distance ospf {[inter-area dist1] [inter-area dist2][external dist3]}

例:

Switch(config)# distance ospf inter-area150

ステップ 8

(任意)指定されたインターフェイス経由の helloパケットの送信を抑制します。

passive-interface type number

例:

Switch(config)# passive-interfacegigabitethernet 1/0/6

ステップ 9

(任意)ルート計算タイマーを設定します。timers throttle spf spf-delay spf-holdtime spf-wait

例:

Switch(config)# timers throttle spf 200100 100

ステップ 10

• spf-delay:SPF計算の変更を受信する間の遅延。指定できる範囲は 1~ 600000ミリ秒です。

• spf-holdtime:最初と 2番めの SPF計算の間の遅延。指定できる範囲は 1~ 600000ミリ秒です。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 67

IP ユニキャストルーティングの設定その他の OSPF パラメータの設定

Page 78: Catalyst 2960-XR スイッチ ルーティング設定ガイド、Cisco …...ICMPRouterDiscoveryProtocol22 UDP ブロードキャストパケットおよびプロトコル22 ブロードキャストパケットの処理

目的コマンドまたはアクション

• spf-wait:SPF計算の最大待機時間(ミリ秒)。指定できる範囲は 1~ 600000ミリ秒です。

(任意)ネイバーステートが変更されたとき、syslogメッセージを送信します。

ospf log-adj-changes

例:

Switch(config)# ospf log-adj-changes

ステップ 11

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config)# end

ステップ 12

特定のルータのOSPFデータベースに関連する情報のリストを表示します。

show ip ospf [process-id [area-id]] database

例:

Switch# show ip ospf database

ステップ 13

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を

保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-config startup-config

ステップ 14

関連トピック

OSPFインターフェイスの設定, (62ページ)OSPFのモニタリング, (70ページ)

LSA グループペーシングの変更

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開

始します。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX168 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定LSA グループペーシングの変更

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目的コマンドまたはアクション

OSPFルーティングをイネーブルにし、ルータコンフィギュレーションモードを開始します。

router ospf process-id

例:

Switch(config)# router ospf 25

ステップ 2

LSAのグループペーシングを変更します。timers lsa-group-pacing seconds

例:

Switch(config-router)# timerslsa-group-pacing 15

ステップ 3

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config)# end

ステップ 4

入力を確認します。show running-config

例:

Switch# show running-config

ステップ 5

(任意)コンフィギュレーションファイルに設

定を保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-config startup-config

ステップ 6

ループバックインターフェイスの設定

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開

始します。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

ループバックインターフェイスを作成し、イン

ターフェイスコンフィギュレーションモードを

開始します。

interface loopback 0

例:

Switch(config)# interface loopback 0

ステップ 2

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 69

IP ユニキャストルーティングの設定ループバックインターフェイスの設定

Page 80: Catalyst 2960-XR スイッチ ルーティング設定ガイド、Cisco …...ICMPRouterDiscoveryProtocol22 UDP ブロードキャストパケットおよびプロトコル22 ブロードキャストパケットの処理

目的コマンドまたはアクション

このインターフェイスに IPアドレスを割り当てます。

ip address address mask

例:

Switch(config-if)# ip address 10.1.1.5255.255.240.0

ステップ 3

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config-if)# end

ステップ 4

入力を確認します。show ip interface

例:

Switch# show ip interface

ステップ 5

(任意)コンフィギュレーションファイルに設

定を保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-config startup-config

ステップ 6

OSPF のモニタリングIPルーティングテーブル、キャッシュ、データベースの内容など、特定の統計情報を表示できます。

表 9:IP OSPF 統計情報の表示コマンド

OSPFルーティングプロセスに関する一般情報を表示します。

show ip ospf [process-id]

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX170 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定OSPF のモニタリング

Page 81: Catalyst 2960-XR スイッチ ルーティング設定ガイド、Cisco …...ICMPRouterDiscoveryProtocol22 UDP ブロードキャストパケットおよびプロトコル22 ブロードキャストパケットの処理

OSPFデータベースに関連する情報のリストを表示します。

show ip ospf [process-id] database [router] [link-state-id]

show ip ospf [process-id] database [router] [self-originate]

show ip ospf [process-id] database [router] [adv-router[ip-address]]

show ip ospf [process-id] database [network] [link-state-id]

show ip ospf [process-id] database [summary] [link-state-id]

show ip ospf [process-id] database [asbr-summary][link-state-id]

show ip ospf [process-id] database [external] [link-state-id]

show ip ospf [process-id area-id] database[database-summary]

内部の OSPFルーティング ABRおよびASBRテーブルエントリを表示します。

show ip ospf border-routes

OSPFに関連するインターフェイス情報を表示します。

show ip ospf interface [interface-name]

OSPFインターフェイスネイバー情報を表示します。

show ip ospf neighbor [interface-name] [neighbor-id] detail

OSPFに関連する仮想リンク情報を表示します。

show ip ospf virtual-links

関連トピック

その他の OSPFパラメータの設定, (66ページ)

OSPF の設定例

例:基本的な OSPF パラメータの設定次に、OSPFルーティングプロセスを設定し、プロセス番号 109を割り当てる例を示します。

Switch(config)# router ospf 109Switch(config-router)# network 131.108.0.0 255.255.255.0 area 24

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 71

IP ユニキャストルーティングの設定OSPF の設定例

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EIGRP に関する情報EIGRPは IGRPのシスコ独自の拡張バージョンです。 EIGRPは IGRPと同じディスタンスベクトルアルゴリズムおよび距離情報を使用しますが、EIGRPでは収束性および動作効率が大幅に改善されています。

コンバージェンステクノロジーには、拡散更新アルゴリズム(DUAL)と呼ばれるアルゴリズムが採用されています。DUALを使用すると、ルート計算の各段階でループが発生しなくなり、トポロジの変更に関連するすべてのデバイスを同時に同期できます。トポロジ変更の影響を受けな

いルータは、再計算に含まれません。

IP EIGRPを導入すると、ネットワークの幅が広がります。 RIPの場合、ネットワークの最大幅は15ホップです。EIGRPメトリックは数千ホップをサポートするほど大きいため、ネットワークを拡張するときに問題となるのは、トランスポートレイヤのホップカウンタだけです。 IPパケットが 15台のルータを経由し、宛先方向のネクストホップが EIGRPによって取得されている場合だけ、EIGRPは転送制御フィールドの値を増やします。RIPルートを宛先へのネクストホップとして使用する場合、転送制御フィールドでは、通常どおり値が増加します。

EIGRP スタブルーティングEIGRPスタブルーティング機能は、、エンドユーザの近くにルーテッドトラフィックを移動することでリソースの利用率を低減させます。

IP Liteフィーチャセットに含まれる EIGRPスタブルーティング機能では、ルーティングテーブルからの接続ルートまたはサマリールートをネットワーク内のほかのルータにアドバタイ

ズすることだけを行います。スイッチはアクセスレイヤで EIGRPスタブルーティングを使用することにより、ほかのタイプのルーティングアドバタイズメントの必要性を排除してい

ます。

(注)

EIGRPスタブルーティングを使用するネットワークでは、ユーザに対する IPトラフィックの唯一の許容ルートは、EIGRPスタブルーティングを設定しているスイッチ経由です。スイッチは、ユーザインターフェイスとして設定されているインターフェイスまたは他のデバイスに接続され

ているインターフェイスにルーテッドトラフィックを送信します。

EIGRPスタブルーティングを使用しているときは、EIGRPを使用してスイッチだけをスタブとして設定するように、分散ルータおよびリモートルータを設定する必要があります。指定したルー

トだけがスイッチから伝播されます。スイッチは、サマリー、接続ルート、およびルーティング

アップデートに対するすべてのクエリーに応答します。

スタブルータの状態を通知するパケットを受信した隣接ルータは、ルートについてはスタブルー

タに照会しません。また、スタブピアを持つルータは、そのピアについては照会しません。スタ

ブルータは、ディストリビューションルータを使用して適切なアップデートをすべてのピアに送

信します。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX172 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定EIGRP に関する情報

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図 41-4では、スイッチ Bが EIGRPスタブルータとして設定されています。スイッチ Aおよび Cは残りのWANに接続されています。スイッチ Bは、接続ルート、スタティックルート、再配信ルート、およびサマリールートをスイッチAとCにアドバタイズします。スイッチBは、スイッチ Aから学習したルートをアドバタイズしません(逆の場合も同様です)。

図 4:EIGRP スタブルータ設定

EIGRPスタブルーティングの詳細については、『Cisco IOS IP Configuration Guide, Volume 2 of 3:Routing Protocols』の「Configuring EIGRP Stub Routing」の項を参照してください。

uRPF の設定uRPF機能は、検証可能な送信元 IPアドレスが不足している IPパケットを廃棄することで、間違ったまたは偽造(スプーフィングされた)送信元 IPアドレスがネットワークに流れて発生する問題を軽減するのに役立ちます。たとえば、Smurfや Tribal Flood Network(TFN)など、多くの一般的なタイプのDoS攻撃は、偽造された、または次々に変わる送信元 IPアドレスを使用して、攻撃を突き止めたりフィルタすることを攻撃者が阻止できるようにします。パブリックアクセス

を提供するインターネットサービスプロバイダー(ISP)の場合、uRPFが IPルーティングテーブルと整合性の取れた有効な送信元アドレスを持つパケットだけを転送することによって、その

ような攻撃をそらします。この処理により、ISPのネットワーク、その顧客、および残りのインターネットが保護されます。

(注) • uRPFは、 IP Liteでサポートされます。

IP uRPF設定の詳細については、『Cisco IOS Security Configuration Guide』の「Other SecurityFeatures」の章を参照してください。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 73

IP ユニキャストルーティングの設定uRPF の設定

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プロトコル独立機能この項では、IPルーティングプロトコルに依存しない機能について説明します。これらの機能は、または IPサービス IP Liteフィーチャセットが稼働するスイッチ上で使用できますが、。この章の IPルーティングプロトコル独立コマンドの詳細については、『Cisco IOS IP CommandReference, Volume 2 of 3: Routing Protocols』の「IP Routing Protocol-Independent Commands」の章を参照してください。

•分散型シスコエクスプレスフォワーディングの設定

•等コストルーティングパスの個数の設定

•スタティックユニキャストルートの設定

•デフォルトのルートおよびネットワークの指定

•ルートマップによるルーティング情報の再配信

•ポリシーベースルーティングの設定

•ルーティング情報のフィルタリング

•認証キーの管理

分散型シスコエクスプレスフォワーディング

シスコエクスプレスフォワーディングに関する情報

シスコエクスプレスフォワーディング(CEF)は、ネットワークパフォーマンスを最適化するために使用されるレイヤ 3 IPスイッチング技術です。 CEFには高度な IP検索および転送アルゴリズムが実装されているため、レイヤ 3スイッチングのパフォーマンスを最大化できます。高速スイッチングルートキャッシュよりも CPUにかかる負担が少ないため、CEFはより多くの CPU処理能力をパケット転送に割り当てることができます。スイッチスタックでは、ハードウェアがス

タック内でDistributed CEF(dCEF)を使用します。動的なネットワークでは、ルーティングの変更によって、高速スイッチングキャッシュエントリが頻繁に無効となります。高速スイッチング

キャッシュエントリが無効になると、トラフィックがルートキャッシュによって高速スイッチン

グされずに、ルーティングテーブルによってプロセススイッチングされることがあります。CEFおよびdCEFは転送情報ベース(FIB)検索テーブルを使用して、宛先ベースの IPパケットスイッチングを実行します。

CEFおよび dCEFでの 2つの主要なコンポーネントは、分散 FIBと分散隣接テーブルです。

• FIBはルーティングテーブルや情報ベースと同様、IPルーティングテーブルに転送情報のミラーイメージが保持されます。ネットワーク内でルーティングまたはトポロジが変更され

ると、IPルーティングテーブルがアップデートされ、これらの変更がFIBに反映されます。FIBには、IPルーティングテーブル内の情報に基づいて、ネクストホップのアドレス情報が保持されます。FIBにはルーティングテーブル内の既知のルートがすべて格納されているた

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX174 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定プロトコル独立機能

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め、CEFはルートキャッシュをメンテナンスする必要がなく、トラフィックのスイッチングがより効率化され、トラフィックパターンの影響も受けません。

•リンク層上でネットワーク内のノードが 1ホップで相互に到達可能な場合、これらのノードは隣接関係にあると見なされます。CEFは隣接テーブルを使用し、レイヤ 2アドレッシング情報を付加します。隣接テーブルには、すべての FIBエントリに対する、レイヤ 2のネクストホップのアドレスが保持されます。

スイッチまたはスイッチスタックは、ギガビット速度の回線レート IPトラフィックを達成するため特定用途向け集積回路(ASIC)を使用しているので、CEFまたは dCEF転送はソフトウェア転送パス(CPUにより転送されるトラフィック)にだけ適用されます。

シスコエクスプレスフォワーディングの設定方法

デフォルトで、CEFまたは dCEFはグローバルにイネーブルに設定されています。何らかの理由でこれがディセーブルになった場合は、ip cefまたは ip cef distributedグローバルコンフィギュレーションコマンドを使用し、再度イネーブルに設定できます。

デフォルト設定では、すべてのレイヤ3インターフェイスでCEFまたはdCEFがイネーブルです。no ip route-cache cefインターフェイスコンフィギュレーションコマンドを入力すると、ソフトウェアが転送するトラフィックに対してCEFがディセーブルになります。このコマンドは、ハードウェア転送パスには影響しません。CEFをディセーブルにしてdebug ippacketdetail特権EXECコマンドを使用すると、ソフトウェア転送トラフィックをデバッグするのに便利です。ソフト

ウェア転送パス用のインターフェイスでCEFをイネーブルにするには、ip route-cache cefインターフェイスコンフィギュレーションコマンドを使用します。

CLIには、インターフェイス上でCEFをディセーブルにするno ip route-cache cefインターフェイスコンフィギュレーションコマンドが表示されますが、デバッグ以外の目的でインターフェ

イス上で CEFまたは dCEFをディセーブルにしないようにしてください。

注意

ディセーブルである CEFまたは dCEFをグローバルにイネーブルにしたり、ソフトウェア転送トラフィックのインターフェイス上でイネーブルにするには、次の手順を実行します。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 75

IP ユニキャストルーティングの設定分散型シスコエクスプレスフォワーディング

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手順の概要

1. configure terminal2. ip cef3. ip cef distributed4. interface interface-id5. ip route-cache cef6. end7. show ip cef8. show cef linecard [detail]9. show cef linecard [slot-number] [detail]10. show cef interface [interface-id]11. show adjacency12. copy running-config startup-config

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始しま

す。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

非スタッキングスイッチで CEFの動作をイネーブルにします。

ip cef

例:

Switch(config)# ip cef

ステップ 2

ステップ 4に進みます。

アクティブスイッチで CEFの動作をイネーブルにします。

ip cef distributed

例:

Switch(config)# ip cef distributed

ステップ 3

インターフェイスコンフィギュレーションモードを開

始し、設定するレイヤ 3インターフェイスを指定します。

interface interface-id

例:

Switch(config)# interfacegigabitethernet 1/0/1

ステップ 4

ソフトウェア転送トラフィック用のインターフェイス

で CEFをイネーブルにします。ip route-cache cef

例:

Switch(config-if)# ip route-cache cef

ステップ 5

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX176 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定分散型シスコエクスプレスフォワーディング

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目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config-if)# end

ステップ 6

すべてのインターフェイスの CEFステータスを表示します。

show ip cef

例:

Switch# show ip cef

ステップ 7

(任意)非スタッキングスイッチの CEF関連インターフェイス情報を表示します。

show cef linecard [detail]

例:

Switch# show cef linecard detail

ステップ 8

(任意)スタック内のすべてのスイッチ、または指定

されたスイッチに対して、スイッチのCEF関連インターフェイス情報をスタックメンバ別に表示します。

show cef linecard [slot-number] [detail]

例:

Switch# show cef linecard 5 detail

ステップ 9

(任意)slot-numberには、スタックメンバーのスイッチ番号を入力します。

すべてのインターフェイスまたは指定されたインター

フェイスの詳細な CEF情報を表示します。show cef interface [interface-id]

例:

Switch# show cef interfacegigabitethernet 1/0/1

ステップ 10

CEFの隣接テーブル情報を表示します。show adjacency

例:

Switch# show adjacency

ステップ 11

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を保

存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-configstartup-config

ステップ 12

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 77

IP ユニキャストルーティングの設定分散型シスコエクスプレスフォワーディング

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等コストルーティングパスの個数

等コストルーティングパスに関する情報

同じネットワークへ向かう同じメトリックのルートが複数ルータに格納されている場合、これら

のルートは等価コストを保有していると見なされます。ルーティングテーブルに複数の等コスト

ルートが含まれる場合は、これらをパラレルパスと呼ぶこともあります。ネットワークへの等コ

ストパスがルータに複数格納されている場合、ルータはこれらを同時に使用できます。パラレル

パスを使用すると、パスに障害が発生した場合に冗長性を確保できます。また、使用可能なパス

にパケットの負荷を分散し、使用可能な帯域幅を有効利用することもできます。等コストルート

は、スタック内の各スイッチでサポートされます。

等コストルートはルータによって自動的に取得、設定されますが、ルーティングテーブルの IPルーティングプロトコルでサポートされるパラレルパスの最大数は制御可能です。スイッチソ

フトウェアでは最大 32の等コストルーティングが許可されていますが、スイッチハードウェアはルートあたり 17パス以上は使用しません。

等コストルーティングパスの設定方法

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始し

ます。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

ルータコンフィギュレーションモードを開始しま

す。

router {rip | ospf | eigrp}

例:

Switch(config)# router eigrp 10

ステップ 2

プロトコルルーティングテーブルのパラレルパス

の最大数を設定します。指定できる範囲は 1~ 16maximum-paths maximum

例:

Switch(config-router)# maximum-paths 2

ステップ 3

です。ほとんどの IPルーティングプロトコルでデフォルトは 4です。

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config-router)# end

ステップ 4

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX178 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定等コストルーティングパスの個数

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目的コマンドまたはアクション

Maximum pathフィールドの設定を確認します。show ip protocols

例:

Switch# show ip protocols

ステップ 5

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を

保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-configstartup-config

ステップ 6

スタティックユニキャストルート

スタティックユニキャストルートに関する情報

スタティックユニキャストルートは、特定のパスを通過して送信元と宛先間でパケットを送受信

するユーザ定義のルートです。ルータが特定の宛先へのルートを構築できない場合、スタティッ

クルートは重要で、到達不能なすべてのパケットが送信される最終ゲートウェイを指定する場合

に有効です。

ユーザによって削除されるまで、スタティックルートはスイッチに保持されます。ただし、アド

ミニストレーティブディスタンスの値を割り当て、スタティックルートをダイナミックルーティ

ング情報で上書きできます。各ダイナミックルーティングプロトコルには、デフォルトのアド

ミニストレーティブディスタンスが設定されています(表 41-16を参照)。ダイナミックルーティングプロトコルの情報でスタティックルートを上書きする場合は、スタティックルートの

アドミニストレーティブディスタンスがダイナミックプロトコルのアドミニストレーティブディ

スタンスよりも大きな値になるように設定します。

表 10:ダイナミックルーティングプロトコルのデフォルトのアドミニストレーティブディスタンス

デフォルト距離ルートの送信元

0接続されているインターフェイス

1スタティックルート

5EIGRPサマリールート

90内部 EIGRP

100IGRP

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 79

IP ユニキャストルーティングの設定スタティックユニキャストルート

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デフォルト距離ルートの送信元

110OSPF

225不明(Unknown)

インターフェイスを指し示すスタティックルートは、RIP、IGRP、およびその他のダイナミックルーティングプロトコルを通してアドバタイズされます。redistributeスタティックルータコンフィギュレーションコマンドが、これらのルーティングプロトコルに対して指定されているかど

うかは関係ありません。これらのスタティックルートがアドバタイズされるのは、インターフェ

イスを指し示すスタティックルートが接続された結果、静的な性質を失ったとルーティングテー

ブルで見なされるためです。ただし、networkコマンドで定義されたネットワーク以外のインターフェイスに対してスタティックルートを定義する場合は、ダイナミックルーティングプロトコ

ルに redistributeスタティックコマンドを指定しないかぎり、ルートはアドバタイズされません。

インターフェイスがダウンすると、ダウンしたインターフェイスを経由するすべてのスタティッ

クルートが IPルーティングテーブルから削除されます。転送ルータのアドレスとして指定されたアドレスへ向かう有効なネクストホップがスタティックルート内に見つからない場合は、IPルーティングテーブルからそのスタティックルートも削除されます。

スタティックユニキャストルートの設定

スタティックユニキャストルートは、特定のパスを通過して送信元と宛先間でパケットを送受信

するユーザ定義のルートです。ルータが特定の宛先へのルートを構築できない場合、スタティッ

クルートは重要で、到達不能なすべてのパケットが送信される最終ゲートウェイを指定する場合

に有効です。

スタティックルートを設定するには、特権 EXECモードで次の手順を実行します。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを

開始します。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

スタティックルートを確立します。ip route prefixmask {address | interface} [distance]

例:

Switch(config)# ip route prefix maskgigabitethernet 1/0/4

ステップ 2

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX180 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定スタティックユニキャストルート

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目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config)# end

ステップ 3

設定を確認するため、ルーティングテーブルの

現在の状態を表示します。

show ip route

例:

Switch# show ip route

ステップ 4

(任意)コンフィギュレーションファイルに設

定を保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-config startup-config

ステップ 5

デフォルトのルートおよびネットワーク

デフォルトのルートおよびネットワークに関する情報

ルータは、他のすべてのネットワークへのルートを学習できません。完全なルーティング機能を

実現するには、一部のルータをスマートルータとして使用し、それ以外のルータのデフォルト

ルートをスマートルータ宛てに指定します(スマートルータには、インターネットワーク全体

のルーティングテーブル情報が格納されます)。これらのデフォルトルートは動的に取得される

か、ルータごとに設定されます。ほとんどのダイナミックな内部ルーティングプロトコルには、

スマートルータを使用してデフォルト情報を動的に生成し、他のルータに転送するメカニズムが

あります。

指定されたデフォルトネットワークに直接接続されたインターフェイスがルータに存在する場合

は、そのデバイス上で動作するダイナミックルーティングプロトコルによってデフォルトルー

トが生成されます。 RIPの場合は、疑似ネットワーク 0.0.0.0がアドバタイズされます。

ネットワークのデフォルトを生成しているルータには、そのルータ自身のデフォルトルートも指

定する必要があります。ルータが自身のデフォルトルートを生成する方法の 1つは、適切なデバイスを経由してネットワーク 0.0.0.0に至るスタティックルートを指定することです。

ダイナミックルーティングプロトコルによってデフォルト情報を送信するときは、特に設定する

必要はありません。ルーティングテーブルは定期的にスキャンされ、デフォルトルートとして

最適なデフォルトネットワークが選択されます。 IGRPネットワークでは、システムのデフォルトネットワークの候補が複数存在する場合もあります。 Ciscoルータでは、デフォルトルートまたは最終ゲートウェイを設定するため、アドミニストレーティブディスタンスおよびメトリック

情報を使用します。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 81

IP ユニキャストルーティングの設定デフォルトのルートおよびネットワーク

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ダイナミックなデフォルト情報がシステムに送信されない場合は、ip default-networkグローバルコンフィギュレーションコマンドを使用し、デフォルトルートの候補を指定します。このネッ

トワークが任意の送信元のルーティングテーブルに格納されている場合は、デフォルトルートの

候補としてフラグ付けされます。ルータにデフォルトネットワークのインターフェイスが存在し

なくても、そこへのパスが格納されている場合、そのネットワークは 1つの候補と見なされ、最適なデフォルトパスへのゲートウェイが最終ゲートウェイになります。

デフォルトのルートおよびネットワークの設定方法

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開

始します。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

デフォルトネットワークを指定します。ip default-network network number

例:

Switch(config)# ip default-network 1

ステップ 2

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config)# end

ステップ 3

最終ゲートウェイで選択されたデフォルトルー

トを表示します。

show ip route

例:

Switch# show ip route

ステップ 4

(任意)コンフィギュレーションファイルに設

定を保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-config startup-config

ステップ 5

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX182 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定デフォルトのルートおよびネットワーク

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ルーティング情報を再配信するためのルートマップ

ルートマップの概要

スイッチでは複数のルーティングプロトコルを同時に実行し、ルーティングプロトコル間で情報

を再配信できます。ルーティングプロトコル間での情報の再配信は、サポートされているすべて

の IPベースルーティングプロトコルに適用されます。

2つのドメイン間で拡張パケットフィルタまたはルートマップを定義することにより、ルーティングドメイン間でルートの再配信を条件付きで制御することもできます。 matchおよび setルートマップコンフィギュレーションコマンドは、ルートマップの条件部を定義します。 matchコマンドは、条件が一致する必要があることを指定しています。 setコマンドは、ルーティングアップデートが matchコマンドで定義した条件を満たす場合に行われる処理を指定します。再配信はプロトコルに依存しない機能ですが、matchおよび setルートマップコンフィギュレーションコマンドの一部は特定のプロトコル固有のものです。

route-mapコマンドのあとに、matchコマンドおよび setコマンドをそれぞれ 1つまたは複数指定します。 matchコマンドを指定しない場合は、すべて一致すると見なされます。 setコマンドを指定しない場合、一致以外の処理はすべて実行されません。このため、少なくとも 1つの matchまたは setコマンドを指定する必要があります。

setルートマップコンフィギュレーションコマンドを使用しないルートマップは、CPUに送信されるので、CPUの使用率が高くなります。

(注)

ルートマップステートメントは、permitまたは denyとして識別することもできます。ステートメントが拒否としてマークされている場合、一致基準を満たすパケットは通常の転送チャネルを

通じて送り返されます(宛先ベースルーティング)、ステートメントが許可としてマークされて

いる場合は、一致基準を満たすパケットに setコマンドが適用されます。一致基準を満たさないパケットは、通常のルーティングチャネルを通じて転送されます。

関連トピック

ポリシーベースルーティングに関する情報, (88ページ)その他の OSPFパラメータ, (56ページ)

ルートマップの設定方法

次に示すステップ 3~ 14はそれぞれ任意ですが、少なくとも 1つのmatchルートマップコンフィギュレーションコマンド、および 1つの setルートマップコンフィギュレーションコマンドを入力する必要があります。

キーワードは、ルート配信を制御する手順で定義されているものと同じです。(注)

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 83

IP ユニキャストルーティングの設定ルーティング情報を再配信するためのルートマップ

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手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

再配信を制御するために使用するルートマップを定義し、

ルートマップコンフィギュレーションモードを開始します。

route-map map-tag [permit | deny][sequence number]

例:

Switch(config)# route-map rip-to-ospfpermit 4

ステップ 2

map-tag:ルートマップ用のわかりやすい名前を指定します。redistributeルータコンフィギュレーションコマンドはこの名前を使用して、このルートマップを参照します。複数の

ルートマップで同じマップタグ名を共有できます。

(任意)permitが指定され、このルートマップの一致条件が満たされている場合は、setアクションの制御に従ってルートが再配信されます。denyが指定されている場合、ルートは再配信されません。

sequence number(任意):同じ名前によってすでに設定されているルートマップのリスト内で、新しいルートマップの位

置を指定する番号です。

指定されたルートメトリックと一致させます。 metric-valueには、0~ 4294967295の値が指定された、EIGRPのメトリックを指定できます。

match metric metric-value

例:

Switch(config-route-map)# matchmetric 2000

ステップ 3

指定されたアクセスリスト(番号 1~ 199)のいずれかで送信される、ネクストホップのルータアドレスと一致させま

す。

match ip next-hop {access-list-number |access-list-name} [...access-list-number |...access-list-name]

例:

Switch(config-route-map)# match ipnext-hop 8 45

ステップ 4

1つまたは複数のルートタグ値からなるリスト内の指定されたタグ値と一致させます。 0~ 4294967295の整数を指定できます。

match tag tag value [...tag-value]

例:

Switch(config-route-map)# match tag3500

ステップ 5

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX184 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定ルーティング情報を再配信するためのルートマップ

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目的コマンドまたはアクション

指定されたインターフェイスの 1つから、指定されたネクストホップへのルートと一致させます。

match interface type number [...typenumber]

例:

Switch(config-route-map)# matchinterface gigabitethernet 1/0/1

ステップ 6

アドバタイズされた指定のアクセスリストによって指定した

アドレスに一致します。

match ip route-source {access-list-number| access-list-name} [...access-list-number |...access-list-name]

ステップ 7

例:

Switch(config-route-map)# match iproute-source 10 30

指定された route-typeと一致させます。match route-type {local | internal |external [type-1 | type-2]}

ステップ 8

• internal:OSPFエリア内およびエリア間ルート、またはEIGRP内部ルート例:

Switch(config-route-map)# matchroute-type local

• external:OSPF外部ルート(タイプ 1またはタイプ 2)または EIGRP外部ルート

再配布されるルートを指定するためのメトリック値を設定し

ます(EIGRPのみ)。metric valueは -294967295~ 294967295の整数です。

set metric metric value

例:

Switch(config-route-map)# set metric100

ステップ 9

再配布されるルートを指定するためのメトリック値を設定し

ます(EIGRPのみ)。set metric bandwidth delay reliabilityloading mtu

例:

Switch(config-route-map)# set metric10000 10 255 1 1500

ステップ 10

• bandwidth:0~ 4294967295の範囲のルートのメトリック値または IGRP帯域幅(キロビット/秒単位)。

• delay:0~ 4294967295の範囲のルート遅延(10マイクロ秒単位)。

• reliability:0~ 255の数値で表されるパケット伝送の成功可能性。255は信頼性が 100%であること、0は信頼性がないことを意味します。

• loading:0~ 255の数値で表されるルートの有効帯域幅(255は 100%の負荷)。

• mtu:ルートのMTUの最小サイズ(バイト単位)。範囲は 0~ 4294967295です。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 85

IP ユニキャストルーティングの設定ルーティング情報を再配信するためのルートマップ

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目的コマンドまたはアクション

再配信されるルートに OSPF外部メトリックタイプを設定します。

set metric-type {type-1 | type-2}

例:

Switch(config-route-map)# setmetric-type type-2

ステップ 11

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config-route-map)# end

ステップ 12

設定を確認するため、設定されたすべてのルートマップ、ま

たは指定されたルートマップだけを表示します。

show route-map

例:

Switch# show route-map

ステップ 13

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を保存しま

す。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-configstartup-config

ステップ 14

関連トピック

ポリシーベースルーティングに関する情報, (88ページ)その他の OSPFパラメータ, (56ページ)

ルート配信の制御方法

次に示すステップ 3~ 14はそれぞれ任意ですが、少なくとも 1つのmatchルートマップコンフィギュレーションコマンド、および 1つの setルートマップコンフィギュレーションコマンドを入力する必要があります。

キーワードは、再配信用にルートマップを設定する手順で定義されているものと同じです。(注)

ルーティングプロトコルのメトリックを、必ずしも別のルーティングプロトコルのメトリックに

変換する必要はありません。たとえば、RIPメトリックはホップカウントで、IGRPメトリックは 5つの特性の組み合わせです。このような場合は、メトリックを独自に設定し、再配信されたルートに割り当てます。ルーティング情報を制御せずにさまざまなルーティングプロトコル間で

交換するとルーティングループが発生し、ネットワーク動作が著しく低下することがあります。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX186 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定ルーティング情報を再配信するためのルートマップ

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メトリック変換の代わりに使用されるデフォルトの再配信メトリックが定義されていない場合は、

ルーティングプロトコル間で自動的にメトリック変換が発生することがあります。

• RIPはスタティックルートを自動的に再配信できます。スタティックルートにはメトリック 1(直接接続)が割り当てられます。

•デフォルトモードになっている場合、どのプロトコルも他のルーティングプロトコルを再配信できます。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始し

ます。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

ルータコンフィギュレーションモードを開始しま

す。

router { rip | ospf | eigrp}

例:

Switch(config)# router eigrp 10

ステップ 2

ルーティングプロトコル間でルートを再配信します。

route-mapを指定しないと、すべてのルートが再配信redistribute protocol [process-id] {level-1 |level-1-2 | level-2} [metric metric-value][metric-type type-value] [match internal |

ステップ 3

されます。キーワード route-mapに map-tagを指定しないと、ルートは配信されません。

external type-value] [tag tag-value] [route-mapmap-tag] [weight weight] [subnets]

例:

Switch(config-router)# redistribute eigrp1

現在のルーティングプロトコルが、再配信されたす

べてのルートに対して同じメトリック値を使用する

ように設定します(RIP、OSPF)。

default-metric number

例:

Switch(config-router)# default-metric 1024

ステップ 4

EIGRPルーティングプロトコルが、EIGRP以外で再配信されたすべてのルートに対して同じメトリック

値を使用するように設定します。

default-metric bandwidth delay reliability loadingmtu

例:

Switch(config-router)# default-metric 1000100 250 100 1500

ステップ 5

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 87

IP ユニキャストルーティングの設定ルーティング情報を再配信するためのルートマップ

Page 98: Catalyst 2960-XR スイッチ ルーティング設定ガイド、Cisco …...ICMPRouterDiscoveryProtocol22 UDP ブロードキャストパケットおよびプロトコル22 ブロードキャストパケットの処理

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config-router)# end

ステップ 6

設定を確認するため、設定されたすべてのルートマッ

プ、または指定されたルートマップだけを表示しま

す。

show route-map

例:

Switch# show route-map

ステップ 7

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を

保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-config startup-config

ステップ 8

関連トピック

ポリシーベースルーティングに関する情報, (88ページ)その他の OSPFパラメータ, (56ページ)

ポリシーベースルーティング

ポリシーベースルーティングに関する情報

PBRを使用すると、トラフィックフローに定義済みポリシーを設定できます。 PBRを使用してルーティングをより細かく制御するには、ルーティングプロトコルから取得したルートの信頼度

を小さくします。 PBRは、次の基準に基づいて、パスを許可または拒否するルーティングポリシーを設定したり、実装したりできます。

•特定のエンドシステムの ID

•アプリケーション

•プロトコル

PBRを使用すると、等価アクセスや送信元依存ルーティング、インタラクティブ対バッチトラフィックに基づくルーティング、専用リンクに基づくルーティングを実現できます。たとえば、

在庫記録を本社に送信する場合は高帯域で高コストのリンクを短時間使用し、電子メールなど日

常的に使用するアプリケーションデータは低帯域で低コストのリンクで送信できます。

PBRがイネーブルの場合は、アクセスコントロールリスト(ACL)を使用してトラフィックを分類し、各トラフィックがそれぞれ異なるパスを経由するようにします。PBRは着信パケットに適

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX188 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定ポリシーベースルーティング

Page 99: Catalyst 2960-XR スイッチ ルーティング設定ガイド、Cisco …...ICMPRouterDiscoveryProtocol22 UDP ブロードキャストパケットおよびプロトコル22 ブロードキャストパケットの処理

用されます。 PBRがイネーブルのインターフェイスで受信されたすべてのパケットは、ルートマップを通過します。ルートマップで定義された基準に基づいて、パケットは適切なネクスト

ホップに転送(ルーティング)されます。

•許可とマークされているルートマップ文は次のように処理されます。

◦ matchコマンドは長さまたは複数の ACLで照合できます。ルートマップ文には複数のmatchコマンドを含めることができます。論理関数またはアルゴリズム関数は、許可または拒否の決定がされるまで、すべての matchコマンドで実行されます。次に例を示します。

match length A B

match ip address acl1 acl2

match ip address acl3

パケットは、match length A Bまたは acl1または acl2または acl3により許可される場合に許可されます。

◦決定が許可の場合は、setコマンドで指定されたアクションがパケットで適用されます。

◦下された決定が拒否の場合は、PBRアクション(setコマンドで指定された)が適用されません。代わりに、処理ロジックが、シーケンス内の次のルートマップ文(シーケ

ンス番号が次に高い文)に移動します。次の文が存在しない場合は、PBR処理が終了し、パケットがデフォルトの IPルーティングテーブルを使用してルーティングされます。

• PBRでは、拒否としてマークされているルートマップステートメントはサポートされません。

標準 IP ACLを使用すると、アプリケーション、プロトコルタイプ、またはエンドステーションに基づいて一致基準を指定するように、送信元アドレスまたは拡張 IPACLの一致基準を指定できます。一致が見つかるまで、ルートマップにこのプロセスが行われます。一致が見つからない

場合、通常の宛先ベースルーティングが行われます。matchステートメントリストの末尾には、暗黙の拒否ステートメントがあります。

match句が満たされた場合は、set句を使用して、パス内のネクストホップルータを識別する IPアドレスを指定できます。

PBRコマンドおよびキーワードの詳細については、『Cisco IOS IP Command Reference, Volume 2 of3: Routing Protocols』を参照してください。

関連トピック

ルートマップの概要, (83ページ)ルートマップの設定方法, (83ページ)ルート配信の制御方法, (86ページ)

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 89

IP ユニキャストルーティングの設定ポリシーベースルーティング

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PBR の設定方法• PBRを使用するには、スイッチまたはスタックマスター上で IP Liteフィーチャセットをイネーブルにしておく必要があります。

•マルチキャストトラフィックには、ポリシーによるルーティングが行われません。 PBRが適用されるのはユニキャストトラフィックだけです。

•ルーテッドポートまたは SVI上で、PBRをイネーブルにできます。

•スイッチは一致長に基づき PBRをサポートします。

•レイヤ 3モードの EtherChannelポートチャネルにはポリシールートマップを適用できますが、EtherChannelのメンバーである物理インターフェイスには適用できません。適用しようとすると、コマンドが拒否されます。ポリシールートマップが適用されている物理インター

フェイスは、EtherChannelのメンバーになることができません。

•スイッチまたはスイッチスタックには最大 128個の IPポリシールートマップを定義できます。

•スイッチまたはスイッチスタックには、PBR用として最大 512個のアクセスコントロールエントリ(ACE)を定義できます。

•ルートマップに一致基準を設定する場合は、次の注意事項に従ってください。

◦ローカルアドレス宛てのパケットを許可するACLと照合させないでください。 PBRがこれらのパケットを転送するため、pingまたは Telnetの失敗やルートプロトコルのフラッピングを発生させる可能性があります。

• VRFと PBRは、スイッチインターフェイス上で相互に排他的です。 PBRがインターフェイスでイネーブルになっているときは、VRFをイネーブルにはできません。その反対の場合も同じで、VRFがインターフェイスでイネーブルになっているときは、PBRをイネーブルにできません。

• PBRで使用されるハードウェアエントリ数は、ルートマップ自体、使用される ACL、ACLおよびルートマップエントリの順序によって異なります。

• TOS、DSCP、および IP Precedenceに基づく PBRはサポートされません。

• set interface、set default next-hop、および set default interfaceはサポートされません。

• setアクションのないポリシーマップはサポートされます。一致パケットは通常どおりにルーティングされます。

• match句のないポリシーマップはサポートされます。 setアクションはすべてのパケットに適用されます。

デフォルトでは、PBRはスイッチ上でディセーブルです。PBRをイネーブルにするには、一致基準および結果アクションを指定するルートマップを作成する必要があります。次に、特定のイン

ターフェイスでそのルートマップ用の PBRをイネーブルにします。指定したインターフェイスに着信したパケットのうち、match句と一致したものはすべて PBRの対象になります。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX190 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定ポリシーベースルーティング

Page 101: Catalyst 2960-XR スイッチ ルーティング設定ガイド、Cisco …...ICMPRouterDiscoveryProtocol22 UDP ブロードキャストパケットおよびプロトコル22 ブロードキャストパケットの処理

スイッチで生成されたパケットまたはローカルパケットは、通常どおりにポリシールーティング

されません。スイッチ上でローカルPBRをグローバルにイネーブルにすると、そのスイッチから送信されたすべてのパケットがローカル PBRの影響を受けます。ローカル PBRは、デフォルトでディセーブルに設定されています。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:Switch# configure terminal

ステップ 1

パケットの出力場所を制御するために使用するルートマップを

定義し、ルートマップコンフィギュレーションモードを開始

します。

route-mapmap-tag [permit] [sequencenumber]

例:

Switch(config)# route-map pbr-mappermit

ステップ 2

• map-tag:ルートマップ用のわかりやすい名前を指定します。 ip policy route-mapインターフェイスコンフィギュレーションコマンドはこの名前を使用して、このルート

マップを参照します。同じmap-tagがある複数の route-map文は、1つの route-mapを定義します。

•(任意)permitが指定され、このルートマップの一致条件が満たされている場合は、setアクションの制御に従ってルートがポリシールーティングされます。

• sequence number(任意):特定の route-mapで route-map文の位置を示す番号です。

1つまたは複数の標準または拡張アクセスリストで許可されている送信元および宛先 IPアドレスを照合します。 ACLは、複数の送信元および宛先 IPアドレス以外でも照合できます。

match ip address {access-list-number| access-list-name} [access-list-number|...access-list-name]

例:Switch(config-route-map)# matchip address 110 140

ステップ 3

matchコマンドを指定しない場合、ルートマップはすべてのパケットに適用されます。

パケット長と照合します。match length min max

例:Switch(config-route-map)# matchlength 64 1500

ステップ 4

基準と一致するパケットの動作を指定します。パケットのルー

ティング先となるネクストホップを設定します(ネクストホッ

プは隣接している必要があります)。

set ip next-hop ip-address[...ip-address]

例:Switch(config-route-map)# set ipnext-hop 10.1.6.2

ステップ 5

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 91

IP ユニキャストルーティングの設定ポリシーベースルーティング

Page 102: Catalyst 2960-XR スイッチ ルーティング設定ガイド、Cisco …...ICMPRouterDiscoveryProtocol22 UDP ブロードキャストパケットおよびプロトコル22 ブロードキャストパケットの処理

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードに戻ります。exit

例:Switch(config-route-map)# exit

ステップ 6

インターフェイスコンフィギュレーションモードを開始し、設

定するインターフェイスを指定します。

interface interface-id

例:Switch(config)# interfacegigabitethernet 1/0/1

ステップ 7

レイヤ 3インターフェイス上で PBRをイネーブルにし、使用するルートマップを識別します。 1つのインターフェイスに設定

ip policy route-map map-tag

例:Switch(config-if)# ip policyroute-map pbr-map

ステップ 8

できるルートマップは、1つだけです。ただし、異なるシーケンス番号を持つ複数のルートマップエントリを設定できます。

これらのエントリは、最初の一致が見つかるまで、シーケンス

番号順に評価されます。一致が見つからない場合、パケットは

通常どおりにルーティングされます。

(任意)PBRの高速スイッチングをイネーブルにします。 PBRの高速スイッチングをイネーブルにするには、まず PBRをイネーブルにする必要があります。

ip route-cache policy

例:Switch(config-if)# ip route-cachepolicy

ステップ 9

グローバルコンフィギュレーションモードに戻ります。exit

例:Switch(config-if)# exit

ステップ 10

(任意)ローカルPBRをイネーブルにして、スイッチから送信されるパケットにPBRを実行します。ローカルPBRは、スイッ

ip local policy route-map map-tag

例:Switch(config)# ip local policyroute-map local-pbr

ステップ 11

チによって生成されるパケットに適用されます。着信パケット

には適用されません。

特権 EXECモードに戻ります。end

例:Switch(config)# end

ステップ 12

(任意)設定を確認するため、設定されたすべてのルートマッ

プ、または指定されたルートマップだけを表示します。

show route-map [map-name]

例:Switch# show route-map

ステップ 13

(任意)インターフェイスに付加されたポリシールートマップ

を表示します。

show ip policy

例:Switch# show ip policy

ステップ 14

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX192 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定ポリシーベースルーティング

Page 103: Catalyst 2960-XR スイッチ ルーティング設定ガイド、Cisco …...ICMPRouterDiscoveryProtocol22 UDP ブロードキャストパケットおよびプロトコル22 ブロードキャストパケットの処理

目的コマンドまたはアクション

(任意)ローカルPBRがイネーブルであるかどうか、およびイネーブルである場合は使用されているルートマップを表示しま

す。

show ip local policy

例:Switch# show ip local policy

ステップ 15

ルーティング情報のフィルタリング

ルーティングプロトコル情報をフィルタリングする場合は、以下の作業を実行します。

OSPFプロセス間でルートが再配信される場合、OSPFメトリックは保持されません。(注)

受動インターフェイスの設定

ローカルネットワーク上の他のルータが動的にルートを取得しないようにするには、

passive-interfaceルータコンフィギュレーションコマンドを使用し、ルーティングアップデートメッセージがルータインターフェイスから送信されないようにします。 OSPFプロトコルでこのコマンドを使用すると、パッシブに指定したインターフェイスアドレスが OSPFドメインのスタブネットワークとして表示されます。 OSPFルーティング情報は、指定されたルータインターフェイスから送受信されません。

多数のインターフェイスが存在するネットワークで、インターフェイスを手動でパッシブに設定

する作業を回避するには、passive-interface defaultルータコンフィギュレーションコマンドを使用し、すべてのインターフェイスをデフォルトでパッシブになるように設定します。このあとで、

隣接関係が必要なインターフェイスを手動で設定します。

パッシブとしてイネーブルにしたインターフェイスを確認するには、show ip ospf interfaceなどのネットワークモニタリング用特権 EXECコマンドを使用します。アクティブとしてイネーブルにしたインターフェイスを確認するには、show ip interface特権 EXECコマンドを使用します。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始

します。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 93

IP ユニキャストルーティングの設定ルーティング情報のフィルタリング

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目的コマンドまたはアクション

ルータコンフィギュレーションモードを開始しま

す。

router { rip | ospf | eigrp}

例:

Switch(config)# router ospf

ステップ 2

指定されたレイヤ 3インターフェイス経由のルーティングアップデートの送信を抑制します。

passive-interface interface-id

例:

Switch(config-router)# passive-interfacegigabitethernet 1/0/1

ステップ 3

(任意)すべてのインターフェイスを、デフォルト

でパッシブとなるように設定します。

passive-interface default

例:

Switch(config-router)# passive-interfacedefault

ステップ 4

(任意)隣接関係を送信する必要があるインター

フェイスだけをアクティブにします。

no passive-interface interface type

例:

Switch(config-router)# no passive-interface

ステップ 5

gigabitethernet1/0/3 gigabitethernet 1/0/5

(任意)ルーティングプロセス用のネットワーク

リストを指定します。 network-addressは IPアドレスです。

network network-address

例:

Switch(config-router)# network 10.1.1.1

ステップ 6

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config-router)# end

ステップ 7

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定

を保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-config startup-config

ステップ 8

ルーティングアップデートのアドバタイズおよび処理の制御

アクセスコントロールリストと distribute-listルータコンフィギュレーションコマンドを組み合わせて使用すると、ルーティングアップデート中にルートのアドバタイズを抑制し、他のルータ

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX194 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定ルーティング情報のフィルタリング

Page 105: Catalyst 2960-XR スイッチ ルーティング設定ガイド、Cisco …...ICMPRouterDiscoveryProtocol22 UDP ブロードキャストパケットおよびプロトコル22 ブロードキャストパケットの処理

が 1つまたは複数のルートを取得しないようにできます。この機能を OSPFで使用した場合は外部ルートにだけ適用されるため、インターフェイス名を指定できません。

distribute-listルータコンフィギュレーションコマンドを使用し、着信したアップデートのリストのうち特定のルートを処理しないようにすることもできます。(OSPFにこの機能は適用されません)。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを

開始します。

configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

ルータコンフィギュレーションモードを開始

します。

router { rip | eigrp}

例:

Switch(config)# router eigrp 10

ステップ 2

アクセスリスト内のアクションに応じて、ルー

ティングアップデート内のルートのアドバタイ

ズを許可または拒否します。

distribute-list {access-list-number | access-list-name}out [interface-name | routing process |autonomous-system-number]

例:

Switch(config-router)# distribute 120 outgigabitethernet 1/0/7

ステップ 3

アップデートにリストされたルートの処理を抑

制します。

distribute-list {access-list-number | access-list-name}in [type-number]

例:

Switch(config-router)# distribute-list 125 in

ステップ 4

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config-router)# end

ステップ 5

(任意)コンフィギュレーションファイルに設

定を保存します。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-config startup-config

ステップ 6

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 95

IP ユニキャストルーティングの設定ルーティング情報のフィルタリング

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ルーティング情報発信元のフィルタリング

一部のルーティング情報が他の情報よりも正確な場合があるため、フィルタリングを使用して、

さまざまな送信元から送られる情報にプライオリティを設定できます。「アドミニストレーティ

ブディスタンス」は、ルータやルータのグループなど、ルーティング情報の送信元の信頼性を示

す数値です。大規模ネットワークでは、他のルーティングプロトコルよりも信頼できるルーティ

ングプロトコルが存在する場合があります。アドミニストレーティブディスタンスの値を指定

すると、ルータはルーティング情報の送信元をインテリジェントに区別できるようになります。

常にルーティングプロトコルのアドミニストレーティブディスタンスが最短(値が最小)である

ルートが選択されます。

各ネットワークには独自の要件があるため、アドミニストレーティブディスタンスを割り当てる

一般的な注意事項はありません。

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

ルータコンフィギュレーションモードを開始します。router { rip | ospf | eigrp}

例:

Switch(config)# router eigrp 10

ステップ 2

アドミニストレーティブディスタンスを定義します。distance weight {ip-address {ip-addressmask}} [ip access list]

ステップ 3

weight:アドミニストレーティブディスタンスは 10~ 255の整数です。単独で使用した場合、weightはデフォルトのア

例:

Switch(config-router)# distance 5010.1.5.1

ドミニストレーティブディスタンスを指定します。ルーティ

ング情報の送信元に他の指定がない場合に使用されます。ア

ドミニストレーティブディスタンスが 255のルートはルーティングテーブルに格納されません。

(任意)ip access list:着信ルーティングアップデートに適用される IP標準または IP拡張アクセスリストです。

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config-router)# end

ステップ 4

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX196 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定ルーティング情報のフィルタリング

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目的コマンドまたはアクション

指定されたルーティングプロセス用のデフォルトのアドミニ

ストレーティブディスタンスを表示します。

show ip protocols

例:

Switch# show ip protocols

ステップ 5

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を保存しま

す。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-configstartup-config

ステップ 6

認証キーの管理

キー管理を使用すると、ルーティングプロトコルで使用される認証キーを制御できます。一部の

プロトコルでは、キー管理を使用できません。認証キーはEIGRPおよびRIPバージョン 2で使用できます。

前提条件

認証キーを管理する前に、認証をイネーブルにする必要があります。プロトコルに対して認証を

イネーブルにする方法については、該当するプロトコルについての説明を参照してください。認

証キーを管理するには、キーチェーンを定義してそのキーチェーンに属するキーを識別し、各

キーの有効期間を指定します。各キーには、ローカルにストアされる独自のキー ID(key numberキーチェーンコンフィギュレーションコマンドで指定)があります。キー ID、およびメッセージに関連付けられたインターフェイスの組み合わせにより、使用中の認証アルゴリズムおよび

Message Digest 5(MD5)認証キーが一意に識別されます。

認証キーの設定方法

有効期間が指定された複数のキーを設定できます。存在する有効なキーの数にかかわらず、送信

される認証パケットは 1つだけです。最小の番号から順にキー番号が調べられ、最初に見つかった有効なキーが使用されます。キー変更中は、有効期間が重なっても問題ありません。これらの

有効期間は、ルータに通知する必要があります。

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 97

IP ユニキャストルーティングの設定認証キーの管理

Page 108: Catalyst 2960-XR スイッチ ルーティング設定ガイド、Cisco …...ICMPRouterDiscoveryProtocol22 UDP ブロードキャストパケットおよびプロトコル22 ブロードキャストパケットの処理

手順の詳細

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。configure terminal

例:

Switch# configure terminal

ステップ 1

キーチェーンを識別し、キーチェーンコンフィギュレー

ションモードを開始します。

key chain name-of-chain

例:

Switch(config)# key chain key10

ステップ 2

キー番号を識別します。有効値は 0~ 2147483647です。key number

例:

Switch(config-keychain)# key 2000

ステップ 3

キーストリングを確認します。ストリングには 1~ 80文字の大文字および小文字の英数字を指定できますが、最初

の文字に数字を指定できません。

key-string text

例:

Switch(config-keychain)# Room 20, 10thfloor

ステップ 4

(任意)キーを受信できる期間を指定します。accept-lifetime start-time {infinite | end-time| duration seconds}

ステップ 5

start-timeおよび end-time構文には、hh:mm:ss Month dateyearまたは hh:mm:ss date Month yearのいずれかを使用でき

例:

Switch(config-keychain)#ます。デフォルトは、デフォルトの start-time以降、無制限です。指定できる最初の日付は 1993年 1月 1日です。デフォルトの end-timeおよび durationは infiniteです。

accept-lifetime 12:30:00 Jan 25 1009infinite

(任意)キーを送信できる期間を指定します。send-lifetime start-time {infinite | end-time| duration seconds}

ステップ 6

start-timeおよび end-time構文には、hh:mm:ss Month dateyearまたは hh:mm:ss date Month yearのいずれかを使用でき

例:

Switch(config-keychain)#ます。デフォルトは、デフォルトの start-time以降、無制限です。指定できる最初の日付は 1993年 1月 1日です。デフォルトの end-timeおよび durationは infiniteです。

accept-lifetime 23:30:00 Jan 25 1019infinite

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Switch(config-keychain)# end

ステップ 7

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX198 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定認証キーの管理

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目的コマンドまたはアクション

認証キーの情報を表示します。show key chain

例:

Switch# show key chain

ステップ 8

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を保存し

ます。

copy running-config startup-config

例:

Switch# copy running-configstartup-config

ステップ 9

IP ネットワークのモニタリングおよびメンテナンス特定のキャッシュ、テーブル、またはデータベースのすべての内容を削除できます。特定の統計

情報を表示することもできます。

表 11:IP ルートの削除またはルートステータスの表示を行うコマンド

1つまたは複数のルートを IPルーティングテーブルから消去します。

clear ip route {network [mask | *]}

アクティブなルーティングプロトコルプロセスのパ

ラメータおよびステートを表示します。

show ip protocols

ルーティングテーブルの現在の状態を表示します。show ip route [address [mask][longer-prefixes]] | [protocol [process-id]]

サマリー形式でルーティングテーブルの現在のステー

タスを表示します。

show ip route summary

スーパーネットを表示します。show ip route supernets-onl

IPトラフィックのスイッチングに使用されるルーティングテーブルを表示します。

show ip cache

設定されたすべてのルートマップ、または指定した

1つのルートマップだけを表示します。show route-map [map-name]

Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1 OL-29432-01-J 99

IP ユニキャストルーティングの設定IP ネットワークのモニタリングおよびメンテナンス

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Catalyst 2960-XR スイッチルーティング設定ガイド、Cisco IOS リリース 15.0(2)EX1100 OL-29432-01-J

IP ユニキャストルーティングの設定IP ネットワークのモニタリングおよびメンテナンス

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索引

A

ABR 55『ARP』 30, 32カプセル化 32スタティックキャッシュの設定 30

C

CEF 75distributed 75

D

distribute-listコマンド 94

E

EIGRP 72「EIGRP」を参照 72スタブルーティング 72定義 72

EtherChannel 25レイヤ 3インターフェイス 25

I

ICMP Router Discovery Protocol 35「IRDP」を参照 35

Interior Gateway Protocol 55「IGP」を参照 55

IPアドレス 25, 27, 43IPルーティング 25クラス 27モニタリング 43

IPダイレクトブロードキャスト 38IPブロードキャストアドレス 41IPユニキャストルーティング 16, 17, 18, 19, 21, 22, 23, 24, 25,

27, 29, 35, 38, 41, 44, 73, 79, 81, 83, 93, 96, 97EtherChannelレイヤ 3インターフェイス 25IPアドレッシング 25, 27

classes 27設定 25

ICMP Router Discovery Protocol(IRDP) 22MACアドレスと IPアドレス 21RIP [IPゆにきゃすとるーてぃんぐをさんしょうして

ください 18zzz] 18

SVIを使用 24VLAN間 16アドミニストレーティブディスタンス 96イネーブル化 44クラスレスルーティング 19再配布 83サブネットゼロ 29サブネットマスク 27受動インターフェイス 93スタティックルーティング 17スタティックルートの設定 79設定手順 25ダイナミックルーティング 17directedブロードキャスト 38デフォルト 17, 35, 81ゲートウェイ 35ネットワーク 81ルーティング 17ルート 81

認証キー 97broadcast 23, 41

address 41ストーム 23パケット 23

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IPユニキャストルーティング (続き)broadcast (続き)フラッディング 23

プロキシ ARP 21プロトコル 17, 18ディスタンスベクトル 17

プロトコル 17, 18リンクステート 18

unicast Reverse Path Forwarding 73ルーテッドポート 24レイヤ 3インターフェイス 24

IPルーティング 44イネーブル化 44

ICMP Router Discovery Protocol(IRDP) 22, 35設定 35定義 22

M

MACアドレス 21IPアドレスアソシエーション 21

maximum-pathsコマンド 78

O

OSPF 56, 57, 58, 60, 70LSAグループペーシング 58エリアパラメータ、設定 56仮想リンク 57設定 60デフォルト設定 57メトリック 57ルート 57

モニタリング 70ルータ ID 58ルート集約 56

P

PBR 88, 92高速スイッチングされたポリシーベースルーティン

グ 92定義 88ローカルポリシーベースルーティング 92

R

RFC 46, 551058、RIP 461587、NSSAs 55

RIP 46, 48, 50, 51サマリーアドレス 51スプリットホライズン 51設定 48説明 46認証 50ホップカウント 46

route-mapコマンド 91

S

SVI 24および IPユニキャストルーティング、 24

V

VLAN間ルーティング 16

アドミニストレーティブディスタンス 57, 96OSPF 57定義 96

アドレス解決プロトコル 21「ARP」を参照 21

エリア境界ルータ 55「ABRs」を参照 55

拡散更新アルゴリズム(DUAL) 72

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索引

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『Reverse Address Resolution Protocol』 21「RARP」を参照 21

クラスレスルーティング 19

経路集約、OSPF 56

サブネットゼロ 29サブネットマスク 27

Cisco Express Forwarding;シスコエクスプレスフォワーディング 74

「CEF」を参照 74受動インターフェイス 57, 93

OSPF 57設定 93

スタックの変更、影響 18IPルーティング 18

スタティックルーティング 17スタティックルート 79設定 79

スタブルーティング、EIGRP 72スプリットホライズン、RIP 51

ダイナミックルーティング 17

ディスタンスベクトルプロトコル 17デフォルトゲートウェイ 35デフォルトネットワーク 81デフォルトルーティング 17デフォルトルート 81

統計情報 70OSPF 70

認証キー、ルーティングプロトコル 97

パラレルパス、ルーティングテーブル内 78

ブロードキャストストーム 23ブロードキャストパケット 23

directed 23フラッディング 23

ブロードキャストのフラッディング 23プロキシ ARP 21, 22定義 21ディセーブルにした IPルーティング 22

ポリシーベースルーティング 88「PBR」を参照 88

メトリック変換、ルーティングプロトコル間 87

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モニタリング 43, 70, 75CEF 75IP 43アドレステーブル 43

OSPF 70

User Datagram Protocol 22, 39「UDP」を参照 22, 39

リンクステートプロトコル 18隣接テーブル、CEF 74

ルータ ID、OSPF 58ルーティング 17, 83情報の再配信 83静的 17dynamic 17デフォルト 17

ルーティング情報プロトコル 18「RIP」を参照 18

ルーテッドポート 24, 25IPアドレス 25設定 24

ルート計算タイマー、OSPF 57ルートマップ 88ポリシーベースルーティング 88

レイヤ 3インターフェイス 24のタイプ 24

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