3 次元 CAD システムを選択 する際の 9 つの基準

ホワイト ペーパー

3 次元 CAD システムを選択する際の 9 つの基準 1

1. 能率的で有効な3次元設計3 次元 CAD の中核となるのは、製品設計、シミュレーション、作図、金型設計、NC ツールのプログラミングから検査まで、製造のあらゆる側面で使用されることになる 3 次元のマスター モデルです。この 3 次元モデルは、会社の製品に含まれるあらゆる部品とそれらの関係を正確に表現したものでなくてはなりません。最高の効率を得るには、設計者は製品の品質に妥協することなく、できる限り少ない工数で 3 次元モデルを設計できる必要があります。

C A D ソ フ ト ウ ェ ア を 評 価 す る 際 に は 、 あ な た の 会 社 が 製 造 す る 各 種 製 品 を 、 そ れ ぞれ の パ ッ ケ ー ジ が い か に 効 率 的 に 作 成 で き る か を 確 認 し て く だ さ い 。 た と え ば 、板 金 部 品 を 製 造 し て い る な ら ば 、 そ れ ら を モ デ リ ン グ し 、 自 動 的 に 展 開 図 を 生 成 する た め の 専 用 の 手 法 に 注 目 し て く だ さ い 。 ス タ イ リ ッ シ ュ な 製 品 を 設 計 し て い る なら 、 自 由 形 状 の サ ー フ ェ ス を 作 成 し 、 曲 率 保 持 に ブ レ ン ド す る ツ ー ル を ぜ ひ ご 覧く だ さ い 。 機 械 設 計 を 行 っ て い る 場 合 に は 、 多 数 の 部 品 を 組 み 合 わ せ 、 フ ァ ス ナ ーや 電 気 部 品 等 の 購 入 部 品 を ラ イ ブ ラ リ か ら 挿 入 す る 手 順 が 簡 単 に 行 え る か ど う か を 検証してください。

また、設計変更は必ず発生するため、部品やアセンブリを変更するのがどの程度難しいかを評価してください。20% 程度でも少ない工数で設計できる CAD システムは、効率の悪いシステムと比較して大きなコスト上のメリットをもたらします。最も高い価値を提供する 3 次元 CAD とは、優れた技術的能力と、リーズナブルな所有コストを組み合わせたものになります。

概要さまざまな製造産業において、3 次元 CAD ソフトウェアは、製品、ツール、製造機器を設計する媒体として普及しています。加工産業でも、プラントや製造システムの設計に 3 次元システムが導入されつつあります。また、3 次元印刷技術の爆発的な普及により、3 次元 CAD ソフトウェアの市場に新規参入する設計者の数も増加しています。

一部のタスクは常に 2 次元 CAD で行われますが、3 次元 CAD ソフトウェアの新規購入者の数は引き続き増えています。こうした購入者の中には CAD 初心者もいますが、 一方で、3 次元 CAD の選択プロセスに参加していない経験豊富な CAD ユーザーや若いエンジニアリング マネージャも存在します。本書は、こうした 3 次元 CAD 購入者が自分と自分の組織にとって重要な機能や特性を把握できるように作成されています。

SOLIDWORKS® モデル ベース定義アプリケーションは、エンジニアが 2 次元図面を個別に作成して維持することなく、すべての製品および製造情報を 1 つにまとめてマスター ドキュメントを生成できるように支援します。

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2. 企業全体を流れる情報今日では、垂直統合型のメーカーはほとんどありません。ほとんどは部品、金型、サブシステム、製造装置、設計サービスのグローバルなコミュニティに依存しています。あなたの会社がサプライヤ側か顧客側か、その両方かに関わらず、他者と 3 次元 CAD ファイルを共有することでメリットが得られます。

可能であれば、業界やサプライヤ コミュニティで広く使われているCADシステムを選択してください。これにより、システムから別のシステムへとファイルを変換する必要性を減らすことができます。変換には時間がかかり、エラーが発生する場合もあります。

また、各システムの他システムからのファイルインポート機能もチェックしてください。お使いの CAD システムが STEP、IGES、VDA、IDF 等の国際的標準規格をサポートしていることを確認します。そして、インポートされた形状の破損を修正するツールの 使いやすさと 効果を評価してください。複数の CAD システムから多数のファイルを変換しなければならない場合には、各 CAD システム付属の直接変換ツールを確認するとともに、変換に特化したサードパーティ製ツールもチェックしてください。

データ共有の評価をファイルのやり取りに限定しないでください。共有のインターネット ホストをベースとするシステムにより、設計者は顧客とリアルタイムでコラボレーションし、オプションを検討して優れた解決策をすばやく導き出すことができます。

顧客やサプライヤと CAD データを共有することにより、作図を手作業でやり直す場合と比較して何千時間、何週間ものスケジュール短縮が可能になります。製品とプロセスに対して 3 次元でコラボレーションすることにより、製品コストの削減と同時に、より良い製品作りも可能になります。※DriveWorksはSOLIDWORKSのパートナー製品です。詳しくはパートナー製品検索サイトからDriveWorksを検索してください。http://www.solidworks.co.jp/sw/products/engineering-software-partners.htm

ワークフロー: WEB での設計の自動化

1 SOLIDWORKS ファイルを DriveWorks 3 次元形式で保存する

3 DriveWorks Administrator で、インターフェイス (フォーム) とルールを構築してモデルの変更方法を定義する

4 Web サイトにフォームを埋め込んでブラウザで構成する 5 新たなバリエーションをブラウザでオンライン再生できる

2 DriveWorks 3 次元ファイルを DriveWorks 3 次元Workshop で開いて取得する

DriveWorks for SOLIDWORKS

では、顧客の仕様にあわせて部品、アセンブリ、図面を自動的に生成できます。

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3. 現在と今後の社内標準に適合する作図ツール設計を行うのが 3 次元であっても、サプライヤや工場の作業者は図面を必要とする場合があります。明確な図面とは、3 次元モデルではわかりにくい情報、すなわちクリティカルな寸法や幾何公差、材料、表面仕上げの仕様、硬化プロセスや熱処理の注記等を示したものです。購入する 3 次元システムが、現在使用している寸法、幾何公差、文字設定、部品表に対する規格にあった図面を作れるかどうか確認してください。また、PDF、DXF、DWG 等、よく使われているフォーマットに図面をエクスポートできるかどうかも確かめてください。

ただし、3 次元 CAD の理解が深まるにつれて、図面は変わっていきます。主要メーカーは、図面の情報を別個のドキュメントなしで伝達できるアノテーション付きの 3 次元モデルを導入しています。これが「モデル ベース定義」です。作図時間を短縮し、製品データ管理を簡素化して、自動製造および検査システムを実現することで、3 次元モデルから寸法や公差を直接読み取り、ミスの排除に貢献します。

4. 概念から製造まで設計を前進させるツール設計は、実際の製品として出荷されるまで利益を生みません。設計に要する時間だけでなく、テスト、機械加工、コスト見積り、検査に要する時間も短縮できる豊富なアプリケーションを備えた3 次元 CAD ソフトウェアを見つける必要があります。

システムの注文設計を手がける企業は、顧客の仕様にあわせて部品とアセンブリを自動的に生成するソフトウェアからメリットを得られます。そうしたツールの中には、コンフィギュレーション ソフトウェアのように高い汎用性を発揮するツールがあり、金型アセンブリやプレス金型などの製品設計向けに最適化された専用ツールもあります。

物理的なテストはコストと時間がかかります。このため、キネマティクス、ダイナミクス、応力、変位、振動、温度、流体力学等の物理的挙動を解析することで、物理的なテストの数を減らす必要があります。統合されたシミュレーション ツールを持ったソフトウェア、または使用したい解析ソフトウェアと効率的なインターフェイスを持ったソフトウェアを選択してください。

電気配線の設計ソフトウェアは、ミスの削減と機械の正しい配線に役立ちます。また、コスト見積りソフトウェアがあれば、見積り担当者から予算超過を指摘される前に設計を見直すことができるため、コスト目標を確実に達成できます。検査ソフトウェアは、納入時の部品検査用ドキュメントを作成する時間を短縮できます。

各企業のビジネスに適したアドイン アプリケーションを選択することで、製品の市場投入時間も短縮できます。最適なツールを確保するために、ソリューションの選択肢を広げる CAD プラットフォームを選択してください。詳細に文書化された豊富なアプリケーション プログラミング インターフェイス (API) を備えたプラットフォームが必要です。優れた API は、サードパーティが特殊なアプリケーションを CAD システムに統合する際のコストも抑えることができます。さらに、CAD モデルの独自の使い方にあわせて、プログラマにソフトウェアを記述させることができます。

SOLIDWORK S Conceptual

Designer は、ファイルをエクスポートしたり、ファイルの制御を失うことなく、エンジニアが顧客やサプライヤとコラボレーションできるようにサポートします。

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5. データ管理の支援数名以上の設計者がいる組織では、CAD ツールと統合された製品データ管理 (PDM) ソフトウェアが必要になります。3 次元 CAD システムのファイル間の関係は非常に複雑であるため、それらを整理、保存する自動化されたシステムが必要です。PDM を使用しないと、設計者は誤ってお互いの作業結果を上書きしたり、既に設計済みの部品の設計を最初から設計し直したり、メーカーに誤ったリビジョン レベルを送ってしまう可能性があります。さらに、こうしたエラーは毎年数百時間の無駄につながり、部品の不具合によって数千ドルの支出を余儀なくされることも考えられます。

PDM システムは単なるファイルの保存と整理以上の機能を発揮します。PDM システムにより、再利用可能な既存の部品を探せるため、設計者は作業の二度手間がなくなり、コスト見積のための材料リストを生成したり、データを MRP (Manufacturing Resouce Planning: 製造資源計画) システムに送ることもできます。より高度な PDM システム ソフトウェアでは、変更管理プロセスを自動化することにより、古くなったデータや非公開情報が工場やサプライヤに送られるのを防ぐことができます。

6. 投資を保護する革新的な R&Dコンピュータ技術は常に変化しつづけています。CAD ベンダーがこの変革を活用できない場合、数年の内にあなたの組織は時代遅れで保守コストのかかる CAD システムを抱えることになります。製造業界をリードしてきた実績があり、大規模かつ先進的な R&D チームを持つサプライヤから購入するようにしてください。

SOLIDWORKS Inspection ソフトウェアは、検査図面やレポートを効率よく自動的に作成できるようにします。

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7. 良好なビジネス関係現実問題として、CAD ソフトウェア サプライヤと顧客の間の摩擦の最も大きな原因のいくつかは、技術的なものではなく、ビジネス上の問題です。一部の航空会社が預かり手荷物やフライトの変更、飲み物、毛布などで追加料金を取って顧客に不満を抱かせるように、一部の CAD サプライヤはほとんどの顧客が必要とするようなソフトウェアやサービスに追加料金がかかります。

このような問題を回避しコストを抑えるには、必要なものがすべて入った、わかりやすいソフトウェア パッケージを提供するサプライヤを探してください。CAD をフルタイムで必要としないエンジニアがライセンスを共有できるよう、フローティング ライセンスの条件もチェックしてください。また、主要な設計者がソフトウェアを会社でも自宅でも面倒なく使えるようにしておきましょう。

8. 短時間で習得可能3 次元設計手法の導入にはトレーニングと経験が必要です。したがって、機能がしっかりしていると同時に、習得の簡単なシステムを選択してください。システム全体に渡ってユーザー インターフェイスが一貫しているものを選びましょう。設計と製造の手順が開始から終了まで論理的に流れることを確認してください。中には、隠されたダンジョンやドラゴンにより設計者が作業の途中で妨害され、最初からやり直しになるようなシステムもあります。

また、トレーニング資料を自社で作成するのにも費用がかかります。付属のチュートリアル、コンピュータ ベースの豊富なトレーニング資料、作業者が質問をし、回答を得られる活発なオンライン コミュニティを持ったシステムを選択してください。さらに、地域の学校や大学で教えられているシステムを選択すれば、すぐに仕事ができる学生を雇うことができます。

9. 頼りになる代理店CAD ソフトウェア代理店と有益な関係を築けるかどうかは、購入した後にかかっています。3 次元設計と製造を確実に統合するために必要な支援スキルと経験を持った代理店から購入しましょう。代理店がトレーニング、サポートした実績のある 3 次元ユーザーの数を調べてください。質の高いトレーニング コースがあるか確認してください。その代理店のサポートするユーザー グループはありますか? 設計や製造プロセスを改善するためのトレーニングを開催しているでしょうか?

技術スタッフの経歴を尋ね、購入前に面談してみましょう。代理店の技術スタッフが困難な問題を解決する能力を持っているか、ユーザー事例を調べてみましょう。優れたローカル サポートの有無が、新しい CAD ソフトウェアの導入で逆にコストが膨れ上がるか、現在と将来のビジネス上の目標を前進させる正しい判断となるかを左右します。

SOLIDWORKS Electrical では、設計者が機械や制御パネルの電気回路図設計と配線の 3 次元モデルを容易に統合できるように支援します。

10. それぞれの組織にあった選択上記の基準のすべてがあらゆる組織に当てはまる訳ではありません。賢い選択を行うには、それぞれの企業の設計開発ニーズに対する慎重な検討と深い知識が必要です。

どのような組織にとっても、最も大きな間違いは 3 次元システムを比較検討することなく選択することです。各ソフトウェア パッケージの機能等を調べてください。誤った判断を下すと、時間とコストが無駄になります。ブランドの好みや狭すぎる基準によって感情的に判断すべきではありません。より良い製品を迅速に市場に投入するために必要なあらゆる機能を考慮しましょう。

L. Stephen Wolfe 氏はカリフォルニア州サンディエゴ在住のメカニカル エンジニアです。彼は Computer Aided Design Report および Product Data Management Report の創始者であり発行人でした。20 年以上にわたり、これらの刊行物は CAD 業界において「Consumer Reports (消費者レポート)」のような役割を果たしてきました。Wolfe 氏は CAD/CAM システムの選択方法について 2 冊の本、『The Smart Manager’s Guide to Selecting and Purchasing CAD Systems (賢いマネージャのための CAD システム選定、購入ガイド)』と『The CAD/CAM Strategic Planning Guide (CAD/CAM 戦略策定ガイド)』を出しています。彼は現在メカニカル エンジニアリング ソフトウェア分野のコンサルタントとしてユーザーが要件を定義し、独自の調査を行ってソフトウェア サプライヤを探し、交渉し、新しいソフトウェアの効率的な導入を支援しています。

水平グラインダーの 3 次元 CAD

モデル ( 画像提 供: Vermeer

Environmental Equipment of

Pella、米国アイオワ州)

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ダッソー・システムズの3Dエクスペリエンス・プラットフォームでは、12の業界を対象に各ブランド製品を強力に統合し、各業界で必要とされるさまざまなインダストリー・ソリューション・エクスペリエンスを提供しています。 ダッソー・システムズは、3Dエクスペリエンス企業として、企業や個人にバーチャル・ユニバースを提供することで、持続可能なイノベーションを提唱します。世界をリードするダッソー・システムズのソリューション群は製品設計、生産、保守に変革をもたらしています。ダッソー・システムズのコラボレーティブ・ソリューションはソーシャル・イノベーションを促進し、現実世界をより良いものとするためにバーチャル世界の可能性を押し広げています。ダッソー・システムズ・グループは140カ国以上、あらゆる規模、業種の約19万社のお客様に価値を提供しています。より詳細な情報は、www.3ds.com （英語）、www.3ds.com/ja （日本語）をご参照ください。

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