6
- 25 - 秦怡喪拘穀貢餌袞鴪膠袞行国鵠?篇淤貢遲チ 愾隣棏陜 *1 昴袞浩紅秦怡喪拘穀貢膠袞行購細碕査膠袞膏齬煙膠袞控巷鵠琚梗黒穀貢膠袞貢0毳膏壁⒧淤☞⇄香貢?篇淤惚査察宰 ◥7そ☞惚詹広肱帑鵬ª行㌽高紅琚細碕査膠袞購膠袞詹嶹袞鈬貢ö盜行国耕肱膠袞梅埆そ聚琄膠袞瑳宰鷺察罪貢杰控酷 抗国砿袞╂┍檍控錂荒鵠梗膏惚に浩紅琚合紅琄7そ☞貢昴袞袞鼠行国耕肱蠱哢貢?篇㋞陪惚衄溝鵠嶹盜控錂荒酷琄憎 恒郊-40 kV 腔嶹檍 30 mm 貢膏攻 0.8 mJ-60 kV 腔購嶹檍 50 mm 貢膏攻 2.4 mJ 貢篇ゑ卒昆歳作艮察控殀穀黒紅琚 浩拘浩琄€港骨香貢?篇貢㋞陪購ブ㌙溝鵠梗膏控腔攻荒拘耕紅琚慎苜琄齬煙膠袞購兪ǽ◥獸貢€喪行?篇溝鵠梗膏控壁 ㋞腔巷鵠控琄⑨え€港骨貢凅遍膏鰔高肱性贄⅓柤哢攻荒膠袞袞4控氣P腔巷耕紅琚㔾◉柤混坂碕行国鵠に腔購琄膠袞 膏剛劫弁蕁行膠袞と行齬耕肱€港骨控d広疹控酷琄麹麹ぅ黒肱?篇浩篇滬控然羆溝鵠鐶岌控ブ㌙江黒紅琚€喪貢Ě書行 国耕肱?篇抗国砿延?篇蕁貢膠袞袞╂┍檍控蕚x行錂荒酷琄?篇淤貢弐巵行泱詹腔攻鵠梗膏控と牟江黒紅琚 紺察昨察彩; €港骨㊔琄餌袞鴪琄細碕査膠袞琄齬煙膠袞琄秦怡喪 1 購港濠行 﨡釡﨑凅腔購琄2琄廂硫書琄ョà行菜碕瑳債再魂 貢袞鴪ª秦怡喪珙宣真琄7そ☞膏広康琚珩惚詹広鵠梗膏控 哘広琚梗貢7そ☞購琄僧詮柤猤劵腔購繼耨行国耕肱廂蒭 行昴袞浩琄鐶娯荒餌袞鴪膠袞惚楡攻•梗溝琚 査察宰◥貢7そ☞控昴袞溝鵠膏琄稿貢ま歙行籬丱江黒 紅怡喪控荒広凅遍購細碕査膠袞琄巷鵠凅遍購齬煙膠袞膏広 康?篇淤膠袞控﨟港鵠琚梗貢康絞細碕査膠袞行考広肱購琄 哘晃貢ォ!7行国耕肱憎晃ォ!江黒肱攻紅控琄痕瑳刷ナ鴪 香貢?篇購帑鵬ª行悼﨑腔攻鵠豪貢貢琄晝繫晝椀貢$鴪腎 行抗広肱€港骨香貢?篇惚悼﨑浩紅况胞購荒晃琄誤細碕査 膠袞行購€港骨香貢?篇淤購荒広護膏貢W苜控腑ョª膏荒 耕肱広鵠 1) 琚慎苜琄齬煙膠袞購琄稿貢﨟襭浅控国晃㌽高 穀黒肱抗酷 2)-4) 琄€港骨香貢?篇淤控鈬濠肱㔾広梗膏豪鳳 ö江黒肱広鵠控 5) 琄稿貢?篇坂混採砂冴貢る蕚購筆薙膏購 広恒荒広琚 袿菜咋沙昏魂宰ォ!行抗広肱購琄遲ö江黒紅膠袞貢? 篇淤控航貢⅓柤腔巷鵠拘貢弐巵惚ネ康梗膏控厨P㌼主貢 慎考腔巷酷琄梗黒行徙溝鵠坤菜咋察債貢鉱膏考膏浩肱琄哘 鐶荒壁⒧淤☞⇄膏膠袞貢3壕遍腰皇行抗広肱琄細碕査膠袞 貢?篇0淤抗国砿齬煙膠袞行抗杭鵠?篇貢坂混採砂冴惚 帑鵬2五抗国砿に雍硫惚詹広肱ウ2行㌽高紅貢腔况胞 溝鵠琚 2 帑鵬苜┃ 1 ) ? 2 1 行細碕査膠袞行国鵠?篇帑鵬2五惚と溝琚梗貢2 五購琄ö盜 420 mm琄膚江 3 mm PTFE (polytetrafluoro- ethylene)合紅購 PVC (polyvinyl chloride)6塘觜惚阪察 座腔憐ゞ珙蠱哢 106 rpm珩江皇琄梗黒惚鰆Ç琄袍Ⅹ變 貢繼耨喪惚藻耕肱繼耨昴袞江皇鵠琚江穀行琄真グ拘穀n鵬 €喪惚椀れ$鴪腔峯攻疹校琄塘觜膏籬丱ů慍嶹貢侮腔﨟港 鵠細碕査膠袞腔?篇惚n壕鵠膏広康豪貢腔巷鵠琚$鴪貢與 ╂抗国砿嶢菟貢紅濠琄菟喪惚 PVC 6貢混采察珙斎察彩珩 腔R耕紅琚 袿ォ!腔購琄昴袞浩紅塘觜行ö盜 19 mm30 mm 抗国 50 mm 貢籬丱浩紅ů慍嶹惚籬デ江皇肱細碕査膠袞惚 﨟江皇紅琚膠袞袞╂購琄袞╂菜咋察細 (Tektronix, TCP0030琄昴僥 DC\120 MHz)腔袞╂刷袞椀哇絋浩琄妻 沙座作梱査咋瑳唆察菜 (Tektronix, DPO3032 琄昴僥 DC\500 MHz)腔┍檍に浩紅琚合紅琄膠袞甜購婚坂察沙 婚策塞策査斎困婚坤(╈觚剤宰採魂瑳琄 C9016-04)腔に浩 紅琚江穀行琄€港骨香貢?篇惚n壕鵠撚行琄労 2 行と溝 ?篇菜咋察細 6) 惚詹広肱盻巵‥柤貢昆債削策刷$鴪遍鴪 香貢?篇貢衄㏍惚㌽高鵠梗膏行国耕肱琄細碕査膠袞貢篇ゑ 卒昆歳作艮察珙?篇㋞陪惚ù橲溝鵠篇ゑ膠袞昆歳作艮察 腔℀卒浩紅単珩惚鵯濠紅琚 2 ) ? 2 3 行齬煙膠袞行国鵠?篇帑鵬2五惚と溝琚梗貢2五 購琄籬丱浩紅ů慍霸觜貢疹行7広材鷺査察宰惚舍広肱広鵠琚 梗貢査察宰疹行n鵬€喪惚合降浩琄江穀行唆咋才膠袞椹4 袞2五惚詹広肱材鷺査察宰珙材鷺昆債削策塞削斎座削察宰 (PET)合紅購材鷺昆債削策(PE)琄膚江 0.1 mm珩惚昴袞江 皇琄嶹袞鈬惚籬デ江皇肱齬煙膠袞惚﨟江皇琄n鵬€喪貢 ?篇惚n壕鵠膏広康豪貢腔巷鵠琚?篇貢鐶岌購㔾◉柤混坂 碕珙斎根宰咋策琄FASTCAM SA5珩惚詹広肱に浩紅琚 1 細碕査膠袞?篇帑鵬2五 *1 迫朕嶢菟ヤ﨟G遍ォ!盻 袞鴪嶢菟ォ!些作察菜

ÉÕ Æ é5R5 Ç |5 æ # + H é - johas.go.jp4.5 4 (a) 電極径19 mm (b) 電極径30 mm (c) 電極径50 mm 図4 ブラシ放電:電極径による放電の変化 (左:放電発光(目盛1

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Page 1: ÉÕ Æ é5R5 Ç |5 æ # + H é - johas.go.jp4.5 4 (a) 電極径19 mm (b) 電極径30 mm (c) 電極径50 mm 図4 ブラシ放電:電極径による放電の変化 (左:放電発光(目盛1

- 25 -- 24 -

1) ( )

2009 62-69 2)

http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx 3) J.N.Chubb,S.K.Erents,I.E.Pollard.Radio Detection of

Low Energy Electrostatic Sparks. Nature. 1973; 245: 206-207.

4) G.D.Butterworth. The detection and characterization of electrostatic sparks by radio method. Inst.Phys.Conf. Ser.1979; 48:97-105.

5) . .

2013;JNIOSH-SRR-NO.43. 6) .

.2013;JNIOSH-SRR-NO.43.

労働安全衛生総合研究所特別研究報告 JNIOSH-SRR-NO.43(2013)

特別報告研究-No43-本文1c_CS4.indd Sec1:24 13/11/13 10:31

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*1

-40 kV 30 mm 0.8 mJ -60 kV 50 mm 2.4 mJ

1

1)

2)-4)

5)

2

1) 1

420 mm 3 mm PTFE (polytetrafluoro- ethylene) PVC (polyvinyl chloride)

106 rpm

PVC

19 mm 30 mm50 mm

(Tektronix, TCP0030 DC 120 MHz)

(Tektronix, DPO3032DC 500 MHz)

( C9016-04)2

6)

2)

3

(PET) (PE) 0.1 mm

FASTCAM SA5

1

*1

特別報告研究-No43-本文1c_CS4.indd Sec1:25 13/11/13 10:31

Page 2: ÉÕ Æ é5R5 Ç |5 æ # + H é - johas.go.jp4.5 4 (a) 電極径19 mm (b) 電極径30 mm (c) 電極径50 mm 図4 ブラシ放電:電極径による放電の変化 (左:放電発光(目盛1

- 26 -

図 2 ブラシ放電の火花等価エネルギー測定装置

図 3 沿面放電着火実験装置

3) 試験粉体 ブラシ放電による着火試験においては,本研究における

ブラシ放電の可燃性ガス・蒸気に対する火花等価エネルギ

ーが 3 mJ 以下であることを考慮して,ビシクロヘキサノ

ールおよびビスフェノール A の2種類を選択した.着火

試験装置(Kühner AG, MIKE-3)で実測した最小着火エネ

ルギーはいずれも 1 mJ 以下である. また,沿面放電による着火試験に用いた粉体は,ビシク

ロヘキサノール,ビスフェノール A,トナー,アントラキ

ノン,PMMA (polymethyl methacrylate)および石松子の

6種類であり,最小着火エネルギー,分散性等が多様とな

るよう選択した.これらの主な物性および着火エネルギー

は,本プロジェクト研究報告書「可燃性粉じん・空気混合

気の最小着火エネルギー測定における放電回路条件の影

響」に詳述されている. 実験は 20 ºC, 20 %RH の環境で実施した.

3 結果および考察 1) ブラシ放電 (1) ブラシ放電の特徴

PTFE 円板を毛皮で摩擦して表面電位約-50 kV に帯電

させ,球電極の径を 19, 30 および 50 mm として放電電

流波形,放電電荷の測定(放電電流の時間積分)および放

電光の観測を行った. その結果,図 4 に示すように,放電は複数のパルスで

構成されており,電極径が大きくなるほど電流のピーク値

は大きくなり,放電時間は短くなり,かつ,パルスの数が

減少し,パルス間隔は小さくなる傾向がみられた.放電は,

電極径が小さいほど遠距離から発生し,かつ,ストリーマ

の空間的広がりも大きくなっている.これらの現象は,電

極径が小さくなるほど球面近傍の電界が大きくなるため,

より遠方において放電開始電界(30 kV/cm)を超えること

(a) 電極径 19 mm

(b) 電極径 30 mm

(c) 電極径 50 mm

図 4 ブラシ放電:電極径による放電の変化 (左:放電発光(目盛 1 cm/div),右:放電電流波形)

(PTFE 電位 -50 kV)

cm

cm

cm

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

4

4.5

5

5.5

6

15 20 25 30 35 40 45 50 55

エチレン濃

度(vol%)

電極径 (mm)

-40 kV

-60 kV

0.5 mJ 0.5 mJ

0.8 mJ

1.4 mJ1.4 mJ

2.4 mJ

図 5 ブラシ放電:帯電電位,電極径と放電電荷 (左:-40 kV,右:-60 kV,試行回数各 50 回) 図 6 エチレンガスを用いた火花等価エネルギー

となったこと,また,距離が長いほど各パルスで消費され

る電荷が小さいため,電極近傍の電界が維持され,放電が

継続しやくなること等に起因すると考えられる. 放電エネルギーが空間的な広がりを持つことというこ

とは,同じ放電エネルギーを有する火花放電に比べて着火

性が低いことを予想させるものであると同時に,一律に放

電電荷またはエネルギーによって着火性を論じることが

困難であることをも示唆する. 一回の放電で放出される電荷量を測定すると,図 5 の

結果(各条件で 50 回試行)が得られ,帯電電位によって

電荷量が最大となる電極径が異なることがわかる.数値の

ばらつきが大きいが,平均値で比較すると比較的低い電位

(-40 kV)では電極径 30 mm において電荷量が最も大きく,

高い電位(-60 kV)では 50 mm が最も大きかった.これは

帯電電位が高いほど放電ギャップが大きいため,円板平面

の電位低下が抑制され,放電に寄与した円板上の面積が大

きくなったためと考えられる. (2) 可燃性ガスへの着火性

ブラシ放電の可燃性ガスへの着火能力を知るためにエ

チレン・空気混合気を用いて着火実験を行った.まず,コ

ンデンサを充電し,これによる火花放電によって着火試験

を実施してエチレン濃度と着火エネルギーの関係を求め

た.その後,着火プローブを用いて帯電した円板と球電極

間で発生するブラシ放電による着火実験を実施した.着火

の判定にあたっては,着火プローブを回転中の円板に接近

させて約 1 分間連続してブラシ放電を発生させ,その間に

火炎が目視確認された場合に「着火」と,火炎が目視確認

されなかった場合に「非着火」とした.その結果,図 6に示すような結果が得られた.これによれば帯電電位-40 kVにおいては直径30 mmの電極を用いたときに0.8 mJ,-60 kV において直径 50 mm の電極を用いたときに 2.4 mJ の等価放電エネルギーが得られた.これは,図 5 で示

した最大電荷の発生条件と合致しており,電位が高いほど

曲率の小さな導体からのブラシ放電の方が着火能力が高

くなることを示している. なお,過去の研究においてはブラシ放電の火花等価エ

ネルギーは 1∼4 mJ というが報告されており 7), 8),今回の

実験で得られた値もこれらにほぼ一致するものであった. (3) 粉じんへの着火性

ビスフェノール A およびビシクロヘキサノールを用い

てブラシ放電による粉じん・空気混合気への着火を試みた

が,一度も着火することはなかった.粉じんと空気の混合

状態には問題はなかったので(火花放電による着火を確認

済み),放電エネルギーが不十分であったためである.た

だし,これは粉じんが舞い上がった直後に円板に付着し,

電位が低下したためにブラシ放電が弱まったことが主た

る要因と考えられ,粉じんへの着火能力の有無を判定する

までには至らなかった.この種の研究では,過去にブラシ

放電による着火成功例がほとんど見られないのは実験の

困難さにも起因すると考えられ,今後新たな工夫が必要で

ある. 2)沿面放電

(1) 沿面放電の観測

図 7 (a)および(b)は,それぞれ PET シートおよび PE シ

ートを帯電させ,電極の接近およびとシートの絶縁破壊を

契機として発生した放電である(高速度カメラ 7,000 FPSで撮影したうちの1フレーム).後者の放電条件は放電電

流等の電気的測定が困難であるが,帯電電位が等しければ

放電光の広がりもほぼ同様となることが観測されたこと

から,両者はほぼ同様の放電エネルギーを有していると考

えられる. 一般に放電は非常に高速の現象であるので,その放電光

の成長パターンを光学的に捕らえることは技術的に難し

いが,本研究では,放電回路に 100 kΩを挿入して放電光

の進展を緩慢にすることによって 1,500,000 FPS での高

速ビデオ撮影を試みた.図 8 は,数フレームを合成した

ものであり,主たる放電ストリーマ①~④が,その番号の

順に 0.7~1.4 µs 間隔で発生・成長していることが確認さ

れた.図 7 では樹枝状の放電ストリーマが同時に発生して

いるように見えるが,実際にはそれぞれ時間的なずれを伴

って発生していることが示唆される.

-220

-200

-180

-160

-140

-120

-100

-80

-60

-40

-20

0

放電

電荷

(C)

最小値

平均値

最大値

19 30 50 19 30 50電極径 (mm) 電極径 (mm)

【PVC円板,電位 − 40kV】 【PTFE円板,電位 - 60kV】

温湿度:20, 20%摩擦布:木綿

回転数:106 rpm

労働安全衛生総合研究所特別研究報告 JNIOSH-SRR-NO.43(2013)

Page 3: ÉÕ Æ é5R5 Ç |5 æ # + H é - johas.go.jp4.5 4 (a) 電極径19 mm (b) 電極径30 mm (c) 電極径50 mm 図4 ブラシ放電:電極径による放電の変化 (左:放電発光(目盛1

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図 2 ブラシ放電の火花等価エネルギー測定装置

図 3 沿面放電着火実験装置

3) 試験粉体 ブラシ放電による着火試験においては,本研究における

ブラシ放電の可燃性ガス・蒸気に対する火花等価エネルギ

ーが 3 mJ 以下であることを考慮して,ビシクロヘキサノ

ールおよびビスフェノール A の2種類を選択した.着火

試験装置(Kühner AG, MIKE-3)で実測した最小着火エネ

ルギーはいずれも 1 mJ 以下である. また,沿面放電による着火試験に用いた粉体は,ビシク

ロヘキサノール,ビスフェノール A,トナー,アントラキ

ノン,PMMA (polymethyl methacrylate)および石松子の

6種類であり,最小着火エネルギー,分散性等が多様とな

るよう選択した.これらの主な物性および着火エネルギー

は,本プロジェクト研究報告書「可燃性粉じん・空気混合

気の最小着火エネルギー測定における放電回路条件の影

響」に詳述されている. 実験は 20 ºC, 20 %RH の環境で実施した.

3 結果および考察 1) ブラシ放電 (1) ブラシ放電の特徴

PTFE 円板を毛皮で摩擦して表面電位約-50 kV に帯電

させ,球電極の径を 19, 30 および 50 mm として放電電

流波形,放電電荷の測定(放電電流の時間積分)および放

電光の観測を行った. その結果,図 4 に示すように,放電は複数のパルスで

構成されており,電極径が大きくなるほど電流のピーク値

は大きくなり,放電時間は短くなり,かつ,パルスの数が

減少し,パルス間隔は小さくなる傾向がみられた.放電は,

電極径が小さいほど遠距離から発生し,かつ,ストリーマ

の空間的広がりも大きくなっている.これらの現象は,電

極径が小さくなるほど球面近傍の電界が大きくなるため,

より遠方において放電開始電界(30 kV/cm)を超えること

(a) 電極径 19 mm

(b) 電極径 30 mm

(c) 電極径 50 mm

図 4 ブラシ放電:電極径による放電の変化 (左:放電発光(目盛 1 cm/div),右:放電電流波形)

(PTFE 電位 -50 kV)

cm

cm

cm

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

4

4.5

5

5.5

6

15 20 25 30 35 40 45 50 55

エチレン濃

度(vol%)

電極径 (mm)

-40 kV

-60 kV

0.5 mJ 0.5 mJ

0.8 mJ

1.4 mJ1.4 mJ

2.4 mJ

図 5 ブラシ放電:帯電電位,電極径と放電電荷 (左:-40 kV,右:-60 kV,試行回数各 50 回) 図 6 エチレンガスを用いた火花等価エネルギー

となったこと,また,距離が長いほど各パルスで消費され

る電荷が小さいため,電極近傍の電界が維持され,放電が

継続しやくなること等に起因すると考えられる. 放電エネルギーが空間的な広がりを持つことというこ

とは,同じ放電エネルギーを有する火花放電に比べて着火

性が低いことを予想させるものであると同時に,一律に放

電電荷またはエネルギーによって着火性を論じることが

困難であることをも示唆する. 一回の放電で放出される電荷量を測定すると,図 5 の

結果(各条件で 50 回試行)が得られ,帯電電位によって

電荷量が最大となる電極径が異なることがわかる.数値の

ばらつきが大きいが,平均値で比較すると比較的低い電位

(-40 kV)では電極径 30 mm において電荷量が最も大きく,

高い電位(-60 kV)では 50 mm が最も大きかった.これは

帯電電位が高いほど放電ギャップが大きいため,円板平面

の電位低下が抑制され,放電に寄与した円板上の面積が大

きくなったためと考えられる. (2) 可燃性ガスへの着火性

ブラシ放電の可燃性ガスへの着火能力を知るためにエ

チレン・空気混合気を用いて着火実験を行った.まず,コ

ンデンサを充電し,これによる火花放電によって着火試験

を実施してエチレン濃度と着火エネルギーの関係を求め

た.その後,着火プローブを用いて帯電した円板と球電極

間で発生するブラシ放電による着火実験を実施した.着火

の判定にあたっては,着火プローブを回転中の円板に接近

させて約 1 分間連続してブラシ放電を発生させ,その間に

火炎が目視確認された場合に「着火」と,火炎が目視確認

されなかった場合に「非着火」とした.その結果,図 6に示すような結果が得られた.これによれば帯電電位-40 kVにおいては直径30 mmの電極を用いたときに0.8 mJ,-60 kV において直径 50 mm の電極を用いたときに 2.4 mJ の等価放電エネルギーが得られた.これは,図 5 で示

した最大電荷の発生条件と合致しており,電位が高いほど

曲率の小さな導体からのブラシ放電の方が着火能力が高

くなることを示している. なお,過去の研究においてはブラシ放電の火花等価エ

ネルギーは 1∼4 mJ というが報告されており 7), 8),今回の

実験で得られた値もこれらにほぼ一致するものであった. (3) 粉じんへの着火性

ビスフェノール A およびビシクロヘキサノールを用い

てブラシ放電による粉じん・空気混合気への着火を試みた

が,一度も着火することはなかった.粉じんと空気の混合

状態には問題はなかったので(火花放電による着火を確認

済み),放電エネルギーが不十分であったためである.た

だし,これは粉じんが舞い上がった直後に円板に付着し,

電位が低下したためにブラシ放電が弱まったことが主た

る要因と考えられ,粉じんへの着火能力の有無を判定する

までには至らなかった.この種の研究では,過去にブラシ

放電による着火成功例がほとんど見られないのは実験の

困難さにも起因すると考えられ,今後新たな工夫が必要で

ある. 2)沿面放電

(1) 沿面放電の観測

図 7 (a)および(b)は,それぞれ PET シートおよび PE シ

ートを帯電させ,電極の接近およびとシートの絶縁破壊を

契機として発生した放電である(高速度カメラ 7,000 FPSで撮影したうちの1フレーム).後者の放電条件は放電電

流等の電気的測定が困難であるが,帯電電位が等しければ

放電光の広がりもほぼ同様となることが観測されたこと

から,両者はほぼ同様の放電エネルギーを有していると考

えられる. 一般に放電は非常に高速の現象であるので,その放電光

の成長パターンを光学的に捕らえることは技術的に難し

いが,本研究では,放電回路に 100 kΩを挿入して放電光

の進展を緩慢にすることによって 1,500,000 FPS での高

速ビデオ撮影を試みた.図 8 は,数フレームを合成した

ものであり,主たる放電ストリーマ①~④が,その番号の

順に 0.7~1.4 µs 間隔で発生・成長していることが確認さ

れた.図 7 では樹枝状の放電ストリーマが同時に発生して

いるように見えるが,実際にはそれぞれ時間的なずれを伴

って発生していることが示唆される.

-220

-200

-180

-160

-140

-120

-100

-80

-60

-40

-20

0

放電

電荷

(C)

最小値

平均値

最大値

19 30 50 19 30 50電極径 (mm) 電極径 (mm)

【PVC円板,電位 − 40kV】 【PTFE円板,電位 - 60kV】

温湿度:20, 20%摩擦布:木綿

回転数:106 rpm

不導体からの静電気放電による着火性の検討

Page 4: ÉÕ Æ é5R5 Ç |5 æ # + H é - johas.go.jp4.5 4 (a) 電極径19 mm (b) 電極径30 mm (c) 電極径50 mm 図4 ブラシ放電:電極径による放電の変化 (左:放電発光(目盛1

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(a) PET シート上での放電(電極接近)

(b) PE シート上での放電(絶縁破壊) 図 7 沿面放電発光パターン(帯電電位-20 kV)

図 8 沿面放電路の発生順序(100 kΩ挿入) (2) 沿面放電による堆積粉じん着火の観測

沿面放電による堆積状態の粉じんへの着火・爆発の機構

を知るために,高速度カメラによる撮影を行った.この実

験に用いた6種類の粉体については,着火から爆発への進

展パターンがそれぞれ異なり,特に,放電から着火までの

時間および着火ポイントに違いがみられた.放電から粉じ

んが浮遊しはじめるまでの時間(浮遊開始時間),放電か

ら着火が開始するまでの時間(着火開始時間)および着火

場所をまとめると表 1 のようになる.粉じんが浮遊する

のは放電ストリーマ周辺で生じる衝撃波によるものと考

えられるので浮遊開始時間には大きな差はない.一方,着

火開始時間はそれぞれ異なっており,また,着火開始場所

は,着火開始時間が比較的短い試料(ビスフェノール A,

トナー,アントラキノン)では,図 9 (a)に示すように,

放電路の近傍であるのに対し,着火開始時間が比較的長い

試料(ビシクロヘキサノール,PMMA,石松子)では,

図 9 (b)に示すように,放電電極近傍であった.放電開始

時間の違いは,個々の物質の燃焼反応速度との関係が深い

と考えられるが,詳細の解明は今後の課題である.

表 1 各種粉体試料における着火の特徴 粉体 浮遊開始

間 (ms) 着 火 開 始

時間 (ms) 着火開始場

所 ビシクロヘキサ

ノール 0.28 9.14 電極近傍ま

たは放電路 ビスフェノール

A 0.28 0.28 放電路

トナー 0.14 0.14 放電路 アントラキノン 0.14 0.14 放電路 PMMA 0.28 12.3 電極近傍 石松子 0.28 31.1 電極近傍

(a) 放電路での着火(ビスフェノール A)

(b) 電極近傍での着火(石松子) 図 9 沿面放電による粉じんへの着火ポイント

(3) 堆積粉じんの着火に要する放電電荷 沿面放電による着火の有無を放電電荷の観点からまと

めたものが図 10 である.また,本実験で得られた着火に

必要な電荷の最小値(最小着火電荷という.)を浮遊粉じ

んのそれと比較したものを表 2 に示す. 堆積粉じんの場合には.着火が生じるためには,浮遊粉

じんの場合の 100 倍程度の電荷が必要ということがわか

5 cm

球電極

5 cm

ピンホール

5 cm 球電極

火炎

球電極

火炎5 cm

電極2 cm

0 50 100 150 200 250 300 350

放電電荷 (µC)

着火・爆発

着火・爆発せず

非着火石松子

PMMA

アントラ

キノン

トナー

ビスフェ

ノールA

ビシクロヘ

キサノール

る.ただし,これは粉じんを浮遊させるために多くの電荷

が費やされたためであり,すでに浮遊状態となっている場

合には,着火に要する電荷はかなり少なくなること考えら

れる. また,ばらつきはあるが,最小着火エネルギーが小さい

物質ほど,沿面放電の最小着火電荷も小さくなる傾向が認

められる. (4) 堆積粉じん着火と放電電流波形 放電電流波形の観測から,沿面放電の際には,放電路に

粉じんが堆積している場合と堆積していない場合には放

電電流波形が異なること,また,物質によっては,図 11に示すように,着火時と非着火時には放電電流波形に明瞭

な違いがあることが分かった. 放電時間と着火の関係をまとめると図 12 のようになる.

これによれば,ビスフェノール A およびビシクロヘキサ

ノールは,着火時と非着火時の放電電流波形に大きな違い

が認められる.着火の有無が放電電流波形に影響を与える

ということは,放電時において既に着火の前駆現象が開始

し,イオン等荷電粒子が生じていることを意味すると考え

られる.したがって,物質に制限はあるが,放電電流波形

または電磁波をモニターすることによって着火性である

か否かの判定が可能になると考えられる.

図 10 放電電荷による各種粉体の着火の有無

表 2 各種粉体試料における着火の特徴

粉体 堆積粉じんの沿

面放電による最

小着火電荷(µC)

浮遊粉じんの火花

放電による最小着

火電荷 (µC) ビシクロヘキサノ

ール 55.7 < 0.2

ビスフェノール A 103 < 0.2 トナー 199 0.6 ∼ 2 アントラキノン 75.8 0.6 ∼ 2 PMMA 86.2 0.6 ∼ 2 石松子 173 2 ∼ 6

図 11 着火時と非着火時の放電電流波形の違い(石松子)

図 12 放電時間による各種粉体の着火の有無

4 まとめ 帯電した不導体から発生するブラシ放電および沿面放

電の特徴および可燃性物質(ガス,粉じん)への着火性を

実験的に調べた.その結果をまとめると次のとおりである. (1) ブラシ放電は複数のパルスから成り,球電極の直径が

大きくなるほどパルスは大きくなり,発生個数は減少

する. (2) ブラシ放電の着火能力は放電電荷と相関性があり,絶

縁物の帯電電位が高くなるほど,より直径の大きな球

電極の方が着火能力は高くなる.帯電電位-40 kV で

0.8 mJ,-60 kV で 2.4 mJ の火花等価エネルギーが得

られた. (3) 最小着火エネルギー1 mJ 以下の粉体を用いてブラシ

放電による着火を試みたが着火は確認されなかった. (4) 沿面放電による堆積粉じんの着火においては,先ず放

電によって粉じんが舞い上がり,その後やや遅れて火

炎が出現する.着火場所は放電路に沿うものと放電電

極付近近傍の二種類がある. (5) 沿面放電による堆積粉じんの着火に必要な電荷は,浮

遊粉じんの火花放電による着火と比べて約 100倍が必

-400

-350

-300

-250

-200

-150

-100

-50

0

50-4.E-06 -2.E-06 0.E+00 2.E-06 4.E-06 6.E-06 8.E-06 1.E-05

Dis

char

ge c

urre

nt (

A)

Time (s)

非着火

着火

PETシートのみ

0 2 4 6 8 10 12

放電時間 (µs)

着火・爆発

着火・爆発せず

非着火石松子

PMMA

アントラ

キノン

トナー

ビスフェ

ノールA

ビシクロヘ

キサノール

労働安全衛生総合研究所特別研究報告 JNIOSH-SRR-NO.43(2013)

Page 5: ÉÕ Æ é5R5 Ç |5 æ # + H é - johas.go.jp4.5 4 (a) 電極径19 mm (b) 電極径30 mm (c) 電極径50 mm 図4 ブラシ放電:電極径による放電の変化 (左:放電発光(目盛1

- 29 -

(a) PET シート上での放電(電極接近)

(b) PE シート上での放電(絶縁破壊) 図 7 沿面放電発光パターン(帯電電位-20 kV)

図 8 沿面放電路の発生順序(100 kΩ挿入) (2) 沿面放電による堆積粉じん着火の観測

沿面放電による堆積状態の粉じんへの着火・爆発の機構

を知るために,高速度カメラによる撮影を行った.この実

験に用いた6種類の粉体については,着火から爆発への進

展パターンがそれぞれ異なり,特に,放電から着火までの

時間および着火ポイントに違いがみられた.放電から粉じ

んが浮遊しはじめるまでの時間(浮遊開始時間),放電か

ら着火が開始するまでの時間(着火開始時間)および着火

場所をまとめると表 1 のようになる.粉じんが浮遊する

のは放電ストリーマ周辺で生じる衝撃波によるものと考

えられるので浮遊開始時間には大きな差はない.一方,着

火開始時間はそれぞれ異なっており,また,着火開始場所

は,着火開始時間が比較的短い試料(ビスフェノール A,

トナー,アントラキノン)では,図 9 (a)に示すように,

放電路の近傍であるのに対し,着火開始時間が比較的長い

試料(ビシクロヘキサノール,PMMA,石松子)では,

図 9 (b)に示すように,放電電極近傍であった.放電開始

時間の違いは,個々の物質の燃焼反応速度との関係が深い

と考えられるが,詳細の解明は今後の課題である.

表 1 各種粉体試料における着火の特徴 粉体 浮遊開始

間 (ms) 着 火 開 始

時間 (ms) 着火開始場

所 ビシクロヘキサ

ノール 0.28 9.14 電極近傍ま

たは放電路 ビスフェノール

A 0.28 0.28 放電路

トナー 0.14 0.14 放電路 アントラキノン 0.14 0.14 放電路 PMMA 0.28 12.3 電極近傍 石松子 0.28 31.1 電極近傍

(a) 放電路での着火(ビスフェノール A)

(b) 電極近傍での着火(石松子) 図 9 沿面放電による粉じんへの着火ポイント

(3) 堆積粉じんの着火に要する放電電荷 沿面放電による着火の有無を放電電荷の観点からまと

めたものが図 10 である.また,本実験で得られた着火に

必要な電荷の最小値(最小着火電荷という.)を浮遊粉じ

んのそれと比較したものを表 2 に示す. 堆積粉じんの場合には.着火が生じるためには,浮遊粉

じんの場合の 100 倍程度の電荷が必要ということがわか

5 cm

球電極

5 cm

ピンホール

5 cm 球電極

火炎

球電極

火炎5 cm

電極2 cm

0 50 100 150 200 250 300 350

放電電荷 (µC)

着火・爆発

着火・爆発せず

非着火石松子

PMMA

アントラ

キノン

トナー

ビスフェ

ノールA

ビシクロヘ

キサノール

る.ただし,これは粉じんを浮遊させるために多くの電荷

が費やされたためであり,すでに浮遊状態となっている場

合には,着火に要する電荷はかなり少なくなること考えら

れる. また,ばらつきはあるが,最小着火エネルギーが小さい

物質ほど,沿面放電の最小着火電荷も小さくなる傾向が認

められる. (4) 堆積粉じん着火と放電電流波形 放電電流波形の観測から,沿面放電の際には,放電路に

粉じんが堆積している場合と堆積していない場合には放

電電流波形が異なること,また,物質によっては,図 11に示すように,着火時と非着火時には放電電流波形に明瞭

な違いがあることが分かった. 放電時間と着火の関係をまとめると図 12 のようになる.

これによれば,ビスフェノール A およびビシクロヘキサ

ノールは,着火時と非着火時の放電電流波形に大きな違い

が認められる.着火の有無が放電電流波形に影響を与える

ということは,放電時において既に着火の前駆現象が開始

し,イオン等荷電粒子が生じていることを意味すると考え

られる.したがって,物質に制限はあるが,放電電流波形

または電磁波をモニターすることによって着火性である

か否かの判定が可能になると考えられる.

図 10 放電電荷による各種粉体の着火の有無

表 2 各種粉体試料における着火の特徴

粉体 堆積粉じんの沿

面放電による最

小着火電荷(µC)

浮遊粉じんの火花

放電による最小着

火電荷 (µC) ビシクロヘキサノ

ール 55.7 < 0.2

ビスフェノール A 103 < 0.2 トナー 199 0.6 ∼ 2 アントラキノン 75.8 0.6 ∼ 2 PMMA 86.2 0.6 ∼ 2 石松子 173 2 ∼ 6

図 11 着火時と非着火時の放電電流波形の違い(石松子)

図 12 放電時間による各種粉体の着火の有無

4 まとめ 帯電した不導体から発生するブラシ放電および沿面放

電の特徴および可燃性物質(ガス,粉じん)への着火性を

実験的に調べた.その結果をまとめると次のとおりである. (1) ブラシ放電は複数のパルスから成り,球電極の直径が

大きくなるほどパルスは大きくなり,発生個数は減少

する. (2) ブラシ放電の着火能力は放電電荷と相関性があり,絶

縁物の帯電電位が高くなるほど,より直径の大きな球

電極の方が着火能力は高くなる.帯電電位-40 kV で

0.8 mJ,-60 kV で 2.4 mJ の火花等価エネルギーが得

られた. (3) 最小着火エネルギー1 mJ 以下の粉体を用いてブラシ

放電による着火を試みたが着火は確認されなかった. (4) 沿面放電による堆積粉じんの着火においては,先ず放

電によって粉じんが舞い上がり,その後やや遅れて火

炎が出現する.着火場所は放電路に沿うものと放電電

極付近近傍の二種類がある. (5) 沿面放電による堆積粉じんの着火に必要な電荷は,浮

遊粉じんの火花放電による着火と比べて約 100倍が必

-400

-350

-300

-250

-200

-150

-100

-50

0

50-4.E-06 -2.E-06 0.E+00 2.E-06 4.E-06 6.E-06 8.E-06 1.E-05

Dis

char

ge c

urre

nt (

A)

Time (s)

非着火

着火

PETシートのみ

0 2 4 6 8 10 12

放電時間 (µs)

着火・爆発

着火・爆発せず

非着火石松子

PMMA

アントラ

キノン

トナー

ビスフェ

ノールA

ビシクロヘ

キサノール

不導体からの静電気放電による着火性の検討

Page 6: ÉÕ Æ é5R5 Ç |5 æ # + H é - johas.go.jp4.5 4 (a) 電極径19 mm (b) 電極径30 mm (c) 電極径50 mm 図4 ブラシ放電:電極径による放電の変化 (左:放電発光(目盛1

- 30 -- 30 -

(6)

1) M. Glor and K. Schwenzfeuer, Direct ignition tests with brush discharges. J. Electrostat. 2005; 63; 463-468

2) E. Heidelberg, in Proc. 1st Int. Conf. Static Electricity, Vienna, Austria. 1970; 351

3) M. Yamaguma and T. Kodama, Observation of propagating brush discharge on insulating film with

grounded antistatic materials, IEEE Trans. on Insdutry Applications, 2004; 40; 451-456

4) A. R. Blythe, G. E. Carr, Characteristics of propagating electrostatic discharge on dielectric films, J. Electrostat. 1981; 10; 321-326

5) Electrostatics-code of practice for the avoidance of hazards due to static electricity, CENELEC PD CLC/TR 50404 (2003)

6) JIS C 61340-4-4:2009 (IEC 61340-4-4:2005)4-4

(2009)

7) M. Glor, Ignition of gas/air mixtures by discharges between electrostatically charged plastice surfaces and metallic electrodes, J J. Electrostat.,1981; 10; 327-332

8). 1979; 3; 160-166

労働安全衛生総合研究所特別研究報告 JNIOSH-SRR-NO.43(2013)

特別報告研究-No43-本文1c_CS4.indd Sec1:30 13/11/13 10:31

- 31 -

*1 *2 *1 *2 (MIE)

1 mH(100 k )

15 1 mH10 mJ MIE MIE

10 mJ

1

1)

1 2 mH

( 100 k )

2),3)

4).5) 6)

7)

8)

2 1)

(Kühner AG, MIKE-3)

1 mH

10 μH 1 mH10 μH

10 μH

1 mH

1 (TektronixTCP0030 DC 120 MHz)

(Tektronix DPO3032DC 500 MHz)

(Photron FASTCAM-Ultima-RGB)

W (J)

(a)

*1

*2

20

12

W W CV (1)

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労働安全衛生総合研究所特別研究報告 JNIOSH-SRR-NO.43(2013)