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和田あずみ 株式会社DeNATravel HCD-Net認定 人間中心設計専門家 Copyright © 2016 WadaAzumi All Rights Reserved. 家庭の料理→HCDに活かす 即興で どうにかする力

即興でどうにかする力 ~家庭の料理→HCDに活かす ~

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和田あずみ 株式会社DeNATravel

HCD-Net認定 人間中心設計専門家

Copyright © 2016 WadaAzumi All Rights Reserved.

家庭の料理→HCDに活かす

即興でどうにかする力

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旅行会社のwebディレクターです

和田あずみ 株式会社DeNATravel・オンライン旅行会社のwebディレクター・HCD-Net認定 人間中心設計専門家

画像 https://www.dena-travel.com/recruit/staff/

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DeNAトラベルについて

OTA(Online Travel Agent)インターネット上だけで取引を行う旅行会社のこと

24時間いつでも世界中の膨大な数の商品を検索・予約OK

店舗をもたない成熟した日本の旅行業界の中で2ケタ増成長中

システム投資、マーケティング投資が中心となる

24時間予約OK 成長市場

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事業の実現

顧客の体験価値提供価値

WebサービスでのUXデザインが目指すとこ

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事業成長、収益、粗利、CVR、DAU、キックバック仕入れ先や取引関係者、株主etc..が大事

事業の実現

顧客の体験価値

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ユーザーの使いやすさ、満足度、体験が大事

事業の実現

顧客の体験価値

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大事にする成果がお互いに違う

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事業存続のためには数字が大事なのにあいつら正論、べき論ばかりいってて役にたたねー。それ本当に事業に有効?

ユーザーのためになることやろうっていってるのになんであいつらわからないんだろう?それ本当にユーザーに有効?

その結果よくおこること①

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Webサービスで言い出した時の反応

ユーザー調査する工数ください

えっと…• 「そのための工数とってない」• 「そのために納期ずらすのはないよね」• 「お金そんなにだせないよ?」

その結果よくおこること②

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課題は多いけど!

限られた工数の中で事業のために

HCDを活かしたいよー!

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家庭のスキルを、HCDにも活かす

▼「即興でどうにかする力」ポイント4点

•献立の発想ルール

•段取り

•ハレとケ

•おなかがすいたときに、ごはんをだす

限られた家計と工数の中で家族が幸せでいるために

料理をしたい!

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①献立の発想ルール

•献立テンプレート

http://www.pal-system.co.jp/campaign/2009100man/ichijunisai_guide/index_ichijunisai.html より引用

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①献立の発想ルール

調べる

利用状況の

理解と明示

企画する

ユーザー要求事項

の明示

解決策作成

ユーザーと事業の

要求事項を満たす

設計による解決策の作成

評価する

要求に対する

設計の評価

解決策が

ユーザーと事業の

要求事項を満たす

評価する事業への定量的な寄与の検証

企画する会社の強み、事業貢献する企画

事業会社での献立テンプレ

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①献立の発想ルール

•『4品』をシンプルに、続ける

オーストラリア人向けサイトの利用状況調査松:オーストラリア人旅行者で、

メタサーチ利用者にインタビュー竹:オーストラリア人旅行者で、

メタサーチ利用者にアンケート梅:日本人旅行者で、メタサーチ利用者13名の

インタビューデーターから仮モデリング茸:知人のオーストラリア人1名にインタビュー

※松コースを分解して、やれるサイズまで小さくする※梅「うめー」 →竹「質たけー」 →松「まつりだわっしょい」

味噌汁松:当日に昆布だし、かつおだしをとった

芋とねぎの味噌汁竹:だしストックを日曜日につくり、それを流用した

芋とネギの味噌汁梅:パルシステムのだしのもとを使った

芋とねぎの味噌汁茸:インスタント味噌汁

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②献立の発想ルール

•どうしても時間がないときはあるさ!!

http://item.pal-system.co.jp/frozen-food/reitou-udon/より引用

夜遅くに帰宅したときメニュー・うどん(炭水化物)油揚げ(たんぱく質)わかめ、ほうれん草(海藻、野菜)白だし

・冷凍庫にストック

ほとんどギリでリリースするときメニュー・30分レビュー超重要な情報設計を5人程度ヒアリング「あなたはユーザーで□□を探してます。

AとBとCどの案が○○という目的達成しやすそう?」

・リリース後定量評価して、「なぜ?」がわからない部分があれば定性評価するというアクションにつなげる

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①献立の発想ルール

•周りの環境を活かして発想

http://palsystem-kanagawayume.lekumo.biz/yume08/cat9038899/?p=2 より引用

食材・旬、ランダム性をとりいれる例:パルシステムのグリーンボックス→飽きない、おいしい、健康にもいい

調査や評価に参加するユーザー・いちからユーザー募集するより結果的に精度の高い『周囲の人』はいる

・人をベースに評価内容や検証したい仮説を分割-「心が動くか」含めたユーザビリティ評価→日本で社内の英語ネイティブな人対象

-オーストラリア回線でのユーザビリティ評価→オーストラリアより少し低速のベトナムで開発者ではない旅行検討中の人が対象

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②段取り

•ストック、下ごしらえ(時短+おいしさ)

インタビューデータの蓄積・記録:CJM(AS IS、個人)の形式で残す

時短=使える場合インタビュー工数削減おいしさ=文脈残ってる、俯瞰しやすい

・モデリング:よく使うペルソナのみ簡単に時短=すぐ判断基準になるおいしさ=蓄積データを活かす

ストック、時間のかかる食材下ごしらえ・水菜:食べるサイズに切って水につけてストック

時短=すぐ味噌汁、サラダ、鍋の具etcおいしさ=しゃきしゃき

・サツマイモ+人参:蒸してストック化時短=すぐ温野菜サラダ、味噌汁の具etcおいしさ=素材のうまさ活かされる

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②段取り

•工程は同時進行する

オーストラリア人向けサイトの評価・開発受入テスト・ユーザビリティテスト

料理(11/12の夕ご飯)・つるも(海藻)をぬるま湯でもどす・土鍋でごはんをたく・サツマイモを蒸す

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③ハレとケ

•ケばかりだとマンネリ化。ハレで新しい発想を。

人を招いて家でパーティー、四季イベント・ゆず釜、かざり切り、お重使いなど普段できない手の動かし方にチャレンジ

・普段できない制約、利用状況で発想する→何がきても意外とどうにかなるじゃん!

会社の内外で武者修行・社内で外部講師招いてワークショップ、勉強会を企画

・行政イベントやカンファレンス等でファシリテーショングラフィッカー、グラフィックレコーディング

・日本各地でワークショップ実施、WSデザイン・普段と違う利用状況でUXデザイン手法使う→至らなさに穴があったら入りたくなるのでどーにかして這い上がる

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④おなかがすいたときに、ごはんをだす

•空腹は最高の調味料である

おなかがすいたら飯の時間にする・おなかがすいてるサイン(行動)を見極める・おなかがすいてるときに食べたらおいしい・食べたあともなんか幸せ・満腹の時に高級焼肉つれていかれてもうれしくない・・・

・「家庭なら夕食を19時に食べるべき」とか正しさ追求から行動すると居心地悪い

組織で欲されるタイミングを見計らう・サービスの成果があがらず、定量データみても「なぜ?」がわからない時

・定量データで議論しつくして停滞ムード「なんで売れないんだろう」

・新しいサービス、開発テスト中で皆が「このサービス、使えるかな?」と気になっているとき

・期待度も開発工数も大きい新しいサービス構築に向かって社内やチームが盛り上がってる時 etc..

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④おなかがすいたときに、ゴハンをだす

•コントロール可能なものだけコントロールする。人事を尽くして天命を待つ

×コントロール不可・夫が刺身を買ってくる・夫の飲み会の日程・パルシステムが届く曜日

〇コントロール可・献立・何の食材を使うか・調理時間・夫の好物調査・エンゲル係数

〇コントロール可・HCDプロセスの中で用いるメソッド

・HCDプロセスのどこが今この事業のために必要か判断すること

・挑戦回数・社内リソース・判断するための定性、定量調査結果を場にだす

・メンバーがモチベーションをあげるきっかけ作り

・いざというときに任せてもらえる信頼関係づくり

×コントロール不可・会社や事業全体の成長・業界全体の動向・経営判断・成果・チームメンバーのモチベーションそのもの

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持続可能に楽しく、のほのほ暮らす

•持続可能に!UXデザイナーは頑張りすぎて体や心を壊すことが多い。健康第一!

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毎日のごはんをつくるのに大事なこと

•行きあたりばったり力=即興力

引用元:高杉さん家のお弁当 第二巻

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事業の実現

顧客の体験価値提供価値

色々制約はあるからこそ、即興で、創造的に発想できる!

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今興味あること 一緒に考えたい(切実)

•日本人ではないユーザーにむけたサービス。持続可能なUXデザインプロセスをどう開発プロセスに組み込んでいくか?• 評価手法

• 「その文化ならでは」感性的な評価を行う手法

• 他国のユーザーを対象としたオンラインUT

• ベトナムのラボでの簡易的ユーザビリティテスト→改善

• 社内の多国籍メンバーのデザインプロセスへの参加

• 日本市場の成功に引っ張られすぎない蓄積ノウハウ活用

•オフショア開発(例:ベトナム、フィリピン)のエンジニアと、物理的な距離を超えて創る工夫は?

•事業に貢献する開発=?

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