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工nternational   Assooiation  of  P2M

Journal of  the lnternational Association ofP2MVoL7No .2, pp.113−127 ,

2013

 究論文

大学教育にお け る学生 フ ォー ミュ ラ活 動 へ の P2M の 実践

Execution of  StUdent Formula Program Based on  P2M  in University

岡崎 昭仁 Akihito OKAZAKI †

 学 生 フ ォー

ミュ教 育プ ロ グ ラ ム (])は ,学生 達 に もの づ く りの 総合力 を養 うべ く設 立 され た 米

国発祥 の 教育プ ロ グ ラ ム で あ る.フ ォー

ミ ュ ラ車両 を 開発 し,コ ス ト・事業 プ レ ゼ ン ・設 計 審査

に加 え て ,走 りの 総合性能 を競 う実践的なもの で あ り,企 業活動の 実践そ の もの で あ る.こ れ ま

で ,マ シ ン の 製作に 関す る技術面で の 報告例(2−4)は ある が,運 営面 に フ ォー

カ ス した研 究事例 は

少ない ,筆者 は,こ の 活動をプ ロ グラム と捉 えて,新た に 立 ち上 げた チー

ム に P2M を適用 して ,

3S モ デ ル を活用す る こ と で ,大会初 出 場なが ら全 競技 種 目を完走 させ て 自動 車 開発 実 践 を通 し

て 実践知教育の 場 を創成す る こ とが で きた .こ の プ ロ グ ラ ム 実 践 事 例 に つ い て 報告 す る.

キー

ワー

ド :教育プ ロ グラム ,学生 フ ォー

ミ ュ ラ,3S モ デル ,プロ グラ ム 教育

Formula  SAE  is an  education  program  where  to teach manu 飴cturing  process to students , it oriented  in the

United States. In this education program, students  themselves  have developed small  slzed  fbrmula type

vehicle  and  compete  in cost , design, bus血 ess presentation and  driving. It is business practice、 So far,

there are studies  that have been written  about  development ofvehicle . However, there is few case  focus

to management ,  An author  applied  P2M  to f()rmula  team  and  the program sees  this activity, newly

iaunched.

Also, I have reflected  3S model  to the program As a result , field ofeducation  prognosis is created  in

university . I report  about  this program  practice.

Keywords :Education program , Formula SAE ,3Smodel , Program Based Leaming

1 .は じめに

 我 が国は加 工 貿易国 として機械 , 自動車 , 家電製品 などを輸出す る こ と,海外 で 現地 生産 を

行 うこ とで 成長 を遂 げて きた ,しか しなが ら,近年で は ア ジ ア 諸国企 業の 台頭 が著 し く,2011

年度 におい て は,国内大手家電メーカが赤字決算を計上 して い る.また,自動車販 売台数世界

第 1位で あ っ た トヨ タ 自動車がそ の 座 を明 け渡し,か つ 減益を強 い られ て い る.各企業は,グ

ロ ーバ ル で の 競争 が激 し く, 人材育成 に か ける余裕 が減 じ て い る と推察 され る,

 一方 , 少 子 化問題 と大学数 の 増加 に よ り , 大学 へ の 進 学率は上昇 して い る.大学 へ の 入学者

が増加 する こ とに よ り,卒業生 の 質の 低下が懸念 され る.当然なが ら,競争激化 で 人材育成 に

資源や労力 を費やせ ない 企 業は , 即戦力を求め る,そ の 結果 , 大学卒業者 の 内定率が 悪下 し て

い る と見受 け られ る.

  つ ま り,大学卒業者 に対す る社会 (企 業)の 要求は厳 し くなる一

方で ,入学者 が増加 する こ

とに よ り,一部 の 選 ばれ た者だけが入 学す る時代は終わ り , 全学時代 となっ て ア ン マ ッ チが生

じて くる,

† 日本工 業大学 工 学部 機械工学科  Nippon lnstitUte of Technologyll3

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設)urnal  o   JAP2M A.Okazaki

 こ の よ うな 中,本学で は 2009 年度 よ り , 従来か ら進 めて きた 「エ ン ジ ン エ房」(5)

の 講義科

目を学生 フ ォーミ ュ ラを活動ベ ー

ス とす る 「フ ォー

ミ ュ ラエ房 」 に変更 した.学生 フ ォー

ミ ュ

ラは , 日本 の 自動車産業が米国で の 躍進 を開始 した際に,危機感 を持 っ た教育関係者が実践的

なエ ン ジ ニ ア を育成す る教育プ ロ グ ラ ム と し て 創成 し た.その 後、その有益 さか ら世界各国に

広がっ て い る.

 本研究で は ,講義科 目で あ る 「フ ォー

ミ ュ ラ 工 房」 が 2010 年度の 全 日本学生 フ ォー

ミ ュ ラ

大会 へ 参戦す るにあた り,こ れ をプ ロ ジ ェ ク トと見 立 てて P2M適用 した .初年度 なが ら,全種

目完走を果た し,今後の 活 動の礎 を得 る と共 に学生 には達成感 と感動 を与える こ とがで きた .

その経過に つ い て 報告す る,

2 。学生 フ ォーミュ ラ教育プ ロ グラム ,F・mula  SAE

 学生 フ ォー

ミュ ラ教育プ ロ グラ ム ,(正 式名称)(以 下,FSAE )は , 米国にお い て 1970 年代

に後半に規則や大会概要などの 準備が なされて ,1981年 に第 1 回大会が 開催 された .こ の 頃は

日本 の 自動車 メー

カ が対米輸出攻勢を始 めた時期で あ り,米国 の 教育関係者や有識者 , そ して

企業関係者 らの 有志 に よ り,将来の 実践的な技術者 を育成す る教育プ ラグ ラ ム と して 設立 され

た も の で あ る.第 1 回大会 の 参加校は ,17 校 であ っ た .

  FSAE は , 学生 らが 小 さな レー

シ ン グカー

製造会社 を設立 して , 自動車メー

カ の 経営陣に ビ ジ

ネ ス プ ラ ン を提案,コ ス ト管理 な どを行 い 実際に 車両を製作 し て ,そ の 性能を競 う設定にな っ

て い る.例 えば , 燃費車両競技 (通称 ,エ コ ラ ン )

 や ソ

ーラー

カー

レー

スω

は , 製作 した 自

動車の 性能の み を競 うもの で ある.FSAE で は表 1 に示す ように静的審査 と動的審査 の 大きく 2

つ の 審査で優劣が判定 され る.静的審査 は,前述 の ビ ジネ ス プラ ン を競 うプ レ ゼ ン テーシ ョ ン

審査 ,自動車 の 設計技術を競 うデザイ ン 審査 ,コ ス ト管理 の 正確 さを競 うコ ス ト審査 の 3 つ で

構成 され る.

 また ,参加車両は本物 の レーシ ン グカ

ー同様に競技 用 の タイヤ を履 い て走行す る.専門機 関

の 試 験結果に よれ ば こ の タイ ヤ は ,加 速 ・減速 ・旋 回 に お い て 約 1 .2G の 加 速度に耐 え る高

性能なも の〔8)

で ある,従っ て , 技術車検が厳し く行 われ る.合格 した車両 の み が動的審査 を受

け る こ とが許 される,車検 を通過 で きない 車両は ,大会におい て一

切 の 走行が許可 されない .

動的審査 で は ,O−75m で の 発進加速性能,旋回性能, 1 周約 1km の 複合 コー

ス で の 走行 時間,

そ し て 約 22k皿 を 2 人 の 運転者で 交替…し て 走行 し て走行 時間 と燃費を競 う,

 車両規則 は学生 が創造 力 を発揮 で き る よ う比較的 自由度は 高い .例え ば,日本国内最高峰の

レー

ス 競技で ある フ ォーミ ュ ラ

・ニ ッ ポ ン

(9)では ,使用する車体が 1 種類で あ り,エ ン ジ ン に

つ い て も排気 量 , 気筒数,回転数 の 上限が定め られて い る.FSAE の 規則で は,排気量 610cc

以下の 4 サイ クル ガソ リン エ ン ジ ン で あれ ば , 気筒数や過給機 の 使用 有無な どが 自由で あ る.

114 V()L7 No,2(Feb,2013)

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岡崎 昭仁 国 察 P2M 学会誌

表 1 .FSAE 大会 の 審査概要

審 査 種目 審査概要                得点

技 術 車 検

車両の 安全・設計要件の 適合,ドライバ の 5秒以内脱出,ブレーキ

試験,騒 音試験,チル トテー

ブル 試験など.

(騒 音 110dB以下,チル ト角45度・60度)

0

ス ト

事前に提 出した コ ス トレ ポートの 精 度 ,製 造 度合 等 を確 認し,レポ

ートと車両の 適合を審査 す る.また,ロ 頭 試問で 部品 の 知識や

理解度も評価す る.100

綱踟温艦

レゼ ン テー

シ ョン

「審査 の コ ンセ プトに 沿い ,製造会社の 役 員 に設 計 上 の 優れ て

いるこ とを確信させ る』とい う仮想の シ チュ エ ーシ ョンで 事業企画

力とプレゼ ンテーシ ョン 能力を評 価する.75

設 計

事前に 提出した 設 計資料と車両によリ,採用技術と工 夫,また 採用

た技術の 妥当性を評価する.具体的には,設計の 適 切さ,革新

性,加工 性,補修性,組立性などをロ 頭 試問 する,15 

丿 クセ ラ レー

シ ョ ン

一75m 加速の タイムを競う.2名 の ドラ イバ が それぞ れ2回,計斗回

走行して,タイム を競う,75

ス キ ッ ドパ ッド字 コ

ース に よるコ

ーナ リン グ性能評 価.2名 の ドラ イバ がそ れ ぞ れ

回,計4回走行して タイムを競う,50

綱蘭密飆

一トクロ ス

直線・ターン・スラ ロ

ーム ・シ ケ インな どによる1 周 約800m の コ

ース

2周 走行する.各チーム2名の ドラ イバがそ れ ぞ れ 2回,計4回走行

,タイム を競う.この 競技の タイム 順にエ ンデ ュ ラン ス の 競技の

出 走 順 が 決 まる

150

 一ン :厂 ユ ラン ス

直線・ターン

・ス ラロ

ーム ・シ ケインな どに よる周 回 路を約22km

走行する.ドラ イバ は 2名で,途中で 交代す る.主 に 車両 の 速さに

加えて 信頼性 を評 価 す る.300

燃費 ン デ ュ ラン ス 走行時の 燃料消費量 を評 価する. 100

各競技種 目の 得点合計 1000

 主流は,並列 4 気筒で あ るが ,2 気筒や単気筒 エ ン ジ ン 搭載車 も参加 し て い る .また ,タ

ボ過 給機や機械式過給機 を搭載す る 車両もあ り ,バ ラ エ テ ィ に富ん で い る ,主な車両設計要件

は,  オープ ン ホ イ ル とコ ク ピ ッ トの フ ォ

ーミ ュ ラ車体で あ る こ と,  使用 エ ン ジ ン は ガソ リ

ン 4 サ イ ク ル で あ り , 自作 の 過給 シ ス テ ム を認 め る,  ホイ ル ベ ース (前後輪の 中心 間 距離)

が 1,525  以 上で ある こ と,  排気騒音 は 110dB以下であ る こ と ,

の 4 つ で ある.

 FSAE は,自動車メー

カ と同 じもの づ く りの プ ロ セ ス を学生が行 うもの で あ り,ビジネ ス プラ

ン に始 ま り , 車両 の 開発 (エ ン ジ ン 開発含む ), ドライ バ ーの 訓練 , 組織運 営,広報 ・渉外活

動,大会会場で の フ ィー

ル ドマ ネ ジメ ン ト, トラ ッ ク エ ン ジ ニ ア リン グを包 括す る多数 の プ ロ

ジ ェ ク トか ら形成 され るプ ロ グラ ム 〔1°)で ある.1981 年 の 第 1 回大会以来,そ の 有効性 が世界

的に認 め られ,図 1 に示 す よ うに世 界 8力 国で 10 大会が統一

規則 で 開催 され るに至 っ て い る.

 一方 ,日本 国内に 目を 向ける と,2008 年度大会で は参加 62 校 の 内 ,

16 校 (ID ,2009年度

大会で は参加 63 校の 内,23 校(12)

しか全動 的審査種 目を完走出来て い ない .完走率は,それ

ぞれ 25.8%と 36. 5%で あ り,1/4 ない し は 1/3 しか大会を走 り切れ て い ない 現状 で ある.世界的

に有力な 自動 車メ ーカ を何社 も有す る国にお け る教育 と し て 懸念が あ る .

 実際に大会会場や練習走行会の 現場で 調査 す る と , 『学生がや らな い 』 とい っ た教育者側 の

言い 分や,『何か ら始めて ,どう問題 を解決 して い け ばい い か教科書が無い 』 とい っ た学生 自

身が方 向性 を見だ せ な い こ とが 問題 点で ある と分か っ た.また ,チ ーム の 目標を 立て る際には ,

VbL7  No ,2(Feb ,2013) ll5

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図 1 ,FSAE 開催 国 の 状況

全 日本大会 で優勝す る,海外大会 で優勝するな ど実力 と乖離した設定 も見受 け られ た .

筆者は,夢は大切 なも の で ある と考え る が ,当初 は 曖昧な ミ ッ シ ョ ン の 中に もそ の 全体像 の 整

理 が必 要だ と感 じ て 表 2 に 示 す よ うな ミ ッ シ ョ ン 全体像 Q3〕を策定 した.

表 2 .FSAE の ミ ッ シ ョ ン 全体像

Who 所有者              ミッ ションの発惣者          …罹「「wゴ國

大学 (経 膏》.担当教貝

Whd 闘 題 と解決 棲鍛プロ ジ ェ 外

  …………「圃 rww 罹r罹

大 会審 査種 目へ の 対応

When 姶 まりとと襲わり 日程 ・不 瑠実性 1年圓 (大会一

大会 闘⊃

Why 存 在意 義

   w「

価値 ・目的 ・期 待 ・方針

               广罹

実践知の 堝.大学の舗値向上

Ho 胃 エ ンジ ニ ア リング シ ス テ ム .責酉.予算 蒼 耘鷓 鷹 循

Wh   方 向性 ・逡択    方向 ・代案 ・童 思決定醐

蒼 痂麟 卿          _______i『__二

Whor11

         …

ス テー

クホ ル ダー 利 害関係 者 薫 葎乙鵬 雁

3 .FSAE プ ロ グラ ム へ の P2M の 適用

FSAE プ ロ グラ ム は,企画 ・構想,マ ーケテ ィ ン グ , 車両 の R&D, そ して性能の 実証 を行 うこ

とが 求め られ る.つ ま り学生が仮想的に起業す る レー

シ ン グカー

製造会社で あ り,事業開発で

ある.事業開発 は,技 術開発,製品 開発,市場開発 を重視す る 厂形態 効果識別法」 で 分類が で

きる(14〕.こ の 分類法で見れ ば , FSAE プ ロ グラ ム は,仮想で ある もの の 小規模 の 企業,技 術ベ

ン チ ャー

であ り,自ら創作 した特定使命 を自分 自身が特定任務 として 実行す る 「マ イ ク ロ ・ベ

ン チ ャー

型 」 で あ る.

116 Vol.7 No .2(Feb,2013)

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岡 ,  昭仁 国際 P2M 学会誌

 また , 大学で実施 され る教育の一

環で あ る こ とか ら,教育にお ける体系思考,そ して R&D を

行 うが ゆ え の 価値創造 と リス ク,不 確実性 へ の 実証,さ らに 組織運営や広報 ・渉外活動 と通 し

て の 多様な意見調整 を実践知 と し て学生達 に 学ばせ る べ く P2M (15)を適用 した .

 大学機関 にお け る教育は , 長 ら く行 われ て きた 「教 える パ ラダイ ム 」か ら「学び の パ ラダイム 」

へ 移行す るべ きで あ る〔16).従来の 研究事例で は ,ゼ ミ運営に P2M を適用 し,

「ただ教える」か ら

自ら学び を得 る よ うに 「学び を生 む場所」を創成 した事例や 07)複数の 授業をプ ロ グラ ム 化 して

PgBL を形成 した事例もある〔18),FSAE プ ロ グラ ム にお い て は,若者 の 興味を最大 限に生 か して ,

学ぶ機会 を与える こ とに あ る.車離れ が 叫 ばれ る中,FSAE 活動の 門を叩く学生 達は,  自動車

が好 き で あ る ,  デザイ ン (意匠)や設計が し た い ,  自身で エ ン ジ ン を開発 し て み た い,  

サ ス ペ ン シ ョ ン 装置を設 計 して み た い など の 工学的な興味を持 っ て い る.

 また ,FSAE は前述の よ うに,企 業実践で あ り,こ れに参加 す るこ と で 経済産業省 が定義する

「社会人基礎力」働 を必然 的に得る こ とが で きる.

 小原 らの研究 (14)に よれば価値創造 には ,各 ミ ッ シ ョ ン の 識別 の 重要 性が大切 で ある と され て

い る,大学にお け る通 常 の 講義は,教員 と学生 間の 役割が明確 で あ り,欠席過多や試験点数不

足 時の 単位不認定な どリス ク分担風土も定着 して い る .つ ま り , 平 時に行われ る大学で の 教育

は ,「明確な ミ ッ シ ョ ン 」と位置付 け る こ とがで き る.一方,FSAE の プ ロ グ ラ ム は ,大会に参加

する 方針,開発 ・製作す る マ シ ンや審査 内容な ど の 計画 , そ し て 活 動に参加する学生 と教員 ,

資金な ど の 資源 が確定 して い る.しか しなが ら , 図 2 に示 す よ うに学生 が実施 す る環境,体制

は企 業 とは大きく異 なっ て お り,プ ロ グ ラム 契約が で きて い ない .また ,ガ バ ナ ン ス も効 くよ

うに なっ てお らず , 識別は 「曖昧 ミ ソ シ ョ ン 」で ある.プ ロ グラ ム を通 して ,曖昧 ミ ッ シ ョ ン か

ら,中間的な ミ ッ シ ョ ン ,そ し て 明確な ミ ッ シ ョ ン へ 移行する 中で 実践教育 を行 うこ とができ

る.

意識 ・技術 (纛蘿:) イン セ ・ テ・・

企 欒の 開発 プロフェ ッショナル 組織化された集団 報酬 ・昇進

聡 A 難く六攣) アマ チ ュ ア集団 個 々 の 学生 一文 にならない

図 2 .企業 の 開発 と FSAE の 環境比較

 参加 す る大学に よ り構成人員に差が あ るが , 本学にお い ては 30 人で構成され て い る.学年 ,

参加す る動機 生活環境 (ア ル バ イ ト有無や通学距離の 遠近)が異な り,モ チベ ーシ ョ ン も異

な る .こ の 環境下,ま た,ス ポン サ ー,支援者,大学,大会事務局 との 折衝が必 要 で あ り,複

雑な他者間調整 が求め られ る.P2M で 定め ると こ ろの ス テ ーク ホ ル ダマ ネ ジメ ン トその もの で

あ る,図 3 に ス テー

クホ ル ダーとの 関係 図 を示 す.

V()1.7No .2(Feb ,2013) ll7

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(学 殉

図 3 ,ス テー

クホ ル ダー

との 関係 図

4 .プ ロ グラムデザイン

4 ./  プ ロ グラ ム の 全体使命

 本 プ ロ グ ラ ム は ,大会審査 項 目を べ 一ス に して ,「参加車両 R&D プ ロ ジ ェ ク ト」,「静的審査

プ ロ ジ ェ ク ト (設 計 ・コ ス ト)」,「企画 ・マ ーケテ ィ ン グ プ ロ ジ ェ ク ト」,「ドライ バ 育成プ ロ

ジ ェ ク ト」とい う4 っ の プ ロ ジ ェ ク トで構成 した.こ れ らの 全体使命 を「ゴーイ ン グ コ ン サーン ,

好 きな車を通 し て 自ら学 べ る場づ く り」と定め た .各プ ロ ジ ェ ク トは ,審査 項 目に直結す るた

め相互 関係が あ り , プ ロ グラ ム と して相乗 効果 が 図れ る.各 プ ロ ジ ェ ク トに共通す る 目標 とし

て ,「静的審査書類を期 日 ま で に提 出 し,動的審査 を完走 して総合 10 位以 内に入賞する 」と定

め た.また,各プ ロ ジ ェ ク トは 「タ テ 」 の 視点で あ り,「ヨ コ 」 の 視点 (時系列 )で あ る 3S

モ デ ル で は ,「期 日厳守」,

「目標性 能」,「目標要 件」 を設 定 し た .

4 .2  プ ロ グ ラム の 実施環境

 本 プ ロ ジ ェ ク トは , 大学にお ける 正 規科 目の一

環 とし て 講義科 目で 捉 え て 単位認定 とした .

また,学年 の 差を超えた学び が出来 る よ うに活動 の 実施場所を研 究室 内 に置 い た ,通 常 , 学生

フ ォー

ミニ・ ラは,大会か ら大会間の 1 年間の 期間で 実施 されるが ,初参加 で あ り時間が確保で

き る点か ら,最初 の 半年 間を準備期間 にあて た ,こ の 期間には,具体的 にプ ロ グラ ム の活動 を

行 わず,コ ミ ュ ニ ケー

シ ョ ン の 醸成や他校 工 房 の 見学な どを行 うこ と で 興味を持たせ る よ うに

した.

   [実施環境]

    日本工 業大学工 学部機械 工 学科  「フ ォー

ミュ ラ 工房 」 & 「自動車工 学研 究室 」

  [実施 対象]

   フ ォー

ミ ュ ラ エ 房科 目    1年 ・2 年・3 年      (単位認定有り)

   卒業研究科 目          4 年                 (単位認定有 り)

  [実施期間]

   2009 年 10月〜2010 年 9 月  (1 年)

118 丶ゐ1.7No .2(Feb ,2013)

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4 .3  プ ロ グラ ム の 組織体制

 FSAE は学生 主体の 教育プ ラグラム で ある.その規則   には,学生以外 の 者 (外部支援者や

教員)が直接に設計 ・製作,実験 を実施 して はならな い と記 載され て い る,しか しなが ら,ア

ドバ イ ス す る こ とは奨励 されて お り,組織運営面 の 指導 に つ い て 規則上 問題 無い と判断 した .

 図 4 に他校が 公 開 し て い る組織図(21−23)を示す .FSAE は 「創造的統合マ ネジ メ ン ト」で あ り,

当初には大 枠 しか 決定が で きず に 「曖昧な 問題 」を扱 う こ とにな る.ま た , 価値創造を行 うに あ

た り,受託者 (学生 ) とオ ーナ (教員,大学) と 「確認 ・提案 ・合意」を行 うため の 「コ ミ ュ ニ

ケー

シ ョ ン チ ャ ン ネル 」が 必要不 可欠 で あ る.他校 の 組 織図 には ,こ れ らの 工 夫が入 っ て い な

い こ とが分 か る,今後,聞き取 り調査等 の 実態調査 を行 う必要が あるが ,教育的観点か ら学生

主体 とな っ て お り,こ の よ うな組 織が形成 され て い る と推察 され る。

灘 灘 響           購 鑿

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評 が 売 r鯵籥 麟 毒籥籥蠡繍蕪驢

図 4 .FSAE組織図 の 事例

 これ らの 課題 に加 え て ,本組織で は 2 つ の 工 夫を実施 した. 1 っ は ,プ ロ ジ ェ ク トを リ

ード

す る者は学生で あり,主 体者 と し て 責任を持たせ る こ とは負担 が大 き い .よ っ て , 各プ ロ ジェ

ク トの マ ネ ジ ャーとプ ロ グラ ム の リーダで 「コ ア チーム 」を結成 し,複雑な問題 に対 して ,協業

で 考え,

「確認・提案 ・合意」が行え る よ うに した . 2 っ 目 と して ,大学で は学年 間で の 学び の

差が大 きく,既に卒業研 究科 目で課題 解決 に取 り組 んで い る 4 年生を各 プ ロ ジ ェ ク トの マ ネ ジ

ャーと し た ,図 5 に,「コ ミ ュ ニ ケ

ーシ ョ ン チ ャ ン ネ ル 」と 「コ ア チ

ーム 」構成 を反映 した組織図

を示 す.尚 , 組織 に つ い て は ,大学 で は 春先に 卒業と入 学に よ る学生 の 入れ 替えがあ り,組織

を構成す る人員に も変化が ある.今後 ,こ の 問題に対する課題 も出て くる と思 われ る.

4 .4   プ ロ グラ ム アー

キテ クチ ャ と各モ デル で の 評価方針

 前節 4 ,3 で はプ ロ グラ ム 全体 の 組織体制を示 した ,本節で は 図 6 に示すよ うにプ ロ グラ ム

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図 5 ,FSAE プ ロ グラ ム の 組織体制

全 体の ア ーキ テ クチャ を示 す. 4 つ の プ ロ ジェ ク ト,「車両 R&D プ ロ ジ ェ ク ト」,「企 画 ・マ ー

ケ テ ィ ン グプ ロ ジ ェ ク ト」,「静的審査 プ ロ ジ ェ ク ト (設計 ・コ ス ト)」,「ドライ バ 育成プ ロ ジ

ェ ク ト」が大会参戦で お い て 求め られ る 「企画 ・構想」,「設 計 ・解析 」,「製作 ・試験」,「評価 ・

大会参戦」と時系列 で 構 成 され て い る.こ こ に,P2M の 基 本モ デ ル で ある 「ス キ ーム モ デル 」,「シ

ス テ ム モ デル 」,「サ

ービ ス モ デル 」を組み込み,各 々 の モ デル で 各 プ ロ ジ ェ ク トの 目標設 定 と

進捗評 価が行え る よ うに した .これ ら全体をプ ロ グラ ム として 管理 す る.

@   ⇒ 一 ◎

車両R & Dプロ ジェ ク ト

菱識鬱

興轡麟

    斗ノ    \。〆

          匡

        1   ナレッジ・技術の 蓄積

図 6 ,FSAE プ ロ グラ ム の アー

キテ ク チ ャ

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 FSAE は,そ の 教育プ ロ グ ラム 自体が競技 自動車開発ベ ン チ ャー

を想定 して お り,複雑な問

題 ・課題 を扱 うよ うに構成 され て い る.本研 究で もプ ロ ジ ェ ク トを 4 つ に 分け て い るが ,各 々

が独立 したプ ロ ジ ェ ク トと して 進 め る こ とは で きず , 複雑 に他 の プ ロ ジ ェ ク トと絡み合い なが

ら問題解決 を図 っ て い くもの で ある.例 えば ,事業計画,ビ ジネ ス プ ラ ン が策定され なけれ ば ,

車両の コ ン セ プ トが立 案で きない ,当然なが ら, 車 両設計 に も移 る こ とが で きない .しか し,

時系列の 工程 とすれ ば , FSAE で設 定 した 1 年間の期 間で 企 画か ら大会で の 審査 を受 け るには至

らなくなっ て くる.一般的に 自動車製造 会社が新規に開発 か ら生産まで移行す る期 間は ,約 4

年 

とされ て お り , 学生達に 要求 されて い る難易度が い か に高 い かが分か る.

 プ ロ グラム ライ フ サ イ クル の 観点  か ら ,

こ の 問題 に対処す る に は,先に組織体制で 設定 し

た 「コ ミ ュ ニ ケーシ ョ ン チ ャ ンネル 」と 「コ アチーム 」を活 用 して , 各プ ロ ジ ェ ク トの 統合を図る

こ とに した.ま た, 3 つ の 各 モ デ ル で の評価指標 を定め て 進捗管理 す る こ とに した .3S モ デ

ル で は , 必ず しも時系列で ある こ とに こ だ わ らず,モ デ ル 間の 移行部位に つ い て は , 前の モ デ

ル へ 戻 る こ とも想定 した .

■ ス キ ーム モ デル [2009 年 10 月〜2009年 12 月]  3 か 月 間

 こ こ で は , 活 動 の 目的 ・目標や基本運営方針 を明確 にす る.評価指標 と して , 後 に大会の プ

レ ゼ ン テ ーシ ョ ン審査 で 評価 され る 「ビ ジネ ス プラ ン の 完成」,開発す る車両の 「コ ン セ プ トの

策定 」,そ して , そ の 車両を製作で きるか否か,「製作工法 の 机上検証 」を定めた.

  ビ ジネ ス プ ラン は,後に ス ポ ン サー獲得に も応用で きる.チーム ,仮想競技車 両開発 ベ ン チ

ャー

として ,どの よ うな車両を開発 し て ,それ を販売 して い くの か , 活動全体 に つ い て 「大会

参戦活動企 画書」にま とめ る.

  コ ン セ プ トは,自動車 車を開発す る 上 で 最上 流の も の で あ る.概念 で は なく,そ れ を見れ ば,

開発 に関わ る者が方 向性 を見 定め られ るもの で ある,例 えば ,「誰 もが , どんな路面状況 下 (雨

天 , 降雪) で も運転 で き,時速 300km/h を達成で きる車」(26)とい っ た もの が車両開発にお け る

コ ン セ プ トで ある.こ れ を ,「開発車両の コ ン セ プ ト」として 定め る.こ れ は,大会で の 設計審

査 におい て も必要 とな る も の で ある.

  学生は 自動車 の 製作に つ い て は未経験 の 素人 であ る.しか しなが ら,幸い にも本学 には ,「機

械 工 作セ ン ター」

(27)な ど機械加工 設備 に恵まれ て い る ,FSAE 車両製作にお い て は ,

パ イ プ鋼材

を溶接 して 車体を製作す る工 法が一

般的で あ る.そ の 製作方法に つ い て ,「製作 工 法 の 机上検

証」として ,CAD で描い たバ ーチャ ル な形状に つ い て ,木 材を使用 して モ ッ ク ア ッ プ を製作 して ,

パ イ プ材料 の 切 断加工 方法や溶接工 法 を実際の 製作工程 を想定 して検証 して ,技術確立 して ,

そ れ の 妥 当性に つ い て確認す る.

■ シ ス テ ム モ デル [2010年 1 月〜2010年 3 月] 3 か月 間

  シ ス テ ム モ デル で は ,開発す る車両 の 詳細設計,シ ス テ ム の構築,そ の 製作方法 に つ い て実

証す る.評価指標 と して ,CAD (Computer Aided Design)にお け る バ ー

チ ャ ル モ デル で の 「CAD

ASSY ’

図の 完成」,ス キーム モ デ ル で検証 した車体 を実際に製作 して 「車体製作 工 法に っ い て

確 立 」 の 2 つ を定めた.「CAD ASSY’

図」 につ い て は,可否は 自己 判断す るが ,それ に先立ち

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実際に 自動車を開発 し た 経験の ある技術者 を前 に設 計 レ ビ ュー

を行い ,有益 な ア ドバ イ ス を受

ける こ とに した.

  FSAE に使用 され る車両は数千点に及 ぶ 部品か ら構成 され る.既に製作 されて い る他校の 車両

や文 献を参照 に して,想 定 され る全 て の部品を CAD 図面に反 映す る.こ れ に よ り,各部品 の 実

際 の レ イ ア ウ トや 干渉確認な どが で きる.併せ て ,想 定され る重量 の 算出 と重心 の 計 算が で き

る,重量 と重 心 は ,コ ン セ プ トに も影 響 を与 える もの で あ る,

  FSAE の 車体は , 実際に研 究室 で製作 を行い ,その 工 程 を資料にま とめ る.製作に先立ち,工

法は他校よ り技術支援を受 ける こ とに した,使用す る機材 も異な る の で ,技術支援をベ ース に

し て, 当研 究室 内で の 工 法 と工 程 を検討 し て ,実施す る.また , 製作にお い て は , 教員 との 「確

認 ・提案 ・合意」 の 「コ ミュ ニ ケーシ ョ ン チ ャ ン ネル 」 を活用 し,日々 ,議論を行い なが ら進

め る こ とに した.

■ サービ ス モ デ ル  [1 :2010 年 4 月 〜 6 .月 ,H :2010 年 7 月 〜9 月]  3 か月 × 2

  こ の モ デル の段階では , リス ク と リター

ン が一

体化 された段階で あ り,価値を刈 り取 っ てナ

レ ッ ジ の 蓄積を行 うも の で あ る.表題 の よ うに 1 とH に分 けて ,1 で は,「大会審査書類の 期

日 ま で の 提出」 と 「開発 車両 の シ ェ イ クダ ウン (初 走行)」 を評価指標 に設 定 した . llに お い

て は , 開発 車両 を玉成 し て 「大会を完走で きる信頼性の 実証 」 と 「大会で の 成果獲得」,そ し

て 「結果報告」 と定めた.

 大会審査書類は ,大会前 の 指定期 日 (6 月 末 頃) ま で に ,「設 計 レ ポート」,

「コ ス トレ ポー

ト」,「衝 撃吸収部材 の 圧壊試験 レ ポー ト」,規則で指定以外 の パ イ プ鋼材を車体に使用 し た際

の 「等価構造強度計算書」を提出す る必要 が あ る,提 出が遅れ れ ば ,1 日当た りの 減点が あ り ,

最終 〆 切に 問に合わな い 時は,書類審査失格 とな る ,方策 と し て, 各書類 の 作成着手時期 を定

め て, 完成を提 出の 1 週間前 と した.審査は ,学生 の 自己チ ェ ッ ク と最終判 断と承認は,規則

で も定め られ て い る よ うに教員がそれ を承認 して提 出 した ,提 出書類 の 書式は,大会規則 で定

め られてお り, それ に準 じた.

 車両 の シ ェ イ ク ダ ウン は, 学生 が 製作す る物で あ るが ゆえ に 信頼性が未知数で ある,大会開

催 3 か 月前 と し, 6 月 を 目標 に設 定 した .方 法 と し て は,競技 トラ ッ ク にお い て 10 周程度 の

周回 走行を行 い, 各部 の 確認を行 うよ うに した .当然なが ら,

こ の 日 を 目標 に 車両が 走行で き

る状態 になる よ うに 製作 日程 を策定 し た .

 前述 llにお ける大会を完走で き る車両の 信頼性 を確保す るべ く, そ の 評価方法 を定 めた .大

会は,残 暑の 時節で あ る 9 月初旬開催で ある ことか ら,酷暑の 中を連続走行で きる こ とを 目標

と した .実際,2009 年度 の 大会で は何台 もの参加車両 が 動 的審査 の 「エ ン デ ュ ラ ン ス 」種 目で

リタ イ ヤ を余 儀な くされて い た.こ の 種 目は , ドライ バ ーの交替を挟ん で ,約 22 分間連続走

行 す る もの で ある.今回,そ の 約 3 倍で あ る 1 時間を連続走行 で きる よ うに,10 分間ずつ ドラ

イ バ ーを交替 し て走行評価 を行 うこ と に し た.

 大会は , 述べ 4 日間に渡 っ て 審査 を受けね ばな らな い ,技術車検 を受 けた後 ,静的審査 (コ

ス ト,設計,プ レ ゼ ン テー

シ ョ ン ),そ して 動的審査 に挑む こ とにな る.全て の 審査種 目にっ

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い て 受け る時 間が指 定 され て お り, 遅延すれ ば該 当種 目の 点数が減点 され る.そ こ で ,事前に

チーム 員全員の ジ ョ ブ リス トを作成 し ,

「誰が 」,「何時に 」,「何 の 審査種 目に 」,「何 をする の

か 」,「何 を準備 す る の か 」,「どの よ うに す るの か 」 を全て定め る こ とに した.

 大会の 結果,プ ロ グラ ム 全体 の 活動報告に なる が ,こ れ は 「大会参戦報 告会 」 を実施す る こ

とに した.開催時期は ,大会か ら 1 か 月以 内で あ る .

5 .プ ロ グラ ム の 評価結果

 結果的 に 問題 も幾多 の 問題 もあっ た が,全 て の 静的審査書類 を期限内に 提出 し て 大 会審査 を

受けて ,動的審査 を完走 する こ とが で きた.ス キーム モ デル か ら シ ス テ ム モ デル ま では計画通

りに進む こ とが で きた. し か し,春先 にお け る学生 の 卒業に伴 っ て 組織運営に問題 が 生 じて ,

サービ ス モ デル に課題 が 発生 し た.組織体制 ,コ ア チ

ーム の 再編を行 うこ とで 乗 り越 え る こ と

が で きた .各モ デル の 評価結果に つ い て述 べ る,

 尚,準備期間 (2009 年 4 月か ら 2009 年 9 月 )に他校 の 見 学や 大会の 見学を行 っ た こ と で ,

コ ア メ ン バ ーには意識付けが で き ,

プ ロ グラ ム を推進す る 上 で の モ チ ベ ーシ ョ ン を向上 させ ら

れ た ,

■ ス キーム モ デル

  ビ ジネ ス プ ラ ン を企画書にま とめ て 完成 させ る こ とが で きた .開発 した 車両の コ ン セ プ トと

リ ン クす るが ,コ ン パ ク ト (前後輪問距離 を規則最小 に設定)に す る こ とで ,自宅 の ガ レ

ージ

で 製作す る 「宅配 パ ッ ク販 売プ ラ ン 」や運搬 の容易性 を提案 した.コ ン セ プ トを含む ,企画書を

支援企業に提出す る こ とで ,実際に幾多 の 企業 よ り支援を受ける に至 っ た .

  コ ン セ プ トは , 前述 の 「コ ン パ ク ト」に 加 え て , ドライ バ ーが 学生 で あ る が ゆ え に 「イー

ジー

ドライブ 」によ る無段 変速機採用 に よる変速操作 レ ス の シ ス テ ム, 万 が

一の 横転時 に ドライ バ

ーの 安全 を確保する べ く横転時 の 保護部材で あるメイ ン フ ープを高く設定 した .コ ン セ プ トを

明確 に 設定 した こ とで 以降 の 開発 に お い て ,方向性 を見失 うこ とがなか っ た,

  車体工 法の机上 検証に つ い ては , 口標 通 りに CAD 図を参照 して 木材で モ ッ ク ア ッ プ を製作 し

た.こ れ を,ビ ジネ ス プ ラ ン の 「宅 配 パ ッ ク販 売プ ラ ン 」に基づ い た組み 立 て 式 の 治具 にて検証

で きた ,図 7 に ,ビ ジ ネス プ ラ ン 提案の

一・部,車両 コ ン セ プ ト,木材 で製作 し た モ ッ ク ア ッ プ

の 外観を示す,

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   b》策両 コ ンセ プト

図 7 .ス キーム モ デ ル で の 成果

c}モ ツ クア ツブ

〜bl.7 No.2(Feb,2013) 123

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■ シ ス テ ム モ デ ル

  本モ デ ル で は ,車両 コ ン セ プ トに従 っ て設 計 作業を進 めた .そ の 結果,CAD 上 で の 詳 細設 計

を完 ∫させ て ,外部識者 を交 えた設計 レ ビ ューを行 うこ とがで きた .

最終的に設 計決定判断は ,学生 自身が行 っ たが ,CAD ASSY’

図を 目標通 り に 完成す る こ と が で

きた.ま た, 車体は , 他校 よ り技術支援 を受 けて ,試行錯誤 の 上 , 完成 させ る こ とが で きた .

結果は ,工 程管理 図を作成す る こ とで証録 に残 した.

  ス キーム モ デル か ら シ ス テ ム モ デル ま で の一

連 の 成 果 に つ い て は , 学生 の 卒業研 究論文 に 記

録 し て, 文書 と し て 残 した,

■サー ビ ス モ デ ル

  モ デル 間の 移行時期 に卒業式 を経験 し,プ ロ グ ラ ム 推進 の 中で あ っ た 4 年生が一斉に 卒業 し

た .文書 (卒業論文) と実際 の 弓1き継 ぎ作 業を行 い ,プ ロ グラ ム マ ネジ ャーも交替 した.関連

し て ,各プ ロ ジ ェ ク トの リーダも交 替を行 っ た .し か し なが ら, 4 月 と 5 月 の 2 か 月間に渡 っ

て 活 動が 停滞 した .こ れ は,引き継ぎが 「伝 え た」 で 終わ り,「伝わ っ た 」 に な っ て い な か っ

た こ と と,学生 は 平時 の 講義受講が 最優先 とされ て しま うため で あ る.

  これ以 上の遅れ は , 大会へ の 参加 が困難 に なる と判断 して,プ ロ グラ ム の 委託 者と して ,研

究室に所属す る 卒業研 究生 で ある 4 年生 よ り 3 名を コ ア チーム へ 入れ る こ と に した .対外的 に

チーム キ ャ プテ ン の 名 H で ,プ ロ グラ ム マ ネ ジャ

ーに 2 年生 を選 定 し て い た が,

プ ロ グラ ム マ

ネジ ャー

の 実務 を先 の 4 年生 へ 委託 し た .

  こ の 組織 体制 の 見直 し の 後,活動は活 気を取 り戻 して 再 開で きた,そ の 結果,静的審査書類

を期 日 ま で に 大会事務局 へ 提出す る こ とが で きた.車両 の シ ェ イ ク ダウ ン (初試 走)は, 7 月

の 後 半 まで遅 れた .そ の 後,夏休み を活用 して信頼性 を高め る玉成 を行 うこ とで 目標 を達成 し

て , 酷暑の 中で も 1 時間の 連続走行が 可能で ある こ とを実証 した .

 大会で は,コ ス ト審査にお い て ,書式 違反が あ り減点を強 い られ た.しか し,残 る静的審査

で ある設 計審査 とプ レ ゼ ン テ ーシ ョ ン 審査 を こ な し, 動 的審査 を全 て 完走 し て 初出場なが ら総

合 27 位 の 結果を得る こ とが で きた,

 大会の成果報告では ,10 月初旬 に 「参戦結果報告会」を学内に て 開催 し,外部か らも支援者を

招請 して ,感謝 と成果 を方向 し た.図 8 に シ ェ イ ク ダウ ン の 様 子 と大 会で完走 した 直後 の 状況,

そ し て 設 計審査 を示す.

124

a)シ エ イクダウン     b)設計審査

図 8 .サービ ス モ デ ル で の 成 果

c⊃動的審査 完走

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6 .ま とめ

6 .1  プ ロ グ ラ ム の 成果

 学生 フ ォー

ミ ュ ラ活動 をプ ロ グラ ム と定義 し,P2M の 考え方を適用 し て ,教員 はプ ロ グラム

の 委託者 , 学生を受託者 と見立 て て運 営 した.プ ロ グラ ム は,4 つ の プ ロ ジ ェ ク トで 構成 し て ,

ス キーム モ デル ,シ ス テ ム モ デル ,サービ ス モ デル を適用 した .各モ デル で は,評価指標 を定

めて推進 させ た.組織体制で は,教員 と学生間に 「コ ミ ュ ニ ケーシ ョ ン パ ス 」 を設定 し,各プ

ロ ジ ェ ク トの リーダが過負荷 とな らな い よ うに 「コ ア チー

ム 」 を形 成 し た .

 当初 , 学生 の 卒業に よ る人 の 入 れ替 わ りに よる問題が生 じ る こ とを予測 し て い たため,活動

が停滞 した 際にも,研究室 の 4 年生 を コ ア チーム へ 投入す る こ とで解決で きた.結果 として ,

P2M を適用 した本プ ロ グ ラ ム で は,大会初出場なが ら,静的審査 書類 を全 て 期 日通 りに提 出し,

動的審査 種 目全 て を完走する こ とが で きた.

6.2  今後の 課題

 車両を完成 させ て ,大会で 完走 させ る こ と は 出来 た ,し か しな が ら,教育本 来 の 学生個々 人

の 成長に つ い て定量的な評価 を行 っ て い ない ,今後 ,満 足度評価 を併せ て ,実施 し て い きた い ,

ま た,車 両は模倣 の 集大成で もあ り,他大学 か ら教わ っ た技術が中心で ある.当然なが ら,出

来た な りの レ ベ ル で あ り,技術 レ ベ ル を向上 させ て い きた い .

 組織体制面では , 熱意 の ある コ ア メ ン バ ーに支え られ た 面が 強 く, 厳 し い 要求 に も応 えて く

れた,今後,大学にお ける教育プ ロ グ ラム の 性格上 ,以下の 課題が あ る と考える.

     チー

ム として 技術や組織面 で成長 を続ける 目標

     車づ くりにおい て は ア マ チ ュ ア で ある学生 へ の 技術面で の 指導方法

   上記 2 項 目につ い て,担当教員は どの よ うに 関わ る か 、その マ ネジ メ ン ト

謝辞

 本プ ロ ジ ェ ク トを遂行す る に あた り,活動 に理解を示 して支援を して くれ た本学前学長 の 柳

沢副理事長 , そ して支援を して くれ た企業の 方 々 ,快 く車両や工 房 を見学させ て くれた他大学

の 方 々 に感謝致 します ,特に,運営面 と技術面で 多大な ご指導を頂 き,活 動が停滞す る と来校

され て 具体的な指導や励 ま し を行 っ て くれ た 上智大学テ ク ノ セ ン ター

の 小栗康文先生 に は 深

甚の 意を表 し ます ,ま た,P2M を学ぶ機会を与 え て くれ , 適切な ア ドバ イ ス を賜 っ た東京農工

大学の 小原 先生 , 日本 工 業大学専門職大学院の 武富先生 に も御礼 申し上 げます.

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査 読   2012 年 11 月 7 日

受理   2013 年 1 月 23 日

Vol.7 No.2(Feb,2013)127

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