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日本は、南極で䜕を芳枬しおいるのだろう

芳

南 極

枬

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箄1,392侇km2日本の玄37倍

2,020m

4,892m

10.4℃昭和基地幎平均

89.2℃ロシアボストヌク基地

倧陞の面積棚氷含む

å¹³ 均 高 床

最高 地 点

平均 気 枩

最 䜎気 枩

平均玄1,937m

4,897m

箄2,692侇km3地球䞊の氷の玄90%

南極点 幎間玄50mm砂挠なみ

箄14,000km

氷厚棚氷含む

最 倧 æ°· 厚

æ°· の 量棚氷含む

降 æ°Ž 量

日本からの距離











地球の未来を読み解くために、䞖界が、南極芳枬に取り組んでいたす。

南極倧陞デヌタ

南極点にはためく南極条玄原眲名囜の囜旗は、この倧陞の平和の象城P.Fretwell et al. (2013, The Cryosphere)他

昭和基地

みずほ基地みずほ基地

あすか基地あすか基地

ドヌムふじ基地ドヌムふじ基地

オルカダス基地アルれンチン

ベルナルド・オヒギンス・リケルメ基地チリ

゚スペランサ基地アルれンチン

マランビオ基地アルれンチン

アルツロ・プラット基地チリ

パヌマヌ基地アメリカ

ロれラ基地 むギリス

ベルナツキヌ基地りクラむナ

サン・マルティン基地アルれンチン

スコット基地 ニュヌゞヌランド

デュモン・デュルビル基地フランス

ケヌシヌ基地オヌストラリア

コンコルド基地フランス・むタリア

ボストヌク基地ロシア

マむトリ基地むンドノボラザレフスカダ基地ロシア

ミヌルヌむ基地ロシア

デむビス基地オヌストラリア

プログレスⅡ基地ロシア

モヌ゜ン基地オヌストラリア

アムンれン・スコット基地アメリカ

マクマヌド基地アメリカ

トロヌル基地ノルりェヌ

サナ゚Ⅳ基地南アフリカ

ハレヌⅥ基地むギリス

ベルグラヌノⅡ基地アルれンチン

ノむマむダⅢ基地ドむツ

匵保皐基地韓囜

南極点南極点

キングゞョヌゞ島内の越冬基地

南極倧陞の広さは日本の玄37倍におよびたす。

各囜の越冬基地ず日本の基地2017幎珟圚

䞭山基地䞭囜バヌラティヌ基地むンド

Jezek,K.,and RAMP Product Team.2002.RAMP AMM-1 SAR Image Mosaic of Antarctica.Fairbanks,AK: Alaska Satellite Facility, in association with the National Snow and Ice Data Center,Boulder,CO.Digital media.

みずほ基地

あすか基地

ドヌムふじ基地

南極点カルリニ基地アルれンチン

コマンダンテ・フェラス基地ブラゞル

フリオ・゚スクデロ基地チリ

゚ドアルド・フレむ・モンタルバ基地チリ

ルヌテルナント・ロドルフォ・マヌシュM゚アロドロヌム基地チリ

長城基地䞭囜

䞖宗基地韓囜

アルツトりスキヌ基地ポヌランド

ベリングスハりれン基地ロシア

アルティガス基地りルグアむ

䌑止䌑止

䌑止䌑止

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人類共通の財産、南極。 南極  この氷の倧陞に人類が第䞀歩を螏み出しおから、

すでに2䞖玀近くの歳月が流れたした。か぀おは探怜家の倢

であり、囜家の嚁信を誇るステヌゞであり、ずきには領土暩争

いの察象でもあったこの倧陞で、いた、人類は手を取り合い、

さたざたな自然珟象の䞭から、地球の過去を知り、未来を予

枬しようずしおいたす。人間掻動がほずんど行われおいない南

極は、地球環境を正確にモニタヌできる、地球䞊でも垌有な

堎所だからです。䞖界各囜は、お互いに協力しあっお芳枬や

研究を進め、その成果をもずに地球環境の倉化を監芖しおい

く必芁がありたす。そのためには、南極を誰のものでもない、

人類共通の財産ずしお守っおいかなくおはなりたせん。

南極の未来は、人類の未来。 南極で芳枬される地球環境のデヌタは、ある特定の囜や地

域だけに圱響を及がすわけではなく、人類党䜓にかかわっおき

たす。䟋えば、南極の巚倧な氷床には過去の気候倉動の蚘

録が、その䞋に広がる岩盀には地殻倉動の蚘録が、そしお南

極で倧量に芋぀かった倚様な隕石には倪陜系の蚘録が保存

されおいたす。これらの蚘録を分析しお、地球の過去から珟

圚たでの倉動の様匏ずそのメカニズムを解明し、将来予枬に

圹立おるこずができたす。

 さらに地球䞊の淡氎の玄7割が氷床ずしお存圚する南極

は、それ自䜓が地球の枩暖化を制埡する巚倧な冷源の圹割を

担っおいたす。たた南極倧陞沿岞で生産される塩分濃床が高く

か぀冷たい海氎は、地球を埪環する海流の起点ずなっお䞖界

䞭の海を駆け巡り、地球各地の気候に倧きく圱響したす。

 南極は、日本から遠く離れた氷の倧陞ですが、その挙動は、

私たちの生掻ず深く関わっおいたす。だからこそ、ここで䞀䜓䜕

が起きおいるのか、泚意深く監芖するこずが必芁なのです。

1956幎11月8日、第1次南極芳枬隊を乗

せた「宗谷」が東京晎海桟橋を出枯、

日本の南極芳枬が始たりたした。翌

1957幎、欧米の芳枬拠点の倚くが集積

する西南極ずは異なる自然環境を有す

る東南極に昭和基地を開蚭。以埌60幎

にわたり、日本は南極での芳枬を続け

おきたした。この間、みずほ基地、あす

か基地、ドヌムふじ基地を開蚭し、掻

動の堎を内陞にも広げたした。オゟン

ホヌル、隕石、コケボりズの発芋、深さ

3,000mを超える氷床掘削、オヌロラの

発生機構の解明などは日本の芳枬隊

の倧きな成果であり、そのデヌタは䞖界

に共有され、地球環境保党やサむ゚ン

スの発展に貢献しおいたす。

2018幎珟圚、53カ囜が加盟する南極条

玄。その効力は南緯60床以南の地域に

及びたす。日本は12カ囜の原眲名囜の

䞀぀ずしお、1961幎の条玄発効以来そ

の䞀翌を担っおきたした。南極条玄の

理念は「領土暩の凍結」、「軍事利甚や

軍事行動の犁止」、「栞爆発、攟射性廃

棄物の凊分の犁止」、「科孊的調査の自

由」などをその柱ずしたすが、毎幎開催

される南極条玄協議囜䌚議では、それ

らに加えお南極地域の環境保護に぀い

おも協議が進められおいたす。最近で

は、幎々増加する芳光ツアヌやバむオ

プロスペクティング生物資源掻動ぞ

の察応など、新たな問題解決に向けお

の怜蚎も始たっおいたす。アルれンチンで開催された第40回南極条玄協議囜䌚議2018幎5月

日本の南極芳枬の歩み

南極条玄ず環境保護

2

3

第1次南極芳枬隊では犬ぞりも移動手段のひず぀だった

みずほ基地

あすか基地

ドヌムふじ基地

南極点

䌑止

䌑止

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日本の南極芳枬の最前線が昭和基地

です。1957幎1月29日、第1次南極芳枬

隊によっお東オングル島に開蚭されたし

た。開蚭圓初わずか4棟のプレハブ建

築からスタヌトした基地は、今やおよそ

70棟に拡倧し、様々な芳枬機噚を備え

た科孊基地になりたした。じ぀は、この

基地が日本のプレハブ建築の第䞀号。

短い工期で機密性の高い䜏環境を実珟

するその技術は、その埌、䜏宅建築にも

応甚されおいたす。自然環境ぞの悪圱響

を最小限に抑えるため、先進の省゚ネ

技術もいち早く導入されおきたした。発

電機の䜙熱を回収しお枩氎ずしお有効

利甚するコヌゞェネレヌション・システ

ムは第1次隊から採甚されおいたす。

日本の南極芳枬の最前線、「昭和基地」

昭和基地

第1次南極芳枬隊で建蚭された建物1957幎

基本芳枬棟。気象棟、地孊棟、電離局棟、環境科孊棟を統合2019幎完成

日本は南極で、地球の環境、生呜、そしお宇宙を芋぀めおいたす。

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日本の南極芳枬は、囜家事業ずしお

政府が定めた南極地域芳枬隊6ヵ幎

蚈画に沿っお進められおいたす。

2016幎床の第58次南極地域芳枬か

らは、第IX期ヵ幎蚈画がスタヌト。

「南極から迫る地球システム倉動」を

重点研究芳枬のメむンテヌマずしお、

科孊的意矩や瀟䌚的芁請、囜際的圹

割が高い分野暪断型の研究芳枬を実

践しおいたす。次ペヌゞ以降でご玹介

する「倧型レヌダヌによる倧気芳枬」

「深局暖氎海の芳枬」「深局氷床掘

削」は、その䞀䟋です。さらに諞倖囜

ずの囜際連携や芳枬成果の情報発

信、教育珟堎ずの連携なども取り入れ

た幅広い掻動も展開しおいたす。

6ヵ幎蚈画に沿っお進められる南極芳枬

4

5

日本の歎代の南極芳枬船の砕氷胜力

は、䞖界屈指です。分厚い海氷に芆わ

れ、他囜からは接岞䞍可胜ず蚀われる

゚リアに昭和基地を開蚭できたのは、

その胜力があっおこそ。ずりわけ2代目

「しらせ」は、厚さ1.5mの氷を連続しお

砕いお進むこずができたす。その胜力に

よっお、他囜の芳枬船では䞍可胜な厚

い海氷域での芳枬を実珟し、数々の

成果を䞊げおきたした。未知の底局氎

の発芋や、沖合から流入した暖かい海

流が氷河を融かしおいる蚌拠を芋぀

けたこずは、その成果のひず぀です。

䞖界屈指の砕氷船、「しらせ」

貚物搭茉量は1,100t。初代しらせに比べ100t増加し、倧型ヘリコプタヌ2機が搭茉されおいたす

6ヵ幎蚈画のひず぀氷床掘削

©海䞊自衛隊

知のフロンティアを切り拓く、日本の南極芳枬

 日本の南極芳枬は、昭和基地をマザヌステヌションずし、空、

陞、氷、生物等、それぞれの専門家が協働し、分野を暪断しお

実斜されおいたす。珟圚行われおいる䞻な研究・芳枬掻動の抂

芁ず、それらが目指すものに぀いおご玹介したす。

 

● オヌロラや倧気の芳枬

 極地特有のオヌロラの芳枬や、昭和基地に蚭眮された倧型

倧気レヌダヌなどを駆䜿しお、南極䞊空の超高局での倧気の動

きや、宇宙に及ぶ地球党䜓の倧気の倉動の仕組みの解明に取

り組んでいたす。

● 雪や氷の芳枬

 雪、氷、倧気、氎や゚アロゟルなどの芳枬を通じお、地球党䜓

の海面䞊昇の可胜性を探っおいたす。たた、南極の氷床を掘削

し、過去72䞇幎前から珟圚たでの気候倉動を明らかにしたし

た。さらに叀い氷を求めおプロゞェクトが進んでいたす。

 

● 倧陞の倉動や隕石の芳枬

 南極倧陞の基盀や南極海の海底の様々な芳枬を通じお、

ゎンドワナ倧陞の進化や分裂、氷床や海面倉動、さらに内陞

山岳地域の芳枬から、氷床の消長に䌎う環境倉動の解明を

目指しおいたす。隕石探査も重芁な芳枬テヌマです。

 

● 生物の芳枬

 南極域に生息する生き物ペンギン、アザラシ、海鳥、プラ

ンクトン、魚類、コケ類や地衣類などの分垃や生態を芳枬し

おいたす。動物にカメラやデヌタロガヌ蚘録蚈を装着しおの

バむオロギングも盛んに行われおいたす。

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南極の特殊な気象条件が重なっおで

きるオゟンホヌルオゟン局が薄くな

る穎のような堎所右図の灰色の郚

分は、地球に降り泚ぐ玫倖線を地䞊

たで通過させ、生物等に倚くの悪圱響

をもたらすず考えられおいたす。

1982幎に日本の南極芳枬隊がオゟン

ホヌルを発芋しお以降、オゟンホヌル

の原因であるフロンガスの䜿甚が䞖界

的に芏制されたした。珟圚オゟン局は

回埩傟向にありたすが、実はオゟン

ホヌルには南極の枩暖化を抑制しおき

たずいう䞀面もありたす。このオゟン局

の回埩は、どのように地球党䜓に圱響

を及がすのか、継続的な芳枬が求めら

れおいたす。

ポストオゟンホヌルの時代

PANSYずオヌロラ

2000幎に最倧を蚘録した埌、瞮小傟向を瀺しおおり、2017幎には最小になりたした 

「昭和基地」では、地球倧気の倉動メカニズムを解明しようずしおいたす。

2000幎

薄い 濃い

2017幎 気象庁C

昭和基地★★昭和基地★

0 70 100 130 160 190 220 250 280 310 340 370 400 430 460 490 520[m atm-cm]

オゟン局の濃床

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6

7

2015幎頃から、倪陜の掻動が匱たっ

おいる兆候が芋られたす。それを象城

するのがコロナホヌルです。コロナ

ホヌルずは、倪陜が磁堎を攟出しおい

る領域のこずで、2019幎珟圚、その面

積は過去に䟋がないほど倧きく拡がっ

おいたす。コロナホヌルから宇宙空間

に攟たれた倧量の磁気は、やがお地球

に到達したす。それは、䞊蚘の宇宙倩

気のコラムでご玹介したような障害、

さらには人工衛星の墜萜などの「灜

害」を巻き起こす可胜性も指摘されお

いたす。そんな状況に備えるために、

南極での超高局倧気ずシミュレヌショ

ンの融合による、予枬のさらなる粟緻

化が求められおいたす。

地球ず宇宙の぀ながり 宇宙灜害

南極の䞊空では䜕が起きおいるのか南極䞊空ではオヌロラをはじめ、極域固有の自然珟象が起

きおおり、それらは地球環境の倉動ず密接に関係しおいたす。

1982幎に日本が発芋したオゟンホヌルもそのひず぀です。

圓時ず比べるず南極における日本の倧気芳枬はさらに粟床

を高め、気球を甚いた倧気の芳枬、倚圩なレヌダヌ類の導

入、囜際共同プロゞェクトぞの参画などによっお、より広範

で粟緻なデヌタが取埗できるようになっおいたす。

PANSYの導入で芋えおくる未来南極唯䞀・最倧を誇る倧型倧気レヌダヌ「PANSY」は、

2015幎から本栌運甚が始たったプロゞェクトです。南極最

倧のレヌダヌず聞くず、巚倧なパラボラ状のレヌダヌをむメヌ

ゞするかもしれたせんが、PANSYは小さなアンテナの集合

䜓。野球堎ほどの広さに蚭眮した1,045本のアンテナをネッ

トワヌク化し、1぀の倧気レヌダヌずしお皌働させる仕組みで

す。このレヌダヌの誕生によっお、地䞊1500kmに及ぶ倧

気の動きを、1分毎に高粟床・高解像床で芳枬できるように

なりたした。気候倉動のカナリアずも蚀われる極䞭間圏雲の

発生や、ハむドロリックゞャンプ倧気䞭の䞊䞋方向の激し

い動き発生時の倧気の動きなどの芳枬の成功も、導入成

果のひず぀です。 

䞭長期的に積み重ねた芳枬デヌタを解析するこずで、極

域特有の倧気珟象のみならず、地球党䜓の気象・気候システ

ムの解明に぀ながるず期埅されおいたす。

Super DARN短波レヌダヌ網は、

11ヵ囜からなる囜際共同プロゞェク

トです。昭和基地の2基をはじめ、

党䞖界で35基を越えるレヌダヌの

芖野が、極域および䞭緯床地域を芆

うように配眮されおおり、地球芏暡

の超高局倧気や宇宙の倩気図を

時々刻々埗るこずができる唯䞀の

芳枬手段です。宇宙倩気の乱れは、

オヌロラや地磁気嵐に関係するだ

けではなく、通信障害、倧芏暡停

電、人工衛星の故障や宇宙飛行士

の攟射線被ばくなどに぀ながる危

険もありたす。宇宙で今䜕が起きお

いるかを知る重芁性は、今埌、さら

に高たっおいくでしょう。

宇宙倩気図 唯䞀の芳枬手段

倪陜掻動の極小期を瀺す拡倧したコロナホヌル黒く開いた郚分

昭和基地東に䜍眮するレヌダヌ

埓来の芳枬機噚にPANSYを加えるこずで、芳枬領域が拡倧し、倚圩な物理量を組み合わせた解析が可胜になりたした

電子密床 倧気の運動波動重力波・朮汐波

枩床・密床 ゚アロゟル・雲

PANSY 気球ラむダヌ オヌロラ党倩カメラ

MF レヌダヌ

察流圏

成局圏

䞭間圏

熱圏

0

50

100

200

300

500

オヌロラ

倧気の運動

枩床・颚・オゟン

★★

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南極では海氎が凍った海氷が倧量に

生産されたすが、その際に海氎䞭の塩

分が氷から倧量に吐き出されるこず

で、䜎枩か぀高塩分の重たい氎が䜜ら

れたす。この氎は、海底に向かっお沈

み蟌むこずで右図のように底局氎ずし

お党䞖界の海掋深局に広がっおいくの

です。もしこの底局氎の生成が枛少す

るず、海流の駆動力がストップしおした

うため、党䞖界の気候にも倧きな圱響

が及びたす。日本の南極芳枬隊は、最

近の芳枬で未知の底局氎の生産珟堎

を発芋したした。気候倉動が底局氎の

生成にどんな圱響をもたらすのか、そ

れは私たちの暮らしにどのように圱響

するのか。研究が進められおいたす。

気候倉動の鍵を握る南極底局氎

しらせ氷河沖での海掋芳枬

海の氎は、玄2,000幎をかけお地球を埪環しおいたす

浮䞊

衚局海流

深局海流

沈み蟌み

南極

底局氎

浮䞊する海流底に朜り蟌む海流

「しらせ」は、南極の海流に隠された海面䞊昇の兆しを芳枬しおいたす。

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北極では、氷が枛っおホッキョクグマ

の生息域がどんどん狭くなり、ホッキョ

クグマが絶滅するのではないかず心配

されおいたす。南極のペンギンはどう

なのでしょう ペンギンの芪鳥は、海

でオキアミや魚を捕たえお胃の䞭に

溜め蟌み、巣に戻っお雛に䞎えたす。

巣は海岞にあるので、その呚りが厚い

氷に芆われおいるず、芪鳥は氷の割れ

目を探しお長い距離を移動しなければ

なりたせん。逆にもしも氷が少なけれ

ば、巣の目の前で海に入れるので、子

育おは楜になりたす。その幎のオキアミ

や魚の量にもよりたすが、ペンギンに

ずっおは氷が枛るこずはありがたいこ

ずかもしれたせん。

海の氷が枛るず南極のペンギンは困るの

8

9

海に飛び蟌むアデリヌペンギンの矀れ

南極海

倧陞棚

氷山氷河

← 氷山流出

極海

倧陞棚

氷山氷河氷河氷氷氷

流出← 氷山← 氷山

深局暖氎海暖かい氎のかたたり

南極の氷は融け始めおいるのか

 南極における地球枩暖化の圱響を考えたずき、私たちが

たず連想するのは、気枩の䞊昇によっお南極の氷が融け出し、

地球党䜓の海面が䞊昇しおいくこずでしょう。実際に、珟圚

南極にある氷が党郚融けるず、海面は60mも䞊昇するず蚀わ

れおいたす。それは、南倪平掋のツバルやキリバスのみならず、

日本の囜土の倚くも海の底に沈むこずを意味したす。䞀幎を

通じた南極の平均気枩はマむナス14℃くらいなので、平均気

枩が 1℃䞊がっおも、南極の氷が急に融け出すこずはありた

せんが、予断を蚱さない状況です。さらに、最近は海流の

圱響も泚目されおいたす。海流は玄2,000幎かけお地球を埪

環しおいたすが、枩められた海流が南極の海に流れ蟌むず、

南極の氷を底から融かす可胜性もあるのです。

 2016幎、日本の南極芳枬隊は、「しらせ」による海掋芳枬で、

沖合から流入した枩かい海氎が氷河を融かしおいる蚌拠を芋

぀けたした。これが、地球芏暡の環境倉動にどのような圱響を

もたらすのか。怜蚌には長期間にわたる継続的な芳枬が必芁

です。南極芳枬の重芁性は、たすたす高たっおいるのです。

過去から孊ぶ、海面䞊昇の可胜性

倧陞氷床の調査

将来の海面䞊昇を正確に予枬するこ

ずはなかなか難しいのが珟状ですが、

地球の歎史をさかのがっお、過去の南

極氷床の倉動を知るこずが重芁です。

このためには、南極内郚の山々に残さ

れる氷河地圢を調べるこずが有効です。

これたでの結果から、珟圚我々が盎面

しおいる枩暖化はずおも急激で、過去

のように緩やかな倉化ではないこずが

わかりたした。぀たり、今埌の南極氷

床の融解による海面䞊昇はか぀おの

レベルを超えお倧きくなる可胜性があ

るず蚀えたす。今埌は、湖や浅い海の

底に残された地圢や堆積物を調べる

こずにより、さらに粟緻に過去の氷床

の動きを埩元しおいきたす。

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なぜ、「ドヌムふじ」で氷を掘るのか ドヌムF

次の掘削候補地域〈暙高3,750m〉

ドヌムCドヌムA

昭和基地

100䞇幎以䞊前の空気を含む氷

岩盀

掘削↓

地球枩暖化解明の倧きなヒント

ドヌムふじ基地

氷の深さを枬定する“アむスレヌダヌ”を備えた雪䞊車

「ドヌムふじ」では、氷床に眠る気候倉動の謎を掘り䞋げおいたす。

南極には、氷が厚く堆積しお衚面が盛

り䞊がった「ドヌム」ず呌ばれる堎所

がいく぀かありたす。そのうちの䞀぀が

昭和基地から内陞1,000kmに䜍眮する

「ドヌムふじ」です。1995幎、日本はこ

の地点にドヌムふじ芳枬拠点を開蚭

し、2004幎にドヌムふじ基地ず改称さ

れたした。ドヌムふじ基地の暙高は富

士山より高い3,810m、氷床の厚さは

3,000mを越えたす。日本はこの地点で

氷床掘削を開始し、2007幎、3,035m

を掘り抜いお今から72䞇幎前の氷を取

り出すこずに成功したした。この氷の解

析によっお、過去の気候倉動の様匏や

そのメカニズムを明らかにするこずで、

将来予枬に圹立おるこずができたす。

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10

11

珟圚南極では、耇数の囜が氷床掘削を

進めおいたす。ドヌムC巊ペヌゞの図

参照にあるコンコルディア基地で

は、フランスずむタリアの合同チヌムに

よっお、これたでもっずも叀い80䞇幎

前の氷が掘削されたした。ドヌムAに

ある厑厙コンロン基地では、䞭囜

が掘削を進めおいたす。叀い氷が手に

入れば、より叀い時代の環境倉動を知

るこずができたす。それを求めお各囜

がしのぎを削っおいたすが、アむスコ

アを1本だけ掘れば確かな情報が埗ら

れるわけではありたせん。䞖界の囜々

が協力しお、異なる地域で耇数のコア

を掘削し、詳しく比范する必芁がある

のです。

ドヌムC、ドヌムA、各囜ずの連携競争

最叀の氷“Oldest Ice”を求めお「ドヌムふじ」で行われおいるのは、倪叀から珟圚に至る地

球芏暡の気候倉動の調査です。それを知るために氷床を衚

面から岩盀近くたでくりぬき、数10䞇幎にわたっお堆積した

南極の氷を「氷床コア」ず呌ばれる盎埄10cmの円柱状のサ

ンプルずしお採取しおいたす。倧気や遠くから運ばれおくるさ

たざたな物質が冷凍保存されおいる氷床コアの掘削によっ

お、その時代のたた倉質しおいない物質を取り出すこずがで

きるのです。2007幎に、日本の南極芳枬隊は3,035mの深

さたでの氷床掘削に成功し、今から72䞇幎前の氷を手に入

れたした。72䞇幎前から珟圚たで、地球はどのような倉遷を

経おきたのか、氷の䞭にその答えが隠されおいたす。その意

味では、南極の氷は地球のタむムカプセルずいえたす。

気候の倧倉動の謎にも迫る南極には72䞇幎前よりもっず叀い氷が存圚したす。それ

を取り出すこずで、さらに昔の情報を入手したい。倚くの研

究者の垌望を背景に、Oldest Iceの掘削に向けた新しいプ

氷床コアが明らかにする過去72䞇幎の気候倉動

右のグラフは、氷床コアを分析するこ

ずでわかった過去72䞇幎分の南極の

気枩の倉化ず氷期ず間氷期のサむクル

の掚移を瀺しおいたす。地球の気枩は

䞊がったり䞋がったりを繰り返しおい

たす。玄40䞇幎以降はおよそ10䞇幎ご

ずに枩暖な間氷期が蚪れおおり、珟圚

は間氷期の時代です。呚期的な間氷

期は、地球が倪陜の呚りを回る公転

軌道の倉化ず地球の自転軞のぐら぀

きや地軞の角床の倉化によるものず

考えられおいたす。ただ、玄40䞇幎前

を境に、その前ず埌では倉動の様匏に

違いが芋られたす。これは䞀䜓䜕を反

映しおいるのか、今埌の解明が埅たれ

たす。

䞇幎前䞇幎前䞇幎前䞇幎前䞇幎前䞇幎前䞇幎前䞇幎前珟圚 10 20 30 40 50 60 70 80

-400

-420

-440

-460‰

過去72䞇幎前から珟圚たでのアむスコアの氎玠同䜍䜓比気枩の指暙の倉動グラフず氷期ず間氷期のサむクルの掚移

第60次隊のドヌムふじ調査 ノルりェヌず日本の合同チヌム

ロゞェクトが動き出しおいたす。およそ100䞇幎前を境にし

お、氷期間氷期サむクルずいう気候の倧倉動の呚期が4

䞇幎から10䞇幎に倉わりたしたが、その理由が党く分かっ

おいたせん。この謎を解き明かすにはOldest Iceを掘り出

し、それに蚘録されおいる過去の二酞化炭玠濃床や南極

の気枩を読み解く必芁がありたす。過去の気候倉動のから

くりを理解するこずは、人類が、未だ経隓したこずのない

未来に備えるための䞀助ずなるはずです。

アむスコアの氎玠同䜍䜓比気枩の指暙‰

未知領域

間氷期 氷期

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日本の南極芳枬隊は、「環境保護に関

する南極条玄議定曞」に埓っお、さた

ざたな環境察策を実斜しおいたす。た

ずえば、基地で排氎される汚氎は、合

䜵浄化槜で凊理し、浄化した䞊で海

掋に攟流。残った汚泥は日本に持ち

垰っお凊理したす。たた、固圢の廃棄

物は党お日本に持ち垰りたす。自然゚

ネルギヌの掻甚も進められおいたす。

その象城が、2010幎から運甚が始

たった自然゚ネルギヌ棟です。自然゚

ネルギヌ棟で取り組んだ「゚ネル

ギヌ」「環境」「防灜」「長期利甚」ず

いうテヌマは、持続可胜性が求められ

るこれからの日本の䜏たいづくり、街

づくりぞも掻かされおいくはずです。

南極芳枬の環境察策

南極発の研究や技術が、さたざたな分野に波及しおいたす。

りェッデルアザラシに小型蚘録蚈を装着しおいる生物研究チヌム

自然゚ネルギヌ棟

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「教育の珟堎に南極を」ずいうコンセ

プトの䞋、南極芳枬では倚様な取り組

みを行っおいたす。2009幎から始たっ

た教員南極掟遣プログラムでは、公募

で遞ばれた珟職の教員が、南極芳枬

隊の䞀員ずしお昭和基地から衛星回線

を䜿っお、「南極授業」を実斜。越冬

隊員は、昭和基地から囜内の孊校に向

けお「南極教宀」を行っおいたす。他に

も、生埒自身が、南極での芳察や実隓

を提案する「䞭高生南極・北極科孊コ

ンテスト」も2004幎から実斜しおいた

す。これらを経隓した子ども達が、やが

お日本のサむ゚ンスの未来を担う研究

者や芳枬隊員ずしお、極地で掻躍する

こずが期埅されおいたす。

教育にも波及する南極芳枬

12

13

南極芳枬ず宇宙探査には、実は倧き

な繋がりがありたす。過去には、南極

ず宇宙ずいう閉鎖環境における医孊

研究を共同で実斜したり、南極芳枬隊

甚に開発されたフリヌズドラむ食品が

宇宙飛行士の食事に採甚されたこずも

ありたす。珟圚は、将来の有人宇宙探

査に向けた居䜏ナニットの機胜実蚌

を、宇宙航空研究開発機構JAXA

ず協力しお進めおいたす。建築経隓の

ない隊員でも短期間で組み立お可胜

であり、マむナス40℃を超える過酷な

自然環境に耐える気密性が求められる

南極芳枬基地の建築ノりハりは、たさ

に宇宙基地に必芁ずされる芁玠ず重な

りたす。南極で磚き抜かれおきた建築

ノりハりが、「宇宙基地」に結実する

のは、決しお倢物語ではありたせん。

南極芳枬から宇宙ぞ

サむ゚ンスの明日を拓く、南極芳枬

 南極では、垞に新しいテクノロゞヌが詊され、磚かれおい

たす。その成果は、南極以倖のサむ゚ンスの発展にも貢献し

おきたした。そのいく぀かをご玹介したしょう。

   ● バむオロギング

 野生動物に小型の蚘録蚈やビデオカメラを取り付け、人間

の目の届かない動物の行動や生態を調査する手法です。南極

ではバむオロギングの手法を䜿っおペンギンやアザラシを研究

した䟋が数倚くありたす。䟋えば、ペンギンが海䞭でどうやっ

お魚やオキアミなどの獲物をずるのか、どのくらいたで深く朜

るのか、たたその行動範囲はずいった疑問が、この手法で

次 ず々明らかになりたした。バむ

オロギングの発展に重芁な圹割

を果たしたのが、南極での芳枬

を積み重ねおきた日本の研究者

たちです。小型の蚘録蚈を䜿っ

た動物の生態芳察をバむオロギ

ングず呌ぶこずになったのも、

2003 幎に日本の囜立極地研

究所で開催されたこの分野で初

めおの囜際䌚議の垭䞊でした。

● 無人航空機

 近幎、様々なシヌンで無人航空機を甚いた芳枬が盛んに

行われるようになりたした。実はこの芳枬手法を確立し、有

効性を実蚌したのは日本の南極芳枬隊。2015 幎には、無

人航空機、有人航空機のい

ずれずしおも前䟋のない高床

22km の南極成局圏゚アロゟ

ルのサンプルリタヌンに成功

しおいたす。

● 南極隕石研究から「はやぶさ2」

 小惑星「リュりグり」ぞの着陞を目指しおミッションを続

ける小惑星探査機「はやぶさ」の目的のひず぀に、宇宙

での生呜の原材料物質の解明がありたす。じ぀は、南極で

これたで倧量に発芋された隕石のふるさずは、ほずんどが

小惑星垯であり、その䞭にはリュりグり起源の隕石も含た

れおいるかもしれたせん。将来、「はやぶさ」が持ち垰っ

たサンプルず南極隕石の研究

から、新たな倪陜系の歎史、

ずりわけ生呜誕生の謎に迫る

成果が生たれるこずが期埅さ

れおいたす。バむオロギングで明らかになったりェッデルアザラシの海䞭の行動

0

200

400

600

800

m

0200

0

200

400m400m

小惑星探査機「はやぶさ2」

月面有人拠点建蚭のむメヌゞ

©JAXA、東倧など

©JAXA

日本の孊校巊ず昭和基地右を衛星回線を䜿甚しお぀なぐ「南極授業」の様子

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野倖芳枬の安党管理

あなたにも南極芳枬隊の䞀員ずしお掻躍するチャンスがありたす。

南極芳枬隊員の構成 幎次により構成は倉わりたす。

芳枬隊長

芳枬系

蚭営系

基本芳枬

研究芳枬

定垞芳枬情報通信研究機構 気象庁 海䞊保安庁 囜土地理院 モニタリング芳枬囜立極地研究所

重点研究芳枬、䞀般研究芳枬、萌芜研究芳枬

機械電気技術者、   車䞡敎備技術者、   雪䞊車技術者、蚭備技術者、   発電機技術者 

通信通信士 調理調理垫 医療医垫環境保党環境保党技術者 

倚目的アンテナ技術者、むンテルサット衛星通信技術者、建築・土朚技術者、装備・野倖・安党管理担圓、庶務

電気工事 環境保党 オヌロラ芳枬 燃料管理

湖沌調査 医療

通信 車䞡敎備

基地内での野菜栜培 環境省ぞ申請をし、昭和基地でも野菜の栜培をしおいたす。䞻な栜培方法は氎耕栜培です。

地質調査

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あらゆる分野の専門家が、南極に集たりたす。南極芳枬は、南極地域芳枬統合掚進本郚本郚長文

郚科孊倧臣のもず、各省庁や倧孊・研究機関、民間䌁業

等が加わったオヌルゞャパン䜓制で掚進されおいたす。囜

立極地研究所は、南極芳枬の実斜䞭栞機関ずしお芳枬蚈

画の策定、芳枬隊の線成、昭和基地の維持管理に責任を

持っおいたす。たた、南極芳枬船「しらせ」の運行は、海䞊

自衛隊の任務になりたす。

南極芳枬隊は、芳枬系ず蚭営系に倧きく分かれたす。芳

枬系は、定垞芳枬を担圓する情報通信研究機構、気象庁、

海䞊保安庁、囜土地理院から掟遣される隊員ず、重点研究

芳枬や䞀般研究芳枬を担圓する倧孊や研究機関の研究

者、それに、モニタリング芳枬を担圓する公募によっお遞ば

れた隊員などから構成されたす。蚭営系は、たずえば、基地

蚭備の維持や車䞡・機噚類の敎備、通信の確保、調理、

医療、建築など、芳枬隊の拠点ずなる基地での生掻基盀を

維持するこずで、芳枬を支えたす。あなた

が南極芳枬を支える専門的な知識ず経

隓、そしお情熱をお持ちなら、芳枬隊員

になるのも倢ではありたせん。

14

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日本の南極芳枬実斜䜓制

南極地域芳枬隊JARE

隊員掟遣

情報通信研究機構気象庁海䞊保安庁囜土地理院囜立極地研究所倧孊民間䌁業等

芳枬船 しらせ防衛省海䞊自衛隊

関係各省庁

孊識経隓者

本郚長文郚科孊倧臣

本郚委員

事務局文郚科孊省

南極地域芳枬統合掚進本郚

南極芳枬隊は、越冬隊ず倏隊に

分かれおいたす。越冬隊は、毎幎

11月䞋旬に日本を出発し、翌幎は

äžž1幎を南極で過ごし、垰囜は

翌々幎の3月䞋旬になりたすの

で、玄1幎4ヶ月日本を離れるこず

になりたす。䞀方倏隊は、越冬隊

ず䞀緒に南極に向かいたすが、越

冬隊より1幎少ない玄4ヶ月12月

2月の掻動になりたす。南極芳

枬隊員の遞考は、関連機関からの

掚薊のほか、䞀般公募も行っおい

たす。か぀お、日本から昭和基地に

アクセスするには南極芳枬船が唯

䞀の手段でしたが、最近では航空

機によるアクセスも可胜になりたし

た。日本も、䞀郚の芳枬隊員を空

路で昭和基地に掟遣しおいたす。

芳枬隊の幎間カレンダヌ 1月 2月 4月3月2月1月12月11月12月11月 10月9月8月7月6月5月4月3月

しらせしらせ

59次越冬隊

60次倏隊

南極の倏の時期は、昭和基地の人口は100人以䞊になり、  倏の時期が終わるず玄30人になりたす。

60次越冬隊

61次越冬隊

61次倏隊

調理

気象芳枬建築

倧気䞭の二酞化炭玠ずオゟンの分析

倚目的アンテナ技術者

詳しくはこちらぞ

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www.nipr.ac.jp1907G50000N1囜立極地研究所 〒190-8518 東京郜立川垂緑町10-3

写真協力菅沌悠介衚玙、P8䞊、枡邉研倪郎P3䞊、䌊藀倪垂P4、石川正匘P5䞭倮、枡蟺䜑基P9䞋、田邊優貎子P12、倧石孟P13䞭倮、JARE58P1415