天 才 ヴ ァ イ オ リ ニ ス ト の 現 在 地
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アルペジオーネ・ソナタ イ短調 D821 (ピアノ:ユリア・フィッシャー)
Schubert: Sonate für Arpeggione und Klavier a-Moll D821 (piano:Julia Fischer)
ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲 Op.7Kodály: Duett für Violine und Violoncello Op.7
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無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番 ト短調 BWV1001
J.S.Bach: Sonate für Violine solo Nr.1 g-Moll BWV1001
ヴァイオリンとチェロのためのソナタRavel: Sonate pour violon et violoncelle
シューベルト
コダーイ
ラヴェル
J.S.バッハ
ダニエル・
ミュラー=
ショット
Julia Fischerユリア・フィッシャー
ヴァイオリン&ピアノ
チェロ
Daniel Müller-Schott&
12.42020
Friday 4 December 2020 19:00 TOPPAN HALL
19:00開演
全席指定 8,000円学 生 4,000円発売:5月27日水 [会員:5月23日土]
トッパンホール
金
2020.4ミュラー=ショット写真©Uwe Arens
会員優待割引およびセット券は、「トッパンホールWEBチケット」「トッパンホールチケットセンター」でお申し込み頂けます。*学生券(席の限定有)は、トッパンホールチケットセンターで販売いたします。
Ⅰ
トッパンホールWEBチケット www.toppanhall.com
2004年4月、トッパンホールは、いち早くユリア・
フィッシャーのリサイタルを敢行した。当時まだ国内で
はさほど知名度のなかった彼女の日本デビューリサイタ
ルを成功させたことがきっかけで始まったのが、いまも
続くシリーズ〈エスポワール スペシャル〉だ。その後、
出産による公演中止などの経過を経ながら2016年には
同じく〈エスポワール スペシャル〉出演者であるマー
ティン・ヘルムヘンとのデュオで再登場、この時には薫
陶を受けたアンネ=ゾフィー・ムターさながら、若き女
帝のような風格と余裕を漂わせた演奏で満員の聴衆を魅
了した。
一昨年2018年秋、ユリア・フィッシャーとニルス・
メンケマイヤー、ダニエル・ミュラー=ショットとの弦
楽トリオの演奏会をミュンヘンで聴いた。フィッシャー
とミュラー=ショットは長年の盟友、そこにニルスの柔
軟性が加味され、故ライナー・クスマウル、W.クリスト、
G.ファウストによるシェーンベルク・トリオ以来の充
実した弦楽トリオの演奏を目にし、耳にした。室内楽に
興じるユリアの肩の力の抜けた演奏がまた新鮮で、彼女
はいい年齢の重ね方をしているなという手応えがあっ
た。そんなトリオの演奏会は、多忙な3人のスケジュー
ル故、すぐには実現しなかったが、代わってミュラー=
ショットとのデュオをお届けできることになった。今年
2月のムターとの共演でも調整能力抜群の抜け目なさと
ソリストとしての実力の確かさを聴かせたミュラー=
ショットだけに、ユリアがどんな方向に舵取りしようと
もぴったりとつけ、室内楽としてのバランスを完璧なま
でに聴かせるに違いない。それがわかっているだけにユ
リアもより自由に、時に奔放、時に精緻な綾を聴かせて
くれるだろう。
プログラム1曲目には、なんとユリアのピアノ演奏も
じっくりたっぷり聴くことができる。室内楽の愉悦に心
洗われるステージを期待しよう。
プログラミング・ディレクター 西巻 正史
天才ヴァイオリニストの現在地
ダニエル・ミュラー=ショット
Julia FischerDaniel Müller-Schott&
ユリア・フィッシャー