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EEIC*FIND 電子情報・電気電子分野の最新研究をわかりやすくプレゼンテーションする不定期イベント

「EEIC*FIND(http://eeic.jp/find)」から、最近話題のトピックをダイジェストで紹介します。

人数が多い分いろんな人が集まっているので、すごく面白いしそこから刺激を受けることもあります。

EEIC*FIND VOL.1 VIDEO LIST「人工知能で魅力を測る」

 山﨑 俊彦 准教授

「なぜそこまでコンピュータを速くしたいのか」~ 人工知能,ビッグデータの裏側 ~  田浦 健次朗 教授

「小さなマシンが見る・触れる・つながる世界へ 」~集積回路×超微細加工で創る自立分散マイクロシステムの研究~  三田 吉郎 准教授

「光を駆使して細胞を見る」 小関 泰之 准教授

「太陽電池の未来:発電から太陽光燃料へ」 杉山 正和 教授

「ワイヤレス給電技術が拓く電気自動車の未来 」 藤本 博志 准教授

「放電を知る・防ぐ・利用する」 熊田 亜紀子 教授

魅力を数値化 ファッションにしろ人物にしろ、何かを魅力的に感じさせるためには多くの経験や勘やセンスが必要です。そんな魅力というつかみどころのないものを人工知能によって数値化して予測し、あるいはその要因を解析して、魅力を増強するのが我々のテーマです。 魅力を数値化し予測する研究の一例が「婚活」です。オンライン婚活サービスで、異性への「いいね」や「あいさつ」に対して反応をもらえる成功率は一般に5〜 10% ほどですが、我々が開発した人工知能は 30% 以上の成功率を達成しました。さらに、全成功例のうち人工知能で成功すると予測できた網羅率は 70% 以上を誇っています。

「いいね」を増やす また別の研究では、不動産賃貸物件の家賃にどんな魅力が影響しているのか解析する試みをしています。あるいは、SNSの投稿に対する「いいね」数や閲覧数を人工知能によって当て、さらに「いいね」を増やそうという研究も行っています。我々の人工知能は人間の平均2倍の閲覧数を稼ぎました。 こうした技術は機械学習や深層学習、統計学、数学など、様々な学問体系があって初めて可能となります。EEICはこれら全てが学べる熱い学科だと思います。

相澤・山﨑研究室山﨑俊彦 准教授

「人工知能で魅力を測る」

教員の紹介1・2年生向けの担当講義は

「初年次ゼミ〜数学・物理をプログラミングで考える」 ( 田浦教授と共同担当 )。主な研究対象は、マルチメディア、画像処理、画像認識、機械学習、人工知能等。現在特に注力しているのは魅力工学、物体認識や行動認識などのパターン認識・機械学習、新しい計算方式による高速化や最適化の研究など。その他、マルチメディア処理に関する研究を幅広く手がけ、国内外の企業・大学との共同研究も多い。博士(工学)

飛躍的発展を遂げる人工知能 人工知能の発展とコンピュータの高速化は密接に関係しています。人工知能の裏側には画像認識や音声認識、機械翻訳、対話生成といった技術がありますが、画像も音声も文字も、コンピュータでは単なるデータです。

「I have a pen.」と言われて「私はペンを持っている」と答えるのが機械翻訳で、「私もペンを持っている」と答えるのが対話生成というだけの違いです。近年ネットで膨大な量の学習データが入手可能になり、また計算機の能力向上で大量のデータを学習できるようになって、人工知能は飛躍的に発展しています。

「学習」とはどんな計算か 機械学習は統計や数学で出てくる回帰に似ています。観測結果にマッチする関数を見つけるということを、非常に巨大化してやっている。例えば 16 万の画素値を持つ比較的小さな画像を認識するために 12 億回くらいの浮動小数点の演算を2億回繰り返すという、非常に高コストの計算をしています(この計算をマスターするには多変数関数の微分、線形代数などが役立ちます)。 いつかこれらの計算が不要になるブレイクスルーが生まれるかもしれません。この妄想、一緒に実現してみませんか。

田浦研究室田浦健次朗 教授

「なぜそこまでコンピュータを速くしたいのか〜人工知能、ビッグデータの裏側〜」

教員の紹介簡単なプログラミングで高性能を引き出せるようにするためのシステムソフトウェアが主な研究テーマ。近年は、マルチコア計算機やスーパーコンピュータの性能を簡単に発揮できるようにするための基盤ソフトウェア、ビッグデータ処理のための高速なデータ( 特に文字列 ) 処理システム、機械学習フレームワークの最適化に関する研究に取り組んでいる。山﨑准教授とともに1・2 年生向け初年次ゼミ「数学・物理をプログラミングで考える」を担当。博士 ( 理学 )

http://eeic.jp/find

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【研究紹介】

【カリキュラム】

電気系の本拠地である工学部 2号館で生活することで上級生との関わり合いもでき、自分の将来についてイメージできるようになった。

EEIC*FIND VOL.2 VIDEO LIST「ことばの学びを支援する音声コミュニケーション技術」

峯松 信明 教授

「電子のスピン自由度を生かした新しいエレクトロニクス」大矢 忍 准教授

「バイオに学ぶエレクトロニクス」 ーゆらぎがエネルギー問題を救うー田畑 仁 教授

「電波と脳機能で地雷を見る、氷河を見る、森林伐採を見る。」廣瀬 明 教授

「現実拡張+表現拡張=体験拡張」苗村 健 教授

研究が楽しみになる多彩なプレゼンテーション。教員陣の熱いトークをぜひ動画でご覧ください!

水素を使った「太陽光燃料」 現在、世界全体の瞬間発電量は大型発電所 300 基分に上ります。しかし今後も普及を進める上で障害となっているのが電力マネジメント問題です。太陽光発電が増えるほど昼間の電力需要が下がり、夕方の上げ幅が急激になります。その落差を解決するのが大規模な蓄エネ技術。中でも水素に注目しています。 太陽光の発電量が過剰な時はその電力で水を電気分解し、水素を作ります。水素は長期保存できるため、時間的オフセットはもちろん、空間的シフトも可能にします。例えば日照条件の良いオーストラリアで大量発電し、エネルギー消費地に輸送することも可能です。あるいは水素と CO2でメタンを生成すれば、天然ガスと同様、現在のインフラに活かすこともできるのです。

エネルギー変換効率の向上が鍵 こうした未来のエネルギー環境を実現させるには、太陽光から水素へのエネルギー変換効率の向上が不可欠です。そこで我々は半導体の量子構造に着目、多接合型太陽電池という電力ロスの少ない電池による超高効率化に挑んでいます。半導体技術や材料化学、結晶成長の物理化学などの英知を結集し、共に地球の未来を拓いていきませんか。

杉山研究室杉山正和 教授

「太陽電池の未来〜発電から太陽光燃料へ〜」

教員の紹介世界のエネルギーシステムを変革し得る太陽光発電&蓄電を 追 求 し て い る。 主 な 研 究テ ー マ は III-V 族 化 合 物 半 導体ナノエピタキシャル構造を用いた高効率太陽電池の開発と、半導体電気化学による太陽光エネルギーの化学的貯蔵に関する研究。「物理原理から作製プロセス、デバイス動作からシステム構築までを俯瞰したうえで、本当に必要なテーマを深掘りし、ブレークスルーをもたらす研究者を一緒に目指しましょう」。博士

(工学)

インホイールモータこそが革命 革命的といわれる電気自動車ですが、中身は従来の車と殆ど変わっていません。エンジンと駆動輪をドライブシャフトでつなぐことで走る。しかし今後、本当の革命を起こすのはインホイールモータです。タイヤの中にモータを直接入れるインホイールモータは、ドライブシャフトが要らないから真横に動く車もできるし、エンジンもないのでデザインの自由度が増します。左右の駆動力を自由に変えられるため横滑りも防げるし、車体の軽量化や駆動力の最適配分が省エネにもつながる。非常に魅力的なのです。

航続距離無限大の車も可能に インホイールモータが未だ実用化できない大きな障壁が、車体とモータをつなぐケーブルの断線リスク。過酷な使用環境に耐えられないのです。そこで我々が考えたのがワイヤレス給電です。バッテリーからの電圧を非常に高い周波数に変換し、2つのコイルを共振状態にして無線給電を行いました。今まで可変電力負荷には安定した無線給電が困難でしたが、加速や減速も自在にする技術を生み出しました。さらに将来に向け、路面のコイルから直接給電するという研究にも挑み、電気自動車の航続距離が無限大になる時代を切り拓いていきます。

堀・藤本研究室藤本博志 准教授

「ワイヤレス給電技術が拓く電気自動車の未来」

教員の紹介1・2年生向けの担当講義は総合科目「足からロケットまで --- 走る/飛ぶ/探る科学入門(古関教授と共同担当)。制御工学とその応用、モーションコントロール、マルチレート制御、ナノスケールサーボ、ロ ボ テ ィ ク ス・ ビ ジ ュ ア ルサーボ、電気自動車の運動制御、モータとインバータの高性能制御、ワイヤレスモータに関する研究に従事。博士(工学)

http://eeic.jp/find


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