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けいれん性発声障害 ハンドブック ボツリヌス療法を受けられる方へ 編集協力 高知大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科 教授 兵頭 政光 先生

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けいれん性発声障害ハンドブック

ボツリヌス療法を受けられる方へ

編集協力

高知大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科 教授 兵頭 政光 先生

BXOT00241-P2005N改訂年月2020年5月

本資材は医薬品リスク管理計画に基づき作成された資材です。

QA

QA

Q

A

ボツリヌス療法では、どのような効果を得られるのですか?

通常は注射後数日で「声が出ない」「つまる」「とぎれる」といった症状が軽くなり、声を出しやすくなる効果が期待できます。

どこに注射するのですか? 痛くありませんか?

一般的には、のどぼとけの付近に注射します。採血などと違って細い針を使用しますので、麻酔は通常不要ですが、痛み止めクリームなどを用いる場合もあります。不安な方は、医師に相談してみましょう。

ボツリヌス療法によって声を出しやすくなるのはよいのですが、注射後しばらくは息がもれてしまい、思うようにしゃべれません。対処法はあるのでしょうか。

息もれの症状が強い場合や長く続く場合は、再注射のときに薬の量を減らすのが一般的な対処法です。ただし、薬の量を減らしすぎると、今度は十分な効果を得られなくなります。自分に合った最適な治療をみいだせるよう、医師とよく相談しながら治療に取り組むとよいでしょう。

ボツリヌス療法Q&A

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患者さんの悩みは?

けいれん性発声障害とは、声帯の筋肉が異常な緊張を生じることによって、声が出にくくなる病気です。

一般的に、ジストニアという病気の一種といわれています。原因ははっきりわかっていません。

けいれん性発声障害は大きく3つに分類されます。声帯がきつく締まりすぎてしまい、「声がつまる」「とぎれる」といった症状があらわれる内転型。逆に声帯が開きすぎてしまい、息がもれるせいでささやき声になってしまう外転型。そして、内転型と外転型の症状がともにみられる混合型。

3つのタイプのうち、もっとも多いのは内転型で、全体の9割程度を占めるといわれています。混合型はごくまれです※。

けいれん性発声障害の患者さんは、「声が出ない」「ふるえる」「つまる」「とぎれる」「かすれる」といった症状を訴えます。うまく話せないことから、電話での応対や他人とのコミュニケーションを避けるようになりがちです。

このような症状は、仕事に重大な支障を生じさせ、労働生産性を低下させることがわかっています。営業マンや販売員など、ひんぱんに声を使う職業であれば、なおさらです。また、友人・知人との人間関係を保つのに苦労する患者さんもいます。

けいれん性発声障害は患者数が比較的少ない病気ですので、専門的な医療機関でなければ診断できないこともあります。そのため、正しい診断がつかないまま複数の病院を受診する患者さんが少なくありません。

ないてんがた

がいてんがた

けいれん性発声障害とは?

32

※兵頭政光ほか. 音声言語医学. 2016;57:1-6

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患者さんの悩みは?

けいれん性発声障害とは、声帯の筋肉が異常な緊張を生じることによって、声が出にくくなる病気です。

一般的に、ジストニアという病気の一種といわれています。原因ははっきりわかっていません。

けいれん性発声障害は大きく3つに分類されます。声帯がきつく締まりすぎてしまい、「声がつまる」「とぎれる」といった症状があらわれる内転型。逆に声帯が開きすぎてしまい、息がもれるせいでささやき声になってしまう外転型。そして、内転型と外転型の症状がともにみられる混合型。

3つのタイプのうち、もっとも多いのは内転型で、全体の9割程度を占めるといわれています。混合型はごくまれです※。

けいれん性発声障害の患者さんは、「声が出ない」「ふるえる」「つまる」「とぎれる」「かすれる」といった症状を訴えます。うまく話せないことから、電話での応対や他人とのコミュニケーションを避けるようになりがちです。

このような症状は、仕事に重大な支障を生じさせ、労働生産性を低下させることがわかっています。営業マンや販売員など、ひんぱんに声を使う職業であれば、なおさらです。また、友人・知人との人間関係を保つのに苦労する患者さんもいます。

けいれん性発声障害は患者数が比較的少ない病気ですので、専門的な医療機関でなければ診断できないこともあります。そのため、正しい診断がつかないまま複数の病院を受診する患者さんが少なくありません。

ないてんがた

がいてんがた

けいれん性発声障害とは?

32

※兵頭政光ほか. 音声言語医学. 2016;57:1-6

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治療法は?

国内外で実施された調査の結果から、けいれん性発声障害は患者数が比較的少ない稀少疾患であると考えられています。

2016年に公表された調査結果※によれば、日本の患者数は人口10万人あたり3.5~7.0人以上と推定されており、全国で数千人の患者さんがいる計算になります。

この調査では、8割以上の患者さんが女性でした。女性の患者さんが多い傾向は海外でも変わりません。

一方、日本の調査では患者さんの平均年齢が38.9歳とされ、20~30歳代の患者さんが全体の約6割を占めています。海外では40歳代以降に発症する患者さんが多いといわれており、比較的若年の患者さんが多いのは日本に特有の現象です。

けいれん性発声障害の診療は、主に耳鼻咽喉科、そして一部の神経内科で行われます。

ほうっておいて自然に治る病気ではありません。医師の診察を経てけいれん性発声障害と診断され、治療が必要と判定された場合は、主に次のような選択肢があります。

● ボツリヌス療法

ボツリヌストキシンを有効成分とする注射薬により、声帯の筋肉の異常な緊張を抑える治療法です。

● 手術

くびを少し切開して声帯を広げる手術や、声帯の筋肉を切除する手術があります。

● 音声治療(音声訓練)

けいれん性発声障害そのものを改善する効果はありませんが、けいれん性発声障害の影響で生じてしまった悪い発声習慣を矯正する、といった目的で行われることがあります。

きしょうしっかん

悩んでいるのはどんな人?

※兵頭政光ほか. 音声言語医学. 2016;57:1-6

54

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治療法は?

国内外で実施された調査の結果から、けいれん性発声障害は患者数が比較的少ない稀少疾患であると考えられています。

2016年に公表された調査結果※によれば、日本の患者数は人口10万人あたり3.5~7.0人以上と推定されており、全国で数千人の患者さんがいる計算になります。

この調査では、8割以上の患者さんが女性でした。女性の患者さんが多い傾向は海外でも変わりません。

一方、日本の調査では患者さんの平均年齢が38.9歳とされ、20~30歳代の患者さんが全体の約6割を占めています。海外では40歳代以降に発症する患者さんが多いといわれており、比較的若年の患者さんが多いのは日本に特有の現象です。

けいれん性発声障害の診療は、主に耳鼻咽喉科、そして一部の神経内科で行われます。

ほうっておいて自然に治る病気ではありません。医師の診察を経てけいれん性発声障害と診断され、治療が必要と判定された場合は、主に次のような選択肢があります。

● ボツリヌス療法

ボツリヌストキシンを有効成分とする注射薬により、声帯の筋肉の異常な緊張を抑える治療法です。

● 手術

くびを少し切開して声帯を広げる手術や、声帯の筋肉を切除する手術があります。

● 音声治療(音声訓練)

けいれん性発声障害そのものを改善する効果はありませんが、けいれん性発声障害の影響で生じてしまった悪い発声習慣を矯正する、といった目的で行われることがあります。

きしょうしっかん

悩んでいるのはどんな人?

※兵頭政光ほか. 音声言語医学. 2016;57:1-6

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ないてんがた

がいてんがた

副作用は?

ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌がつくる天然のたんぱく質(ボツリヌストキシン)から精製された薬を注射する治療法です。ボツリヌス菌を注射するわけではありませんので、感染の心配はありません。

この薬は90ヵ国以上で認可されており(2019年12月現在)、日本でもまぶたや顔面のけいれん、首や手足の姿勢異常など、複数の疾患に対して使用されています。けいれん性発声障害の治療薬としては、オーストラリアなど12ヵ国で認可されており、日本で医療保険の適用が認められている唯一の薬剤です(飲み薬はありません)。

けいれん性発声障害の治療では、異常な緊張が生じている声帯の筋肉に薬を直接注射します。その結果、筋緊張をうながす神経伝達物質(アセチルコリン)の働きがボツリヌストキシンによってブロックされ、筋緊張が緩和されることによって症状が抑えられます。

ボツリヌス療法の効果

ボツリヌス療法は基本的に対症療法で、けいれん性発声障害の完治をめざす治療法ではありません。効果は通常、治療後2~3日であらわれ、3~4ヵ月にわたって持続します(効果の程度や持続期間には個人差があります)。効果が失われたときには、あらためて注射を行います。

ボツリヌス療法の副作用

効果と同様、副作用も時間の経過とともに消失します。けいれん性発声障害の治療でみられるのは、主に次のような症状です。日常生活に支障があるようなら医師に相談しましょう。

内転型けいれん性発声障害の場合

● 息がもれて声を出しづらい

きつく締まりすぎていた声帯がゆるむことによって生じる症状です。1週間ほどで治まる場合もあれば、数週間にわたって持続する場合もあります。

● 液体を飲み込むときにむせる

ジュースやスープを勢いよく飲むと、むせることがあります。必要に応じてストローなどを用い、ゆっくり飲むように心がけるとよいでしょう。

外転型けいれん性発声障害の場合

● 息が切れやすい

開きすぎていた声帯を引き締めることによって生じる症状です。

ボツリヌス療法とは? 効果は?

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ないてんがた

がいてんがた

副作用は?

ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌がつくる天然のたんぱく質(ボツリヌストキシン)から精製された薬を注射する治療法です。ボツリヌス菌を注射するわけではありませんので、感染の心配はありません。

この薬は90ヵ国以上で認可されており(2019年12月現在)、日本でもまぶたや顔面のけいれん、首や手足の姿勢異常など、複数の疾患に対して使用されています。けいれん性発声障害の治療薬としては、オーストラリアなど12ヵ国で認可されており、日本で医療保険の適用が認められている唯一の薬剤です(飲み薬はありません)。

けいれん性発声障害の治療では、異常な緊張が生じている声帯の筋肉に薬を直接注射します。その結果、筋緊張をうながす神経伝達物質(アセチルコリン)の働きがボツリヌストキシンによってブロックされ、筋緊張が緩和されることによって症状が抑えられます。

ボツリヌス療法の効果

ボツリヌス療法は基本的に対症療法で、けいれん性発声障害の完治をめざす治療法ではありません。効果は通常、治療後2~3日であらわれ、3~4ヵ月にわたって持続します(効果の程度や持続期間には個人差があります)。効果が失われたときには、あらためて注射を行います。

ボツリヌス療法の副作用

効果と同様、副作用も時間の経過とともに消失します。けいれん性発声障害の治療でみられるのは、主に次のような症状です。日常生活に支障があるようなら医師に相談しましょう。

内転型けいれん性発声障害の場合

● 息がもれて声を出しづらい

きつく締まりすぎていた声帯がゆるむことによって生じる症状です。1週間ほどで治まる場合もあれば、数週間にわたって持続する場合もあります。

● 液体を飲み込むときにむせる

ジュースやスープを勢いよく飲むと、むせることがあります。必要に応じてストローなどを用い、ゆっくり飲むように心がけるとよいでしょう。

外転型けいれん性発声障害の場合

● 息が切れやすい

開きすぎていた声帯を引き締めることによって生じる症状です。

ボツリヌス療法とは? 効果は?

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安全性に関わるその他の注意 ① 安全性に関わるその他の注意 ②

98

● ボツリヌス療法によるアレルギー性の副作用として、皮膚の症状(発疹、かゆみなど)、消化器の症状(吐き気、腹痛など)、呼吸器の症状(息苦しさ、声のかすれなど)、ショック症状(意識の混濁など)が起こることがあります。これらはアナフィラキシー(重いアレルギー反応)、血清病による可能性も否定できません。このような症状は通常、注射後まもなくあらわれます。症状があらわれた場合は、ただちに医師の診察を受けてください。

● 注射後、「ものを飲み込みにくい」「息苦しい」といった症状があらわれることがあります。そのような場合は、ただちに耳鼻咽喉科専門医の診察を受けてください。特に最初の1~2回目、注射後1~2週の期間は、こうした症状への注意が必要です。ものを飲み込みにくい状態が続いた場合、唾液や食べ物といっしょに細菌が気道へと入り込み、誤嚥性肺炎を起こすことがあります。発熱、咳、膿のような痰など、肺炎を疑わせる症状があらわれた場合は、ただちに専門医の診察を受けてください。

● 注射部位とは異なる部位に薬の作用が及ぶことがあります。神経系の病気がある患者さんは、この副作用のリスクが増加しますので、特に注意が必要です。

● 注射後にけいれんが起こるという海外の報告があります。この副作用は、過去にけいれんを起こしたことのある方に多いとされています。けいれん発作が認められた場合は、ただちに医師に連絡してください。

● 内転型けいれん性発声障害に対してボツリヌス療法を受けていた患者さん1例の死亡が海外で報告されています。原因は不明で、ボツリヌス療法との因果関係も否定されていません。

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安全性に関わるその他の注意 ① 安全性に関わるその他の注意 ②

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● ボツリヌス療法によるアレルギー性の副作用として、皮膚の症状(発疹、かゆみなど)、消化器の症状(吐き気、腹痛など)、呼吸器の症状(息苦しさ、声のかすれなど)、ショック症状(意識の混濁など)が起こることがあります。これらはアナフィラキシー(重いアレルギー反応)、血清病による可能性も否定できません。このような症状は通常、注射後まもなくあらわれます。症状があらわれた場合は、ただちに医師の診察を受けてください。

● 注射後、「ものを飲み込みにくい」「息苦しい」といった症状があらわれることがあります。そのような場合は、ただちに耳鼻咽喉科専門医の診察を受けてください。特に最初の1~2回目、注射後1~2週の期間は、こうした症状への注意が必要です。ものを飲み込みにくい状態が続いた場合、唾液や食べ物といっしょに細菌が気道へと入り込み、誤嚥性肺炎を起こすことがあります。発熱、咳、膿のような痰など、肺炎を疑わせる症状があらわれた場合は、ただちに専門医の診察を受けてください。

● 注射部位とは異なる部位に薬の作用が及ぶことがあります。神経系の病気がある患者さんは、この副作用のリスクが増加しますので、特に注意が必要です。

● 注射後にけいれんが起こるという海外の報告があります。この副作用は、過去にけいれんを起こしたことのある方に多いとされています。けいれん発作が認められた場合は、ただちに医師に連絡してください。

● 内転型けいれん性発声障害に対してボツリヌス療法を受けていた患者さん1例の死亡が海外で報告されています。原因は不明で、ボツリヌス療法との因果関係も否定されていません。

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1110

以下はボツリヌス療法を受けたあとの注意点です。

● 治療当日のみ、入浴や激しい運動など、血液の流れを増加させる行為は控えてください。翌日以降は、日常生活上の制限はありません。

● 女性は治療後2回の月経が終わるまで、男性は治療後3ヵ月が経過するまで、避妊に必要な措置をとってください。

● ほかの医療機関や診療科を受診する際には、けいれん性発声障害に対してボツリヌス療法を受けたこと、および治療時期、投与量をわかる範囲で医師に伝えてください。

● ボツリヌス療法をくりかえし行った場合、ごくまれに体内で抗体がつくられ、それまで得られていた治療効果を得られなくなることがあります。複数回の治療を受けたのち、明らかに以前より効果が弱まっていると感じられたら、その旨を医師に申し出てください。

治療後に注意すべきこと治療前に注意すべきこと

じゅうしょうきんむりょくしょう

きんいしゅくせいそくさくこうかしょう

以下の条件に当てはまる方は、ボツリヌス療法を受けられません。自分で判断がつかない場合は、医師に相談してみましょう。

● 全身性の筋力低下を起こす病気(重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、筋萎縮性側索硬化症など)がある方

● 妊娠中あるいは授乳中の方、妊娠している可能性のある方

● この治療により、発疹などのアレルギーを生じることがわかっている方

また、以下の条件に当てはまる方は、ボツリヌス療法を受ける前に医師に申し出てください。

● ボツリヌス療法を受けた経験がある方そのとき治療した病気の名前、治療時期、投与量をわかる範囲で医師に伝えてください。

● 現在、なんらかの薬を使用している方(市販薬を含む)一部の抗生物質や筋弛緩薬、精神安定剤など、ボツリヌス療法と同時に使用する場合は注意を要する薬があります。また、抗血小板薬・抗凝固薬を服用中の方は、注射による出血を防ぐため、薬の飲み方を調整する場合があります。

● 慢性的な呼吸器の病気(喘息など)がある方

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1110

以下はボツリヌス療法を受けたあとの注意点です。

● 治療当日のみ、入浴や激しい運動など、血液の流れを増加させる行為は控えてください。翌日以降は、日常生活上の制限はありません。

● 女性は治療後2回の月経が終わるまで、男性は治療後3ヵ月が経過するまで、避妊に必要な措置をとってください。

● ほかの医療機関や診療科を受診する際には、けいれん性発声障害に対してボツリヌス療法を受けたこと、および治療時期、投与量をわかる範囲で医師に伝えてください。

● ボツリヌス療法をくりかえし行った場合、ごくまれに体内で抗体がつくられ、それまで得られていた治療効果を得られなくなることがあります。複数回の治療を受けたのち、明らかに以前より効果が弱まっていると感じられたら、その旨を医師に申し出てください。

治療後に注意すべきこと治療前に注意すべきこと

じゅうしょうきんむりょくしょう

きんいしゅくせいそくさくこうかしょう

以下の条件に当てはまる方は、ボツリヌス療法を受けられません。自分で判断がつかない場合は、医師に相談してみましょう。

● 全身性の筋力低下を起こす病気(重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、筋萎縮性側索硬化症など)がある方

● 妊娠中あるいは授乳中の方、妊娠している可能性のある方

● この治療により、発疹などのアレルギーを生じることがわかっている方

また、以下の条件に当てはまる方は、ボツリヌス療法を受ける前に医師に申し出てください。

● ボツリヌス療法を受けた経験がある方そのとき治療した病気の名前、治療時期、投与量をわかる範囲で医師に伝えてください。

● 現在、なんらかの薬を使用している方(市販薬を含む)一部の抗生物質や筋弛緩薬、精神安定剤など、ボツリヌス療法と同時に使用する場合は注意を要する薬があります。また、抗血小板薬・抗凝固薬を服用中の方は、注射による出血を防ぐため、薬の飲み方を調整する場合があります。

● 慢性的な呼吸器の病気(喘息など)がある方

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編集協力

高知大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科 教授 兵頭 政光 先生

BXOT00241-P2005N改訂年月2020年5月

本資材は医薬品リスク管理計画に基づき作成された資材です。

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Q

A

ボツリヌス療法では、どのような効果を得られるのですか?

通常は注射後数日で「声が出ない」「つまる」「とぎれる」といった症状が軽くなり、声を出しやすくなる効果が期待できます。

どこに注射するのですか? 痛くありませんか?

一般的には、のどぼとけの付近に注射します。採血などと違って細い針を使用しますので、麻酔は通常不要ですが、痛み止めクリームなどを用いる場合もあります。不安な方は、医師に相談してみましょう。

ボツリヌス療法によって声を出しやすくなるのはよいのですが、注射後しばらくは息がもれてしまい、思うようにしゃべれません。対処法はあるのでしょうか。

息もれの症状が強い場合や長く続く場合は、再注射のときに薬の量を減らすのが一般的な対処法です。ただし、薬の量を減らしすぎると、今度は十分な効果を得られなくなります。自分に合った最適な治療をみいだせるよう、医師とよく相談しながら治療に取り組むとよいでしょう。

ボツリヌス療法Q&A