6
−2− ガラスのスクラッチ硬度測定 Scratch hardness measurement of various kind of glasses 澤村 茂輝*・Lothar Wondraczek** Shigeki Sawamura* and Lothar Wondraczek** 近年、ガラスの応用例は広くなり、中でもモバイルデバイスのカバーガラスへの応用は最も身近 な例である。人々はいつでも、どこでも好きな時にデバイスを使うことができ、人々の生活を便利 にした。しかしながら、このような使用環境はガラスにとって少々過酷であり、モバイルデバイス は落下やこすれなどによる損傷の危険と隣り合わせである。中でも、スクラッチ傷はユーザーから 嫌われる欠点であり、商品性を著しく低下させる。しかしながら、スクラッチ特性の定量的な理解 はそこまでされていないのが現状である。そのため、ガラスのスクラッチ特性を明らかにするた め、本研究に取り組んだ。本研究では、スクラッチ時に変形に消費されたエネルギーを見積もるこ とからスクラッチ硬度を算出した。算出されたスクラッチ硬度は体積弾性率と線形の関係にあり、 ガラス構造パラメータと結合エネルギーの関数によって考察した。また、スクラッチ硬度とインデ ンテーション硬度には明らかな解離があり、これはスクラッチ時に顕著になる摩擦による影響と考 えられ、スクラッチ中の変形挙動によって摩擦の寄与度が変化することが示唆された。 Since its discovery, the glass material has facilitated our life and has been utilized for numerous applications, with the cover glass of haptic mobile device being one of the most familiar example nowadays. However, the mobile products consist an environment with negative effects on the glass materials, due to the increased danger of fracture or cracking, caused by the mechanical contact. One of such possible damages is the scratching of the glass surface, which is a primary limitation in the suitability of brittle glasses. Nevertheless, a quantitative understanding of scratch resistance is very limited. Therefore, we investigated these difficulties, in order to elucidate the scratching properties of a variety of glass types. In the present work, we estimated the degree of deformation during scratching, in order to evaluate the scratch hardness. The measured scratch hardness exhibited a linear dependence on the bulk modulus, which in turn depended on the function of the glass structural parameters and the bonding energy of glass. In addition, a deviation between scratch hardness and indentation hardness suggested that the extent of the adhesive force, which is affected by the deformation mechanism results, in this case, in plastic flow during the scratching process. *AGC株式会社 材料融合研究所 ([email protected]) **Otto Schott Institute of Materials Research, Friedrich Schiller University Jena ([email protected])

¨åµwµ«å¿½× S Scratch hardness measurement of various kind

  • Upload
    others

  • View
    3

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

−2−

ガラスのスクラッチ硬度測定

Scratch hardness measurement of various kind of glasses

澤村 茂輝*・Lothar Wondraczek**Shigeki Sawamura* and Lothar Wondraczek**

近年、ガラスの応用例は広くなり、中でもモバイルデバイスのカバーガラスへの応用は最も身近な例である。人々はいつでも、どこでも好きな時にデバイスを使うことができ、人々の生活を便利にした。しかしながら、このような使用環境はガラスにとって少々過酷であり、モバイルデバイスは落下やこすれなどによる損傷の危険と隣り合わせである。中でも、スクラッチ傷はユーザーから嫌われる欠点であり、商品性を著しく低下させる。しかしながら、スクラッチ特性の定量的な理解はそこまでされていないのが現状である。そのため、ガラスのスクラッチ特性を明らかにするため、本研究に取り組んだ。本研究では、スクラッチ時に変形に消費されたエネルギーを見積もることからスクラッチ硬度を算出した。算出されたスクラッチ硬度は体積弾性率と線形の関係にあり、ガラス構造パラメータと結合エネルギーの関数によって考察した。また、スクラッチ硬度とインデンテーション硬度には明らかな解離があり、これはスクラッチ時に顕著になる摩擦による影響と考えられ、スクラッチ中の変形挙動によって摩擦の寄与度が変化することが示唆された。

 Since its discovery, the glass material has facilitated our life and has been utilized for numerous applications, with the cover glass of haptic mobile device being one of the most familiar example nowadays. However, the mobile products consist an environment with negative effects on the glass materials, due to the increased danger of fracture or cracking, caused by the mechanical contact. One of such possible damages is the scratching of the glass surface, which is a primary limitation in the suitability of brittle glasses. Nevertheless, a quantitative understanding of scratch resistance is very limited. Therefore, we investigated these difficulties, in order to elucidate the scratching properties of a variety of glass types. In the present work, we estimated the degree of deformation during scratching, in order to evaluate the scratch hardness. The measured scratch hardness exhibited a linear dependence on the bulk modulus, which in turn depended on the function of the glass structural parameters and the bonding energy of glass. In addition, a deviation between scratch hardness and indentation hardness suggested that the extent of the adhesive force, which is affected by the deformation mechanism results, in this case, in plastic flow during the scratching process.

*AGC株式会社 材料融合研究所 ([email protected])**Otto Schott Institute of Materials Research, Friedrich Schiller University Jena ([email protected])

−3−

AGC Research Report 69(2019)

1. 緒言 インターネットは我々の生活を大きく変え、日常生活において利便性を大きく向上させた。“We are social”の調査によると、世界中で51億人の人々がスマートフォンないしは、携帯電話を使用しており、これは総人口の67%に相当する (1)。これにより、人々は、いつでも、どこでも簡単にコミュニケーションが取れるようになった反面、モバイルデバイスに傷がつく確率も高くなった。そのため、ガラス製造会社各社はモバイルデバイス保護のためにカバーガラスを開発しているが、残念ながら傷のつかないガラスは未だ開発されておらず、傷つき耐性の高いガラスの開発が求められている。ガラスの傷付き性を評価する際に用いられる最も一般的な手法はインデンテーション法であり、本手法によって様々な機械物性が測定することができることから、多くのガラス強度に関する研究がおこなわれてきた (2–4)。一方で、ガラスのスクラッチ特性に関する研究は多く報告されておらず、そのほとんどはガラスの加工特性に関するものや (5,6)、その評価手法そのものに関するものであり (7–9)、ガラスの組成や構造の依存性について議論されているものは報告されていない。本研究では、ナノインデンターを用い、スクラッチ試験時に横方向に発生する抵抗力を測定し、変形に要した仕事量を見積もることでスクラッチ硬度を算出した。本報告ではこのスクラッチ硬度の組成依存性について報告する。

Table 1 Studied glass compositions and properties

2. 実験方法

2.1. サンプル作製 ガラスの組成依存性を調査するため、本研究ではケイ酸系 (10)、 ホウ酸系 (11)、 リン酸系 (12,13)、 カルコゲナイド系 (14)、オキシカーバイドガラス (15)、バルク金属ガラス(BMG) (16,17)など、様々なガラス系の組成を用い、スクラッチ特性の評価を実施した。各サンプルの作製条件は引用文献を参照されたい。得られたバルクサンプルは10~20 mmに切り出し、板厚1~2 mmになるように両面を研磨した。最終表面仕上げは酸化セリウムを用いて光学鏡面を得た。使用したサンプルの一覧と物性をTable 1に示す。詳細な物性は (18)を参照されたい。

2.2. 機械物性測定 ガラスの密度測定はアルキメデス法にて実施し、ポアソン比v、体積弾性率Kは超音波音速計(Karl Deutsch GmbH & Co. KG)によって縦波および横波を測定し、以下の式(1)および(2)から算出した。

  (1)

  (2)

−4−

  (4)

ここで、βは圧子とガラス表面の間の接触角を示しており、バーコビッチ圧子の場合は12.95oとなる。これらWSおよびVSを用いるとスクラッチ硬度HSを式(5)から算出できる。

  (5)

3. 結果と考察

3.1. スクラッチ硬度の測定とガラス物性との相関

 WSとVSの関係をFig. 2に示す。この結果は50, 60, 70 mNの印加荷重で行われたスクラッチ試験から得られ、WSおよびVSはそれぞれ式(4)および(5)から算出された。金属ガラスはその高いヤング率から、VSが他のガラスに比べ小さい一方で、変形に要したエネルギーWSは高い結果となった。一方で、カルコゲナイドガラスはVSが大きいが、小さなエネルギーで変形が起きていることを示唆している。酸化物系のガラスは金属ガラスとカルコゲナイドガラスの中間にプロットされる結果となった。式(5)から算出されるHSはこの傾きを意味する。今回検討した全てのガラスのスクラッチ硬度HSと体積弾性率Kの関係性をFig. 3(a)に示す。この結果から、多くのガラス系でHSはKに対し線形の関係を示すことが分かる。金属ガラスに関してはガラスの結合の状態やガラス構造も、他の酸化物ガラスと比較すると大きく異なり、それに伴って変形挙動も大きくことが変わることが知られているため (20)、他の共有結合性ガラスとは違う傾向となったことが考えられる。HSに対するガラスのイオン重点密度やガラスの結合エネルギーの相関は別の論文で議論しているが (18)、Kに対する相関に比べるとはるかに低い。

ここで、clは縦波速度、ctは横波速度を示し、ρは密度である。インデンテーション試験および、スクラッチ試験はバーコビッチ圧子を用い、ナノインデンター

(G200, KLA-tencor)によって実施した。インデンテーションはひずみ速度0.05 s-1で深さ2μmまで押し込み、各試料5点ずつ実施した。 インデンテーション硬さは最大荷重を接触投影面積で除することで算出した。スクラッチ試験は印加荷重一定の条件(50,60,70mN)で実施した。引っかき速度は50μm/sec、バーコビッチ圧子の頂角方向に引っかき、各試験条件につき10回の試験を実施した。スクラッチ試験の概略図をFig. 1(a)に示す。今回のスクラッチ試験では横方向の抵抗力FLを試験中に測定することができ (9,19)、変形に要した仕事量WSおよび変形体積VSを算出した。試験結果の一例をFig. 1に示す。

(a)

(b)

Fig.1(b)はスクラッチ試験中のFL測定結果を示しており、この積分値がWSに相当し、以下の式で導出される (19)。

  (3)

実験誤差低減のため、スクラッチ開始時と終了時を除いた100μm-200μm間の積分値からWSを算出した。このエネルギーがどの程度の体積変化に消費されたかを見積もるために、in-situで測定されるスクラッチ深さdscratchを用い変形体積を式(4)から算出した。

Fig. 1 (a) Schematic of the experimental set-up, from which VS is determined. (b)Measured lateral load FL during scratching on a soda lime silicate glass at a constant load of 50 mN.

Fig. 2 The work of deformation Ws is shown as a function of deformed volume (obtained through experiments with varying FN over a wide range of glassy materials.

−5−

AGC Research Report 69(2019)

 ガラスの変形は一般的に、DensificationおよびShear flowによって起こると考えられており (21)、イオン重点密度、ポアソン比の間には関係性が見出されている (20)。これらの知見から、ガラスの硬度を向上させた組成を作り出すことは可能であるが (18,20)、この知見からのみでガラスのスクラッチ硬度を整理することは、複雑であるように思われる。ここで、体積弾性率について再度考えてみる。体積弾性率は式(6)に示すように、単位体積当たりの結合乖離エネルギー<U0/V0>と構造を反映したパラメータFの関数で表される (18,22)。

 (6)

<U0/V0>は以下の式(7)から計算され (23,24)、式(6)からFを導出できる。

 (7)

ここで、fi、ΔHai、Miはそれぞれi番目の元素のモル比、解離エンタルピー、モル質量を示す。パラメータFに関しては、結晶構造からの構造揺らぎを反映するパラメータと推定されており、ガラスの構造揺らぎはガラスの機械的特性に強い影響を与えるという議論も近年活発に行われている (10,18,25–27)。Fig.3(b)より、HSは<U0/V0>とFに強く依存していることが一見して見て取れる。ただ一方で、カルコゲナイドガラスのような結合エネルギーが弱いガラス(~20 kJ/cm3)では、結合エネルギーの低さから、ガラスの構造由来のパラメータの影響は非常に弱くなる傾向にある。これらの結果から、高いスクラッチ硬度を得るには結合が強固かつ、分子スケールでのガラス構造の均質性が

高いことが有効であることが示唆された。

3.2. 変形挙動とスクラッチ硬度の関係 スクラッチ試験における変形はインデンテーション試験と比較して剪断による効果が大きいことが知られており (25)、変形挙動はインデンテーションとは単純に比較できるものではない。実際に、摩擦の影響がインデンテーションでは無視されるが、スクラッチ試験では顕著に表れることが報告されている (29,30)。ここで、HSを測定する際に用いたFLは塑性変形に起因する掘り起こしの際の抵抗力(掘り起こし摩擦)FPと圧子とガラス界面の凝着力Fa(凝着摩擦)の合計として式(8)のように表される。

 (8)

これらのパラメータはスクラッチ傷の形成に影響を及ぼし、また変形挙動によっても影響を受ける (31)。 次に、変形挙動について注目する。塑性流動のし易さを示す指標として圧痕周辺に生じる隆起したPile-up領域は、ガラス構造によって強く影響されることが知られている (20)。このPile-upのし易さを示すパラメータとして、スクラッチ中の深さdscratchに対するPile-upの高さh̄の比を意味するRpをスクラッチ痕の断面プロファイルFig. 4(a)から見積もった。Fig. 4(b)ではHおよびHSの相関に加えRpの関係を示している。ここで、HSとHの比はスクラッチ試験およびインデンテーション試験から得られる硬度の比を示しており、様々な種類のガラスにわたって、HSとHの比率は一定ではないことが観測された。例えば、ホウケイ酸系ガラスとリン酸塩系ガラスのHはほぼ同じ値(~7 GPa)を示すが、それらのHSは、概ね2倍異なる。こ

(a) (b)

Fig. 3. (a)Dependence of scratch hardness Hs on bulk modulus K. (b)Average mean-field energy density <U0/V0>, cohesion factor F and scratch hardness Hs of glassy materials.

−6−

れは、通常のインデンテーションのような単純な(準静的)試験と比較して、スクラッチ試験ではインデンテーションでは無視できるような要因、すなわちFa

の寄与度が大きく検出されていることを示唆している。そして、この要因こそが摩擦であると考えられる。ここで、ガラスのPile-up特性を示す等高線図に着目する。興味深いことに、シリカガラスや、ホウケイ酸ガラスのようなRpが小さい(Pile-upしにくい)ガラスにおいてはHS /H比が小さく、Rpが大きい

(Pile-upしやすい)ガラスでHS/Hが大きくなっていることが分かり、この傾向は全てのガラス組成系において当てはまる結果となる。以上の結果から、ガラスの変形挙動とスクラッチ硬度の関係性が示唆された。

(a) (b)

Fig. 4 (a) Cross-profile of a scratch groove on a soda-lime silicate glass which recorded after scratching under normal load of FN = 50 mN. (b) Relation between scratch hardness HS, normal hardness H and the observed pile-up ratio Rp for FN = 50 mN. Inset shows a dependency of HS/H on Rp.

4. 総括 スクラッチ現象はインデンテーションに比べ変形挙動が複雑で多くの報告があるわけではない。本研究では、スクラッチ時にin-situで測定される抵抗力FLから変形に要したエネルギー量を見積もることで、定量的にガラスのスクラッチ硬度を議論した。また、スクラッチ時に発生する抵抗力は変形モードによっても影響を受け、Pile-upによって凝着摩擦の寄与度が大きくなることが示唆された。これらの結果はガラスの結合の強さや、ネットワークのディメンジョンに強く依存されるパラメータであるため、ガラスの強度と構造の理解が、耐スクラッチ性ガラスの開発に繋がると考えられる。

−7−

AGC Research Report 69(2019)

(25) M. F. Ando, O. Benzine, Z. Pan, J.-L. Garden, K. Wondrac-zek, S. Grimm, K. Schuster, and L. Wondraczek, Sci. Rep. 8, 5394 (2018).

(26) O. Benzine, S. Bruns, Z. Pan, K. Durst, and L. Wondrac-zek, Adv. Sci. 0, 1800916 (2018).

(27) S. Yoshida, J. Non-Crystalline Solids X 1, 100009 (2019).(28) P. Bandyopadhyay and A. K. Mukhopadhyay, J. Non.

Cryst. Solids 362, 101 (2013).(29) K. Hirao and M. Tomozawa, J. Am. Ceram. Soc. 70, 497

(1987).(30) F. P. Bowden and D. Tabor, The Friction and Lubrication

of Solids (Oxford University Press, Oxford, New York, 2001).

(31) E. Gnecco, J. Hennig, E. Moayedi, and L. Wondraczek, Phys. Rev. Mater. 2, 115601 (2018).

—参考文献—

(1) We Are Digital, Digital 2019 - GLOBAL REPORT (2019).(2) R. Limbach, B. P. Rodrigues, and L. Wondraczek, J. Non.

Cryst. Solids 404, 124 (2014).(3) X. N. Zhao, Q. P. Cao, X. D. Wang, C. Wang, D. X. Zhang,

S. X. Qu, and J. Z. Jiang, J. Non. Cryst. Solids 445–446, 19 (2016).

(4) C. R. Kurkjian, G. W. Kammlott, and M. M. Chaudhri, J. Am. Ceram. Soc. 78, 737 (1995).

(5) H. N. Li, T. B. Yu, L. Da Zhu, and W. S. Wang, J. Mater. Process. Technol. 229, 785 (2016).

(6) T. Yu, H. Li, and W. Wang, Int. J. Adv. Manuf. Technol. 82, 1405 (2016).

(7) V. Le Houérou, J. C. Sangleboeuf, S. Dériano, T. Rouxel, and G. Duisit, J. Non. Cryst. Solids 316, 54 (2003).

(8) V. Le Houérou, J. C. Sanglebœuf, and T. Rouxel, Key Eng. Mater. 290, 31 (2005).

(9) E. Moayedi and L. Wondraczek, J. Non. Cryst. Solids 470, 138 (2017).

(10) G. N. B. M. de Macedo, S. Sawamura, and L. Wondraczek, J. Non. Cryst. Solids 492, 94 (2018).

(11) D. Möncke, E. I. Kamitsos, D. Palles, R. Limbach, A. Win-terstein-Beckmann, T. Honma, Z. Yao, T. Rouxel, and L. Wondraczek, J. Chem. Phys. 145, 124501 (2016).

(12) R. Limbach, B. P. Rodrigues, D. Möncke, and L. Wondrac-zek, J. Non. Cryst. Solids 430, 99 (2015).

(13) K. Griebenow, E. I. Kamitsos, and L. Wondraczek, J. Non. Cryst. Solids 468, 74 (2017).

(14) G. Yang, B. Bureau, T. Rouxel, Y. Gueguen, O. Gulbiten, C. Roiland, E. Soignard, J. L. Yarger, J. Troles, J.-C. Sangle-boeuf, and P. Lucas, Phys. Rev. B Condens. Matter Mater. Phys. 82, 195206 (2010).

(15) C. Stabler, A. Reitz, P. Stein, B. Albert, R. Riedel, E. Iones-cu, C. Stabler, A. Reitz, P. Stein, B. Albert, R. Riedel, and E. Ionescu, Materials (Basel). 11, 279 (2018).

(16) R. Limbach, K. Kosiba, S. Pauly, U. Kühn, and L. Wondrac-zek, J. Non. Cryst. Solids 459, 130 (2017).

(17) S. Scudino, B. Jerliu, K. B. Surreddi, U. Kühn, and J. Eck-ert, J. Alloys Compd. 509, S128 (2011).

(18) S. Sawamura and L. Wondraczek, Phys. Rev. Mater. 2, 92601 (2018).

(19) S. Sawamura, R. Limbach, H. Behrens, and L. Wondrac-zek, J. Non. Cryst. Solids 481, 503 (2018).

(20) T. Rouxel, H. Ji, T. Hammouda, and A. Moréac, Phys. Rev. Lett. 100, 225501 (2008).

(21) L. Wondraczek, J. C. Mauro, J. Eckert, U. Kühn, J. Hor-bach, J. Deubener, and T. Rouxel, Adv. Mater. 23, 4578

(2011).(22) A. Makishima and J. D. Mackenzie, J. Non. Cryst. Solids

17, 147 (1975).(23) A. Makishima and J. D. Mackenzie, J. Non. Cryst. Solids

12, 35 (1973).(24) S. Inaba, S. Fujino, and K. Morinaga, J. Am. Ceram. Soc.

82, 3501 (1999).