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2020 Vol.368 11 月号 PEOPLE in Kagoshima 鹿児島を動かす人々 Episode 04 Episode 04 Episode 04 村岡 知行 一般社団法人きもつき宇宙協議会代表理事

Vol...52)から2 増と、やや ルスの影響を受ける前の2019年改善した(図表1)。新型コロナウイ 10〜 12月期以来3期ぶりの改善。業況DIを 業種別(大分類)

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Page 1: Vol...52)から2 増と、やや ルスの影響を受ける前の2019年改善した(図表1)。新型コロナウイ 10〜 12月期以来3期ぶりの改善。業況DIを 業種別(大分類)

2020

Vol.368

11月号

PEOPLE in Kagoshima 鹿児島を動かす人々

Episode 04Episode 04Episode 04

村岡 知行 氏一般社団法人きもつき宇宙協議会代表理事

宙を想う

Page 2: Vol...52)から2 増と、やや ルスの影響を受ける前の2019年改善した(図表1)。新型コロナウイ 10〜 12月期以来3期ぶりの改善。業況DIを 業種別(大分類)

本経済全体を直撃している新

型コロナウイルスは弊社事業

にも大きく影響を及ぼし、2020

年8月までの鉄道収入は前年同期

比60%台で推移しており、非常に厳

しい状況となっております。また、

7月の豪雨では大分県と熊本県で、

計3本の鉄道橋が流失するなど甚

大な被害が発生している状況です。

鹿児島県内においても7月の豪雨の

影響で土砂流入や道床流出が発生

し、特に鹿児島本線(川内駅〜鹿児

島中央駅間)においては8月1日に

全線再開するまでの約1カ月不通と

なり、多くのお客さまに長期間に渡

りご迷惑をおかけすることとなりま

した。今夏の豪雨、またその後の台

風で災害に見舞われた方に対し、お

見舞い申し上げるとともに、一刻も

早い復興を願います。

 コロナウイルスについては、鉄道事

業だけでなく、弊社が営むあらゆる

事業に大きな影響を及ぼしていま

す。「まちづくり」「にぎわいづくり」

を通して、お客さまの豊かな生活の

実現に向け事業に取り組んできま

したが、現在のコロナ禍の影響によ

り、弊社は鉄道事業のみでなく、駅

ビルやホテル等の事業においてもお

客さまのご利用は減少傾向です。

この状況が当面は続くものと思わ

れますが、WEB会議やリモート

ワークの浸透も今後の事業展開に

影響を及ぼすと考えられます。ま

た、将来においては、全国平均を上

回るペースで減少する九州の人口に

CONTENTS

経済の “イマ” が分かる!

経営のヒント

ビジネスQ&A【税務】

台北だより

めんそ~れ沖縄

当 研 究 所ホームページはこちらから

様 な々「禍」に対峙する

九州旅客鉄道株式会社

執行役員鹿児島支社長

中村

裕之

ついても、鉄道をはじめとした弊社

の事業に大きく影響していくと予想

されます。これまでも他の場面でご

案内させていただいておりますが、

JR九州発足後の県内各線のご利

用状況は、増加している線区(区間)

もある一方、大きく減少している線

区(区間)もあり、その減少率は7

割に及ぶ箇所もあります。

 これら様々な「禍」に対し、今後

我々が「何ができるのか」「何を行う

べきか」をしっかり考えていくことが

大切であると考えております。コロ

ナ禍においては、お客さまに安心し

てご利用いただけるよう衛生管理

が不可欠ですし、コロナ終息後も合

わせ、新生活様式・働き方等への対

応が必要です。人口減少や毎年の

ように発生する自然災害等の脅威

に対しても、安全とサービスを基盤

とした持続的な輸送サービスについ

て検討を深めていかなければなりま

せん。

 来春には、九州新幹線全線開業

から10周年を迎えます。2020

年10月16日には、3年ぶりとなる

新D&S列車「36ぷらす3」もデ

ビューいたしました。弊社のあるべ

き姿である「安全とサービスを基盤

として九州、日本、アジアの元気を

つくる企業グループ」として、今後

も鹿児島を元気にしていくために何

ができるのかを考え、地域の皆さま

と手を取り合いまちづくりに貢献し

てまいります。

 従来、弊誌に掲載しておりました、マンスリーデータ「全国・鹿児島県の経済指標、宮崎県・熊本県・福岡県・沖縄県の経済指標」につきましては、当研究所ホームページに掲載しておりますので、ご活用ください。URL:https://www.ker.co.jp

おことわり

WEB

本誌の内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。

Vol.368 2020/11月号

湯ネスコ

経済概況

今月の経済統計 vol.2 日銀短観 ~企業は景気をどう見ているか~

BOOKs 今月の1冊・10月のBEST10

経済日誌

日々の中から楽しみを・・・タレント・ラジオパーソナリティー 田上 真澄 氏

ビジネスセミナーのご案内

KER特別セミナーのご案内

アートに触れる/vol.06岩崎美術館

次号予告・FROM EDITORS

村岡 知行 氏

PEOPLE in Kagoshima 鹿児島を動かす人々Episode 04一般社団法人きもつき宇宙協議会代表理事

佐賀県(里信号場~肥前大浦駅)を走る「36ぷらす3」

プラスワン①

BCP策定の取り組みについてー取り組み企業は前回調査より増加プラスワン②

新型コロナウイルスによる売り上げへの影響  ー約7割の企業が減収

業況アンケート

業況DI、やや改善するも厳しい状況続く― 第161回 県内企業・業況調査結果 ―

Page 3: Vol...52)から2 増と、やや ルスの影響を受ける前の2019年改善した(図表1)。新型コロナウイ 10〜 12月期以来3期ぶりの改善。業況DIを 業種別(大分類)

PROFILE

Tomoyuki Muraoka

むらおかともゆき

鹿児島県肝属郡肝付町出身。48歳。高校

卒業後、大阪、山梨にて就職。帰省後は、

家業の塗装業を行いながら地域活動に没

頭。2012年に地域貢献団体の内之浦創

星会を立ち上げる。現在は同団体の会長

のほか、一般社団法人きもつき宇宙協議会

代表理事なども務める。座右の銘の『まず

「出来る」と行動。方法はそれから』をモッ

トーに、地域を盛り上げるための活動に尽

力している。

地域づくりは町おこしではなく「人おこし」と語る村岡知行さん

直径20㍍のパラボラアンテナ=JAXA内之浦宇宙空間観測所

宙の家そら

〒893-1402鹿児島県肝属郡肝付町南方1791-74TEL:0994-45-7371

12月頃に鹿児島県肝属郡肝付町南方1870-10に移転予定

LOCATION

多くの人を巻き込み

町に活気を取り戻す

日本にある多くの中山間地域では、若者の流出により町の高齢

化が進んでいる。ロケット発射台のある肝属郡肝付町も、他の町

と同様に、少子高齢化や過疎化の問題を抱えている。そうした現

状を打破しようと、肝付町では、地域貢献団体を中心に、官民が

一体となった町の活性化に取り組んでいる。様々な話題を作り、町

の活性化に取り組む地域貢献団体を主導する村岡知行さんに話

を聞いた。

Episode 04  Kimotsuki gun | Kimotsuki |

鹿児島を動かす人々 Episode 04  Kimotsuki gun | Kimotsuki |

PEOPLE in Kagoshima

02 | MONTHLY ECONOMIC MAGAZINE 2020.11

Page 4: Vol...52)から2 増と、やや ルスの影響を受ける前の2019年改善した(図表1)。新型コロナウイ 10〜 12月期以来3期ぶりの改善。業況DIを 業種別(大分類)

今期の業況DIはマイナス50で、前

期(マイナス52)から2㌽増と、やや

改善した(図表1)。新型コロナウイ

ルスの影響を受ける前の2019年

10〜12月期以来3期ぶりの改善。

業況DIを業種別(大分類)でみる

と、小売業(前期マイナス45↓今期

マイナス28)、建設業(同マイナス20

↓マイナス10)がマイナス圏ながら

大きく改善し、その他産業(同マイ

ナス69↓マイナス61)が改善した一

方、製造業(同マイナス59↓マイナ

ス68)、卸売業(同マイナス50↓マイ

ナス55)が下落した。

業種別(中分類)でみると、新型コロ

ナウイルスの影響により業務用が厳し

い食料品製造業(同マイナス61↓マイ

ナス73)などが大幅に下落した一方で、

緊急事態宣言解除後の経済活動の再

開を受け、その他サービス(同マイナス

63↓マイナス55)や、その他小売り(同

今期の業況DIはマイナス50で、前

期(マイナス52)から2㌽増と、やや

改善した(図表1)。新型コロナウイ

ルスの影響を受ける前の2019年

10〜12月期以来3期ぶりの改善。

業況DIを業種別(大分類)でみる

と、小売業(前期マイナス45↓今期

マイナス28)、建設業(同マイナス20

↓マイナス10)がマイナス圏ながら

大きく改善し、その他産業(同マイ

ナス69↓マイナス61)が改善した一

方、製造業(同マイナス59↓マイナ

ス68)、卸売業(同マイナス50↓マイ

ナス55)が下落した。

業種別(中分類)でみると、新型コロ

ナウイルスの影響により業務用が厳し

い食料品製造業(同マイナス61↓マイ

ナス73)などが大幅に下落した一方で、

緊急事態宣言解除後の経済活動の再

開を受け、その他サービス(同マイナス

63↓マイナス55)や、その他小売り(同

マイナス48↓マイナス28)、運輸・通信

(同マイナス75↓マイナス62)などがマ

イナス圏ながら改善した(図表2)。

衣料品小売り(同マイナス100↓

マイナス100)、旅館・ホテル(同

マイナス88↓マイナス86)、外食(同

マイナス100↓マイナス100)

は依然厳しい状況が続いている。

来期の業況見通しDIはマイナス

42で今期(マイナス50)から8㌽増と

改善する見通し(図表1)。

業況見通しDIを業種別(大分類)

にみると、依然マイナス圏ではあるが

製造業(今期マイナス68↓来期マイナ

ス48)が大幅に改善。水準は低いもの

の、小売業(同マイナス28↓マイナス

20)、卸売業(同マイナス55↓マイナ

ス49)が改善し、建設業(同マイナス

10↓マイナス10)、その他産業(同マ

イナス61↓マイナス61)は横ばいとな

る見込み。

足元では国内旅行喚起のための

「Go

To

トラベル」事業に東京発着分

が追加され、飲食店を支援する「Go

To

イート」など様々な経済対策が

開始している。ただその効果は業種

によりばらつきがあり、新型コロナウ

イルスの影響を受ける前の水準まで

は回復していない。

今期の資金繰りDIはマイナス17

で前期(マイナス21)から4㌽増とや

や改善した(図表3)。金融機関の融

資や政府の各種支援策などで前期よ

りはやや改善するものの、資金繰り

に対する見方は依然厳しい。

来期の資金繰りDIはマイナス19

で今期(マイナス17)から2㌽低下す

る見込み。

業況DI、やや改善するも

厳しい状況続く

第161回 県内企業・業況調査結果

第161回 県内企業・業況調査結果

第161回 県内企業・業況調査結果

資金繰りはやや改善

●今期の業況DIはマイナス50。前期のマイナス52より2㌽増とやや改善。2019年10~12月以来3期ぶりの改善。来期はマイナス42。今期より8㌽改善する見込み。

●今期の資金繰りDIはマイナス17。前期のマイナス21より4㌽増とやや改善。来期はマイナス19。今期より2㌽低下する見込み。

●今期の雇用人員DIはマイナス15。前期(マイナス12)より3㌽低下。来期はマイナス17。今期より2㌽低下する見込み。

●今期、設備投資を実施した企業割合は34%と、前期(30%)より4㌽増加。来期実施予定の企業割合は28%。今期より6㌽減少し、2000年以降では、2012年1~3月期の27%に次ぐ低さとなる見込み。

●経営上の問題点(内部環境・外部環境)は、「売上(受注)不振」(60%)が最多で、3期連続トップ。

[調査の概要]

今  期=2020年7~9月期     来  期=2020年10~12月期前  期=2020年4~6月期     前年同期=2019年7~9月期DI =「良い」-「悪い」、「増加」-「減少」、いずれも回答企業割合

用 語

●対 象 期 間   2020年7~9月期実績見込み        2020年10~12月期見通し

●調 査 時 期   2020年9月下旬

●調 査 方 法   インターネット及び郵送

●対 象 企 業   県内主要企業 500社

●回答企業数  331社(回答率 66.2%)

[調査要領]

▲70

▲50

10

0

30

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ ⅣⅠ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ ⅣⅠ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ ⅣⅠ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ ⅣⅠ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ ⅣⅠ Ⅱ Ⅲ Ⅳ ⅣⅠ Ⅱ Ⅲ2009年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年

(期)

良い

悪い

リーマンショックの影響2009年1~3月期 DI ▲532009年4~6月期 DI ▲56

今回 2㌽改善2020年7~9月期DI ▲50

良い 悪い DI

図表1 業況DIの推移(大分類)

7-9 10-12 1-3 4-6 7-92019 20

全産業製造業建設業卸売業小売業その他産業

▲22▲28▲4▲33▲17▲22

▲21▲22▲10▲38▲42▲12

10-12

▲42▲51▲11▲46▲38▲49

▲52▲59▲20▲50▲45▲69

▲50▲68▲10▲55▲28▲61

▲80

▲60

▲40

▲20

0見通し

▲42▲48▲10▲49▲20▲61

業況は3期ぶりに改善

業況DIの長期推移

予想

消費税増税

▲30

▲10

一部で改善も

依然厳しい状況続く

来期はさらに

改善する見通し

(期)

図表2 業況DIの推移(中分類)

7-9 10-12 1-3 4-6 7-92019 20

10-12▲100

▲80

▲60

▲40

▲20

0 見通し

▲36▲28▲90

▲28▲18▲230

▲55▲39▲37▲43

▲61▲63▲48▲75

▲73▲55▲28▲62

▲54▲57▲11▲52

食料品製造業その他サービスその他小売り運輸・通信業

(期)

MONTHLY ECONOMIC MAGAZINE 2020.11 | 07

Page 5: Vol...52)から2 増と、やや ルスの影響を受ける前の2019年改善した(図表1)。新型コロナウイ 10〜 12月期以来3期ぶりの改善。業況DIを 業種別(大分類)

[調査の概要]

●BCP策定の取り組みについて、BCPを「既に策定した」、「現在、策定中」、「策定を検討している」 と回答した企業割合の合計は57%で、前回調査(45%、2017年7~9月期調査時)より12㌽増加 した。●BCPを策定した(している)理由、策定を検討している理由は、「企業の社会的責任を果たすため」 が67%と最も多く、BCPを策定していない理由は、「具体的な取り組み方法が分からないから」が 39%と最も多かった。

[ 調査要領 ]●調 査 時 期 2020年9月下旬(第161回県内企業・業況調査時)●調 査 方 法 インターネット及び郵送●対 象 企 業 県内主要企業500社●回 答 状 況 330社(回答率 66.0%)

 BCP策定の取り組みについて、

「既に策定した」(19%)、「現在、策

定中」(9%)、「策定を検討している」

(29%)と回答した企業割合の合計

は57%で、前回調査(45%、

2017年7〜9月期調査時)よ

りBCP策定に前向きな企業が増

えた(図表1)。業種別にみても、す

べての業種において同様に増加した。

 BCPを策定する上で重視する

リスクについては、「地震や豪雨・台

風などの自然災害」が89%と最も多

く、次いで「感染症の拡大」(76%)

となった(図表2)。近年多発する自

然災害や新型コロナウイルス感染症

の影響が大きく表れる結果となった。

 BCPを策定する上で課題・ネッ

クになることについては、「策定を支

援する専門家(人員)や制度が不十

分」が48%と最も多く、次いで「取

り組む人員を確保できない」(40%)、

「具体的な取り組み方法が分からな

い」(23%)の順となった(図表3)。

 BCPを策定した(している)理

由、策定を検討している理由は、「企

業の社会的責任を果たすため」が

67%と前回(65%)同様最も多く、

次いで「災害の頻度が上がっているこ

とに対し危機感を感じたから」

(49%、前回48%)、「元々必要性を

感じていた」(49%、前回44%)、「新

型コロナウイルスによる影響を受け

たから」(29%、今回新設)などの順

となった(図表4)。

(%)図表1  BCPの策定状況について B

CP策定の取り組みについて

 取り組み企業は前回調査より増加

取り組み企業は増加

災害や感染症リスクを重視

策定理由は社会的責任が最多

制度・人材不足がネック

89

76

29

23

20

14

1

0

地震や豪雨・台風などの自然災害

自社の情報・通信システムの不具合

自社の情報漏えい・コンプライアンス違反

取引先の業況悪化(倒産や一時取引停止等を含む)

感染症の感染拡大

取引先の不祥事

その他

火災・爆発事故

0 20 40 60 80 100(%)

注)・「既に策定した」、「現在、策定中」、「策定を検討している」企業のみ回答  ・複数回答(3つまで)

(n=188)図表2 BCPを策定する上で重視するリスク

全産業

製造業

建設業

卸売業

小売業

その他

今回

前回

今回

前回

今回

前回

今回

前回

今回

前回

今回

前回

19

14

17

14

19

14

15

8

23

14

19

15 10 20 36 19

5 28 35 13

20 25 27 14

15 26 28 8

12 27 35 18

6 43 24 12

11 12 47 16

13 30 25 13

7 19 42 18

9 28 39 7

11 20 38 17

9 29 33 10

0 20 40 60 80 10057

45

48

40

23

13

6

12

策定を支援する専門家(人員)や制度が不十分

取り組む人員を確保できない

具体的な取り組み方法が分からない

金銭面で取り組む余裕がない

連携相手・協力相手が見つからない

その他

0 20 40 60 80 100(%)

注)・「既に策定した」、「現在、策定中」、「策定を検討している」企業のみ回答  ・複数回答

(n=156)図表3 BCPを策定する上で課題・ネックになること

(今回n=330、前回n=358)

MONTHLY ECONOMIC MAGAZINE 2020.11 | 15

Page 6: Vol...52)から2 増と、やや ルスの影響を受ける前の2019年改善した(図表1)。新型コロナウイ 10〜 12月期以来3期ぶりの改善。業況DIを 業種別(大分類)

態宣言が発令されていた「4〜5月」が

45%と最も多く、次いで「期間中ずっと」

(17%)、「影響を受けていない」(14%)

となった(図表2)。

 売り上げがコロナ拡大前の水準まで

に戻る時期を尋ねたところ、「分からな

い」が26%と最も多く、次いで「1年後

(2021年中)」(22%)、「既に戻って

いる、売り上げは落ちていない」(16%)

の順となった(図表3)。

 また、新型コロナウイルス感染拡大以降始めた取

り組みとして、「テレビ会議、ウェブ会議などの活用」

が53%と最も多く、「テレワークや在宅勤務などの

働き方改革」(27%)、「既存事業の見直し」(24%)

が続いた(図表4)。

 2020年3月〜8月の半年間の売

り上げの前年との比較を尋ねたとこ

ろ、前年比プラスとなったのは11%、前

年並みは20%、前年比マイナスとなった

のは69%となり、約7割の企業が減収

となった(図表1)。内訳をみると、

「10%以上30%未満のマイナス」が28%

と最も多く、「ほぼ前年並み」(20%)、

「5%以上10%未満のマイナス」(13%)

が続いた。「建設業」では60%が「ほぼ

前年並み」と回答した一方で、「その他

産業」の中の「旅館・ホテル」では回答

企業の73%が「50%以上のマイナス」と

回答するなど、業種によって影響の度

合いが異なる。

 その間、新型コロナウイルスの影響を

最も受けた時期として、全国に緊急事

[調査結果のポイント]

●2020年3月~8月の売り上げの前年との比較…「プラス」11%、「前年並み」20%、「マイナス」 69%。約7割の企業が減収。●最も影響を受けた時期…緊急事態宣言が発令されていた「4~5月」が最多。●売り上げがコロナ前まで戻る時期…「分からない」が最も多く、次いで「1年後(2021年中)」。先 行きについても不透明感が強い。●コロナ拡大後の新たな取り組み…「テレビ会議、ウェブ会議などの活用」が最も多かった。

[ 調査概要 ]●調 査 時 期 2020年9月下旬(第161回県内企業・業況調査時)●調 査 方 法 インターネット及び郵送●対 象 企 業 県内主要企業500社●回 答 状 況 回答企業331社 回答率66.2%

新型コロナウイル感染拡大を受け、全国に緊急事態宣言が発令されてから半年あまり。県内企業も大きな影響を受けている。この間の県内企業の売り上げへの影響等について調査を実施した。

テレビ会議、ウェブ会議などの活用

テレワークや在宅勤務などの働き方改革

既存事業の見直し

特になし

設備投資計画の見直し

新規事業、新規サービスの検討

採用計画の見直し

新規取引先の開拓

BCP(事業継続計画)の策定

自社拠点、設備の分散化

その他

図表4 コロナ感染拡大以降に始めた取り組み(n=325) (%)50 60403020100

 新型コロナウイルスの収束

が見通せず、先行きについて

不透明な部分が多い中、コロ

ナを機に、設備投資計画や

採用計画、既存事業の見直

しを行う企業も増えている。

現時点で、新型コロナウイル

スの影響が他業種と比べて

限定的である建設業でも企

業の設備投資計画の延期・

縮小・中止などを通して時

間差で影響が出てくること

も懸念される。

 一方で、テレビ会議やウェ

ブ会議を始めた企業も半数

超に達し、オンライン会議や

在宅勤務などが一部の企業

では日常の風景になりつつあ

る。コロナ後の世界を勝ち

抜いていくために、県内企業

がすでに動き出していること

もうかがえる結果となった。

(新川 真吾)

5

45

4

4

6

17

14

5

26

22

16

15

7

6

6

2

53

27

24

18

16

13

12

9

8

4

3注)複数回答

新型コロナウイルスによる売り上げへの影響

図表1 2020年3~8月の売上高前年比 (n=325)

新型コロナウイルスによる売り上げへの影響

 

 約7割の企業が減収

製造業

建設業

卸売業

小売業

その他産業

3 4 20 9 13 28 11 84

3 3 18 19 34 12 452

12 3 3 9 12 31 27 3

6 8 11 11 8 8 35 13

2 3 4 12 10 8 25 15 21

2 60 11 9 14 2 2

0 20 40 60 80 100(%)

約7割の企業が減収

売り上げが戻る時期は

「分からない」が最多

おわりに

10%以上プラス5%以上10%未満のマイナス

5%以上10%未満のプラス10%以上30%未満のマイナス

5%未満のプラス30%以上50%未満のマイナス

ほぼ前年並み50%以上のマイナス

5%未満のマイナス

プラス:11% 前年並み:20% マイナス:69%

2~3月(国内での感染拡大期)

4~5月(緊急事態宣言が発令された時期)

6月(5/25に緊急事態宣言が解除されて以降)

7月(県内で初のクラスターが発生した時期)

8月(帰省の自粛が要請されていたお盆の時期を含む時期)

期間中ずっと

新型コロナウイルスの影響を受けていない

分からない

図表2 新型コロナウイルスの影響を最も受けた時期 (n=328) (%)50403020100

図表3 売上がコロナ前まで戻る時期(n=323)

分からない

1年後(2021年中)

既に戻っている、売り上げは落ちていない

2年後(2022年中)

今年中(2020年中)

2022年以降

元の水準に戻ることはない

その他

(%)302520155 100

全産業

MONTHLY ECONOMIC MAGAZINE 2020.11 | 19

Page 7: Vol...52)から2 増と、やや ルスの影響を受ける前の2019年改善した(図表1)。新型コロナウイ 10〜 12月期以来3期ぶりの改善。業況DIを 業種別(大分類)

型コロナウイルス感染症の影

響を受け、高卒採用解禁日

が今年は10月16日からと1カ月延

期となりました。コロナの就職活動

への影響や今後の動向について、当

研究所の福留一郎経済調査部長が

解説しました。

 2021年卒業予定者の採用計

画について、当社が調査を行ったと

ころ「採用計画あり」と回答した

企業は49%と前年調査時の56%か

ら7㌽下落しており、リーマンショッ

クの影響を受けた09年以降、最大

の下げ幅となっています。これまで

人手不足の中で売り手市場と言わ

れていましたが、コロナ禍において、

状況は急激に変わりつつあり、当面

は厳しい状態が続くことが想定され

ます。

 ただ、中長期的には人手不足は

変わらないため、企業側はこれから

の事業活動をにらんだうえでは、

持続的に採用する姿勢は必要に

なってきます。また、コロナ禍で地

元就職志向も高まっており、企業

側には「情報発信」、学生側には「情

報収集」が求められます。地元に

もいい企業は多いので、特に学生は

地元に積極的に目を向けていくこと

が大切です。

 企業と学生のいいマッチングが生

まれることを期待するとともに、コ

ロナ禍の影響を受ける学生には決し

て悲観せず就職活動に取り組んで

ほしいと助言しました。

児島銀行小林支店経友会に

て、当研究所の福留一郎経

済調査部長が「コロナ禍による地域

経済への影響と展望」と題し講演し

ました。

 当社が実施した企業・業況調査

をもとに企業への影響をリーマン・

ショック時と比較しながら解説した

ほか、家計支出や農業、観光への影

響などについてデータを用いて説明

しました。

 コロナを機に、暮らしや働き方に変

化が出ており、地方移住が改めて注

目されています。宮崎にとっては追い

風であり、住みやすさ、働きやすさ、

多種多様な自然を前面に打ち出し、

強みである「食と環境」を売り込んで、

地方創生につなげることが期待され

ます。またコロナ禍で加速するDX(デ

ジタルトランスフォーメーション)への

対応は、中長期的には人口減少・超

高齢化時代における労働力不足を補

うことにも結び付きます。「禍」を「福」

に変えるた

め、新しい

発想で対応

していくこ

とが求めら

れると話し

ました。

鹿

経済の “イマ” が分かる!

メディア解説

KKBJチャン+ 出演2020.10.12

講 演

鹿児島銀行小林支店経友会2020.11.2

MONTHLY ECONOMIC MAGAZINE 2020.11 | 21

Page 8: Vol...52)から2 増と、やや ルスの影響を受ける前の2019年改善した(図表1)。新型コロナウイ 10〜 12月期以来3期ぶりの改善。業況DIを 業種別(大分類)

経営のヒント

Chapter 1 ビジネスQ&A【税務】補助金等を受け取った場合の課税関係

Chapter 2 台北だより台湾で高まる健康志向について

Chapter 3 めんそ~れ沖縄そばじょーぐー

22 | MONTHLY ECONOMIC MAGAZINE 2020.11