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FPACは2012年5月に、林産業界の将来に関わる大きな目標を発表しました。それがVision2020。業 界だけでなく政府や学界、研究者や政策立案者その他関係者に、林産業の変革をさらに推し進め、新た にしてダイナミックな業界の方向性を明確とするよう呼びかけるために策定された目標です。 この一大目標を達成することで、雇用機会や経済成長、そして林産 業による環境負荷の低減によって、すべてのカナダ国民に資すること ができます。 製品 革新性と新規市場開拓により200億ドルの経済拡大を目指す。 環境パフォーマンス 林産業の環境フットプリントをさらに35%削減する。 労働力 女性、先住民、移民を含め、少なくとも6万人を新規雇用し、労働 力の刷新を進めていく。 カナダ林産業は、成長と 繁栄の場。2020年までに グリーンかつイノベーティブ、 そして世界に開かれた 産業として、カナダの 新経済を推進していく カナダの林産業は今 VISION2020: カナダならではの強み

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Page 1: VISION2020: カナダならではの強み - FPAC...す。Vision2020が最終的に成功するには、FPACとその会員企 業、そして林産業界のFPAC以外の企業も、政府、教育機関や研

FPACは2012年5月に、林産業界の将来に関わる大きな目標を発表しました。それがVision2020。業界だけでなく政府や学界、研究者や政策立案者その他関係者に、林産業の変革をさらに推し進め、新たにしてダイナミックな業界の方向性を明確とするよう呼びかけるために策定された目標です。

この一大目標を達成することで、雇用機会や経済成長、そして林産業による環境負荷の低減によって、すべてのカナダ国民に資することができます。

製品 革新性と新規市場開拓により200億ドルの経済拡大を目指す。

環境パフォーマンス 林産業の環境フットプリントをさらに35%削減する。

労働力 女性、先住民、移民を含め、少なくとも6万人を新規雇用し、労働力の刷新を進めていく。

カナダ林産業は、成長と 繁栄の場。2020年までに グリーンかつイノベーティブ、 そして世界に開かれた 産業として、カナダの 新経済を推進していく

カナダの林産業は今

VISION2020: カナダならではの強み

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THE FOREST PRODUCTS ASSOCIATION OF CANADA · @FPAC_APFC · /FPAC.APFC

FPAC はカナダ林産業界の声を代弁する業界団体であり、Vision2020の掲げる意欲的な目標の達成を支援し、イノベーティブな新製品や市場の多様化、環境面での信頼性と実績の向上、そして技能を有す労働力を伴うことで、業界が変貌していけるよう尽力しています。カナダの有力林産企業を代表していることは、FPACの誇りです。FPAC会員企業は全社が、歴史的なカナダ寒帯林協定に署名し、カナダにおける認証林の66% の営林に当たっています。 FPACは会員企業の施業地に第三者による森林認証取得を義務付けた世界初の業界団体です。

製品についての目標はイノベーションによって新たなビジネスを生み出せるという、林産業の明るい展望の表れです。画期的な工程や技術の採用という点では、カナダ林産業には長い歴史がありますが、この数年の苦境により、カナダの森林から最大限に利用する手段が模索されるようになり、イノベーションの必要性がさらに高まっています。業界も政府も、林産業の将来の成功のためには、知見や製品、政策、工程における革新が必須であることに気づいたのです。

2010年から2012年にかけては、業界は依然として経済危機からの回復期にあり、将来のための戦略的投資を行っている最中でした。このため業界や業界関係者の努力がそのまま前進として反映されるまでには至りませんでしたが、世界的に景気回復が確実なものとなり、画期的な製品が登場し、同時に市場の多様化が進めば、目標に向けた進展が見込めます。林産品の輸出は、2013年に13%、 2014年に9%の伸びを見せています。さらにFPACはこの初報告 書の作成にあたり、経済成長の計算方法にも進化が必要であることに気付きました。カナダ統計局は、林産業における経済活動に、林産企業の創りだしているバイオエネルギーやバイオ製品を数字として含めていません。

環境パフォーマンス目標は、環境フットプリントの低減に対して業界がこれまで行ってきた意欲的な取り組みの流れを受けたものです。カナダ林産業界は世界の森林の10%を預かる者として、環境面で世界のリーダーに成長しました。1990年以来、気候変動に影響する温室効果ガスを70%削減しており、第三者による認証林の43%がカナダに存在します。Vision2020の下では業界の進歩を測るために12の環境パフォーマンス指標が設定されています。

2010年から2012年の2年間における改善の最たるものは、埋立地行きの廃棄物が31%減少したことです。エネルギー消費量は8%減となり、リサイクル率は4%向上しました。水消費量は3%減で、排気量も改善しました。12指標のうち改善が見られなかったのは総浮遊物質量と温室効果ガス(GHG)排出量でしたが、GHGは2010年の時点で既に1990年の水準を70%も下回っていました。

労働力の目標は6万人を新規採用することで業界を刷新しようというもので、林産業で働く技能と知識を有し、熱意のある人材に、大きなキャリアチャンスがあることを知らせていくことを主眼としています。

2010年から2012年にかけては8000人を新規採用しましたが、これは主に引退するベビーブーマー世代を補填するものでした。業界の変革が進むにつれ、採用のピッチも上がる方向です。他産業と同様に林産企業も技能労働者の交代要員の確保に苦労しており、現在は機械工から配管工、技師、森林士、トラック運転手から総務/管理職に至るまで、全職種の人材を必要としています。

カナダの林産業は未来重視型であり、特にカナダの地方部にとって、今後も雇用や経済成長になくてはならない存在であることに変わりはありません。競争力があり、再生可能エネルギーの旗手であり、環境に責任を持つ業界であり、新製品も新規市場も、また新たなチャンスも、企業やパートナーらの創意工夫と想像力次第です。Vision2020が最終的に成功するには、FPACとその会員企業、そして林産業界のFPAC以外の企業も、政府、教育機関や研究機関、環境保護団体その他のパートナーと手を携えて一丸となって努力し、カナダの全国民の利益のために目標の達成に向けて協業していく必要があります。

目標 2020年 進捗状況(2010-2012年)製品 200億ドルの経済拡大 5億ドル拡大達成環境パフォーマンス 35%向上 6%向上労働力 6万人を新規雇用 8000人を新規雇用

FPACは、林産業界のVision2020における全体的な進捗状況を2年ごとに一般公開することを公約しています。2010-2012年の報告書「カナダ林産業 – 繁栄への道(Pathways to Prosperity for Canada’s Forest Products Sector) 」は、初の2年間における上記3目標に向けた前進を以下のように伝えています。