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◇ 公開授業Ⅰ 10:15~11:00 公開授業Ⅱ 11:15~12:00
学年 単元名【教材名】 公開
Ⅰ・Ⅱ 授業者
階
教室
1年
しりたいな どんな人?
― 登場人物について、行動や会話から考える ―
【お手がみ】
Ⅰ 上杉 麻依子 1F
1-2
Ⅱ 室賀 美紀 1F
1-1
2年
物語の読みからはじまる
「わたしのたからもの」のはっ見
― 体験と結び付けて考えたことを共有する ―
【わにのおじいさんのたからもの】
Ⅰ 西川 晴之 1F
2-1
Ⅱ 森 貴世美 1F
2-2
3年
物語を読んで大すきなところをしょうかいしよう
― 登場人物の気持ちを具体的に想像する ―
【わすれられないおくりもの】
Ⅰ 小池 悠太 2F
3-1
Ⅱ 広瀨 富也 2F
3-2
4年
「なぜ」から始まる南吉トークセッション
― 登場人物の気持ちの変化を想像し、
感じ方の違いに気付く ―
【ごんぎつね】
Ⅰ 土田 虎生輝 体育館
5年
椋鳩十の作品を読み味わおう
― 登場人物の人物像や心情の変化を捉える ―
【大造じいさんとがん】
Ⅱ 今村 淳司 体育館
6年
ファンタジーふしぎ発見!
― 表現の効果や物語の全体像を捉える ―
【きつねの窓】
Ⅰ 加藤 幸子 3F
6-2
Ⅱ 久野 雅裕 3F
6-1
71高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 71 2018/10/06 12:01
⑶ 系統的に見た位置
1学期に学習した「おおきなかぶ」では、話の内容の大体を捉えたり、場面ごとに読み取りな
がら登場人物の行動を想像したりする学習に取り組んできた。「おおきなかぶ」に登場する6人
の人物になりきって、ペープサートを操作したり、劇化したりする活動を通して、登場人物の気
持ちを考えて読むことができた。
このように、児童はこれまでに、言葉を大切にしながら物語を読む学習を行ってきている。本
単元では登場人物の言動を捉えて読むことができるようにする。そして、学習を生かして他作品
を同じ観点で読み取り、かえるくんやがまくんの人物像を捉えることができるようにする。この
ような学習は、第2学年で学習する「きつねのおきゃくさま」で登場人物の気持ちの変化を読み
取り「勇気」について自分の考えをまとめる学習や「わにのおじいさんのたからもの」で、会話
や行動、情景描写を基にあらすじと場面構成を読み取る学習につながっていく。
3 研究主題に迫るために
⑴ 主体的・循環的で深い学びのある授業にするために
・ 主体的に学習を進めるための課題設定の工夫
教材に出会った後、児童の気付きや疑問を整理して学習のめあてを決める。そうすることで
「みんな(自分)の学習課題」として、児童一人一人が主体的に学ぶことができるようにする。
・ 学習内容の着実な定着を図る「まとめ」の活動
学習のまとめは、自己評価を取り入れて行う。自己評価をさせるときには、読むことの技能
面に関わることだけでなく、児童一人一人の問題意識や考えを表現することができるようにす
る。そうすることで、児童が学んだことを自覚できるようにする。
・ 見通しをもつための「学習マップ」を活用した「振り返り」の活動
児童が学んだことを振り返り、次の学習への見通しをもつことができる「学習マップ」を活
用する。単元全体を見通すことで、学習のゴールを明確にして学習を進めることができる。ま
た、何を学び、何ができるようになったかを児童自身が自覚することができるようにする。
このことで、できるようになったことを次の学習や他教科に生かすことができるようにする。
⑵ 対話的・協働的で深い学びのある授業にするために
・ 登場人物の気持ちや行動を想像するための音読の工夫
音読をする際には、会話文と地の文を役割ごとに音読する役割読みを行う。役割を分けて読
むことで、会話文を捉えさせたり、誰が話しているのかを理解させたりする。地の文は、行動
描写に着目し、誰の行動なのかを考えながら音読をさせる。
このように、登場人物に焦点を当てて音読させることで、行動描写や会話文がどの登場人物
のものかを確かめながら読むことができるようにする。
・ 考えを広げたり、深めたりするための対話活動
授業の中で、ペアで話し合う場面と全体で話し合う場面とを、効果的に取り入れる。まずは、
自分の考えをペアの相手に分かりやすく伝えることが大切だと考える。聞き合って終わるので
はなく、質問をしたり、考えの共通点や相違点に気付いたりすることができるようにする。
そのために、考えの同じペアや違うペアなど、場面に応じた組み方で学習に取り組ませる。
そのような学習を通して、自分の考えの広がりや深まりに気付かせていく。そして、今後の学
習や豊かな読書生活にもつないでいくことができるようにしていく。
高蔵小学校第1学年1組・2組 国語科学習指導案 平成30年11月2日(金)公開授業Ⅰ(1-2) 授業者 上杉 麻依子
公開授業Ⅱ(1-1) 授業者 室賀 美紀
1 単元
しりたいな どんな人?
- 登場人物について、行動や会話から考える -
2 単元について
⑴ 単元の意義
本単元は、登場人物の行動描写や会話文を基に、登場人物の人物像や内容の大体を捉えること
ができるようにすることを目指している。場面ごとに、行動描写や会話文を丁寧に読み進めてい
く学習を通して、登場人物の人物像を自分の言葉でまとめることができるようにする。
主教材「お手がみ」は、手紙を一度ももらったことのないがまくんに、その悲しみを知ったか
えるくんが手紙を書き、かたつむりくんに託した手紙を二人で仲良く待つという心温まる話であ
る。人物像を捉える学習を通して、がまくんとかえるくんの関係について考えることができる作
品である。
本単元では、「高蔵小学校 読みの系統指導カリキュラム」に基づいて、以下に示す「読みの技
能」と「読みの用語」を押さえて指導を進めていく。特に、③の人物に重きを置いて取り組む。
また、学習したことを生かし、同作者の他作品を用いて、がまくんの人物像を読み取る学習を
位置付ける。学校司書による読み聞かせを通して、物語の内容の大体をつかみ、読みの力を生か
して人物像を捉えることができるようにする。そして、人物像を捉える学習を通して、二人の関
係について考えることは、「友達」という言葉についての認識を広げることにつながることが期
待できる。 ⑵ 単元と児童の関係
本学年の児童は、「けむりのきしゃ」「おおきなかぶ」の中で、本文の叙述を基にして、登場人
物の気持ちを読み取ったり、内容に合わせて音読の仕方を工夫したりする学習に取り組んできた。
しかし、物語を読む観点として、児童が身に付けていることはまだ少ない。また、読書に親しむ
児童は多いが、言葉に対する考え方を広げたり、深めたりする経験はまだ少ない。そこで、本単
元では、行動描写や会話文を読みの観点として、主教材と同作者の他作品を使って人物像を捉え
る学習に取り組む。これは、読書が大好きな児童を、さらに豊かな読書生活へ誘うきっかけにな
ることだろう。そして、人物像を捉える学習を基に、二人の関係について考えさせることで、「友
達」という言葉の認識が広がったり、深まったりすることができると考える。
読みの系列 読みの技能 読みの用語 ①作品の構造 場面を捉えて読む 場面 ③人物 登場人物の気持ちや様子を想像しながら読む 登場人物、気持ち、様子 ③人物 登場人物の言動を捉えて読む 会話文、行動描写 ⑤表現技法 会話文と地の文を区別しながら読む 会話文、地の文 ⑤表現技法 繰り返しの言葉を感じ取りながら読む 繰り返し(リフレイン)
1年①
72 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 72 2018/10/06 13:22
⑶ 系統的に見た位置
1学期に学習した「おおきなかぶ」では、話の内容の大体を捉えたり、場面ごとに読み取りな
がら登場人物の行動を想像したりする学習に取り組んできた。「おおきなかぶ」に登場する6人
の人物になりきって、ペープサートを操作したり、劇化したりする活動を通して、登場人物の気
持ちを考えて読むことができた。
このように、児童はこれまでに、言葉を大切にしながら物語を読む学習を行ってきている。本
単元では登場人物の言動を捉えて読むことができるようにする。そして、学習を生かして他作品
を同じ観点で読み取り、かえるくんやがまくんの人物像を捉えることができるようにする。この
ような学習は、第2学年で学習する「きつねのおきゃくさま」で登場人物の気持ちの変化を読み
取り「勇気」について自分の考えをまとめる学習や「わにのおじいさんのたからもの」で、会話
や行動、情景描写を基にあらすじと場面構成を読み取る学習につながっていく。
3 研究主題に迫るために
⑴ 主体的・循環的で深い学びのある授業にするために
・ 主体的に学習を進めるための課題設定の工夫
教材に出会った後、児童の気付きや疑問を整理して学習のめあてを決める。そうすることで
「みんな(自分)の学習課題」として、児童一人一人が主体的に学ぶことができるようにする。
・ 学習内容の着実な定着を図る「まとめ」の活動
学習のまとめは、自己評価を取り入れて行う。自己評価をさせるときには、読むことの技能
面に関わることだけでなく、児童一人一人の問題意識や考えを表現することができるようにす
る。そうすることで、児童が学んだことを自覚できるようにする。
・ 見通しをもつための「学習マップ」を活用した「振り返り」の活動
児童が学んだことを振り返り、次の学習への見通しをもつことができる「学習マップ」を活
用する。単元全体を見通すことで、学習のゴールを明確にして学習を進めることができる。ま
た、何を学び、何ができるようになったかを児童自身が自覚することができるようにする。
このことで、できるようになったことを次の学習や他教科に生かすことができるようにする。
⑵ 対話的・協働的で深い学びのある授業にするために
・ 登場人物の気持ちや行動を想像するための音読の工夫
音読をする際には、会話文と地の文を役割ごとに音読する役割読みを行う。役割を分けて読
むことで、会話文を捉えさせたり、誰が話しているのかを理解させたりする。地の文は、行動
描写に着目し、誰の行動なのかを考えながら音読をさせる。
このように、登場人物に焦点を当てて音読させることで、行動描写や会話文がどの登場人物
のものかを確かめながら読むことができるようにする。
・ 考えを広げたり、深めたりするための対話活動
授業の中で、ペアで話し合う場面と全体で話し合う場面とを、効果的に取り入れる。まずは、
自分の考えをペアの相手に分かりやすく伝えることが大切だと考える。聞き合って終わるので
はなく、質問をしたり、考えの共通点や相違点に気付いたりすることができるようにする。
そのために、考えの同じペアや違うペアなど、場面に応じた組み方で学習に取り組ませる。
そのような学習を通して、自分の考えの広がりや深まりに気付かせていく。そして、今後の学
習や豊かな読書生活にもつないでいくことができるようにしていく。
高蔵小学校第1学年1組・2組 国語科学習指導案 平成30年11月2日(金)公開授業Ⅰ(1-2) 授業者 上杉 麻依子
公開授業Ⅱ(1-1) 授業者 室賀 美紀
1 単元
しりたいな どんな人?
- 登場人物について、行動や会話から考える -
2 単元について
⑴ 単元の意義
本単元は、登場人物の行動描写や会話文を基に、登場人物の人物像や内容の大体を捉えること
ができるようにすることを目指している。場面ごとに、行動描写や会話文を丁寧に読み進めてい
く学習を通して、登場人物の人物像を自分の言葉でまとめることができるようにする。
主教材「お手がみ」は、手紙を一度ももらったことのないがまくんに、その悲しみを知ったか
えるくんが手紙を書き、かたつむりくんに託した手紙を二人で仲良く待つという心温まる話であ
る。人物像を捉える学習を通して、がまくんとかえるくんの関係について考えることができる作
品である。
本単元では、「高蔵小学校 読みの系統指導カリキュラム」に基づいて、以下に示す「読みの技
能」と「読みの用語」を押さえて指導を進めていく。特に、③の人物に重きを置いて取り組む。
また、学習したことを生かし、同作者の他作品を用いて、がまくんの人物像を読み取る学習を
位置付ける。学校司書による読み聞かせを通して、物語の内容の大体をつかみ、読みの力を生か
して人物像を捉えることができるようにする。そして、人物像を捉える学習を通して、二人の関
係について考えることは、「友達」という言葉についての認識を広げることにつながることが期
待できる。 ⑵ 単元と児童の関係
本学年の児童は、「けむりのきしゃ」「おおきなかぶ」の中で、本文の叙述を基にして、登場人
物の気持ちを読み取ったり、内容に合わせて音読の仕方を工夫したりする学習に取り組んできた。
しかし、物語を読む観点として、児童が身に付けていることはまだ少ない。また、読書に親しむ
児童は多いが、言葉に対する考え方を広げたり、深めたりする経験はまだ少ない。そこで、本単
元では、行動描写や会話文を読みの観点として、主教材と同作者の他作品を使って人物像を捉え
る学習に取り組む。これは、読書が大好きな児童を、さらに豊かな読書生活へ誘うきっかけにな
ることだろう。そして、人物像を捉える学習を基に、二人の関係について考えさせることで、「友
達」という言葉の認識が広がったり、深まったりすることができると考える。
読みの系列 読みの技能 読みの用語 ①作品の構造 場面を捉えて読む 場面 ③人物 登場人物の気持ちや様子を想像しながら読む 登場人物、気持ち、様子 ③人物 登場人物の言動を捉えて読む 会話文、行動描写 ⑤表現技法 会話文と地の文を区別しながら読む 会話文、地の文 ⑤表現技法 繰り返しの言葉を感じ取りながら読む 繰り返し(リフレイン)
1年②
73高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 73 2018/10/06 13:22
○ 学習した内容を振り返り、かえるく
んの人物像についてまとめる。 1
(公開Ⅰ) 思 学習した内容を振り返り、かえるくんの人
物像について「したこと」「話したこと」
を基にまとめている。
【発言、学習プリント】 ○ 学校司書による、アーノルド=ロー
ベル「クリスマスイブ」の読み聞かせ
を聞く。 ○ がまくんの人物像についてまとめ、
二人の関係について考える。
2 (2/2)
(公開Ⅱ)
主
思
話の内容を想像しながら、読み聞かせを
意欲的に聞いている。 【表情、聞く様子】
「したこと」「話したこと」からがまくん
の人物像についてまとめ、二人の関係につ
いて考えている。 【発言、学習プリント】
○ 学習したことを基に、登場人物に手
紙を書いて交流する。 1 思
思
学習した内容を振り返り、読みの力を生
かして、物語の内容と自分の体験とを結び
付けて手紙を書いている。
【学習プリント】
友達の発表を聞いて、自分の手紙と比べ
たり、がまくんとかえるくんの関係を考え
たりしている。
【発言、聞く様子】
4 単元の目標
・ 語句のまとまりや、登場人物の言動などに気を付けて音読することができるようにする。
(知識及び技能)
・ 「したこと」「話したこと」に着目して読み、登場人物の人物像を捉えることができるようにす
る。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
・ 「したこと」「話したこと」を手掛かりにして、登場人物について考えたことを伝えようとす
る態度を養う。 (主体的に学習に取り組む態度)
5 評価規準
○ 人物像を想像して、場面に合わせて音読している。 (知識及び技能)
○ 登場人物の「したこと」「話したこと」を基にして、登場人物の人物像について自分の考えを
もっている。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
○ 「したこと」「話したこと」を基にして、人物像を進んで考えようとしている。
(主体的に学習に取り組む態度)
6 指導計画と評価計画(10 時間完了)
知…知識及び技能 思…思考力、判断力、表現力等 主…主体的に学習に取り組む態度
指導計画 評価計画 学習内容 時数 学習 評価規準と評価方法
○ 「お手がみ」を読み、気付いたこと
や疑問に思ったことなどを学習プリ
ントに書く。
1 主
知
「お手がみ」の読み聞かせを聞いたり、音
読したりして、気付いたことや疑問に思っ
たことを学習プリントに書こうとしてい
る。 【学習プリント】
場面に合わせて音読している。 【音読の様子】
○ 前時での気付きや疑問を基に、学習
の「問い」を考え、「答え」を予想し、
学習プリントに書く。
1 思
「お手がみ」の学習の「問い」を考え、
「答え」を予想して学習プリントに書いて
いる。 【学習プリント】
○ 登場人物や内容の大体をおさえる。 1 思
思
作品の内容について大体を読み取ってい
る。 【学習プリント】 どのような力を身に付ければ良いか理解
している。 【学習マップ】 ○ かえるくんの「したこと」「話した
こと」を基に、かえるくんの人物像に
ついて自分の考えをもち、発表する。 ① がまくんが手紙を待つ場面 ② かえるくんが手紙を書いた場面 ③ 二人で手紙を待つ場面
3
思
思
「したこと」「話したこと」を基にして、
かえるくんの人物像について自分の考えを
もっている。 【発言、学習プリント】 場面の様子に着目して、登場人物の気持
ちを考えて読んでいる。 【発言、学習プリント】
1年③
74 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 74 2018/10/06 13:22
○ 学習した内容を振り返り、かえるく
んの人物像についてまとめる。 1
(公開Ⅰ) 思 学習した内容を振り返り、かえるくんの
人物像について「したこと」「話したこと」
を基にまとめている。
【発言、学習プリント】 ○ 学校司書による、アーノルド=ロー
ベル「クリスマスイブ」の読み聞かせ
を聞く。 ○ がまくんの人物像についてまとめ、
二人の関係について考える。
2 (2/2)
(公開Ⅱ)
主
思
話の内容を想像しながら、読み聞かせを
意欲的に聞いている。 【表情、聞く様子】
「したこと」「話したこと」からがまくん
の人物像についてまとめ、二人の関係につ
いて考えている。 【発言、学習プリント】
○ 学習したことを基に、登場人物に手
紙を書いて交流する。 1 思
思
学習した内容を振り返り、読みの力を生
かして、物語の内容と自分の体験とを結び
付けて手紙を書いている。
【学習プリント】
友達の発表を聞いて、自分の手紙と比べ
たり、がまくんとかえるくんの関係を考え
たりしている。
【発言、聞く様子】
4 単元の目標
・ 語句のまとまりや、登場人物の言動などに気を付けて音読することができるようにする。
(知識及び技能)
・ 「したこと」「話したこと」に着目して読み、登場人物の人物像を捉えることができるようにす
る。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
・ 「したこと」「話したこと」を手掛かりにして、登場人物について考えたことを伝えようとす
る態度を養う。 (主体的に学習に取り組む態度)
5 評価規準
○ 人物像を想像して、場面に合わせて音読している。 (知識及び技能)
○ 登場人物の「したこと」「話したこと」を基にして、登場人物の人物像について自分の考えを
もっている。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
○ 「したこと」「話したこと」を基にして、人物像を進んで考えようとしている。
(主体的に学習に取り組む態度)
6 指導計画と評価計画(10 時間完了)
知…知識及び技能 思…思考力、判断力、表現力等 主…主体的に学習に取り組む態度
指導計画 評価計画 学習内容 時数 学習 評価規準と評価方法
○ 「お手がみ」を読み、気付いたこと
や疑問に思ったことなどを学習プリ
ントに書く。
1 主
知
「お手がみ」の読み聞かせを聞いたり、音
読したりして、気付いたことや疑問に思っ
たことを学習プリントに書こうとしてい
る。 【学習プリント】
場面に合わせて音読している。 【音読の様子】
○ 前時での気付きや疑問を基に、学習
の「問い」を考え、「答え」を予想し、
学習プリントに書く。
1 思
「お手がみ」の学習の「問い」を考え、
「答え」を予想して学習プリントに書いて
いる。 【学習プリント】
○ 登場人物や内容の大体をおさえる。 1 思
思
作品の内容について大体を読み取ってい
る。 【学習プリント】 どのような力を身に付ければ良いか理解
している。 【学習マップ】 ○ かえるくんの「したこと」「話した
こと」を基に、かえるくんの人物像に
ついて自分の考えをもち、発表する。 ① がまくんが手紙を待つ場面 ② かえるくんが手紙を書いた場面 ③ 二人で手紙を待つ場面
3
思
思
「したこと」「話したこと」を基にして、
かえるくんの人物像について自分の考えを
もっている。 【発言、学習プリント】 場面の様子に着目して、登場人物の気持
ちを考えて読んでいる。 【発言、学習プリント】
1年④
75高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 75 2018/10/09 17:36
(3 分)
(3 分)
(3 分)
⑵ 「したこと」と「話したこと」から、
かえるくんの人物像を考える。
⑶ ペアの友達に人物像を伝える。
⑷ ペアを変えて人物像を伝える。
○ これまでに記述した学習プリントや掲
示物を見直させ、どのように読み取って
きたかを確かめさせる。
○ 一人目と同じように、「①人物像②その
理由」の順で伝えさせる。
10分
7分
4 かえるくんの人物像を発表する。
5 かえるくんの人物像をまとめる。
○ 学習活動3の話型を提示する。
○ 「したこと」「話したこと」が分かるよ
うに板書する。
○ これまでの学習や本時で話し合ったこ
とを基にして、人物像とその理由を書か
せる。
5分
6 本時の学習についてまとめる。
○ めあてを振り返り、その達成度を自己
評価させる。
3分 7 本時を振り返り、次の学習への見通しを
もつ。
◯ できるようになったこと、感じたこと、
これから学習したいことを発表させる。
○ 学習マップにシールを貼らせたり、内
容を確かめさせたりして、次の学習への
見通しをもたせる。
評価事項
「したこと」「話したこと」を基にして、「優しい人」「思いやりのある人」など、自分の捉
えた人物像をまとめている。
〈学習プリント〉(思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
□…人物像を表現する言葉に迷っている児童には、学習プリントや板書を確かめさせ、その
中の言葉を使って自分の考えをまとめることができるようにする。
☆…人物像や理由について、一つでなくともよいことを知らせ、他の表現からも人物像を捉
えることができるようにする。
振り返る
まとめる
なかまと対話する
7 本時の指導(1年2組 7/10時)
⑴ 目標
登場人物について考える方法を振り返り、かえるくんの人物像をまとめることができるように
する。
⑵ 準備
教師:学習プリント、学習マップ(拡大)、がまくん、かえるくんの挿絵
「お手がみ」全文ボード
児童:前時までの学習プリント、学習マップ
⑶ 指導過程
時間 段階 学 習 内 容 指 導 上 の 留 意 点
3分 1 本時のめあてを知る。
⑴ 前時の学習を振り返り、本時は、かえ
るくんがどんな人かをまとめる学習をす
ることを知る。
○ 登場人物の人物像をまとめる学習への
意欲をもつことができるように、前時ま
での学習プリントや掲示物を見て、確か
めさせる。
5分
(2 分)
(3 分)
12分
(3 分)
2 登場人物について考えるための方法を振
り返る。
⑴ 前時までの学習を想起し、人物像を捉
える方法について発表する。
⑵ 人物像を捉える時に大切なことを学習
プリントに記入する。
3 かえるくんの人物像について「したこと」
「話したこと」を基にして、考えたことを
ペアの友達に伝える。
⑴ 考えのまとめ方を知る。
○ 前時までの学習内容を想起できない児
童には、前時の学習プリントを手掛かり
にして、学習内容を想起させる。
○ 人物像を捉えるには、「したこと」や「話
したこと」から考えるとよいということ
を確認する。
○ かたつむりくんの「したこと」や「話
したこと」を例にして考えのまとめ方を
示す。
○ 発表するときの話型を提示する。
○ 聞き手に「どうしてそれを、理由にし
たのですか。」と質問させ、人物像を捉え
る根拠となった行動描写や会話文に対す
る解釈をさらに伝えさせるようにする。
めあてをつかむ
めあて:かえるくんがどんな人かをまとめよう。
【提示する話型】
わたしは、かえるくんは、 な人だと思います。(人物像)
なぜなら、~だからです。(理由)
なかまと対話する
自分の考えをもつ
1年⑤
76 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 76 2018/10/06 13:22
(3 分)
(3 分)
(3 分)
⑵ 「したこと」と「話したこと」から、
かえるくんの人物像を考える。
⑶ ペアの友達に人物像を伝える。
⑷ ペアを変えて人物像を伝える。
○ これまでに記述した学習プリントや掲
示物を見直させ、どのように読み取って
きたかを確かめさせる。
○ 一人目と同じように、「①人物像②その
理由」の順で伝えさせる。
10分
7分
4 かえるくんの人物像を発表する。
5 かえるくんの人物像をまとめる。
○ 「したこと」「話したこと」が分かるよ
うに板書する。
○ これまでの学習や本時で話し合ったこ
とを基にして、人物像とその理由を書か
せる。
5分
6 本時の学習についてまとめる。
○ めあてを振り返り、その達成度を自己
評価させる。
3分 7 本時を振り返り、次の学習への見通しを
もつ。
◯ できるようになったこと、感じたこと、
これから学習したいことを発表させる。
○ 学習マップにシールを貼らせたり、内
容を確かめさせたりして、次の学習への
見通しをもたせる。
8 本時の指導(1年1組 9/10時)
評価事項
「したこと」「話したこと」を基にして、「優しい人」「思いやりのある人」など、自分の捉
えた人物像をまとめている。
〈学習プリント〉(思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
□…人物像を表現する言葉に迷っている児童には、学習プリントや板書を確かめさせ、その
中の言葉を使って自分の考えをまとめることができるようにする。
☆…人物像や理由について、一つでなくともよいことを知らせ、他の表現からも人物像を捉
えることができるようにする。
振り返る
まとめる
なかまと対話する
7 本時の指導(1年2組 7/10時)
⑴ 目標
登場人物について考える方法を振り返り、かえるくんの人物像をまとめることができるように
する。
⑵ 準備
教師:学習プリント、学習マップ(拡大)、がまくん、かえるくんの挿絵
「お手がみ」全文ボード
児童:前時までの学習プリント、学習マップ
⑶ 指導過程
時間 段階 学 習 内 容 指 導 上 の 留 意 点
3分 1 本時のめあてを知る。
⑴ 前時の学習を振り返り、本時は、かえ
るくんがどんな人かをまとめる学習をす
ることを知る。
○ 登場人物の人物像をまとめる学習への
意欲をもつことができるように、前時ま
での学習プリントや掲示物を見て、確か
めさせる。
5分
(2 分)
(3 分)
12分
(3 分)
2 登場人物について考えるための方法を振
り返る。
⑴ 前時までの学習を想起し、人物像を捉
える方法について発表する。
⑵ 人物像を捉える時に大切なことを学習
プリントに記入する。
3 かえるくんの人物像について「したこと」
「話したこと」を基にして、考えたことを
ペアの友達に伝える。
⑴ 考えのまとめ方を知る。
○ 前時までの学習内容を想起できない児
童には、前時の学習プリントを手掛かり
にして、学習内容を想起させる。
○ 人物像を捉えるには、「したこと」や「話
したこと」から考えるとよいということ
を確認する。
○ かたつむりくんの「したこと」や「話
したこと」を例にして考えのまとめ方を
示す。
○ 発表するときの話型を提示する。
○ 聞き手に「どうしてそれを、理由にし
たのですか。」と質問させ、人物像を捉え
る根拠となった行動描写や会話文に対す
る解釈をさらに伝えさせるようにする。
めあてをつかむ
めあて:かえるくんがどんな人かをまとめよう。
【提示する話型】
わたしは、かえるくんは、 な人だと思います。(人物像)
なぜなら、~だからです。(理由)
なかまと対話する
自分の考えをもつ
1年⑥
77高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 77 2018/10/09 17:37
(6 分)
17 分
(3 分)
(8 分)
(6 分)
自分の考えをもつ
⑵ ペアで発表した人物像を学級で
共有する。
4 がまくん、かえるくんの二人の関係
について考える。
⑴ 相手との関係を示す言葉を発表
する。
⑵ 二人の関係について発表する。
⑶ 二人の関係についてまとめる。
○ 「したこと」「話したこと」を基にして
人物像を捉えることは、「お手がみ」の学
習で身に付けた読みの観点を生かしてい
ることを確認する。
◯ 相手との関係を示す言葉には様々なも
のがあり、心の距離が異なることを確かめ
させる。
◯ 2枚のホワイトボードを近付けたり、遠
ざけたりして、相手との関係を示す言葉の
心の距離を可視化する。
◯ 2作品を通して、互いが思い合う関係で
あることを押さえる。
○ 児童が意見を述べ合った後に、2枚のホ
ワイトボードを近付け、心を通い合わせて
いることを視覚的に理解させる。
3分 まとめる
5 本時の学習についてまとめる。
○ めあてを振り返り、その達成度を自己評
価させ、評価した理由を数人に発表させ
る。
2分 振り返る
6 本時を振り返り、次の学習への見通
しをもつ。
◯ できるようになったこと、感じたこと、
これから学習したいことを発表させる。
○ 学習マップにシールを貼らせたり、内容
を確かめさせたりして、次の学習への見通
しをもたせる。
評価事項
二人が心を通い合わせた親友であることを、捉えた人物像を基にまとめている。
〈学習プリント〉(思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
□…これまでにまとめた人物像を基に、互いが相手のことをどう考えていたかを想起させるこ
とで、二人の関係を考えることができるようにする。
☆…二人の関係を捉える表現は、一つでなくてもよいことを知らせ、他の表現からも関係を考
えることができるようにする。
8 本時の指導(1年1組 9/10時)
(1) 目標
同作者の「クリスマスイブ」を読み、「したこと」と「話したこと」を基に、がまくんの人物
像をまとめ、二人の関係を考えることができるようにする。
(2) 準備
教師:学習プリント、学習マップ(拡大)、がまくん、かえるくんの挿絵
「クリスマスイブ」全文ボード、
児童:前時までの学習プリント、学習マップ、「クリスマスイブ」全文プリント
(3) 指導過程
時 間 段階 学 習 内 容 指 導 上 の 留 意 点
3分 めあてをつかむ
1 本時のめあてを知る。
⑴ 前時の学習を振り返り、本時は、
がまくんがどんな人かをまとめる
学習をすることを知る。
◯ がまくんの人物像をまとめる学習である
ことを確かめる。
◯ がまくんの挿絵だけが貼られたホワイト
ボードを示し、がまくんの人物像は分から
ないままであることを確かめる。
10 分
(2 分)
(2 分)
(6 分)
自分の考えをもつ
2 がまくんの人物像をまとめる。
⑴ 人物像が捉えられる表現を発表
する。
⑵ まとめ方を知る。
⑶ 「したこと」「話したこと」を基
にまとめる。
○ 前時までに学習したことを基に発表さ
せる。
○ かえるくんを気遣う表現を取り上げ、が
まくんとかえるくんとの関係を考える学
習につなげることができるようにする。
◯ 「お手がみ」の学習を振り返り、かえる
くんの人物像のまとめ方を生かすことを
伝える。
◯ 人物像、理由の順にまとめることを確か
めさせる。
◯ 考えた人物像や理由を中心に書くこと
ができるように、学習プリントに文型の一
部を示しておく。
10 分
(4 分)
なかまと対話する
3 がまくんの人物像を発表する。
⑴ ペアの友達に人物像を伝える。
○ ペアでの発表を通して、様々な人物像が
あることや、同じ人物像であっても理由が
違うことに気付かせる。
○ 「したこと」「話したこと」を中心に理
由を話せばよいことを押さえる。
めあて:がまくんがどんな人かをまとめ、ふたりのかんけいをかんがえよう。
1年⑦
78 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 78 2018/10/06 13:23
(6 分)
17 分
(3 分)
(8 分)
(6 分)
自分の考えをもつ
⑵ ペアで発表した人物像を学級で
共有する。
4 がまくん、かえるくんの二人の関係
について考える。
⑴ 相手との関係を示す言葉を発表
する。
⑵ 二人の関係について発表する。
⑶ 二人の関係についてまとめる。
○ 「したこと」「話したこと」を基にして
人物像を捉えることは、「お手がみ」の学
習で身に付けた読みの観点を生かしてい
ることを確認する。
◯ 相手との関係を示す言葉には様々なも
のがあり、心の距離が異なることを確かめ
させる。
◯ 2枚のホワイトボードを近付けたり、遠
ざけたりして、相手との関係を示す言葉の
心の距離を可視化する。
◯ 2作品を通して、互いが思い合う関係で
あることを押さえる。
○ 児童が意見を述べ合った後に、2枚のホ
ワイトボードを近付け、心を通い合わせて
いることを視覚的に理解させる。
3分 まとめる
5 本時の学習についてまとめる。
○ めあてを振り返り、その達成度を自己評
価させ、評価した理由を数人に発表させ
る。
2分 振り返る
6 本時を振り返り、次の学習への見通
しをもつ。
◯ できるようになったこと、感じたこと、
これから学習したいことを発表させる。
○ 学習マップにシールを貼らせたり、内容
を確かめさせたりして、次の学習への見通
しをもたせる。
評価事項
二人が心を通い合わせた親友であることを、捉えた人物像を基にまとめている。
〈学習プリント〉(思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
□…これまでにまとめた人物像を基に、互いが相手のことをどう考えていたかを想起させるこ
とで、二人の関係を考えることができるようにする。
☆…二人の関係を捉える表現は、一つでなくてもよいことを知らせ、他の表現からも関係を考
えることができるようにする。
8 本時の指導(1年1組 9/10時)
(1) 目標
同作者の「クリスマスイブ」を読み、「したこと」と「話したこと」を基に、がまくんの人物
像をまとめ、二人の関係を考えることができるようにする。
(2) 準備
教師:学習プリント、学習マップ(拡大)、がまくん、かえるくんの挿絵
「クリスマスイブ」全文ボード、
児童:前時までの学習プリント、学習マップ、「クリスマスイブ」全文プリント
(3) 指導過程
時 間 段階 学 習 内 容 指 導 上 の 留 意 点
3分 めあてをつかむ
1 本時のめあてを知る。
⑴ 前時の学習を振り返り、本時は、
がまくんがどんな人かをまとめる
学習をすることを知る。
◯ がまくんの人物像をまとめる学習である
ことを確かめる。
◯ がまくんの挿絵だけが貼られたホワイト
ボードを示し、がまくんの人物像は分から
ないままであることを確かめる。
10 分
(2 分)
(2 分)
(6 分)
自分の考えをもつ
2 がまくんの人物像をまとめる。
⑴ 人物像が捉えられる表現を発表
する。
⑵ まとめ方を知る。
⑶ 「したこと」「話したこと」を基
にまとめる。
○ 前時までに学習したことを基に発表さ
せる。
○ かえるくんを気遣う表現を取り上げ、が
まくんとかえるくんとの関係を考える学
習につなげることができるようにする。
◯ 「お手がみ」の学習を振り返り、かえる
くんの人物像のまとめ方を生かすことを
伝える。
◯ 人物像、理由の順にまとめることを確か
めさせる。
◯ 考えた人物像や理由を中心に書くこと
ができるように、学習プリントに文型の一
部を示しておく。
10 分
(4 分)
なかまと対話する
3 がまくんの人物像を発表する。
⑴ ペアの友達に人物像を伝える。
○ ペアでの発表を通して、様々な人物像が
あることや、同じ人物像であっても理由が
違うことに気付かせる。
○ 「したこと」「話したこと」を中心に理
由を話せばよいことを押さえる。
めあて:がまくんがどんな人かをまとめ、ふたりのかんけいをかんがえよう。
1年⑧
79高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 79 2018/10/06 13:23
MEMO
MEMO
80 高蔵小学校 指導案集
MEMO
MEMO
81高蔵小学校 指導案集
⑶ 系統的に見た位置
一学期に学習した物語教材「きつねのおきゃくさま」では、「あらすじを捉えて読む」「繰り返し
や比喩の効果を考えながら読む」技能を習得した。また、物語教材のテーマである「勇気」につい
て自分の考えをまとめ、伝え合う学習をした。それらを受けて本単元では、テーマが同じ物語の内
容の大体を捉えた後、共通点や相違点に着目して読み、自分の考えをまとめたり、文章の内容と自
分の体験とを結び付けて自分の考えを形成し、相手に伝わるように構成を意識して論理的に伝えた
りすることができるようにする。
このような学習は、第3学年で学習する物語教材「わすれられないおくりもの」で、登場人物の
気持ちの変化について場面の移り変わりと関わらせながら読んだり、体験や既習の内容と結び付け
ながら読んだりすることを通して、自分らしい視点から物語の好きなところを選び、友達と紹介し
合うという学習につながる。
3 研究主題に迫るために
⑴ 主体的・循環的で深い学びのある授業にするために
・ 体験・生活と結び付いた「自分の考え」の形成
主体的で深い学びのある授業にするために、物語教材「わにのおじいさんのたからもの」の特質
を生かし、「宝物(大切なもの)とは何か」「自分にとっての宝物とはどんなものなのか」という学
習課題を提示する。単元を通して自分の体験や生活と結び付けながら考えを形成させることで、宝
物に込められた思いについて、主体的に課題を解決する学習過程を構想する。
・ 児童の読みの実態と関心を把握・分析する「読みの花畑」の活用
初めて教材を読んだ時、「おもしろかった場面」「疑問に思った場面」「大切だと思った場面」と
いうように場面単位で選んで感想をもたせ、学級の全児童の読みの実態と関心を把握・分析して「読
みの花畑」を作成する。「読みの花畑」を読みの全授業で活用することで、導入段階でもった児童
の読みの意欲を持続させるとともに、一人一人の読みを学級全体で共有する。
・ 学びの振り返りと次の課題を見付ける「たからもの単元マップ」の活用
循環的で深い学びを実現するために、児童が自分の学びを振り返り、次の課題を見付けるための
「たからもの単元マップ」を活用する。「たからもの単元マップ」で児童に到達目標を示し、学習
の見通しをもたせるとともに、児童が自分の学びを言語化することで、問題を捉えて新たな課題を
もったり、他教科や自分の生活につながる汎用的な力を獲得したりすることにつなげる。
⑵ 対話的・協働的で深い学びのある授業にするために
・ 「自分の考え」の明確化のための、二つの物語の比較と交流
対話的・協働的で深い学びのある授業にするために、話し合いの前提として、まずは一人一人に、
相手に伝えたいと思えるような「自分の考え」を確実にもたせる。物語を比較する言語活動では視
点を明確に示して自分の考えをもたせ、対話により共有する。自分の宝物を伝える活動では、宝物
の理由や思いをスピーチメモとして論理的にまとめ、メモを基に友達に伝えて交流する。
・ 考えを深めるための対話の工夫
物語から読み取った宝物の価値や自分の考える宝物について、友達との対話により交流し、互い
の考えをつなぐ。他者との対話を通して、話し手が宝物をどのように捉えたのかを問い直したり、
理解し直したりするだけでなく、聞き手も他者の考えを共感的に聞き、声に出して確かめることで、
自分の考えを広げ深めたり、新たな価値観を発見したりすることができると考える。
高蔵小学校第2学年1組・2組 国語科学習指導案
平成30年11月2日(金)公開授業Ⅰ(2-1) 授業者 西川 晴之
公開授業Ⅱ(2-2) 授業者 森 貴世美
1 単元
物語の読みからはじまる「わたしのたからもの」のはっ見
- 体験と結び付けて考えたことを共有する -
2 単元について
⑴ 単元の意義
本単元「物語の読みからはじまる『わたしのたからもの』のはっ見」は、物語を想像豊かに読み
取り、そこからさらに物語の枠を超えて、読み取った内容と自分を取り巻く状況、体験を関連付け
て見つめ直すことで、自分を生かし支えてくれる大切な存在を再発見し、発見したことを自分の言
葉で分かりやすく他者に伝えて共有することを目指している。
主教材「わにのおじいさんのたからもの」において、おにの子が宝物を見付けるまでの過程を想
像豊かに読み取り、おにの子が見付けた宝物の価値についての自分の考えをもつ。また、学んだ物
語の読み方を、宝物をテーマとして扱った他の物語を読む際に生かすとともに、複数の物語を比較
して読むことで、学んだことをこれからの学びや自分の読書生活に広げることができるようにする。
本単元では、「高蔵小学校 読みの系統指導カリキュラム」に基づいて、以下に示す「読みの技
能」と「読みの用語」を押さえて指導を進めていく。
さらに、宝物という視点から発見した自分にとって本当に「大切なもの」について、理由を明ら
かにして伝える言語活動を行うことで、宝物とは「単なるもの」ではなく、その背景にある、自分
を生かし支えてくれる存在であることに気付くという新たな価値観の発見につながると考える。
⑵ 単元と児童の関係
本学年の児童は、物語を読むことが好きである。家庭学習での音読も習慣化している児童が多い。
前単元「くりかえしのあるお話を作ろう」では、「勇気」をテーマとした様々な物語を読み、自分
の考えを伝え合った。児童は物語を読むことの楽しさに気付けるようになってきたが、身に付けた
物語の読み方を意識して主体的に様々な物語を読んだり、自分の体験や生活と結び付けながら物語
についての自分の考えをもったりすることのできる児童は少ない。
そこで、本単元では、単元の導入で自分の宝物を友達に伝えるという学習課題を示し、児童が体
験や生活を振り返り、主体的に学ぼうとする意欲を引き出す。また、宝物をテーマとした他の様々
な物語を比較して読み、自分の宝物に対する考えを友達と豊かに共有する。こうした言語活動は、
様々な情報があふれる現代社会において、目の前の情報をうのみにすることなく、多面的に物事を
捉え、主体的に自分らしい考えをもち、生きていく姿勢を育成することにつながると考える。
読みの系列 読みの技能 読みの用語
①作品の構造 場面を捉えて読む 場面
③人物 登場人物の行動をイメージして読む 登場人物の行動
④メッセージ 自分の体験と結び付けて読む 自分の体験
④メッセージ 考えたこと、感じたことを共有する 考えたこと、感じたこと
⑤表現技法 共通・相違などの関係について理解する 似ていること、違うこと
2年①
82 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 82 2018/10/09 17:38
⑶ 系統的に見た位置
1学期に学習した物語教材「きつねのおきゃくさま」では、「あらすじを捉えて読む」「繰り返し
や比喩の効果を考えながら読む」技能を習得した。また、物語教材のテーマである「勇気」につい
て自分の考えをまとめ、伝え合う学習をした。それらを受けて本単元では、テーマが同じ物語の内
容の大体を捉えた後、共通点や相違点に着目して読み、自分の考えをまとめたり、文章の内容と自
分の体験とを結び付けて自分の考えを形成し、相手に伝わるように構成を意識して論理的に伝えた
りすることができるようにする。
このような学習は、第3学年で学習する物語教材「わすれられないおくりもの」で、登場人物の
気持ちの変化について場面の移り変わりと関わらせながら読んだり、体験や既習の内容と結び付け
ながら読んだりすることを通して、自分らしい視点から物語の好きなところを選び、友達と紹介し
合うという学習につながる。
3 研究主題に迫るために
⑴ 主体的・循環的で深い学びのある授業にするために
・ 体験・生活と結び付いた「自分の考え」の形成
主体的で深い学びのある授業にするために、物語教材「わにのおじいさんのたからもの」の特質
を生かし、「宝物(大切なもの)とは何か」「自分にとっての宝物とはどんなものなのか」という学
習課題を提示する。単元を通して自分の体験や生活と結び付けながら考えを形成させることで、宝
物に込められた思いについて、主体的に課題を解決する学習過程を構想する。
・ 児童の読みの実態と関心を把握・分析する「読みの花畑」の活用
初めて教材を読んだ時、「おもしろかった場面」「疑問に思った場面」「大切だと思った場面」と
いうように場面単位で選んで感想をもたせ、学級の全児童の読みの実態と関心を把握・分析して「読
みの花畑」を作成する。「読みの花畑」を読みの全授業で活用することで、導入段階でもった児童
の読みの意欲を持続させるとともに、一人一人の読みを学級全体で共有する。
・ 学びの振り返りと次の課題を見付ける「たからもの単元マップ」の活用
循環的で深い学びを実現するために、児童が自分の学びを振り返り、次の課題を見付けるための
「たからもの単元マップ」を活用する。「たからもの単元マップ」で児童に到達目標を示し、学習
の見通しをもたせるとともに、児童が自分の学びを言語化することで、問題を捉えて新たな課題を
もったり、他教科や自分の生活につながる汎用的な力を獲得したりすることにつなげる。
⑵ 対話的・協働的で深い学びのある授業にするために
・ 「自分の考え」の明確化のための、二つの物語の比較と交流
対話的・協働的で深い学びのある授業にするために、話し合いの前提として、まずは一人一人に、
相手に伝えたいと思えるような「自分の考え」を確実にもたせる。物語を比較する言語活動では視
点を明確に示して自分の考えをもたせ、対話により共有する。自分の宝物を伝える活動では、宝物
の理由や思いをスピーチメモとして論理的にまとめ、メモを基に友達に伝えて交流する。
・ 考えを深めるための対話の工夫
物語から読み取った宝物の価値や自分の考える宝物について、友達との対話により交流し、互い
の考えをつなぐ。他者との対話を通して、話し手が宝物をどのように捉えたのかを問い直したり、
理解し直したりするだけでなく、聞き手も他者の考えを共感的に聞き、声に出して確かめることで、
自分の考えを広げ深めたり、新たな価値観を発見したりすることができると考える。
高蔵小学校第2学年1組・2組 国語科学習指導案
平成30年11月2日(金)公開授業Ⅰ(2-1) 授業者 西川 晴之
公開授業Ⅱ(2-2) 授業者 森 貴世美
1 単元
物語の読みからはじまる「わたしのたからもの」のはっ見
- 体験と結び付けて考えたことを共有する -
2 単元について
⑴ 単元の意義
本単元「物語の読みからはじまる『わたしのたからもの』のはっ見」は、物語を想像豊かに読み
取り、そこからさらに物語の枠を超えて、読み取った内容と自分を取り巻く状況、体験を関連付け
て見つめ直すことで、自分を生かし支えてくれる大切な存在を再発見し、発見したことを自分の言
葉で分かりやすく他者に伝えて共有することを目指している。
主教材「わにのおじいさんのたからもの」において、おにの子が宝物を見付けるまでの過程を想
像豊かに読み取り、おにの子が見付けた宝物の価値についての自分の考えをもつ。また、学んだ物
語の読み方を、宝物をテーマとして扱った他の物語を読む際に生かすとともに、複数の物語を比較
して読むことで、学んだことをこれからの学びや自分の読書生活に広げることができるようにする。
本単元では、「高蔵小学校 読みの系統指導カリキュラム」に基づいて、以下に示す「読みの技
能」と「読みの用語」を押さえて指導を進めていく。
さらに、宝物という視点から発見した自分にとって本当に「大切なもの」について、理由を明ら
かにして伝える言語活動を行うことで、宝物とは「単なるもの」ではなく、その背景にある、自分
を生かし支えてくれる存在であることに気付くという新たな価値観の発見につながると考える。
⑵ 単元と児童の関係
本学年の児童は、物語を読むことが好きである。家庭学習での音読も習慣化している児童が多い。
前単元「くりかえしのあるお話を作ろう」では、「勇気」をテーマとした様々な物語を読み、自分
の考えを伝え合った。児童は物語を読むことの楽しさに気付けるようになってきたが、身に付けた
物語の読み方を意識して主体的に様々な物語を読んだり、自分の体験や生活と結び付けながら物語
についての自分の考えをもったりすることのできる児童は少ない。
そこで、本単元では、単元の導入で自分の宝物を友達に伝えるという学習課題を示し、児童が体
験や生活を振り返り、主体的に学ぼうとする意欲を引き出す。また、宝物をテーマとした他の様々
な物語を比較して読み、自分の宝物に対する考えを友達と豊かに共有する。こうした言語活動は、
様々な情報があふれる現代社会において、目の前の情報をうのみにすることなく、多面的に物事を
捉え、主体的に自分らしい考えをもち、生きていく姿勢を育成することにつながると考える。
読みの系列 読みの技能 読みの用語
①作品の構造 場面を捉えて読む 場面
③人物 登場人物の行動をイメージして読む 登場人物の行動
④メッセージ 自分の体験と結び付けて読む 自分の体験
④メッセージ 考えたこと、感じたことを共有する 考えたこと、感じたこと
⑤表現技法 共通・相違などの関係について理解する 似ていること、違うこと
2年②
83高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 83 2018/10/09 17:38
○ 行動・会話や情景描写から、おにの
子やわにのおじいさんの人物像を読
み取る。
思
行動・会話や情景描写を基に、おにの
子やわにのおじいさんの人物像を読み
取っている。
【発言、学習プリント】
○ おにの子が宝物を見付ける旅を想
像豊かに読み取り、おにの子が見付け
た宝物とは何かについて自分の考え
をもち、友達と共有する。
2
思 「わにのおじいさんのたからもの」に
おけるおにの子が見付けた宝物につい
ての自分の考えをもっている。
【発言、学習プリント】
○ 宝物をテーマとした物語の共通点、
相違点という視点から、自分の考えを
もつ。
○ 宝物をテーマとした物語を自分で
選ぶ。
○ 自分が選んだ物語に出てくる宝物
と、おにの子が見付けた宝物とを比較
しながら自分の考えをもつ。
3
1/3
(公開Ⅰ)
知
思
思
思
「うずらちゃんのたからもの」とおに
の子が見付けた宝物との共通点や相違
点を見付け、自分の考えをもっている。
【発言、学習プリント】
友達との対話により、宝物についての
自分の考えを深めている。
【発言、学習プリント】
並行して読んだ物語の中から、自分が
紹介したい物語を選んでいる。
【発言、学習プリント】
習得した物語の読み方を生かし、比較
しながら宝物についての考えをもって
いる。 【発言、学習プリント】
○ 自分にとっての宝物を選び、宝物の
背景にあるものを想起する。
○ 「はじめ」「なか」「まとめ」の三段
階の構成で、自分の宝物を紹介するス
ピーチメモを書く。
2
思
思
自分の体験や生活を振り返り、自分に
とっての宝物とは何かを考えている。
【発言、学習プリント】
三段階の構成で、宝物を紹介するス
ピーチメモを書いている。
【学習プリント】
○ 「みんなにつたえよう、わたしのた
からもの」というテーマで、自分の宝
物についてのスピーチをする。
○ 友達のスピーチから、どうしてそれ
が宝物なのかを聞き取り、友達との対
話により感想を交流する。
4
4/4
(公開Ⅱ)
思
思
宝物の実物や写真を活用しながら、聞
き手を意識しながらスピーチをしたり
聞いたりしている。
【話す様子、聞く様子】
友達との対話により、比較しながら自
分の考えをもっている。
【学習プリント】
○ 「たからもの単元マップ」を使い、
学びの到達度を確認する。
○ 新たな気付きや、他教科やこれから
の自分の生活に生かせること、今後身
に付けたい力について交流する。
1
主
主
学びの到達度をチェックし、身に付け
た言葉の力を確認している。
【発言、単元マップ】
学びを振り返り、他教科やこれからの
生活に生かせることについて、考えを
もっている。 【発言、単元マップ】
4 単元の目標
・ 共通、相違など情報と情報との関係について理解できるようにする。 (知識及び技能)
・ 自分を生かし支えてくれる宝物(大切なもの)を再発見し、伝え合うことができるようにする。
(思考力、判断力、表現力等【話すこと・聞くこと】)
・ 物語教材「わにのおじいさんのたからもの」と自分が選んだ宝物をテーマとした物語を、場面構
成や登場人物の行動・会話や情景描写を中心に、想像豊かに読み取ることができるようにする。
(思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
・ 物語を読み取った内容と自分の体験とを結び付けて考えをもつことで、自分を取り巻く状況を見
つめ直す態度を養う。 (主体的に学習に取り組む態度)
5 評価規準
○ 自分や友達の宝物についての共通点、相違点を見付けるなど、情報と情報との関係について理解
している。 (知識及び技能)
○ 聞き手を意識しながら自分の宝物を紹介するスピーチをしている。また、友達のスピーチから、
どうしてそれが宝物なのかを聞き取り、共通点や相違点という視点から自分の考えをもち、考えを
交流している。 (思考力、判断力、表現力等【話すこと・聞くこと】)
○ 「わにのおじいさんのたからもの」や宝物がテーマになった物語を読み、宝物の価値について様々
な表現と比較したり、自分の体験と結び付けたりしながら自分の考えをもっている。
(思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
○ 物語を読むことの楽しさに気付き、学んだことをこれからの学習や読書生活、また自分の生き方、
ものの見方や感じ方につなごうとしている。 (主体的に学習に取り組む態度)
6 指導計画と評価計画(15時間完了)
知…知識及び技能 思…思考力、判断力、表現力等 主…主体的に学習に取り組む態度
指導計画 評価計画
学習内容 時数 観点 評価規準と評価方法
○ 「たからもの単元マップ」を見て、
学びの過程と到達目標を知る。
○ 「わにのおじいさんのたからもの」
を読み、「おもしろかった場面」「疑問
に思った場面」「大切だと思った場面」
を選び、選んだ理由を書く。
1
主
思
単元の見通しをもち、どんな力を身に
付ければよいかを理解している。
【発言、単元マップ】
物語は場面単位で読むことを理解し、
興味をもった場面や疑問に思った場面
を選んでいる。
【発言、学習プリント】
○ おにの子がわにのおじいさんに出
会い、宝物を見付けるまでのあらすじ
を場面ごとに読み取る。
2
思 おにの子がわにのおじいさんに出会
い、宝物を見付けるまでのあらすじを読
み取っている。
2年③
84 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 84 2018/10/09 17:38
○ 行動・会話や情景描写から、おにの
子やわにのおじいさんの人物像を読
み取る。
思
行動・会話や情景描写を基に、おにの
子やわにのおじいさんの人物像を読み取
っている。
【発言、学習プリント】
○ おにの子が宝物を見付ける旅を想
像豊かに読み取り、おにの子が見付け
た宝物とは何かについて自分の考え
をもち、友達と共有する。
2
思 「わにのおじいさんのたからもの」に
おけるおにの子が見付けた宝物につい
ての自分の考えをもっている。
【発言、学習プリント】
○ 宝物をテーマとした物語の共通点、
相違点という視点から、自分の考えを
もつ。
○ 宝物をテーマとした物語を自分で
選ぶ。
○ 自分が選んだ物語に出てくる宝物
と、おにの子が見付けた宝物とを比較
しながら自分の考えをもつ。
3
(1/3)
(公開Ⅰ)
知
思
思
思
「うずらちゃんのたからもの」とおに
の子が見付けた宝物との共通点や相違
点を見付け、自分の考えをもっている。
【発言、学習プリント】
友達との対話により、宝物についての
自分の考えを深めている。
【発言、学習プリント】
並行して読んだ物語の中から、自分が
紹介したい物語を選んでいる。
【発言、学習プリント】
習得した物語の読み方を生かし、比較
しながら宝物についての考えをもって
いる。 【発言、学習プリント】
○ 自分にとっての宝物を選び、宝物の
背景にあるものを想起する。
○ 「はじめ」「なか」「まとめ」の三段
階の構成で、自分の宝物を紹介するス
ピーチメモを書く。
2
思
思
自分の体験や生活を振り返り、自分に
とっての宝物とは何かを考えている。
【発言、学習プリント】
三段階の構成で、宝物を紹介するスピ
ーチメモを書いている。
【学習プリント】
○ 「みんなにつたえよう、わたしのた
からもの」というテーマで、自分の宝
物についてのスピーチをする。
○ 友達のスピーチから、どうしてそれ
が宝物なのかを聞き取り、友達との対
話により感想を交流する。
4
(4/4)
(公開Ⅱ)
思
思
宝物の実物や写真を活用しながら、聞
き手を意識しながらスピーチをしたり
聞いたりしている。
【話す様子、聞く様子】
友達との対話により、比較しながら自
分の考えをもっている。
【学習プリント】
○ 「たからもの単元マップ」を使い、
学びの到達度を確認する。
○ 新たな気付きや、他教科やこれから
の自分の生活に生かせること、今後身
に付けたい力について交流する。
1
主
主
学びの到達度をチェックし、身に付け
た言葉の力を確認している。
【発言、単元マップ】
学びを振り返り、他教科やこれからの
生活に生かせることについて、考えをも
っている。 【発言、単元マップ】
4 単元の目標
・ 共通、相違など情報と情報との関係について理解できるようにする。 (知識及び技能)
・ 自分を生かし支えてくれる宝物(大切なもの)を再発見し、伝え合うことができるようにする。
(思考力、判断力、表現力等【話すこと・聞くこと】)
・ 物語教材「わにのおじいさんのたからもの」と自分が選んだ宝物をテーマとした物語を、場面構
成や登場人物の行動・会話や情景描写を中心に、想像豊かに読み取ることができるようにする。
(思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
・ 物語を読み取った内容と自分の体験とを結び付けて考えをもつことで、自分を取り巻く状況を見
つめ直す態度を養う。 (主体的に学習に取り組む態度)
5 評価規準
○ 自分や友達の宝物についての共通点、相違点を見付けるなど、情報と情報との関係について理解
している。 (知識及び技能)
○ 聞き手を意識しながら自分の宝物を紹介するスピーチをしている。また、友達のスピーチから、
どうしてそれが宝物なのかを聞き取り、共通点や相違点という視点から自分の考えをもち、考えを
交流している。 (思考力、判断力、表現力等【話すこと・聞くこと】)
○ 「わにのおじいさんのたからもの」や宝物がテーマになった物語を読み、宝物の価値について様々
な表現と比較したり、自分の体験と結び付けたりしながら自分の考えをもっている。
(思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
○ 物語を読むことの楽しさに気付き、学んだことをこれからの学習や読書生活、また自分の生き方、
ものの見方や感じ方につなごうとしている。 (主体的に学習に取り組む態度)
6 指導計画と評価計画(15時間完了)
知…知識及び技能 思…思考力、判断力、表現力等 主…主体的に学習に取り組む態度
指導計画 評価計画
学習内容 時数 観点 評価規準と評価方法
○ 「たからもの単元マップ」を見て、
学びの過程と到達目標を知る。
○ 「わにのおじいさんのたからもの」
を読み、「おもしろかった場面」「疑問
に思った場面」「大切だと思った場面」
を選び、選んだ理由を書く。
1
主
思
単元の見通しをもち、どんな力を身に
付ければよいかを理解している。
【発言、単元マップ】
物語は場面単位で読むことを理解し、
興味をもった場面や疑問に思った場面
を選んでいる。
【発言、学習プリント】
○ おにの子がわにのおじいさんに出
会い、宝物を見付けるまでのあらすじ
を場面ごとに読み取る。
2
思 おにの子がわにのおじいさんに出会
い、宝物を見付けるまでのあらすじを読
み取っている。
2年④
85高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 85 2018/10/09 17:39
15 分
なかまと対話する
3 宝物についての自分の考えを、発表し
合い、考えを深める。
○ 共通点を見付けた児童、相違点を見付
けた児童それぞれの考えを伝え合わせ、
共有することで、宝物についての認識を
深めさせる。
8分
(3分)
(5 分)
まとめる
4 学習を通して学んだことをまとめる。
⑴ 学習を通して学んだことや考えた
ことをまとめる。
⑵ 考えをまとめたり、伝え合ったりす
ることを通して、学んだことを全体で
共有する。
○ 学習プリントに学習を通して学んだ
ことや考えたことを書かせる。
○ 全員で同じ物語を比較しても様々な
考えが出たことを押さえ、一人一人の考
えの違いに目を向けさせ、交流すること
の良さに気付かせる。
3分
振り返る
5 学習の振り返りをする。
⑴ 二つの物語の宝物を比べて、自分の
考えたことをまとめ、友達と共有でき
たか確認する。
⑵ 次時は、自分が選んだ物語の中の宝
物と、おにの子が見付けた宝物とを比
べて読むことを伝える。
○ 「たからもの単元マップ」の到達目標
について、◎○△で自己評価させる。
○ 主体的に学習に取り組むことができ
るよう、次時の目標を示し、学習の見通
しをもたせる。
評価事項2 自分の考えを発表し合うことで、新たに得た様々な考えと、自分が既にもっ
ている知識や実際の経験とを結び付けるなど、宝物についての自分の考えを深
めている。 〈学習プリント〉(思考力、判断力、表現力等【読むこと】) □…自分の考えを広げられない児童には、自分の考えと友達の考えを比べるこ
とで、それぞれの良さを見付けることができるようにする。 ☆…友達の考えを聞き、自分の考えがどう変わったかに着目させることで、自
分の考えを深めることができるようにする。
7 本時の指導(2年1組 6/15時)
⑴ 目標
「うずらちゃんのたからもの」を読み、「わにのおじいさんのたからもの」でおにの子が見付け
た宝物の表現との比較により共通点や相違点を見付け、宝物についての自分の考えをもつことがで
きるようにする。また、友達と対話することで、自分の考えを広げることができるようにする。
⑵ 準備
教師:拡大した学習プリント、「うずらちゃんのたからもの」の挿絵(拡大図)
児童:学習プリント、「たからもの単元マップ」
⑶ 指導過程
時間 段階 学習活動 指導上の留意点
4分
めあてをつかむ
1 本時の学習課題と「読みの観点」を確
かめ、学習の見通しをもつ。
○ 「たからもの単元マップ」を見せ、学
習課題を確認させる。それぞれが選んだ
物語の宝物について記述する前に、全体
で学習の方法を知ることを伝える。
○ 比べて読むことで、自分の考えをもつ
ための学び方を確認させる。
15 分
(2分)
(3 分)
(3 分)
(7 分)
自分の考えをもつ
2 「うずらちゃんのたからもの」の宝物
についての自分の考えをもつ。
⑴ おにの子が見付けた宝物の表現を
確認する。
⑵ 「宝物の出てくる物語」を想起す
る。
⑶ 「うずらちゃんのたからもの」の宝
物の表現を確認する。
⑷ 宝物の表現を比べて、似ていること
や違うことを見付け、自分の考えをも
つ。
○ おにの子が見付けた宝物が「夕やけ」
であることを学習プリントに書かせる。
○ 教師が読み聞かせをした物語や自分
で選んだ物語を発表させる。
○ 「うずらちゃんのたからもの」の宝物
の表現を学習プリントに書かせる。
○ 二つの物語の宝物の表現を比較して、
相違点か共通点のどちらかの視点から、
自分の考えをもたせる。
めあて:宝物を比べて、似ていること
や違うことを見付け、自分の
考えをもとう。
評価事項1 「うずらちゃんのたからもの」とおにの子が見付けた宝物とを比較して、一
見異なるように見えるもの同士から似ている部分を見い出し、似ている理由を
明らかにするなど、共通点や相違点という視点から自分の考えをもっている。 〈発言・学習プリント〉(知識及び技能)
□…自分の考えをもてない児童には、宝物の共通点や相違点の例を示すこと
で、共通点か相違点かどちらかを見付けることができるようにする。 ☆…共通点を見付けた児童には相違点を、相違点を見付けた児童には共通点を
見付けることができるようにする。
2年⑤
86 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 86 2018/10/06 13:24
15 分
なかまと対話する
3 宝物についての自分の考えを、発表し
合い、考えを深める。
○ 共通点を見付けた児童、相違点を見付
けた児童それぞれの考えを伝え合わせ、
共有することで、宝物についての認識を
深めさせる。
8分
(3分)
(5 分)
まとめる
4 学習を通して学んだことをまとめる。
⑴ 学習を通して学んだことや考えた
ことをまとめる。
⑵ 考えをまとめたり、伝え合ったりす
ることを通して、学んだことを全体で
共有する。
○ 学習プリントに学習を通して学んだ
ことや考えたことを書かせる。
○ 全員で同じ物語を比較しても様々な
考えが出たことを押さえ、一人一人の考
えの違いに目を向けさせ、交流すること
の良さに気付かせる。
3分
振り返る
5 学習の振り返りをする。
⑴ 二つの物語の宝物を比べて、自分の
考えたことをまとめ、友達と共有でき
たか確認する。
⑵ 次時は、自分が選んだ物語の中の宝
物と、おにの子が見付けた宝物とを比
べて読むことを伝える。
○ 「たからもの単元マップ」の到達目標
について、◎○△で自己評価させる。
○ 主体的に学習に取り組むことができ
るよう、次時の目標を示し、学習の見通
しをもたせる。
評価事項2 自分の考えを発表し合うことで、新たに得た様々な考えと、自分が既にもっ
ている知識や実際の経験とを結び付けるなど、宝物についての自分の考えを深
めている。 〈学習プリント〉(思考力、判断力、表現力等【読むこと】) □…自分の考えを広げられない児童には、自分の考えと友達の考えを比べるこ
とで、それぞれの良さを見付けることができるようにする。 ☆…友達の考えを聞き、自分の考えがどう変わったかに着目させることで、自
分の考えを深めることができるようにする。
7 本時の指導(2年1組 6/15時)
⑴ 目標
「うずらちゃんのたからもの」を読み、「わにのおじいさんのたからもの」でおにの子が見付け
た宝物の表現との比較により共通点や相違点を見付け、宝物についての自分の考えをもつことがで
きるようにする。また、友達と対話することで、自分の考えを広げることができるようにする。
⑵ 準備
教師:拡大した学習プリント、「うずらちゃんのたからもの」の挿絵(拡大図)
児童:学習プリント、「たからもの単元マップ」
⑶ 指導過程
時間 段階 学習活動 指導上の留意点
4分
めあてをつかむ
1 本時の学習課題と「読みの観点」を確
かめ、学習の見通しをもつ。
○ 「たからもの単元マップ」を見せ、学
習課題を確認させる。それぞれが選んだ
物語の宝物について記述する前に、全体
で学習の方法を知ることを伝える。
○ 比べて読むことで、自分の考えをもつ
ための学び方を確認させる。
15 分
(2分)
(3 分)
(3 分)
(7 分)
自分の考えをもつ
2 「うずらちゃんのたからもの」の宝物
についての自分の考えをもつ。
⑴ おにの子が見付けた宝物の表現を
確認する。
⑵ 「宝物の出てくる物語」を想起す
る。
⑶ 「うずらちゃんのたからもの」の宝
物の表現を確認する。
⑷ 宝物の表現を比べて、似ていること
や違うことを見付け、自分の考えをも
つ。
○ おにの子が見付けた宝物が「夕やけ」
であることを学習プリントに書かせる。
○ 教師が読み聞かせをした物語や自分
で選んだ物語を発表させる。
○ 「うずらちゃんのたからもの」の宝物
の表現を学習プリントに書かせる。
○ 二つの物語の宝物の表現を比較して、
相違点か共通点のどちらかの視点から、
自分の考えをもたせる。
めあて:宝物を比べて、似ていること
や違うことを見付け、自分の
考えをもとう。
評価事項1 「うずらちゃんのたからもの」とおにの子が見付けた宝物とを比較して、一
見異なるように見えるもの同士から似ている部分を見い出し、似ている理由を
明らかにするなど、共通点や相違点という視点から自分の考えをもっている。 〈発言・学習プリント〉(知識及び技能)
□…自分の考えをもてない児童には、宝物の共通点や相違点の例を示すこと
で、共通点か相違点かどちらかを見付けることができるようにする。 ☆…共通点を見付けた児童には相違点を、相違点を見付けた児童には共通点を
見付けることができるようにする。
2年⑥
87高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 87 2018/10/06 13:24
20 分
(10 分)
(10 分)
まとめる
3 「たからもの」スピーチから学んだこ
とを全体で共有する。
⑴ 友達の「たからもの」スピーチから
学んだことを記述する。
⑵ スピーチを通してそれぞれが学ん
だこと、考えたこと、感じたことを、
全体で共有する。
○ 学習プリントの①~③から選び、「友
達の宝物スピーチを比較して、考えたこ
とや感じたこと」を書かせる。
○ 一人一人の考え方、感じ方の違いに目
を向けさせ、考えを共有することの良さ
に気付かせるようにする。
2分
振り返る
4 「たからもの単元マップ」にスピーチ
の振り返りを書く。
⑴ 本時のめあてについて確認し、評価
する。
⑵ 次時は、「たからもの単元マップ」
を使い、学びの到達度を確認し、今後
身に付けたい力について考えること
を伝える。
○ 「たからもの単元マップ」の到達目標
について、◎○△で自己評価させる。
○ 主体的に学習に取り組むことができ
るよう、次時の目標を示し、学習の見通
しをもたせる。
評価事項2 友達のスピーチから、宝物とは何か、どうしてそれが宝物なのかを落とさない
ように集中して聞き取っている。 〈聞く様子、学習プリント〉(思考力、判断力、表現力等【話すこと・聞くこと】) □…スピーチを正確に聞き取ることができない児童には、話し手の宝物とは何
かに着目して聞き取るように指示をし、正確に聞き取ることができるようにす
る。 ☆…どうして宝物なのかを豊かに聞き取らせることで、宝物の背景にある友達の
思いや個性に気付くことができるようにする。
評価事項3 友達の宝物のスピーチに関心をもち、それぞれを比べ共通や相違という点から
相互に結び付けて、自分の考えをもっている。 〈学習プリント〉(思考力、判断力、表現力等
【話すこと・聞くこと】) □…自分の考えをもてない児童には、「○○さんの宝物はすてきだと思います。
そのわけは~」に続く言葉を書かせるようにする。 ☆…全部の宝物を比べて共通点や相違点に気付かせることで、その背景にあるも
のを想像して自分の考えをもてるようにする。
8 本時の指導(2年2組 14/15時)
⑴ 目標
自分の宝物について分かりやすく伝えることができるようにする。
友達のスピーチから、どうしてそれが宝物なのかを聞き取ることができるようにする。
友達の宝物を比べ、共通点や相違点という視点から、自分の考えをもつことができるようにする。
⑵ 準備
教師:拡大した学習プリント、「たからもの単元マップ」、実物投影機
児童:学習プリント、カード(黄色の評価カード)、「たからもの単元マップ」
⑶ 指導過程
時間 段階 学習活動 指導上の留意点
3分
めあてをつかむ
1 本時の学習課題を確かめ、学習の見通
しをもつ。
○ 「たからもの単元マップ」を見せて学
習課題を確認させるとともに、これまで
のスピーチを振り返り、一人一人に課題
意識をもたせるようにする。
○ 学習プリントを配付し、学び方(話し
方・聞き方・記入の仕方)を確認する。
20 分
(1分)
(2 分)
(2 分)
(15 分)
自分の考えをもつ・なかまと対話する
2 「たからもの」スピーチをして、宝物
について伝え合う。
⑴ 「たからもの」スピーチをする。ま
た、友達の「たからもの」スピーチを
聞く。
⑵ 友達のスピーチを聞いて、宝物は何
か、どうして宝物なのかについてカー
ドに記入する。
⑶ カードに記入した内容を全体で確
認する。
⑷ ⑴~⑶を繰り返す。
○ 実物や写真を提示しながらスピーチ
をさせる。聞き手に、話し手を見て聞か
せるようにする。
○ 友達の宝物が何かや背景にあるもの
に気付かせるために、一人スピーチをす
るごとにカードに記入させる。
○ 宝物の理由が書けない児童には、「自
分で見付けた物なのか」「いつから宝物
なのか」等、宝物の背景を捉えるための
観点を与える助言をする。
○ カードに記入した内容を基にしなが
ら、宝物は何か、どうして宝物なのかを
発言させる。
評価事項1 宝物の実物や写真を使い、聞き手を意識しながら自分の宝物について話して
いる。 〈話す様子〉(思考力、判断力、表現力等【話すこと・聞くこと】) □…メモを読んでしまう児童には、実物や写真を見せながらスピーチをするよ
うに声掛けをし、聞き手を意識して伝えることができるようにする。 ☆…自分の宝物や思いがより伝わるようにするにはどうすればよいかを考えさ
せて実践することで、より説得力のあるスピーチができるようにする。
めあて:宝物や写真を使って宝物を伝 え合い、比べて自分の考えを
もとう。
2年⑦
88 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 88 2018/10/09 17:39
20 分
(10 分)
(10 分)
まとめる
3 「たからもの」スピーチから学んだこ
とを全体で共有する。
⑴ 友達の「たからもの」スピーチから
学んだことを記述する。
⑵ スピーチを通してそれぞれが学ん
だこと、考えたこと、感じたことを、
全体で共有する。
○ 学習プリントの①~③から選び、「友
達の宝物スピーチを比較して、考えたこ
とや感じたこと」を書かせる。
○ 一人一人の考え方、感じ方の違いに目
を向けさせ、考えを共有することの良さ
に気付かせるようにする。
2分
振り返る
4 「たからもの単元マップ」にスピーチ
の振り返りを書く。
⑴ 本時のめあてについて確認し、評価
する。
⑵ 次時は、「たからもの単元マップ」
を使い、学びの到達度を確認し、今後
身に付けたい力について考えること
を伝える。
○ 「たからもの単元マップ」の到達目標
について、◎○△で自己評価させる。
○ 主体的に学習に取り組むことができ
るよう、次時の目標を示し、学習の見通
しをもたせる。
評価事項2 友達のスピーチから、宝物とは何か、どうしてそれが宝物なのかを落とさない
ように集中して聞き取っている。 〈聞く様子、学習プリント〉(思考力、判断力、表現力等【話すこと・聞くこと】)
□…スピーチを正確に聞き取ることができない児童には、話し手の宝物とは何
かに着目して聞き取るように指示をし、正確に聞き取ることができるようにす
る。 ☆…どうして宝物なのかを豊かに聞き取らせることで、宝物の背景にある友達の
思いや個性に気付くことができるようにする。
評価事項3 友達の宝物のスピーチに関心をもち、それぞれを比べ共通や相違という点から
相互に結び付けて、自分の考えをもっている。 〈学習プリント〉(思考力、判断力、表現力等【話すこと・聞くこと】)
□…自分の考えをもてない児童には、「○○さんの宝物はすてきだと思います。
そのわけは~」に続く言葉を書かせるようにする。 ☆…全部の宝物を比べて共通点や相違点に気付かせることで、その背景にあるも
のを想像して自分の考えをもてるようにする。
8 本時の指導(2年2組 14/15時)
⑴ 目標
自分の宝物について分かりやすく伝えることができるようにする。
友達のスピーチから、どうしてそれが宝物なのかを聞き取ることができるようにする。
友達の宝物を比べ、共通点や相違点という視点から、自分の考えをもつことができるようにする。
⑵ 準備
教師:拡大した学習プリント、「たからもの単元マップ」、実物投影機
児童:学習プリント、カード(黄色の評価カード)、「たからもの単元マップ」
⑶ 指導過程
時間 段階 学習活動 指導上の留意点
3分
めあてをつかむ
1 本時の学習課題を確かめ、学習の見通
しをもつ。
○ 「たからもの単元マップ」を見せて学
習課題を確認させるとともに、これまで
のスピーチを振り返り、一人一人に課題
意識をもたせるようにする。
○ 学習プリントを配付し、学び方(話し
方・聞き方・記入の仕方)を確認する。
20 分
(1分)
(2 分)
(2 分)
(15 分)
自分の考えをもつ・なかまと対話する
2 「たからもの」スピーチをして、宝物
について伝え合う。
⑴ 「たからもの」スピーチをする。ま
た、友達の「たからもの」スピーチを
聞く。
⑵ 友達のスピーチを聞いて、宝物は何
か、どうして宝物なのかについてカー
ドに記入する。
⑶ カードに記入した内容を全体で確
認する。
⑷ ⑴~⑶を繰り返す。
○ 実物や写真を提示しながらスピーチ
をさせる。聞き手に、話し手を見て聞か
せるようにする。
○ 友達の宝物が何かや背景にあるもの
に気付かせるために、一人スピーチをす
るごとにカードに記入させる。
○ 宝物の理由が書けない児童には、「自
分で見付けた物なのか」「いつから宝物
なのか」等、宝物の背景を捉えるための
観点を与える助言をする。
○ カードに記入した内容を基にしなが
ら、宝物は何か、どうして宝物なのかを
発言させる。
評価事項1 宝物の実物や写真を使い、聞き手を意識しながら自分の宝物について話して
いる。 〈話す様子〉(思考力、判断力、表現力等【話すこと・聞くこと】) □…メモを読んでしまう児童には、実物や写真を見せながらスピーチをするよ
うに声掛けをし、聞き手を意識して伝えることができるようにする。 ☆…自分の宝物や思いがより伝わるようにするにはどうすればよいかを考えさ
せて実践することで、より説得力のあるスピーチができるようにする。
めあて:宝物や写真を使って宝物を伝 え合い、比べて自分の考えを
もとう。
2年⑧
89高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 89 2018/10/09 17:40
MEMO
MEMO
90 高蔵小学校 指導案集
MEMO
MEMO
91高蔵小学校 指導案集
⑶ 系統的に見た位置
児童は、これまでに「読みの技能」や「読みの用語」について学習してきている。その中で、特
に本単元と関わるのが、「あらすじ」や「中心場面」などの作品の構造に関する用語、「会話文」や
「心内語」などの表現技法に関する用語である。
児童は、これらの既習の技能や用語を活用しながら、本単元で、「人物像を捉えながら読む」こ
とや、「登場人物の気持ちの変化を、場面の移り変わりと結び付けて読む」ことを通して、新たな
「読みの技能」を身に付けていく。
この学習を通して得た「人物像」「気持ちの変化」「表現」といった読みの用語を基に、第4学年
の学習では、さらに物語の仕組みを捉えて読んだり、情景描写の効果を捉えながら読んだりするこ
とができるようにしていく。
3 研究主題に迫るために
⑴ 主体的・循環的で深い学びのある授業にするために
・ 「自分の大好きなところについて、友達に紹介する」という単元の学習課題の設定
見通しをもって学習を続けることができるようにするために、「自分の大好きなところについて、
友達に紹介する」という単元の学習課題を設定し、その紹介する相手を2年生とする。また、単元
の学習課題に迫るために、学習の区切りで記述する「大好きメモ」を活用する。これは、児童が学
んだ「読みの技能」によって見いだした、物語の「大好きなところ」や、その「大好きなところ」
に関連する「大好きなわけ」を、付箋を利用したメモとして書きためるものである。このように「大
好きメモ」を活用しながら学習に取り組むことで、本時で得た自分の読みを、さらに次時の学習で
探究するとともに、前時までの読みを深めたり広げたりすることができるようにする。
・ 学びを自分のものとしたり、新たな課題をつかんだりするための振り返り活動
毎時の学習では、児童が学習を通して気付いたことや考えたことを振り返ることで、児童一人一
人が毎時の学びを自分のものとしたり、新たな課題をつかんだりする。また、学習で得た知識及び
技能や思考力、判断力、表現力等が、他単元や他教科の学習でも活用できるようにしていく。
⑵ 対話的・協働的で深い学びのある授業にするために
・ 考えをもったり、確かなものにしたりするためのペア・グループ活動
教材文を読んで、考えたことや分かったことなどを基に、友達と対話する学習を毎時の授業の中
で行う。その際、児童が見いだした課題を基に、ペアやグループで対話をしながら、登場人物の行
動をより具体的に想像するという学習の流れを設定する。
第9時では、児童一人一人が書きためた「大好きメモ」の中から自分の紹介したいところを決め、
友達とグループで対話する。ここでは、自分が紹介したいところを決め、その理由を同じグループ
の友達と検討していく中で、「なぜ自分はここを紹介したいのか。」という考えがより明確になるで
あろう。こうしたペア・グループ活動での対話を通して、自分の考えをもったり、確かなものにし
たりする。
・ 意見を共有するためのグループ・学級全体での活動
友達とのペア・グループ活動によって、児童一人一人がもったり、確かなものにしたりした考え
を、さらに大きなグループまたは学級全体の場で発表する。第7時では、全ての「おくりもの」に
共通する事柄を探す。教師は、似たような意見を集約したり、対立する意見の論点を整理したりし
ながら、「おくりもの」という表現に込められた価値を児童が共有できるようにする。
3年―1
高蔵小学校第3学年 1組・2組 国語科学習指導案
平成30年11月2日(金)公開授業Ⅰ(3-1) 授業者 小池 悠太
公開授業Ⅱ(3-2) 授業者 広瀨 富也
1 単元
物語を読んで大すきなところをしょうかいしよう
- 登場人物の気持ちを具体的に想像する -
2 単元について
⑴ 単元の意義
本単元では、児童が、文学教材を読む中で抱いた「大好きなところ」について、友達に紹介する
という学習活動を通して、登場人物の気持ちやその変化を、文中の叙述を基に具体的に想像するこ
とができるようにすることをねらいとしている。
主教材「わすれられないおくりもの」は、はじめ、あなぐまの死を悲しんでいた動物たちが、あ
なぐまからもらった知恵や工夫という「おくりもの」が今も自分たちの中に生きているということ
に気付くことで、あなぐまを失った悲しみから解放され、感謝の気持ちを抱いていくという物語で
ある。教材文は、季節によって場面が分かれていて、場面ごとに登場人物の感情を表す叙述がいく
つも書かれている。そのため、こうした叙述を手掛かりにして、あらすじや人物像を捉えながら読
んでいくことで、登場人物の気持ちの変化を具体的に想像しやすい教材であると言える。
本単元では、「高蔵小学校 読みの系統指導カリキュラム」に基づいて、以下に示す「読みの技
能」や「読みの用語」を押さえて指導を進めていく。
読みの系列 読みの技能 読みの用語 ①作品の構造 あらすじを捉えて読む あらすじ ①作品の構造 中心となる場面を読む 中心場面
③人物 登場人物の気持ちの変化を想像しながら読む 場面の移り変わり 気持ちの変化
③人物 人物像を捉えながら読む 人物像 ④メッセージ 自分の体験や既習の内容と結び付けながら読む 自分の体験 ⑤表現技法 会話文と心内語を区別して読む 心内語
主教材の読みの学習を通して、児童は、あなぐまの残した「おくりもの」をめぐる登場人物の気
持ちとその変化を捉えることで、世代を超えて次へ受け継がれていく「おくりもの」の大切さに気
付くことができるだろう。そして、このような気付きを、物語の「自分の大好きなところを紹介す
る」活動を通して全体で共有することにより、児童一人一人が、今まで教えてもらったことやでき
るようになったこと一つ一つに、込められた思いやその大切さも実感することができると考える。
⑵ 単元と児童との関係
本学年の児童は、読書をすることが好きである。また、文学教材の読みの学習では、自分の考え
をまとめたり、ハンドサインを使って発表したりしながら進んで学習に取り組むことができる。し
かし、自分の考えと友達の考えとの共通点や相違点を見いだして、付け足したり、質問したりする
ことができる児童は少数である。そこで、本実践では、文中の叙述を基に一人一人に考えをもたせ、
その後、グループや全体での話し合いで、考えを共有していくことにより、自分の考えを深めなが
ら、登場人物の気持ちやその変化に迫っていくことができるようにしたい。
3年①
92 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 92 2018/10/09 17:46
⑶ 系統的に見た位置
児童は、これまでに「読みの技能」や「読みの用語」について学習してきている。その中で、特
に本単元と関わるのが、「あらすじ」や「中心場面」などの作品の構造に関する用語、「会話文」や
「心内語」などの表現技法に関する用語である。
児童は、これらの既習の技能や用語を活用しながら、本単元で、「人物像を捉えながら読む」こ
とや、「登場人物の気持ちの変化を、場面の移り変わりと結び付けて読む」ことを通して、新たな
「読みの技能」を身に付けていく。
この学習を通して得た「人物像」「気持ちの変化」「表現」といった読みの用語を基に、第4学年
の学習では、さらに物語の仕組みを捉えて読んだり、情景描写の効果を捉えながら読んだりするこ
とができるようにしていく。
3 研究主題に迫るために
⑴ 主体的・循環的で深い学びのある授業にするために
・ 「自分の大好きなところについて、友達に紹介する」という単元の学習課題の設定
見通しをもって学習を続けることができるようにするために、「自分の大好きなところについて、
友達に紹介する」という単元の学習課題を設定し、その紹介する相手を2年生とする。また、単元
の学習課題に迫るために、学習の区切りで記述する「大好きメモ」を活用する。これは、児童が学
んだ「読みの技能」によって見いだした、物語の「大好きなところ」や、その「大好きなところ」
に関連する「大好きなわけ」を、付箋を利用したメモとして書きためるものである。このように「大
好きメモ」を活用しながら学習に取り組むことで、本時で得た自分の読みを、さらに次時の学習で
探究するとともに、前時までの読みを深めたり広げたりすることができるようにする。
・ 学びを自分のものとしたり、新たな課題をつかんだりするための振り返り活動
毎時の学習では、児童が学習を通して気付いたことや考えたことを振り返ることで、児童一人一
人が毎時の学びを自分のものとしたり、新たな課題をつかんだりする。また、学習で得た知識及び
技能や思考力、判断力、表現力等が、他単元や他教科の学習でも活用できるようにしていく。
⑵ 対話的・協働的で深い学びのある授業にするために
・ 考えをもったり、確かなものにしたりするためのペア・グループ活動
教材文を読んで、考えたことや分かったことなどを基に、友達と対話する学習を毎時の授業の中
で行う。その際、児童が見いだした課題を基に、ペアやグループで対話をしながら、登場人物の行
動をより具体的に想像するという学習の流れを設定する。
第9時では、児童一人一人が書きためた「大好きメモ」の中から自分の紹介したいところを決め、
友達とグループで対話する。ここでは、自分が紹介したいところを決め、その理由を同じグループ
の友達と検討していく中で、「なぜ自分はここを紹介したいのか。」という考えがより明確になるで
あろう。こうしたペア・グループ活動での対話を通して、自分の考えをもったり、確かなものにし
たりする。
・ 意見を共有するためのグループ・学級全体での活動
友達とのペア・グループ活動によって、児童一人一人がもったり、確かなものにしたりした考え
を、さらに大きなグループまたは学級全体の場で発表する。第7時では、全ての「おくりもの」に
共通する事柄を探す。教師は、似たような意見を集約したり、対立する意見の論点を整理したりし
ながら、「おくりもの」という表現に込められた価値を児童が共有できるようにする。
高蔵小学校第3学年 1 組・2組 国語科学習指導案 平成30年11月2日(金)公開授業Ⅰ(3-1) 授業者 小池 悠太
公開授業Ⅱ(3-2) 授業者 広瀨 富也
1 単元
物語を読んで大すきなところをしょうかいしよう
- 登場人物の気持ちを具体的に想像する -
2 単元について
⑴ 単元の意義
本単元では、児童が、文学教材を読む中で抱いた「大好きなところ」について、友達に紹介する
という学習活動を通して、登場人物の気持ちやその変化を、文中の叙述を基に具体的に想像するこ
とができるようにすることをねらいとしている。
主教材「わすれられないおくりもの」は、はじめ、あなぐまの死を悲しんでいた動物たちが、あ
なぐまからもらった知恵や工夫という「おくりもの」が今も自分たちの中に生きているということ
に気付くことで、あなぐまを失った悲しみから解放され、感謝の気持ちを抱いていくという物語で
ある。教材文は、季節によって場面が分かれていて、場面ごとに登場人物の感情を表す叙述がいく
つも書かれている。そのため、こうした叙述を手掛かりにして、あらすじや人物像を捉えながら読
んでいくことで、登場人物の気持ちの変化を具体的に想像しやすい教材であると言える。
本単元では、「高蔵小学校 読みの系統指導カリキュラム」に基づいて、以下に示す「読みの技
能」や「読みの用語」を押さえて指導を進めていく。
読みの系列 読みの技能 読みの用語 ①作品の構造 あらすじを捉えて読む あらすじ ①作品の構造 中心となる場面を読む 中心場面
③人物 登場人物の気持ちの変化を想像しながら読む 場面の移り変わり 気持ちの変化
③人物 人物像を捉えながら読む 人物像 ④メッセージ 自分の体験や既習の内容と結び付けながら読む 自分の体験 ⑤表現技法 会話文と心内語を区別して読む 心内語
主教材の読みの学習を通して、児童は、あなぐまの残した「おくりもの」をめぐる登場人物の気
持ちとその変化を捉えることで、世代を超えて次へ受け継がれていく「おくりもの」の大切さに気
付くことができるだろう。そして、このような気付きを、物語の「自分の大好きなところを紹介す
る」活動を通して全体で共有することにより、児童一人一人が、今まで教えてもらったことやでき
るようになったこと一つ一つに、込められた思いやその大切さも実感することができると考える。
⑵ 単元と児童との関係
本学年の児童は、読書をすることが好きである。また、文学教材の読みの学習では、自分の考え
をまとめたり、ハンドサインを使って発表したりしながら進んで学習に取り組むことができる。し
かし、自分の考えと友達の考えとの共通点や相違点を見いだして、付け足したり、質問したりする
ことができる児童は少数である。そこで、本実践では、文中の叙述を基に一人一人に考えをもたせ、
その後、グループや全体での話し合いで、考えを共有していくことにより、自分の考えを深めなが
ら、登場人物の気持ちやその変化に迫っていくことができるようにしたい。
3年②
93高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 93 2018/10/06 13:25
・ あなぐまの死が描かれた場
面から、特徴的な表現につい
て考える。 ・ 森の動物たちがあなぐまと
の思い出を語り合う場面か
ら、あなぐまの人物像を捉え
る。 ・ 「おくりもの」という表現
に込められた価値について考
える。 ・ あなぐまにお礼を言いたく
なるもぐらの様子から、登場
人物の気持ちの変化を捉え
る。
(5/6)
(公開Ⅰ)
思
思
思
思
特徴的な表現に着目し、その意味について考
えている。 【学習プリント】
あなぐまの様子や行動に関する叙述を基にし
て、あなぐまの優しさを捉えている。
【発言・学習プリント】
森の動物たちが受け取った「おくりもの」の
共通点を探すことで、「おくりもの」という表現
に込められた価値について考えている。 【発言・学習プリント】
もぐらが、おくりものを通じて、あなぐまの
思いを受け取ったことを、場面の移り変わりと
結び付けて捉えている。【発言・学習プリント】
○ 自分が紹介したいところとそ
の理由を明らかにする。 1
(公開Ⅱ)
思
友達と対話することを通して、自分が紹介し
たいところについて、自分の考えを確かなもの
にしている。 【学習プリント】
○ 紹介文の書き方を知り、紹介
文を書く。 ○ 友達と紹介文を交流する。
4 思
知
主
自分が紹介したい「大好きなところ」とその
理由を明確にして、紹介文の構成を考えている。 【学習プリント】
登場人物の様子や行動、気持ちや性格を表す
語句を使って紹介文を書いている。 【作文】
友達と紹介文を読み合い、自分と友達との感
じ方の違いに気付きながら感想を書こうとして
いる。 【学習プリント】
4 単元の目標 ・ 言葉には、考えたことや思ったことを表す働きがあることを知り、登場人物の様子や行動、気持
ちや性格を表す語句を話や文章の中で使うことができるようにする。 (知識及び技能) ・ 自分が紹介したい「大好きなところ」とその理由を明確にして、文章の構成を考えることができ
るようにする。 (思考力、判断力、表現力等【書くこと】) ・ 「わすれられないおくりもの」の登場人物の気持ちの変化や性格、情景について、場面の移り変
わりと結び付けて具体的に想像することができるようにする。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
・ 「わすれられないおくりもの」を読み、文章を読んで理解したことに基づいて、感想や考えをも
つことができるようにする。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】) ・ 「わすれられないおくりもの」の大好きなところを進んで見付けながら読もうとする態度を養う。
(主体的に学習に取り組む態度) 5 評価規準 ○ 登場人物の様子や行動、気持ちや性格を表す語句を意識しながら物語を読んだり、語句を使って
文章を書いたりしている。 (知識及び技能) ○ 自分が紹介したい「大好きなところ」とその理由を明確にして、紹介文の構成を考えている。
(思考力、判断力、表現力等【書くこと】) ○ 登場人物の様子や行動、気持ちを表す語句を手掛かりにして、場面の移り変わりと登場人物の気
持ちの変化を結び付けて捉えている。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】) ○ 文章を読んで理解したことに基づいて、感想や考えをもっている。
(思考力、判断力、表現力等【読むこと】) ○ 登場人物の様子や行動、気持ちやその変化について進んで読んだり、物語の大好きなところを紹
介する文章にまとめようとしたりしている。 (主体的に学習に取り組む態度) 6 指導計画と評価計画(13時間完了) 知…知識及び技能 思…思考力、判断力、表現力等 主…主体的に学習に取り組む態度
指導計画 評価計画 学習内容 時数 観点 評価規準と評価方法
○ 教材文を読んで、興味をもっ
た事柄について感想をもつ。 ○ 感想を交流し、2年生に紹介
するという単元の学習課題を見
いだす。 ○ 「人物像」「気持ちの変化」「表
現」の三つの用語について知る。
2 主
思
知
興味をもった事柄について、感想をまとめよ
うとしている。 【学習プリント】 自分の感想と友達の感想とを比べ、自分がな
ぜその感想をもったのかについて、理由を述べ
ている。 【発言・学習プリント】
「人物像」「気持ちの変化」「表現」という用
語について理解している。 【学習プリント】
○ 三つの用語を観点として教材
文を読む。 ・ あなぐまと森の動物たちが
関わる場面から、あなぐまの
人物像を捉える。
6
思
文中から、気持ちや性格を表す語句を見付け、
あなぐまの人物像について捉えている。
【発言・学習プリント】
3年③
94 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 94 2018/10/06 13:26
・ あなぐまの死が描かれた場
面から、特徴的な表現につい
て考える。 ・ 森の動物たちがあなぐまと
の思い出を語り合う場面か
ら、あなぐまの人物像を捉え
る。 ・ 「おくりもの」という表現
に込められた価値について考
える。 ・ あなぐまにお礼を言いたく
なるもぐらの様子から、登場
人物の気持ちの変化を捉え
る。
(5/6)
(公開Ⅰ)
思
思
思
思
特徴的な表現に着目し、その意味について考
えている。 【学習プリント】
あなぐまの様子や行動に関する叙述を基にし
て、あなぐまの優しさを捉えている。
【発言・学習プリント】
森の動物たちが受け取った「おくりもの」の
共通点を探すことで、「おくりもの」という表現
に込められた価値について考えている。 【発言・学習プリント】
もぐらが、おくりものを通じて、あなぐまの
思いを受け取ったことを、場面の移り変わりと
結び付けて捉えている。【発言・学習プリント】
○ 自分が紹介したいところとそ
の理由を明らかにする。 1
(公開Ⅱ)
思
友達と対話することを通して、自分が紹介し
たいところについて、自分の考えを確かなもの
にしている。 【学習プリント】
○ 紹介文の書き方を知り、紹介
文を書く。 ○ 友達と紹介文を交流する。
4 思
知
主
自分が紹介したい「大好きなところ」とその
理由を明確にして、紹介文の構成を考えている。 【学習プリント】
登場人物の様子や行動、気持ちや性格を表す
語句を使って紹介文を書いている。 【作文】
友達と紹介文を読み合い、自分と友達との感
じ方の違いに気付きながら感想を書こうとして
いる。 【学習プリント】
4 単元の目標 ・ 言葉には、考えたことや思ったことを表す働きがあることを知り、登場人物の様子や行動、気持
ちや性格を表す語句を話や文章の中で使うことができるようにする。 (知識及び技能) ・ 自分が紹介したい「大好きなところ」とその理由を明確にして、文章の構成を考えることができ
るようにする。 (思考力、判断力、表現力等【書くこと】) ・ 「わすれられないおくりもの」の登場人物の気持ちの変化や性格、情景について、場面の移り変
わりと結び付けて具体的に想像することができるようにする。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
・ 「わすれられないおくりもの」を読み、文章を読んで理解したことに基づいて、感想や考えをも
つことができるようにする。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】) ・ 「わすれられないおくりもの」の大好きなところを進んで見付けながら読もうとする態度を養う。
(主体的に学習に取り組む態度) 5 評価規準 ○ 登場人物の様子や行動、気持ちや性格を表す語句を意識しながら物語を読んだり、語句を使って
文章を書いたりしている。 (知識及び技能) ○ 自分が紹介したい「大好きなところ」とその理由を明確にして、紹介文の構成を考えている。
(思考力、判断力、表現力等【書くこと】) ○ 登場人物の様子や行動、気持ちを表す語句を手掛かりにして、場面の移り変わりと登場人物の気
持ちの変化を結び付けて捉えている。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】) ○ 文章を読んで理解したことに基づいて、感想や考えをもっている。
(思考力、判断力、表現力等【読むこと】) ○ 登場人物の様子や行動、気持ちやその変化について進んで読んだり、物語の大好きなところを紹
介する文章にまとめようとしたりしている。 (主体的に学習に取り組む態度) 6 指導計画と評価計画(13時間完了) 知…知識及び技能 思…思考力、判断力、表現力等 主…主体的に学習に取り組む態度
指導計画 評価計画 学習内容 時数 観点 評価規準と評価方法
○ 教材文を読んで、興味をもっ
た事柄について感想をもつ。 ○ 感想を交流し、2年生に紹介
するという単元の学習課題を見
いだす。 ○ 「人物像」「気持ちの変化」「表
現」の三つの用語について知る。
2 主
思
知
興味をもった事柄について、感想をまとめよ
うとしている。 【学習プリント】 自分の感想と友達の感想とを比べ、自分がな
ぜその感想をもったのかについて、理由を述べ
ている。 【発言・学習プリント】
「人物像」「気持ちの変化」「表現」という用
語について理解している。 【学習プリント】
○ 三つの用語を観点として教材
文を読む。 ・ あなぐまと森の動物たちが
関わる場面から、あなぐまの
人物像を捉える。
6
思
文中から、気持ちや性格を表す語句を見付け、
あなぐまの人物像について捉えている。
【発言・学習プリント】
3年④
95高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 95 2018/10/06 13:26
を書くことができていた児童の意見は、ここで
取り上げて板書する。 ○ どの「おくりもの」にも、すてきなところが
あるということを押さえ、4つの「おくりもの」
に共通する何かを探せば、本当にすてきなとこ
ろが見付かるのではないか、と投げ掛ける。 13 分
4 全ての「おくりもの」にある、共
通のものを探す。
○ 学習プリントの( )に、「すべてのおくり
もの」と記入させ、次のように発問する。 ○ まずは、自分一人で考えるようにさせる。
なかまと対話する②
○ ペアで、自分の考えを交流させた後、全体の
場で発表させる。
3分
まとめる
5 学習のまとめをする。
○ もう一度、めあてを一斉音読させる。 ○ 森の動物たちが、「おくりもの」を生かして今
後も助け合いながら生きていけるということに
ついても気付かせ、学習のまとめをする。
7分
振り返る
6 振り返りをする。
○ 学習活動2から5を通して、自分の経験と結
び付けた考えをもつことができた児童には、個
別に声掛けをして「大好きメモ」を書かせるよ
うにする。 ○ 本時の学習を通して、気付いたことや考えた
こと、次の学びにつながる課題などを学習プリ
ントに記述させる。
まとめ:あなぐまがやさしく教えてくれた思い出 できなかったことができて、それで助け合うこともできる この先も、助け合ってみんなで生きていける
という意味が込められている。
自分の考えをもつ②
〈予想される児童の発言〉 ア、登場人物とあなぐまとの関わりについて ・どの「おくりもの」も、あなぐまとの思い出がある。 ・どの「おくりもの」も、あなぐまがやさしく教えてくれていた。 イ、登場人物の変容について ・あなぐまから教えてもらって、できないことができるようになった。 ・みんなが助け合うこともできた。 ウ、「おくりもの」の定義について ・生活の知恵や工夫である。
評価事項 「おくりもの」は、全てあなぐまがやさしく教えてくれたことであり、あなぐまと
の思い出があるということを捉えている。 〈学習プリント〉(思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
□…共通点が見いだせない児童には、板書に着目させたり、該当部分を読ませたりす
ることで、全ての「おくりもの」にあなぐまが出てくることに気付くことができ
るようにする。 ☆…特に、イ、登場人物の変容についてに着目させることで、さらに「おくりもの」
の共通点を見付けることができるようにする。
「すべての『おくりもの』にあるものを探しましょう。」
7 本時の指導(3年1組 7/13時) ⑴ 目標
森の動物たちが受け取った「おくりもの」の共通点を探すことで、「おくりもの」という表現に込め
られた価値について考えることができるようにする。 ⑵ 準備 教師:挿絵のカード、学習プリント
児童:「大好きメモ」 ⑶ 指導過程
時間 段階 学習活動 指導上の留意点 4 分
めあてをつかむ
1 前時の学習を想起し、本時の学習
のめあてをつかむ。
○ 前時までの学習を想起させ、以下の2点につ
いて確認する。 ・ 森の動物たちが受け取った「おくりもの」
について。 ・ あなぐまの人物像について。 ○ 「おくりもの」という語句は、読みの用語で
「表現」に当てはまることを確認する。 ○ 「おくりもの」は単なるプレゼントという意
味だけでなく、すてきな何かが込められている
ということに気付かせて、本時のめあてを板書
する。 ○ めあてを一斉音読させて確認する。
10 分
(3分)
(7分)
自分の考えをもつ①
2 4つの「おくりもの」のうち、す
てきだと思うものについて、その理
由を考える。 ⑴ すてきだなと思う「おくりも
の」の理由を書き出す。 ⑵ 隣同士のペアで意見交流し、自
分の考えをより確かなものにす
る。
○ 学習プリントに、すてきだなと思う「おくり
もの」について、なぜそう思うのか、理由を書
くようにさせる。 ○ ペアで、自分がどのおくりものについて、ど
のような理由を考えたのかを話し合わせること
により、学習活動3で発表しやすくさせる。
8 分
3 学級全体で対話し、考えを交流す
る。
○ 「はさみの使い方」から順に、それぞれの「お
くりもの」がすてきだと思う児童に挙手をさせ、
理由を発表させる。 ○ 学習活動2で、自分の経験と関わらせた理由
めあて:「おくりもの」という表現には、どんな意味がこめられているのか考えよう。
〈予想される児童の考え〉 はさみの使い方について ・工作に役立つから。 ・便利だから。
・できるようになるまで、あなぐまが教えてくれたから。 スケートのすべり方について ・冬は便利だから。 ・あなぐまがずっとやさしく、そばについていてくれたから。 ネクタイの結び方について ・大人になっても使えるから。 ・あなぐまがくわしくやり方を教えてくれたから。 しょうがパンのやき方について ・毎日役立つから。 ・料理上手になったから。 ・あなぐまが教えてくれたから。
なかまと対話する①
3年⑤
96 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 96 2018/10/06 13:26
を書くことができていた児童の意見は、ここで
取り上げて板書する。 ○ どの「おくりもの」にも、すてきなところが
あるということを押さえ、4つの「おくりもの」
に共通する何かを探せば、本当にすてきなとこ
ろが見付かるのではないか、と投げ掛ける。 13 分
4 全ての「おくりもの」にある、共
通のものを探す。
○ 学習プリントの( )に、「すべてのおくり
もの」と記入させ、次のように発問する。 ○ まずは、自分一人で考えるようにさせる。
なかまと対話する②
○ ペアで、自分の考えを交流させた後、全体の
場で発表させる。
3分
まとめる
5 学習のまとめをする。
○ もう一度、めあてを一斉音読させる。 ○ 森の動物たちが、「おくりもの」を生かして今
後も助け合いながら生きていけるということに
ついても気付かせ、学習のまとめをする。
7分
振り返る
6 振り返りをする。
○ 学習活動2から5を通して、自分の経験と結
び付けた考えをもつことができた児童には、個
別に声掛けをして「大好きメモ」を書かせるよ
うにする。 ○ 本時の学習を通して、気付いたことや考えた
こと、次の学びにつながる課題などを学習プリ
ントに記述させる。
まとめ:あなぐまがやさしく教えてくれた思い出 できなかったことができて、それで助け合うこともできる この先も、助け合ってみんなで生きていける
という意味が込められている。
自分の考えをもつ②
〈予想される児童の発言〉 ア、登場人物とあなぐまとの関わりについて ・どの「おくりもの」も、あなぐまとの思い出がある。 ・どの「おくりもの」も、あなぐまがやさしく教えてくれていた。 イ、登場人物の変容について ・あなぐまから教えてもらって、できないことができるようになった。 ・みんなが助け合うこともできた。 ウ、「おくりもの」の定義について ・生活の知恵や工夫である。
評価事項 「おくりもの」は、全てあなぐまがやさしく教えてくれたことであり、あなぐまと
の思い出があるということを捉えている。 〈学習プリント〉(思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
□…共通点が見いだせない児童には、板書に着目させたり、該当部分を読ませたりす
ることで、全ての「おくりもの」にあなぐまが出てくることに気付くことができ
るようにする。 ☆…特に、イ、登場人物の変容についてに着目させることで、さらに「おくりもの」
の共通点を見付けることができるようにする。
「すべての『おくりもの』にあるものを探しましょう。」
7 本時の指導(3年1組 7/13時) ⑴ 目標
森の動物たちが受け取った「おくりもの」の共通点を探すことで、「おくりもの」という表現に込め
られた価値について考えることができるようにする。 ⑵ 準備 教師:挿絵のカード、学習プリント
児童:「大好きメモ」 ⑶ 指導過程
時間 段階 学習活動 指導上の留意点 4 分
めあてをつかむ
1 前時の学習を想起し、本時の学習
のめあてをつかむ。
○ 前時までの学習を想起させ、以下の2点につ
いて確認する。 ・ 森の動物たちが受け取った「おくりもの」
について。 ・ あなぐまの人物像について。 ○ 「おくりもの」という語句は、読みの用語で
「表現」に当てはまることを確認する。 ○ 「おくりもの」は単なるプレゼントという意
味だけでなく、すてきな何かが込められている
ということに気付かせて、本時のめあてを板書
する。 ○ めあてを一斉音読させて確認する。
10 分
(3分)
(7分)
自分の考えをもつ①
2 4つの「おくりもの」のうち、す
てきだと思うものについて、その理
由を考える。 ⑴ すてきだなと思う「おくりも
の」の理由を書き出す。 ⑵ 隣同士のペアで意見交流し、自
分の考えをより確かなものにす
る。
○ 学習プリントに、すてきだなと思う「おくり
もの」について、なぜそう思うのか、理由を書
くようにさせる。 ○ ペアで、自分がどのおくりものについて、ど
のような理由を考えたのかを話し合わせること
により、学習活動3で発表しやすくさせる。
8 分
3 学級全体で対話し、考えを交流す
る。
○ 「はさみの使い方」から順に、それぞれの「お
くりもの」がすてきだと思う児童に挙手をさせ、
理由を発表させる。 ○ 学習活動2で、自分の経験と関わらせた理由
めあて:「おくりもの」という表現には、どんな意味がこめられているのか考えよう。
〈予想される児童の考え〉 はさみの使い方について ・工作に役立つから。 ・便利だから。
・できるようになるまで、あなぐまが教えてくれたから。 スケートのすべり方について ・冬は便利だから。 ・あなぐまがずっとやさしく、そばについていてくれたから。 ネクタイの結び方について ・大人になっても使えるから。 ・あなぐまがくわしくやり方を教えてくれたから。 しょうがパンのやき方について ・毎日役立つから。 ・料理上手になったから。 ・あなぐまが教えてくれたから。
なかまと対話する①
3年⑥
97高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 97 2018/10/06 13:26
3年―8
(8分)
(12 分)
なかまと対話する
⑴ 対話の進め方について知る。
⑵ 3人程度のグループで対話を
する。
っきりとさせるための話し合いを行うというこ
とを伝える。 ○ 学習プリントの拡大サンプルの記入例が、「大
好きなわけ」の付箋のうち、どれを基にしてい
るのかを考えさせることを通して、紹介するた
めに本当に必要な言葉を選び出せるようにす
る。 ○ 「大好きなわけ」の付箋から紹介するために
必要な内容について、再度見直しをさせる。 ○ 友達の発表を聞く側の児童には、発表する友
達の学習プリント内の紹介したいわけの記述
と、「大好きメモ」の「大好きなわけ」の付箋と
を見比べさせる。 ○ 発表する友達に対して、その友達の「大好き
メモ」だけでなく、自分の「大好きメモ」の付
箋を基にして意見を述べてもよいということを
伝える。 ○ 学習プリント内の紹介したいわけの記述が明
確でない場合は、もう一度教材文に立ち返り、
「大好きなわけ」の付箋の内容が、どの叙述を
基にしているのかを確かめさせる。 7 分
まとめる
5 学習のまとめをする。
○ グループでの対話を踏まえ、学習プリント内
の紹介したいわけの記述をもう一度、見直すよ
うにする。 ◯ めあてを一斉音読させ、学習のまとめをする。
3 分 振り返る
6 振り返りをする。 ○ 本時の学習を通して、気付いたことや考えた
こと、次の学びにつながる課題などを学習プリ
ントに記述させる。
評価事項 自分が紹介したい「大好きなところ」を決め、友達との対話を通して、なぜそこを
紹介したいのか、という自分の考えを確かなものにしている。 〈学習プリント〉(思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
□…友達の意見を参考に「大好きなわけ」の付箋を選んだり、選んだ付箋の記述を見
返したりすることで、紹介したいわけの記述を見直すことができるようにする。 ☆…自分の「大好きメモ」の付箋だけでなく、進んで友達の「大好きメモ」の付箋も
参考にすることで、自分の紹介したいわけの記述をさらに見直すことができるよ
うにする。
まとめ:文章にある言葉を基にして話し合うことで、自分の考えをよりはっきりさ せることができた。
3年―7
8 本時の指導(3年2組 9/13時) ⑴ 目標 自分が紹介したい「大好きなところ」を決め、なぜそこを紹介したいのか、考えをもったり、確
かなものにしたりすることができるようにする。 ⑵ 準備 教師:「大好きメモ」の拡大サンプル、学習プリントの拡大サンプル、学習プリント 児童:「大好きメモ」
⑶ 指導過程 時間 段階 学習活動 指導上の留意点 2 分
3分
めあてをつかむ
1 「大好きメモ」を見て、これまで
の読みの学習を振り返る。 2 紹介文を書くために、「大好きメ
モ」が使えることに気付き、本時の
めあてを見いだす。
○ 自分の「大好きメモ」を見るように指示し、
読みの学習でたくさんの「大好きなところ」、「大
好きなわけ」を集めてきたことを想起させる。 ○ 紹介文を書くために、このメモが使えるだろ
うか、と投げ掛け、紹介文には「大好きメモ」
を使うということを確認する。 ○ 「大好きメモ」にある「大好きなところ」の
中から、紹介したいところを選ぶとよいことに
気付かせる。 ○ 紹介文は、文集のようにしてひとまとめにす
ることを知らせ、友達と協力することで、より
よい紹介文集にしていこうと意欲付けをした上
で、本時のめあてを板書する。 ○ めあてを一斉音読させて確認する。
10 分
(3分)
(7分)
自分の考えをもつ
3 大好きメモを基に、自分の紹介し
たいところを決め、なぜそこを紹介
したいのか、自分の考えをもつ。 ⑴ 「大好きメモ」の「大好きなと
ころ」の中から、自分が一番紹介
したいところを決める。 ⑵ 「大好きなわけ」の付箋を基に、
なぜそこを紹介したいのか、自分
の考えをもつ。
○ 「大好きメモ」と学習プリントの拡大サンプ
ルを使い、学習の進め方を説明する。 ○ 「大好きメモ」の「大好きなところ」の付箋
の中から、一番紹介したいものを選び、学習プ
リントに書かせる。 ○ 「大好きメモ」の「大好きなところ」に関わ
る「大好きなわけ」の付箋の記述を基に、なぜ
紹介したいのかという理由を学習プリントに書
かせる。 20 分
4 紹介したいわけについて、グルー
プで対話することを通して、自分の
考えをより確かなものにする。
○ 自分の考えをより確かなものにするために、
友達同士で対話をするとよい、ということに気
付かせる。そして、紹介したいわけを、よりは
めあて:友達と話し合って、自分が一番しょうかいしたいところについて考えよう。
3年⑦
98 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 98 2018/10/09 17:47
3年―8
(8分)
(12 分)
なかまと対話する
⑴ 対話の進め方について知る。
⑵ 3人程度のグループで対話を
する。
っきりとさせるための話し合いを行うというこ
とを伝える。 ○ 学習プリントの拡大サンプルの記入例が、「大
好きなわけ」の付箋のうち、どれを基にしてい
るのかを考えさせることを通して、紹介するた
めに本当に必要な言葉を選び出せるようにす
る。 ○ 「大好きなわけ」の付箋から紹介するために
必要な内容について、再度見直しをさせる。 ○ 友達の発表を聞く側の児童には、発表する友
達の学習プリント内の紹介したいわけの記述
と、「大好きメモ」の「大好きなわけ」の付箋と
を見比べさせる。 ○ 発表する友達に対して、その友達の「大好き
メモ」だけでなく、自分の「大好きメモ」の付
箋を基にして意見を述べてもよいということを
伝える。 ○ 学習プリント内の紹介したいわけの記述が明
確でない場合は、もう一度教材文に立ち返り、
「大好きなわけ」の付箋の内容が、どの叙述を
基にしているのかを確かめさせる。 7 分
まとめる
5 学習のまとめをする。
○ グループでの対話を踏まえ、学習プリント内
の紹介したいわけの記述をもう一度、見直すよ
うにする。 ◯ めあてを一斉音読させ、学習のまとめをする。
3 分 振り返る
6 振り返りをする。 ○ 本時の学習を通して、気付いたことや考えた
こと、次の学びにつながる課題などを学習プリ
ントに記述させる。
評価事項 自分が紹介したい「大好きなところ」を決め、友達との対話を通して、なぜそこを
紹介したいのか、という自分の考えを確かなものにしている。 〈学習プリント〉(思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
□…友達の意見を参考に「大好きなわけ」の付箋を選んだり、選んだ付箋の記述を見
返したりすることで、紹介したいわけの記述を見直すことができるようにする。 ☆…自分の「大好きメモ」の付箋だけでなく、進んで友達の「大好きメモ」の付箋も
参考にすることで、自分の紹介したいわけの記述をさらに見直すことができるよ
うにする。
まとめ:文章にある言葉を基にして話し合うことで、自分の考えをよりはっきりさ せることができた。
3年―7
8 本時の指導(3年2組 9/13時) ⑴ 目標 自分が紹介したい「大好きなところ」を決め、なぜそこを紹介したいのか、考えをもったり、確
かなものにしたりすることができるようにする。 ⑵ 準備 教師:「大好きメモ」の拡大サンプル、学習プリントの拡大サンプル、学習プリント 児童:「大好きメモ」
⑶ 指導過程 時間 段階 学習活動 指導上の留意点 2 分
3分
めあてをつかむ
1 「大好きメモ」を見て、これまで
の読みの学習を振り返る。 2 紹介文を書くために、「大好きメ
モ」が使えることに気付き、本時の
めあてを見いだす。
○ 自分の「大好きメモ」を見るように指示し、
読みの学習でたくさんの「大好きなところ」、「大
好きなわけ」を集めてきたことを想起させる。 ○ 紹介文を書くために、このメモが使えるだろ
うか、と投げ掛け、紹介文には「大好きメモ」
を使うということを確認する。 ○ 「大好きメモ」にある「大好きなところ」の
中から、紹介したいところを選ぶとよいことに
気付かせる。 ○ 紹介文は、文集のようにしてひとまとめにす
ることを知らせ、友達と協力することで、より
よい紹介文集にしていこうと意欲付けをした上
で、本時のめあてを板書する。 ○ めあてを一斉音読させて確認する。
10 分
(3分)
(7分)
自分の考えをもつ
3 大好きメモを基に、自分の紹介し
たいところを決め、なぜそこを紹介
したいのか、自分の考えをもつ。 ⑴ 「大好きメモ」の「大好きなと
ころ」の中から、自分が一番紹介
したいところを決める。 ⑵ 「大好きなわけ」の付箋を基に、
なぜそこを紹介したいのか、自分
の考えをもつ。
○ 「大好きメモ」と学習プリントの拡大サンプ
ルを使い、学習の進め方を説明する。 ○ 「大好きメモ」の「大好きなところ」の付箋
の中から、一番紹介したいものを選び、学習プ
リントに書かせる。 ○ 「大好きメモ」の「大好きなところ」に関わ
る「大好きなわけ」の付箋の記述を基に、なぜ
紹介したいのかという理由を学習プリントに書
かせる。 20 分
4 紹介したいわけについて、グルー
プで対話することを通して、自分の
考えをより確かなものにする。
○ 自分の考えをより確かなものにするために、
友達同士で対話をするとよい、ということに気
付かせる。そして、紹介したいわけを、よりは
めあて:友達と話し合って、自分が一番しょうかいしたいところについて考えよう。
3年⑧
99高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 99 2018/10/09 17:47
MEMO
MEMO
100 高蔵小学校 指導案集
MEMO
MEMO
101高蔵小学校 指導案集
⑶ 系統的に見た位置
1学期に実践した文学教材「手ぶくろを買いに」では、前学年でも学んでいる「心情」、「情景」
といった「読みの用語」を確認した。そして、個によって大きく解釈が異なる課題について話し合
う「南吉トークセッション」では、「中心人物の心情の変化を捉えて読む」、「情景描写の効果を考
えながら読む」といった「読みの技能」を習得した。本単元では、それらに加え、「視点」、「呼称
表現」といった新たな「読みの技能」や「読みの用語」を活用して、登場人物の行動や気持ちを捉
えたり、情景を具体的に想像したりして、その作品世界を豊かに読むことができるようにする。
そして、5年生教材「大造じいさんとがん」では、4年生までに習得した「読みの技能」を活用
して登場人物の心情の変化を読み取ることができるようにしていく。
3 研究主題に迫るために
⑴ 主体的・循環的で深い学びのある授業にするために
・ 児童の「なぜ」を大切にする学びの工夫
児童が「自分の力で調べてみたい」と思う「なぜ、ごんは兵十にうたれたのだろう」といった、
中心人物に関わる「なぜ」について追究する。各自の課題を設定し、学んだことを手掛かりにし
て、自分なりの答えを出して解決していくように指導していく。このように、自分が知りたい「な
ぜ」、友達が知りたかった「なぜ」を協力して解決していくことで、児童が主体的に課題に取り
組むことができるようになると考える。
・ 学びの振り返りと、次の課題を見付ける「ビブリオタイム」
「ビブリオタイム」とは、学校図書館にある図書の中から、本単元で活用した「読みの技能」
を生かして読むことができる物語を、教師が児童に紹介する活動である。そうすることで、「読
みの技能」や「読みの用語」を振り返るとともに、後に行う「高蔵読書郵便」を書く活動につな
げていく。さらには、「以前読んだあの本を、中心人物の心情の変化に気を付けてもう一度読ん
でみたい」、「家でも、授業で学んだことを生かして物語を読みたい」というように、普段の読書
生活にも目を向けることができるようにする。
⑵ 対話的・協働的で深い学びのある授業にするために
・ 「読みの技能」を生かした「南吉トークセッション」
「南吉トークセッション」とは、読み手によって様々な解釈が生じる課題について、「読みの
技能」を根拠にして、みんなで解決していく話し合い活動のことである。
話し合いは、2段階で行う。まずは、近くの席の児童同士で行い、自分なりの答えと根拠をも
つ。そして、学級全体で一つの課題について「読みの技能」を活用して意見を出し合っていく。
その際、本校で統一して指導しているハンドサインを活用して進める。
このような話し合いにより、児童一人一人が「読みの技能」を再確認したり、感じ方の違いに
気付いたりすることができるようになると考える。
・ 感じ方の違いを実感する「高蔵読書郵便」
「高蔵読書郵便」とは、児童が物語を通して感じたことや考えたことを手紙に書き、その物語
を読んだことがある人に送り、その相手から返事をもらうことで、感じ方の違いに気付くことを
ねらいとした文字によるトークセッションである。本単元では、「なぜ」の問いと答えや、感じ
たことを書いて伝えたり、自分宛に届いた読書郵便を読んで、互いの感じ方の違いについて考え
たりして、岩滑小学校の6年生の児童と共有する。
4年-1
高蔵小学校第4学年1組 国語科学習指導案
平成30年11月2日(金)公開授業Ⅰ(体育館) 授業者 土田 虎生輝
1 単元
「なぜ」から始まる南吉トークセッション
- 登場人物の気持ちの変化を想像し、感じ方の違いに気付く -
2 単元について
⑴ 単元の意義
本単元は、登場人物(中心人物)の気持ちの変化を想像する中で感じたことについて他者と共有
する学習活動を通して、自分と他者が同じ物語を読んだときの感じ方の違いに気付かせることをね
らいとしている。
主教材「ごんぎつね」は、一人ぼっちの小ぎつね「ごん」と、母を亡くして一人ぼっちになった
村人「兵十」との関わりを綴った物語である。この作品は、語り手の視点で人物の様子や情景が的
確に表現されており、物語を読むことが苦手な児童にとっても、中心人物の人物像を捉えたり、気
持ちの変化を具体的に想像したりすることに適した教材である。
本単元では、「高蔵小学校 読みの系統指導カリキュラム」に基づいて、以下に示す「読みの技
能」と「読みの用語」を押さえて指導を進めていく。
本単元ではまず、児童一人一人が中心人物に関わる「なぜ」を学習課題に設定し、「読みの系統
指導カリキュラム」に基づいて「ごんぎつね」を読み深める。続いて、他の新美南吉作品に幅を広
げて、学んだことを生かして物語を読んでいく。そして、形成した考えを新美南吉の出身校である、
半田市立岩滑小学校の児童と、読書郵便を通じて共有する活動を行う。
このような学習は、日常生活の中での読書でも他者と考えや感じたことを共有したいという思い
を高め、生涯にわたって幅広く本を読もうとする原動力につながる。ここに本単元の意義がある。
⑵ 単元と児童との関係
主教材「ごんぎつね」は、愛知県半田市岩滑周辺が舞台の物語である。また、作者新美南吉は地
元の作家として愛され、多くの作品が大人から子どもまで読み継がれている。
本校でもこうした地域の特性に即して、1学期に特設単元として新美南吉作品「手ぶくろを買い
に」を扱ったり、「新美南吉記念館」や半田市内の見学に訪れて作品世界を具体的に想像できるよ
うにしたりして、年間を通した学習計画を立てている。また、本学級は、不思議に感じたことを、
学校図書館にある図書を活用して、主体的に調べようとする態度が身に付いている児童が多い。
児童にとって親しみを感じられ、情景を具体的に想像できる物語を主教材とし、児童が追究した
いと思う課題を追究できる単元構想にすることで、他者との感じ方の違いに気付くという本単元の
意義に迫ることができるようにしたい。
読みの系列 読みの技能 読みの用語
②視点 視点を捉えて読む 視点、視点人物、対象人物 ③人物 人物像を捉えながら読む 人物像(人柄) ③人物 中心人物の心情(気持ち)の変化を捉えて読む 心情の変化、きっかけ ⑤表現技法 情景描写の効果を考えながら読む 情景描写 ⑤表現技法 呼称表現の違いを捉えながら読む 呼称表現
4年①
102 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 102 2018/10/09 17:47
⑶ 系統的に見た位置
1学期に実践した文学教材「手ぶくろを買いに」では、前学年でも学んでいる「心情」、「情景」
といった「読みの用語」を確認した。そして、個によって大きく解釈が異なる課題について話し合
う「南吉トークセッション」では、「中心人物の心情の変化を捉えて読む」、「情景描写の効果を考
えながら読む」といった「読みの技能」を習得した。本単元では、それらに加え、「視点」、「呼称
表現」といった新たな「読みの技能」や「読みの用語」を活用して、登場人物の行動や気持ちを捉
えたり、情景を具体的に想像したりして、その作品世界を豊かに読むことができるようにする。
そして、5年生教材「大造じいさんとがん」では、4年生までに習得した「読みの技能」を活用
して登場人物の心情の変化を読み取ることができるようにしていく。
3 研究主題に迫るために
⑴ 主体的・循環的で深い学びのある授業にするために
・ 児童の「なぜ」を大切にする学びの工夫
児童が「自分の力で調べてみたい」と思う「なぜ、ごんは兵十にうたれたのだろう」といった、
中心人物に関わる「なぜ」について追究する。各自の課題を設定し、学んだことを手掛かりにし
て、自分なりの答えを出して解決していくように指導していく。このように、自分が知りたい「な
ぜ」、友達が知りたかった「なぜ」を協力して解決していくことで、児童が主体的に課題に取り
組むことができるようになると考える。
・ 学びの振り返りと、次の課題を見付ける「ビブリオタイム」
「ビブリオタイム」とは、学校図書館にある図書の中から、本単元で活用した「読みの技能」
を生かして読むことができる物語を、教師が児童に紹介する活動である。そうすることで、「読
みの技能」や「読みの用語」を振り返るとともに、後に行う「高蔵読書郵便」を書く活動につな
げていく。さらには、「以前読んだあの本を、中心人物の心情の変化に気を付けてもう一度読ん
でみたい」、「家でも、授業で学んだことを生かして物語を読みたい」というように、普段の読書
生活にも目を向けることができるようにする。
⑵ 対話的・協働的で深い学びのある授業にするために
・ 「読みの技能」を生かした「南吉トークセッション」
「南吉トークセッション」とは、読み手によって様々な解釈が生じる課題について、「読みの
技能」を根拠にして、みんなで解決していく話し合い活動のことである。
話し合いは、2段階で行う。まずは、近くの席の児童同士で行い、自分なりの答えと根拠をも
つ。そして、学級全体で一つの課題について「読みの技能」を活用して意見を出し合っていく。
その際、本校で統一して指導しているハンドサインを活用して進める。
このような話し合いにより、児童一人一人が「読みの技能」を再確認したり、感じ方の違いに
気付いたりすることができるようになると考える。
・ 感じ方の違いを実感する「高蔵読書郵便」
「高蔵読書郵便」とは、児童が物語を通して感じたことや考えたことを手紙に書き、その物語
を読んだことがある人に送り、その相手から返事をもらうことで、感じ方の違いに気付くことを
ねらいとした文字によるトークセッションである。本単元では、「なぜ」の問いと答えや、感じ
たことを書いて伝えたり、自分宛に届いた読書郵便を読んで、互いの感じ方の違いについて考え
たりして、岩滑小学校の6年生の児童と共有する。
高蔵小学校第4学年1組 国語科学習指導案
平成30年11月2日(金)公開授業Ⅰ(体育館) 授業者 土田 虎生輝
1 単元
「なぜ」から始まる南吉トークセッション
- 登場人物の気持ちの変化を想像し、感じ方の違いに気付く -
2 単元について
⑴ 単元の意義
本単元は、登場人物(中心人物)の気持ちの変化を想像する中で感じたことについて他者と共有
する学習活動を通して、自分と他者が同じ物語を読んだときの感じ方の違いに気付かせることをね
らいとしている。
主教材「ごんぎつね」は、一人ぼっちの小ぎつね「ごん」と、母を亡くして一人ぼっちになった
村人「兵十」との関わりを綴った物語である。この作品は、語り手の視点で人物の様子や情景が的
確に表現されており、物語を読むことが苦手な児童にとっても、中心人物の人物像を捉えたり、気
持ちの変化を具体的に想像したりすることに適した教材である。
本単元では、「高蔵小学校 読みの系統指導カリキュラム」に基づいて、以下に示す「読みの技
能」と「読みの用語」を押さえて指導を進めていく。
本単元ではまず、児童一人一人が中心人物に関わる「なぜ」を学習課題に設定し、「読みの系統
指導カリキュラム」に基づいて「ごんぎつね」を読み深める。続いて、他の新美南吉作品に幅を広
げて、学んだことを生かして物語を読んでいく。そして、形成した考えを新美南吉の出身校である、
半田市立岩滑小学校の児童と、読書郵便を通じて共有する活動を行う。
このような学習は、日常生活の中での読書でも他者と考えや感じたことを共有したいという思い
を高め、生涯にわたって幅広く本を読もうとする原動力につながる。ここに本単元の意義がある。
⑵ 単元と児童との関係
主教材「ごんぎつね」は、愛知県半田市岩滑周辺が舞台の物語である。また、作者新美南吉は地
元の作家として愛され、多くの作品が大人から子どもまで読み継がれている。
本校でもこうした地域の特性に即して、1学期に特設単元として新美南吉作品「手ぶくろを買い
に」を扱ったり、「新美南吉記念館」や半田市内の見学に訪れて作品世界を具体的に想像できるよ
うにしたりして、年間を通した学習計画を立てている。また、本学級は、不思議に感じたことを、
学校図書館にある図書を活用して、主体的に調べようとする態度が身に付いている児童が多い。
児童にとって親しみを感じられ、情景を具体的に想像できる物語を主教材とし、児童が追究した
いと思う課題を追究できる単元構想にすることで、他者との感じ方の違いに気付くという本単元の
意義に迫ることができるようにしたい。
読みの系列 読みの技能 読みの用語
②視点 視点を捉えて読む 視点、視点人物、対象人物 ③人物 人物像を捉えながら読む 人物像(人柄) ③人物 中心人物の心情(気持ち)の変化を捉えて読む 心情の変化、きっかけ ⑤表現技法 情景描写の効果を考えながら読む 情景描写 ⑤表現技法 呼称表現の違いを捉えながら読む 呼称表現
4年②
103高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 103 2018/10/06 13:28
○ 「ビブリオタイム」を行い、中心
人物、対人物といった「読みの用
語」を振り返る。
主 他の物語でも学習したことを生かそう
としている。 【学習プリント、発言】
○ 各自の学習課題についての考え
をまとめる。 ○ 「南吉トークセッション」を行い、
児童によって様々な解釈が生じる
課題について話し合う。
2
2/2
(公開Ⅰ)
思
思
「読みの技能」を活用して課題につい
て考えている。 【学習プリント】 「なぜ、ごんは兵十にうたれたのだろ
う」という課題について、「読みの技能」
を活用して、考えをもっている。 【学習プリント、発言】
○ 読後の感想をまとめ、共有する。 ○ 「ビブリオタイム」を行い、本単
元で活用した「読みの用語」をま
とめるとともに、本単元で何を学
び、何ができるようになったか、
日常生活の読書でどう生かせるの
かなどを振り返る。
1 思
主
読んで感じたことを共有して、感じ方
の違いに気付いている。
【学習プリント、発言】 「物語の概要やあらすじをまとめると
『なぜ』の答えが分かる」というように、
自らの学びを振り返ろうとしている。 【学習プリント、発言】
○ 「高蔵読書郵便」で考えを伝え合
い、感じ方の違いに気付くという
学習課題をつかむ。
◯ 「ごんぎつね」で学んだことを生
かして、「なぜ」を解決しながら新
美南吉の他の物語を読む。
2 主
思
主
物語を読んで考えたことを、伝え合お
うとしている。 【発言】 「読みの技能」を生かして物語を読ん
でいる。 【学習プリント】 同じ作者の物語に幅を広げて読書に親
しもうとしている。 【読書】 ○ 学んだことを想起して、「高蔵読
書郵便」に書きたい内容について
考える。
1 主
「高蔵読書郵便」で共有したい「なぜ」
と、自分なりの答えを考えようとしてい
る。 【読書郵便、発言】
○ 「高蔵読書郵便」で共有したい「な
ぜ」とその答えを書く。 ○ 本単元全体を通して感じた物語
を読む面白さや、岩滑小学校6年生
と読書郵便で交流したことについ
て話し合い、単元を振り返る。
4
思
主
主
あらすじのまとめ、中心人物の変容の
きっかけなど、学んだことを生かして読
書郵便を書いている。 【読書郵便】
岩滑小学校の児童と、物語を読んだ感
想や考えたことを、共有しようとしてい
る。 【物語を読む様子、読書郵便】 同じ物語を読んでも、人によって感じ
ることが違う面白さについて、伝え合お
うとしている。
【学習プリント、発言】
4 単元の目標
・ 様子や行動、気持ちや性格を表す語句を類別して捉えることができるようにする。
(知識及び技能)
・ 登場人物の気持ちについての考えをもつことや、友達と考えを伝え合って感じ方の違いに気付く
ことができるようにする。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
・ 教材文や、他の南吉作品を読み、考えたことを伝え合おうとする態度を養う。
(主体的に学習に取り組む態度)
5 評価規準
○ ごんや兵十の様子や行動、気持ちや性格を表す語句を捉えている。 (知識及び技能)
◯ 登場人物の気持ちの変化について、感想や考えをもち、一人一人の感じ方などに違いがあること
に気付いている。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
◯ 課題を自ら見付けようとしたり、同じ作者の他の物語に幅を広げて読み、他者と伝え合おうとし
たりしている。 (主体的に学習に取り組む態度)
6 指導計画と評価計画(16時間完了)
知…知識及び技能 思…思考力、判断力、表現力等 主…主体的に学習に取り組む態度
指導計画 評価計画 学習内容 時数 観点 評価規準と評価方法
○ 全文通読する。 ○ 既習の「読みの用語」を確認する。 ○ 初発の感想、中心人物に関わる
「なぜ」や気になる表現について交
流し、学習課題を複数設定する。
2 主 中心人物に関して「なぜ」と思ったと
ころや気になる表現について交流しよう
としている。 【学習プリント、発言】
○ 中心人物、対人物に誰が該当する
のか確認して、その人物像につい
て話し合う。
○ 場面ごとに「時、場、人物」を手
掛かりに、場面分けをする。
○ 4~8場面の概要をまとめる。
3
思
知
思 思
中心人物、対人物などを確認するとと
もに、人物像について考えている。 【学習プリント】
登場人物の心情について、気持ちや性
格を表す語句から捉えている。 【学習プリント、発言】
「時、場、人物」といったキーワード
を基に場面を分けている。 【学習プリント、発言】
場面ごとのキーワードをつなぎ合わせ
て物語の概要をまとめている。
【学習プリント、発言】 ○ あらすじ(中心人物の変容と変容
させた出来事)について考える。
1
思
場面を比較し、中心人物の変わってい
ないところと変わったところや、変容さ
せた出来事について、叙述を基に捉えて
いる。 【学習プリント、発言】
4年③
104 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 104 2018/10/06 13:28
4年-4
○ 「ビブリオタイム」を行い、中心
人物、対人物といった「読みの用
語」を振り返る。
主 他の物語でも学習したことを生かそう
としている。 【学習プリント、発言】
○ 各自の学習課題についての考え
をまとめる。 ○ 「南吉トークセッション」を行い、
児童によって様々な解釈が生じる
課題について話し合う。
2
(2/2)
(公開)
思
思
「読みの技能」を活用して課題につい
て考えている。 【学習プリント】 「なぜ、ごんは兵十にうたれたのだろ
う」という課題について、「読みの技能」
を活用して、考えをもっている。 【学習プリント、発言】
○ 読後の感想をまとめ、共有する。 ○ 「ビブリオタイム」を行い、本単
元で活用した「読みの用語」をま
とめるとともに、本単元で何を学
び、何ができるようになったか、
日常生活の読書でどう生かせるの
かなどを振り返る。
1 思
主
読んで感じたことを共有して、感じ方
の違いに気付いている。
【学習プリント、発言】 「物語の概要やあらすじをまとめると
『なぜ』の答えが分かる」というように、
自らの学びを振り返ろうとしている。 【学習プリント、発言】
○ 「高蔵読書郵便」で考えを伝え合
い、感じ方の違いに気付くという
学習課題をつかむ。
◯ 「ごんぎつね」で学んだことを生
かして、「なぜ」を解決しながら新
美南吉の他の物語を読む。
2 主
思
主
物語を読んで考えたことを、伝え合お
うとしている。 【発言】 「読みの技能」を生かして物語を読ん
でいる。 【学習プリント】 同じ作者の物語に幅を広げて読書に親
しもうとしている。 【読書】 ○ 学んだことを想起して、「高蔵読
書郵便」に書きたい内容について
考える。
1 主
「高蔵読書郵便」で共有したい「なぜ」
と、自分なりの答えを考えようとしてい
る。 【読書郵便、発言】
○ 「高蔵読書郵便」で共有したい「な
ぜ」とその答えを書く。 ○ 本単元全体を通して感じた物語
を読む面白さや、岩滑小学校6年生
と読書郵便で交流したことについ
て話し合い、単元を振り返る。
4
思
主
主
あらすじのまとめ、中心人物の変容の
きっかけなど、学んだことを生かして読
書郵便を書いている。 【読書郵便】
岩滑小学校の児童と、物語を読んだ感
想や考えたことを、共有しようとしてい
る。 【物語を読む様子、読書郵便】 同じ物語を読んでも、人によって感じ
ることが違う面白さについて、伝え合お
うとしている。
【学習プリント、発言】
4 単元の目標
・ 様子や行動、気持ちや性格を表す語句を類別して捉えることができるようにする。
(知識及び技能)
・ 登場人物の気持ちについての考えをもつことや、友達と考えを伝え合って感じ方の違いに気付く
ことができるようにする。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
・ 教材文や、他の南吉作品を読み、考えたことを伝え合おうとする態度を養う。
(主体的に学習に取り組む態度)
5 評価規準
○ ごんや兵十の様子や行動、気持ちや性格を表す語句を捉えている。 (知識及び技能)
◯ 登場人物の気持ちの変化について、感想や考えをもち、一人一人の感じ方などに違いがあること
に気付いている。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
◯ 課題を自ら見付けようとしたり、同じ作者の他の物語に幅を広げて読み、他者と伝え合おうとし
たりしている。 (主体的に学習に取り組む態度)
6 指導計画と評価計画(16時間完了)
知…知識及び技能 思…思考力、判断力、表現力等 主…主体的に学習に取り組む態度
指導計画 評価計画 学習内容 時数 観点 評価規準と評価方法
○ 全文通読する。 ○ 既習の「読みの用語」を確認する。 ○ 初発の感想、中心人物に関わる
「なぜ」や気になる表現について交
流し、学習課題を複数設定する。
2 主 中心人物に関して「なぜ」と思ったと
ころや気になる表現について交流しよう
としている。 【学習プリント、発言】
○ 中心人物、対人物に誰が該当する
のか確認して、その人物像につい
て話し合う。
○ 場面ごとに「時、場、人物」を手
掛かりに、場面分けをする。
○ 4~8場面の概要をまとめる。
3
思
知
思 思
中心人物、対人物などを確認するとと
もに、人物像について考えている。 【学習プリント】
登場人物の心情について、気持ちや性
格を表す語句から捉えている。 【学習プリント、発言】
「時、場、人物」といったキーワード
を基に場面を分けている。 【学習プリント、発言】
場面ごとのキーワードをつなぎ合わせ
て物語の概要をまとめている。
【学習プリント、発言】 ○ あらすじ(中心人物の変容と変容
させた出来事)について考える。
1
思
場面を比較し、中心人物の変わってい
ないところと変わったところや、変容さ
せた出来事について、叙述を基に捉えて
いる。 【学習プリント、発言】
4年④
105高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 105 2018/10/09 17:44
15 分
(10 分)
(5分)
5 学級全体で問題解決を図る。
(南吉トークセッション②)
⑴ ごんの様子が変わった叙
述を捉える。
⑵ 兵十のごんに対する思い
を捉える。
○ ハンドサインを示し、互いの意図を確認しな
がら相互指名することで、発言をつなぐことが
できるようにする。
○ 児童の考えを把握しておくことで、話し合い
が停滞したり、論点がずれたりしたときに、意
図的な指名をし、話し合いが進むようにする。
○ 「読みの用語」や「読みの技能」を活用して
いる場面では、価値付けたり称賛したりするこ
とで、進んで活用しようという意識を高める。
○ 兵十はうなぎを盗まれたことに腹を立て
ていること、くりや松たけを神様のおかげとし
、ごんの償いだと気付いていないことから、ご
んに対する思いに変化がないことを確認する。
5分
7分
ま
と
め
る
6 学習のまとめをする。
7 本時で出てきた「読みの技能」
を他の作品でも生かして読むこ
とができることを確かめる。
(ビブリオタイム)
○ 板書で本時の流れを振り返ることで、整理し
て考えをもつことができるようにする。
○ まとめに必要なキーワードを提示することで、
全ての児童がまとめられるように支援する。
○ 学校司書が選定した、「読みの技能」を活用で
きそうな作品を示すことで、汎用的な力として
意識させる。
3分
振
り
返
る
8 学習を振り返る。
○ 「他に活用できそうな学習場面や生活場面」、
「もっと追究したいこと」と観点を示し、振り
返りをさせる。
○ 振り返りの記述を発表させることで、次時以
降の見通しをもたせる。
評価事項 「ごんが兵十に撃たれたのは、初め、用心深かったごんが、兵十が同じひとり
ぼっちになったことを【きっかけ】に【心情の変化】が起こり始め、償いを重ね
るうちに兵十に対しての距離が近付いていくようになったのに、兵十はごんの償
いに気付いていなかったからだと考える。」のように、「読みの技能」を活用しな
がら、学習課題に対して考えをもっている。 〈学習プリント・発言〉(思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
□…自分の考えをまとめることができていない児童には、板書を見て学習を振り
返らせたり、今までの学習を振り返らせたりするなどの個別の支援をすること
で、説明できるようにする。 ☆…課題に対して、「読みの技能」を用いて解決できた児童には、兵十の行動に
ついても触れながら、自分の考えをまとめられるようにすることで、より充実
した考えになるようにする。
7 本時の指導 (8/16時)
⑴ 目標
「なぜ、ごんは兵十にうたれたのだろう」という課題について、今までに習得した「読みの技能」
を活用して、考えをもつことができるようにする。
⑵ 準備
教師:学習プリント、小型ホワイトボードセット
児童:学習プリント、全文プリント
⑶ 指導過程
時間 段階 学習活動 指導上の留意点
2分
1分
め
あ
て
を
つ
か
む
1 前時までの学習を振り返る。
2 本時のめあてを知る。
○ 前時に解決した「なぜ」とその「答え」を振
り返らせることで、「読みの技能」を基に作品
を読んだことを確認する。
○ 本時では、前時に解決できなかった「なぜ、
ごんは兵十にうたれたのだろう」という課題に
ついて、「読みの技能」を活用しながら解決し
ていくことを知らせる。
5分
自
分
の
考
え
を
も
つ
3 自分の答えを再考する。
○ 前時に解決できなかった自分の考えを振り返
らせ、自分の答えを再考できるようにする。
○ 「なぜ」に対する答えだけでなく、叙述を基
に考えさせることで、根拠をもった読みになる
ようにする。
○ ごんや兵十の変容に着目することで課題解決
を図れそうなことを全体で確認する。
○ 第1場面と第8場面の叙述に着目させること
で、ごんの様子が、初めとは変わっていること
を捉えさせる。
7分
な
か
ま
と
対
話
す
る
4 少人数グループで共通点や
相違点を話し合う。
(南吉トークセッション①)
○ 共通点や相違点を視覚的に捉えながら互いの
考えを共有できるように、ホワイトボードを活
用して話し合わせる。
○ 「いつから」、「どのように」変わったのか
を観点とし、対話を焦点化できるようにする。
○ 話し合いがうまくいかないグループには、ま
ずは、どの場面からごんの行動が変わってきた
のかを考えさせることで、お互いの考えの共通
点や相違点を捉えることができるようにする。
○ 第6場面までは強く警戒していること、第7
場面から様子が変わってきていることを、全体
で確認する。
めあて:「なぜ、ごんは兵十にうたれたのだろう」を解決しよう。
4年⑤
106 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 106 2018/10/06 13:29
4年-6
15 分
(10 分)
(5分)
5 学級全体で問題解決を図る。
(南吉トークセッション②)
⑴ ごんの様子が変わった叙
述を捉える。
⑵ 兵十のごんに対する思い
を捉える。
○ ハンドサインを示し、互いの意図を確認しな
がら相互指名することで、発言をつなぐことが
できるようにする。
○ 児童の考えを把握しておくことで、話し合い
が停滞したり、論点がずれたりしたときに、意
図的な指名をし、話し合いが進むようにする。
○ 「読みの用語」や「読みの技能」を活用して
いる場面では、価値付けたり称賛したりするこ
とで、進んで活用しようという意識を高める。
○ 兵十はうなぎを盗まれたことに腹を立てて
いること、くりや松たけを神様のおかげとし、
ごんの償いだと気付いていないことから、ごん
に対する思いに変化がないことを確認する。
5分
7分
ま
と
め
る
6 学習のまとめをする。
7 本時で出てきた「読みの技能」
を他の作品でも生かして読むこ
とができることを確かめる。
(ビブリオタイム)
○ 板書で本時の流れを振り返ることで、整理し
て考えをもつことができるようにする。
○ まとめに必要なキーワードを提示することで、
全ての児童がまとめられるように支援する。
○ 学校司書が選定した、「読みの技能」を活用で
きそうな作品を示すことで、汎用的な力として
意識させる。
3分
振
り
返
る
8 学習を振り返る。
○ 「他に活用できそうな学習場面や生活場面」、
「もっと追究したいこと」と観点を示し、振り
返りをさせる。
○ 振り返りの記述を発表させることで、次時以
降の見通しをもたせる。
評価事項 「ごんが兵十に撃たれたのは、初め、用心深かったごんが、兵十が同じひとり
ぼっちになったことを【きっかけ】に【心情の変化】が起こり始め、償いを重ね
るうちに兵十に対しての距離が近付いていくようになったのに、兵十はごんの償
いに気付いていなかったからだと考える。」のように、「読みの技能」を活用しな
がら、学習課題に対して考えをもっている。 〈学習プリント・発言〉(思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
□…自分の考えをまとめることができていない児童には、板書を見て学習を振り
返らせたり、今までの学習を振り返らせたりするなどの個別の支援をすること
で、説明できるようにする。 ☆…課題に対して、「読みの技能」を用いて解決できた児童には、兵十の行動に
ついても触れながら、自分の考えをまとめられるようにすることで、より充実
した考えになるようにする。
7 本時の指導 (8/16時)
⑴ 目標
「なぜ、ごんは兵十にうたれたのだろう」という課題について、今までに習得した「読みの技能」
を活用して、考えをもつことができるようにする。
⑵ 準備
教師:学習プリント、小型ホワイトボードセット
児童:学習プリント、全文プリント
⑶ 指導過程
時間 段階 学習活動 指導上の留意点
2分
1分
め
あ
て
を
つ
か
む
1 前時までの学習を振り返る。
2 本時のめあてを知る。
○ 前時に解決した「なぜ」とその「答え」を振
り返らせることで、「読みの技能」を基に作品
を読んだことを確認する。
○ 本時では、前時に解決できなかった「なぜ、
ごんは兵十にうたれたのだろう」という課題に
ついて、「読みの技能」を活用しながら解決し
ていくことを知らせる。
5分
自
分
の
考
え
を
も
つ
3 自分の答えを再考する。
○ 前時に解決できなかった自分の考えを振り返
らせ、自分の答えを再考できるようにする。
○ 「なぜ」に対する答えだけでなく、叙述を基
に考えさせることで、根拠をもった読みになる
ようにする。
○ ごんや兵十の変容に着目することで課題解決
を図れそうなことを全体で確認する。
○ 第1場面と第8場面の叙述に着目させること
で、ごんの様子が、初めとは変わっていること
を捉えさせる。
7分
な
か
ま
と
対
話
す
る
4 少人数グループで共通点や
相違点を話し合う。
(南吉トークセッション①)
○ 共通点や相違点を視覚的に捉えながら互いの
考えを共有できるように、ホワイトボードを活
用して話し合わせる。
○ 「いつから」、「どのように」変わったのか
を観点とし、対話を焦点化できるようにする。
○ 話し合いがうまくいかないグループには、ま
ずは、どの場面からごんの行動が変わってきた
のかを考えさせることで、お互いの考えの共通
点や相違点を捉えることができるようにする。
○ 第6場面までは強く警戒していること、第7
場面から様子が変わってきていることを、全体
で確認する。
めあて:「なぜ、ごんは兵十にうたれたのだろう」を解決しよう。
4年⑥
107高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 107 2018/10/09 17:44
MEMO
MEMO
108 高蔵小学校 指導案集
MEMO
MEMO
109高蔵小学校 指導案集
⑶ 系統的に見た位置 第4学年「ごんぎつね」では、人物、表現技法といった読みの系列を手掛かりに、登場人物の
心情の変化や性格について想像することができた。また、単元の終末に「高蔵読書郵便」を設定
し、他校の児童との交流を通して、豊かな読書生活に結び付けることができるようにした。 本単元の主教材「大造じいさんとがん」では、対比的な表現や情景描写に着目することで、登
場人物の心情の変化を読み取ることができるようにしたい。また、作品から伝わるメッセージを
捉え、交流することによって、児童のものの見方や考え方を広げたい。この後の「雪わたり」で
は、これまでの学習内容を生かして、情景描写の効果や作品の仕組み、擬音語や擬態語、繰り返
しといった表現技法にも着目しながら、作品から伝わるメッセージを捉えることができるように
していくことで、児童の読みの技能を確実に習得させたい。 3 研究主題に迫るために ⑴ 主体的・循環的で深い学びのある授業にするために
・ 作品と読者をつなぐ“接着剤”としての「メッセージ」
「大造じいさんとがん」では、中心人物の変化から、作品から伝わるメッセージを捉える学
習を行う。これまでの多くの実践では、メッセージを捉えることがゴールになっていた場合が
多かったが、本単元では作品と読者をつなぐ“接着剤”として位置付ける。作品を通して捉え
たメッセージを、自分の生活経験や既有知識と結び付けることで、自分のものの見方や考え方
を広げ、深めていくことにつないでいく。このような読み方を身に付けた児童は、文学作品を
通して、自分自身の世界を広げていくことができるようになると考える。
・ 「振り返り」による習得した読みの技能の確認と活用
学習のまとめでは、本時の授業を通して身に付いたことを端的に記述させる。「情景描写に着
目して読むことで、大造じいさんの心情が理解できるようになった。」のように読みの技能を
習得したことを実感することで、この読み方を他の読書へも生かす循環的な学びとなる。
主教材で身に付けた読みの技能を、別の作品でも生かすことができる単元構成にすることで、
循環的で深い学びとなり、今後の読書生活へとつながると考える。
⑵ 対話的・協働的で深い学びのある授業にするために
・ 心情の変化を読み取るための思考ツール「心チャート」の活用
思考ツール「心チャート」を用いて、読み取ったことをチャート図に表すことで、大造じい
さんの残雪への考え方や心情の変化を視覚的に捉えることができるようにする。項目に、「い
まいましい」、「たかが鳥」、「とらえたい」の3つを設定し、各場面で、大造じいさんの考えや
心情として適切な数値はそれぞれどれだけかを考える。項目の数値を問題にするのではなく、
前場面とどう変わったのかを話し合いの中心とすることで、大造じいさんの心情と、心情が変
化していく過程を、想像を豊かにしながら読むことができると考える。
・ 「主張」「根拠」「理由付け」を重視した話し合い活動
本文の叙述をどのように意味付けたか(理由付けたか/解釈したか)を明確にすることで、
情景描写や行動描写、対比などで隠喩的に描かれた心情を読み取ることができるようにする。
児童に「○○と書いてあり、これは□□ということだから、△△という心情が分かる」のよう
に、主張(考え)、根拠(叙述)、意味付け(理由付け・解釈)を明確にした話し合いを意識さ
せる。
高蔵小学校第5学年1組 国語科学習指導案
平成30年11月2日(金)公開授業Ⅱ(体育館) 授業者 今村 淳司
1 単元
椋鳩十の作品を読み味わおう - 登場人物の人物像や心情の変化を捉える -
2 単元について
⑴ 単元の意義 本単元は、優れた表現を用いて描かれた椋鳩十の作品を読み味わうことをねらいとしている。
ここで言う「作品を読み味わう」とは、登場人物の人物像や心情の変化を捉え、それを基に作品
から伝わるメッセージを捉えることを指す。
作品から伝わるメッセージを捉えるためには、表現の効果を考えながら読んだり、作品の全体
像を捉えて読んだりする必要がある。主教材「大造じいさんとがん」では、味わい深い表現から、
残雪の行動に心を動かされる大造じいさんの人物像や心情の変化を読み取らせたい。児童は、作
品から伝わるメッセージを捉えて交流することによって、それぞれの捉え方や根拠の違いから、
ものの見方や考え方を広げ、深めていくであろう。本単元では、「高蔵小学校 読みの系統指導カ
リキュラム」に基づいて、以下に示す「読みの技能」と「読みの用語」を踏まえながら学習を進
める。
また、本単元では、習得した読みの技能を生かし、椋鳩十の作品を読み味わわせたい。そして、
読書交流会を開き、互いに考えを伝え合うことで、自分の考えを広げることができるようにする。 このように主教材で身に付けた読みの技能を別の作品でも行うことで、読みの技能の習得を確
実なものとしたり、読書に親しむことの良さに気付いたりすることができるようになり、循環的
に学びを行うことができると考える。 ⑵ 単元と児童との関係
1学期に学習した「いつか大切なところ」では、色彩語や擬音語、情景描写などに着目しなが
ら読み、様々な叙述に着目して登場人物の心情を想像する力を身に付けた。さらに学びを深める
ために「大造じいさんとがん」では、場面の読み取りにおいて主発問を設定することで、対話を
焦点化させたい。また、本学年には、読書が好きな児童が多い。自分が持っている本の中で特に
推薦したい本を持ち寄って読み合う姿も多く見られ、本に親しもうとする態度は向上している。
本単元で椋鳩十の作品を読み味わい、最後に、読書交流会を開き、互いの考えを伝え合うことで、
自分の考えを広げることができるようにしたいと考えた。
読みの系列 読みの技能 読みの用語 ①作品の構造 作品の設定に気を付けて読む 時、場所、登場人物、出来事 ①作品の構造 物語の仕組みを捉えて読む 起承転結(導入・展開・山場・結末) ③人物 登場人物の相互関係の変化に着目して読む 登場人物の相互関係 ④メッセージ 中心人物の心情の変化からメッセージを捉える メッセージ ④メッセージ 山場や結末の意味からメッセージを捉える 山場の意味、結末の意味 ⑤表現技法 情景描写の効果を考えながら読む 情景描写 ⑤表現技法 対比的な表現の効果を考えながら読む 対比
5年①
110 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 110 2018/10/06 13:30
5年-2
⑶ 系統的に見た位置 第4学年「ごんぎつね」では、人物、表現技法といった読みの系列を手掛かりに、登場人物の
心情の変化や性格について想像することができた。また、単元の終末に「高蔵読書郵便」を設定
し、他校の児童との交流を通して、豊かな読書生活に結び付けることができるようにした。 本単元の主教材「大造じいさんとがん」では、対比的な表現や情景描写に着目することで、登
場人物の心情の変化を読み取ることができるようにしたい。また、作品から伝わるメッセージを
捉え、交流することによって、児童のものの見方や考え方を広げたい。この後の「雪わたり」で
は、これまでの学習内容を生かして、情景描写の効果や作品の仕組み、擬音語や擬態語、繰り返
しといった表現技法にも着目しながら、作品から伝わるメッセージを捉えることができるように
していくことで、児童に読みの技能を確実に習得させたい。 3 研究主題に迫るために ⑴ 主体的・循環的で深い学びのある授業にするために
・ 作品と読者をつなぐ“接着剤”としての「メッセージ」
「大造じいさんとがん」では、中心人物の変化から、作品から伝わるメッセージを捉える学
習を行う。これまでの多くの実践では、メッセージを捉えることがゴールになっていた場合が
多かったが、本単元では作品と読者をつなぐ“接着剤”として位置付ける。作品を通して捉え
たメッセージを、自分の生活経験や既有知識と結び付けることで、自分のものの見方や考え方
を広げ、深めていくことにつないでいく。このような読み方を身に付けた児童は、文学作品を
通して、自分自身の世界を広げていくことができるようになると考える。
・ 「振り返り」による習得した読みの技能の確認と活用
学習のまとめでは、本時の授業を通して身に付いたことを端的に記述させる。「情景描写に着
目して読むことで、大造じいさんの心情が理解できるようになった。」のように読みの技能を
習得したことを実感することで、この読み方を他の読書へも生かす循環的な学びとなる。
主教材で身に付けた読みの技能を、別の作品でも生かすことができる単元構成にすることで、
循環的で深い学びとなり、今後の読書生活へとつながると考える。
⑵ 対話的・協働的で深い学びのある授業にするために
・ 心情の変化を読み取るための思考ツール「心チャート」の活用
思考ツール「心チャート」を用いて、読み取ったことをチャート図に表すことで、大造じい
さんの残雪への考え方や心情の変化を視覚的に捉えることができるようにする。項目に、「い
まいましい」、「たかが鳥」、「とらえたい」の3つを設定し、各場面で、大造じいさんの考えや
心情として適切な数値はそれぞれどれだけかを考える。項目の数値を問題にするのではなく、
前場面とどう変わったのかを話し合いの中心とすることで、大造じいさんの心情と、心情が変
化していく過程を、想像を豊かにしながら読むことができると考える。
・ 「主張」「根拠」「理由付け」を重視した話し合い活動
本文の叙述をどのように意味付けたか(理由付けたか/解釈したか)を明確にすることで、
情景描写や行動描写、対比などで隠喩的に描かれた心情を読み取ることができるようにする。
児童に「○○と書いてあり、これは□□ということだから、△△という心情が分かる」のよう
に、主張(考え)、根拠(叙述)、意味付け(理由付け・解釈)を明確にした話し合いを意識さ
せる。
高蔵小学校第5学年1組 国語科学習指導案
平成30年11月2日(金)公開授業Ⅱ(体育館) 授業者 今村 淳司
1 単元
椋鳩十の作品を読み味わおう - 登場人物の人物像や心情の変化を捉える -
2 単元について
⑴ 単元の意義 本単元は、優れた表現を用いて描かれた椋鳩十の作品を読み味わうことをねらいとしている。
ここで言う「作品を読み味わう」とは、登場人物の人物像や心情の変化を捉え、それを基に作品
から伝わるメッセージを捉えることを指す。
作品から伝わるメッセージを捉えるためには、表現の効果を考えながら読んだり、作品の全体
像を捉えて読んだりする必要がある。主教材「大造じいさんとがん」では、味わい深い表現から、
残雪の行動に心を動かされる大造じいさんの人物像や心情の変化を読み取らせたい。児童は、作
品から伝わるメッセージを捉えて交流することによって、それぞれの捉え方や根拠の違いから、
ものの見方や考え方を広げ、深めていくであろう。本単元では、「高蔵小学校 読みの系統指導カ
リキュラム」に基づいて、以下に示す「読みの技能」と「読みの用語」を踏まえながら学習を進
める。
また、本単元では、習得した読みの技能を生かし、椋鳩十の作品を読み味わわせたい。そして、
読書交流会を開き、互いに考えを伝え合うことで、自分の考えを広げることができるようにする。 このように主教材で身に付けた読みの技能を別の作品でも行うことで、読みの技能の習得を確
実なものとしたり、読書に親しむことの良さに気付いたりすることができるようになり、循環的
に学びを行うことができると考える。 ⑵ 単元と児童との関係
1学期に学習した「いつか大切なところ」では、色彩語や擬音語、情景描写などに着目しなが
ら読み、様々な叙述に着目して登場人物の心情を想像する力を身に付けた。さらに学びを深める
ために「大造じいさんとがん」では、場面の読み取りにおいて主発問を設定することで、対話を
焦点化させたい。また、本学年には、読書が好きな児童が多い。自分が持っている本の中で特に
推薦したい本を持ち寄って読み合う姿も多く見られ、本に親しもうとする態度は向上している。
本単元で椋鳩十の作品を読み味わい、最後に、読書交流会を開き、互いの考えを伝え合うことで、
自分の考えを広げることができるようにしたいと考えた。
読みの系列 読みの技能 読みの用語 ①作品の構造 作品の設定に気を付けて読む 時、場所、登場人物、出来事 ①作品の構造 物語の仕組みを捉えて読む 起承転結(導入・展開・山場・結末) ③人物 登場人物の相互関係の変化に着目して読む 登場人物の相互関係 ④メッセージ 中心人物の心情の変化からメッセージを捉える メッセージ ④メッセージ 山場や結末の意味からメッセージを捉える 山場の意味、結末の意味 ⑤表現技法 情景描写の効果を考えながら読む 情景描写 ⑤表現技法 対比的な表現の効果を考えながら読む 対比
5年②
111高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 111 2018/10/09 17:45
○ 第三場面の大造じいさんの
心情を読み取る。
1 思
心チャートの「とらえたい」「いまいましい」
「たかが鳥」という思いが全てなくなっているこ
とに気付くとともに、大造じいさんが大きく考え
を変えた場面として、「が、なんと思ったか、ふ
たたび銃をおろしてしまった」や「ただの鳥に対
している気がしなかった」という叙述を選び、そ
の理由をまとめている。 【学習プリント・発言】
○ 第三場面の大造じいさんの
変化を読み取る。
1 思
第三場面で心チャートの「とらえたい」「いま
いましい」「たかが鳥」の値が全てなくなった理
由を、「残雪が命がけで仲間を助けている姿や、
最期の時を感じつつも堂々とした態度を見せよ
うとした姿に大造じいさんが心を打たれたから」
のようにまとめている。 【学習プリント・発言】
○ 第四場面の大造じいさんの
心情を読み取る。
1
(公開) 思
心チャートを活用して、大造じいさんの「また
堂々と戦おう」という言葉から、残雪を「とらえ
たい」と考えていることを読み取るとともに、
「堂々と」の意味を、「互いの知恵を戦わせて、
一対一で勝負したい」のように捉えている。
【学習プリント・発言】
○ 作品から伝わるメッセージ
を捉え、作品に対する自分の
考えをまとめる。
2
思
「初め残雪のことをいまいましく思い、何とし
てもとらえてやりたい、たかが鳥とあなどってい
た大造じいさんが、自らの危険を顧みずに仲間を
助ける残雪の姿に心を打たれたことによって、残
雪を『英ゆう』とたたえ、自分も不意打ちでしと
めるような卑怯なやり方ではなく、知恵比べをし
て堂々と戦いたいと考えるようになった話」のよ
うにまとめている。 【学習プリント・発言】
思
中心人物の変容や、山場や結末の意味を基にし
て作品から伝わるメッセージを捉え、作品に対す
る考えを自分の生活経験や既有知識と関連付け
てまとめている。 【学習プリント・発言】
○ 他の物語を読み、作品に対
する自分の考えをまとめると
ともに、読書交流会の準備を
行う。 2
思 中心人物の変容を捉え、それを基にして作品か
らのメッセージをまとめている。【学習プリント】
思
読書交流会で自分が選んだ作品の内容が伝わ
るように、「中心人物の変容」と「作品から伝わ
るメッセージ」を盛り込んだ発表内容を考えてい
る。 【学習プリント】
○ 読書交流会を行う。
1
主
自分が選んだ作品の内容が伝わるように、聞き
手を意識して紹介しようとしている。
【話し合いの様子・学習プリント】
思
読書交流会を通して、自分のものの見方や考え
方を広げたり、深めたりしている。
【学習プリント】
4 単元の目標
・ 語句の意味や使い方に対する認識を深め、語彙の質を高めることができるようにする。
(知識及び技能)
・ 中心人物の心情とその変容を基に、作品から伝わるメッセージを自分の生活経験や既有知識と
結び付けてまとめることができるようにする。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
・ 読書交流会を通して、自分のものの見方や考え方を広げたり、深めたりしようとする態度を養
う。 (主体的に学習に取り組む態度)
5 評価規準
○ 文の中の語句の意味や使い方に対する認識を深め、語彙の質を高めている。 (知識及び技能)
○ 行動、会話、情景などの描写を基に、中心人物の心情とその変容を読み取るとともに、それを
基にして作品から伝わるメッセージを捉え、生活経験や既有知識と結び付けて、自分の考えをま
とめている。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
○ 読書交流会を通して、自分のものの見方や考え方を広げたり、深めたりしようとしている。
(主体的に学習に取り組む態度)
6 指導計画と評価計画(12時間完了)
知…知識及び技能 思…思考力、判断力、表現力等 主…主体的に学習に取り組む態度
指導計画 評価計画
学習内容 時数 観点 評価規準と評価方法
○ 読書交流会について知り、
学習の見通しをもつととも
に、「大造じいさんとがん」に
ついて、初発の感想を書く。 1
主
主
読書交流会で、作品の魅力を伝えたいという意
欲をもっている。 【発言】
作品の中で気になった表現、追究していきたい
内容を具体的に挙げて、感想を書いている。
【学習プリント】
○ 作品の設定と、物語の構成
を捉え、大造じいさんの作戦
を読み取る。 1
知
思
語句の意味を調べたり、使い方を考えたりする
ことで、語彙の質を高めている。【学習プリント】
各場面の設定(時・登場人物・場所)と構成(起
承転結)、大造じいさんの作戦の内容や準備期間
を正確に読み取っている。【学習プリント・発言】
○ 第一場面の大造じいさんの
残雪に対する考えを読み取
る。 1
思
大造じいさんの作戦に対する期待や自信、それ
が失敗して落胆する心情を読み取るとともに、残
雪のことを「いまいましい」と感じていること、
「たかが鳥」と見下した評価をしていること、「と
らえたい」と強く感じていることを、心チャート
を活用して捉えている。 【学習プリント・発言】
○ 第二場面の大造じいさんの
残雪に対する考えを読み取
る。
1
思
大造じいさんの作戦に対する期待や自信、また
しても残雪に作戦を阻まれ、途方にくれている心
情を読み取るとともに、残雪のことを引き続き
「いまいましい」と感じていること、それに対し
「見下している」気持ちが「感心する」気持ちへ
と移ってきていること、「とらえたい」という気
持ちは強くなっていることを、心チャートを活用
して捉えている。 【学習プリント・発言】
5年③
112 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 112 2018/10/09 17:48
5年-4
○ 第三場面の大造じいさんの
心情を読み取る。
1
思
心チャートの「とらえたい」「いまいましい」
「たかが鳥」という思いが全てなくなっているこ
とに気付くとともに、大造じいさんが大きく考え
を変えた場面として、「が、なんと思ったか、ふ
たたび銃をおろしてしまった」や「ただの鳥に対
している気がしなかった」という叙述を選び、そ
の理由をまとめている。 【学習プリント・発言】
○ 第三場面の大造じいさんの
変化を読み取る。
1
思
第三場面で心チャートの「とらえたい」「いま
いましい」「たかが鳥」の値が全てなくなった理
由を、「残雪が命がけで仲間を助けている姿や、
最期の時を感じつつも堂々とした態度を見せよ
うとした姿に大造じいさんが心を打たれたから」
のようにまとめている。 【学習プリント・発言】
○ 第四場面の大造じいさんの
心情を読み取る。
1
(公開)
思
心チャートを活用して、大造じいさんの「また
堂々と戦おう」という言葉から、残雪を「とらえ
たい」と考えていることを読み取るとともに、
「堂々と」の意味を、「互いの知恵を戦わせて、
一対一で勝負したい」のように捉えている。
【学習プリント・発言】
○ 作品から伝わるメッセージ
を捉え、作品に対する自分の
考えをまとめる。
2
思
思
「初め残雪のことをいまいましく思い、何とし
てもとらえてやりたい、たかが鳥とあなどってい
た大造じいさんが、自らの危険を顧みずに仲間を
助ける残雪の姿に心を打たれたことによって、残
雪を『英ゆう』とたたえ、自分も不意打ちでしと
めるような卑怯なやり方ではなく、知恵比べをし
て堂々と戦いたいと考えるようになった話」のよ
うにまとめている。 【学習プリント・発言】
中心人物の変容や、山場や結末の意味を基にし
て作品から伝わるメッセージを捉え、作品に対す
る考えを自分の生活経験や既有知識と関連付け
てまとめている。 【学習プリント・発言】
○ 他の物語を読み、作品に対
する自分の考えをまとめると
ともに、読書交流会の準備を
行う。 2
思
思
中心人物の変容を捉え、それを基にして作品か
らのメッセージをまとめている。【学習プリント】
読書交流会で自分が選んだ作品の内容が伝わ
るように、「中心人物の変容」と「作品から伝わ
るメッセージ」を盛り込んだ発表内容を考えてい
る。 【学習プリント】
○ 読書交流会を行う。
1
主
思
自分が選んだ作品の内容が伝わるように、聞き
手を意識して紹介しようとしている。
【話し合いの様子・学習プリント】
読書交流会を通して、自分のものの見方や考え
方を広げたり、深めたりしている。
【学習プリント】
4 単元の目標
・ 語句の意味や使い方に対する認識を深め、語彙の質を高めることができるようにする。
(知識及び技能)
・ 中心人物の心情とその変容を基に、作品から伝わるメッセージを自分の生活経験や既有知識と
結び付けてまとめることができるようにする。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
・ 読書交流会を通して、自分のものの見方や考え方を広げたり、深めたりしようとする態度を養
う。 (主体的に学習に取り組む態度)
5 評価規準
○ 文の中の語句の意味や使い方に対する認識を深め、語彙の質を高めている。 (知識及び技能)
○ 行動、会話、情景などの描写を基に、中心人物の心情とその変容を読み取るとともに、それを
基にして作品から伝わるメッセージを捉え、生活経験や既有知識と結び付けて、自分の考えをま
とめている。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
○ 読書交流会を通して、自分のものの見方や考え方を広げたり、深めたりしようとしている。
(主体的に学習に取り組む態度)
6 指導計画と評価計画(12時間完了)
知…知識及び技能 思…思考力、判断力、表現力等 主…主体的に学習に取り組む態度
指導計画 評価計画
学習内容 時数 観点 評価規準と評価方法
○ 読書交流会について知り、
学習の見通しをもつととも
に、「大造じいさんとがん」に
ついて、初発の感想を書く。 1
主
主
読書交流会で、作品の魅力を伝えたいという意
欲をもっている。 【発言】
作品の中で気になった表現、追究していきたい
内容を具体的に挙げて、感想を書いている。
【学習プリント】
○ 作品の設定と、物語の構成
を捉え、大造じいさんの作戦
を読み取る。 1
知
思
語句の意味を調べたり、使い方を考えたりする
ことで、語彙の質を高めている。【学習プリント】
各場面の設定(時・登場人物・場所)と構成(起
承転結)、大造じいさんの作戦の内容や準備期間
を正確に読み取っている。【学習プリント・発言】
○ 第一場面の大造じいさんの
残雪に対する考えを読み取
る。 1
思
大造じいさんの作戦に対する期待や自信、それ
が失敗して落胆する心情を読み取るとともに、残
雪のことを「いまいましい」と感じていること、
「たかが鳥」と見下した評価をしていること、「と
らえたい」と強く感じていることを、心チャート
を活用して捉えている。 【学習プリント・発言】
○ 第二場面の大造じいさんの
残雪に対する考えを読み取
る。
1
思
大造じいさんの作戦に対する期待や自信、また
しても残雪に作戦を阻まれ、途方にくれている心
情を読み取るとともに、残雪のことを引き続き
「いまいましい」と感じていること、それに対し
「見下している」気持ちが「感心する」気持ちへ
と移ってきていること、「とらえたい」という気
持ちは強くなっていることを、心チャートを活用
して捉えている。 【学習プリント・発言】
5年④
113高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 113 2018/10/09 17:49
(7分)
(15 分)
なかまと対話する
(2) 少人数で話し合う。
(3) 全体で共有する。
○ 「同じ主張でも選んだ根拠が違う」、「同じ根拠
を選んでも理由付けが違う」といったように、着
目した叙述とそれに対する理由付けを意識して
話し合いに臨ませることで、大造じいさんの残雪
への考え方を多角的に交流できるようにする。
○ 自分の考えを明確にしたり、全体交流への抵抗
感を軽減するために、まずはグループでの話し合
いをする。
○ 最初の児童のみ教師が指名し、その後はハンド
サインを出しながら相互指名で発言をつなぐよ
うに指示する。
○ 以下の3点が、話し合いの中心となるように、
必要に応じて軌道修正する。
・ 「堂々と戦う」とは、どう戦うことか。
・ 「ひきょうなやり方」とは、何か。
・ これまでの作戦は「堂々」か「ひきょう」か。
○ 教師は、児童の発言内容を整理して板書をする
ことで、「堂々と戦うこと」と「ひきょうなやり
方」との対比を視覚的に理解できるようにする。
7分
まとめる
5 最終的な「心チャート」の数
値を考え、大造じいさんの残雪
に対する考え方をまとめる。
○ 話し合ってきたことを基に最終的な「心チャー
ト」の数値を決定し、「とらえたい」の数値を中
心にまとめさせるようにする。
○ 理由の中に、「堂々と戦う」「ひきょうなやり方」
について言及するように伝える。
○ この1時間で習得した読みの技能を自覚化さ
せるために、理由に続けて「『読みの用語』を使
うことによって~ができることが分かった」と書
くようにする。
2分 振り返る
6 学習を振り返る。 ○ 本時で学習した内容を基に、さらに追究したい
ことや今後の読書生活で活用したいことなどを
端的にまとめるように指示する。
評価事項 大造じいさんの考える「堂々と戦う」の意味を的確に捉え、「これまでのように互
いの知恵を出し合って一対一で『堂々』とした戦いをしたい」のように、大造じいさ
んの心情や残雪への思いを読み取るとともに、「『対比』を使うと、登場人物の心情を
深く読み取ることができることが分かった」のように、習得した技能についてまとめ
ている。 〈学習プリント〉(思考力、判断力、表現力【読むこと】) □…作戦を立てて戦うことが「堂々」ではないと捉えてしまう児童には、「また」と
いう言葉に着目させ、大造じいさんがこれまでの戦いを堂々とした戦いだと考えて
いることに気付くことができるようにする。 ☆…「堂々」の意味を適切に捉えることができている児童には、大造じいさんはなぜ
「ひきょうなやり方でやっつけたかあない」と言ったのか、その人物像と関連付け
て考えることができるようにする。
7 本時の指導 (7/12時)
⑴ 目標
対比や情景描写を基に、飛び去っていく残雪に「堂々と戦おう」と呼び掛けた大造じいさんの
心情を読み取ることができるようにする。
⑵ 準備
教師:第一場面~第三場面までの「心チャート」、空の「心チャート」(拡大したもの)
児童:学習プリント、全文プリント
⑶ 指導過程
時間 段階 学習内容 指導上の留意点
3分
2分
めあてをつかむ
1 これまでの学習を、学習プリ
ントや「心チャート」を基に振
り返る。
2 めあてを理解する。
○ これまでの「心チャート」をホワイトボードに
提示し、その数値を基にして、大造じいさんの心
情や残雪への考えを振り返る。
○ 第四場面の終末部分での「心チャート」を考え
ることで、大造じいさんの心情や残雪への考え方
を捉えることがめあてであることを確認する。そ
の際、これまでに読み取ってきた大造じいさんの
人物像との関連も考えるようにする。
4分
27 分
(5 分)
自分の考えをもつ
3 「心チャート」の数値を考え
る。
4 「堂々と」の意味を考える。
(1) 自分の考えをもつ。
○ 以下のような思考ツールに大造じいさんの心
情を書き込ませ、残雪に対する「いまいましい」
思いや、「たかが鳥」という思いは、第三場面と
同じく0であることを、全体で押さえる。
○ 児童から、「『とらえたい』という思いは0では
ない」という考えが出ると予想されるので、「な
ぜ0ではないのか」と問うことで、大造じいさん
の残雪に呼び掛ける言葉「また、堂々と戦おうじ
ゃあないか」に着目させる。
○ 「堂々と戦うとは、~ということだ」という文
型を提示することで、児童の思考を焦点化するこ
とができるようにする。
○ 主張とその根拠(本文の叙述)、理由付け(解
釈)を明確にして意見をまとめることができるよ
うにする。
めあて:飛び去っていく残雪を見守る大造じいさんの心情や残雪への考え方を読み取ろう。
第一・二場面…「心チャート」の「とらえたい」「いまいましい」気持ちが高まり、
「たかが鳥」という考えは場面を追うごとに少なくなってきた。
第三場面…「とらえたい」「いまいましい」思いが強くなっていたにもかかわらず、
残雪を撃てるところで撃たなかった。残雪のはやぶさと戦う姿や、傷を負っても堂々
としている姿に、「ただの鳥に対している気がしなかった」。
5年⑤
114 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 114 2018/10/06 13:30
(7分)
(15 分)
なかまと対話する
(2) 少人数で話し合う。
(3) 全体で共有する。
○ 「同じ主張でも選んだ根拠が違う」、「同じ根拠
を選んでも理由付けが違う」といったように、着
目した叙述とそれに対する理由付けを意識して
話し合いに臨ませることで、大造じいさんの残雪
への考え方を多角的に交流できるようにする。
○ 自分の考えを明確にしたり、全体交流への抵抗
感を軽減するために、まずはグループでの話し合
いをする。
○ 最初の児童のみ教師が指名し、その後はハンド
サインを出しながら相互指名で発言をつなぐよ
うに指示する。
○ 以下の3点が、話し合いの中心となるように、
必要に応じて軌道修正する。
・ 「堂々と戦う」とは、どう戦うことか。
・ 「ひきょうなやり方」とは、何か。
・ これまでの作戦は「堂々」か「ひきょう」か。
○ 教師は、児童の発言内容を整理して板書をする
ことで、「堂々と戦うこと」と「ひきょうなやり
方」との対比を視覚的に理解できるようにする。
7分
まとめる
5 最終的な「心チャート」の数
値を考え、大造じいさんの残雪
に対する考え方をまとめる。
○ 話し合ってきたことを基に最終的な「心チャー
ト」の数値を決定し、「とらえたい」の数値を中
心にまとめさせるようにする。
○ 理由の中に、「堂々と戦う」「ひきょうなやり方」
について言及するように伝える。
○ この1時間で習得した読みの技能を自覚化さ
せるために、理由に続けて「『読みの用語』を使
うことによって~ができることが分かった」と書
くようにする。
2分 振り返る
6 学習を振り返る。 ○ 本時で学習した内容を基に、さらに追究したい
ことや今後の読書生活で活用したいことなどを
端的にまとめるように指示する。
評価事項 大造じいさんの考える「堂々と戦う」の意味を的確に捉え、「これまでのように互
いの知恵を出し合って一対一で『堂々』とした戦いをしたい」のように、大造じいさ
んの心情や残雪への思いを読み取るとともに、「『対比』を使うと、登場人物の心情を
深く読み取ることができることが分かった」のように、習得した技能についてまとめ
ている。 〈学習プリント〉(思考力、判断力、表現力【読むこと】) □…作戦を立てて戦うことが「堂々」ではないと捉えてしまう児童には、「また」と
いう言葉に着目させ、大造じいさんがこれまでの戦いを堂々とした戦いだと考えて
いることに気付くことができるようにする。 ☆…「堂々」の意味を適切に捉えることができている児童には、大造じいさんはなぜ
「ひきょうなやり方でやっつけたかあない」と言ったのか、その人物像と関連付け
て考えることができるようにする。
5年⑥
115高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 115 2018/10/06 13:31
MEMO
MEMO
116 高蔵小学校 指導案集
MEMO
MEMO
117高蔵小学校 指導案集
⑶ 系統的に見た位置
5年生の「大造じいさんとがん」では、登場人物の相互関係や心情などについて、描写を基に捉
える学習を行った。また、中心人物の心情の変化について作品全体を通して考える力を習得した。
6年生の「川とノリオ」では、心に残った表現から登場人物の心情や情景を想像する学習を行っ
た。また、表現から読み手としての考えをまとめ、話し合い活動を通して自分の考えを広げる学習
を行った。本単元の「きつねの窓」では、ぼくと子ぎつねとの相互関係や優れた叙述について考え
をまとめる力の習熟をねらっている。さらに、自分の考えを友達と共有することによって、自分の
考えを広げたり深めたりすることもねらっている。
これらの小学校での学習は、中学校での文章を読んで理解したことに基づいて、自分の考えを確
かなものにする力の育成へとつながっていく。
3 研究主題に迫るために
⑴ 主体的・循環的で深い学びのある授業にするために
・ ファンタジーの読みの観点の習得と活用
ファンタジーの読みの4観点を習得させることを目指した授業づくりを行う。「ファンタジー
の入口と出口」「非現実世界での不思議な出来事」「中心人物の成長」、そして「メッセージ」で
ある。この4観点を用いて、ファンタジーの不思議さを読み解いていく。
さらに、主教材で習得した読みの技能を生かして別の作品を読み、作品が描いているメッセー
ジを捉え、自分の見方や考え方を広げていく。習得した読みの技能を他へ活用させることで、循
環的で深い学びとなり、今後の読書生活で様々な作品から学びを得る姿につながる。
・ 学びの自覚化や新たな課題設定のための振り返り
1時間の授業で何が分かったか、どのような力が身に付いたか、その力を生かして、今後、ど
のようなことができそうかという点を児童に自覚させるために、各授業時間の終わりに振り返り
の活動を行う。振り返りについての学習プリントを1枚用意し、各時間の振り返りをそのプリン
トに記述させることで、単元全体での学びを自覚させたり、新たな課題を設定させたりする。
⑵ 対話的・協働的で深い学びのある授業にするために
・ 「主張」「根拠」「理由付け」を重視した話し合い活動
「主張」「根拠」「理由付け」の三つをセットとした論証である。主張を支える根拠だけではなく、
その根拠をどのように理由付けしたか、という点を明確にするのがポイントとなる。同じ根拠で
も、その理由付けによって、主張は変わる。この思考の流れが児童に身に付くと、理由付けの妥
当性が話し合いの中心となり、協働的で深い学びが成立する。ここには、一人一人の既有知識や
体験などが裏付けとなるため、発表において対話の広がりや深まりが見られると考える。
・ 異なるメッセージを考えたグループでの対話活動
メッセージを考える学習では、異なるメッセージを考えた児童同士でグループを作って対話する
活動を行う。このメッセージを考えるときにも、「主張」「根拠」「理由付け」のセットで考えさせ
るようにする。そうすることで、異なるメッセージでも、根拠が同じであったり根拠に対する理
由付けが違ったりすることに気付くことが予想される。全体での話し合いでは、同じメッセージ
でも根拠や理由付けが異なっていることも知ることができる。これらの対話活動によって、自分
の考えの広がりや深まりが期待できる。
高蔵小学校第6学年1組・2組 国語科学習指導案
平成30年11月2日(金)公開授業Ⅰ(6-2) 授業者 加藤 幸子
公開授業Ⅱ(6-1) 授業者 久野 雅裕
1 単元
ファンタジーふしぎ発見!
- 表現の効果や物語の全体像を捉える -
2 単元について
⑴ 単元の意義
本単元は、「ファンタジーふしぎ発見!」をテーマに、ファンタジー作品の表現の効果や物語の
全体像について考えをまとめ、他者と共有することを通して考えを広げたり深めたりすることをね
らいとしている。
主教材として「きつねの窓」を選び、①ファンタジーの入口と出口 ②非現実世界での不思議な
出来事 ③中心人物の成長 ④メッセージという読みの4観点で読んでいく。
さらに、「きつねの窓」の学習後、各自が選んだファンタジー作品を習得した4観点を基に読み、
読書交流会を開くことを設定する。読書交流会を開き、互いの考えを聞き合うことで、自分の考え
を広げたり深めたりすることができるようにする。
このような単元の学習を行うことで、児童が自分でファンタジーを読む時にもこの読みの観点を
生かすことができ、循環的な深い学びへとつながっていく。ここに本単元の意義がある。
さらに、本単元では「高蔵小学校 読みの系統指導カリキュラム」に基づいて、以下の読みの技
能を身に付けさせたい。この中でも特に④メッセージと⑤表現技法について、重点化して取り組む。
⑵ 単元と児童との関係
本学年の児童は、「川とノリオ」において、色彩語や行動描写などに着目しながら、ノリオと川
の関係やノリオの心情について想像する活動を行った。しかし、まだ叙述を基にした想像が十分に
身に付いているとはいえない。また、作品から伝わるメッセージについての学習では、メッセージ
を考えることはできていたが、その根拠となる叙述から理由付けを行う活動が十分ではなかった。
そこで本単元では、ファンタジーを読み解くための4観点を提示することによって、叙述を基に
考えをまとめさせる。また、メッセージを考える学習では、主張・根拠・理由付けを明確にした話
し合い活動を行うことによって、考えを広げたり深めたりすることができると考える。
さらに、「きつねの窓」で習得したファンタジーを読み解くための4観点を基に、他のファンタ
ジー作品を読ませ、読書交流会を行う。この読みの力は、児童が自らファンタジー作品を読むとき
にも活用することができ、循環的な深い学びへとつながっていく。
読みの系列 読みの技能 読みの用語
①作品の構造 場面と場面を比べて読む 場面の対比
①作品の構造 額縁構造を捉えて読む 額縁構造
③人物 登場人物の役割や意味を考えながら読む 登場人物の役割
④メッセージ 複数の観点からメッセージを捉える 中心人物の変容、山場など
⑤表現技法 情景描写の効果を考えながら読む 情景描写
⑤表現技法 対比的な表現の効果を考えながら読む 対比
6年①
118 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 118 2018/10/09 17:50
⑶ 系統的に見た位置
5年生の「大造じいさんとがん」では、登場人物の相互関係や心情などについて、描写を基に捉
える学習を行った。また、中心人物の心情の変化について作品全体を通して考える力を習得した。
6年生の「川とノリオ」では、心に残った表現から登場人物の心情や情景を想像する学習を行っ
た。また、表現から読み手としての考えをまとめ、話し合い活動を通して自分の考えを広げる学習
を行った。本単元の「きつねの窓」では、ぼくと子ぎつねとの相互関係や優れた叙述について考え
をまとめる力の習熟をねらっている。さらに、自分の考えを友達と共有することによって、自分の
考えを広げたり深めたりすることもねらっている。
これらの小学校での学習は、中学校での文章を読んで理解したことに基づいて、自分の考えを確
かなものにする力の育成へとつながっていく。
3 研究主題に迫るために
⑴ 主体的・循環的で深い学びのある授業にするために
・ ファンタジーの読みの観点の習得と活用
ファンタジーの読みの4観点を習得させることを目指した授業づくりを行う。「ファンタジー
の入口と出口」「非現実世界での不思議な出来事」「中心人物の成長」、そして「メッセージ」で
ある。この4観点を用いて、ファンタジーの不思議さを読み解いていく。
さらに、主教材で習得した読みの技能を生かして別の作品を読み、作品が描いているメッセー
ジを捉え、自分の見方や考え方を広げていく。習得した読みの技能を他へ活用させることで、循
環的で深い学びとなり、今後の読書生活で様々な作品から学びを得る姿につながる。
・ 学びの自覚化や新たな課題設定のための振り返り
1時間の授業で何が分かったか、どのような力が身に付いたか、その力を生かして、今後、ど
のようなことができそうかという点を児童に自覚させるために、各授業時間の終わりに振り返り
の活動を行う。振り返りについての学習プリントを1枚用意し、各時間の振り返りをそのプリン
トに記述させることで、単元全体での学びを自覚させたり、新たな課題を設定させたりする。
⑵ 対話的・協働的で深い学びのある授業にするために
・ 「主張」「根拠」「理由付け」を重視した話し合い活動
「主張」「根拠」「理由付け」の三つをセットとした論証である。主張を支える根拠だけではなく、
その根拠をどのように理由付けしたか、という点を明確にするのがポイントとなる。同じ根拠で
も、その理由付けによって、主張は変わる。この思考の流れが児童に身に付くと、理由付けの妥
当性が話し合いの中心となり、協働的で深い学びが成立する。ここには、一人一人の既有知識や
体験などが裏付けとなるため、発表において対話の広がりや深まりが見られると考える。
・ 異なるメッセージを考えたグループでの対話活動
メッセージを考える学習では、異なるメッセージを考えた児童同士でグループを作って対話活動
を行う。このメッセージを考えるときにも、「主張」「根拠」「理由付け」のセットで考えさせるよ
うにする。そうすることで、異なるメッセージでも、根拠が同じであったり根拠に対する理由付
けが違ったりすることに気付くことが予想される。全体での話し合いでは、同じメッセージでも
根拠や理由付けが異なっていることに気付くこともできる。これらの対話活動によって、個々の
考えの広がりや深まりが期待できる。
高蔵小学校第6学年1組・2組 国語科学習指導案
平成30年11月2日(金)公開授業Ⅰ(6-2) 授業者 加藤 幸子
公開授業Ⅱ(6-1) 授業者 久野 雅裕
1 単元
ファンタジーふしぎ発見!
- 表現の効果や物語の全体像を捉える -
2 単元について
⑴ 単元の意義
本単元は、「ファンタジーふしぎ発見!」をテーマに、ファンタジー作品の表現の効果や物語の
全体像について考えをまとめ、他者と共有することを通して考えを広げたり深めたりすることをね
らいとしている。
主教材として「きつねの窓」を選び、①ファンタジーの入口と出口 ②非現実世界での不思議な
出来事 ③中心人物の成長 ④メッセージという読みの4観点で読んでいく。
さらに、「きつねの窓」の学習後、各自が選んだファンタジー作品を習得した4観点を基に読み、
読書交流会を開くことを設定する。読書交流会を開き、互いの考えを聞き合うことで、自分の考え
を広げたり深めたりすることができるようにする。
このような単元の学習を行うことで、児童が自分でファンタジーを読む時にもこの読みの観点を
生かすことができ、循環的な深い学びへとつながっていく。ここに本単元の意義がある。
さらに、本単元では「高蔵小学校 読みの系統指導カリキュラム」に基づいて、以下の読みの技
能を身に付けさせたい。この中でも特に④メッセージと⑤表現技法について、重点化して取り組む。
⑵ 単元と児童との関係
本学年の児童は、「川とノリオ」において、色彩語や行動描写などに着目しながら、ノリオと川
の関係やノリオの心情について想像する活動を行った。しかし、まだ叙述を基にした想像が十分に
身に付いているとはいえない。また、作品から伝わるメッセージについての学習では、メッセージ
を考えることはできていたが、その根拠となる叙述から理由付けを行う活動が十分ではなかった。
そこで本単元では、ファンタジーを読み解くための4観点を提示することによって、叙述を基に
考えをまとめさせる。また、メッセージを考える学習では、主張・根拠・理由付けを明確にした話
し合い活動を行うことによって、考えを広げたり深めたりすることができると考える。
さらに、「きつねの窓」で習得したファンタジーを読み解くための4観点を基に、他のファンタ
ジー作品を読ませ、読書交流会を行う。この読みの力は、児童が自らファンタジー作品を読むとき
にも活用することができ、循環的な深い学びへとつながっていく。
読みの系列 読みの技能 読みの用語
①作品の構造 場面と場面を比べて読む 場面の対比
①作品の構造 額縁構造を捉えて読む 額縁構造
③人物 登場人物の役割や意味を考えながら読む 登場人物の役割
④メッセージ 複数の観点からメッセージを捉える 中心人物の変容、山場など
⑤表現技法 情景描写の効果を考えながら読む 情景描写
⑤表現技法 対比的な表現の効果を考えながら読む 対比
6年②
119高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 119 2018/10/09 17:50
○ 「ぼく」が非現実世界から現実世
界に戻ったときに、成長している
かについて考える。
【観点③】
2 知
思
比喩や倒置法などの表現が、子ぎつね
に対するぼくの心情をより詳しく描い
ていることに気付いている。
【学習プリント・発言】
ぼくが現実世界に戻ってきたときに
成長しているかどうかということにつ
いて、現実世界に戻ってきた場面のぼく
の行動に着目して、自分の考えをまとめ
ている。 【学習プリント・発言】
○ 「きつねの窓」のメッセージにつ
いて、今までの学習を基にして考
える。
【観点④】
2
2/2
(公開Ⅱ)
思 作品から伝わるメッセージについて、
「主張」「根拠」「理由付け」を明確にし
て、自分の考えをまとめている。
【学習プリント・発言】
○ 他のファンタジー作品を読み、そ
の作品の不思議さについて感想を
もつ。
1 主 提示された作品(「注文の多い料理店」
「海の館のひらめ」)から一冊を選び、
進んで読書をしている。
【読書の様子・発言】
○ 非現実世界の入口と出口はどこ
か、非現実世界で起こる不思議な出
来事は何であったかについて、考え
をもつ。
【観点①】【観点②】
1 思
思
自分の選んだ作品の非現実世界の入
口と出口について、叙述を基にまとめて
いる。 【学習プリント】
自分の選んだ作品の非現実世界の不
思議さについて叙述を基にまとめてい
る。 【学習プリント】
○ 中心人物の成長と作品から伝わ
るメッセージについて、自分の考え
をもつ。
【観点③】【観点④】
1 思
思
現実世界に戻ってきたとき、中心人物
が成長しているかを、叙述を基に捉えて
いる。 【学習プリント】
作品から伝わるメッセージについて
「主張」「根拠」「理由付け」を明確にし
て、自分の考えをまとめている。
【学習プリント】
○ 読書交流会をする。 1 主
思
自分の選んだファンタジー作品につ
いて、4観点を基に意欲的に発表しよう
としている。 【発言】
自分の選んだファンタジー作品につ
いて、4観点を基に発表したり、友達の
発表に質問したりして、自分の考えを広
げたり深めたりしている。
【学習プリント・発言】
4 単元の目標
・ 比喩や倒置などの表現の工夫について、気付くことができるようにする。 (知識及び技能)
・ ファンタジーを読む4観点を基に、表現の効果や作品の全体像を捉えることができるようにする。
(思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
・ 「きつねの窓」や自分が選んだファンタジー作品を読み、自分の考えをまとめ、他者と共有する
ことを通して考えを広げたり深めたりすることができるようにする。
(思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
・ 読書交流会を通して、ファンタジー作品を楽しもうとする態度を養う。
(主体的に学習に取り組む態度)
5 評価規準
○ 比喩や倒置などの表現が、人物の心情や情景をより効果的に表していることに気付いている。
(知識及び技能)
○ ファンタジーを読む4観点を基に読み、ファンタジーの入口と出口や作品のメッセージなどを捉
えている。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
○ 「きつねの窓」や自分が選んだファンタジー作品を読み、自分の考えをまとめ、他者と共有する
ことを通して考えを広げたり深めたりしている。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
○ 表現の効果や作品の全体像などについて話し合おうとしたり、読書交流会で4観点を基に読んだ
ことについて伝え合おうとしたりしている。 (主体的に学習に取り組む態度)
6 指導計画と評価計画(12時間完了)
知…知識及び技能 思…思考力、判断力、表現力等 主…主体的に学習に取り組む態度
指導計画 評価計画
学習内容 時数 観点 評価規準と評価方法
○ 単元全体の流れを知り、見通しを
もつとともに、「きつねの窓」を読
み、初発の感想を書く。
1 主 「きつねの窓」を読み、物語の不思議
さに着目しながら、初発の感想を書いて
いる。 【学習プリント】
○ 「きつねの窓」の設定について考
える。
1 思 物語の設定(時、場所、人物)を作品
の叙述から正確につかんでいる。
【学習プリント・発言】
○ 非現実世界への入口と非現実世
界からの出口がどこであるかにつ
いて考える。
【観点①】
1 思 「ぼく」に関する叙述や情景描写に着
目しながら、非現実世界への入口や非現
実世界からの出口を捉えている。
【学習プリント・発言】
○ 非現実世界で起こる不思議な出
来事について読み取り、子ぎつね
の窓に映るものとぼくの窓に映る
ものとの違いと共通点について考
える。
【観点②】
1
(公開Ⅰ)
思 窓に関する叙述を基にしながら、子ぎ
つねの窓に映るものとぼくの窓に映る
ものとの相違点や共通点について考え
をもっている。 【学習プリント・発言】
6年③
120 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 120 2018/10/06 13:32
○ 「ぼく」が非現実世界から現実世
界に戻ったときに、成長している
かについて考える。
【観点③】
2 知
思
比喩や倒置法などの表現が、子ぎつね
に対するぼくの心情をより詳しく描い
ていることに気付いている。
【学習プリント・発言】
ぼくが現実世界に戻ってきたときに
成長しているかどうかということにつ
いて、現実世界に戻ってきた場面のぼく
の行動に着目して、自分の考えをまとめ
ている。 【学習プリント・発言】
○ 「きつねの窓」のメッセージにつ
いて、今までの学習を基にして考
える。
【観点④】
2
(2/2)
(公開Ⅱ)
思 作品から伝わるメッセージについて、
「主張」「根拠」「理由付け」を明確にし
て、自分の考えをまとめている。
【学習プリント・発言】
○ 他のファンタジー作品を読み、そ
の作品の不思議さについて感想を
もつ。
1 主 提示された作品(『注文の多い料理店』
『海の館のひらめ』)から一冊を選び、
進んで読書をしている。
【読書の様子・発言】
○ 非現実世界の入口と出口はどこ
か、非現実世界で起こる不思議な出
来事は何であったかについて、考え
をもつ。
【観点①】【観点②】
1 思
思
自分の選んだ作品の非現実世界の入
口と出口について、叙述を基にまとめて
いる。 【学習プリント】
自分の選んだ作品の非現実世界の不
思議さについて叙述を基にまとめてい
る。 【学習プリント】
○ 中心人物の成長と作品から伝わ
るメッセージについて、自分の考え
をもつ。
【観点③】【観点④】
1 思
思
現実世界に戻ってきたとき、中心人物
が成長しているかを、叙述を基に捉えて
いる。 【学習プリント】
作品から伝わるメッセージについて
「主張」「根拠」「理由付け」を明確にし
て、自分の考えをまとめている。
【学習プリント】
○ 読書交流会をする。 1 主
思
自分の選んだファンタジー作品につ
いて、4観点を基に意欲的に発表しよう
としている。 【発言】
自分の選んだファンタジー作品につ
いて、4観点を基に発表したり、友達の
発表に質問したりして、自分の考えを広
げたり深めたりしている。
【学習プリント・発言】
4 単元の目標
・ 比喩や倒置などの表現の工夫について、気付くことができるようにする。 (知識及び技能)
・ ファンタジーを読む4観点を基に、表現の効果や作品の全体像を捉えることができるようにする。
(思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
・ 「きつねの窓」や自分が選んだファンタジー作品を読み、自分の考えをまとめ、他者と共有する
ことを通して考えを広げたり深めたりすることができるようにする。
(思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
・ 読書交流会を通して、ファンタジー作品を楽しもうとする態度を養う。
(主体的に学習に取り組む態度)
5 評価規準
○ 比喩や倒置などの表現が、人物の心情や情景をより効果的に表していることに気付いている。
(知識及び技能)
○ ファンタジーを読む4観点を基に読み、ファンタジーの入口と出口や作品のメッセージなどを捉
えている。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
○ 「きつねの窓」や自分が選んだファンタジー作品を読み、自分の考えをまとめ、他者と共有する
ことを通して考えを広げたり深めたりしている。 (思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
○ 表現の効果や作品の全体像などについて話し合おうとしたり、読書交流会で4観点を基に読んだ
ことについて伝え合おうとしたりしている。 (主体的に学習に取り組む態度)
6 指導計画と評価計画(12時間完了)
知…知識及び技能 思…思考力、判断力、表現力等 主…主体的に学習に取り組む態度
指導計画 評価計画
学習内容 時数 観点 評価規準と評価方法
○ 単元全体の流れを知り、見通しを
もつとともに、「きつねの窓」を読
み、初発の感想を書く。
1 主 「きつねの窓」を読み、物語の不思議
さに着目しながら、初発の感想を書いて
いる。 【学習プリント】
○ 「きつねの窓」の設定について考
える。
1 思 物語の設定(時、場所、人物)を作品
の叙述から正確につかんでいる。
【学習プリント・発言】
○ 非現実世界への入口と非現実世
界からの出口がどこであるかにつ
いて考える。
【観点①】
1 思 「ぼく」に関する叙述や情景描写に着
目しながら、非現実世界への入口や非現
実世界からの出口を捉えている。
【学習プリント・発言】
○ 非現実世界で起こる不思議な出
来事について読み取り、子ぎつね
の窓に映るものとぼくの窓に映る
ものとの違いと共通点について考
える。
【観点②】
1
(公開Ⅰ)
思 窓に関する叙述を基にしながら、子ぎ
つねの窓に映るものとぼくの窓に映る
ものとの相違点や共通点について考え
をもっている。 【学習プリント・発言】
6年④
121高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 121 2018/10/09 17:50
(5分)
(10 分)
なかまと対話する
(2) グループで対話する。
(3) 学級全体で対話する。
○ 自分の考えを明確にしたり、全体交流
への抵抗感を軽減したりするために、ま
ずはグループでの話し合いを行う。
○ 「ぼくは、・・だと考えます。なぜな
ら・・と書いてあり、これは、・・とい
うことだからです」のように発表させ
る。
○ 全体での対話では、同じ「主張」をも
つ児童から発表させ、その発表が終わっ
たら、次の「主張」の発表へとつないで
いくようにする。
○ 「根拠」と「理由付け」を明確にする
ことで、同じ「根拠」でも「主張」や「理
由付け」が異なることに気付くことがで
きるようにする。
○ 思い出なのか大切なものなのかなど、
窓に映ったものをどう解釈しているか
を明確にする。
5分
まとめる
5 自分の考えをまとめる。
○ これまで話し合ったことや考えてき
たことを踏まえて、非現実世界の不思議
な出来事についてまとめさせる。
○ 自分の考えが変わったり確かなもの
になったりしたきっかけとなった友達
の考えも書かせる。
5分 振り返る
6 本時の振り返りをする。 ○ 本時で学習した非現実世界で起きる
不思議な出来事について、さらに追究し
たいことや今後の読書生活で活用した
いことなどをまとめさせる。
評価事項 「不思議な出来事は、子ぎつねに会ったり、窓に人や物が映ったりすること
でした。窓の共通点では、会えないものが映る窓だと考えていたけれど、A さ
んの考えを聞いて自分が大切にしているという考えも必要だと思いました。」
のように、対話を通して自分の考えの広がりや深まりを記述している。 〈学習プリント〉(思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
□…自分の考えを深めることができない児童には、板書された内容で着目する
点を示すことで、考えをまとめることができるようにする。 ☆…自分の「主張」の「根拠」をいくつか挙げさせたり、異なる「主張」に対
して反対意見を記述させたりすることで、「主張」をより確実なものにでき
るようにする。
7 本時の指導(6年2組 4/12時)
⑴ 目標
非現実世界で起こる不思議な出来事について読み取り、子ぎつねの窓に映るものとぼくの窓に映
るものとの違いと共通点について考えることができるようにする。
⑵ 準備
教師:三つの窓の挿絵(拡大したもの)
児童:学習プリント、全文プリント
⑶ 指導過程
時間 段階 学習活動 指導上の留意点
3分
2分
めあてをつかむ
1 前時までの学習内容を振り返る。
2 本時のめあてをつかむ。
○ 前時までの学習プリントを読み返す
ことで、ファンタジーの構造が、現実世
界、非現実世界、現実世界に分かれてい
たことを想起させる。
○ ファンタジーでは、非現実の世界で不
思議な出来事が起こることを知らせ、不
思議な出来事について考えることを確
認する。
10 分
20 分
(5分)
自分の考えをもつ
3 非現実世界で起きた不思議な出来事
は何かを読み取る。
4 窓に映るものとの共通点を考える。
(1) 自分の考えをもつ。
○ 学級全体で発表させた後、「一番不思
議な出来事は何か」と問うことで窓に着
目させる。
○ 「主張」のみを考えさせた後、全体で
共有することで、窓の共通点について全
員が自分の考えをもてるようにする。
○ 発表された「主張」を分類し、整理し
て板書することで学級全体の傾向に気
付かせる。
めあて:非現実世界で起きる不思議な出来事を発見しよう。
児童の記入例
・子ぎつねが店員に化ける
・指を染めた窓に母ぎつねが映る
・ぼくの窓に女の子が映る
・指を染めたのに手を洗うと消える
共通点の例
・大切なもの
・決して会えないもの
・思い出
6年⑤
122 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 122 2018/10/06 13:32
(5分)
(10 分)
なかまと対話する
(2) グループで対話する。
(3) 学級全体で対話する。
○ 自分の考えを明確にしたり、全体交流
への抵抗感を軽減したりするために、ま
ずはグループでの話し合いを行う。
○ 「ぼくは、・・だと考えます。なぜな
ら・・と書いてあり、これは、・・とい
うことだからです」のように発表させ
る。
○ 全体での対話では、同じ「主張」をも
つ児童から発表させ、その発表が終わっ
たら、次の「主張」の発表へとつないで
いくようにする。
○ 「根拠」と「理由付け」を明確にする
ことで、同じ「根拠」でも「主張」や「理
由付け」が異なることに気付くことがで
きるようにする。
○ 思い出なのか大切なものなのかなど、
窓に映ったものをどう解釈しているか
を明確にする。
5分
まとめる
5 自分の考えをまとめる。
○ これまで話し合ったことや考えてき
たことを踏まえて、非現実世界の不思議
な出来事についてまとめさせる。
○ 自分の考えが変わったり確かなもの
になったりしたきっかけとなった友達
の考えも書かせる。
5分 振り返る
6 本時の振り返りをする。 ○ 本時で学習した非現実世界で起きる
不思議な出来事について、さらに追究し
たいことや今後の読書生活で活用した
いことなどをまとめさせる。
評価事項 「不思議な出来事は、子ぎつねに会ったり、窓に人や物が映ったりすること
でした。窓の共通点では、会えないものが映る窓だと考えていたけれど、A さ
んの考えを聞いて自分が大切にしているという考えも必要だと思いました。」
のように、対話を通して自分の考えの広がりや深まりを記述している。 〈学習プリント〉(思考力、判断力、表現力等【読むこと】)
□…自分の考えを深めることができない児童には、板書された内容で着目する
点を示すことで、考えをまとめることができるようにする。 ☆…自分の「主張」の「根拠」をいくつか挙げさせたり、異なる「主張」に対
して反対意見を記述させたりすることで、「主張」をより確実なものにでき
るようにする。
7 本時の指導(6年2組 4/12時)
⑴ 目標
非現実世界で起こる不思議な出来事について読み取り、子ぎつねの窓に映るものとぼくの窓に映
るものとの違いと共通点について考えることができるようにする。
⑵ 準備
教師:三つの窓の挿絵(拡大したもの)
児童:学習プリント、全文プリント
⑶ 指導過程
時間 段階 学習活動 指導上の留意点
3分
2分
めあてをつかむ
1 前時までの学習内容を振り返る。
2 本時のめあてをつかむ。
○ 前時までの学習プリントを読み返す
ことで、ファンタジーの構造が、現実世
界、非現実世界、現実世界に分かれてい
たことを想起させる。
○ ファンタジーでは、非現実の世界で不
思議な出来事が起こることを知らせ、不
思議な出来事について考えることを確
認する。
10 分
20 分
(5分)
自分の考えをもつ
3 非現実世界で起きた不思議な出来事
は何かを読み取る。
4 窓に映るものとの共通点を考える。
(1) 自分の考えをもつ。
○ 学級全体で発表させた後、「一番不思
議な出来事は何か」と問うことで窓に着
目させる。
○ 「主張」のみを考えさせた後、全体で
共有することで、窓の共通点について全
員が自分の考えをもてるようにする。
○ 発表された「主張」を分類し、整理し
て板書することで学級全体の傾向に気
付かせる。
めあて:非現実世界で起きる不思議な出来事を発見しよう。
児童の記入例
・子ぎつねが店員に化ける
・指を染めた窓に母ぎつねが映る
・ぼくの窓に女の子が映る
・指を染めたのに手を洗うと消える
共通点の例
・大切なもの
・決して会えないもの
・思い出
6年⑥
123高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 123 2018/10/06 13:32
(10 分)
なかまと対話する
(4) 学級全体で対話する。
○ 同じ分類のメッセージを書いている
児童の意見を出し切ってから、違う分類
のメッセージを書いた児童の順番で発
言をさせることによって、考えをつない
だり言葉をつないだりして、話し合うこ
とができるようにする。
○ 「同じようなメッセージを考えていて
も選んだ根拠が違う」「同じ根拠を選ん
で、いても理由付けが違う」といったよ
うに、着目した「根拠」とそれに対する
「理由付け」を意識して話し合いに臨ま
せることで、いろいろなものの見方でメ
ッセージを捉えさせる。
○ 「根拠」となる叙述が何であるかを押
さえる。
・ぼくも、そんな窓がほしいなあ
・鉄砲は少しもおしくなくなりました
・よく人に笑われます など
5分
まとめる
4 自分の考えをまとめる。
○ これまで話し合ってきたことや考え
てきたことを踏まえて、めあてに対する
まとめを書かせる。
○ 自分の考えが変わったり確かなもの
になったりしたきっかけとなった友達
の考えも書かせる。
5分
振り返る
5 本時の振り返りをする。
〇 「作品から伝わるメッセージ」という
観点を獲得したことを、別の作品に置き
換えて振り返りをし、発表させることで
学びの自覚を図る。
評価事項 「私は作品から伝わるメッセージをはじめは『誰にでも辛く忘れられない思い
出がある』と考えました。しかし、〇〇さんの『前向きに生きる』という意見
を聞いて、『誰でも辛い経験はあるが、負けずに前向きに生きていこう』と、意
見が少し変わりました。『よく人に笑われます』という表現は、やはり過去の思
い出にしがみつくのはよくないということを表していると考えたからです。」と
いうように、友達との対話を通して深まった考えを記述している。
〈学習プリント〉(思考力、判断力、表現力等【読むこと】) □…自分の考えをまとめることができない児童には、板書された内容から着目す
る点を示すことで、考えをまとめることができるようにする。 ☆…より多くの「根拠」を考えさせることで、自分の考えたメッセージの妥当性
をより強く主張できるようにする。
8 本時の指導(6年1組 8/12時)
⑴ 目標
作品から伝わるメッセージについて、自分の考えをまとめることができるようにする。
⑵ 準備
教師:教材文を拡大したもの
児童:学習プリント、全文プリント
⑶ 指導過程
時間 段階 学習活動 指導上の留意点
2分
3分 めあてをつかむ
1 前時までの学習内容を振り返る。
2 本時のめあてをつかむ。
○ 「きつねの窓」で学習してきたファン
タジーの4観点について確認する。
○ 前時に個人で考えた作品から伝わる
メッセージについて、本時では友達と
の交流を通して、深めることを確認す
る。
30 分
(5分)
(5分)
(10 分)
自分の考えをもつ
3 作品から伝わるメッセージについて
考える。
(1) 自分の考えを確かめる。
(2) 作品から伝わるメッセージを発表
する。
(3) 異なるメッセージを考えたグルー
プで対話をする。
○ 前時に記述した自分の考えたメッセ
ージについて、着目した「根拠」と「理
由付け」を明確にできているか見直させ
る。
○ 見直しができた児童には、他にも自分
の考えを裏付ける「根拠」や「理由付け」
がないか考えさせる。
○ 類似したメッセージを一つにまとめ
ることで、児童の意見をいくつかに分類
する。
○ 友達と交流する中で、自分の考えが変
わってもよいことを確認する。
○ 中心となって話し合いを進める司会
者を立てる。
○ 「○○さんと~~という点が違って
(似ていて)」といった話型を提示する
ことで、児童同士で発言をつなぐことが
できるようにする。
○ 学習プリントを見せながら対話をさ
せることで共通点と相違点とを視覚的
に分かりやすくさせる。
なかまと対話する
めあて:今まで学習したことを基に、作品から伝わるメッセージについて考えを
深めよう。
6年⑦
124 高蔵小学校 指導案集
高蔵小学校.indd 124 2018/10/09 17:51
(10 分)
なかまと対話する
(4) 学級全体で対話する。
○ 同じ分類のメッセージを書いている
児童の意見を出し切ってから、違う分類
のメッセージを書いた児童の順番で発
言をさせることによって、考えをつない
だり言葉をつないだりして、話し合うこ
とができるようにする。
○ 「同じようなメッセージを考えていて
も選んだ根拠が違う」「同じ根拠を選ん
で、いても理由付けが違う」といったよ
うに、着目した「根拠」とそれに対する
「理由付け」を意識して話し合いに臨ま
せることで、いろいろなものの見方でメ
ッセージを捉えさせる。
○ 「根拠」となる叙述が何であるかを押
さえる。
・ぼくも、そんな窓がほしいなあ
・鉄砲は少しもおしくなくなりました
・よく人に笑われます など
5分
まとめる
4 自分の考えをまとめる。
○ これまで話し合ってきたことや考え
てきたことを踏まえて、めあてに対する
まとめを書かせる。
○ 自分の考えが変わったり確かなもの
になったりしたきっかけとなった友達
の考えも書かせる。
5分
振り返る
5 本時の振り返りをする。
〇 「作品から伝わるメッセージ」という
観点を獲得したことを、別の作品に置き
換えて振り返りをし、発表させることで
学びの自覚化を図る。
評価事項 「私は作品から伝わるメッセージをはじめは『誰にでも辛く忘れられない思い
出がある』と考えました。しかし、〇〇さんの『前向きに生きる』という意見を
聞いて、『誰でも辛い経験はあるが、負けずに前向きに生きていこう』と、意見が
少し変わりました。『よく人に笑われます』という表現は、やはり過去の思い出に
しがみつくのはよくないということを表していると考えたからです。」というよう
に、友達との対話を通して深まった考えを記述している。
〈学習プリント〉(思考力、判断力、表現力等【読むこと】) □…自分の考えをまとめることができない児童には、板書された内容から着目す
る点を示すことで、考えをまとめることができるようにする。 ☆…より多くの「根拠」を考えさせることで、自分の考えたメッセージの妥当性
をより強く主張できるようにする。
8 本時の指導(6年1組 8/12時)
⑴ 目標
作品から伝わるメッセージについて、自分の考えをまとめることができるようにする。
⑵ 準備
教師:教材文を拡大したもの
児童:学習プリント、全文プリント
⑶ 指導過程
時間 段階 学習活動 指導上の留意点
2分
3分 めあてをつかむ
1 前時までの学習内容を振り返る。
2 本時のめあてをつかむ。
○ 「きつねの窓」で学習してきたファン
タジーの4観点について確認する。
○ 前時に個人で考えた作品から伝わる
メッセージについて、本時では友達と
の交流を通して、深めることを確認す
る。
30 分
(5分)
(5分)
(10 分)
自分の考えをもつ
3 作品から伝わるメッセージについて
考える。
(1) 自分の考えを確かめる。
(2) 作品から伝わるメッセージを発表
する。
(3) 異なるメッセージを考えたグルー
プで対話をする。
○ 前時に記述した自分の考えたメッセ
ージについて、着目した「根拠」と「理
由付け」を明確にできているか見直させ
る。
○ 見直しができた児童には、他にも自分
の考えを裏付ける「根拠」や「理由付け」
がないか考えさせる。
○ 類似したメッセージを一つにまとめ
ることで、児童の意見をいくつかに分類
する。
○ 友達と交流する中で、自分の考えが変
わってもよいことを確認する。
○ 中心となって話し合いを進める司会
者を立てる。
○ 「○○さんと~~という点が違って
(似ていて)」といった話型を提示する
ことで、児童同士で発言をつなぐことが
できるようにする。
○ 学習プリントを見せながら対話をさ
せることで共通点と相違点とを視覚的
に分かりやすくさせる。
なかまと対話する
めあて:今まで学習したことを基に、作品から伝わるメッセージについて考えを
深めよう。
6年⑧
125高蔵小学校 指導案集
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