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Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理 マルチメディア・コンテンツの管理 マルチメディア・コンテンツの管理 マルチメディア・コンテンツの管理 オラクル・ホワイトペーパー 2001 3

Oracle interMedia

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Page 1: Oracle interMedia

Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理マルチメディア・コンテンツの管理マルチメディア・コンテンツの管理マルチメディア・コンテンツの管理

オラクル・ホワイトペーパー 2001年3月

Page 2: Oracle interMedia

Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理、オラクル・ホワイトペーパー 2 2001年 3月 Oracle Corporation発行の 「Oracle interMedia: Managing Multimedia Content, An Oracle White Paper」の翻訳版です。

Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理

はじめに ..............................................................................................................................3

製品の概要...........................................................................................................................5 マルチメディア・オブジェクト型 .............................................................................5 マルチメディア・オブジェクトの格納モデル ...................................................6 リレーショナル・インタフェース .......................................................................6 イメージ・オブジェクト型 ...................................................................................7 オーディオおよびビデオ・オブジェクト型 .......................................................8

マルチメディア・コンテンツのアップロード .......................................................10 マルチメディア・コンテンツの格納 .......................................................................11 マルチメディア・コンテンツへのアクセス ...........................................................12 マルチメディア・コンテンツの配信 .......................................................................12 開発環境.......................................................................................................................13

Oracle InterMediaと BC4Jの統合........................................................................14 Oracle interMediaと Oracle9i Application Server Portal ......................................14

製品のアーキテクチャ: 3つの層 ..................................................................................15 データ・サーバー層 .............................................................................................15 アプリケーションまたはWebサーバー層........................................................16 クライアント層 .....................................................................................................16

インターネットの統合.....................................................................................................18

拡張性 ................................................................................................................................18

アプリケーション例.........................................................................................................19 イメージ・ソリューションにとっての利点 .....................................................19 顧客にとっての利点 .............................................................................................20 アプリケーション開発者にとっての利点 .........................................................20

まとめ ................................................................................................................................21

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Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理、オラクル・ホワイトペーパー 3 2001年 3月 Oracle Corporation発行の 「Oracle interMedia: Managing Multimedia Content, An Oracle White Paper」の翻訳版です。

Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理

はじめにはじめにはじめにはじめに 近年、メディアを多用したインターネット・アプリケーションの使用が爆発的に増加した結果、マルチメディア・コンテンツの価値が高く評価され、マルチメディア・コンテンツの管理における課題が認識されるようになりました。小売、不動産、Web パブリッシングなどの様々な分野に出現している新しい Web アプリケーションや E-Commerceアプリケーションでは、マルチメディア・コンテンツの効果的かつ効率的な信頼性の高い管理が求められます。

そのようなアプリケーション向けのマルチメディア・コンテンツの管理には、独自の問題が存在します。大きく相対的に不統一なメディア・オブジェクトは多種多様で複雑なフォーマットを使用しており、適切なアプリケーション情報と関連付ける必要があります。大量のマルチメディア・コンテンツを管理システムにロードするには、正しいメタデータを関連付け、コンテンツに検索および取出し用の索引を付与し、マルチメディア・コンテンツを効率的に配信する必要があります。

Oracle9i では、Oracle interMediaを使用して、マルチメディア・コンテンツ(イメージ、オーディオ、ビデオ)を他のエンタープライズ情報に統合して管理することができます。Oracle9i の信頼性、可用性、データ管理が、メディアを多用したインターネット・アプリケーションのマルチメディア・コンテンツにまで広がります。Oracle9i データベース・サーバーの不可欠な部分である Oracle interMediaデータには、Oracle9i のスピード、効率、拡張性、セキュリティ、パワーなどのあらゆる能力が活かされています。ビジネスにとっては、再使用や目的変更を行うメディア・コンテンツを簡単に見つけることができ、従来のビジネス情報とメディア・コンテンツの同期が保たれるという利点があります。

Oracle interMediaは、ポピュラーなWebフォーマットも含め、インターネット・アプリケーションの最も一般的な要件を十分に満たすイメージ、オーディオ、およびビデオ・オブジェクト型のセットを提供します。これらのオブジェクト型を拡張して、次のような多数のアプリケーション固有の要件をサポートすることができます。

• 追加フォーマットや修正フォーマット

• 新しい圧縮/解凍方法(コーデック)

• スペシャライズ・インデックス

• カスタム・クエリー最適化およびメソッド

• 新規データ・ソース

• 特殊なデータ処理アルゴリズム

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Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理、オラクル・ホワイトペーパー 4 2001年 3月 Oracle Corporation発行の 「Oracle interMedia: Managing Multimedia Content, An Oracle White Paper」の翻訳版です。

アプリケーションは、複数のイメージ、オーディオおよびビデオ列、あるいはこれらの任意の型をオブジェクトとして含む混合列を、既存のリレーショナル表や新規のリレーショナル表に簡単に追加することができます。

Oracle interMediaにより、イメージ、オーディオ、ビデオのネイティブ・データ型のサービスや演算子、メタデータの管理を使用した、オープンな標準 SQL アクセスが可能になります。これには、ポピュラーなWebサーバーおよびオーサリング・ツールのインターネット・サポートも含まれます。アプリケーションは、リレーショナル・インタフェースとオブジェクト・インタフェースのいずれか、または両方を使用して、Oracle interMedia にアクセスできます。Java、C++、または従来の 3GLで書かれたデータベース・アプリケーションは、最新のクラス・ライブラリ・インタフェース、あるいは PL/SQLと Oracle Call Interface(通常 OCIと呼ばれる)を通じて、Oracle interMediaを使用できます。

Oracle interMediaには、マルチメディア・コンテンツをアプリケーションのリレーショナル表にロードするためのユーティリティが多数用意されています。

• クリップボード: 少量のデータを処理するグラフィカル・ユーティリティ

• API: アプリケーション・プログラミング・インタフェース

• データベース表のレプリケーション: あるOracleデータベースから別のOracleデータベースへのコピー

• アノテータ: 洗練されたマルチメディア解析ユーティリティ

• SQL*Loader: 大量のデータを処理するダイレクト・パス・バルク・ローダー

• Oracle Internet File System

Oracle interMediaでは、アップロード時にメタデータ(メディアについての情報)を抽出し、メディア・オブジェクトのマルチメディア・コンテンツに関連付けます。全マルチメディア・コンテンツのバッチによるダウンロードまたは配信がサポートされています。これは、特定のオーディオおよびビデオ・フォーマットのストリームを使って行われます。

Oracle interMediaでは、実際のメディアがきわめて柔軟に格納されます。メタデータとメディアを一緒に Oracle9i 表領域に格納できるだけでなく、メディアをデータベース外部に格納することもできるため、アーカイブ用ストレージの統合が可能になります。これにより、セキュリティと管理のしやすさに多少のトレードオフが生じるものの、非常に柔軟性の高い格納が実現します。メディアは、Oracle9i とこれらのソース間で簡単にインポートおよびエクスポートできます。このようなメディア格納方法の選択肢としては、次のものがあります。

• バイナリ・ラージ・オブジェクト(BLOB)を、データベース内に格納

• ファイルベースのラージ・オブジェクト(BFILE)を、ローカルのオペレーティング・システム固有のファイル・システムに格納

• イメージ、オーディオ、およびビデオ・データを含む URLを、Oracle9i Application Serverなどの任意の HTTPサーバーに格納

• 専用メディア・ストレージ・サーバー

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Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理、オラクル・ホワイトペーパー 5 2001年 3月 Oracle Corporation発行の 「Oracle interMedia: Managing Multimedia Content, An Oracle White Paper」の翻訳版です。

アプリケーション開発者は、Oracle9i Application Server Portalでの Oracle interMediaサポートや、Oracle interMediaと Oracle JDeveloper(Oracle Java用のアプリケーション開発環境)の統合により、恩恵を受けます。

製品の概要製品の概要製品の概要製品の概要

マルチメディア・オブジェクト型マルチメディア・オブジェクト型マルチメディア・オブジェクト型マルチメディア・オブジェクト型

Oracle interMediaでは、Javaまたは C++のクラスに似たオブジェクト・データ型を使用して、イメージ、オーディオ、およびビデオ・データを記述します。これらのオブジェクト・データ型はそれぞれ、ORDImage、ORDAudio、ORDVideoと呼ばれます。オブジェクト・データ型のインスタンスは、メタデータとマルチメディア・コンテンツを含む属性、およびメソッドで構成されます。マルチメディア・コンテンツとは、実際のイメージ、オーディオ、またはビデオ・データです。メタデータとは、マルチメディア・コンテンツについてのフォーマット情報で、オブジェクト長、圧縮やフォーマット、アプリケーション提供の情報(デジタル・オーディオ・ソングの歌手名など)などの情報が含まれます。メソッドとは、メタデータの格納、配信、抽出やイメージ・フォーマットの圧縮、変換など、オブジェクトに対して実行される手順です。

アプリケーションでは、1つ以上のマルチメディア列(ORDImage、ORDAudio、または ORDVideo)を既存の表に追加(図 1)するか、マルチメディア列を持つ新しい表を作成(図 1を参照)することで、Oracle interMediaを使用します。マルチメディア列は表にいくつでも追加できます。最も単純な形式では、これはリレーショナル・データとマルチメディア・データの統合管理を意味します。

イメージ、オーディオ、イメージ、オーディオ、イメージ、オーディオ、イメージ、オーディオ、ビデオ、ドキュメントビデオ、ドキュメントビデオ、ドキュメントビデオ、ドキュメント

クライアントクライアントクライアントクライアント

図図図図 1: リレーショナルリレーショナルリレーショナルリレーショナル表の列におけるマルチメディア・オブジェクト表の列におけるマルチメディア・オブジェクト表の列におけるマルチメディア・オブジェクト表の列におけるマルチメディア・オブジェクト

interMediaには ORDDocというオブジェクト・データ型もあります。このマルチメディア列型には、ORDImage、ORDAudio、ORDVideoオブジェクトの任意の組合せを含めることができるため、マルチメディア管理機能の柔軟性が高まります。

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マルチメディア・オブジェクトの格納モデルマルチメディア・オブジェクトの格納モデルマルチメディア・オブジェクトの格納モデルマルチメディア・オブジェクトの格納モデル

Oracle interMediaオブジェクト(ORDAudio、ORDImage、ORDVideo、ORDDoc)には、共通のマルチメディア格納モデルがあります。これらのオブジェクトのマルチメディア・コンポーネントは、トランザクション制御の対象となる BLOB としてデータベースに格納できます。マルチメディア・コンポーネントは、トランザクション制御の対象とならないデータベース外部に格納することもできます。この場合、トランザクション制御の対象となるポインタがデータベースに格納されますが、マルチメディア・コンポーネントは、HTTPサーバーベースの URL、専用メディア・サーバー、他のサーバー上のユーザー定義ソースのいずれかで、外部 BFILE(オペレーティング・システムのフラット・ファイル)に格納されます。データベース外部に格納されたマルチメディア・コンテンツは、消去可能または読取り専用のデバイスにフラット・ファイルとして存在する、大規模な、あるいは新しいマルチメディア・リポジトリを管理するための便利なメカニズムを提供します。このデータは、BLOB と外部 BFILE ソースの間でいつでもインポートとエクスポートを行うことができます。

オブジェクトのメタデータおよびメソッドは常にデータベース内に格納され、Oracle interMediaによって制御されます。マルチメディア・コンテンツをデータベースの内部に格納するか、外部に格納するかに関係なく、Oracle interMediaではすべてのマルチメディア・オブジェクト型のメタデータを管理し、型ごとにそのメタデータを自動的に抽出します。このメタデータには次のものがあります。

• ソース・タイプ、場所、名前などのデータ格納情報

• データの更新時刻とフォーマット

• MIME メディア・タイプ(Web アプリケーションやメール・アプリケーションで使用)

• イメージの高さと幅、およびイメージ・コンテンツの長さ、フォーマット、圧縮タイプ

• オーディオのエンコーディング・タイプ、チャネル数、サンプリング速度、サンプル・サイズ、圧縮タイプ、再生時間(継続時間)、説明

• ビデオ・フレームの幅と高さ、フレームのレゾリューションとレート、再生時間(継続時間)、フレーム数、圧縮タイプ、カラー数、ビット・レート、説明

• 選択したアプリケーション・メタデータ(歌手やスタジオの名前など)

リレーショナル・インタフェースリレーショナル・インタフェースリレーショナル・インタフェースリレーショナル・インタフェース

マルチメディア・コンテンツを Oracle interMedia オブジェクトとしてではなく、BLOB としてすでに格納しているアプリケーションも、リレーショナル・インタフェースを通じて Oracle interMediaの機能を活用できます。Oracle interMediaサービスのほとんどは、そのようなアプリケーションでも使用可能で、BLOBとして格納されているマルチメディア・コンテンツにも適用されます。同様に、従来の人事管理などの既存アプリケーションでも、このリレーショナル・インタフェースを使用して、すべての Oracle interMediaサービスを活用することが可能です。

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イメージ・オブジェクト型イメージ・オブジェクト型イメージ・オブジェクト型イメージ・オブジェクト型

Oracle interMediaのイメージ・サービスは、現実の物体や景色をバイナリ表現として格納した 2 次元の静的なデジタル・イメージを、最もポピュラーなファイル・フォーマットと圧縮方法でサポートしています。イメージ・ファイル・フォーマットは、アプリケーションがイメージをフラット・ファイルに格納する便利な手段となります。そのようなファイルの内部レイアウトを公開すれば、異なるアプリケーション間での交換標準として使用できます。

デジタル・イメージは、イメージの特性を記述する属性と、イメージ・データそのもの(デジタル・ビット)で構成されます。イメージ・データ(ピクセル)は、イメージのキャプチャ方法によって異なる深度(ビット/ピクセル)を持ち、様々な方法で編成可能です。イメージの最低限の属性には次のものがあります。

• サイズ(走査線数での高さとピクセル数での幅)

• サンプリングされた各カラーのピクセルあたりのビット数

• 圧縮タイプ

• コンテンツ・フォーマット

コンテンツ・フォーマットは、次のものから構成されます。

• 単色またはビット深度

• サンプル・モデル(Band Interleaved by Plane、Band Interleaved by Line、Band Sequential)

• カラー・モデル(参照表、ダイレクト)、カラー領域(グレー、RGB)

• アルファ・チャネルや透過色などの特殊属性

イメージ・フォーマットと圧縮方法イメージ・フォーマットと圧縮方法イメージ・フォーマットと圧縮方法イメージ・フォーマットと圧縮方法

Oracle interMediaは、デスクトップ・パブリッシングの最もポピュラーなイメージ・ファイル・フォーマットである TIFF、JFIF(一般的には JPG と呼ばれる)、BMP、TARGA、EXIF、PCX、PICT、GIF、CALS、SUN RASTER、FPIX、PNGF、PPMF、PGMF、PBMF、WBMP、RPIXをサポートしています。

開発者は、イメージ・ファイル・フォーマットを熟知しなくても、アプリケーションで作成されたイメージを簡単に格納できます。Oracle interMedia はアプリケーションが格納および取り出し時に内部フォーマットとの間の変換を行うことを必要としないので、パフォーマンスの低下を防ぐことができます。

また、Oracle interMediaでは、重要なイメージ・プロパティ(マルチメディア・メタデータ)が自動的に抽出され、抽出されたプロパティはイメージまたはドキュメント・オブジェクトのデータ属性で使用できるようになります。その結果、アプリケーション開発者は些細なフォーマットの違いを学ばなければならないという負担から解放されます。イメージ・フォーマットには様々な種類があり、多くのアプリケーションはそのサブセットしかサポートしていないため、Oracle interMediaでは要求に応じてフォーマットの変換を行います。たとえば、イメージを他のフォー

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マットから、モバイル・アプリケーションで使えるように WBMP に変換することができます。

RPIXは非圧縮の Oracle interMediaロー・ピクセル・フォーマットで、個々のピクセルに簡単にアクセスしてイメージ処理を行うことが可能です。さらに、RPIXフォーマットをゲートウェイとして使用して、独自の外部イメージ・フォーマットをOracle interMediaにインポートすることができます。独自のイメージ・フォーマットや外部イメージ・フォーマットは、イメージ・フォーマット属性を Oracle interMedia に渡すメソッドを使用すれば、ドキュメント化された RPIX フォーマットに簡単に変換できます。これらの属性が渡されると、Oracle interMediaでは必要に応じてイメージの操作および変換メソッドを格納、取り出し、適用して、イメージを処理できます。

Oracle interMediaでは、単色(1ビット)、2ビット、4ビット、8ビット、12ビット、16ビット、24ビット、32ビット、48ビットの各種ビット深度でイメージ・データの読込みと書込みが行えます。

デジタル・イメージには大量の記憶領域が必要とされる場合があるため、イメージを少ないバイトに圧縮する方法が用意されています。可逆圧縮方法では、解凍したときのイメージが元のイメージとビット単位で同一になるように、イメージを圧縮します。不可逆圧縮方法の場合、解凍時に同一のイメージにはなりませんが、その違いは人間の目には分からないかもしれません。

Oracle interMediaは、次のような最もポピュラーで効率的な圧縮方法をサポートしています。

• CCITT G3/G4ランレングス・ハフマン・エンコーディング方法: 白黒のドキュメント・イメージに使用

• ISO/CCITT JPEGエンコーディング方法: 写真(連続トーン)イメージに使用

• 可逆式 RLE(あらゆる実用的な目的に使用できる圧縮方法)

Oracle interMediaでは、必要に応じてイメージの圧縮または解凍を要求するだけで済むため、アプリケーション開発者は圧縮技術の複雑さを意識する必要がありません。

メタデータの解析、フォーマット変換、圧縮に加えて、Oracle interMediaには、イメージ・データを一般的な目的での表示や別のプロセスへの入力のために準備する際に便利なスケーリングおよびクロッピングを含む、サーバーベースの操作機能のセットが用意されています。これらの基本的な機能を使用すれば、プレビュー・イメージやサムネイル・イメージの準備が簡単に行えます。より専門的な、あるいはより洗練されたイメージ処理も、アプリケーション開発者がインタラクティブなグラフィカル・ユーザー・インタフェースを通じて実行可能です。

オーディオおよびビデオ・オブジェクト型オーディオおよびビデオ・オブジェクト型オーディオおよびビデオ・オブジェクト型オーディオおよびビデオ・オブジェクト型

Oracle interMediaのオーディオおよびビデオ・サービスは、Oracle9i データベースにおけるデジタル・オーディオおよびビデオ・データの基盤となります。デジタル・

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オーディオ/ビデオは、データ(デジタル・ビット)と、データを記述し特徴づける属性で構成されます。最小限の属性には次のものがあります。

• ソース・タイプ、場所、名前

• 説明

• ファイル・フォーマット

• MIMEメディア・タイプ

• エンコーディング・タイプ

• オーディオ・チャネルの数

• サンプル/フレーム速度とサンプル/フレーム・サイズ

• フレーム・リゾリューションと合計フレーム数

• カラー数

• ビット速度

• 圧縮タイプ

• 継続時間

これらのデータ属性は、デジタル・レコーディング・デバイスで録音または生成されたときのデータを記述し、特徴づけるものです。

Oracle interMediaでサポートされるオーディオおよびビデオ・フォーマットは、ブロードキャスト・アプリケーションというよりはむしろインターネットを対象としています。

オーディオ・フォーマットオーディオ・フォーマットオーディオ・フォーマットオーディオ・フォーマット

Oracle interMediaは、AIFF、AIFF-C、AUFF、WAV、MPEG I、MPEG II、MPEG III、および RealNetworksのオーディオ・フォーマットで格納された業界標準のオーディオ・データを管理します。これらのフォーマットからメタデータ情報が自動的に抽出され、Oracle interMedia オーディオ・オブジェクト(ORDAudio)またはドキュメント・オブジェクト(ORDDOC)の属性として格納されます。「マルチメディア・オブジェクトの格納モデル」の項で説明したように、オーディオ・データは Oracle9i の中にローカルに格納することも、外部ソースから参照することもできます。

ビデオ・フォーマットビデオ・フォーマットビデオ・フォーマットビデオ・フォーマット

Oracle interMediaは、QuickTime、AVI、および RealNetworksのビデオ・フォーマットで格納された業界標準のビデオ・データを管理します。アプリケーションでは、Oracle interMediaビデオ・オブジェクト(ORDVideo)またはドキュメント・オブジェクト(ORDDoc)の属性としてメタデータ情報を格納することができます。この場合も、ビデオ・データは Oracle9i の中にローカルに格納することも、外部ソースから参照することもできます。

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Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理、オラクル・ホワイトペーパー 10 2001年 3月 Oracle Corporation発行の 「Oracle interMedia: Managing Multimedia Content, An Oracle White Paper」の翻訳版です。

これまでの交換フォーマット標準によってサポートが定義されていれば、Oracle interMediaではオーディオ用の ADPCMおよびMULAW、ビデオ用の AVI Indeoを含む圧縮方法が認識されます。

オンデマンドのオーディオおよびビデオ・フォーマットオンデマンドのオーディオおよびビデオ・フォーマットオンデマンドのオーディオおよびビデオ・フォーマットオンデマンドのオーディオおよびビデオ・フォーマット

Oracle interMediaは、選択したフォーマットのオーディオおよびビデオをストリーム・モードで配信するために RealNetworks サーバーなどのストリーム・サーバー一緒に効果的に機能させることができます。オーディオまたはビデオ・データがストリーム・サーバーに格納されている場合、Oracle interMediaはストリーム・サーバーの接続情報と、サーバー内のデータへのポインタをアプリケーションに渡すことができます。RealNetworksサーバーが Oracle interMediaに格納されたオーディオまたはビデオ・データを配信することも可能です。クライアントは Oracle9i データベース・サーバーから Oracle interMediaオーディオまたはビデオ・オブジェクトの場所を取得し、その場所を RealNetworks ストリーム・サーバーに渡します。RealNetworksストリーム・サーバーは Oracle9i に接続して、Oracle interMediaオブジェクトから要求されたマルチメディア・コンテンツを取り出し、クライアントにストリーム形式で返します。

ストリーム・サーバーが使用できない場合、Oracle interMedia は Oracle Net(旧SQL*Net)を使用して、マルチメディア情報をダウンロード・アンド・プレイ・モードでクライアントに直接配信することができます。オーディオまたはビデオ・クリップ全体がアプリケーションに送られると、アプリケーションが適切なプレーヤを起動します。

マルチメディア・コンテンツのアップロードマルチメディア・コンテンツのアップロードマルチメディア・コンテンツのアップロードマルチメディア・コンテンツのアップロード

Oracle interMediaには、マルチメディア・コンテンツをOracle9i データベースにアップロードする方法が多数用意されています(図 2を参照)。

• SQL*Loader: ダイレクト・パス・アクセスを使用して、大量のマルチメディア・コンテンツをきわめて効率的にロードします。

• 別の Oracle9i データベースからのレプリケーション: 本番や配置に使用されたデータベースなどの同期を保ちます。

• PL/SQLプロシージャ: SQL*Loaderの代わりとしてよく使用されます。

• クリップボード: ディスク・ファイル、URL、キャプチャ・デバイスからコンテンツを取り出してアップロードすることのできる Oracle interMediaユーティリティです。

• アノテータ: 少量のデータを処理する洗練されたローダーで、各種マルチメディア・フォーマットを認識します。フォーマットおよびアプリケーション・メタデータを抽出し、両方のデータをマルチメディア・コンテンツとともにデータベースに格納します。

• Oracle Internet File System

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Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理、オラクル・ホワイトペーパー 11 2001年 3月 Oracle Corporation発行の 「Oracle interMedia: Managing Multimedia Content, An Oracle White Paper」の翻訳版です。

メディアを多用したデータのキャプチャメディアを多用したデータのキャプチャメディアを多用したデータのキャプチャメディアを多用したデータのキャプチャファイルファイルファイルファイル

URL

キャプチャ・デバイスキャプチャ・デバイスキャプチャ・デバイスキャプチャ・デバイス

アノテータアノテータアノテータアノテータ

クリップボードクリップボードクリップボードクリップボード

HTMLページページページページ

ブラウザブラウザブラウザブラウザ

Webサーバーサーバーサーバーサーバー

Webサーバーサーバーサーバーサーバー

Webエージェントエージェントエージェントエージェント

Webエージェントエージェントエージェントエージェント

SQL*LoaderSQL*

Loader

レプリケートレプリケートレプリケートレプリケートレプリケートレプリケートレプリケートレプリケート

図図図図 2: アップロード・メカニズムアップロード・メカニズムアップロード・メカニズムアップロード・メカニズム

マルチメディア・コンテンツがアノテータ、またはその他のメカニズムのいずれかによってOracle interMediaにアップロードされる時に、setPropertiesメソッドがコールされ、アプリケーション・メタデータが解析されます。このメタデータには、デジタル・オーディオ・クリップの作詞者/作曲者名やビデオ・クリップの出演者名など、後でそれらのクリップを見つけるために使用できるような貴重なアプリケーション情報が含まれている場合があります。そのため、Oracle interMediaではアプリケーション・メタデータを固定スキーマ(表の列)と XMLドキュメントのいずれかに格納します。

テキスト形式のメタデータは、索引を付与して Oracle Textで検索することが可能です。このアプリケーション・メタデータとマルチメディア・コンテンツを一緒にORDDocオブジェクトに格納すると、すべてのマルチメディア・オブジェクト型に対してテキスト検索を適用することができます。

マルチメディア・コンテンツの格納マルチメディア・コンテンツの格納マルチメディア・コンテンツの格納マルチメディア・コンテンツの格納

BLOB、BFILEおよび URLは、マルチメディア格納へのポインタを表します(図 3を参照)。BLOB は、マルチメディアをデータベース内のローカル・データベース表領域に格納し、領域を最適化して効率的なアクセスを可能にするために使用されます。BLOBは、サイズによって、他の行データと物理的に同じ場所に配置される場合とされない場合があります。他の表領域に格納された BLOB 値(最大 4GB)の実際の場所を示すポインタとして、ロケータが行に格納されることもあります。

Oracle interMediaの格納モデルには、マルチメディア・コンテンツに対する共通な一連の操作があります。

• BLOB操作: マルチメディア・コンテンツのロード、フェッチ、削除

• 外部操作: オープン、クローズ、切捨て(クリップ)、バッファの読取り/書込み、テンポラリ BLOBへの格納、外部ソースと BLOB間のインポート/エクスポート

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Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理、オラクル・ホワイトペーパー 12 2001年 3月 Oracle Corporation発行の 「Oracle interMedia: Managing Multimedia Content, An Oracle White Paper」の翻訳版です。

• その他の操作: マルチメディア・メタデータの抽出、格納メタデータの設定、データ操作の実行、外部データ・ストレージへのコマンドの引渡し

マルチメディア・コンテンツへのアクセスマルチメディア・コンテンツへのアクセスマルチメディア・コンテンツへのアクセスマルチメディア・コンテンツへのアクセス

マルチメディア・コンテンツを見つける主な手段は、関連リレーショナル・データに対する従来の問合せです。見つかった Oracle interMediaマルチメディア・コンテンツには、ORDImage、ORDAudio、ORDVideo および ORDDoc オブジェクト型を通じて、SQLまたは PL/SQLを使用してアクセスできます。

従来のリレーショナル情報をマルチメディア・コンテンツの持つアプリケーション・メタデータで補足し、Oracle interMediaによって解析することができる場合もあります。マルチメディア・コンテンツを見つける主な手段はリレーショナル問合せですが、この場合にその手段の役割を果たしているのはアプリケーション・メタデータです。

アプリケーションアプリケーションアプリケーションアプリケーション

オブジェクトオブジェクトオブジェクトオブジェクト/リレーショナル・インタフェースリレーショナル・インタフェースリレーショナル・インタフェースリレーショナル・インタフェース クライアントクライアントクライアントクライアント

URL

Webサーバーサーバーサーバーサーバー

豊富なコンテンツ豊富なコンテンツ豊富なコンテンツ豊富なコンテンツ

メタデータメタデータメタデータメタデータ OSフラット・フラット・フラット・フラット・ファイルファイルファイルファイル

図図図図 3: 各種格納方法各種格納方法各種格納方法各種格納方法

マルチメディア・コンテンツの配信マルチメディア・コンテンツの配信マルチメディア・コンテンツの配信マルチメディア・コンテンツの配信

Oracle interMediaでは、デジタル・イメージに対するコンテンツベースの検索も行えます。コンテンツベースの検索では、データベース内で別のイメージに似た(全体的な色や形などが似ている)イメージが検索されます。Oracle interMediaのコンテンツベース検索は、現実の物体や景色のマッチングに非常に適しています。指紋や顔の認識、医学画像などのきわめて特殊なパターン認識は目的としていません。

Page 13: Oracle interMedia

Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理、オラクル・ホワイトペーパー 13 2001年 3月 Oracle Corporation発行の 「Oracle interMedia: Managing Multimedia Content, An Oracle White Paper」の翻訳版です。

シン・クライアントシン・クライアントシン・クライアントシン・クライアント シック・クライアントシック・クライアントシック・クライアントシック・クライアント シン・クライアントシン・クライアントシン・クライアントシン・クライアント

HTTP

Webサーバーサーバーサーバーサーバー

メディア・コンテンツメディア・コンテンツメディア・コンテンツメディア・コンテンツ

IIP、、、、RTSP

ストリーム・サーバーやストリーム・サーバーやストリーム・サーバーやストリーム・サーバーや特殊サーバー特殊サーバー特殊サーバー特殊サーバー

メタデータメタデータメタデータメタデータ

図図図図 4: マルチメディア・コンテンツの各種配信方法マルチメディア・コンテンツの各種配信方法マルチメディア・コンテンツの各種配信方法マルチメディア・コンテンツの各種配信方法

データ型は、バッチ同期モードでデータベースからクライアントへ常に配信可能です。いくつかのデータ型には、より専門的な配信サービスが使用できます(図 4を参照)。特定のオーディオ・フォーマットやビデオ・フォーマットについては、メディア・オブジェクト型をアイソクロナス方式またはストリーム方式で配信できるため、RTSP プロトコルを使用して受信しながら同時に再生することが可能になります。同様に、IIP などの特殊なプロトコルを使用してイメージを配信することもできます。Oracle interMedia でのこのような特殊プロトコルのサポートは、RealNetworksなどのサード・パーティ・パートナ製のピアレベル・サーバーを通じて実現されます。

開発環境開発環境開発環境開発環境

Oracle interMedia は、リレーショナル・インタフェースとオブジェクト・インタフェースの両方によってアプリケーションにアクセスできます。Java、C++、または従来の 3GL で書かれたデータベース・アプリケーションは、最新のクラス・ライブラリ・インタフェース、あるいは PL/SQLと OCIを通じて、Oracle interMediaとやりとりできます。これらのアプリケーションは、イメージ、オーディオ、ビデオ、ドキュメントの各列を簡単に追加して、既存のリレーショナル表や新しいリレーショナル表にオブジェクトを格納することができます。アプリケーションは、Oracle interMediaを使用して、他のリレーショナル・データの場合と同じ方法でマルチメディア・コンテンツの問合せと取り出しを行うことができます。

Javaクライアントは、Javaクラス・ライブラリを通じて、JDBC結果セットのマルチメディア・オブジェクトを取り出し、ブラウザに送ることができます。この同じクライアントが、Oracle interMediaで使われる Java Advanced Imaging(JAI)パッケージを使用して、洗練されたクライアント側イメージ処理を実行できます。シック・クライアントは、Java Media Framework(JMF)プレーヤを使用して、Oracle interMediaのオーディオ・クリップやビデオ・クリップの再生、アップロード、ダウンロードを行うこともできます。

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Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理、オラクル・ホワイトペーパー 14 2001年 3月 Oracle Corporation発行の 「Oracle interMedia: Managing Multimedia Content, An Oracle White Paper」の翻訳版です。

Oracle InterMediaとととと BC4Jの統合の統合の統合の統合

開発者は、Java IDEである Oracle JDeveloperを使用して、Oracle interMediaオブジェクトを使った Java アプリケーションを作成できるようになりました。JDeveloperの際立った特徴は、Oracle Business Components for Java(BC4J)です。Oracle interMedia/BC4J統合パッケージには、Oracle interMedia BC4Jドメイン・クラスと一連のユーティリティ・クラスが含まれています。

ドメイン・クラスは、Oracle interMedia Javaクライアント・クラスのラッパーで、ベースとなるマルチメディアの取出し、アップロードおよび操作を行うメソッドをすべて継承します。Oracle interMedia Business Components ドメイン・クラスは、Business Componentsフレームワーク APIをサポートし、組込みの統合マルチメディア機能を提供します。ユーティリティ・クラスは、マルチメディア・コンテンツの取出し、レンダリング、アップロードをサポートします。たとえば、どのアプリケーションでも、データベースへのマルチメディア・コンテンツのアップロードを容易にする OrdLoaderクラスを使用することができます。

Oracle interMediaとととと Oracle9i Application Server Portal

Oracle9i Application Server Portalは、Oracle表またはビューのデータの獲得、操作、表示を行うオブジェクトを作成するための手段を提供します。Oracle9iAS Portalのコンポーネントを相互に接続して、エンタープライズ・データベースに直接適用できる Web アプリケーションを作成することが可能です。フォームとレポートという 2つのコンポーネントが事前定義されています。

Oracle9iAS Portalのフォーム・コンポーネントでは、アプリケーションがリレーショナル・コンテンツおよびマルチメディア・コンテンツとやりとりできます。Oracle9i データベースに格納されている Oracle interMediaオブジェクトの追加、問合せ、更新、削除が可能です。

Oracle9iAS Portalのレポート・コンポーネントでは、Webインタフェースを使用した列状のレポート・フォーマットに動的なデータを表示します。Oracle9iAS Portalで作成したレポートには、Oracle interMediaオブジェクト型として格納されている情報が表示され、必要な場合にはオーディオまたはビデオ・メディアを再生するためのボタンが提供されます。これらのオブジェクトが含まれているレポートをポートレットとして使用することもできます。

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Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理、オラクル・ホワイトペーパー 15 2001年 3月 Oracle Corporation発行の 「Oracle interMedia: Managing Multimedia Content, An Oracle White Paper」の翻訳版です。

製品のアーキテクチャ製品のアーキテクチャ製品のアーキテクチャ製品のアーキテクチャ: 3つの層つの層つの層つの層 Oracle interMediaアーキテクチャは、図 5に示したような一般的な 3層アーキテクチャに当てはめると最もうまく説明できます。

アプリケーション ユーティリティ

クライアント層

Webサーバー アプリケーション・サーバー

アプリケーション・サーバー

配信サービス

データベース 特殊なインデクサ

データ・サーバー層

図図図図 5: 3層アーキテクチャ層アーキテクチャ層アーキテクチャ層アーキテクチャ

データ・サーバー層データ・サーバー層データ・サーバー層データ・サーバー層

第 1(ファウンデーションまたはデータ・サーバー)層(図 6)の Oracle9i データベースには、メディア列を含む表があります。右側の矢印は、外部で参照されるメディア(ファイル)を指しています。

特殊配信特殊配信特殊配信特殊配信

サーバーサーバーサーバーサーバー

異種メディア列

メディア・パーサーメディア・パーサーメディア・パーサーメディア・パーサー メディア・プロセッサメディア・プロセッサメディア・プロセッサメディア・プロセッサ メディア・コンテンツ・インデクサ

オプションの外部ファイル・ストレージ

図図図図 6: データ・サーバー層データ・サーバー層データ・サーバー層データ・サーバー層

Oracle9i データベース内の前述の矢印の上(図 6)に、メディア・パーサーとメディア・プロセッサの 2つのボックスがあります。パーサーは、マルチメディア・コンテンツがデータベースに入力されると、そのコンテンツを取得し、フォーマットおよびアプリケーション・メタデータを解析して出力します。主に Java Advanced Imaging(JAI)をベースとするメディア・プロセッサは、データベース内でのイメージ処理をサポートします。パーサーとプロセッサはいずれも Javaで書かれており、Oracle9i Java Virtual Machine(JVM)内で実行されます。

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Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理、オラクル・ホワイトペーパー 16 2001年 3月 Oracle Corporation発行の 「Oracle interMedia: Managing Multimedia Content, An Oracle White Paper」の翻訳版です。

Oracle9i データベースの左(図 6)には特殊配信サーバーがあります。プラグインで接続されたこれらのサーバーは、データベースからマルチメディア・コンテンツを取得して、(一般的には)シン・クライアントに配信します。RealNetworks G2ストリーム・サーバーは特殊配信サーバーのよい例です。

Oracle9i データベースの右側(図 6)には、メディア・コンテンツ・インデクサというボックスがあります。このインデクサは、音声認識や特殊なマルチメディア・コンテンツ用の音声からテキストへの時間基準の作成といった機能を実行します。

アプリケーションまたはアプリケーションまたはアプリケーションまたはアプリケーションまたはWebサーバー層サーバー層サーバー層サーバー層

中間層(図 7)に当てはまるのはWebサーバーです。Oracle interMediaがアクセス・クラス・ライブラリを提供するのはここです。JDBCの場合、これらはデータベースから効率的にマルチメディア・コンテンツを取り出し、Webブラウザに配信するための Javaクラスです。

Webサーバー

interMediaアクセス・クラス

PL/SQLカートリッジ

図図図図 7: データ・サーバー層データ・サーバー層データ・サーバー層データ・サーバー層

クライアント層クライアント層クライアント層クライアント層

第 3(最上位)層(図 8)として、Oracle interMediaには、次の 3つのコンポーネントがあります。

1. クリップボード: NTユーティリティとブラウザベースの 2つのバージョンがあります。

2. アノテータ。

3. Business Components for Java(BC4J)。

シン・クライアント クリップボード

ブラウザ

シック・クライアントとツール

シック・クライアントとツール

JAI/JMFクライアント側メディア処理

メディア・パーサー

スクリプト

図図図図 8: クライアント層クライアント層クライアント層クライアント層

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Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理、オラクル・ホワイトペーパー 17 2001年 3月 Oracle Corporation発行の 「Oracle interMedia: Managing Multimedia Content, An Oracle White Paper」の翻訳版です。

クリップボードクリップボードクリップボードクリップボード: NTユーティリティとブラウザベースユーティリティとブラウザベースユーティリティとブラウザベースユーティリティとブラウザベース

クリップボード・コンポーネントには 2つのバージョンがあります。1つ目のバージョンは NTユーティリティで、データベースとローカル・ファイル間でのマルチメディア・コンテンツのブラウズ、アップロード、ダウンロードに使用します。2つ目のバージョンはブラウザベースであるため、プラットフォーム間での移動が可能です。2つ目のバージョンは、Oracle interMediaマルチメディア・コンテンツの階層ファイル指向のビューを提供します。

アノテータアノテータアノテータアノテータ

アノテータ・コンポーネントは、アプリケーション・メタデータを解析し、マルチメディア・コンテンツとメタデータをデータベースにアップロードするユーティリティです。アノテータは Javaクライアントおよび Javaビーンとして提供されています。そのため、顧客またはパートナのアプリケーションに統合して、様々なスクリプトベースの言語で使用することができます。

Business Components for Java((((BC4J))))

Business Components for Java(BC4J)は、Oracle JDeveloper環境を使用する開発者によるメディアを多用したアプリケーションの生成を単純化します。開発者は、マルチメディア・コンテンツのレンダリングと表示を行う再使用可能モジュールを簡単に作成できます。

図 9では、アーキテクチャ全体を 1つにまとめ、3つの階層間のインターコネクトに焦点を当てています。

クリップボード

ブラウザ

シック・クライアントとツール

シック・クライアントとツール

JAI/JMFクライアント側メディア処理

メディア・パーサー

スクリプト

シン・クライアント

BC4J

Webサーバー

interMediaアクセス・クラス

PL/SQLカートリッジ

JDBC

9iASApache

特殊配信特殊配信特殊配信特殊配信

サーバーサーバーサーバーサーバー

異種メディア列

メディア・パーサーメディア・パーサーメディア・パーサーメディア・パーサー メディア・プロセッサメディア・プロセッサメディア・プロセッサメディア・プロセッサ メディア・コンテンツ・インデクサ

オプションの外部ファイル・ストレージ

図図図図 9 完全なアーキテクチャ完全なアーキテクチャ完全なアーキテクチャ完全なアーキテクチャ

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Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理、オラクル・ホワイトペーパー 18 2001年 3月 Oracle Corporation発行の 「Oracle interMedia: Managing Multimedia Content, An Oracle White Paper」の翻訳版です。

インターネットの統合インターネットの統合インターネットの統合インターネットの統合 Oracle interMediaのクリップボードにより、Webオーサリング・ツールはデータベースからコンテンツを見つけて、取り出し、使用することができます。Webページの設計の際には、Oracle interMediaのクリップボードで、マルチメディア・コンテンツを Oracle9i データベースから HTMLページにドラッグ・アンド・ドロップできます。データベース内のマルチメディア・コンテンツを指す、SQL問合せからなるURLリンクが自動的に作成されます。

公開されたWebページをユーザーがアクセスすると、Oracle interMediaのクリップボードは SQL問合せを実行します。こうして、データベースからマルチメディア・コンテンツを取り出し、Web ブラウザに表示するための MIME タイプとマルチメディア・コンテンツを返します。

Oracle interMediaのインターネット機能により、Webページのマルチメディア・コンテンツのトランザクション管理が可能になります。Oracle interMediaは遅延バインディング機能を備えているため、Web ページにアクセスしたときには必ず最新バージョンのマルチメディア・コンテンツが動的に使用可能になります。

Oracle interMediaは新たに出現した動的Webページの世界に非常に適しています。第一に、Oracle interMediaは、マルチメディア・コンテンツの管理を、アプリケーションが Web ページに組み込むコンテンツを決定する際に使われるリレーショナルな意思決定データに統合します。第二に、Oracle interMediaは、中間層におけるマルチメディア・コンテンツの問合せ、取出し、出力のために、使いやすく効率性の高い Javaクラスを提供します。最後に、Oracle interMediaは、MacroMedia Ultradevなど、ASP および JSP を使用する主要な動的 Web ページ作成ツールの一部にすでに統合されています。

拡張性拡張性拡張性拡張性 拡張性は、Oracle interMediaアーキテクチャの中心的要素です。この機能は、顧客やパートナがアプリケーション固有のデータのニーズを満たすのを支援します。イメージ、オーディオ、ビデオ、ドキュメントの各データ型に対して、顧客やパートナは独自のプラグインを作成し、追加のフォーマット、新しいデジタル圧縮/解凍方法(コーデック)、スペシャライズ・インデックス、カスタム問合せの最適化およびメソッド、マルチメディア・コンテンツの外部ソース、さらには特殊なデータ処理アルゴリズムまでもサポートすることができます。

データ型の拡張性に加えて、ORDImage、ORDAudio、ORDVideo および ORDDoc型のマルチメディア・オブジェクトを 1つ以上含む、より複雑なオブジェクトの作成が可能です。たとえば、音楽 CD オブジェクトは、CD のカバー・イラストを含むイメージ・オブジェクト、CD のトラックを含む一連のオーディオ・オブジェクト、関連の音楽ビデオを含むビデオ・オブジェクトから構成される場合があります。

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Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理、オラクル・ホワイトペーパー 19 2001年 3月 Oracle Corporation発行の 「Oracle interMedia: Managing Multimedia Content, An Oracle White Paper」の翻訳版です。

アプリケーション例アプリケーション例アプリケーション例アプリケーション例 プロの画像処理業界や大量のイメージ・ベース・データを扱う組織で使用されるWebベースのイメージ・データ管理製品を開発したシステム・インテグレーション会社のケースを例にとってみましょう。システムは、イメージ資産の管理、販売、交換の改善を可能にするプラットフォームを顧客に提供します。

ソリューションのベースは、Oracle interMediaと Oracle Textを搭載した Oracle9i です。Oracle interMediaと Oracle Textは、すべてのイメージおよび関連テキスト・データの格納、索引付け、取出しを行うために使用されます。Oracle interMediaは、関連するオーディオ・データやビデオ・データの格納にも使用されています。

システム・インテグレータの言葉を借りて言えば、マルチメディア・オブジェクトはすべてデータベースに格納されています。マルチメディア・オブジェクトをデータベースに格納することにより、次の利点が得られます。

• セキュリティの向上。

• 制御(サイズ変更、操作)の強化。

• イメージとリレーショナル・データの同期の保証。イメージの存在(ファイル・システムに格納した場合、対応するデータをデータベースから削除しなくても、イメージの削除が可能です)。

• 使用状況に関する統計の抽出が容易。

顧客は、いくつかの Oracleテクノロジを使用してパフォーマンスを最適化していました。使用していた Oracleテクノロジには、NOCACHINGや NOLOGGINGなどの標準記憶領域オプション、コスト・ベース・オプティマイザ、ローカルで管理された表領域(イメージ用に別の表領域を用意)、オブジェクト・レプリケーションなどがあります。

現在、データベースには約 30GBのイメージが格納されており、そのうちの 25GBは JPEGイメージです。中心となる表には、20,000を超えるイメージが保持されています。この中で、Webイメージのサイズは 30KB~80KB、サムネイルのサイズは1.5KB~10KBです。任意に格納されている元のイメージは TIFFまたは JPEGで、そのサイズは 50KBから 80MBまでと様々です。

イメージ・ソリューションにとっての利点イメージ・ソリューションにとっての利点イメージ・ソリューションにとっての利点イメージ・ソリューションにとっての利点

Oracle interMediaと Oracle9i Textを使用したWebベースのイメージ・データ管理ソリューションは、幅広い顧客層に、豊かな知覚体験、強力な検索機能、および並外れた利便性を提供します。これは、システムにとって、競争に打ち勝つことのできる明確な利点となります。システムの主な資産は、言うまでもなく、イメージと従来のリレーショナル(ビジネス)・データです。

これらの資産をすべて同じデータベース管理システムに置くことで、管理および教育のコストが削減され、システムの信頼性、可用性、拡張性が向上します。最も重要なのは、マルチメディア情報を共有し、マルチメディア情報のリダイレクションを行い、従来のリレーショナル・データおよびシステムの業務を管理するその他の

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Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理、オラクル・ホワイトペーパー 20 2001年 3月 Oracle Corporation発行の 「Oracle interMedia: Managing Multimedia Content, An Oracle White Paper」の翻訳版です。

操作アプリケーションにマルチメディア・データを統合する機会が生み出されることです。

Oracle interMediaにより、インターネット・コンテンツは高度なデータベース・テクノロジ・サービスの恩恵を受けることができます。専門的に管理されたエンタープライズ情報システムのセキュリティ、管理コントロール、パフォーマンス、拡張性およびオープン・アクセスを、企業Webサイトやメディアを多用したアプリケーションで使用されるマルチメディア・データに対して利用することが初めて可能になりました。

Oracle interMediaでは、(多数のポピュラーなファイル・フォーマットおよび圧縮方法のサポートにより)従来のリレーショナル・データの表における列として、エンタープライズのマルチメディア・コンテンツとアプリケーションの Web ページのマルチメディア・コンテンツを統合し、管理することができます。

この統合の例として、Webベースのイメージ・データ管理システムの単純な設計に、次のものについての情報を提供する表を含めることができます。

• サムネイル: ストック・フォト ID、撮影者名、撮影日時、キャプション、カテゴリ、サムネイル・イメージなどのあらゆるアプリケーション・メタデータが含まれます。

• 高レゾリューション・イメージ: ストック・フォト IDと高レゾリューション・イメージ

• 価格: ストック・フォト ID、価格、法的な諸条件

• 使用料: ストック・フォト ID、所有者、使用料の支払い

顧客にとっての利点顧客にとっての利点顧客にとっての利点顧客にとっての利点

顧客は、従来のリレーショナル・データの場合と同じ方法でマルチメディア・コンテンツを検索できます。たとえば、一意のイメージ名やキー、撮影者、カテゴリなどによってイメージを検索することができます。さらに、Oracle interMediaの強力なイメージ・コンテンツ・ベースの取出し機能を使用して、類似したイメージをデータベースから繰り返し検索することもできます。興味を引かれるイメージが見つかったら、そのイメージをクリックするだけで、フル・レゾリューションのイメージを参照できます。

アプリケーション開発者にとっての利点アプリケーション開発者にとっての利点アプリケーション開発者にとっての利点アプリケーション開発者にとっての利点

Oracle interMedia は Oracle の Java IDE ツールである JDeveloper、および Oracle9i Application Server Portalに緊密に統合されているため、メディアを多用したアプリケーションの開発と配置が簡単に短期間で行えます。

加えて、Oracle interMediaにはアノテータやクリップボード、Internet File Systemなどの強力なツールが用意されており、これらのツールによって、メディア・コンテンツをデータベースへアップロードし、キャプションなどのアプリケーション・メタデータを抽出してブラウズするのが簡単になります。Oracle interMediaのクリッ

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Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理、オラクル・ホワイトペーパー 21 2001年 3月 Oracle Corporation発行の 「Oracle interMedia: Managing Multimedia Content, An Oracle White Paper」の翻訳版です。

プボードを使用すれば、メディアを多用した動的な Web ページを作成することも可能です。

まとめまとめまとめまとめ Oracle interMediaは、他のエンタープライズ情報と統合したマルチメディア・コンテンツの管理を容易にする一連のサービスです。Oracle interMediaでは、マルチメディア・コンテンツを従来のリレーショナル・データと同じくらい簡単に管理することができます。Oracle interMediaにより、インターネット・コンテンツは高度なデータベース・テクノロジ・サービスの恩恵を受けることができます。

Oracle interMediaにより、Oracle9i が専門的に管理されたエンタープライズ情報システムに提供するセキュリティ、管理コントロール、パフォーマンス、拡張性およびオープン・アクセスを、企業 Web サイトやメディアを多用したアプリケーションに格納されたマルチメディア・コンテンツに対して利用することが初めて可能になりました。

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Oracle interMedia: マルチメディア・コンテンツの管理 2001年 3月 著者: Joseph Mauro 協力者: Oracle Corporation World Headquarters 500 Oracle Parkway Redwood Shores, CA 94065 U.S.A. 世界共通窓口: Phone: +1.650.506.7000 Fax: +1.650.506.7200 www.oracle.com オラクル社はインターネットを強化するソフトウェアを提供しています。 Oracleは米国オラクル社の登録商標です。本書に記載された各種製品名およびサービス名は米国オラクル社の商標です。その他記載された製品名およびサービス名はそれぞれの所有者の商標です。 版権© 2001 Oracle Corporation 無断転載を禁ず