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O点の光源からP点へ光度lcdが照射されている場合(図1.1)、P点の各方向の照度は表1.1に示す式 で求めることができます。 ■ 点光源とみなして計算できる離隔距離の限界 線光源 --------- 管長の5倍以上 円環光源 ------- 直径の10倍以上 図1.1 点光源による色々な方向の照度 表1.1 点光源による直射照度計算式 IWASAKI LIGHTING HANDBOOK 2.1.1 点光源による直射 照度 岩崎電気株式会社 照明技術資料 NO.TD15 ver 1.0 2.1 逐点法による照度計算 2-1

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O点の光源からP点へ光度lcdが照射されている場合(図1.1)、P点の各方向の照度は表1.1に示す式で求めることができます。

■ 点光源とみなして計算できる離隔距離の限界

線光源 --------- 管長の5倍以上

円環光源 ------- 直径の10倍以上

図1.1 点光源による色々な方向の照度

表1.1 点光源による直射照度計算式

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2.1.1点光源による直射照度

岩崎電気株式会社照明技術資料 NO.TD15 ver 1.0

2.1 逐点法による照度計算

照明関連の計算法

2-1

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蛍光ランプのように光源に長さがあり、ランプ単体か、または反射面が完全拡散するような器具(笠付形、埋込形、逆富士形等)に適用できます。

図1.2 直線光源による直射照度

2.1.2直線光源による直射照度

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照明関連の計算法

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乳白カバー付器具、間接照明による光天井や壁を面光源とした場合やトップライトまたは側窓からの昼光照度計算に適用できます。

図1.3 平円板光源

図1.4 長方形光源(水平)

2.1.3面光源による直射照度

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照明関連の計算法

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図1.5 長方形光源(垂直)

投光照明などで任意の点Pの照度Ehを求めます。2.1.4投光照明における直射照度

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照明関連の計算法

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作業面の平均的な照度を求めたり、ある照度を得るために必要な光源の数を求めたりするときに使われる計算方法で、式は次のように表せます。

室指数は、壁面積に対する床面積(=天井面積)で表します。

図2.1に示すように室を天井空間、室空間、床空間の3つに分割して、器具吊り下げ長による誤差、作業面を床面としない場合の誤差を補正します。器具面を天井面、作業面を床面と仮想し、室空間の床面照明率を求めるために、器具面と作業面の実効反射率が必要となります。

図2.1 ZCM(Zonal Cavity Method)法における室の3分割

2.2.1光束法

2.2.2室指数

2.2.3実効反射率

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2.2 光束法による照度計算

照明関連の計算法

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表2.1 実効反射率(O’Brienの計算式による)

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照明関連の計算法

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固有照明率とは器具の配光の形だけを考え、器具効率100%としたときの照明率です。

したがって実際に用いる照明率(U)は、次のようになります。

U = η・Uo ここに η:器具効率

2.2.4固有照明率

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照明関連の計算法

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■ 設計例

「下図のような室(20m×30m×8m)にセードを使い、設計照度500lx を得るためにはSAW413(M360FCELSH-W/BUD)は何台必要になるか求めよ。

ただし、セードは天井面より2m下がった面に均等配置し、各面の反射率は天井80%、壁50%、床10%、保守率は0.69とする」

※ 計算例の為、実際の設置方法とは異なる場合があります。

2.2.5間接照明の計算

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照明関連の計算法

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■ 解

1.SAW413(M360FCELSH-W/BUD)の上方光束比x、下方光束比y、器具効率ηを求めます。

上方光束77.8%、下方光束1.6%、器具効率79.4%

よって、η=79.4%、x=77.8/79.4=0.98、y=1.6/79.4=0.02 と導き出せます。

2.天井空間の室指数KcはKc=20×30/2(20+30)=6となりますから、器具面の実効反射率ρceffは表2.1より68%となります。

3.上方光束による固有照明率を固有照明率の項に示した表2.3より求めます。

室空間の室指数Kr=20×30/6(20+30)=2となり、天井面の反射率68%に対応する固有照明率UOU

を補間で求めます。

4.次に下方光束成分による固有照明率UODを固有照明率の項に示した表2.2より求めます。ただし配光分類はBZ5に相当するものとし、同様に補間を使って計算するとUOD=0.8

よって、UD = y・η・UOD = 0.02×0.794×0.8 = 0.01

5.照明率Uは0.42(=UU+UD)となります。

6.光束法によって灯数を計算すると28灯になります。

N = (E・A)/(F・U・M) = (500×20×30)/(37800×0.42×0.69) ≒ 28

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照明関連の計算法

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0.3810%50%50%

0.5510%50%70%

固有照明率床壁天井

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■ ルーバ天井の照明計算を行なう手順を次に示します。

(1)ルーバ懐内の照明率U’

使用する器具の照明率表からルーバ上面に入る照明率U‘

を求めます。このとき天井面、壁面の反射率は使用する材料

によって決まりますが、床面に相当するルーバ面の反射率は

ルーバ形状と羽根の反射率によって決まります。ルーバ面の

反射率を想定する場合、図2.3を参照してください。

(2)ルーバ効率ηt

格子ルーバの透過率(=効率ηt)やその面から出る配光は、

ルーバ形状と羽根の反射率によって決まることが小木曽氏等

によって発表されているので、ここではそのまま採用します。

ルーバ効率ηtや配光は表2.4より求めてください。

(3)固有照明率UO

表2.4よりルーバ面から出る配光は決まってますので、表2.2の

BZ分類による固有照明率表から固有照明率Uoを求めてくださ

い。作業面が床面でない場合は実効反射率の項に示した表2.1

の実効反射率表より実効反射率を求め、ルーバ面は(1)と同じ

反射率を使ってください。

(4)作業面の照明率U

この結果ルーバ天井による照明率は(1)、(2)、(3)の積

U = ηt・U’・Uo で求められます。

2.2.6ルーバ天井(格子ルーバ)

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(1) 全般照明の場合の照度測定

照度は特に断らない限り水平面照度を測定します。

照度測定面の高さは、室内に机、作業台などの作業対象面がある場合は、その上面または上面から5cm以内の仮想面とします。特に指定のない場合は、床上80±5cm、和室の場合は畳上40±5cm、廊下、屋外の場合は、床面または地面上15cm以下とします。

図3.1 測定点の決め方 (参考文献:照度測定方法、JIS C 7612、1985年)

●屋外スポーツ施設に関しては、以下の照明基準に従ってください。

テニスコート、野球場 ------------------- JIS-Z-9120

陸上競技場、サッカー場、ラグビー場 ------ JIS-Z-9121

(2) 平均照度の算出法

<単位区域ごとの平均照度E>

図3.2 4点法による平均照度算出法

(参考文献:照度測定方法、JIS C 7612、1985年)

<単位区域が多数連続する場合>

図3.3 多数の単位区域が連続するときの平均照度の算出法

(参考文献:照度測定方法、JIS C 7612、1985年)

2.3.1照度測定方法

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2.3 照度・輝度測定法

照明関連の計算法

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(1) 測定の一般的事項

●測定基準点の高さ

・屋内照明: 床上から1.5m

・屋外照明: 地上面から1.5m

(競技場などの場合には、観客の目の位置をとることもあります)

●輝度計の基準点は、測定基準点におきます。

●輝度計の測定角の大きさ

・屋内照明: 1度

(詳細な輝度分布が必要な場合は、1度以下が望まれます)

・屋外照明: 道路照明 ------ 0.1度、その他の照明 ------ 1度

(被測定面の輝度が、上記の測定角を越えるある範囲の大きさでほぼ一様である場合、

目的によってはさらに大きい測定角を用いてもかまいません)

(参考文献:照明の場における輝度測定方法、JIS C 7614、1993年)

(2) 屋内照明施設の輝度測定方法

屋内照明施設では、測定目的によって定めた範囲内において、なるべく細かく測定します。

(参考文献:照明の場における輝度測定方法、JIS C 7614、1993年)

(3) 屋外照明施設の輝度測定方法

屋外照明施設(道路照明施設を含む)の輝度測定に際しては、雨、霧、煙、ほこりなどで大気が混濁している場合、被測定面積からの直接光のほかにその散乱した光および他の面や光源からの光が散乱して光路中に入り輝度計に入射するので、輝度計で測定した値は被測定面積自体の輝度と異なることや、被測定対象物の乾湿状態による測定値の変動を考慮して測定しなければなりません。

(参考文献:照明の場における輝度測定方法、JIS C 7614、1993年)

●路面の輝度測定に関しては、JIS-Z-9111(路面輝度測定方法)に従ってください。

2.3.2輝度測定方法

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(1) 測定方法

照明器具の基準軸に交差するある面における角度θとその平面の傾きφで各光度を測定します。

光源や器具の空間の各方向への光度分布を配光といい、表示の方法は、その目的に応じて、直角座標・極座標・正弦等光度曲線等を使って表します。

(1) 直角座標

これは投光器などの配光特性を表す時に用いられます(図4.2)。

(2) 極座標

セードやダウンライト、街路灯などは、図4.3のような極座標で表します。

蛍光灯は、基準軸に対称ではないので図4.4のように3または5つの鉛直面配光を配光曲線として

表します

2.4.1配光特性の分類

2.4.2配光曲線

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2.4 配光特性の見方・使い方

照明関連の計算法

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(3) 正弦等光度曲線

道路灯やトンネル器具など一面対称配光を有する器具は、正弦等光度曲線として表します。各光度は、水平角(φ)、鉛直角(θ)で表され、下半球の半分で代表しています 。

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図4.5 正弦等光度図の表し方

図4.6 θ・φの関係

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道路・トンネルなどの照明率曲線は、無限延長帯の中に含まれる光束を、ランプ光束に対する割合で表したものです(図4.7)。

(1) ビームの開き(角度)

投光器やスポットライトで最大光度の1/10や1/20(屋内では、1/2)の光度になる2点の光中心に対する角度をいいます(図4.8)。

(2) ビーム効率

ビーム効率は、ビームの開き(角度)の円錐内に入る光束を、ランプ光束に対する割合で表した

ものです。

光束累積曲線は、角度θの円錐内に含まれる光束を累積したものです(図4.8)。

2.4.3照明率曲線(道路・トンネルなど)

2.4.4ビーム特性

2.4.5光束累積曲線

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照明関連の計算法

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