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Instructions for use Title 農産物の商品化構造 Author(s) 川村, 琢; 山田, 定市 Citation 北海道大学農經會論叢, 15, 5-26 Issue Date 1959-03 Doc URL http://hdl.handle.net/2115/10770 Type bulletin (article) File Information 15_p5-26.pdf Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

Instructions for use - HUSCAP › ... › 10770 › 1 › 15_p5-26.pdf~ 〆、 農維持の形態は、生産の面からみれば、中長的生産の確立であり、中農の生産形態のままで、立地条件に適応した主産地の形成であるハ動する目標ともなっているのである。このように、国家権カによって、また農民自身の行動によってすすめられた商品生産者としての小価格の対策

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Instructions for use

Title 農産物の商品化構造

Author(s) 川村, 琢; 山田, 定市

Citation 北海道大学農經會論叢, 15, 5-26

Issue Date 1959-03

Doc URL http://hdl.handle.net/2115/10770

Type bulletin (article)

File Information 15_p5-26.pdf

Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

Page 2: Instructions for use - HUSCAP › ... › 10770 › 1 › 15_p5-26.pdf~ 〆、 農維持の形態は、生産の面からみれば、中長的生産の確立であり、中農の生産形態のままで、立地条件に適応した主産地の形成であるハ動する目標ともなっているのである。このように、国家権カによって、また農民自身の行動によってすすめられた商品生産者としての小価格の対策

一商品

1

1豆類の販売をめぐ石農業協同組合の性格と機能lil

jlI

農産物の商品化の進展にともなう農民の分解の形態は、資本主義の発展の段階に応じて異ってあらわれる

?v。すなわち、発展期の資

本主義の段階では、農産物の商品化の発展に対応する農業の生産力の増進は、資本家的生産方式の成長発展としてあらわれ、農業生産の

専門化と農業地帯の形成が、これに対応する。しかるに、

帝国主義の段階では

農産物の商品化が、

さらに一一層准一必ずるにもかかわら

ず、農業の資本家的生産への進展は著しく阻止され、小農生産形能山の根、つよい存続、いわゆる「中農層標準化」の傾向をたどる。ここで

は、恵まれた条件が与えられたときにのみ富農層の形成をゆるすにすぎない。

小農生産のままで商品生産に対応するという生産方式は、本来つねに自己否定のモメントをもっている。それにもかかわらず、帝国主

義の段階で、小且民生産が存続しうる基礎には、小農生産のもとで農産物の商品化に対応しうるだけの、いいかえれば価格に対応して、自

らの生産力を維持する可能性が与えられるということ、および流通過程における価値実現が、小農生産のもとにおいても、継続的に与え

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~ 〆、

られているという、二つの条件が前提となっている。この条件は、帝国主義の段階では小農維持の政策として、小農の生産条件の改善、

価格の対策、流通改善対策としてあらわれたところのものであるが、他菌、農民自身が自らを維持する積板前な願望として、具体的に行

動する目標ともなっているのである。このように、国家権カによって、また農民自身の行動によってすすめられた商品生産者としての小

農維持の形態は、生産の面からみれば、中長的生産の確立であり、中農の生産形態のままで、立地条件に適応した主産地の形成であるハEVO

他回流通の聞からみれば、小生産者が商人資本に従属し、小生産者としての価値実現が阻止されている実態からまぬかれるために、生産

者自らが流通過程に参加する協同組合の結成である。

もとより、主産地形成の過程も決して容易なものでもなければ、これによって、小生産者の商品生産の矛盾が完全に克服されたことに

もならない。主産地形成のための中疫の維持発肢は、農産物価格の動橋と零細農による特定農産物の投げ売り、あるいは、新たな地獄に

おける生産の開始等によって、絶えず、その地位が脅かされているわけである。それにもかかわらず、他の地域にくらべて、主摩地の商

ロ間生産の条件は右利であることはいうまでもない。主摩地における生産上の有利さはともかく、流通過程のうえでは、特に協同組合によ

る販売形式と結びつくことによって、散在的な生産とくらべて、はるかにすぐれたものをもつことができる。

小凪民生産は、産業資本や独占資本とちがって、自ら個々に流通過程にはいり込むことは、その性格上不可能である

J

ばかりでなく、流通

機能を担当する商業資本と結びつく場合には、生産物は商業資本によって、はじめて商品となるという生産と流通とが分断された状態、

いいかえれば生産は商業資本に従属して、商業利潤の成立のためにのみ生彦物は商品化するにすぎない状態におかれる。しかも、この場

合における商業資本の優位性は胆倒的であり、小生産者が散在し、末組織な状態にある場合には買いたたきなどのいわゆる前期的取引形

態さえおこなわれる条件が与えられている。

とくに恐慌時、

不況時においては

商業資本は生産物の配給の機能を停止し、そのため

価値実現が著しく阻害され、小且民生産の形能のままでの生産力の維持発展は、関難となる。

協同組合は、小此民生産のままで、その生産物を商品化するために、生産過程と流通過程の統一を、小生産者の協同において実現する組

織である。協同組合はいわば、小典出生産形態がもっている矛盾の流通過程における一応の解決といってもいいであろう。しかし、この矛

それが成立発回収するためには、次の条件が必要である。すなわち、協同組合の

盾の一応の解決としての協同組合も、

少くとも、

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構成する農民は中農層を中心とした、小農生産形態の農民が主体であり、組合の取扱う生産物は特定の商品として、

きる状態にあることである。したがって、主産地が形成されている地域において、もっともよく組合が発展できるということである。こ

一定の数量が集荷で

のような条件は帝国主義の段階でもっともよくみたされていることは、すでに指摘したとおりである。

すでにのべたように、協同組合はこの本質が明かに一不されるのは、とくに、不況、恐慌の時期であり、帝国主義の段階のこの時期にお

いて成立発展したことはヨーロッパの諸国の農業における協同組合の発展にあとョつけることができる。すなわち、十九世紀後半は、

に帝国主義の成立の時期であり、

一般的恐慌の反映としての農業恐慌が明かな形であらわれるようになった時期でもある守、この時期に

おける農産物価格の低落と販売の閑難さから、農業は根底からゆり動かされたのであった。このような状態のもとで、農民、が、自らの手

で、自らの小農生産形態を維持しようとする努力が、流通過程の面では、協同組合運動として展開していったのであった。もとより、こ

の農民の自主的な運動も、

一般的に小農生産形態を維持しようとする資本の意図に合致することによって、はじめて実現するものといえ

ょう。しかしながら、農民の自主的な運動は

一般に農業の生産力向上を目標としているかぎり、必ずしも資本の意図する小島民維持の枠

内にとどまるものとはかぎらない。この制限をこえてのびようとする農民の意慾が、しばしば資本の意図をふみこえて、これと対立する

こともまた当然である。

以上のように、協同組合は小農の生産のもとにおける商品化の矛盾の一応の解決であるが、その解決ば決して完全におこなわれるもの

でなく、条件の変化に応じて、いろいろの副次的な矛盾を露呈することになる。もとより、協同組合の発達は中農層を中心とする同質の

組合員であることが必要条件であるが、組合員の質が同じでない場合には、とくに行政的援助が必要となるという事情、商品生産の一定

の発達が前提されるが、未発達な場合における、協同組合の事業内容の性格のちがい、さらに農民の生産物の協同組合での取扱の相違、

すなわち、商業資本のような買取り方式か、共同販売形式(無条件委託)であるか等は、いずれも協同組合のもつ、流通過程上の矛盾解

決の不安定な事情を示しているものといえよう。このような不安定な事情は、しばしば、行政的援助や巨大資本のエlヂエソトとしての

性格をもつことによって切りぬけてくるわけだが、それだけ、協同組合の性格を複雑にし、またそれだけ、協同組合が帝閏主義の段階に

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おいてのみ成立発展しうるという性格を明かにしているものといえる。

われわれは、協同組合の比較的純粋な形を、かつてデンマークにおいてみたのであったが

7u、いまここで、日本の農産物中比較的自由

な商品と目されている北海道の旦類について、その販売における農民の対応の姿の一つとして、いかに協同組合においてあらわれるかを

みようとするものである。

ω農民分解を段階的にとりあつかったものとして、石渡貞雄氏の「農民分解論」および大内力氏の「農民層の分解にかんする一試

論」をあげることが出来るo

資本主義の段階にもとづく、農民分解の形態は各国の'経済的な特殊性にもかかわらず、共通したもの

をもつことは否定できない。

凶主産地の形成は小農生産の商品経済に対応した姿の一つである。近代的な立地論に基く地帯の形成ほど厳密に規定されうるもの

ではない。けれども少くとも主産地内の商品生産者は中農以下では成立しない。

拙稿、主産地の形成農林省紛「北海道農業生産力の研究」参照

同農業恐慌は、帝国主義の段階においてあらわれる、くわしくは大内力氏「農業恐慌」参照

同デンマークの協同組合の成立発展については、国

-FPFの字。句。Et。白山口巴EHEmrkt間ZBH22及び拙稿農産物の商品化と協

同組合「農業経営研究」同参照

F¥ ノJ

北海道における豆類生産は、古くから商品作物として十勝地方を中心にして主産地を形成しながら進展してきた。またその商品化にあ

っては、大巾な価格変動に基づく投機的な取引の対象として商人資本と強く結びついていた。このような過程を、十勝を中心にして一虫類

生産が進展した条件、商人資本の存立の条件とその機能、さらに豆類の市場構造などについて歴史的に跡づけることは極めて重要である

が、この考察ではさしあたり現状分析に重点をおき、歴史的考証は今後の課題として残した。また豆類の商品化構造を分析するに当って

も、豆類の生産構造や流通機構について深く立入ることを避けて主、論点を農協の販売機能にしぼった。

しかし

農協を前節で明かに

したような視点からみようとする限り、これを単に農協の問題として展開するだけでは不充分である。そこで以下の分析を、つぎの一二点

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について段階的に行う。すなわち、

ω豆類産地について、その生産力水準、および農家経済の水準、農家の階層構成などが相互にどのよ

うに関連しているかをみることによって豆類産地の性格を明かにする。凶豆類産地の性格は、農協の存立の基継を規定し、農協の販売機

能に支配的な影響を与える。そこで豆類産地の性格と農協の販売機能とが具体的にどのように関連しているかを明かにする。間具体的な

農協の販売形態は、農協の行なっている他の諸機能と関連しながら農協の性格を規定する。あるいはその性格を変化させる。この過程を

現実の中に可能な限りさぐってみる。以上の三点であるが、このことは、とりもなおさず農協の市場への適応の姿である。

ところで上述の三点について論点をはっきりと浮彫りにするためには、一豆類産地としてその商品生産化の段階のことなった地域につい

て比較検討することがのぞましいo

このような観点から、ここでは事例として芽室町と上士幌町とを選んだ。西村教授の地帯区分によれ

ば、芽室町は菜一旦(いんげん)重点化地帯のうちの帯広周辺地区に含まれ、上士幌町は大一旦重点化地帯のうちの十勝山麓地区に含まれ

る(Z)。したがって両者はいずれも豆類産地の中に含まれるが、その中でも前者は中核地帯に立地し、

後者は豆類産地としては条件の悪

い地帯に立地している。そこで以下の分析では、芽室町には豆作中核地帯を、上士幌町には豆作周辺地帯をそれぞれ可能なかぎり代慣さ

せてみてゆきたいマコ

また以下の分析で用いる個別農家調査の資料は、昭和三十三年七月に同町についてそれぞれ一五戸ずつ行なった聴取調査にもとづいて

まとめたものである

ω十勝の豆類に関する研究成果は、これまで数多く発表されているo

その中でも、とくに細野重雄編「豆類の生産と商品化」、山

回貫「北海道における豆類の流、通と農協」「総合農業研究』第一一巻第一一一号所収、西村正一「豆類主産地帯の農業構造」『農業経

営研究』所収などが参考となろう。

凶西村正一前掲誌、三四頁

同それぞれの地帯を如何に特色づけるかということは多くの課題をふくんでいるo

地帯の方向づけにあたっては、単に農業構造の

みでなく、農産物の流通過程、とくに価格が深い関連をもっている。

「EK層

芽室町{中層五戸

t士幌町〈中層四戸

戸下層五戸

F

(4)

調査農家戸数は

となっており、その概況は次表の通りである。

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事例についての分析

i〕

豆類産地の農業構造

ここでは芽室町と上士幌町の一比一類産地としての性格のちがいを要約的に指摘したい。

一般に指摘されている「中幾層標準化」の傾向が代表的な畑作農業として形成されてきた十勝農業にも現われていることは第一表によ

っても明かである。すなわち一五町を中心とした階層が量的にもまた比率の上でもふえている。この傾向は芽室町においてもはっきりと

でている。尤も芽室町は十勝の小核地慌に立地しているため中農と目される階層の水準が十勝全体よりかなり高い。これに対し上士幌町

t土

一応比率の上では七町五反

t一一本町層が布くなっているが、

一O町

t一五町田周は減少しており、また五町未満層が一向に減っていな

いことからも中農層標準化の傾向は芽室町ほどはっきりしていない。これについては、さらに生産力水準、農家の経済力との関連におい

て検討しなければならない。一豆類の反収を両町について比べてみると、第二表に示したように、全般的に芽室町はと士幌町より高いが、

昭和二十八、二十九、三十一年の凶作年にはその差が著るしい。生産カが中核地帯で安定的であり、逆に周辺地帯で不安定であることが

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- 50

75-100

150-200

200-

例外規定

日否 25 年

9,376 (39.0)

8,201 04.1)

6,052 (25.1)

308 (1. 3)

126 (0.5)

24.063 (00)

)内は9iJ

第 1:表経営耕地広狭日Ij 農 家数

勝 苦F 室

30 33 25 30

6,076 249 231 (31.ラ) (26.5) (J5.6) 03.7)

5,227 ラ,274 331 (22.5) (23.0) 525 19. ?)

4,507 4,915 (33.0) 374 09.4) (21. 4) (22.2)

4,669 5,160 506 (20.1) (22.5) 764 (30.1)

1.215 1.224 (48.0) 189 (5.2) (5.3) 01.3)

260 240 54 51 (1.1) (1‘1) (3.4) (3.0)

47 56 (2.0) (0.2)

23.245 22.945 1,592 1,682 (00) (100) (00) (!OO)

33

168 (9.6)

259 (14.7)

382 (21. 9)

639 06.6)

232 (13.3)

68 (3.9)

1. 746 (!OO)

ーと

30

126 08.2)

125 (!8.0)

14ラ(20.9)

218 (31. 4)

64 (9.2)

16 (2.3)

694 (!OO)

107 06.0)

114 01.1)

169 (25.3)

215 (32.2)

56 (8.4)

7 (1. 0)

668

33

115 07.1)

114 06.9)

188 (27.9)

196 (29.1)

49 (7.4)

11 (1. 6)

673 ClOO)

農業基本調査より作成

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1 1

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済収支にどのように反映しているかを示したのが第四表である。まず芽室町と上士幌町とでは収支の内容に格段の相違があることに気づ

く。これは生産力と、収益性の差が相乗積としてあらわれたものといえるo

いいかえれば、中核地帯の農家は豆作周辺地帯の農家に比べ

て、また上層農家は下層農家に比べて、より多量の生産物を、より有利な条件で商品化していることを示している(1)。

移〔俵〉

27 32

大 豆{上芽::r:室I梶1.8 2.2 2.3 1.5 3.2 1.7 2.2 2.0 2.3 1.9 0.9 2. 6 0.8 1.5

j、豆 { 上芽 t: I室幌1.9 2.7 1.5 1.2 3.2 1.4 2.5 1.7 2.4 0.8 0.3 3.0 0.2 o. 8

金時{主→v 土 r議~ 1.6 2.1 2.2 2.1 2.4 1.9 2.4 2.0 2. 7 2.0 1.3 2.2 1.1 1.6

その他(英 高 1.9 2.4 2.5 2.3 2.8 1.9 2.4 菜豆上 i: 2.0 2.6 1.4 1.3 2.5 1.0 1.6

腕豆{芽上士幌室1.8 2.0 2.2 2.8 2.3 1.5 1.9 1.9 1.1 1.8 1.8 2.0 1.2 1.5

31 30 29

推収反類

¥¥--ー_126年 l旦第 2表

食糧事務所資料より作成

率 C%)

豆作に占める比率

豆|小豆|菜豆(碗

付(乍の

¥J立作率l大類旦第s表

¥¥

王1

58. 9 1.3 54.71 22.81

3.5 52.4 22.5 57.7

3.2 55. 7 19.9 21. 2 58.3

3.8 55.9 18.9 21. 4 58.4

4.1

4.9

56.3

58.4

18.7

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Aせ

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20.9

18.号

56.31

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1

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J 3.8 55.9 20.9

2.6 42.9 10.0 44.3 43.9

1.4 41. 6 6.2 50. 7 36.5

2.8

2.0

40. 7

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44 2.8 10.5 43.5 45.2

3.5 43.6 12.4 40.4 44. 7

6.0

9.1

5J.3

45.3

41. 1

43.6

1.8

農業基本調査より作成

42.9 17.5 37.7

昭和32年度

52.3

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柚揖晶…期

三高

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(道苫UM同市畑町一

43)

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日出法制同制沼地同町

nHが。

以上のべたことから両町の豆類産地としての農業構造を次のように特色づけることができよう。川芽室町は、豆作中核地帯に立地して

いて、高くしかも安定した生産力水準を示しているが、上士幌町の生産力水準は低く、しかも不安定である。間全般的にみた農家の経済

力は芽室町の方が著るしく高い。聞これを階層構成と結びつけて考えると、芽室町は経済力の安定した中農層が量的にも比率の上でも次

第に増えつつあるのに対し、上士幌町では、このような中農層が形成されていないす)。

構造のちがいが、農協の存立の基盤にどのように反映するかが問題となる。

大体以上の三点である。

そこでこのような農業

〔』〕

まず一般的にいって、芽室農協は

その存立の基盤を、

し、上士幌農協は、組合員農家数がすくなく(之、

しかも中核的な農家層(中島民層)

経済力の安定したしかも大多数を占める中農層に求めることができるのに対

を持たない。それだけ存立の基盤が脆弱であるとい

える。これは、農協の行う豆類の販売機能に最も端的に現われる。

まず豆類を集荷する過程で、芽室農協は上士幌農協に比べて、つぎのような利点をもっている。

ω商人の勢力が弱いため、これとの費

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i回

第5表 農 協の集荷状況 (単位俵〉

31 32

民主 「!塁荷自主約~)弘[% 出廻量制I 集;農荷協量~)共契約計量(。1i|%1| |% l農協l共 ¥)1% 1 出廻量ω集荷量(同契約量(C) 弘 %

大豆 121高

調23セ。52.6 32,139 29,597 9,642 91.8 .32.0 33,524 29,281 -1 87.1

28,5631 23,477 13,929182.2 59.5 8,940 6,113 352 63.4 5.7 15,342 11,558 1,744 75..3 15.1

I、旦E{上芽士幌窒45,ラ6,069 10,700179. 0 29.8 27,161 20,836 612 77.1 2.9 39,866 31,952 -1 80.1 ラ,818: 2,100 1,228ララ.058.6 138 118 -185.5 1,262 652 56 51. 7 8.6

菜豆{芽上士窒幌157,246 151,790 81,154 96.2 54.0 77. 988 1,729 89.5 2.5 101, 126 70,871 -1 70.1 29,432 26,120 19,498 88.9 74.1 9,362 5,172 152 55.1 3.0 14,980 10,575 1,344 70.1 12.8

碗豆{乞:富11. 807 10,872 6,091 92.0 56.1 6,115 4,438 71. 81 -1 3,511 2,453 -1 70.0 2,.300 1,440 470 62.6 32.7 6421 4121 64.21 -1 506 287 -1 56.7

豆計類{上茅士幌室263,102 242,47う 121,035 91. 8 61. 0 86.71 9.61 178,027 134,557 75.6 64,113 53, 137 35,125 82.8 66.1 19,0821 11,8151 504 62.11 4.31 32,092 23,072 3,144 72.1 13.7

註 l 菜豆の中には金時も含む 2 芽室, 上士幌農協資料から作成

。:誌がv{:き二何)。 豊富~Q:可基主総詩草野士13ま同lfK{';2!定,..J,(.2ム~ '"' ';2詩型Qν{nJL二:長(回r-¥Jv 11 'ik -Dí!J型ffií主主ゴゴ妹提 11~ ,..J ν' 壬昔ffií~ -\J緯)v:l\gi::)や J

i--' :"l-Q,(.2~'僅く~,(.2-Ri<-Rドー~~縦長ム~i::) 1 ~詰 Q ベiìî!母~{阪ゐc0戦~\J収)l-Q ';2令請1J';:き:,.(",)0 1-ft¥' 斗づ寸盤戦主き笠岡屯igti戦主主-\J共~'ó c'

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でている。ところで集荷過程において芽室農協がもっている利点は、とりもなおさず、その販売を進める上での利点となる。これを次の

ように要約することができよう。

ω芽室農協は上士幌農協に比べて夜庫量が多く在摩期間も長い。すなわち、第七表によると、月平均在

庫量(7)は芽室農協において極めて多く、上士幌農協では皆無に近い場合がすくなくない。このように芽室農協が豊富な在庫量を持ちう

る一つのよりどころは、集荷量が多いことに求められるが、つぎのことも見逃すことができない。すなわち、芽案農協の組合員の大半は

安定した経済力を持っているので、収穫後にひとまず生産物を農協倉庫に入れて、実際の仕切を産地価格のうごきと見合わせて逐次行う

傾向がつよい。これが農協の在庫量を豊富にする大きな拠りどころとなっている。凶このように大量の集荷量と布庫量をもつことができ

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IK 第 7表 農協の豆類,月平均在庫量及び年間入庫量(俵〉

l 昭和 29 30 1__ __ -,,-3=-1 ___ 犯

人 庫 量 阻 止 入 庫 量1oHEh-庫点山 I fiii--五帯主大-豆 {芽上士室幌

32.553 6.654 43.744 11.374 29.597 7.536 29.281 8.940 3. 700 152 20.493 3.954 6.008 653 11. 508 1.533

小豆 {芽上二1腕室14.606 2.951 36.069 4.656 20.836 5. 134 31.952 10.340

135 135 2.142 571 75 18 687 200

菜豆{芽上士幌室100.206 19.543 133.184 43.511 61.878 9.431 63.409 16.230 4.060 210 13.369 3.714 2.832 264 5.407 475

金時 {1土産 6.538 1,161 18,606 5,632 7,638 1.102 7.462 2,613 2.696 118 12.219 4.421 2.363 136 10.384 717

別時立下す {上芽士幌室 6.990 1.948 10.872 5,168 4,438 1.134 2,453 822 194 31 1,140 341 40ラ 179 269 51

豆類{芽 幌室 160.893 32.257 242.475 70.340 124.387 24.337 134.557 38.945 計 上 士 10.785 519 49.363 13.001 11. 681 1.236 28.255 4. 776

雨農協資料より作成

尚早W<!a.¥lt!'佐藤忠主主主H定,-J' Â) 兵制脅車場自主主主」里~ìiii -rtZl A) JJ士三千J;,)u必二二主L,-J¥-l..,c>' 蛍~~.\l 起lPV .lJト主tJJ ,-J ν Q1E~思主主主」健*.\l寂~ト

時五JJJ t! lët:\1星~~向。 IJ 兵みJ<図.\lÇ\ ~ν 同士正:ih.\l:îl!'.おJν 呼ム..,,-、。

制:r'迫~j尉讃士j'45間後t!':\;:-,-Jv-jく!コヰ及協 {I回:ih~~.c-'機 l吋@モト Q~ゎ:r必..,ç>-íミ ~.c- Q闘騒拠l民Jν ユtZl O >t-' IJ~Ì亘~Q ",').);,)u JJヨヨ魁

酬(∞)JJQ~塁延長J ,:ttZl JJ' ~:l\ n州司自主主t!~",:r心, -S1IT:jJJ..,c>.¥l' 担保苦手Q援限必J~ ;,)utZl~j;; 6 -íミ州 ν剛社主」戦者~,-J'担能ベmi!;窓辺蛍~~,-Jベ

r、 JJ←tZl~王{[':長やム.. ~ 0 1) 兵 f三思主主@討議~t判明Jν~tZl-jく1IT:j!:lC¥ _二ド-rú\~'~心。,-J-íミ,-J'恩総長4稲田母役~住I ~き:ih~ヨ.;J ~'星雲~Q斗

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~:.r *.¥l ,-J ¥-l ..,c>屋総 Q",,));,)u.\l~芝迫Jν蛍限,-J""tZl~さとQ 何世咽~君主Ç\¥-l ~ tZl Â) 心t!駁取引Q* 岨~JJ 二>~的。 Â) "廷は寂,-J-Y+i撃戦

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価格と出庫量の関係

主三時ihiα開削

註Z113?会JtttLJA343fg開伯仲庇

区二亘

図A

匝二E

直二重E

ている。これは、芽室農協とは逆に、上士幌農協の組合員一り経済力が一般的

に低いため、出来秋に売り急ぐ傾向がつよいということにもよる。剛一般に

豆類の包装は素俵と造り俵とに分かれ、小豆、菜一豆類については素俵から造

り俵にする過程でマージン(加工利益と等級差にもとづく利議〉があり、こ

れが産地集荷業者(農協、商人とも)の取得する利益の主要なものとなって

いるが、これは大量の集荷量をもってはじめてできることである。すなわち

一虫類検査には、生産検査(規格その一)と移輸出検査(規絡その二)とがあ

り、等級の基準が両者についてことなると同時に、その包装について、前者

は素俵(一章一包装)

であるが後者は造り俵(二重包装)となっているす)。

したがって素俵から造り俵にする場合には、検査規格にもとづいて詰め替え

(小豆はさらにみがきをかける〉をするとともに二章一包装にしなければなら

ない。この過程で、純然たる加工利益と等級差にもとづく中間利潤が生ずる

が、とれを行うためには、加工設備と一定の期間(二

t一二日間〉とを必要と

する。したがって芽室農協のように大量の集荷量と在庫量をもたなければ、

素俵から造り俵にする時間的余裕をもちネないし、また加工設備を能率的に

運転させることもできない。倒すでに述べたように、一豆類の豊凶の差は、上

士幌町では極めてはげしく不安定であるが芽室町では安定している。また芽

室産の一豆類は、その品質が凶作であってもとくに悪くない

3

このととを反映

して、凶作年で出廻量が一般的に不足している場合には価格が騰貴するが、

芽室町では凶作年でも平年作に近い収量をあげうるので、一はかの地帯に比べ

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て高い価格で多くの量を販売することができる。さらに豊作年で出廻量が一般的に過剰気味であっても、銘柄の通った芽室産の一豆類は殆

んど売れ残ることがない。したがって芽室産の豆類を扱う芽室農協は市場において、豊凶いずれの場合も有利な条件をもっ。問うえにの

べたような、芽室産丘類が持っている有利性は、芽室農協が一豆類をホクレン(経済連)に販売を委託する際にもあらわれる。第八表につ

31

大 豆 吋89.8 78.5 78.1 64. 1 芽

豆 71. 01 83.6 92.0 88.0 90.5

室 菜 旦 64.6 93.5 90. 1 94.5 91. 5

農 金 昨寺 48.8 82. 1 77.1 93.9 79.4

協 腕 豆 55.5 89.1 79.2 82.2 68.2

豆類計 65.5 90.0 86.8 89.5 83.6

大 66. 7

上 立 70.0 -1 95.01 87.2 lえ7土 菜 旦幌

金 時司-1 91. 3[ 86.8 40.8

協碗 z 69.3 60.2 75.1 10.2

豆類計 75.4 89.1i 86.148.5

第8表 豆類販売の系統利用率

¥¥町 28 I 29 I 30 I

ホクレン経由販売額系統利用率= 販売総額 x 100

芽室,上士幌農協資料から作成

いて、両農協の豆類販売に際しての系統(ホクレン)利用率をみる

と、芽室農協の方が概して高い。これは芽室農協が、ホクレンを豆

類販売の取継ぎ機関として、もっぱら有利に利用しうる条件をもっ

ていることに基づいている布)。豆類を販売するに当って、

芽室且属

協と上士幌農協とでは、大体以上のべたような条件と実際上の機能

のちがいをもっている。このようなちがいは、ただちに販売収益の

うえに反映している。まず第九表によって豆類の品目別粗利議率を

みると上士幌農協の方がやや高いが、算出方式のちがいを考慮に入

れれば両農協とも大差がないといえる。ところが粗利益額について

みると、第十表のように芽室長協の方が圧倒的に多い。なかでも小

2

豆、菜一旦のもたらす粗利益が大半を占めている、そこで第九表と第

十表とを合わせて検討すれば、芽室農協においては、大量販売の有

利性が端的に一示されていることを読みとることができる。すなわち、茶室農協のように大量販売を行なっている場合には、経費が割問安と

なるので販売価格と買取価格との差をそれほど大きくする必要がなく、したがって、販売価格が高いときは、それだけ農家からの買取価

格をひきあげることができる。芽室農協の販売価格が、上士幌農協のそれに比べて高いにもかかわらず、粗利益率に大差がないのはこの

ことによる。しかし、大量販売を行なっている場合には、かりに粗利益率に差がなくても、粗利益額としては大きなひらきとなってあら

われる。両農協の算出方式のちがいを考慮に入れれば、実際上のひらきはもっと大きいといえよう。これを要するに、経済力の安定した

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芽問問吋闘

J~

¥

¥

一¥¥品目

実に進まない原因を、貝原販売が現実に採られている理由と関連させて考えてみることは、農協の本質に深くつながる問題として不可欠

農家層に支えられている農協は、口問

質の良い生産物を大量に集荷販売す

ることにより、相対的に安い費用で

高い販売収益を実現している。とこ

ろで上にのベた販売機能が、前掲第

五表からも指摘できるように、両農

協とも買取販売を主要な販売方式と

して行われており、共販がほとんど

かえりみられていないということは

吟味する必要のある問題である。な

ぜならば、買取販売は、元来は商業

資本的な販売方式であり‘それは

本来的に協同組合的な販売方式とさ

れている共販とは明かに相容れない

ものだからである。そこで共販が現

である。

E〕

農協の性格と販売形態

一般に、共販が、もっとも協同組合的な販売方式とされているのは、それが、協同組合の運営原則にマッチした方式であるからという

豆類の品目別粗利益率

は 31 32

芽室!上士幌芽室|上士幌 芽室|上土焼 芽室|上士幌

大豆 7.5 6. 7 6.5 8. 7 0.5 5.7

小豆 8.0 2. 7 8.2 0.25 ヲ.O! 10.2 6.9 7,2

菜豆 10.5 8.8 6.8 6.4

金時 8.6 8. 7 7.0 5.7 2.0

腕豆 4.1 3.0 7.6 6.4 17.8 -0.12 5.8 0.2

豆類計 5. 7 6.1 5.8 9.0 8.0 5.9 4.5 6.1

第 10表

売上粗利益粗利益率=一一一一 一 x100

売上高

上土幌農協の場合は売上粗利益中に販売直接費を含む。

千円〉(単位

大 旦 6,404 1, 101 470 1,332

豆 11, 662ム 35 6,505 324 14,343 144

菜 豆 18,545 36,334 2,221 19,947 1,934

金 時 1, 998 5,512 211 716 282

碗 j豆 1, 849 90 9,967ム 123

豆類計 39,357 2,814 64,7221 3,734 36, 0661 3, 690

豆類品目別販売粗利益

日召 30

室|上士幌|芽

2

粗利益=当期売上高ー当期売上原価

上士幌農協の売上粗利益中に販売直接費を含む。2 註

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O

単なる原則論にもとづくのではない。さきに、小商品生産者としての農民の協同化の必然性についてのべたが、かかる意味での販売の協

同化をもっとも効果的に行うためには、共販がもっとも適合した販売方式であるという、いわばすぐれて実践的な要誇に根ざしているの

である。いうまでもなく共販は、生産者が各自の生産物を、共同で均等な責任分担のもとに、計画的に販売することによって、その価値

実現をできるだけ有利に行うことを目的とするものである。

件、同農協のもつ条件、間当該農産物の市場条件の三段階に分けることができる。まず生産者についてはつぎの条件を必要とするであろ

う。すなわち、共販参加の生産者が同質でその経済力もほぼ均等であること、さらに、もつばら商品化を目的とする特定の農産物を中心

にして専門化がすすんでいることである。いいかえればある農産物について、特定の地帯を中心にして、しかも等質的な農家層を基底と

しながら主産地が形成されているということが必要な条件となる。ところで、このような生産者側の条件が充たされるということは、同

したがって共販をすすめてゆく上で必要とされる条件も、

仙生産者側の条

時に農民的な販売協同組合が成立発展するために必要な基礎条件の成熟を意味しているo

しかし、このことは、かかる条件が充たされた

場合に、必ず農民的な販売協同組合が成立発展するということを意味しない。また、現に存立している農協が、もっぱら農民の協同化の

必然性にもと

s

ついて成立発展してきたことを意味するものでもない。けだし、現実の農協は、一方において農民の協同化の必然性を基底

におきながら、他方において独占資本の要請にもとづいてその保護および規制のもとに存立しているからである。これを共販の第二の条

件としてみた場合、農民的な販売協同組合としての性格が強ければ強いほど、かかる農協を通して行われる共販は、より強く推進される

ということができよう。とくにデソマ

lクの酪農組合にみられるように、最初から農民的な販売協同組合として出発している場合には、

共販を行うことが組合存立のための不可欠の条件となり、したがってつぎに述べる市場条件が多少不利な場合であっても、強力に推しす

すめられるのである。しかし反面において共販は、独占資本によって、流通過程組織化の手段として逆用される場合がすくなくない。農

協のもっこ面的な性格は共販にも端的に反映しているとみなければならない。つぎに第三の市場条件についてみよう。市場における共販

の意義は、商品生産(供給〉者による市場規制の実現ということに帰着するであろう。共販を実現する上で必要とされる市場条件もこの

ような観点から整理されなければならない(息。まず当該農産物が、その属性として腐敗性に宮み、したがってその販売にあたって迅速

さを、またその購買にあたって新鮮さを要求する場合には、貯蔵性に富む農産物に比べて共販がすすみやすい(臼)。

つぎに最も重要な要

Page 18: Instructions for use - HUSCAP › ... › 10770 › 1 › 15_p5-26.pdf~ 〆、 農維持の形態は、生産の面からみれば、中長的生産の確立であり、中農の生産形態のままで、立地条件に適応した主産地の形成であるハ動する目標ともなっているのである。このように、国家権カによって、また農民自身の行動によってすすめられた商品生産者としての小価格の対策

因として価格変動をあげねばならない。一般に価格の安定した農産物は、価格変動のはげしい農産物に比べて共販に乗り易い包)。これ

は、価格の安定化が貝原販売の意義をそれだけ弱めることと関連している。また、かりに価格変動がはげしい場合であっても、これを共

販にもとづく計画的販売によって調整できる場合には、それが不可能な場合に比べて共販にのりやすい。疏菜、果実類の価格変動がかな

りはげしいにもかかわらず、これらがある程度共販に乗っているのは、これによって価格規制を行いうる条件をもっているからにほかな

らない。これに反して価格変動が正常な需給関係以外の要因によって生じている場合、あるいはかりに価格変動が需要量と供給量、とく

に供給量につよく依存していても、それが共販に直接関連をもたない供給量(輸入品、凡夫販にのらない同一種類の生産物等〉によって大

きく影響をうける場合には共販がすすみにくい。

以上、共販の実施にとって必要な条件を三段階に分けてのべたが、ヤ」れを具体的に豆類にあてはめて考えてみよう。まず第一の生産者

側の条件についてみると、豆類の主産地は、十勝の帯広を中心にして、中島民層を中核として形成されているとみてさしっかえない。その

限りでは共販推進にあたっての基礎条件の一つを充たしているといえる。しかし、つぎの々も見のがすことができない。すなわち、一般

に帝国主義段階における主産地形成は、土地に強く密着した中農層を基底としてすすむため、何らかの形で地力推持が必要であり、

そのため

E

。=2己宮

gよりは、むしろ

ggHZ回を加味した経営にかたむくc

これを地域的にみると、主要生産物に他の諾生産物が附随

した形で主産地形成が行われる(H)。

その生産力水準の差が主産地とそれ以外の地域との間で著るしく大きくなることを意味している(my

またこのことは

当該農産物が主産地以外でも、経営にとっては附随的に、また地域的には分散的

に生産されるようになり、

」の結

果、共販の実施にあたって生産者側に要求される条件の一つとしての生産者の等質性が弱められることになるo

第二に農協の性格をみる

と、芽室農協のように豆作中核地帯に存立する農協は、ほかの農協に比べて、地域内の農民の協同化の必然性により強く支えられてきた

ことはたしかである。しかし、これは種々な阻止条件を克服してまで自主的な販売協同組合を成立させるほど強いものではなかった。と

いうよりは、むしろ農民の協同化の必然性が十分に成熟する以前に、すでに行政機関の保護のもとに産業組合として発足じた。そして農

民による豆類販売の協同化が強く前面にでてきた昭和初期は、同時に産業組合が、独占資本の農村におけるエージェントとして強くその

支配下にひき入れられていった時期でもあった。そのため、農民的な販売協同組合として伸びることができなかった。したがって、これ

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までに共肢が組合の存立と、不可欠の条件としてその実施の必要にせまられたことはなかった。第三の市場条件についてみよう。一豆類は

農産物のうちで最も貯蔵性に富むものに数えられる。このことは、豆類が投機的取引の対象となりうることを意味し、事実これが行われて

いる。このため市場価格が大巾に変動する(とくに小豆、菜一豆類)(日)。さらにこの価格変動は、需給関係以外の要因によって大きな影響

を受けているのみでなく、供給量のうちでも輸入品の量によって受ける影響も無視できない。したがって、現実の価格変動を共販にもと

づいた計画的販売によって調整しうる可能性は非常に薄い。つまり、豆類は、現在の市場条件のもとでは、最もま(販の行われにくい農産

品初であるといえる。

以上のことから、豆類については、共販を進めて行く上で、生産者の条件は一応みたしているが、農協の農民的性格はよわく、また市

場条件に欠けていることが指摘できるo

そこで、つぎに、共販をすすめる条件が現実に欠けている場合に、農協が市場にどのように対応

するかが問題となるo

これを具体的に芽室農協と上士幌農協について検討すると、まず両農協とも、買取販売を主要な販売方式としてい

ることはすでに指摘した、通りである。しかしその内容は著るしく異っている。上士幌農協については、上述した共販の実施上必要な一二つ

の条件のいずれにも欠けており、かかる条件下では、むろん買取販売もこれを有利に行うことができない。したがって上士幌農協が現に

行なっている買取販売は、全般的に共販のすすまない中で止むをえず採られているにすぎない。そのため、すでに指摘したように、大き

な危険にさらされながら、しかも制高な経費を要するのでわずかの販売収益しか実現していない。これに反し芽窒農協は、上述した共販

の条件のうち第一の条件を充たしている。さらに第三の市場条件が現状において共販の阻止条件として作用していることは、逆に買取販

売のための条件を充たしていることを意味するので、第一の条件に支えられながら買取販売を最も有利に行いうる条件を備えていること

になる。事実、茅室農協は、豆作中核地帯としての有利性に支えられながら買取販売によって市場に有利に対応している。買取販売が本

来的に商業資本的販売方式であることはすでに指摘したが、現にこのことを反映して、芽由主農協の販売収益は、第十一表に示したように

各年度とも極めて大きい(昭和三一十一、一一一十二年度には、木表に示したもののほかに決算期以前に、販売部門事業分量割戻金として配分

したものがあり、昭和三十二年度には、これが二二、三八

O千円に達している)

o

このほかに農業倉庫、購買、信用、共済などの事業収益

を加算すると、例えば昭和三十二年度には決算期に、

二ハ、四九九千円の剰余金をだしており、これに決算期前に問分した一八、四一八千

Page 20: Instructions for use - HUSCAP › ... › 10770 › 1 › 15_p5-26.pdf~ 〆、 農維持の形態は、生産の面からみれば、中長的生産の確立であり、中農の生産形態のままで、立地条件に適応した主産地の形成であるハ動する目標ともなっているのである。このように、国家権カによって、また農民自身の行動によってすすめられた商品生産者としての小価格の対策

(単位千円〉益損業日一協一い

門一農一

mu

部日第 11:表

|知

信用 ム 276 7,4991 6,2221 10, 174 3,661 1, 897

31J 2148 購買 12,473 2,441 2,810 3, 8221 4,294

販売 8,359 16, 802 [ 5,9031 4,688 2,729 ム 1,791

農業倉庫 5,934 12,5641 14,3501 11, 003 354 ム 2,104

利用 6. 306 ム 3,232[6. 460[6. 843 123 ム1, 141

農村工業 6. 5,604 ム 7,721[ 2191 143 569 ム 1,283

共済 3011 1, 6821 2, 400 -16. 201 537 530

指 導 ヰ込 266 ム 2,2186. 1, 536 6. 3,750 ーム 983 O O

総合収支 3,242 32,277 10,805 16,499 3,675 6. 4,659 ム28,999 1, 098

農一

m

幌士一泊

上訂川

内ノ』

室一

n

芽-Jハl

ηJL H

円の事業分量割戻金仰を加えると、実質的に二一回、九一七千円の剰余金をだして

いることになる。ところで

このうち出資配当金〈年五分)六、二五三千円と、

さきの事業分量割戻金とを加えて二回、六七一千円は組合員に還元されており、

これは全剰余の七

O%にあたる。このように、買取販売を基調とする事業運営の

中から生じた剰余金は、その大半を組合員に還元しているため、農協自体が商業

資本的性格を強めて行くことは一応内部的に抑制されている。しかし商業資本的

な取引を続けるかぎり、いかに内部的な自己統制が組合員の意志にもとづいて行

われでも農協が次第に商業資本化するという動向を根底からうち消すことはでき

ない。反面において農協は、それ自身完全な商業資本となり切るだけの条件をも

3干室,上士幌農協業務報告書から作成

こ工、へ82

77Lrl』

かくして農協が荷業資本的な取引を基調とした経営をつづける場合

には、ますます商業資本的性格をつよめながらそれ自身完全に商業資本になり切

ることができないという内部的矛盾をはらみつつ進まざるをえない。

さらに芽室農協の買取販売を有利にさせている基礎条件についても吟味する必

要がある。ききに共阪に関連して、帝国主義段階における主産地形成の一般的性

格についてのべたが、かかる条件下では市場における主産地の地位が次第に低く

なるとみなければならない。すなわち、主産地以外で分散的に生産される生産物

は、その生産量、商品化率ともに、条件の変化によって大きく変動しながら傾向

的には次第に主産地の生産物をおびやかすようになる。また条件によっては新し

い主産地が形成される。このため市場における主産地の地位は低くかっ不安定な

ものとなる。これは主産地に存立する農協の買取販売が次第にやりにくくなるこ

Page 21: Instructions for use - HUSCAP › ... › 10770 › 1 › 15_p5-26.pdf~ 〆、 農維持の形態は、生産の面からみれば、中長的生産の確立であり、中農の生産形態のままで、立地条件に適応した主産地の形成であるハ動する目標ともなっているのである。このように、国家権カによって、また農民自身の行動によってすすめられた商品生産者としての小価格の対策

とを意味している。

このようにして主産地に存立する農協(ここでは十分室長協)の買取販売は、一方では内部的矛盾の深化によって、他方ではこれを支え

る条件がよわくなることによって、次第に閑難となる。このことは一面において共販が主産地(中核地帯)においても次第に必要となる

ことを意味するが、他方において共販を阻止する要因がつよくなることも否定できない(日)O

共販は

買取販売が行詰った場合に、これ

をきりぬけるための一歩前進した販売形態としての意義をもつが、共販のもつ内部的および外部的諸矛盾が存在しないわけではない。

註山この調査では財産的収支を除外しているので、これを加味すれば、第四表に示された芽室町の農家経済余剰は中農として決して

過大ではない。

凶上士幌町において農家の階層構成が今後どのように変ってゆくかは、それぞれの農産物の市場条件の変化と、それに対応してゆ

く上士幌町の農業構造のうごきによってきまる。

間両農協の正組合員数をみると、芽室農協一六一二八戸、上士幌農協五七七戸(いずれも昭和三十二年度末現在)であるが、これは

単に行政区劃と農協地域が一致していることによるのではない。両農協の治草をみれば、豆類中核地帯と周辺地帯とのちがいが組

合員数にも反映していることがわかる。

川間芽室町には商人(産地仲買人〉が七戸いるが、これらが地区内出廻量の一

t二割をめぐって集荷を競っている。したがって一戸

当り築荷量は非常にすくない。

間戦前は商人が全出廻長の八割、農協(産組)が二割で、現在と全く逆であったo

制商人と結びつく農家層は、一部の特約的関係にある上層農家と、現金化を急ぐ下層農家とにかぎられる。

同ここでの月平均残高は、各月の残高累計を十二で割ったもので、在庫量に在庫期間が加味された数字とみなせる。

附この場合には、出庫立を販完設に代置してもさしっかえないであろう。

ゆ一号規格は一等

t五等及び規格外に、二号規格は一等

t三等及び等外にわかれ、このほかに水分、撃粒、被害粒、異物混入度な

どが規定されている。

同芽室農協は、雑穀統制が徹廃されると同時に府県市場との連絡を強化することを日的として名古屋に支所を設けたがその後、ホ

クレンで支所を各地にもつようになったため、実質的に不用となり昭和三十年に閉鎖し、ホグレ

γに移管した。昭和二十九年の系

統利用率が低いのは名古屋支所がまだ実質的に活動していたからである。

Page 22: Instructions for use - HUSCAP › ... › 10770 › 1 › 15_p5-26.pdf~ 〆、 農維持の形態は、生産の面からみれば、中長的生産の確立であり、中農の生産形態のままで、立地条件に適応した主産地の形成であるハ動する目標ともなっているのである。このように、国家権カによって、また農民自身の行動によってすすめられた商品生産者としての小価格の対策

同共販は、この他に販売技術上の利点として流通経費の節約、規仲間の統一と単純化、代金回収の確実化などをもっているが、これ

はむしろ大量販売の一般的性格にもとづくものである

oEE-Sω自己)ロロ

g口三冨員raE白司江田口目立

gSL冨込宮島民・戸可・会∞

tso

仰買取販売については全く逆のことがいえる。すなわち、腐敗性にとむ商品は、買取販売にあたって最も大ぎな危険を伴ぅ。

仰麦類、さらに豆類の中でも大豆が比較的に共販に乗っている一つの理由は、価格が安定していることにある。

川開芽室町においても上層農家はミ乳牛を導入した経営を行なっており、輪作体系も次第に重視されるようになってきている。

師生産力の低い地帯

(l農協の脆弱な地帯)には、商人の存立する余地がよりつよくのこっている。

側豆類の価格変動については拓銀調査部「北海道産豆類に関する調査」一二

O頁参照。

師事業分量割戻金を昭和三十二年度について部門別にみると次の通りである。

『信用部門一、九八八千円

4

O四九千円

,販売部門二一二三八

O千円

制これは、流通機能の生産過程からの独立をたてまえとする商業資本の性格と、小生産者による生産と流通の統一的結合をたてま

えとする協同組合の性格の矛盾ということができる。

仰このことは、前述した共販の三つの条件のそれぞれについて指摘できる。

豆類の販売は協同組合に圧倒的に集中されている。このことは、とりもなおさず、協同組合の取引上の優位をしめすのだが、戦前から

そうだつたわけではない。商人資本が、かつてしめていた地位から、戦時の統制下にあって後退をよまなくされたためばかりでなく、協

同組合が一豆類の生産に高度に進んだ地域で、その商品化に有利な機能をはたしたためである。芽室町の例に一ホされているように、条件に

恵まれているところでは組合の発展は著しく、たとえその機能が不十分でも、もはや商人資本の存立の余地は残っていないというべきで

あろう。いいかえれば、協同組合は帝国主義の段階にあって、小農生産の流通過程における矛盾の一応の克服の機能をはたしているため

である。戦後すすめられた小農の商品生産への一層の躍進ば、さらに一段と協同組合の発展を約束するものであろう。五

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一一六

しかし、協同組合の発展も、決して無条件で可能となるというものではない。組合の農産物の販売の留からいえば、いうまでもなく共

問販売という取引形態に、いいかえれば生産と流通とを結びつける組合本来の委託販売の形態に純化されるべきものである。現実は、そ

れにもかかわらず、共販のための条件にかけている。このままでは組合も組合員たる農民も決して安定した状態にあるということはでき

ない。わずかな条件の変化が、例えば、竪凶や価格の極端な変動が、組合の存立を危機においこむこともありうる。今日、共販のための

条件をととのえるための努力が、いろいろの形をとって各方面からおしすすめられているのは、そのためであろう。

共販のための条件をととのえることは、しかしながら、決して容易ではない。商品生産者としての小農の生産条件の整備や、生産物の

価格変動の規制の問題の解、決がその前提となっている。これら諸問題は、とりもなおさず現在日本のおかれている農業問題なのだが、こ

れらの問題の解決のための前進が同時に共販実現の前提条件を整備することにもなるのである。また組合の共販の実施が、これら諸問題

解決のための一歩前進ともなっているのである。もとより、組合による共販の実施が完成すれば、すべての問題が解決できるというもの

でもない。しかし、少くとも、組合の発展と小農の維持存続とが求められているかぎり、組合取引のゆきマつまりを打開する途は共販への

純化しかないわけである。

共阪への要請は、具体的には、組合の市場への順応から、さらに価格変動のある程度の規制にまですすむことの期待からでている。い

いかえれば、小農生産のもとでの価格の維持突現であるが、組合の取引が価格に対応する形態は「価格変動と取引形態」の問題として、

具体的にとりあげられるべきもので、次の機会をまつより外はない。

(附記)小論のとりまとめに当つては、北海道立農業研究所研究員三国保亘氏に負うところが大きい。また実態調査に当つては北海道農

政課小林守氏、北大農学部学生松原茂日間・山越繁雄阿君および現地の各伎の協力を得た。ここに合わせて謝意を表わしておきたい。