15
様様 (1) 戦 戦戦戦戦戦戦戦ICORP戦 様様様様 様様様 様様様様 様様様 様様 様様 様様様様 1949 様様様様 29(55) 様様様様 様様様 227-0052 Tel. 045-975-2024 Fax. 045-975-2024 様様様様様 様様様様 様様様様様 様様様 様様様 様様様2 12 様様様様 様様様様 様様様 様153-8505 Tel. 03 5452 6242 様様様様様様様様様様 様様様 Fax. 03 5452 6244 様様様 様様様 様様4-6-2 様様様様 [email protected] 様様様 様様様様 様様様様様様様様様様様 様様 様様 様様様様様様様様 様様様 様様様様 戦戦戦戦 戦戦戦戦戦戦戦戦戦戦戦 戦戦戦戦戦戦戦 戦戦 53~55 様様様様様様様様 様様様様様様様様 様様様様様様様様 様様様様様様様 (、、) 戦 戦戦戦戦戦戦戦戦戦 戦戦戦戦 戦戦戦戦戦 55~61 戦戦戦戦戦 (57~58 様様様様様様様様 様様様様様様様様様様 様様様様様様様様 3D体 様様様様様様様様様様様様様様様様様様様様様様 様様様様様様様様様様様様 (、 Scientific American 様 、) 戦戦戦 60~8 戦 戦戦戦戦戦戦 戦戦戦戦戦 戦戦戦戦 様様様様様様様様様様様様様様様様様様 様様様様様様様様様様様様様様様様様様 様様様様様様様様様様様 (、 IEEE R&A 様K-S Fu 様様様様 様様 戦戦 戦 戦戦戦戦戦戦戦戦 戦戦戦戦戦戦戦 戦戦 8~ 様様様様様様様様様様様様様様様様様様様 様様様様様様様様様様様様様様様様様様様様様 様様様様様様様様様様様様様様様 様 様 様様様様 様様様様様 (、VR、) 様様様様様様様様様様様様様 様様様 様 様 様 様様様 様様様様様 様様 (、VSSM、2) (p

(様式1)ki/proposals/prop-30.doc  · Web view人間行動観察学習ロボットに関する研究 (人間行動ロボット論文、ieee r&a誌、 k-s fu 優秀論文、

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(様式1)戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究(ICORPタイプ)

フリガナ

提案者

氏 名

   イケウチ  カツシ

池内 克史生年月日 1949 年 5月 29日(55歳)

フリガナ

現住所

〒 227-0052    Tel. 045-975-2024         Fax. 045-975-2024    ヨコハマシ アオバク ウメガオカ

横浜市 青葉区 梅が丘2-12

所属機関

フリガナ

所在地

〒153-8505       Tel. 03-5452-6242トウキョウトメグロク コマバ    Fax. 03-5452-6244東京都 目黒区 駒場4-6-2 東大生研 [email protected]

機関名

所属部署東京大学大学院情報学環 役職 教授

連 絡 先 所属機関におなじ

研究歴

・主な職歴

・研究内容

昭和53年~55年  マサチューセッツ工科大 人工知能研究所 助手

明るさと形状・反射率の関係に関する研究

          (明るさ解析論文、国際人工知能誌、最多引用論文)

昭和55年~61年  通産省工技院 電子技術総合研究所 研究官/主任研究官

(昭和57年~58年 通産省在外研究員としてマサチューセッツ工科大に滞在)

明るさ解析からの3Dデータを利用した物体認識に関する研究

           物体認識にもとづくハンドアイロボットに関する研究

          (ハンドアイロボット論文、Scientific American 誌、掲載)

昭和60年~平成8年 カーネギーメロン大学 計算機科学部 研究準教授/研究教授

           物体認識プログラムの自動生成に関する研究

人間行動観察学習ロボットに関する研究

          (人間行動ロボット論文、IEEE R&A 誌、 K-S Fu 優秀論文、

日本ロボット学会誌、優秀論文)

平成8年~       東京大学 生産技術研究所/大学院情報学環 教授

    仮想現実感モデルの自動生成に関する研究

文化遺産のメディアコンテンツ化に関する研究

(仮想現実感モデル自動生成論文、VR学会誌、優秀論文)

(文化遺産コンテンツ化論文、国際VSSM会議、優秀論文2編)

(様式2)(p / )

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【研究テーマ要旨】○ 対象とする戦略目標

デジタルメディア芸術の創造の高度化を支える先進的科学技術の創出

○ 研究費枠

 4 億円タイプ  ○ 8 億円タイプ

○ 研究テーマ名

ヒューマノイドロボットをメディアとした伝統芸能・技法の動的アーカイブ

○ 研究テーマ要旨

失われ行く文化遺産を最新の最新の工学技法を用いて保存する努力の必要性は論をまたない。我々は、特

に後継者難から日々失われ行く無形文化財に対象を絞り、ヒューマノイドロボットをメディアとして、こ

れに各種の芸能・技能を蓄積し再現可能とする手法を開発する。

研究のポイントとしては、

1) 民俗芸能や匠の技の動きの流れからその要所要所のポイントとなる重要な動作点や微妙な動作の

差を抽出し、再現可能な表現で蓄積する技法を開発すること、

2)  蓄積されたこれらの動きを物理的に、特にポイントとなる部分を忠実に再現できる高性能ヒュー

マノイドロボットを開発すること、

の 2点である。

得られる成果としては、

1)無形文化財の動的アーカイブ、

2)ヒューマノイドロボットを用いた新しいメディア芸術の創成、

3)高性能ヒューマノイドロボット、といった 3点が主なものである。

本プロジェクトを ICOPR の枠組みで、アジアのパートナー KAIST、アメリカのパートナー Stanford

大、欧州のパートナー LAAS-CNRS と 3極構造の全世界ネットワークで進めることにより、現在日本が優

位に立っているヒューマノイドロボットの研究開発に関して、今後も日本が中心的な役割を果たしつつデ

ファクトスタンダードが確立できる。

○ 分野

主分野  No.209 認識・意味理解

副分野  No.210 センサ  No.213 デバイス No.606 先進的ものづくり

○ 提案内容に関するキーワード

No.58 画像・文章・音声等認識  No.66 コンテンツ・アーカイブ No.61 バーチャルリアリ

ティ 

*ヒューマノイドロボット  (p / )

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(様式3)

【研究構想】

1. 研究の目的

本提案では、ヒューマノイドロボットをメディアとして、これに各種の芸能・技能を蓄積し再現可能と

する手法を開発することを提案する。研究のポイントとしては、1)民俗芸能や匠の技の動きの流れから

ポイントとなる重要な動作点(これを肝と呼ぶ)や微妙な動作の差(これを技と呼ぶ)を抽出・表現する

技法を開発すること、2)蓄積されたこれらの動きを物理的に、特に肝となる部分や技となる部分を忠実に

再現できるヒューマノイドロボットを開発すること、の 2点である。

2. 研究の背景と提案にいたった理由

 日々失われ行く文化遺産を最新の工学技法を用いて保存する努力の必要性は論をまたない。我々のグルー

プでは、画像処理技術を用いて文化遺産をデジタル保存する研究を進めてきた。文化遺産は、大仏や正倉院

御物といった「静」的な有形文化財と、能や民俗舞踊や神楽、匠の技、茶道の手前といった「動」的な文化

財(ここではこれらを総称して無形文化財と呼ぶ)に分類できる。「静」的な有形文化財に関しては、レ

ーザセンサやデジタルカメラを入力として、形の情報を得るための 3次元形状計測や、表面の色・艶を表

現するための表面特性解析アルゴリズム、光源環境を再構成する光源環境推定アルゴリズムなどが主な研

究項目である。我々はこれらのアルゴリズムの開発を科学技術振興機構の戦略的基礎技術開発事業プロジ

ェクトを通して行い、鎌倉や奈良の大仏、カンボジア・アンコールトム・バイジン寺院のデジタル化など

に成功した。

 これらの「静」的な有形文化財に対して、能や神社の神楽、刀鍛冶の技あるいは茶道の手前といった身体

の動きをその中心表現とする「動」的な無形文化財も多く存在している。無形文化財の保存は主に人から人

への直接的な伝承が主たる保存方法であった。このため後継者難などの社会的背景の変化から、日々失わ

れつつあるといっても過言ではない。これらの無形文化財に関しても何らかのデジタル的な保存技術が早

急に確立されなければならない。

無形文化財は、その中心表現が演者の動きの中に込められている。従って、動きをどのように記録する

か、動きをどのように再現するかが研究の中心課題となる。

無形文化財のデジタル化は、単純に考えると演者の動きをビデオで採録し、必要に応じて再生すればよ

い。例えば、東京文化財研究所を中心にそのような民俗芸能のアーカイブも存在する。あるいはもう少し

進めて、多視点からビデオ映像を取り込み、最新の画像処理・CGアルゴリズムを用いて任意の視点から

の映像を再生するといったプロジェクトも京都大学やNHKを中心に提案されている。これらの手法では、

単に現在の演者の動きをテープに収めただけで、今後の後継者を育成するための教材を提供しているに過

ぎない。本来の意味での後継者を得、その民俗芸能の踊りなり匠の技法を継承したことにはならない。

我々は、ヒューマノイドロボットをこの後継者に育てることを提案する。即ち、ヒューマノイドロボッ

トをメディアとして、これに各種の芸能・技能を動的にアーカイブし、無形文化財を継承することを試み

る。

3.関連プロジェクトとの関係

(p / )

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ヒューマノイドロボットをメディアとして、無形文化財を動的にアーカイブするプロジェクトは、提案

者が知る限り現在存在しない。

各要素技術に関しては、目的を無視すれば、類似研究は存在する。動きの解析に関しては、国内では共同

研究を行う予定のわらび座や立命館大のグループのものが有名であるが、主に Labanotation と呼ばれる

西洋舞踊のために開発された記述を動きから得ようとするものである。この表記法は、ある程度舞踊の素

養がある人が記録のために使用する言語であり、踊りの素人が見てもそれから踊りは再現できない。言い

換えれば、これらは、ロボットによる動的な再現を目指したものではなく、記述からロボットの動きの再

現はできない。

動きの再現に関しては、映画産業からの必要性などからCGの分野で活発に研究が行われている。たと

えば、ニューヨーク大、ミネソタ大、カーネギーメロン大や国際共同研究を行う予定の韓国の KAIST など

でモーションキャプチャデータから得られた動きをCGキャラクターとして編集するプロジェクトが行わ

れている。しかし、これらは、単に見かけの生成であり、ロボットを用いて動きを再現することはできな

い。

ロボットの分野でもロボットの行動獲得を目的として、東京大学や ATR、共同研究を行う予定の産総研

などで、複数の関節角度を特定の単位に分割し、HMM などを用いて基本動作として取りまとめるものや

複数物体の3次元の接触状態をロボットの視覚で観測しその制約条件から行動計画を学習するもの等があ

るが、日常動作を対象としているため、伝統舞踊・技能のような特殊な動きを表現することが難しい。

最後に、最近日本の企業において、各種の踊るロボットも開発されている。しかし、これらは、まずロ

ボットの実行可能な動きがあり、これにもとづいて振り付けを行っている。極端な例では、ロボット自体

はゆっくりとした横の動きだけで、その分音楽で全体的なテンポをつけ、視覚的にリズミカルな踊りを実

現している例もある。これらは、現状のロボットをいわば as-isで使用するため、工学的に見て、ロボット

の性能が飛躍的に向上するという性質のものではない。我々のプロジェクトでは、まず人間の踊りがあり、

これをロボットに躍らせるため、予想外の要求が数多く発生し、これを1つずつ解決することでロボット

工学に対しても貢献できるものとなっている。

4.研究の進め方

研究のポイントとしては、1)無形文化財の動きの流れからその重要部分(即ち肝と技)を表現・記録

する手法を確立すること、2)動き、特に重要部分を忠実に再現できるヒューマノイドロボットを開発する

こと、の 2点に大別することができる。

4.1 動きの解析

 動きの解析のためには、動きデータが必要となる。本プロジェクトでは、モーションキャプチャシステ

ムを動きデータの主入力デバイスとして使用する。

一方、共同研究を執り行う予定の KAISTで行われている複数のテレビカメラから 3次元形状の動きが上

手く無形文化財の動きに適用できれば、これらも併用する。前者のシステムは正確なデータが得られる点

に特色がある。後者のカメラを使用する手法は、特別なセットアップを必要とせず、比較的手軽にデータ

が取り込めるといったメリットがある。いずれにせよ、これらの 3次元デバイスを使用して各瞬間の関節

位置データを入力とし、この関節位置データをもとに技能全体の解析を行う。

動きの解析は、東京大学が中心となってこれを執り行う。これまでの東京大学における人間行動観察学

習ロボットの研究を通じて、人間の動作は、大きく分けて、何をするかという「タスク」とそれをどのよ

(p / )

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うにするかという「スキル」に分解することが動き記述の上で効率的であることがわかってきた。従って 、

本プロジェクトでも、この考え方にもとづき、まず動きのシークエンスから部分部分が何をするのかとい

う「タスク」の列(肝の列)に分割する手法を開発する。

研究の方針として、入力されたモーションキャプチャデータをタスクに分割する手法を確立する。以下

に述べる3つのステップで、タスク列を得、動作の構造を把握する手法を確立する。

1)人中心座標系を設定、手先足先の速度や軌跡などを効率的に表現する手法を確立する。

2)軌道情報・音楽情報・文献情報・演者の意見等を利用して動作の分割を行う手法を確立する。

3)分割された動作セグメント間を評価することで動作をクラス化しタスク列を得る手法を確立する。

システムとしては、全自動でこのタスク列を得る手法をめざす。この結果が人間の認識しているタスク

列と同一であるかを舞踏や伝統技法の師範や東京文化財研究所のグループと討論しながら、自動的にタス

ク列を抽出するアルゴリズムを開発する。図1に例として予備実験で得られた音楽情報と手足の動き情報

を併用して分割する手法を会津磐梯山踊りに適用し、タスクモデルを生成し、これと名人から得た踊り方

の説明図とを比較した。

上記の手法を確立することで、一連の

動作の流れ類別把握することが可能とな

り、踊りや茶道の手前全体の構成をシン

ボリックに記述することができる。また、

異なる踊りや儀式をタスク列として表現

し比較することによって相互の関係を把

握することも可能となる。さらに、今ま

で文字や絵等で記されてきた踊りや手前

の記述方式としてこの表現を用いることも可能となる。

本プロジェクトでは、このシステムの精緻化をめざす。同時に、得られたタスク列もアーカイブデータ

としては重要と考えられるため、完成した分割法を利用して、各種の伝統芸能・技法のライブラリも構築

する。

 次に、あるタスクに対応する動作をどのように表現するかを記述するスキルモデル(技)を得る手法を

確立する。基本的には、舞踏等の空間中の自由動作の場合は、軌道により、伝統技能の場合には、軌道とと

もに力分布の遷移として表現できると考える。舞踏の場合には、モーションキャプチャデータから得られ

た軌道を利用し、これを表現する空間を定義する。現在のところ、姿勢を特異点なく且つ測度の定義でき

る単位 4元数として表現する。一つの肝の姿勢と次の肝の姿勢間を、これら 2つの姿勢を表す2つの 4元数に対応する 4次元単位球面点を測地線で結ぶ。この測地線に沿った姿勢変化を基本動作とする。この経路

からのずれでスキル(技)を表現する。このスキルの性差・熟練度のよる差異等を解析手法を確立する。

また、得られた舞踊や技能中のタスク・スキルモデルを自動的に連結する手法も開発する。これに関し

ては、国際共同研究者の KAIST のグループの成果を利用する予定である。これらの成果より、新しいロボ

ット舞踏生成するという編集システムの確立し、これを用いて、劇団わらび座のグループとロボットと人

のミュージカルの可能性についても見当を行う。

4.2 動きの再現

 動きの再現に関して、研究はさらに 2つに大別できる。まず、現在のヒューマノイドロボット用いて如

(p / )

未検

師範による重要動作(肝)

システムにより得られた重要動作(タスク列)

師範によるスケッチ音楽情報

モーキャプ入力データ

未検

師範による重要動作(肝)

システムにより得られた重要動作(タスク列)

師範によるスケッチ音楽情報

モーキャプ入力データ

図1 タスク列抽出と師範による「肝」の比較

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何に忠実な動きを表現するかという軌道生成の問題と現在のヒューマノイドロボットでは実現不可能な動

きを考慮し、あらたなヒューマノイドロボットを設計するという 2課題である。前者に関しては、東京大

学を中心に、国際共同研究拠点の Stanford 大学で開発される動力学シミュレータや LAASで開発される自

己干渉回避ソフトなども利用して安定な軌道を生成する。後者の新しいロボットの設計・開発に関しては、

産総研を中心にこれをとり行う予定である。

4.2.1 動的に安定な動作の生成

現在のヒューマノイドロボットによる動きという制約下で、観測から得られたスキルモデルから得られ

る軌道を基本として表現する。既存の制御手法は、ZMP(Zero-Moment Point)と呼ばれる「地面から

受ける力によるモーメントが 0 になる点」を足の支持多角形内に納まるよう制御することで、足裏面が床

面から離れないような動作を生成することである。予備実験で、スキルモデルから得られた軌道を肝をな

るべく保存しつつ、上記の制御法で軌道修正し、成功した舞踊動作の例を図2に示す。

上記の条件は、転倒しないための十分条件で,本提案のように足裏面が極めて小さいロボットで常にこの

条件を成立させつつ舞踊のような動的な動作を実現することは非常に困難である。実際、人間がつまずき

ながらも体勢を立て直して転倒を回避するような場合を思い浮かべると,転倒しないためには足裏は床面

についている必要はない。このため、動的フィルタリングとして、体勢に応じて足の着地位置とタイミン

グを制御し、転倒する前に支持多角形の中に ZMP を持ってくるような動的制御法を設計する。また,舞踊

の一部では,わざと足裏を滑らしたり,ジャンプしたりする動作も含まれている。これらも可能とするこ

とを検討する。この過程で、Stanford 大学から得られる動力学シミュレータを用いてより最適な軌道計算

を行う。さらに、最終段階で LAASより提供される自己干渉ルーチンを用いて安全・実行可能な軌道とし

てヒューマノイドロボットに実行させる。

4.2.2 高度な動作提示のためのヒューマノイドの設計

共同研究者の産総研グループは、図3に示す身長 158cm、体重 58kgで 30 自由度をもつヒューマノ

イドロボット HRP-2 を開発した。このロボットを用いて、不整地における二足歩行、起き上がり、寝転び

動作(世界初)、受身動作(世界初)、脚椀協調動作、歩行、人間との協調作業等、ヒューマノイドロボッ

トの多種多様な動作を世界に先駆けて実現した。この経験に基づき、脚、指、胴、外観の 4つのポイント

に注目しながら、より人間に近い動作の再現が可能なロボットを開発する。

脚: 腱駆動メカニズム等により人間並みの足裏の幅,足首の断面を持ち、爪先に1自由度を追加する。

これにより、自然な歩行動作や和式作法にのっとった正立,跪座(正座から、両足を爪立てた姿勢),正座

などの動作を実現する。また、ジャンプを実現するため、足部には人間の腱と同様のバネ特性を持たせる。

(p / )

図2 ヒューマノイドロボットによるジョンガラ踊り 図3 HRP-2

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手: 現在のヒューマノイドロボットの手は、繊細な舞踊の表現、器用な技能の再現が不可能である。

15 自由度程度の多自由度を持つ 5指ハンドで、ロボットに搭載可能なコンパクトなものを開発する。

胴: 現在のヒューマノイドロボットの胴体は本田技研の ASIMO のように一体の箱型か、せいぜい

SONY の QRIOや川田工業の HRP-2 のように上半身と骨盤の二つに分割したボディの間に 2軸の回転を

許している程度である。このため、背骨と骨盤による自在な屈曲によって豊かな表現を作り出せる人間の

踊り手に比べて表現力が劣ってしまう。そこで、上半身と腰の間にロール、ピッチ、ヨーの三軸回転を可

能とする 3 自由度腰軸メカニズムを導入する。

外観: 軽量化を実現するため、ヤング率の高い素材とモノコック構造を採用する。シリコンラバー等

の柔軟素材を用いて外装を被せることによりリアルな外観を達成する。

以上の設計指針を統合し、全体として人体(成人男性)に酷似したプロポーションを有し、その動作を遠

目から見ても人間と見分けが付かない真の意味でのヒューマノイドロボットを開発する。

5.得られる成果

本プロジェクトで得られる成果として、主に3つの方向性が考えられる。

1) 無形文化財の動的アーカイブ: 後継者難から日々失われつつある伝統芸能・伝統技能をロボット

による再現によって永遠に保存できる。これにより単なる映像のアーカイブではなく、現実の動

的な動きとしてのアーカイブ化が可能となる。

2) 新しいメディア芸術の創成: 動きの編集機能を利用することで簡便にロボットよるミュージカ

ルなどを作成でき、新しいジャンルのデジタルアートをきり開くことができる。

3) 高性能のヒューマノイドロボット:無形文化財は、日常動作と比較して大幅にデマンディングな

動作を含んでいる。これが行える高性能のヒューマノイドロボットシステムが得られる。日本で

は、大半の技術開発が商用に目が向くためともすれば近視眼的な技術開発目標となりがちである。

翻って米国の軍事研究は、開発時には何に使用するのか不明なまでの高スペックなシステム開発

が、最終的には、インターネットやカーナビの例をとるまでもなく、全く新しい応用分野を切り

開いて来た面がある。平和国家日本としては、これに対抗するため国家戦略として平和的ではあ

りがら、不必要なまでの高スペックを要する分野を必要とする。我々は、かけがえのない文化遺

産の保存をこの分野であると思う。ヒューマノイドロボットは、日本としては例外的に長期的な

視野にたって精力的に研究を進めている分野であり、この分野へ無形文化財を対象として持ち込

み、高度にデマンディングな動きを再現できる不必要なまでの高スペックのヒューマノイドロボ

ットを開発することで、全く新しい応用分野が開けるであろう。

6.なぜ国際協力か

現在日本が優位に立っているヒューマノイドロボットの研究開発に関して、今後も日本が中心的な立場を

果たしつつ国際的に協力体制を確立することで、この優位性を保つことが必須である。その際、国際的な

プロジェクトとして、各チームが日本チームを中心としつつ補完的で且つ世界全域的であることが望まし

い。本提案では、アジア内のパートナーとして韓国の KAIST のグループを選んだ。Kweon 教授のグルー

プは、現在世界的にみて最高精度の多視点画像解析手法を確立している。この手法を用いて、モーション

キャプチャを用いず、カメラのみから動き解析に必要なデータを入力する手法を開発する。KAIST の

Shin 教授は動き編集の面で世界第一人者といっても語弊がない。彼らのグループの協力で日本と韓国とい

うアジア内のコア体制を確立する。アメリカでは、アクセスの便利さ等も考慮し、Stanford 大学の

(p / )

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Khatib 教授のグループをパートナーとした。Khatib 教授はロボットの動的制御の第一人者であり、現在

ヒューマノイドロボットの動力学シミュレーションを高速の行えるソフトウエアを開発している。この技

術を利用して動作生成を高速の行うことができる。ヨーロッパの拠点として、LAAS のグループは、動作

計画の第一人者である。この技術を利用して、人間の動きをロボットに投影する際、ロボットの各部の形

状を人間のそれと異なることより発生する各部の衝突を回避することができる技術とできるであろう。こ

れらの国際協力体制から、日本を中核に、ヒューマノイドロボットの全世界的協力体制を確立することで、

今後一層の優位性が保て、日本中心のヒューマノイドロボットのデファクトスタンダードが確立できるも

のと考える。

なお、研究提案者は、米国の大学に 10数年いた経験があり、語学力・会議議事進行といった面でも、国

際共同プロジェクトを実行するのに最適であると信ずる。

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(様式4-1)

【日本側研究実施体制】

研究実施場所 東京大学

氏名    役職

池内克史  東京大学 大学院情報学環 教授   

影沢政隆  東京大学 大学院情報学環 助手   

木村浩   東京大学 生産技術研究所 協力研究員*

(電気通信大 情報システム学研究科 助教授)

中澤篤志  東京大学 生産技術研究所 協力研究員*

(大阪大学 サイバーメディアセンター 講師)

  宮田繁幸  東京大学 生産技術研究所 協力研究員*

                   (東京文化財研究所 芸能部 民俗芸能研究室長)

俵木 悟  東京大学 生産技術研究所 協力研究員*

(東京文化財研究所 芸能部 民俗芸能研究室 研究員)

  長瀬一男  東京大学 生産技術研究所 協力研究員*

                   (劇団わらび座 デジタルアートファクトリ チーフディレク

タ)

  海賀孝明  東京大学 生産技術研究所 協力研究員*

                   (劇団わらび座 デジタルアートファクトリ チーフエンジニ

ア)

小川原光一 東京大学 生産技術研究所 博士研究員

高松淳   東京大学 生産技術研究所 博士研究員

工藤俊亮  東京大学 生産技術研究所 博士研究員(3 月博士取得後採用予定)

A     東京大学 生産技術研究所 博士研究員(募集予定)

産業技術総合研究所

氏名    役職

比留川博久 産業技術総合研究所 知能システム研究部門 副研究部門長

(兼)ヒューマノイド研究グループ長

梶田秀司   産業技術総合研究所 知能システム研究部門 ヒューマノイド研究グループ 主任研究員

原田研介 産業技術総合研究所 知能システム研究部門 ヒューマノイド研究グループ 研究員

森澤光晴 産業技術総合研究所 知能システム研究部門 ヒューマノイド研究グループ 研究員

* )研究提案者は、若き日、MITの人工知能研究所で、MITの電気・機械・心理といった異なっ

た学科の研究者のみならず、ハーバード大、ボストン大、ドレイパーラボの研究者が人工知能研究

所内に実際にオフィースを持ち、日々の接触を通して新しい分野の研究を生み出している姿を垣間

(p / )

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見た。これは、研究所初代所長ミンスキー教授の「新しい分野の創出のためには、異分野の研究者

の日々のコリジョンが必須である」との信念により実現したものであった。本提案でも、これに

習い、電気通信大、大阪大、東京文化財研究所、劇団わらび座を独立した研究拠点とはせず、動き

の解析の研究は、東京大学生産技術研究所を集中拠点としてとり行う。幸い、東京大学生産技術研

究所には、組織外の研究者を協力研究員との名称で、内部の研究者と同格の資格で研究が行えるシ

ステムがあり、これを活用する。また、大阪大学やわらび座のような遠隔地の研究者とのコンタ

クトを密にするため、ポリコムシステムなどの遠隔システムを導入し、密にコンタクトをとる予

定である。

なお、産業技術総合研究所は、動きの再現のためのヒューマノイドロボットを開発するため、別

拠点としたが、産業技術総合研究所と東大のあいだにも、先の遠隔システムを導入し、密なコン

タクトをはかる。

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(様式4-2)

【相手側研究実施体制】

本提案は、最終的にヒュマノイドロボットの全世界的標準化体制をとるため、アジア内のコアとして日韓

の協力体制を基本とし、そこへ米国と欧州からフランスが参加するという体制をとる。このため、相手側

は3海外拠点となっている。

○ 相手国:韓国

○ 相手機関: Korea Advanced Institute of Technology○ 研究実施場所:Deajeon, Korea○ 相手側研究総括氏名:In So Kweon○ 相手側研究総括の略歴

1981 年ソウル大にて機械設計・生産工学の BS、1983 年同大にてM S取得。1990 年カーネギーメロ

ン大にて、ロボット工学の博士課程修了。Ph.D。Toshiba r & d センター研究員を経て、1992 年KAIST のオートメーション・設計工学科准教授となる。現在、同、電気工学の准教授。コンピュータ

ビジョン、ロボット工学、パターン認識、及びオートメーションに興味を持つ。研究のトピックは物

体認識及び組み立て作業の自動化, 3D のための不変量に基づく視覚センサー、多視点画像解析などで

ある。

○ 相手側研究総括の研究内容の概略および共同研究における役割

Kweon 教授のグループは、コンピュータビジョンの研究では韓国で最大のグループとなっている。

特に、最近同グループで開発された多視点から3次元モデルを得る、一般的に space curving と呼ば

れる手法は、現在世界最高のアルゴリズムとなっている。同グループの手法が無形文化財に適用でき

れば、モーションキャプチャシステムを使用せずに、簡便に動きデータを入力することができ、活気

的なシステムとなる。

また、同機関で参加を表明している、Shin 教授は、コンピュータグラフィクスの分野で古くから動き

生成の研究を行ってきた。同グループに成果を利用して、コンテンツライブラリーから動きを編集し、

簡便に新しいロボット演劇が作成可能となる。

○  相手先研究総括との間で現在構築されている協力関係

  Kweon 教授のグループが提案した韓国でのビジョンプロジェクト Development of Robust Vision Technology for 3-D Modeling and Recognition of Intelligent Robots に、提案者が国際共同研究

者として参加しており、年2~3回の交流をもっている。これの契約書を添付した。

さらに、Kweon 教授の学生の博士論文審査に、池内が副査をつとめることもある。

○ 相手側研究総括が独自に研究資金を確保しており、本共同研究における研究分担が遂行可能であるか

本提案者が国際共同研究者として参加している知能ロボットの視覚プロジェクトにおいて、韓国側で

充分な研究費を韓国の科学技術省より得ている。

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○  相手国: 米国

○ 相手機関: Stanford 大学 人工知能研究所

○ 研究実地場所: Stanford, CA, USA○ 相手側研究総括氏名:Oussama Khatib

○ 相手側研究総括の略歴

1972 年、フランス、de Montepellier 大電気工学科にて BS、1974 年、同大にて MS修了。1980年、 l’Ecole Nationale Spuerieure de l’Aeronauque et de l’Escape にて Ph.D の学位を取得。

1976 年より 1981 年、le Centre d'Etude et de Recherche de Toulouse の研究員。1981 年より

スタンフォード大学。現在、同大、計算機科学科、教授。ロボット制御アーキティチャ、多腕の協同、

センサーベースマニピュレーション、実時間衝突回避、統合制御、ロボットシミュレーションなどに

興味を持つ。

○ 相手側総括の研究内容の概要および共同研究における役割

Khatib 教授は、上記略歴からもわかるように、ロボットの動的制御の世界的第一人者で、特に、現在

実時間ロボットシミュレーション技術を確立している。このグループの協力にもとづき、ヒューマノ

イドロボットの動力学シミュレーションを高速に行うことで、安定なロボットの動きを生成すること

ができる。

○ 相手先研究総括との間で現在構築されている協力関係

共同提案者の一人である比留川は、1994 年から 1995 年 Khatib 教授が所属するロボティクス研究所

に滞在し、ロボットによる自動組立プランニングの共同研究を行っている。現在は、同研究所とヒュ

ーマノイドロボットによる壁登り動作に関する共同研究を実施中である。また、提案者の一人である

原田を 2005 年に同研究所に派遣する計画となっている。

○ 相手側総括が独自に研究資金を確保しており、本共同研究における研究分担が遂行可能であるあどうか

Artisan: Advanced Redundant High Performance Manipulator Project、Elastic: Real Time Path Modification 、SAMM: The Stanford Assistant Mobile Manipulator、SIMpact: A Simulator for Dynamic Environments等のプロジェクトをNSFなどの資金で実施しており、研

究分担は充分遂行可能である。

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○ 相手国: フランス

○ 相手機関: LAAS-CNRS○ 研究実地場所:Toulouse, France○ 相手側研究総括氏名:Jean-Paul Laumond

○ 相手側研究総括の略歴

1976 年 Paul Sabatier 大数学科にて MS、1984 年 同大にて Ph.D取得。LAAS-CNRS の研究者、

Stanford 大研究員を経て、現在 LAAS-CNRS、ロボティクスグループ研究所長。ヨーロッパ

ESPRIT 基礎研究3(Planning robot motion)プロジェクトのコーオディネータ。コンピュータ科

学の分野では、三角メッシュの結合性に関する研究や制御理論の分野では自動走行ロボットの最短経

路生成またロボティクスの分野ではノンホロノミックロボットのモーションプランなどの研究に興味

を持つ。

○ 相手側総括の研究内容の概要および共同研究における役割

当研究統括は、理論面での寄与が大きく、ロボットプランニングに分野で、実時間自己干渉回避のソ

フトウエアを開発している。この技術を用いてヒューマノイドロボットの人間とのディメンジョンの

差異から発生する各部位の自己衝突を実時間で回避でき、安定にロボットの動きを生成できる。

○ 相手先研究総括との間で現在構築されている協力関係

提案グループの一つである産業技術総合研究所ヒューマノイド研究グループが開発したヒューマノイ

ドロボットのソフトウエアプラットフォーム OpenHRP を LAAS に提供し,ヒューマンフィギャアの

動作プランニング法についての共同研究を開始したところである。また、LAAS が所属する CNRS と

産総研は包括的な共同研究協定を締結しており、現在この協定に基づいて日本側は産総研、フランス側

はベルサイユロボット研究所に共同研究ラボを設立し、ヒューマノイドロボットについての共同研究

を実施している。現在、日本側には 6 名の CNRS側研究員が滞在している。

○ 相手側研究総括が独自に研究資金を確保しており、本共同研究における研究分担が遂行可能であるか

Jean-Paul Laumondは、以前よりヨーロッパ連合の合同研究プロジェクト(ESPRI)で中心的役割

を果たしており、ESPRIを通して、研究資金は充分に確保しており、例えば、FP5 IST 2001-

39250では仮想空間での運動プランニングのプロジェクト、FP6 IST 002020 COGNIRONでは人

間・ロボット混在下でのロボットの知覚・学習機能の研究開発プロジェクトに携わっている。また、

フランス国内の CNRS組織よりの資金で Gepetto なるタイトルのデジタルアクターロボットのプロ

ジェクトを行っている。これらの面より独自の研究遂行が可能である。

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(様式5)【研究に使用する予定の金額】

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人件費(百万円) 設備・材料費(百万円)

小計(百万円)

平成16年 月~平成17年3月

0 50 50

平成17年4月~平成18年3月

40 145 185

平成18年4月~平成19年3月

40 45 85

平成19年4月~平成20年3月

40 145 185

平成20年4月~平成21年3月

40 145 185

平成21年4月~平成22年 月

40 45 85

合計200 525 785

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(様式6)

               【他制度での助成等の有無】

○ 本研究提案者の受けている助成等の有無

  制度名: 科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業

  課題名: 文化遺産のメディアコンテンツ化のための自動化手法

  研究資金の額: プロジェクト全期間のプロジェクト全体の研究費総額は約 5.7億

  研究期間: 平成 12年度~平成 16年度

  役割:  研究代表者

       本 ICORPの提案の元となったプロジェクトであり、平成 17年 3月で終了

制度名: 文部科学省 科学技術振興調整費 リーディングプロジェクト

課題名: 大型有形・無形文化財の高精度デジタル化ソフトウェアの開発

(研究代表者 京都大学 松山隆司)

  研究資金の額: プロジェクト全期間のプロジェクト全体の研究費総額は約 6億円を予定

研究期間: 平成 16年度~平成 20年度

役割:  研究分担者 

研究プロジェクトの内容は、大型有形・無形文化財の3Dデータ化を目的とする。提案者

が担当する部分は、有形文化財の3Dデジタル化の一部であり、本提案内容とは大きく異

なる。

制度名: 科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業

課題名: デジタルメディアを基盤とした 21世紀の芸術創造

     (研究代表者 東京芸術大学 藤幡正樹)

研究資金の額: プロジェクト全期間のプロジェクト全体の研究費総額は約 1.2億を予定

研究期間: 平成 16年度~平成 18年度

役割:  研究分担者

研究プロジェクトの内容は、画家の油絵を描く際の内的モデル化を行い 21世紀の新しいデ

ジタル芸術ジャンルを創造しようとするものである。提案者が担当する部分は、油絵描画

模倣ロボットの部分であり、主に画家の空間知覚シミュレーションのため本提案内容とは

大きく異なる。

 

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                                       (様式7)

【研究成果と論文・著書・特許リスト】

本提案は、人間行動観察学習ロボットの枠組みで無形文化財をロボットで表現しようとするものである。

この枠組みは、筆者らが 1990 年初頭より世界に先駆け開発してきたものである[2,3]。Learning-from-observation、Programming-by-demonstration、Leaning-by-watching、等々の名称で呼ばれるが、

本質的に、人間の行動を観察し、理解し、それによりロボットがその行動を真似るというものである。

其の後、この人間行動観察は、何らかの枠組みを認識システム内に仮定し、行動を観察・把握するとい

うトップダウンアプローチと全くゼロの状態から学習しようとするボトムアップアプローチに分化してき

た。

サルと人間が同じ行動を観察しても結果が異なるのは、認識システムの中に元々保持している予備知識

が異なるからである考え、何らかの枠組みを仮定するトップダウンアップローチをとる。「タスク」・

「スキル」モデルを準備し、これを用いて画像列からまず何をするかというタスク列を得る。その後細部

を仔細に観察することでどのようにするかというスキルを得る。この際、タスクモデルとスキルモデルは、

全ての行動に共通なものを準備せず、各作業ドメインで異なったタスクモデル群、スキルモデル群を設計

する方が効率的であると考え、接触をもつ手作業、接触を持たない手作業、歩行、動的全身運動と研究を展

開してきた。

本提案では、これらを集大成し、より共通的なタスクモデル群、スキルモデル群の設計法ならびに抽出

法を確立し、これを無形文化財保存に適用するものである[10]。この過程で明確になってきたハードウエア的制約も解決したいと考えている。共同研究者の産総研グル

ープは、身長 158cm、体重 58kgで 30 自由度をもつヒューマノイドロボット HRP-2 を開発し各種の

行動を実現した実績を持つことを申し添えたい。

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RelationRelation--11 RelationRelation--22

ActionAction

タスク・スキル獲得 タスク・スキル実行

人間行動観察 ロボット実行

タスクモデル・スキルモデル

RelationRelation--11 RelationRelation--22

ActionAction

RelationRelation--11 RelationRelation--22

ActionAction

RelationRelation--11 RelationRelation--22

ActionAction

タスク・スキル獲得 タスク・スキル実行

人間行動観察 ロボット実行

タスクモデル・スキルモデル

     図4 人間行動観察学習システム

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[1] B.K.P. Horn and K. Ikeuchi: "The Mechanical Manipulation of Randomly Oriented Parts",

Scientific American, Vol. 251, No. 2, pp.100-111, August 1984.

[2]* K. Ikeuchi and T. Suehiro: "Toward an Assembly Plan from Observation, Part I: Task

Recognition with Polyhedral Objects", IEEE Trans. Robotics and Automation, Vol. 10, No. 3,

pp. 368-385, June 1994.

[3] S. B. Kang and K. Ikeuchi: "Toward Automatic Robot Instruction from Perception --

Temporal Segmentation of Tasks from Human Hand Motion", IEEE Trans. Robotics and

Automation, Vol. 11, No. 5, pp. 670-681, October 1995.

[4] 三浦 純,池内克史: “作業の目的を考慮した視覚認識戦略の生成”, 日本ロボット学会誌,Vol. 14, No.

4, pp.574-585, 1996 (ロボット学会論文賞).

[5]* S. B. Kang and K. Ikeuchi: "Toward Automatic Robot Instruction from Perception --

Mapping Human Grasps to Manipulator Grasps", IEEE Trans. Robotics and Automation, Vol.

13, No. 1, pp. 81-95, February 1997 (K-S Fu Memorial Best Transaction Paper Award)

[6] J. Miura and K. Ikeuchi: “Task-oriented Generation of Visual Sensing Strategies in

Assembly Tasks”, IEEE Trans. Pattern Analysis and Machine Intelligence, Vol. 20, No. 2, pp.

126-138, February 1998.

[7] K. Ikeuchi and Y. Sato: Modeling from Reality, Kluwer Academic, Boston MA, 2001

[8] K. Ogawara, J. Takamatsu, H. Kimura, and K. Ikeuchi: “Extraction of Essential Interactions

through Observations of Human Demonstration”, IEEE Trans. Industrial Electronics, Vol. 50,

No. 4, pp 667-675 April 2003.

[9] T. Shiratori, A. Nakazawa, and K. Ikeuchi: “Detecting Dance Motion Structure through

Music Analysis”, Proc. IEEE International Conference on Automatic Face and Gesture

Recognition, pp. 17-19, May 2004.

[10]* 池内克史、中澤篤志、小川原光一、高松淳、工藤俊亮、中岡慎一郎、白鳥貴亮:“民族芸能のデジタル

アーカイブとロボットによる動作提示”,日本バーチャルリアリティ学会論文誌、Vol. 9, No. 2, pp.14-20,

2004.

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