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2G12 www.connect.co.jp Ironwood社のグリッパー(Grypper)テストソケットのひとつ、G40のGSG構成(Ground-Signal-Ground)のときの、高周波伝達特性 についてのレポートです。ピッチ0.4mmと0.5mmの場合を対象とします。絶縁材に3つのコンタクトを0.4mmピッチで組込み、3次元電磁解析 (EM)によりシミュレーションを行います。一方、0.4mmピッチの実物の測定を行い、シミュレーションモデルと関連付けします。その両方から 回路モデルを導き出すことで、G40ソケットの電気的仕様を決定します。 Grypper Socket G40 RF Report P2Aタイプ構成 0.4mmmピッチ、0.25mmボール 0.5mmmピッチ、0.3mmボール 備考 タイムディレイ 11.1ps 11.5ps S21,Sパラメータから逆フーリエ変換 による 短絡回路インダクタンス 0.77nH 0.87nH 短絡ワンポートモデル@1GHz で決まる値 開放回路キャパシタンス 0.183pF 0.123pF 開放ワンポートモデル@1GHz で決まる値 S21挿入損失/GSG [email protected] [email protected] 3Dモデルからの値 S11リターンロス/GSG -10dB@18GHz -10dB@10GHz 実測値があるときは実測値 [email protected] [email protected] キャパシタンスからの計算値 インピ-ダンス 64.9Ω 74.5Ω 短絡時インダクタンスと開放時 キャパシタンスからの計算値 S41,クロストーク [email protected] [email protected] 3Dモデルからの値 GSSG Thru *ラボでの測定による仕様。他のピッチ、ボールサイズについての電気特性は別途おたずねください。 **これらの値は、直接に測定できないため、Curve fit approximationの方法による。 ***GSSGとGSGSGクロストーク値はシミュレーション値です。 P8Aタイプ構成 0.4mmmピッチ、0.25mmボール 0.5mmmピッチ、0.3mmボール 備考 タイムディレイ 10.0ps 10.0ps S21,Sパラメータから逆フーリエ変換 による 短絡回路インダクタンス 0.54nH 0.62nH 短絡ワンポートモデル@1GHz で決まる値 開放回路キャパシタンス 0.239pF 0.202pF 開放ワンポートモデル@1GHz で決まる値 S21挿入損失/GSG -1dB@27GHz -1dB@29GHz 3Dモデルからの値 S11リターンロス/GSG -10dB@24GHz [email protected] 短絡時インダクタンスと開放時 -20dB@14GHz -20dB@12GHz キャパシタンスからの計算値 インピ-ダンス 47.5Ω 55.3Ω 短絡時インダクタンスと開放時 キャパシタンスからの計算値 S41,クロストーク [email protected] [email protected] 3Dモデルからの値 GSSG Thru 高周波特性試験 0.4mm pitch/φ0.25mmボール 0.5mm pitch/φ0.25mmボール P2A構成 P8A構成 ピッチ(0.25mmボール) コンタクト品番 S G G S G G G G G G G G 0.4 104468-0014 0.5 104468-0014 1.試験の目的 2.電気的仕様

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2G12

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Ironwood社のグリッパー(Grypper)テストソケットのひとつ、G40のGSG構成(Ground-Signal-Ground)のときの、高周波伝達特性についてのレポートです。ピッチ0.4mmと0.5mmの場合を対象とします。絶縁材に3つのコンタクトを0.4mmピッチで組込み、3次元電磁解析(EM)によりシミュレーションを行います。一方、0.4mmピッチの実物の測定を行い、シミュレーションモデルと関連付けします。その両方から回路モデルを導き出すことで、G40ソケットの電気的仕様を決定します。

Grypper SocketG40 RF Report

     P2Aタイプ構成    0.4mmmピッチ、0.25mmボール   0.5mmmピッチ、0.3mmボール  備考 タイムディレイ         11.1ps 11.5ps S21,Sパラメータから逆フーリエ変換                                         による     短絡回路インダクタンス 0.77nH 0.87nH 短絡ワンポートモデル@1GHz                                         で決まる値     開放回路キャパシタンス 0.183pF 0.123pF 開放ワンポートモデル@1GHz                                         で決まる値

     S21挿入損失/GSG [email protected]    [email protected] 3Dモデルからの値 S11リターンロス/GSG -10dB@18GHz    -10dB@10GHz 実測値があるときは実測値                   [email protected]    [email protected]     キャパシタンスからの計算値 インピ-ダンス         64.9Ω   74.5Ω 短絡時インダクタンスと開放時 キャパシタンスからの計算値     S41,クロストーク [email protected]    [email protected] 3Dモデルからの値 GSSG Thru

*ラボでの測定による仕様。他のピッチ、ボールサイズについての電気特性は別途おたずねください。**これらの値は、直接に測定できないため、Curve fit approximationの方法による。***GSSGとGSGSGクロストーク値はシミュレーション値です。

     P8Aタイプ構成    0.4mmmピッチ、0.25mmボール   0.5mmmピッチ、0.3mmボール  備考 タイムディレイ         10.0ps 10.0ps S21,Sパラメータから逆フーリエ変換                                         による     短絡回路インダクタンス 0.54nH 0.62nH 短絡ワンポートモデル@1GHz                                         で決まる値     開放回路キャパシタンス 0.239pF 0.202pF 開放ワンポートモデル@1GHz                                         で決まる値

     S21挿入損失/GSG -1dB@27GHz     -1dB@29GHz 3Dモデルからの値 S11リターンロス/GSG -10dB@24GHz    [email protected] 短絡時インダクタンスと開放時          -20dB@14GHz    -20dB@12GHz      キャパシタンスからの計算値 インピ-ダンス         47.5Ω   55.3Ω 短絡時インダクタンスと開放時 キャパシタンスからの計算値 S41,クロストーク [email protected]    [email protected] 3Dモデルからの値 GSSG Thru

高周波特性試験0.4mm pitch/φ0.25mmボール0.5mm pitch/φ0.25mmボール

P2A構成         P8A構成       ピッチ(0.25mmボール)   コンタクト品番

SG G SG G

G G

G G

G

G

0.4 104468-00140.5 104468-0014

1.試験の目的

2.電気的仕様

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3次元シミュレーションモデルAnsoft社の3次元電磁界フィールド,高周波シミュレータ(HFSS TM)ソフトウェアを使用して行います。測定ポートはコンタクトの底部とソケットの底部です。コンタクトとピッチはソケットの性能を把握するときの変化要素で、0.4mmと0.5mmの場合の結果を出しています。図2と図3は、GSG構成のさいの0.4mmピッチ、0.5mmピッチ両方の結果です。次に、底部のポートをショートし、ワンポート測定法により、低周波数のインダクタンス成分を求めます。同様にオープン回路にてキャパシタンス成分を求めます。これらの値から、インピーダンス値を計算します。

3.P2A構成のときの結果

Grypper SocketG40 RF Report高周波特性試験

0.4mm pitch/φ0.25mmボール0.5mm pitch/φ0.25mmボール

図1.0.4mm GSG構成

周波数応答 1GHz~4GHz リターンロス 1GHz~4GHz

図2.GSG P2A 挿入損失とリターンロス 図3.GSG P2A リターンロス

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Cascade Microtech社のFPC-8000 GSG プローブを使用し、0.4mmソケットを測定します。ソケットの性能の一次近似式を取得するために、コンタクトに接触できるようになっている構造の小さい黄銅板に取り付けます。その板とソケットの組立品をポジショナーにセットし、同時にプローブを、上部と底部の両方から接触させます。測定した挿入損失は、20GHzのとき-0.8dBであり、HFSS(TM)のモデルより、少し低い値です。

Grypper SocketG40 RF Report高周波特性試験

0.4mm pitch/φ0.25mmボール0.5mm pitch/φ0.25mmボール

図4.GSG P2A構成 挿入損失(0.4mmP) 図5.GSG P2A構成 リターンロス(0.4mmP)

図6.GSG P2A構成 挿入損失比較(0.4mmP)       スミスチャート

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Agilent社 Advanced Design System(ADS)を使用して、0.4mmピッチソケットの実測値に沿ったGSG回路モデルを作ります。

測定に使った、3つのコンタクト、ポート1とポート2はそれぞれ、デバイス側とソケットの基板側です。0.4mmピッチ、GSG回路モデルは、9つの受動部品から成り立ちます。信号のコンタクトは3つの直列インダクタであり、全部で0.535nHのインダクタンスとなります。シャントキャパシタは、信号コンタクトとリターンパスコンタクト間を定義しています・。2つのリターンパスは、2つの並列のピンになっています。シャントキャパシタは、C1~C4で0.129pFです。信号とリターンパス間の相互インダクタンスは、6pHを追加しています。

Grypper SocketG40 RF Report高周波特性試験

0.4mm pitch/φ0.25mmボール0.5mm pitch/φ0.25mmボール

回路モデル

図8.GSG P2A構成 挿入損失(0.4mmP) 図9.GSG P2A構成 リターンロス(0.4mmP)

図10.GSG P2A構成 挿入損失(0.4mmP)   スミスチャート

図7.GSG P2A回路モデル 0.4mmピッチ

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Grypper SocketG40 RF Report高周波特性試験

0.4mm pitch/φ0.25mmボール0.5mm pitch/φ0.25mmボール

3次元シミュレーションモデルAnsoft社の3次元電磁界フィールド,高周波シミュレータ(HFSS TM)ソフトウェアを使用して行います。測定ポートはコンタクトの上部、ポート1とそのソケットの底部、ポート2です。紫外線UV硬化のシリコン(明るい灰色部分)を考慮するしています。

4.P8A構成のときの結果

図12.GSG P8A構成 挿入損失

図14.GSG P8A回路モデル 0.4mmピッチ

図13.GSG P8A構成 リターンロス  スミスチャート

図11.GSG P8A構成 モデル(0.4mmP)

Agilent社 Advanced Design System(ADS)を使用して、0.4mmピッチソケットの実測値に沿ったGSG回路モデルを作ります。1つの信号が、8つのグランドコンタクトに囲まれている条件でシミュレーションします。GSG回路モデルは、10つの受動部品から成り立ちます。信号のコンタクトは直列の計380.5pHで表わされます。8つのリターンパスは並列につながれ、底部の直列インダクタは、計48pHとなります。シャントキャパシタは、信号コンタクトとリターンパスコンタクトとの間を定義しています・。キャパシタンスは、計114fFです。最後に、2つのグランドコンタクトと信号間の相互カップリングを示す、23pHを追加します。

回路モデル

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Grypper SocketG40 RF Report高周波特性試験

0.4mm pitch/φ0.25mmボール0.5mm pitch/φ0.25mmボール

図15.GSG P8A構成 挿入損失 0.4mmピッチ 図16.GSG P8A構成 リターンロス 0.4mmピッチ

図17.GSG P8A構成 リターンロス 0.4mmピッチ      スミスチャート

Far EndとNear Endクロストーク GSSG 0.4mmピッチ図18.GSSGモデル構造 0.4mmピッチ

4ポート、Sパラメータ解析を行い、Near End(S21)とFar End(S41)を求める

Far EndとNear Endクロストーク GSSG 0.5mmピッチ図19.GSSGモデル構造 0.5mmピッチ

図17のプロットは、G40ソケットの0.4mmピッチのリターンロスを示します。-20dB Far End クロストークリミット(10%電圧クロストーク)は5.0GHzに達しています。図18は、G40ソケットの0.5mmピッチのリターンロスを示します。-20dB Far End クロストークリミット(10%電圧クロストーク)は3.7GHzに達しています.

5.GSSG,クロストークの分析

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Grypper SocketG40 RF Report高周波特性試験

0.4mm pitch/φ0.25mmボール0.5mm pitch/φ0.25mmボール

図20.GSSG クロストーク、0.4mmピッチ 図21.GSSG クロストーク、0.5mmピッチ