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Presence to profitability 単なる存在としての企業活動から収益獲得への転換 www.pwc.com/jp 収益確保を実現するための流通パートナー の獲得に向けて

GMC Thought Leadership web · その一方で現地企業やその他外国企業との競争も 激化している。 その結果として、多くの多国籍企業は消費者の

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Presence to profitability単なる存在としての企業活動から収益獲得への転換

www.pwc.com/jp

収益確保を実現するための流通パートナーの獲得に向けて

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目次

1 はじめに……………………………….…………………………………………

2 パートナーの必要性………………………………………………………….

3 理想的なパートナーの特定 ………………………………………….……

4 円滑なパートナーシップ運営のために …………………………………

5 次のレベルへの成長…….……………………………………….…….……

6 結論 …………………..……………………………………….…………………

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はじめに

今日の成長市場* の多様化に伴い、多くの企業が市場参入および開

拓の戦略策定に多くの時間を費やし、自社の製品・サービスミックスについて、どのような消費者セグメントに焦点を当てるべきかを模索している。

このような戦略策定は成功への鍵であることは間違いないが、成長市場では市場へのルートが断片化しており、そのような複雑な市場構造が、戦略実行を一層困難にしている。成長市場への直接ルートの確立が困難

であることから、多くの企業では成長市場において現地の第三者に依存する傾向にあり、どのように自社の製品・サービスが消費者まで届けられ

ているか現状を把握できていない。

本稿では、企業の成長市場における「Presence to Profitability(単なる存在としての企業活動から収益獲得への転換)」への躍進を遂げる上で

のロードマップにおいて、自社の製品・サービスの流通状況を把握するためのステップを取り上げる。第一に、パートナーの選択基準が重要になる。

パートナーの選択基準においては、単に市場への到達能力を評価するにとどまらず、成長市場に特化した、かつ企業とパートナーの両者に受け入れられるパートナー・マネジメント・ポリシーを策定し、信頼という成功には

不可欠の要素を育んで行くことまでを視野に入れる必要がある。さらに、パートナーとの関係において短期的に大きな変化を追求するのではなく、

長期的に相手の適正性を評価し、良好な関係を強化することで、より大きな成果が期待できる。

しかし、成長市場では消費者の要求が厳しくなり、インフラの整備が進

み、外資への新たな規制が設けられるなど、競争環境は日々変化し続けている。そのため、企業にはこのような環境の変化に対応できる柔軟なア

プローチが求められる。成長市場参入時に成功した戦略であっても、拡大のステージに入った時には通用しなくなっている場合もあり、外国企業が新しい商機に対して機敏に対応できるようにするためには、従来の現地

パートナーとの関係を見直し、必要であれば新しいパートナーシップの構築を模索することが求められる。

成長市場におけるパートナー管理は成熟市場のそれよりも複雑であることは確かである。しかし正しいアプローチと柔軟な考え方により、収益力の有る、信頼に値する長期的パートナーシップを構築することは決して不

可能なことではない。

3Presence to profitability

*本稿で記述する「成長市場」は、確立された市場であるブラジル、ロシア、インドおよび中国から、その他の新興・急成長市場であるインドネシア、ナイジェリア、メキシコおよびトルコ、ならびに新たな市場であるミャンマーを含む市場を指します。

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予測

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先進国 (36カ国) 新興国および発展途上国 (153カ国)

新しいチャンス

多くの多国籍企業は中国、インド、ブラジルなどの主要成長市場を単なる安価な労働力の供給源としてではなく、成長著しい新顧客層として長年認識してきた背景があり、これらの企業は成長市場特有の困難にも関わらず、多くの成功を収めている。

この点について、国際通貨基金(IMF)は2019年までにグローバル国内総生産(GDP)の60%以上が新興国および発展途上国によって占められるとの予測 1を発表している。

出典: IMF

チャレンジ

多くの多国籍企業は成熟市場よりも成長市場において、より多くの製品・サービスを販売・提供している。例えば、ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンは中国市場だけで総収益の40%を得ている2。

とは言え、自国で得られるのと同等の信頼性と収益レベルをもたらす流通網を構築できた多国籍企業は少数である。事実、大部分の多国籍企業が成長市場参入に際して、最も難しい側面として流通を挙げている。

その理由は、成長市場の規模に加えて、現地のノウハウや強固な人脈が必要になるため、克服すべき課題が多様で複雑になる傾向があるためである。また、基本的なインフラが未整備である状況も散見され

る。

パートナーの必要性

1 IMF World Economic Outlook October 2014(GDPは購買力平価ベースで表示)

2 フォルクスワーゲン・グループは第3四半期まで堅調なパフォーマンスを記録している(2014年10月30日現在)。http://www.volkswagenag.com/content/vwcorp/info_center/en/news/2014/10/Q3_2014.html

図 1

グローバルGDPへの貢献度

(購買力平価ベース) – 先進国対新興国および発展途上国

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複雑な流通の現状

インドでは、どの業界でもビジネスの成功には戦略的流通パートナーシップが欠かせない。

その理由として、インフラ(道路や貯蔵施設)の未整備と既存流通網の複雑さが挙げられる。現代的貿易が拡大する中でも、依然として現地の小規模流通業者(kiranas – 個人が経営する小規模小売店)への依存度が強く、消費者への製品・サービス提供の管理が一層困難になっている。

Shashank Tripathi, ExecutiveDirector – Advisory, PwC India

インド

「大部分の多国籍企業が成長市場参入に際して、最も難しい側面として流通を挙げている」

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インフラと規模

一般的に、成長市場の道路および貯蔵施設は急速に劣化が進み、特に大都市でこの傾向が強く

見られるため、現地インフラとそのアクセスの面で現地パートナーに対する依存度が高まる。しかし、期待される技術・物流面の基準を自力で満たせる

現地企業は少なく、国内全域をカバーできる企業はさらに少数となる。結果として、流通能力、プロセ

スおよびサポートの必要性が異なる、複数の独立した小規模流通業者をつなぎ合わせたネットワークに頼らざるを得ない現状がある。大手の第三者物

流(3PL)プロバイダーであるUPSやFedExでさえも、遠隔地をカバーするために下請けの現地流通業

者を利用せざるを得ない状況である。

現地の規制

これら物理的制約に加え、多国籍企業は成長

市場における企業活動に関して、特に財務コンプライアンスとガバナンスの側面からますます自国の

法律に対する考慮を払うことが求められるようになっている。

これら多国籍企業の自国の法律が現地規制内

容と異なる場合、現地パートナーシップの構築をさらに複雑にする可能性がある。

これらの課題を背景に、多くの多国籍企業は最初の主要目標である市場での「Presence」を確立し、まずは消費者に製品・サービスを届けるために、単

一または複数の流通業者との独立事業者間合意の締結により市場に参入し、投資リスクの最小化に

努めている。

多様で要求の厳しい消費者

このような「間接的流通」アプローチは多くの多

国籍企業にとって既定のGo-To-Market (GTM) 戦略となり、成長市場は地理的に比較的小さく、大都

市のみがカバーできれば十分だったため、事実、初期段階では成功を収めた。しかしながら、この伝統的アプローチは、成長市場が成熟し、富裕層が

大都市のみならず小規模な地方都市にまで広がりを見せるにつれて、急速に陳腐化していく。さらに、

成長市場の消費者は急激に多様化し、日用品から高級品までより多岐にわたる商品を求めており、

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その一方で現地企業やその他外国企業との競争も

激化している。

その結果として、多くの多国籍企業は消費者の

要求を満たし、成長市場で競争力を保つためGTM戦略の見直しを迫られている。

Presence toprofitability

これまでにない課題に対処し、単なる「Presence」から「Profitability」に躍進するには、多

国籍企業は全く新しい、先進的なGTM戦略を策定する必要がある。まずはじめに、新顧客層のきめ細かな情報を信頼できる販売時点情報管理(POS)か

ら入手し、消費者に製品・サービスが届くまでの実際の工程に対し、一層の透明性と統制を実現する

ことが重要になる。多国籍企業には多くの投資と流通パートナーへの関与が求められ、現地のパートナーシップとジョイントベンチャーに関して事業体と

しての能力、業績および戦略上の重要性を考慮し、組織的見直しを行うことが求められるであろう。さら

に現地のパートナーシップについて、「間接的流通」アプローチに過度に依存せず、流通ミックス

を自由に調整できる余地を確保することが重要に

なる。そして、流通パートナーとの力関係を正常化できるような多様性のあるGTMソリューションを活用

することが求められる。

より深い洞察力、高い統制力および収益力を得るには、パートナーの適切な選別と有効な事業モ

デルの開発が必要である。これにより、チャンスと課題が混在する成長市場で、収益の拡大が可能にな

ると考えられる。

大規模市場に立ち向かう

流通エリアの純然たる大きさは、ブラジルを含む多くの成長市場において課題となっており、マーケットプレーヤーはこれに伴う困難に立ち向かわなければならない。まず各流通パートナーの業務・管理能力を最大限に利用するために、地域別のセグメント化と管理が大切になり、一方で流通チャネル同士が衝突するリスクを最小化する必要がある。

卸売業者は幅広い商品(非特化型商品)を扱うため、貴社の商品を現地流通業者よりも低価格で販売する傾向がある。このように、卸売業者は多様な消費者へのコンタクトが可能であるが、貴社商品へのコミットメントは低くなることもある。

対照的に、現地流通業者は貴社の販売代理店として活用でき、貴社商品を付加価値のある商品としてマーケティングできるが、消費者とのコンタクトに制限があり、現地の販売管理に対して卸売業者よりも多くのリソースを必要とする。

もし、同一地域でこれら二つのチャネルが利用される場合、チャネル間の摩擦が生じ、生産者と最終消費者の両者が損失を被ることになる。 それゆえ、多地域にわたる流通業者のポートフォリオ管理には、詳細な計画と細心の注意が必要となる。

Leandro Spadini, Partner - Advisory,PwC Brazil

ブラジル

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成熟市場では、企業は一般的に有能な流通パートナーを幅広い範囲から選択できるが、成長市場では

パートナー選択に考慮すべき検討事項は多岐にわたる。

これは現地市場に特有のもので、現地から距離のある本社や経営陣にとって現地の経験無しには事情

把握は難しいかもしれないが、成長市場開拓の成功には欠かせない要素である。

図2

パートナー選定の重要基準

流通領域1 ノウハウの

ギャップ2

パワーバランス

3 規制への対応4

出口戦略6リスクと

持続可能性

5

理想的なパートナーの特定単なる流通からその先へ

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流通領域

流通パートナーの適正性評価は、まず一般的にパートナーの流通可能範囲を考慮することから

始まる。しかし、一社が単独で製品・サービスを消費者に届け、かつ消費者体験を維持できる規模を有することはまれであり、特に複雑なアフターサービスが要求される場合はパートナーが一社だ

けでは不十分な場合がある。また、必要な人材が現地では利用・確保できない場合、企業には人材育成のための研修や採用活動への投資が求められる。

ノウハウのギャップ

現地パートナーの流通可能範囲に加えて、もう一つの重要な検討項目は収集・分析された情報

の質である。適切な流通可能範囲を有する流通業者には、市場の発展に欠かせない顧客情報やフィードバックを収集できるシステムや仕組みに投資する余裕や意欲が無い場合もある。POS情報

は取得が難しく、企業のサプライチェーンに対する管理・調整能力を制限する。この場合、外国企業はこの点の見通し改善のために、現地自治体のトップや商工会を含むその他のチャネルへの投資が必要になるかもしれない。

パワーバランス

これら流通領域や能力面の課題克服を一層困難にしているのは、現地流通業者が現地コミュニ

ティにおいて幅広い役目を担っているという事実である。これが、現地流通業者が、外国企業と現地パートナーとのパワーバランスにおいて、一層影響力を増している要因である。

例えば、フィリピンの農業セクターでは、現地の起業家が小規模農家に種を供給し、収穫の権利と引き換えに農家の作物に対し融資を行います。このサイクルが存在するため、外部からの新規参入には大きな障壁が立ちはだかり、現状では流通業者が商品選択と販売促進の対象を独自に決定している。

これに加えて、現地流通業者は自社の地域において独占的地位を築いており、どの商品に対し

販売促進および投資を行うかについて裁量を有している。現地流通業者は独占的契約関係には依存せず、自身の利益最大化のためにサプライヤー同士を競わせる。そのため、現地流通業者には、事業拡大の意欲や必要性が無い場合もある。このような背景から、現地流通業者は交渉時の

立場が強く、外国企業は非対称的なパワーバランスと、市場における「Presence」との間で選択を迫られることになる。それゆえ、単なる「Presence」から「Profitability」へ前進するためには、このパワー

バランスに立ち向かうことが必要不可欠である。

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理想的な事業モデルの策定

中国における先進的でグローバルな日用消費財(FMCG)企業は、ここ数年全国の消費者に商品を届けるため卸売流通アプローチを採用してきた。しかし今日の消費者は、多様化し続ける価格帯や小売業態を背景に厳しい要求を突きつけており、従前の方法では収益性を確保しながら消費者の要求に応えることは難しくなっている。

この問題には、ディスカウントが流通チェーンの末端まで届いていない、またはディスカウントが卸売業者によって奪われてしまうという市場内の疑念により悪循環をもたらすという負の構造が存在する。このような経緯から、企業の15-20%の潜在的な利益増加の機会が失われている。

こういった状況を打破するために、ある企業はPwCのStrategy&と共同で、より機敏でコントロールの効く流通戦略を策定した。これは以下の五つの重要原則に基づいている。

1. 特定消費者層への製品のマッピング

2. サービス収益の計算(売上上昇幅 –サービスコスト)*

3. 製品流通のためのチャネルミックスの設定

4. 適切な能力の育成(例えば、顧客洞察、アカウントプランニング、パートナー関係管理)

5. 現地の有能な人材の開発

これらの課題に取り組むのは容易ではなかったが、この企業は戦略転換の恩恵を目に見える形で享受でき、また自社流通チャネルを通じてより高度なコントロールを実現し、結果としてより多くの収益を上げることができた。

中国

*サービスコスト: 直接費用(工場から卸売業者または工場から小売業者までの流通費用および営業陣予算)、外部費用(販促費およびディスカウント)を含む。

売上上昇幅: 多種多様なPOSアプローチの影響、増加した最小在庫管理単位(SKU)および在庫切れの低減に焦点を当てた異なる流通モデルシナリオによる潜在的収入と売上増大量、または損失の見積もりを含む。

John Jullens, Partner, Strategy&, China

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何が必要かを把握する

ある世界的食品メーカーがサウジアラビアのFMCG業界への市場参入を検討する際、 適切な現地流通パートナー選定のサポートのためにPwCにコンサルティングを依頼した。大量の商品を多数の小売業者に多地域へわたり流通できる能力だけにとどまらず、PwCはパートナーに求められる以下の要素を追求した。

• サウジアラビア国内における長年の業務実績

• クライアントの製品ポートフォリオに関連する業界専門知識

• 強固な現地のビジネスコネクション

• 業界内での評判と誠実さ

• 効率的に商品をマーケティングし販売を促進するコミットメント

• 明確で透明性のあるコミュニケーションプロセス

• 先進国の商慣習への理解と支持サウジアラビア

Philip Shepherd, Partner - Advisory,PwC Middle East

11Presence to profitability

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12 Presence to profitability

規制への対応

ビジネス環境を理解することは、適切なパートナーを選ぶ上での

重要項目である。多くの場合、貴社の業界にもよるが、現地法規制により、パートナー候補の範囲は制限を受け狭められることがありま

す。そのため、規制上の要求を明確に把握しておくことにより、時間と費用の浪費を避けることができる。

同様に、二次的製造および梱包にかかる規則はパートナーに要

求される能力に影響する。例えばインドネシアの製薬業界では、現地流通用の製品には現地製造が義務付けられている場合があり、貴社の選択肢を狭めることも考えられる。

例えば、東南アジア諸国連合(ASEAN)における自動車産業の国内調達規制は、ASEAN域内で差異が存在するものの、一般的に30-40%を要求しており、域外自動車インセンティブプログラムとは異なる計算式が適用される。現地調達には国内輸送費用と倉庫費用が発生するため、流通パートナーの選択によって現地調達コストの見積もりに影響が出てくる。

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13Presence to profitability

クライアントは、検討していたジョイントベンチャーにかかるリスクが許容範囲内であることに満足し、PwCと共同で現地経営陣と従業員に反贈収賄および反腐敗トレーニングを提供した。

現地マスメディア、オンライン資料および公開資料から英語とミャンマー語によるパブリック・ドメイン・リサーチを実施

野党の情報およびビジネス界の重要人物の記録

PwC独自の業界リスクおよびコンプライアンスデータベース、ならびに国際メディアアーカイブの活用

国内の企業に関する公開資料から調査対象の主要人物を特定

ミャンマー

法規制の順守

ある米国企業がミャンマー国内のインフラ開発プロジェクトに関し、ヤンゴンにおけるジョイントベンチャーの可能性を評価した。当該プロジェクトは政府入札により業者の選定が行われる予定だったため、評価の過程で政府高官への贈賄などの不正の可能性が浮上してきた。

米国企業は、米国海外腐敗行為防止法(FCPA)の規定により、新規事業の取得または既存事業継続のための外国政府関係者への贈賄行為を禁止されており、当該企業はPwCにコンサルティングを依頼し、以下のツールを活用し 潜在的パートナーに対する風評面でのデューデリジェンスを実行した。

Mark Brown, Director, Forensic Services, PwC Singapore

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リスクと持続可能性

外国企業にとって、現地規制当局が許可する業務内容の理解とともに、潜在的パートナーシッ

プのビジネスリスクと持続可能性を評価することが必要不可欠となる。断片的で広大な流通ネットワークの下では損失、盗難および知的財産権侵害のリスクが増加することは避けられない。これら

の財務的リスクから身を守るには、徹底したデューデリジェンスが必要です。しかし、適切な意思決定を下す際に十分な情報が利用可能であることはまれであるため、調査対象企業の評判と組織的背景に対する現地評価の必要性が生じる。成長市場での事業には先進国の慣行が通じず、働き方の違いに戸惑う可能性もある。

インドネシア

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15Presence to profitability

ブランドリスクの管理

PwCは、ある大手自動車OEM (相手先商標製造会社) から、自社のインドネシア市場における成長と利益拡大を図るために、どのように流通業務を最適化できるかコンサルティングの依頼を受けた。当該OEMはインドネシア国内のあるパートナーと既に8年間業務を提携してきた。

初期のレビューにおいて、自動車がインドネシア国内に輸入される際に、当該パートナーが不正確な仕入価格を報告していたことが判明した。この仕入価格の不正確さによって、当該パートナーは多大なコスト削減を行っていたが、これは明らかにインドネシア関税法に違反していた事実が浮き彫りになった。

この結果、インドネシアにおける当該OEMの収益性は、現地法規制の違反を前提とし、なおかつ持続不可能なビジネスモデルに基づいていることが分かった。仮にOEMまたは別の流通業者が自動車にかかる輸入税額を適切に支払っていた場合、収益性は期待されたレベルよりも格段に低くなっていたことが予想される。

当該OEMは、当該パートナーに対し輸入税の過少申告を即刻改めることを要求するか否かの難しい決断を迫られた。行動の遅れはブランドの信頼を汚す恐れがあり、かと言って行動を起こせば当該パートナーの収益性を損ねるばかりか、過去の輸入に対する税関の事後調査のリスクが生じることになり、意思決定の上で重大な岐路に立たされることとなった。

重要点:

外国企業が自社のブランドを保護するにあたって、現地流通パートナーが法規制を順守しているか否かを把握するためのコンプライアンスチェックは一考に値する。

インドネシアでは輸入自動車の不適切な関税申告は多数報告されており、現地企業は長年この種の手段を利用してきたことが伺える。しかし、インドネシア政府は不正防止と透明性の向上の観点からこのような制度の抜け穴をふさぐ動きを見せており、法規制順守を取り巻く環境は変化している。

現地流通パートナーが罰せられれば、矢面に立たされるのは知名度が確立されたOEMであることを忘れてはならない。

Frank Debets, Managing Partner, Customs andInternational Trade, PwC WorldtradeManagement Services (WMS) Singapore

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16 Presence to profitability

また、現地の有力な流通パートナーは政治的または軍事的コネクションによって成り立っている場合があり、

パートナーの選択にあたり自社の評判に対するリスクも考慮しなければならない。このような政治的・軍事的関係が事実として浮かび上がった場合、外国企業の成長市場内外での事業に悪影響を及ぼしかねない。多く

の場合、現地流通業者が規制当局と築いてきた長年の関係によって日々の業務が支障なく進むことは確かです。しかし、これは法規制順守に違反する事態を招くことも考えられる。事態が変化すれば、例えば新政権の誕生や反不正機運の高まりによって、法規制に触れる行為はサプライチェーンリスク、追加コストの発生およ

びブランドリスクを招くことになりかねない。成長市場では、流通面のコントロールを意図する外国企業は、現地流通業者が過去に直面した規制要件よりも厳格な規制要件を突きつけられる可能性がある。

自由貿易協定 (FTA) – ベトナム/インドネシア

長年にわたり、ある大手日用品メーカーはアジア全域の関連企業向けにインドネシアで製造を行う一方、ASEAN FTAの恩恵により数百万米ドル(USD)のコスト削減を実現してきた。

ある時、ベトナムへの定期船積みスケジュールの変更によって、異なる税関職員がASEAN FTAの関連文書をレビューすることになった。ほどなくベトナムの税関において、税関申告書について正確性が疑われる記載が発見され、ベトナム当局からインドネシア側へ確認を求める正式な政府要請が出される事態となった。

インドネシア政府の回答が保留となっている中、当該の企業はPwCに対し、インドネシアから出荷された自社製品がASEAN FTAの条件下で「インドネシア製」に該当するかどうかの調査を依頼した。

調査の過程で、当該インドネシア製造会社は第三者物流(3PL)業者にASEAN FTA関連文書の作成を依頼しており、文書作成依頼を受けた会社は製品や製造過程に関係なく同様の記載を全ての書類に適用していた事態が明るみに出た。最終的に、22の個別の製品タイプがインドネシア製として申告されており、 ASEAN FTAによる優遇措置を長期にわたり不適切に享受していた事実が判明した。

クライアントへの潜在的リスクは600万米ドル(USD)以上と計算され、優遇措置に基づいた上記製品に関する財務モデルは完全に一から策定し直すこととなった。

ベトナム

Frank Debets, Managing Partner,Customs and International Trade,PwC Worldtrade ManagementServices (WMS) Singapore

インドネシア

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17Presence to profitability

出口戦略

たとえ、上述した全ての検討事項を評価し、首尾よ

く現地パートナーを特定し成長市場参入への足がかりを築いても、成長市場における状況の変化は急激であることを外国企業は認識しなければならない。

成長市場参入時には成功した流通戦略であっても市場拡大には最適ではない場合があり、また消費者

ニーズは急速に多様化しており、当初の流通計画では想定されていなかった顧客層も出現するかもしれな

い。そのため、外国企業には臨機応変に当初の流通計画を市場環境に順応させることが求められる。このような状況に対応するため、既存の流通パートナーの業務能力を拡大することが必要になることもある。

しかし、時には新規パートナーの採用、もしくは既

存パートナーシップの解消や独自の流通網の確立を模索するといった、一層難易度の高い選択肢の採用が必要になる場合もある。成長市場参入時に先を見

据えた計画を準備することで、適時の市場拡大への移行が容易になる。

総括すると、成長市場参入のための現地パートナー選択に際して、流通領域や施設・設備にとどまらず、より広範な選択基準を考慮する必要がある。具体的には、外国企業と現地パートナーとの相互関係、

相対的支配力および影響力、ならびに協力関係から得られる相乗効果、現地および国際的法規制順守、

そしてブランド、製品、風評面のリスクが挙げられる。これらの点は現地の現状を細かく確認することで理解を容易にする側面があり、広域な海外事業を統括する経営陣は現地の事情に必ずしも精通している訳ではないため、実務上の評価やマネジメント・バイ・インの実行には体系的なアプローチが欠かせない。これら一

連の意思決定には、実行可能な選択肢が無い場合の完全な市場撤退も視野に入れた出口戦略が必要不可欠である。

Exit

長期にわたり培ってきたパートナーシップは有益で有効であると思われがちだが、時にこのような長期提携関係が貴社の事業を束縛するような事態も有り得る。ある日本の日用品メーカーは、現地流通パートナーと市場参入から30年間の提携関係を築いてきた。しかし現在になって、この流通パートナーが現地消費者層のターゲット変更に難色を示しているため、日本メーカーにとって高収益性が見込める富裕層への戦略拡大に支障をきたす結果となった。

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18 Presence to profitability

成長市場に特有の複雑な流通事情を考慮すると、理想的なパートナーシップを構築するには、単に取

引上の目的達成や売上の主要業績評価指標(KPI)を追い求めるだけでは不十分である。事実これらは重要であるとは言え、より有効的な提携関係をも重視することにより、特定の国や地域における成果が期待できる。

売上目標や契約条項をパートナーシップという建物を構成するのに不可欠なブロックにたとえるならば、

関係強化の取り組みはまさに、それらを固く結びつける接着剤になぞらえることができ、パートナーシップの成功や収益性に寄与するものと言える。

円滑なパートナーシップ運営のために

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19Presence to profitability

• 不慣れな状況下では、気心が知

れたパートナーに惹かれがちである。しかし、能力重視のアプ

ローチのほう が高い収益性を実現できる可能性が高まる。

• 中国では市場関係者との関係構

築がビジネスの重要な要素である。しかし、この「関係(中国語で

コネを意味する)」は多く の場合、

過大評価され誤解されている側面もあり、急速に重要性が薄れている。*

• 中国では顧客、パートナー、市場

が急激に変化しており、外国企業は複数のパートナーを視野に

入れた柔軟なパートナー戦略が求められる。

• 有益なデータは常に手に入ると

は限らないため、有効な関係を構築し、偏りのない、信頼できる見

地から情報をえり分けることが重要である。

• 経営上の重要人物を特定し、彼らの目的を理解する必要がある。

• 貴社と相手方の利害が一致しな

いこともあり、多くの場合、政府が関与することもある。

• 関係重視の経営環境であっても 、

意思決定プロセスおよび役割と責任を初期段階で明確にするこ

とが肝要である。これにより、将来

的に起こり得るトラブルの芽を事前に摘むことができる。

• 中国企業の中には、たとえ洗練

化が必要であっても、従来の企業価値を脅かすよう な急激な変

化は受け入れない企業もある。

• 何に変化を求め、何を「現地のまま」残すか慎重に検討を重ねることが大切である。

• 信頼できるパートナーシップの実

現には、経営上の共同目標達成へのコミットメントを明確にし、従

業員のモチベーショ ンを引き出し、

双方の経営陣が意思決定に積極的に関与することが必要不可欠である。

関係(コネ)に惑わされない能力ギャップを埋める 柔軟性を保つ 価値ある情報を追求する

信頼を勝ち取る経営統合には慎重を期す経営上の権利を事前に確認する

利害関係の徹底的な分析を実施する

図 3

中国の事情を考慮したパートナーシップの主要8原則

数多くの外国企業が中国市場に参入して数十年になるが、有効な現地パートナー管理や収益性の確保は依然として容易ではない。以下の主要原則は、中国の事情を考慮しまとめたものである。

中国

出典: Jullens, J., “Solving China’s M&A Maze”, Strategy + Business, April 1st 2013*中国における関係の概念は相互扶助とその影響力の強化を促すサイクルに基づいており、贈答品などを送る行為が一般的である。

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20 Presence to profitability

現地の事情に則したパートナーシップ協定が「Presence」の早期確立を可能にする

契約履行の程度は、潜在的なその他のパートナー数、新規パートナーシップ構築の難易度とコスト、法

規制、そして商慣行などの現地の要素に左右されるため、契約上の同意事項は確かに重要ですが、優先度の高い検討項目は状況により大きく異なる。基本的な契約条項は成熟市場と相似する部分が有るかもし

れないが、成長市場の事情に合わせて臨機応変に内容を変更していく柔軟性が求められる。

組織構造

契約上の検討事項として、相応な権限、ガバナンスおよび統制方針の組み込まれた組織

構造を構築することがまず挙げられる。しかし、これには成熟市場で常識とされるビジネス構造にメスを入れることも時として必要となります。経営判断は現地主導で行う必要性が生じ、より一層の柔軟性が求められる。しかし、これは見方を変えると、ビジネスおよび風評面のリスクを管理するための統制が現地レベルで整備されていることを意味し、外国企業本社およびその経営陣に安心感を与えるという側面もある。

現地目線の目標とそれに対する責任

上記のハイブリッドな組織構造に加え、実現可能な目標と責任の明確な定義が必要にな

る。現地の商慣行が原因で、この定義に対する共通の理解に影響を与える可能性も否定できない。具体的には以下の例が挙げられる。

• 中国における政府関連の企業またはジョイントベンチャーには、一般的に共産党の委員会が内部に設置されている。この委員会は直接的な事業責任を負わないが、事業体の社会的および政治的義務について管理・監督を行い、事業プロセスと経営判断に対し重大

な影響を行使することができる。

• インドネシアの会社法では、有限責任または「PT」会社は日常業務に責任を負う取締役会とその取締役会を監督する監査役会を設置する義務がある。この制度により、利害関係と交渉が複雑になることが懸念される。

成長市場におけるパートナーシップの各当事者にはそれぞれ異なるビジネス上の目的が

ある。現地パートナーに有利な力関係が存在することを認識し、契約交渉時点で双方に何が期待されているかを明確にし、合意を得ておくことが市場参入の成功の鍵となる。

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21Presence to profitability

業績評価

上記のシステムやプロセスが整備されていても、成長市場で得られるデータは成熟市場に

おけるデータの有用性や正確性と比べて十分ではない場合がある。そのため、契約に記載される業績評価指標とメトリクスは現地環境に則したものでなければならない。

21Presence to profitability

将来に向けた計画

上記の契約は通常、成長市場参入の段階で作成されることを考慮して、将来的な市場拡

大の段階で必要となりうる提携関係を視野に入れた条項、または最悪の場合に備えて市場撤退のメカニズムを規定した契約条項を盛り込むことが望まれる。この「事前の覚書」には特定期間経過後のパートナーシップの見直しを規定する条項、パートナーシップ持分の増加または放棄のオプション、あるいは提携関係の範囲にかかる制限などを盛り込むことが想定される。

タイムライン

業績評価指標とメトリクスに加えて、契約には明確で現実的なタイムラインの記載が必要に

なる。新しい流通ネットワークの整備に際し、現地のビジネス環境、商慣行および法規制が障害となり多くの時間を費やすことも考えられる。例えば、インドネシアでは食品の栄養表示ラベルの記載変更は規制当局の承認が必要で、一般的に6週間程度の時間がかかる。一方、中国では営業許可の認可が下りるまで都市や省により異なりますが、6カ月以上の時間がかかる。

システムとプロセスの統合

成長市場に参入しようと試みるあらゆる業界の企業が直面する共通の課題に、現地流通業

者だけでなくその背後に存在する需要のサインを読み取る能力の欠如がある。そのため、流通業者の稼動状態と消費者行動を把握できるシステムおよび処理能力のレベルについて合意を得ておくことが必要になる。さらに流通ネットワークには複数の小規模業者が関与していることで、事態をさらに複雑化している。従って、流通業者間のオーバーラップと取引業務に対処するために、組織構造について追加の管理および技術面のサポートを考慮する必要が

ある。結果として、事業体設立時に採用した汎用的なベンチマークには関連性が欠けることも考えられ、流通パートナーの専門性の程度および有益な消費者データ提供に対する意向を確認することが必須である。

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22 Presence to profitability

有効な提携関係は収益性につながる

パートナーシップが単なる「Presence」のみではなく「Profitability」を実現するためには、有効な提携関係

が何よりも重要になる。外国企業の成長市場における「Presence」が過半数の株式取得によるものであれ、パートナーシップによるものであれ、権限や利権に依存する関係から信頼を基に構築された関係へと迅速

に移行することが理想的である。

現地の営業要員のモチベーションを引き出し、売上を増加し、市場シェアと市場情報を獲得し、本社経営陣をも納得させる結果をもたらすには、強固で信頼に基づく提携関係が必要不可欠である。

成長市場で成功するビジネスを築きあげるには避けられないコストがあり、有効な提携関係は最も重要な要素になる。このような理想的関係の構築において、最も高額な投資は「時間」そのものであるため、その価

値は損益計算書上では測れない性質のものである。それゆえ、本社経営陣には収益性を確保できる関係構築には時間がかかることをしっかりと伝え、現地での意思決定を不要に急がせるプレッシャーを排除することが重要である。結局のところ、デューデリジェンスを実施して適切なパートナーを見つけること自体が

ゴールではなく、そこから構築する関係が長い目で見て有益であることを保証するための取り組みが重要となる。

ある日本の複合企業がタイの潤滑油製造メーカーを買収対象として検討した際、最も重要視した点は当該メーカーの流通業者との長年にわたる提携関係であった。現地の業務提携関係の価値評価は困難を伴ったが、このような提携関係が売上の原動力であることが認識された。

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23Presence to profitability

トレーニング/スキルアップ

ある欧州の運送会社は、社内のグローバル・ファイナンス・チームを受動的な記録管理者から能動的なビジネスパートナーへと変革させることを望んでいた。この課題で重要な点は、フィリピンに設けられた財務会計および報告機能と、欧州、北米および中国の各経理担当管理者との間の対話であった。

この欧州企業はフィリピンのチームと各地の経理担当管理者との間のコミュニケーション改善のためのグローバル・トレーニング・プログラムを実施するために、PwCにコンサルティングを依頼した。当該プログラムでは、理想的な行動およびコミュニケーションスタイルに対する見識を提供し、双方の対話スタイルのロールプレイングおよびチームメンバー一人ひとりの全体的なコミュニケーションと対話能力を改善するための「ゴールデンルール」に基づいたロードマップの作成を実施した。このロードマップとゴールデンルールはその後、企業グループ全体で共有された。

当該企業のグループ全体のファイナンス部門のほぼ全員が当該プログラムに参加した。最終的に、当該プログラムによりグループ全体のファイナンス部門でコミュニケーションに対する共通認識が生まれ、相手が同じ国の同僚であれ、地球の裏側のビジネスパートナーであれ、より有効的に業務を遂行するための手段に対する一層の理解が進んだ。

フィリピン

Martijn Schouten, Director,PwC South East Asia Consulting, Singapore

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業績評価

信頼の構築は組織内において容易ではない。文化の異なる二つの独立した組織にわたりそれを実現するのは、まさに大仕事である。具体的な

方法として、現地パートナーに純粋に耳を傾けることから始めると良い。新しいルール設定の前に、営業チーム、プロセスの効率およびインセンティブの背後にある理由を評価することが大切である。貴社が既に現地のパート

ナーとして選んだということは、そのパートナーに魅力を感じる点があるということである。その魅力を尊重し、パートナーの強みを、人材面であっても業務プロセス面であっても、そのまま生かすことが重要である。

意見の尊重 vs 意見の押し付け

現地目線の目標と責任

仕事のスタイルを変えることを好ましく思う人は数少ない。特に、今の仕事のやり方で長年結果を出し

てきた人であればなおさらである。長年にわたり日用消費財を扱ってきたチームが「高付加価値商品の販売による市場シェア拡大」というような戦略を受

け入れるには、販売戦術の見直しが必要になる。これには経営陣がトレーニング、スキルアップおよび

コーチングにしっかりと時間をかけるだけでなく、組織内に与える変化を熟考し、体系的な変革を実行することが肝要である。具体的には、会計基準など

の必須検討項目から始め、贈答品に対する会社方針などのその他検討項目に徐々に範囲を広げて取り組んでいくことが賢明である。

計画性 vs 機敏性

組織構造

ほとんどの成長市場において、物やサービスを売る上で大切なことは、単に自社や関連会社の社員に営業をさせるだけではなく、彼らから「営業したい」というモチベーションを引き出す

ことである。これは現地営業チームが、貴社の一員であると思えることで実現する。また、現地パートナーを戦略会議に関与させ、彼らに意見を求めることで信頼の獲得につながる。さらに、研修や出向といった社内制度が、対話型の文化を育む土台となる。具体的には、現地チーム

の主要社員を外国企業の本社に招き一定期間業務を経験させることが望ましく、外国企業本社から現地に人材を派遣する従来の考え方とは逆の発想が必要である。

対話型 vs 指導型

システムとプロセスの実行

外国企業は自身を現地パートナーの立場に

置かずに行動してしまうことが多々有る。ここで重要なのは、現地パートナーが変化と統合を主導する関係者と円滑に、かつ積極的に対話ができる

ことを保障することである。これはインテグレーター

(組織のまとめ役)の役目であり、組織のトップオペレーター(敏腕社員)の役目ではない。一般に、オペレー

ターは売上目標を重視するものであり、その目標達成のための適切な人材配置には関心を持たないもので

ある。そのため、本社機能を理解するとともに、現地の状況を把握し、かつ理想的な現地パートナーシップ

構築に心血を注ぐことができるような適切な人材を特定することが重要課題となる。信頼獲得の最善の方法の

一つとして、双方が信頼する仲介人を設けることも

検討に値する。

インテグレーター vs オペレーター

図 4

全てのパートナーシップにおける

五つの重要な提携関係の力学

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25Presence to profitability

円滑なパートナーシップ運営のために

ある国際的なパッケージング(梱包材)メーカーが、アフリカにおける流通業者と数年間パートナーシップを組んでいた。しかし、提携関係について両者は互いに不満を抱いていた。当該メーカーは流通業者が価値の創造も成長も実現していないと感じており、一方で流通業者は現地の競争激化の中で収益拡大を望んでも当該メーカーがそれを優先的に考慮していないと感じていた。このような状況下、関係の改善が進むことはなかった。

当該メーカーは、以下の項目に重点を置く顧客満足プロセスに取り組むため、PwCにコンサルティングを依頼した。

• パートナーシップの有効な機能を妨げる要因

• 信用の構築方法

• 両者の成長戦略のための同意を得た作業計画

経営目標と変化へのコミットメントを確立させ、PwCは当該メーカーのパートナーの事業を対象にヒアリングを重ねて当該メーカーをサポートした。また、彼らの提携関係に潜む重要課題とリスクを特定するため、顧客情報を分析した。

タイムライン

「追ってメールいたしますが、プロセス変更は一両日中に実施される予定である」というメッセージの受信から何カ月たってもそれが実行に移されない―そんな経験をお持ちかもしれない。

実際、どのような手段を選択してコミュニケーションを図るかということが、会社のメッセージの伝達において重要な位置を占めている。成長市場においてはコミュニケーションはより直接的に個人レベルで行われる傾向にあり、物やサービスを売るという行為は成熟市場と比較してよりカ

ジュアルなシーン(食事の合間に、ということも多々有ります)で行われることが一般的である。時に、システム変更や企業目標をメールを介してコミュニケーションすることは人間味に欠けると受

け止められる。オープンで透明性の高いコミュニケーションスタイルを実現するならば、貴社のパートナーが貴社の文化と物事の進め方を受け入れようと促すことができる。彼らの支持を取り付けることができれば、変化に対する抵抗は薄らいでゆくはずである。信頼と理解が得られれば、貴社の理想のコミュニケーション方法に近づくことができると考えられる。

コミュニケーション – 送信者 vs 受信者

ヒアリングの結果は両者の経営陣によって率直に議論されました。両者の間でビジネスの優先度、望ましいアプローチ、機会およびリスクに対する共通の理解が得られたため、長期的戦略の行動計画が共同で策定された。

有意義なパートナーシップを維持するには勇気、コミットメントおよび時間が必要である。今回のケースでは、当事者が真のパートナーシップを実現するのに実に7年もの歳月を費やしました。問題に正面から取り組むことにより、当該メーカーは顧客満足度を 5分の3から 5分の4へと改善させることに成功した。

アフリカ

Peter A. Hoijtink,Associate Director - Advisory,PwC Africa (South Africa)

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26 Presence to profitability

ひとたび、初期のGTM戦略によ

る 「Presence」を確立した後は、企業は流通ネットワークを次のレベル

に成長させることに集中しなければならない。これには地理的領域やチャネル領域の拡大だけでなく、新

顧客層や新技術が頻繁に台頭してくるダイナミックな市場の中で、収

益力を確保しながらサービスを提供していく能力にも関係してくる。

また、潜在的な顧客ニーズ、イン

フラ、そして規制環境が予想できない形で同時に変化する中で、上記

の全ての事柄が現在進行形で起こっている現実を直視しなければならない。

次のレベルへの成長

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27Presence to profitability

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地理的拡大

今後必ず、外国企業は当初の流通ネットワークを新しい地域に拡大することを視野に入れるように

なるであろう。これは、流通能力が不十分なバイヤーと未整備のインフラしか存在しない小規模都市や農村地帯に対処しなければならないことを意

味する。既存の現地パートナーでも、新しい地域では収益力を維持したままサービスを提供するのは

困難なこともあるため、外国企業は往々にして初期のGTM戦略の見直しを迫られることになるであろう。

例えば、一部の欧米家電メーカーは、商業不動

産およびストア・イン・ストア(百貨店などの内部店舗)市場を設置するその他サービスを提供し、北京

や上海など大都市で成功を収めてきた蘇寧などの

成熟化する消費者

同時に、企業は大都市においても既存流通ネットワークを再評価する必要が出てくるが、

それには別の理由が存在する。課題となるのは、全般的に成長市場の消費者は自ら学習し、知識の習得に余念がないという事実である。彼らは奢侈品に対して市場価値を超える価格には抵抗感を示すだけでなく、日用商品に対しても価格と価値の間のトレードオフに

非常に敏感になってきている。さらに、彼らがよりクオリティーの高いカスタマーサービスを求めてくるのも時間の問題であろう。

例えば、最近になり中国人消費者は、自分たちが欧米の消費者と比べて自動車およびアフターサービスに多大な出費をしていることを自覚するようになった。このような背景から、従来あまり表に出ることがなかった独禁法の下で北京の中央政府が動き出す事態となり、結果として複数の外資系自動車メーカーおよび部品メーカーに罰金が課せられた。

現地小売業者とパートナーシップを組み中国市場の参入に成功した。

しかし、中国の小規模都市や農村地帯における市場では、このような小売業者が収益性を確保しつつ事業を継続していくのに必要な顧客密度が存在しな

い。さらに、関連した市場動向として、中国人消費者はオンラインショッピングを活発に利用している背景

があります。事実、中国は既に世界最大のオンラインショッピング利用者数を誇っている。結果として、蘇寧でさえも商品カテゴリを拡大し、オンラインとオフライン

の売上をより一層統合するために、自社のビジネスモデルの改革を懸命に進めている。

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29Presence to profitability

インドにおけるコカ・コーラの効果的成長:現地パートナーと自社流通手段によるハイブリッド・チャネル・ミックスの活用

われわれが「コカ・コーラ・システム」と呼ぶ広大な製造および流通ネットワークは、われわれが事業を手がける207カ国の全てを網羅するもので、インドにおけるわれわれの事業の中核を成すものである。われわれのビバレッジはわれわれの顧客である、食料雑貨店、小規模小売店、ハイパーマーケット、レストラン、コンビニエンスストアおよび流通の末端である何百万の業者を通じて、最終消費者に届けられる。

ここで重要なのは、マーチャンダイジング、販売、受注プロセスを含む、われわれの顧客との関係がコカ・コーラ・システムによって管理されることであり、われわれは同システムの守備範囲と処理能力の拡大に努めている。配送は店舗直送(DSD)、流通業者モデルおよび農村地帯向けのハブ・アンド・スポーク流通モデルによって実施している。

われわれは、既存流通システムを拡大し、広大な鉄道網や、オンラインおよび大型小売店などの新たなプラットフォームに進出することにより、全てのFMCG販売経路の占有率を現行の30%超から引き上げることを将来的な成長戦略の焦点としている。

Sanjeev Kumar, Chief Financial Officer, Coca-Cola India

高まる柔軟性、さらなるコントロール

これに対し、多くの多国籍企業は現地流通業者に頼るのではなく、透明性と店舗内能力を改善す

るために、既存の流通ネットワークのより一層の統制管理を迫られている。また、多国籍企業は新しい顧客層と市場を開拓するために、代替的なアプ

ローチ、パートナーおよびビジネスモデルを同時に試験運用しなければならない。

鍵となるのは、例えば高い顧客密度と洗練性を併せ持つ大都市と、顧客および収益性の面で異なる特徴を持つ小規模都市とにそれぞれ特化した戦

略を可能にする、現地目線の細かいアプローチの採用である。これに加えて、特定の顧客層または市

場の特別なニーズへの包括的アプローチをカスタマイズするための十分な柔軟性が必要になる。

その結果、各顧客層または地理的市場におい

て最適である販売および流通モデル(例:オンライン対オフライン)や、販売要員の役割とプロファイル

(例:新規顧客獲得を担当する営業員、ビジネスアドバイザー、店内マーチャンダイザー)の違い、多国籍企業が自社で流通チャネルを持つか第三者と

パートナーシップを組むか、という種々の要因を組み合わせてカスタマイズされたGTM戦略のパッチ

ワークが出来上がる。

当然のことながら、このようなパッチワークの作成は、ほとんどの企業にとって経営、組織、さらに評

価の面で大きな課題となる。

換言すると、既製の流通ネットワークが不十分であ

り、ビジネスおよび規制環境も急速に変化している場合、現地の流通能力に投資し、現地組織に真に有益

な意思決定の権限を与えることが必要不可欠である。これは重複やそれにより生じる効率の悪化のみならず、企業にとって最も重要である成長市場における

経営支配力の部分的喪失を示唆するため、多くの企業が悪戦苦闘する。

しかしながら、ほとんどの外国企業にとって、自国の快適な成熟市場にとどまったままでは成長市場特有の複雑さとスピートに対処することは不可能である

ため、この問題に対する選択の余地はほとんどない。この状態から抜け出せないままでは、本社の意思決

定は非常に遅れをとったものとなる。それどころか、成長市場における競合他社が日々強大で鋭敏さを増してくる状況下で、本社による意思決定は最適化され

ず、往々にして非生産的となります。結果として、ほとんどの企業はグローバルな組織構造から、より一層柔

軟な組織形態へ移行しなければならなくなると考えられる。いくつかの重要な経営権限の再規定だけで十分な場合もあるが、完全な組織上の再設計が必要になる場合も出てくると考えられる。

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30 Presence to profitability

多くの企業が現在複数の成長市場にわたり「Presence」を確立している

が、株主に受け入れられる収益レベルの達成は依然として容易ではない。市場の複雑さの中で正しい方向にかじを切るには、成熟市場で収益性を

実現できた過去の成功とは異なる戦略が必要になる。しかし、成長市場において急速に変化するビジネス環境に対処し、消費者の期待に応えるために、このアプローチには機敏性が備わっていなければならない。

本稿で取り上げたように、成功の鍵は適切なパートナーを見つけることである。従って、成長市場で発展する企業は、単純な市場到達能力のよう

な既知の能力重視の選択基準と、それに基づく実績主義の評価に加えて、取り組みをおろそかにすると収益性とブランドを深刻に傷つける可能性をはらんだ幅広い検討事項を熟知している必要があることに注意しておくべ

きである。

潜在的パートナーを入念に選別し、現地および国内の規制と貿易協定

を完全に理解し、その規則に従うことは時に煩雑に思えることもあるかもしれないが、新たな収益が獲得できるのか、それともブランドと収益性に多大の損失を出して市場を撤退するのかの明暗を分けるものとなる。

成長市場における理想のパートナーの選択基準は成熟市場とは異なるが、有効な経営にも同じことが言える。双方にとって効果的で有益な提携

関係を築くことは成功に不可欠である、パートナーシップを組むに至ったそもそもの理由に忠実であり続けることも同様に欠かせないポイントである。成長市場において、より伝統的なプロセスへの急激な変化は成熟市場の

常識に照らし合わせればそれほど効果的ではないこともあり、多くの場合、パートナーシップの利点を相殺してしまうであろう。

有効で収益力のあるパートナーシップの構築は将来の成長を保証するものではなく、多くの場合、今後のより一層の成長と収益力へと続く道のりにはさらに多様なパートナーシップの組み合わせ、または全く異なるパート

ナーシップの形態が存在するかもしれない。「Profitability」は成長市場における「Presence」がもたらす必然的な結果ではないため、特定のパート

ナーシップには寿命があることを認識し万全な備えがあれば、チャネル戦略を適応させ、成長性を実現し、絶えず変化し続ける市場環境に対応していくことが可能である。

結論

Presence to profitability

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成長市場における手法

Businessenvironment

Financial &Human capital

Mindset &Expectations

Investmentroadmap &partnerships

Leadership,talent &governance

Culturalcapital

Regulation& taxstructure

Institutionallandscape

Country andstrategy risk

%

ビジネス環境:

ある国・地域の政治的および経済的安定性を含む、法規制に関連する複雑さの認知

財務と人材面の資本:

人材の獲得、パートナーシップの発展、財政サポートの確保、文化の違いに対する理解などを含む、「ソフト面」の課題への取り組み

Mindset &expectations

Growth Markets Centre (GMC)について

PwCのGrowth Markets CentreはPwCとStrategy&が有する成長市場の専門知識を世界中から集結させ、

私どもの成長市場における手法を活用し、市場参入と拡大に関する貴社のニーズにお応えします。

マインドセットと期待:

マインドセットの変化により成長市場これら全ての要素を結びつけること

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33Presence to profitability

価値の提案:

新市場または地域の魅力度の分析、適切な顧客層の特定、市場に投入する製品・サービスとその価格の評価

複雑な新市場における貴社の収益性実現をご支援します。

Operatingmodel

Valueproposition

Mindset &Expectations

Marketpotential

Customersegmentat ion

Product/service &pricing

Channel

Operatingprocesses

Supply chain

事業モデル:

市場内で調達、製造、流通を有効に実行するための専門知識について、グローバルとローカルの観点からバランスを確立

における成功の鍵が明確になり、が可能になります。

Mindset &expectations

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お問い合わせ

坂野俊哉パートナー[email protected]

080-9658-2388

服部真ディレクター[email protected]

080-9692-7825

小原林也シニアマネージャー[email protected]

080-9421-6923

謝辞

Mark BrownForensic Services, PwC Singapore

Frank DebetsCustoms and International Trade,PwC Worldtrade Management Services(WMS) Singapore

Peter HoijtinkAdv isory, PwC Africa (South Africa)

Sanjeev KumarChief Financial Officer, Coca-Cola India

Nisrita SangaramTransaction Strategy, PwC Singapore

Martijn SchoutenPwC South East Asia Consulting, Singapore

Philip ShepherdAdv isory, PwC MiddleEast

LeandroSpadiniAdv isory, PwC Brazil

ShashankTripathiAdv isory, PwC India

本稿出版にご尽力くださった上記の諸氏に加え、Strategy&の各国の同僚に心から感謝いたします。

プライスウォーターハウスクーパース株式会社

〒104-0061 東京都中央区銀座8-21-1 住友不動産汐留浜離宮ビル

03-3546-8480(代表)

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35Presence to profitability

PwCの調査/研究

Through the Looking Glass: What successful businesses find in India

Multichannel strategy

Growth in new markets: It’s all about how

Profitable growth strategies for the Global Emerging Middle:Learning from the‘Next 4 Billion’markets

Customer-centricity and selective capillarity:A multichannel strategy for telecomoperators

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PwCは、世界157カ国 に及ぶグローバルネットワークに195,000人以上のスタッフを有し、高品質な監査、税務、アドバイザリーサービスの提供を通じて、企業・団体や個人の価値創

造を支援しています。詳細は www.pwc.com/jp をご覧ください。

PwC Japanは、日本におけるPwCグローバルネットワークのメンバーファームおよびそれらの関連会社(あらた監査法人、京都監査法人、プライスウォーターハウスクーパース株式会社、税理士法人プライスウォーターハウスクーパース、PwC弁護士法人を含む)の総称です。各法人は独立して事業を行い、相互に連携をとりながら、監査およびアシュアランス、

アドバイザリー、税務、法務のサービスをクライアントに提供しています。

本報告書は、PwC メンバーファームが2014年12月に発行した『Presence to profitability』を翻訳したものです。翻訳には正確を期しておりますが、英語版と解釈の相違がある場合は、

英語版に依拠してください。

電子版はこちらからダウンロードできます。 www.pwc.com/jp/ja/japan-knowledge/report.jhtml

オリジナル(英語版)はこちらからダウンロードできます。 www.pwc.com/gx/en/growth-markets-centre/presence-to-profitability.jhtml

日本語版発刊月: 2015年2月 管理番号: I201412-4

©2015 PwC. All rights reserved.

PwC refers to the PwC Network and/or one or more of its member firms, each of which is a separate legal entity. Please see www.pwc.com/structure for further details.

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