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南アフリカ共和国の医療事情 2019年 6月 3日 在南アフリカ共和国日本国大使館 医務官 中村燈喜 http://www.za.emb-japan.go.jp/ (日本語) (安全情報→医療情報) 1 衛生・医療事情一般 (1)気候・地誌など アフリカ大陸最南端に位置し,国土は122万km2(日本の約3.2倍)です。 国周囲の南半分 は海岸線に面しており,内陸部には「カルー」とよばれる海抜1,000m以上の比較的平坦な地形 がひろがっています。 また,一部に3,000mを越す山岳地帯もあり,気候はサバンナ気候,ス テップ気候,温暖湿潤気候,地中海気候など多彩で,地域により大きく異なります。 (2)医療水準と健康統計 当国の医療機関は,公立と私立に分けられます。 大都市の一部の私立医療機関の医療水準は日本に比肩し得るレベルですが,これら以外の医 療水準はあまり高くありません。 公立医療機関は,誰でも受診可能ですが,一部では常時人手 不足・医療機器(備品)不足の状態で,やむを得ない場合以外の受診はお勧めできません。 ヨハネスブルグおよびプレトリア周辺のいくつかの私立総合病院は南部アフリカ諸国からの 緊急移送先に指定されており,ヨハネスブルグはサブサハラ・アフリカ以南の緊急移送会社 (インターナショナルSOSなど)の基地となっています。 万一,入院を要するような病状を生 じた場合は,これら都市部の大きな総合病院を受診することをお勧めします。 ただし治療費は 非常に高額になる可能性があります。 主な最近の健康統計は,以下の通りです。 乳児死亡率 :年間の1000出産数当たりの生後1年未満の死亡数 妊産婦死亡率:年間妊産婦死亡数 ÷ 年間出産数(出生数+妊娠満22週以後の死産数) × 100,000 (3)医療制度など 当地の医療機関(私立)の医療システムは日本と大きく異なっているため,受診に際しては 注意が必要です。 当地の私立総合病院は基本的に「医療系企業(その大半がNetcare,Life, Mediclinicという3大グループに属します)」によって運営されており,医師や検査会社(血 南アフリカ 日本 日本との比較 統計年 平均寿命 62.4 84.06 21.66 2016 59.7 80.98 21.28 2016 65.1 87.14 22.04 2016 乳児死亡率 33.7 2.0 16.9倍 2016 妊産婦死亡率 115.8 3.4 34.1倍 2016 医師数 77.8 251.7 30.9% 2016 病床数 300.3 1229.8 24.4% 2016

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南アフリカ共和国の医療事情 2019年 6月 3日

在南アフリカ共和国日本国大使館 医務官 中村燈喜 http://www.za.emb-japan.go.jp/ (日本語) (安全情報→医療情報)

1 衛生・医療事情一般 (1)気候・地誌など

 アフリカ大陸最南端に位置し,国土は122万km2(日本の約3.2倍)です。 国周囲の南半分は海岸線に面しており,内陸部には「カルー」とよばれる海抜1,000m以上の比較的平坦な地形がひろがっています。 また,一部に3,000mを越す山岳地帯もあり,気候はサバンナ気候,ステップ気候,温暖湿潤気候,地中海気候など多彩で,地域により大きく異なります。

(2)医療水準と健康統計  当国の医療機関は,公立と私立に分けられます。  大都市の一部の私立医療機関の医療水準は日本に比肩し得るレベルですが,これら以外の医療水準はあまり高くありません。 公立医療機関は,誰でも受診可能ですが,一部では常時人手不足・医療機器(備品)不足の状態で,やむを得ない場合以外の受診はお勧めできません。  ヨハネスブルグおよびプレトリア周辺のいくつかの私立総合病院は南部アフリカ諸国からの緊急移送先に指定されており,ヨハネスブルグはサブサハラ・アフリカ以南の緊急移送会社(インターナショナルSOSなど)の基地となっています。 万一,入院を要するような病状を生じた場合は,これら都市部の大きな総合病院を受診することをお勧めします。 ただし治療費は非常に高額になる可能性があります。  主な最近の健康統計は,以下の通りです。

乳児死亡率 :年間の1000出産数当たりの生後1年未満の死亡数 妊産婦死亡率:年間妊産婦死亡数 ÷ 年間出産数(出生数+妊娠満22週以後の死産数) × 100,000

(3)医療制度など  当地の医療機関(私立)の医療システムは日本と大きく異なっているため,受診に際しては注意が必要です。 当地の私立総合病院は基本的に「医療系企業(その大半がNetcare,Life,Mediclinicという3大グループに属します)」によって運営されており,医師や検査会社(血

南アフリカ 日本 日本との比較 統計年

平均寿命 62.4 84.06 21.66 2016

男 59.7 80.98 21.28 2016

女 65.1 87.14 22.04 2016

乳児死亡率 33.7 2.0 16.9倍 2016

妊産婦死亡率 115.8 3.4 34.1倍 2016

医師数 77.8 251.7 30.9% 2016

病床数 300.3 1229.8 24.4% 2016

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液・X線など)はこれら各病院の中で開業する形で診療しています(日本は病院が医師を雇い,検査部門を有しています)。 入院,検査(カテーテル検査,内視鏡検査など)あるいは手術が必要となった場合,担当医は病院の施設を借りる形で治療にあたります。 一方,看護師は通常,病院(医療企業)が雇用しています。 よって,治療費は日本のように病院からまとめて請求されるのではなく,治療に関わった各医師,病院,検査会社などからそれぞれ個別に請求され,非常に複雑で煩雑です。  また,入院や手術が必要な場合は,医師や病院に保証金(病気・手術の内容により額は異なります。 実際に必要となる費用よりやや多めに請求されるようです)を支払う必要があります。 保険会社の支払い保証が得られない場合・保証金が払えない場合は入院・手術は拒否されます。 保証金を払えない場合は公立病院に行くことになります。 ですので,必ず十分な額の保険に加入して赴任・旅行していただくようお願いします(海外旅行傷害保険,中長期の場合は当地の私的保険「Medical Aid」などに加入可能です)。

(4)病院受診時のアドバイス  当国では医科・歯科共に,特別な場合を除き直接専門医を受診することはできず,まず一般医(一般歯科医)か救急外来(ER)を受診し,紹介状を得て専門医を受診することになりますので,日ごろよりかかりつけの一般医を決めておくことをお勧めします。 救急外来(ER)以外は受診に関して予約が必要です。 緊急でない場合は,人気のある専門医受診は数か月待ちも珍しくありません。  医師の技術レベルを図る方法はありませんが,著名な病院で開業するにはそれなりの実績が必要ですので,人柄は別として,技術的には,有名な病院で開業されている医師なら信頼できると考えられます。  また病院を選ぶ場合も3大医療系企業の系列病院の多くは,信頼できます。

(5)当地での出産,治療・手術など  心臓移植やロボット支援、低侵襲、カテーテル手術など日本や欧米と同等の高度な治療が行われている国ではあるものの,以下の点から,当地での緊急を要しない高度な検査・処置・手術,さらに出産や乳児(6ヶ月未満)の当地への帯同などはお勧めしません。

(ア) 当地での手術・治療  当地の医師の生命倫理に対する考え方やインフォームド・コンセントの方法が日本と異なる面があり,加えて言葉の問題もあり診療・治療方針等に関してコミュニケーションが取りづらいことがあります。特に,看護師等コメディカルスタッフは英語会話が不十分であったり患者に対して前近代的な対応をすることがあります。また検査値の単位や病気の分類・治療法などヨーロッパ・スタンダードで行われ日本と異なることあり,そのため手術や処置,侵襲的な検査などで,緊急を要しないものは,出来る限り日本で行うことをお勧めしています。

(イ) 当地での出産  帝王切開術はもとよりリスク妊婦管理や硬膜外無痛分娩等の十分な技術を持つ私立産婦人科病院が存在し,個々に応じた様々なバースプランにも対応できます。その一方で,前述の言語や説明の問題だけではなく,早期に自然分娩を諦める点(全出産中,約40%が帝王切開)や助産婦のケア,出産の考え方の日本との差などの問題,妊産婦死亡率が日本の約40倍,乳児死亡率も日本の約16倍という出産・乳児ケア自体のリスクなどが考えられます。初産,特に高齢出産などでは,日本であっても出産には一定のリスクがつきまといます。日本でさえ時に周産期のトラブルで命を落とす例が存在します。  更には,通常の海外旅行保険などでは,正常分娩や出産そのものだけでなく,これに関わるすべての治療が免責,つまりカバーされません。もし胎児仮死や胎盤早期剥離など産科救急となった時も,日本に緊急搬送となった場合も,その費用が保険でカバーされない可能性があるのです。

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 以上から可能な限り日本での出産をお勧めしています。ただし,妊娠経過のフォローアップや切迫流産等の緊急時の帝王切開や未熟児に対する医療的対応は十分可能です。

(ウ) 当地での乳児の帯同  上記に加え,乳児期に必要な定期接種のワクチンの日本と南アフリカの違いによる接種不足や接種過剰の問題、マラリア等熱帯感染症,HIV・結核等も容易に感染し重症化しうる点,その他衛生面からも,特に6ヶ月未満の乳児の帯同(日本から南アにお連れになること)は極力避けていただくよう強くお勧めします。

周産期死亡率:妊娠22週以降の死産数+生後1週までの新生児数 新生児死亡率:生後4週までの死亡数/1000出生数 乳児死亡率 :年間の1000出産数当たりの生後1年未満の死亡数 乳幼児死亡率:生後5年未満の死亡数/1000出生数 妊産婦死亡率:年間妊産婦死亡数 ÷ 年間出産数(出生数+妊娠満22週以後の死産数) × 100,000

(6)水質・食品衛生など  当国に大きな川は存在せず,水は貴重品です。 比較的雨量も少なく,恒常的に水不足の状態です。 大都市では,上水道の検査が定期的に行われ,水質がチェックされていますが,地方では上水道の品質管理が十分にできておらずしばしば問題が発生しています。 飲み水には市販のミネラルウォーターを使用するか,水道水を煮沸して使用するようにしてください。  食品は比較的新しい物が日々供給されていますが,冷凍を要する物は輸送手段・保存手段が未熟なため,冷解凍が繰り返されている可能性がありますのでご注意ください。  また,外食は従業員の衛生意識がしっかりとしたレストランをお選びください。 食品衛生の知識が貧弱な調理人・給仕,食品の販売人がおり,彼らの生活の場で伝染病が発生すると直ちに社会全体に広がる可能性があります。

2016年 南アフリカ 日本 日本との比較

周産期死亡率 24.6 3.6 6.8倍

新生児死亡率 15.2 0.9 16.9倍

乳児死亡率 33.7 2.0 16.9倍

乳幼児死亡率 43.6 2.68 16.3倍

妊産婦死亡率 115.8 3.4 34.1倍

帝王切開率 26.0 18.5 1.4倍

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2 かかりやすい病気・怪我 (1)上気道感染症

 内陸部は1日の寒暖の差が激しく,特に冬期(=乾季)は湿度が極端に低いため,風邪やインフルエンザなどの呼吸器感染症に罹患しやすくなります。 手洗いやうがいの励行,さらにはインフルエンザの予防接種をお勧めします。

(2)花粉症等のアレルギー  都会でも庭が広く,雨季は沢山の花が咲いて花粉が飛び,乾季には土埃が舞うため,四季を通じてアレルギー症状を発する方が散見されます。 残念ながら当国は飛散花粉量と質に関するデータがないのですが,当地のアレルギー専門医によると相当量の花粉が季節により飛散しているとのことで,花粉症や喘息などのアレルギーの既往のある方は,常用薬を持参されますことをお勧めします。

(3)高度と低湿度(高山病,高度障害)  内陸部にある首都プレトリアやヨハネスブルグは海抜1,300~1,700mに位置し(日本の都市で最も標高の高い松本市で600m程度),1日の寒暖の差が大きいばかりではなく,紫外線も赤道直下並に強くなります。 気圧,酸素分圧は海面の80~85%,水の沸点も95度程度となり,2,000~2,500mを越えるエチオピアや南米の一部などに比べると問題は少ないですが,小児,老人などに,登坂時などに軽い高度障害がでることがあり,さらには食欲低下,吐気などの消化器症状,めまいや立ちくらみ,全身倦怠感,眠りが浅かったり何度も目覚めるというような,山酔いという軽い高山病の症状が出ることがあります。 また循環器系疾患や喘息など呼吸器疾患の症状が悪化する恐れもあります。  海面近くから移住した邦人の場合,数ヶ月で一時的に血液中のヘモグロビン濃度が1g/dlほど上昇することがあるため,この時期に脱水など何らかの原因が重なると血栓症を起こすことがあります。 健康な成人でも,特に飲酒時などに不眠を訴えることもあり,低湿度による脱水症が起こりやすい環境が重なるため,これにより脳梗塞や心筋梗塞などを発症し突然死が起こることがあります。  また,呼吸回数の増加による脱水,低酸素によるアルコール代謝の遅延や末梢血管の拡張による血流増加などが原因で酒に酔いやすくなり,転倒や交通事故などの外傷や循環器系の症状が出やすくなることもあります。  周辺地域では,レソトとの国境付近,およびレソトには3,000mを越す山があり,いわゆる高山病を発症することがあります。

(4)マラリア(主に熱帯熱マラリア)  リンポポ州,ムプマランガ州(クルーガー国立公園含む),クワズールー・ナタール州のモザンビーク及びジンバブエとの国境に接した地域では,毎年多数の患者が発生し,2017年は罹患30,450人うち331人が死亡しています。近年,これまでマラリア流行地域でない地域においても感染が認められることがあり,プレトリア,ヨハネスブルグ,ケープタウンなど感染リスクのない地域でも感染地域からの蚊の流入による輸入マラリアが発生しています。普段から,長袖長ズボンの着用,虫除けスプレー・殺虫剤・蚊帳や蚊取り線香などを使用して蚊に刺されないよう予防してください。特に流行地域に旅行などをする場合,お近くの旅行外来などの医師にご相談の上,マラリア予防薬の服用をご考慮ください。  これらの汚染地域に滞在中または訪れた後,2週間位までに高熱などマラリアの症状が認められた場合は,直ちに信頼しうる医療機関を受診し,マラリア汚染地域を訪れたことを必ず医師に伝え,感染の有無を調べることを強くおすすめします。 一度の検査では陽性に出ないこともあります。 疑わしい時は,繰り返し検査を受けるようにしてください。 マラリアは早く発見

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し迅速に治療すれば死に至ることは非常に稀です。

(5)消化器感染症  最近大流行はありませんが,毎年コレラ・赤痢・腸チフス・A型肝炎などが散発しています。 また,旅行者下痢症と呼ばれる不特定の病原(ウィルス・細菌など)による消化器感染症もあります。 不衛生な場所での飲食は控えてください。 次項でも別記しますが,特に生水・生ものは危険ですのでご注意ください。

(ア) リステリア症 2017年9月より2018年3月にかけ,リステリア症アウトブレークがあり,この原因が有名メーカーの食肉加工品であったため,小児や老人,HIV陽性患者などの免疫力の低い層を中心に約1100名の死亡者が発生しました。

(イ) コレラなど コレラも散発的に発生しており,周辺国から持ち込まれる輸入感染症も多く,2018年8月から9月にかけジンバブエの首都ハラレ周辺で疑い例を含め6000人を越える症例が発生し,旅行者が南アに帰国後発症した例がありました。  2016年もケニアから南アに戻った邦人にジアルジア症などが出ました。

(6)狂犬病  狂犬病は犬や猫,家畜だけでなく,キツネ,マングース,ジャッカル,コウモリなど野生動物に咬まれると発症することがあります。南アでは毎年ヒトでの発症が10~15例報告され,発症するとほぼ100%助かりません。  南アの都市部に住む場合,暴露前免疫(予め狂犬病の予防接種を受けること)の必要まではないですが,むやみに野生動物や狂犬病の予防注射を定期的に受けていないペットに触れないようにしてください。万が一動物にかまれた場合には,直ちに石けんで傷口をよく洗い(少なくとも10分),すみやかに医療機関を受診して暴露後免疫(受傷後に予防接種を受けること)の必要性について相談する必要があります。狂犬病は発症した場合の致死率がほぼ100%であり,狂犬病の可能性が完全に否定し得ない限り,暴露後免疫(および可能なら免疫グロブリン)が必要です。

(7)破傷風・百日咳・ジフテリア  外傷(特に刺創や咬傷)を負うと破傷風の危険があります。南アでは毎年約6万人が破傷風で死亡しています。 子どもは三種混合(DPT:ジフテリア・百日咳・破傷風)を受けられているはずですが,基礎免疫が完了しているかどうか確認してください。 未完了の場合は追加を受けてください。  大人の方の場合は,基礎免疫終了後約10年ごとに追加(ブースター)を受けてください。 定期的に破傷風の予防注射の追加を受けられている方は受傷時に追加のワクチン(破傷風トキソイド)を受けることで破傷風を予防できます。  またダーバンのあるクワズールー・ナタール州では散発的にジフテリアも発生し,ほとんどの州で百日咳が多いときに月10例以上発生しています。  追加免疫を受ける場合は,破傷風ワクチン単独ではなくTdapやTdap-IPVといわれる追加接種用の百日咳,ジフテリア,(ポリオ)の混合ワクチン接種をお勧めします。南アでもADACEL Quadra, BOOSTRIX Tetraなどが入手できます。

(8)性感染症:HIVなど  HIVやB型肝炎や性病の感染率が高いので,不特定の方との性交渉は避けるのが賢明です。  2016年の統計によると,南アフリカのHIV感染者数は推計で約710万人(2016年で人口は約5,591万人,有病率は12.6%),15~49歳までに限ると有病率18.1%とほぼ5人に1人がHIV陽

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性,年間で27万人が新たにHIV陽性となり,11万人がAIDS関連で死亡しています。 性感染症ですので,セックスワーカーに関してはHIVの有病率はこれ以上に高いと予想されます。  B型肝炎やクラミジア,梅毒等の他の性感染症も多く,この予防の意味も含め,くれぐれも不特定多数の性的接触は謹んでください。

(9)結核  南アフリカは世界でもトップクラスの結核汚染国です。2016年の統計では,登録されているだけでも患者約45万人に加え,年間24万人の新規患者が発生し,12万3千人が結核で死亡しています。この新規患者のうち2万人が通常の結核治療薬では治療できない多剤耐性結核です。南アフリカ国民の実に100人に1人程度が結核感染者です。この結核患者の約7割がHIV感染者でもあります。HIV感染(AIDS)により免疫力の低下を生じ,結核菌が活動し始め,周囲の人に感染させるというパターンで結核が拡がっています。  当国に赴任,来訪の機会に,ご自身ご家族のBCG歴の確認をお願いします。また,南ア人の同僚,警備員,メイドや庭師などの健康状態にも気を配り,倦怠感や微熱,咳などの症状が長く続いている場合は病院受診を勧めてください。

(10)風土病  マラリア・狂犬病以外にも少数ですが風土病があります。 代表的なものは,以下です。

(ア) リフトバレー熱  主に牛・羊・馬などの家畜と接する環境で,空気感染または蚊を介して感染します。 急激な発熱・筋肉痛・関節痛を生じます。 大部分はその後自然に治癒しますが,一部は出血傾向を生じ,時には脳炎になって死に至ります。 ウィルスにより発症するもので,特別な治療法はなく,対症療法となります。 毎年家畜には発生しており,2011年には300人近く患者が出ました。

(イ) 住血吸虫症  湖,川など淡水は住血吸虫に汚染されている所があるので,淡水での水遊びは避けてください。 住血吸虫は人・牛などのほ乳類(終宿主)の血管の中で生殖・産卵し,糞便や尿を介して宿主の体外に卵を出し,水中で孵化し,貝類の中で成長し,貝より出て,水中で終宿主の中に皮膚を通して侵入します。

(ウ) ダニ熱  草むら等と歩いていてダニに噛まれ,その時にリケッチアと呼ばれる病原体が体内に入って発症します。 発熱・発疹などを生じます。 稀に多臓器不全・脳炎などを起こして重症化することがあります。 ダニに噛まれた後に発熱・発疹を生じましたら,直ちに医療機関を受診してください。 テトラサイクリン系の抗生物質が有効です。

(エ) 炭疽  炭疽菌によるもので,感染した動物と接触して発症する皮膚型(接触部位の皮膚の潰瘍・リンパ節腫大が主症状です),感染した動物を食することにより発症する胃腸型(腸に壊死性の潰瘍が起こり,死に至ることもあります),感染した動物の排泄物を吸い込んで発症する気道型(重篤な呼吸器症状を起こして死に至ります)があります。 また,髄膜炎を起こすと致命的となる可能性があります。 治療にはペニシリンやシプロキサンなどが使用されます。  2019年レソトのマセル周辺で家畜の牛からのアウトブレイクがあり50人以上が感染しています。

(オ) 皮膚ハエウジ症  mango fly, tumbu flyなどと呼ばれるCordylobia anthropophagaというハエによって,主に犬・猫・家畜・野生動物の皮膚にウジが入り込んでしまうもので,人にも同じようにウジが皮膚内に入ってしまう(蠅蛆症)が北西州やハウテン州で2018年にも散発的に発生しています。

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(カ) 髄膜炎菌髄膜炎(流行性髄膜炎)  いわゆる髄膜炎ベルトと呼ばれているアフリカ中央地域を中心にしばしば大流行していますが,近年,このベルトが南部アフリカにも拡大の傾向にあり,当国においても主として冬期に小規模な流行がみられることがあります。減少傾向にあるものの年間200名程度の患者が発生し,ヨハネスブルグ,ケープタウンにおいても患者が報告されています。  潜伏期は4日程度(2~10日)。主な症状は,頚部硬直(上や後ろを向くことができないなど),発熱,羞明(光に敏感),頭痛,嘔気嘔吐などです。 未治療の場合50%が致死的となり治癒後も10~20%に重篤な合併症が残ります。感染力は強くはありませんが飛沫感染するので,学校等の集団生活はリスク因子と考えられており,学生は予防接種が勧奨されています。 本邦では接種が難しいですが,当国では2種のワクチンが出回っており,状況に応じて選択,接種できます。

(11)ストレス関連疾患  自由に屋外を歩けない,時に居住地近隣でも侵入強盗が発生する,銃器が身近に存在するなど,治安面で特にストレスの多い社会です。 休日等にはストレス発散に努め,心身の疲労を溜めないよう注意してください。

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3 健康上心がける事 (1)交通事故

 交通事故が多く,無保険の車も多いので,ルール重視ではなく,保身の運転を心がけてください。 また交通ルールの中で,日本にはあまりないラウンドアバウト(環状交差点)の通行方法や,欧州にはないオールウエイ・ストップ(4ウエイストップ)や2ストップの交差点の通行方法をよく熟知してください。  高速道路等が整備されている反面,マナーを守らぬ運転手も多く,毎日のように交通事故が起こり,死亡者が出ています。 2017年4月にはプレトリア近郊で通学ミニバスとトラックの衝突事故があり,児童18名と運転手が死亡しました。 2016年もミニバス搭乗中の交通事故による邦人の重症例も出ており,当地での慣れない 運転にはかなりのリスクが伴います。 ミニバスには決して近寄らず,また乗らないでください。

(2)紫外線  プレトリア,ヨハネスブルグは高地にあり,日照時間も長く,一年中紫外線が強いので日焼けに十分に注意してください。屋外に出かけるときには日焼け止めを塗り,日傘の利用や長袖・長ズボンを着用して,日焼け防止に注意してください。

(3)乾季雨季・低湿度  乾季(冬期)は,湿度が極端に下がり,肌が荒れます。 保湿に注意してください。 また,土埃がひどいので,喘息の方やコンタクトレンズをご使用の方は要注意です。 感冒・インフルエンザなどの呼吸器疾患も流行しやすくなります。  雨季(夏期)は,雷に注意してください。 雨季といっても,湿度は比較的低く過ごしやすい半面,脱水になり易い環境です。 意識して水分を補給するようにしてください。

(4)輸血  当国の輸血は献血により賄われていますが,以前には輸血を受けた人がHIVに感染して問題となったことがありました。 現在は新しい検査法を導入して問題はなくなったとされていますが,血液を介して感染する病気はHIV以外にも多数存在します。 輸血しなければ死に至るというような真にやむを得ない場合を除き輸血は避けるべきであり,こうした事態(交通事故等)を生じないよう日ごろから細心の注意を心がけてください。

(5)水道水  大都市部の水道水の水質は定期的に検査されていますが,地方では水道水の汚染がしばしば問題となっています。 ほとんどの地域でミネラルウォーターが入手できますので,飲用等にはミネラルウォーターをお勧めします。 やむを得ず水道水を飲用する時には一旦,煮沸してからの摂取をお勧めします。

(6)狂犬病と野生動物  都会でも自然が数多く残っており,ペット以外の動物を身近に目にします。これらが狂犬病を伝搬したり,ダニ等の病気を媒介する生物を運んでくる可能性があります。かわいいと不用意に近寄るのは非常に危険です。また,このような動物を目撃した際は,その付近にダニ等,病気を媒介する虫類も潜んでいる可能性が高いと考えて慎重に行動してください。

(7)有毒生物  毒蛇,アリ,サソリなどの有毒生物が身近に存在します。 アリが屋内(室内)に侵入して我々の身体を噛むことも稀ではありません。 家の中でアリを発見したら速やかに駆除するよう心がけてください。 毒蛇の中には致死性の毒を持つ種類が多数存在し,地方のみならず首都部

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でも家の庭にサソリや毒蛇が出没することがあります。 自宅の庭であっても子どもを裸足で遊ばせることなどは避けた方が安全です。

(8)高山病  レソトとの国境付近,およびレソトには3,000mを越す山があり,時に高山病を発症することがあります。これら高地で頭痛,呼吸困難など体調不良を覚えた場合には高山病の可能性を疑い,速やかに低地まで引き返してください。このような地域では設備の整った医療機関がほとんどないため,無理して高地に留まっていると致命的になる恐れも否定できません。

(9)ダイビング  沿岸部ではダイビング等ができるところも多く,ときに潮の流れの速いところがあるので注意してください。 また,これらの地域も設備の整った医療機関から遠く離れた場所が多く,迅速な医療的対応は期待できません。 過去ダイビングによる死亡事故が何度も起きています。ダイビング等に際しては安全に十分に注意してください。

(10)食中毒  夏は食中毒が増える時期です。 当地はアフリカ大陸の中では比較的衛生的と考えられていることもあり,寿司,生牡蠣など生ものを食する機会も少なくないでしょう。ケープタウンなどの海岸地域の高級レストランでも牡蠣の生食による食中毒が頻繁に起きています。 生ものはもちろん,たとえ火を通したものであっても,不衛生な場所等で食べれば食中毒をおこす可能性が高くなりますので十分に注意してください。

(11)大気汚染  South Africa Health Review 2017/2016のデータによると(出典参照)PM10とPM2.5の都市部の年平均値がそれぞれ56μg/㎥,31μg/㎥と,WHOの基準値(PM10:20,PM2.5:10 ) の約3倍となっています。 整備不良のトラック・バスや乗用車も多く,ヨハネスブルグやプレトリアがあるハウテン州は,大都市近郊に工業団地があり,この近郊地域を中心にPM2.5,PM10の数値が高いようです。

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4 予防接種(ワクチン接種機関含む) (1)赴任者に必要な予防接種

 日本から入国の場合,義務化された予防接種はありません。

(ア)推奨される予防接種 成人:A型肝炎,B型肝炎,破傷風(ブースター),百日咳,ジフテリア,黄熱,麻疹,風疹,

おたふく風邪,水痘など 小児:DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風の三種混合),MMR(麻疹=はしか・流行性耳下

腺炎=おたふく風邪・風疹の三種混合),ポリオ,BCG,A型肝炎,B型肝炎,Hib(インフルエンザ菌b),黄熱,髄膜炎

(イ)黄熱病ワクチンの必要性  周辺の黄熱病汚染国に行く,またはそこから入国する場合は黄熱病ワクチン接種が義務づけられています。  以下に該当する1歳以上のすべての人に南アフリカ入国時,黄熱病予防接種証明書(イエローカード)の提示が求めてられます。 (1)黄熱病伝染リスク国からの渡航者 (2)黄熱病伝染リスク国(下図)の空港に12時間以上立ち寄り滞在した渡航者 南アが黄熱病伝染リスク国と位置づけている国々

 イエローカードは接種10日後から生涯有効です。お持ちの方はパスポートと共に常に携帯されることをお勧めします。 周辺諸国を旅行する,または出張に行かれる可能性がある場合は黄熱病ワクチンの接種をご検討ください。

アフリカ 中南米アンゴラ ギニア アルゼンチンベナン ギニアビサウ ボリビア多民族国ブルキナファソ ケニア ブラジル連邦ブルンジ リベリア コロンビアカメルーン マリ エクアドル中央アフリカ モーリタニア・イスラム 仏領ガイアナチャド ニジェール ガイアナコンゴ ナイジェリア連邦 パナマコートジボワール セネガル パラグアイコンゴ民主 シエラレオネ ペルー赤道ギニア 南スーダン スリナムエチオピア連邦民主 スーダン トリニダード・トバゴガボン トーゴ ベネズエラ・ボリバルガンビア ウガンダガーナ

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(ウ)現地の小児定期予防接種一覧およびスケジュール 【国家プログラム:EPI】  基本的に適応年齢の子どもは,接種料を除き無料です。 接種料は,接種を受ける医療機関により異なります。

【プライベートプログラム】  EPIに無いワクチンなどが有料となります。 <注1>○の後の数字は接種回数

*1 OPV:経口ポリオワクチン,2016年より3価から2価ワクチンに変更

出生時 生後 6週

生後 10週

生後 14週

生後 6ヶ月

生後 9ヶ月

生後 12-15ヶ月

生後 18ヶ月

5-6歳

9歳以上 (女)

12歳

BCG ○

OPV(*1) ○ (0) ○ (1)

DTaP-IPV-Hib-HepB (*2)

○ (1) ○ (2) ○ (3) ○ (4)

RV (*4) ○ (1) ○ (2)

PCV13 (*5) ○ (1) ○ (2) ○ (3)

Measles (*6) ○ (1) ○ (2)

TdV (*11) ○ ○

HPV (*12) ○

出生時

生後 6週

生後 10週

生後 14週

生後 9ヶ月

生後 12-15ヶ月

生後 18ヶ月 5-6歳 9歳以上

(女)12歳

BCG ○

OPV(*1) ○ (0) ○ (1)

DTaP-IPV-Hib-HepB (*2)

○ (1) ○ (2) ○ (3) ○ (4)

RV (*4) ○ (1) ○ (2) ○ (3)

PCV13 (*5) ○ (1) ○ (2) ○ (3) ○ (4)

MMR (*8) ○ (1) ○ (2) ○ (3)

Varicella (*7) ○ (1) ○ (2)

Hepatitis A ○ (1,2)

MCV (*9) ○ (1) ○ (2)

Tdap-IPV (*10) ○ ○

HPV (*12) ○

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*2 DTaP-IPV-Hib-HepB :ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオ不活化ワクチン・インフルエンザ菌B・B型肝炎の6種混合; Infarix-Hexa, Hexaxim

*3 Hep B:B型肝炎; Heberbiovac HB, Euvax, Engerix-B *4 RV:ロタウィルス;Rotarix(1価,2回接種), Rotateq(5価,3回接種) *5 PCV13:13価肺炎球菌ワクチン; Prevenar-13, Synflorix *6 Measles:麻疹=はしか, Measbio, Rouvax *7 Varicella:水痘=水疱瘡; Varilrix *8 MMR:麻疹=はしか,流行性耳下腺炎=おたふく風邪,風疹の3種混合(有料); Trimovax, Priorix

*9 MCV:4価(A,C,W,Y)流行性髄膜炎菌ワクチン;Menactra *10 Tdap-IPV:破傷風,(用量を減じた)ジフテリア,百日咳,ポリオ不活化ワクチンの4種混合; Adacel quadra, Boostrix tetra

*11 TdV:破傷風,(用量を減じた)ジフテリアの2種混合; Diftavax *12 HPV:ヒトパピローマウィルスワクチン(子宮がん予防); Gardasil (Quadrivalent), Cervarix(Bivalent)

*13 Hepatitis A:A型肝炎ワクチン; Avaxim 80, Havrix Junior,6ヶ月間隔で2回

(注意)BCG・経口ポリオといった生後すぐに接種するワクチンはトラベルクリニックや小児科でも接種できないことが多く,こういうケースは産婦人科で接種できることがあります。  ここ数年政府予算の破綻により,必要なワクチンがリストされているにもかかわらず実際には手に入らない状況が時々見られます。2018年10月現在,BCGや6種混合ワクチンが手に入りにくく,本来生後すぐ接種すすはずのBCGが数ヶ月待ちとなっています。 →日本の4種混合ワクチンの3回目とBCGの接種が終了する生後6ヶ月頃までは,南アにお連れにならないように強くお勧めします

(エ)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明  (編)入学・入園に際して必要な予防接種は学校によって異なります。 入学・入園を予定する学校に直接,お問い合わせください。

(オ)乳児検診  特定のスケジュールで一般的には行われていません。 一部の私立医療機関では希望者に実施しています(有料)。

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5 病気になった場合(医療機関等) #1.本項に記載されている「病院」には,24時間救急外来(ER)があります。 #2.Netcare,Life,Mediclinicの各系列病院は,病院ごとに特徴があります。 基本の型は,『24時間救急外来(ER)+各科専門医』に,プラスアルファ『重点をおく科(検査機器,治療機器の充実)』を設置し,同一地方の同系列内での設備の重複を避けて経営の合理化をしています。 本稿に記載されていない都市,病院に関しても上記3つのグループ系列病院であれば,比較的安心できることが多いです。 #3.救急車にも,公立・私立の別があります。 公立救急車は「10-177」(医療費と同様,収入により使用料金が異なります)へ,私立救急車はそれぞれの救急センター(*)に電話します。 公的救急車は誰でも利用できますが,数が十分でないので,すぐに対応してくれるかどうかは不明です。 また,救急車内の設備も不備です。 私的救急車は有料です(大体2-3000ランドくらい)。 航空機搬送利用の場合はより高額になります。 自家用車等で移動できる状態ならば,個人で行かれた方が,早く病院に着く場合が多いです。 Netcare 911 Ambulance:082-911 ER 24 Ambulance:084-124

◎プレトリア(ハウテン州) (1)Life Groenkloof Hospital (Little Company of Mary) 住所:50 Geore Storrar Drive, Groenkloof, Pretoria, 0181    日本大使館の斜め前に位置しています。 電話:(012)-424-3600(代表),(012)-460-4744(救急部,Emergency Unit) 概要:214床,手術室8,ICU11。 軽症~中等症時に利用するのに適しています。 ERは利用しやすくトラベルクリニックも併設されており黄熱病を含む予防接種が可能です。 https://www.lifehealthcare.co.za/hospitals/gauteng/pretoria/life-groenkloof-hospital/

(2)Mediclinic Kloof Hospital 住所:511 Jochemus Street, Erasmuskloof Ext. 3, Pretoria, 0083 電話:(012)-367-4000(代表),(012)-367-4452(救急部受付) 概要:産婦人科・小児科が充実しています。 http://www.mediclinic.co.za/Hospitals/HospitalDetails/id/41

(3)Life Wilgers Hospital 住所:Denneboom Road, Wilgers Ext. 14, Pretoria 電話:(012)-807-8100(代表),(012)-807-8285(救急部,Casualty Department) 概要:欧米からの移住者がよく利用する,Life系最大の360床の病院です。 ICU46, NICU10。 腫瘍科・産婦人科・小児科に力をいれています。 https://www.lifehealthcare.co.za/hospitals/gauteng/pretoria/life-wilgers-hospital/

◯センチュリオン(ハウテン州,プレトリアの隣市) (1)Netcare Unitas Hospital 住所:Clifton Avenue, cnr Cantonment Road, Centurion 電話:(012)-677-8000(代表),(012)-677-8214(救急部,Casualty Department) 概要:脳・心血管それぞれカテーテル治療室を備え大手術も多数こなすプレトリア周辺では最大の全診療科を持つ470床のハイレベルな私立病院。 救急外来(ER)はいつも混雑しているので重症と思われる際の受診をお勧めします。 http://www.netcarehospitals.co.za/Hospital/Netcare-Unitas-Hospital

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◯ヨハネスブルグ(ハウテン州) (1)Netcare Milpark Hospital 住所:9 Guild Road, Parktown west, Johannesburg 電話:(011)-480-5600(代表),(011)-480-5910(救急部,Casualty Department) 概要:8床の熱傷ベットをふくむ110床の各種ICUを持ち,13の手術室とカテーテル治療室3室を持つ356床の高度先進病院。 外傷,火傷,心臓病などの重症疾患に重点を置き,レベル1外傷救急センターを持つ南アフリカでは最も信頼できるトップレベルの病院のひとつです。 緊急移送会社が搬送先によく利用します。 http://www.netcarehospitals.co.za/Hospital/Netcare-Milpark-Hospital

(2)Mediclinic Morningside Hospital 住所:Cnr Rivonia & Hill Road, Morningside, Johannesburg (Sandton) 電話:(011)-282-5000(代表),(011)-282-5126/7(救急部,Casualty Department) 概要:サントン地域の邦人・外国人が最も利用する各科とも充実した病院。 急性重症治療には不向き http://www.mediclinic.co.za/Hospitals/HospitalDetails/id/16

(3)Netcare Sunninghill Hospital 住所:Cnr Nanyuki & Witkoppen Road, Sunninghill, Johannesburg 電話:(011)-806-1500(代表),(011)-806-1652/3(救急部,Casualty Department) 概要:86ICU,3床のレベル2外傷救急センターを持つ273床の私立病院。 心臓,小児科に重点を置いています。 緊急移送会社が搬送先によく利用します。 http://www.netcarehospitals.co.za/Hospital/Netcare-Sunninghill-Hospital

(4)Dr. J. Teeger 住所:7, 3rd Street, Houghton 2198, Johannesburg 電話:(011)-728-4298(代表) 概要:個人開業の一般医で,ヨハネスブルグ在留邦人が家庭医(かかりつけ医)としてよく利用しています。 同医師から専門医を紹介してもらうこともできます

◯ヨハネスブルグ空港(OR Tambo International Airport: JNB,FAOR) (1)OR Tambo Airport Clinic 住所:OR Tambo International Airport 国内線(B)ターミナル到着階南端 電話:(011)-921-6609/6777(無休:7:00-19:00) 概要:空港施設内のクリニックで,2018年より経営母体が変わり,主にEMT中心の空港内・近隣病院への医療搬送業務が主体となっています。 ただ以前と同じように予防接種やマラリヤ予防投薬,簡単な治療や救急処置を受けることはできます

(2)Arwyp Medical Centre Private Hospital 住所:20 Pine Avenue,Kempton Park, 1619, Gauteng 救急入口:Cnr Blockhouse Rd and Central Ave 電話:(011)-922-1000,(011)-922-1055(救急受付) 概要:空港から車で5分ほどの最も近い設備の整ったNICU10,ICU30を含む350床の私立病院。 外科・内科各科だけでなく小児科,産婦人科,外傷センター,旅行外来などもあり,小規模だが24時間の救急外来も併設。 http://www.arwyp.co.za

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◯ケープタウン(西ケープ州) (1)Medi-Travel International 住所:Suite 106 Level 1 Clock Tower Office Suite,V&A Waterfront,Waterfront,Cape Town 電話:(021)-419-1888(代表)月-金:8時~16時半,土:9時~13時 概要:ウォーターフロント地区ロベン島への乗船場の隣,クロックタワーショッピングセンター1階という便利な場所にある。黄熱病も含めて予防接種が全て可能で,トラベルクリニックだけではなく,Dr. M BrauerがGP,救急医として診てくれるので,内科一般のGPとして受診可能。必要に応じて専門医にも紹介してくれます。旅行者のちょっとした病気にお勧めです。

(2)Netcare Christian Barnard Memorial Hospital 住所:Cnr DF Malan Street and Rua Bartholemeu Dias Plain,Foreshore,Cape Town 電話:(021)-441-0000(代表),(021)-441-0176(救急部, ER reception) 概要:2016年港湾地区に新築移転し清潔で最新の設備が整う。 カテーテル治療室2,手術室11,ICU(PICU,NICU,CCUなど)61,248床。 臓器移植手術(心,腎など)など循環器疾患治療に定評があるトップレベルの病院。 客船も含む船舶からの患者も請け負う。 中軽症急病に関しては次項の病院を勧めます。 http://www.netcarehospitals.co.za/Hospital/Netcare_Christiaan_Barnard_Memorial_Hospital

(3)Mediclinic Cape Town Hospital 住所:21 Hof Street, Oranjezicht, Cape Town 電話:(021)-464-5500(代表),(021)-464-5555(救急部受付) 概要:Mediclinic系の総合病院です。 整形外科,産婦人科,小児科が充実し,救急外来も中軽症急病には利用しやすいです。 http://www.mediclinic.co.za/Hospitals/HospitalDetails/id/2

(4)Netcare Blaauwberg Hospital 住所:Waterville Crescent,Sunningdale,Cape Town 7441 電話:(021)-554-9000(代表),(021)-441-0176(救急部, ER reception) 概要:市街地から30分ほど北にあるTable Mountainの眺望が有名なTable Viewの近くに位置し、150床程度ながら築10年ほどの非常に清潔で最新の設備をもつ総合病院。サービスも優れている。まだ40代ながら低侵襲手術と移植で有名な心臓外科医がおり、ハイブリット手術室や各種ICUをもち、特に周産期、新生児、小児ICUが充実している。248床。 最新の循環器疾患治療と産婦人科小児科、整形外科に定評があるトップレベルの病院。 http://www.netcarehospitals.co.za/Hospital/Netcare-Blaauwberg-Hospital

◯ダーバン(クワズールー・ナタール州) 中心地

(1)Netcare St. Augustine’s Hospital 住所:107 JB Marks Road, Glenwood, Durban, KwaZulu-Natal, 4001 電話:(031)-268-5000(代表),(031)-268-5031(救急部, ER reception desk) 概要:ダーバン地域では最大の私立総合病院。 減圧症対応。 http://www.netcarehospitals.co.za/Hospital/Netcare-St-Augustines-Hospital

(2)Life Entabeni Hospital 住所:148 Mazisi Kunene (South Ridge Road), Berea, Durban 電話:(031)-204-1300(代表),(031)-204-1377(救急部受付)

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概要:Life系の総合病院です。 https://www.lifehealthcare.co.za/hospitals/kwazulu-natal/durban/life-entabeni-hospital/

Umhlanga(アムシュランガ)地区

(3)Netcare uMhlanga Hospital 住所:323 Umhlanga Rocks Drive, Central, Umhlanga, 4320 電話:(031)-560-5500(代表),(031)-560-5607(救急部, Emergency Unit) 概要:在留邦人の多いUmhlanga地域にあるNetcare系の総合病院です。 小児科,産婦人科も備えています。 http://www.netcarehospitals.co.za/Hospital/Netcare-uMhlanga-Hospital

(4)BUSAMED Gateway Praivate Hospital 住所:36 Aurora Dr, Umhlanga Rocks, Umhlanga, 4319 電話:(031)-492-1131(代表),(031)-492-1234(救急部, Emergency Centre) 概要:在留邦人の多いUmhlanga地域にある2014年12月開院したBUSAMEDグループの160床の総合病院。循環器内科,心臓外科,整形外科,形成外科,脳外科,神経内科,リウマチ科,腎臓内科などに専門医が多く,手術室6室,カテーテル室2,CCU18, 外科ICU12を含む。心臓血管センターが有り,心臓移植も月に1例程度行っている。ただし小児科,産婦人科はなくその場合は同グループのHillcrest 病院へ受診。 http://www.busamed.co.za/gateway/

(5)BUSAMED Hillcrest Praivate Hospital 住所:471 Kassier Road , Assagay, Hillcrest 3610 電話:(031)-768-8000(代表),(031)-492-1234(救急部, Emergency Centre) 概要:Durban郊外(DurbanからPietermaritzburg方向にN3で30km)にあるBUSAMEDグループの200床の郊外型基幹総合病院。循環器内科,整形外科,形成外科,脳外科,神経内科,リウマチ科,腎臓内科などに専門医が多く,手術室8室,心臓・循環器系の場合は同グループのGateway 病院へ受診。 http://www.busamed.co.za/hillcrest/

◯ポートエリザベス(東ケープ州) (1)Life St. George’s Hospital 住所:40 Park Drive, Port Elizabeth, 6001 電話:(041)-392-6111(代表),(041)-374-2424(救急部受付) 概要:Life系の総合病院です。 https://www.lifehealthcare.co.za/hospitals/eastern-cape/port-elizabeth/life-st-georges-hospital/

(2)Life Mercantile Hospital 住所:Cnr Kempston & Durban Roads, Korsten, Port Elizabeth,6020 電話:(041)-404-0400(代表),(041)-404-0572(救急部, ER reception) 概要:Life系の総合病院です。 https://www.lifehealthcare.co.za/hospitals/eastern-cape/port-elizabeth/life-mercantile-hospital/

(3)Netcare Greenacres Hospital 住所:Cnr Cape & Rochelle Roads, Greenacres, 6045, Port Elizabeth

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電話:(041)-390-7000(代表),(041)-390-7297(救急部, ER reception) 概要:Netcare系の総合病院で,ショッピングモール(グリーンエーカーズ)に隣接しています。 http://www.netcarehospitals.co.za/Hospital/Netcare-Greenacres-Hospital

◯ネルスプレイト(ムプワランガ州) (1)Mediclinic Nelspruit Hospital 住所:1 Louise Street, Sonheuwel, Nelspruit,1200 電話:(013)-759-0500(代表),(013)-759-0645(救急部受付) 概要:クルーガー国立公園から一番近い私立総合病院。 救急センターも充実し,重症マラリア治療も可能。 国境が近いためエスワティニ(スワジランド),モザンビークからの患者も多いです。 http://www.mediclinic.co.za/Hospitals/HospitalDetails/id/17

◯ポロクワネ(リンポポ州) (1)Mediclinic Limpopo Hospital 住所:53 Plein Street, Polokwane,0699 電話:(015)-290-3600(代表),(015)-290-3871(救急部, Casualty reception) 概要:蛇毒血清が常備されています。 マラリア治療も可能です。 http://www.mediclinic.co.za/Hospitals/HospitalDetails/id/22

◯ブルームフォンテーン(フリーステート州) (1)Mediclinic Bloemfontein Hospital 住所:Cnr Kellner & Parfitt Street, Westdene, 9301,Bloemfontein 電話:(051)-404-6666(代表),(051)-404-6225/6(救急部受付) 概要:レソトにも近いMediclinic系の総合病院です。 http://www.mediclinic.co.za/Hospitals/HospitalDetails/id/10

(2)Life Rosepark Hospital 住所:57 Gustav Crescent, Fichardt Park, 9301, Bloemfonten 電話:(051)-505-5111(代表),(051)-505-5202/3(救急部, Casualty reception) 概要:レソトにも近いLife系の総合病院です。 https://www.lifehealthcare.co.za/hospitals/free-state/bloemfontein/life-rosepark-hospital/

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<南アフリカの3大医療グループへのアクセス> 1)Netcare:http://www.netcare.co.za/

2)Life Health Care:http://www.lifehealthcare.co.za/

3)Mediclinic:http://www.mediclinic.co.za  各ホームページを見ていただくと,受診希望地の病院情報,専門医情報などを入手することができます。

6 その他の詳細情報入手先  南ア保健省ホームページ:http://www.doh.gov.za/

 南ア国立感染症研究所(NICD):http://nicd.ac.za

 在南アフリカ日本国大使館(日本語版) https://www.za.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html 左側サイドバー「安全情報」→「医療情報」あるいは メインコンテンツ「安全情報」→「渡航・安全・生活・医療情報」→「医療情報」にて最新情報を掲載しています。

7 一口メモ(もしもの時の医療英語)  病院等では基本的に英語を使用します。

「世界の医療事情」冒頭ページ  https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html

「もしもの時の医療英語1(診療科別)」「もしもの時の医療英語2(あいうえお順)」 をご参照ください。