24
100 キップ=1.35 円、1 米ドル=110.54 円で換算) 1 / 24 ラオス電力発電(コード: EDL-Gen) EDL (Électricité du Laos)-Generation レポート作成日付: 2012 年 8 月 29 日 業績更新版 投資格付け:買い推奨 目標株価 8,825 キップ/119 2012 8 29 日終値 4,900 キップ/66 (翻訳レポート作成日 (2017 4 14 ) 株価: 5,500 キップ/74 ) 水力発電 成長モードへの転換 出所:Bloomberg 割安感があるバリュエーション ラオス電力発電(以下、EDL-Gen)を投資格付け「買い推奨」で再評価するとともに、2013 年に向け目標株 価を 8,825 ラオス・キップ/(119 )に更新する。他社の先を行く利益成長の見通し(12-14 年の EPS び率は年平均 16%で推移)は、発電能力が 881 MW へと 128%大幅に増加したことが根拠となっている。そ れにもかかわらず、現在、EDL-Gen は地域の同業他社と比して割安感がある 2013 年バリュエーション(3 EV/EBITDA, PER を参照)で売買されており、2013 年の予測配当利回りと ROE は同業他社より魅力的である。 成長サイクルは 14 年まで継続する見通し 12 年下半期の純利益は前四半期比 146%増の 5,900 万米ドル(12 年上半期は 2,500 万米ドル)、通期予測は 前年比 19%増の 8,400 万米ドルとなる見込みである。12-14 年の利益見通しは成長モードを維持し、純利益 は年平均 16%の伸びが予想されており、14 年には最高益である 1 1,300 万ドルとなることが見込まれてい る。EDL-Gen 100%保有する 7 基の水力発電所(発電容量の合計:387MW)の持続可能利益と 4 基の水力 発電所の通年の貢献(発電能力:94MW)の双方が好調の要因となっている。 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 2012/4/2 2013/4/2 2014/4/2 2015/4/2 2016/4/2 2017/4/2 ラオス電力発電株価 (左軸) ラオス総合指数 (右軸) 0 200 400 600 800 キャピタル・パートナーズ証券株式会社では、当銘柄の取扱いをしておりません。本レポートはあくまで企業の情報を提供する目的で作 成したものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。 出来高(万株)

EDL (Électricité du Laos)-Generation - Capital2012/08/29  · EDL-Gen の有利子負債比率は、11 年の極めて低い 0.33 倍から12 年は0.84 倍に上昇し、その後13

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(100 キップ=1.35 円、1 米ドル=110.54 円で換算) 1 / 24

ラオス電力発電(コード: EDL-Gen)

EDL (Électricité du Laos)-Generation

レポート作成日付: 2012 年 8 月 29 日

業績更新版 投資格付け:買い推奨

目標株価 8,825 キップ/約 119 円

2012 年 8 月 29 日終値 4,900 キップ/約 66 円 (翻訳レポート作成日 (2017 年 4 月 14 日) 株価: 5,500 キップ/約 74 円)

水力発電

成長モードへの転換

出所:Bloomberg

割安感があるバリュエーション

ラオス電力発電(以下、EDL-Gen)を投資格付け「買い推奨」で再評価するとともに、2013 年に向け目標株

価を 8,825 ラオス・キップ/株(約 119 円)に更新する。他社の先を行く利益成長の見通し(12-14 年の EPS 伸

び率は年平均 16%で推移)は、発電能力が 881 MW へと 128%大幅に増加したことが根拠となっている。そ

れにもかかわらず、現在、EDL-Gen は地域の同業他社と比して割安感がある 2013 年バリュエーション(3 頁

の EV/EBITDA, PER を参照)で売買されており、2013 年の予測配当利回りと ROE は同業他社より魅力的である。

成長サイクルは 14 年まで継続する見通し

12 年下半期の純利益は前四半期比 146%増の 5,900 万米ドル(12 年上半期は 2,500 万米ドル)、通期予測は

前年比 19%増の 8,400 万米ドルとなる見込みである。12-14 年の利益見通しは成長モードを維持し、純利益

は年平均 16%の伸びが予想されており、14 年には最高益である 1 億 1,300 万ドルとなることが見込まれてい

る。EDL-Gen が 100%保有する 7 基の水力発電所(発電容量の合計:387MW)の持続可能利益と 4 基の水力

発電所の通年の貢献(発電能力:94MW)の双方が好調の要因となっている。

800

1000

1200

1400

1600

1800

2000

3000

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5000

6000

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9000

2012/4/2 2013/4/2 2014/4/2 2015/4/2 2016/4/2 2017/4/2

ラオス電力発電株価 (左軸) ラオス総合指数 (右軸)

0200400600800

キャピタル・パートナーズ証券株式会社では、当銘柄の取扱いをしておりません。本レポートはあくまで企業の情報を提供する目的で作

成したものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

出来高(万株)

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株式情報

ティッカー

ラオス証券取引所 (LSX):

ブルームバーグ:

EDL-Gen

EDL LS

2012 年 8 月 29 日終値

4,900 キップ

(約 66 円)

払込済株式 12 億 2,622 万株

額面価格

4,000 キップ

(54 円)

時価総額

6 兆キップ

(810 億円)

外国人保有上限

保有株式数(%)

20.00%

13.75%

52 週高値/安値

5,100 キップ/4,100 キップ

(69 円/55 円)

1 日平均出来高(千株) 58.79

浮動株(%) 25.00

ベータ(%) 1.21

主要株主

ラオス電力公社 (EDL) 75.00%

Ratch-Lao Service 6.46%

RH International (シンガポール) 2.88%

ラオス外国商業銀行 (BCEL) 2.68%

出所: http://wwwEDLGen.com.la

株価パフォーマンス (%)

1M 3M 12M

絶対パフォーマンス 4.3 0.0 (2.0)

LSX との比較 (0.7) (4.0) (6.3)

会社概要

EDL-Gen は、EDL から分離され民営化された全発電所の資産を

保有/運用している。

BCEL-KT 証券は、EDL-Gen の引受証券会社である。

BCEL-KT 証券は、BCEL 銀行と KT ZMICO 証券(タイ)の合弁企

業である。

負債比率は会社方針を大幅に下回る

EDL-Gen の有利子負債比率は、11 年の極めて低い

0.33 倍から 12 年は 0.84 倍に上昇し、その後 13 年

には 0.78 倍に若干低下すると考えられる。これは

同社の負債比率に関する方針である最大 1.5 倍を大

幅に下回るが、その理由は、テンヒンブン(THPC)

プロジェクトで移管された独立系発電会社(IPPs)

4 基が 60%の比率で連結決算されたことや、最近

IPP4 基の資金として2億米ドルを調達したことが

ある。

発電能力は長期的に大幅に増加

建設中あるいは開発段階にあるラオス電力公社

(以下、EDL)からの大規模な発電資産の取得によ

り、大幅な発電能力の拡大見通しが確実視される。

上記には、i) EDL100%保有資産であるフアイ・ラ

ンパーン・グナイ(Huauy Lampan Ngai)とナムカ

ーン 2(Nam Khan 2、商業運転開始日は 14-15 年を

予定)からの 218MW、ii) EDL100%保有の水力発

電資産からの約 1,289 MW、及び iii) 2020 年までの

8年間は EDL による持ち分とされる IPP が含まれ

る。なお、上記にかかわる上方修正余地は当社予

測には反映されていない。

2013年目標株価を8,825キップ/株に更新

割安感があるバリュエーション

ラオス電力発電(EDL-Gen)を投資格付け「買い推

奨」へ再評価すると共に、13 年目標株価を 8,825

ラオス・キップ/株(完全希薄化後、約 119 円)に

更新する。

DCF 法を用い、加重平均資本コスト(WACC)11%、永続的成長率 0%とする。なお、当社の目標株価は、

100%保有の既運転資産(水力発電 7 プロジェクト合計: 387MW)及び EDL から取得した 4 基の水力発電プ

ロジェクト(保有分発電能力は 494MW)を織り込み済みである。

DCF 法に基づいて算出された当社 13 年目標株価である 8,825 ラオス・キップ/株は、市場評価が必ずしも

同社の利益成長見込みを反映していないことを示唆する。現在の株価は目標株価まで 80%の上昇余地が

あり、13 年の予測配当利回りは 11%であることからトータル・リターン(株式投資収益率)は 91%と

なる。13 年の地域同業他社の配当利回り 7%を前提にした場合では、現在の市場価格である 4,900 ラオ

ス・キップから約 53%の株価上昇が見込まれる。

当社は、地域電力会社内の最優良銘柄として EDL-Gen を買い推奨とする。その理由は、EDL からの移管

による発電能力の大幅増、安定した電気料金体系及び持続可能な運営費に支えられ、利益の伸びが見込

まれるからである(12-14 年の EPS 伸び率は年平均 16%)。EDL-Gen は地域同業他社に比べ割安感がある

バリュエーションで売買されている(EDL-Gen の 13 年 EV / EBITDA 倍率は 6.1 倍、PER が 7 倍に対し地域

同業他社の EV/EBITDA は平均 7.5 倍、PER は 11.7 倍)。13 年の予想配当利回り、ROE はそれぞれ

10.8%、16.6%で同業会社平均の 4%、12.9%より魅力的である(図 2A-F)。

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財務及び評価 - 米ドル

12 月末決算 2011 年 2012 年

予測* 2013 年

予測

2014 年

予測

売上高(百万米ドル) 111 135 208 212

純利益(百万米ドル) 70 84 108 113

EPS(米ドル)(完全希薄化) 0.08 0.07 0.09 0.09

EPS 伸び率(%) n.a. -15.6 28.8 4.2

一株当たり配当金(米ドル) 0.06 0.06 0.07 0.07

一株当たり純資産(米ドル) 0.56 0.52 0.54 0.57

出所: KT ZMICO リサーチ

(参照) 財務及び評価 - 円換算

12 月末決算 2011 年 2012 年

予測*

2013 年

予測

2014 年

予測

売上高(百万円) 12,270 14,923 22,992 23,434

純利益(百万円) 7,738 9,285 11,938 12,491

EPS(円)(完全希薄化) 9 8 10 10

EPS 伸び率(%) n.a. -15.6 28.8 4.2

一株当たり配当金(円) 7 7 8 8

一株当たり純資産(円) 62 57 60 63

出所: キャピタル・パートナーズ証券が円換算

12 月末決算 2011 年

2012 年

予測*

2013 年

予測

2014 年

予測

株価収益倍率(PER:倍) 7.6 9.0 6.9 6.7

株価純資産倍率(PBR:倍) 1.1 1.2 1.1 1.1

EV/EBITDA (倍) 6.6 9.2 6.0 5.6

配当利回り(%) 10.2 9.5 10.8 11.3

株主資本利益率(ROE:%) 17.2 14.9 16.6 16.6

純負債資本比率 (%) 24.0 52.1 49.2 39.1 *12 年の 1 株当たりデータは株主資本 12 億 2,622 万株に基づく

出所: KT ZMICO リサーチ

表 1: ラオス電力発電の DCF 法に基づく 13 年目標株価

百万キップ 百万円

資本コスト % 15.4%* 2013-29 年の FCF の現在価値 11,046,010 149,121

負債コスト % 4.2% 最終価値(TV)の現在価値 2,399,075 32,388

負債比率% 40% 企業価値の合計 13,445,084 181,509

永続的成長率(%) 0% 2013 年末時点の有利子負債 -4,152,789 -56,063

WACC (%) 11% 現金 1,529,377 20,647

株主価値 10,821,672 146,093

*米国の電力の資本コストとリスクプレミ

アムを参照

一株当たり株主価値(キップ) 8,825 122

完全希薄化後株式数(百万株) 1,226 1,226

出所: KT ZMICO リサーチ

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図 1: ラオス電力発電の資産ポートフォリオ

出所: ラオス電力発電

設備容量 6MW 事業者持分 100% 営業運転開始 2012 年

設備容量 155MW 事業者持分 100% 営業運転開始 1971 年

設備容量 615MW 事業者持分 25% EDL-Gen の所有持分 153.7MW 営業運転開始 2011 年

設備容量 40MW 事業者持分 100% 営業運転開始 2005 年

設備容量 60MW 事業者持分 100% 営業運転開始 2000 年

設備容量 500MW 事業者持分 60% EDL-Gen の所有持分 300MW 営業運転開始 2012 年

設備容量 100MW 事業者持分 10% EDL-Gen の所有持分 10MW 営業運転開始 2010 年

設備容量 45MW 事業者持分 100% 営業運転開始 1991 年

設備容量 5MW 事業者持分 100% 営業運転開始 1969 年

設備容量 76MW 事業者持分 100% 営業運転開始 2009 年

設備容量 6MW 事業者持分 100% EDL-Gen の所有持分 30MW 営業運転開始 2012 年

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図 2: ラオス電力発電の 13 年バリュエーションと地域同業他社の比較

A) 13 年予想 PBR 及び ROE

B) 13 年予想配当利回り

C) 13 年予想 PER

D) 13 年予想 EV/EBITDA

E) 13 年予想 ROE

出所: KT ZMICOリサーチ

13 年の配当利回り(%)

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表 2: ラオス電力発電と地域同業他社とのバリュエーション

企業名 時価総額

(百万米ドル)

PER (倍) PBR (倍) EV/EBITDA (倍) 配当利回り (%) ROE (%)

12F 13F 12F 13F 12F 13F 12F 13F 12F 13F

CLP ホールディング 24,770 15.53 13.64 1.85 1.76 11.27 10.34 3.93 4.08 12.04 13.07

大唐国際発電(ダータン・パワー) 10,206 8.55 6.83 0.87 0.81 10.14 8.94 3.81 4.68 8.24 9.90

華能国際電力(フアネン・パワー) 16,751 10.41 8.66 1.34 1.25 8.12 7.48 3.60 4.63 10.47 12.14

華電国際電力(ファディエン・パワー) 5,013 9.19 7.14 0.89 0.82 9.60 8.64 2.26 3.10 8.58 9.74

中国電力国際発展(チャイナ・パワー) 1,736 7.34 6.27 0.79 0.72 9.56 8.29 3.98 4.54 9.38 10.35

華潤電力(チャイナリソーシズ・パワー) 12,350 11.60 9.64 1.46 1.31 8.99 7.60 2.62 3.20 13.11 14.24

香港 10.44 8.70 1.20 1.11 9.61 8.55 3.37 4.04 10.30 11.57

韓国電力公社 (KEPCO) 14,072 6.48 n.a. 0.30 0.30 6.83 4.78 0.20 0.46 (1.78) 1.82

韓国 6.48 NA 0.30 0.30 6.83 4.78 0.20 0.46 (1.78) 1.82

テナガ・ナショナル 11,991 13.19 12.26 1.11 1.03 6.23 5.97 2.21 2.55 9.90 8.92

YTL パワー・インターナショナル 4,201 10.98 10.35 1.33 1.22 8.29 7.87 3.30 3.46 12.85 12.56

ペトロナス・ガス 12,297 23.06 22.04 4.16 3.86 12.62 12.40 3.09 3.01 19.41 17.86

マレーシア 15.74 14.88 2.20 2.04 9.05 8.75 2.87 3.01 14.06 13.11

ナショナル・サーマルパワー 25,577 14.40 12.95 1.76 1.63 9.86 8.34 2.56 2.76 12.96 13.34

タタ・パワー 4,199 17.79 15.31 1.65 1.51 8.26 7.20 1.28 1.33 12.18 10.66

パワーグリッド・コープ・オブ・インディア 9,904 14.59 12.53 n.a. n.a. 9.58 8.12 2.25 2.67 14.65 16.50

リライアンス・パワー 4,363 n.a. n.a. 1.31 1.24 nm. 9.03 0.00 0.00 5.77 6.71

ランコ・インフラテック 537 19.51 7.13 0.54 0.52 8.65 7.14 0.81 2.02 5.05 9.50

インド 16.57 11.98 1.31 1.22 9.09 7.97 1.38 1.76 10.12 11.34

マニラ電力 6,529 16.73 15.90 3.65 3.31 7.74 7.39 3.43 3.53 22.86 22.59

フィリピン 16.73 15.90 3.65 3.31 7.74 7.39 3.43 3.53 22.86 22.59

エグコ 1,969 11.73 11.39 1.03 0.98 17.03 11.15 4.53 4.53 8.86 8.81

ラチャブリ・エレクトリシティ 2,170 12.97 12.22 1.35 1.29 9.01 8.56 4.81 4.81 10.66 10.82

グロウ・エネルギー 2,946 15.59 11.11 2.42 2.16 10.93 7.80 3.21 4.50 18.02 20.54

タイ 13.43 11.57 1.60 1.48 12.32 9.17 4.18 4.61 12.51 13.39

ラオス電力発電 753 8.95 6.95 1.17 1.13 9.21 6.05 9.50 10.80 14.86 16.56

ラオス 8.95 6.95 1.17 1.13 9.21 6.05 9.50 10.80 14.86 16.56

平均 12.62 11.66 1.64 1.51 9.12 7.52 3.56 4.03 11.85 12.91

出所: KT ZMICO リサーチ、ブルームバーグ

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(100 キップ=1.35 円、1 米ドル=110.54 円で換算) 7 / 24

EDL-Gen の過去 1 年間の株価データを見ていくと、PER と PBR が平均から-1SD ~ + 1SD という狭い範囲で取引

されていることがわかる。これは、EDL から移管された 4 基の水力発電プロジェクト(EDL-Gen の所有持ち

分:テンヒンブン 300MW、ナムグム 153.75MW、ホアイホ 30MW、ナムリック 1-2 10MW)移管のための増資

実施に対する市場の懸念によるものと考えられる。それにもかかわらず、この問題は、2012 年 7 月に行われ

た株式売り出しによる希薄化効果(希薄化率 29%)及び 4 基プロジェクトによる収益が 12 年下半期以降に計

上されることにより解決された。したがって、今後 2 年間の収益成長サイクル(12-14 年の EPS 年平均伸び率

を 16%と予想)を反映して、株式を再評価する必要があると当社では考えている。さらに、2013 年までにイ

ンフラ整備とラオス証券取引所(LSX)の発展による取引量の増加が期待されることにより、外国人投資家に

よる売買も活性化するだろう。

一方、発電能力の更なる拡大に関する見通しは極めて明るい。EDL-Gen はラオスの水力発電プロジェクト開発

の役割を担い、ラオスの政府水力発電プロジェクトの実施機関である EDL の恩恵を受けている(EDL は EDL-

Gen 株式の 75%を保有する筆頭株主でもある)。現在、EDL には建設・開発中の水力発電資産が複数あるが、

これらの取得により、EDL-Gen の発電能力拡大の見通しは確かなものとなるだろう(15 頁「発電量は長期的に

増加」を参照)。さらに、老朽資産及び新設資産が混在する EDL-Gen の資産ポートフォリオについては、売り

上げと収益の流れを確保するために再調整される見込みである。中期的に移管される資産(100%EDL の持ち

分であるフアイ・ランパーン・グナイとナムカーン 2 からの 218MW)及び長期的に移管される資産

(100%EDL 持ち分で計画中のプロジェクトと 2020 年まで EDL の持ち分とされる IPP からの約 1,289MW)によ

る上昇リスクについては、当社の 2013 年度目標株価に織り込まれていない。

図 3: ラオス電力発電の業績予想及び発電能力の拡大

A)純利益予測及び EPS 成長率%(完全希薄化後) B)ラオス電力発電の発電所開発計画

出所: KT ZMICO リサーチ

出所: EDL-Gen、ラオス電力開発計画、KT ZMICO リサーチ

図 4: ラオス電力発電株式の取引レンジ

A) PER の最大・最小値 (完全希薄化後) B) PBR の最大・最小値

出所: ブルームバーグ、 KT ZMICO リサーチ 出所: ブルームバーグ、 KT ZMICO リサーチ

純利益 EPS 成長率%(完全希薄化後)

百万米ドル 移管 IPP4 基の

通年寄与

EPS 成長率 発電能力(MW)

希薄化

Page 8: EDL (Électricité du Laos)-Generation - Capital2012/08/29  · EDL-Gen の有利子負債比率は、11 年の極めて低い 0.33 倍から12 年は0.84 倍に上昇し、その後13

(100 キップ=1.35 円、1 米ドル=110.54 円で換算) 8 / 24

ラオスの総発電能力の 35%を占める

テンヒンブン(以下、THPC)、ナムグム、フアイ・ホー(以下、HHPC)、ナムリック 1-2 を含む 4 基の水力発電プ

ロジェクトが EDL から移管されたことにより(2012 年 7 月下旬時点で EDL-Gen の所有持分は 494MW)、EDL-

Gen の発電能力は 881MW に増加し、国内発電能力の占有率は 15%から 35%へと拡大した。

ラオスの卸電力取引において有利な立場にある EDL は、電力購入契約(PPA)に基づく同社の売電先である。

PPA に基づく 2 社間の売買契約は 25-30 年の長期であり、10 年の更新も認められる(水力発電所の耐用年数は

物理的に 100 年とされる)。なお、EDL は国の主要送電・配電網を所有・運営し、送電系統への電力輸入及び

変電所からの電力輸出を管理している。最近移管された 494MW の持分容量の内 61%を占める 300MW の持分

容量(60%の株式)を保有する THPC の通年連結後、EDL-Gen の電力売上高は輸出対国内販売の比率が 44 対 56

となっている(THPC の移管前は 100%国内販売であった)。輸出の内少なくとも 95%は、27 年間の電力購入

契約に基づき、引取保証確約に従ってタイ発電公社(EGAT)に供給することが必要条件となっている。

図 5: ラオス電力発電の 資産ポートフォリオ

A) EDL から IPP4 基が移管され、

2012 年までに発電能力が 2 倍以上に

B) IPPs4 基の移管前、移管後の国内及び

輸出市場への電力流通の割合

出所: ラオス電力発電、 KT ZMICO リサーチ

良質資産を成功裡に買収

買収資金の調達

7 月 12 日に完了した IPP4 基(THPC、ナムグム、HHPC 及びナムリック 1-2)の持分取得は、合計 2.02 億米ドル

の資金を必要とした。総額の 74.2%(1.5 億米ドル)は EDL への新株発行(2.682 億株)で、また 24.7%(5,

000 万米ドル)は株式売り出し(新株予約権無償割当(RO)及び公募で合計 8,940 万株)で調達し、そして残り

の 1.1%(213 万米ドル)は EDL-Gen の手元資金を充当した。この 3.576 億株の新たな資金調達は 29%の希薄化

効果をもたらした。調達後の株主構成でも EDL は EDL-Gen における 75%の保有率を維持する一方、既存株主の

持ち分は公募による新株発行の影響で 2.86%希薄化した(表 3 を参照)。

移管前 移管後

494MW 増

Page 9: EDL (Électricité du Laos)-Generation - Capital2012/08/29  · EDL-Gen の有利子負債比率は、11 年の極めて低い 0.33 倍から12 年は0.84 倍に上昇し、その後13

(100 キップ=1.35 円、1 米ドル=110.54 円で換算) 9 / 24

表 3:ラオス電力発電の資本増加(12 年 7 月)

単位:100 万株 資本

増加前

保有分% 増加株数 増加前株数の増加

株数に対する倍率

資本増加後 保有分% 希薄化率

登録資本金 868.60 357.62 1,226.22 29%

割当済み株式

EDL 651.45 75.0% 268.21 2.42883 919.66 75.0% 0.00%

既存株主への RO 217.15 25.0% 54.29 4.00000 271.44 22.1% -2.86%

公募 0.0% 35.12 35.12 2.9% 2.86%

出所:KT ZMICOリサーチ

成長サイクルに入る

12 年上半期の純利益は季節的な低迷によるもので、正常の範囲内

会社発表の 12 年上半期の業績によると、純利益は前年比 3%増の 2,500 万米ドルに達した(1,940 億キップ相

当(EPS 223 キップ))。なお、12 年上半期の純利益は、季節的影響により当社通年予測の 29%にすぎなかっ

た。同シーズンの乾期には、既存 6 基の同社発電所での発電量は 806GWh に達し前年同期比 8%増加した。し

かし、売上高の 26%を占める管理可能営業費用(前年同期は 25%、減価償却費を含む)により、同社の売上総

利益マージン、EBITDA マージンはそれぞれ 74%、89%の水準にとどまった。

同社は、2012 年上半期の業績に基づき 1 株当たり 170 キップの配当金を発表したが、配当落ち日が 2012 年 8

月 21 日であるため、完全希薄化後の 12 億 2,620 万株に対して行われる。配当支払日は 2012 年 8 月 31 日で、

配当利回りは 3.5%である。

表 4:12 年上半期のラオス電力発電業績(公表済み) 財務サマリー 100 万キップ

12 年上半期

11 年上半期

100 万円

12 年上半期

11 年上半期

前年同期比

(%)

12 年

年初比

連結損益計算書

売上高 336,920 308,175 4,548 4,160 9.3 34%

売上原価 -89,077 -76,740 -1,203 -1,036 16.1 37%

売上総利益 247,843 231,435 3,346 3,124 7.1 33%

その他収入 2,645 188 36 3 1,306.9 164%

為替利益 3,769 -731 51 -10 -615.6 53%

総売上高 343,334 307,632 4,635 4,153 11.6 32%

費用前利益 254,257 230,892 3,432 3,117 10.1 31%

一般管理費 -31,730 -13,707 -428 -185 131.5 47%

EBIT 222,527 217,185 3,004 2,932 2.5 29%

金融費用 -18,071 -18,719 -244 -253 -3.5 35%

法人所得税 -10,437 -9,955 -141 -134 4.8 29%

通年純利益 194,019 188,511 2,619 2,545 2.9 29%

EPS 223 220 3 3 1.4 41%*

売上総利益率(%) 73.6 75.1

EBITDA 利益率(%) 89.3 91.3

純利益率(%) 57.6 61.2

自己資本利益率(%) 5.1 4.8

有利子負債(倍) 0.3 0.3

出所:KT ZMICOリサーチ

* 12 年予測の完全希薄化後 EPS である 0.07 米ドルに基づき計算

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(100 キップ=1.35 円、1 米ドル=110.54 円で換算) 10 / 24

図 6: 業務パフォーマンス

A) 発電量(GWh)* B) ラオスの平均雨量

出所: EDL-Gen、climatetemp.info 及び KT ZMICO リサーチ

*EDL-Gen の 100%持ち分である 7 基の水力発電所及び連結売上高の 60%を構成する THPC を含む。

12 年下半期は大幅な利益増が見込まれ、純利益は通年予測の 71%に及ぶ見込み

EDL-Gen は 12 年下半期、大幅な利益増が見込まれており、上半年期比 146%増の 5,900 万米ドルに達すると当

社は予測する。下半期の利益増の結果、通年純利益は 8,400 万米ドル(約 93 億円)となり前年比 19%増加す

る見込みである。これは主に、以下の理由によるものである:①季節要因により既存 6 基の発電所からのエ

ネルギー生産量の増加が見込まれる、②12年 8 月下旬に持ち分 100%、発電能力 6MW のナムソン(Nam Song)

発電所新規拡張プロジェクトの稼働開始が見込まれている、③移管された IPP4 基が、5 ヶ月分の純利益に寄

与する。なお、EDL-Gen は THPC の業績に対して持分法連結の会計処理方法を採用し(60%の保有分に応じる

300MW の発電能力)、ナムグム 2(25%の保有分に応じる 153.75MW の発電能力)、HHPC(20%の保有分に応

じる 30MW の発電能力)及びナムリック 1‐2(10%の保有分に応じる 10MW の発電能力)からの持分法利益を

計上する見込みである。

季節要因により 12 年下半期に大幅な利益増が見込まれており、同期間の一株当り配当(DPS)は 295 キップ、配

当利回りは 6%と当社は予想する。それにより、通年 DPS は 465 キップ(約 63 円)となり目標とする 85%の配

当性向を達成できる見込みである(同社方針で 50%以上の配当性向が定められている)。同年の増資により希

薄化効果を有したものの、同社経営陣は投資家に 10%以上の年間配当利回りを提供することを目指している。

12-14 年の期間、純利益は年平均 16%の急速な伸びを予想

当社の予測では、EDL-Gen は利益成長の期間に入り、予想純利益は 12-14 年に 16%の CAGR(年平均成長率)で

増加し、14 年には最高益である 1.13 億米ドルが予想されている。その要因は、①100%保有の既存水力発電所

7 基(合計 387MW)からの持続的な利益、②稼働中の水力発電所 4 基(保有分発電能力は合計 494MW)から

の通年の寄与の双方である。

12-14 年予測純利益の成長過程は、次の要因によって下支えされる:①13 年以降、拡張により電力生産量の増

加が見込まれる THPC が通年での寄与となる、②確立された電気料金体系(主に原価加算基準で年 1%の引き

上げ)、③キャッシュコストは売上高の 14%、運営費用(減価償却費を含む)は売上高の 31%と、持続可能

な管理費用、④ラオス証券取引所への上場による 5%の法人税率の控除(14 年までの 4 年間)。なお、同社の

同期間の連結純利益に対し、主に貢献するのはナムグム第一及び THPC であり、税引き後純利益の 70%を占め

る。

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(100 キップ=1.35 円、1 米ドル=110.54 円で換算) 11 / 24

発電は引き続き拡大基調にあり輸出比率も高まる見込み

同社年間発電量は 12 年に前年比 28%増の 2,720GWh に達し、12-14 年は引き続き 16%の CAGR で増加、14 年に

は 3,661GWh に達すると当社は予測する。その背景には、6 基の既運転発電資産の円滑な運用、12 年第 3 四半

期以降の THPC 連結による寄与、及び発電能力 6MW、持ち分 100%のナムソン発電所新規拡張プロジェクトの

稼働開始見込み(12 年 8 月下旬以降)がある。ここでは今後数年間の発電設備利用率が 61%となることを見込ん

でいる。

発電業界における EDL-Gen の国内シェアは 14 年、発電量の 43%に減少するが、輸出拡大が期待されているこ

とにより補われる見込みである。EDL-Gen の電力売上高は輸出対国内販売の比率が 44 対 56 となっている

(THPC の移管前は 100%国内販売であった)。輸出の内少なくとも 95%は、27 年間の電力購入契約に基づき、

引取保証確約に従ってタイ発電公社(EGAT)に供給することが必要条件となっている。

基本的に水力発電所の発電量は、発電のための雨量及び貯水池の十分な水量に依存するが、EDL-Gen の発電資

産はそのような問題に直面したことがない(最近買収された HHPC の 2010 年の渇水は例外)。同発電所は 11

年の異常に低い稼働率から回復し、今年は元の正常な状態に戻る予定である。なお、貯水池の豊富な水量もあ

り HHPC は 12 年の発電量の目標を 440GWh に設定している(11 年の 90GWh に比し大幅増)。

12-14 年には持続可能な 75%の高い売上総利益率を予想

発電量の増加は別として、上述の確立された電気料金体系(主に原価加算基準で年 1%の引き上げ)と持続可

能な管理費用により、同社は売上総利益率の持続的成長を享受できると当社では考える。この売上総利益率は

THPC の通期連結(2013 年以降、株式持ち分に応じた 174MW の発電能力拡張がすべて反映される)によって

12-14 年は 75%となる見込みであり、2012 年の 79%からはわずかに低下する。

運営費用の内訳は、減価償却費とメンテナンス費用が主であり、それぞれ 55-56%と 18-19%を占める。石炭火

力やガス火力発電所のような燃料費の変動リスクがない分 EBITDA マージンが高くなり、12-14 年の予測では

86%となる見込みである。

図 7: EDL-Gen の利益予想、発電量及び利益総出力

A) 純利益予想及び伸び率 B) 発電量(見込み)*と発電所利用率

出所: KT ZMICO リサーチ *注: EDL-Gen の 7 箇所の 100%保有水力発電所と 60%の割合で

連結決算された THPC を含む。

純利益 伸び率(%) 発電所平均稼働率% EDL-Gen の発電量

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(100 キップ=1.35 円、1 米ドル=110.54 円で換算) 12 / 24

C) 売上総利益率と EBITDA マージン(予想)

D) 売上高に対する費用(予想)

出所: KT ZMICO リサーチ

E) 国内販売対輸出の電力売上高の割合 F) 13 年の営業費用内訳

出所: KT ZMICO リサーチ

表 5: 4 基の IPP プロジェクト概要

THPC ナムグム 2 ナムリック 1-2 HHPC

現在 拡張後

所在地 ボーリ

カムサイ

ボーリ

カムサイ

ヴィエンチャン ヴィエン

チャン

チャンパー

サック

設備容量(MW) 220 280 615 100 150

EDL-Gen の保有分(%)

/(MW)

60.0%

/126 MW

60.0%

/174 MW

25.0%

/153.75 MW

10.0%

/10MW

20.0%

/30MW

コンセッション契約(CA)期間

(終了年)

30 年間

(2039 年)

28 年間

(2039 年)

27 年間

(2038 年)

25 年間

(2035 年)

30 年間

(2029 年)

商業運転の開始 1998 年 12 年 10 月 3 月 11 日(IOD)

9 月 13 日(COD)

2011 年 1999 年

輸出市場 / 国内市場 99/1 90 / 10 100 / 0 0 / 100 99/1

建設費(100 万米ドル) 240 709.5 885.3 150 234

負債比率 88/12 83/17 73/27 80/20 69/31

出所: KT ZMICO リサーチ

売上総利益

マージン% EBITDA マージン%

対売上高キャッシ

ュコストの比率%

対売上高営業費用

の比率%

対売上高の比率%

国内販売 輸出販売 メンテナンス

費用 減価償却費 印税

(政府への支

払)

その他

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(100 キップ=1.35 円、1 米ドル=110.54 円で換算) 13 / 24

ナムグム第一水力発電所: ラオス電力発電が 100%保有する資産の中で最高の業績をもたらす

EDL-Gen が 100%保有する現存の水力発電所の内、ナムグム 1 は「最高のパフォーマー」であると考える。そ

の理由は、同プロジェクトの 155MW という高い設備容量と大貯水池により持続が望める 74%の高い平均稼働

率である。それに加えて、ナムグム 1 の運転コストは低く(メンテナンス費用と減価償却費のみ)、売上高の

約 11-12%であるが、これは同社の対売上高運転コスト比率の平均 23%を大幅に下回る。前述の要因によって

同発電所は毎年約 4,300 万米ドルの利益があり、これは EDL-Gen の連結純利益の 36-38%に相当する。

THPC: 移管 IPP4 基の中でも主要な寄与をする発電所

運営中の IPP の内、THPC は収益面において重要な役割を担っており、その理由は下記の通りである:

①300MW 相当の保有分に対応する発電能力(設備容量 500MW の 60%、12 年 10 月までに商業運転開始予定

の 280MW の拡張フェーズ分を含む)、②70%近い持続可能な設備利用率、③既存のフェーズ(220MW)の

コンセッション契約(CA)が拡張フェーズ(280MW)と同じ 2039 年まで延長された、④拡張フェーズ稼働後の、

特に主要購入者であるタイ電力公社(EGAT)の固定買取価格の上昇が見込まれていること。

なお、THPC 拡張後、EGAT へ販売する電力は、米ドル建てとバーツ建てで 50%ずつ支払いを受けることになっ

ており、KWh 当たり米ドル換算で 5.58 セント相当となる。そして、拡張後の EDL への電気料金は EGAT 向け水

準の 75%に相当する KWh 当たり 4.18 セントである。これらの電気料金は CA 期間の終わりの 2039 年まで適用

される。

上述を考慮し、THPC からは連結対象期間が 5 か月間である 2012 年に約 21 百万米ドルが、通期連結となる 12-

14 年には EDL-Gen の連結純利益の 30〜33%を占める 35-39 百万米ドルの寄与が見込まれる。

表 6: 固定電力価格

ナムグム

1 ナムルック

セセット

1

ナムマン

3 セラバム

セセット

2 ナムソン THPC ナムグム 2 ナムリック 1-2 HHPC

所在地 ヴィエン

チャン

ヴィエン

チャン サラヴァ

ヴィエン

チャン

チャンパー

サック サラヴァ

ヴィエン

チャン ボーリカムサイ

ヴィエン

チャン ヴィエンチャン

チャンパー

サック

持分比率 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 60% 25% 10% 20%

発電能力(MW) 155 60 45 40 5 76 6 500 615 100 150

商業運転日 1971 年 2000 年 1991 年 2005 年 1969 年 2009 年 2012 年

1998 年

(拡張後 COD:

2012 年)

2011 年 2011 年 1999 年

平均年間発電量

(GWh pa) 971 212 145 191 24 155 建設中

1,503

(拡張後:2,986) 2,310 435 339

発電所利用率 74.45% 42.47% 37.36% 55.42% 53.26% 37.62% 72.98%1/ 42.88%1/ 49.66%1/ 25.80%

1/ 発電所利用率は 12 年計画。

2/ THPC の 280MW の拡張分及び 12 年 10 月に予測される商業運転日を考慮済み。

出所:2010-2020 年の電力開発予備計画(PDP)、2010 年の電力統計資料

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(100 キップ=1.35 円、1 米ドル=110.54 円で換算) 14 / 24

EDL からの資産買収によるアップサイドリスク

EDL から今後中期的に移管される発電資産(100%EDL の持ち分であるフアイ・ランパーン・グナイとナムカー

ン 2 からの 218MW)及び長期的に移管される発電資産(計画中の 100%EDL 持ち分プロジェクトと 2020 年ま

で EDL 持ち分である IPP からの約 1,289MW)からの収益及び金利へのリスクが考えられるが、当社の見通しに

は織り込まれていない。

外国為替リスクによるダウンサイドリスク 同社は一定の外国為替リスクにさらされている。電気料金の大部分はキップで徴収されるが(例外的に THPC

の拡張後の電気料金は 50%ずつ米ドルとバーツで支払われる)、費用の一部は米ドル建てであるため、EDL に

対し為替変動によって生じたコストを上乗せすることが難しいと考える。但し、EDL-Gen が 100%保有する

387MW の水力発電所のみ例外として 10%以上の為替変動の場合は免責になり、費用負担について EDL と交渉

が可能である。更に、キップ・米ドル間に為替変動がある場合、同社の米ドル建ての借入金に対する含み益

(損失)が発生することがある。

財務状況への心配はない

12-13 年の負債比率は上昇すると見込まれるが、同社の上限規定をはるかに下回る

EDL-Gen の財務諸表に 60%の保有比率で連結される THPC を含む 4 基の移管 IPP プロジェクトにかかる資金 7.1

億米ドルの内 83%がデット・ファイナンスにより調達され、更に同社は最近その IPP4 基に資金を拠出するた

め 2 億米ドルの資本増強を行った。このことにより、EDL-Gen の有利子負債比率は 11 年の異常に低い 0.33 倍

から 12 年の 0.84 倍に上昇し、13 年は 0.78 倍にわずかに低下すると予測されるが、これは同社の負債比率の

上限規定の 1.5 倍をはるかに下回っている。それと同様に、同社の純負債比率は 11 年の 0.24 倍から 12 年の

0.52 倍、13 年の 0.49 倍に推移すると見込まれている。

2013 年に THPC を通年連結した場合、13 年に 2.47 倍、14 年に 2.85 倍と予測されるデット・サービス・ カバ

レッジ・ レシオ(DSCR=元利金返済カバー率、11 年の連結前の比率は 3.12 倍)から、1 年以内に満期になる有

利子負債の返済能力は十分高いと予想する。

図 8: EDL-Gen の財務状況の予測

A) 負債比率及び純負債比率 B) デット・サービス・ カバレッジ・ レシオ

出所:KT ZMICOリサーチ

負債比率

純負債比率

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(100 キップ=1.35 円、1 米ドル=110.54 円で換算) 15 / 24

発電量は長期的に増加

2基の良質な資産が 14-15 年に移管される

2012‐2020 年の電力開発予備計画によると、ラオスの国内での電力需要の伸びのピークは 11 年の 786MW から

20 年の 3,488MW で、年平均 18%増加すると予測されている。その理由は鉱業及び製造業からの電力需要の増

加、事業活動の増加、ラオス政府の農村電化計画などがあげられる。

一般的に、EDL は国内の電力開発に対して直接的な責任を持つ。そして、100%保有の水力発電所、フアイ・ラ

ンパーン・グナイ(以下、HLPN)とナムカーン 2(以下、NK2)の 2 基はそれぞれ計画された設備容量が

88MW と 130MW であり、14 年、15 年に国の配電網に電気を提供し始めることが決まっている(これらのプ

ロジェクトはラオス国会にて承認されている)。これに沿って、EDL-Gen がこれら 2 基の竣工日に水力発電所

を買収することで、発電能力を増加させる計画となっている。

設備容量 88MW の HLPN 及び 130MW の NK2 はそれぞれ 2.06 億米ドル、3.15 億米ドルの投資費用がかかる。

1MW あたりそれぞれ 230 万米ドル、240 万米ドルに相当する同プロジェクトの投資額の 95%はデット・ファ

イナンスによる資金調達である(7 年間の猶予期間があり年利 2%と資金コストは比較的低い)。EDL-Gen は

2,600 万米ドル(プロジェクト費用の 5%)の資本投入しか必要がないため、困難な状況に置かれることはない

と考える。従って、これらの買収対象資産により資金調達リスクを増加させることはない見込みである。

図表 9: EDL-Gen の資産開発計画

A) 中期的な買収対象資産 B) 発電能力拡大

フアイ・ランパーン・

グナイ

NK2

所在地 セコン ルアンプラバーン

設備容量(MW) 88.0 130.0

EDL 保有分(%) 100% 100%

商業運転日 2014 年 2015 年

輸出 / 国内市場 0 / 100 0 / 100

建設費用(100 万米ドル) 206.3 314.6

融資条件 20 年間、2% 20 年間、2%

負債比率(100 万米ドル) 95/5

196/10.3

95/5

299/15.6

発電所利用率(予測) 65% 51%

資本の内部利益率(IRR) 30.2% 20.5%

出所: KT ZMICO リサーチ

Page 16: EDL (Électricité du Laos)-Generation - Capital2012/08/29  · EDL-Gen の有利子負債比率は、11 年の極めて低い 0.33 倍から12 年は0.84 倍に上昇し、その後13

(100 キップ=1.35 円、1 米ドル=110.54 円で換算) 16 / 24

EDL からの移管資産により潜在的な発電能力が増強する見込み

まだ規模は小さいながらも急速に増加する国内電力需要と、タイ、ベトナム、中国からの電力輸出の大幅な需

要増を背景に、ラオスの潜在的な水力発電量の需要は、現在の 2,530MW から 9 年後の 2020 年には 24,022MW

となることを EDL は予測している(21,492MW の増加となる)。今後の発電能力の潜在的な供給源は EDL の新

規発電能力、IPP からの購入、海外からの輸入及び地域内交換等が考えられる。

最新のデータによると、2020 年に向けた EDL-Gen の発電量増加計画は、建設中の 100% 保有資産からの

579MW、移管が見込まれる電力発電資産(HLPN プロジェクトからの 88MW と NK2 プロジェクトからの

130MW 含む)と表 7 の B にある移管予定の IPP を含む 928MW の 建設中の持分容量からなる。EDL が大株主で

(保有率 75%)あることにより、これらの優れた潜在資産の獲得による EDL-Gen の発電能力の強化は保証済み

といえるだろう。多少の遅延が発生する可能性があるが、EDL-Gen の設計発電能力は最終的に 2020 年に 2,387

MW に達し、2012 年の 881MW から年平均 15%で伸びることになる。

表 7: EDL 資産の取得目標

A)EDL の建設期間計画及び計画発電量(完全所有) B)EDL の持分発電所建設期間計画及び

移管予定の IPP

完全所有 MW 保有率 年

ナンサナ 14 100% 2013

セラバン (拡張) 7.7 100% 2013

セセト 3 23 100% 2013

HLPN 88 100% 2014

ナムグム 1 (拡張) 40 100% 2014

ナンボウン2 15 100% 2014

ナンチェン 80 100% 2015

ナンカン2 130 100% 2015

セセト 4 10 100% 2015

ナンパク 30 100% 2015

ケンセウテン 54 100% 2016

ナンヒンボウン 40 100% 2016

カン 3 47 100% 2016

IPP MW 保有率 年

ナン・タ 3 0.1 10% 2013

ナムグム 5 18 15% 2013

セ・カマン 3 37.5 15% 2013

ナン・ロン 1 20% 2013

ナン・ギオウ 5 25% 2014

ナン・リク 1 6 10% 2014

セナンノイ 1 14.8 10% 2014

ナン・マング 1 12.8 20% 2014

ナン・タ 1 42 25% 2015

ナン・ゲープ 2 18 10% 2015

ターモ・カレウン 150 25% 2015

ナン・ベング 6.8 20% 2015

ナン・モ 18 15% 2015

ナン・オウ 1-7 115.6 10% 2016

セカタン 15.3 25% 2016

ナン・サネ 3 16.3 25% 2016

ダク・エ・メウレ 32.5 25% 2016

セポン 3 下流 7.5 25% 2016

セポン 3 上流 17.5 25% 2016

ナン・ハン 0.7 20% n.a.

ナン・モ 1 6.2 10% n.a.

ナン・ネウン 16.3 25% n.a.

ドン・サホン 48 20% 2017

メコン・サヤブリ 321.3 25% 2019

出所: EDL-Gen及び KT ZMICOリサーチ

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資金源の変動リスクは低い

固定電気料金(THPC プロジェクトの固定電気料金を除く殆どの発電資産で単一の電気料金(引き上げ率 1%)

を適用)と、EDL と EGAT の売電契約(PPA)に則った電力の受渡しにより、EDL-Gen の資金源が変動する懸念

は殆どないと考える。これは、老朽発電所が新設発電所より多い資産ポートフォリオを持つタイの電力事業者

とは大きく異なっている。さらに、タイでは電気料金は前決めのため、電力事業者の収入は減少の段階に入っ

ているだろう。

EDL-Gen が 100%所有する発電所における 10 年間延長を盛り込んだ売電契約の更新の可能性は、固定電気料金

の引き下げにつながる恐れがある。しかしながら、上述の EDL から新たに移管される発電能力を考慮し、これ

は同社の資金源に対する脅威にはならないと考える。

ラオスの電力産業の見通しは明るい

2012-2020 年期の電力開発計画(PDP)によると、需要は堅調に伸びる見通し

12-20 年期の予備計画によると、国内の電力調達・供給における主要国営企業である EDL は、電力需要が 11 年

の 786MW から 20 年は 3,488MW に増加して、年平均 18%伸びると予測した。これは 10-20 年期の前回の PDP

修正案-1 で提案された需要予測(11 年の 644MW から 20 年の 2,905MW への増加、年間平均成長率 18%)を引

き上げたものである。今回予測では、同国の最大負荷は年間 235MW から 293MW に増加する(10-20 年期の

PDP 修正案-1 による)。同国の電力需要の極めて大幅な伸びは、鉱業や加工製造業、サービス産業における需

要増加、及び政府の農村電化率引き上げの目標(15 年世帯総数の 80%から 20 年は 90%へと増やす)に下支え

される。

図 10: ラオスの電力需要の見通し

A) 12-20 年期の PDP 及び

10-20 年期の PDP の需要予測の比較

B) 修正前 PDP に対する

修正後の最大負荷(MW)の増加差異

出所: EDL、PDP2010-2020、PDP 2012-2020(予備)及び KT ZMICOリサーチ

国内と周辺地域の需要を満たすため、大量の発電能力が求められる。

ラオスの国内電力需要が小規模ながらも急速に増加していることと、中国、ベトナム、タイ、カンボジアを含

む地域市場の旺盛な電力需要により、アジアにおける電力需要は前途有望である。この将来的な高成長はラオ

スに、国内需要と輸出先の需要の双方とも満たすための大規模な水力発電所設備の開発への道を開き、その過

程で外国為替収入を増加させることになるだろう。ラオスの利用可能な水力発電能力は現在の 2,530MW から

2020 年の 24,022MW まで 21,492MW 増加するものと、最新のデータに基づいて EDL が予測している。これら

の新規発電能力には、EDL 以外の IPP(21,635MW)が 90%、EDL 持ち分 IPP(1,422MW)が 6%、EDL 完全所有発電所

(966MW)が 4%を占める。

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ラオスは地理的に立地条件が良く、豊富な天然資源に恵まれている。メコン川からの総水流入量の約 35%は、

ラオスの国内に散在する支流からもたらされている。従って、同国の水力発電所は良好な戦略的立地という好

条件に恵まれている。

図 11: ラオスの有望な電力市場

A) 地域内の電力需要 B) ラオスの 2020 年までの発電能力拡大計画

(MW/年) 2010 2020 年平均

成長率

西南中国* 40,000 115,000 11.1%

ベトナム 17,000 48,000 10.9%

タイ 24,630 37,325 4.2%

カンボジア 200 3,000 31.1%

ラオス 584 3,488 19.6%

合計 81,830 203,813 9.6%

出所: ADB、ラオス電力開発計画、ラオスの電力プロジェクト(エネルギー促進開発局、ラオス・エネルギー鉱業省(MEM))

15 年に純輸出国になる予定

ラオスの国内電力市場に限って見れば、2011-2014 年期の需給バランスはマイナスとなる見込み。2012-2020 年

期の予備計画では、上述の期間は中国、東ベトナム、タイから年間 207-306MW を輸入する必要があることを

示している。しかし、15 年には、供給は需要を上回るポジティブな需給バランスに転換し、その幅は 2015 年

の 266MW から 2020 年の 5,249MW に拡大する見込である。その結果、この過剰供給な状態は同国に有望な輸

出市場(特に、合計約 8,000MW の供給不足となるタイとベトナム)を開拓する機会を与える。ラオスは純輸

出国としてこの恩恵を受けるだろう。

表 8: ラオスの 12 年-20 年期の予備 PDP における予測需給バランス

2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

需要(MW) 786 1,021 1,165 1,419 2,083 3,180 3,290 3,401 3,403 3,488

供給(MW) 579 786 859 1,161 2,349 6,851 7,342 8,298 8,473 8,737

需給バランス(MW) -207 -235 -306 -258 266 3,670 4,052 4,897 5,070 5,249

出所: 12年-20年期の予備 PDP

現在

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出所: EDL-Gen及び KT ZMICO予測、キャピタル・パートナーズ証券が円換算

財務サマリー 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年

(実績) (予測) (予測) (予測) (実績) (予測) (予測) (予測)

連結損益計算書 百万米ドル

百万円

電力売上高 (a) 110 126 195 196 12,159 13,928 21,555 21,666

売上原価 -25 -30 -55 -56 -2,764 -3,316 -6,080 -6,190

売上総利益 85 96 140 140 9,396 10,612 15,476 15,476

関連会社、合弁会社からの利益 (b) 0 7 14 15 0 774 1,548 1,658

受取配当金 0 0 0 0 0 0 0 0

その他収益 1 0 1 1 111 0 111 111

為替差損益 0 1 -3 0 0 111 -332 0

総収益 (a)+(b) 111 135 208 212 12,270 14,923 22,992 23,434

当期経常利益 85 104 152 156 9,396 11,496 16,802 17,244

一般管理費 -6 -9 -10 -10 -663 -995 -1,105 -1,105

税金等調整前当期純利益 79 96 142 146 8,733 10,612 15,697 16,139

財務費用 -5 -7 -25 -23 -553 -774 -2,764 -2,542

法人税等 -4 -5 -9 -10 -442 -553 -995 -1,105

純利益 70 84 108 113 7,738 9,285 11,938 12,491

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財務サマリー 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年

(実績) (予測) (予測) (予測) (実績) (予測) (予測) (予測)

連結貸借対照表 百万米ドル

百万円

現金及び現金同等物 43 206 191 200 4,753 22,771 21,113 22,108

流動資産 106 259 253 262 11,717 28,630 27,967 28,961

有形固定資産 492 873 879 842 54,386 96,501 97,165 93,075

合弁企業への投資その他の資産 - 64 72 80 - 7,075 7,959 8,843

非流動資産 54 23 23 23 5,969 2,542 2,542 2,542

資産合計 653 1,218 1,226 1,207 72,183 134,638 135,522 133,422

流動負債 -31 -36 -60 -54 -3,427 -3,979 -6,632 -5,969

長期負債 133 516 472 431 14,702 57,039 52,175 47,643

非流動負債 - 27 27 27 - 2,985 2,985 2,985

負債合計 164 579 560 512 18,129 64,003 61,902 56,596

払込資本 433 613 613 613 47,864 67,761 67,761 67,761

利益剰余金 46 53 74 96 5,085 5,859 8,180 10,612

純資産合計 488 639 666 695 53,944 70,635 73,620 76,825

出所: EDL-Gen及び KT ZMICO予測、キャピタル・パートナーズ証券が円換算

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財務サマリー 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年

(実績) (予測) (予測) (予測) (実績) (予測) (予測) (予測)

キャッシュフロー計算書 百万米ドル 百万円

純利益 70 84 108 113 7,738 9,285 11,938 12,491

減価償却費 19 23 36 38 2,100 2,542 3,979 4,201

為替評価損益 0 -1 3 0 0 -111 332 0

他の非資金費用 0 0 0 0 0 0 0 0

現金収入 0 0 0 0 0 0 0 0

運転資本の増減 -146 19 -8 0 -16,139 2,100 -884 0

設備投資 -21 -402 -42 -1 -2,321 -44,437 -4,643 -111

子会社・投資先への貸出金 0 -63 0 0 0 -6,964 0 0

フリーキャッシュフロー -131 -374 89 141 -14,481 -41,342 9,838 15,586

デット・ファイナンスによる資

金調達 -28 380 -23 -47 -3,095 42,005 -2,542 -5,195

配当金支払額 -19 -71 -81 -85 -2,100 -7,848 -8,954 -9,396

増資額 111 201 0 0 12,270 22,219 0 0

その他 0 -64 0 0 0 -7,075 0 0

キャッシュフロー(純額) -68 72 -15 9 -7,517 7,959 -1,658 995

現金及び現金同等物の

期首残高 111 43 206 191 12,270 4,753 22,771 21,113

為替調整 0 0 0 0 0 0 0 0

現金及び現金同等物の

期末残高 43 206 191 200 4,753 22,771 21,113 22,108

出所: EDL-Gen及び KT ZMICO予測、キャピタル・パートナーズ証券が円換算

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出所: EDL-Gen及び KT ZMICOリサーチ、キャピタル・パートナーズ証券が円換算

一株当たりの数値及び財務比率 2011 年

(実績)

2012 年

(予測)

2013 年

(予測)

2014 年

(予測)

完全希薄後企業価値 (EV) 0.75 0.88 0.88 0.83

完全希薄後 EPS 0.08 0.07 0.09 0.09

加重 EPS 0.09 0.08 0.09 0.09

一株当たり配当金 0.06 0.06 0.07 0.07

一株当たり純資産 0.56 0.52 0.54 0.57

PER (倍) 7.6 9 6.9 6.7

PBR (倍) 1.1 1.2 1.1 1.1

EV/EBITDA 倍率 (倍) 6.6 9.2 6 5.6

配当利回り (%) 10.2 9.5 10.8 11.3

配当性向 (%) 76.7 85 75 75

成長率 (%)

売上高伸び率 na 14.7 54.3 0.5

標準化利益伸び率 na -96.1 -98.8 -98.7

純利益伸び率 na. 19.1 28.8 4.2

EPS 伸び率 na. -15.6 28.8 4.2

EBITDA 伸び率 na. 19.3 51.6 2.7

収益率 (%)

売上総利益率 78.8 78.9 75.1 74.7

EBIT マージン 71.5 70.7 68.5 68.6

EBITDA マージン 88.9 87.5 85.8 86.3

純利益率 63.5 62.4 52 53.1

ROE 17.2 14.9 16.6 16.6

ROA 11 9 8.8 9.3

ROCE (使用資本利益率) 12.6 9.3 9.2 9.7

長期的な支払能力又は財務レバレッジ

有利子負債/純資産比率 0.3 0.8 0.8 0.7

インタレスト・カバレッジ・レシオ 15.4 14.3 5.7 6.3

デット・サービス・ カバレッジ・ レシオ 3.1 4 2.5 2.9

純負債/純資産比率 0.2 0.5 0.5 0.4

純負債/EBITDA 比率 1.2 2.8 1.8 1.5

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