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学校编码:10384 分类号_______密级 ______ 学号:12220061150370 UDC _______ 俳句の漢訳と詩境の再現 ――林林氏の俳句の翻訳を中心に 俳句的汉译与诗境的再现 ——以林林的俳句翻译为中心 指导教师姓名: 吴光辉 副教授 称: 日语语言文学 论文提交日期: 2009 4 论文答辩时间: 2009 5 学位授予日期: 2009 年 6 答辩委员会主席: 人: 2009 年 5 月 厦门大学博硕士论文摘要库

厦门大学博硕士论文摘要库 - COnnecting REpositories · した。林林氏は『日本古典俳句選』(湖南人民出版社1983年)、『日本近代五人 俳句選』(外国文学出版社1990年)の中で、先の五名の俳人だけでなく、夏目

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学校编码:10384 分类号_______密级 ______

学号:12220061150370 UDC _______

硕 士 学 位 论 文 俳句の漢訳と詩境の再現

――林林氏の俳句の翻訳を中心に

俳句的汉译与诗境的再现

——以林林的俳句翻译为中心

叶 秀 蓉

指导教师姓名: 吴光辉 副教授

专 业 名 称: 日 语 语 言 文 学

论文提交日期: 2 0 0 9 年 4 月

论文答辩时间: 2 0 0 9 年 5 月

学位授予日期: 2 0 0 9 年 6 月

答辩委员会主席: 评 阅 人:

2009 年 5 月

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200 年 月 日

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声明人(签名):

200 年 月 日

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要 旨

i

要 旨

俳句は、五・七・五の十七音節からなる短い詩歌であり、世界最短の定型詩

の一つとして知られている。俳句は日本古代の和歌から発展してきて、連歌の

発句の形式を継承したもので、短歌と共に日本の短詩の二つの潮流になる。俳

句は日本文学史の中で重要な位置を占め、現代に至るまで多くの人に愛され、

詠まれ、さまざまな言語に翻訳され、世界の詩歌へも大きな影響を与えている。

庶民的な文学としての俳句には、日本人の性格或いは日本人の「心」が潜ん

でいると言われている。言い換えれば、俳句の研究は、日本文化への理解につ

ながり、それをより一層深めることができると考えられている。

俳句を翻訳する場合、形式か内容のいずれかを主にして行う。まず、漢詩、

漢文の俳句、自由詩、古文、白話文、いかなる「形」を選択して俳句を翻訳す

るのかが、今の翻訳界の論争の焦点の一つである。さらに、俳句漢訳の場合、

季語の解釈と関連して、詩境の理解およびその再現をいかにして実現させるの

か、検討すべきであると私には思われる。

本論では、このような問題意識を持ちながら、俳句漢訳の先行研究を踏まえ、

とりわけ林林氏の訳文実例を取り上げ、氏の翻訳技巧への分析を通じて、その

方法や風格を明らかにし、詩境の再現をいかに実現させるかを模索しようとす

る。とりわけ日本の独特な詩歌――俳句翻訳の「詩境再現」という問題に触れ、

翻訳、とりわけ詩歌の翻訳の根本は一体何かを考えてみたい。

キーワード:詩境 再現 俳句 漢訳 林林 厦门大学博硕士论文摘要库

俳句の漢訳と詩境の再現――林林氏の俳句の翻訳を中心に

ii

摘 要

俳句是由 5-7-5 三节 17 个音构成的短诗,是世界上最短的格律诗之一。俳

句是由日本古代的和歌发展而来,它继承了连歌首句的形式,与短歌一并形成了

日本短诗文学的两大潮流。俳句在日本文学史中占有相当重要的地位,至今仍为

很多日本人所喜爱。俳句创作仍很盛行,它曾被译为多国文字,对世界诗坛产生

了极为重要的影响。

俳句是平民的诗歌,由此,我们可以看到日本人的性格或者说日本人的心。

换句话说,这样的诗歌研究,将会与日本文化的认识联系在一起,并将有助于加

深我们对日本文化的进一步理解。

俳句翻译,究竟是要以形式为主还是以内容为主?面对以往的格律诗,汉俳,

自由诗,古文,白话文的形式,我们如今应该作出一个什么样的选择,乃是目前

争论的焦点之一。而且,翻译俳句之际,如何来对季语加以操作,乃至如何理解

俳句的诗境并将之再现,也是一个亟需探讨的问题。

抱着这样的问题意识,本论将立足于俳句翻译的先行研究,选择以林林的俳

句翻译实例为考察对象,通过对其翻译技巧的分析,来弄清其翻译的方法与风格,

摸索如何实现诗境再现的途径。最后,通过涉及俳句这一日本独特的诗歌翻译的

“诗境再现”的问题,来探讨翻译、尤其是诗歌翻译的根本究竟何在的问题。

关键词:俳句;汉译;诗境;再现;林林

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目 次

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目 次

序論…………………………………………………………………… 1

第一節 俳句漢訳の先行研究……………………………………………… 1

第二節 本論の問題意識と組立て………………………………………… 3

第一章 俳句とは何か……………………………………………… 4

第一節 俳句の定義と歴史………………………………………………… 4

第二節 俳句の特徴………………………………………………………… 6

第二章 俳句の漢訳………………………………………………… 9

第一節 俳句漢訳の研究…………………………………………………… 9

第二節 林林氏の俳句理解………………………………………………… 11

第三節 林林氏による俳句漢訳への理解………………………………… 14

第三章 林林氏の俳句漢訳…………………………………………16

第一節 俳句漢訳1――「景に触れ情が生ずる」……………………… 17

第二節 俳句漢訳 2――「情を移し景に入り込む」…………………… 22

第四章 俳句の漢訳と詩境の再現…………………………………34

第一節 俳句の漢訳と形式……………………………………………… 34

第二節 詩境の再現とは何か…………………………………………… 36

結論……………………………………………………………………38

参考文献………………………………………………………………40

謝辞……………………………………………………………………42

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俳句の漢訳と詩境の再現――林林氏の俳句の翻訳を中心に

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目 录

序论……………………………………………………………………1

第一节 俳句汉译的先行研究……………………………………………… 1

第二节 本论的问题意识与结构…………………………………………… 3

第一章 俳句是什么………………………………………………… 4

第一节 俳句的定义和历史………………………………………………… 4

第二节 俳句的特征………………………………………………………… 6

第二章 俳句的汉译………………………………………………… 9

第一节 俳句汉译的研究………………………………………………… 9

第二节 林林的俳句理解………………………………………………… 11

第三节 林林对俳句汉译的理解………………………………………… 14

第三章 林林的俳句汉译…………………………………………… 16

第一节 俳句汉译 1――“触景生情” ………………………………… 17

第二节 俳句汉译 2――“移情入景” ………………………………… 22

第四章 俳句的汉译与诗境再现…………………………………… 34

第一节 俳句的汉译与形式……………………………………………… 34

第二节 诗境的再现是什么……………………………………………… 36

结论…………………………………………………………………… 38

参考文献……………………………………………………………… 40

谢词…………………………………………………………………… 42

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序 論

1

序 論

俳句は、五・七・五の十七音節からなる短い詩歌であり、世界最短の定型詩

の一つとして知られている。俳句は古代の和歌から発展してきて、連歌の発句

の形式を継承したもので、短歌と共に日本の短詩の二つの潮流となっている。

俳句は日本文学史の中で重要な位置を占め、現代に至るまで多くの人に愛され、

詠まれ、さまざまな言語に翻訳され、世界の詩歌へも大きな影響を与えている。

庶民的な文学としての俳句には、日本人の性格或いは日本人の「心」が潜ん

でいると言われている。言い換えれば、俳句の研究は、日本文化への理解につ

ながり、それをより一層深めることができると考えられている。

第一節 俳句漢訳の先行研究

日本の俳句が中国に導入されたのは、1919年の「五四運動」の後である。彭

恩華氏の研究1によると、中国人の俳人といえば、葛祖蘭は第一人であると言わ

れている。葛氏は20世紀30年代にすでに俳句の創作活動を始め、現代日本の俳

人とも付き合っている。1981年、葛氏は日本の俳句雑誌に発表したものをまと

め、『祖蘭俳存』という一冊を出版した。それは、中国人の最初の俳句集と言

われている。

俳句の創作と同時に、俳句の翻訳が盛んにおこなわれている。すでに彭恩華

氏は『日本俳句史』(学林出版社 1983 年)の中で、松尾芭蕉、谷口蕪村、小林

一茶、正岡子規、碧梧桐、高浜虚子らの俳人を紹介し、それぞれの俳句を翻訳

した。林林氏は『日本古典俳句選』(湖南人民出版社 1983 年)、『日本近代五人

俳句選』(外国文学出版社 1990 年)の中で、先の五名の俳人だけでなく、夏目

漱石、水原秋桜子という二人の俳人の俳句を紹介し、翻訳した。李芒氏は『日

語知識』において、「歌俳訳話」シリーズを発表し、自らの俳句翻訳の経験を

1 彭恩華『日本俳句史』[M]、学林出版社 1983 年、第 137 頁。

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俳句の漢訳と詩境の再現――林林氏の俳句の翻訳を中心に

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語っている。要するに、日本の詩歌研究という領域の中で、俳句の翻訳は一つ

の焦点として注目を浴びている。

俳句を翻訳する場合、中国人の翻訳者は、様々な形でそれを翻訳している。

彭恩華氏は『日本俳句史』における「俳句の漢訳」という一節の中で、中国人

による俳句翻訳の形式をつぎのようにまとめた。

1 古詩 氏によって挙げられたように、銭稲孫の翻訳した『日本詩歌選』

は、ほとんど古文と古詩の句、つまり五言或るいは七言を採用した。

2 白話 周啓明氏の翻訳『日本的詩歌』は現代語の自由体で、句数と字数

に拘らない、と氏はそれを翻訳の代表として取り上げている。

3 十七字 すなわち、必ずしも五、七、五という順序に拘らず、五、七と

いう漢字の数字に従い、合わせて十七漢字で翻訳する。1

俳句翻訳の難しさは、中国人の研究者によってよく指摘されている。「訳俳

断想」において劉強氏は、「縮み志向の芸術品」としての俳句を翻訳する場合、

季節、自然への日本人の独特な「感覚」、つまり季語の翻訳が一番難しいと指

摘し、注釈を付けるか、或いは意訳の方法で翻訳の問題を解決すると主張して

いる。2

李芒氏は、「歌俳訳話」において、種田山頭火の「分け入っても分け入って

も青い山」という句を翻訳する場合、ただ「青山」という物象に捉え、「分け

入っても分け入っても」、なかなか迷いから抜け出せない詩人の心境に注目し

なかった。だから、俳句の翻訳の一番重要なポイントは、詩人の心境の把握、

さらにそれを再現させることにある、と氏は指摘した。3

要するに、俳句の翻訳に関して、形式の問題、季語の翻訳の問題、詩人の心

境の理解と再現の問題は、今の中国俳句翻訳界の三大問題であると言えるであ

ろう。この三大問題をめぐって、多くの研究者、とりわけ李芒氏、羅興典氏を

中心に、数多くの論争や共鳴が現れている。このように、俳句翻訳の研究は、

今の多くの研究者がともに関心を持つものとなってきた。

1 彭恩華『日本俳句史』[M]、学林出版社 1983 年、第 3頁。

2 劉強「訳俳断想」[J]、『日語学習与研究』、1985 年第 3期。

3 李芒「歌俳訳話(2)」[J]、『日語知識』、1986 年第 2期。

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序 論

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第二節 本論の問題意識と組立て

すでに述べたように、俳句を翻訳する場合、形式か内容かのいずれを主にし

て行う。まず、漢詩、漢文の俳句、自由詩、古文、白話文、いかなる「形」を

選択して俳句を翻訳するのか、今の翻訳界の論争の焦点の一つである。さらに、

俳句漢訳の場合、季語の解釈と関連して、詩境の理解およびその再現をいかに

して実現させるのか、検討すべきであると私には思われる。

言い換えれば、本論の問題意識は、次の三点にまとめられる。第一に、俳句

翻訳の形式の在り方は、いったい何であろうか。第二に、季語翻訳に関して、

いかにして俳句そのものの表現と漢訳の言葉との一致性を求めるか、第三に、

詩境の理解及びその再現の問題を提出し、俳句翻訳或いは詩歌翻訳の根本はい

ったい何であるかを明らかにしたい。言うまでもなく、形式、季語の問題より

も、詩境の理解と再現が、一番関心を持っているものである。

このような問題意識を持ちながら、本論「俳句の漢訳と詩境の再現」におい

ては、まず、第一章「俳句とは何か」の中で、俳句の定義、歴史的変遷及び俳

句の特徴を考察する。次に、第二章「俳句の漢訳」においては、俳句漢訳の問

題を明らかにし、林林氏の俳句理解、ないし俳句漢訳への解釈を述べる。第三

章「林林氏の俳句翻訳」において、林林氏の俳句翻訳の実例を取り上げ、それ

らを分析し、詩境の再現が実現されたか否かを解明しようとする。最後に、「俳

句の漢訳と詩境の再現」において、俳句翻訳の根本は詩境の再現にある、と検

討して結論を下す。

要するに、本論では、俳句漢訳の先行研究を踏まえ、林林氏の訳文実例を取

り上げ、氏の翻訳技巧への分析を通じて、その翻訳の方法や風格を明らかにし、

詩境の再現をいかに実現させるかを模索しようとする。

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俳句の漢訳と詩境の再現――林林氏の俳句の翻訳を中心に

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第一章 俳句とは何か

第一節 俳句の定義と歴史

1.1 俳句の定義

俳句とは、五・七・五の17音を定型とする短い詩であり、世界最短の定型

詩の一つである。俳句を詠む(作る)人を俳人と呼ぶ。俳句として、二つのル

ールを守らなければならない。一つは、十七の音節からなるものである。だか

ら、「十七文字」とも呼ばれている。この十七の音節は上五、中七、下五とい

うように三つの部分に分けられている。もう一つは、季語というものが必要で

ある。いわゆる季語とは、「桜」、「梅雨」をはじめ、季節を表す言葉である。

俳句は、連歌の発句の形式を継承したもので、季題や切れ字を読み込むのを

ならいとする。ただし、俳句という呼称は、明治中期、正岡子規の俳諧革新運

動以後に広まったものであるが、江戸時代以前、普通「俳諧の発句」と呼ばれ

ている。王朝時代の短歌と共に、日本の短詩型文学の二つの潮流として知られ

ている。

1.2 俳句の起源と成立

彭恩華氏の研究によると、俳句の起源を遡って見れば、「和歌 → 短連歌

→ 長連歌 → 俳諧連歌 → 俳句(発句)」1と考えられる。

よく知られているように、王朝時代の和歌という伝統を踏まえて、15 世紀の

日本では、「連歌」と呼ばれる詩の形式が隆盛を迎えていた。連歌は複数の作

家の共同作業によって制作される詩であり、17 音(5 音・7 音・5 音)から成

る詩行と、14 音(7 音・7 音)から成る詩行を、参加メンバーが交互に継ぎ足

1 彭恩華『日本俳句史』[M]、学林出版社 1983 年、第 3頁。

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第一章 俳句とは何か

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していき、通常 100 行の詩を完成させるものである。

格調の高い、アカデミックな詩――連歌に次ぎ、16 世紀になると、連歌に代

わり、ユーモアの詩である「俳諧」が流行するようになった。連歌と同様に、

俳諧は 17音と 14音の詩行の組み合わせによって展開し、連歌をパロディ化し、

卑俗かつ当世風の笑いを導入したものである。俳諧は、語呂合わせを多用し、

生活臭の濃い事物を好んで題材とした。連歌や俳諧の第 1行目は「発句」と呼

ばれる。俳諧では、発句だけを独立した作品として発表する例も見られるよう

になった。

「俳句」という言葉は、この「俳諧」という言葉から由来した。俳諧という

言葉は、もとは「こっけい」・「おもしろみ」といった意味で、室町時代から

江戸時代にかけてさかんに作られた連歌で使われていたものである。連歌はも

ともとは、優雅な美の世界をめざすものだが、やがて本来の道からそれ、こっ

けいな言葉の遊びとなった。次第に、連歌の上の句(五・七・五)が独立して

鑑賞されるようになり、今の「俳句」のもとになった。この独立したかたちの

ものを、「俳諧の句」と呼ぶ。

江戸時代になると、「奥の細道」の作者である松尾芭蕉をはじめ、谷口蕪村、

小林一茶らの俳人が活躍し、数多くの俳句を世に残した。彼らの活動によって、

俳句は、広く庶民の間に流行していた。明治維新後に登場した正岡子規が、こ

の古くからの詩のかたちを、新しい詩としてよみがえらせようと考え、「俳句」

という名前をつけた。そして今なお、その形態が継承されている。

日本研究者、文芸評論家の小泉八雲はかつて、日本の俳句が、まさに「日本

の絵」みたいで、それらによって反映される「日本人の生活」が分からないと、

十分にそれを理解できない1、と指摘している。このような俳句の起源や成立を

考えると、いくつかの時代的変遷を経験してきた俳句は、まさに氏の語ったよ

うに、日本人の日常生活、日本人の自然観、日本人の心境に根ざして、日本人

の独特なセンスによってのみ実現されるものである。

1 小泉八雲「日本詩散記」[Z]、彭恩華『日本俳句史』、学林出版社 1983 年、第 4頁。

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俳句の漢訳と詩境の再現――林林氏の俳句の翻訳を中心に

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第二節 俳句の特徴

日本現代俳人清水基吉氏によると、俳句の美は、約束が生む美しさである。

李芒氏はこの説を介して、韻文としての俳句は三つの約束、すなわち、韻律、

季語、切れ字があると指摘した。言い換えれば、俳句の特徴を明らかにするに

は、この三つの「約束」から出発しなければならない。

2.1 韻律

俳句は定型詩であり、五・七・五の韻律が重要な要素となっている。この韻

律は開音節という日本語の特質から必然的に成立したリズムであり、俳句の制

約とか、規則と考えるべきではない。五の部分が 6音以上に、または七の部分

が 8音以上になることを字余りという。

字数が限られているため、俳句にとって、省略は最も大切なことになる。体

言止めを用いて動詞や助詞を省略したりして、不用な言葉を省略することによ

って、リズムや余韻が生じてくる。三句十七音という限られた字数の中で、作

者の意図を最大限に表現するために、様々な表現技法が用いられる。

2.2 季語

季語とは連歌・連句・俳句で、句の季節を示すために、読み込むように特に

定められた語である。例えば、鶯は春の季語、金魚は夏の季語。俳句は、和歌

の上の句(五・七・五)と下の句(七・七)を別々の人が交互に作る連歌〔れ

んが〕の上の句だけが独立してできた。

江戸時代に松尾芭蕉が「俳諧の句」として確立させ、大流行した。俳句は三

句十七音という限られた文字数の中で、自然の美しさや人の心情を表現しなけ

ればならない。そこで、季語を入れる事によって、作者の意図する情景をわか

りやすく表現する事ができる。つまり、季語というのは、その言葉が入るだけ

で、誰もがその季節を思い浮かべられる言葉の事を言う。

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