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5 5 7 9 CORPORATE REPORT 2020 ISSUE Jan.1-Dec. 31, 2019

CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

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Page 1: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

見やすく読みまちがえにくいユニバーサルデザインフォントを採用しています。

2020.04

応用地質に関するお問い合わせは

03-5577-4501(代)https://www.oyo.co.jp/[email protected]

東京都千代田区神田美土代町7番地応用地質株式会社 経営企画本部

T E LU R LE-mail

〒101-8486

冊子名称について この冊子には、2019年12月期までの業績や取り組み、2020年以降の取り組みなどを掲載しており、 発行が2020年であるため、冊子名称を「Corporate Report 2020 ISSUE」としております。

5579 : ドーコ券証

CORPORATE R E P O R T

2020 ISSUE Jan.1-Dec. 31, 2019

Page 2: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

人と地球の未来にベストアンサーを。持続可能な社会の実現に向けて

表紙について報告対象期 間 2019年12月期    (2019年1月1日~2019年12月31日)    ※上記期間以外の情報も一部掲載しています。組 織 応用地質グループ

※将来見通しに関する注意事項本レポートに記載されている将来の計画数値、施策など見通しに関する内容は、現在入手可能な情報から当社が現時点で合理的であるとした判断及び仮定に基づいて算定されています。従いまして、実際の業績は、内外主要市場の経済状況や為替相場の変動などさまざまな重要な要素により、記載の見通しとは大きく異なる可能性があります。

当社グループは地球科学に関わる様々な技術により、社会や暮らしの安全と安心を支えることを社会的使命とする企業です。表紙の画像は、宇宙空間から人工衛星が静かに地球を見守っているイメージであり、当社グループの企業理念やビジョンを象徴するものとして今回の表紙に採用いたしました。また、見開き左ページの無限大マークは、当社が積極的に取り組んでいる異業種との交流によりグループの事業が無限大に広がる可能性があることや、持続可能な社会の構築に向けて飽くなき挑戦を続けていくことを象徴しています。

Contents Corporate Report 2020 ISSUE

第1章 持続可能な社会の実現に向けて人と地球の未来にベストアンサーを。 …………………………………………01基盤を築く 1 インフラ・メンテナンス…………………………………………02安心を創る 2 防災・減災 …………………………………………………………………04環境を守る 3 環境 ………………………………………………………………………………06資源を保つ 4 資源・エネルギー ……………………………………………………08

第2章 OYOの価値創造社長ごあいさつ/OYOの理念 …………………………………………………………10OYOのあゆみ …………………………………………………………………………………………12OYOの現在………………………………………………………………………………………………14価値創造プロセス1 全体像 ………………………………………………………………16価値創造プロセス2 ビジネスモデル ……………………………………………18

第3章 OYOの成長戦略トップメッセージ …………………………………………………………………………………20中長期経営計画………………………………………………………………………………………26

第4章 セグメント別の戦略4つの事業セグメント …………………………………………………………………………28 セグメント1 インフラ・メンテナンス ……………………………………30 セグメント2 防災・減災 ………………………………………………………………32 セグメント3 環境 ……………………………………………………………………………34 セグメント4 資源・エネルギー …………………………………………………36

第5章 ESGESG概要……………………………………………………………………………… 38SDGs追求型経営による企業価値向上……………………… 40コーポレート・ガバナンス…………………………………………… 42役員構成……………………………………………………………………………… 46リスクマネジメント ……………………………………………………… 48コンプライアンス …………………………………………………………… 49ワークライフバランス …………………………………………………… 50人材の確保・育成 …………………………………………………………… 51環境課題への対応 …………………………………………………………… 52社会貢献 ……………………………………………………………………………… 53

第6章 データ編主要財務データ(連結)………………………………………………… 54事業拠点……………………………………………………………………………… 56グループ会社 …………………………………………………………………… 57有資格者/認証取得 ……………………………………………………… 58会社・株式の概要 …………………………………………………………… 59

Page 3: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

人と地球の未来にベストアンサーを。持続可能な社会の実現に向けて

表紙について報告対象期 間 2019年12月期    (2019年1月1日~2019年12月31日)    ※上記期間以外の情報も一部掲載しています。組 織 応用地質グループ

※将来見通しに関する注意事項本レポートに記載されている将来の計画数値、施策など見通しに関する内容は、現在入手可能な情報から当社が現時点で合理的であるとした判断及び仮定に基づいて算定されています。従いまして、実際の業績は、内外主要市場の経済状況や為替相場の変動などさまざまな重要な要素により、記載の見通しとは大きく異なる可能性があります。

当社グループは地球科学に関わる様々な技術により、社会や暮らしの安全と安心を支えることを社会的使命とする企業です。表紙の画像は、宇宙空間から人工衛星が静かに地球を見守っているイメージであり、当社グループの企業理念やビジョンを象徴するものとして今回の表紙に採用いたしました。また、見開き左ページの無限大マークは、当社が積極的に取り組んでいる異業種との交流によりグループの事業が無限大に広がる可能性があることや、持続可能な社会の構築に向けて飽くなき挑戦を続けていくことを象徴しています。

Contents Corporate Report 2020 ISSUE

第1章 持続可能な社会の実現に向けて人と地球の未来にベストアンサーを。 …………………………………………01基盤を築く 1 インフラ・メンテナンス…………………………………………02安心を創る 2 防災・減災 …………………………………………………………………04環境を守る 3 環境 ………………………………………………………………………………06資源を保つ 4 資源・エネルギー ……………………………………………………08

第2章 OYOの価値創造社長ごあいさつ/OYOの理念 …………………………………………………………10OYOのあゆみ …………………………………………………………………………………………12OYOの現在………………………………………………………………………………………………14価値創造プロセス1 全体像 ………………………………………………………………16価値創造プロセス2 ビジネスモデル ……………………………………………18

第3章 OYOの成長戦略トップメッセージ …………………………………………………………………………………20中長期経営計画………………………………………………………………………………………26

第4章 セグメント別の戦略4つの事業セグメント …………………………………………………………………………28 セグメント1 インフラ・メンテナンス ……………………………………30 セグメント2 防災・減災 ………………………………………………………………32 セグメント3 環境 ……………………………………………………………………………34 セグメント4 資源・エネルギー …………………………………………………36

第5章 ESGESG概要……………………………………………………………………………… 38SDGs追求型経営による企業価値向上……………………… 40コーポレート・ガバナンス…………………………………………… 42役員構成……………………………………………………………………………… 46リスクマネジメント ……………………………………………………… 48コンプライアンス …………………………………………………………… 49ワークライフバランス …………………………………………………… 50人材の確保・育成 …………………………………………………………… 51環境課題への対応 …………………………………………………………… 52社会貢献 ……………………………………………………………………………… 53

第6章 データ編主要財務データ(連結)………………………………………………… 54事業拠点……………………………………………………………………………… 56グループ会社 …………………………………………………………………… 57有資格者/認証取得 ……………………………………………………… 58会社・株式の概要 …………………………………………………………… 59

01OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

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基盤を築く

交通環境整備・マネジメントサービス

2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

でも2012年12月に山梨県の笹子トンネルの天井崩落事故が発生するなど、社会インフラ

の老朽化に伴う事故の増加は国内外で問題となっています。また、新興国を中心として、

急速な経済成長と都市化の進行に伴い、インフラの建設・更新需要も年々高まっています。

当社グループでは、当社が市場をリードしている地盤3次元化技術や、国内で長年培って

きたインフラ構造物の点検ノウハウ、さらには、グループの強みの一つであるセンシング

機器の開発力を武器に、世界の旺盛なインフラ・メンテナンスの需要に応えることで、安心・

安全なまちづくりを通して持続可能な開発目標SDGsの達成に貢献していきます。

路面下空洞探査サービス 社会インフラの維持管理・長寿命化サービス

埋設管探査用レーダーシステムユーティリティースキャンスマート

3次元地盤モデル 関連ソフトウェアBIM/CIMへの取り組み

主な事業内容

 詳細は「第4章セグメント別の戦略 インフラ・メンテナンス」 P30~31参照

02 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

1  インフラ・メンテナンス

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基盤を築く

交通環境整備・マネジメントサービス

2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

でも2012年12月に山梨県の笹子トンネルの天井崩落事故が発生するなど、社会インフラ

の老朽化に伴う事故の増加は国内外で問題となっています。また、新興国を中心として、

急速な経済成長と都市化の進行に伴い、インフラの建設・更新需要も年々高まっています。

当社グループでは、当社が市場をリードしている地盤3次元化技術や、国内で長年培って

きたインフラ構造物の点検ノウハウ、さらには、グループの強みの一つであるセンシング

機器の開発力を武器に、世界の旺盛なインフラ・メンテナンスの需要に応えることで、安心・

安全なまちづくりを通して持続可能な開発目標SDGsの達成に貢献していきます。

路面下空洞探査サービス 社会インフラの維持管理・長寿命化サービス

埋設管探査用レーダーシステムユーティリティースキャンスマート

3次元地盤モデル 関連ソフトウェアBIM/CIMへの取り組み

主な事業内容

 詳細は「第4章セグメント別の戦略 インフラ・メンテナンス」 P30~31参照

03OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

第 1 章 持続可能な社会の実現に向けて

Page 6: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

安心を創る

地球温暖化や気候変動の影響により、豪雨や干ばつ、森林火災などの自然災害が世界中

で増加しています。また日本は、地震多発国である他、度重なる地殻変動等で国土が脆

弱であり、近年の台風・豪雨の頻発化と激甚化に伴い、毎年のように大規模な土砂災害

や河川災害が発生しています。当社グループは、自然災害の多い日本で培った最先端の

被害予測や調査・モニタリング技術、30か国以上におよぶ防災・減災プロジェクトの経験

などを基礎に、世界の自然災害による被害の軽減に寄与するとともに、地盤や地震に関

する豊富な知見を活かして積極的に世界に発信し、持続可能な開発目標 SDGsにおける

防災・減災分野の先導モデル構築を目指していきます。

主な事業内容

 詳細は 「第4章セグメント別の戦略  防災・減災」      P32~33参照

自治体向け災害対策情報提供システム

BCPソリューションServiBers (サバイバーズ)

巨大地震への備え・地震動算定・被害予測サービス

津波高・浸水範囲予測サービス

火山監視システム地すべり・斜面崩壊対策サービス

04 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

2   防 災・減 災

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安心を創る

地球温暖化や気候変動の影響により、豪雨や干ばつ、森林火災などの自然災害が世界中

で増加しています。また日本は、地震多発国である他、度重なる地殻変動等で国土が脆

弱であり、近年の台風・豪雨の頻発化と激甚化に伴い、毎年のように大規模な土砂災害

や河川災害が発生しています。当社グループは、自然災害の多い日本で培った最先端の

被害予測や調査・モニタリング技術、30か国以上におよぶ防災・減災プロジェクトの経験

などを基礎に、世界の自然災害による被害の軽減に寄与するとともに、地盤や地震に関

する豊富な知見を活かして積極的に世界に発信し、持続可能な開発目標 SDGsにおける

防災・減災分野の先導モデル構築を目指していきます。

主な事業内容

 詳細は 「第4章セグメント別の戦略  防災・減災」      P32~33参照

自治体向け災害対策情報提供システム

BCPソリューションServiBers (サバイバーズ)

巨大地震への備え・地震動算定・被害予測サービス

津波高・浸水範囲予測サービス

火山監視システム地すべり・斜面崩壊対策サービス

05OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

第 1 章 持続可能な社会の実現に向けて

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環境を守る

 詳細は 「第4章セグメント別の戦略  環 境」      P34~35参照

経済成長に伴う生活環境の改善により、先進各国だけでなく新興国においても急速に環

境意識が高まりつつあります。また、世界的なESG投資の拡大により、企業の環境経営

に対する取り組みがこれまで以上に求められるようになってきました。その一方で、世界

人口の爆発的な増加は工業化と農地拡大を加速させ、森林破壊や地下水の枯渇、自然災

害の増加、廃棄物処分場のひっ迫、温暖化ガスの増加など、生態系への著しい悪影響を

地球規模で及ぼしつつあります。当社グループでは、生産活動が環境に与える影響の研

究や最先端の資源循環技術の開発、樹木の健全度診断・育成サービスなど、独自の技術・

サービスを通じて人と自然の調和を図り、持続可能な社会の構築に貢献してまいります。

主な事業内容

災害廃棄物処理計画/早期処理支援サービス

土壌汚染対策ワンストップサービス

グリーンインフラの点検・維持管理サービス

環境経営支援サービスアスベスト分析・除去工事ワンストップサービス

福島復興関連支援サービス

06 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

3   環 境

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環境を守る

 詳細は 「第4章セグメント別の戦略  環 境」      P34~35参照

経済成長に伴う生活環境の改善により、先進各国だけでなく新興国においても急速に環

境意識が高まりつつあります。また、世界的なESG投資の拡大により、企業の環境経営

に対する取り組みがこれまで以上に求められるようになってきました。その一方で、世界

人口の爆発的な増加は工業化と農地拡大を加速させ、森林破壊や地下水の枯渇、自然災

害の増加、廃棄物処分場のひっ迫、温暖化ガスの増加など、生態系への著しい悪影響を

地球規模で及ぼしつつあります。当社グループでは、生産活動が環境に与える影響の研

究や最先端の資源循環技術の開発、樹木の健全度診断・育成サービスなど、独自の技術・

サービスを通じて人と自然の調和を図り、持続可能な社会の構築に貢献してまいります。

主な事業内容

災害廃棄物処理計画/早期処理支援サービス

土壌汚染対策ワンストップサービス

グリーンインフラの点検・維持管理サービス

環境経営支援サービスアスベスト分析・除去工事ワンストップサービス

福島復興関連支援サービス

07OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

第 1 章 持続可能な社会の実現に向けて

Page 10: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

新興国をはじめとした世界の急速な経済成長と人口爆発に伴い、農業・工業用水などの

水資源やエネルギーの不足が年々深刻化しつつあります。一方で、地球温暖化や環境破

壊への懸念から、原油・石炭など化石燃料や原子力など従来型エネルギーへの風当たり

は強くなり、それに代わる代替エネルギーとして、太陽光や風力、地熱など再生可能エネ

ルギーへの期待が世界中で高まっています。当社グループでは、世界の資源・エネルギ

ーの不足に対するソリューションとしての低コストな資源探査技術の開発や、急速に市場

が拡大する風力発電など再生可能エネルギーの開発支援サービスを提供することで、世

界経済の更なる発展と持続可能な資源・エネルギー開発に貢献してまいります。

 詳細は 「第4章セグメント別の戦略  資源・エネルギー」   P36~37参照

エネルギー安定供給に向けた高度地質調査サービス

地熱発電事業化支援サービス メタンハイドレート開発研究 地中熱導入支援サービス

海底4次元探査サービス洋上風力発電支援サービス

主な事業内容

資源を保つ

08 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

4   資 源・エネルギ ー

Page 11: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

新興国をはじめとした世界の急速な経済成長と人口爆発に伴い、農業・工業用水などの

水資源やエネルギーの不足が年々深刻化しつつあります。一方で、地球温暖化や環境破

壊への懸念から、原油・石炭など化石燃料や原子力など従来型エネルギーへの風当たり

は強くなり、それに代わる代替エネルギーとして、太陽光や風力、地熱など再生可能エネ

ルギーへの期待が世界中で高まっています。当社グループでは、世界の資源・エネルギ

ーの不足に対するソリューションとしての低コストな資源探査技術の開発や、急速に市場

が拡大する風力発電など再生可能エネルギーの開発支援サービスを提供することで、世

界経済の更なる発展と持続可能な資源・エネルギー開発に貢献してまいります。

 詳細は 「第4章セグメント別の戦略  資源・エネルギー」   P36~37参照

エネルギー安定供給に向けた高度地質調査サービス

地熱発電事業化支援サービス メタンハイドレート開発研究 地中熱導入支援サービス

海底4次元探査サービス洋上風力発電支援サービス

主な事業内容

資源を保つ

09OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

第 1 章 持続可能な社会の実現に向けて

Page 12: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

地球にかかわる総合コンサルタントとして地域社会に貢献するとともに独創的な技術により新しい市場を自ら創造できる企業

経営ビジョン

価 値創造へ

代表取締役社長

成田 賢

 当社は「地質工学の創造」を旗印に地質調査業を出発点として創業し、以降、地質分野を起点として、

インフラ・メンテナンス、防災・減災、環境、資源・エネルギーなど、多様な分野へ事業を拡大してまいりま

した。そして現在、当社グループは、地質学、地球物理学、土質力学、土木工学、水理学、環境工学、生

態学など、地球科学全般に係る幅広い知見と専門技術を持ち、単なる調査・コンサルタント会社に止ま

らない、社会課題に対応したソリューションプロバイダへと生まれ変わりつつあります。

 世界では今、インフラの老朽化や自然災害の増加、環境破壊、資源の枯渇など、これまでになく多く

の課題が山積しています。そして、これらの課題に直接的に向き合う当社グループの事業に対する期

待も、年々高まっていることを感じています。当社グループの手掛ける事業は、公共性が強く、社会課題

の解決に直接的に関与しうるものです。しかしながら、これまで当社グループでは、そのことを社会に対

して十分に価値発信できておらず、そのため必ずしも社会における企業の認知度は高いものではあり

ませんでした。

 今後は、当社グループに対する市場の期待に十二分に応え、事業の拡大を通じて社会のサステナビ

リティ構築に貢献するとともに、当社の事業の価値や取組みを積極的に社会に発信することにより、一

層の株主価値の向上に邁進してまいります。

代表取締役社長 成 田 賢

人と自然の調和を図るとともに安全と安心を技術で支え社業の発展を通じて社会に貢献する

経営理念

10 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

社 長 ご あいさつ

O Y O の 理 念

Page 13: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

地球にかかわる総合コンサルタントとして地域社会に貢献するとともに独創的な技術により新しい市場を自ら創造できる企業

経営ビジョン

価 値創造へ

代表取締役社長

成田 賢

 当社は「地質工学の創造」を旗印に地質調査業を出発点として創業し、以降、地質分野を起点として、

インフラ・メンテナンス、防災・減災、環境、資源・エネルギーなど、多様な分野へ事業を拡大してまいりま

した。そして現在、当社グループは、地質学、地球物理学、土質力学、土木工学、水理学、環境工学、生

態学など、地球科学全般に係る幅広い知見と専門技術を持ち、単なる調査・コンサルタント会社に止ま

らない、社会課題に対応したソリューションプロバイダへと生まれ変わりつつあります。

 世界では今、インフラの老朽化や自然災害の増加、環境破壊、資源の枯渇など、これまでになく多く

の課題が山積しています。そして、これらの課題に直接的に向き合う当社グループの事業に対する期

待も、年々高まっていることを感じています。当社グループの手掛ける事業は、公共性が強く、社会課題

の解決に直接的に関与しうるものです。しかしながら、これまで当社グループでは、そのことを社会に対

して十分に価値発信できておらず、そのため必ずしも社会における企業の認知度は高いものではあり

ませんでした。

 今後は、当社グループに対する市場の期待に十二分に応え、事業の拡大を通じて社会のサステナビ

リティ構築に貢献するとともに、当社の事業の価値や取組みを積極的に社会に発信することにより、一

層の株主価値の向上に邁進してまいります。

代表取締役社長 成 田 賢

人と自然の調和を図るとともに安全と安心を技術で支え社業の発展を通じて社会に貢献する

経営理念

11OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

第 2 章 OYOの価値創造

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19541957

19581963196419711972

財団法人 深田地質研究所設立(企業の母体)「地質工学の創造」を旗印に応用地質調査事務所設立資源分野の物理探査手法を土木分野へ適用開始創造の拠点として、浦和研究所竣工新潟地震発生、初めての災害調査団派遣サンフェルナンド地震、初めての海外調査団派遣第1回社内技術発表会

1974197619791979

19801985

第1回地質調査機器展開催(現在のOYOフェア)長良川堤防決壊災害 風水害による被害調査開始初めての長期ビジョン「OYO2000年ビジョン」「土木と化学の境界領域を開拓」 化学環境試験室開設本格的に海外事業を開始商号を「応用地質株式会社」に変更

1992

199519951998

200020042006

岩と土と水の総合的な試験・研究センター「コアラボ」開設(民間で最大級)東京証券取引所市場第一部に上場阪神淡路大震災への対応(延べ4,000人の動員)土木工学と生態学の融合をめざして、応用生態工学研究所開設執行役員制導入経営理念、経営ビジョンを刷新コンプライアンスマニュアル策定

2009

2010201120142014201620182018

応用地質グループ長期経営ビジョン「OYO 2020」策定中期経営計画「OYO Hop10」策定東日本大震災への対応中期経営計画「OYO Step14」策定CSR活動方針策定ワークライフバランスの取り組みを開始中期経営計画「OYO Jump18」策定事業セグメントの変更

1970 19981957(創立)

1954(創業)

創業~基盤構築期 成長期成長期 変革期変革期 再成長期再成長期

2006 イスタンブール市マイクロゾーニング1994 香川県豊島産業廃棄物対策業務(写真:読売新聞/アフロ)

情報サービス分野の始まり

維持管理分野の初期

エネルギー分野の始まり

環境分野の初期

防災分野の始まり

機器分野の始まり1957

1964

1973

2000 20051990 1995 2010 20151980 198519701965 19751960

500

400

300

200

100

0

売上高(連結)売上高(個別)

過去最高売上高過去最高売上高

売上高100億円を突破売上高100億円を突破

(億円)

1957

2011 東日本大震災

2016 熊本地震1964 新潟地震1958 中央自動車道地表踏査

1957 真空管式地震探査装置開発 1959 新潟地盤沈下調査

2019 令和元年房総半島台風(写真:アフロ)2007 コンストラクションマネジメント業務1995 阪神・淡路大震災

1965 本州四国連絡橋調査

1986 小山内裏トンネル設計・施工管理

1982 関西国際空港土質調査

1972 高圧孔内水平載荷試験装置エラストメータ200開発

2010

2010

1992

1975

2018 平成30年7月豪雨(写真:アフロ)

O Y O の あゆみ

12 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

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19541957

19581963196419711972

財団法人 深田地質研究所設立(企業の母体)「地質工学の創造」を旗印に応用地質調査事務所設立資源分野の物理探査手法を土木分野へ適用開始創造の拠点として、浦和研究所竣工新潟地震発生、初めての災害調査団派遣サンフェルナンド地震、初めての海外調査団派遣第1回社内技術発表会

1974197619791979

19801985

第1回地質調査機器展開催(現在のOYOフェア)長良川堤防決壊災害 風水害による被害調査開始初めての長期ビジョン「OYO2000年ビジョン」「土木と化学の境界領域を開拓」 化学環境試験室開設本格的に海外事業を開始商号を「応用地質株式会社」に変更

1992

199519951998

200020042006

岩と土と水の総合的な試験・研究センター「コアラボ」開設(民間で最大級)東京証券取引所市場第一部に上場阪神淡路大震災への対応(延べ4,000人の動員)土木工学と生態学の融合をめざして、応用生態工学研究所開設執行役員制導入経営理念、経営ビジョンを刷新コンプライアンスマニュアル策定

2009

2010201120142014201620182018

応用地質グループ長期経営ビジョン「OYO 2020」策定中期経営計画「OYO Hop10」策定東日本大震災への対応中期経営計画「OYO Step14」策定CSR活動方針策定ワークライフバランスの取り組みを開始中期経営計画「OYO Jump18」策定事業セグメントの変更

1970 19981957(創立)

1954(創業)

創業~基盤構築期 成長期成長期 変革期変革期 再成長期再成長期

2006 イスタンブール市マイクロゾーニング1994 香川県豊島産業廃棄物対策業務(写真:読売新聞/アフロ)

情報サービス分野の始まり

維持管理分野の初期

エネルギー分野の始まり

環境分野の初期

防災分野の始まり

機器分野の始まり1957

1964

1973

2000 20051990 1995 2010 20151980 198519701965 19751960

500

400

300

200

100

0

売上高(連結)売上高(個別)

過去最高売上高過去最高売上高

売上高100億円を突破売上高100億円を突破

(億円)

1957

2011 東日本大震災

2016 熊本地震1964 新潟地震1958 中央自動車道地表踏査

1957 真空管式地震探査装置開発 1959 新潟地盤沈下調査

2019 令和元年房総半島台風(写真:アフロ)2007 コンストラクションマネジメント業務1995 阪神・淡路大震災

1965 本州四国連絡橋調査

1986 小山内裏トンネル設計・施工管理

1982 関西国際空港土質調査

1972 高圧孔内水平載荷試験装置エラストメータ200開発

2010

2010

1992

1975

2018 平成30年7月豪雨(写真:アフロ)

第 2 章 OYOの価値創造

13OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

Page 16: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

売上高(億円)

538億円

2015 2016 2017

492 513459

/率(%)営業利益(億円)

2015 2016 2017

21

15

8

親会社株主に帰属する当期純利益(億円)

21億円

2015 2016 2017

23

13

7

研究開発費(億円)

16億円

2015 2016 2017

19 20

16

/1株当たり配当金(円)配当性向(%)

36.0%/30円

25億円/4.8%

2015 2016 2017

32.1

54.9

137.6※

※基幹職・新卒のみ、2019年実績

※創立60周年特別記念配当10円を含む

33.3%

女性採用比率

63名

691名

博士

技術士

2018

452

2019

538

2018

14

2018

8

2019

21

2018

17

2019

16

28 28

38※

28 30

2018

91.1

3.31.93.14.4

2019

25

2019

36.0

単体

34万地点以上

保有地盤データ

調査深度総延長:7,650km

4.8

セグメント別(億円)

2015 2016 2017

196

96

79

87

492 513459 452

2018

192

インフラ・メンテナンス 防災・減災環境 資源・エネルギー

85

92

82

538

2019

229

89

117

102

顧客セグメント別受注比率

53.1%官公庁

46.9%民間

単体

6,770件

年間受注件数

単体 単体

連結

130カ国以上

事業展開国数

連結

93件

特許件数

連結

人員数

1,796名国内

439名海外

連結

※2019年12月31日現在

グループ社数

15社国内

18社海外

連結

※2019年12月31日現在

O Y O の 現 在  財務ハイライト(連結)・非財務情報

14 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

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売上高(億円)

538億円

2015 2016 2017

492 513459

/率(%)営業利益(億円)

2015 2016 2017

21

15

8

親会社株主に帰属する当期純利益(億円)

21億円

2015 2016 2017

23

13

7

研究開発費(億円)

16億円

2015 2016 2017

19 20

16

/1株当たり配当金(円)配当性向(%)

36.0%/30円

25億円/4.8%

2015 2016 2017

32.1

54.9

137.6※

※基幹職・新卒のみ、2019年実績

※創立60周年特別記念配当10円を含む

33.3%

女性採用比率

63名

691名

博士

技術士

2018

452

2019

538

2018

14

2018

8

2019

21

2018

17

2019

16

28 28

38※

28 30

2018

91.1

3.31.93.14.4

2019

25

2019

36.0

単体

34万地点以上

保有地盤データ

調査深度総延長:7,650km

4.8

セグメント別(億円)

2015 2016 2017

196

96

79

87

492 513459 452

2018

192

インフラ・メンテナンス 防災・減災環境 資源・エネルギー

85

92

82

538

2019

229

89

117

102

顧客セグメント別受注比率

53.1%官公庁

46.9%民間

単体

6,770件

年間受注件数

単体 単体

連結

130カ国以上

事業展開国数

連結

93件

特許件数

連結

人員数

1,796名国内

439名海外

連結

※2019年12月31日現在

グループ社数

15社国内

18社海外

連結

※2019年12月31日現在

第 2 章 OYOの価値創造

15OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

Page 18: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

地球科学に関わる

グローバルな総合専門企業グループとして

社会の安全と安心に寄与する

私たちは今、これまでに経験したことのない変化のスピードを目の当たりにしています。情報通信技術の爆発的な発達は経済や社会のグローバル化を急伸させ、産業の構造も大きく変化させています。第4次産業革命と呼ばれるさまざまな技術革新は、経済だけでなく私たちの価値観やライフスタイルまで変えつつあります。その一方で、世界経済の発展と人口の増加は、地球規模での資源の枯渇

社会インフラの老朽化

エネルギーの多様化

生物多様性の確保

自然災害の頻発化・激甚化

第4次産業革命による技術と価値観の変化

ガバナンスの重要性拡大

DNA

多様性

総合力 財務体質

自然科学の境界領域を開拓し続ける冒険者精神

多様な課題に対応可能な各分野の豊富なスペシャリスト

知見60年に亘りフィールドで蓄積した“地球科学”の豊富な知見

サービス・センサ・IC Tの各部門を持ち、相乗効果を発揮

必要な投資を継続して行うことができる健全な財務体質

社業の発展を通じて

社会に貢献

人と自然の調和

安全と安心を技術で支える

OYOを取り巻く社会課題

OYOグループの強み

成長戦略の推進

理念の実現

や生物多様性への脅威といった負の影響も生み出しています。地球温暖化に伴う気候変動は、世界各地でさまざまな自然災害を引き起こしています。新たな価値観や課題が日々生み出され、激しく交錯していく中で、当社グループは、人類の変わらぬ価値観としての安全と安心を独創的な技術で支え、提供することで、持続可能な社会の構築に貢献していきます。

市場と戦略に即した4つの事業セグメント

インフラ・メンテナンス

防災・減災

環境

資源・エネルギー

長期経営ビジョンの追求

地球科学に関わるグローバルな

総合専門企業グループ

価値創造型ビジネスモデルへの転換

16 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

価値創造プロセス 1 全 体 像

Page 19: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

地球科学に関わる

グローバルな総合専門企業グループとして

社会の安全と安心に寄与する

私たちは今、これまでに経験したことのない変化のスピードを目の当たりにしています。情報通信技術の爆発的な発達は経済や社会のグローバル化を急伸させ、産業の構造も大きく変化させています。第4次産業革命と呼ばれるさまざまな技術革新は、経済だけでなく私たちの価値観やライフスタイルまで変えつつあります。その一方で、世界経済の発展と人口の増加は、地球規模での資源の枯渇

社会インフラの老朽化

エネルギーの多様化

生物多様性の確保

自然災害の頻発化・激甚化

第4次産業革命による技術と価値観の変化

ガバナンスの重要性拡大

DNA

多様性

総合力 財務体質

自然科学の境界領域を開拓し続ける冒険者精神

多様な課題に対応可能な各分野の豊富なスペシャリスト

知見60年に亘りフィールドで蓄積した“地球科学”の豊富な知見

サービス・センサ・IC Tの各部門を持ち、相乗効果を発揮

必要な投資を継続して行うことができる健全な財務体質

社業の発展を通じて社会に貢献

人と自然の調和

安全と安心を技術で支える

OYOを取り巻く社会課題

OYOグループの強み

成長戦略の推進

理念の実現

や生物多様性への脅威といった負の影響も生み出しています。地球温暖化に伴う気候変動は、世界各地でさまざまな自然災害を引き起こしています。新たな価値観や課題が日々生み出され、激しく交錯していく中で、当社グループは、人類の変わらぬ価値観としての安全と安心を独創的な技術で支え、提供することで、持続可能な社会の構築に貢献していきます。

市場と戦略に即した4つの事業セグメント

インフラ・メンテナンス

防災・減災

環境

資源・エネルギー

長期経営ビジョンの追求

地球科学に関わるグローバルな

総合専門企業グループ

価値創造型ビジネスモデルへの転換

17OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

第 2 章 OYOの価値創造

Page 20: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

地球科学に関わる最先端の知見と技術、

センシングの融合により、

4つの事業ドメインで社会の安全・安心を創造

「地質工学の創造」を旗印に事業を開始して以来、当社は地質調査分野から社会インフラの建設・維持管理、防災・減災、環境、資源・エネルギーの各分野へと領域を拡大し、専門企業グループを形成してきました。地球科学に関わるこれら4つの領域は、世界が解決を望む地球規模での安全・安心に関わる課題とも直結しています。当社グループでは、これら4つの領域が相互に連携し、複合的な

課題に対する最適解を導くとともに、独自のセンシング技術を融合することで、総合的なソリューションを生み出す強みを持っています。

1セグメント

4セグメント

2セグメント

地球科学に関わる各分野のエキスパート企業をグループに包含

大規模自然災害に対する調査・研究と知見の蓄積

地盤や生態環境に関する独自の研究所

独自のセンサ開発・製造部門を保有

創業以来蓄積された地質に関わるデータベース

社会インフラや各種施設の維持管理(整備・更新)を支援

インフラ・メンテナンス● インフラの老朽化調査、維持管理システム の構築● 災害に強いインフラ整備のための調査・ 設計・計測サービス● 非破壊検査製品の開発・販売  など

● 人口問題● インフラの老朽化・ 更新需要

社会の自然災害に対する強靭化を支援

防災・減災● 国や自治体の防災計画に係る地震・津波・ 火災等の被害予測、防災計画の策定支援● 自然災害リスクの調査、損失予測、対策の コンサルティング● モニタリングシステムの開発・設置・更新  など

● 気候変動● 自然災害の 頻発化・激甚化

環 境● 生物多様性の保全を中心とした「自然環境分野」● 土壌・地下水汚染や廃棄物等を対象とした 「生活環境分野」● アスベスト分析・除去工事ワンストップサービス

環境保全(負荷軽減)を支援

● さまざまな環境問題● 生物多様性への 関心の高まり● ESG投資

資源・エネルギーの開発・多様化・有効活用を支援

資源・エネルギー● 発電所などの立地に係る高度な地質コンサルティング● メタンハイドレート開発研究、再生可能エネルギー 事業化支援● 資源探査用システムの開発、海底4次元探査サービス

● 資源需要の高まり● 再生可能エネルギー の利用拡大

競争力の源泉

4つの事業ドメイン 提供価値と社会背景

3セグメント

など

など

18 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

価値創造プロセス 2 ビ ジネスモデ ル

Page 21: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

地球科学に関わる最先端の知見と技術、

センシングの融合により、

4つの事業ドメインで社会の安全・安心を創造

「地質工学の創造」を旗印に事業を開始して以来、当社は地質調査分野から社会インフラの建設・維持管理、防災・減災、環境、資源・エネルギーの各分野へと領域を拡大し、専門企業グループを形成してきました。地球科学に関わるこれら4つの領域は、世界が解決を望む地球規模での安全・安心に関わる課題とも直結しています。当社グループでは、これら4つの領域が相互に連携し、複合的な

課題に対する最適解を導くとともに、独自のセンシング技術を融合することで、総合的なソリューションを生み出す強みを持っています。

1セグメント

4セグメント

2セグメント

地球科学に関わる各分野のエキスパート企業をグループに包含

大規模自然災害に対する調査・研究と知見の蓄積

地盤や生態環境に関する独自の研究所

独自のセンサ開発・製造部門を保有

創業以来蓄積された地質に関わるデータベース

社会インフラや各種施設の維持管理(整備・更新)を支援

インフラ・メンテナンス● インフラの老朽化調査、維持管理システム の構築● 災害に強いインフラ整備のための調査・ 設計・計測サービス● 非破壊検査製品の開発・販売  など

● 人口問題● インフラの老朽化・ 更新需要

社会の自然災害に対する強靭化を支援

防災・減災● 国や自治体の防災計画に係る地震・津波・ 火災等の被害予測、防災計画の策定支援● 自然災害リスクの調査、損失予測、対策の コンサルティング● モニタリングシステムの開発・設置・更新  など

● 気候変動● 自然災害の 頻発化・激甚化

環 境● 生物多様性の保全を中心とした「自然環境分野」● 土壌・地下水汚染や廃棄物等を対象とした 「生活環境分野」● アスベスト分析・除去工事ワンストップサービス

環境保全(負荷軽減)を支援

● さまざまな環境問題● 生物多様性への 関心の高まり● ESG投資

資源・エネルギーの開発・多様化・有効活用を支援

資源・エネルギー● 発電所などの立地に係る高度な地質コンサルティング● メタンハイドレート開発研究、再生可能エネルギー 事業化支援● 資源探査用システムの開発、海底4次元探査サービス

● 資源需要の高まり● 再生可能エネルギー の利用拡大

競争力の源泉

4つの事業ドメイン 提供価値と社会背景

3セグメント

など

など

19OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

第 2 章 OYOの価値創造

Page 22: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

社会課題に応える事業推進で

持続的成長を図る

代表取締役社長

成 田 賢

トップメッセージ

20 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

Page 23: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

 2019年度の連結業績は、売上高が前期比19.1%増、営業利益が同74.3%増と、大幅な増収増益となりました。特に、営業利益は、2期連続で70%台の増益を果たし、当社グループの収益体質の改善・強化が急速に進んでおります。 当社単体では、支社制から事業部制へ完全移行するなど組織・意識の変革が進んだことで、増収増益基調へと転換してきました。市場や商品の明確化による「売り物」づくりで実績を上げてきた国内グループ会社では、前期に引き続き堅調な業績伸長となりました。また、前期まで注力すべき市場や商品の明確化に手間取っていた海外グループ会社でも、当期に入り徐々に「売り物」づくりが進み、赤字体質から一転、黒字化を果たすことができました。 事業環境も追い風となっています。災害の激甚化・広域化、インフラの老朽化などを背景に、国土強靭化関連予算に基づく公共投資が積極化する中で、当社グループが提供する技術・サービスに対する需要や引き合いが急速に高まっております。事業部制への完全移行により、こうした高まる社会ニーズをしっかりと受け止める営業体制となったことで、徐々に大きな成果に繋がりつつあると感じております。

 当社グループの「売り物」づくりが着実に進んできた背景には、10年間の歩みを見据えた長期経営計画『OYO 2020』における取組みの中で、持続可能な社会の構築に向けて当社が注力するべき事業として4つの領域を設定したこと、そして、これにより市場や商品の明確化がしやすい体制となったことがあります。2018年度から、この4つの注力領域を当社グループの新たな事業セグメント

「インフラ・メンテナンス」、「防災・減災」、「環境」、「資源・エネルギー」とし、各セグメントの事業運営に最適な組織づくりを行ってきました。 こうした取組みの成果として、「インフラ・メンテナンス」、「防災・減災」、「環境」は増収増益、「資源・エネルギー」も増収および営業損失縮小と、すべてのセグメントで着実な成果が上がってきました。

 2018年以降、事業環境はそれまでとは大きく変わってきたという実感があります。近年、多くの専門家が、地球温暖化や環境破壊を証明する様々なデータや事例を繰り返し示し、警鐘を鳴らして

業績面では、大幅な増収増益となり、グループ収益体質の強化が進む

4つの事業領域への着実な取組みが今後の成長につながることを確信

市場ニーズに基づいて設定した4つの事業領域において、着実な成果

中期経営計画『OYO Jump18』2年目となった2019年度は、どのような成果がありましたか。Q1

Q2 中期経営計画『OYO Jump18』の進捗について、どのように評価していますか。

第 3 章 OYOの成長戦略

21OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

Page 24: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

います。事実、日本をはじめ世界中で、地球温暖化に起因すると思われる気象災害が頻発するようになってきました。そうした中、COP21をはじめとした様々な国際会議による新たな枠組みづくりに加え、世界各国では、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)について官民一体となって17項目を追求する姿勢が示されています。 こうした事業環境下、「持続可能な社会の構築への貢献」を視点に事業領域の設定を行った当社グループにとって、自ら設定した4つの事業領域における取組みを着実に積み重ねていくことが必ずや今後の成長につながっていくと考えます。2018年から2019年は、こうした確信を得た2年間でした。

 この確信の証左となる多くの実績が上がってきました。 第一に、「公共事業依存型のビジネスモデルからの脱皮」です(グラフ「官民の売上高推移」の通り)。これは、公共事業依存からの脱却を目指して民間市場への積極的な展開を進めてきた成果の一つです。 第二に、「異業種との連携/提携を可能とする魅力ある売り物づくりの力」です。たとえば、2019年9月より開始した「自治体向け災害対策情報提供システム」サービスは、当社が開発した防災IoTセンサによるモニタリング情報を基礎に、トヨタ自動車やKDDIと連携し、自治体が災害対応時に必要とする最適な情報を提供するものです。また、当社独自の地盤3次元化技術の商用化に向けた取組みの一つとして、日立製作所との間で協業に向けた覚書を締結し、現在、地下埋設物情報提供サービスの共同開発を推し進めています。 第三に、「社会課題を解決する技術・サービスの創出力、新市場開拓力」です。当社の事業はもともと社会性が強く、社会課題の解決が当社事業の拡大に寄与すると考えておりますが、これまでの公共事業に依存した受け身型の営業体制の中では、なかなか社会課題を起点とした新サービスの開発や提案が生まれませんでした。事業部制にしたことで、市場を意識するようになり、社会課題解決型の製品・サービスの開発にも取り組むようになりました。事例としては、洋上風力発電需要の急拡大に対応した海底地盤調査の新技術開発や、老朽化した建物の増加に対応したアスベスト対策のための分析・除去工事のワンストップでのサービスの創出、さらには、東日本大震災時の災害廃棄物処理の経験を基礎に独自技術を開発し、大規模災害の頻発化とともに新市場創出に成功した災害廃棄物処理関連サービスなどです。

社会課題に対応した「売り物」を創出し、新市場を開拓する企業グループへ

官民の売上高推移(単体+国内グループ単純合算)

2013年=100とした場合

民間 官公庁

80

90

100

110

120

2019201820172016201520142013

109

85

トップメッセージ

22 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

Page 25: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

 成長戦略においては、「OYOブランド」の確立が大きなテーマとなっています。社会課題に対する解決アプローチでもある4つの事業セグメントにおいて、「売り物」づくりを的確に行い、着実に実績を上げていくことが、「OYOブランド」確立に自然と繋がっていくものと確信しております。事実、民間企業のお客様から、「地震なら応用地質だね」、「防災・減災には応用地質の技術と経験が必要不可欠ですね」などの引き合いをいただくケースが増えております。 こうした「売り物」づくりを加速させていくためには、事業部制を基礎とした組織力の最大化が大きなカギを握ると考えています。支社制下ではびこっていた地域間の壁を取り去った事業部制において、今度は事業部間の壁を作ってしまっては意味がありません。そこで、2020年1月より新たに、事業部統轄本部を設置しました。この事業部統轄本部が、当社単体の各事業部やグループ各社の間を取り持ち、戦略・施策を統轄していくことで、全体としてのシナジーを最大化させてまいります。

 IoT、AI、5G等の導入本格化など第4次産業革命が進展する中、当社は、地盤3次元化技術における国際的なデファクトスタンダード獲得を目指して、業界に先駆けた様々な取組みを行っています。まず、地盤情報のデータベース化、各種センサのモニタリング情報収集、3次元探査検定セン

ターの開設など、技術・ノウハウの基礎となる事業基盤の整備を進めてきました。これらの基盤のもと、3次元地質解析ソフトウェアの開発・販売を行うとともに、国際的なBIM(Building Information Modeling)の標準化組織「building SMART International」に参画し、活動しています。ここでは、仏現地法人(持分法適用関連会社)を設立した共同出資パートナーであるフランスの地質調査所

(BRGM)から、当社の活動に対して全面的なバックアップを受けており、いわば日仏共同体制による活動となっております。 今、世界中がこの地盤3次元化技術の重要性・必要性を認め、そうした技術の実現・導入に対して本格的な取組みを開始しており、当社の技術に熱い視線が注がれています。近い将来、この技術を活用した多様な市場、いわば非常に大きなニューフロンティアが立ち上がってくることが期待されます。

4つの基本戦略における取組み状況と今後の方針をお聞かせください。Q3成長戦略では、事業部統轄本部の設置により、シナジー発揮へ

技術戦略では、地盤3次元化技術のデファクトスタンダード獲得を目指す

第 3 章 OYOの成長戦略

23OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

Page 26: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

 なお、この地盤3次元化技術は、資源分野では既に商業ベースで実用化されており、海底4次元石油貯留層探査サービス(3次元の時間経過のモニタリングを追加したサービス。従来の資源探査費用を大幅に削減)など、既に「売り物」づくりへと結実しているものもあります。デファクトスタンダード獲得の取組みと同時に、こうした「売り物」への具体的な落とし込みを積極的に推し進めていきます。

 赤字続きであった海外事業についても、「売り物」の明確化によって2019年には黒字転換を果たすことができました。国内の事業部においても、日本国内で生み出し育ててきた「売り物」を海外にも展開していこうという取組みを開始しています。具体的には、アゼルバイジャン、台湾、ウズベキスタン、フィリピンなどで、インフラ・メンテナンス、防災・減災、環境等に関する製品・サービスの提供に向けた活動を活発化させています。 また、2020年1月にはサービス開発本部に「国際事業戦略部」を設置し、上記の事業部による売り物の海外展開戦略加速に向けた取組みをさらに加速していく予定です。

 コーポレート・ガバナンスについて、グループ全体で強化に向けた取組みを推し進めています。体制面では、社外取締役の増強、指名・報酬諮問委員会(任意)の設置などに加え、2020年1月からは国内外のグループ事業本部を経営企画本部に編入し、グループガバナンスの更なる向上を図っていきます。

グローバル戦略では、日本で創出した「売り物」の海外展開を本格化

ガバナンス戦略では、“働きやすさ”と“やりがい”を重視した職場づくりに注力

地盤3次元化技術が導くインパクト

トップメッセージ

市場の成長新ビジネスの可能性

リスクコミュニケーション

活性化施工事故などリスクの低下

生産性向上

BIM/CIM拡大

BIMの国際標準化の流れ(bSI)

建設プロセスの劇的変化

長時間労働削減労働力の流入

地盤3次元化技術の普及により、事故や工事の手戻りなどのリスクが減少し、建設業界の生産性が向上する。また、BIM/CIMの普及は、従来の建設プロセスを劇的に変えるポテンシャルがある。地盤3次元化技術は、建設市場を魅力的にし、市場の成長を促すとともに、新ビジネスを導くインパクトを持っている

地盤3次元化技術

24 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

Page 27: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

 特に、最大の経営資源である人材については、「社員のQOL向上」を視点に、ICT活用等による業務の効率化や労働時間縮減、人事制度や子育て支援制度の充実などにより、“働きやすい職場”環境の整備に努めています。加えて、ESG経営を推し進めることで、社員一人ひとりがSDGsを意識した取組みを行い「社会課題の解決に貢献している」という誇りを持つことができる、“やりがいのある職場”づくりを目指しています。

 2020年は、10年前に策定した長期経営計画『OYO 2020』における第4次(最後)の中期経営計画『OYO Jump18』の最終年度です。『OYO Jump18』で掲げた最終年度の経営目標に対して、2020年度の連結業績予想は、売上高、営業利益率ともに、残念ながら下回る見込みです。しかし、過去の成功体験から脱却し、新たな成長モデルを創出していくという定性的な目標については、確かな成果を生み始めております。『OYO Jump18』で計画していた進捗に対し、一部に遅れが生じたものの、今後、成果の刈り取りが加速していくことも期待されることから、チャレンジを続行し、少しでも目標に近づけてまいります。 2021年から始まる新たな中期経営計画に向けて、当社は2020年初頭にプロジェクト委員会を編成しました。メンバーには、将来の幹部候補となる若い社員も加えることで、より現場感覚に即した活発な議論を行いながら、次に目指すべきビジョンを描き出していきたいと思っております。 なお、新型コロナウイルス感染症が当社の業績に与える影響は現時点では不透明ですが、今後の状況に応じて臨機応変に対応策を取ってまいります。 ステークホルダーの皆様には、OYOグループの経営にご期待いただきますとともに、引き続きご支援賜りますようお願い申し上げます。

最後に、今後に向けた展望をお聞かせください。Q4成果の刈り取りを加速させ、目標に向けチャレンジを続行

第 3 章 OYOの成長戦略

25OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

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さまざまな方策を行う試行期間

試行結果の展開期間

事業の飛躍期間

『OYO 2020』は、2009年1月に策定された長期経営ビジョンです。過去の成功体験から脱却し、グループが2020年に向けてめざすべきビジョンと、そのビジョンを達成するための基本方針を明らかにしたものです。国内外の持続可能な社会の実現に貢献すべく、地球科学に関わる様々な分野でアイデアに満ちたソリューションを提供する総合専門企業グループとなることをめざしています。

『OYO 2020』は活動期間を「計画:助走」「試行:Hop」「展開:Step」「飛躍:Jump」の4期に区分しています。『OYO Hop10』では、これまでのOYOグループの成功体験に変わる次の事業を模索・試行し、続く『OYO Step14』では、成長の可能性のある事業と成功体験事業(=従来型事業)との入れ替えを行い、最後の『OYO Jump18』では、入れ替えた事業を成長させるという計画です。

2009年に策定したロードマップに基づき、長期経営ビジョン『OYO 2020』の実現をめざす取り組みを推し進める

OYO 2020応用地質グループ長期経営ビジョン OYO Jump18

2018-2020

中期経営計画の概要

長期経営計画の概要

~成功体験型事業スタイルによる事業の縮小から脱却し、事業スタイルの転換による事業の拡大をめざす~地球科学に関わるグローバルな総合専門企業グループ

20202019201820172016201520142013201220112010

縮小する成功体験型事業と転換した事業と入れ替え

OYO Step144ヵ年中期経営計画

転換した事業スタイルで事業拡大

OYO Jump183ヵ年中期経営計画

成功体験型事業から転換する次の事業の模索

OYO Hop104ヵ年中期経営計画

前中期経営計画『OYO Step14』の成果を拡大し、社会の課題を解決するソリューションサービスを提供することで、

持続的成長をめざす

成長戦略

インフラ・メンテナンス 防災・減災 環境 資源・

エネルギー

技術戦略

グローバル戦略

ガバナンス

『OYO Step14』で展開した事業分野で“OYOブランド”を確立

地盤3次元化技術の確立で新たな価値を創造し、市場を開拓

事業展開戦略をM&Aで加速、ソリューションシステムの海外展開

社員QOL向上を含む、企業ガバナンス強化

1

2

3

4

『OYO Step14』で展開してきた領域を次の4セグメントとして、事業拡大を推進(2018年度よりセグメントを変更)

めざす姿(長期経営ビジョン) 基本方針

基本戦略ビジョン達成へのロードマップ

中 長 期 経 営 計 画

26 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

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さまざまな方策を行う試行期間

試行結果の展開期間

事業の飛躍期間

『OYO 2020』は、2009年1月に策定された長期経営ビジョンです。過去の成功体験から脱却し、グループが2020年に向けてめざすべきビジョンと、そのビジョンを達成するための基本方針を明らかにしたものです。国内外の持続可能な社会の実現に貢献すべく、地球科学に関わる様々な分野でアイデアに満ちたソリューションを提供する総合専門企業グループとなることをめざしています。

『OYO 2020』は活動期間を「計画:助走」「試行:Hop」「展開:Step」「飛躍:Jump」の4期に区分しています。『OYO Hop10』では、これまでのOYOグループの成功体験に変わる次の事業を模索・試行し、続く『OYO Step14』では、成長の可能性のある事業と成功体験事業(=従来型事業)との入れ替えを行い、最後の『OYO Jump18』では、入れ替えた事業を成長させるという計画です。

2009年に策定したロードマップに基づき、長期経営ビジョン『OYO 2020』の実現をめざす取り組みを推し進める

OYO 2020応用地質グループ長期経営ビジョン OYO Jump18

2018-2020

中期経営計画の概要

長期経営計画の概要

~成功体験型事業スタイルによる事業の縮小から脱却し、事業スタイルの転換による事業の拡大をめざす~地球科学に関わるグローバルな総合専門企業グループ

20202019201820172016201520142013201220112010

縮小する成功体験型事業と転換した事業と入れ替え

OYO Step144ヵ年中期経営計画

転換した事業スタイルで事業拡大

OYO Jump183ヵ年中期経営計画

成功体験型事業から転換する次の事業の模索

OYO Hop104ヵ年中期経営計画

前中期経営計画『OYO Step14』の成果を拡大し、社会の課題を解決するソリューションサービスを提供することで、

持続的成長をめざす

成長戦略

インフラ・メンテナンス 防災・減災 環境 資源・

エネルギー

技術戦略

グローバル戦略

ガバナンス

『OYO Step14』で展開した事業分野で“OYOブランド”を確立

地盤3次元化技術の確立で新たな価値を創造し、市場を開拓

事業展開戦略をM&Aで加速、ソリューションシステムの海外展開

社員QOL向上を含む、企業ガバナンス強化

1

2

3

4

『OYO Step14』で展開してきた領域を次の4セグメントとして、事業拡大を推進(2018年度よりセグメントを変更)

めざす姿(長期経営ビジョン) 基本方針

基本戦略ビジョン達成へのロードマップ

第 3 章 OYOの成長戦略

27OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

Page 30: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

社会における価値・役割の明確化、企業価値の向上

当社は、前中期経営計画『OYO Step14』において、持続可能な社会の構築に向けて世界が取り

組むべき課題から注力すべき事業分野を見定めました。これを基礎に、現中期経営計画『OYO

Jump18』の初年度(2018年度)からは、「インフラ・メンテナンス」「防災・減災」「環境」「資源・エネ

ルギー」の4つのセグメントで事業を展開しています。

各マーケットにおけるグループ事業のプレゼンスを向上させることで、社会における当社グループ

の価値・役割を明確にし、企業価値の向上をめざしています。

事業を展開するマーケット別にセグメントを変更、社会における価値のわかりやすい企業をめざす

事業領域に基づいた新セグメント

4セグメント3セグメント2セグメント

社会インフラや各種施設の維持管理(整備・更新)を支援するための

ソリューションサービスの提供

GSSI、OYOPacific、Fong Consult

社会インフラ事業部メンテナンス事業部

東北ボーリング、ケー・シー・エス宏栄コンサルタント応用計測サービス 他

インフラ・メンテナンス

を参照詳細は P30-31

社会の自然災害に対する強靭化を支援するための

ソリューションサービスの提供

Kinemetrics

流域・砂防事業部地震防災事業部

応用地震計測応用アール・エム・エスOYOインターナショナル

を参照詳細は P32-33

環境保全(負荷軽減)を支援するための

ソリューションサービスの提供

地球環境事業部

エヌエス環境

環 境

を参照詳細は P34-35

資源・エネルギーの開発・保全・有効活用を支援するための

ソリューションサービスの提供

エネルギー事業部

GeometricsNCS SubSea

Robertson Geologging

資源・エネルギー

を参照詳細は P36-37

海外グループ企業国内グループ企業単体の事業部

持続可能な社会の構築社会の課題

地球と人間社会の調和OYOグループの役割

売上高構成比

229億円42.5%

インフラ・メンテナンス

102億円19.1%

資源・エネルギー

環境

89億円16.6%

防災・減災

117億円21.8%

2019(年度)売上高

538億円

1セグメント

防災・減災

4 つ の 事 業 セグメント

28 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

Page 31: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

社会における価値・役割の明確化、企業価値の向上

当社は、前中期経営計画『OYO Step14』において、持続可能な社会の構築に向けて世界が取り

組むべき課題から注力すべき事業分野を見定めました。これを基礎に、現中期経営計画『OYO

Jump18』の初年度(2018年度)からは、「インフラ・メンテナンス」「防災・減災」「環境」「資源・エネ

ルギー」の4つのセグメントで事業を展開しています。

各マーケットにおけるグループ事業のプレゼンスを向上させることで、社会における当社グループ

の価値・役割を明確にし、企業価値の向上をめざしています。

事業を展開するマーケット別にセグメントを変更、社会における価値のわかりやすい企業をめざす

事業領域に基づいた新セグメント

4セグメント3セグメント2セグメント

社会インフラや各種施設の維持管理(整備・更新)を支援するための

ソリューションサービスの提供

GSSI、OYOPacific、Fong Consult

社会インフラ事業部メンテナンス事業部

東北ボーリング、ケー・シー・エス宏栄コンサルタント応用計測サービス 他

インフラ・メンテナンス

を参照詳細は P30-31

社会の自然災害に対する強靭化を支援するための

ソリューションサービスの提供

Kinemetrics

流域・砂防事業部地震防災事業部

応用地震計測応用アール・エム・エスOYOインターナショナル

を参照詳細は P32-33

環境保全(負荷軽減)を支援するための

ソリューションサービスの提供

地球環境事業部

エヌエス環境

環 境

を参照詳細は P34-35

資源・エネルギーの開発・保全・有効活用を支援するための

ソリューションサービスの提供

エネルギー事業部

GeometricsNCS SubSea

Robertson Geologging

資源・エネルギー

を参照詳細は P36-37

海外グループ企業国内グループ企業単体の事業部

持続可能な社会の構築社会の課題

地球と人間社会の調和OYOグループの役割

売上高構成比

229億円42.5%

インフラ・メンテナンス

102億円19.1%

資源・エネルギー

環境

89億円16.6%

防災・減災

117億円21.8%

2019(年度)売上高

538億円

1セグメント

防災・減災

第 4 章 セグメント別の戦略

29OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

Page 32: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

 国内外でインフラ構造物の老朽化対策と更新需要が拡大しています。日本でのインフラ・メンテナンス市場の規模は2030年には5兆円になり、また世界では200兆円規模に達すると言われています。 こうした中、国内では大型の国土強靭化関連予算の配分もあり、当セグメントの業績は好調に推移しました。海外では、米中経済摩擦の影響等により、前年まで好調であったGSSI社の業績がやや足踏み状態となったものの、新たにグループ傘下に加わったシンガポールの子会社2社の受注は好調であり、単体事業部との技術的交流も積極的に行われ始めるなど、グループシナジーを活かした事業拡大の取り組みは順調に進捗しております。 今後は、3次元での地下埋設物マッピング技術やICTを活用した構造物点検技術など、当社独自の技術を活かした新サービスを展開し、更なるインフラ・メンテナンス市場の需要獲得を図ります。また、国内外での急速なBIM/CIMの運用拡大をにらみ、当社グループで開発した3次元物理探査技術や3次元地質解析システムを広く展開し、インフラ・メンテナンス市場での市場優位性を確保してまいります。

インフラ・メンテナンスの「取り組み事例」インフラ・メンテナンス1セグメント

2016 2017 2018(年度)

(億円)

196202 192

(2019年12月31日現在)

899

(名)

売上高

従業員数

グループシナジーを発揮し、国内外で事業拡大を推進

主なサービス

など

● インフラの老朽化調査、維持管理システムの構築● 災害に強いインフラ整備のための調査・設計・計測サービス● 非破壊検査製品の開発・販売

主な顧客

● 幅広いインフラ管理者(国の機関、自治体、民間企業)

田村 浩 行

応用地質株式会社社会インフラ事業部執行役員 事業部長

2019

229

2,235名グループ全体

地下埋設物情報提供サービスの構築に向け、日立製作所と協業へ都市部では再開発等に伴う地下空間の利活用が積極化する一方で、道路下には水道管、ガス管、下水道管、電気・通信線など様々な埋設管が存在し、工事に際して大きな支障となります。日立製作所と当社は、両社の技術・ノウハウを組み合わせ、地下の埋設物情報を取得しプラットフォーム上で統合管理、お客様の必要な埋設物情報を提供するサービスの協業に向けた覚書を締結しました。実証実験を終え、2020年より大都市圏から順次サービスを開始・拡大していく方針です。

「OCTAS©Modeler」を開発・販売BIM/CIMの普及・拡大を支援する3次元地盤モデル構築・管理システム

国際的なBIM(Building Information Modeling)市場の広がりやICTを活用した社会全体の生産性向上の取組みを受け、わが国の建設分野でもBIM/CIM※を活用する事業が拡大しています。そこで当社は、従来から提供してきた高機能製品に加え、地質の専門家でなくても簡単に利用することができ、かつ需要の高い都市部をターゲットとした新たな3次元地盤モデル作成ソフトウェアを開発しました。同製品は、リーズナブルな価格と充実したサポート体制を実現しており、今後、同製品の普及によってBIM/CIM市場の裾野の拡大と定着を行っていくことができるものと考えています。※ Building Information Modeling/Construction Information Modeling・Managementの略。調査・設計段階から施工・維持管理まで、建設事業の各プロセスで3次元モデルを共有・発展させ、建設生産システムの効率化・高度化を図るイノベーション

AIを活用したインフラ構造物点検システムを開発国土交通省によると、道路トンネルは全国に約1万1千カ所存在し、2033年にはそのうち42%が建設後50年以上を経過するとされています。しかしながら、自治体の財政難や人材不足などが維持管理を難しくしています。こうした状況を踏まえ、点検の生産性向上と担い手の確保、技術の品質維持等に貢献するべく、当社は、トンネル等のインフラ構造物のコンクリート健全度をAIにより自動判定するシステムを開発しました。 打音調査の様子自動判定画面

● 平野部の地盤や成層の地質構造、支持層● 土質区分・地盤強度のボクセルモデル

比較的単純な地質構造である平野部対象

3次元地質・地盤モデリング

OCTAS©Modeler

お客様

社会インフラ保守プラットフォーム(日立)

道路占用事業者

AI解析・判別処理

地下埋設物情報プラットフォーム

電位比抵抗振動

強度組成地質

建機メーカ

不動産会社

施工業者

設計事業者

地質境界埋設管 残置管空洞・他埋設物

地質境界他埋設物埋設管空洞属性寸法位置

連携

連携位置補正、3次元化

データ提供

地中レーダ捜査

地盤情報ICTプラットフォーム(応用地質)

レーダ画像

30 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

Page 33: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

 国内外でインフラ構造物の老朽化対策と更新需要が拡大しています。日本でのインフラ・メンテナンス市場の規模は2030年には5兆円になり、また世界では200兆円規模に達すると言われています。 こうした中、国内では大型の国土強靭化関連予算の配分もあり、当セグメントの業績は好調に推移しました。海外では、米中経済摩擦の影響等により、前年まで好調であったGSSI社の業績がやや足踏み状態となったものの、新たにグループ傘下に加わったシンガポールの子会社2社の受注は好調であり、単体事業部との技術的交流も積極的に行われ始めるなど、グループシナジーを活かした事業拡大の取り組みは順調に進捗しております。 今後は、3次元での地下埋設物マッピング技術やICTを活用した構造物点検技術など、当社独自の技術を活かした新サービスを展開し、更なるインフラ・メンテナンス市場の需要獲得を図ります。また、国内外での急速なBIM/CIMの運用拡大をにらみ、当社グループで開発した3次元物理探査技術や3次元地質解析システムを広く展開し、インフラ・メンテナンス市場での市場優位性を確保してまいります。

インフラ・メンテナンスの「取り組み事例」インフラ・メンテナンス1セグメント

2016 2017 2018(年度)

(億円)

196202 192

(2019年12月31日現在)

899

(名)

売上高

従業員数

グループシナジーを発揮し、国内外で事業拡大を推進

主なサービス

など

● インフラの老朽化調査、維持管理システムの構築● 災害に強いインフラ整備のための調査・設計・計測サービス● 非破壊検査製品の開発・販売

主な顧客

● 幅広いインフラ管理者(国の機関、自治体、民間企業)

田村 浩 行

応用地質株式会社社会インフラ事業部執行役員 事業部長

2019

229

2,235名グループ全体

地下埋設物情報提供サービスの構築に向け、日立製作所と協業へ都市部では再開発等に伴う地下空間の利活用が積極化する一方で、道路下には水道管、ガス管、下水道管、電気・通信線など様々な埋設管が存在し、工事に際して大きな支障となります。日立製作所と当社は、両社の技術・ノウハウを組み合わせ、地下の埋設物情報を取得しプラットフォーム上で統合管理、お客様の必要な埋設物情報を提供するサービスの協業に向けた覚書を締結しました。実証実験を終え、2020年より大都市圏から順次サービスを開始・拡大していく方針です。

「OCTAS©Modeler」を開発・販売BIM/CIMの普及・拡大を支援する3次元地盤モデル構築・管理システム

国際的なBIM(Building Information Modeling)市場の広がりやICTを活用した社会全体の生産性向上の取組みを受け、わが国の建設分野でもBIM/CIM※を活用する事業が拡大しています。そこで当社は、従来から提供してきた高機能製品に加え、地質の専門家でなくても簡単に利用することができ、かつ需要の高い都市部をターゲットとした新たな3次元地盤モデル作成ソフトウェアを開発しました。同製品は、リーズナブルな価格と充実したサポート体制を実現しており、今後、同製品の普及によってBIM/CIM市場の裾野の拡大と定着を行っていくことができるものと考えています。※ Building Information Modeling/Construction Information Modelingの略。調査・設計段階から施工・維持管理まで、建設事業の各プロセスで3次元モデルを共有・発展させ、建設生産システムの効率化・高度化を図るイノベーション

AIを活用したインフラ構造物点検システムを開発国土交通省によると、道路トンネルは全国に約1万1千カ所存在し、2033年にはそのうち42%が建設後50年以上を経過するとされています。しかしながら、自治体の財政難や人材不足などが維持管理を難しくしています。こうした状況を踏まえ、点検の生産性向上と担い手の確保、技術の品質維持等に貢献するべく、当社は、トンネル等のインフラ構造物のコンクリート健全度をAIにより自動判定するシステムを開発しました。 打音調査の様子自動判定画面

● 平野部の地盤や成層の地質構造、支持層● 土質区分・地盤強度のボクセルモデル

比較的単純な地質構造である平野部対象

3次元地質・地盤モデリング

OCTAS©Modeler

お客様

社会インフラ保守プラットフォーム(日立)

道路占用事業者

AI解析・判別処理

地下埋設物情報プラットフォーム

電位比抵抗振動

強度組成地質

建機メーカ

不動産会社

施工業者

設計事業者

地質境界埋設管 残置管空洞・他埋設物

地質境界他埋設物埋設管空洞属性寸法位置

連携

連携位置補正、3次元化

データ提供

地中レーダ探査

地盤情報ICTプラットフォーム(応用地質)

レーダ画像

第 4 章 セグメント別の戦略

31OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

Page 34: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

システムイメージ自治体が災害時に必要とする地域の情報を、

地図上に統合的に表示し、提供

激甚化する自然災害の到来に際し、タイムリーな避難判断や通行規制、救援物資の適切な配分など、高度に効率化された自治体の防災体制の構築を支援するべく、当社は、トヨタ自動車、KDDIと連携し、「自治体向け災害対策情報提供システム」を開発し、サービス提供を開始しています。本システムでは、地域の危険箇所を防災IoTセンサでモニタリングするとともに、住民の避難状況などの人の動き、車両の通行実績などの車の動きを準リアルタイムに捕捉することで、大雨、ゲリラ豪雨、台風時の発災前から復旧までの地域の状況を迅速に把握する事が可能になります。

BCPソリューションServiBers当社は、これまで発災時のアナログ的な対応によって生じていた”情報の錯綜・混乱”をICTの活用により“迅速かつ的確”な緊急対応業務に進化させたサービス『ServiBers』を開発・提供しています。本アプリケーションは、被災現場と災害対策本部をICTでつなぐことで、被害状況の情報収集~集計~報告までを自動化し、初動・復旧・復興などの各フェーズで対応すべき行動、ひいては事業継続マネジメント(BCM)の支援までを見据えた画期的なサービスです。

 2019年は、国内では令和元年房総半島台風(台風第15号)や令和元年東日本台風(台風第19号)による大規模な風水害が発生し、海外でも各地で異常な熱波や干ばつ、洪水、大規模森林火災などが相次ぎました。 このような中、当社グループの防災・減災セグメントは、昨年に引き続き増収増益となりました。特に、国内では、国土強靭化関連事業や台風災害に伴う多くの復旧支援業務を受注したことにより、大きく業績を伸ばすことが出来ました。 今後は、2019年9月より販売を開始したトヨタ自動車・KDDIとの連携による自治体向け災害対策情報提供サービスや、民間企業向けBCP関連ソリューションなど、頻発化・激甚化する自然災害に対応した新たなリスク情報サービスなどを市場に展開することで、さらなる事業の拡大を目指します。 また、海外においても、現地国の大学・行政機関とも連携しながら、世界的な課題ともなっている大規模森林火災に対する監視システムの開発などにも現在取り組んでおり、グループの防災・減災セグメントにおける事業の幅がますます拡大しています。 持続可能な開発目標SDGsは、社会課題の解決が事業拡大に繋がることを示唆しています。当セグメントでは、防災・減災事業を拡大することで世界の課題解決に貢献し、更なるブランド力の向上に努めてまいります。

防災・減災ニーズに対応し、新技術・サービスの開発・提供を強化

2016 2017 2018(年度)

(億円)

(名)

2 防災・減災セグメント

売上高

従業員数

332

など

主なサービス

● 国や自治体の防災計画に係る地震・津波・火災等の被害予測、防災計画の策定支援

● 自然災害リスクの調査、損失予測、対策のコンサルティング● モニタリングシステムの開発・設置・更新

主な顧客

● 国や全国の地方自治体● 国の研究機関(防災科学技術研究所・米国地質調査所など)● 民間企業(メーカー、不動産会社、金融機関など)

799297

2019

117

(2019年12月31日現在)

2,235名グループ全体

吉岡 正

応用地質株式会社流域・砂防事業部

常務執行役員 事業部長

防災・減災の「取り組み事例」

トヨタ、KDDIとの連携による自治体向け災害対策情報サービス

地すべり・斜面崩壊対策サービス斜面崩壊による災害を予防するためには、崩壊に至るメカニズムを特定し、事前に防災対策工事を施すこと、そして、地域に潜むリスクを予め把握しておくことが重要です。当社は、崩壊危険斜面に対する地質調査や対策工事の設計から、土砂災害監視センサの開発、砂防施設の設計・点検・健全度調査、さらには、万一の災害発生時における「逃げ遅れゼロ」の取り組みに適した土砂災害避難支援システムの開発など、幅広いソリューションを提供しています。

サ バ イ バ ー ズ

地震発生直後から、時間の経過に合わせて、企業(災害対策本部)が対応すべき行動内容を、PC等のモニター(画面)に表示。担当者は表示された行動内容に従って迅速に対応し、終わった項目をチェック。

発災直後の表示イメージ地すべり対策工事の3次元モデル

32 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

Page 35: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

システムイメージ自治体が災害時に必要とする地域の情報を、

地図上に統合的に表示し、提供

激甚化する自然災害の到来に際し、タイムリーな避難判断や通行規制、救援物資の適切な配分など、高度に効率化された自治体の防災体制の構築を支援するべく、当社は、トヨタ自動車、KDDIと連携し、「自治体向け災害対策情報提供システム」を開発し、サービス提供を開始しています。本システムでは、地域の危険箇所を防災IoTセンサでモニタリングするとともに、住民の避難状況などの人の動き、車両の通行実績などの車の動きを準リアルタイムに捕捉することで、大雨、ゲリラ豪雨、台風時の発災前から復旧までの地域の状況を迅速に把握する事が可能になります。

BCPソリューションServiBers当社は、これまで発災時のアナログ的な対応によって生じていた”情報の錯綜・混乱”をICTの活用により“迅速かつ的確”な緊急対応業務に進化させたサービス『ServiBers』を開発・提供しています。本アプリケーションは、被災現場と災害対策本部をICTでつなぐことで、被害状況の情報収集~集計~報告までを自動化し、初動・復旧・復興などの各フェーズで対応すべき行動、ひいては事業継続マネジメント(BCM)の支援までを見据えた画期的なサービスです。

 2019年は、国内では令和元年房総半島台風(台風第15号)や令和元年東日本台風(台風第19号)による大規模な風水害が発生し、海外でも各地で異常な熱波や干ばつ、洪水、大規模森林火災などが相次ぎました。 このような中、当社グループの防災・減災セグメントは、昨年に引き続き増収増益となりました。特に、国内では、国土強靭化関連事業や台風災害に伴う多くの復旧支援業務を受注したことにより、大きく業績を伸ばすことが出来ました。 今後は、2019年9月より販売を開始したトヨタ自動車・KDDIとの連携による自治体向け災害対策情報提供サービスや、民間企業向けBCP関連ソリューションなど、頻発化・激甚化する自然災害に対応した新たなリスク情報サービスなどを市場に展開することで、さらなる事業の拡大を目指します。 また、海外においても、現地国の大学・行政機関とも連携しながら、世界的な課題ともなっている大規模森林火災に対する監視システムの開発などにも現在取り組んでおり、グループの防災・減災セグメントにおける事業の幅がますます拡大しています。 持続可能な開発目標SDGsは、社会課題の解決が事業拡大に繋がることを示唆しています。当セグメントでは、防災・減災事業を拡大することで世界の課題解決に貢献し、更なるブランド力の向上に努めてまいります。

防災・減災ニーズに対応し、新技術・サービスの開発・提供を強化

2016 2017 2018(年度)

(億円)

(名)

2 防災・減災セグメント

売上高

従業員数

332

など

主なサービス

● 国や自治体の防災計画に係る地震・津波・火災等の被害予測、防災計画の策定支援

● 自然災害リスクの調査、損失予測、対策のコンサルティング● モニタリングシステムの開発・設置・更新

主な顧客

● 国や全国の地方自治体● 国の研究機関(防災科学技術研究所・米国地質調査所など)● 民間企業(メーカー、不動産会社、金融機関など)

799297

2019

117

(2019年12月31日現在)

2,235名グループ全体

吉岡 正

応用地質株式会社流域・砂防事業部

常務執行役員 事業部長

防災・減災の「取り組み事例」

トヨタ、KDDIとの連携による自治体向け災害対策情報サービス

地すべり・斜面崩壊対策サービス斜面崩壊による災害を予防するためには、崩壊に至るメカニズムを特定し、事前に防災対策工事を施すこと、そして、地域に潜むリスクを予め把握しておくことが重要です。当社は、崩壊危険斜面に対する地質調査や対策工事の設計から、土砂災害監視センサの開発、砂防施設の設計・点検・健全度調査、さらには、万一の災害発生時における「逃げ遅れゼロ」の取り組みに適した土砂災害避難支援システムの開発など、幅広いソリューションを提供しています。

サ バ イ バ ー ズ

地震発生直後から、時間の経過に合わせて、企業(災害対策本部)が対応すべき行動内容を、PC等のモニター(画面)に表示。担当者は表示された行動内容に従って迅速に対応し、終わった項目をチェック。

発災直後の表示イメージ地すべり対策工事の3次元モデル

第 4 章 セグメント別の戦略

33OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

Page 36: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

災害に強い森林・樹木づくりをサポートする「グリーンインフラ関連サービス」気候変動の影響から、近年は台風や爆弾低気圧などによる突風被害が増加しています。2019年の台風第15号、第19号災害では、街路樹や線路沿線の樹木の倒木なども相次ぎました。また、山林では大量のスギが倒れたました。街路樹の倒木は腐朽菌の繁殖による樹木内部の空洞化などが原因の一つであり、スギの大量倒木は、林業の衰退により森林が荒廃し、溝腐病(みぞくされびょう)という杉の幹を腐朽させる病気が蔓延していたことが原因とも言われています。当社では、街路樹の健康診断や防災林の育成、森林管理のための行政支援システムなど、風災害に強い樹木を育てるためのサービスを展開しています。

 地球温暖化や世界的な工業化の進展に伴う環境破壊への懸念から、環境への意識は今日、世界的に高まっており、国内でもESG投資の動きが拡がりを見せるなど、当セグメントの市場機会はますます拡大しています。 2019年は、国の福島復興関連事業の加速に伴う環境再生支援サービスが当セグメントの業績を牽引したほか、令和元年房総半島台風(台風第15号)および令和元年東日本台風(台風第19号)による大規模な風水害に伴う災害廃棄物関連業務や、建物の更新時期の到来に伴うアスベスト対策関連サービスなどが引き続き堅調に推移しました。 また、環境経営や生物多様性保全への社会的要請から、生態系・森林保全等に関するサービスへのニーズも年々拡大しつつあります。特に、2020年10月に開催される生物多様性条約(CBD)第15回締約国会議(COP15)では新たな生物多様性枠組が採択予定であり、日本でも生態系を基盤とした気候変動対策や防災・減災などの取組みが検討されるなど、更なる市場の活性化が予測されます。 当社グループでは、街路樹の健全度診断サービスや防災林育成技術など、災害に強いまちづくりに関わる様々なグリーンインフラコンテンツも保有しています。生物多様性の単なる保全・回復を目指すだけでなく、賢明な利活用を通じた新たな価値の創造を通じて、世界の様々な課題の解決に挑戦してまいります。

世界的な環境課題に向け、ソリューション開発を推進

2016 2017 2018(年度)

(億円)

(名)

3 環 境セグメント

売上高

従業員数

主な事業内容

など

● 生物多様性の保全を中心とした「自然環境分野」● 土壌・地下水汚染や廃棄物等を対象とした「生活環境分野」● アスベスト分析・除去工事ワンストップサービス

など

主な顧客

● 環境省(廃棄物、資源循環分野)● 国土交通省● 全国の地方自治体● 民間企業(不動産関連会社、商社、メーカーなど)

626

969785

2019

89

(2019年12月31日現在)

2,235名グループ全体

岩下 信 一

応用地質株式会社地球環境事業部

執行役員 事業部長

環境の「取り組み事例」

災害廃棄物処理計画/早期処理支援サービス大規模災害の発生を想定した廃棄物処理計画支援システムを開発・提供しています。データベース化された地盤モデルや地形、建物などの情報に基づき、全半壊する建物の予測と廃棄物発生量を推定、仮置き場への最適な運搬計画などを瞬時に計算。最短での復旧をめざした危機管理体制の構築に貢献します。

林務管理システム「森林クラウド」小型レーダを用いた樹木診断サービス

防災林育成サービス

災害廃棄物処理計画支援システム

34 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

Page 37: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

災害に強い森林・樹木づくりをサポートする「グリーンインフラ関連サービス」気候変動の影響から、近年は台風や爆弾低気圧などによる突風被害が増加しています。2019年の台風第15号、第19号災害では、街路樹や線路沿線の樹木の倒木なども相次ぎました。また、山林では大量のスギが倒れました。街路樹の倒木は腐朽菌の繁殖による樹木内部の空洞化などが原因の一つであり、スギの大量倒木は、林業の衰退により森林が荒廃し、溝腐病(みぞくされびょう)という杉の幹を腐朽させる病気が蔓延していたことが原因とも言われています。当社では、街路樹の健康診断や防災林の育成、森林管理のための行政支援システムなど、風災害に強い樹木を育てるためのサービスを展開しています。

 地球温暖化や世界的な工業化の進展に伴う環境破壊への懸念から、環境への意識は今日、世界的に高まっており、国内でもESG投資の動きが拡がりを見せるなど、当セグメントの市場機会はますます拡大しています。 2019年は、国の福島復興関連事業の加速に伴う環境再生支援サービスが当セグメントの業績を牽引したほか、令和元年房総半島台風(台風第15号)および令和元年東日本台風(台風第19号)による大規模な風水害に伴う災害廃棄物関連業務や、建物の更新時期の到来に伴うアスベスト対策関連サービスなどが引き続き堅調に推移しました。 また、環境経営や生物多様性保全への社会的要請から、生態系・森林保全等に関するサービスへのニーズも年々拡大しつつあります。特に、2020年10月に開催される生物多様性条約(CBD)第15回締約国会議(COP15)では新たな生物多様性枠組が採択予定であり、日本でも生態系を基盤とした気候変動対策や防災・減災などの取組みが検討されるなど、更なる市場の活性化が予測されます。 当社グループでは、街路樹の健全度診断サービスや防災林育成技術など、災害に強いまちづくりに関わる様々なグリーンインフラコンテンツも保有しています。生物多様性の単なる保全・回復を目指すだけでなく、賢明な利活用を通じた新たな価値の創造を通じて、世界の様々な課題の解決に挑戦してまいります。

世界的な環境課題に向け、ソリューション開発を推進

2016 2017 2018(年度)

(億円)

(名)

3 環 境セグメント

売上高

従業員数

主な事業内容

など

● 生物多様性の保全を中心とした「自然環境分野」● 土壌・地下水汚染や廃棄物等を対象とした「生活環境分野」● アスベスト分析・除去工事ワンストップサービス

など

主な顧客

● 環境省(廃棄物、資源循環分野)● 国土交通省● 全国の地方自治体● 民間企業(不動産関連会社、商社、メーカーなど)

626

969785

2019

89

(2019年12月31日現在)

2,235名グループ全体

岩下 信 一

応用地質株式会社地球環境事業部

執行役員 事業部長

環境の「取り組み事例」

災害廃棄物処理計画/早期処理支援サービス大規模災害の発生を想定した廃棄物処理計画支援システムを開発・提供しています。データベース化された地盤モデルや地形、建物などの情報に基づき、全半壊する建物の予測と廃棄物発生量を推定、仮置き場への最適な運搬計画などを瞬時に計算。最短での復旧をめざした危機管理体制の構築に貢献します。

林務管理システム「森林クラウド」小型レーダを用いた樹木診断サービス

防災林育成サービス

災害廃棄物処理計画支援システム

第 4 章 セグメント別の戦略

35OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

Page 38: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

2016 2017 2018(年度)

(億円)

(2019年12月31日現在)

(名)

資源・エネルギー

売上高

従業員数

 国内では、原子力関連市場の縮小が続く中、再生可能エネルギー、とりわけ洋上風力発電関連市場が急速に拡大しています。当社では前年度に引き続き、新たな海上調査技術の開発および新規設備投資を行い、洋上風力発電関連サービスの業績を大きく伸ばすとともに、本分野での市場シェアを更に伸ばすことが出来ました。 一方、原子力分野では、廃炉に向けた放射性廃棄物の処分問題が新たな市場機会として注目されます。現在、廃炉が決定もしくは検討中の原子炉は24基あり、また運転期間が40年を超える原子炉も今後さらに増える見込みです。経済産業省の試算では廃炉に関わる市場規模は3兆円とも言われており、当社としても引き続き注視しております。 海外では、2014年以来の資源価格の低迷から、市場ではコスト縮減技術に対する期待が高まっています。その中で、当社グループの海底4次元探査サービス(高分解能3次元探査に時間軸を加えた石油貯留層のモニタリングサービス)が石油メジャーを中心に支持を獲得し、当セグメントの業績改善に貢献しました。中国経済の減速や米中貿易摩擦など、資源市場を巡る先行きは不透明ではあるものの、コスト縮減や効率化に有効な新商品・サービスの投入により、海外グループ各社の更なる業績回復を図ってまいります。

新たなエネルギー政策に対応したソリューションを強化

主な事業内容

など

● 発電所などの立地に係る高度な地質コンサルティング● メタンハイドレート開発研究、再生可能エネルギー事業化支援

● 資源探査用システムの開発、海底4次元探査サービス

など

主な顧客

● 発電事業者● 石油、ガス事業者● 資源開発会社

● 建設会社● 官公庁・国の研究機関

283

87

109

82

102

2019

2,235名グループ全体

大島 雅 浩

応用地質株式会社エネルギー事業部執行役員 事業部長

資源・エネルギーの「取り組み事例」

洋上風力発電支援サービス日本での洋上風力発電市場の急速な拡大に伴い、当社では、需要が逼迫している調査用の海上足場を新たに設備投資したほか、建築基準法に準じた耐震設計に対応するための新たな海底地盤調査技術を開発しました。海底の地質調査以外にも、事業性評価から環境アセスメントまで、様々な技術サービスをワンストップで提供し、事業者の円滑な事業推進をグループ全体でサポートしています。

海底4次元探査サービス当社は、高分解能かつ3次元で可視化した地層構造の時間経過による変化をモニタリングする新技術として4次元探査技術を開発しました。この技術に基づいて海底の石油貯蔵層を探査する当社の「海底4次元探査サービス」は、石油採掘リスクを軽減する新たなソリューションとして、大きな注目を集めています。従来は北欧や米国周辺海域での実績に限られていましたが、今後は東南アジアやアフリカ等でも市場の拡大が期待されます。

放射性廃棄物対策・廃炉事業支援サービス原子力発電所は、建設から40年以上となる施設が増加し、今後、その多くが廃炉となることが予想されています。廃炉にかかる市場規模は、3兆円になるとも言われています。事業者は、廃炉が決定し、原子力発電所が運転を停止した後も、放射性物質を施設外に漏らさないよう安全に管理する必要があります。当社グループでは、地質に関する高度な理学的知見や地盤3次元化技術、地震防災関連技術などを活かしながら、本問題の課題解決に取り組んでまいります。

4セグメント

地震計を用いた新しい海底調査技術

海底調査に用いる鋼製櫓

36 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

Page 39: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

2016 2017 2018(年度)

(億円)

(2019年12月31日現在)

(名)

資源・エネルギー

売上高

従業員数

 国内では、原子力関連市場の縮小が続く中、再生可能エネルギー、とりわけ洋上風力発電関連市場が急速に拡大しています。当社では前年度に引き続き、新たな海上調査技術の開発および新規設備投資を行い、洋上風力発電関連サービスの業績を大きく伸ばすとともに、本分野での市場シェアを更に伸ばすことが出来ました。 一方、原子力分野では、廃炉に向けた放射性廃棄物の処分問題が新たな市場機会として注目されます。現在、廃炉が決定もしくは検討中の原子炉は24基あり、また運転期間が40年を超える原子炉も今後さらに増える見込みです。経済産業省の試算では廃炉に関わる市場規模は3兆円とも言われており、当社としても引き続き注視しております。 海外では、2014年以来の資源価格の低迷から、市場ではコスト縮減技術に対する期待が高まっています。その中で、当社グループの海底4次元探査サービス(高分解能3次元探査に時間軸を加えた石油貯留層のモニタリングサービス)が石油メジャーを中心に支持を獲得し、当セグメントの業績改善に貢献しました。中国経済の減速や米中貿易摩擦など、資源市場を巡る先行きは不透明ではあるものの、コスト縮減や効率化に有効な新商品・サービスの投入により、海外グループ各社の更なる業績回復を図ってまいります。

新たなエネルギー政策に対応したソリューションを強化

主な事業内容

など

● 発電所などの立地に係る高度な地質コンサルティング● メタンハイドレート開発研究、再生可能エネルギー事業化支援

● 資源探査用システムの開発、海底4次元探査サービス

など

主な顧客

● 発電事業者● 石油、ガス事業者● 資源開発会社

● 建設会社● 官公庁・国の研究機関

283

87

109

82

102

2019

2,235名グループ全体

大島 雅 浩

応用地質株式会社エネルギー事業部執行役員 事業部長

資源・エネルギーの「取り組み事例」

洋上風力発電支援サービス日本での洋上風力発電市場の急速な拡大に伴い、当社では、需要が逼迫している調査用の海上足場を新たに設備投資したほか、建築基準法に準じた耐震設計に対応するための新たな海底地盤調査技術を開発しました。海底の地質調査以外にも、事業性評価から環境アセスメントまで、様々な技術サービスをワンストップで提供し、事業者の円滑な事業推進をグループ全体でサポートしています。

海底4次元探査サービス当社は、高分解能かつ3次元で可視化した地層構造の時間経過による変化をモニタリングする新技術として4次元探査技術を開発しました。この技術に基づいて海底の石油貯蔵層を探査する当社の「海底4次元探査サービス」は、石油採掘リスクを軽減する新たなソリューションとして、大きな注目を集めています。従来は北欧や米国周辺海域での実績に限られていましたが、今後は東南アジアやアフリカ等でも市場の拡大が期待されます。

放射性廃棄物対策・廃炉事業支援サービス原子力発電所は、建設から40年以上となる施設が増加し、今後、その多くが廃炉となることが予想されています。廃炉にかかる市場規模は、3兆円になるとも言われています。事業者は、廃炉が決定し、原子力発電所が運転を停止した後も、放射性物質を施設外に漏らさないよう安全に管理する必要があります。当社グループでは、地質に関する高度な理学的知見や地盤3次元化技術、地震防災関連技術などを活かしながら、本問題の課題解決に取り組んでまいります。

4セグメント

地震計を用いた新しい海底調査技術

海底調査に用いる鋼製櫓

第 4 章 セグメント別の戦略

37OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

Page 40: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

企業の持続的な成長をめざして 応用地質グループの経営理念は、「人と自然の調和を図るとともに、安全と安心を技術で支え、

社業の発展を通じて社会に貢献する」です。この理念に基づき、持続可能な社会の実現に向け

て、「応用地質グループ企業行動規範/行動基準」を定めました。Enviroment(環境)、Social

(社会)、Governance(企業統治)の課題への対応は、グループの事業活動と直結しています。

私たちは、新たな行動規範と行動基準のもと、ESG経営に積極的に取り組むことで、社会の持続

的発展とグループの成長に繋げていきます。

地球科学の未知なる課題に挑戦し、持続可能な社会を実現させるための技術を進化させ、謙虚な態度で環境に向き合い、人に誠実な対応で安全安心を与え、多様性を尊重して、未来のために行動します。

行動規範に当たっての誇り/PRIDE

行動基準 1

1) 「考える」をあきらめません● 「できない」と思った時点で思考は停止します。あきらめず、「どうした

らできるか」を“できるまで”考えます。● 一人だけでなく、大勢の仲間で「挑戦」することで、より大きな成果と

喜びを獲得します。

2) 新たな市場を開拓します● 過去のやり方・技術・市場にこだわらず、常に変化を求め、新たな市場

を創造し続けます。● 社会課題を起点として、解決策を考え、事業活動を通して持続可能な

開発目標SDGsに貢献します。● 社会に新しい価値を提供するため、それに相応しい自分たちの働く場(市場)を開拓(創造)します。

3) 独創的な技術開発を行います● 模倣によらない斬新な視点と発想で、他社にはない独創的な技術を

開発します。また、ユニークさやオリジナリティを尊重し、新しい発想に価値を見出し、皆で共有します。

● 市場やお客様の声に耳を傾け、より良い技術の開発のために、全職員が開発者の意識をもって仕事に取り組みます。

4) 業種の枠を超えてイノベーションを創出します● 組織や会社、業種の壁を取り払い、アイデアを持ち寄り、協創によって

社会に新たな価値を生み出します。

行動基準 2

1) 成功体験を捨てます● 事業環境が大きく変化する中では、今日の成功体験は、明日にはもう

通用しません。健全な否定的精神を持ち、「もっと良い方法はないか」を常に探求します。

● 失敗には必ず原因があります。失敗も成果の一つと考え、失敗の原因を分析し次につなげることで、失敗から学ぶ習慣を身につけます。

2) 企業としての成長にこだわります● 魅力ある企業であり続けるために、収益を拡大し、成長させます。● 企業として成長していくために、市場からの期待を常に意識し、役職

員全員が経営者の感覚を持って、事業拡大を追求します。

3) 社外リソースを積極的に活用します● 地域社会やお客様に向けたベストなソリューションサービスを生み出

すために、視野を広くもち、社外のリソースを積極的に活用します。● 持続可能な社会をつくるため、自社の技術の公表も行い、他社の技術

やアイデアとの組合せにより、広く社会に普及させていきます。

4) 変化に適応します● 適者生存。激しい環境変化の中で生き延びていくために、躊躇なく変

化することを志向します。● 変化に適応するために、情報感度を高めます。専門分野だけでなく、あ

らゆる分野に関心を持ち、広く社外の人間と交流し、視野を広げます。

成功体験との決別(進化/EVOLUTION)2できないをできるに変える発想

(挑戦/CHALLENGE)1

応用地質グループ企業行動規範

38 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

E S G 概 要

Page 41: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

企業の持続的な成長をめざして 応用地質グループの経営理念は、「人と自然の調和を図るとともに、安全と安心を技術で支え、

社業の発展を通じて社会に貢献する」です。この理念に基づき、持続可能な社会の実現に向け

て、「応用地質グループ企業行動規範/行動基準」を定めました。Enviroment(環境)、Social

(社会)、Governance(企業統治)の課題への対応は、グループの事業活動と直結しています。

私たちは、新たな行動規範と行動基準のもと、ESG経営に積極的に取り組むことで、社会の持続

的発展とグループの成長に繋げていきます。

地球科学の未知なる課題に挑戦し、持続可能な社会を実現させるための技術を進化させ、謙虚な態度で環境に向き合い、人に誠実な対応で安全安心を与え、多様性を尊重して、未来のために行動します。

行動規範に当たっての誇り/PRIDE

行動基準 4

1) 人権を尊重します● 多様性(ダイバーシティ)の基本は、「人権の尊重」です。性別、年齢、

人種、国籍、障害の有無など、様々な「個」の違いを尊重し合います。 様々な属性の人が、互いに助け合って働くことができる職場環境を作ります。

2) 多様な価値・発想を取り入れます● 様々な「個」の違いに積極的に価値を見出します。私たちが進化し続

けるために、多様な価値や発想を貪欲に取り込んでいきます。

3) 働きやすい職場を実現します● 安全をすべてに優先させ、職場・現場における事故や労働災害防止

に努めます。● 職員一人ひとりが法令等を理解し、働きやすい職場づくりに取り組み

ます。組織および個人で労働時間の適正化と心身の健康管理に努め、ワークライフシナジーを実現していきます。

● パワハラ、セクハラ、モラハラなど、職場における一切のハラスメントを許しません。

4) 働きがいのある職場にします● 職員がモチベーションを高め、達成感を得ながら仕事ができる職場

を作ります。また、仕事が適切に評価され、それに見合う対価に納得できるシステムを構築していきます。

行動基準 3

1) ステークホルダーを常に意識して行動します● 株主や取引先、お客様など、当社を応援してくださるすべてのステーク

ホルダーの期待を常に意識し、真摯かつ誠実に職務に取り組みます。● 成果の品質向上と業務の改善に継続的に取り組み、お客様の期待を

超える仕事を提供します。

2) 法令や規則を遵守します● すべてのステークホルダーの信頼のために、法令、社会規範、社内規

程等を遵守して行動します。● 常に高い技術者倫理を持ち、公正・誠実に行動し、持続可能な社会の

実現に貢献します。

3) リスク管理を徹底します● 企業を取り巻くリスクの洗い出しと予防措置の策定、およびその取組

み状況のチェックを定期的に行い、リスク管理に努めます。また、お客様、取引先および当社が保有する情報の財産価値の保護のため、情報の管理を徹底します。

● 大規模な自然災害発生などの緊急時には、自社の事業継続だけでなく、地域の災害復旧・復興に向けた支援活動に全社を挙げて取り組みます。

4) 反社会的勢力に対して毅然とした態度をとります● 反社会的な団体や個人の活動に対しては一切関与しません。また、組

織として、平素より関係機関と連携し、反社会的勢力の排除に積極的に取り組みます。

多様な価値の尊重と働きがいの創造(多様性/DIVERSITY)4ステークホルダーへの誠実な対応

(誠実/INTEGRITY)3

39OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

第 5 章 ESG

Page 42: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

社会課題を起点とした経営により、仕事の価値が社会からわかりやすい企業へ

「持続可能な開発目標(SDGs)」は、さまざまなステークホルダーが解決すべき17の目標です。世界の均衡的な発展をめざすため、2030年までの「人間、地球および繁栄のための行動計画」が、2015年9月の国連サミットにおいて150を超える国連加盟国首脳の参加のもとで採択されました。

働きやすい企業となる

社会課題起点による経営

仕事の価値が社会からわかりやすい企業となる

各事業でSDGsを追求

事業展開

ESG重視の経営を推進経営の基礎

当社グループが目指す企業像 1

当社グループが目指す企業像 2

事業セグメントとSDGsとの関係(対応項目)

インフラ・メンテナンス

途上国の防災支援、地域の総合学習支援、女性の働き易い環境整備、コンプライアンスの徹底、地域社会の防災支援、他

3セグメント 4セグメント

防災・減災 環 境 資源・エネルギー

社会貢献活動

社会インフラの整備、維持管理、更新、他

地震災害、火山災害、風水害、土砂災害、

火災、他

土地汚染浄化、生活環境保全、廃棄物処理、

自然環境保全、他

探鉱、石油開発、再生可能エネルギー開発、電力施設整備・更新

1セグメント 2セグメント

40 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

S D G s 追 求 型 経 営による企 業 価 値 向 上

Page 43: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

社会課題を起点とした経営により、仕事の価値が社会からわかりやすい企業へ

「持続可能な開発目標(SDGs)」は、さまざまなステークホルダーが解決すべき17の目標です。世界の均衡的な発展をめざすため、2030年までの「人間、地球および繁栄のための行動計画」が、2015年9月の国連サミットにおいて150を超える国連加盟国首脳の参加のもとで採択されました。

働きやすい企業となる

社会課題起点による経営

仕事の価値が社会からわかりやすい企業となる

各事業でSDGsを追求

事業展開

ESG重視の経営を推進経営の基礎

当社グループが目指す企業像 1

当社グループが目指す企業像 2

事業セグメントとSDGsとの関係(対応項目)

インフラ・メンテナンス

途上国の防災支援、地域の総合学習支援、女性の働き易い環境整備、コンプライアンスの徹底、地域社会の防災支援、他

3セグメント 4セグメント

防災・減災 環 境 資源・エネルギー

社会貢献活動

社会インフラの整備、維持管理、更新、他

地震災害、火山災害、風水害、土砂災害、

火災、他

土地汚染浄化、生活環境保全、廃棄物処理、

自然環境保全、他

探鉱、石油開発、再生可能エネルギー開発、電力施設整備・更新

1セグメント 2セグメント

41OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

第 5 章 ESG

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当社は会社法に基づく監査役会設置会社であり、執行役員制度を採用しています。取締役会による経営の意思決定・監督機能、監査役会による経営の監視、執行役員による業務執行機能をそれぞれ分離・確保することで、経営の透明性向上、責任の明確化、意思決定の迅速化を図っています。

当社は、株主、投資家、顧客、従業員、取引先、地域社会等のステークホルダーとの適切な関係を保ちながら、「社会から信頼され、安全・安心で持続的可能な社会の構築に貢献する企業」をめざし、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ることを経営の重要課題として、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでいます。

基本的な考え方

活動状況と取組み

2018年度(第62期) 2019年度(第63期) 2020年度(第64期)

取締役(任期1年) 8名(内 社外取締役 3名) 8名(内 社外取締役 3名) 9名(内 社外取締役 3名)

監査役(任期4年) 4名(内 社外監査役 2名) 3名(内 社外監査役 2名) 3名(内 社外監査役 2名)

※社外役員は全員が独立役員に指定されています。

当社は、経営効率の維持・向上のため、当社事業に精通した取締役6名と、一般株主と利益相反が生じる恐れのない独立役員の社外取締役3名で取締役会を構成しております。また、常勤監査役1名と独立役員である社外監査役2名が取締役会に出席することとしています。取締役会は、3ヵ月に1回以上開催する定時取締役会と、必要ある場合に開催する臨時取締役会があり、当社の経営方針等の重要事項に関する意思決定を行い、取締役の職務執行を監督しています。2019年度は計13回開催されました。社外役員との意見交換会も任意の会議体として開催し、社外取締役の豊富な経験が当社の経営に活かされるよう努めています。外部の客観的な視点から経営に対する監督・助言を受けることは、ガバナンス上の重要な機会の一つと位置づけ、2018年度より独立社外取締役を1名増員し、2020年3月27日現在、取締役は9名(うち独立社外取締役3名)となっております。

取締役会

当社は、執行役員制度を導入しており、機能の特化、意思決定の迅速化、監督・監視機能の強化を図っています。執行役員会は、取締役6名(執行役員を兼務)と執行役員18名(2020年3月27日現在)で構成され、業務執行については、取締役会とは別に執行役員会を原則として月1回以上開催し、取締役会の決定した方針に従い、経営全般の問題の協議、重要な業務執行の審議等を行っています。

執行役員会

監査役会は、監査役3名(うち独立社外監査役2名)で構成され(2020年3月27日現在)、原則として月に1回開催されています。監査役は原則、取締役会にもすべて出席し、取締役の職務執行の適正性および妥当性について経営の監視を行う体制となっています。

監査役会

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コーポレート・ガ バ ナンス

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内部統制

コーポレート・ガバナンス体制図

その他の取組みとして、常勤役員を中心に経営事項に関して自由な議論を行う「経営戦略会議」、社外役員に対し当社事業への理解を深めてもらうための「事業分野報告会」など、任意の会議体を設け、取締役会の意思決定機能と監督機能の充実に向けた体制整備に努めています。

任意の会議体

当社は、2006年5月12日の取締役会において内部統制基本方針を決議し、リスク管理体制の強化、コンプライアンス経営の徹底及び当社グループ経営体制の強化等に取組んでいます。また、2020年2月13日の取締役会において、内部統制基本方針の一部改定を決議しております。

内部統制システム整備の状況

当社は、部門ごとにリスクの抽出、分析、対応策の検討及び定期的な見直しによりリスク管理を行っており、管理状況を定例の経営会議で審議しています。また、当社グループの役職員が遵守すべき行動規範として「企業行動規範・企業行動基準」を定めるとともに、「コンプライアンス・マニュアル」を定めてコンプライアンス経営の周知徹底を図っています。(詳しくはP49を参照)

リスク管理体制の整備の状況

組織としての取組みでは、コンプライアンス室が内部監査プログラムに従い監査を実施し、業務処理及び会計処理に関する活動が合法的、合理的に行われているかを検証・評価し改善を行っています。コンプライアンス室と監査役とは監査計画、監査結果について定期的に情報交換や意見交換を行っているほか、会計監査人の監査役への監査報告の一部にコンプライアンス室が立ち会うなどの相互連携をしています。また、常勤監査役は随時、本社・事業所の各部署において必要な業務監査を行っています。

内部監査及び監査役監査の状況

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第 5 章 ESG

監査役会/監査役

執行役員会/執行役員

代表取締役

指名・報酬諮問委員会

取締役会/取締役

株 主 総 会

コンプライアンス室

グループ会社

会計監査人

選任・解任

付議・報告

諮問

選定・解職

選任・解任 選任・解任 選任・解任

内部監査

連携

指示

監査

監査

調査

報告報告指示・監査

報告指示・監査 内部監査

報告

報告監査

監査

本部・室・事業部

答申

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役員報酬

 当社の取締役及び監査役の報酬等については、あらかじめ株主総会で決議された報酬総額の範囲内において、決定しています。取締役

 取締役の報酬は、当社取締役会の任意の諮問機関である指名・報酬諮問委員会の審議を経て取締役会で決定しています。同委員会は代表取締役1名と社外取締役3名で構成されており、委員長は代表取締役社長としています。委員以外にオブザーバーとして社外監査役2名が参加しています。同委員会は年1回以上開催することとされており、2019年度においては2019年11月14日に開催しています。 取締役は、各事業年度における業績向上並びに、長期的な企業価値の増大に向けての職責を負うことから、その報酬は、役割に応じた固定報酬としての基本報酬と、短期の業績連動報酬としての賞与および中長期の業績連動報酬としての株式報酬で構成されています。固定報酬と業績連動報酬の支給割合について明確な定めは設けていませんが、中期経営計画目標の達成水準や従業員給与の水準などを勘案して決定しています。 なお、社外取締役の報酬は、その役割と独立性の観点から基本報酬のみで構成しています。

監査役 監査役の報酬は、職務執行に対する監査の職責を負うことから定額報酬を基本としており、監査役会で決定しています。

社外役員の独立性

当社は、2020年3月27日の第63回定時株主総会で、社外取締役3名を選任しており、任期中の社外監査役2名を含めて、5名の社外役員が就任しています。社外役員を選任するための独立性に関する基準はコーポレート・ガバナンス基本方針の中で定めており、当社ウェブサイト(https://www.oyo.co.jp/)に掲載しています。また、当社の5名の社外役員は、東京証券取引所が定める独立役員として、東京証券取引所に届け出ています。

当社は、当社の業務に高い知識と見識を持つ取締役と、行政又は他企業で要職を経験した独立役員3名の社外取締役が経営に参画することが、一般株主との利益相反が生じること無く経営の適正性と効率性を高めるのに効果的であると考えています。また、社外取締役に加えて、独立性を有する社外監査役2名が、法令遵守という観点から客観的かつ中立的な視点で経営を監視し、金融機関において培われた、又は弁護士としての経験や知識を活かして、当社の監査体制の更なる強化を図っています。

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コーポレート・ガ バ ナンス

基本報酬賞与

株式報酬

※役員の報酬等につきましては、当社の第63期有価証券報告書にも記載しておりますのでそちらもご参照ください。

基本報酬は取締役の役付、代表権の有無、執行役員の兼務に応じて報酬格差を設けて決定しています。賞与は短期の業績を評価する観点から、連結営業利益、連結売上高営業利益率、連結経常利益、連結株主資本経常利益率、親会社株主に帰属する当期純利益などの指標について、業績の達成水準に応じて支給ランクを算出し、決定しています。当社は、社外取締役を除く取締役について、株式報酬制度として「株式給付信託(BBT(=Board Benefit Trust))を導入しています。本制度は、当社が拠出する金銭を原資として当社株式が信託を通じて取得され、当社の取締役に対して、業績達成度等に応じて当社株式が本信託を通じて給付される業績連動型の株式報酬制度です。なお、当社の取締役が当社株式の給付を受ける時期は、原則として取締役の退任時となります。本制度は、取締役の報酬と当社の業績及び株式価値との連動性をより明確にし、取締役が株価変動リスクを株主の皆様と共有することで、当社の持続的成長を目指すことを目的としています。本制度に基づく単年度の株式報酬は、各業務執行取締役の役位別基本ポイントに、予算の達成率に応じた業績係数を掛け合わせることで算定しております。

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社外取締役の選任理由

氏名 選任理由

中村  薫

 中村 薫氏は、経済産業省を中心に要職を歴任され、他社の監査役、代表取締役、財団の会長としての実績を有するとともに、資源・エネルギー分野等の知見も有しています。同氏のこれまでの行政並びに経営に関する経験を踏まえた外部からの視点が、当社の経営体制の一層の充実に有用であり、コーポレート・ガバナンスの強化に貢献していただけると判断しています。(当社社外取締役の在任期間: 2020年3月27日時点で5年)

重要な兼職の状況

■ ユー・エム・シー・エレクトロニクス㈱ 社外取締役 監査等委員

太田 道彦

 太田 道彦氏は、丸紅㈱において要職を歴任され、他社の社外取締役、社外監査役としての実績を有しています。同氏の商社における国内・海外の事業に関する知見並びに経営に関する経験を踏まえた同氏の外部からの視点が、当社の経営体制の一層の充実に有用であり、コーポレート・ガバナンスの強化に貢献していただけると判断しています。(当社社外取締役の在任期間: 2020年3月27日時点で2年)

重要な兼職の状況

■ セビオホールディングス㈱ 社外取締役■ セゾン自動車火災保険㈱ 社外監査役■ ユニチカ㈱ 社外取締役

尾﨑 聖治

 尾﨑 聖治氏は、サッポロビール㈱において要職を歴任され、サッポロホールディングス㈱のグループ各社の取締役、監査役の実績を有しています。当社が属する建設関連業とは異なる業種の経験を有する同氏の外部からの視点が、当社の経営体制の充実と多様性の確保に有用であり、コーポレート・ガバナンスの強化に貢献していただけると判断しています。(当社社外取締役の在任期間: 2020年3月27日時点で1年)

重要な兼職の状況 重要な兼職先はありません。

社外監査役の選任理由

氏名 選任理由

内藤  潤

 内藤 潤氏は、弁護士として法務の専門知識と豊富な経験を有するとともに、他社の監査役としての経験を有しています。同氏の法務に関する経験並びに企業における監査業務で得た知見により、的確な監査が期待でき、コーポレート・ガバナンスの強化に貢献していただけると判断しています。(当社社外監査役の在任期間: 2020年3月27日時点で5年)

重要な兼職の状況

■ ㈱ヤマタネ 社外監査役■ 長島・大野・常松法律事務所 シニア・カウンセル

酒井 忠司

 酒井 忠司氏は、銀行、証券会社等において、企画・管理部門等の業務及び会社経営の経験と、他社の監査役の実績を有しています。同氏の金融機関での豊富な経験並びに企業における監査業務で得た知見により、的確な監査が期待でき、コーポレート・ガバナンスの強化に貢献していただけると判断しています。(監査役の在任期間: 2020年3月27日時点で2年)

重要な兼職の状況

■ TANAKAホールディングス㈱ 常勤監査役

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第 5 章 ESG

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1984年 4月 当社入社2011年 4月 当社執行役員2011年 4月 関西支社長2015年 4月 当社常務執行役員(現任)2015年 4月 東京支社長2018年 4月 メンテナンス事業部長2019年 1月 経営企画本部長(現任)2019年 3月 FONG CONSULT PTE. LTD. DIRECTOR(現任)2019年 3月 FC INSPECTION PTE. LTD. DIRECTOR(現任)

1979年 4月 当社入社2004年 3月 当社取締役2005年 4月 当社専務執行役員2005年 9月 新規事業企画室長2007年 3月 当社取締役副社長2009年 3月 当社代表取締役社長(現任)

1953年11月生まれ

成田 賢

代表取締役社長な り た まさる

1983年 4月 ㈱富士銀行(現㈱みずほ銀行)入行2009年 4月 ㈱みずほコーポレート銀行(現㈱みずほ銀行) 米州審査部長2011年 4月 同行業務監査部長2013年 8月 当社入社2014年 8月 当社執行役員2015年 4月 当社常務執行役員2016年 3月 当社取締役(現任)2016年 4月 事務本部長(現任)2017年 4月 当社専務執行役員2020年 3月 代表取締役副社長(現任)

1959年11月生まれ

平嶋 優一

代表取締役副社長ひ ら し ま ゆ う い ち

1959年8月生まれ

中川 渉

取締役常務執行役員な か が わ わたる

1983年 4月 当社入社2005年 4月 当社執行役員2005年 4月 四国支社長2010年 4月 工務本部長2014年 4月 当社常務執行役員(現任)2016年 3月 当社取締役(現任)2017年 3月 エヌエス環境㈱取締役(現任)2020年 1月 事業部統轄本部長(現任)

1958年8月生まれ

重信 純

取締役常務執行役員し げ の ぶ じゅん

1983年 4月 当社入社2007年 4月 当社執行役員2014年 4月 東京支社長2015年 4月 当社常務執行役員(現任)2015年 4月 サービス開発本部長(現任)2016年 3月 当社取締役(現任)2016年 11月 三洋テクノマリン㈱ 社外取締役(現任)2017年 6月 ㈱イー・アール・エス 社外取締役(現任)2020年 3月 OYOインターナショナル㈱ 取締役(現任)

1958年8月生まれ

佐藤 謙司

取締役常務執行役員さ と う け ん じ

1990年 4月 玉野総合コンサルタント㈱入社2003年 9月 ㈱ケー・シー・エス入社2005年 8月 同社取締役2005年 10月 同社代表取締役2017年 3月 当社取締役(現任)2017年 4月 当社常務執行役員(現任)2017年 4月 情報技術企画室長(現情報企画本部長)(現任)2019年 3月 応用地震計測㈱ 取締役(現任)2020年 3月 ㈱ケー・シー・エス 取締役(現任)

1966年1月生まれ

天野 洋文

取締役常務執行役員あ ま の ひ ろ ふ み

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役 員 構 成(2020年3月27日現在)

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※1 会社法第2条15号に定める社外取締役 ※2 会社法第2条16号に定める社外監査役

1982年 4月 弁護士登録1982年 4月 長島・大野法律事務所入所2000年 1月 長島・大野・常松法律事務所 パートナー2007年 6月 イノテック㈱ 社外監査役2013年 1月 長島・大野・常松法律事務所 顧問2015年 3月 当社社外監査役(現任)2016年 6月 ㈱ヤマタネ 社外監査役(現任)2020年 1月 長島・大野・常松法律事務所 シニア・カウンセル(現任)

1956年1月生まれ

内藤 潤

監査役※2

な い と う じゅん

1979年 4月 ㈱富士銀行(現㈱みずほ銀行)入行2006年 3月 みずほ証券㈱ 執行役員スイスみずほ銀行社長2008年 5月 ㈱みずほプライベートウェルスマネジメント 常務取締役2013年 6月 TANAKAホールディングス㈱ 常勤監査役(現任)2015年 6月 ㈱デイ・シイ 社外監査役2018年 3月 当社社外監査役(現任)

1956年8月生まれ

酒井 忠司

監査役※2

さ か い た だ し

1948年6月生まれ

中村 薫  

取締役※1

な か む ら かおる

1972年 4月 通商産業省入省(現経済産業省)1990年 6月 通商産業省機械情報産業局情報処理振興課長1999年 7月 内閣官房内閣内政審議室内閣審議官2002年 7月 経済産業省産業技術環境局長 2005年 10月 日本IBM㈱特別顧問 常勤監査役2010年 7月 日本電子計算機㈱(現㈱JECC) 代表取締役社長2015年 3月 当社社外取締役(現任)2016年 6月 一般財団法人新エネルギー財団 会長(代表理事)2017年 6月 ユー・エム・シー・エレクトロニクス㈱ 監査役2020年 3月 同社 社外取締役 監査等委員(現任)

1952年12月生まれ

太田 道彦

取締役※1

お お た み ち ひ こ

1975年 4月 丸紅㈱入社2009年 6月 同社代表取締役常務執行役員2010年 4月 同社代表取締役専務執行役員2012年 4月 同社代表取締役副社長執行役員2013年 4月 同社副社長執行役員アセアン支配人、東アジア総代表、南西アジア支配人、丸紅アセアン会社社長2014年 6月 同社代表取締役副社長執行役員2015年 4月 同社副会長2016年 6月 ゼビオホールディングス㈱ 社外取締役(現任)2017年 6月 セゾン自動車火災保険㈱ 社外監査役(現任)2018年 3月 当社社外取締役(現任)2019年 6月 ユニチカ㈱ 社外取締役(現任)

1955年8月生まれ

尾﨑 聖治

取締役※1

お さ き し ょ う じ

1957年6月生まれ

香川 眞一

常勤監査役か が わ し ん い ち

1980年 4月 当社入社1998年 4月 事務本部財務部副部長2002年 9月 エヌエス環境㈱へ転籍、同社事務本部長2004年 12月 同社常勤監査役2007年 2月 当社入社、管理本部総務部長兼事務センター長2011年 4月 事務本部経理部長兼総務部長2013年 2月 天津澳優星通伝感技術有限公司監事2015年 3月 ㈱ケー・シー・エス 取締役副社長2016年 4月 当社執行役員2016年 4月 コンプライアンス室長2018年 3月 当社常勤監査役(現任)

1979年 4月 サッポロビール㈱入社2005年 3月 同社ワイン洋酒事業部長兼サッポロワイン㈱取締役2006年 3月 兼㈱恵比寿ワインマート代表取締役社長2007年 10月 同社中四国本部長2010年 3月 同社執行役員東海北陸本部長2012年 3月 サッポロ飲料㈱監査役兼サッポロビール㈱監査役

兼サッポログループマネジメント㈱監査役兼サッポロインターナショナル㈱監査役

2013年 3月 ポッカサッポロフード&ビバレッジ㈱常勤監査役2015年 3月 サッポロホールディングス㈱常勤監査役2019年 3月 当社社外取締役(現任)

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第 5 章 ESG

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災害が発生した場合、応用地質は行政機関等の要請に基づき、被災地の復旧・支援に向けた初期の調査活動を実施します。当社は、さまざまなリスクを分析し、問題を事前に回避する施策・体制を整えると同時に、万一に備え、迅速にリカバーできるリスクマネジメント体制を構築しています。

大規模災害の発生に備え、リスク発生時における被災地域拠点への緊急支援体制や情報収集、バックアップ機能などの整備を進めています。事業継続計画(BCP)に基づき災害対策本部を設置し、被災地の現状把握や支援に向けた行動をリスクマネジメント責任者の下、実行します。緊急地震速報システムは主要な事業所に配備されています。一方、法令違反等のリスクについては、コンプライアンス室を中心に、グループ全体の教育を徹底すると同時に、継続的にモニタリングを行い、管理体制を強化しています。

体制の強化

事業継続計画(BCP)

当社グループは、大規模な自然災害が発生した場合には、速やかに会社の事業継続体制を整え、被災地の支援・復旧活動を行うことを社会的使命と認識しています。当社グループでは、災害の規模に応じて現地災害対策本部/本社災害対策本部を発足させ対応に当たるとともに、日頃よりBCPに基づく訓練を実施しています。

■ 社員とその家族及び協力会社関係者等の安全確保を最優先とする■ 業務実施体制を速やかに回復させ、国・地方自治体の要請に応じて、地域の安全と復旧のために全

社を挙げて対応する■ 緊急時事業継続マニュアルを整備し、その実践に向けた訓練を行うと同時にその内容を継続的に改

善する

基本方針

情報サービスを事業領域とし、また事業の特性上、守秘義務を伴う情報を取り扱う機会の多い当社にとって、情報の管理は経営の最重要課題の一つです。グループでは情報セキュリティ基本指針及び情報セキュリティポリシーを策定し、最新のIT基盤の整備を含めた情報の管理強化に取り組んでいます。また、役員以下すべての職員を対象に、eラーニングや標的型攻撃メールの模擬訓練等を繰り返し実施し、情報セキュリティに関する職員の意識向上に努めています。

情報セキュリティへの取組み

内閣官房国土強靭化推進室「国土強靭化貢献団体の認証に関するガイドライン」に基づく国土強靱化貢献団体認証(以下、レジリエンス認証)の「事業継続および社会貢献」を取得しました。

レジリエンス認証は、企業、学校、病院等各種の団体における事業継続(BC)の積極的な取組を広めることにより、裾野の広い、社会全体の強靭化を進めることを目的とし、事業継続に関する取組を積極的に行っている事業者を「国土強靱化貢献団体」として認証するものです。当社は2016年12月にレジリエンス認証を取得し、2018年11月には、「事業継続」の取組について再度の評価をいただくとともに、新たに「社会貢献(大規模自然災害時等における社会貢献活動の実績を評価・認定するもの)」に関する審査においても、「適合」と認定されました。1964年の新潟地震以来、国内外の大規模災害時に自社独自の調査団を派遣し、得られた知見をウェブサイト等で公開してきた活動や、社会貢献の一環として「防災・減災のススメ」を毎年発行するなど防災・減災に関わるシステム構築や啓蒙活動等の活動が評価されたものです。

国土強靭化貢献団体認証(レジリエンス認証)

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リスクマネジメント

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会社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上のために、コンプライアンスの徹底は不可欠です。このため当社グループでは、コンプライアンス・マニュアルを作成し、すべてのグループ企業に配布し、グループの一員に相応しい倫理観と良識を求め、コンプライアンスの徹底を図っています。

当社では、コンプライアンスを所管する社長直轄の「コンプライアンス室」が、監査役会と連携を取りながら、コンプライアンスの徹底を図っています。2006年にコンプライアンス・マニュアルを作成し、2015年にはグループ全体で運用できるよう改訂しました。全役職員にマニュアルを配布し、eラーニングや講話等を通じて繰り返し教育を実施することで、規範意識の徹底に努めています。

コンプライアンス体制の強化

近年、企業の不祥事が多発しています。社会環境の変化がますます激しくなる中で、企業の組織風土が変化に対応できていないことがその一因とも言われています。当社グループでは、時代に適応した新たな社内施策やルールを徹底し、コンプライアンス上のリスクを確実に摘むとともに、ビジネスモデルの転換に伴う事業展開型の働き方と意識改革を経営企画本部教育研修部が中心となって進めています。

教育研修の強化

当社では、「独占禁止法等解説書」を発行し、教育・研修を徹底しています。

当社グループでは内部通報制度を導入しています。社内の通報窓口に加え、弁護士による社外の通報窓口やハラスメント相談窓口も設置しております。制度の運用状況、通報・相談事項については、定期的に監査役への報告を行っています。

コンプライアンス・マニュアル

コンプライアンス教育の取組み 内部通報制度

OYOグループ・ヘルプラインポスター

49OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

第 5 章 ESGコンプライアンス

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企業が持続的に存続・成長するためには、従業員が意欲を持ち安心して働くことができる環境が必要です。当社は、「働き方改革」を生産性向上、業務改革、業績向上と一体のものとして捉え、就労環境の改善に取り組んでいます。

GSSI社 https://www.geophysical.com/

米国子会社のGSSI社がニューハンプシャー州で最も働きがいのある企業に選出

当 社の米 国 子 会 社であるG S S I 社が 、B u s i n e s s N H Magazine誌主催の誌面企画「ニューハンプシャー州で最も働きがいのある企業」で第1位に選定されました。GSSI社は従業員にとって勤務を継続しやすい環境の整備を重視しており、従業員一人ひとりが職務に専念でき最適なチームワークを発揮できる組織体制や設備とともに、右のような多様な取組みを行っています。社長のChristopher Hawekotteは、「私たちは、従業員が最高の仕事をするためのインスピレーションを与える環境づくりに努めています。こうした働きかけやオープンなコミュニケーションにより、個人の達成目標に深く関与することができ、在職期間の長期化等の成果を得ています」とコメントしました。

事業部制の導入に連動した働き方改革の推進

当社は、事業部制の導入と連動した独自の働き方改革を推進しています。

地域によってサービスの品質や効率に差のあった支社制と異なり、効率化された同一品質の商品・サービスを全国に展開する事業部制となることで、労働時間の短縮、生産性の向上が期待出来ます。勤務形態についても、地域拠点をベースとする支社から、事業をベースとする事業部制に移行することで、住居の移動を伴う転勤の必要性が減り、社員やその家族の負担を減らすことが出来るようになりました。ICTや効率化ツール、在宅勤務制度、サテライトオフィス等の導入により、更なる働きやすさと生産性の向上にも努めています。

働きやすい職場づくり・社員のQOL向上

地域拠点型から事業展開型への転換およびICTなど効率化ツールの導入

在宅勤務制度の導入、サテライトオフィスの設置、住居の移動を伴う転勤の縮小

事業部制で全国同一品質、効率化された独自のサービス設計可能

生産性向上・労働時間の短縮

■ ワークライフバランスの重視 家族や個人の時間を確保できる柔軟な勤務方法の整備

■ オフィスの利便性向上 いつでもミーティングができるオープンスペースの確保

■ 従業員への長期投資 資格取得やセミナー受講(大学・大学院講座を含む)の支援

■ イベント・アクティビティの推進 スポーツイベントや季節行事を通じた社員交流

取組み事例

50 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

ワークライフバランス

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当社は、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上が、従業員をはじめとするステークホルダーによるリソースの提供と貢献の結果であることを十分に認識しています。また、市場のグローバル化やニーズの多様化に伴い、国籍や性別にとらわれないさまざまな能力を持った人材の確保とその育成は、当社グループの持続的な発展に必要不可欠です。このため、女性活躍推進に向けた取組みや、柔軟な働き方、能力開発を支援する各種の制度づくりを進めています。

女性活躍推進への取組み

当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(女性活躍推進法)に基づく厚生労働省の認定「えるぼし」(2段階目)のほか、次世代育成支援対策推進法に基づく「子育てサポート企業」の認定「プラチナくるみん」を取得しています。また、職員が仕事と子育てを両立しながら、活き活きと活躍できる雇用環境の整備を行うとともに、次世代育成支援について地域に貢献する企業となるため、従来から計画的に取組みを推進し、「年次有給休暇の計画的な取得」、ならびに「男性の育児休業の取得推進」にも積極的に取り組んでおり、過去3年間では子供の生まれた男性職員の約半数が育児休業を取得しました。

えるぼし、プラチナくるみん、男性育休への取組み

当社では、新入社員から役職員まで、各キャリア別に教育研修制度を設けています。また、キャリアパスに応じた資格取得支援、海外留学制度や博士号取得に向けた社会人留学制度、研究機関や他の民間企業との人材交流など、将来の会社の成長を担う人材の育成に積極的に取り組んでいます。 デルフト工科大学

(TU Delft Geoscience department)

キャリア開発

51OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

第 5 章 ESG人材の確保・育成

当社は、主に土木建設事業における地質調査・コンサルティング業を主業としてきたことから、「現場」のイメージが強く女性の応募・採用が決して多くありませんでした。しかし、経営環境の変化や事業領域の拡大に対応して約10年前から女性を積極的に採用するとともに、女性が働きやすい職場づくりの拡充を進めるなど、今後の女性活躍推進に向けたさまざまな取り組みを推進してきました。

その結果、全従業員における女性職員の割合は11%程度まで増加しています。現在、新卒応募者における女性比率は概ね30%程度であり、過去3年間における女性の採用内定比率も27.8%と男性の採用内定比率(28.9%)と同程度であり、男女差のない採用活動を継続しています。当社は、今後も女性活躍推進のための施策を継続してまいります。 ※合格率:エントリー者数からの内定者割合

年度 合格率(男性)

合格率(女性)

受験者の女性割合

2018卒 27.0% 22.0% 33.6%

2019卒 26.3% 26.9% 26.8%

2020卒 33.5% 34.4% 26.1%

過去3年平均 28.9% 27.8% 28.9%

当社採用実績における男女比の状況

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世界人口の増加に伴うエネルギー消費の拡大や、CO2排出量の増大、気候変動、資源の枯渇、生態系の破壊など、さまざまな環境問題が地球規模で起こっています。当社グループは、自社の環境経営はもちろん、お客様への環境負荷低減サービスを通じて、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

生物多様性への対応(経済活動や開発行為に伴う生態環境への影響の軽減・自然環境の再生)

ウズベキスタン共和国は国土の大部分が砂漠化した平地であり、灌漑による更なる砂漠化の進行や環境汚染を食い止めるため、灌漑によらない森林の再生が求められています。当社では、保育ブロック工法※による新たな緑化技術の確立のため、ウズベキスタンのタシケント農業大学と現地での共同研究を行っています。

乾燥地における緑化技術の研究

※保育ブロック: 苗の直根を地中深くに誘導し、水

分を効率良く吸収させるとともに、樹木の根を強固に地盤に活着させる育林工法。土砂災害の防止や砂漠の緑化技術として期待される。

外来生物の増殖などにより、固有種の生息域が急速に縮小し、水域の環境変化や水産業への影響が懸念されています。外来種は繁殖力が強く、その根絶には多額のコストがかかります。当社は、河川や湖沼の水を採取し、そこに含まれる生体DNAを抽出することで周辺の生物の種類や数を迅速に調査する「環境DNA分析」を用いた新たな水域環境の管理手法を国立研究開発法人土木研究所と共に研究しています。

環境DNA分析

湖での採水の様子

国民の安全・安心を守る環境リスク対策

欧米では一般化しているWET試験

省エネ、CO2削減をサポートするCO2削減ポテンシャル診断

グローバルなESG投資の潮流の中、企業の持続的な成長を支える環境経営への期待がますます高まっています。当社グループでは、生物応答を用いた排水管理手法(WET)や、気候変動情報に関する開示ニーズの高まりを受けたCO2削減ポテンシャル診断など、企業の環境経営を支援する様々なサービスを提供しています。

環境経営支援サービス

日本の国土には重金属(ヒ素や鉛など)を含む地層が多く分布しています。そのため、大規模な建設プロジェクトにおける掘削工事などにおいて、自然由来重金属の流出が環境に影響を与える可能性があります。当社ではこの問題にいち早く着目し、地質の評価、掘削土の分析・処理などワンストップでのソリューションを提供しています。

自然由来重金属の対策

52 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

環 境 課 題 へ の 対 応

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当社グループは、経営理念と応用地質企業行動規範・企業行動基準に基づき、地球科学分野の専門企業グループとしてお客様の課題解決に向けて活動することで、社会の持続可能な発展に貢献します。また、組織の適切な意思決定の下で、事業活動を行う国・地域の法令を遵守するとともに、法令の精神と人権及び文化・慣習・歴史を尊重し、倫理観と良識を持って、誠実かつ地球環境に配慮した事業活動を行うことで、社会にとって有益な存在であり続けます。透明で公正な社内外のコミュニケーションを通じ、すべてのステークホルダーに配慮した経営を行います。

近況の主な活動

地域社会・グローバル社会

ジオハザード・インターナショナル(GHI)への支援活動ジオハザード・インターナショナル財団(GHI)は、世界で最も脆弱な地域社会が、地震や津波、地すべり、豪雨、強風などに備え、予防可能な死や自然災害による苦しみから解放されることを目的に活動する非営利組織です。当社は1991年のGHI設立から現在に至るまで、GHIの活動とそのミッションに対し支援をし続けています。これまでGHIは、20以上の国で災害リスクの啓蒙や学校校舎の耐震安全性の改善、地域政府の災害対応能力を高めるためのプログラム支援などを行ってきました。

途上国の建築物の耐震化に向けてミャンマーは日本と同様に地震多発国であ

り、過去にも地震による建物被害や人的被害が多く発生している一方、建物の多くは十分な耐震性能を有していません。そこで、当社グループ(OYOインターナショナル株式会社)では、国土交通省住宅局の支援を得て、ミャンマー連邦共和国で既存建築物の耐震診断と耐震改修の推進に向けたセミナーの開催、現地技術者向けの耐震診断講習会の実施等を行いました。

学生企業訪問受け入れ中学校や高等学校の学生による企業訪問を随時受け入れています。企業訪問は、キャリア教育の一環として、修学旅行などの機会に学生が実際の企業を訪問し、事業の内容や働くことの意義、仕事の役割などを学ぶ学習プログラムです。当社では、2013年より本プログラムに協力するとともに、このような機会を通じて自然災害のメカニズムや地学の面白さ、防災活動の重要性などをお伝えし、社会の防災意識の向上に努めています。【ISO26000の7つの中核主題】コミュニティへの参画及びコミュニティへの発展(教育及び文化)

「水害から命を守る100万人プロジェクト」の応援団認定当社は、国土交通省関東地方整備局が推進する「水害から命を守る100万

人プロジェクト」の応援団に認定されました。本プロジェクトの応援団として当社は毎年、地域の防災・減災活動や防災教育に役立てていただくため、小冊子「防災・減災のススメ」の発行、ウェブサイトでの無償公開を行っていきます。

認定式の様子

2020年2月10日荒川区立第三中学校の皆さん

(オフィス内見学の様子)

セミナー参加者全景

講演中の様子

53OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

第 5 章 ESG社会貢献

Page 56: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019

会 計 年 度

売上高 35,260 35,878 36,718 40,704 47,033 48,634 49,230 51,323 45,957 45,232 53,883

営業利益 △ 507 435 1,396 2,465 3,679 4,211 2,188 1,579 855 1,481 2,581

親会社株主に帰属する当期純利益 △ 1,820 385 1,076 5,756 2,595 3,550 2,361 1,381 747 804 2,176

フリーキャッシュ・フロー △ 2,057 89 △ 744 4,676 1,354 2,414 6,093 △ 5,386 3,487 1,475 1,891

設備投資額 824 663 500 666 750 2,000 1,607 1,079 1,224 1,124 1,278

減価償却費 905 915 875 892 931 1,018 1,322 1,306 1,236 1,107 1,159

研究開発費 1,061 964 945 1,070 1,295 1,498 1,910 2,022 1,654 1,675 1,612

会 計 年 度 末

総資産 60,283 57,591 59,060 65,485 75,003 80,367 83,617 85,509 84,731 80,704 83,559

株主資本 55,125 55,041 55,779 61,220 63,190 66,088 67,668 68,286 68,196 66,881 68,157

有利子負債 553 401 318 830 1,440 2,385 2,866 2,984 2,772 2,656 3,341

従業員数(人) 2,056 2,027 1,969 1,962 1,989 2,012 2,028 2,039 2,042 2,058 2,235

1株当たりデータ

1株当たり当期純利益(円) △ 66.13 13.94 39.76 212.55 95.85 131.12 87.20 51.02 27.62 30.73 83.35

1株当たり純資産額(円) 1,802.09 1,791.61 1,796.47 2,008.03 2,219.12 2,410.80 2,529.27 2,530.79 2,531.39 2,522.95 2,595.07

1株当たり配当状況(円)(内1株当たり中間配当額)12.50

(6.25)12.50

(6.25)12.50

(6.25)15.00

(6.25)21.00

(9.00)26.00

(12.00)28.00

(14.00)28.00

(14.00)38.00

(24.00)28.00

(14.00)30.00

(14.00)

主 な 指 標

売上高営業利益率(%) △ 1.4 1.2 3.8 6.1 7.8 8.7 4.4 3.1 1.9 3.3 4.8

売上高当期純利益率(%) △ 5.2 1.1 2.9 14.1 5.5 7.3 4.8 2.7 1.6 1.8 4.0

ROE(%) △ 3.6 0.8 2.2 11.2 4.5 5.7 3.5 2.0 1.1 1.2 3.3

ROA(%) △ 3.0 0.7 1.8 9.2 3.7 4.6 2.9 1.6 0.9 1.0 2.7

D/Eレシオ(倍) 0.01 0.01 0.01 0.01 0.02 0.04 0.04 0.04 0.04 0.04 0.05

配当性向(%) − 89.7 31.4 7.1 21.9 19.8 32.1 54.9 137.6 91.1 36.0

54 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

主 要 財 務 デ ータ( 連 結 )

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(単位:百万円)

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019

会 計 年 度

売上高 35,260 35,878 36,718 40,704 47,033 48,634 49,230 51,323 45,957 45,232 53,883

営業利益 △ 507 435 1,396 2,465 3,679 4,211 2,188 1,579 855 1,481 2,581

親会社株主に帰属する当期純利益 △ 1,820 385 1,076 5,756 2,595 3,550 2,361 1,381 747 804 2,176

フリーキャッシュ・フロー △ 2,057 89 △ 744 4,676 1,354 2,414 6,093 △ 5,386 3,487 1,475 1,891

設備投資額 824 663 500 666 750 2,000 1,607 1,079 1,224 1,124 1,278

減価償却費 905 915 875 892 931 1,018 1,322 1,306 1,236 1,107 1,159

研究開発費 1,061 964 945 1,070 1,295 1,498 1,910 2,022 1,654 1,675 1,612

会 計 年 度 末

総資産 60,283 57,591 59,060 65,485 75,003 80,367 83,617 85,509 84,731 80,704 83,559

株主資本 55,125 55,041 55,779 61,220 63,190 66,088 67,668 68,286 68,196 66,881 68,157

有利子負債 553 401 318 830 1,440 2,385 2,866 2,984 2,772 2,656 3,341

従業員数(人) 2,056 2,027 1,969 1,962 1,989 2,012 2,028 2,039 2,042 2,058 2,235

1株当たりデータ

1株当たり当期純利益(円) △ 66.13 13.94 39.76 212.55 95.85 131.12 87.20 51.02 27.62 30.73 83.35

1株当たり純資産額(円) 1,802.09 1,791.61 1,796.47 2,008.03 2,219.12 2,410.80 2,529.27 2,530.79 2,531.39 2,522.95 2,595.07

1株当たり配当状況(円)(内1株当たり中間配当額)12.50

(6.25)12.50

(6.25)12.50

(6.25)15.00

(6.25)21.00

(9.00)26.00

(12.00)28.00

(14.00)28.00

(14.00)38.00

(24.00)28.00

(14.00)30.00

(14.00)

主 な 指 標

売上高営業利益率(%) △ 1.4 1.2 3.8 6.1 7.8 8.7 4.4 3.1 1.9 3.3 4.8

売上高当期純利益率(%) △ 5.2 1.1 2.9 14.1 5.5 7.3 4.8 2.7 1.6 1.8 4.0

ROE(%) △ 3.6 0.8 2.2 11.2 4.5 5.7 3.5 2.0 1.1 1.2 3.3

ROA(%) △ 3.0 0.7 1.8 9.2 3.7 4.6 2.9 1.6 0.9 1.0 2.7

D/Eレシオ(倍) 0.01 0.01 0.01 0.01 0.02 0.04 0.04 0.04 0.04 0.04 0.05

配当性向(%) − 89.7 31.4 7.1 21.9 19.8 32.1 54.9 137.6 91.1 36.0

55OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

第 6 章 データ編

Page 58: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

東北事務所

北海道事務所

東北ボーリング株式会社

南九地質株式会社

中部事務所

関西事務所

四国事務所

九州事務所

本社本部、研究所、事業部

営業所グループ会社

事務所

応用生態工学研究所

オーシャンエンジニアリング株式会社計測システム事業部地球環境事業部

北信越事務所

防災・減災事業インフラ・メンテナンス事業 資源・エネルギー事業

FC Inspection Pte. Ltd.Fong Consult Pte. Ltd.

Robertson Geologging LTD.

IRIS Instruments SAS

NCS Subsea, Inc.

OYO Corporation U.S.AKinemetrics, Inc.

Geometrics, Inc.

OYO Corporation, Pacific

Geophysical Survey Systems, Inc.

OYOインターナショナル株式会社

エヌエス環境株式会社

応用リソースマネージメント株式会社応用ジオテクニカルサービス株式会社

応用アール・エム・エス株式会社 株式会社イー・アール・エス

株式会社ケー・シー・エス宏栄コンサルタント株式会社

応用地震計測株式会社応用計測サービス株式会社

本社

社会インフラ事業部メンテナンス事業部流域・砂防事業部

東京事務所ジオデザインセンター

地震防災事業部

研究開発センターコアラボ試験センター

情報システム事業部

エネルギー事業部

56 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

事 業 拠 点(2020年1月1日現在)

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東北事務所

北海道事務所

東北ボーリング株式会社

南九地質株式会社

中部事務所

関西事務所

四国事務所

九州事務所

本社本部、研究所、事業部

営業所グループ会社

事務所

応用生態工学研究所

オーシャンエンジニアリング株式会社計測システム事業部地球環境事業部

北信越事務所

防災・減災事業インフラ・メンテナンス事業 資源・エネルギー事業

FC Inspection Pte. Ltd.Fong Consult Pte. Ltd.

Robertson Geologging LTD.

IRIS Instruments SAS

NCS Subsea, Inc.

OYO Corporation U.S.AKinemetrics, Inc.

Geometrics, Inc.

OYO Corporation, Pacific

Geophysical Survey Systems, Inc.

OYOインターナショナル株式会社

エヌエス環境株式会社

応用リソースマネージメント株式会社応用ジオテクニカルサービス株式会社

応用アール・エム・エス株式会社 株式会社イー・アール・エス

株式会社ケー・シー・エス宏栄コンサルタント株式会社

応用地震計測株式会社応用計測サービス株式会社

本社

社会インフラ事業部メンテナンス事業部流域・砂防事業部

東京事務所ジオデザインセンター

地震防災事業部

研究開発センターコアラボ試験センター

情報システム事業部

エネルギー事業部

OYO インターナショナル株式会社東京都文京区/03-5840-5155

応用アール・エム・エス株式会社東京都港区/03-6434-9801

応用地震計測株式会社埼玉県さいたま市/048-866-1228

Kinemetrics, Inc.アメリカカリフォルニア州

インフラ・メンテナンス事業 防災・減災事業

※上記以外に、海外グループ子会社を統括する会社としてOYO Corporation U.S.A(アメリカカリフォルニア州)があります。

環境事業

エヌエス環境株式会社東京都港区/03-3432-5451

Geometrics, Inc.アメリカカリフォルニア州

Robertson Geologging LTD.イギリス

NCS SubSea, Inc.アメリカテキサス州

IRIS Instruments SASフランス

資源・エネルギー事業

東北ボーリング株式会社宮城県仙台市/022-288-0321

オーシャンエンジニアリング株式会社茨城県つくば市/029-897-3151

宏栄コンサルタント株式会社東京都文京区/03-5319-3377

南九地質株式会社鹿児島県鹿児島市/099-837-3330

応用ジオテクニカルサービス株式会社東京都豊島区/03-5949-3410

株式会社ケー・シー・エス東京都文京区/03-6240-0581

応用リソースマネージメント株式会社東京都文京区/03-6240-0411

応用計測サービス株式会社埼玉県川口市/048-285-2133

株式会社イー・アール・エス東京都港区/03-5786-0090

Geophysical Survey Systems, Inc.アメリカニューハンプシャー州

OYO Corporation, Pacificアメリカグアム

Fong Consult Pte. Ltd. シンガポール

FC Inspection Pte. Ltd.シンガポール

57OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

第 6 章 データ編グ ループ 会 社(2019年12月31日現在)

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博士(工学・理学・学術) 63人

技術士 691人

有資格者が属する主な分野(グループ)

公害防止管理者 125人

土木施工管理技士 198人

APECエンジニア 6人

一級建築士 5人

情報処理技術者 31人

技術士(建設部門) 300人

技術士(衛生工学部門) 4人

技術士(環境部門) 44人

技術士(応用理学部門) 197人

技術士(総合監理部門) 123人

環境計量士 97人

土壌汚染調査技術管理者 54人

主な技術者の保有資格と資格保有者数(グループ)

品質マネジメントシステム(ISO9001 : 2015) 登録事業所 : 全事業所/JQA-2772

環境マネジメントシステム(ISO14001 : 2015) 登録事業所 : 全事業所/JQA-EM6855

情報セキュリティマネジメントシステム(ISO/IEC 27001 : 2013) 登録事業所 : 全事業所/JQA-IM1238

マネジメントシステム認証(当社)

国土強靱化貢献団体認証(レジリエンス認証)取得2016年12月/2018年11月(事業継続および社会貢献)女性活躍推進法に基づく認定(えるぼし認定)2段階目2016年9月次世代育成支援対策推進法に基づく「基準適合一般事業主」の認定

(「くるみんマーク」の取得および特例認定「プラチナくるみん」取得) 2018年1月

認定/認証(当社)

事業登録(当社)

建設コンサルタント業(登録 国土交通省 建01第175号)

地質調査業(登録 国土交通省 質29第12号)

計量証明事業(登録)

測量業(登録 国土交通省 第(14)-1334号)

建設業(許可 国土交通省 特-29第2181号)

一級建築士事務所(登録 埼玉県(2)第10113号)

土壌汚染対策法に基づく指定調査機関(登録 環境省 環2003-8-1025)

58 OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

有 資 格 者 / 認 証 取 得(2019年12月31日現在)

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社 名 応用地質株式会社(OYO Corporation)

住 所 〒101‐8486 東京都千代田区神田美土代町7番地

電 話 03‐5577‐4501(代表)

設 立 1957年(昭和32年)5月2日

資 本 金 161億7,460万円

株 式 市 場 東京証券取引所市場第一部

社 員 数 2,235名(連結)、1,126名(単体)

事 業 内 容 ■ 道路・都市計画ならびに土木構造物及び建築構造物などの建設にともなう地盤の調査から設計・施工監理にいたるまでの一連の技術業務

■ 地すべり、崖崩れ、地震災害、風水害等の調査、自然災害リスクの調査、解析、予測、診断、評価から対策工にいたる技術業務

■ 環境保全・環境リスクの調査、解析、予測、診断、評価から対策工にいたる技術業務

■ 地盤・環境・災害情報等、地球に関する情報の収集、加工、販売■ 各種の測定用機器・セキュリティ機器・ソフトウェア、システムの開発、製造、販

売、リース、レンタル

会社概要

発行可能株式総数 .................................................................................. 120,000,000株発行済株式総数 ......................................................................................... 27,582,573株

(うち自己株式 1,119,159株)株主総数 ............................................................................................................... 7,996名

株式の概要

所有者別株式分布

2019/12

※自己名義株式には、資産管理サービス信託銀行株式会社(信託E口)が保有する3,494単元は含まれておりません

■ 個人その他 30.83% 85,048単元

■ 金融機関 22.94% 63,287単元

■ その他の法人 21.12% 58,240単元

■ 外国法人等 18.57% 51,232単元

■ 金融商品取引業者 2.47% 6,825単元

■ 自己名義株式 4.06% 11,191単元

59OYO C o r p o r a t e R ep o r t 2 0 2 0

第 6 章 データ編会 社・株 式 の 概 要(2019年12月31日現在)

Page 62: CORPORATE REPORT 2020交通環境整備・マネジメントサービス 2018年8月にイタリア・ジェノヴァで高架橋が落橋し、多数の犠牲者が発生しました。日本

見やすく読みまちがえにくいユニバーサルデザインフォントを採用しています。

2020.04

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〒101-8486

冊子名称について この冊子には、2019年12月期までの業績や取り組み、2020年以降の取り組みなどを掲載しており、 発行が2020年であるため、冊子名称を「Corporate Report 2020 ISSUE」としております。

5579 : ドーコ券証

CORPORATE R E P O R T

2020 ISSUE Jan.1-Dec. 31, 2019