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NIA Letter VOL.6 2016.1 発行元/公益財団法人新潟県国際交流協会 Niigata International Association 私たちの協会は、国際大学の留学生及びその家族に対する支援と、地域住民と留学生との交流の促進を図ることを目的として、 2002 年に設立され、現在、約 70 名の会員が活動しています。 活動内容は、新入生歓迎パーティー、日本文化の紹介と体験、日本語の学習支援等の実施と、留学生からは英会話教室、母国 紹介、地域住民や会員が外国を理解するための多文化理解講座等の講師を務めていただくなどで交流しています。 多文化理解講座では、留学生と参加者が一緒に紹介国の料理を作り、その国の料理を味わう昼食会を行います。その後、自国 の文化、日常生活、観光地などをプロジェクターを使用して紹介し、最後に歌や踊りを披露します。踊りでは、途中から参加者 も加わってもらうなど、その国の食べ物や踊りをきっかけに、多文化を理解できる催しです。なお、留学生数が少ない国につい ては、年に2~3か国を、留学生からプレゼンテーション形式で母国紹介を行っていただいています。 これまで、この講座ではネパール、ラオス、フィリピン、ミャンマー、中央アジア諸国など 10 以上の国と地域を取り上げて 来ました。地域住民を含め毎回楽しみにしている方もおり、多くの方が参加します。紹介した留学生たちからも、自分の国を紹 介する機会の提供に対して、感謝の言葉もいただいています。 また、私たち協会会員は、留学生や家族の方々の地域の夏祭りや民謡流しへの参加、花火見物などをお手伝いし、留学生の地 域住民との交流を促進しています。 南魚沼市内で実施されている在住外国人向け日本語教室には、留学生やその子どもたちも参加していますが、この子どもたち が地域の保育所や学校に通うことで、地元の子どもたちが外国人との交流に慣れて仲間意識の醸成につながるとともに、外国人 と日本人双方の親同士の交流にもつながっています。また、日本語を覚えた子どもが親の通訳をするなどの光景も見られ、子ど もたちも交流の架け橋役を担っています。 このような事業は、地域住民にとって外国を理解し交流する良い機会であり、絶好の国際交流事業ではないかと考え取り組ん でいます。 南魚沼市には、国際大学で学ぶ多くの国の留学生がおり、様々な国の学生や家族の方々と交流できる環境があります。この特 性を活かし、これからも、会員、留学生、大学、自治体、地域の理解と協力のもとで活動していきたいと思います。 うおぬま国際交流協会 副会長 櫻井 徳治 特集 留学生と国際交流 国際大学留学生と地域との交流うおぬま国際交流協会 副会長 櫻井 徳治 氏 「留学生の地域交流」 ●「聖籠町と留学生の国際交流」 NIA活動レポート ちょっと聞き耳インタビュー 県内の大学や専門学校に通う留学生が地域の交流イベントやボランティア活動などに積極的に参加してい る姿を多く目にするようになりました。また、グローバル化を進める大学、専門学校では、留学生を積極的 に受け入れていることから、今後ますます県内で学ぶ留学生の増加や多国籍化が予想されます。 今号では、活躍の場を広げる留学生が、学内を離れ地域と交流している様々な様子から、私たちの身近で 行われている国際交流を発見し、理解を深めます。 留学生と国際交流 「国際大学留学生と地域との交流」 多文化理解講座(ミャンマーについて/ミャンマーの踊り) 1

CONTENTS 留学生の活躍~NIA編~ NIALetter .62016NIA Letter .6 2016.1 現在、新潟県国際課ではアメリカ、ロシア、韓国、ベトナム、中国、モンゴルからの国際交流員が勤務しています。CIR(Coordinator

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Page 1: CONTENTS 留学生の活躍~NIA編~ NIALetter .62016NIA Letter .6 2016.1 現在、新潟県国際課ではアメリカ、ロシア、韓国、ベトナム、中国、モンゴルからの国際交流員が勤務しています。CIR(Coordinator

NIALett

erVOL.62016.1

 現在、新潟県国際課ではアメリカ、ロシア、韓国、ベトナム、中国、モンゴルからの国際交流員が勤務しています。CIR(Coordinator for International Relationsの略称)とも呼ばれる彼らの仕事は多岐に渡り、新潟県が実施する国際交流事業における通訳・翻訳、また学校などにおいて母国の文化を紹介する講座なども行っています。ここでは、昨年の夏から新たに着任したアメリカ、モンゴルの2名の国際交流員をご紹介します。

ブランドン・ハワード(アメリカ)1.�昨年7月末に赴任しました。幼いときから美術に興味を持っていて、どこへ行くにも、スケッチブックを持っていました。

私が育ったケンタッキー州では、日本のことはあまり知られていませんが、日本のアニメ映画を見て日本に憧れを持つようになり、それをきっかけに、少しずつ日本のことを勉強し始めました。

2.�アメリカにはたくさんの人種の人々がいますが、様々な考え方が共存していて、それぞれの価値が認められる国だと思います。

3.�何をしていても母国との違いがあることに気づかされますが、日本人がきちんと歩行者用信号に従うことには驚きます。アメリカでは従わないことが多いと思います。新潟で気に入ったのは、信濃川を眺めながら昼ご飯を食べることです。そうしていると、気が休まる感じがします。

4.�言語の背景には、その国の文化と習慣があります。外国語を学習するとき、なんといっても好奇心が大事な味方になると思います。「どうして?」を考えて調べたらとてもいい学習になります。言語だけではなく、その国の文化を背景にした使い方も学ぶことも大切です。間違いを恐れず、自分の好きな外国語を練習してください。

1.自己PRをお願いします。 2.あなたの母国のここが自慢!と言えるのはどんなところですか?3.日本での生活で文化や習慣の違いに驚いた事はありますか?また新潟のお気に入りを教えてください。4.外国語学習や異文化コミュニケーションをする上でのアドバイスをご自身の経験を交えてお願いします。

★質問事項

フレルバータル・インドラ(モンゴル)1.�子どもの頃は、スポーツより語学が得意でした。本を読んだり、テレビ番組を見るのが好きで、世界史など人類関係のテーマに興味を持っています。得意というほどではありませんが、最近モンゴルの伝統刺繍をやり始めました。

2.�モンゴルの大平原は気持ちいいです。夜になると星がいっぱいで、自然のライトで草原をキラキラ輝かせます。そこに住む遊牧民の人たちは、穏やかで心がとても温かいです。自然と人間の関係を大事にしながら生活しているところが好きですね。

3.�新潟に来て、海がすぐそこにあることがとても嬉しかったです。新潟は、山あり、川あり、田畑ありで、この一連の風景が本当に素敵です!そして、お米も美味しく、お魚も新鮮で、食べ物をいろいろ楽しんでいます。モンゴルから初めて日本に来る人は、日本人のお辞儀に驚きますね。「これは一日何回やりますか?」と聞かれることがあります。また、日本のお店やサービスは、世界でNo.1だと言います。

4.�私は、外国語の学習というものは、その国の人や文化を知ることだと思っています。できれば実際に行ってみることがベストですが、それができなくても、音楽や映画、スポーツなどを通じていろいろと勉強することもできます。その国の人と触れ合い、気持ちを理解しようとすれば、言葉の意味が分かります。その意味では、コミュニケーションは大きなチャンスです。間違えることを心配しないで、どんどん話しかけることが重要だと思っています。

■発行:公益財団法人新潟県国際交流協会 〒950-0078 新潟県新潟市中央区万代島5番1号 万代島ビル2階  電話:025-290-5650 FAX:025-249-8122 E-mail:[email protected] HP:http://www.niigata-ia.or.jp/

発行元/公益財団法人新潟県国際交流協会 Niigata International Association

 私たちの協会は、国際大学の留学生及びその家族に対する支援と、地域住民と留学生との交流の促進を図ることを目的として、2002 年に設立され、現在、約 70 名の会員が活動しています。 活動内容は、新入生歓迎パーティー、日本文化の紹介と体験、日本語の学習支援等の実施と、留学生からは英会話教室、母国紹介、地域住民や会員が外国を理解するための多文化理解講座等の講師を務めていただくなどで交流しています。 多文化理解講座では、留学生と参加者が一緒に紹介国の料理を作り、その国の料理を味わう昼食会を行います。その後、自国の文化、日常生活、観光地などをプロジェクターを使用して紹介し、最後に歌や踊りを披露します。踊りでは、途中から参加者も加わってもらうなど、その国の食べ物や踊りをきっかけに、多文化を理解できる催しです。なお、留学生数が少ない国については、年に2~3か国を、留学生からプレゼンテーション形式で母国紹介を行っていただいています。 これまで、この講座ではネパール、ラオス、フィリピン、ミャンマー、中央アジア諸国など 10 以上の国と地域を取り上げて来ました。地域住民を含め毎回楽しみにしている方もおり、多くの方が参加します。紹介した留学生たちからも、自分の国を紹介する機会の提供に対して、感謝の言葉もいただいています。 また、私たち協会会員は、留学生や家族の方々の地域の夏祭りや民謡流しへの参加、花火見物などをお手伝いし、留学生の地域住民との交流を促進しています。 南魚沼市内で実施されている在住外国人向け日本語教室には、留学生やその子どもたちも参加していますが、この子どもたちが地域の保育所や学校に通うことで、地元の子どもたちが外国人との交流に慣れて仲間意識の醸成につながるとともに、外国人と日本人双方の親同士の交流にもつながっています。また、日本語を覚えた子どもが親の通訳をするなどの光景も見られ、子どもたちも交流の架け橋役を担っています。 このような事業は、地域住民にとって外国を理解し交流する良い機会であり、絶好の国際交流事業ではないかと考え取り組んでいます。 南魚沼市には、国際大学で学ぶ多くの国の留学生がおり、様々な国の学生や家族の方々と交流できる環境があります。この特性を活かし、これからも、会員、留学生、大学、自治体、地域の理解と協力のもとで活動していきたいと思います。

うおぬま国際交流協会 副会長 櫻井 徳治

C O N T E N T S

■�特集 留学生と国際交流●「国際大学留学生と地域との交流」

 うおぬま国際交流協会

副会長 櫻井 徳治 氏

● 「留学生の地域交流」

●「聖籠町と留学生の国際交流」

■�NIA活動レポート■�ちょっと聞き耳インタビュー

特 集 県内の大学や専門学校に通う留学生が地域の交流イベントやボランティア活動などに積極的に参加している姿を多く目にするようになりました。また、グローバル化を進める大学、専門学校では、留学生を積極的に受け入れていることから、今後ますます県内で学ぶ留学生の増加や多国籍化が予想されます。 今号では、活躍の場を広げる留学生が、学内を離れ地域と交流している様々な様子から、私たちの身近で行われている国際交流を発見し、理解を深めます。

留学生と国際交流

編集後記

 留学生と地域との交流は、私たちにとって異文化理解の機会になると同時に、留学生にとっては、日本や新潟をさらに好きになるきっかけになります。本紙で紹介したような温かい交流を今後も重ねることで、母国へ帰ってからも、新潟を第二の故郷だと思ってくれる留学生が増え、新潟の国際化の進展へとつながっていくのではないでしょうか。 最後に、今回各記事へご協力くださった皆さまへ、本紙面を借り、重ねて御礼申し上げます。

「国際大学留学生と地域との交流」

多文化理解講座(ミャンマーについて/ミャンマーの踊り)

留学生の活躍~NIA編~ 新潟県国際交流協会では、留学生の方に国際交流事業のお手伝いやボランティアをお願いすることがあります。 昨年11月15日、新発田市で開催した「外国につながる子どもたちと保護者のための進路ガイダンス」では、中国語の通訳として、新潟大学の林

リン

杰ケツ

さん、吴ゴ

湘ショウ

さんに協力していただきました。 こうした通訳を要する事業や国際交流イベントでは、日本語を学んでいる留学生の積極的な協力が、非常に大きな支援ともなっています。

中国黒龍江省で日本語演劇大会を開催しました! 新潟県と中国黒龍江省とは、1983年に友好県省提携議定書に調印してから30年以上にわたり経済・文化・教育等様々な分野で交流を積み重ねてきました。新潟県国際交流協会は、黒龍江省対外友好協会、黒龍江省翻訳協会、ハルビン師範大学とともに、黒龍江省で日本語を学ぶ学生による日本語演劇大会を開催しました。

■大会概要 日時/2015年10月11日(日)11時00分~16時30分 会場/ハルビン師範大学(黒龍江省ハルビン市) 出場/12チーム 内容/第1部 日本語での演劇        …各チームが創作あるいは日本の民話等を題材にした寸劇を上演    第2部 各チームのリーダーによる日本語スピーチ        …�直前に与えられたテーマ「あなたが観光ガイドだったら、新潟のどんなもの・場所を紹介しますか?」で3分

間スピーチ

■優秀チームの演劇内容○ジャムス大学「泣いた赤鬼」 日本の昔話が題材。赤鬼は親友の青鬼の助けを借り、以前からの希望だった人間と友だちになることに成功する。自分の存在が赤鬼と人間との仲に悪影響を及ぼすと考えた青鬼は姿を消し、親友を失った赤鬼は涙を流す。

○ハルビン師範大学「のろのろ、じたばた」 ドラえもんが秘密道具を使ってのび太に宿題をさせようとするがうまくいかないというエピソードから発展。のび太が新潟で太極拳を知って中国に関心を持ち、中国に留学して日中両国の架け橋へと成長していく。

○黒龍江大学「恋の告白作戦」 日本のテレビドラマを題材にした高校生の友情・恋愛模様。自分の本当の気持ちを周囲に見せることができない主人公が、仲間に助けられながら自分を変えていく。

 第1部は、笑いあり・感動ありのすばらしい演劇で、出演者の皆さんが念入りに準備して練習を重ねてきたことが感じられました。第2部は、事前準備が通用しない厳しいものであり、スピーチに苦心する学生が少なくありませんでした。 個人最優秀賞を獲得した王春宇さん(ジャムス大学)、孫長欣さん(ハルビン師範大学)、李申歓さん(黒龍江大学)の3名には、副賞として新潟旅行が贈呈されました。新潟の風土や文化に直接ふれることにより、将来、新潟県と黒龍江省との架け橋としての活躍が期待されます。

NIA活動レポート①

黒龍江大学「恋の告白作戦」ハルビン師範大学「のろのろ、じたばた」ジャムス大学「泣いた赤鬼」

第10回 国際理解教育プレゼンテーションコンテストを開催しました。

 平成27年 12月 12日(土)、「平成27年度国際理解教育プレゼンテーションコンテスト」を開催しました。このコンテストは、よりよい国際社会の実現に向け、高い国際意識とコミュニケーション能力を身につけた若者の育成や、県民の国際理解の推進を図るため平成18年度から開催しており、今年度で10回目を迎えました。 今年度は各国の要人を招いての国際会議などが行われる朱鷺メッセ国際会議室(マリンホール)(新潟市中央区)を会場に、中学生部門9チーム、高校生部門10チームが、普段の学習の成果や海外での経験などを踏まえ、趣向を凝らしたプレゼンテーションを行いました。 中学生部門最優秀賞を受賞した早通中学校(新潟市立早通中学校)チームは、日本が平和な国であるために、中学生である自分たちが日本の未来について考え、学び、行動できる国際人になる必要があることを、高校生部門最優秀賞を受賞したDon't�Be�Sheep(県立直江津中等教育学校)チームは、海外研修などでの経験を通して、失敗を恐れず自分に自信を持ち前向きにチャレンジし続けることが国際社会で活躍するうえで大切だということを訴えました。 発表を行った生徒たちからは、「どんなふうに話せば伝わるだろうかということについて考えさせられ、自分自身と向き合う良いきっかけになった」「他のチームの発表を聞き奮い立たされるような気持ちになった。また、発表だけでなくチームのメンバーと協力し活動すること自体が良い思い出になった」などの感想が聞かれました。 なお、3月下旬には、最優秀賞を受賞した2チームを、学校交流やホームステイなどを行う韓国ソウルへのスタディツアーへ派遣する予定です。

NIA活動レポート②

【中学生部門】最優秀賞:早通中学校(新潟市立早通中学校)� “戦争と平和と私”優 秀 賞:モグモグズ(県立直江津中等教育学校)� “だしってすごいんだし”� 感染症を予防し隊!(県立直江津中等教育学校)� “感染症と私たちの未来”審査員特別賞:AOI(加茂市立葵中学校)� “「友情」って?”

【高校生部門】最優秀賞:Don't�Be�Sheep(県立直江津中等教育学校)� “Positive�Thinking”優 秀 賞:サンバルとわさび(長岡工業高等専門学校)� “平和の為に私達がすべきいくつかの事”� Adolescence(個人)� “地元から世界へ”審査員特別賞:Travelers(個人)� “人との出会い、繋がりそして 生きる。”

ちょっと聞き耳

Interview

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Page 2: CONTENTS 留学生の活躍~NIA編~ NIALetter .62016NIA Letter .6 2016.1 現在、新潟県国際課ではアメリカ、ロシア、韓国、ベトナム、中国、モンゴルからの国際交流員が勤務しています。CIR(Coordinator

上越教育大学「学びながら国際交流」

国際音楽エンタテイメント専門学校「チャリティーライヴで地域とつながる」

ここでは、県内の大学と専門学校の留学生指導担当教職員の方々から、留学生と地域との交流状況について紹介していただきます。≪以下協力大学・専門学校≫新潟大学、国際大学、長岡技術科学大学、事業創造大学院大学、新潟産業大学、長岡大学、敬和学園大学、上越教育大学、国際音楽エンタテイメント専門学校

留学生の地域交流

 本学では、従来から、留学生と地域社会とを結びつける様々な活動を行ってきました。今回は中でも一風変わった活動として、地元民放テレビ局の番組に留学生が出演し、新潟の文化や名産物を紹介している事例についてお伝えします。 この企画は、県内民放各局や自治体、民間団体の有志等から成る「新潟コンテンツ活用研究会」から生まれました。研究会では、新潟を国内外へアピールしていく方策を検討しています。そこで、外部の視点から新潟の長所短所を指摘してもらうため、留学生に協力を呼びかけていたところ実現したのが、留学生の視点からの新潟再発見を主題とした番組BSN「水曜見ナイト~WELCOME新潟 外国人留学生体験記~」のコーナーです。2014年11月から計6回、12か国延べ20人の留学生が出演し、コシヒカリやラーメン、寿司などの食べ物や伝統行事、芸妓文化などに触れ、新潟の魅力について掘り下げてきました。視聴者は、新潟の姿を再発見すると同時に、画面に登場した留学生たちを目にして、身近にいる多くの留学生の存在に気づくことができます。 留学生と地域社会の交流のあり方として、こうした地元放送局などとのコラボレーションも今後は重要となっていくでしょう。

新潟大学「留学生発!新潟の魅力再発見」

 国際大学「魚沼の魅力を海外へ発信!」 本学では、地域ボランティアや学生自治会による交流活動など、様々な形で地域との交流活動を行っていますが、ここでは、留学生による南魚沼市地域産業支援協議会(ICLOVE)との交流活動についてご紹介します。 ICLOVEでは、「地域社会の国際化」をミッションとして、魚沼地域の魅力を海外に発信する方法について、地域の方々と国際大学の学生とともに考える機会を設けています。この取り組みは、2013年6月から始まり、初年度には、餅、米、八色しいたけの試食会を開催し、地元の旅館従業員とムスリム学生でハラル※に関する意見交換会も行いました。言語の問題は多少あっても、地域住民、学生ともに交流を深め、地元の食や文化、温泉等の娯楽を楽しむことができました。その後、地域の方からは、地元レストランや小売店におけるハラル対応などのために、外国の文化や宗教観について理解をしたいという要望が多く寄せられ、留学生もそうした地域の方々の国際理解への積極的な姿勢に感銘を受けていました。こうした交流こそ、真のおもてなしの心ではないでしょうか。今後も国際的相互理解のための活動をさらに充実させていきます。※ハラル=イスラームの教えで許されている項目。主に食材など。

事業創造大学院大学「母国の料理を教えます」 本学は、日本語でMBA(経営管理修士)を取得できる日本海側唯一の専門職大学院大学であり、様々な国から来た優秀な留学生が学んでいます。また、修了生は母国で起業したり、日本国内外の企業や地方自治体で勤務したりして活躍しています。 地域では、特にベトナム人留学生が、全国で活動を広げているボランティア団体「ベトアジ」に自主的に参加し、ボランティア活動を行っています。「ベトアジ」は、ベトナムの文化を紹介する事業で得た収益をベトナムの子どもたちへ寄付しています。新潟市では、本学の留学生が会費制のベトナム料理教室を開催し、ベトナムの食文化を地域へ広めるとともに、その収益で恵まれない子どもたちに寄付を行っています。 また、スロヴァキアの留学生は、新潟スロヴァキア協会の開催する歓迎会に参加するなど国際交流団体との交流も盛んです。 昨年秋には、これまでの中国、韓国、ネパール、ベトナム、タイ、カンボジア、インドネシア等の留学生に加え、ロシア、スロヴァキア、インドからの留学生も加わり、留学生の多様化が進んでいます。今後も多くの留学生に、地域の方々と交流し新潟の良さを実感してほしいと思います。

 本学では、教育や研究の場で、留学生が地域の方々とともに生活や文化の多様性について考える機会を設けています。 今年度は「発酵のまち上越」にある本学ならではの「発酵食品を基盤とした食育活動プログラム」の開発に取り組んでいます。食物学の光永伸一郎教授(家庭コース)を中心に、留学生も酒蔵やワイナリー、坂口記念館等の発酵に関わる施設を見学し、みそづくり体験を行うなど、地元施設や地域の働く人々と交流する機会が自然と生まれています。 また、シンポジウム『<和食>とあなたの国の食ー日本型食生活の紹介もかねてー』の開催時には、中国、スロベニア、台湾、キューバの留学生が報告を行い、地域の方々も参加するフロアとの活発な交流を行うことができました。 こうした日々の実践が国際交流につながっていると感じています。今後も専門性を活かし、学びを通した交流を行っていきたいと考えています。

 本校では、昨年4月25日にネパール中部で発生した大震災の被災者支援のため、これまで様々な活動を行ってきました。街頭に立ち、通行人に募金の協力を呼び掛けたり、チャリティーライヴを開催するなど、留学生をはじめ、多くの学生が国際協力について学び、地域住民の方々と交流を深める機会となりました。 6月6日(土)には、ネパール出身留学生トウラダール・ラジさん(ミュージシャン科1年在籍中)が、チャリティーライヴを自主企画して開催し、たくさんの地域の方々に参加してもらいました。ここでは、主催者ラジさんの声をご紹介します。 「ライヴの企画は初めてだったので、うまくできるか心配でしたが、先生や仲間たちが温かい手を差し伸べてくれたお陰で少しずつ形になっていきました。練習中は言葉がうまく伝わらないこともあり大変でしたが、何度も練習を重ね、本番は最高のパフォーマンスができました。ライヴ当日、会場にはたくさんの地域の方々が足を運んでくださいました。募金も予想以上に多く集まり、本当に嬉しかったです。後日、募金を日本赤十字社に届けました。皆さんのご厚意がネパールに届き、震災復興の役に立つと思うと、感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。応援してくださった日本の皆さん、本当にありがとうございました。」

新潟産業大学「“私の主張”を地域に伝える」 現在、本学には98名の留学生が在籍しています。昭和63年開学当初から現在まで、絶えることなく留学生を受け入れており、ピークで200名を超える留学生が在籍していました。本学留学生と地域との関わりは、先輩留学生から後輩へ受け継がれ、交流内容は紹介しきれないほどですが、今回は「2015私の主張イン柏崎」についてご紹介します。 このイベントは、学園祭に合わせて「新潟産業大学留学生交流会」(留学生による会)が企画しているもので、一般市民の方々に対して、柏崎市広報誌や本学HP等で参加者を公募し、留学生から主張したいことを聴衆の前で発表してもらうというものです。今回は6名の発表者があり聴衆は約70名でした。例年、留学生の発表内容は「日本に来て思ったこと」が多く、生活の中で見つけた日本の良い点や、日本人の温かさを話してくれます。今回は日本人審査員からの「日本は褒められてばかりだが、悪いところもあるはず。互いの悪い点を受け入れ理解し合うのも国際交流の大事なところですね。」という論評が印象的でした。こんな小さな企画からでも国際理解が芽生え育まれるのではないかと感じています。

長岡大学「留学生の子ども支援ボランティア」 昨年4月にベトナムからの留学生7人が入学しました。本学では、日頃から学生にボランティア活動への参加を積極的に奨励していることもあって、この7人の留学生もボランティア活動に参加しています。そのうち2名は新しく学内に結成されたボランティアサークル「ぽぷら」に入会し活動しています。 「ぽぷら」のサークルは、主に長岡市内で活動するNPO法人「あうるの森」に協力して、日常的に放課後の見守り・学習支援などの「子どもの支援」活動に参加しているほか、イベントの企画も行い、ベトナムについて子どもたちや地域の人たちに知ってもらうための交流活動も行っています。 また、地域づくりイベントにも積極的に参加し、見附市では3名の留学生が商店街のハロウィンイベントで、準備・受付の手伝いや仮装をして子どもたちを見守るなど、盛り上げに一役買っていました。 このように、ボランティア活動を通して、留学生が地域に溶け込み、国際交流にも貢献しています。

敬和学園大学「小中学校で国際交流」 本学には、現在51人の留学生が在籍しています。ほとんどが中国からの留学生で、その他イタリア、韓国、ベトナムからの留学生も一緒に学んでいます。 本学では、国際交流の一環として、近隣の小中学校での「国際理解学習」のお手伝いをしています。留学生たちは一日先生として小中学校へ赴き、自分の育った母国の文化や料理、ファッション、言葉などを紹介して、子どもたちとの交流を深めています。講座では、中国語、イタリア語、韓国語、そして昨年ベトナムからの留学生が入学したのでベトナム語が加わり、数字や動物の鳴き声、簡単な挨拶を子どもたちが学んでいます。最後に、それぞれの国の遊びをして楽しみます。 昨年11月には、阿賀野市立京ヶ瀬中学校の3年生を対象に、県の国際交流員(アメリカ人)のレクチャーに引き続き、アメリカ、中国、韓国、ベトナムの4か国のクラスに分かれて留学生との交流を行いました。生徒からは、「日本に来て驚いたことは?」「どうして日本に留学してきたの?」「日本と違う習慣はありますか?」といった質問が飛び交っていました。交流は2時間ほどの短い時間でしたが、留学生も中学校の生徒の皆さんも楽しく交流して充実した時間を過ごすことができました。

長岡技術科学大学「稲刈りと餅つきで楽しく交流」 本学では、地元地域の王寺川コミュニティーと平成20年から交流を続けており、毎年、町民運動会や稲刈り交流会に留学生が招待されています。 昨年9月にも「稲刈りと遊び交流会」に留学生とその家族30名が参加し、昔ながらの稲刈りを体験しました。鎌で稲を刈り、おばあちゃんたちの指導で難しい藁の束ねに挑戦し、はざ木掛けまでを行いました。その後は餅つきを体験し、ついたお餅をみんなで昼食としていただきました。 遊びの時間では、コミュニティーの方々とみんなで輪になってフォークダンスを踊りました。講師の手本を見ながら慣れないステップとリズムに右往左往しましたが、間違っては笑い合い、一曲踊り切っては達成感に拍手が起こる愉快な時間を過ごしました。 日本語を話せない留学生もいましたが、見よう見まねで様々な体験をし、楽しい一日となりました。 こうした交流は留学生にとっては、小学生から年配の方まで幅広い年齢層の人たちと触れ合える貴重な機会です。王寺川の方々にとっても、言葉が通じなくても言葉以外のコミュニケーションで楽しく過ごすことができると実感でき、「国際交流」のハードルを下げることができているのではないかと思います。

 本町では、中国県費留学生と医師等研修生(以下、留学・研修生)との交流を行っています。昭和63年に聖籠町議会議員訪問団が中国黒龍江省ハルビン市などを訪れたことに端を発します。その翌年から、留学・研修生の皆さんとの交流がはじまりました。 留学・研修生の皆さんとの交流は25年以上続いており、現在は、歓迎会、各種交流会、送別会などを実施し、町議会議員や住民の皆さんが留学・研修生との親睦を深めています。交流会では、住民の皆さんと一緒にさくらんぼ狩りやぶどう狩りを楽しんだり、水餃子などの中国料理を作ったりすることで親睦を図っています。 交流活動を通じて留学・研修生の皆さんがよく言われるのが「新潟は食べ物がおいしいし、やさしい人ばかり」ということ。交流に参加した住民の皆さんからも「中国を身近に感じる」との声をいただいており、本事業が相互の理解と日中友好の一助となっていると実感しています。 本町は、自己の研鑽だけでなく、日中友好の架け橋となるべく日々努力し活躍されている留学・研修生の皆さんに敬意を表すとともに、中国黒龍江省との友好のため、これからも友好交流を続けていきます。

地域が主体となって、留学生と積極的に交流を行っている自治体もあります。今回は聖籠町の取組について、ご紹介していただきます。

「聖籠町と中国からの県費留学生・医師等研修生との交流について」 聖籠町役場 総務課

PICK UP!

BSN 新潟放送 「水曜見ナイト~ WELCOME 新潟外国人留学生体験記~」

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上越教育大学「学びながら国際交流」

国際音楽エンタテイメント専門学校「チャリティーライヴで地域とつながる」

ここでは、県内の大学と専門学校の留学生指導担当教職員の方々から、留学生と地域との交流状況について紹介していただきます。≪以下協力大学・専門学校≫新潟大学、国際大学、長岡技術科学大学、事業創造大学院大学、新潟産業大学、長岡大学、敬和学園大学、上越教育大学、国際音楽エンタテイメント専門学校

留学生の地域交流

 本学では、従来から、留学生と地域社会とを結びつける様々な活動を行ってきました。今回は中でも一風変わった活動として、地元民放テレビ局の番組に留学生が出演し、新潟の文化や名産物を紹介している事例についてお伝えします。 この企画は、県内民放各局や自治体、民間団体の有志等から成る「新潟コンテンツ活用研究会」から生まれました。研究会では、新潟を国内外へアピールしていく方策を検討しています。そこで、外部の視点から新潟の長所短所を指摘してもらうため、留学生に協力を呼びかけていたところ実現したのが、留学生の視点からの新潟再発見を主題とした番組BSN「水曜見ナイト~WELCOME新潟 外国人留学生体験記~」のコーナーです。2014年11月から計6回、12か国延べ20人の留学生が出演し、コシヒカリやラーメン、寿司などの食べ物や伝統行事、芸妓文化などに触れ、新潟の魅力について掘り下げてきました。視聴者は、新潟の姿を再発見すると同時に、画面に登場した留学生たちを目にして、身近にいる多くの留学生の存在に気づくことができます。 留学生と地域社会の交流のあり方として、こうした地元放送局などとのコラボレーションも今後は重要となっていくでしょう。

新潟大学「留学生発!新潟の魅力再発見」

 国際大学「魚沼の魅力を海外へ発信!」 本学では、地域ボランティアや学生自治会による交流活動など、様々な形で地域との交流活動を行っていますが、ここでは、留学生による南魚沼市地域産業支援協議会(ICLOVE)との交流活動についてご紹介します。 ICLOVEでは、「地域社会の国際化」をミッションとして、魚沼地域の魅力を海外に発信する方法について、地域の方々と国際大学の学生とともに考える機会を設けています。この取り組みは、2013年6月から始まり、初年度には、餅、米、八色しいたけの試食会を開催し、地元の旅館従業員とムスリム学生でハラル※に関する意見交換会も行いました。言語の問題は多少あっても、地域住民、学生ともに交流を深め、地元の食や文化、温泉等の娯楽を楽しむことができました。その後、地域の方からは、地元レストランや小売店におけるハラル対応などのために、外国の文化や宗教観について理解をしたいという要望が多く寄せられ、留学生もそうした地域の方々の国際理解への積極的な姿勢に感銘を受けていました。こうした交流こそ、真のおもてなしの心ではないでしょうか。今後も国際的相互理解のための活動をさらに充実させていきます。※ハラル=イスラームの教えで許されている項目。主に食材など。

事業創造大学院大学「母国の料理を教えます」 本学は、日本語でMBA(経営管理修士)を取得できる日本海側唯一の専門職大学院大学であり、様々な国から来た優秀な留学生が学んでいます。また、修了生は母国で起業したり、日本国内外の企業や地方自治体で勤務したりして活躍しています。 地域では、特にベトナム人留学生が、全国で活動を広げているボランティア団体「ベトアジ」に自主的に参加し、ボランティア活動を行っています。「ベトアジ」は、ベトナムの文化を紹介する事業で得た収益をベトナムの子どもたちへ寄付しています。新潟市では、本学の留学生が会費制のベトナム料理教室を開催し、ベトナムの食文化を地域へ広めるとともに、その収益で恵まれない子どもたちに寄付を行っています。 また、スロヴァキアの留学生は、新潟スロヴァキア協会の開催する歓迎会に参加するなど国際交流団体との交流も盛んです。 昨年秋には、これまでの中国、韓国、ネパール、ベトナム、タイ、カンボジア、インドネシア等の留学生に加え、ロシア、スロヴァキア、インドからの留学生も加わり、留学生の多様化が進んでいます。今後も多くの留学生に、地域の方々と交流し新潟の良さを実感してほしいと思います。

 本学では、教育や研究の場で、留学生が地域の方々とともに生活や文化の多様性について考える機会を設けています。 今年度は「発酵のまち上越」にある本学ならではの「発酵食品を基盤とした食育活動プログラム」の開発に取り組んでいます。食物学の光永伸一郎教授(家庭コース)を中心に、留学生も酒蔵やワイナリー、坂口記念館等の発酵に関わる施設を見学し、みそづくり体験を行うなど、地元施設や地域の働く人々と交流する機会が自然と生まれています。 また、シンポジウム『<和食>とあなたの国の食ー日本型食生活の紹介もかねてー』の開催時には、中国、スロベニア、台湾、キューバの留学生が報告を行い、地域の方々も参加するフロアとの活発な交流を行うことができました。 こうした日々の実践が国際交流につながっていると感じています。今後も専門性を活かし、学びを通した交流を行っていきたいと考えています。

 本校では、昨年4月25日にネパール中部で発生した大震災の被災者支援のため、これまで様々な活動を行ってきました。街頭に立ち、通行人に募金の協力を呼び掛けたり、チャリティーライヴを開催するなど、留学生をはじめ、多くの学生が国際協力について学び、地域住民の方々と交流を深める機会となりました。 6月6日(土)には、ネパール出身留学生トウラダール・ラジさん(ミュージシャン科1年在籍中)が、チャリティーライヴを自主企画して開催し、たくさんの地域の方々に参加してもらいました。ここでは、主催者ラジさんの声をご紹介します。 「ライヴの企画は初めてだったので、うまくできるか心配でしたが、先生や仲間たちが温かい手を差し伸べてくれたお陰で少しずつ形になっていきました。練習中は言葉がうまく伝わらないこともあり大変でしたが、何度も練習を重ね、本番は最高のパフォーマンスができました。ライヴ当日、会場にはたくさんの地域の方々が足を運んでくださいました。募金も予想以上に多く集まり、本当に嬉しかったです。後日、募金を日本赤十字社に届けました。皆さんのご厚意がネパールに届き、震災復興の役に立つと思うと、感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。応援してくださった日本の皆さん、本当にありがとうございました。」

新潟産業大学「“私の主張”を地域に伝える」 現在、本学には98名の留学生が在籍しています。昭和63年開学当初から現在まで、絶えることなく留学生を受け入れており、ピークで200名を超える留学生が在籍していました。本学留学生と地域との関わりは、先輩留学生から後輩へ受け継がれ、交流内容は紹介しきれないほどですが、今回は「2015私の主張イン柏崎」についてご紹介します。 このイベントは、学園祭に合わせて「新潟産業大学留学生交流会」(留学生による会)が企画しているもので、一般市民の方々に対して、柏崎市広報誌や本学HP等で参加者を公募し、留学生から主張したいことを聴衆の前で発表してもらうというものです。今回は6名の発表者があり聴衆は約70名でした。例年、留学生の発表内容は「日本に来て思ったこと」が多く、生活の中で見つけた日本の良い点や、日本人の温かさを話してくれます。今回は日本人審査員からの「日本は褒められてばかりだが、悪いところもあるはず。互いの悪い点を受け入れ理解し合うのも国際交流の大事なところですね。」という論評が印象的でした。こんな小さな企画からでも国際理解が芽生え育まれるのではないかと感じています。

長岡大学「留学生の子ども支援ボランティア」 昨年4月にベトナムからの留学生7人が入学しました。本学では、日頃から学生にボランティア活動への参加を積極的に奨励していることもあって、この7人の留学生もボランティア活動に参加しています。そのうち2名は新しく学内に結成されたボランティアサークル「ぽぷら」に入会し活動しています。 「ぽぷら」のサークルは、主に長岡市内で活動するNPO法人「あうるの森」に協力して、日常的に放課後の見守り・学習支援などの「子どもの支援」活動に参加しているほか、イベントの企画も行い、ベトナムについて子どもたちや地域の人たちに知ってもらうための交流活動も行っています。 また、地域づくりイベントにも積極的に参加し、見附市では3名の留学生が商店街のハロウィンイベントで、準備・受付の手伝いや仮装をして子どもたちを見守るなど、盛り上げに一役買っていました。 このように、ボランティア活動を通して、留学生が地域に溶け込み、国際交流にも貢献しています。

敬和学園大学「小中学校で国際交流」 本学には、現在51人の留学生が在籍しています。ほとんどが中国からの留学生で、その他イタリア、韓国、ベトナムからの留学生も一緒に学んでいます。 本学では、国際交流の一環として、近隣の小中学校での「国際理解学習」のお手伝いをしています。留学生たちは一日先生として小中学校へ赴き、自分の育った母国の文化や料理、ファッション、言葉などを紹介して、子どもたちとの交流を深めています。講座では、中国語、イタリア語、韓国語、そして昨年ベトナムからの留学生が入学したのでベトナム語が加わり、数字や動物の鳴き声、簡単な挨拶を子どもたちが学んでいます。最後に、それぞれの国の遊びをして楽しみます。 昨年11月には、阿賀野市立京ヶ瀬中学校の3年生を対象に、県の国際交流員(アメリカ人)のレクチャーに引き続き、アメリカ、中国、韓国、ベトナムの4か国のクラスに分かれて留学生との交流を行いました。生徒からは、「日本に来て驚いたことは?」「どうして日本に留学してきたの?」「日本と違う習慣はありますか?」といった質問が飛び交っていました。交流は2時間ほどの短い時間でしたが、留学生も中学校の生徒の皆さんも楽しく交流して充実した時間を過ごすことができました。

長岡技術科学大学「稲刈りと餅つきで楽しく交流」 本学では、地元地域の王寺川コミュニティーと平成20年から交流を続けており、毎年、町民運動会や稲刈り交流会に留学生が招待されています。 昨年9月にも「稲刈りと遊び交流会」に留学生とその家族30名が参加し、昔ながらの稲刈りを体験しました。鎌で稲を刈り、おばあちゃんたちの指導で難しい藁の束ねに挑戦し、はざ木掛けまでを行いました。その後は餅つきを体験し、ついたお餅をみんなで昼食としていただきました。 遊びの時間では、コミュニティーの方々とみんなで輪になってフォークダンスを踊りました。講師の手本を見ながら慣れないステップとリズムに右往左往しましたが、間違っては笑い合い、一曲踊り切っては達成感に拍手が起こる愉快な時間を過ごしました。 日本語を話せない留学生もいましたが、見よう見まねで様々な体験をし、楽しい一日となりました。 こうした交流は留学生にとっては、小学生から年配の方まで幅広い年齢層の人たちと触れ合える貴重な機会です。王寺川の方々にとっても、言葉が通じなくても言葉以外のコミュニケーションで楽しく過ごすことができると実感でき、「国際交流」のハードルを下げることができているのではないかと思います。

 本町では、中国県費留学生と医師等研修生(以下、留学・研修生)との交流を行っています。昭和63年に聖籠町議会議員訪問団が中国黒龍江省ハルビン市などを訪れたことに端を発します。その翌年から、留学・研修生の皆さんとの交流がはじまりました。 留学・研修生の皆さんとの交流は25年以上続いており、現在は、歓迎会、各種交流会、送別会などを実施し、町議会議員や住民の皆さんが留学・研修生との親睦を深めています。交流会では、住民の皆さんと一緒にさくらんぼ狩りやぶどう狩りを楽しんだり、水餃子などの中国料理を作ったりすることで親睦を図っています。 交流活動を通じて留学・研修生の皆さんがよく言われるのが「新潟は食べ物がおいしいし、やさしい人ばかり」ということ。交流に参加した住民の皆さんからも「中国を身近に感じる」との声をいただいており、本事業が相互の理解と日中友好の一助となっていると実感しています。 本町は、自己の研鑽だけでなく、日中友好の架け橋となるべく日々努力し活躍されている留学・研修生の皆さんに敬意を表すとともに、中国黒龍江省との友好のため、これからも友好交流を続けていきます。

地域が主体となって、留学生と積極的に交流を行っている自治体もあります。今回は聖籠町の取組について、ご紹介していただきます。

「聖籠町と中国からの県費留学生・医師等研修生との交流について」 聖籠町役場 総務課

PICK UP!

BSN 新潟放送 「水曜見ナイト~ WELCOME 新潟外国人留学生体験記~」

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Page 4: CONTENTS 留学生の活躍~NIA編~ NIALetter .62016NIA Letter .6 2016.1 現在、新潟県国際課ではアメリカ、ロシア、韓国、ベトナム、中国、モンゴルからの国際交流員が勤務しています。CIR(Coordinator

上越教育大学「学びながら国際交流」

国際音楽エンタテイメント専門学校「チャリティーライヴで地域とつながる」

ここでは、県内の大学と専門学校の留学生指導担当教職員の方々から、留学生と地域との交流状況について紹介していただきます。≪以下協力大学・専門学校≫新潟大学、国際大学、長岡技術科学大学、事業創造大学院大学、新潟産業大学、長岡大学、敬和学園大学、上越教育大学、国際音楽エンタテイメント専門学校

留学生の地域交流

 本学では、従来から、留学生と地域社会とを結びつける様々な活動を行ってきました。今回は中でも一風変わった活動として、地元民放テレビ局の番組に留学生が出演し、新潟の文化や名産物を紹介している事例についてお伝えします。 この企画は、県内民放各局や自治体、民間団体の有志等から成る「新潟コンテンツ活用研究会」から生まれました。研究会では、新潟を国内外へアピールしていく方策を検討しています。そこで、外部の視点から新潟の長所短所を指摘してもらうため、留学生に協力を呼びかけていたところ実現したのが、留学生の視点からの新潟再発見を主題とした番組BSN「水曜見ナイト~WELCOME新潟 外国人留学生体験記~」のコーナーです。2014年11月から計6回、12か国延べ20人の留学生が出演し、コシヒカリやラーメン、寿司などの食べ物や伝統行事、芸妓文化などに触れ、新潟の魅力について掘り下げてきました。視聴者は、新潟の姿を再発見すると同時に、画面に登場した留学生たちを目にして、身近にいる多くの留学生の存在に気づくことができます。 留学生と地域社会の交流のあり方として、こうした地元放送局などとのコラボレーションも今後は重要となっていくでしょう。

新潟大学「留学生発!新潟の魅力再発見」

 国際大学「魚沼の魅力を海外へ発信!」 本学では、地域ボランティアや学生自治会による交流活動など、様々な形で地域との交流活動を行っていますが、ここでは、留学生による南魚沼市地域産業支援協議会(ICLOVE)との交流活動についてご紹介します。 ICLOVEでは、「地域社会の国際化」をミッションとして、魚沼地域の魅力を海外に発信する方法について、地域の方々と国際大学の学生とともに考える機会を設けています。この取り組みは、2013年6月から始まり、初年度には、餅、米、八色しいたけの試食会を開催し、地元の旅館従業員とムスリム学生でハラル※に関する意見交換会も行いました。言語の問題は多少あっても、地域住民、学生ともに交流を深め、地元の食や文化、温泉等の娯楽を楽しむことができました。その後、地域の方からは、地元レストランや小売店におけるハラル対応などのために、外国の文化や宗教観について理解をしたいという要望が多く寄せられ、留学生もそうした地域の方々の国際理解への積極的な姿勢に感銘を受けていました。こうした交流こそ、真のおもてなしの心ではないでしょうか。今後も国際的相互理解のための活動をさらに充実させていきます。※ハラル=イスラームの教えで許されている項目。主に食材など。

事業創造大学院大学「母国の料理を教えます」 本学は、日本語でMBA(経営管理修士)を取得できる日本海側唯一の専門職大学院大学であり、様々な国から来た優秀な留学生が学んでいます。また、修了生は母国で起業したり、日本国内外の企業や地方自治体で勤務したりして活躍しています。 地域では、特にベトナム人留学生が、全国で活動を広げているボランティア団体「ベトアジ」に自主的に参加し、ボランティア活動を行っています。「ベトアジ」は、ベトナムの文化を紹介する事業で得た収益をベトナムの子どもたちへ寄付しています。新潟市では、本学の留学生が会費制のベトナム料理教室を開催し、ベトナムの食文化を地域へ広めるとともに、その収益で恵まれない子どもたちに寄付を行っています。 また、スロヴァキアの留学生は、新潟スロヴァキア協会の開催する歓迎会に参加するなど国際交流団体との交流も盛んです。 昨年秋には、これまでの中国、韓国、ネパール、ベトナム、タイ、カンボジア、インドネシア等の留学生に加え、ロシア、スロヴァキア、インドからの留学生も加わり、留学生の多様化が進んでいます。今後も多くの留学生に、地域の方々と交流し新潟の良さを実感してほしいと思います。

 本学では、教育や研究の場で、留学生が地域の方々とともに生活や文化の多様性について考える機会を設けています。 今年度は「発酵のまち上越」にある本学ならではの「発酵食品を基盤とした食育活動プログラム」の開発に取り組んでいます。食物学の光永伸一郎教授(家庭コース)を中心に、留学生も酒蔵やワイナリー、坂口記念館等の発酵に関わる施設を見学し、みそづくり体験を行うなど、地元施設や地域の働く人々と交流する機会が自然と生まれています。 また、シンポジウム『<和食>とあなたの国の食ー日本型食生活の紹介もかねてー』の開催時には、中国、スロベニア、台湾、キューバの留学生が報告を行い、地域の方々も参加するフロアとの活発な交流を行うことができました。 こうした日々の実践が国際交流につながっていると感じています。今後も専門性を活かし、学びを通した交流を行っていきたいと考えています。

 本校では、昨年4月25日にネパール中部で発生した大震災の被災者支援のため、これまで様々な活動を行ってきました。街頭に立ち、通行人に募金の協力を呼び掛けたり、チャリティーライヴを開催するなど、留学生をはじめ、多くの学生が国際協力について学び、地域住民の方々と交流を深める機会となりました。 6月6日(土)には、ネパール出身留学生トウラダール・ラジさん(ミュージシャン科1年在籍中)が、チャリティーライヴを自主企画して開催し、たくさんの地域の方々に参加してもらいました。ここでは、主催者ラジさんの声をご紹介します。 「ライヴの企画は初めてだったので、うまくできるか心配でしたが、先生や仲間たちが温かい手を差し伸べてくれたお陰で少しずつ形になっていきました。練習中は言葉がうまく伝わらないこともあり大変でしたが、何度も練習を重ね、本番は最高のパフォーマンスができました。ライヴ当日、会場にはたくさんの地域の方々が足を運んでくださいました。募金も予想以上に多く集まり、本当に嬉しかったです。後日、募金を日本赤十字社に届けました。皆さんのご厚意がネパールに届き、震災復興の役に立つと思うと、感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。応援してくださった日本の皆さん、本当にありがとうございました。」

新潟産業大学「“私の主張”を地域に伝える」 現在、本学には98名の留学生が在籍しています。昭和63年開学当初から現在まで、絶えることなく留学生を受け入れており、ピークで200名を超える留学生が在籍していました。本学留学生と地域との関わりは、先輩留学生から後輩へ受け継がれ、交流内容は紹介しきれないほどですが、今回は「2015私の主張イン柏崎」についてご紹介します。 このイベントは、学園祭に合わせて「新潟産業大学留学生交流会」(留学生による会)が企画しているもので、一般市民の方々に対して、柏崎市広報誌や本学HP等で参加者を公募し、留学生から主張したいことを聴衆の前で発表してもらうというものです。今回は6名の発表者があり聴衆は約70名でした。例年、留学生の発表内容は「日本に来て思ったこと」が多く、生活の中で見つけた日本の良い点や、日本人の温かさを話してくれます。今回は日本人審査員からの「日本は褒められてばかりだが、悪いところもあるはず。互いの悪い点を受け入れ理解し合うのも国際交流の大事なところですね。」という論評が印象的でした。こんな小さな企画からでも国際理解が芽生え育まれるのではないかと感じています。

長岡大学「留学生の子ども支援ボランティア」 昨年4月にベトナムからの留学生7人が入学しました。本学では、日頃から学生にボランティア活動への参加を積極的に奨励していることもあって、この7人の留学生もボランティア活動に参加しています。そのうち2名は新しく学内に結成されたボランティアサークル「ぽぷら」に入会し活動しています。 「ぽぷら」のサークルは、主に長岡市内で活動するNPO法人「あうるの森」に協力して、日常的に放課後の見守り・学習支援などの「子どもの支援」活動に参加しているほか、イベントの企画も行い、ベトナムについて子どもたちや地域の人たちに知ってもらうための交流活動も行っています。 また、地域づくりイベントにも積極的に参加し、見附市では3名の留学生が商店街のハロウィンイベントで、準備・受付の手伝いや仮装をして子どもたちを見守るなど、盛り上げに一役買っていました。 このように、ボランティア活動を通して、留学生が地域に溶け込み、国際交流にも貢献しています。

敬和学園大学「小中学校で国際交流」 本学には、現在51人の留学生が在籍しています。ほとんどが中国からの留学生で、その他イタリア、韓国、ベトナムからの留学生も一緒に学んでいます。 本学では、国際交流の一環として、近隣の小中学校での「国際理解学習」のお手伝いをしています。留学生たちは一日先生として小中学校へ赴き、自分の育った母国の文化や料理、ファッション、言葉などを紹介して、子どもたちとの交流を深めています。講座では、中国語、イタリア語、韓国語、そして昨年ベトナムからの留学生が入学したのでベトナム語が加わり、数字や動物の鳴き声、簡単な挨拶を子どもたちが学んでいます。最後に、それぞれの国の遊びをして楽しみます。 昨年11月には、阿賀野市立京ヶ瀬中学校の3年生を対象に、県の国際交流員(アメリカ人)のレクチャーに引き続き、アメリカ、中国、韓国、ベトナムの4か国のクラスに分かれて留学生との交流を行いました。生徒からは、「日本に来て驚いたことは?」「どうして日本に留学してきたの?」「日本と違う習慣はありますか?」といった質問が飛び交っていました。交流は2時間ほどの短い時間でしたが、留学生も中学校の生徒の皆さんも楽しく交流して充実した時間を過ごすことができました。

長岡技術科学大学「稲刈りと餅つきで楽しく交流」 本学では、地元地域の王寺川コミュニティーと平成20年から交流を続けており、毎年、町民運動会や稲刈り交流会に留学生が招待されています。 昨年9月にも「稲刈りと遊び交流会」に留学生とその家族30名が参加し、昔ながらの稲刈りを体験しました。鎌で稲を刈り、おばあちゃんたちの指導で難しい藁の束ねに挑戦し、はざ木掛けまでを行いました。その後は餅つきを体験し、ついたお餅をみんなで昼食としていただきました。 遊びの時間では、コミュニティーの方々とみんなで輪になってフォークダンスを踊りました。講師の手本を見ながら慣れないステップとリズムに右往左往しましたが、間違っては笑い合い、一曲踊り切っては達成感に拍手が起こる愉快な時間を過ごしました。 日本語を話せない留学生もいましたが、見よう見まねで様々な体験をし、楽しい一日となりました。 こうした交流は留学生にとっては、小学生から年配の方まで幅広い年齢層の人たちと触れ合える貴重な機会です。王寺川の方々にとっても、言葉が通じなくても言葉以外のコミュニケーションで楽しく過ごすことができると実感でき、「国際交流」のハードルを下げることができているのではないかと思います。

 本町では、中国県費留学生と医師等研修生(以下、留学・研修生)との交流を行っています。昭和63年に聖籠町議会議員訪問団が中国黒龍江省ハルビン市などを訪れたことに端を発します。その翌年から、留学・研修生の皆さんとの交流がはじまりました。 留学・研修生の皆さんとの交流は25年以上続いており、現在は、歓迎会、各種交流会、送別会などを実施し、町議会議員や住民の皆さんが留学・研修生との親睦を深めています。交流会では、住民の皆さんと一緒にさくらんぼ狩りやぶどう狩りを楽しんだり、水餃子などの中国料理を作ったりすることで親睦を図っています。 交流活動を通じて留学・研修生の皆さんがよく言われるのが「新潟は食べ物がおいしいし、やさしい人ばかり」ということ。交流に参加した住民の皆さんからも「中国を身近に感じる」との声をいただいており、本事業が相互の理解と日中友好の一助となっていると実感しています。 本町は、自己の研鑽だけでなく、日中友好の架け橋となるべく日々努力し活躍されている留学・研修生の皆さんに敬意を表すとともに、中国黒龍江省との友好のため、これからも友好交流を続けていきます。

地域が主体となって、留学生と積極的に交流を行っている自治体もあります。今回は聖籠町の取組について、ご紹介していただきます。

「聖籠町と中国からの県費留学生・医師等研修生との交流について」 聖籠町役場 総務課

PICK UP!

BSN 新潟放送 「水曜見ナイト~ WELCOME 新潟外国人留学生体験記~」

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Page 5: CONTENTS 留学生の活躍~NIA編~ NIALetter .62016NIA Letter .6 2016.1 現在、新潟県国際課ではアメリカ、ロシア、韓国、ベトナム、中国、モンゴルからの国際交流員が勤務しています。CIR(Coordinator

NIALett

erVOL.62016.1

 現在、新潟県国際課ではアメリカ、ロシア、韓国、ベトナム、中国、モンゴルからの国際交流員が勤務しています。CIR(Coordinator for International Relationsの略称)とも呼ばれる彼らの仕事は多岐に渡り、新潟県が実施する国際交流事業における通訳・翻訳、また学校などにおいて母国の文化を紹介する講座なども行っています。ここでは、昨年の夏から新たに着任したアメリカ、モンゴルの2名の国際交流員をご紹介します。

ブランドン・ハワード(アメリカ)1.�昨年7月末に赴任しました。幼いときから美術に興味を持っていて、どこへ行くにも、スケッチブックを持っていました。

私が育ったケンタッキー州では、日本のことはあまり知られていませんが、日本のアニメ映画を見て日本に憧れを持つようになり、それをきっかけに、少しずつ日本のことを勉強し始めました。

2.�アメリカにはたくさんの人種の人々がいますが、様々な考え方が共存していて、それぞれの価値が認められる国だと思います。

3.�何をしていても母国との違いがあることに気づかされますが、日本人がきちんと歩行者用信号に従うことには驚きます。アメリカでは従わないことが多いと思います。新潟で気に入ったのは、信濃川を眺めながら昼ご飯を食べることです。そうしていると、気が休まる感じがします。

4.�言語の背景には、その国の文化と習慣があります。外国語を学習するとき、なんといっても好奇心が大事な味方になると思います。「どうして?」を考えて調べたらとてもいい学習になります。言語だけではなく、その国の文化を背景にした使い方も学ぶことも大切です。間違いを恐れず、自分の好きな外国語を練習してください。

1.自己PRをお願いします。 2.あなたの母国のここが自慢!と言えるのはどんなところですか?3.日本での生活で文化や習慣の違いに驚いた事はありますか?また新潟のお気に入りを教えてください。4.外国語学習や異文化コミュニケーションをする上でのアドバイスをご自身の経験を交えてお願いします。

★質問事項

フレルバータル・インドラ(モンゴル)1.�子どもの頃は、スポーツより語学が得意でした。本を読んだり、テレビ番組を見るのが好きで、世界史など人類関係のテーマに興味を持っています。得意というほどではありませんが、最近モンゴルの伝統刺繍をやり始めました。

2.�モンゴルの大平原は気持ちいいです。夜になると星がいっぱいで、自然のライトで草原をキラキラ輝かせます。そこに住む遊牧民の人たちは、穏やかで心がとても温かいです。自然と人間の関係を大事にしながら生活しているところが好きですね。

3.�新潟に来て、海がすぐそこにあることがとても嬉しかったです。新潟は、山あり、川あり、田畑ありで、この一連の風景が本当に素敵です!そして、お米も美味しく、お魚も新鮮で、食べ物をいろいろ楽しんでいます。モンゴルから初めて日本に来る人は、日本人のお辞儀に驚きますね。「これは一日何回やりますか?」と聞かれることがあります。また、日本のお店やサービスは、世界でNo.1だと言います。

4.�私は、外国語の学習というものは、その国の人や文化を知ることだと思っています。できれば実際に行ってみることがベストですが、それができなくても、音楽や映画、スポーツなどを通じていろいろと勉強することもできます。その国の人と触れ合い、気持ちを理解しようとすれば、言葉の意味が分かります。その意味では、コミュニケーションは大きなチャンスです。間違えることを心配しないで、どんどん話しかけることが重要だと思っています。

■発行:公益財団法人新潟県国際交流協会 〒950-0078 新潟県新潟市中央区万代島5番1号 万代島ビル2階  電話:025-290-5650 FAX:025-249-8122 E-mail:[email protected] HP:http://www.niigata-ia.or.jp/

発行元/公益財団法人新潟県国際交流協会 Niigata International Association

 私たちの協会は、国際大学の留学生及びその家族に対する支援と、地域住民と留学生との交流の促進を図ることを目的として、2002 年に設立され、現在、約 70 名の会員が活動しています。 活動内容は、新入生歓迎パーティー、日本文化の紹介と体験、日本語の学習支援等の実施と、留学生からは英会話教室、母国紹介、地域住民や会員が外国を理解するための多文化理解講座等の講師を務めていただくなどで交流しています。 多文化理解講座では、留学生と参加者が一緒に紹介国の料理を作り、その国の料理を味わう昼食会を行います。その後、自国の文化、日常生活、観光地などをプロジェクターを使用して紹介し、最後に歌や踊りを披露します。踊りでは、途中から参加者も加わってもらうなど、その国の食べ物や踊りをきっかけに、多文化を理解できる催しです。なお、留学生数が少ない国については、年に2~3か国を、留学生からプレゼンテーション形式で母国紹介を行っていただいています。 これまで、この講座ではネパール、ラオス、フィリピン、ミャンマー、中央アジア諸国など 10 以上の国と地域を取り上げて来ました。地域住民を含め毎回楽しみにしている方もおり、多くの方が参加します。紹介した留学生たちからも、自分の国を紹介する機会の提供に対して、感謝の言葉もいただいています。 また、私たち協会会員は、留学生や家族の方々の地域の夏祭りや民謡流しへの参加、花火見物などをお手伝いし、留学生の地域住民との交流を促進しています。 南魚沼市内で実施されている在住外国人向け日本語教室には、留学生やその子どもたちも参加していますが、この子どもたちが地域の保育所や学校に通うことで、地元の子どもたちが外国人との交流に慣れて仲間意識の醸成につながるとともに、外国人と日本人双方の親同士の交流にもつながっています。また、日本語を覚えた子どもが親の通訳をするなどの光景も見られ、子どもたちも交流の架け橋役を担っています。 このような事業は、地域住民にとって外国を理解し交流する良い機会であり、絶好の国際交流事業ではないかと考え取り組んでいます。 南魚沼市には、国際大学で学ぶ多くの国の留学生がおり、様々な国の学生や家族の方々と交流できる環境があります。この特性を活かし、これからも、会員、留学生、大学、自治体、地域の理解と協力のもとで活動していきたいと思います。

うおぬま国際交流協会 副会長 櫻井 徳治

C O N T E N T S

■�特集 留学生と国際交流●「国際大学留学生と地域との交流」

 うおぬま国際交流協会

副会長 櫻井 徳治 氏

● 「留学生の地域交流」

●「聖籠町と留学生の国際交流」

■�NIA活動レポート■�ちょっと聞き耳インタビュー

特 集 県内の大学や専門学校に通う留学生が地域の交流イベントやボランティア活動などに積極的に参加している姿を多く目にするようになりました。また、グローバル化を進める大学、専門学校では、留学生を積極的に受け入れていることから、今後ますます県内で学ぶ留学生の増加や多国籍化が予想されます。 今号では、活躍の場を広げる留学生が、学内を離れ地域と交流している様々な様子から、私たちの身近で行われている国際交流を発見し、理解を深めます。

留学生と国際交流

編集後記

 留学生と地域との交流は、私たちにとって異文化理解の機会になると同時に、留学生にとっては、日本や新潟をさらに好きになるきっかけになります。本紙で紹介したような温かい交流を今後も重ねることで、母国へ帰ってからも、新潟を第二の故郷だと思ってくれる留学生が増え、新潟の国際化の進展へとつながっていくのではないでしょうか。 最後に、今回各記事へご協力くださった皆さまへ、本紙面を借り、重ねて御礼申し上げます。

「国際大学留学生と地域との交流」

多文化理解講座(ミャンマーについて/ミャンマーの踊り)

留学生の活躍~NIA編~ 新潟県国際交流協会では、留学生の方に国際交流事業のお手伝いやボランティアをお願いすることがあります。 昨年11月15日、新発田市で開催した「外国につながる子どもたちと保護者のための進路ガイダンス」では、中国語の通訳として、新潟大学の林

リン

杰ケツ

さん、吴ゴ

湘ショウ

さんに協力していただきました。 こうした通訳を要する事業や国際交流イベントでは、日本語を学んでいる留学生の積極的な協力が、非常に大きな支援ともなっています。

中国黒龍江省で日本語演劇大会を開催しました! 新潟県と中国黒龍江省とは、1983年に友好県省提携議定書に調印してから30年以上にわたり経済・文化・教育等様々な分野で交流を積み重ねてきました。新潟県国際交流協会は、黒龍江省対外友好協会、黒龍江省翻訳協会、ハルビン師範大学とともに、黒龍江省で日本語を学ぶ学生による日本語演劇大会を開催しました。

■大会概要 日時/2015年10月11日(日)11時00分~16時30分 会場/ハルビン師範大学(黒龍江省ハルビン市) 出場/12チーム 内容/第1部 日本語での演劇        …各チームが創作あるいは日本の民話等を題材にした寸劇を上演    第2部 各チームのリーダーによる日本語スピーチ        …�直前に与えられたテーマ「あなたが観光ガイドだったら、新潟のどんなもの・場所を紹介しますか?」で3分

間スピーチ

■優秀チームの演劇内容○ジャムス大学「泣いた赤鬼」 日本の昔話が題材。赤鬼は親友の青鬼の助けを借り、以前からの希望だった人間と友だちになることに成功する。自分の存在が赤鬼と人間との仲に悪影響を及ぼすと考えた青鬼は姿を消し、親友を失った赤鬼は涙を流す。

○ハルビン師範大学「のろのろ、じたばた」 ドラえもんが秘密道具を使ってのび太に宿題をさせようとするがうまくいかないというエピソードから発展。のび太が新潟で太極拳を知って中国に関心を持ち、中国に留学して日中両国の架け橋へと成長していく。

○黒龍江大学「恋の告白作戦」 日本のテレビドラマを題材にした高校生の友情・恋愛模様。自分の本当の気持ちを周囲に見せることができない主人公が、仲間に助けられながら自分を変えていく。

 第1部は、笑いあり・感動ありのすばらしい演劇で、出演者の皆さんが念入りに準備して練習を重ねてきたことが感じられました。第2部は、事前準備が通用しない厳しいものであり、スピーチに苦心する学生が少なくありませんでした。 個人最優秀賞を獲得した王春宇さん(ジャムス大学)、孫長欣さん(ハルビン師範大学)、李申歓さん(黒龍江大学)の3名には、副賞として新潟旅行が贈呈されました。新潟の風土や文化に直接ふれることにより、将来、新潟県と黒龍江省との架け橋としての活躍が期待されます。

NIA活動レポート①

黒龍江大学「恋の告白作戦」ハルビン師範大学「のろのろ、じたばた」ジャムス大学「泣いた赤鬼」

第10回 国際理解教育プレゼンテーションコンテストを開催しました。

 平成27年 12月 12日(土)、「平成27年度国際理解教育プレゼンテーションコンテスト」を開催しました。このコンテストは、よりよい国際社会の実現に向け、高い国際意識とコミュニケーション能力を身につけた若者の育成や、県民の国際理解の推進を図るため平成18年度から開催しており、今年度で10回目を迎えました。 今年度は各国の要人を招いての国際会議などが行われる朱鷺メッセ国際会議室(マリンホール)(新潟市中央区)を会場に、中学生部門9チーム、高校生部門10チームが、普段の学習の成果や海外での経験などを踏まえ、趣向を凝らしたプレゼンテーションを行いました。 中学生部門最優秀賞を受賞した早通中学校(新潟市立早通中学校)チームは、日本が平和な国であるために、中学生である自分たちが日本の未来について考え、学び、行動できる国際人になる必要があることを、高校生部門最優秀賞を受賞したDon't�Be�Sheep(県立直江津中等教育学校)チームは、海外研修などでの経験を通して、失敗を恐れず自分に自信を持ち前向きにチャレンジし続けることが国際社会で活躍するうえで大切だということを訴えました。 発表を行った生徒たちからは、「どんなふうに話せば伝わるだろうかということについて考えさせられ、自分自身と向き合う良いきっかけになった」「他のチームの発表を聞き奮い立たされるような気持ちになった。また、発表だけでなくチームのメンバーと協力し活動すること自体が良い思い出になった」などの感想が聞かれました。 なお、3月下旬には、最優秀賞を受賞した2チームを、学校交流やホームステイなどを行う韓国ソウルへのスタディツアーへ派遣する予定です。

NIA活動レポート②

【中学生部門】最優秀賞:早通中学校(新潟市立早通中学校)� “戦争と平和と私”優 秀 賞:モグモグズ(県立直江津中等教育学校)� “だしってすごいんだし”� 感染症を予防し隊!(県立直江津中等教育学校)� “感染症と私たちの未来”審査員特別賞:AOI(加茂市立葵中学校)� “「友情」って?”

【高校生部門】最優秀賞:Don't�Be�Sheep(県立直江津中等教育学校)� “Positive�Thinking”優 秀 賞:サンバルとわさび(長岡工業高等専門学校)� “平和の為に私達がすべきいくつかの事”� Adolescence(個人)� “地元から世界へ”審査員特別賞:Travelers(個人)� “人との出会い、繋がりそして 生きる。”

ちょっと聞き耳

Interview

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Page 6: CONTENTS 留学生の活躍~NIA編~ NIALetter .62016NIA Letter .6 2016.1 現在、新潟県国際課ではアメリカ、ロシア、韓国、ベトナム、中国、モンゴルからの国際交流員が勤務しています。CIR(Coordinator

NIALett

erVOL.62016.1

 現在、新潟県国際課ではアメリカ、ロシア、韓国、ベトナム、中国、モンゴルからの国際交流員が勤務しています。CIR(Coordinator for International Relationsの略称)とも呼ばれる彼らの仕事は多岐に渡り、新潟県が実施する国際交流事業における通訳・翻訳、また学校などにおいて母国の文化を紹介する講座なども行っています。ここでは、昨年の夏から新たに着任したアメリカ、モンゴルの2名の国際交流員をご紹介します。

ブランドン・ハワード(アメリカ)1.�昨年7月末に赴任しました。幼いときから美術に興味を持っていて、どこへ行くにも、スケッチブックを持っていました。

私が育ったケンタッキー州では、日本のことはあまり知られていませんが、日本のアニメ映画を見て日本に憧れを持つようになり、それをきっかけに、少しずつ日本のことを勉強し始めました。

2.�アメリカにはたくさんの人種の人々がいますが、様々な考え方が共存していて、それぞれの価値が認められる国だと思います。

3.�何をしていても母国との違いがあることに気づかされますが、日本人がきちんと歩行者用信号に従うことには驚きます。アメリカでは従わないことが多いと思います。新潟で気に入ったのは、信濃川を眺めながら昼ご飯を食べることです。そうしていると、気が休まる感じがします。

4.�言語の背景には、その国の文化と習慣があります。外国語を学習するとき、なんといっても好奇心が大事な味方になると思います。「どうして?」を考えて調べたらとてもいい学習になります。言語だけではなく、その国の文化を背景にした使い方も学ぶことも大切です。間違いを恐れず、自分の好きな外国語を練習してください。

1.自己PRをお願いします。 2.あなたの母国のここが自慢!と言えるのはどんなところですか?3.日本での生活で文化や習慣の違いに驚いた事はありますか?また新潟のお気に入りを教えてください。4.外国語学習や異文化コミュニケーションをする上でのアドバイスをご自身の経験を交えてお願いします。

★質問事項

フレルバータル・インドラ(モンゴル)1.�子どもの頃は、スポーツより語学が得意でした。本を読んだり、テレビ番組を見るのが好きで、世界史など人類関係のテーマに興味を持っています。得意というほどではありませんが、最近モンゴルの伝統刺繍をやり始めました。

2.�モンゴルの大平原は気持ちいいです。夜になると星がいっぱいで、自然のライトで草原をキラキラ輝かせます。そこに住む遊牧民の人たちは、穏やかで心がとても温かいです。自然と人間の関係を大事にしながら生活しているところが好きですね。

3.�新潟に来て、海がすぐそこにあることがとても嬉しかったです。新潟は、山あり、川あり、田畑ありで、この一連の風景が本当に素敵です!そして、お米も美味しく、お魚も新鮮で、食べ物をいろいろ楽しんでいます。モンゴルから初めて日本に来る人は、日本人のお辞儀に驚きますね。「これは一日何回やりますか?」と聞かれることがあります。また、日本のお店やサービスは、世界でNo.1だと言います。

4.�私は、外国語の学習というものは、その国の人や文化を知ることだと思っています。できれば実際に行ってみることがベストですが、それができなくても、音楽や映画、スポーツなどを通じていろいろと勉強することもできます。その国の人と触れ合い、気持ちを理解しようとすれば、言葉の意味が分かります。その意味では、コミュニケーションは大きなチャンスです。間違えることを心配しないで、どんどん話しかけることが重要だと思っています。

■発行:公益財団法人新潟県国際交流協会 〒950-0078 新潟県新潟市中央区万代島5番1号 万代島ビル2階  電話:025-290-5650 FAX:025-249-8122 E-mail:[email protected] HP:http://www.niigata-ia.or.jp/

発行元/公益財団法人新潟県国際交流協会 Niigata International Association

 私たちの協会は、国際大学の留学生及びその家族に対する支援と、地域住民と留学生との交流の促進を図ることを目的として、2002 年に設立され、現在、約 70 名の会員が活動しています。 活動内容は、新入生歓迎パーティー、日本文化の紹介と体験、日本語の学習支援等の実施と、留学生からは英会話教室、母国紹介、地域住民や会員が外国を理解するための多文化理解講座等の講師を務めていただくなどで交流しています。 多文化理解講座では、留学生と参加者が一緒に紹介国の料理を作り、その国の料理を味わう昼食会を行います。その後、自国の文化、日常生活、観光地などをプロジェクターを使用して紹介し、最後に歌や踊りを披露します。踊りでは、途中から参加者も加わってもらうなど、その国の食べ物や踊りをきっかけに、多文化を理解できる催しです。なお、留学生数が少ない国については、年に2~3か国を、留学生からプレゼンテーション形式で母国紹介を行っていただいています。 これまで、この講座ではネパール、ラオス、フィリピン、ミャンマー、中央アジア諸国など 10 以上の国と地域を取り上げて来ました。地域住民を含め毎回楽しみにしている方もおり、多くの方が参加します。紹介した留学生たちからも、自分の国を紹介する機会の提供に対して、感謝の言葉もいただいています。 また、私たち協会会員は、留学生や家族の方々の地域の夏祭りや民謡流しへの参加、花火見物などをお手伝いし、留学生の地域住民との交流を促進しています。 南魚沼市内で実施されている在住外国人向け日本語教室には、留学生やその子どもたちも参加していますが、この子どもたちが地域の保育所や学校に通うことで、地元の子どもたちが外国人との交流に慣れて仲間意識の醸成につながるとともに、外国人と日本人双方の親同士の交流にもつながっています。また、日本語を覚えた子どもが親の通訳をするなどの光景も見られ、子どもたちも交流の架け橋役を担っています。 このような事業は、地域住民にとって外国を理解し交流する良い機会であり、絶好の国際交流事業ではないかと考え取り組んでいます。 南魚沼市には、国際大学で学ぶ多くの国の留学生がおり、様々な国の学生や家族の方々と交流できる環境があります。この特性を活かし、これからも、会員、留学生、大学、自治体、地域の理解と協力のもとで活動していきたいと思います。

うおぬま国際交流協会 副会長 櫻井 徳治

C O N T E N T S

■�特集 留学生と国際交流●「国際大学留学生と地域との交流」

 うおぬま国際交流協会

副会長 櫻井 徳治 氏

● 「留学生の地域交流」

●「聖籠町と留学生の国際交流」

■�NIA活動レポート■�ちょっと聞き耳インタビュー

特 集 県内の大学や専門学校に通う留学生が地域の交流イベントやボランティア活動などに積極的に参加している姿を多く目にするようになりました。また、グローバル化を進める大学、専門学校では、留学生を積極的に受け入れていることから、今後ますます県内で学ぶ留学生の増加や多国籍化が予想されます。 今号では、活躍の場を広げる留学生が、学内を離れ地域と交流している様々な様子から、私たちの身近で行われている国際交流を発見し、理解を深めます。

留学生と国際交流

編集後記

 留学生と地域との交流は、私たちにとって異文化理解の機会になると同時に、留学生にとっては、日本や新潟をさらに好きになるきっかけになります。本紙で紹介したような温かい交流を今後も重ねることで、母国へ帰ってからも、新潟を第二の故郷だと思ってくれる留学生が増え、新潟の国際化の進展へとつながっていくのではないでしょうか。 最後に、今回各記事へご協力くださった皆さまへ、本紙面を借り、重ねて御礼申し上げます。

「国際大学留学生と地域との交流」

多文化理解講座(ミャンマーについて/ミャンマーの踊り)

留学生の活躍~NIA編~ 新潟県国際交流協会では、留学生の方に国際交流事業のお手伝いやボランティアをお願いすることがあります。 昨年11月15日、新発田市で開催した「外国につながる子どもたちと保護者のための進路ガイダンス」では、中国語の通訳として、新潟大学の林

リン

杰ケツ

さん、吴ゴ

湘ショウ

さんに協力していただきました。 こうした通訳を要する事業や国際交流イベントでは、日本語を学んでいる留学生の積極的な協力が、非常に大きな支援ともなっています。

中国黒龍江省で日本語演劇大会を開催しました! 新潟県と中国黒龍江省とは、1983年に友好県省提携議定書に調印してから30年以上にわたり経済・文化・教育等様々な分野で交流を積み重ねてきました。新潟県国際交流協会は、黒龍江省対外友好協会、黒龍江省翻訳協会、ハルビン師範大学とともに、黒龍江省で日本語を学ぶ学生による日本語演劇大会を開催しました。

■大会概要 日時/2015年10月11日(日)11時00分~16時30分 会場/ハルビン師範大学(黒龍江省ハルビン市) 出場/12チーム 内容/第1部 日本語での演劇        …各チームが創作あるいは日本の民話等を題材にした寸劇を上演    第2部 各チームのリーダーによる日本語スピーチ        …�直前に与えられたテーマ「あなたが観光ガイドだったら、新潟のどんなもの・場所を紹介しますか?」で3分

間スピーチ

■優秀チームの演劇内容○ジャムス大学「泣いた赤鬼」 日本の昔話が題材。赤鬼は親友の青鬼の助けを借り、以前からの希望だった人間と友だちになることに成功する。自分の存在が赤鬼と人間との仲に悪影響を及ぼすと考えた青鬼は姿を消し、親友を失った赤鬼は涙を流す。

○ハルビン師範大学「のろのろ、じたばた」 ドラえもんが秘密道具を使ってのび太に宿題をさせようとするがうまくいかないというエピソードから発展。のび太が新潟で太極拳を知って中国に関心を持ち、中国に留学して日中両国の架け橋へと成長していく。

○黒龍江大学「恋の告白作戦」 日本のテレビドラマを題材にした高校生の友情・恋愛模様。自分の本当の気持ちを周囲に見せることができない主人公が、仲間に助けられながら自分を変えていく。

 第1部は、笑いあり・感動ありのすばらしい演劇で、出演者の皆さんが念入りに準備して練習を重ねてきたことが感じられました。第2部は、事前準備が通用しない厳しいものであり、スピーチに苦心する学生が少なくありませんでした。 個人最優秀賞を獲得した王春宇さん(ジャムス大学)、孫長欣さん(ハルビン師範大学)、李申歓さん(黒龍江大学)の3名には、副賞として新潟旅行が贈呈されました。新潟の風土や文化に直接ふれることにより、将来、新潟県と黒龍江省との架け橋としての活躍が期待されます。

NIA活動レポート①

黒龍江大学「恋の告白作戦」ハルビン師範大学「のろのろ、じたばた」ジャムス大学「泣いた赤鬼」

第10回 国際理解教育プレゼンテーションコンテストを開催しました。

 平成27年 12月 12日(土)、「平成27年度国際理解教育プレゼンテーションコンテスト」を開催しました。このコンテストは、よりよい国際社会の実現に向け、高い国際意識とコミュニケーション能力を身につけた若者の育成や、県民の国際理解の推進を図るため平成18年度から開催しており、今年度で10回目を迎えました。 今年度は各国の要人を招いての国際会議などが行われる朱鷺メッセ国際会議室(マリンホール)(新潟市中央区)を会場に、中学生部門9チーム、高校生部門10チームが、普段の学習の成果や海外での経験などを踏まえ、趣向を凝らしたプレゼンテーションを行いました。 中学生部門最優秀賞を受賞した早通中学校(新潟市立早通中学校)チームは、日本が平和な国であるために、中学生である自分たちが日本の未来について考え、学び、行動できる国際人になる必要があることを、高校生部門最優秀賞を受賞したDon't�Be�Sheep(県立直江津中等教育学校)チームは、海外研修などでの経験を通して、失敗を恐れず自分に自信を持ち前向きにチャレンジし続けることが国際社会で活躍するうえで大切だということを訴えました。 発表を行った生徒たちからは、「どんなふうに話せば伝わるだろうかということについて考えさせられ、自分自身と向き合う良いきっかけになった」「他のチームの発表を聞き奮い立たされるような気持ちになった。また、発表だけでなくチームのメンバーと協力し活動すること自体が良い思い出になった」などの感想が聞かれました。 なお、3月下旬には、最優秀賞を受賞した2チームを、学校交流やホームステイなどを行う韓国ソウルへのスタディツアーへ派遣する予定です。

NIA活動レポート②

【中学生部門】最優秀賞:早通中学校(新潟市立早通中学校)� “戦争と平和と私”優 秀 賞:モグモグズ(県立直江津中等教育学校)� “だしってすごいんだし”� 感染症を予防し隊!(県立直江津中等教育学校)� “感染症と私たちの未来”審査員特別賞:AOI(加茂市立葵中学校)� “「友情」って?”

【高校生部門】最優秀賞:Don't�Be�Sheep(県立直江津中等教育学校)� “Positive�Thinking”優 秀 賞:サンバルとわさび(長岡工業高等専門学校)� “平和の為に私達がすべきいくつかの事”� Adolescence(個人)� “地元から世界へ”審査員特別賞:Travelers(個人)� “人との出会い、繋がりそして 生きる。”

ちょっと聞き耳

Interview

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