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第四部 安全対策(その2)

第四部 安全対策(その2)anzen/manual/pdf/h26manual4_0.pdf-55- 緊急院内コール(コードブルー)内線896 目的 院内で急変した患者等が発生した場合、救命を行うため人員を集める。運用手順

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  • 第四部

    安全対策(その2)

  • -53-

    反応なし

    気道確保

    呼吸観察

    正常な呼吸であれば

    気道確保し、応援を待つ

    回復体位も考慮

    呼吸なし or 死戦期呼吸

    拍動あれば

    気道確保・人工呼吸を行い、

    応援を待つ

    拍動なければ、ただちに胸骨圧迫を開始

    強く(成人:少なくとも 5cm、小児:胸の厚さの約 1/3)

    速く(少なくとも 100 回/分)

    絶え間なく(中断を最小にする)

    30:20 で胸骨圧迫に人工呼吸を加える

    人工呼吸ができない状況では胸骨圧迫のみを行う

    応援を呼ぶ(ナースコール、コードブルー)

    救急カート、AED または除細動器を依頼

    *未就学児・乳児への AED は、エネルギー減衰機能付小児用パッドを使用

    AED/除細動器装着

    心電図解析・評価(2 分間毎)

    VF/無脈性 VT のみ ショック 1 回

    二次救命処置(ALS):胸骨圧迫中断を最小にしながら行う

    1 可逆的な原因の検索と是正(とくに気道トラブルのチェック)

    2 静脈路/骨髄路確保

    血管収縮薬(アドレナリン 1 回 1 ㎎を 3~5 分間隔、バソプレシン 40 単位を 1 回)を考慮

    VF/VT の場合に抗不整脈薬(アミオダロン 300 ㎎、ニフェカラント 0.3 ㎎/㎏)を考慮

    3 気管挿管(気管挿管後は連続した胸骨圧迫を行う)

    波形表示のある呼気 CO2 モニタは適切な気管挿管および心拍再開の指標となる

    1.心肺蘇生アルゴリズム

    「正常な呼吸」や「目的のある仕草」が認められる

    →頸動脈の拍動あれば、心拍再開している

    →12 誘導心電図を評価

    頸動脈の(短時間で)

    拍動は?

  • 2.ショック時の対応

    ショックを疑う

    心肺停止の疑いあり

    心肺蘇生アルゴリズム

    なし

    原因検索とその是正A: Acidosis(アシドーシス)B: Bleeding(脱水、出血)C: Cardiac Tamponade(心タンポナーデ)D: Drug(薬物中毒)E: Embolism(肺塞栓)F: Freezing(低体温)G: Gas(低酸素血症)H: Hyper/Hypopotassemia(高/低カリウム血症)I: Infarction(心筋梗塞)J: Jam(緊張性気胸)その他:アナフィラキシー、敗血症

    大声で叫ぶコードブルー896番連絡/蘇生チーム要請AED依頼

    *準備輸液路、輸液、輸血、気道確保、血液ガス、血液迅速検査、12誘導心電図、超音波検査、カテコラミン、保温、造影CT、など

    -54-

  • -55-

    緊急院内コール(コードブルー) 内線896

    目的

    院内で急変した患者等が発生した場合、救命を行うため人員を集める。

    運用手順

    1.院内で急変した患者等を発見した場合、日中(8:00~20:59)は発見した者が

    PHS あるいは内線電話で 896 をコールする。

    2.ピンポーンという音を確認した後で直接「コードブルー、(発生場所)○○」と

    2 回放送する。

    この時、発生場所(病棟、外来、階、部署名)を明確に伝える。

    3.全館に放送が流れる。

    4.放送を聞いた医師、看護師等病院職員は直ちに現場に急行する。

    5.蘇生処置は原則として最初に現場に到着した医師がリーダーとなり治療に

    当たる。

    ただし早期に蘇生処置に精通した者が到着した場合はリーダーを交代し治

    療を継続する。

    6.リーダーとなったものは以下の業務の責任を負う。

    ①治療方針や受け入れ先が決定後連絡を指示する。

    ②必要以外の人員については通常業務に復帰するよう指示する。

    7.コードブルーを行った者は、インシデントレポート報告を行う。

    休日は原則的に当直医師全員が駆けつける。

    夜間は別図*のとおり(従来通り)担当医に連絡する。

  • -56-

    対応困難と判断した場合は

    夜間(21:00~7:59)の緊急時ショックコール体制

    患者の当該当直診療科医師、オンコール医師を呼ぶ(当直・オンコール担当者一覧表より)

    (別図*)

    ショックコールを行った者は、インシデントレポート報告を行う。

    急変患者・ショック状態患者発生

    PHS 5889 内分泌代謝・血液・免疫・呼吸器内科

    PHS 5885 循環器・腎臓・脳卒中内科、心臓血管外科

    PHS 5890 消化器・神経内科

    PHS 5891 消化器外科、呼吸器・乳腺内分泌外科、総合診療科

    PHS 5878 麻酔・ペインクリニック科

    PHS 5876 小児科

    PHS 5884 総合周産期母子医療センター(新生児集中治療室)

    PHS 5877 総合周産期母子医療センター(母体・胎児集中治療室)

    オンコール 皮膚科、精神科神経科、周産期科女性診療科、

    小児成育外科、整形外科、形成外科・美容外科、

    泌尿器・副腎・腎移植外科、脳神経外科、眼科、

    耳鼻咽喉科・頭頚部外科、歯・顎・口腔外科

    麻酔科 PHS 5878 (ショックコール 3733)

    内科系 PHS 5889, 5885, 5890

    外科系 PHS 5891

  • -57-

    3.人工呼吸器

    医 師 看 護 師

    始業前

    (1)電源は無停電回路(赤コンセント)を使用する。

    (2)回路は正確に清潔操作で組み立てる。

    (3)回路の破損・亀裂がないか確認する。

    (4)接続部のリーク・ガス漏れがないか確認する。

    (5)加温・加湿器の水位は適切か確認する。

    (6)人工鼻と加温・加湿器またはネブライザーを併用

    していないことを確認する。

    (7)正常作動を確認する。

    (8)人工呼吸器設定指示及び確認チェックリストに設定

    条件を記載する。

    使用中

    (1)設定どおりの換気ができているか確認する。

    (2)呼吸器回路の漏れはないか確認する。

    (3)加温・加湿器の温度と水位を確認する。

    (4)人工鼻を使用している場合、24 時間毎に交換して

    いるかを確認する。

    (5)電源は無停電電源(赤コンセント)を使用しているか

    確認する。

    (6)アラーム設定を確認し、チェックリストに記録する。

    (7)設定値を変更した場合は、人工呼吸器設定指示

    及び確認チェックリストに設定値を記録する。

    回路交換時

    (1)新しい回路に破損・亀裂はないか確認する。

    (2)ジャクソンリースはすぐに使用できる状態にして

    おく。

    (3)正しく回路を組み立てる。

    (4)人工鼻と加温・加湿器またはネブライザーを併用

    していないことを確認する。

    (5)交換前の設定条件で作動しているか確認する。

    始業前

    (1)電源は無停電回路(赤コンセント)を使用する。

    (2)回路は正確に清潔操作で組み立てる。

    (3)回路の破損・亀裂がないか確認する。

    (4)接続部のリーク・ガス漏れがないか確認する。

    (5)加温・加湿器の水位は適切か確認し、加湿器の

    電源を入れる。

    (6)人工鼻と加温・加湿器またはネブライザーを併用

    していないことを確認する。

    (7)医師が正常作動を行った事を確認し、チェックリスト

    に記録後、サインする。

    使用中

    (1)設定どおりの換気ができているか確認する。

    (2)呼吸器回路の漏れがないことを確認する。

    (3)加温・加湿器の温度と水位を確認する。

    (4)人工鼻を使用している場合、24 時間毎に交換して

    いるかを確認する。

    (5)加湿器の水位は適切か確認する。

    (6)電源は無停電電源(赤コンセント)を使用しているか

    確認する。

    (7)アラーム設定を確認し、チェックリストに記録する。

    (8)受け持ち開始時、チェックリストに添って記録し、

    サインする。

    回路交換時

    (1)新しい回路に破損・亀裂はないか確認する。

    (2)ジャクソンリースはすぐに使用できる状態にして

    おく。

    (3)医師と一緒に交換する。

    (4)正しく回路を組み立てる。

    (5)人工鼻と加温・加湿器またはネブライザーを併用し

    ていないことを確認する。

    (6)交換前の設定条件で作動しているか確認する。

  • -58-

    4.除細動

    医 師 看 護 師

    (1)心電図(モニター)で心室細動や心室性頻拍など

    の不整脈が、意識消失、血行動態の悪化の原因

    であることを確認する。

    (2)心静止状態のときに除細動を施行しない。

    (3)感電防止の手袋を着用する。

    (4)専用のパット(あるいは濡らしたガーゼ)を、心臓

    の長軸に沿って、その上縁(胸骨右縁上方)と下

    縁(心尖)に貼布する。

    (5)上記の位置に除細動器のパドルをあてる。

    (6)施行者以外が患者から離れていることを確認

    する。

    (7)心電図同期はせずに、ただちに器機の使用

    方法に従い通電する。

    (緊急時以外の心房細動などの除細動に関し

    ては、脳塞栓などの危険性を施行前に評価

    する必要があるため循環器科にコンサルトす

    ること)

    (心停止時の除細動の際は、胸骨圧迫を中断

    する時間ができるだけ短くなるよう配慮し、除

    細動後は脈拍を確認せず直ちに胸骨圧迫を

    再開する。)

    (1)未使用時も、電源コードをさし込んでおき、いつでも

    使用できるよう充電しておく。

    (2)手袋と専用パットは、除細動器と一緒に置いておく。

    (3)使用時以外は定位置に置いておく。

    (4)医師の指示した出力数を復唱し、画面でも指さし

    声だし確認する。

    (5)通電時はベッドから離れる。

    (6)通電した時間、出力数、通電回数を記録する。

    (7)医師の指示に従って蘇生の介助を行う。

    (8)使用後、除細動器にパットを補充し、定位置で電源

    コードをさし込み充電しておく。

  • -59-

    5.AED

    AED(自動体外式除細動器)の管理について

    1.日常管理

    (1)設置ボックスアラーム停止用鍵について

    設置ボックスにはアラーム停止の為の鍵が 2つ付いている。

    (60 秒たつとアラームは停止する。)

    24 時間対応するために、1つをボックス内に備え付けており、もう一方の鍵は西病棟で

    管理している。

    (2)日常点検

    ①MEセンター・病棟看護師が週 2回、院内に設置されている 14台の AEDの点検を行う。

    ②異常を発見した場合や使用した場合はME機器管理センターに報告する。

    夜間、休日は翌日に連絡する。

    2.保守点検

    (1)保守点検(ME機器管理センターで行う)

    ①日常点検で発見された異常を整備補充する。

    ②年 1回の定期点検

  • 60

    FR2+

    BOX

    USE BEFORE

    ME 3730

    ME

  • 61

    /

    1

    2

    ... ... ...

    Battery Low 9 15

    3

    /

    ...

    /

    / ME 3730

  • -62-

    6.救急カート

    各部署設置の救急カートは、以下のとおり院内統一とする。

    日々点検と整備は、各部署で適正に行う。常備薬の点検は、病棟(救命救急センター、ICU、総合周

    産期母子医療センターを含む)1 日 2 回、外来・中央・特殊診療施設 1 日 1 回行う。

    救急カートの収納順番

    棚 収納内容

    トップテーブル なし

    1 段目 薬品、その投与物品等

    2 段目 救急カート物品一覧に準ずる。

    3 段目

    4 段目

    5 段目

    6 段目

    カート側面 心臓マッサージ用板

    ※薬品トレイの薬品名表示場所は、薬品の向こう側とする。

    救急カート内薬品一覧

    薬品名 定数 薬品名 定数 薬品名 定数

    メキシチール点滴静注 125 ㎎(5mL) ○劇 1 ワソラン静注 5mg(2mL) ○劇 1 メイロン静注 7% 20mL 2

    アドレナリン注 0.1%シリンジ

    「テルモ」(1mL)

    ○劇 5 静注用キシロカイン 2% 100mg

    (5mL)

    ○劇 2 大塚蒸留水 20mL 2

    リスモダンP静注 50mg(5mL) ○劇 1 ミリスロール注 5mg(10mL) ○劇 2 生理食塩液「フソー」100mL 1

    イノバン注 0.6%シリンジ 300mg

    (50mL)

    ○劇 1 ノボ・ヘパリン注 5 千単位/5 mL 2 大塚生食注 20mL 5

    ドブポン注 0.6%シリンジ 300mg

    (50mL)

    ○劇 1 ネオフィリン注 250mg(10mL) 2 テルモ生食 500mL 2

    注射用オノアクト 50mg ○劇 1 大塚糖液 50%(20mL) 1 ラクテック注 500mL 1

    ノルアドレナリン注 1mg(1mL) ○劇 5 大塚塩カル注 2%(20ml) 2 メイロン静注 7%250mL 1

    ペルジピン注射液 10 ㎎(10mL) ○劇 1 ラシックス注 20mg(2mL) 2

    ヱフェドリン「ナガヰ」注射液 40 ㎎

    (1mL)

    ○劇 2 ソル・コーテフ注射用 100mg 1

    アトロピン硫酸塩注 0.5 ㎎

    「タナベ」1mL

    ○劇 3 ソル・メルコート 500mg 1

    (金庫管理薬品)

    薬品名 定数

    ドルミカム注射液 10mg(2mL) ○向 1

    ペンタジン注射液 15(1mL) ○劇 1

    セルシン注射液 10mg(2mL) ○向 1

  • -63-

    救急カート内の物品一覧(全部署共通) 平成 24 年 2 月 3 日

    物品名 定数 物品名 定数 物品名 定数

    2 段目 4 段目 5 段目

    注射針(18G) 5 喉頭鏡(ハンドル大) 1 酸素流量計+ニップルナット 1

    注射針(21G) 5 喉頭鏡(ブレード MAC3 号) 1 ジャクソンリース 1

    注射針(23G) 5 喉頭鏡(ブレード MAC2 号) 1 リザーバーマスク 1

    アンギオキャス(18G) 5 キシロカインスプレー インスピロンフェイスマスク

    (成人用・赤)

    アンギオキャス(20G) 5 カテゼリー インスピロンフェイスマスク

    (小児用・青)

    アンギオキャス(22G) 5 緑色シリンジ(10ml) 1 ヘッドバンド 1

    シリンジ(2.5ml) 3 挿管チューブ(5.0) 2 6 段目

    シリンジ(5ml) 3 挿管チューブ(5.5)カフなし 2 加圧バック

    シリンジ(10ml) 5 挿管チューブ(6.0)カフなし 2 Aラインルート

    シリンジ(20ml) 5 挿管チューブ(5.5) 2 輸液セット(大人用) 2

    ロックつきシリンジ 10 ml 3 挿管チューブ(6.0) 2 輸液セット(小児用) 1

    ロックつきシリンジ 20 ml 3 挿管チューブ(6.5) 2 シュアプラグ輸液セット 20 滴

    (SP-TW30PO2)

    血液ガスキット 2 挿管チューブ(7.0) 2 延長チューブ(X2-100) 3

    3 段目 挿管チューブ(7.5) 2 三方活栓 5

    ペンライト 挿管チューブ(8.0) 2 保護栓 3

    マジック 1 ネーザルエアウェイ(6.0) 1 テガダーム 2

    はさみ 1 ネーザルエアウェイ(7.0) 1 エラテックステープ3号

    (2.5cm)

    胃管(12Fr) 1 ネーザルエアウェイ(8.0) 1 布判 25 ㎜ 1

    胃管(14Fr) 1 スタイレット(成人用) 1 駆血帯 1

    胃管(16Fr) 1 マギール鉗子 1 アルコール綿花 10

    滅菌手袋(6.0) 1~2 吸引チューブ バックバルブマスク一式

    マスク(大・小)

    1

    滅菌手袋(6.5) 1~2 バイドブロック

    滅菌手袋(7.0) 1~2 エアウェイ 酸素チューブ 1

    滅菌手袋(7.5) 1~2 酸素マスク 背板

    滅菌手袋(8.0) 1~2 膿盆

    未滅菌手袋 ビニール袋

  • (11)ソル・メルコート500mg

    (12)オノアクト50mg

    (13)ペルジピン注射液10mg

    (14)ソル・コーテフ100mg

    (15)ミリスロール注

    5mg/10ml

    (16)静注用キシロカイン2%

    (18)リスモダンP静注50mg

    (19)ワソラン静注5mg

    (20)メキシチール

    点滴静注125mg

    -64-

    (22)ノルアドレナリン注1mg

    (23)エフェドリン「ナガヰ」注射

    液40mg

    救急カート内常備薬の標準配置

    (1)大塚糖液50%(2)ノボ・ヘパリン

    5千単位/5ml(3)ラシックス20mg

    (4)生理食塩液 (5)注射用水 (7)大塚塩カル注2% (8)メイロン静注7%(6)ネオフィリン250mg

    (9)ドプポン注0.6%

    シリンジ300mg/50ml

    (10)イノバン注0.6%

    シリンジ300mg/50ml

    (17)アドレナリン注0.1%シリンジ

    (21)アトロピン硫酸塩注射液

    0.5mg

    劇劇劇

    劇劇

    劇 劇 劇

    (1)(2)

    (3)

    (4)

    (5)(6) (7) (8)

    (9)(10)

    (11)

    (12)(13)

    (14)

    (15)

    (16)

    (17)

    (18) (19) (20)

    (21)

    (22)(23) 劇劇

    劇劇

  • -65-

    7.造影剤使用検査

    医 師 ・ 看 護 師 ・ 診療放射線技師

    (1) 患者確認は,ネームバンド(入院),外来基本カード・診察券(外来)で行う。

    (2) 絶食を確認する。

    (3) カルテ内の造影剤使用時の同意書(問診表)の有無および内容を確認する。

    (4) 患者に造影剤使用の説明を行う。

    (5) 外来患者の場合、アルコール綿によるアレルギーの有無を確認し、検査内容に応じて

    ルート確保を行う。

    (6) 入院患者の場合、ルート確保の有無を確認する。

    (7) 造影剤の確認を行う。

    (8) 静脈ラインに漏れの無いことを確認し、造影剤と接続する。

    (9) 造影剤注入のスピードを指示する。

    (10) 造影剤の注入漏れの有無を確認する。

    (11) 造影剤注入後、副作用の無いことを確認する。

    (12) 造影剤による副作用出現時は医師に報告し、マニュアルに沿って対応を行う。

    (13) 遅発性副作用を説明する。

    (14) 静脈確保を解除し、テープで穿刺部位を圧迫固定し、止血を確認する。

    (15) 水分補給を促す。

  • -66-

    8.化学療法

    化学療法開始前

    (1)主治医は、治療開始前に化学療法について書面と口頭で患者・家族へ説明を行い、同意を得る。

    院内指定の同意書は、電子カルテのコンテンツから作成できる。

    (2)主治医は、レジメンオーダーシステムよりレジメンパスを適応し、抗がん剤、前投薬、支持療法のオー

    ダー入力を行う。

    (3)看護師は、レジメン個人指示注射指示内容を確認し指示受けを行う。

    (4)薬剤師は、内容が適切か確認し、疑義がある場合は医師に確認する。

    化学療法当日

    (1)医師は、実施日当日までに、実施確定入力を行う。

    (2)薬剤部は、実施確定後プロトコール内容、量、前投薬を確認し、調剤作業を開始する。

    (3)調剤され、払い出された薬剤を「安全対策マニュアル」注射の項目に基づき確認・準備する。使用薬

    剤によっては適切なルート(PVCフリーなど)を選択する。

    (4)使用薬剤によっては、アレルギー予防の前投薬を投与し、必要時モニターを装着してから投与する。

    (5)薬剤を患者とともに声を出し確認し、PDA認証を行う。

    (6)抗がん剤の投与前、更新時、終了時には挿入部の確認を行う。

    (7)末梢ラインから投与の場合は、原則として輸液ポンプは使用しない。

    (8)抗がん剤曝露予防に留意し、接続・更新の際はサージカルマスク、ラテックス手袋の装着を行う。

    廃棄時、注射器・ルート類は、ビニール袋に入れてから破棄する。

    参考資料:抗がん剤投与管理手順

    Do Not!! 投与量間違い・患者誤認

  • -67-

    9.中心静脈カテーテル固定について

    カテーテルは、挿入の長さを確認できるようにカテーテルにある目盛りが見えるように固定する。

    カテーテルの種類に応じて以下のように固定する。

    1.ウイングを使用しない、又はウイングのないカテーテル ニプロ バイオラインカテーテルキット等

    (1)2 カ所以上で皮膚に固定する。

    (2)カテーテルで輪をつくり、直接カテーテル刺入部に緊張がかからないようにする。

    2.ウイングを使用したカテーテル アーガイル マイクロニードル セルジンガーキット

    アロー 中心静脈カテーテルキット等

    (1)カテーテルを直接挟み込む器材をカテーテルとともに糸で固定する。

    ○アーガイル マイクロニードル セルジンガーキットのフィクスチャーウイング

    ○アロー 中心静脈カテーテルキットのカテーテルプラグ

    アーガイル カテーテル アロー カテーテル

  • -68-

    (2)側面のウイングを皮膚に固定する。

    ○アーガイル マイクロニードル セルジンガーキットのフィクスチャーウイング

    ○アロー 中心静脈カテーテルキットのカテーテルプラグは、

    カテーテルブルークランプを被せてから皮膚に縫合する。

    アーガイル カテーテル アロー カテーテル

    (3)注意事項

    アーガイル マイクロニードル セルジンガーキットのフィクスチャーウイングは、

    フィクスチャーを被せにくく、場合によっては、カテーテルが固定されないことがあるので注意が必要で

    ある。

    原則として、カテーテルの固定は、付属の固定具を用いて皮膚固定する。

    抜去の危険性があり、カテーテルに直接糸をかけて固定する場合は、締めすぎによる閉塞や切断の

    危険性があるので注意する。

  • -69-

    10.静脈用皮下埋め込み式ポート管理方法

    Ⅰ.皮下埋め込み式ポートの特徴

    採血、注射、造影剤の注入を経静脈血管に繰り返しアクセスすることが必要な患者の治療に適応される。

    1.禁忌

    使用器材の種類によっては使用できない薬剤がある。

    [抗癌剤(VP16 など)、アルコールなど使用前の確認が必要である。]

    アレルギー反応の患者、又はポートのサイズに比し身体が小さすぎる場合も埋め込みはできない。

    2.合併症

    手術による合併症、出血、感染、炎症、血腫やびらんなど

    ポートによる拒絶反応

    ポートの回転または突出、カテーテルの閉塞、カテーテルの位置異常や断裂

    気胸、血胸、心タンポナーデ、不整脈、感染症、血栓、溢出、空気塞栓、腹膜炎など

    3.埋め込み方法

    無菌的に外科的処置にて行う。

    術後は、レントゲン検査で部位の確認をする。位置の確認後は使用可能である。

    Ⅱ.刺入方法

    1.必要物品

    (1)消毒用セット

    (2)生理食塩水、ヘパリン Na ロック 10 シリンジ、ヘパリン Na ロック 100 シリンジ 、

    ヘパリン 3000 単位の 4種類から一つを選択する

    (3)注射器(圧力をかけ過ぎないため10ml 以下の注射器は使用しない)

    (4)ヒューバー(Huber)針(ノンコアリングウイングニードル等)

    (5)注入点滴ライン

    (6)Y ガーゼ

    (7)ガーゼ

    (8)絆創膏

    (9)輸液バッグなど

    2.手順

    (1)手洗いをする。

    (2)ポート周囲の皮膚をイソジンで消毒する。

    (3)生理食塩水を入れた 10ml の注射器を接続したヒューバー針を持ち、もう一方の手の第一指、第

    二指でポートを固定し[カチッ]と手応えがあるまで(ポート本体底面にあたるまで)垂直に穿刺、血

    液の逆流を確かめる。(刺入部位は毎日少しずつかえる。)

    (4)穿刺後、ヒューバー針の下にYガーゼを置き、ヒューバー針の固定の高さを調節する。

    (5)ヒューバー針が傾いたり揺り動かしたりしないようにヒューバー針の翼状部と注入輸液ラインを絆

    創膏で固定する。

    (6)輸液を開始し滴下状態を確認する。(原則的に輸液ポンプは使用しない。)

  • -70-

    Ⅲ.抜去方法

    1.生理食塩水、又はヘパリン(ヘパリンNaロック10シリンジ、ヘパリンNaロック 100シリンジ 、ヘパリン

    3000 単位等のうちから一つ)を注入する。

    シリンジの内筒に陽圧を加えて陰圧による血液逆流を防止する。

    2.片手でポートを固定し、ヒューバー針を垂直(まっすぐ上)に抜去する。

    3.アルコール綿で消毒する。

    4.止血を確認し、注射バンで覆う。

    5.入浴は、抜針後 2時間以上経ってから行う。

    Ⅳ.注意事項

    1.化学療法を施行する場合は、原則的に逆流確認が望ましい。

    使用器材によっては逆流防止弁がついているものもあり、診察科に使用の確認をする。

    2.ヒューバー針留置時の逆流を確認する場合は、10ml の注射器を使用する。

    3.ヒューバー針の穿刺部位は毎日少しずつかえ、痂皮形成、ポートの膜の破損、疼痛過敏を予防する。

    4.長期連日使用(針の刺しっぱなし)の場合は、ルート交換に合わせ週に 2回程度、針を交換する。

    5.穿刺部位の観察を行う。

    患者が痛みや異常な感覚の訴える時は、薬液の漏れが考えられるため直ちに注入を中止し、

    医師に報告する。

    6.滴下不良の原因

    (1)ヒューバー針の不完全穿刺

    (2)カテーテルの閉塞または血管閉塞

    (3)カテーテル先端の位置異常あるいはカテーテルの断裂

    7.ポートを長期に使用しない場合は、2~4週間ごとにヘパリンロックを行う。

  • -71-

    11.骨髄穿刺

    医 師 看 護 師

    (1)患者に検査目的を説明し同意を得て、同意書

    に記載して頂く。

    (2)患者氏名を呼称しネームバンドで確認する。

    (3)局所麻酔剤によるアレルギー反応の既往を確

    認する。

    (4)穿刺部位を中心に皮膚消毒を行う。

    (5)滅菌手袋を装着する。

    (6)局所麻酔を行う。

    (7)穿刺針抜去後、イソジン消毒をし、滅菌ガーゼ

    で止血する。

    (8)止血確認し滅菌ガーゼで圧迫する。

    腸骨穿刺の場合

    *まずは腸骨での穿刺を第一選択とする。

    (1)両手で両側の腸骨稜を確認し、上後腸骨棘を同

    定する。

    (2)穿刺部位をマーキングする。

    (3)骨膜に直角に麻酔薬が浸潤するように局所麻酔

    を行う。

    (4)穿刺針を回転させながらゆっくりと進めていく。

    (5)その際にストッパーを用いるか、でなければ自ら

    の指をストッパー代わりとする。

    (6)骨髄を穿刺し抵抗が軽くなることで針先が骨髄腔

    内に到達したことを確認する。

    (7)疼痛が強い場合には針先を進めるのをやめて、

    穿刺部位や穿刺針の変更もしくは麻酔薬の追

    加を検討する。

    (8)穿刺針の内針を抜きシリンジをつけて骨髄液を吸

    引する。

    (9)必要量の骨髄液が採取できれば骨髄穿刺針を抜

    針する。

    (10)圧迫止血し、出血がないことを確認してから消

    毒し、ガーゼを当てて仰臥位で 30 分間の安静を

    指示する。

    上後腸骨棘での穿刺が困難な場合、次には上前腸骨

    棘を考慮する。

    胸骨からの穿刺は専門医への相談を検討する。

    (1)患者が医師の説明に納得し、同意している

    ことを確認する。

    (2)患者氏名を医師とともにネームバンドで確認

    する。

    (3)環境を整え、バイタルサインをとり、患者の

    準備を確認する。

    (4)患者の体位(腸骨穿刺の場合、腹臥位)を

    整え、穿刺部位を必要最小限に露出する。

    (5)必要物品を医師に渡す。

    (6)骨髄液吸引時強い痛みがあるが、動いたり

    手を出したりしないように説明しておく。

    (7)穿刺針抜去後、イソジン消毒・滅菌ガーゼを

    医師に渡す。

    (8)ガーゼを当て沈子で圧迫する。

    (9)仰臥位になり患者のバイタルサイン・全身状

    態を確認後 30 分の安静を守る。

    (10)30 分後に穿刺部位に異常がないか確認

    し、止血できていれば沈子を除去する。

    (11)穿刺部を絆創膏で固定する。

  • -72-

    12.腰椎穿刺

    医 師 看 護 師

    (1)患者に検査目的を説明し同意を得る。

    (2)患者氏名を呼称しネームバンドで確認する。

    (3)体位は処置台の縁に患者の背中がくるような

    側臥位をとらせ、腰椎が十分出るように丸くなる

    ように指示する。

    (4)穿刺部位(L4/5 もしくは L3/4)を中心に皮膚

    消毒を 2 回行う。

    (5)滅菌手袋をつけ穿刺部に穴開き覆布をかける。

    (6)局所麻酔を行う。

    (7)腸骨稜でL4/5(L3/4)を再度確認し、穿刺部

    に垂直に針を穿刺する。

    (8)脊髄腔に刺入すると、穿刺針の内筒を抜いて髄

    液の滴下を確認する。

    (9)髄液圧測定を行い、髄液を滴下で採取する。

    (10)針を抜去し、穿刺部を消毒する。

    (11)滅菌ガーゼで圧迫する。

    (12)検査後 2 時間はベッド上での安静臥床を患者

    に指示する。

    (1)患者が医師の説明に納得し、同意していること

    を確認する。

    (2)患者氏名を医師とともにネームバンドで確認す

    る。

    (3)環境を整え、バイタルサインをとり患者の準備を

    確認する。

    (4)患者の腰背部が処置台の縁に一直線にくる

    位置で側臥位にし、頭の下に枕を入れ、両肩

    および骨盤が処置台に対して垂直になるように

    する。

    (5)頭部及び上半身を前屈、膝及び股関節を強く

    屈曲させ、患者本人に下肢を抱きかかえさせ、

    椎間腔を広げるためにエビのように腰部を突出

    させる。ベッドからの転落、ルート・カテーテル類

    の敷きこみや引っ張りに注意し、体位を保持

    する。

    (6)不潔にならないようにする。

    (7)局所麻酔薬の薬品名、濃度、有効期限を確認

    する。

    (8)穿刺痛に伴う体動に注意し、確実な体位の保持

    に努める。

    (9)下肢のしびれや電撃痛、頭痛の有無と程度を

    観察する。

    (10)検体スピッツは滅菌した物を使用する。

    (11)止血を確認する。

    (12)意識レベル、バイタルサイン、瞳孔、穿刺後頭

    痛や穿刺後腰痛の有無と程度を観察し、異常

    がある場合は医師に連絡する。特に髄液圧が

    高かった場合は脳ヘルニアを起こす可能性が

    あるので注意する。また、髄液漏出による低髄

    圧症状(頭痛、嘔気・嘔吐)にも注意する。

  • -73-

    13.腹腔穿刺

    医 師 看 護 師

    (1)患者に検査目的を説明し文書にて同意を得る。

    (2)患者氏名を呼称しネームバンドで確認する。

    (3)患者に処置中の体位、注意事項について説明

    する。

    1)穿刺時は呼吸を一時止める。

    2)穿刺時は咳や深呼吸をしない。

    3)痛み、気分不快などの異常があれば、

    体を動かさず、口頭で伝える。

    (4)超音波検査にて穿刺部位を確認する。

    (5)穿刺部位を穿刺する。

    (6)腹水を多量に抜く場合は、穿刺針が抜けない

    ように固定する。

    (7)腹水を抜く場合は、時間 1 リットルを越えない

    ように、量と時間を調節する。

    (8)穿刺部痛、気分不快などはないか、患者の状態

    を観察する。

    (9)穿刺針を抜去する。

    (10)止血を確認し滅菌ガーゼで圧迫固定する。

    (1)患者が絶食している事を確認する。

    (2)患者が医師の説明に納得し、同意していること

    を確認する。

    (3)患者氏名を医師とともにネームバンドで確認

    する。

    (4)環境を整え、バイタルサインをとり患者の準備を

    確認する。

    (5)穿刺痛に伴う体動に注意し、体位の保持に

    努める。

    (6)腹水が血性の場合は、患者の目に触れない

    ように配慮する。

    (7)適宜バイタルサインを測定し患者の状態を確認

    する。

    (8)穿刺針抜去後滅菌ガーゼで保護する。

    (9)穿刺後の患者の状態を確認する。

    (10)患者に終了したことを告げ、安楽な体位を

    保持する。

    (11)医師に安静度を確認し患者に説明する。

    (12)排液の量、性状、出血、血圧の変動、穿刺部

    痛、腹囲、漏出液の状態、患者の一般状態な

    どを観察し、記録する。

    (13)物品の片づけ時は、未滅菌手袋を着用し使用

    後の針の本数とセット内容が揃っているか確認

    する。

  • -74-

    14.胸腔穿刺

    医 師 看 護 師

    (1)患者に検査目的を説明し同意を得る。

    (2)患者氏名を呼称しネームバンドで確認する。

    (3)患者に処置中の体位、注意事項について説明

    する。

    1)穿刺時は呼吸を一時止める。

    2)穿刺時は咳や深呼吸をしない。

    3)痛み、気分不快などの異常があれば、体

    を動かさず、口頭で伝える。

    (4)超音波検査にて穿刺部位を確認する。

    (5)IVH、PTCD セットを準備する。

    (6)穿刺部位を消毒した後、局所麻酔を行う。

    (7)穿刺部位を穿刺する。

    胸水を多量に抜く場合は、穿刺針が抜けない

    ように固定する。

    (8)量と時間を調節する。

    (9)穿刺部痛、気分不快などはないか、患者の

    状態を観察する。

    (10)穿刺針を抜去する。

    (11)止血を確認し滅菌ガーゼで圧迫固定する。

    (1)患者が医師の説明に納得し、同意しているこ

    と、承諾書があることを確認する。

    (2)患者氏名を医師とともにネームバンドで確認

    する。

    (3)環境を整え、バイタルサインをとり患者の準備

    を確認する。

    (4)指示された体位の準備を確認する。

    (5)穿刺時、介助を行う。

    (6)穿刺針抜去後滅菌ガーゼで保護し、その周囲

    のイソジンをハイポアルコールで拭き取る。

    (7)穿刺後の患者の状態を確認する。

    (8)患者に終了したことを告げ、安楽な体位を保

    持する。

    (9)医師に安静度を確認し、患者に説明する。

    (10)排液の量、性状、出血、血圧の変動、穿刺

    部痛、漏出液の状態、呼吸状態、疼痛など

    患者の一般状態を観察し、記録する。

    (11)物品の片づけ時は、未滅菌手袋を着用し、

    使用後の針の本数とセット内容が揃ってい

    るか確認する。

  • -75-

    15.胸腔ドレナージ

    医 師 看 護 師

    挿入前

    (1)患者に検査目的を説明し同意を得る。

    (2)患者氏名を呼称しネームバンドで確認する。

    挿入時

    (1)胸部X線、CT、超音波検査で挿入部位(左・右)

    を確認する。

    (2)持続吸引器、ドレーン、IVH、PTCD セットを準備

    する。

    (3)皮膚切開後の丁寧な剥離による胸腔内への到

    達を実施する。

    (4)挿入肋間を確認し、肋骨上縁から挿入する。

    (5)挿入後のドレーンはしっかりと皮膚に縫合糸で

    固定と外気胸を起こさないような縫合を行う。

    (6)テープでドレーンを固定する。

    ドレーン接続部は場合によっては、タイガンを

    使用し接続外れを予防する。

    (7)水封の呼吸性変動を確認する。

    (8)挿入後、胸部X線でドレーンの位置を確認す

    る。

    (9)排液量・性状の確認と再膨張性肺水腫の無い

    ことを確認する。

    (10)持続吸引の開始時期については、肺の虚脱

    時間等を考慮し決定する。

    抜去時

    (1)胸腔内に空気が流入しない様にすみやかに抜

    去する。

    (2)抜去後は胸部X線で胸部の状態を確認する。

    挿入前

    (1)患者が医師の説明に納得し、同意していること、

    承諾書があることを確認する。

    (2)患者氏名を医師とともにネームバンドで確認す

    る。

    (3)環境を整え、バイタルサインを測定し、患者の準

    備を確認する。

    挿入時

    (1)必要物品を確認する。

    (2)チェストドレーンバックの吸引圧・安静度を医師に

    確認し、吸引圧をチェストドレーンバックにわかり

    やすく表示する。

    (3)患者へドレーンの取り扱いについて説明する。

    挿入中のドレーンの管理

    (1)ドレーンの固定部、テープ固定、接続部の状態を

    確認する。

    (2)排液が 200ml/時以上ではないか確認する。

    (3)排液の量、性状、出血、血圧の変動、穿刺部痛、

    漏出液の状態、呼吸状態、疼痛など患者の一般

    状態を確認し、記録する。

    (4)胸腔ドレーン圧が指示通りであるか確認する。

    (5)エアーリークの有無を確認する。

    (6)チェストドレーンバックが確実に接続され持続

    吸引されているか確認する。

    (7)ガーゼ汚染の有無を確認する。

    (8)皮下気腫:呼吸状態、SpO₂の観察を行う。

    (9)チェストドレーンバッグの転倒に注意する。

    抜去時

    (1)必要物品を確認する。

    (2)バイタルサインを測定する。

    (3)抜去後呼吸状態を確認する。

    (4)安静度を医師に確認する。

    (5)抜去部位の皮下気腫・出血を確認する。

  • -76-

    16.羊水穿刺

    医 師 看 護 師

    (1)患者に検査目的を説明し同意書を作成する。

    (2)患者本人に氏名を名乗ってもらい、診察券、

    基本カードで確認する。

    (3)超音波検査を行い胎児、胎盤の位置を確認し

    穿刺部位を決定する。

    (4)穿刺部位を中心に皮膚消毒を行う。

    (5)滅菌の被布をかける。

    (6)21~23G 腰椎穿刺用針で穿刺し羊水の性状

    を確認しながら吸引する。

    (7)穿刺部位を消毒し滅菌ガーゼで止血する。

    (8)止血を確認したら再度、超音波検査にて胎児の

    心拍、胎動、子宮内への出血の有無を確認

    する。

    (9)分娩監視装置で子宮収縮の無い事を確認する。

    (1)患者が医師の説明に納得し、同意していることを

    確認する。カルテ内に同意書があることを確認

    する。

    (2)患者本人に氏名を名乗ってもらい、患者氏名を

    医師とともに診察券、基本カードで確認する。

    (3)排尿を済ませたか、腹部緊満がないか確認す

    る。

    (4)必要物品を清潔操作で用意する。

    (5)決定された穿刺部位をマーキングする。

    (6)羊水を吸引したシリンジを受け取り、患者氏名、

    ID番号、日付をマジックでシリンジ外筒に直接

    フルネームで記載する。

    (7)止血確認後、ハンザプラスト等を貼付する。

    (8)腹部緊満がある場合は施行医師に報告し指示

    を受ける。

    (9)帰宅後、腹部緊満や性器出血などの異常症状

    が出現した時の連絡先を説明し帰宅させる。

  • -77-

    17.上部消化管内視鏡

    医 師 看 護 師

    1)患者に検査目的を説明し同意を得る。

    (2)患者氏名はネームバンドや患者に名乗って

    もらい確認する。

    ※PEG の場合は、依頼科医師同伴で出棟する。

    (3)患者に検査中の体位、注意事項について説明する。

    1)左側臥位で右膝を曲げ、左膝は伸展し、

    首と肩の力を抜く。

    2)首を動かしたり、手を出したり、スコープを

    噛んだりしない。

    (4)患者の体位は左側臥位とする。

    (5)患者に開口を指示し、軽く上方アングルをかけ

    ゆっくりと挿入する。

    (6)咽頭の屈曲に合わせて口蓋垂の横を通過すると、

    画面上方に喉頭蓋が、その下方には声帯が見えて

    くるので、喉頭蓋に接触しないように、また気管の

    ほうに挿入しないように上方アングルをゆっくりと少し

    戻して、後壁に沿って進む。

    (7)咽頭部通過時、梨状窩部の穿孔をおこしやすいので

    抵抗がある場合は無理をしない。患者の協力が得

    られない場合は中止する。

    (8)終了後、胃部不快・咽頭痛・出血などの症状に注意

    し、何か異変があれば連絡するよう説明する。

    (9)外来患者が、鎮静剤使用時は 2 時間安静の後、

    公共機関か家人の送迎で帰宅する。

    (1)検査同意書を確認する。

    (2)患者に氏名を名乗ってもらい、ネームバンドを確

    認する(入院患者のみ)。

    (3)患者と共に問診票を確認し,義歯・眼鏡があれ

    ば外す(止血処置する場合は金属類を外す)。

    (4)絶食を確認する。

    (5)前処置を施行する。

    ①消化管内消泡剤とタンパク分解酵素薬を飲用

    する。

    (ただし、止血処置する可能性がある場合は分

    解酵素薬は飲用しない。)

    ②咽頭麻酔を施行する(キシロカインビスカス

    5ml を口内に含み、3 分後に紙コップに吐き出

    す)。

    ③既往歴・内服薬などの情報を確認する。胃蠕動

    がある場合は、医師の指示でミンクリア(胃蠕動

    運動抑制剤)を使用する。

    (6)患者を検査ベッドへ誘導し、患者と共に TV モニ

    ター画面の名前・ID・生年月日を確認する。

    (7)左側臥位にて検査体位をとり、マウスピースを

    咥えてもらう。

    (8)検査中は首と肩の力を抜いて、リラックスするよ

    う声掛けする。

    ①呼吸は鼻から息を吸って、口から吐く。

    ②唾液は飲み込まずに吐き出す。

    (9)検査終了後、胃上部内視鏡検査を受けられた方

    へのパンフレットに沿って説明する。

  • -78-

    18.下部消化管内視鏡

    医 師 看 護 師

    (1)患者氏名はネームバンドや患者に名乗ってもらい

    確認する。

    (2)患者に検査目的を説明し同意を得る。

    (3)患者に検査中の注意事項について説明する。

    (4)必要により先端フードを装着し左側臥位でスコープを

    挿入する。

    (5)直腸挿入後、RS へ進む。屈曲が強く入りにくい場合

    は、恥骨上部を圧迫 SD junction、脾弯曲通過時も

    同様に体位変換圧迫する。

    (6)挿入時はできるだけ送気を控え最小限の送気に

    とどめる。

    (7)スコープの位置と管腔方向を確認しながら進めて

    いく。

    (8)軸保持短編法、ループ形成解除法のいずれにしても

    挿入困難時は適宜、体位変換をしながら進める。

    (9)盲腸開口部、バウヒン弁を確認する。

    (10)奥まで到着したら、送気しながらポリープ等がない

    か観察しながら抜いてくる。

    (11)ポリープ等あれば、生検、色素、拡大などで観察す

    る。

    ・EMRが必要な場合は、患者の承諾を確認後、施行

    する。

    ・痛みが強く患者の協力が得られない場合は、鎮静剤

    も考慮する。

    EMRの可能性ある場合、術後安静が必要なことや、

    場合により入院になることも説明しておく。

    (12)最後、肛門部反転させ観察をする。

    (13)穿孔等の恐れのある場合は、ただちにスコープ抜去

    し、CT等で確認する。

    (14)検査終了後は、患者の状態に変化がないか確認

    する。

    (1)検査同意書を確認する。

    (2)排便状態を確認する。

    (3)検査室に案内する。

    (4)患者に氏名を名乗ってもらい、ネームバンドを

    確認する(入院患者のみ)。

    外来患者は、モニター画面で氏名・生年月日を

    確認してもらう。

    (5)患者と共に問診票を確認し、止血処置やEMR

    をする場合は金属類を外すように説明する。

    (6)検査用下着に着替えてもらう。

    (7)医師に既往歴を報告し、鎮痙剤の指示をもらい

    注射する。

    (8)左側臥位になってもらい検査を開始する。

    (9)検査中は力を抜き、腹部膨満など苦しい時は

    知らせるように説明する。ガスは我慢しないよう

    に説明する。

    (10)途中、体位変換、用手圧迫など介助をする。

    (11)検査終了後、肛門周囲のゼリーを拭き取り検査

    室内で着替えてもらう。

    (12)検査後の食事や、検査後の注意について説明

    する。

    (13)医師から説明があるので、外待合で待って

    もらう。

  • -79-

    19.血液浄化療法

    1.入室時における確認

    (1)患者自身に、「名前」を名乗ってもらい、看護師はネームバンドで確認する。

    (2)透析時採血がある場合は、オーダー番号と採血スピッツを PDA で確認する。

    (3)患者を透析ベッドに誘導する。ベットネームの氏名を確認する。

    (4)移動時は、ドレーン、チューブ類に注意し、事故抜去のないようにする。

    (5)透析ベッド移乗時は、病棟・透析ベッド、車椅子、ストレッチャー等のストッパーを固定する。

    (6)看護師は体重測定の際、病棟からの子機モニタや私物等が患者のポケット内にないことを確認する。

    ①立位で体重測定が可能な場合は、バリアフリースケールの‘0’を確認した後、患者さんに靴を脱い

    でいただき、体重測定を行う。

    ②立位ができない場合は、スケールベッドで行う(ベッド、枕、布団やベッドのリモコンが柵に掛かって

    いることを確認し、‘0’を確認したスケールベッドに横になる)。体重測定時は点滴・チューブ類が透

    析ベッドに接触していないことを確認し、体重測定を行う。

    (7)患者に患者監視装置(心電図、血圧計、SpO2 など)を装着し、モニタリングを行う。

    2.透析開始時・透析中

    (1)ME はシャントを触診・聴診し、狭窄、閉塞がないか確認する。シャント不良があれば、透析担当医に

    報告、指示を受ける。

    (2)ME は穿刺部を消毒し、穿刺する(バスキュラーアクセス留置用カテーテルの場合は血塊・逆血を確認

    する)。

    (3)ME は患者の透析条件に合わせて、機器の設定を行う。その際、DW が未設定の患者は、透析担当医

    に確認する。その後、除水量を決定し、透析を開始する。

    (4)透析開始後、看護師は、自然抜去されないように穿刺針、回路の固定を行う。

    (5)看護師は、透析条件を確認し、透析条件チェックリストに記載し、ダブルチェックをする。

    (6) Vital Sign を測定(基本 30 分毎)し、電子カルテに入力する。

    (7)患者の状態、シャント確認(出血、抜針予防など)、患者監視装置、回路の観察(表示圧力、脱血不

    良、凝血塊の有無など)を観察する。

    (8)Vital Sign が不安定な患者は状態に合わせて 10~15 分毎にチェックし、透析担当医師に報告する。

    (9)ME は、透析中に投与指示のある抗生剤等の点滴注射は、投与時間を透析担当医に確認する。

    (10)抗凝固剤の OFF が必要な患者には、医師の指示のもと ME が施行する。

  • -80-

    3.透析終了時

    (1)透析終了時、医師、ME が回収を行い、ME、看護師は止血を行う(2 名で行う)。

    (2) ME、看護師はシャント音の触診・聴診し、異常がある場合は透析担当医に報告する。

    (3)バスキュラーアクセス留置用カテーテル挿入の患者の刺入部の確認を行い、透析担当医は必要に応

    じて、指示または処置を行う。

    (4)透析前体重測定と同じ条件下で、透析後体重測定をする。

    (5)電子カルテに入力し、バランスを確認する。

    (6)迎えが必要な際は、搬送方法(ベッド、ストレッチャー、車椅子、付き添い)を確認し、病棟に連絡す

    る。

    (7)透析終了後、病棟看護師に申し送りを行い、患者が退室するまで注意する。

  • -81-

    20.気管支鏡検査

    医 師 看 護 師

    (1)患者に検査目的を説明し同意を得る。

    (2)患者氏名はネームバンドや患者に名乗って

    もらい確認する。

    (3)患者に検査中の体位・注意事項について説明する。

    ・肩の力を抜く。

    ・首を動かしたり、手を出したり、スコープを噛んだり

    しない。

    (4)患者の体位は仰臥位とする。

    (5)患者に開口を指示し、マウスピースを咥えてもら

    う。

    (6)気管支鏡をゆっくりと挿入する。

    1)咽頭蓋を確認し、その奥の声門・声帯を確認する。

    声帯通過時に咳嗽反射が抑えられていることを

    確認する。

    2)検査中は血圧・酸素飽和度に注意しつつ手技を

    行う。

    3)患者の不安が強く、協力が得られない場合は呼吸

    抑制に注意しつつ鎮静剤を用いる。

    酸素飽和度が低い場合は適時酸素投与を行う。

    (7)終了後、咽頭痛・発熱・出血の有無、意識レベルの

    チェック、呼吸状態の確認を行う。患者へ咽頭痛・

    発熱・出血等、何か異変あれば連絡するよう説明

    する。

    (8)外来患者には、車の運転を 2 時間位はしないよう

    説明する。

    (1)同意書・問診票を確認する。

    (2)患者に氏名を名乗ってもらい、本人であることを

    確認する。

    入院患者の場合はネームバンドで確認する。

    (3)問診票で既往歴を確認する。

    (4)施行医に前投薬を確認後、指示された薬剤を

    注射する。

    (5)キシロカインビスカスで咽頭麻酔(3 分)後、ジャ

    クソンスプレーで医師が咽頭麻酔を行う。

    (6)検査室に案内し、モニター画面で氏名・生年月

    日を確認してもらう。

    (7)経鼻カニューラー装着後、指に酸素モニターを

    つける。

    (8)検査中は会話が出来ないので、苦しくなったら

    手を挙げ、合図をするように説明する。

    (9)検査終了後は、2 時間絶飲食、ベッド上安静を

    説明し、外来または病棟に連絡する。